(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
透明な熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる一体成形物である上部ボデー並びに熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる一体成形物である下部ボデー及びフロアの樹脂製部品を締結することにより形成されるモノコック構造の車体であって、
前記下部ボデーは、底面及び該底面の全周から上方に立ち上がるように設けられたフランジ部を有しており、
前記下部ボデーの底面の中央には、車両前方部から車両後方部にわたって連続する凸条部が設けられており、
前記下部ボデーの車両中央部には、バッテリー等の自動車部品が搭載可能な、前記フランジ部、前記凸条部及び前記底面で囲まれた少なくとも2つの空間が形成されており、
この空間に搭載されるバッテリー等の自動車部品を、前記下部ボデーと前記フロアとの締結により固定することができ、
前記下部ボデーに前記上部ボデー及び前記フロアを載置し、前記上部ボデー及び前記フロアを前記下部ボデーの前記フランジ部及び前記凸条部と締結することにより形成される車体。
前記上部ボデーを構成する前記透明な熱可塑性樹脂組成物がポリカーボネート樹脂組成物、アクリル樹脂組成物、環状ポリオレフィン樹脂組成物、又はポリフェニレンエーテル樹脂組成物であり、前記下部ボデー及び前記フロアを構成する前記熱可塑性樹脂組成物がポリカーボネート樹脂組成物、ポリエステル樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物、又はポリフェニレンエーテル樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車体。
前記下部ボデーの底面に複数個の独立した凸部を設け、前記下部ボデーと、前記上部ボデー及び前記フロアとの締結を、前記下部ボデーの前記フランジ部及び前記凸条部に加えて、該凸部においても行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車体。
前記乗降口下部に位置する前記フランジ部の一部を外部に延長して、該延長部の断面形状を下方に導いた後に上方に導く略U字形状とし、該延長部の先端を前記枠部材に結合することを特徴とする請求項8又は9に記載の車体。
前記上部ボデーの少なくとも上面に、車体の前後方向の中心線に対して左右対称で、該中心線に略平行する2本の稜線部を設けることを特徴とする請求項11に記載の車体。
【背景技術】
【0002】
近年、超小型電気自動車などのいわゆる超小型モビリティの開発、普及が図られている。
これは、省エネ・CO
2削減が求められるとともに、高齢化、過疎化、地方の公共交通機関の廃止などが進行している状況において、小さな動力で駆動でき、年配者にも運転しやすく、低価格で提供できる超小型モビリティが新たな交通手段として期待されているためである。例えば、このような超小型モビリティとして、1人乗り超小型電気自動車である「コムス」がトヨタ車体株式会社から販売されている。
【0003】
本発明は、特に、超小型電気自動車などの超小型モビリティに適した、軽量で、運転時の視界が良好で、製造が簡単であるとともに、車体として必要とされる剛性を確保した車体を提供するものである。
【0004】
車体を軽量化するために合成樹脂を使用することは、特許文献1〜3に示されるように、従来より行われている。
特許文献1には、1〜2人乗用の小型車両の車体において、下部車体半部を、鋼板等の金属板のプレス成形あるいはFRP等の繊維強化合成樹脂材により一体に成形することが開示されている。
【0005】
特許文献2には、芝生および庭のトラクターのような小さい乗り物用の、薄壁高い表面光沢を与えるプラスチック製の上部部材と繊維補強プラスチック製の下部部材を接合して成る車両組立体において、該組立体の硬さまたは剛性を改良するために、少なくとも3個の多面密閉仕切り室を上部部材、下部部材によって形成することが開示されている。
【0006】
特許文献3には、アンダボデー、サイドメンバ、アツパボデー・インナ、アツパボデー・アウタ、フ―ド、前バンパ、後バンパ、ルーフ等の多数の主要部品の全てを合成樹脂で作成した車体において、アンダボデーの外周全体を囲むように下方へ開く断面略箱型の補強部を形成し、アンダボデーの中央部に、前後方向に通る隆起物部を形成することにより、車体の剛性を高く保つことが開示されている。
【0007】
合成樹脂は、鉄板に比べて剛性が低いため、合成樹脂を車体の下部ボデーなどの構造部材に使用する場合は、車体の剛性が低下しやすく、走行中の車体の変形により操縦特性が変化し、操縦安定性が悪化するという問題が生じる。
【0008】
