(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104389
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】電気的な接続要素を備えるパネル
(51)【国際特許分類】
H01R 4/02 20060101AFI20170316BHJP
C22C 38/00 20060101ALI20170316BHJP
C22C 38/58 20060101ALI20170316BHJP
C22C 12/00 20060101ALI20170316BHJP
C22C 13/00 20060101ALI20170316BHJP
C22C 13/02 20060101ALI20170316BHJP
B23K 35/26 20060101ALI20170316BHJP
B23K 1/00 20060101ALI20170316BHJP
B23K 1/19 20060101ALI20170316BHJP
B23K 1/20 20060101ALI20170316BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20170316BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20170316BHJP
B23P 21/00 20060101ALI20170316BHJP
H01R 4/18 20060101ALI20170316BHJP
H01R 43/02 20060101ALI20170316BHJP
H01R 43/048 20060101ALI20170316BHJP
B60J 1/00 20060101ALI20170316BHJP
B23K 101/38 20060101ALN20170316BHJP
B23K 103/02 20060101ALN20170316BHJP
【FI】
H01R4/02 Z
C22C38/00 302Z
C22C38/58
C22C12/00
C22C13/00
C22C13/02
B23K35/26 310A
B23K35/26 310C
B23K1/00 330D
B23K1/19 J
B23K1/20 B
H05K1/18 F
H05K3/34 512C
B23P21/00 301Z
B23P21/00 303Z
H01R4/18 A
H01R43/02 A
H01R43/048 Z
B60J1/00 B
B23K101:38
B23K103:02
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-531498(P2015-531498)
(86)(22)【出願日】2013年7月10日
(65)【公表番号】特表2016-505195(P2016-505195A)
(43)【公表日】2016年2月18日
(86)【国際出願番号】EP2013064576
(87)【国際公開番号】WO2014040774
(87)【国際公開日】20140320
【審査請求日】2015年5月11日
(31)【優先権主張番号】12184407.0
(32)【優先日】2012年9月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512212885
【氏名又は名称】サン−ゴバン グラス フランス
【氏名又は名称原語表記】Saint−Gobain Glass France
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】クラウス シュマールブーフ
(72)【発明者】
【氏名】ベアンハート ロイル
(72)【発明者】
【氏名】ミーチャ ラタイチャク
(72)【発明者】
【氏名】ローター レスマイスター
【審査官】
片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/007303(WO,A1)
【文献】
特開2008−218399(JP,A)
【文献】
特開2007−335260(JP,A)
【文献】
特開平08−246105(JP,A)
【文献】
特開2006−202723(JP,A)
【文献】
特表2009−530783(JP,A)
【文献】
特許第3957302(JP,B2)
【文献】
特表2013−521180(JP,A)
【文献】
特表2013−521207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/02
B23K 1/00
B23K 1/19
B23K 1/20
B23K 35/26
B23P 21/00
B60J 1/00
C22C 12/00
C22C 13/00
C22C 13/02
C22C 38/00
C22C 38/58
H01R 4/18
H01R 43/02
H01R 43/048
H05K 1/18
H05K 3/34
B23K 101/38
B23K 103/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電気的な接続要素を備えるパネルであって、少なくとも
基板(1)と、
