特許第6104369号(P6104369)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6104369排気ガスセンサ用の密閉部材されたケーブルブシュ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104369
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】排気ガスセンサ用の密閉部材されたケーブルブシュ
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/409 20060101AFI20170316BHJP
【FI】
   G01N27/409 100
【請求項の数】19
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-510687(P2015-510687)
(86)(22)【出願日】2013年3月15日
(65)【公表番号】特表2015-516080(P2015-516080A)
(43)【公表日】2015年6月4日
(86)【国際出願番号】EP2013055437
(87)【国際公開番号】WO2013167301
(87)【国際公開日】20131114
【審査請求日】2014年12月8日
(31)【優先権主張番号】102012207762.6
(32)【優先日】2012年5月9日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ヴィンクラー
(72)【発明者】
【氏名】ライナー マイアー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス オプ
(72)【発明者】
【氏名】ベアント ラッタイ
(72)【発明者】
【氏名】イェンス シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】ギド スワイエ
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム シュティア
(72)【発明者】
【氏名】アクセル クレナー
【審査官】 黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−285849(JP,A)
【文献】 特開平11−190717(JP,A)
【文献】 特開2003−065998(JP,A)
【文献】 特開2005−134299(JP,A)
【文献】 特開平08−062176(JP,A)
【文献】 特開2001−103645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/409
G01N 27/41
G01N 27/419
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスセンサ(1)の密閉及び電気コンタクトのためのケーブルブシュであって、
保護スリーブ(15)と、該保護スリーブ(15)の少なくとも1つの端面(32)で該保護スリーブ(15)から引き出されている少なくとも1つの接続ケーブル(21)とを含む、
ケーブルブシュにおいて、
前記保護スリーブ(15)と前記少なくとも1つの接続ケーブル(21)との間に存在する空間の少なくとも1つの断面が、唯一かつ均質の熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料(31)によって充填されており、かつ、前記熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料(31)は、前記少なくとも1つの接続ケーブル(21)と前記保護スリーブ(15)とに材料の結合によって接続されており、
前記ケーブルブシュは、金属製の支持部(33)を備えており、該支持部(33)は、前記少なくとも1つの接続ケーブル(21)の横方向及び/又は軸方向での支持もしくは固定、及び/又は、前記熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料(31)の軸方向での支持に用いられる、
ことを特徴とするケーブルブシュ。
【請求項2】
前記熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料(31)は、パーフルオロアルコキシポリマーもしくはテトラフルオロエチレンパーフルオロプロピレンもしくはポリクロロトリフルオロエチレンもしくはポリビニリデンフルオリドのうち少なくとも1つを含むか、又は、パーフルオロアルコキシポリマーもしくはテトラフルオロエチレンパーフルオロプロピレンもしくはポリクロロトリフルオロエチレンもしくはポリビニリデンフルオリド又はこれらの材料の混合物から成る、
請求項1記載のケーブルブシュ。
【請求項3】
前記熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料(31)は、170℃から320℃までの融点もしくは溶融領域を有している、
請求項1又は2記載のケーブルブシュ。
【請求項4】
前記融点もしくは前記溶融領域は少なくとも260℃である、
請求項3記載のケーブルブシュ。
【請求項5】
前記支持部(33)は前記保護スリーブ(15)に材料での結合によって接続されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のケーブルブシュ。
【請求項6】
前記支持部(33)は前記保護スリーブ(15)に溶接されている、請求項記載のケーブルブシュ。
【請求項7】
前記保護スリーブ(15)はコップ状に構成されており、前記コップ状の前記保護スリーブ(15)の底部に少なくとも1つの貫通孔(154)が形成されており、前記貫通孔(154)を通して前記少なくとも1つの接続ケーブル(21)がガイドされており、前記熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料(31)は少なくとも部分的に前記コップ状の前記保護スリーブ(15)の底部の前記貫通孔(154)の領域に配置されている、
請求項1からまでのいずれか1項記載のケーブルブシュ。
【請求項8】
前記ケーブルブシュ(30)は、前記少なくとも1つの接続ケーブル(21)を少なくとも横方向でガイドするために、前記保護スリーブ(15)とは別個のガイド部材(34)を備えており、前記熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料(31)は少なくとも部分的に軸方向及び/又は横方向で前記ガイド部材(34)と前記保護スリーブ(15)との間に配置されている、
請求項1からまでのいずれか1項記載のケーブルブシュ。
【請求項9】
前記ガイド部材(34)は、ディスク状に構成されており、かつ、前記少なくとも1つの接続ケーブル(21)をガイドするための少なくとも1つの孔(341)を有しており、前記熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料(31)は少なくとも部分的に前記ガイド部材(34)の前記孔(341)の領域に配置されている、
請求項記載のケーブルブシュ。
【請求項10】
前記ガイド部材(34)はコップ状に構成されており、前記ガイド部材(34)の底部(342)には、前記少なくとも1つの接続ケーブル(21)をガイドするための少なくとも1つの孔(341)が設けられており、前記熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料(31)は少なくとも部分的に前記コップ状の前記ガイド部材(34)の内部に配置されており、前記コップ状の前記ガイド部材(34)の開放面は、前記保護スリーブ(15)の端面(32)へ押圧されている、
請求項記載のケーブルブシュ。
【請求項11】
前記ガイド部材(34)は、前記熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料(31)の材料の結合によって、前記保護スリーブ(15)に接続されている、
請求項8から10までのいずれか1項記載のケーブルブシュ。
【請求項12】
ケーシングボディ(12)を備えた排気ガスセンサであって、
前記ケーシングボディ(12)の排気ガスから遠い側の面に、請求項1から11までのいずれか1項記載のケーブルブシュ(30)が配置されている