このため、特許文献1〜2では、下部ボデー(下部車体半部、下部部材)がFRP等の繊維強化プラスチックで形成されており、下部ボデーを成形するために手間を要することとなる。また、特許文献3では、下部ボデー(アンダボデー)を、サイドメンバ、アツパボデー・インナ、アツパボデー・アウタ等の多数の主要部品と同様の合成樹脂で作成するとされているが、車体を構成する部品の数が多く部品の成形、組立てに手間を要し、また、バッテリーが搭載可能な空間の確保及びこの空間に搭載されるバッテリーの固定手段については何ら開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の主要な課題は、軽量で、運転時の視界が全面的に確保でき、簡単に製造できるとともに、車体として必要とされる剛性を確保した車体構造を提供することにある。
さらに、本発明の車体は、特に、1〜2人乗用の超小型電気自動車の車体に適するものであるので、バッテリー等の自動車部品の搭載、固定、保守点検等が容易に行える車体構造を提供することも本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、発明者らは鋭意検討の結果、本発明に到達した。本発明の要旨を以下に示す。
(1)透明な熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる一体成形物である上部ボデー並びに熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる一体成形物である下部ボデー及びフロアの樹脂製部品を締結することにより形成されるモノコック構造の車体であって、
前記下部ボデーは、底面及び該底面の全周から上方に立ち上がるように設けられたフランジ部を有しており、
前記下部ボデーの底面の中央には、車両前方部から車両後方部にわたって連続する凸条部が設けられており、
前記下部ボデーの車両中央部には、バッテリー等の自動車部品が搭載可能な、前記フランジ部、前記凸条部及び前記底面で囲まれた少なくとも2つの空間が形成されており、
この空間に搭載されるバッテリー等の自動車部品を、前記下部ボデーと前記フロアとの締結により固定することができ、
前記下部ボデーに前記上部ボデー及び前記フロアを載置し、前記上部ボデー及び前記フロアを前記下部ボデーの前記フランジ部及び前記凸条部と締結することにより形成される車体。
(2)前記凸条部の裏面に溝が設けられるとともに、該溝を横断する複数のリブが設けられることを特徴とする(1)に記載の車体。
(3)前記上部ボデーが、前アッパーボデー、後アッパーボデー及びルーフの樹脂製部品に分割されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の車体。
(4)前記上部ボデーを構成する前記透明な熱可塑性樹脂組成物がポリカーボネート樹脂組成物、アクリル樹脂組成物、環状ポリオレフィン樹脂組成物、又はポリフェニレンエーテル樹脂組成物であり、前記下部ボデー及び前記フロアを構成する前記熱可塑性樹脂組成物がポリカーボネート樹脂組成物、ポリエステル樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物、又はポリフェニレンエーテル樹脂組成物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の車体。
(5)前記樹脂製部品が、前記熱可塑性樹脂組成物から得られる樹脂板を熱プレス成形することにより成形されることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の車体。
(6)前記樹脂製部品が、前記熱可塑性樹脂組成物を射出成形することにより成形されることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の車体。
(7)前記下部ボデーの底面に複数個の独立した凸部を設け、前記下部ボデーと、前記上部ボデー及び前記フロアとの締結を、前記下部ボデーの前記フランジ部及び前記凸条部に加えて、該凸部においても行うことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の車体。
(8)前記上部ボデーに乗降口を形成する開口部を設け、形成された乗降口の全周に枠部材を設けることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の車体。
(9)前記枠部材にシートベルト、転落防止用部材
又は雨よけドアを取り付けることを特徴とする(8)に記載の車体。
(10)前記乗降口下部に位置する前記フランジ部の一部を外部に延長して、該延長部の断面形状を下方に導いた後に上方に導く略U字形状とし、該延長部の先端を前記枠部材に結合することを特徴とする(8)又は(9)に記載の車体。
(11)前記モノコック構造の車体の形状が卵形状であることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の車体。
(12)前記上部ボデーの少なくとも上面に、車体の前後方向の中心線に対して左右対称で、該中心線に略平行する2本の稜線部を設けることを特徴とする(11)に記載の車体。
(13)前記稜線部の曲率は、前記上部ボデーのいずれの部分の曲率より小さく、かつ曲率半径が5mm以上であることを特徴とする請求項(12)に記載の車体。
