(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104356
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】神経再生のための飲食品
(51)【国際特許分類】
A23L 33/12 20160101AFI20170316BHJP
【FI】
A23L33/12
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-256885(P2015-256885)
(22)【出願日】2015年12月28日
(62)【分割の表示】特願2014-141(P2014-141)の分割
【原出願日】2007年12月27日
(65)【公開番号】特開2016-65097(P2016-65097A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2016年1月25日
(31)【優先権主張番号】特願2006-355854(P2006-355854)
(32)【優先日】2006年12月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(72)【発明者】
【氏名】紺谷 昌仙
(72)【発明者】
【氏名】石倉 義之
(72)【発明者】
【氏名】大隅 典子
(72)【発明者】
【氏名】前川 素子
【審査官】
中尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−048831(JP,A)
【文献】
特開2006−083136(JP,A)
【文献】
特開2006−083134(JP,A)
【文献】
特開2006−180877(JP,A)
【文献】
KOTANI,S. et al.,"Dietary supplementation of arachidonic and docosahexaenoic acids improves cognitive dysfunction",Neurosci. Res.,2006年10月,Vol.56,No.2,P.159-164
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 33/12
A61K 31/20
A61K 31/202
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を有効成分として含有し、当該化合物がアラキドン酸のアルコールエステル又は構成脂肪酸の一部もしくは全部がアラキドン酸であるトリグリセリド、リン脂質もしくは糖脂質である、神経再生のための飲食品。
【請求項2】
ニューロン新生作用又はニューロン新生促進作用による、請求項1に記載の飲食品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の飲食品の製造のためのアラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を有効成分として含有して成る神経再生
のための飲食品に関する。
【背景技術】
【0003】
神経に分化しうる内在性の神経幹細胞は極めて少なく、脳血管障害等により退化する細胞を十分に補充することができないので、外部からの入手(具体的には、胎児由来の神経幹細胞やヒトES細胞)に依存しなければならず、倫理性や移植抗原性といった問題がある。また、目的とするニューロンへ正確に分化させる技術が確立されておらず、機能の再生に至っていない。そして、中枢神経系を再生する再生医療についても、中絶胎児脳を用いる方法であることに起因する問題があり一般的な利用としては応用されていない。
【0004】
近年、成体の脳でも海馬等において新しくニューロンが産生される(これを「神経新生」もしくは「ニューロン新生」と呼ぶ)ということが報告された。これにより、患者の脳内に内在する神経幹細胞を薬剤などで刺激して再生を誘導し、神経疾患を治療する方法が検討されている(例えば、線維芽細胞増殖因子−2(非特許文献1)、NGF(非特許文献2)など)。しかし、いずれも蛋白質あるいは蛋白性の因子を脳内に注入することが必要であり、一般的な医療へと応用することが困難であることから、このような蛋白質に代わる低分子化合物としてサルビアノール酸B(特許文献1)やリチウムまたはその薬理学的に許容される塩(特許文献2)などが提案されている。
【0005】
また、最近では、経口投与により母マウスにタウリンを負荷し、母乳を介して胎児マウスに負荷を与えた場合に、BrdUの腹腔内投与によりニューロン発生を観察した結果、明らかに海馬のニューロンの新生の増強を認めたという報告もある(非特許文献3)。さらに、3世代に渡りDHA(ドコサヘキサエン酸)を欠乏させた老齢ラットに、DHAを投与することによって、海馬のニューロンの新生が更新することも報告されている(非特許文献4)。さらに、うつ病と神経新生の低下に関係があることが指摘されている。