ことを特徴とする排気ガスセンサ。
【請求項13】
前記ケーシングボディ(12)の排気ガスから遠い側の面に、前記ケーブルブシュ(30)が接続又は溶接されて配置されている、
請求項12記載の排気ガスセンサ。
【請求項14】
排気ガスセンサの密閉及び電気コンタクトのために、保護スリーブ(15)と、該保護スリーブ(15)の少なくとも1つの端面(32)で該保護スリーブ(15)から引き出されている少なくとも1つの接続ケーブル(21)とを含む、請求項1から11までのいずれか1項記載のケーブルブシュ(30)の製造方法であって、
流体状のフルオロポリマー含有材料(31)を、前記保護スリーブ(15)と前記少なくとも1つの接続ケーブル(21)との間に存在する空間へ導入する
ことを特徴とするケーブルブシュ(30)の製造方法。
【請求項15】
前記フルオロポリマー含有材料(31)は、射出成形又は浸漬により導入される、
請求項14記載のケーブルブシュ(30)の製造方法。
【請求項16】
前記フルオロポリマー含有材料(31)は、前記保護スリーブ(15)と前記少なくとも1つの接続ケーブル(21)との間に存在する空間へ固体状で導入され、続いて溶融される、
請求項14記載のケーブルブシュ(30)の製造方法。
【請求項17】
排気ガスセンサの密閉及び電気コンタクトのために、保護スリーブ(15)と、該保護スリーブ(15)の少なくとも1つの端面(32)で該保護スリーブ(15)から引き出されている少なくとも1つの接続ケーブル(21)とを含む、請求項12又は13記載の排気ガスセンサ(1)の製造方法であって、
流体状のフルオロポリマー含有材料(31)を、前記保護スリーブ(15)と前記少なくとも1つの接続ケーブル(21)との間に存在する空間へ導入する
ことを特徴とする排気ガスセンサ(1)の製造方法。
【請求項18】
前記フルオロポリマー含有材料(31)は、射出成形又は浸漬により導入される、
請求項17記載の排気ガスセンサ(1)の製造方法。
【請求項19】
前記フルオロポリマー含有材料(31)は、前記保護スリーブ(15)と前記少なくとも1つの接続ケーブル(21)との間に存在する空間へ固体状で導入され、続いて溶融される、
請求項17記載の排気ガスセンサ(1)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来技術
本発明は排気ガスセンサを基礎としている。排気ガスセンサは、例えばセラミック製の、電気化学的に動作するセンサエレメントを収容したケーシングボディを備えている。当該排気ガスセンサは、さらに、例えばケーシングボディに溶接されたケーブル引き出し部を含み、当該ケーブル引き出し部は、ケーシングボディを密閉し、センサエレメントに電気的にコンタクトしている。ケーブル引き出し部は例えば金属製の保護スリーブを有しており、保護スリーブから引き出された1つもしくは複数の接続ケーブルを含む。
【0002】
ケーブル引き出し部では、排気ガスセンサのケーシングボディとの協働により、一方では高度な密閉性が目指されている。高度な密閉性により、例えば腐食を引き起こす障害的な液体乃至気体が排気ガスセンサ内部へ浸入することが効果的かつ持続的に抑圧される。密閉性の実現のために、ケーブル引き出し部では、特に、保護スリーブと接続ケーブルとの間に、充分に気密で持続性と熱耐性とを有する密閉部材が要求される。
【0003】
DE102005020793A1から、PTFEとして知られるポリテトラフルオロエチレンから予成形され、排気ガスセンサの保護スリーブの端面を閉鎖する栓が公知である。ここではさらに、当該栓のための貫通孔において、接続ケーブルの絶縁カバーがフッ素含有プラスティックに溶接され、保護スリーブとフッ素含有プラスティック製の管を有する栓と保護スリーブとの間が力によって密閉される。
【0004】
従来技術から公知のセンサでは、保護スリーブの領域の密閉に、種々の材料から予成形された個別の複数の部材の取り扱いが要求される。このことは製造プロセスを煩雑にしている。
【0005】
発明の利点
対して、本発明の排気ガスセンサ、及び、本発明のケーブルブシュは、比較的簡単に製造できるうえ、信頼性が高い。
【0006】
本発明によれば、排気ガスセンサのためのケーブルブシュが構成される。排気ガスセンサとは、特には、燃焼室又は内燃機関の排気管内で使用されるラムダセンサであるが、温度センサ、NOxセンサ、煤粒子センサ等の別のセンサ、又は、高温環境及び/又は侵襲性の環境における持続的使用のために構成されたセンサ、又は、260℃程度までの高い周囲温度のもとでの使用のための、密閉ケーシングから電気接続線が引き出されているセンサであってもよい。特に、排気ガスセンサは、燃焼室及び/又は内燃機関の排気管へ取り付け可能に構成された、例えばねじ込み可能な装置であると理解されたい。
【0007】
本発明のケーブルブシュは、保護スリーブを有する。この場合、保護スリーブは特に、軸対称性を有する、一方側もしくは両側の開放された管である。成形の精度及び/又は構造の細かな差に起因する軸対称性からの偏差は、僅かであれば、保護スリーブの基本形状に関して軸対称性又は軸線ジオメトリを基礎とできる。通常、センサの軸線は保護スリーブのスリーブ形状によって定められるので、本発明においては方向の概念(軸方向、横方向など)はこれに則して用いる。
【0008】
例えば、保護スリーブは、深絞り加工部材として形成される、1mm以下の壁厚さを有する部材である。有利には、保護スリーブは、金属製、特に有利にはステンレス鋼から成る。保護スリーブについては基本的に種々の実施形態が可能であり、例えば、それぞれ先細の部材を軸方向で相互に連続して配置したり、及び/又は、先細の部材間に別の挿入部材を配置したりすることができる。
【0009】
本発明のケーブルブシュはさらに、少なくとも1つの(つまり1つもしくは複数の)接続ケーブルを備える。特に有利には、2つ、3つ、4つ、5つもしくは6つの接続ケーブルが設けられる。他の数の接続ケーブル、例えば7つの接続ケーブルも基本的に可能であるが、説明を簡単にするためにこれ以上は立ち入らない。
【0010】
「接続ケーブル」なる語は特に制限なく理解されうる概念であるが、有利には、接続ケーブルは金属製の電気導体、例えば銅線もしくは鋼銅線を含む。また特には、接続ケーブルもしくは金属製の電気導体は、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料に接触する領域の全てもしくは一部において、及び/又は、保護スリーブの少なくとも1つの端面のうち保護スリーブから接続ケーブルが引き出されている領域において、完全にもしくは部分的に絶縁部によって包囲される。特に、接続ケーブルは、きわめて高い熱耐性を有するポリテトラフルオロエチレンPTFEから成る絶縁部を含む。高い熱耐性を有する絶縁部を形成できるのであれば、他の材料も可能である。複数の接続ケーブルが設けられる場合、これらは相互に別個に、又は、例えば共通の絶縁部によって結束され、及び/又は、相互に相対的に固定される。特に、ポリテトラフルオロエチレンPTFEから成る絶縁部を含む複数の接続線路が設けられる場合、接続ケーブルは本発明の熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料によって相互に懸隔される。
【0011】
本発明によれば、1つもしくは複数の接続ケーブルが設けられ、この接続ケーブルが保護スリーブの端面で保護スリーブから引き出される。特に、この場合、保護スリーブと1つもしくは複数の接続ケーブルとの間、すなわち、接続ケーブルによって充填されていない保護スリーブ内部に、空間が残る。当該空間の形状は基本的には制限されず、1つもしくは複数の接続線路と保護スリーブとの間のギャップや、接続線路が複数設けられる場合に付加的に生じうる接続線路間のギャップも含まれる。特に、保護スリーブと1つもしくは複数の接続ケーブルとの間の空間は上述したギャップの全体によって形成されていてよい。少なくとも0.25mmの幅を有するギャップは、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料を溶融させて容易に導入できるので、有利である。例えば溶融したフルオロポリマー含有材料はこうしたギャップに容易に流入可能及び/又は容易に注入可能である。このケースで特に有利なギャップの幅は少なくとも0.6mmである。また、最大0.4mmの幅を有するギャップは、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料の導入量が密閉すべき断面積に対して大きくなりすぎず、しかも装置が機械的に不安定になったり壊れやすくなったりしないため、有利である。特に、溶融したフルオロポリマー含有材料のこうした狭いギャップでの接着は保証されており、これにより、溶融したフルオロポリマー含有材料が所定の位置から流出することが防止される。このケースで特に有利なギャップの幅は、最大1.25mmである。
