特許第6104377号(P6104377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6104377線維芽細胞成長因子受容体の阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104377
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】線維芽細胞成長因子受容体の阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 239/84 20060101AFI20170316BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20170316BHJP
   C07D 475/00 20060101ALI20170316BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20170316BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20170316BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20170316BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20170316BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20170316BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20170316BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   C07D239/84CSP
   C07D471/04 118Z
   C07D475/00
   C07D487/04 148
   C07D471/04 113
   A61K31/517
   A61K31/519
   A61K31/4375
   A61K31/5377
   A61P25/00
   A61P3/06
【請求項の数】15
【全頁数】139
(21)【出願番号】特願2015-521815(P2015-521815)
(86)(22)【出願日】2013年7月11日
(65)【公表番号】特表2015-523383(P2015-523383A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(86)【国際出願番号】US2013050106
(87)【国際公開番号】WO2014011900
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2015年12月18日
(31)【優先権主張番号】61/670,379
(32)【優先日】2012年7月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/746,666
(32)【優先日】2012年12月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515010246
【氏名又は名称】ブループリント メディシンズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ビフルコ, ニール ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ブルージマンス, ナターシャ
(72)【発明者】
【氏名】ホドゥス, ブライアン エル.
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジョセフ エル.
(72)【発明者】
【氏名】ミドゥトゥル, チャンドラセカール ブイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウェングロウスキー, スティーブン マーク
【審査官】 小川 由美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2004/063195(WO,A1)
【文献】 特表2004−519422(JP,A)
【文献】 特表2012−501654(JP,A)
【文献】 特表2011−526299(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/034907(WO,A1)
【文献】 特表2014−513729(JP,A)
【文献】 CHEMISTRY AND BIOLOGY,英国,2010年 3月26日,V17 N3,P285-295
【文献】 Journal of Medicinal Chemistry,2012年,55(5),2251-2264
【文献】 Journal of Medicinal Chemistry,2011年,54(5),1347-1355
【文献】 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2009年,19(24),6872-6876
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D,A61K
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩:
【化201】
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式I
(式中、
環Aは、3〜8員アリール、ヘテロアリール、複素環式または脂環式基であり;
Xは、CHまたはNであり;
Yは、CHまたはN−R(式中、Rは、HまたはC1〜6アルキルである)であり;
YがCHである場合、
【化218】
[この文献は図面を表示できません]
は、二重結合を表し、
YがN−Rである場合、
【化219】
[この文献は図面を表示できません]
は、単結合を表し、
Lは、−[C(R)(R)]−(式中、RおよびRの各々は、独立して、HまたはC1〜6アルキルであり、qは0〜4である)であり;
、R、およびRの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アミド、アルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、または置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;
mは、0〜3であり;
nは、4であり;
pは、0〜2であり;そして
Warheadは、以下:
【化301】
[この文献は図面を表示できません]

から選択され、式中、Xは、ハロおよびトリフレートから選択される脱離基であり;そして
、R、およびRの各々は、独立して、H;置換もしくは非置換C1〜4アルキル;または置換もしくは非置換C1〜4シクロアルキルである)。
【請求項2】
Warheadが、
【化302】
[この文献は図面を表示できません]

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、アリールまたはヘテロアリールである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
Aが、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Aが、複素環式である、請求項1または2記載の化合物。
【請求項6】
Aが、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンおよびモルホリンから選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Aが、脂環式である、請求項1または2記載の化合物。
【請求項8】
の各々が、独立してハロまたはメトキシである、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
2つのRが、クロロであり、2つのRが、メトキシである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
XがNであり、YがCHである、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
【化303】
[この文献は図面を表示できません]

から成る群から選択される化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩。
【請求項12】
薬剤的に許容可能な担体および請求項1〜11のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項13】
FGFR4が介在する症状の治療における使用のための、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
FGFR4の過剰発現により特徴付けられた症状の治療における使用のための、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項15】
肝細胞癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、肝癌、肉腫、および高脂血症から選択される障害の処置における使用のための、請求項12に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本特許出願は、2012年7月11日に出願された米国仮特許出願第61/670,379号および2012年12月28日に出願された米国仮特許出願第61/746,666号の優先権の利益を主張し、各出願は、その全文を参照することにより本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
本明細書には、チロシンキナーゼの活性を阻害するための、化合物、かかる化合物の製造方法、医薬組成物、ならびにかかる化合物および組成物の使用方法が記載される。
【背景技術】
【0003】
線維芽細胞成長因子受容体4(FGFR4)は、ヒト中、FGFR4遺伝子によりコードされるタンパク質である。このタンパク質は、線維芽細胞成長因子受容体ファミリーのメンバーであり、アミノ酸配列が、進化を通じてメンバー間に高度に保存された。FGFRファミリーメンバー1〜4は、そのリガンド親和性および組織分布の点で互いに異なる。全長代表タンパク質は、3つの免疫グロブリン様ドメイン、1つの疎水性膜貫通セグメントおよび細胞質チロシンキナーゼドメインで構成される細胞外領域から成る。該タンパク質の細胞外部分は、線維芽細胞成長因子と相互作用し、下流シグナルのカスケードを動かして、最終的に、有糸分裂誘発および分化に影響する。FGFR4遺伝子のゲノム構築は、18個のエキソンを包含する。選択的スプライシングが観察されたが、このタンパク質のIgIIIドメインのC末端側半分が、FGFR1〜3で示されているような、3つの交換形態間で変化する証拠はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
軟組織におけるカルシウム・リンの不適当な沈着により特徴付けられる異所性石灰化は、FGFR1阻害剤で処置したラット中で観察された(Brown, AP et al. (2005), Toxicol. Pathol., p. 449−455)。これは、FGFR1を含む他のアイソフォームのFGFRの阻害なしでのFGFR4選択的阻害は、ある特定の毒性を回避するために、望ましくあり得ることを示唆している。FGFR4は、線維芽細胞成長因子19(FGF19)に、優先的に結合し、近年、ある特定の肉腫、腎細胞癌、乳癌、および肝癌の進行に関連付けられてきた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書には、FGFR4の阻害剤が記載される。さらに本明細書には、FGFR4の阻害剤を含む医薬処方物が記載される。
【0006】
ひとつの態様では、本発明は、式Iの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩であることを特徴とする:
【0007】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]

式I
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;環Aは、3〜8員アリール、ヘテロアリール、複素環式または脂環式基であり;
Xは、CHまたはNであり;Yは、CHまたはN−R(式中、Rは、HまたはC1〜6アルキルである)であり;Lは、−[C(R)(R)]−(式中、RおよびRの各々は、独立して、HまたはC1〜6アルキルであり;およびqは0〜4である)であり;R〜Rの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アミド、アルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;およびmは、0〜3であり;nは、0〜4であり;pは0〜2である。いくつかの実施形態では、環Aは、フェニル、例えば、1,2−二置換フェニルであり;Rは、ハロまたはメトキシであり;nは、2または4であり;Xは、Nであり;Rは、メチルであり;および/またはmは、1である。
【0008】
別の態様では、本発明は、式IIの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩であることを特徴とする:
【0009】
【化2】
[この文献は図面を表示できません]

式II
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;Wは、CまたはNであり;Zは、CHまたはNであり;Yは、CHまたはN−R(式中、Rは、HまたはC1〜6アルキルである)であり;RはHまたはC1〜6アルキルであり;RおよびRの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、置換されていてもよいアルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;nは、0〜4であり;およびpは0〜2である。いくつかの実施形態では、Rは、ハロまたはメトキシであり;nは、2または4であり;Yは、N−R(式中、Rは、メチルである)であり;および/またはRは、メチルである。
【0010】
別の態様では、本発明は、式IIIの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩であることを特徴とする:
【0011】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]

式III
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;Rは、Hまたはジアルキルアミノアルキルを含む置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;RおよびRの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、置換されていてもよいアルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;nは、0〜4であり;およびpは0〜2である。いくつかの実施形態では、Rは、ハロまたはメトキシであり;nは、2または4である。いくつかの実施形態では;Rは、メチルであり;他の実施形態では、Rは、ジエチルアミノブチルである。
【0012】
別の態様では、本発明は、式IVの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩であることを特徴とする:
【0013】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]

式IV
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;Rは、Hまたは置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;RおよびRの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、置換されていてもよいアルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;nは、0〜4であり;およびpは0〜2である。いくつかの実施形態では、Rは、ハロまたはメトキシであり;nは、2または4であり;および/またはRはメチルである。
【0014】
別の態様では、本発明は、式Vの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩であることを特徴とする:
【0015】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]

式V
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;R〜Rの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、置換されていてもよいアルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルアミドであり;mは、0〜3であり;nは、0〜4であり;およびpは0〜2である。
【0016】
別の態様では、本発明は、式VIの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩であることを特徴とする:
【0017】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]

式VI
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;Lは、アリール、ヘテロアリール、または−[C(R)(R)]−(式中、RおよびRの各々は、独立して、HまたはC1〜6アルキルであり;qは0〜4である)であり;Rの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アミド、置換されていてもよいアルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;およびmは、0〜3である。いくつかの実施形態では、Lは、アルキレンであり;他の実施形態では、Lは、フェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、トリフルオロエチル尿素である。
【0018】
別の態様では、本発明は、式VIIの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩であることを特徴とする:
【0019】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]

式VII
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;RおよびRの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アミド、置換されていてもよいアルキルスルホンアミド、置換されていてもよいアルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;mは、0〜3であり;およびnは0〜4である。
【0020】
別の態様では、本発明は、式VIIIの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩であることを特徴とする:
【0021】
【化8】
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式VIII
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;環Aは、3〜8員アリール、ヘテロアリール、複素環式または脂環式基であり;Wは、CまたはNであり;XおよびZの各々は、独立して、CHまたはNであり;Yは、CHまたはN−R(式中、Rは、HまたはC1〜6アルキルである)であり;Lは、−[C(R)(R)]−(式中、RおよびRの各々は、独立して、HまたはC1〜6アルキルであり、qは0〜4である)であり;R〜Rの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アミド、アルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;mは、0〜3であり;nは、0〜4であり;およびpは0〜2である。いくつかの実施形態では、環Aは、フェニルであり;Rは、ハロまたはメトキシであり;nは、2または4であり;Xは、Nであり;Rは、メチルであり;および/またはmは、1である。
【0022】
他の態様では、該化合物は、式IXの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩である:
【0023】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]

式IX
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;RおよびRの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アミド、置換されていてもよいアルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリルであり;mは、0〜3であり;およびnは0〜4である。
【0024】
他の態様では、本発明は、式Xの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩であることを特徴とする:
【0025】
【化10】
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式X
式中、Rは、ウォーヘッド部分であり;Rは、ハロ、アミノ、ヒドロキシ、またはシアノで置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;各Rは、独立して、ハロ、アミノ、シアノ、C1〜6アルキル、またはC1〜6アルコキシ、およびnは、2〜5であり;およびRは、置換されていてもよいC1〜6アルキルである。
【0026】
本明細書に記載の化合物では、ウォーヘッドは、求核剤と反応性がある、例えば、求核剤との共有結合を形成可能な部分である。ウォーヘッドの例としては、ハロゲン化アルキル、スルホン酸アルキル、ハロゲン化ヘテロアリール、エポキシド類、ハロアセトアミド類、マレイミド類、スルホン酸エステル類、α,β不飽和ケトン類、α,β不飽和エステル類、スルホン酸ビニル類、プロパルギルアミド類、アクリルアミド類が挙げられるが、これに限定されない。これらの例のいくつか、例えば、アクリルアミドおよびプロパルギルアミドなどでは、ウォーヘッドのNは、上記式中の隣接するNである。実例となるウォーヘッドの構造は、以下に示される:
【0027】
【化11】
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【0028】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
式中、Xは、ハロ、または活性化されたヒドロキシル部分(例えば、トリフレート)などの脱離基であり;およびR、R、およびRの各々は、独立して、H、置換または非置換C1〜4アルキル、置換または非置換C1〜4シクロアルキル、またはシアノである。
【0029】
上記式中、該ウォーヘッドは、典型的に、阻害剤のN原子に結合している。他の実施形態では、該ウォーヘッドは、N以外の原子と、代わりに結合し得る。実例となるウォーヘッドの例としては、
【0030】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0031】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0032】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【0033】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0034】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0035】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられるが、これに限定されない。ウォーヘッドの他の例を、例えば、国際公開第2010/028236号および同第2011/034907号中に見ることができる。
【0036】
ある特定の実施形態では、本発明のFGFR4阻害剤は、それらが、それが、FGFR1活性を阻害するより、強力にFGFR4活性を阻害する。例えば、本発明のFGFR4阻害剤は、それらが、FGFR1活性を阻害するより、少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、または少なくとも500倍強力にFGFR4活性を阻害する。
【0037】
ひとつの態様では、選択性は、同型アッセイにおいて、本発明の化合物が原因となるFGFR1とFGFR4の阻害を比較することにより測定される。ひとつの実施形態では、FGFR1とFGFR4の阻害の測定に使用される該アッセイは、本明細書に記載のいずれものアッセイである。通常、阻害は、IC50(酵素活性の50%が阻害されるときの阻害剤濃度)として表され、従って、倍選択性は、式:(IC50FGFR1)/(IC50FGFR4)により測定される。同じ測定と算出は、その上、FGFR2およびFGFR3の選択性測定のためにも使用され得る。
【0038】
FGFR活性の他のいずれのアッセイも、かかるアッセイが、当業者が、FGFR活性の測定で、同じパラメーターであると見做せるものを利用する限り、本発明の化合物によりFGFR1およびFGFR4の相対的阻害を決定するために利用され得る。
【0039】
別の態様では、本発明は、薬剤的に許容可能な担体および本明細書に記載の化合物を含む医薬組成物であることを特徴とする。
【0040】
別の態様では、本発明は、FGFR4共有結合性阻害剤であることを特徴とする。いくつかの実施形態では、該FGFR4共有結合性阻害剤は、生化学アッセイで測定されるとき、それが、FGFR1活性を阻害するより、強力にFGFR4を阻害する。該阻害剤は、ウォーヘッドを有し得る。
【0041】
別の態様では、本発明は、生化学アッセイで測定されるとき、それが、FGFR1活性を阻害するより、強力にFGFR4を阻害する化合物であり、該化合物が、1500ダルトンより小さい分子量を有することを特徴とする。例えば、該化合物は、生化学アッセイで測定されるとき、それが、FGFR1活性を阻害するより、少なくとも10倍、50倍、100倍、200倍、または500倍強力にFGFR4を阻害し得る。いくつかの場合では、該化合物は、FGFR4、例えば、FGFR4のCys522と共有結合を形成し得る。
【0042】
別の態様では、本発明は、FGFR4のシステイン残基との共有結合を有する阻害剤を含む阻害されたFGFR4タンパク質であることを特徴とする。該共有結合は、該阻害剤のウォーヘッド部分の一部分とFGFR4のシステイン残基、例えば、該タンパク質のシステイン残基552の一部分との間に形成され得る。該ウォーヘッドは、
【0043】
【化19】
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であり得る。
【0044】
別の態様では、本発明は、FGFR4が介在する症状、FGFR4の過剰発現により特徴付けられる症状、FGFR4の増幅により特徴付けられる症状、FGF19が介在する症状、増幅されたFGF19により特徴付けられる症状、またはFGF19の過剰発現により特徴付けられる症状を治療する方法であり、これらの方法のいずれかが、本明細書で開示される化合物の治療有効量を、対象に投与することを含むことを特徴とする。
【0045】
別の態様では、本発明は、本明細書で開示される化合物の治療有効量を、対象に投与することにより、次の症状のいずれかを治療する方法を特徴とする:肝細胞癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、肝癌、肉腫、または高脂血症。
【0046】
本発明は、上記実施形態の全ての可能な組み合わせを包含する。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
式Iの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩:
【化201】
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式I
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;
環Aは、3〜8員アリール、ヘテロアリール、複素環式または脂環式基であり;
Xは、CHまたはNであり;
Yは、CHまたはN−R(式中、Rは、HまたはC1〜6アルキルである)であり;Lは、−[C(R)(R)]−(式中、RおよびRの各々は、独立して、HまたはC1〜6アルキルであり、qは0〜4である)であり;
〜Rの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アミド、アルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;
およびmは、0〜3であり;nは、0〜4であり;pは0〜2である。
(項目2)
Xが、Nであり、Yが、CHである、項目1記載の化合物。
(項目3)
Aが、フェニルである、項目1または2記載の化合物。
(項目4)
2つのRが、クロロであり、2つのRが、メトキシである、項目1〜3のいずれかに記載の化合物。
(項目5)
が、メチルである、項目1〜4のいずれかに記載の化合物。
(項目6)
qが、0である、項目1〜5のいずれかに記載の化合物。
(項目7)
Warheadが、
【化202】
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である、項目1〜6のいずれかに記載の化合物。
(項目8)
式IIの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩:
【化203】
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式II
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;
Wは、CまたはNであり;
Zは、CHまたはNであり;
Yは、CHまたはN−R(式中、Rは、HまたはC1〜6アルキルである)であり;RはHまたはC1〜6アルキルであり;
およびRの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、置換されていてもよいアルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;
nは、0〜4であり;
およびpは0〜2である。
(項目9)
が、ハロまたはメトキシである、項目8記載の化合物。
(項目10)
nが4である、項目8または9記載の化合物。
(項目11)
Yが、N−R(式中、Rは、メチルである)である、項目8〜10のいずれかに記載の化合物。
(項目12)
が、メチルである、項目8〜11のいずれかに記載の化合物。
(項目13)
式IIIの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩:
【化204】
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式III
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;
は、Hまたはジアルキルアミノアルキルを含む置換されていてもよいC1〜6アルキルであり;