前記基板(1)の所定領域上の導電性の構造(2)と、
前記導電性の構造(2)の所定領域上の接続要素(3)と、
を備え、前記接続要素(3)は、少なくともクロム含有の鋼を含み、
前記接続要素(3)は、接続ケーブル(5)の周りに圧着されている圧着領域(11)と、ろう接領域(10)とを有し、該ろう接領域(10)は、鉛フリーのろう材料(4)を介して前記導電性の構造(2)に接続されており、
前記パネルは2〜6つの接続要素(3)を備え、該接続要素(3)は、1つの線上に配置されている、
ことを特徴とする、電気的な接続要素を備えるパネル。
【請求項2】
前記ろう接領域(10)と前記圧着領域(11)との間の角度は、120°〜180°である、請求項1記載のパネル。
【請求項3】
隣り合う前記接続要素の間隔は、5mm〜50mmである、請求項1又は2記載のパネル。
【請求項4】
前記接続要素(3)の材料厚さは、0.1mm〜2mmである、請求項1から3までのいずれか1項記載のパネル。
【請求項5】
前記基板(1)の熱膨張係数と前記接続要素(3)の熱膨張係数との差は、5×10−6/℃未満である、請求項1から4までのいずれか1項記載のパネル。
【請求項6】
前記接続要素(3)は、少なくとも66.5質量%〜89.5質量%鉄、10.5質量%〜20質量%クロム、0質量%〜1質量%炭素、0質量%〜5質量%ニッケル、0質量%〜2質量%マンガン、0質量%〜2.5質量%モリブデン、0質量%〜2質量%ニオブ及び0質量%〜1質量%チタンを含む、請求項1から5までのいずれか1項記載のパネル。
【請求項7】
前記基板(1)は、板ガラス、フロートガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス及び/又はソーダ石灰ガラスを含む、請求項1から6までのいずれか1項記載のパネル。
【請求項8】
前記導電性の構造(2)は、少なくとも銀及びガラスフリットを含み、5μm〜40μmの層厚さを有する、請求項1から7までのいずれか1項記載のパネル。
【請求項9】
前記ろう材料(4)の層厚さは、6.0×10−4m以下である、請求項1から8までのいずれか1項記載のパネル。
【請求項10】
前記ろう材料(4)は、すず及びビスマス、インジウム、亜鉛、銅、銀又はこれらの組み合わせを含む、請求項1から9までのいずれか1項記載のパネル。
【請求項11】
前記ろう材料(4)は、35質量%〜69質量%ビスマス、30質量%〜50質量%すず、1質量%〜10質量%銀及び0質量%〜5質量%銅を含むか、又は前記ろう材料(4)は、90質量%〜99.5質量%すず、0.5質量%〜5質量%銀及び0質量%〜5質量%銅を含む、請求項10記載のパネル。
【請求項12】
前記接続要素(3)は、ニッケル、すず、銅及び/又は銀を含む少なくとも1つの濡れ層(6)を有する、請求項1から11までのいずれか1項記載のパネル。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項記載の、少なくとも1つの電気的な接続要素を備えるパネルを製造する方法であって、
a)前記接続要素(3)を所定領域(11)における圧着により前記接続ケーブル(5)に接続し、
b)前記ろう材料(4)を前記ろう接領域(10)の下面に被着し、
c)前記接続要素(3)を前記ろう材料(4)とともに、前記基板(1)の所定領域に被着されている前記導電性の構造(2)の所定領域に配置し、かつ
d)前記接続要素(3)を前記導電性の構造(2)に、エネルギを供給して接続する、方法において、
前記パネルは2〜6つの接続要素(3)を備え、該接続要素(3)は、1つの線上に配置されている、
ことを特徴とする、電気的な接続要素を備えるパネルを製造する方法。
【請求項14】
請求項1から12までのいずれか1項記載の、少なくとも1つの電気的な接続要素を備えるパネルの、建造物、又は陸上、空中又は水上若しくは水中交通のための移動手段における、ウインドシールド、リヤウィンドウ、サイドウィンドウ及び/又はルーフウィンドウとしての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的な接続要素を備えるパネル、このパネルを製造する経済的かつ環境親和的な方法及びこのパネルの使用に係る。
【0002】
特に本発明は、例えば発熱導体又はアンテナ導体等の導電性の構造を備える、車両用の電気的な接続要素を備えるパネルあるいはグレージングに関するものである。導電性の構造は、一般にろう接される電気的な接続要素を介して搭載電源網に接続されている。使用される材料の熱膨張係数がそれぞれ異なることに基づいて、製造時及び運転中に機械的応力が発生する。この機械的応力は、パネルに負荷を与え、パネルの破損を引き起こす場合がある。
【0003】
鉛含有のろうは、電気的な接続要素とパネルとの間で発生する機械的応力を塑性変形により補償し得る高い延性を示す。しかし、欧州連合内の使用済み車両に関する指令2000/53/EGに基づいて、鉛含有のろうは、鉛フリーあるいは無鉛のろうに置換されねばならない。この指令は、短縮してELV(End of life vehicles)と略称される。ELV指令の目的は、廃棄電気電子機器が大幅に増加する中で、特に問題の大きい成分を製品から排除することである。これに該当する物質は、鉛、水銀及びカドミウムである。このことは、とりわけ、ガラス上の電気的な使用における鉛フリーのろう接手段の推進、及び適当な代替製品の導入に関する。