【0012】
なお、接続ケーブルどうしは、ケーブルブシュの内部では、及び/又は、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料の充填断面の軸方向の広がりに沿っては、特には相互に接触しない。
【0013】
本発明にとって重要なのは、保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間に存在する空間の少なくとも1つの断面が熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料によって充填されるということである。この場合の「断面」とは、特に、保護スリーブの少なくとも1つの端面に対して平行な面、特には当該端面近傍の領域、すなわち、保護スリーブのうち端面側の1/3程度の領域を意味している。保護スリーブの端面もしくは端面の開口そのものも、当該「断面」に含まれると考えることができる。
【0014】
また、当該「断面」は、特には保護スリーブの長手軸線に対して垂直な面乃至軸線に関して30°未満の角度、有利には10°未満の角度だけ傾いた面であってもよい。
【0015】
本発明の重要点は、基本的には、上述した通り、保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間に存在する空間の平面状の断面が熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料によって充填されることであるが、本発明の有利な実施形態では、当該充填領域が、軸方向に、すなわち、少なくとも1つの接続ケーブルに沿って、例えば少なくとも0.5mmもしくは少なくとも2.5mm、有利には少なくとも5mmもしくは7mm延在する部材とされ、特に良好な密閉作用が得られる。「断面」なる概念は、本発明において、つねに上記の意味でも解釈可能である。
【0016】
保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間の空間の断面は、特には一平面内に存在するように構成される。ただし、当該断面が完全に一平面に一致せず、例えば僅かに湾曲している形状も本発明に含まれる。本発明における断面とは、特に、保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間に存在する空間を少なくとも仮想的に分離された2つの部分空間へ分割する任意の面である。ここで、2つの部分空間のうち一方は当該面を基準として保護スリーブの端面に近い側の空間であり、他方は保護スリーブの端部から遠い側の空間である。
【0017】
「保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間の空間の断面を熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料によって充填する」とは、特に、接続ケーブルと保護スリーブとの間の当該断面に沿って残ったギャップと、複数の接続線路が設けられる場合に付加的に接続線路間に生じうるギャップとが、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料によって、少なくとも巨視的に完全に充填されることを意味する。
【0018】
ただし、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料が微視的なスケールの孔を有する場合、この孔の充填は上記「充填」の概念には入らない。
【0019】
理論的には、保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間の空間の断面を充填するために、種々のフルオロポリマー含有材料を適用可能であるが、本発明によれば、このために特に、熱可塑処理可能な物質が用いられる。ポリテトラフルオロエチレンPTFEは、(仮の)溶融温度の下方で固体状態から分解温度に達して化学的に分解されてしまうため、熱可塑処理可能な材料には属さない。特に、フッ素ゴムFKM及び/又はパーフルオロゴムFFKM及び/又はテトラフルオロエチレン/プロピレンゴムFEPM及び/又はフッ素化シリコーンゴムなどのフルオロエラストマーも同様の理由から排除される。
【0020】
対して、本出願人の研究によれば、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料として、パーフルオロアルコキシポリマーPFA及びテトラフルオロエチレンパーフルオロプロイレンFEPの物質が有利であると判明している。同様に、ポリクロロトリフルオロエチレンPCTFE及びポリビニリデンフルオリドPVDFの物質も適している。ポリクロロトリフルオロエチレンPCTFE及びポリビニリデンフルオリドPVDFの物質は、パーフルオロアルコキシポリマーPFA及びテトラフルオロエチレンパーフルオロプロイレンFEPの物質に比べると幾らか熱耐性が低いものの、或る程度までの低めの使用温度(例えば210℃を下回る使用温度)で使用されるケースには特に適している。パーフルオロアルコキシポリマーPFA及びテトラフルオロエチレンパーフルオロプロイレンFEPは特に高い使用温度(280℃までもしくは305℃までの使用温度)での使用に適している。
【0021】
有利には、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料は、パーフルオロアルコキシポリマーPFAもしくはテトラフルオロエチレンパーフルオロプロイレンFEPもしくはポリクロロトリフルオロエチレンPCTFEもしくはポリビニリデンフルオリドPVDFから選択されるが、これらの物質の混合物から形成されるか又はこれらの物質を所定の割合だけ含む材料から形成されてもよい。所定の割合とは、有利には少なくとも50%、特に有利には少なくとも75%である。
【0022】
特に有利には、熱可塑処理可能であり、170℃から320℃まで、特には少なくとも260℃の融点もしくは溶融領域を有するフルオロポリマーを含む材料が用いられる。
【0023】
テトラフルオロエチレンパーフルオロプロイレンFEPとは、ここでは特に、構造式[‐CF2‐CF2‐CF(CF3)‐CF2‐]nを有する化学物質である。当該テトラフルオロエチレンパーフルオロプロイレンFEPとは、特に、テトラフルオロエチレンTFEのモノマーと、ヘクサフルオロプロイレンHFPのモノマーのゼロとは異なる(特にはゼロから大きく離れた)成分との混合物を重合することにより製造可能な化学物質を意味すると理解されたい。
【0024】
パーフルオロアルコキシポリマーPFAとは、ここでは特に、テトラフルオロエチレンTFEのモノマーと、パーフルオロプロピルビニルエーテルPPVEのモノマーのゼロとは異なる(特に有利にはゼロから大きく離れた)成分との混合物を重合することによって製造可能な化学物質を含む。パーフルオロアルコキシポリマーPFAとは、ここでは特に、構造式[‐CF2‐CF2‐CF(OR)‐CF2‐]nを有し、側基ORが少なくとも1つのアルコキシ基である化学物質である。これは特に、少なくとも1つのアルコキシ側方鎖を含む全フッ素化ポリマーである。パーフルオロアルコキシポリマーPFAは、特には、熱可塑処理可能であり、かつ、セラミック製、酸化物製、ガラス製及び/又は金属製の表面を濡らすことができ、かつ、ポリテトラフルオロエチレンPTFEに溶着可能な化学物質である。本発明では、これは特に、種々のPFA品質及び/又はその混合物、いわゆるPFAポリブレンドを含む。本発明に関連して出願人が研究したところ、PFAポリブレンドを使用すると、260℃から320℃までの間の融点、特に有利には260℃から320℃までにわたる溶融領域が達成されるという良好な結果が得られた。なお、モル量3*10∧5g/molから3*10∧6g/molまでのポリマーが有利である。