およびRの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、置換されていてもよいアルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;
nは、0〜4であり;およびpは0〜2である。
(項目14)
各Rが、独立して、ハロまたはメトキシである、項目13記載の化合物。
(項目15)
nが、2である、項目14記載の化合物。
(項目16)
nが、4である、項目14記載の化合物。
(項目17)
が、メチルである、項目13〜16のいずれかに記載の化合物。
(項目18)
が、ジエチルアミノブチルである、項目13〜16のいずれかに記載の化合物。
(項目19)
式IVの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩:
【化205】
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式IV
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;Rは、Hまたは置換
されていてもよいC1〜6アルキルであり;
およびRの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、置換されていてもよいアルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;
nは、0〜4であり;およびpは0〜2である。
(項目20)
が、ハロまたはメトキシである、項目19記載の化合物。
(項目21)
nが、2である、項目19または20記載の化合物。
(項目22)
nが、4である、項目19または20記載の化合物。
(項目23)
が、メチルである、項目19〜22のいずれかに記載の化合物。
(項目24)
式Vの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩:
【化206】
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式V
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;
〜Rの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、置換されていてもよいアルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルアミドであり;
mは、0〜3であり;nは、0〜4であり;およびpは0〜2である。
(項目25)
式VIの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩:
【化207】
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式VI
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;
Lは、アリール、ヘテロアリール、または−[C(R)(R)]−(式中、RおよびRの各々は、独立して、HまたはC1〜6アルキルであり;qは0〜4である)であり;
の各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アミド、置換されていてもよいアルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;およびmは、0〜3である。
(項目26)
Lが、アルキレンである、項目25記載の化合物。
(項目27)
Lが、フェニルである、項目25記載の化合物。
(項目28)
が、トリフルオロエチル尿素である、項目25〜27のいずれかに記載の化合物。
(項目29)
式VIIの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩:
【化208】
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式VII
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;
およびRの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アミド、置換されていてもよいアルキルスルホンアミド、置換されていてもよいアルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;
mは、0〜3であり;およびnは0〜4である。
(項目30)
式VIIIの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩:
【化209】
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式VIII
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;
環Aは、3〜8員アリール、ヘテロアリール、複素環式または脂環式基であり;
Wは、CまたはNであり;
XおよびZの各々は、独立して、CHまたはNであり;Yは、CHまたはN−R(式中、Rは、HまたはC1〜6アルキルである)であり;
Lは、−[C(R)(R)]−(式中、RおよびRの各々は、独立して、HまたはC1〜6アルキルであり、qは0〜4である)であり;
〜Rの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アミド、アルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいC1〜6ヘテロシクリルであり;mは、0〜3であり;nは、0〜4であり;およびpは0〜2である。
(項目31)
式IXの化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩:
【化210】
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式IX
式中、Warheadは、求核剤との共有結合を形成可能な部分であり;
およびRの各々は、独立して、ハロ、シアノ、置換されていてもよいC1〜6アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アミド、置換されていてもよいアルキル尿素、置換されていてもよいC1〜6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリルであり;mは、0〜3であり;およびnは0〜4である。
(項目32)
Warheadが、
【化211】
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【化212】
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(式中、Xは、ハロ、またはトリフレートであり;およびR、R、およびRの各々は、独立して、H、置換または非置換C1〜4アルキル、置換または非置換C1〜4シクロアルキル、またはシアノである)
から成る群から選択される、項目1〜31のいずれかに記載の化合物。
(項目33)
Warheadが、
【化213】
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である、項目1〜32のいずれかに記載の化合物。
(項目34)
【化214】
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【化215】
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【化216】
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から成る群から選択される化合物、またはその薬剤的に許容可能な塩。
(項目35)
薬剤的に許容可能な担体および項目1〜34のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物。
(項目36)
前記化合物が、生化学アッセイで測定するとき、それが、FGFR1活性を阻害するより強力にFGFR4活性を阻害する、項目1〜34のいずれかに記載の化合物。
(項目37)
FGFR4の共有結合性阻害剤。
(項目38)
前記阻害剤が、ウォーヘッドを有する、項目37に記載の阻害剤。
(項目39)
生化学アッセイで測定するとき、FGFR1活性を阻害するより強力にFGFR4活性を阻害する化合物であって、前記化合物が、1500ダルトンより小さい分子量を有する化合物。
(項目40)
前記化合物が、生化学アッセイで測定するとき、それが、FGFR1活性を阻害するより、少なくとも10倍強力にFGFR4活性を阻害する、項目39記載の化合物。
(項目41)
前記化合物が、生化学アッセイで測定するとき、それが、FGFR1活性を阻害するより、少なくとも50倍強力にFGFR4活性を阻害する、項目39記載の化合物。
(項目42)
前記化合物が、生化学アッセイで測定するとき、それが、FGFR1活性を阻害するより、少なくとも100倍強力にFGFR4活性を阻害する、項目39記載の化合物。
(項目43)
前記化合物が、生化学アッセイで測定するとき、それが、FGFR1活性を阻害するより、少なくとも200倍強力にFGFR4活性を阻害する、項目39記載の化合物。
(項目44)
前記化合物が、生化学アッセイで測定するとき、それが、FGFR1活性を阻害するより、少なくとも500倍強力にFGFR4活性を阻害する、項目39記載の化合物。
(項目45)
前記化合物が、ウォーヘッドを有する、項目39〜44のいずれかに記載の化合物。
(項目46)
前記化合物が、FGFR4との共有結合を形成可能である、項目45記載の化合物。
(項目47)
FGFR4のシステイン残基と共有結合を有する阻害剤を含む、阻害されたFGFR4タンパク質。
(項目48)
前記共有結合が、前記阻害剤のウォーヘッド部分の一部分とFGFR4のシステイン残基の一部分との間にある、項目47記載の阻害されたタンパク質。
(項目49)
前記ウォーヘッドが、
【化217】
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である、項目48記載の阻害されたタンパク質。
(項目50)
前記阻害剤が、FGFR4のシステイン残基552との共有結合を有する、項目47〜49のいずれかに記載の阻害されたタンパク質。
(項目51)
項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の治療有効量を、対象に投与することを含む、FGFR4が介在する症状を治療する方法。
(項目52)
項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の治療有効量を、対象に投与することを含む、FGFR4の過剰発現により特徴付けられた症状を治療する方法。
(項目53)
項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の治療有効量を、対象に投与することを含む、増幅したFGF19により特徴付けられた症状を治療する方法。
(項目54)
肝細胞癌の治療方法であって、前記方法が、項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の治療有効量を、対象に投与することを含む方法。
(項目55)
乳癌の治療方法であって、前記方法が、項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の治療有効量を、対象に投与することを含む方法。
(項目56)
卵巣癌の治療方法であって、前記方法が、項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の治療有効量を、対象に投与することを含む方法。
(項目57)
肺癌の治療方法であって、前記方法が、項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の治療有効量を、対象に投与することを含む方法。
(項目58)
肝癌の治療方法であって、前記方法が、項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の治療有効量を、対象に投与することを含む方法。
(項目59)
肉腫の治療方法であって、前記方法が、項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の治療有効量を、対象に投与することを含む方法。
(項目60)
高脂血症の治療方法であって、前記方法が、項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の治療有効量を、対象に投与することを含む方法。
(項目61)
FGFR4が介在する症状を治療する方法用の項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物。
(項目62)
FGFR4の過剰発現により特徴付けられる症状を治療する方法用の項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物。
(項目63)
増幅したFGF19により特徴付けられる症状を治療する方法用の項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物。
(項目64)
肝細胞癌を治療する方法用の項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物。
(項目65)
乳癌を治療する方法用の項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物。
(項目66)
卵巣癌を治療する方法用の項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物。
(項目67)
肺癌を治療する方法用の項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物。
(項目68)
肝癌を治療する方法用の項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物。
(項目69)
肉腫を治療する方法用の項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物。
(項目70)
高脂血症を治療する方法用の項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物。
(項目71)
FGFR4が介在する症状の治療用医薬品製造のための項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の使用。
(項目72)
FGFR4の過剰発現により特徴付けられる症状の治療用医薬品製造のための項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の使用。
(項目73)
増幅したFGF19により特徴付けられる症状の治療用医薬品製造のための項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の使用。
(項目74)
肝細胞癌の治療用医薬品製造のための項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の使用。
(項目75)
乳癌の治療用医薬品製造のための項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の使用。
(項目76)
卵巣癌の治療用医薬品製造のための項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の使用。
(項目77)
肺癌の治療用医薬品製造のための項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の使用。
(項目78)
肉腫の治療用医薬品製造のための項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の使用。
(項目79)
肝癌の治療用医薬品製造のための項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の使用。
(項目80)
高脂血症の治療用医薬品製造のための項目1〜34または36〜46のいずれかに記載の化合物の使用。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】結合した阻害剤を有しない、および有するFGFR4タンパク質の質量を示すスペクトルである。
図2】結合した阻害剤を有しない、および有するFGFR4タンパク質の質量を示すスペクトルである。
図3】化合物25のカスパーゼ活性を示すグラフである。
図4】FGFR4タンパク質に結合した化合物52の結晶構造の図である。
図5】FGFR4タンパク質に結合した化合物25の結晶構造の図である。
図6】化合物25の抗腫瘍効果を示す線グラフである。
図7】Hep3B移植ヌードマウスの腫瘍重量を示す棒グラフである。
図8】Hep3B移植ヌードマウスの体重変化(%)を示す線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
BGJ398およびAZD4547などの汎FGFR阻害剤が知られている。
【0049】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
これらの化合物(すなわち、該汎FGFR阻害剤)は、FGFRの他のアイソフォーム、すなわち、FGFR1、FGFR2、およびFGFR3に対してより、FGFR4に対して強力であることは報告されていない。事実、AZD4547は、それが、他3つのアイソフォームに対するより、FGFR4に対して強力でない。
【0050】
BGJ398およびAZD4547と異なり、以下に開示される化合物は、FGFR4タンパク質と共有結合を形成し得る;例えば、該化合物は、FGFR4のシステイン残基、例えば、残基552のシステインと共有結合を形成し得る。FGFR1〜3は、このシステインを含有しない。従って、該化合物とFGFR4との間の共有結合を形成する能力は、本明細書に開示される化合物のFGFR4に対する選択性の点で、重要な因子である。
【0051】
次の記載または図に示される成分の構造および配置の詳細は、限定することを意図するものではない。本発明を実行するための他の実施形態および異なる方法は、明示的に包含される。本明細書で使用される表現法および用語法は、説明するためのものであり、限定するものと見なされるべきでない。本明細書中、「含む(including)、」「含む(includes)、」「含む(include)、」「含む(comprising)、」または「有する、」「含む(containing)」、「含む(involving)」、およびその変化形は、追加項目だけでなく、その後に列挙される項目およびその同等物を包含することを意図する。
【0052】
定義
本明細書で使用される、「脂肪族基」は、直鎖、分岐鎖、または環式炭化水素基を表し、アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基などの飽和基および不飽和基を含む。
【0053】
本明細書で使用される、「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を含む脂肪族基を表す。
【0054】
本明細書で使用される、「アルコキシル」または「アルコキシ」は、それに結合した酸素ラジカルを有するアルキル基を表す。代表的なアルコキシル基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、tert−ブトキシおよび同様のものが挙げられる。
【0055】
本明細書で使用される、「アルキル」は、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基を含む飽和脂肪族基のラジカルを表す。「アルキレン」は、2つのラジカル、すなわち、2つの末端で置換された脂肪族基を表す。いくつかの実施形態では、直鎖または分岐鎖アルキルは、その骨格(例えば、直鎖のC1〜C30、分岐鎖でC3〜C30)に、30個以下の炭素原子を有し、他の実施形態では、20個以下、または10個以下を有し得る。同様に、ある特定のシクロアルキルは、その環構造中に、3〜10個の炭素原子を有し得、いくつかの実施形態では、環構造中に、5個、6個または7個の炭素を有し得る。本明細書で使用される、「アルケニル」という語は、少なくとも1つの二重結合を含む脂肪族基をいい;本明細書で使用される、「アルキニル」という語は、少なくとも1つの三重結合を含む脂肪族基をいう。
【0056】
本明細書で使用される、「アルキルチオ」は、それに結合した硫黄ラジカルを有するヒドロカルビル基を表す。いくつかの実施形態では、「アルキルチオ」部分は、−S−アルキル、−S−アルケニル、または−S−アルキニルのひとつにより表される。代表的アルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、および同様のものが挙げられる。
【0057】
本明細書で使用される、「アミド」は、−C(=O)−N(R)(R)または−N(R)−C(=O)−R(RおよびRの各々はHまたはアルキルである)を表す。
【0058】
本明細書で使用される、「アミノ」は、−NH、−NH(アルキル)、または−N(アルキル)(アルキル)を表す。
【0059】
本明細書で使用される、「増幅した」は、遺伝子または染色体セグメントの追加複製物が、増殖または生存優位性を与え得る癌細胞中で産生されることを意味する。
【0060】
本明細書で使用される、「アラルキル」は、アリール基(例えば、芳香族基または芳香族複素環基)で置換されたアルキル基を表す。
【0061】
本明細書で使用される、「アリール」は、0〜4個のヘテロ原子を含み得る5員、6員、および7員単環芳香族基、例えば、フェニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニルおよびピリミジニル、および同様のものを表す。環構造中にヘテロ原子を有するこれらのアリール基は、「アリール複素環」または「芳香族複素環」とも表わされ得る。芳香族環は、1つ以上の環位置で、上記のような置換基、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ポリシクリル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族または芳香族複素環部分、−CF、−CN、または同様のもので置換され得る。「アリール」という語は、2つ以上の炭素が2つの隣接環に共通である2つ以上の環を有し(該環は「縮合環」である)、少なくとも1つの環が芳香族、例えば、他の環はシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリルであり得る、多環式環構造も包含する。各環は、例えば、5〜7員を含み得る。
【0062】
本明細書で使用される、「炭素環」または「シクロアルキル」という語は、環の各原子が炭素である芳香族または非芳香族環を表す。
【0063】
本明細書で使用される、「共有結合性阻害剤」は、タンパク質と共有結合を形成できる阻害剤を意味する。
【0064】
組成物の「鏡像体過剰率」または「鏡像体過剰率%」は、下式を用いて算出され得る。下記例では、組成物は、90%の1つの鏡像異性体、例えば、S鏡像異性体および10%の他鏡像異性体、すなわちR鏡像異性体を含む。
ee=(90−10)/100=80%
従って、90%の1つの鏡像異性体および10%の他の鏡像異性体を含む組成物は、80%の鏡像体過剰率を有すると言える。本明細書に記載のいくつかの組成物は、化合物1(S鏡像異性体)の少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の鏡像体過剰率を含む。言い換えれば、該組成物は、R鏡像異性体に対して、過剰のS鏡像異性体を含む。
【0065】
「FGFR4」または「FGFR4タンパク質」は、野生型および全変異体(突然変異体およびスプライスバリアントが挙げられるが、これに限定されない)を含むFGFR4のいずれかの形態を表す。該FGFR4タンパク質は、FGFR4遺伝子の産生物であり、従って、該FGFR4タンパク質は、全ての異常、例えば、点変異、インデル、転位融合、および限局性増幅などを含む、FGFR4遺伝子のいずれかの形態によりコードされたいずれのタンパク質も含む。
【0066】
「ヘテロアリールアルキル」は、ヘテロアリール基で置換されたアルキル基を表す。
【0067】
「ヘテロシクリル」または「複素環式基」は、その環(複数可)が、1つ以上のヘテロ原子を含む、3員〜7員環構造などの環構造を表す。複素環は、例えば、3環員〜7環員を有する各基を有する多環でもあり得る。「ヘテロシクリル」または「複素環式基」という語は、「ヘテロアリール」および「飽和または部分的飽和ヘテロシクリル」構造を包含する。「ヘテロアリール」は、O、N、またはSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する、5〜8員芳香族単環式構造、8〜12員二環式構造、または11〜14員三環式構造を表す。いずれの環原子も、置換され得る(例えば、1つ以上の置換基により)。「飽和または部分的飽和ヘテロシクリル」という語は、少なくとも1つのヘテロ原子を含む非芳香族環式構造を表す。ヘテロシクリル基としては、例えば、チオフェニル、チアントレニル、フラニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチイン、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、イソキノリニル、キノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ピリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、オキソラン、チオラン、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン類、アゼチジノン類およびピロリジノン類、スルタム類、スルトン類などのラクタム類、および同様のものが挙げられる。複素環は、1つ以上の位置で、例えば、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族または芳香族複素環部分、−CF、−CN、または同様のものなどの上記のかかる置換基で置換され得る。
【0068】
「ヘテロシクリルアルキル」は、複素環基で置換されたアルキル基を表す。
【0069】
「阻害剤」は、例えば、生化学アッセイで、酵素の活性減少が観察され得るように、酵素を阻害する化合物を表す。ある特定の実施形態では、阻害剤は、約1μM未満、約500nM未満、約250nM未満、約100nM未満、約50nM未満、または約10nM未満のIC50を有する。FGFR4の阻害剤は、FGFR4を阻害する化合物を表す。
【0070】
本明細書で使用される、「過剰発現した」は、対照試料(例えば、正常組織)の集団中で観察されるより、実質的に高い試料中の遺伝子産生物の産生があることを意味する。
【0071】
「選択的」は、それが、他のタンパク質の活性を阻害するより、強力に標的タンパク質、例えば、FGFR4の活性を阻害する化合物を表す。この場合に、アイソフォームのFGFR1、FGFR2、FGFR3、およびFGFR4は、全て、別々のタンパク質と考えられる。いくつかの実施形態では、化合物は、それが、非標的タンパク質の活性を阻害するより、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍またはもっと大きい倍数で強力に、標的タンパク質、例えば、FGFR4の活性を阻害し得る。
【0072】
「置換された」は、骨格の1つ以上の炭素上の水素を置き換えた置換基を有する部分を表す。「置換」または「で置換された」は、かかる置換は、置換された原子および置換基の許容される原子価に従っており、該置換は、安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離などにより、転換が自然に起こらないことの暗黙の条件付きであると理解されるだろう。本明細書で使用される、「置換された」という語は、有機化合物の全許容できる置換基を含むと解釈される。一般的な態様では、該許容できる置換基は、有機化合物の非環式および環式、分岐鎖および非分岐鎖、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族置換基を含む。該許容できる置換基は、適当な有機化合物に対し、1つ以上および同じまたは異なり得る。本発明の目的のため、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/または該ヘテロ原子の原子価を満たす、本明細書に記載の有機化合物の許容できる置換基のいずれかを有し得る。置換基としては、本明細書に記載の置換基のいずれか、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシルなど)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメートなど)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくは芳香族複素環部分を挙げられる。炭化水素鎖上で置換された部分は、適切な場合、それら自体置換され得ることは、当業者は理解するだろう。例えば、置換されたアルキルの置換基は、エーテル類、アルキルチオ類、カルボニル類(ケトン類、アルデヒド類、カルボキシレート類、およびエステル類)、−CF、−CNおよび同様のものだけでなく、アミノ、アジド、イミノ、アミド、ホスホリル(ホスホネートおよびホスフィネートを含む)、スルホニル(スルフェート、スルホンアミド、スルファモイルおよびスルホネートを含む)、およびシリル基の置換または非置換形態を含み得る。実例となる置換アルキルは下に記載される。シクロアルキルは、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノアルキル、カルボニル置換アルキル、−CF、−CNおよび同様のもので、さらに置換され得る。類似の置換は、例えば、アミノアルケニル、アミノアルキニル、アミドアルケニル、アミドアルキニル、イミノアルケニル、イミノアルキニル、チオアルケニル、チオアルキニル、カルボニル置換アルケニルまたはアルキニルを生成するために、アルケニル基およびアルキニル基に成され得る。
【0073】
本明細書で使用される、例えば、アルキル、m、n、他などの各表現の定義は、いずれかの構造中一度より多くあるとき、同じ構造中の他の場所でのその定義から独立しているものである。
【0074】
「ウォーヘッド部分」または「ウォーヘッド」は、可逆的あるいは非可逆的に、供与体、例えば、タンパク質の基質との反応に関与する阻害剤の部分を表す。例えば、ウォーヘッドは、タンパク質と共有結合を形成し得、または安定な遷移状態を生成し得、または可逆的もしくは非可逆的アルキル化剤であり得る。例えば、該ウォーヘッド部分は、結合形成反応に関与できる阻害剤上の官能基であり得、新しい共有結合は、該ウォーヘッドの一部分と供与体、例えば、タンパク質のアミノ酸残基との間で形成される。実施形態では、該ウォーヘッドは、求電子剤であり、「供与体」は、システイン残基の側鎖などの求核剤である。適当なウォーヘッドの例としては、下記の基が挙げられるが、これに限定されない:
【0075】
【化21】
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【0076】
【化22】
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式中、Xは、ハロ、または活性化されたヒドロキシル部分(例えば、トリフレート)などの脱離基であり;およびR、R、およびRの各々は、独立して、H、置換または非置換C1〜4アルキル、置換または非置換C1〜4シクロアルキル、またはシアノである。
【0077】
本明細書に記載の化合物は、かかる化合物を構成する1つ以上の原子において、非天然比率の原子の同位体を含み得る。例えば、該化合物は、例えば、トリチウム(H)または炭素14(14C)などの放射性同位元素で放射標識され得る。本明細書に開示の化合物の全同位体変化形は、放射性か否かにかかわらず、本発明の範囲内に包含されることになる。例えば、重水素化化合物または13C含有化合物は、本発明の範囲内に包含されることになる。