【0006】
一方、アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物については、脳機能低下に起因する症状の改善作用、具体的には、老齢動物をモリス型水迷路試験に供して、加齢に伴う学習能の低下をアラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を投与することに改善することが明らかにされている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006-76948号公報
【特許文献2】国際公開WO2004/91663号パンフレット
【特許文献3】特開2003-48831号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Pro.Nat.Acad.Sci.USA, 5874-5879 (2001)
【非特許文献2】Cell, 110, 429 (2002)
【非特許文献3】第173回必須アミノ酸研究協議会プログラム 第1頁 2003年
【非特許文献4】Neuroscience, 139, 991-997 (2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、容易に利用可能な神経再生
のための飲食品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、アラキドン酸を含有するトリグリセリド(構成脂肪酸の一部又は全部がアラキドン酸であるトリグリセリドを含有するトリグリセリドと同義)を経口投与により母ラットに負荷し、母乳を介して乳児ラットに負荷を与えたところ、乳児ラットにおいて海馬のニューロンの新生が増強されることを見出し
、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明は、アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を有効成分として含有して成る神経再生
のための飲食品を提供する。
【0011】
前記アラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物は、例えば、アラキドン酸のアルコールエステル又は構成脂肪酸の一部もしくは全部がアラキドン酸である、トリグリセリド、リン脂質もしくは糖脂質である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、アラキドン酸不添加飼料摂取ラット(対照)とアラキドン酸添加飼料摂取ラットとドコサヘキサン酸添加飼料摂取ラットにおけるニューロンの新生を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を有効成分として含有して成る神経再生
のための飲食品に関するものである。
【0014】
本発明の神経再生
のための飲食品は、ヒトだけでなく非ヒト動物に対しても有用である。ここで、非ヒト動物とは、産業動物、ペットおよび実験動物を表し、より詳細には、産業動物とは、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギ、ヒツジ等の家畜や競走馬、猟犬等を表し、ペットとはイヌ、ネコ、マーモセット、ハムスター等を表し、実験動物とはマウス、ラット、モルモット、ビーグル犬、ミニブタ、アカゲザル、カニクイザル等の医学、生物学、農学、薬学等の分野で研究に共用される動物を表すがこれらに限定されない。好ましい非ヒト動物は、イヌ又はネコのようなペットとして飼育されるペット動物である。
【0015】
本発明でいう神経再生
のための飲食品とは、ヒト又は動物の脳内の神経幹細胞に作用してニューロン新生を促進し、脳内のニューロンを増加させる作用を有するものをいう(本明細書中、ニューロン新生促進剤と呼ぶこともある)。
【0018】
本発明
の飲食品において、有効成分であるアラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物の配合量は、本発明の目的が達成される限り特に限定されず、適宜適当な配合割合で使用が可能である。そして、こ
の投与量は、年令、体重、症状、投与回数などにより異なるが、例えば、成人(約60kgとして)1日当たり本発明のアラキドン酸およびアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を、アラキドン酸量換算として、通常約0.001g〜10g、好ましくは約0.01g〜1g、より好ましくは約0.05〜0.5g、最も好ましくは約0.1g〜0.3gを1日1〜3回で投与するのがよい。
【0019】
本発明の神経再生
のための飲食品は
、アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を単独で、あるいはアラキドン酸を実質的に含有しない、あるいは含有していても僅かな飲食品原料とともに配合し