【0025】
ポリクロロトリフルオロエチレンPCTFEとは、ここでは特に、構造式[‐CFCl‐CF2‐]nを有する化学物質である。
【0026】
ポリビニリデンフルオリドPVDFとは、ここでは特に、構造式[‐CH2‐CF2‐]nを有する化学物質である。
【0027】
本発明において、保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間に存在する空間の断面の充填は、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料によって行われる。特に、当該充填は、均質な熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料、すなわち、その化学組成が当該断面に沿って殆ど変化しない材料によって行われる。ここでの「均質」なる概念は、特に、材料の巨視的な均質性を意味し、微視的な不均一性は考慮していない。有利には、当該充填は、唯一かつ均質の熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料によって行われる。つまり、保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間に存在する空間の少なくとも1つの断面の全体、例えば、保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルの絶縁部との間に存在する断面全体が、唯一かつ均質の熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料によって充填されるのである。
【0028】
本発明の特に有利な実施形態では、断面の領域において熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料と保護スリーブとの材料の結合による接続が達成され、及び/又は、断面の領域において熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料と1つもしくは複数の接続ケーブルとの材料の結合による接続が達成される。特に、1つもしくは複数の接続ケーブルと保護スリーブとの間で、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料により、材料の結合による間接的な全体的密閉が達成される。
【0029】
本発明のケーブルブシュは、従来技術とは異なり、特に冒頭に言及した従来技術のセンサで使用されている予成形された栓を有さない。ここで、予成形された栓とは、従来技術では差し込み口とも称され、1つもしくは複数の電気的な接続ケーブルを特に最終形態の排気ガスセンサの保護スリーブへ挿入するために1つもしくは複数の軸方向孔に対して用いられるものであると理解されたい。
【0030】
また、本発明のケーブルブシュ乃至センサが、特に唯一の熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料を含むようにしてもよい。特には、流体状の材料が保護スリーブの内部へ導入され、そこで保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間に存在する空間の少なくとも1つの断面が特に材料の結合によって充填される。
【0031】
特には流体状のもしくは流動化されたフルオロポリマー含有材料が保護スリーブ乃至排気ガスセンサの内部へ導入されるが、これは基本的には種々の手段で行うことができる。当該導入は、射出成形もしくは注型成形によって行うことができる。また、選択的手段として、保護スリーブを流体状の材料もしくは流動化された材料内へ浸漬してもよい。後者の場合、少なくとも1つの接続ケーブルが引き出されている保護スリーブの端面側の領域が、有利には下方へ、例えば鉛直線に対して0°から90°、有利には30°から60°の角度で傾けられる。特に流体状のもしくは流動化された材料を保護スリーブ乃至排気ガスセンサの内部へ導入する場合、補助手段として、保護スリーブ乃至排気ガスセンサの排気ガス側の領域を覆う型が用いられる。こうした補助手段は、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料の導入後に再び除去しても残留させてもよい。
【0032】
これに代えて、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料を、先ず固体の状態で保護スリーブの外側もしくは内側へ配置し、加熱によって流動化させ、これにより、流動化後に行われる流し込みプロセスにおいて、保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間に存在する空間の少なくとも1つの断面を充填し、その後で固化することもできる。 特に、予成形された栓が存在しないため、ケーブルブシュの実装時に1つもしくは複数の接続ケーブルに対して側方のガイドを行えないという問題が生じ、これが成形製品を用いる製造プロセスにおける不確実性につながっている。特に、この場合、ケーブルブシュの実装中、接続ケーブルにかかる張力を脱バイアスすることができない。このため、本発明の有利な実施形態では、保護スリーブが少なくとも1つの接続ケーブルを支持するための少なくとも1つの支持部を有する。当該支持部は、特に、1つもしくは複数の接続ケーブルを側方で固定する作用、及び/又は、張力を脱バイアスする作用を有する。特には、当該支持部によって、軸方向の固定も可能である。
【0033】
当該支持部の付加的機能もしくは代替的機能として、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料を軸方向で支持することが挙げられる。この支持は、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料が固体の状態で存在する成形製品に対しても、ケーブルブシュ乃至排気ガスセンサの製造中にも行うことができる。後者の場合、支持部によって、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料がケーブルブシュ乃至排気ガスセンサの内部へ深く浸入することが防止される。
【0034】
支持部の形状は種々であってよく、特に支持部は保護スリーブ内の固定手段を有することができる。当該固定手段は、例えば、保護スリーブに溶接可能及び/又はクランプ可能な、金属製の外側リング部分である。これに代えてもしくはこれに加えて、支持部が、少なくとも1つの接続ケーブルの固定手段、及び/又は、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料の支持手段を有してもよい。また、流動化された熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料を結合させる機能も考慮される。
【0035】
例えば、支持部は、保護スリーブ内部に固定された、特には溶接もしくはクランプされた、挿入部材であってよい。支持部もしくは挿入部材は、少なくとも1つの接続線路を収容及び固定するための貫通孔を有する。それぞれ特に接続線路の収容及び固定に用いられるハトメ及び/又はフック及び/又は交差ウェブを有する挿入部材も可能である。この場合、有利には、支持部は、金属、例えばステンレス鋼から構成される。
【0036】
これに加えてもしくはこれに代えて、保護スリーブが、特に底部とその周を取り巻くように配置された壁とを有するコップ状に構成されてもよい。コップ状保護スリーブの底部には1つ又は複数の貫通孔、例えば2つもしくは3つもしくは4つの貫通孔が形成され、当該1つ又は複数の貫通孔を通して1つ又は複数の接続ケーブル、例えば2つもしくは3つもしくは4つの接続ケーブルがガイドされる。また、本発明の有利な実施形態では、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料をコップ状保護スリーブの底部の少なくとも1つの貫通孔の領域に構成することにより、当該材料によって保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間に存在する空間の断面が充填される。この実施形態の利点は、コップ状保護スリーブの底部の1つもしくは貫通孔の開口断面積が反対側の断面積に比べて狭く、例えば65%未満又は30%未満であるため、保護スリーブを比較的少量の熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料によって密閉して、機械的に特に安定化できるということである。