(14)前記車体が、超小型電気自動車の車体であることを特徴とする請求項(1)〜(13)のいずれかに記載の車体。
【発明の効果】
【0012】
本発明の車体は樹脂製部品から形成されるので、金属あるいはFRP等の繊維強化合成樹脂材を用いたものに比べ、軽量とすることができる。特に、小さな動力で駆動される超小型電気自動車などの超小型モビリティの車体として好適である。
【0013】
さらに、本発明の車体の上部ボデーは透明な熱可塑性樹脂組成物を用いて成形されるので、運転時の視界が全面的に確保できる。特に、前アッパーボデー、後アッパーボデーなどの上部ボデーが透明であり、ごく近くの下方に存在する物、例えば幼児や小型動物などの視認性が向上し、タイヤの位置や切れ角が確認でき脱輪や乗り上げなどが防止でき、後方の視認性も向上して安全性が向上するため、年配者でも安全に運転することができる。
【0014】
さらに、本発明の車体は、上部ボデー(上部ボデーを、前アッパーボデー、後アッパーボデー、ルーフなどの複数の部品に分割することもできる。)、フロア、下部ボデーを熱可塑性組成物でそれぞれ一体成形した後、締結して形成するので、簡単に製造することができ、ひいては、この車体を用いた車を低価格で提供できることとなる。特に、超小型電気自動車などの超小型モビリティの普及を図るためには、これを低価格で提供する必要があるため、車体の製造を簡単に行えることは大きなメリットである。
【0015】
さらに、本発明の車体は、前記下部ボデーに設けたフランジ部及び凸条部によって剛性を高めるとともに、このフランジ部及び凸条部で、上部ボデー(上部ボデーが、前アッパーボデー、後アッパーボデー及びルーフに分割されている場合には、前アッパーボデー及び後アッパーボデー)及びフロアを、下部ボデーに締結するので、車体、特に、超小型電気自動車などの超小型モビリティに必要とされる剛性を確保することができる。
【0016】
さらに、本発明の車体は、下部ボデーの車両中央部に、バッテリー等の自動車部品が搭載可能な、前記フランジ部、前記凸条部及び前記底面で囲まれた少なくとも2つの空間が形成されており、この空間に搭載されるバッテリー等の自動車部品を、下部ボデーとフロアとの締結によりを固定するものであるので、バッテリー等の自動車部品の搭載、固定、保守点検等を容易に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、透明な熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる一体成形物である上部ボデー並びに熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる一体成形物である下部ボデー及びフロアの樹脂製部品を締結することにより形成されるモノコック構造の車体であって、
前記下部ボデーは、底面及び該底面の全周から上方に立ち上がるように設けられたフランジ部を有しており、
前記下部ボデーの底面の中央には、車両前方部から車両後方部にわたって連続する凸条部が設けられており、
前記下部ボデーの車両中央部には、バッテリー等の自動車部品が搭載可能な、前記フランジ部、前記凸条部及び前記底面で囲まれた少なくとも2つの空間が形成されており、
この空間に搭載されるバッテリー等の自動車部品を、前記下部ボデーと前記フロアとの締結により固定することができ、
前記下部ボデーに前記上部ボデー及び前記フロアを載置し、前記上部ボデー及び前記フロアを前記下部ボデーの前記フランジ部及び前記凸条部と締結することにより形成される車体に関するものである。
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について、図面にて具体例も示した上、順次説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
図1〜4は本発明の車体が取り付けられた超小型自動車を示す。
図1は側面図、
図2は
図1のA−A断面(前方の車軸中心での断面)、
図3は
図1のB−B断面(後方の車軸中心での断面)、
図4は
図1のX−X断面図(車体中央部での断面図)である。なお、
図1〜4は、下部ボデー1、上部ボデー2、フロア3を中心に車体構造を示すものであり、車軸、サスペンションサブフレームなどの図示は省略している。
図1における破線の四角部は、下部ボデーの車両中央部に搭載されたバッテリー等の自動車部品11の断面を示している。
図5は本発明の車体の実施例を示すものである。
【0020】