【0004】
鉛フリーのろうを用いて導電性の構造にろう接する一連の電気的な接続要素が提案されている。刊行物としては、米国特許出願公開第20070224842号明細書、欧州特許出願公開第1942703号明細書、国際公開第2007110610号パンフレット、欧州特許出願公開第1488972号明細書及び欧州特許出願公開第2365730号明細書が例示される。熱応力の回避については、一方では接続要素の形状が、他方では接続要素の材料が、極めて重要となる。
【0005】
本発明の課題は、特に鉛フリーのろう材料を用いてろう接するのに好適であり、しかもパネル内の臨界的な機械的応力が回避される、電気的な接続要素を備えるパネルを提供することである。さらに、このパネルを製造する経済的かつ環境親和的な方法を提供することである。
【0006】
本発明の課題は、本発明の独立請求項1に記載の、少なくとも1つの電気的な接続要素を備えるパネルにより解決される。好ましい態様は、従属請求項に係る発明である。
【0007】
少なくとも1つの電気的な接続要素を備える本発明に係るパネルは、少なくとも以下の特徴、すなわち:
−基板と、
−基板の所定領域に導電性の構造と、
−導電性の構造の所定領域に接続要素と、
を備え、接続要素は、少なくともクロム含有の鋼を含み、
接続要素は、接続ケーブルの周りに圧着される圧着領域と、ろう接領域とを有し、ろう接領域は、鉛フリーのろう材料を介して導電性の構造に接続されている、
という特徴を有している。
【0008】
電気的な接続要素は、本発明では圧着により接続ケーブルに接続されている。圧着接続は、簡単であり、低コストであり、迅速に形成可能であり、かつ容易に自動化可能である。手間あるいはコストのかかる付加的なプロセスステップ、例えば接続ケーブルとの接続要素のろう接又は溶接は、回避可能である。同時に、接続要素と接続ケーブルとの間に、極めて安定な接続が提供される。圧着領域(いわゆるクリンプ、つまり圧着工程により変形される領域)と、ろう接領域とを備える本発明における接続要素は、簡単かつ低コストに製造可能であるとともに、導電性の構造の、省スペースであり、フレキシブルに使用可能であり、しかも持続的に安定である電気的な結線を達成可能である。
【0009】
クロム含有の鋼、特にいわゆるステンレス鋼又は不銹鋼は、低コストに入手可能である。加えて、クロム含有の鋼からなる接続要素は、多数の従来慣用の接続要素、例えば銅からなる接続要素と比較して、高い剛性を示す。このことは、圧着接続の好ましい安定性につながる。クロム含有の鋼は、良好に冷間成形可能である。これにより、クロム含有の鋼は、圧着接続を形成するのに特に好適である。加えて、クロム含有の鋼は、多数の従来慣用の接続要素、例えばチタンからなる接続要素と比較して、より高い熱伝導性から生じる改善されたろう接性を示す。
【0010】
接続ケーブルは、導電性の構造を外部の機能要素、例えば電圧供給部又は受信装置に電気的に接続するために設けられている。このために接続ケーブルは、接続要素から出発して、好ましくはパネルの側縁を越えてパネルから導出されている。接続ケーブルは、原理的に、導電性の構造の電気的な接続のために当業者にとって公知の、圧着により接続要素(圧着端子ともいう)に接続するのに好適なあらゆる接続ケーブルであってよい。接続ケーブルは、導電性の芯線(内部導体)に加え、絶縁性の、好ましくはポリマーからなる被覆を有していてもよい。絶縁性の被覆は、好ましくは接続ケーブルの端部領域で、接続要素と内部導体との導電接続を可能にするために除去されている。
【0011】
接続ケーブルの導電性の芯線は、例えば銅、アルミニウム及び/若しくは銀又はこれらの合金若しくは混合物を含んでいてもよい。導電性の芯線は、例えば撚り線導体又は単線導体として構成されていてもよい。接続ケーブルの導電性の芯線の横断面は、本発明に係るパネルを使用するのに必要な電流容量に合わせて設定されており、当業者により適宜選択可能である。横断面は、例えば0.3mm
2〜6mm
2である。
【0012】
本発明において少なくともクロム含有の鋼を含み、好ましくはクロム含有の鋼からなる接続要素は、好ましくは接続ケーブルの端部領域で接続ケーブルの導電性の芯線の周りに圧着されている。その結果、持続的に安定の導電接続が、接続要素と接続ケーブルとの間に生じる。圧着は、当業者に公知の好適な圧着工具、例えば圧着ペンチ又は圧着プレスを用いて実施される。圧着工具は、一般に2つの作用箇所を有している。例えば圧着ペンチは、2つのあごを有している。2つの作用箇所は、互い対して案内され、これにより機械的圧力を接続要素に及ぼす。接続要素は、これにより塑性変形され、接続要素の周りにかしめられる。
【0013】
本発明における電気的な接続要素の好ましい態様において、ろう接領域は、圧着領域の、外部の機能要素に至る接続ケーブルの延在方向とは反対側に配置されている。ろう接領域と圧着領域との間の角度は、好ましくは120°〜180°、特に好ましくは150°〜170°である。これにより、導電性の構造の特に省スペースかつ安定的な電気的な接続が達成可能である。