【0037】
これに加えてもしくはこれに代えて、ケーブルブシュが保護スリーブとは別のガイド部材を備えるように構成することもできる。保護スリーブとは別個のガイド部材とは、ガイド部材が保護スリーブと一体でなく、材料又は力の結合によって直接に保護スリーブに接続されていないことを意味する。なお、例えば、固体及び/又は固化されたフルオロポリマー含有材料を成形製品のガイド部材と保護スリーブとの間で横方向及び/又は軸方向に配置して、材料乃至力の間接的な接続を行ってもよい。別個のガイド部材は特に少なくとも1つの接続ケーブルを少なくとも側方でガイドするために用いられるので、保護スリーブに対して相対的に、また、少なくとも1つの第2の接続ケーブルが設けられる場合にはこれに対しても相対的に、側方で固定される。ここで、少なくとも1つの接続ケーブルを軸方向で固定し、特に張力を脱バイアスする作用が得られる。別個のガイド部材はディスク状に構成することもできるし、及び/又は、少なくとも1つの貫通孔を有するように構成することもできる。この場合、各貫通孔を通して少なくとも1つの接続ケーブルをガイド可能である。これに加えてもしくはこれに代えて、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料をガイド部材の少なくとも1つの貫通孔の少なくとも一部の領域に配置することもできる。
【0038】
個別のガイド部材は、特にはコップ状に構成され、つまり、底部とその縁を取り巻く壁とを有する。特にこの場合、コップ状のガイド部材の底部には少なくとも1つの貫通孔が設けられ、各貫通孔を通して少なくとも1つの接続ケーブルがガイドされる。特に、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料は、少なくとも部分的に、コップ状のガイド部材内に配置される。特に、コップ状のガイド部材の開放面が保護スリーブの端面の方へ押圧される。つまり、コップ状のガイド部材の壁が保護スリーブの壁の上方に位置する。特には、当該押圧の際に、溶融して流体状となったフルオロポリマー含有材料の少なくとも一部が保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間に存在する空間に達し、特にはそこで固化され、その後、保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間に存在する空間の少なくとも1つの断面が充填される。
【0039】
また、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料の少なくとも一部が保護スリーブ内に配置されると有利である。ケーブルブシュに対応する熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料の全体を保護スリーブの内部に設けることも基本的には可能であり、このようにすればケーブルブシュの安定性が改善される。ただし、有利な実施形態として、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料が、軸方向で保護スリーブの少なくとも1つの端面を超えて存在し、及び/又は、横方向で保護スリーブの側面上方に存在するようにすることもできる。さらに、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料を保護スリーブの外面に配置することもできる。熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料のこうした配置は、特に、保護スリーブでの接着性、ひいては、ケーブルブシュの密閉性及び接着持続性を改善するのに適する。
【0040】
材料の結合とは、組み合わされる部材どうしが、分子レベルで有効な力によって、特にVDI審査基準2232−2004−01で定義されているように結合されることを意味する。材料の結合の例として、溶接、溶着、接着などが挙げられる。材料の結合とは、一方では、特に2つの部材の材料が分子レベルで直接に相互作用し、部材間の直接の接続が達成される結合の仕方である。他方では、材料の結合とは、2つの部材の間に、材料結合による間接的接続を行う少なくとも1つの第3の部材が設けられ、2つの部材が直接にではなく間接的に接続される結合の仕方も含む。ここで、複数の第3の部材が設けられる場合には、全ての第3の部材が(間接的に又は直接に)相互に材料の結合を行う。
【0041】
本発明における「開口」乃至「孔」とは、0.5mmから2.5mmまで、有利には1mmから2mmまでの直径と、0.25mmから6mmまで、有利には1mmから4mmの断面積を有する孔を云うものと理解されたい。
【0042】
有利には、本発明の手段を設けることにより、排気ガスセンサのケーシングを接続側で密閉することができる。これにより、比較的高い気密性、例えば、ヘリウムに対して10∧−3mbar*l/s未満又は10∧−4mbar*l/s未満の気密性、有利には、ヘリウムに対して10∧−5mbar*l/s未満又は10∧−6mbar*l/s未満の気密性が得られる。なお、「密閉」「シール」などの語は、巨視的に閉鎖されている意を含むのみであるので、過度に狭く解釈すべきでない。場合によっては、1つもしくは複数の接続ケーブルの管状の絶縁部の内部からの漏れがあってもよい。こうした漏れは、1つもしくは複数の接続ケーブルに接続されているコネクタなどの他の箇所で封止できるからである。また、1つもしくは複数の接続ケーブルを通してこうした漏れをクリティカルでない領域、例えば自動車の危険の少ない冷間領域へ放出させてもよい。絶対的な密閉もしくは気密閉鎖(特にヘリウムに対して10∧−10mbar*l/s未満の気密性)も基本的には可能であるが、特別な用途を除いては、コスト的に許されないことが多い。
【0043】
本発明はさらに、排気ガスセンサの密閉及び電気コンタクトのために、保護スリーブと、当該保護スリーブの少なくとも1つの端面で当該保護スリーブから引き出されている少なくとも1つの接続ケーブルとを含む、請求項1から14までのいずれか1項記載のケーブルブシュの製造方法、又は、請求項15記載の排気ガスセンサの製造方法にも関する。本発明によれば、流体状のフルオロポリマー含有材料が、保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間に存在する空間へ導入される。
【0044】
流体状のフルオロポリマー含有材料とは、特には、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料である。
【0045】
これに加えて又はこれに代えて、排気ガスセンサの密閉及び電気コンタクトのために、保護スリーブと、当該保護スリーブの少なくとも1つの端面で当該保護スリーブから引き出されている少なくとも1つの接続ケーブルとを含む、請求項1から14までのいずれか1項記載のケーブルブシュの製造方法、又は、請求項15記載の排気ガスセンサの製造方法が、例えば以下の順序で、1つもしくは複数のステップを含んでもよい。すなわち、
・特には金属製の、一方側もしくは両側が開放された管の形態の保護スリーブを準備する。
・少なくとも1つの接続ケーブルを保護スリーブの内部に側方固定する。この固定は、例えば、上述した支持部、又は、上述した個別のガイド部材、又は、上述した保護スリーブの貫通孔を利用して行われる。
・少なくとも1つの接続ケーブルの排気ガス側の端部と特にはセラミック製の排気ガスセンサのセンサエレメントの少なくとも1つのコンタクトとを、力及び/又は材料及び/又は形状の結合によって接続する。センサエレメントのコンタクトは、特に、少なくとも1つの接続ケーブルの排気ガス側の端部への固定のための少なくとも1つの弾性接続エレメントを有する。
・保護スリーブと排気ガスセンサのケーシングボディとを特にレーザー溶接によって溶接する。