本発明のモノコック構造の車体は、基本的には、熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる一体成形物である下部ボデー1と、透明な熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる一体成形物である上部ボデー2(前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2、ルーフ2−3)及び熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる一体成形物であるフロア3とを、ボルトなどを用いて締結することにより形成される。上部ボデー2は、部品の成形のしやすさ、部品の締結のしやすさ等を考慮して、一体成形物として成形しても良いし、前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2、ルーフ2−3などの複数の部品をそれぞれ一体成形物として成形した後に締結して形成しても良い。
【0021】
ここでいう「透明な熱可塑性樹脂組成物」とは、上部ボデー2(前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2、ルーフ2−3)を、運転時の視界が良好なものとするために用いられるものであって、JIS K7105で測定された2mm厚みのヘーズが0.3〜20%、好ましくは0.1〜1%であることを満足する熱可塑性樹脂組成物が用いられる。
【0022】
これら樹脂製部品は、熱可塑性樹脂組成物を成形して一体成形物として得られる。ここでいう「一体成形物」とは、熱可塑性樹脂組成物を成形材料として用いて、熱プレス成形、射出成形等の1回の成形により成形される物品であることを意味し、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維補強材製の織布を積層したり、このような織布に樹脂を含浸・賦形して得られる成形品は含まないものである。
【0023】
上部ボデー2を構成する透明な熱可塑性樹脂組成物としては、ポリカーボネート樹脂組成物、アクリル樹脂組成物、環状ポリオレフィン樹脂組成物、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物などを用いることができるが、この中でもポリカーボネート組成物は透明性に優れるとともに、衝撃吸収性が高く衝突時の安全性が向上し、さらに、耐衝撃性に優れ軽衝突においては破損しにくいので好ましい。
【0024】
透明な熱可塑性樹脂組成物として用いられる、ポリカーボネート樹脂組成物、アクリル樹脂組成物、環状ポリオレフィン樹脂組成物、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物などには、目的の特性が損なわれない範囲で、主成分の樹脂以外の熱可塑性樹脂を配合することができる。さらに、必要に応じて公知の添加剤(紫外線吸収剤、染顔料、熱線吸収能を有する化合物、各種安定剤、酸化防止剤、離型剤、ブルーイング剤、加水分解改良剤、難燃剤、滴下防止剤、帯電防止剤など)、各種充填材などを配合してもよい。
【0025】
上部ボデー2の透明性を確保するためには、透明性を阻害する添加剤、充填材などはできるだけ配合しないことが好ましい。
【0026】
下部ボデー1及びフロア3を構成する熱可塑性樹脂組成物としては、ポリカーボネート樹脂組成物、ポリエステル樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物などを用いることができるが、上部ボデー2、フロア3及び下部ボデー1として同じ樹脂組成物を用いるほうが、樹脂製部品が効率的かつ経済的に成形できるので、この観点からは、ポリカーボネート樹脂組成物を用いることが好ましい。
【0027】
熱可塑性樹脂組成物として用いられる、ポリカーボネート樹脂組成物、ポリエステル樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物などには、目的の特性が損なわれない範囲で、主成分の樹脂以外の熱可塑性樹脂を配合することができる。さらに、必要に応じて公知の添加剤(紫外線吸収剤、染顔料、熱線吸収能を有する化合物、各種安定剤、酸化防止剤、離型剤、ブルーイング剤、加水分解改良剤、難燃剤、滴下防止剤、帯電防止剤など)、各種充填材などを配合してもよい。
【0028】
特に、下部ボデー1の剛性を向上させるためには、熱可塑性樹脂組成物に炭素繊維、ガラス繊維などの短繊維を充填材として配合することが好ましい。
【0029】
上部ボデー2、フロア3、下部ボデー1などの樹脂製部品の成形に用いられるポリカーボネート樹脂組成物のポリカーボネート樹脂としては、靭性に優れることから、ビスフェノールA型ポリカーボネートを用いることが好ましい。
【0030】
ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールA型ポリカーボネート以外にも、他の二価フェノールで重合された、各種のポリカーボネート樹脂を用いることができる。例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が例示される。二価のフェノール以外にも、二価の脂肪族または、脂環式アルコールを重合、または共重合させた、ポリカーボネートまたは共重合ポリカーボネートであってもよい。脂環式アルコールとしては、イソソルビド(植物由来)が好適に利用される。
【0031】