【0014】
ろう接領域の、基板に面した表面は、接続要素と導電性の構造との間のコンタクト面を形成し、ろう材料を介して導電性の構造に接続されている。これは、ろう接領域と導電性の構造との間の、ろう材料を介した直接的な機械的な接続を意図している。このことは、ろう材料がろう接領域と導電性の構造との間に配置されており、これによりろう接領域を持続的に安定に導電性の構造に固定することを意味している。
【0015】
接続要素は、ろう接領域と圧着領域とに、好ましくは同じ材料厚さを有している。このことは、接続要素を例えば単純な1枚の金属薄板から打ち抜くことができるので、接続要素の簡単な製造に関して特に有利である。接続要素の材料厚さは、好ましくは0.1mm〜2mm、特に好ましくは0.2mm〜1mm、さらに好ましくは0.3mm〜0.5mmである。材料厚さに関するこの範囲内で、接続要素は、一方では、圧着のために必要な冷間成形性を示す。他方、材料厚さに関するこの範囲内で、圧着接続の好ましい安定性と、導電性の構造と接続ケーブルとの間の好ましい電気的な接続とが達成される。
【0016】
ろう接領域の長さ及び幅は、好ましくは1mm〜10mm、特に好ましくは2mm〜8mm、さらに好ましくは2.5mm〜5mmである。このことは、接続要素の小さな所要スペースと、導電性の構造との有効な電気的な接触とに関して特に好ましい。
【0017】
好ましい態様において、ろう接領域は平らに形成されている。これにより平らなコンタクト面が生じる。しかし、ろう接領域は、好ましくは変形加工、例えば型打ち加工又は深絞り加工により賦形された領域、例えばろう溜まり、スペーサ又はコンタクト隆起部を有していてもよい。変形加工された領域を除いて、コンタクト面は好ましくは平らである。
【0018】
ろう接領域及びコンタクト面の形状は、個々の事例の要求に合わせて選択可能であり、例えば多角形、長方形、丸みを帯びた角を有する長方形、卵形、楕円形又は円形に形成されていてもよい。
【0019】
圧着領域の長さは、接続ケーブルの直径及び通用の規格を考慮して当業者により適宜選択可能であり、例えば2mm〜8mm又は4mm〜5mm、特に4.5mmである。この値は、接続要素の小さな所要スペース及び接続要素と接続ケーブルとの間の安定な接続に関して特に有利である。好ましくは、クリンプは、開放型のクリンプとして形成されている。この場合、接続ケーブルは、周囲を取り巻くように閉じたクローズドバレル(閉鎖型のクリンプ)内に差し込まれる必要がないので、このような圧着接続は、より容易に形成可能かつより容易に自動化可能であり、それゆえ大量生産に特に好適である。クリンプの形状は、自由に選択可能、例えばBクリンプ又はOクリンプとして自由に選択可能である。
【0020】
ろう接領域は、接続要素の圧着領域に直接接続されていてもよい。しかし、ろう接領域と圧着領域との間には、例えば1mm〜5mmの長さの移行領域が配置されていてもよい。移行領域により、接続要素の形成時の自由度あるいは柔軟性が増す。
【0021】
ろう接領域には、圧着領域の他に、単数又は複数の別の領域が接続されていてもよい。例えばろう接領域の、圧着領域とは反対側の側縁に、別の領域が配置されていてもよい。このような別の領域は、例えば接続要素をホルダに結合する目的で設けられていることができる。1つの共通のホルダにより、例えば複数の本発明における接続要素が、所定の相対配置で導電性の構造にろう接可能である。
【0022】
好ましい態様において、パネルは、2〜6つの本発明における電気的な接続要素を備えている。複数の接続要素により、例えば発熱導体として形成される導電性の構造が、外部の電圧供給部の両極に接続可能である。複数の接続要素により、例えば基板上に導電性の構造として被着されるそれぞれ異なるアンテナも接続可能である。小さな寸法と、熱応力の減少とに基づいて、本発明における接続要素は、特に、複数の接続要素が互いに小さな間隔で配置されることが望まれるパネルに好適である。接続要素は、好ましくは1つの線上に配置されている。隣り合う接続要素間の間隔は、好ましくは5mm〜50mm、特に好ましくは10mm〜20mmである。この配置は、方法技術的かつ審美的な理由から有利である。特に複数の接続要素は、この相対配置で例えばろう接前に1つの共通のホルダ内に固定可能である。それぞれ異なる接続要素のろう接領域の側縁は、好ましくは互いに平行に配置されており、複数の接続要素が配置されている(仮想)線に関して任意の角度、好ましくは5°〜90°、特に好ましくは10°〜40°の角度を有していてもよい。それぞれ異なる接続要素の圧着領域は、好ましくは(仮想)線の同じ側に配置されている。このような配置は、特に省スペースである。
【0023】
基板は、第1の熱膨張係数を有し、接続要素は、第2の熱膨張係数を有している。本発明の好ましい態様において、第1の熱膨張係数と第2の熱膨張係数との差は、5×10
−6/℃未満、特に好ましくは3×10
−6/℃未満である。これにより、パネルの熱応力は、低減され、良好な接合が達成される。
【0024】