・熱可塑性フルオロポリマーから成る流動化された溶融物質もしくは成形物質を、保護スリーブの端面開口を通して、保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間に存在する空間へ、例えば射出成形プロセス又は浸漬プロセスにより導入する。熱可塑性フルオロポリマーの溶融は240℃から320℃までの温度、有利には290℃から320℃までの温度で行われる。導入のための端面開口は、少なくとも1つの接続ケーブルが引き出されている開口である。これにより、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料が冷却されると、保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間が特に熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料の材料での結合によって密閉される。
【0046】
製造方法の有利な実施形態として、最後に挙げた2つのステップの順序を交換することができる。つまり、熱可塑性フルオロポリマーから成る流動化された溶融物質もしくは成形物質の導入は、保護スリーブと排気ガスセンサのケーシングボディとを溶接する前に行うこともできる。言い換えれば、この場合、まず本発明のケーブルブシュが製造され、その後でケーブルブシュとケーシングボディとが接続されて、排気ガスセンサが形成されるのである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】a,b,cは、従来技術から公知のケーブルブシュを備えた排気ガスセンサの例を示す図である。
図2】a,b,cは、本発明の第1の実施例を示す図である。
図3】a,bは、本発明の第2の実施例を示す図である。
図4】a,bは、支持部の態様を示す図である。
図5】a,bは、本発明の第3の実施例を示す図である。
図6】a,b,cは、本発明の第4の実施例を示す図である。
図7】a,bは、本発明の第4の実施例を示す図である。
【0048】
実施例の説明
図1のa,b,cには、従来技術から公知のケーブルブシュ30を備えた排気ガスセンサ1が示されている。
【0049】
図1のaには、排気ガスセンサ1の側面及び部分断面が示されている。排気ガスセンサ1は例えば燃焼室もしくは内燃機関からの排気ガス中の酸素濃度を測定するラムダセンサとして構成されている。ただし、排気ガスセンサ1は、温度センサもしくは圧力センサ、又は、排気ガス中の窒素酸化物濃度や煤粒子濃度を測定するセンサとして構成されていてもよい。排気ガスセンサ1はケーシング11を備えている。ケーシング11は、金属製の中空のケーシングボディ12と、このケーシングボディ12に押し付けられた状態でこれに固定に接合された保護スリーブ15とを有する。ケーシングボディ12は、燃焼室もしくは内燃機関の支持部に配置された接続部材へのねじ込みのためのねじ山14及び実装用六角面13を有する。さらに、ケーシング11にはセンサエレメント16が配置されている。このセンサエレメント16の排気ガス(測定ガス)側の端部はケーシング11から突出して、そこでガス貫通孔18を有する保護管17によってカバーされており、他方、排気ガス側の端部はケーシングボディ12に固定されている。センサエレメント16は、排気ガスから遠い側の端部すなわち接続側の端部に(ここでは図示されていない)コンタクト面を有しており、このコンタクト面は、導体路を介して、排気ガス側の端部に配置された測定電極に接続されている。当該コンタクト面では、絶縁カバーとして構成された絶縁部19によって包囲された電気導体20が接続ケーブル21に接触している。なお、コンタクト面と電気導体20とを接触させるために、2つの部材から成るセラミック製のクランプ体22が設けられている。当該クランプ体22の外側はばねエレメント23によって包囲されており、その力によって電気導体20がセンサエレメント16のコンタクト面に押し付けられている。セラミック製のクランプ体22は径方向で見て保護スリーブ15に当接している。
【0050】
保護スリーブ15の径の小さいほうの端部151には、例えばポリテトラフルオロエチレンPTFEから成る予成形された栓24がはめ込まれており、この栓24は、接続ケーブル21の数に対応する数の軸方向の貫通チャネル25を有している。センサエレメント16上の電気導体20に力によって固定されている各接続ケーブル21は、貫通チャネル25を通してガイドされており、予成形された栓24の端部で保護スリーブ15から引き出されている。ケーブルの出口において高温下でも充分な密閉性を達成するために、接続ケーブル21の絶縁カバーとしてフッ素含有材料から形成される絶縁部19が貫通チャネル25のチャネル壁に少なくとも部分的に溶接されている。図1のaでは、図1のcの拡大図と同様に、貫通チャネル25の内径が接続ケーブル21の外径よりも大きく選定されている。貫通チャネル25内のケーブル部分にはそれぞれ1つずつ溶接管26が設けられ、この溶接管26が、各接続ケーブル21とともに、予成形された栓24の対応する貫通チャネル25へ導入されている。適切な加熱により、溶接管26は、一方では絶縁カバーとして構成された絶縁部19の材料に溶着し、他方では予成形された栓24の材料に溶着する。これにより、ケーブル引き出し部の高度な密閉性とケーシング11からのケーブル脱落に対する確実な保護とが達成される。
【0051】
ケーシングの端部から、各接続ケーブル21は共通の収縮管27に収容されている。当該収縮管のケーシング側の管部分271は、保護スリーブ15の端部151に押圧されている。収縮管27又は保護スリーブ15の端部151を予め加熱することにより、収縮管27は収縮し、端部151を密に押圧する。収縮管27は1つもしくは複数の層によって構成されており、フッ素を含有するプラスティックと同等の機械的特性及び物理的特性及び化学的特性を有する材料から形成される。図1のaでは、収縮管27は、接続ケーブル21を包含する長さにわたって、ほぼ一定の内径を有する。図1のbでは、収縮管27の内径は、ケーシング側端部から差し込み側端部へ向かって先細となっている。
【0052】
全体として、図1のa,b,cに示されている従来技術から公知のケーブルブシュ30は、ケーブルブシュ30乃至対応する排気ガスセンサ1を製造する際に個別に取り扱われ、所望の相対位置で配置及び接合されるべき複数の要素を含んでいる。こうした要素には、保護スリーブ15及び接続ケーブル21のほか、特に予成形される栓24や、溶接管26及び収縮管27が含まれる。このため、ケーブルブシュ30乃至対応する排気ガスセンサ1の製造は比較的複雑で費用の嵩むものとなる。
【0053】
図2から図7に示されている本発明の実施例の排気ガスセンサ1乃至ケーブルブシュ30は、従来技術から公知の排気ガスセンサ1乃至ケーブルブシュ30に対し、保護スリーブ15と少なくとも1つの接続ケーブル21との間に存在する空間の少なくとも1つの断面が熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31によって充填されている点で異なっている。特には、均質な熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31のみが設けられるので、特に小さな製造コストで、例えば、液状もしくは流体状の熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31を保護スリーブと少なくとも1つの接続ケーブルとの間の空間へ流し込むことにより導入できる。これは特に、材料31の射出成形もしくは注型成形によって、又は、保護スリーブ15の端面を材料31に浸漬することによって行われる。
【0054】
図2から図7に示されている本発明の実施例の排気ガスセンサ1乃至ケーブルブシュ30は、従来技術から公知の排気ガスセンサ1乃至ケーブルブシュ30に加えてもしくはこれに代えて、図1のa,b,cに示されている従来技術の排気ガスセンサ1のような予成形された栓24が存在しない点で異なっている。本発明の排気ガスセンサ1では、予成形された栓に代えて、フルオロポリマー含有材料31が保護スリーブ15内へ流体として導入され、独立請求項に記載された方法にしたがってケーブルブシュ30が製造される。ここで用いられるフルオロポリマー含有材料31は、特には240℃から320℃までの温度範囲で熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料である。
【0055】