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量としては、10,000〜40,000であることが好ましい。粘度平均分子量が10,000以上であると強度に優れる点で好ましく、また、粘度平均分子量が40,000以下であると成形性に優れる点で好ましい。
上記のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は、塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液から20℃で求めた比粘度(η
SP)を次式に代入して求めたものである。
式:η
SP/c=[η]+0.45×[η]
2c
上記の式において、[η]は極限粘度を表し、[η]=1.23×10
-4M
0.83
であり、また、c=0.7である。
このようなポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を求める手法は、例えば、特開2002−129003号公報の段落[0033]〜[0034]に説明されている。
【0032】
イソソルビドを共重合させたポリカーボネート樹脂は、下記式(1)で表されるカーボネート構成単位を含有するポリカーボネート樹脂であって、特に、イソソルビドを用いる場合には、樹脂製部品の硬度を高くすることができるので好ましい。さらに、ビスフェノールAとイソソルビドを併用する場合には、樹脂製部品の耐衝撃性を保持したまま、硬度を高くすることができるので好ましい。
【0034】
また、このポリカーボネート樹脂組成物として、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリ乳酸を含有する生分解性樹脂組成物を用いると、樹脂製部品の硬度を高くすることができるので好ましい。
【0035】
熱可塑性樹脂組成物から、上部ボデー2、フロア3、下部ボデー1などの樹脂製部品を成形する方法としては、この樹脂組成物から得られる樹脂板を熱プレス成形する方法、この樹脂組成物を射出成形して成形する方法などを用いることができる。樹脂製部品の透明性を重視する場合には前者の熱プレス成形を用いることが好ましく、成形効率を重視する場合には、射出成形を用いることが好ましい。
【0036】
本発明では、ボデーの曲げ剛性とねじり剛性を高め、車体として必要とされる剛性を確保するために、次のような手段を採用している。
1)下部ボデー1に、底面1−1の全周から上方に立ち上がるようにフランジ部1−2を設ける手段
2)下部ボデー1の底面1−1の中央に、車体前方部から車体後方部にわたって連続する凸条部1−3を設ける手段
3)下部ボデー1に、上部ボデー2(上部ボデー2が、前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2及びルーフ2−3に分割されている場合には、前アッパーボデー2−1及び後アッパーボデー2−2)及びフロア3を載置し、これらを下部ボデー1のフランジ部1−2及び凸条部1−3と締結する手段
【0037】
下部ボデー1の上方から見た凸条部1−3の形状としては、
図6に1−3−1で示すように、凸条部1−3の両端部とフランジ部1−2とが離れていても良いし、また、
図7に1−3−2で示すように、凸条部1−3の両端部とフランジ部1−2とが接続されていても良い。
【0038】
凸条部1−3の形状として、
図8(a)及び(c)に1−3−3で示すように、全体としては薄い板状体を立てた形状とし、上部ボデー2(上部ボデー2が、前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2及びルーフ2−3に分割されている場合には、前アッパーボデー2−1及び後アッパーボデー2−2)及びフロア3に、ボルトなどを用いて締結される部分を、
図8(a)及び(b)に1−3−4で示すように、略円錐台形状のボス部としたものを採用することもできる。
【0039】
さらに、
図9に示すように、凸条部1−3の裏面に、車体の前後方向に延びる溝を設けるとともに、この溝を横断する複数のリブ1−3−5を設けることが好ましい。なお、下部ボデー1の板厚を一定の厚さとする場合には、下部ボデー1の底面1−1に凸条部1−3を形成することに伴い、凸条部1−3の裏面には、車体の前後方向に延びる溝が形成されることとなる。
このように溝にリブ1−3−5を設けることにより、軽量化を図りつつ、下部ボデー1の曲げ剛性及びねじり剛性を向上させることができ、これにより、車体全体の曲げ剛性及びねじり剛性を向上させることができる。また、剛性を考慮して、リブ1−3−5の形状、個数、間隔などを適宜設定することができ、また、リブ1−3−5を斜めに設置したり、クロス状に設置することも可能である。
【0040】