【0078】
ある特定の化合物は、種々の互変異性型で存在し得、本明細書に記載の全化合物中の全可能な互変異性型は、本発明の範囲内に包含されることになる。
【0079】
特に明記しない限り、本明細書に示された構造は、該構造の全異性(例えば、鏡像異性、ジアステレオ異性、および幾何異性(または配座異性))形態を含むことも意図されている;例えば、各不斉中心に対してRおよびS立体配置、ZおよびE二重結合異性体、およびZおよびE配座異性体。従って、本化合物の鏡像異性、ジアステレオ異性、および幾何異性(または配座異性)混合物だけでなく、単一の立体化学異性体は、本発明の範囲内である。特に明記しない限り、本発明の化合物の全互変異性型は、本発明の範囲内である。
【0080】
本明細書に記載の化合物は、遊離塩基として、または塩として有用であり得る。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリル酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナプチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプタン酸塩、ラクトビオン酸塩、およびラウリルスルホン酸塩および同様のものが挙げられる。(例えば、Berge et al. (1977) "Pharmaceutical Salts", J. Pharm. Sci. 66:1−19参照。)
【0081】
本明細書に記載のある特定の化合物は、水和物体を含む溶媒和体だけでなく、非溶媒和体で存在し得る。一般に、溶媒和体は、非溶媒和体と同等であり、本発明の範囲内に包含される。本明細書に記載のある特定の化合物は、複数の結晶またはアモルファス形態で存在し得る。一般に、全物理的形状は、本発明により企図される用途に等価であり、本発明の範囲内であることが意図される。
【0082】
実例となる化合物としては、次のものが挙げられる:
【0083】
【化23】
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【0084】
【化24】
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【0085】
【化25】
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【0086】
【化26】
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【0087】
【化27】
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【0088】
【化28】
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【0089】
【化29】
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【0090】
【化30】
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【0091】
【化31】
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【0092】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0093】
【化33】
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【0094】
【化34】
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【0095】
【化35】
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【0096】
【化36】
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【0097】
【化37】
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【0098】
【化38】
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【0099】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0100】
【化40】
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【0101】
医薬組成物
本明細書に開示の化合物を、単独で投与することは可能であるが、医薬処方物として、該化合物を投与することが好ましく、該化合物は、1つ以上の薬剤的に許容可能な賦形剤または担体と配合される。本明細書に開示の化合物は、ヒト用途または獣医学用途に便利ないずれかの方法で、投与するために処方され得る。ある特定の実施形態では、医薬製剤に含有される該化合物は、それ自体活性であり得、またはプロドラッグ、例えば、生理学的環境で、活性化合物に転化可能であり得る。ある特定の実施形態では、本明細書で提供の化合物は、それらの水和物を包含する。
【0102】
「薬剤的に許容可能な」という言い回しは、正統な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしで、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適切であり、合理的リスク/ベネフィット比に相応のそれらの化合物、材料、組成物、および/または剤形を表すために使用される。
【0103】
本明細書に記載の化合物の薬剤的に許容可能な塩の例としては、薬剤的に許容可能な無機および有機の酸および塩基に由来のものが挙げられる。適当な酸塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩が挙げられる。適当な塩基由来の塩としては、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム)、アンモニウム塩およびN−(アルキル)塩が挙げられる。本発明は、本明細書に記載の化合物の塩基性窒素含有基のいずれかの四級化も想定する。水溶性もしくは油溶性または分散性生成物が、かかる四級化により得られ得る。
【0104】
薬剤的に許容可能な担体の例としては:(1)ラクトース、グルコースおよびショ糖などの糖類;(2)コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン類;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロース、およびその誘導体;(4)トラガント末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオ脂および坐薬蝋などの賦形剤;(9)ピーナッツ油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油などの油類;(10)プロピレングリコールなどのグリコール類;(11)グリセリン、ソルビトール、マニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール類;(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル類;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)発熱物質フリー水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;(21)カプチゾール(登録商標)などのシクロデキストリン;Accurins(商標)などのナノ粒子に結合した標的リガンド;および(22)医薬処方物に使用される高分子基材組成物などの他の無毒性適合物質が挙げられる。
【0105】
薬剤的に許容可能な抗酸化剤の例としては:(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび同類のものなどの水溶性抗酸化剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、αトコフェロール、および同類のものなどの油溶性抗酸化剤;および(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸、および同類のものなどの金属キレート剤が挙げられる。固体剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣剤、散剤、顆粒剤など)としては、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、および/または次のいずれかなどの1つ以上の薬剤的に許容可能な担体が挙げられ得る:(1)デンプン類、ラクトース、ショ糖、グルコース、マニトール、および/またはケイ酸などの充填材または増量剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖および/またはアカシアなどの結合剤;(3)グリセロールなどの湿潤剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定の珪酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶液遅延剤;(6)四級化アンモニウム化合物などの吸収促進剤;(7)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤;(8)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびその混合物などの潤滑剤;および(10)着色剤。液体剤形としては、薬剤的に許容可能な分散液剤、ミクロ分散液剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられ得る。活性成分に加えて、該液剤形は、例えば、水または、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油類(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール類およびソルビタンの脂肪酸エステル類、およびその混合物などの他の溶媒、溶解剤および分散剤などの、当技術分野で通常に使用される不活性希釈剤を含有し得る。
【0106】
懸濁液剤は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール類、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル類、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにその混合物などの懸濁剤を含み得る。
【0107】
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤およびゲル剤は、活性化合物に加えて、動物性および植物性脂肪、油類、ワックス類、パラフィン類、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール類、シリコーン類、ベントナイト類、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはその混合物などの賦形剤を含み得る。
【0108】
散剤およびスプレー剤は、活性化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含み得る。スプレー剤は、クロロフルオロ炭化水素類ならびにブタンおよびプロパンなどの揮発性非置換炭化水素類などの通例の噴霧剤を、さらに含み得る。
【0109】
該処方物は、都合よく、単位剤形で呈され得、薬剤技術において周知のいずれかの方法により製剤され得る。単位剤形を製造するために、担体材料と調合され得る活性成分量は、治療されるホスト、具体的な投与方法に依存して変わるだろう。単位剤形を製造するために、担体材料と調合され得る活性成分量は、一般的に、治療効果を生じる化合物量であるだろう。
【0110】
本発明の化合物の局所投与または経皮投与用途の剤形としては、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、パッチ剤および吸入剤が挙げられる。該活性化合物は、薬剤的に許容可能な担体、およびいずれかの必要とされ得る保存剤、緩衝剤、または噴霧剤と、無菌条件下で、混合され得る。
【0111】
本明細書で開示の化合物が、医薬品として、ヒトおよび動物に投与されるとき、それらは、それ自体または、例えば、薬剤的に許容可能な担体との組み合わせで、0.1〜99.5%(より好ましくは、0.5〜90%)の活性成分を含む医薬組成物として、与えられ得る。
【0112】
該処方物は、局所的に、経口的に、経皮的に、直腸内に、経腟的に、非経口的に、鼻腔内に、肺内に、眼内に、静脈内に、筋肉内に、動脈内に、くも膜下腔内に、関節内に、皮内に、腹腔内、皮下に、表皮下に、または吸入により投与され得る。
【0113】
適応症
FGFR4は、肝細胞癌(HCC)進行中の増殖、生存、およびαフェトプロテイン分泌を調節し;従って、FGFR4の阻害剤は、この未だ対処されていない医療ニーズに対する有望な治療薬となる見込みがある(Ho et al., Journal of Hepatology, 2009, 50:118−27)。HCCは、毎年、世界中で、550,000人超の人々を苦しめており、いかなる癌タイプの中で最悪の1年生存率のひとつを有する。
【0114】
FGFR4とHCCとの間の関連のさらなる証拠は、グルコース、脂質、およびエネルギー恒常性を調節するホルモンから成る、線維芽細胞成長因子(FGF)ファミリーの一員である、FGF19の介入を通して示される。肝細胞増殖増加および肝腫瘍形成が、FGF19トランスジェニックマウス中で観察された。FGF19は、肝臓中のその主要な受容体であるFGFR4を活性化し、FGFR4の活性化は、FGF19が肝細胞増殖を増加し、肝細胞癌形成を誘発し得る機序であると考えられている(Wu et al., J Biol Chem (2010) 285(8):5165−5170)。FGF19は、その上、他研究者により、HCC中のドライバー遺伝子として同定された(Sawey et al., Cancer Cell (2011) 19: 347−358)。従って、強力で選択的なFGFR4阻害剤である本明細書で開示の化合物は、HCCおよび他の肝癌治療に使用され得る。
【0115】
癌ゲノムスクリーニングは、ヒト乳癌細胞株MDA−MB−453中の活性化線維芽細胞成長因子受容体4(FGFR4)Y367C変異体を同定した。この変異体は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼカスケードの活性化を起こす、恒常的リン酸化を誘発することが示された。従って、FGFR4が、乳癌の腫瘍増殖ドライバーであり得ることが示唆された(Roidl et al., Oncogene (2010) 29(10):1543−1552)。従って、強力で選択的なFGFR4阻害剤である本明細書で開示の化合物は、FGFR4調節乳癌の治療に使用され得ると考えられる。
【0116】
FGFR4の上流の遺伝子における分子変化(例えば、転座)は、FGFR4の活性化/過剰発現を起こし得る。例えば、PAX3−FKHR転座/遺伝子融合は、FGFR4過剰発現を起こし得る。この機序に起因するFGFR4過剰発現は、横紋筋肉腫(RMS)に関連していた(Cao et al., Cancer Res (2010) 70(16): 6497−6508)。FGFR4それ自体の突然変異(例えば、キナーゼドメイン変異)は、タンパク質の過剰活性化を起こし得;この機序は、RMSの亜集団と関連していた(Taylor et al., J Clin Invest (2009) 119: 3395−3407)。従って、強力で選択的なFGFR4阻害剤である本明細書で開示の化合物は、FGFR4調節RMSおよび他の肉腫の治療に使用され得ると考えられる。
【0117】
他の疾病は、FGFR4の上流の遺伝子における変化またはFGFR4それ自体の突然変異と関連していた。例えば、FGFR4のキナーゼドメイン中の突然変異は、肺腺癌に関連していた過剰活性化を起こす(Ding et al., Nature (2008) 455(7216): 1069−1075)。FGFR4の増幅は、腎細胞癌などの症状と関連していた(TCGA暫定的データ)。加えて、FGFR4のサイレンシングおよびリガンド・受容体結合の阻害は、卵巣腫瘍増殖を著しく減少させ、FGFR4阻害剤が、卵巣癌治療に有用であり得ることを示唆している。(Zaid et al., Clin. Cancer Res. (2013) 809)。
【0118】
胆汁酸レベルの病原性上昇は、FGF19レベルの変動に関連していた(Vergnes et al., Cell Metabolism (2013) 17, 916−28)。従って、FGF19レベルの減少は、胆汁酸合成促進に、それ故に、高脂血症の治療に有効であり得る。
【0119】
服用レベル
本発明の医薬組成物中の活性成分の実投与量レベルは、特定患者、組成物、および投与方法について、該患者に有害なしで、所望の治療反応を得るために有効な活性成分量を得るために変わり得る。
【0120】
選択された投与量レベルは、使用する、本明細書に記載の特定の化合物、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与回数、使用する特定化合物の排出量、治療期間、使用する特定化合物と併用する他の薬剤、化合物および/または物質、該被治療患者の年齢、性別、体重、症状、健康状態および以前の病歴、および該医術で周知の同様の因子を含む様々な因子に依存するだろう。
【0121】
当分野の通常の技術を有する医師または獣医師は、必要な医薬組成物の有効量を、容易に、決定し処方できる。例えば、該医師または獣医師は、所望の治療効果を達成するために必要とするより低いレベルで、医薬組成物中に使用する本発明の化合物の用量から始め、所望の効果が達成されるまで、用量を徐々に増加させ得る。
【0122】
一般に、本発明の化合物の1日の適当用量は、治療効果を生じるために有効な最少用量である化合物量であろう。かかる有効用量は、一般に、上記因子に依存するだろう。一般的に、ある患者に対する本発明の化合物の用量は、1日に体重キログラム当たり約0.0001〜約100mgの範囲であろう。例えば、該用量は、1日に0.1gと10gの間;1日に0.5gと5gの間;または1日に1〜2gであり得る。必要ならば、該活性化合物の有効な1日の用量は、1日を通して、適当な間隔で、1回、2回、3回、4回、5回、6回またはそれ以上の回数で別々に投与される小分け用量で、単位剤形でもよく、投与され得る。
【0123】
併用および標的療法
本明細書に開示のFGFR4阻害剤の投与は、他の癌治療と併用され得る。例えば、該阻害剤は、外科治療、放射線照射、または抗体などの他の治療薬、他の選択的キナーゼ阻害剤、または化学療法と併用して投与され得る。該阻害剤は、RNAi治療またはアンチセンス療法と併用して投与もされ得る。本明細書に記載のFGFR4阻害剤は、1つ、2つまたはそれ以上の他治療薬と組み合わせ得る。下記概要を述べた実施例では、「2番目の治療薬」は、FGFR4阻害剤以外の1つより多くの治療薬も含むと理解される。本明細書に記載のFGFR4阻害剤は、1つ、2つまたはそれ以上の他治療薬と一緒に投与され得る。
【0124】
本明細書に記載の該FGFR4阻害剤および該2番目の治療薬は、同じ医薬組成物で投与される必要がなく、異なる物理的および化学的特徴から、異なる経路で投与され得る。例えば、該FGFR4阻害剤は、経口で投与され得、一方、該2番目の治療薬は、静脈内投与される。可能であれば、同じ医薬組成物で、投与方法の決定および投与の可否は、熟練臨床医の知識の範囲内である。最初の投与は、当分野で周知の確立したプロトコルに従って行われ得、それから、観察された効果に基づいて、用量、投与方法および投与回数が、熟練臨床医により修正され得る。
【0125】
該FGFR4阻害剤および該2番目の治療薬は、増殖性疾患の性質、患者の症状、および投与される2番目の治療薬の実選択に依存して、一斉に(例えば、同時に、本質的に同時にまたは同じ治療プロトコル内で)または経時的に(例えば、1つ次いでその他、中間に任意の時間間隔で)投与され得る。
【0126】
加えて、本明細書に開示のFGFR4阻害剤は、抗体薬物複合体の一部として投与され得、該FGFR4阻害剤は、該複合体の「ペイロード」部分である。
【0127】
分析装置および化合物特性決定方法:
LCMS: 特に指示しない限り、全ての液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)データ(純度および同定分析試料)を、摂氏22.4度で、アジレントポロシェル120(EC−C18、2.7μm粒子サイズ、3.0x50mm寸法)逆相カラムを装着した、ES−APIイオン化を利用するアジレントモデル6120質量分析計を使用する、アジレントモデル1260LCシステムを用いて得た。移動相は、0.1%ギ酸水溶液および0.1%ギ酸アセトニトリル溶液の混合溶媒とした。4分間にわたり、95%水/5%有機〜5%水/95%有機の一定グラジエントの移動相を利用した。流速は、1mL/分で一定であった。
プロトンNMR: 特に指示しない限り、全てのH NMRスペクトルを、バリアン400MHzUnity Inova400MHz NMR装置(取得時間=1秒遅延時間で3.5秒;16〜64スキャン)を用いて得た。特性決定で、全プロトンを、残DMSO(2.50ppm)に関して、百万分の一(ppm)として、DMSO−d溶媒中で報告した。化合物精製の分取装置: シリカゲルカラムクロマトグラフィーを、テレダインイスコCombiFlash(登録商標)RfユニットあるいはBiotage(登録商標)Isolera Fourユニットのどちらかで実施した。
分取LCMS: 分取HPLCを、摂氏22.4度で、Luna5uC18(2)100A、AXIAパッキング、250x21.2mm逆相カラムを装着した、島津ディスカバリーVP(登録商標)分取システムで実施した。移動相は、0.1%ギ酸水溶液および0.1%ギ酸アセトニトリル溶液の混合溶媒とした。25分間にわたり、95%水/5%有機〜5%水/95%有機の一定グラジエントの移動相を利用した。流速は、20mL/分で一定であった。マイクロ波中で実行した反応は、バイオタージInitiatorマイクロウェーブ合成装置でそのように行われた。
【実施例】
【0128】
(実施例1)
N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミド(化合物43)の合成
【0129】
【化41】
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【0130】
【化42】
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【0131】
工程1:4−(メチルアミノ)−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボン酸エチルの合成
【0132】
【化43】
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【0133】
4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボン酸エチル(5.0g、21.5mmol)および29%メチルアミン(5.75g、53.72mmol、メタノール(MeOH)溶液)のテトラヒドロフラン(THF)(100mL)中混合物を、室温で2時間撹拌した。それから、反応混合物を、濃縮し、次いで、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)(水溶液、20mL)を添加し、得られた溶液を、酢酸エチル(EtOAc)(3x50mL)で抽出した。合わせた有機層を水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、黄色がかった固体の、4−(メチルアミノ)−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボン酸エチル(4.68g、96%)を得た。MS(ES+)C13S 理論値:227、測定値:228[M+H]
【0134】
工程2:(4−(メチルアミノ)−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−イル)メタノールの合成
【0135】
【化44】
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【0136】
水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)(1.140g、30mmol)のTHF(100mL)中懸濁液に、4−(メチルアミノ)−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボン酸エチル(4.536g、20mmol)を添加し、反応混合物を、室温で2時間撹拌した。溶液を、HO(2mL)、水酸化ナトリウム(NaOH)(水溶液、15%、2mL)および追加のHO(7mL)で注意深く反応停止し、それから、1時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(2x100mL)で抽出し、合わせた有機層を水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、黄色がかった固体の、(4−(メチルアミノ)−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−イル)メタノール(3.2g、85%)を得た。MS(ES+)C11OS 理論値:185、測定値:186[M+H]
【0137】
工程3:4−(メチルアミノ)−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒドの合成
【0138】
【化45】
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【0139】
(4−(メチルアミノ)−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−イル)メタノール(3.1g、16.73mmol)および二酸化マンガン(7.27g、83.67mmol)のDCM(40mL)中懸濁液を、室温で12時間撹拌した。得られた沈殿物を、濾過して取り除き、濾液を濃縮して、黄色がかった固体の4−(メチルアミノ)−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒド(2.8g、91%)を得た。MS(ES+)COS 理論値:183、測定値:184[M+H]
【0140】
工程4:2−(3,5−ジメトキシフェニル)酢酸メチルの合成
【0141】
【化46】
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【0142】
2−(3,5−ジメトキシフェニル)酢酸(5)(600mg、3.06mmol)のMeOH(30mL)中溶液に塩化チオニル(3mL)を、0℃で、滴下し、反応混合物を、室温で一夜撹拌した。反応を、液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)によりモニターした。混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム(水溶液、20mL)で希釈し、EtOAc(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層を、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、黄色油として、2−(3,5−ジメトキシフェニル)酢酸メチル(粗、700mg)を得た。MS(ES+)C1114 理論値:210、測定値:211[M+H]
【0143】
工程5:6−(3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−2−(メチルチオ)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンの合成
【0144】
【化47】
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【0145】
酢酸2−(3,5−ジメトキシフェニル)(6)(440mg、2.40mmol)、4−アミノ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒド(4)(605mg、2.88mmol)および炭酸カリウム(662mg、4.8mmol)のDMF(30mL)中溶液を、110℃で3時間撹拌した。反応を、LCMSによりモニターした。反応混合物を、HO(30mL)で希釈し、EtOAc(3x40mL)で抽出した。合わせた有機層を、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/EtOAc=2:1)で精製して、白色固体の、6−(3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−2−(メチルチオ)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(7)(683mg、83%)を得た。MS(ES+)C1717S 理論値:343、測定値:344[M+H]
【0146】
工程6:6−(3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−2−(メチルスルホニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンの合成
【0147】
【化48】
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【0148】
メタノール/ジクロロメタン(MeOH/DCM)(20mL/20mL)中の6−(3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−2−(メチルチオ)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(1.05g、3.1mmol)の溶液に、オキソン(登録商標)(ペルオキシ一硫酸カリウム)(11.3g、18.4mmol)のHO(20mL)中溶液を、室温で添加し、反応混合物を、40℃で18時間撹拌した。反応を、LCMSによりモニターした。反応混合物を、HO/DCM(150mL/100mL)で希釈し、水相をDCM(100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(200mL)および塩水(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。粗生成物をEtOAcで再結晶化して、黄色固体の、6−(3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−2−(メチルスルホニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(8)(910mg、収率78%)を得た。MS(ES+)C1717S、理論値:375、測定値:376[M+H]
【0149】
工程7:6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−2−(メチルスルホニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンの合成
【0150】
【化49】
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【0151】