図2のaには、本発明のケーブルブシュ30によって従来技術の図1のa,b,cに示されている排気ガスセンサ1から区別される本発明の第1の実施例の排気ガスセンサ1が示されている。本発明の第1の実施例のケーブルブシュ30は、図2のbに拡大されて詳細に示されている。なお、ケーブルブシュ30に関連しないかぎり、本発明の排気ガスセンサ1の構造にも図1のaの排気ガスセンサ1の説明が該当するものとする。
【0056】
第1の実施例のケーブルブシュ30は、対称軸線を有する管である保護スリーブ15を備える。この保護スリーブ15の排気ガスに近い側はケーシングボディ12に接続されており、例えばレーザービームによって溶接されている。この実施例では、保護スリーブ15はステンレス鋼から深絞り加工された、壁厚さ0.4mmから0.5mmまでの部材である。保護スリーブ15は排気ガスから遠い側へ向かって先細となっている。ここでは、特に、ケーシング(保護スリーブの管)の連続プロフィル及び/又は1重もしくは多重の段付けされたプロフィルが可能である。ケーシング11は、排気ガスから遠い側(図2のa,bの上側)に、とりあえず初期的には閉鎖されていない開放端面32を有する。
【0057】
本発明のケーブルブシュ30は例えば相互に懸隔された4つの接続ケーブル21を有するが、図2のa,bではそのうち2つが見えている。もちろん選択的に、4つの接続ケーブル21に代えて、他の数の接続ケーブル21又は唯一の接続ケーブル21を設けることもできる。各接続ケーブル21は、導線もしくは鋼銅線から成るそれぞれ1つずつの電気導体20と、ケーブルブシュ30の領域で電気導体20を径方向で特にカバー状に包囲する絶縁部19とを含む。絶縁部19は、特には絶縁カバーとして構成され、比較的高い熱耐性を有するポリテトラフルオロエチレンPTFEから形成される。接続ケーブル21の直径は絶縁部19を含めて例えば1mmであるため、各接続ケーブル21は、最大で数Aの電流、例えば最大2Aもしくは最大5Aの電流を導通するのに適する。隣り合う接続ケーブル21相互間の距離、及び、接続ケーブルと保護スリーブ15との間の距離は、この実施例では、ケーブルブシュの領域で1mmである。本発明によれば、接続ケーブル21は保護スリーブ15の端面32で保護スリーブ15から引き出されている。
【0058】
ここでは、保護スリーブ15と接続ケーブル21との間に存在する空間の断面が、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31によって充填されることが示されている。この実施例では、保護スリーブ15のうち、端面32を始点として排気ガス側へ向かって数mmにわたって(例えば5mmから10mmまで)延在する領域が完全に充填される。さらに、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31は、保護スリーブ15において、軸方向で排気ガスから遠い側へ向かって、また、横方向で端面32の上方へ、数mmにわたって(例えば1mmから3mmまで)延在する。
【0059】
この実施例では、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31は、260℃から320℃までの範囲に融点を有する、特には溶融領域260℃から320℃までにわたる均質なパーフルオロアルコキシポリマー−ポリブレンドである。有利には、3*10∧5g/molから3*10∧6g/molのモル量を有するパーフルオロアルコキシポリマー−ポリブレンドが用いられる。他のパーフルオロアルコキシポリマー−ポリブレンド又はパーフルオロアルコキシポリマーPFAも基本的には利用可能であり、同様に、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料として、テトラフルオロエチレンパーフルオロプロイレンFEP、ポリクロロトリフルオロエチレンPCTFE、ポリビニリデンフルオリドPVDFも利用可能である。
【0060】
これに対して、ポリテトラフルオロエチレンPTFE、フッ素ゴムFKM、パーフルオロゴムFFKM、テトラフルオロエチレン/プロピレンゴムFEPM、フッ素化シリコーンゴムなどは、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料としては不適であり、とりわけ本発明で、保護スリーブ15と接続ケーブル21との間に存在する空間の断面を充填するためには用いられない。
【0061】
第1の実施例にしたがって図2のcのようなケーブルブシュ30を製造するには、接続ケーブル21を、保護スリーブ15の端面32を通して案内し、補助部材40(残留してもよいし後の時点で取り外されてもよい)によって軸方向及び横方向で保護スリーブ15内に固定する。補助部材40は、少なくとも一時的に、保護スリーブ15を密閉する、及び/又は、保護スリーブ15の両端部間を分離する。続いて、射出成形ツール41によって、成形材料311として流体状に準備された熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31が、保護スリーブ15と接続ケーブル21との間に存在する空間、すなわち、補助部材40によって分離された保護スリーブ15内の空間のうち排気ガスから遠い側の部分空間へ導入される。冷却後、導入された成形材料311から、予成形された熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31が形成される。
【0062】
代替的な製造方法も可能である。図2のcに示されているように、準備されたケーブルブシュの端面32を、垂直に、又は、鉛直線に対して45°未満の角度だけ傾けて、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31の溶融材料へ、1回もしくは反復して浸漬することができる。この場合、冷却後、溶融材料が保護スリーブ15の領域で固化し、保護スリーブ15と接続ケーブル21との間に存在する空間、すなわち、補助部材40によって分離された保護スリーブ15内の空間のうち排気ガスから遠い側の部分空間に、固化したフルオロポリマー含有材料が生じる。ここで特に、フルオロポリマー含有材料31と接続ケーブル21とが材料の結合によって接続される。特には、フルオロポリマー含有材料31とケーシング11との間の材料の結合が達成される。特に有利には、ケーブルブシュ31が材料の結合によって全体として密閉される。
【0063】
図2のaの排気ガスセンサ1を製造するために、特に、上述したケーブルブシュ31が例えばレーザービームによってケーシングボディ12に溶接される。これに代えて、例えば図2のcに示されているような未完成のケーブルブシュ30を、例えばレーザービームによってケーシングボディ12に溶接し、その後で熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31を上述したようにケーブルブシュ30に導入してもよい。
【0064】
第1の実施例の別の態様として、保護スリーブ15の排気ガスから遠い側の端面の領域(図2のa,bの上方)が特に強く先細となり、複数の接続ケーブル21が設けられる場合の接続ケーブル21相互間のギャップ、及び、接続ケーブル21と保護スリーブ15との間のギャップがいっそう狭くなるようにしてもよい。例えば、隣り合う接続ケーブル21間の距離、及び、接続ケーブル21と保護スリーブ15との間の距離は、この態様では0.35mmである。
【0065】
図3の第2の実施例のケーブルブシュ30乃至排気ガスセンサ1は、第1の実施例のケーブルブシュ30乃至排気ガスセンサ1を基礎として、例えば金属製の支持部33がケーシング11の内部に設けられることにより、いっそう改善される。支持部33は、特に、保護スリーブ15によってクランプされている、及び/又は、例えばレーザービームによって保護スリーブ15に溶接されている。
【0066】