上部ボデー2(上部ボデー2が、前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2及びルーフ2−3に分割されている場合には、前アッパーボデー2−1及び後アッパーボデー2−2)及びフロア3を、下部ボデー1のフランジ部1−2及び凸条部1−3において、下部ボデー1と締結することにより、車体を構成する部品を強固に結合できるので、ボデーの曲げ剛性及びねじり剛性を向上させることができ、これにより、車体全体の曲げ剛性及びねじり剛性を向上させることができる。車体を構成する部品を強固に結合するためには、凸条部1−3は下部ボデー1と一体に成形され、その頂面がフランジ部1−2を結ぶ面まで立ち上がっていることが好ましい。
【0041】
下部ボデー1の車両中央部に形成された、フランジ部1−2、凸条部1−3及び底面1−1で囲まれた少なくとも2つの空間に、バッテリー、コントローラ、チャージャー等の自動車部品(以下、「バッテリー等」という)を搭載することにより、バッテリー等は周囲の樹脂隔壁により保護される。また、このバッテリー等の搭載位置は、車両の低位置にあるため、車両を低重心とすることができ、また、車両の前後中間にあるため、旋回モーメントの発生を少なくできる。このため、車両の操縦安定性を向上させることができる。
【0042】
さらに、この空間に搭載されたバッテリー等は、下部ボデー1にフロア3を締結して固定するものであるので、バッテリー等の搭載、固定、保守点検等を容易に行うことができる。
【0043】
図10及び
図11に示すように、下部ボデー1の底面1−1に複数個の独立した凸部1−4を設け、下部ボデー1と、上部ボデー2(前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2)及びフロア3との締結を、下部ボデー1のフランジ部1−2及び凸条部1−3に加えて、凸部1−4においても行うことにより、ボデーの曲げ剛性及びねじり剛性を一層向上させることができ、これにより、車体全体の曲げ剛性及びねじり剛性を一層向上させることができる。
【0044】
凸部1−4の形状としては、
図10に示すように略円錐台形が好ましい。前アッパーボデー2−1とフロア3の締結はそれぞれの部品を重ね合わせると同時に凸部1−4の頂部も同時に締結する。すなわち下部ボデー1の一部である凸部1−4の頂部、前アッパーボデー2−1、フロア3の3つの部品が同時に締結されることとなる。4は締め付けビス、5はナットである。後アッパーボデー2−2とフロア3の締結部分についても同様の構造である。このように、凸部1−4の頂面において、前アッパーボデー2−1または後アッパーボデー2−2と、フロア3とを締結することにより、車体全体の曲げ剛性及びねじり剛性をより一層向上させることができる。車体を構成する部品を強固に締結するためには、凸部1−4は下部ボデー1と一体に成形され、その頂面がフランジ部1−2を結ぶ面まで立ち上がっていることが好ましい。凸部1−4は下部ボデー1、前アッパーボデー2−1または後アッパーボデー2−2及びフロア3の3つの部品を強固に締結するために設けられるものであり、この凸部1−4は、
図10に示すように下部ボデー1と一体に成形されても良いし、また、前アッパーボデー2−1もしくは後アッパーボデー2−2、又はフロア3と一体に成形されても良い。さらに、凸部1−4を、下部ボデー1、前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2、フロア3とは別体の、凸部1−4に相当する高さを有する部品としても良い。
【0045】
また、
図11に示すように、凸部1−4を走行方向に対して横方向に2列に配して、この間にバッテリー等を搭載することにより、バッテリー等を一層安定して固定することができる。
【0046】
図5に示すように、上部ボデー2(前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2)に乗降口を形成する開口部を設け、形成された乗降口の全周に
図5及び
図12に示すような枠部材6を設けることにより、車体の剛性をさらに向上させるとともに、この枠部材6を、
図16〜18に示すように、シートベルト6−7、転落防止用部材6−8、雨よけドア6−9を取り付ける部材などに利用することができる。この枠部材6としては、アルミ製で、円形状のものが好ましく、また、外周面の断面形状を外向き凹状とすることにより、乗降口の雨樋の役割を果たすこともできる。
【0047】
図13に示すように、枠部材6としては、アルミ製の外側枠部材6−1と内側枠部材6−2の2枚を締め付けビス6−3で締結したものが好ましい。
【0048】
図13は、乗降口下部に位置するフランジ部1−2の一部を外部に延長して、該延長部の断面形状を下方に導いた後に上方に導く略U字形状とし、該延長部の先端を枠部材6に結合することを示している。
【0049】
具体的には、下部ボデー1のフランジ部1−2の一般部はポイントPが端末となるが、乗降口下部においては、フランジ部1−2を外部に延長して、
図13に示すように、該延長部の断面形状を下方に導いた後に上方に導く略U字形状部(サイドシル形状部)1−5とし、該サイドシル形状部1−5の先端部1−6を2枚のアルミ製の外側枠部材6−1と内側枠部材6−2間で挟み込み、締め付けビス6−3で締結される。また、サイドシル形状部1−5とフランジ部1−2、下部ボデー1側面で囲まれる部分には、補強のため補強リブ1−7、1−8を設け、下部ボデー1本体と枠部材6との結合を強固なものにしている。