基板は、好ましくはガラス、特に好ましくは板ガラス、フロートガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス及び/又はソーダ石灰ガラスを含む。しかし基板は、ポリマー、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート及び/又はこれらのコポリマー若しくは混合物を含んでいてもよい。基板は、好ましくは透明である。基板は、好ましくは0.5mm〜25mm、特に好ましくは1mm〜10mm、さらに好ましくは1.5mm〜5mmの厚さを有している。
【0025】
第1の熱膨張係数は、好ましくは8×10
−6/℃〜9×10
−6/℃である。基板は、好ましくはガラス、好ましくは0℃〜300℃の温度範囲で8.3×10
−6/℃〜9×10
−6/℃の熱膨張係数を有するガラスを含んでいる。
【0026】
第2の熱膨張係数は、好ましくは0℃〜300℃の温度範囲で9×10
−6/℃〜13×10
−6/℃、特に好ましくは10×10
−6/℃〜11.5×10
−6/℃、さらに好ましくは10×10
−6/℃〜11×10
−6/℃、特に10×10
−6/℃〜10.5×10
−6/℃である。
【0027】
本発明における接続要素は、好ましくは10.5質量%以上のクロムの割合を有するクロム含有の鋼を含む。別の合金成分、例えばモリブデン、マンガン又はニオブは、耐食性の改善や、機械的な特性、例えば引張り強さ又は冷間成形性の変更につながる。
【0028】
本発明における接続要素は、好ましくは少なくとも66.5質量%〜89.5質量%鉄、10.5質量%〜20質量%クロム、0質量%〜1質量%炭素、0質量%〜5質量%ニッケル、0質量%〜2質量%マンガン、0質量%〜2.5質量%モリブデン、0質量%〜2質量%ニオブ及び0質量%〜1質量%チタンを含む。接続要素は、付加的に別の元素の添加物、例えばバナジウム、アルミニウム及び窒素を含んでいてもよい。
【0029】
本発明における接続要素は、特に好ましくは少なくとも73質量%〜89.5質量%鉄、10.5質量%〜20質量%クロム、0質量%〜0.5質量%炭素、0質量%〜2.5質量%ニッケル、0質量%〜1質量%マンガン、0質量%〜1.5質量%モリブデン、0質量%〜1質量%ニオブ及び0質量%〜1質量%チタンを含む。接続要素は、付加的に別の元素の添加物、例えばバナジウム、アルミニウム及び窒素を含んでいてもよい。
【0030】
本発明における接続要素は、さらに好ましくは少なくとも77質量%〜84質量%鉄、16質量%〜18.5質量%クロム、0質量%〜0.1質量%炭素、0質量%〜1質量%マンガン、0質量%〜1質量%ニオブ、0質量%〜1.5質量%モリブデン及び0質量%〜1質量%チタンを含む。接続要素は、付加的に別の元素の添加物、例えばバナジウム、アルミニウム及び窒素を含んでいてもよい。
【0031】
特に好適なクロム含有の鋼は、EN 10 088−2による材料番号1.4016、1.4113、1.4509及び1.4510の鋼である。
【0032】
本発明における導電性の構造は、好ましくは5μm〜40μm、特に好ましくは5μm〜20μm、さらに好ましくは8μm〜15μm、特に10μm〜12μmの層厚さを有する。本発明における導電性の構造は、好ましくは銀、特に好ましくは銀粒子及びガラスフリットを含む。
【0033】
ろう材料の層厚さは、好ましくは6.0×10
−4m以下、特に好ましくは3.0×10
−4m未満である。
【0034】
本発明におけるろう材料は、鉛フリーである。このことは、電気的な接続要素を備える本発明に係るパネルの環境親和性に関して特に有利である。鉛フリーのろう材料とは、本発明の意味で、欧州連合の指令「2002/95/EG zur Beschraenkung der Verwendung bestimmter gefaehrlicher Stoffe in Elektro− und Elektronikgeraeten(電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する指令)」に応じて、含有する鉛の割合が0.1質量%以下であるもの、好ましくは鉛を一切含まないものと解すべきである。
【0035】
鉛フリーのろう材料は、典型的には鉛含有のろう材料よりも低い延性を示す。その結果、接続要素とパネルとの間の機械的応力の補償は、良好とはいえない。しかし、臨界的な機械的応力は、本発明における接続要素により回避可能であることが判った。ろう材料は、好ましくはすず及びビスマス、インジウム、亜鉛、銅、銀又はこれらの組み合わせを含む。本発明におけるろうの組成におけるすずの割合は、3質量%〜99.5質量%、好ましくは10質量%〜95.5質量%、特に好ましくは15質量%〜60質量%である。ビスマス、インジウム、亜鉛、銅、銀又はこれらの組み合わせの割合は、本発明におけるろうの組成において0.5質量%〜97質量%、好ましくは10質量%〜67質量%である。ここでビスマス、インジウム、亜鉛、銅又は銀の割合は、0質量%であってもよい。ろうの組成は、ニッケル、ゲルマニウム、アルミニウム又はりんを0質量%〜5質量%の割合で含んでいてもよい。本発明におけるろうの組成は、特に好ましくはBi40Sn57Ag3、Sn40Bi57Ag3、Bi59Sn40Ag1、Bi57Sn42Ag1、In97Ag3、Sn95.5Ag3.8Cu0.7、Bi67In33、Bi33In50Sn17、Sn77.2In20Ag2.8、Sn95Ag4Cu1、Sn99Cu1、Sn96.5Ag3.5、Sn96.5Ag3Cu0.5、Sn97Ag3又はこれらの混合物を含む。