6−(3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−2−(メチルスルホニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(8)(938mg、2.5mmol)のアセトニトリル(50mL)中溶液に、塩化スルフリル(1.34g,10.0mmol)のアセトニトリル(25mL)中溶液を、−10℃〜0℃の温度範囲で、0.5時間に渡って、ゆっくりと添加した。反応を、薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターした。反応混合物を、HO(10mL)の添加により反応停止した。得られた反応溶液を、減圧下、濃縮し、残渣を、EtOAc/石油エーテル=1:2で再結晶化して、黄色固体の、6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−2−(メチルスルホニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(9)(760mg、69%収率)を得た。MS(ES+)C1715ClS 理論値:443、445、測定値:444、446[M+H]
【0152】
工程8:6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−2−(2−メチル−6−ニトロフェニルアミノ)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンの合成
【0153】
【化50】
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【0154】
6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−2−(メチルスルホニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(9)(1.0g、2.26mmol)および2−メチル−6−ニトロベンゼンアミン(684mg、4.5mmol)のDMF(20mL)中混合物に、カリウムtert−ブトキシド(756mg、6.75mmol)を、約10℃で添加し、反応混合物を、室温で5時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(150mL)で希釈し、有機相を分離し、水(2x150mL)で、それから、塩水(150mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣をEtOAcで再結晶化して、黄色固体の、2−(2−アミノ−6−メチルフェニルアミノ)−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(10)(810mg、収率70%)を得た。MS(ES+)C2319Cl 理論値:515,517、測定値:516,518[M+H]
【0155】
工程9:2−(2−アミノ−6−メチルフェニルアミノ)−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンの合成
【0156】
【化51】
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【0157】
2−(2−ニトロ−6−メチルフェニルアミノ)−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(10)(810mg、1.57mmol)および塩化スズ(II)水和物(1.77g、7.86mmol)のEtOAc(50mL)中混合物を、60℃で2時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で、pH=8〜9に塩基化し、HO(100mL)で希釈し、それから、EtOAc(3x100mL)で抽出した。合わせた有機層を、塩水(150mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣をジクロロメタン/酢酸エチル/石油エーテル(DCM/EtOAc/PE)=1/1/2で再結晶化して、灰色固体として、2−(2−アミノ−6−メチルフェニルアミノ)−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(11)(640mg、83%収率)を得た。(MS(ES+)C2321Cl 理論値:485,487、測定値:486,488[M+H]1H−NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 8.54 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.08 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.71 (dd, J = 3.5, 7.5 Hz, 2H), 6.65 (br s, 1H), 6.62 (s, 1H), 3.94 (s, 6H), 3.88 (br s, 2H), 3.62 (br s, 3H), 2.24 (s, 3H)。
【0158】
工程10:N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミド(化合物43)の合成
【0159】
【化52】
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【0160】
2−(2−アミノ−6−メチルフェニルアミノ)−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(11)を、DCM(2mL)中に仕込み、0℃に冷却して、次いで、塩化アクリロイル(0.010mL、0.13mmol)を添加した。反応を、室温まで温めて、一夜撹拌した。混合物を、直接、シリカゲル上に負荷し、0〜100%EtOAc/ヘキサン類グラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、生成物、N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミド(化合物E)を得た。生成物は、オフホワイトの固体として得られた(10mg;19%収率)。MS(ES+)C2623Cl、540[M+H]
(実施例2)
【0161】
N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン−2−イル)アミノ)−3−メトキシフェニル)アクリルアミド(化合物30)の合成
【0162】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0163】
工程1:(2−アミノ−5−ブロモフェニル)メタノールの合成
【0164】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【0165】
2−アミノ−5−ブロモ安息香酸(10.0g、46.3mmol)のTHF(150mL)中溶液に、BH−THF(1M、231mL)を室温で添加し、反応混合物を一夜撹拌した。反応混合物の一定分量を、LCMSにより分析して、反応が完了したことを示した。反応を水(150mL)で停止して、EtOAc(3x500mL)で抽出した。有機層を分離し、合わせて、水(200mL)および塩水(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、表題化合物(10g、粗)を得、これを、さらに精製しないで、次工程に、直接使用した。MS(ES+)CBrNO 理論値:201、測定値:202、204[M+H]
【0166】
工程2:2−アミノ−5−ブロモベンズアルデヒドの合成
【0167】
【化55】
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【0168】
(2−アミノ−5−ブロモフェニル)メタノール(10g、49.5mmol)およびMnO(25.8g、296.6mmol)のCHCl(400mL)中混合物を、室温で一夜撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。固体物を濾過で取り除き、濾液を濃縮して、淡黄色固体として、表題の化合物(8g、81%)を得、これを、さらに精製しないで、次工程に、直接使用した。MS(ES+)CBrNO理論値:199、測定値:200、202[M+H]
【0169】
工程3:6−ブロモキナゾリン−2−オールの合成
【0170】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0171】
2−アミノ−5−ブロモベンズアルデヒド(29)(6g、30.0mmol)および尿素(30)(27g、450.0mmol)の混合物を、180℃まで加熱し、5時間、撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を室温に冷却し、得られた沈殿物をHO(3x500mL)で洗浄し、閉じ込められた水分を完全に除去するために、3回、トルエンと共蒸発させた。黄色固体として、6−ブロモキナゾリン−2−オール(31)(6g、89%)を得た。MS(ES+)CBrNO理論値:224、測定値:225、227[M+H]
【0172】
工程4:6−ブロモ−2−クロロキナゾリンの合成
【0173】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0174】
6−ブロモキナゾリン−2−オール(31)(6g、26.7mmol)のPOCl(80mL)中溶液を、110℃で5時間、還流した。反応混合物の一定分量を、LCMSにより分析し、反応が完了したことを示した。POClのほとんどを、減圧下で除去し、残渣を、氷水(500mL)に滴下した。得られた沈殿物を、濾過して、黄色固体(3.5g、54%)を回収した。MS(ES+)CBrClN理論値:242、測定値:243、245[M+H]
【0175】
工程5:2−クロロ−6−(3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリンの合成
【0176】
【化58】
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【0177】
THF(50mL)、ジオキサン(50mL)および水(10mL)中の6−ブロモ−2−クロロキナゾリン(32)(5.0g、20.5mmol)、3,5−ジメトキシフェニルボロン酸(33)(3.7g、20.5mmol)、CsCO(20.0g、61.5mmol)およびPd(PPhCl(1.4g、2.1mmol)の混合物をNで3回脱気し、80℃で3時間撹拌した。反応混合物の一定分量を、TLCとLCMSの両方により分析して、反応が完了したことを示した。混合物を、室温まで冷却して、EtOAc(3x200mL)で抽出した。合わせた有機層を、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=8:1)により精製して、淡黄色固体の2−クロロ−6−(3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン(34)(2.4g、38%)を得た。MS(ES+)C1613ClN 理論値:300、測定値:301、303[M+H]
【0178】
工程6:2−クロロ−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリンの合成
【0179】
【化59】
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【0180】
2−クロロ−6−(3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン(34)(2.7g、8.9mmol)の無水THF(80mL)中溶液に、SOCl(3.0g、22.3mmol)を、−20℃で滴下し、反応混合物を、さらに1時間撹拌した。反応混合物の一定分量を、TLCとLCMSの両方により分析し、反応が完了したことを示した。反応混合物を、水(1mL)で反応停止し、溶媒を減圧下で除去した。沈殿物を、CHCNで洗浄し、乾燥して、白色固体の、2−クロロ−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン(35)(2.6g、79%)を得た。(MS(ES+)C1611l3 理論値:368、測定値:369、371[M+H]H−NMR(500MHz、DMSO)δ ppm 9.67 (s, 1H), 8.168 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 2.0, 8.5 Hz, 1H), 7.07 (s, 1H), 4.00 (s, 6H)。
【0181】
工程7:6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−N−(2−メトキシ−6−ニトロフェニル)キナゾリン−2−アミンの合成
【0182】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0183】
2−クロロ−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン(35)(100mg、0.27mmol)、2−メトキシ−6−ニトロアニリン(36)(57mg、0.40mmol)、CsCO(176mg、0.54mmol)、Pd(dba)(25mg、0.027mmol)、および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(Xphos)(26mg、0.054mmol)を、マイクロ波用バイアル中のDMF(3mL)中に入れて、Nで5分間パージした。バイアルをキャップして、マイクロ波中、30分間、115℃まで加熱した。室温に冷却後、反応混合物を、DCMで希釈し、塩水で3回洗浄した。有機混合物を、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲル上に直接負荷して、0〜100%EtOAc/ヘキサン類グラジエントを使用して精製した。黄色固体として、6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−N−(2−メトキシ−6−ニトロフェニル)キナゾリン−2−アミン(37)(100mg、73%収率)を回収した。MS(ES+)C2318Cl、501[M+H]
【0184】
工程8:N−(6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン−2−イル)−6−メトキシベンゼン−1,2−ジアミンの合成
【0185】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0186】
6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−N−(2−メトキシ−6−ニトロフェニル)キナゾリン−2−アミン(38)(100mg、0.14mmol)を、メタノール(10ml)中に仕込み、10%Pd/C(15mg)を添加した。混合物を、H風船下4時間撹拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を除去して、N−(6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン−2−イル)−6−メトキシベンゼン−1,2−ジアミン(38)を定量的収率で得た。化合物38を、さらに精製しないで、次工程に使用した。MS(ES+)C2320Cl、471[M+H]
【0187】
工程9:N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン−2−イル)アミノ)−3−メトキシフェニル)アクリルアミドの合成
【0188】
【化62】
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【0189】
−(6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン−2−イル)−6−メトキシベンゼン−1,2−ジアミン(38)(96mg、0.20mmol)を、DCM(2ml)中に仕込み、0℃に冷却して、次いで、塩化アクリロイル(0.018ml、0.24mmol)を添加して、0℃で2時間撹拌した。混合物を、シリカゲル上に直接負荷して、0〜100%EtOAc/ヘキサン類グラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。オフホワイトの固体として、N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン−2−イル)アミノ)−3−メトキシフェニル)アクリルアミド(39)(30mg、28%収率)を回収した。MS(ES+)C2622Cl、525[M+H]
(実施例3)
【0190】
化合物25の合成
【0191】
【化63】
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【0192】
6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)キナゾリン−2−アミンの合成
【0193】
【化64】
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【0194】
2−クロロ−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン(35)(5g、13.5mmol)、2−メチル−6−ニトロアニリン(3.09g、20.3mmol)、CsCO(13.2g、40.6mmol)、Pd(dba)(1.24g、1.35mmol)、および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(Xphos)(1.29g、2.71mmol)を、DMA(100ml)中に仕込み、Nで5分間パージした。反応混合物を、110℃まで3時間加熱した。室温まで冷却後、反応混合物を、DCM(500ml)で希釈し、10%HClで3回(3x300ml)および塩水で3回洗浄した。有機混合物を、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲル上に直接負荷し、0〜100%EtOAc/ヘキサン類グラジエントを使用して精製した。黄色固体として、6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)キナゾリン−2−アミン(5.5g、81%収率)を回収した。MS(ES+)C2318Cl、485[M+H]
【0195】
−(6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン−2−イル)−6−メチルベンゼン−1,2−ジアミンの合成
【0196】
【化65】
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【0197】
6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)キナゾリン−2−アミン(5.5g、11.33mmol)を、メタノール(200ml)および酢酸エチル(100ml)に仕込み、10%Pd/C(650mg)を添加した。混合物を、H風船下、一夜撹拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、溶媒を除去して、N−(6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン−2−イル)−6−メチルベンゼン−1,2−ジアミンを、定量的収率で得た。それを、さらに精製しないで、次工程で使用した。MS(ES+)C2320Cl、455[M+H]
【0198】
N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドの合成
【0199】
【化66】
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【0200】
−(6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン−2−イル)−6−メチルベンゼン−1,2−ジアミン(5.16g、11.33mmol)を、DCM(100ml)中に仕込み、0℃まで冷却し、次いで、DIEA(1.781ml、10.20mmol)および塩化アクリロイル(1.013ml、12.47mmol)を添加し、0℃で2時間撹拌した。混合物を、シリカゲル上に直接負荷し、0〜100%EtOAc/ヘキサン類グラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。オフホワイトの固体として、N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)キナゾリン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミド(3.5g、61%収率)を回収した。MS(ES+)C2622Cl、509[M+H]H NMR(400MHz、DMSO−d)δ 9.53 (s, 1H), 9.23 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 7.82 − 7.65 (m, 2H), 7.51 (s, 2H), 7.21 (m, 1H), 7.12 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.01 (s, 1H), 6.49 (dd, J = 17.0, 10.2 Hz, 1H), 6.28 − 6.15 (m, 1H), 5.68 (dd, J = 10.2, 2.0 Hz, 1H), 3.97 (s, 6H), 2.19 (s, 3H)。
(実施例4)
【0201】
化合物26および化合物10の合成
【0202】
【化67】
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【0203】
6−ブロモピリド[2,3−d]ピリミジン−2−アミンの合成
【0204】
【化68】
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【0205】
5−ブロモ−2ーフルオロニコチンアルデヒド(3.0g、14.78mmol)、塩酸グアニジン(1.69g、17.74mmol)およびトリエチルアミン(4.48g、44.35mmol)を、1−メチル−2−ピロリジノン(15mL)中に溶解し、反応混合物を、180℃で15分間、マイクロ波下で撹拌した。混合物を、室温まで冷却し、水(200mL)で反応停止して、酢酸エチル(2x300mL)で抽出した。有機層を合わせて、水(3x50mL)および塩水(3x50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗生成物を得て、これを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=3:1)により精製して、黄色固体として、6−ブロモピリド[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(2.0g、60%)を得た。MS(ES+)CBrN 理論値:224、226、測定値:225、227[M+H]
【0206】
6−(3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−アミンの合成
【0207】
【化69】
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【0208】
1,4−ジオキサン/水(4mL/1mL)中の6−ブロモピリド[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(1.0g、4.46mmol)、3,5−ジメトキシフェニルボロン酸(1.2g、6.70mmol)、PdCl(dppf)(364mg、0.446mmol)および炭酸カリウム(1.8g、13.39mmol)を、窒素で5分間脱気し、110℃で30分間、マイクロ波下で撹拌した。反応混合物を、室温まで冷却し、濃縮し、粗生成物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=4:1)により精製して、黄色固体として、6−(3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(400mg、31%)を得た。MS(ES+)C1514 理論値:282、測定値:283[M+H]
【0209】
6−(3,5−ジメトキシフェニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−アミンの合成
【0210】
【化70】
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【0211】
6−(3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(400mg、1.42mmol)のTHF(20mL)中溶液に、0℃で、水素化ナトリウム(102mg、4.25mmol)を添加した。溶液を、20分間撹拌し、次いで、2−フルオロ−1−メチル−3−ニトロベンゼン(440mg、2.84mmol)を添加した。反応混合物を、室温で一夜、撹拌し、水(20mL)により反応停止して、酢酸エチル(3x30mL)で抽出した。有機層を合わせて、塩水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗生成物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=4:1)により精製して、褐色固体として、6−(3,5−ジメトキシフェニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(310mg、51%)を得た。MS(ES+)C2219 理論値:417、測定値:418[M+H]
【0212】
−(6−(3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)−6−メチルベンゼン−1,2−ジアミンの合成
【0213】
【化71】
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【0214】
6−(3,5−ジメトキシフェニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(100mg、0.24mmol)のエタノール(5mL)および水(5mL)中溶液に、鉄粉(110mg、1.92mmol)および塩化アンモニウム(100mg、1.920mmol)を添加した。混合物を、100℃で1時間撹拌し、室温に冷却し、濾過して、濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、黄色固体として、N−(6−(3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)−6−メチルベンゼン−1,2−ジアミン(29.5mg、32%)を得た。MS(ES+)C2221 理論値:387、測定値:388[M+H]H−NMR(500MHz、DMSO−d)δ ppm 9.30, 9.21 (br, br, 2H), 8.95 (s, 1H), 8.60 (d, 1H, J = 3.0 Hz), 6.96−6.92 (m, 3H), 6.63 (d, 1H, J = 5.5 Hz), 6.55 (t, 1H, J = 2.0 Hz), 6.50−6.48 (m, 1H), 4.79 (s, 2H), 3.84 (s, 6H), 2.08 (s, 3H)。
【0215】
6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−アミンの合成
【0216】
【化72】
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【0217】
6−(3,5−ジメトキシフェニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(100mg、0.24mmol)の撹拌したTHF(2mL)中溶液に、塩化スルフリル(0.06mL、0.72mmol)のTHF(2mL)中溶液を、0℃で滴下した。0℃で2時間の撹拌後、反応を水(10mL)で停止して、酢酸エチル(3x20mL)で抽出した。有機層を合わせて、塩水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=3:1)により精製して、黄色固体として、6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(110mg、95%)を得た。MS(ES+)C2217Cl 理論値:485、487測定値:486、488[M+H]
【0218】
−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)−6−メチルベンゼン−1,2−ジアミンの合成
【0219】
【化73】
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【0220】
6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(80mg、0.168mmol)のエタノール(4mL)および水(4mL)中溶液に、鉄粉(75mg、1.344mmol)および塩化アンモニウム(74mg、1.344mmol)を添加した。混合物を、100℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、濾過して、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=4:1)により精製して、黄色固体として、N−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)−6−メチルベンゼン−1,2−ジアミン(40mg、53%)を得た。MS(ES+)C2219Cl 理論値:455、457測定値:456、458[M+H]H−NMR(400MHz、DMSO−d)δ ppm 9.33 (br. s., 1H), 9.01 (s, 1H), 9.65 (br. s., 1H), 8.23 (s, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.93 (br. s., 1H), 6.64−6.63 (m, 1H), 6.50−6.49 (m, 1H), 4.80 (s, 2H), 3.99 (s, 6H), 2.09 (s, 3H)。
【0221】
N−(2−((6−(3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドの合成
【0222】
【化74】
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【0223】
N−(2−((6−(3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドを、化合物30と同様な方法で合成した。生成物を、0〜50%EtOAc/DCMグラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題の化合物を得た。MS(ES+)C2523 理論値:441、測定値:442。
【0224】
N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドの合成
【0225】
【化75】
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【0226】