【0050】
このような構造とすることにより、車両を横から見た場合に、下部ボデー1がサイドシル形状部1−5により隠されるので車両の商品性を向上することができる。また、フランジ部1−2の延長部の先端部1−6を枠部材6と結合することにより、足回りから下部ボデー1に伝達される荷重が、枠部材6を介して前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2、ルーフ2−3に伝達され、モノコック構造全体で荷重を分担するモノコックボデーとして理想的な応力分布にすることができる。また該構造により、車両の側面からの荷重(例えば側面衝突)に対して乗員やバッテリーを保護することができる。
【0051】
図14は、前サスペンションサブフレーム7、下部ボデー1、前アッパーボデー2−1の三者の締結構造を示す斜視図である。
【0052】
前サスペンションサブフレーム7は懸架装置、ブレーキ装置、舵取り装置などを取り付ける部材で、これらの装置は前サスペンションサブフレーム7を介して樹脂モノコックボデーに締結される。具体的には、前サスペンションサブフレーム7はブラケット7−1,7−2と溶接で結合された構造となっており、前サスペンションサブフレーム7は下部ボデー1の底面で締結されると同時にブラケット7−1,7−2を介してフランジ部1−2および前アッパーボデー2−1と締結される。後サスペンションサブフレーム8と、下部ボデー1、後アッパーボデー2−2との締結も同様の構造である。
【0053】
このように、前サスペンションサブフレーム7は広い面積で下部ボデー1の底面と接触し固定される構造になっている。
【0054】
このような構造とすることにより、車両の足周りを構成するタイヤ、ホイール、サスペンション、舵取り装置、制動装置などは、前サスペンションサブフレーム7に組込まれた状態で車両に搭載することができる。また、前サスペンションサブフレーム7は、下部ボデー1の全周に存在するフランジ部1−2に前アッパーボデー2−1と共に三者で結合されるため、足周りの荷重は下部ボデー1の全周に存在するフランジ部1−2を介して車両全体に伝達され、モノコック構造全体で荷重を分担するモノコックボデーとして理想的な荷重分布とすることができる。
【0055】
また、前サスペンションサブフレーム7が下部ボデー1の底面に局部的な当たりが無いように接するようにすることが好ましい。樹脂製モノコックボデーは局部的な荷重に対して十分な剛性を有さないので、樹脂モノコックボデーの底面に対して局部的な当りが生じない様に均一に接触する構造とすることにより、局部的な荷重の付加を回避し樹脂ボデーの局部変形を抑えることができる。
【0056】
図15は、車両の乗降口部に設置した枠部材6の断面図である。6−1は外側枠部材、6−2は内側枠部材、6−3は締め付けビス、6−4はインサートナット、6−5は前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2またはルーフ2−3である。6−6は雨樋として機能する部分である。
図16は、枠部材6をシートベルト6−7の取付部材として使用した例を示すものである。
図17は、枠部材6を転落防止用部材6−8の取付部材として使用した例を示すものである。
図18は、枠部材6を雨よけドア6−9の取付部材として使用した例を示すものである。
【0057】
本発明のモノコック構造の車体の形状としては、
図5〜6、
図16〜18に示すような卵型が一般的に採用される。この理由としては、樹脂材料は金属に比較して許容応力が小さいことから、応力集中し易いコーナー部が無く、また、乗員スペースも確保できる卵型が一般的には好ましいといえるからである。
【0058】
しかしながら、
図19に示すように、車体の上部ボデー2(前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2、ルーフ2−3)の側面には、通常、乗降口を形成する開口部10が設けられるため、上部ボデー2の車両横方向の断面積が小さくなる。したがって、この部分の剛性を向上させるために、上部ボデー2の少なくとも上面に、車体の前後方向の中心線に対して左右対称で、該中心線に略平行する2本の稜線部9、9’を設けることが好ましい。
【0059】
この稜線部9、9’は、上部ボデー2の前面、後面にわたって設けられても良いが、開口部10周辺の剛性を向上させるために、少なくとも上部ボデー2の上面に設けられることが必要である。
【0060】
また、
図20に示すように、稜線部9、9’の曲率Rは、上部ボデー2のいずれの部分の曲率(前方の曲率R1、側方の曲率R2)より小さく、かつ曲率半径が5mm以上であることが好ましい。稜線部9、9’の曲率半径が5mmに満たない場合には、稜線部9、9’によって形成される角部が鋭角となり、歩行者と衝突したような場合の安全性が低下するので好ましくない。(車両の前面から上面そして後面に至る折り曲げ形状のすべての断面についても、