【0036】
好ましい態様において、ろう材料はビスマスを含む。ビスマス含有のろう材料は、本発明における接続要素の、パネルにおける特に良好な接合に至らしめることが判っている。このとき、パネルの損傷は回避可能である。ろう材料の組成におけるビスマスの割合は、好ましくは0.5質量%〜97質量%、特に好ましくは10質量%〜67質量%、さらに好ましくは33質量%〜67質量%、特に50質量%〜60質量%である。ろう材料は、ビスマスの他に好ましくはすず及び銀又はすず、銀及び銅を含む。特に好ましい態様において、ろう材料は、少なくとも35質量%〜69質量%ビスマス、30質量%〜50質量%すず、1質量%〜10質量%銀及び0質量%〜5質量%銅を含む。さらに好ましい態様において、ろう材料は、少なくとも49質量%〜60質量%ビスマス、39質量%〜42質量%すず、1質量%〜4質量%銀及び0質量%〜3質量%銅を含む。
【0037】
さらに好ましい態様において、ろう材料は、90質量%〜99.5質量%、好ましくは95質量%〜99質量%、特に好ましくは93質量%〜98質量%すずを含む。ろう材料は、すずの他に好ましくは0.5質量%〜5質量%銀及び0質量%〜5質量%銅を含む。
【0038】
ろう材料は、好ましくは1mm未満の流出幅(Austrittsbreite)で接続要素のろう接領域と導電性の構造との間の中間スペースから流出する。好ましい態様において、最大の流出幅は0.5mm未満、特に約0mmである。このことは、パネル内の機械的応力の低減、接続要素の接合及びろうの節約に関して特に有利である。最大の流出幅は、ろう接領域の外縁と、ろう材料はみだし部の、ろう材料の層厚さが50μmを下回る箇所との間の間隔として規定されている。最大の流出幅は、ろう接工程後、硬化したろう材料において測定される。所望の最大の流出幅は、ろう材料体積と、接続要素と導電性の構造との間の垂直方向間隔との好適な選択により達成される。このことは、簡単な実験により求めることができる。接続要素と導電性の構造との間の垂直方向間隔は、適当なプロセス工具、例えばスペーサが組み込まれた工具により設定可能である。最大の流出幅は、負であってもよい。つまり、最大の流出幅は、電気的な接続要素のろう接領域と導電性の構造とにより形成される中間スペース内に引き戻されていてもよい。本発明に係るパネルの好ましい態様において、最大の流出幅は、電気的な接続要素のろう接領域と導電性の構造とにより形成される中間スペース内で凹型メニスカス状に引き戻されている。凹型メニスカスは、例えばろう接工程時に、ろうがまだ液状である間に、スペーサと導電性の構造との間の垂直方向間隔を増加させることにより生じる。利点は、パネル内、特にろう材料はみだし部が大きいときに生じる臨界的な領域内における機械的応力の減少である。
【0039】
本発明の好ましい態様において、接続要素のコンタクト面は、スペーサ、好ましくは少なくとも2つのスペーサ、特に好ましくは少なくとも3つのスペーサを有する。スペーサは、好ましくは接続要素と一体的に、例えば型打ち加工又は深絞り加工により形成されている。スペーサは、好ましくは0.5×10
−4m〜10×10
−4mの幅及び0.5×10
−4m〜5×10
−4m、特に好ましくは1×10
−4m〜3×10
−4mの高さを有している。スペーサにより、ろう材料の均質な、均一厚さの、そして均一に溶融された層が達成される。これにより、接続要素とパネルとの間の機械的応力が低減可能であり、接続要素の接合が改善可能である。このことは、特に、鉛含有のろう材料と比較して低い延性に基づいて機械的応力の補償がそれほど良好とはいえない鉛フリーのろう材料の使用時に特に有利である。
【0040】
本発明の好ましい態様において、接続要素のろう接領域の、基板から背離した表面に、少なくとも1つのコンタクト隆起部が配置されている。コンタクト隆起部は、ろう接工程中に接続要素をろう接工具と接触させるために用いられる。コンタクト隆起部は、好ましくは少なくともろう接工具との接触の領域において凸面状に湾曲して形成されている。コンタクト隆起部は、好ましくは0.1mm〜2mm、特に好ましくは0.2mm〜1mmの高さを有している。コンタクト隆起部の長さ及び幅は、好ましくは0.1mm〜5mm、特に好ましくは0.4mm〜3mmである。コンタクト隆起部は、好ましくは接続要素と一体的に、例えば型打ち加工又は深絞り加工により形成されている。ろう接のために、フラットに形成されているコンタクト面を有する電極が使用可能である。電極面は、コンタクト隆起部に接触させられる。その際、電極面は、基板の表面に対して平行に配置されている。電極面とコンタクト隆起部との間のコンタクト領域は、ろう接箇所を形成する。この場合、ろう接箇所の位置は、コンタクト隆起部の凸面状の表面上にある、基板の表面に対して最大の垂直方向間隔を有する点により規定される。ろう接箇所の位置は、接続要素におけるろう接電極の位置によらない。このことは、ろう接工程中の再現可能な均一な熱分布に関して特に有利である。ろう接工程中の熱分布は、コンタクト隆起部の位置、大きさ、配置及び幾何学形状により決定される。