N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドを、化合物30と同様な方法で合成した。生成物を、0〜10%MeOH/DCMグラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題の化合物を得た。MS(ES+)C2521Cl 理論値:510、測定値:511[M+H]H−NMR(400MHz、DMSO−d)δ 9.53 (s, 1H), 9.35 (s, 1H), 9.06 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.27 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.23 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.52 (dd, J = 17.0, 10.1 Hz, 1H), 6.22 (dd, J = 17.0, 2.0 Hz, 1H), 5.69 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 3.98 (s, 6H), 2.20 (s, 3H)。
(実施例4)
【0227】
化合物45の合成
【0228】
【化76】
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【0229】
2−クロロ−N−メチル−5−ニトロピリミジン−4−アミンの合成
【0230】
【化77】
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【0231】
2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(5g、26mmol)のTHF(50mL)中溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(3.36g、26mmol)を、−78℃で添加し、次いで、メチルアミン(13mL、メタノール中2mol/L、26mmol)を滴下した。添加後、混合物を室温まで温めて、3時間撹拌した。それから、反応混合物を、酢酸エチルで希釈して、塩水(50mLx3)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、黄色固体の表題化合物(4.4g、100%)を得た。MS(ES+)CClN 理論値:188、190、測定値:189、191[M+H]
【0232】
2−クロロ−N−メチルピリミジン−4,5−ジアミンの合成
【0233】
【化78】
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【0234】
2−クロロ−N−メチル−5−ニトロピリミジン−4−アミン(1.9g、10mmol)の撹拌した酢酸(30mL)中溶液に、鉄粉(4g、71mmol)を添加し、懸濁混合物を、60℃まで16時間加熱した。溶媒を、減圧下で除去し、残渣を、塩水および酢酸エチルにより希釈した。固形物を、濾過により除去して、濾液を酢酸エチル(50mLx12)で抽出した。有機層を分離し、合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、表題化合物(1.1g、69%)を得た。MS(ES+)CClN 理論値:159、161、測定値:160、162[M+H]
【0235】
2−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−オキソ酢酸エチルの合成
【0236】
【化79】
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【0237】
1−ブロモ−3,5−ジメトキシベンゼン(2.17g、10mmol)のTHF(15mL)中溶液に、n−ブチルリチウム(8mL、ヘキサン中2.5mol/L、20mmol)を、−78℃で滴下した。−78℃で50分間の撹拌後、シュウ酸ジエチル(4g、27mmol)のTHF(10mL)中溶液を添加した。混合物を、−78℃で、さらに4時間撹拌し、それから、飽和塩化アンモニウムで反応停止して、酢酸エチル(50mLx3)で抽出した。有機層を合わせて、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.7g、71%)を得た。MS(ES+)C1214 理論値:238、測定値:239[M+H]
【0238】
2−クロロ−6−(3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチルプテリジン−7(8H)−オンの合成
【0239】
【化80】
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【0240】
2−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−オキソ酢酸エチル(1g、4.2mmol)および2−クロロ−N−メチルピリミジン−4,5−ジアミン(600mg、3.8mmol)のエタノール(100mL)および酢酸(2.5mL)中混合物を、80℃で48時間撹拌して、室温(5℃)まで冷却した。混合物を、ジクロロメタンで希釈して、塩水で洗浄した。有機層を、直接濃縮し、シリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(700mg、50%)を得た。MS(ES+)C1513ClN 理論値:332、334、測定値:333、335[M+H]
【0241】
2−クロロ−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチルプテリジン−7(8H)−オンの合成
【0242】
【化81】
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【0243】
2−クロロ−6−(3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチルプテリジン−7(8H)−オン(300mg、0.9mmol)のTHF(5mL)中溶液に、塩化スルフリル(300mg)を滴下し、混合物を、室温で4時間撹拌した。さらに塩化スルフリル(300mg)を添加して、室温で3日間撹拌した。反応を、5滴の水により反応停止し、それから、5分間撹拌した。沈殿物を、濾過により集め、乾燥して、黄色固体の表題化合物(240mg、67%)を得た。MS(ES+)C1511Cl 理論値:400、402、測定値:400、403[M+H]
【0244】
6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−2−(2−メチル−6−ニトロフェニルアミノ)プテリジン−7(8H)−オンの合成
【0245】
【化82】
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【0246】
2−メチル−6−ニトロベンゼンアミン(100mg、1mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中溶液に、水素化ナトリウム(53mg、1.3mmol)を添加し、混合物を、室温(10℃)で10分間撹拌し、次いで、2−クロロ−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチルプテリジン−7(8H)−オン(322mg、1mmol)を添加した。混合物を、室温(10℃)で、さらに30分間撹拌して、それから、水により反応停止した。沈殿物を、濾過により集め、冷水で洗浄し、乾燥して、黄色粉状の表題化合物(180mg、75%)を得た。MS(ES+)C2218Cl 理論値:516、518、測定値:517、519[M+H]
【0247】
2−(2−アミノ−6−メチルフェニルアミノ)−6−(3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチルプテリジン−7(8H)−オンの合成
【0248】
【化83】
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【0249】
6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−2−(2−メチル−6−ニトロフェニルアミノ)プテリジン−7(8H)−オン(200mg、0.38mmol)のエタノール(50mL)および水(2mL)中溶液に、鉄粉(210mg、3.8mmol)および塩化アンモニウム(450mg、8mmol)を添加した。混合物を、2時間還流した。溶媒を蒸発させ、残渣を、塩水およびジクロロメタンで希釈した。固形物を、濾過で除去し、濾液を、ジクロロメタン(50mLx6)で抽出した。有機層を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、表題化合物(70mg、38%)を得た。MS(ES+)C2220Cl 理論値:486、488、測定値:487、489[M+H]H−NMR(500MHz、CDCl)δ ppm 8.83 (s, 1H), 7.09 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 6.74−6.71 (m, 2H), 6.65 (s, 1H), 3.94 (s, 6H), 3.85 (br. s., 2H), 3.63−3.59 (br, 3H), 2.25 (s, 3H)。
【0250】
N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロプテリジン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドの合成
【0251】
【化84】
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【0252】
N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロプテリジン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドを、化合物30と同様の方法で合成した。生成物を、0〜10%MeOH/DCMグラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。MS(ES+)C2522Cl 理論値:540、測定値:541[M+H]
(実施例5)
【0253】
化合物39の合成
【0254】
【化85】
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【0255】
6−クロロ−4−(メチルアミノ)ニコチン酸エチルの合成
【0256】
【化86】
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【0257】
4,6−ジクロロニコチン酸エチル(5.0g、22.7mmol)のアセトニトリル(50mL)中溶液に、塩酸メチルアミン塩(1.84g、27.2mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(14.6g、113.6mmol)を添加し、反応混合物を、70℃で一夜加熱した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応を、室温まで冷却し、水(50mL)で停止して、酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。有機層を、分離し、合わせて、水(50mL)および塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、表題化合物(4.7g、粗)を得て、これをさらに精製しないで、次工程に直接使用した。MS(ES+)C11ClN 理論値:214、216、測定値:215、217[M+H]
【0258】
(6−クロロ−4−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル)メタノールの合成
【0259】
【化87】
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【0260】
6−クロロ−4−(メチルアミノ)ニコチン酸エチル(4.7g、21.9mmol)のTHF(30mL)およびメタノール(30mL)中溶液に、水素化ホウ素リチウム(2.4g、109.8mmol)を添加し、反応混合物を、55℃で一夜加熱した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応を、室温に冷却し、水(1mL)で停止して、濾過した。濾液を濃縮し、白色固体として、表題化合物(4.2g、粗)を得て、これをさらに精製しないで、直接次工程で使用した。MS(ES+)CClNO 理論値:172、174、測定値:173、175[M+H]
【0261】
6−クロロ−4−(メチルアミノ)ニコチンアルデヒドの合成
【0262】
【化88】
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【0263】
(6−クロロ−4−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル)メタノール(4.2g、24.7mmol)および酸化マグネシウム(IV)(活性、25.8g、296.6mmol)のジクロロメタン(50mL)およびTHF(50mL)中混合物を、室温で一夜撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。固体物を、濾過して取り除き、濾液を、濃縮し、淡黄色固体の表題化合物(3.7g、粗)を得て、これをさらに精製しないで、次工程で、直接使用した。MS(ES+)CClNO 理論値:170、172、測定値:171、173[M+H]
【0264】
7−クロロ−3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オンの合成
【0265】
【化89】
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【0266】
6−クロロ−4−(メチルアミノ)ニコチンアルデヒド(3.7g、21.7mmol)、2−(3,5−ジメトキシフェニル)酢酸メチル(4.5g、21.7mmol)および炭酸カリウム(9.0g、65.1mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中混合物を、105℃で5時間加熱した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応を、室温に冷却し、水(200mL)で停止して、濾過した。濾過ケーキを、石油エーテル(50mL)および酢酸エチル(50mL)により洗浄して、黄色固体として、表題化合物(5.8g、77%)を得た。MS(ES+)C1819ClN 理論値:346、348、測定値:347、349[M+H]
【0267】
7−クロロ−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オンの合成
【0268】
【化90】
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【0269】
7−クロロ−3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オン(5.6g、16.9mmol)のアセトニトリル(30mL)中溶液に、塩化スルフリル(3.36mL、42.2mmol)を、−20℃で滴下し、混合物を、さらに15分間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応を水(1mL)で停止して、溶媒を、減圧下で除去した。沈殿物を、アセトニトリルで洗浄し、乾燥して、白色固体の表題化合物(5.01g、75%)を得た。MS(ES+)C1713Cl 理論値:399、401、測定値:400、402[M+H]H−NMR(500MHz、DMSO−d)δ ppm 8.82 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 3.98 (s, 6H), 3.66 (s, 3H)。
【0270】
3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−7−((2−メチル−6−ニトロフェニル)アミノ)−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オンの合成
【0271】
【化91】
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【0272】
3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−7−((2−メチル−6−ニトロフェニル)アミノ)−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オンを、化合物30と同様な方法で合成した。
【0273】
7−((2−アミノ−6−メチルフェニル)アミノ)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オンの合成
【0274】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
【0275】
7−((2−アミノ−6−メチルフェニル)アミノ)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オンを、化合物30と同様な方法で合成した。
【0276】
7−((2−アミノ−6−メチルフェニル)アミノ)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オンの合成
【0277】
【化93】
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【0278】
7−((2−アミノ−6−メチルフェニル)アミノ)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オンを、化合物30と同様な方法で合成した。生成物を、0〜100%EtOAc/DCMグラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。MS(ES+)C2724Cl 理論値:538、測定値:539[M+H]H−NMR(400MHz、DMSO−d6)δ 9.47 (s, 1H), 8.43 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 12.6 Hz, 2H), 7.22 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.97 (s, 1H), 6.46 (dd, J = 17.0, 10.2 Hz, 1H), 6.18 (dd, J = 17.0, 2.1 Hz, 1H), 6.09 (s, 1H), 5.65 (dd, J = 10.2, 2.1 Hz, 1H), 3.95 (s, 6H), 3.39 (s, 3H), 2.20 (s, 3H)。
(実施例6)
【0279】
化合物48の合成
【0280】
【化94】
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【0281】
5−((3,5−ジメトキシフェニルアミノ)メチル)−N−メチル−2−(メチルチオ)ピリミジン−4−アミンの合成
【0282】
【化95】
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【0283】
4−(メチルアミノ)−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒド(1.0g、5.46mmol)および3,5−ジメトキシアニリン(840mg、5.46mmol)のメタノール(60mL)中混合物を、室温で3時間撹拌し、次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(520mg、8.20mmol)および1mLの酢酸を添加した。それから、反応混合物を、室温で、さらに4時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応を、30mLの1NのHClにより反応停止し、それから、0.5時間撹拌して、酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。有機層を分離し、合わせて、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、白色固体の表題化合物(粗1.2g、69%)を得て、これをさらに精製しないで、次工程で、直接使用した。MS(ES+)C1520S 理論値:320、測定値:321[M+H]
【0284】
3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−7−(メチルチオ)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オンの合成
【0285】
【化96】
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【0286】
10mLのTHF中の5−((3,5−ジメトキシフェニルアミノ)メチル)−N−メチル−2−(メチルチオ)ピリミジン−4−アミン(1.1g、3.43mmol)およびN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(1.33g、10.30mmol)の混合物に、5mLのTHF中のトリホスゲン(357mg、1.20mmol)溶液を、0℃で添加し、1時間撹拌した。それから、反応混合物を、室温で温め、さらに5時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を、水で反応停止して、酢酸エチル(3x15mL)で抽出した。有機層を分離し、合わせて、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、白色固体の表題化合物(粗1.1g、92%)を得て、これを、さらに精製しないで、次工程で、直接使用した。MS(ES+)C1618S 理論値:346、測定値:347[M+H]
【0287】
3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−7−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オンの合成
【0288】
【化97】
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【0289】
20mLのジクロロメタン中、3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−7−(メチルチオ)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オン(1.0g、2.89mmol)溶液に、3−クロロ過安息香酸(1.50g、8.66mmol)を、0℃で添加し、溶液を、0℃で0.5時間撹拌した。混合物を室温まで温め、一夜撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を、30mLのジクロロメタンで希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、黄色固体の表題化合物(800mg、73%)を得て、これをさらに精製しないで、次工程で、直接使用した。MS(ES+)C1618S 理論値:378、測定値:379[M+H]
【0290】
3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−7−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オンの合成
【0291】
【化97-2】
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【0292】
15mLのジクロロメタン中、3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−7−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オン溶液に、塩化スルフリル(285mg、2.12mmol)を、0℃で添加し、それから、0℃で3時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を、20mLのジクロロメタンで希釈し、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、黄色固体の表題化合物(450mg、96%)を得て、これをさらに精製しないで、次工程で、直接使用した。MS(ES+)C1616ClS 理論値:446、448、測定値:447、449[M+H]
【0293】
3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−7−(2−メチル−6−ニトロフェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オンの合成
【0294】
【化98】
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【0295】
5mLのN,N−ジメチルホルムアミド中、3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−7−(メチルスルホニル)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オン(450mg、1.01mmol)および2−メチル−6−ニトロアニリン(230mg、1.51mmol)の混合物に、カリウムtert−ブタノレート(339mg、3.02mmol)を、室温で添加し、0.5時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を、80mLの水で反応停止し、沈殿物を濾過により集め、乾燥して、黄色固体の表題化合物(290mg、56%)を得て、これをさらに精製しないで、次工程で、直接使用した。MS(ES+)C2220Cl 理論値:518、520、測定値:519、521[M+H]
【0296】
(7−(2−アミノ−6−メチルフェニルアミノ)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オンの合成
【0297】
【化99】
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【0298】
3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−7−(2−メチル−6−ニトロフェニルアミノ)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オン(290mg、0.56mmol)のエタノール(10mL)および水(2mL)中混合物を、鉄粉(320mg、5.60mmol)および塩化アンモニウム(250mg、2.79mmol)を添加する前に、70℃で20分間撹拌した。反応混合物を、70℃で、さらに6時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。固体物を、濾過で取り除き、濾液を濃縮した。残渣を、酢酸エチル(30mL)により溶解し、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣を、分取HPLCにより精製して、白色固体として、表題化合物(27mg、10%)を得た。MS(ES+)C2222Cl 理論値:488、490、測定値:489、491[M+H]H−NMR(500MHz、CDCl)δ ppm 7.89 (s, 1H), 7.04 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 6.69 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 6.60 (s, 1H), 4.53 (s, 2H), 3.94 (s, 6H), 3.34 (s, 3H), 2.24 (s, 3H)。
【0299】
N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドの合成
【0300】
【化100】
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【0301】
N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドを、化合物30と同様な方法で合成した。生成物を、0〜10%MeOH/DCMグラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。MS(ES+)C2524Cl 理論値:542、測定値:543[M+H]H−NMR(400MHz、DMSO−d)δ 9.48 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.16 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.10 − 7.06 (m, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.53 (dd, J = 17.0, 10.2 Hz, 1H), 6.22 (dd, J = 16.9, 2.1 Hz, 1H), 5.71 (dd, J = 10.2, 2.0 Hz, 1H), 4.48 (s, 2H), 3.96 (s, 6H), 3.44 (s, 3H), 2.17 (s, 3H)。
(実施例7)
【0302】
化合物24および化合物6の合成
【0303】
【化101】
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【0304】
5−ブロモ−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)ピリミジン−2−アミンの合成
【0305】
【化102】
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【0306】
封管中の、5−ブロモ−2−クロロピリミジン(1.5g、7.89mmol)および2−メチル−6−ニトロアニリン(800mg、5.26mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中溶液に、カリウムtert−ブトキシド(1.76g、15.78mmol)を添加し、混合物を、130℃で2時間、マイクロ波下で加熱した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応物を室温まで冷却し、水(20mL)で反応停止し、酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。有機層を分離し、合わせて、水(50mL)および塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により精製して、黄色固体の表題化合物(500mg、31%)を得た。MS(ES+)C11BrN 理論値:309、311、測定値:310、312[M+H]
【0307】
5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)ピリミジン−2−アミンの合成
【0308】
【化103】
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【0309】
5−ブロモ−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)ピリミジン−2−アミン(573g、3.0mmol)、1−エチニル−3,5−ジメトキシベンゼン(483mg、3.0mmol)、トリフェニルホスフィン(157mg、0.60mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(210mg、0.30mmol)、ヨウ化銅(I)(57mg、0.30mmol)およびジエチルアミン(1.50ml、15.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の混合物を、窒素で3回脱気し、それから、80℃で2時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を室温まで冷却し、水(20mL)で反応停止し、酢酸エチル(3x80mL)で抽出した。合わせた有機層を分離し、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=4:1)により精製して、黄色固体の表題化合物(460mg、39%)を得た。MS(ES+)C2118 理論値:390、測定値:391[M+H]