ても提供することもできる。
【0020】
ここで、飲食品とは、一般食品の他、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品、未熟児用調製乳、乳児用調製乳、乳児用食品、妊産婦食品又は老人用食品、ペット用サプリメント(動物栄養補助食品)を包含する動物用飲食品等を挙げることができる。
【0021】
前記飲食品は、油脂を含む食品、例えば、肉、魚、またはナッツ等の本来油脂を含む天然食品、スープ等の調理時に油脂を加える食品、ドーナッツ等の熱媒体として油脂を用いる食品、バター等の油脂食品、クッキー等の加工時に油脂を加える加工食品、あるいはハードビスケット等の加工仕上げ時に油脂を噴霧または塗布する食品等として用いることもできるし、さらに、油脂を含まない、農産食品、醗酵食品、畜産食品、水産食品、または飲料に添加することもでき、その使用形態に何ら制限されるものではない。したがって、通常各種食品に使用される添加剤等を含むこともできる。特に本発明の有効成分の酸化劣化を防ぐ目的で抗酸化剤を含むことが望ましい。
【0022】
抗酸化剤として、例えば、トコフェロール類、フラボン誘導体、フィロズルシン類、コウジ酸、没食子酸誘導体、カテキン類、フキ酸、ゴシポール、ピラジン誘導体、ゴマリグナン類(セサミン、エピセサミン、セサミノール、セサモールなど)、グァヤコール、グァヤク脂、p-クマリン酸、ノールジヒドログァヤテチック酸、ステロール類、テルペン類、核酸塩基類、カロテノイド類、リグナン類などのような天然抗酸化剤およびアスコルビン酸パルミチン酸エステル、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、モノ−t−ブチルヒドロキノン(TBHQ)、4-ヒドロキシメチル-2,6-ジ−t−ブチルフェノール(HMBP)に代表されるような合成抗酸化剤を挙げることができる。
【0023】
トコフェロール類では、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、ε−トコフェロール、ζ−トコフェロール、η−トコフェロールおよびトコフェロールエステル(酢酸トコフェロール等)等を挙げることができる。さらに、カロテノイド類では例えば、β−カロテン、カンタキサンチン、アスタキサンチン等を挙げることができる。
【0024】
上記抗酸化剤のほか、溶解補助剤、緩衝剤、溶解促進剤、ゲル化剤、懸濁化剤、小麦粉、米粉、でん粉、コーンスターチ、ポリサッカライド、ミルクタンパク質、コラーゲン、米油、レシチンや各種添加剤(例えば、ビタミン類、甘味料、有機酸、着色剤、香料、湿化防止剤、ファイバー、電解質、ミネラル、栄養素、抗酸化剤、保存剤、芳香剤、湿潤剤、天然の食物抽出物、野菜抽出物)などを挙げることができるが、これらに限定しているわけではない。
【0025】
アラキドン酸およびアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物の主薬効成分はアラキドン酸にある。アラキドン酸の1日当たりの食事からの摂取量は関東地区で0.14g、関西地区で0.19〜0.20gとの報告があり(脂質栄養学4, 73-82, 1995)、高齢者は油脂の摂取量が低下する点、膵リパーゼ活性が低下する点などから相当量、さらにはそれ以上のアラキドン酸を摂取する必要がある。したがって、本発明のアラキドン酸およびアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物の成人(例えば、体重60kgとして)1日当たりの摂取量は、アラキドン酸量換算として、0.001g〜10g、好ましくは0.01g〜1g、より好ましくは0.05〜0.5g、最も好ましくは0.1g〜0.3gとする。
【0026】
脳のリン脂質膜の主要な脂肪酸としてアラキドン酸並びにドコサヘキサエン酸であることが知られている。ドコサヘキサエン酸はアルツハイマー型認知症に効果のあるとの報告もなされており、また動物試験においてはドコサヘキサエン酸摂取によるニューロン新生効果も報告されている(非特許文献4)。しかしながらその動物試験結果は3世代にも渡り、ドコサヘキサエン酸欠乏飼料で飼育した後、ドコサヘキサエン酸投与の結果を観察したもので観察される現象であり、通常の状態とは言い難い。しかし、本発明者らは、生後間も無い幼若ラットを用いた通常の飼育条件下でアラキドン酸を配合した飼料、ドコサヘキサエン酸を配合した飼料を用い、それぞれを母乳を介して幼若ラットに摂取させたところ、アラキドン酸を配合した飼料を摂取させた幼若ラットにおいて、その脳内(海馬)で顕著なニューロンの新生作用を有することを見出した。
【0027】
本発明のニューロン新生促進作
用は、以下のニューロン検出方法を用いて評価することができる。
【0028】