図20の断面E−Eに準ずる。)
【0061】
このような稜線部9、9’を設けることにより、モノコック構造の車体は、
図5〜6、
図16〜18に示すような、卵型で稜線部が無いものに対して、高い剛性を有するものとできる。
【0062】
本発明の車両の形状としては、
図21に示すような角型形状、
図22に示すようなトラック型形状、
図23に示すようなオープンカー型形状のものを採用することができる。
【0063】
<車体の曲げ剛性及びねじり剛性の計算(シミュレーション)>
以下の条件で、プリプロセッサーとして「I-DEAS 12NX」(UGS社製)、ソルバーとして「ADINA 8.5」(ADINA R&D 社製)を用いて、車体の曲げ剛性及びねじり剛性を求めた。
【0064】
樹脂:
パンライトL−1250Z(帝人社製ポリカーボネート樹脂、分子量:25,000程度、MFR:5.5程度)
【0065】
板厚の寸法設定:
上部ボデー2(前アッパーボデー2−1、後アッパーボデー2−2、ルーフ2−3)、フロア3及び下部ボデーの板厚を3mmと設定した。
【0066】
車体の寸法設定:
図24に示すように、車高(H)を1,554mm、全長(L)を2485mm、車軸間距離(W/B)を1,815mmと設定し、
図25及び
図26に示すように、
図24のA−A断面及びB−B断面におけるトレッドを(T):890mmと設定した。
【0067】
下部ボデーの寸法の設定:
図27(a)及び(b)に示すように、下部ボデー1のフランジ部1−2内部の前後方向の長さ(Q)を2,294mm、下部ボデーのフランジ部内部の横方向の長さ(S)を780mmと設定した。
【0068】
凸条部の寸法の設定:
凸条部1−3を設けた車体について計算する場合には、凸条部1−3の前後方向の長さ(V)を1,845mm、凸条部1−3の底面からの高さ(U)を154mm、凸条部1−3の頂面の横の長さ(T)を100mmと設定した。頂部100mmは抜き勾配5度で底面に向かう形状とする。すなわちその断面は略台形をなす。(なお、上記のように、下部ボデー1の板厚を3mmと一定の厚さに設定しているため、凸条部1−3を形成することに伴い、凸条部1−3の裏面には、車体の前後方向に延びる溝が形成されることとなる。)
また、凸条部1−3の裏面に形成された前後方向の溝に、この溝を横断する複数の凸条部のリブ1−3−5を設けた車体について計算する場合には、リブ1−3−5の板厚は下部ボデー1の板厚と同様に3mmと設定し、
図9に示すように、溝と直交して溝の断面全てを塞ぐリブ1−3−5を、溝の前後方向に等間隔に、14個設けると設定した。
【0069】
凸部の寸法の設定:
下部ボデー1の底面1−1に複数個の独立した凸部1−4を設けた車体について計算する場合には、凸部の形状及び配置を次のようにする。
凸部の形状:頂面は半径30mmでフランジ部1−2を結ぶ面に一致している。底面1−1に向かって抜き勾配5度をもって略円錐台形をなす。
凸部の配置:前方の車軸から後方に552mm及び1,192mm離れた、この車軸と平行な2本の直線と、車体の中心線から左右それぞれに140mm及び280mm離れた、この中心線と平行な4本の直線との交点に、8個の凸部1−4を配置する。
【0070】
また、車体の曲げ剛性及びねじり剛性は、次のようにして求めた。
曲げ剛性:
車体を前方の車軸部及び後方の車軸部の2箇所を下から支持した状態で、前方の車軸から後方に552mm及び1,192mm離れた位置2箇所に、車軸と平行に車体を横断する剛体の棒体を置き、この棒体にそれぞれ100kgの荷重を下向きに負荷して、下部ボデー1が撓む変形量(mm)を計算により求める。
【0071】
ねじり剛性:
前方の車軸部を支持した状態で、後方の車軸部を1度の角度にねじるのに必要なトルク(mN・mm)を計算により求める。
【0072】
上記の条件で、
1)凸条部を設けない下部ボデーを採用した車体
2)凸条部を設け、リブを設けない下部ボデーを採用した車体
3)凸条部及びリブを設けた下部ボデーを採用した車体
4)凸条部、リブ及び凸部を設けた下部ボデーを採用した車体
について、曲げ剛性及びねじり剛性を求めた。これらの数値を表1に示す。
【0074】
上記の計算結果から明らかなように、下部ボデー1の底面1−1に凸条部1−3を設け、該凸条部1−3の裏面に車体の前後方向に延びる溝を形成するとともに、この溝を横断する複数のリブ1−3−5を設けること及び下部ボデー1と、上部ボデー
2及びフロア3との締結を、下部ボデー1のフランジ部1−2及び凸条部1−3において行うことにより、軽量化を図りつつ、下部ボデー1の曲げ剛性及びねじり剛性を向上することができ、これにより、車体全体の曲げ剛性及びねじり剛性を向上することができる。
【0075】
さらに、下部ボデー1の底面に複数個の独立した凸部1−4を設け、下部ボデー1と、上部ボデー2及びフロア3との締結を、下部ボデー1のフランジ部1−2及び凸条部1−3に加えて、凸部1−4においても行うことにより、下部ボデー1の曲げ剛性及びねじり剛性を一層向上することができ、これにより、車体全体の曲げ剛性及びねじり剛性を一層に向上することができる。