【0310】
−(5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)ピリミジン−2−イル)−6−メチルベンゼン−1,2−ジアミンの合成
【0311】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【0312】
5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)ピリミジン−2−アミン(150mg、0.38mmol)、鉄(171mg、3.04mmol)および塩化アンモニウム(246mg、4.56mmol)のエタノール(20mL)および水(2mL)中の混合物を、85℃で1時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応物を、室温まで冷却し、固体物を濾過して取り除いた。濾液を濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、白色固体の表題化合物(55mg、44%)を得た。MS(ES+)C2120 理論値:360、測定値:361[M+H]H−NMR(500MHz、DMSO−d)δ ppm 8.76 (s, 1H), 8.50−8.46 (br, 2H), 6.88 (t, 1H, J = 7.0 Hz), 6.66 (s, 2H), 6.57 (d, 1H, J = 7.5 Hz), 6.54 (s, 1H), 6.44 (d, 1H, J = 6.5 Hz), 4.74 (s, 2H), 3.76 (s, 6H), 2.01 (s, 3H)。
【0313】
N−(2−((5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)ピリミジン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドの合成
【0314】
【化105】
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【0315】
−(5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)ピリミジン−2−イル)−6−メチルベンゼン−1,2−ジアミンを、化合物30と同様な方法で合成した。生成物を、0〜100%EtOAc/ヘキサン類グラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を得た。MS(ES+)C2422 理論値:414、測定値:415[M+H]H−NMR(400MHz、DMSO−d)δ ppm 9.60 − 9.38 (m, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.51 (s, 2H), 7.69 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.19 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.15 − 7.06 (m, 1H), 6.67 (d, J = 2.3 Hz, 2H), 6.60 − 6.45 (m, 2H), 6.22 (dd, J = 17.0, 2.1 Hz, 1H), 5.71 (dd, J = 10.2, 2.1 Hz, 1H), 3.76 (s, 6H), 2.12 (s, 3H)。
【0316】
5−((2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)ピリミジン−2−アミンの合成
【0317】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0318】
5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)ピリミジン−2−アミン(50mg、0.13mmol)のアセトニトリル(5mL)中溶液に、塩化スルフリル(44mg、0.33mmol)を、−20℃で滴下し、混合物を、さらに10分間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示し、反応物を水(0.5mL)で反応停止した。溶媒を蒸発させ、残渣を分取HPLCにより精製して、黄色固体の表題化合物(30mg、50%)を得た。MS(ES+)C2116Cl 理論値:459、461、測定値:460、462[M+H]
【0319】
−(5−((2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)ピリミジン−2−イル)−6−メチルベンゼン−1,2−ジアミンの合成
【0320】
【化107】
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【0321】
5−((2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)ピリミジン−2−アミン(150mg、0.33mmol)、鉄(147mg、2.64mmol)および塩化アンモニウム(214mg、3.96mmol)のエタノール(20mL)および水(2mL)中の混合物を、85℃で1時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応物を室温まで冷却し、固体物を濾過して取り除いた。濾液を濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、白色固体の表題化合物(58mg、35%)を得た。MS(ES+)C2118Cl 理論値:429、431、測定値:430、432[M+H]H−NMR(400MHz、DMSO−d)δ ppm 8.90 (s, 1H), 8.55−8.44 (br, 2H), 6.97 (s, 1H), 6.89−6.86 (m, 1H), 6.57 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 6.44 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 4.75 (s, 2H), 3.94 (s, 6H), 2.01 (s, 3H)。
【0322】
N−(2−((5−((2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)ピリミジン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドの合成
【0323】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【0324】
N−(2−((5−((2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)ピリミジン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドを、化合物30と同様な方法で合成した。生成物を0〜10%EtOAc/ヘキサン類グラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。MS(ES+)C2420Cl 理論値:482、測定値:483[M+H]H−NMR(400MHz、DMSO−d)δ ppm 9.47 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 8.54 (s, 2H), 7.71 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.19 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.98 (s, 1H), 6.53 (dd, J = 17.0, 10.2 Hz, 1H), 6.22 (dd, J = 17.0, 2.1 Hz, 1H), 5.70 (dd, J = 10.2, 2.1 Hz, 1H), 3.94 (s, 6H), 2.13 (s, 3H)。
(実施例8)
【0325】
化合物40の合成
【0326】
【化109】
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【0327】
2−メチル−3−オキソペンタン二酸ジエチルの合成
【0328】
【化110】
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【0329】
3−オキソペンタン二酸ジエチル(23.2g、114.8mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)中溶液に、水酸化ナトリウム(60%、4.8%、120.5mmol)を、0℃で添加し、反応混合物を、室温で30分間撹拌し、次いで、ヨードメタン(7.15ml、114.8mmol)を添加した。反応混合物を室温で48時間撹拌し、水(500mL)で反応停止して、酢酸エチル(500mLx3)で抽出した。有機層を分離し、合わせて、水(200mL)および塩水(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=20:1)により精製して、無色油状の表題化合物(9g、36%)を得た。MS(ES+)C1016 理論値:216、測定値:217[M+H]
【0330】
4−ヒドロキシ−5−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸エチルの合成
【0331】
【化111】
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【0332】
2−メチル−3−オキソペンタン二酸ジエチル(10g、46.25mmol)の1,1’−トリオキシダンジイルジプロパン−1−オン(400mL)中溶液に、トリエトキシメタン(38mL、231.25mmol)を添加し、混合物を120℃で4時間撹拌し、次いで、30%アンモニア(600mL)を0℃で添加した。LCMSで、反応が完了することをモニターした。沈殿物を濾過により集めて、ジクロロメタン(400mL)に溶解した。固体物を濾過で取り除き、濾液を濃縮して、黄色固体の表題化合物(5.5g、粗)を得た。MS(ES+)C11NO 理論値:197、測定値:198[M+H]
【0333】
4,6−ジクロロ−5−メチルニコチン酸エチルの合成
【0334】
【化112】
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【0335】
4−ヒドロキシ−5−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸エチル(5.0g、21.4mmol)の三塩化ホスホリル(100mL)中溶液を、125℃で12時間還流した。LCMSで、反応が完了することをモニターした。ほとんどの三塩化ホスホリルを蒸発させ、残渣を氷水(100mL)に滴下した。得られた混合物を、炭酸ナトリウム水溶液(50mL)で中和して、酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を分離し、合わせて、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=15:1)により精製して、黄色油状の表題化合物(1.6g、32%)を得た。MS(ES+)CClNO 理論値:232、234、測定値:233、235[M+H]
【0336】
6−クロロ−5−メチル−4−(メチルアミノ)ニコチン酸エチルの合成
【0337】
【化113】
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【0338】
4,6−ジクロロ−5−メチルニコチン酸エチル(2.6g、11.1mmol)のアセトニトリル(60mL)中溶液に、40%メチルアミン水溶液(689mg、22.2mmol、60mL)を滴下し、混合物を50℃で72時間撹拌した。LCMSで、反応が完了することをモニターした。反応混合物を濃縮して、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を分離し、合わせて、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)により精製して、無色油状の表題化合物(2.05g、81%)を得た。MS(ES+)C1013ClN 理論値:228、230、測定値:229、231[M+H]
【0339】
(6−クロロ−5−メチル−4−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル)メタノールの合成
【0340】
【化114】
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【0341】
6−クロロ−5−メチル−4−(メチルアミノ)ニコチン酸エチル(2.0g、8.8mmol)のテトラヒドロフラン(60mL)中溶液に、水素化アルミニウムリチウムを0℃で添加し、混合物を室温で1.5時間撹拌した。LCMSで、反応が完了することをモニターした。反応を硫酸ナトリウム10水和物(1.5g)により反応停止して、濾過した。濾液を濃縮して、白色固体の表題化合物(1.4g、粗)を得た。MS(ES+)C11ClNO 理論値:186、188、測定値:187、189[M+H]
【0342】
6−クロロ−5−メチル−4−(メチルアミノ)ニコチンアルデヒドの合成
【0343】
【化115】
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【0344】
(6−クロロ−5−メチル−4−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル)メタノール(1.4g、8.0mmol)および酸化マグネシウム(2.8g、32mmol)のジクロロメタン(100mL)中の混合物を、室温で4時間撹拌した。LCMSで、反応が完了することをモニターした。固体物を濾過して取り除き、濾液を濃縮して、黄色油状の表題化合物(1.2g、粗)を得た。MS(ES+)CClNO 理論値:184、186、測定値:185、187[M+H]
【0345】
7−クロロ−3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1,8−ジメチル−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オンの合成
【0346】
【化116】
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【0347】
6−クロロ−5−メチル−4−(メチルアミノ)ニコチンアルデヒド(3.11g、16.8mmol)、2−(3,5−ジメトキシフェニル)酢酸メチル(4.25g、20.2mmol)および炭酸カリウム(2.8g、20.3mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(100mL)中の混合物を、105℃で一夜撹拌した。LCMSで、反応が完了することをモニターした。反応混合物を室温に冷却し、水により反応停止した。沈殿物を濾過し、乾燥して、黄色固体の表題化合物(5.5g、粗)を得た。MS(ES+)C1817ClN 理論値:344、346、測定値:345、347[M+H]
【0348】
3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1,8−ジメチル−7−(2−ニトロフェニルアミノ)−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オンの合成
【0349】
【化117】
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【0350】
7−クロロ−3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1,8−ジメチル−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オン(800mg、2.32mmol)、2−ニトロベンゼンアミン(320mg、2.32mmol)、Pd(dba)(100mg)、John−Phos(100mg)およびカリウムtert−ブタノレート(480mg、4.64mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の混合物を、封管中、100℃で1時間、マイクロ波下で加熱した。LCMSで、反応が完了することをモニターした。混合物を濃縮し、分取HPLCにより精製して、褐色固体の表題化合物(150mg、15%)を得た。MS(ES+)C2422 理論値:446、測定値:447[M+H]
【0351】
3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1,8−ジメチル−7−(2−ニトロフェニルアミノ)−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オンの合成
【0352】
【化118】
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【0353】
3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1,8−ジメチル−7−(2−ニトロフェニルアミノ)−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オン(120mg、0.27mmol)のアセトニトリル(120mL)中溶液に、塩化スルフリル(185mg、1.35mmol)を、−15℃で添加し、混合物を、−15℃で10分間撹拌した。LCMSで、反応が完了することをモニターした。反応混合物を水(1mL)で反応停止して、濃縮した。沈殿物を、濾過により集め、アセトン/石油エーテル(1:5)により洗浄し、乾燥して、白色固体の表題化合物(100mg、72%)を得た。MS(ES+)C2420l2 理論値:514、516、測定値:515、517[M+H]
【0354】
7−(2−アミノフェニルアミノ)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1,8−ジメチル−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オンの合成
【0355】
【化119】
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【0356】
3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1,8−ジメチル−7−(2−ニトロフェニルアミノ)−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オン(100mg、0.2mmol)の酢酸エチル(20mL)中溶液に、塩化第一スズ(150mg、0.8mmol)を添加し、混合物を80℃で1時間撹拌した。LCMSで、反応が完了することをモニターした。固体物を濾過して取り除き、濾液を濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、黄色固体の表題化合物(38.6mg、41%)を得た。MS(ES+)C2422Cl 理論値:484、486、測定値:485、487[M+H]H−NMR(500MHz、DMSO−d)δ ppm 8.24 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.03 (d, 1H, J = 7.5 Hz), 6.97 (s, 1H), 6.92−6.89 (m, 1H), 6.75−6.73 (m, 1H), 6.57−6.54 (m, 1H), 4.77 (s, 2H), 3.95 (s, 6H), 3.66 (s, 3H), 2.43 (s, 3H)。
【0357】
N−(2−((3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1,8−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−7−イル)アミノ)フェニル)アクリルアミドの合成
【0358】
【化120】
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【0359】
N−(2−((3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1,8−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−7−イル)アミノ)フェニル)アクリルアミドを、化合物30と同様な方法で合成した。生成物を0〜5%MeOH/DCMグラジエントを使用して、分取薄層クロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。MS(ES+)C2724Cl 理論値:538、測定値:539[M+H]
(実施例9)
【0360】
化合物42の合成
【0361】
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
【0362】
(2−アミノ−4−メトキシフェニル)メタノールの合成
【0363】
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
【0364】
2−アミノ−4−メトキシ安息香酸(15.0g、89.8mmol)のTHF(300mL)中溶液に、水素化ホウ素のTHF中溶液(450mL、450mmol)を0℃で添加し、反応混合物を、室温で一夜撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応を水(150mL)で停止して、酢酸エチル(500mLx3)で抽出した。有機層を分離し、合わせて、水(200mL)および塩水(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。MS(ES+)C11NO 理論値:153、測定値:154[M+H]
【0365】
2−アミノ−4−メトキシベンズアルデヒドの合成
【0366】
【化123】
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【0367】
(2−アミノ−4−メトキシフェニル)メタノール(20g、131.0mmol)および酸化マグネシウム(68g、786.0mmol)のジクロロメタン(300mL)中の混合物を、室温で一夜撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。固体物を濾過して取り除き、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=6:1)により精製して、黄色固体の表題化合物(7g、35%)を得た。MS(ES+)CNO 理論値:151、測定値:152[M+H]
【0368】
2−アミノ−5−ブロモ−4−メトキシベンズアルデヒドの合成
【0369】
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
【0370】
2−アミノ−4−メトキシベンズアルデヒド(6g、39.7mmol)のジクロロメタン(100mL)中の撹拌した溶液に、N−ブロモコハク酸イミド(7g、39.7mmol)を添加した。LCMSで、出発物質が完全に消費されるまで、反応をモニターした。反応混合物を、ジクロロメタンおよび水で希釈した。分離した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、黄色固体の表題化合物(5g、56%)を得た。MS(ES+)CBrNO 理論値:229、231、測定値:230、232[M+H]
【0371】
6−ブロモ−7−メトキシキナゾリン−2−オールの合成
【0372】
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
【0373】
2−アミノ−5−ブロモ−4−メトキシベンズアルデヒド(3g、13.1mmol)および尿素(12g、196.5mmol)の混合物を、180℃で2時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を室温まで冷却して、水(3x100mL)で洗浄した。沈殿物を集め、乾燥して、黄色固体の表題化合物(3g、粗)を得た。MS(ES+)CBrN 理論値:254、256、測定値:255、257[M+H]
【0374】
6−ブロモ−2−クロロ−7−メトキシキナゾリンの合成
【0375】
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
【0376】
6−ブロモ−7−メトキシキナゾリン−2−オール(3.0g、11.8mmol)の三塩化ホスホリル(30mL)中溶液を、130℃で5時間還流した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応物を室温まで冷却して、ほとんどの三塩化ホスホリルを蒸発させた。残渣を氷水(100mL)に滴下し、得られた沈殿物を、濾過により集めて、黄色固体の表題化合物(2.4g、75%)を得た。MS(ES+)CBrClNO 理論値:272、274、測定値:273、275[M+H]
【0377】
2−クロロ−6−(3,5−ジメトキシフェニル)−7−メトキシキナゾリンの合成
【0378】
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
【0379】
6−ブロモ−2−クロロ−7−メトキシキナゾリン(2.4g、8.82mmol)、3,5−ジメトキシフェニルボロン酸(1.6g、8.82mmol)、炭酸セリウム(8.6g、26.46mmol)およびPd(PPhCl(1.4g、2.1mmol)のTHF(10mL)、ジオキサン(10mL)および水(2mL)中の混合物を、窒素で3回脱気して、85℃で3時間撹拌した。LCMSで、反応が完了することをモニターした。混合物を室温まで冷却して、ジクロロメタン(3x50mL)で抽出した。有機層を分離し、合わせて、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:4)により精製して、白色固体の表題化合物(1.1g、38%)を得た。MS(ES+)C1715ClN 理論値:330、332、測定値:331、333[M+H]
【0380】
2−クロロ−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−7−メトキシキナゾリンの合成
【0381】
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
【0382】
2−クロロ−6−(3,5−ジメトキシフェニル)−7−メトキシキナゾリン(200mg、0.61mmol)のアセトニトリル(5mL)中溶液に、塩化スルフリル(205mg、1.52mmol)を添加し、混合物を、−20℃で1時間撹拌した。反応を水(1mL)で停止して、減圧下濃縮した。沈殿物をアセトニトリルにより洗浄し、乾燥して、白色固体の表題化合物(120mg、50%)を得た。MS(ES+)C1713Cl 理論値:398、測定値:399、401[M+H]H−NMR(400MHz、DMSO−d)δ ppm 9.43 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.03 (s, 1H), 3.98 (s, 6H), 3.93 (s, 3H)。
【0383】
6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−7−メトキシ−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)キナゾリン−2−アミンの合成
【0384】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
【0385】
6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−7−メトキシ−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)キナゾリン−2−アミンを、化合物30と同様な方法で合成した。生成物を、0〜100%EtOAc/ヘキサン類グラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。MS(ES+)C2420Cl 理論値:514、測定値:515[M+H]
【0386】
N1−(6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−7−メトキシキナゾリン−2−イル)−6−メチルベンゼン−1,2−ジアミンの合成
【0387】
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
【0388】
N1−(6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−7−メトキシキナゾリン−2−イル)−6−メチルベンゼン−1,2−ジアミンを、化合物30と同様な方法で合成した。反応物を、セライトを通して濾過して、粗生成物を得た。MS(ES+)C2422Cl 理論値:484、測定値:485[M+H]
【0389】
N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−7−メトキシキナゾリン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドの合成
【0390】
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
【0391】
N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−7−メトキシキナゾリン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドを、化合物30と同様な方法で合成した。生成物を、0〜10%MeOH/DCMグラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。MS(ES+)C2724Cl 理論値:538、測定値:539[M+H]
【0392】
(実施例10)
【0393】
化合物34の合成
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
【0394】
[この文献は図面を表示できません]
2−アミノ−5−ブロモ−3−フルオロ安息香酸の合成
【0395】
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
【0396】
2−アミノ−5−ブロモ−3−フルオロ安息香酸(10.85g、70mmol)のジクロロメタン(175mL)中溶液に、N−ブロモコハク酸イミド(12.46g、70mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。沈殿物を濾過し、ジクロロメタン(100mLx3)で洗浄して、灰色固体として表題化合物(12.7g、78%)を得て、これをさらに精製しないで、次工程で直接使用した。MS(ES+)CBrFNO 理論値:233、235、測定値:232、234[M−H]
【0397】
(2−アミノ−5−ブロモ−3−フルオロフェニル)メタノールの合成
【0398】
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
【0399】