増殖細胞を標識することができるブロモデオキシウリジン(BrdU)、又はGreen Fluorescent Protein(GFP)やベータガラクトシダーゼ等の細胞標識可能な遺伝子を発現できるレトロウイルスベクターを該物質の最初の投与と同時、投与前または投与後に該実験動物に投与した後、該物質を一日一回ないし数回投与して7〜28日間飼育する。その後、該実験動物を灌流固定後に脳を摘出し、脳の凍結切片を調製して蛍光顕微鏡を用いて観察し、例えば増殖細胞を標識する薬剤としてBrdUを用いた場合は、単位面積当たりのBrdU陽性細胞数およびBrdU陽性細胞数に対するニューロンマーカーであるNeuN, Calretinin, Calbindin, Tuj1陽性細胞数の割合を、陰性コントロールと比較する。
【実施例】
【0029】
次に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。しかし、本発明は、下記の実施例に限定されない。
参考例1.アラキドン酸を含有するトリグリセリドの製造
アラキドン酸生産菌としてモルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)CBS754.68を用いた。グルコース1.8%、脱脂大豆粉3.1%、大豆油0.1%、KH
2PO
4 0.3%、Na
2SO
4 0.1%、CaCl
2・2H
2O 0.05%及びMgCl
2・6H
2O 0.05%を含む培地6kLを、10kL培養槽に調製し、初発pHを6.0に調整した。
【0030】
前培養液30Lを接種し、温度26℃、通気量 360m
3/時間、槽内圧200kPaの条件で8日間の通気撹拌培養を行った。なお、攪拌数は溶存酸素濃度を10〜15ppmを維持するように調整した。さらに、グルコース濃度を4日目までは流加法によって培地中のグルコース濃度が1〜2.5%の範囲内となるように、それ以降は0.5〜1%を維持した(上記の%は、質量(w/v)%を意味する)。培養終了後、ろ過、乾燥によりアラキドン酸を含有するトリグリセリドを含有する菌体を回収し、得られた菌体からヘキサンで油脂を抽出し、食用油脂の精製工程(脱ガム、脱酸、脱臭、脱色)を経て、アラキドン酸含有トリグリセリド(アラキドン酸はトリグリセリドの任意な位置に結合)150kgを得た。
【0031】
得られた油脂(トリグリセリド)をメチルエステル化し、得られた脂肪酸メチルエステルをガスクロマトグラフィーで分析したところ、全脂肪酸に占めるアラキドン酸の割合は40.84質量%であった。なお、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、γ-リノレン酸、ジホモ-γ-リノレン酸などが、それぞれ、11.63、7.45、7.73、9.14、2.23、3.27質量%であった。さらに、上記アラキドン酸含有油脂(トリグリセリド)をエチルエステル化し、アラキドン酸エチルエステルを40質量%含む脂肪酸エチルエステル混合物から、定法の高速液体クロマトグラフィーによって、99質量%アラキドン酸エチルエステルを分離・精製して、アラキドン酸を含有するトリグリセリド(SUNTGA40S)を製造した。
【0032】
実施例1.幼若動物の海馬神経細胞新生におけるアラキドン酸含有油脂摂取の効果
幼若動物として、生後2日目のラットを用いた。幼若ラット30匹を対照飼料摂取群(10匹;Control)とアラキドン酸配合飼料摂取群(10匹;ARA)とDHA配合飼料摂取群(10匹;DHA)の3群に分け、それぞれの群に、表1に示した対照飼料、SUNTGA40S配合飼料(実施例1製造品)、DHA含有油脂配合飼料を与え、4週間に渡って飼育した。アラキドン酸配合飼料中のアラキドン酸量及びDHA配合飼料中のDHA量は同量となるように配合した。なお、生後3週目までは子獣が飼料を直接食することができないため、母獣に飼料を投与(自由摂取)し、母乳を介して子獣(幼若ラット)にアラキドン酸を摂取させた。
【0033】
4週間飼育後に、幼若ラットの腹腔内にBrdU(ブロモデオキシウリジン)50mg/kgを一日3回投与した。翌日に脳を摘出して吻尾側方向に海馬全範囲の凍結切片を作製し、抗BrdU抗体を用いて免疫染色を行い蛍光顕微鏡で観察した。全凍結切片のうち1/6を均等に抜き出して海馬歯状回神経新生領域のBrdU標識細胞数をカウントし、その合計を6倍することにより海馬全体に含まれるBrdU標識細胞数を算出し、神経幹細胞および神経前駆細胞の増殖能力を調べた。
【0034】
【表1】
【0035】
図1に幼若ラットそれぞれの測定結果を示す。対照飼料摂取群(Control)、DHA配合飼料摂取群(DHA)と比べ、アラキドン酸配合飼料摂取群(ARA)でニューロンが新生されている(ニューロン新生が増強されている)ことが明らかとなった。各群の平均値を求めた結果、対照飼料摂取群のBrdU取り込みを100%とすると、アラキドン酸配合飼料摂取群では133%と有意に増加した。
【0036】
産業上の効果
本発明の神経再生
のための飲食品は経口
摂取するものであり、容易に利用することができる。