【0041】
電気的な接続要素は、好ましくは少なくともろう材料に向けられたコンタクト面にコーティング(濡れ層)を有している。濡れ層は、ニッケル、銅、亜鉛、すず、銀、金又はこれらの合金若しくは層、好ましくは銀を含む。これにより、ろう材料による接続要素の改善された濡れ及び接続要素の改善された接合が達成される。
【0042】
本発明における接続要素は、好ましくはニッケル、すず、銅及び/又は銀によりコーティングされている。本発明における接続要素は、特に好ましくは接合促進層(haftvermittelnde Schicht)、好ましくはニッケル及び/又は銅からなる接合促進層と、付加的にろう接可能な層、好ましくは銀からなるろう接可能な層とを有している。本発明における接続要素には、特に好ましくは0.1μm〜0.3μmのニッケル及び/又は3μm〜20μmの銀がコーティングされている。接続要素には、ニッケルめっき、すずめっき、銅めっき及び/又は銀めっきが施されてもよい。ニッケル及び銀は、接続要素の電流容量及び腐食安定性並びにろう材料の濡れを改善する。
【0043】
電気的な接続要素の形状は、接続要素と導電性の構造との中間スペース内に単数又は複数のろう溜まりを形成可能である。接続要素におけるろう溜まり及びろうの濡れ特性は、中間スペースからのろう材料の流出を防止する。ろう溜まりは、直角に、丸み付けられて、又は多角形に形成されていてもよい。
【0044】
さらに本発明の課題は、少なくとも1つの電気的な接続要素を備える本発明に係るパネルを製造する方法であって、
a)接続要素を所定領域における圧着により接続ケーブルに接続し、
b)ろう材料をろう接領域の下面に被着し、
c)接続要素をろう材料とともに、基板の所定領域に被着されている導電性の構造の所定領域に配置し、かつ
d)接続要素を導電性の構造に、エネルギを供給して接続する、
電気的な接続要素を備えるパネルを製造する方法により解決される。
【0045】
ろう材料は、好ましくは確定された層厚さ、体積、形状及び接続要素における配置を有する小板又は扁平な滴として提供される。ろう材料小板の層厚さは、好ましくは0.6mm以下である。ろう材料小板の形状は、好ましくはコンタクト面の形状に相当する。コンタクト面が例えば長方形に形成されていれば、ろう材料小板は、好ましくは長方形の形状を有する。
【0046】
電気的な接続要素と導電性の構造との電気的な接続時のエネルギ供給は、好ましくはパンチ、サーモード、コテろう接、好ましくはレーザろう接、高温空気ろう接、誘導ろう接、抵抗ろう接及び/又は超音波により実施される。
【0047】
導電性の構造は、公知の方法により基板に、例えばスクリーン印刷法により被着可能である。導電性の構造の被着は、時間的に方法ステップ(a)及び(b)の前、間又は後に実施可能である。
【0048】
接続要素は、好ましくは、建造物や、特に自動車、鉄道、航空機又は船舶において、発熱機能を有するパネル又はアンテナを有するパネルで使用される。接続要素は、パネルの導電性の構造を、パネル外に配置されている電気系統に接続するために用いられる。電気系統は、増幅器、制御ユニット又は電圧源である。
【0049】
さらに本発明は、本発明に係るパネルの、建造物、又は陸上、空中又は水上若しくは水中交通のための移動手段、特にレール車両又は自動車における、好ましくはウインドシールド、リヤウィンドウ、サイドウィンドウ及び/又はルーフウィンドウ、特に加熱可能なパネル又はアンテナ機能を有するパネルとしての使用を含む。
【0050】
本発明について図面及び実施の形態を参照しながら詳説する。図面は、概略図であって、正確な縮尺で示したものではない。図面は、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】本発明に係るパネルの第1の態様の平面図である。
【
図2】
図1に示したパネルのA−A′断面図である。
【
図3】本発明に係る別のパネルのA−A′断面図である。
【
図4】本発明に係るさらに別のパネルのA−A′断面図である。
【
図5】本発明に係るさらに別のパネルのA−A′断面図である。
【
図6】本発明に係るさらに別のパネルのB−B′断面図である。
【
図7】本発明に係るさらに別のパネルのB−B′断面図である。
【
図8】本発明に係る方法の詳細なフローチャートである。
【0052】
図1及び
図2は、それぞれ、電気的な接続要素3の領域における本発明に係るパネルあるいはグレージングの詳細図である。パネルは、基板1を有している。基板1は、ソーダ石灰ガラスからなる3mm厚の熱により予め応力が付与された一枚の安全ガラスである。基板1は、150cmの幅及び80cmの高さを有している。基板1には、発熱導体構造の形態の導電性の構造2がプリントされている。導電性の構造2は、銀粒子及びガラスフリットを含んでいる。パネルの縁部領域には、導電性の構造2が、10mmの幅に拡げられており、電気的な接続要素3のためのコンタクト面を形成している。接続要素3は、導電性の構造2を外部の電圧供給部に接続ケーブル5を介して電気的に接続するために用いられる。接続ケーブル5は、導電性の芯線を有している。導電性の芯線は、銅からなる従来慣用の撚り線導体として形成されている。さらに接続ケーブル5は、図示しないポリマー製の絶縁被覆を有している。絶縁被覆は、接続ケーブル5の導電性の芯線を接続要素3に電気的に接続することを可能にするために、端部領域において4.5mmの長さで除去されている。基板1の縁部領域には、さらに、図示しないカバースクリーン印刷部が設けられている。