2−アミノ−5−ブロモ−3−フルオロ安息香酸(14.5g、62.2mmol)のTHF(150mL)中溶液に、水素化ホウ素のTHF溶液(1M、310mL)を、0℃で添加し、反応混合物を、室温で一夜撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応をメタノール(150mL)で停止して、真空で濃縮し、炭酸水素ナトリウム水溶液(400mL)で希釈して、酢酸エチル(200mLx3)で抽出した。有機層を分離し、合わせて、水(200mL)および塩水(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、表題化合物(13.0g、粗)を得て、これをさらに精製しないで、次工程で直接使用した。MS(ES+)CBrFNO 理論値:219、221、測定値:220、222[M+H]
【0400】
2−アミノ−5−ブロモ−3−フルオロベンズアルデヒドの合成
【0401】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
【0402】
(2−アミノ−5−ブロモ−3−フルオロフェニル)メタノールおよび酸化マグネシウム(31g、356.4mmol)のジクロロメタン(400mL)中の混合物を、室温で一夜撹拌した。TLCは、出発物質が完全に消費したことを示した。固体物を濾過して取り除き、濾液を濃縮して、淡黄色固体の表題化合物(11g、85%)を得て、これをさらに精製しないで、次工程で直接使用した。
【0403】
6−ブロモ−8−フルオロキナゾリン−2−オールの合成
【0404】
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
【0405】
2−アミノ−5−ブロモ−3−フルオロベンズアルデヒド(2.17g、10mmol)および尿素(9g、150mmol)の撹拌した混合物を、180℃で2時間加熱した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を、室温まで冷却し、得られた沈殿物を濾過して、水(500mLx3)で洗浄した。閉じ込められた水分を、3回トルエンと共蒸発により、完全に除去した。表題化合物(2g、83%)を、黄色固体として得た。MS(ES+)CBrFNO 理論値:242、244、測定値:243、245[M+H]
【0406】
6−ブロモ−2−クロロキナゾリンの合成
【0407】
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
【0408】
6−ブロモキナゾリン−2−オール(9.72g、40mmol)のオキシ塩化リン(100mL)中溶液を、5時間還流した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応物を、室温まで冷却し、ほとんどのオキシ塩化リンを減圧下除去した。残渣を氷水(500mL)に滴下し、得られた沈殿物を濾過により集めて、黄色固体の表題化合物(9g、87%)を得た。MS(ES+)CBrClFN 理論値:260、262、測定値:261、263[M+H]
【0409】
2−クロロ−6−(3,5−ジメトキシフェニル)−8−フルオロキナゾリンの合成
【0410】
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
【0411】
6−ブロモ−2−クロロ−8−フルオロキナゾリン(4.0g、15.4mmol)、3,5−ジメトキシフェニルボロン酸(4.47g、16.9mmol)、炭酸セシウム(10.0g、30.8mmol)およびPd(PPhCl(236mg、0.77mmol)のTHF(200mL)および水(10mL)中の混合物を、窒素で3回脱気して、80℃で3時間撹拌した。TLCとLCMSの両方で、反応が完了したことを示した。反応混合物を室温まで冷却して、直接濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:ジクロロメタン=2:1〜1:1)により精製して、黄色固体の表題化合物(2.5g、51%)を得た。MS(ES+)C1612ClFN 理論値:318/320、測定値:319/321[M+H]
【0412】
2−クロロ−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−フルオロキナゾリンの合成
【0413】
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
【0414】
2−クロロ−6−(3,5−ジメトキシフェニル)−8−フルオロキナゾリン(1.5g、4.7mmol)の無水THF(40mL)中溶液に、塩化スルフリル(1.59g、1.75mmol)を、0℃で滴下し、混合物を1時間撹拌した。TLCとLCMSの両方で、反応が完了したことを示した。反応を水(1mL)で停止して、溶媒を減圧下除去した。残渣をアセトニトリルで洗浄し、乾燥して、白色固体の表題化合物(700mg、38%)を得た。MS(ES+)C1610ClFN 理論値:386、388、測定値:387、389[M+H]H−NMR(400MHz、DMSO−d)δ ppm 9.74 (d, 1H J = 1.0 Hz), 8.03−7.99 (m, 2H), 7.08 (s, 1H), 4.00 (s, 6H)。
【0415】
6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−フルオロ−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)キナゾリン−2−アミンの合成
【0416】
【化140】
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【0417】
6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−フルオロ−N−(2−メチル−6−ニトロフェニル)キナゾリン−2−アミンを、化合物30と同様な方法で合成した。生成物を、0〜100%EtOAc/ヘキサン類グラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。MS(ES+)C2317ClFN 理論値:502、測定値:503[M+H]
【0418】
N1−(6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−フルオロキナゾリン−2−イル)−6−メチルベンゼン−1,2−ジアミンの合成
【0419】
【化141】
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【0420】
N1−(6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−フルオロキナゾリン−2−イル)−6−メチルベンゼン−1,2−ジアミンを、化合物30と同様な方法で合成した。反応物を、セライトを通して濾過して、粗生成物を得た。MS(ES+)C2319ClFN 理論値:472、測定値:473[M+H]
【0421】
N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−フルオロキナゾリン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドの合成
【0422】
【化142】
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【0423】
N−(2−((6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−フルオロキナゾリン−2−イル)アミノ)−3−メチルフェニル)アクリルアミドを、化合物30と同様な方法で合成した。生成物を、0〜10%MeOH/DCMグラジエントを使用して、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。MS(ES+)C2621ClFN 理論値:526、測定値:527[M+H]H−NMR(400MHz、DMSO−d)δ 9.53 (d, J = 27.9 Hz, 1H), 9.28 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 7.75 (d, J = 29.9 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.50 (s, 1H), 6.21 (dd, J = 16.9, 2.1 Hz, 1H), 5.75 (s, 1H), 5.68 (dd, J = 10.2, 2.0 Hz, 1H), 3.98 (d, J = 4.6 Hz, 6H), 2.19 (s, 3H)。
(実施例10)
【0424】
化合物50の合成
【0425】
【化143】
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【0426】
4−(2,5−ジクロロピリミジン−4ーイル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成
【0427】
【化144】
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【0428】
2,4,5−トリクロロピリミジン(0.475g、2.6mmol)の無水DMF(8.5mL)中溶液に、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.51g、2.7mmol)を添加し、次いで、DIEA(0.51mL、3.1mmol)を0℃で添加して、混合物を1時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応を水(100mL)で希釈し、白色固体物を濾過した。残渣を水で洗浄し、乾燥して、白色固体の表題化合物(445mg、51%)を得た。MS(ES+)C1318Cl 理論値:332、測定値:333[M+H]
【0429】
(2−((5−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)フェニル)カルバミン酸tert−ブチルの合成
【0430】
【化145】
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【0431】
4−(2,5−ジクロロピリミジン−4ーイル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.1g、0.3mmol)のDCM(1.0mL)中溶液に、TFA(1.0mL)を添加し、混合物を1時間撹拌した。反応混合物の一定分量を、LCMSにより分析し、その結果は、反応が完了したことを示した。溶媒を除去して、残渣を高真空で乾燥した。粗生成物を、さらに精製しないで、次工程で使用した。
2,5−ジクロロ−4−(ピペラジン−1−イル)ピリミジン(0.3mmol)のジオキサン(4.0mL)中溶液に、TFA(0.060mL、0.75mmol)および(2−アミノフェニル)カルバミン酸tert−ブチル(0.094g、0.45mmol)を添加し、混合物を100℃で24時間反応撹拌した。室温に冷却後、反応混合物をEtOAcで希釈して、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。有機混合物を硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲル上に負荷し、10%NHOHを含有する0〜10%MeOH/DCMグラジエントを使用して、精製して、白色固体の表題化合物(28mg、23%)を得た。MS(ES+)C1925ClN 理論値:404、測定値:405[M+H]
【0432】
(2−((5−クロロ−4−(4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)フェニル)カルバミン酸tert−ブチルの合成
【0433】
【化146】
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【0434】
(2−((5−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)フェニル)カルバミン酸tert−ブチル(28mg、0.068mmol)のDCM(0.7mL)中溶液に、1−イソシアナト−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.011mL、0.082mmol)およびトリエチルアミン(0.015mL、0.1mmol)を添加し、混合物を23℃で16時間撹拌した。粗反応混合物をシリカゲル上に負荷し、0〜50%EtOAc/ヘキサン類グラジエントを使用して精製して、表題化合物(25mg、62%)を得た。MS(ES+)C2729ClF 理論値:591、測定値:592[M+H]
【0435】
4−(2−((2−アクリルアミドフェニル)アミノ)−5−クロロピリミジン−4−イル)−N−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン−1−カルボキサミドの合成
【0436】
【化147】
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【0437】
(2−((5−クロロ−4−(4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)フェニル)カルバミン酸tert−ブチル(0.025g、0.043mmol)のDCM(1.0mL)中溶液に、TFA(1.0mL)を添加し、混合物を1時間撹拌した。反応混合物の一定分量を、LCMSにより分析し、その結果は、反応が完了したことを示した。溶媒を除去して、残渣を高真空で乾燥した。粗生成物を、さらに精製しないで、次工程で使用した。
4−(2−((2−アミノフェニル)アミノ)−5−クロロピリミジン−4−イル)−N−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン−1−カルボキサミド(0.043mmol)のDCM(0.5mL)中溶液に、塩化アクリロイル(0.004mL、0.052mmol)およびDIEA(0.018mL、0.11mmol)を添加し、混合物を0℃で1時間撹拌した。粗反応混合物をシリカゲル上に負荷し、0〜7%MeOH/DCMグラジエントを使用して精製して、表題化合物(10mg、43%)を得た。MS(ES+)C2523ClF 理論値:545、測定値:546[M+H]
(実施例11)
【0438】
化合物54の合成
【0439】
【化148】
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【0440】
4−(2−クロロ−5−メチルピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成
【0441】
【化149】
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【0442】
2,4−ジクロロ−5−メチルピリミジン(0.75g、4.6mmol)の無水DMF(15.5mL)中溶液に、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.9g、4.85mmol)を添加し、次いで、DIEA(0.91mL、5.5mmol)を0℃で添加し、混合物を室温で一夜撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応を水(120mL)で希釈して、固体物を濾過した。残渣を水で洗浄し、乾燥して、白色固体の表題化合物(1.386g、96%)を得た。MS(ES+)C1421ClN 理論値:312、測定値:313[M+H]
【0443】
4−((4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−5−メチルピリミジン−2−イル)アミノ)−3−ニトロ安息香酸の合成
【0444】
【化150】
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【0445】
4−(2−クロロ−5−メチルピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.15g、0.48mmol)、4−アミノ−3−ニトロ安息香酸(97mg、0.53mmol)、BrettPhos−Pd混合物(20mg、0.015mmol)、および炭酸セシウム(470mg、1.44mmol)のBuOH(2.4mL)中の混合物を、封管中、100℃で一夜加熱した。混合物をEtOAcで希釈し、セライトプラグを通して濾過し、シリカゲル上に負荷し、0〜10%MeOH/DCMグラジエントを使用して精製して、表題化合物(75mg、34%)を得た。MS(ES+)C2126 理論値:458、測定値:459[M+H]
【0446】
4−(5−メチル−2−((4−((1−メチルピペリジン−4−イル)カルバモイル)−2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成
【0447】
【化151】
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【0448】
4−((4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−5−メチルピリミジン−2−イル)アミノ)−3−ニトロ安息香酸(0.075g、0.164mmol)、1−メチルピペリジン−4−アミン(37mg、0.33mmol)、HATU(140mg、0.37mmol)、およびDIEA(0.1mL、0.6mmol)のDMF(3.0mL)中の混合物を、室温で一夜撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈して、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液および飽和塩水で洗浄した。粗混合物をシリカゲル上に負荷し、10%NHOHを含有する0〜10%MeOH/DCMグラジエントを使用して精製して、表題化合物(73mg、80%)を得た。MS(ES+)C2738 理論値:554、測定値:555[M+H]
【0449】
N−(4−シアノフェニル)−4−(5−メチル−2−((4−((1−メチルピペリジン−4−イル)カルバモイル)−2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキサミドの合成
【0450】
【化152】
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【0451】
4−(5−メチル−2−((4−((1−メチルピペリジン−4−イル)カルバモイル)−2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.073g、0.13mmol)のDCM(1.0mL)中溶液に、TFA(1.0mL)を添加し、混合物を1時間撹拌した。反応混合物の一定分量をLCMSにより分析し、この結果は、反応が完了したことを示した。溶媒を除去して、残渣を高真空で乾燥した。粗生成物を精製しないで、次工程に使用した。
4−((5−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−3−ニトロベンズアミド(0.073mmol)のDCM(1.5mL)中溶液に、4−イソシアナトベンゾニトリル(23mg、0.16mmol)およびトリエチルアミン(0.055mL、0.39mmol)を添加し、混合物を23℃で16時間反応撹拌した。粗反応混合物を濾過し、最小限量のDCM、それからヘキサン類で洗浄して、表題化合物(97mg、100%)を得た。MS(ES+)C303410 理論値:598、測定値:599[M+H]
【0452】
4−(2−((2−アミノ−4−((1−メチルピペリジン−4−イル)カルバモイル)フェニル)アミノ)−5−メチルピリミジン−4−イル)−N−(4−シアノフェニル)ピペラジン−1−カルボキサミドの合成
【0453】
【化153】
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【0454】
4−(2−((2−アミノ−4−((1−メチルピペリジン−4−イル)カルバモイル)フェニル)アミノ)−5−メチルピリミジン−4−イル)−N−(4−シアノフェニル)ピペラジン−1−カルボキサミドを、化合物30と同様な方法で合成した。反応物を、セライトを通して濾過して、粗生成物を得た。MS(ES+)C303610 理論値:568、測定値:569[M+H]
【0455】
4−(2−((2−アクリルアミド−4−((1−メチルピペリジン−4−イル)カルバモイル)フェニル)アミノ)−5−メチルピリミジン−4−イル)−N−(4−シアノフェニル)ピペラジン−1−カルボキサミドの合成
【0456】
【化154】
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【0457】
4−(2−((2−アクリルアミド−4−((1−メチルピペリジン−4−イル)カルバモイル)フェニル)アミノ)−5−メチルピリミジン−4−イル)−N−(4−シアノフェニル)ピペラジン−1−カルボキサミドを、化合物30と同様な方法で合成した。反応混合物を分取薄層クロマトグラフィーを通して精製して、表題生成物を得た。MS(ES+)C333810 理論値:622、測定値:623[M+H]H−NMR(400MHz、DMSO−d6)δ 9.98 (s, 1H), 9.08 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.21 − 8.07 (m, 3H), 7.93 (d, J = 10.7 Hz, 2H), 7.67 (m, 4H), 6.50 (dd, J = 16.9, 10.2 Hz, 1H), 6.33 − 6.25 (m, 1H), 5.83 − 5.76 (m, 1H), 3.78 (m, 2H), 3.59 (m, 4H), 3.43 (m, 4H), 2.92 (d, J = 11.4 Hz, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.23 (s, 2H), 2.14 (s, 3H), 1.79 (m, 2H), 1.69 − 1.54 (m, 2H)。
(実施例12)
【0458】
化合物20の合成
【0459】
【化155】
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【0460】
イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボニトリルの合成
【0461】
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
【0462】
20mlシールバイアル中の2−アミノニコチノニトリル(1.0g、8.39mmol)のEtOH(10ml)中溶液に、2−クロロアセトアルデヒド(1.611ml、9.23mmol)を添加し、それから、シールして、120℃で一夜加熱した。反応物を室温まで冷却し、2NのNa2CO3で反応停止し、真空でEtOHを除去して、DCMで3回抽出した。有機物を合わせて、水、それから、塩水で2回洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を除去し、黄褐色固体の表題化合物(1.2g、8.38mmol、100%収率)を得て、MS(ES+)で確認した。C 理論値:143、測定値:144[M+H]
【0463】
3−ヨードイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボニトリルの合成
【0464】
【化157】
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【0465】
イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボニトリル(1.2g、8.38mmol)のジクロロメタン(10mL)中の撹拌した溶液に、N−ヨードコハク酸イミド(1.89g、8.38mmol)を添加した。LCMSで、出発物質が完全に消費されるまで、反応をモニターした。反応混合物を、ジクロロメタンおよび水で希釈した。分離した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、褐色固体の3−ヨードイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボニトリル(1.8g、6.69mmol、80%収率)を得た。MS(ES+)CIN 理論値:269、測定値:270[M+H]
【0466】
1−(3−(8−シアノイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)−5−イソプロポキシフェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)尿素の合成
【0467】
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
【0468】
3−ヨードイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボニトリル(100mg、373μmol)、1−(3−イソプロポキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)尿素(90mg、224μmol)、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加物(30.5mg、37.3μmol)のジオキサン(3mL)中の混合物に、2MのNa2CO3(0.559ml、1119μmol)を添加した。バイアルを5分間脱気し、それから、キャップして、110℃で30分間、マイクロ波中で加熱した。環境温度まで冷却後、反応物をEtOAcと塩水間で分配し、分離して、有機物を塩水で2回洗浄した。合わせた有機物を乾燥し、直接シリカゲル上に、フラッシュクロマトグラフィー(0〜100%Hex/EtOAc;12gカラム)により精製した。褐色固体の表題化合物(30mg、71.9μmol、32.1%収率)を回収した。MS(ES+)C2018 理論値:417、測定値:418[M+H]
【0469】
1−(3−(8−(アミノメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)−5−イソプロポキシフェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)尿素の合成
【0470】
【化159】
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【0471】
1−(3−(8−シアノイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)−5−イソプロポキシフェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)尿素(0.030g、0.072mmol)を、7Nアンモニアのメタノール溶液(20mL、140mmol)中に仕込み、Pd−C(10mg、0.094mmol)を添加した。反応物を、H風船下1時間撹拌した。それから、混合物を、セライトを通して濾過して、溶媒を除去した。残渣を高真空下一夜乾燥して、黄色固体の表題化合物(0.026g、0.062mmol、86%収率)を得た。MS(ES+)C2022 理論値:421、測定値:422[M+H]
【0472】
N−((3−(3−イソプロポキシ−5−(3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ウレイド)フェニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル)メチル)プロピオルアミドの合成
【0473】
【化160】
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【0474】
1−(3−(8−(アミノエチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)−5−イソプロポキシフェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)尿素(26mg、0.062mmol)のDCM(3ml)中溶液に、DIEA(0.075ml、0.432mmol)およびHATU(35.2mg、0.093mmol)および、最後に、プロピオル酸(4.95μl、0.080mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。反応物を直接シリカゲル上に負荷し、フラッシュクロマトグラフィー(0〜10%CH2Cl2/MeOH)により精製して、オフホワイト固体の表題化合物(19mg、0.040mmol、65.0%収率)を得た。MS(ES+)C2322 理論値:473、測定値:474[M+H]H−NMR(400MHz、DMSO−d)δ 9.34 (s, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.47 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.17 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 7.10 (s, 1H), 6.98 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 4.69 − 4.58 (m, 2H), 3.93 (dd, J = 9.7, 6.4 Hz, 2H), 2.72 − 2.64 (m, 1H), 1.30 − 1.19 (m, 6H)。
(実施例13)
【0475】
化合物21の合成
【0476】
【化161】
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【0477】
7−クロロ−3−ヨードイミダゾ[1,2−a]ピリジンの合成
【0478】
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
【0479】
7−クロロ−3−ヨードイミダゾ[1,2−a]ピリジンを、国際公開第2008078091号に記載の方法で合成した。MS(ES+)CClIN 理論値:278、測定値:279[M+H]
【0480】
3−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)アニリンの合成
【0481】
【化163】
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【0482】
3−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)アニリンを、国際公開第2008078091号に記載の方法で合成した。MS(ES+)C1310ClN 理論値:243、測定値:244[M+H]
【0483】
1−(3−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)フェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)尿素の合成
【0484】
【化164】
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【0485】
3−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)アニリン(0.15mmol)のTHF(1.5mL)中溶液に、カルボノクロリジン酸4−ニトロフェニル(30mg、0.15mmol)およびDIEA(0.036mL、0.225mmol)を添加した。混合物を60℃で6時間加熱した。粗カルバメートに、DIEA(0.036mL、0.225mmol)および2,2,2−トリフルオロエタン−1−アミン(0.014mL、0.18mmol)を添加し、溶液を60℃で一夜加熱した。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈した。分離した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、濃縮した。粗混合物を、フラッシュクロマトグラフィー(0〜6%MeOH/DCM)により精製して、表題化合物(38mg、69%収率)を得た。MS(ES+)C1612ClFO 理論値:368、測定値:369[M+H]