図3のbに示されている支持部33は、軸方向で見て、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31の内部、例えば中央に配置されており、接続ケーブル21の横方向及び軸方向での固定を行う。これとは異なり、図3のaに示されている支持部33は、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31の排気ガス側(図3aの下側)に配置されている。したがって、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31の軸方向での支持及び/又は接合は、或るケースでは熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31が固体の状態で存在する成形製品に対して、別のケースではケーブルブシュ30乃至排気ガスセンサ1の製造中にも、行うことができる。後者のケースでは、支持部33は、第1の実施例に関連して説明した図2のcの補助部材40と同様に、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31がケーブルブシュ30乃至排気ガスセンサ1の内部へ深く浸入するのを阻止する。
【0067】
支持部33の態様が図4のa,bの上面図に示されている。支持部33は挿入部材として構成されており、保護スリーブ15における固定手段、例えば、保護スリーブ15に溶接可能もしくはクランプ可能な金属製の外側リング部分331を有する。また、図4のa,bの支持部33は、接続ケーブル21を固定し、かつ、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31を支持及び/又は接合する手段をそれぞれ1つずつ有する。当該支持及び/又は接合の手段は、図4のaの態様ではハトメ332もしくはフック333として構成されており、図4のbの態様では交差ウェブ334として構成されている。
【0068】
第2の実施例のケーブルブシュ30乃至排気ガスセンサ1の製造法では、第1の実施例のケーブルブシュ30乃至排気ガスセンサ1に関連して説明した製造法に対し、さらなるステップ、すなわち、支持部33をケーシング11に配置及び固定するステップと、支持部33に設けられている所定の手段に接続ケーブル21を固定するステップとが加えられている。ここで、接続ケーブル21は、例えばハトメ331、フック332、交差ウェブ333等によって、導入乃至懸架乃至嵌合される。
【0069】
本発明の実施例及び態様に示されているケーブルブシュ30乃至排気ガスセンサ1は、どのような場合にも、例えば図5のaに示されているようなコップ状の保護スリーブ15を使用することができる。
【0070】
コップ状の保護スリーブ15は、底部152と、この底部の縁を包囲する壁又はこの底部の縁の周に固定された壁153とを有する。例えば、相互に平行に配置された2つの長細い貫通孔154がコップ状の保護スリーブ15の底部152に設けられており、各貫通孔154を通して例えば2つずつの接続ケーブル21がガイドされている。コップ状の保護スリーブ15と、この保護スリーブ15の底部152の貫通孔154を通してガイドされる少なくとも1つの接続ケーブル21とが使用される場合、有利には、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31が貫通孔154の領域に配置され、保護スリーブ15と少なくとも1つの接続ケーブル21との間に存在する空間の少なくとも1つの断面が充填される。このことは、図5のbの、本発明の第3の実施例のケーブルブシュ30の斜視図に示されている。
【0071】
こうしたコップ状の保護スリーブ15、ひいては、第3の実施例のケーブルブシュ30を使用することの利点は、コップ状の保護スリーブ15の貫通孔154の開口の断面積が、底部152から遠い側の断面積に比べて、又は、底部152の面積に比べて、著しく小さく、この実施例では25%にしかならないということである。よって、保護スリーブ15は少量の熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31で密閉可能であり、機械的に特に安定な装置が得られる。
【0072】
第4の実施例によれば、第3の実施例のケーブルブシュ30乃至排気ガスセンサ1を基礎として、別個のガイド部材34を設けることにより、ケーブルブシュ30乃至排気ガスセンサ1がいっそう改善される。
【0073】
別個のガイド部材34は、各接続ケーブル21を、軸方向及び横方向で、成形製品である排気ガスセンサ1又はケーブルブシュ30にガイド又は固定するために用いられる。このガイド又は固定は、特に、接続ケーブル21と保護スリーブ15のガイド部材34とが共通に供給される事前実装の時点で行われる。
【0074】
本発明の第4の実施例の排気ガスセンサ1乃至ケーブルブシュ30の第1の態様が図6のaに示されている。図6のbには対応するガイド部材34の上面図が示されている。
【0075】
ガイド部材34は、この実施例では、数mm厚さ、例えば1.5mmから4.5mmまでの厚さのディスクであり、その直径は保護スリーブ15の端面32の直径に一致する。ガイド部材34は金属製であり、例えばステンレス鋼から構成される。ガイド部材34はガイドされる接続ケーブル21の数に対応する数の孔341を有する。付加的に、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31が少なくとも部分的にガイド部材34の孔341の領域に配置されてもよい。
【0076】
ガイド部材34は特には保護スリーブ15から離れたところに配置される。特に、図6のaの態様では、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31の一部が軸方向でガイド部材34と保護スリーブ15との間に配置され、材料の結合によって当該ガイド部材34及び当該保護スリーブ15のそれぞれに接続されている。
【0077】
これに代えてもしくはこれに加えて、ガイド部材34が横方向で保護スリーブ15から間隔を置いて配置されてもよい。図6のcに示されている態様では、ガイド部材34は保護スリーブ15の内部へ押し込まれている。この場合、ガイド部材34と保護スリーブ15との間でこれらを取り巻いているギャップが、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31の材料の結合によって充填される。
【0078】
図6のa,cに示されているケーブルブシュ30乃至排気ガスセンサ1の製造法は、上述した実施例に対応する。
【0079】
本発明のケーブルブシュ30乃至排気ガスセンサ1の第4の実施例の別の態様として、孔341を有する底部342と排気ガス側へ向かって底部の周囲に固定に接続された壁343とから成るコップ状に構成されたガイド部材34を使用することもできる。ここで、コップ状に構成されたガイド部材34の壁343は、前方の保護スリーブ15の端面32へ押圧される。この場合、ガイド部材の壁343と保護スリーブ15との間のギャップが、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31の材料の結合によって充填される(図7のa)。
【0080】
第4の実施例の上記態様によるケーブルブシュ30の製造は、図7のbに示されているように、特にエレガントに行うことができる。ここでは、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料30が、まず流体の状態で、コップ状に構成されたガイド部材34又は相応の固体部材へ流し込まれる。特に、ガイド部材の壁343は、ガイド部材の底部342から重力に反する上方向(図7のbの右方)へ向かって延在している。続いて、コップ状に構成されたガイド部材34が相対運動により保護スリーブ15へ押圧され、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31の固化後、図7のaに示されているケーブルブシュが得られる。
【0081】
製造方法のバリエーションとして、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31をまずは固体として例えばカプセルの形態でコップ状に構成されたガイド部材34へ導入し、コップ状に構成されたガイド部材34を保護スリーブ15に押し込む過程中又はその後に液状化してもよい。
【0082】
さらに、これに代えてもしくはこれに加えて、熱可塑処理可能なフルオロポリマー含有材料31を、特にカプセルの形態で、いずれの場合にも、保護スリーブ15の内部に設けられるべき密閉位置へ導入し、そこで溶融させて所望の形状とし、その後で固化してもよい。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b