【0486】
1−(3−(7−(2−アミノフェニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)フェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)尿素の合成
【0487】
【化165】
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【0488】
1−(3−(7−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)フェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)尿素(20mg、0.052mmol)、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(15mg、0.066mmol)および炭酸セシウム(51mg、0.156mmol)のTHF/HO混合液(2/1、0.75ml)中の混合物に、Pd(PBu(3mg、0.005mmol)を添加した。そのバイアルを5分間脱気し、それから、キャップして、125℃まで20分間、マイクロ波中で加熱した。環境温度まで冷却後、反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、フラッシュクロマトグラフィー(10%NHOHを含有する0〜10%MeOH/DCMグラジエント)により精製して、表題化合物(20mg、90%収率)を得た。MS(ES+)C2218O 理論値:425、測定値:426[M+H]
【0489】
N−(2−(3−(3−(3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ウレイド)フェニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−イル)フェニル)アクリルアミドの合成
【0490】
【化166】
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【0491】
N−(2−(3−(3−(3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ウレイド)フェニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−イル)フェニル)アクリルアミドを、化合物30と同様な方法で合成した。生成物を、0〜10%MeOH/DCMグラジエントを使用して、分取薄層クロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。MS(ES+)C2520 理論値:479、測定値:480[M+H]
(実施例14)
【0492】
化合物38の合成
N−(2−(3−(3−イソプロポキシ−5−(3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ウレイド)フェニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−イル)フェニル)アクリルアミドの合成
【0493】
【化167】
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【0494】
N−(2−(3−(3−イソプロポキシ−5−(3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ウレイド)フェニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−イル)フェニル)アクリルアミドを、化合物30と同様な方法で合成した。生成物を、5〜70%アセトニトリル/水+0.1%ギ酸グラジエントを使用して、HPLCにより精製して、ギ酸塩として表題化合物を得た。MS(ES+)C2826 理論値:537、測定値:538[M+H]
(実施例15)
【0495】
化合物11の合成
【0496】
【化168】
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【0497】
(1−(2−クロロピリミジン−4−イル)ピペリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチルの合成
【0498】
【化169】
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【0499】
(1−(2−クロロピリミジン−4−イル)ピペリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチルを、2,4−ジクロロピリミジンおよびピペリジン−3−イルカルバミン酸tert−ブチルを使用して、化合物54と同様な方法で合成した。MS(ES+)C1421ClN 理論値:312、測定値:313[M+H]
【0500】
(1−(2−((2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチルの合成
【0501】
【化170】
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【0502】
(1−(2−((2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチルを、2−ニトロアニリンを使用して、化合物54と同様な方法で合成した。MS(ES+)C2026 理論値:414、測定値:415[M+H]
【0503】
N−(1−(2−((2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−3−イル)プロパン−1−スルホンアミドの合成
【0504】
【化171】
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【0505】
(1−(2−((2−ニトロフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチル(0.14g、0.34mmol)のDCM(2.0mL)中溶液に、TFA(1.0mL)を添加し、混合物を1時間撹拌した。反応混合物の一定量を、LCMSにより分析し、その結果は、反応が完了したことを示した。溶媒を除去して、残渣を高真空で乾燥した。粗生成物をさらに精製しないで、次工程で使用した。
4−(3−アミノピペリジン−1−イル)−N−(2−ニトロフェニル)ピリミジン−2−アミン(0.34mmol)のDCM(3.5mL)中溶液に、塩化プロパン−1−スルホニル(0.045mL、0.4mmol)およびトリエチルアミン(0.12mL、0.85mmol)を、0℃で添加し、混合物を、一夜で室温まで温めた。粗反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0〜7.5%MeOH/DCM)により精製して、表題化合物(36mg、24%収率)を得た。MS(ES+)C1824S 理論値:420、測定値:421[M+H]
【0506】
N−(1−(2−((2−アミノフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−3−イル)プロパン−1−スルホンアミドの合成
【0507】
【化172】
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【0508】
N−(1−(2−((2−アミノフェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−3−イル)プロパン−1−スルホンアミドを化合物30と同様な方法で合成した。反応物を、セライトを通して濾過して、粗生成物を得た。MS(ES+)C1826S 理論値:390、測定値:391[M+H]
【0509】
N−(2−((4−(3−(プロピルスルホンアミド)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)フェニル)アクリルアミドの合成
【0510】
【化173】
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【0511】
N−(2−((4−(3−(プロピルスルホンアミド)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)フェニル)アクリルアミドを、化合物30と同様な方法で合成した。生成物を、0〜6%MeOH/DCMグラジエントを使用して分取薄層クロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。MS(ES+)C2128S 理論値:444、測定値:445[M+H]
(実施例16)
【0512】
化合物52の合成
【0513】
【化174】
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【0514】
出発物質1−(tert−ブチル)−3−(2−((4−ジエチルアミノ)ブチル)アミノ)−6−(3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル)尿素(PD173074)を、例えば、SelleckChem.comから購入できる。乾燥した容器中で、塩化アクリロイル(2当量)およびジイソプロピルエチルアミン(4.3当量)を、1−(tert−ブチル)−3−(2−((4−ジエチルアミノ)ブチル)アミノ)−6−(3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル)尿素(1当量)の無水ジクロロメタン中溶液に、0℃で添加した。室温で2時間撹拌後、反応混合物を濃縮し、DMSOで希釈して、逆相HPLC(5〜95%水/アセトニトリル)により精製した。画分を濃縮後、生成物N−(7−(3−(tert−ブチル)ウレイド)−6−(3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)−N−(4−ジエチルアミノ)ブチル)アクリルアミドを、淡黄色泡状物として得た。LCMS(M+1)=578.2。
(実施例17)
【0515】
化合物55の合成
【0516】
【化175】
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【0517】
乾燥した容器中で、塩化スルフリル(2当量)を、1−(tert−ブチル)−3−(2−((4−ジエチルアミノ)ブチル)アミノ)−6−(3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル)尿素(1当量)の無水アセトニトリル中溶液に、0℃で添加した。2時間撹拌後、反応混合物を、ジクロロメタンで希釈して、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。粗生成物、1−(tert−ブチル)−3−(6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−2−((4−ジエチルアミノ)ブチル)アミノ)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル)尿素を、さらに精製しないで、次工程で使用した。
【0518】
乾燥した容器中で、塩化アクリロイル(2当量)およびジイソプロピルエチルアミン(4.3当量)を、上記で得た生成物(1当量)の無水ジクロロメタン中溶液に、0℃で添加した。室温で2時間撹拌後、反応混合物を濃縮し、DMSOで希釈して、逆相HPLC(5〜95%水/アセトニトリル)により精製した。高真空で乾燥後、生成物N−(7−(3−(tert−ブチル)ウレイド)−6−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)−N−(4−(ジエチルアミノ)ブチル)アクリルアミドを、黄色泡状物として得た。LCMS(M+1)=646.3。
【0519】
上記のものと同様な方法を、本明細書に開示の他の化合物を合成するために使用できる。
【0520】
化合物1〜55のH NMRおよびLCMSデータを、以下にまとめている。
【0521】
【表1-1】
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【表1-2】
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【表1-3】
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【表1-4】
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【表1-5】
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【表1-6】
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【表1-7】
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【表1-8】
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【表1-9】
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【0522】
化合物選択性
選択性スコアは、化合物間の定量的比較ならびに相互作用パターンの詳細な差別化および解析を可能にする不偏測度である。選択性のひとつの測度は、キナーゼアッセイパネルから対照値の%を使用して算出される。主要選別スコア(単一濃度で実施された)は、DMSO対照%(POC)として報告され、次の方法で算出される:
テスト化合物シグナル−陽性対照シグナル x100
陰性対照シグナル−陽性対照シグナル
式中、陰性対照は、DMSO(100%対照)などの溶媒であり、陽性対照は、高親和性で結合することが知られている対照化合物(0%対照)である。
【0523】
選別される各化合物の選択性スコア(S)は、例えば、1μM、3μM、5μM、または10μMのある特定の濃度で選別されるとき、例えば、10、20、または35の選択された値より小さなPOCを有するキナーゼ数を、(突然変異体を除いて)テストした互いに異なるキナーゼ全数により割ることにより算出され得る。例えば、選択性スコア(S)は、3μMで選別されるとき、10より小さなPOCを有するキナーゼ数を、(突然変異体を除いて)テストした互いに異なるキナーゼ全数により割ることにより算出され得る;かかるスコアは、[S(10)@3μM]として示されることになる。化合物9;化合物9;化合物11;化合物15;化合物16;化合物20;化合物21;化合物23;化合物24;化合物25;化合物26;化合物27;化合物30;化合物32;化合物35;化合物60;化合物38;化合物39;化合物41;化合物45;化合物48;化合物50;化合物52;化合物54;化合物55の選択性を決定した;全ては、0.030以下の選択性スコア[S(10)@3μM]を有した。
【0524】
化合物9;化合物11;化合物15;化合物16;化合物20;化合物21;化合物23;化合物24;化合物25;化合物26;化合物32;化合物35;化合物60;化合物38;化合物39;化合物45;化合物48;化合物50;化合物52全ては、0.010以下の選択性スコア[S(10)@3μM]を有した。
【0525】
生化学的活性アセスメント
興味のある関連するキナーゼに対する化学化合物活性を評価するために、キャリパーライフサイエンス電気泳動移動度シフト技術プラットフォームを利用した。反射比率のペプチドをリン酸化するように、蛍光標識化基質ペプチドを、化合物投与量の存在で、キナーゼおよびATPの指定濃度でインキュベートする。反応終了時点で、リン酸化(生成物)ペプチドおよび非リン酸化(基質)ペプチドの混合物を、付加電位差下、キャリパーLabChip(登録商標)EZ Reader IIのマイクロ流体システムに通過させる。生成ペプチド上のリン酸基の存在は、生成ペプチドと基質ペプチド間の質量および電荷の差を与え、その結果、試料中の基質および生成物プールを分離する。該プールが装置内のLEDSを通過するとき、これらのプールは、検出されて、個別のピークとして分解される。従って、これらのピーク間の比率は、これらの条件下、そのウェル中のその濃度での化学物質の活性を反映する。
【0526】
KmにおけるFGFR1野生型アッセイ:384ウェルプレートの各ウェル中、0.1ng/μlの野生型FGFR1(カルナバイオサイエンス社)を、一連の投与濃度の化合物(1%DMSO最終濃度)の存在下または非存在下で、25℃、90分間、1μMのCSKtide(5−FAM−KKKKEEIYFFFG−NH)および400μMのATPと一緒に、総量12.5μlの緩衝液(100mM HEPES pH7.5、0.015%ブリッジ35、10mM MgCl、1mM DTT)中で、インキュベートした。反応を、70μlの反応停止緩衝液(100mM HEPES pH7.5、0.015%ブリッジ35、35mMのEDTAおよび0.2%コーティング試薬3(キャリパーライフサイエンス社))の添加により停止した。それから、プレートを、キャリパーEZReader2(プロトコル設定:−1.9psi、上流電圧−700、下流電圧−3000、サンプル後シップ35秒)で、読み取った。
【0527】
KmにおけるFGFR4野生型アッセイ:384ウェルプレートの各ウェル中、0.5ng/μlの野生型FGFR4(カルナバイオサイエンス社)を、一連の投与濃度の化合物(1%DMSO最終濃度)の存在下または非存在下で、25℃、90分間、1μMのCSKtide(5−FAM−KKKKEEIYFFFG−NH)および400μMのATPと一緒に、総量12.5μlの緩衝液(100mM HEPES pH7.5、0.015%ブリッジ35、10mM MgCl、1mM DTT)中で、インキュベートした。反応を、70μlの反応停止緩衝液(100mM HEPES pH7.5、0.015%ブリッジ35、35mMのEDTAおよび0.2%コーティング試薬3(キャリパーライフサイエンス社))の添加により停止した。それから、プレートを、キャリパーLabChip(登録商標)EZReaderII(プロトコル設定:−1.9psi、上流電圧−700、下流電圧−3000、サンプル後シップ35秒)で、読み取った。
【0528】
【表2-1】
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【表2-2】
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【表2-3】
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【表2-4】
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【表2-5】
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【表2-6】
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【表2-7】
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【表2-8】
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【表2-9】
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【表2-10】
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【表2-11】
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【表2-12】
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【表2-13】
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【表2-14】
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【表2-15】
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【表2-16】
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【0529】
上記表中、FGFR1およびFGFR4では:「A」は、IC50が、10nMより小さいことを意味し;「B」は、IC50が、10nM以上で100nMより小さいことを意味し;「C」は、IC50が、100nM以上で1000nMより小さいことを意味し;「D」は、IC50が、1000nMより大きいことを意味する。
【0530】
比率では:「F」は、[FGFR1のIC50]/[FGFR4のIC50]の比率が、10より小さいことを意味し;「E」は、該比率が、≧10且つ<50であることを意味し;「D」は、該比率が、≧50且つ<100であることを意味し;「C」は、該比率が、≧100且つ<200であることを意味し;「B」は、該比率が、≧200且つ<500であることを意味し;「A」は、該比率が、>500であることを意味する。該比率が高いほど、該化合物は、FGFR4に対してFGFR1と比べて、より選択性がある。
【0531】
細胞能力
活性化FGFR4変異体を内部に持つMDA−MB−453細胞の用量反応を、以下のように測定した。手短に言えば、MDA−MB−453細胞を、2.5x10細胞/6ウェルで播種し、一夜飢餓状態にした。化合物を、濃度を変えて(3000、1000、300、100、および30nM)、1時間で添加した。試料を集めて、イムノブロット解析のために溶解した。細胞外シグナル制御キナーゼ(Erk)のリン酸化を測定して、3つの複製物の平均pErk値を、IC50値を決定するために使用されるプリズムグラフパッドソフトウェアを用いて、3パラメーター用量反応(阻害)曲線当てはめでプロットした。データを下表に示す。
【0532】
【表3】
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【0533】
表中、「A」は、IC50が、<1nMであることを意味し;「B」は、IC50が、≧1nM且つ<10nMであることを意味し;「C」は、IC50が、≧10nM且つ<100nMであることを意味し;「D」は、IC50が、≧100nMであることを意味する。
【0534】
これらのデータは、これらの化合物によるFGFR4の阻害が、結果として、下流の発癌性シグナル伝達を妨害することを示している。
【0535】
FGFR4阻害剤でのアポトーシス誘導
Hep3B細胞を、200μlのDMEM/5%FBS中96ウェル白色プレート中、20,000/ウェルで、一夜播種した。翌日、化合物を、0.1%の最終DMSO濃度で添加して、6時間、インキュベートした。カスパーゼ活性を、製造者指示書に従って測定した(カスパーゼGlo3/7アッセイ(プロメガ社))。手短に言えば、100μlのカスパーゼGlo3/7試薬を、各ウェルに添加して、暗所で1時間、インキュベートした。発光を、EnVisionを用いて、測定した。2つの複製物の平均カスパーゼ活性を、IC50値を決定するために使用されるプリズムグラフパッドソフトウェアを用いて、3パラメーター用量反応(阻害)曲線当てはめでプロットした。図3に示すように、Hep3B細胞では、化合物25を用いた6時間の処置が、アポトーシの強力な誘導をもたらしている。BGJ398、汎FGFR阻害剤も、高濃度ではあるが、アポトーシス誘導をもたらす。
【0536】
共有結合能
化合物52が、FGFR4と共有結合で結合する証拠は、図1に示す質量スペクトルデータにより示される。60μlの緩衝液中、300μMの化合物1を、50μg(75μM)のGSTタグされた組み換え野生型FGFR4(カルナバイオサイエンス社)と一緒に、室温で3時間、引き続いて、4℃で13時間、インキュベートした。それから、タンパク質・阻害剤複合体を、Pierce界面活性剤除去用カラム(Thermo Pierce)を用いて脱塩した。無修飾タンパク質およびタンパク質・阻害剤複合体を、それらのそれぞれの分子量を決定するために、エレクトロンスプレー質量分析法により分析した。図1aは、無修飾タンパク質の質量を示す。図のように、主要な関連ピークは、65468.371ダルトンの質量を有する。図1bは、タンパク質・阻害剤複合体の質量を示す。図のように、主要な関連ピークは、66043.5123ダルトンの質量を有する。これらの質量差は、575.1252であり、これは、化合物1の質量、577.34ダルトンの装置精度内である。
【0537】
FGFR4および化合物、化合物11、化合物20、および化合物54のタンパク質・阻害剤複合体の質量を、図2に示す。CR9は、FGFR4タンパク質のピークである。ピークCR3により示されるように、該複合体は、化合物(化合物11)のMWが444.6(装置精度内)であるとき、+441Daシフトを示した。別の実施例では、該複合体は、化合物(化合物20)のMWが473.4であるとき、+470Daシフトを示した(ピークCR2)。さらに別の実施例では、該複合体は、化合物(化合物54)のMWが622.7であるとき、+631Daシフトを示した(ピークCR1)。
【0538】
これは、多種多様な骨格からの化合物が全て、FGFR4との共有結合性複合体を形成可能であることを示している。
【0539】
Cys552との結合
FGFR−4に結合した化合物52の結晶構造を、図4に示す。図のように、化合物52は、FGFR−4の残基552のシステインに結合している。
【0540】
FGFR−4に結合した化合物25の結晶構造を、図5に示す。図のように、化合物25も、FGFR−4の残基552のシステインに結合している。
【0541】
生体内有効性データ
種々の投与量のHep3B肝癌細胞皮下異種移植モデル中の腫瘍増殖阻害に対する、化合物25、BGJ398(汎FGFR阻害剤)およびソラフェニブの効果を試験した。
【0542】
6匹の6〜8週齢の雌ヌードマウス(ハツカネズミ)を使用した。腫瘍細胞培養および接種:Hep3B細胞を、10%FBS(Gibco、オーストラリア)を補給したEMEM培地(インビトロジェン、米国)で培養した。該細胞を、90%コンフルエンスで回収し、生存率は、90%以上であった。マウスに、研究開始時に、右脇腹の50%マトリゲル中の200μLの10x10Hep3B細胞を皮下に(s.c.)移植した。
【0543】
動物群化および投与スケジュール:腫瘍が199mmの平均体積に達した細胞移植後10日で、45匹のマウスを、腫瘍体積に基づいて選別し、無作為に、5処置群(n=9)に割り当てた。無作為化の日をDとして表示し、処置をその時から始めた。
【0544】
腫瘍体積および体重の測定:腫瘍サイズを、ノギスを用いて二次元で週2回測定し、該体積を、式:V=0.5axb(式中、aおよびbは、それぞれ、腫瘍の長辺および短辺である)を用いて、mmで表した。体重を、少なくとも週2回測定した。
【0545】
生体内部分の最後:血液、腫瘍および肝臓を、最終投与後、4、12および24時間で、各処置群中3匹のマウスから収集した。該肝臓左葉を、薬力学(PD)試験用に収集し、該肝臓残部を、組織学用にホルマリン中に保管した。小さな腫瘍を、薬物動態試験用に優先した。残腫瘍のいずれも、最初に組織学解析用に設定し、それから、PD試験用にスナップ凍結した。
【0546】
Hep3B移植ヌードマウスの腫瘍体積:図5は、ヌードマウスのHep3B異種移植腫瘍に対する、化合物25処置群(100mg/kg、経口投与、1日2回)、化合物25処置群(300mg/kg、経口投与、1日2回)、BGJ398処置群(20mg/kg、経口投与、1日1回)、およびソラフェニブ処置群(30mg/kg、経口投与、1日1回)の増殖阻害を示す線グラフである。腫瘍体積の統計的に有意な減少が、媒体群と比較したとき、化合物25(100mg/kg、経口投与、1日2回)、化合物25(300mg/kg、経口投与、1日2回)およびソラフェニブ(30mg/kg、経口投与、1日1回)有効性群で観察され、全て、最初の化合物投与後4日目から始めて、最終(19日目)まで持続した。しかしながら、BGJ398処置群(20mg/kg、経口投与、1日1回)と媒体群間の腫瘍体積の有意差は、全試験に渡って観察されなかった。化合物25の投与量を、100mg/kgから300mg/kgに増加させることにより、腫瘍阻害の有効性は増強した。化合物25処置群(100mg/kg、経口投与、1日2回)と化合物25処置群(300mg/kg、経口投与、1日2回)の両方の腫瘍は、退行し、化合物25処置群(300mg/kg、経口投与、1日2回)の腫瘍は、ほとんどなくなった。この試験で、化合物25処置群(100mg/kg、経口投与、1日2回)および化合物25処置群(300mg/kg、経口投与、1日2回)は、腫瘍増殖阻害における優位性を示した。
【0547】
Hep3B移植ヌードマウスの体重変化(%):図7は、全試験期間中の体重変化(%)を示す線グラフである。化合物25処置群のマウスを除いて全マウスは、体重の有意な減少を示した。媒体群のマウスの体重は、腫瘍負担の10日目で、約10%減少した。この結果は、化合物25が、ヌードマウスにおいて、現行投与量および投与スケジュールに、十分な許容性があること、および化合物25が、腫瘍増殖の阻害により、体重減少を軽減し得ることを示した。
【0548】
化合物25(100mg/kg、経口投与、1日2回)、化合物25(300mg/kg、経口投与、1日2回)およびソラフェニブ(30mg/kg、経口投与、1日1回)で処置したマウスは、全試験中、媒体群と比較したとき、腫瘍体積の有意な減少を示した。化合物25の投与量を、100mg/kgから300mg/kgに増加させることにより、腫瘍阻害の有効性は増強した。化合物25処置群(100mg/kg、経口投与、1日2回)と化合物25処置群(300mg/kg、経口投与、1日2回)の両方の腫瘍は、退行し、化合物25処置群(300mg/kg、経口投与、1日2回)の腫瘍は、ほとんどなくなった。化合物25処置群のマウスを除いて全マウスは、体重の有意な量を減らした。媒体群のマウスの体重は、腫瘍負担の10日目で、約10%減少した。これらの結果は、化合物25が、ヌードマウスにおいて、現行投与量および投与スケジュールに、十分な許容性があること、および化合物25が、腫瘍増殖の阻害により、体重減少を軽減し得ることを示した。
【0549】
参照による引用
本明細書で言及した全ての刊行物および特許は、各個々の刊行物または特許が、あたかも、具体的におよび個々に、参照により組み入れられることを示すかのように、その全体を参照することにより、本明細書に組み入れられる。
【0550】
均等論
当業者は、日常実験以上のものを使用することなく、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態の多くの均等物を認識または確認できるだろう。かかる均等物は、次の特許請求の範囲により包含されるものとする。
図1
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図2
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図3
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図4
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図5
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図6
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図7
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図8
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