【0053】
電気的な接続要素3は、20℃〜300℃の温度範囲で10.5×10
−6/℃の熱膨張係数を有するEN 10 088−2による材料番号1.4509の鋼(ThyssenKrupp Nirosta
R 4509)からなっている。接続要素3の材料厚さは、例えば0.4mmである。接続要素3は、接続ケーブル5の端部領域の周りに圧着される領域、つまり圧着領域11を有しており、圧着領域11は、例えば4mmの長さを有している。このために圧着領域11の側縁は、接続ケーブル5を取り巻くように曲成され、接続ケーブル5とともに圧潰されている。クリンプ(圧着部)は、曲成領域が基板1から背離しているように配置されている。これにより、圧着領域11と基板1との間の好ましくは小さな角度が実現可能である。しかし、原理的には、クリンプの逆の配置も可能である。
【0054】
さらに接続要素3は、略長方形の平らなろう接領域10を有している。ろう接領域10は、移行領域12を介して圧着領域11に接続されている。ろう接領域10は、例えば4mmの長さ及び2.5mmの幅を有している。移行領域12は、例えば1mmの長さを有している。ろう接領域10は、圧着領域11の、接続ケーブル5の延在方向とは反対側に配置されている。ろう接領域10と圧着領域11との間の角度は、例えば160°である。移行領域12は、平らに形成されているが、択一的には例えば湾曲及び/又は屈曲されて形成されていてもよい。
【0055】
ろう接領域10の、基板1に面した表面は、電気的な接続要素3と導電性の構造2との間のコンタクト面8を形成している。コンタクト面8の領域には、ろう材料4が被着されている。ろう材料4は、電気的な接続要素3と導電性の構造2との間の持続的な電気的かつ機械的な接続を生じる。ろう材料4は、57質量%ビスマス、40質量%すず及び3質量%銀を含んでいる。ろう材料4は、250μmの厚さを有している。ろう接領域10は、コンタクト面8を介して全面的に導電性の構造2に接続されている。
【0056】
図3は、接続要素3を備える本発明に係るパネルの別の態様の断面図である。接続要素3のコンタクト面8には、例えば約5μmの厚さを有する銀含有の濡れ層6が設けられている。これにより接続要素3の接合あるいは付着が改善される。別の態様では、接続要素3と濡れ層6との間に接合促進層、例えばニッケル及び/又は銅からなる接合促進層が設けられていてもよい。
【0057】
図4は、接続要素3を備える本発明に係るパネルのさらに別の態様の断面図である。接続要素3のコンタクト面8には、スペーサ7が配置されている。コンタクト面8には、例えば4つのスペーサ7が配置可能であり、これらのスペーサ7のうち、図示の断面図では、2つのスペーサ7が看取可能となっている。スペーサ7は、接続要素3のろう接領域10に型打ち加工されており、これにより接続要素3と一体的に形成されている。スペーサ7は、球欠として形成されており、2.5×10
−4mの高さ及び5×10
−4mの幅を有している。スペーサ7により、ろう材料4の均一な層の形成が促進される。このことは、接続要素3の接合に関して特に有利である。
【0058】
図5は、接続要素3を備える本発明に係るパネルのさらに別の態様の断面図である。接続要素3のろう接領域10の、コンタクト面8とは反対側であって、基板1から背離した表面に、コンタクト隆起部9が配置されている。コンタクト隆起部9は、接続要素3のろう接領域10に型打ち加工されており、これにより接続要素3と一体的に形成されている。コンタクト隆起部9は、球欠として形成されており、2.5×10
−4mの高さ及び5×10
−4mの幅を有している。コンタクト隆起部9は、ろう接工程中に接続要素3をろう接工具に接触させるために用いられる。コンタクト隆起部9により、再現可能な所定の熱分布が、ろう接工具の正確な位置決めによらずして保証される。
【0059】
図6は、接続要素3を備える本発明に係るパネルのさらに別の態様の断面図である。電気的な接続要素3は、ろう材料4に向けられたコンタクト面8に、250μmの深さを有する凹部を有している。凹部は、ろう接領域10に型打ち加工されており、ろう材料4のためのろう溜まりを形成する。この中間スペースからのろう材料4の流出は、完全に阻止可能である。これにより、パネル内の熱応力はさらに低減される。
【0060】
図7は、接続要素3を備える本発明に係るパネルのさらに別の態様の断面図である。接続要素3は、圧着領域11、移行領域12及びろう接領域10の他に、ろう接領域10に隣接する別の領域13を有している。この別の領域13と、圧着領域11を伴う移行領域12とは、ろう接領域10の互いに反対側の縁部に接続している。
【0061】
図8は、電気的な接続要素3を備えるパネルを製造する本発明に係る方法の詳細を示している。
【0062】
基板1(厚さ3mm、幅150cm、高さ80cm)と、発熱導体構造の形態の導電性の構造2と、
図1に示した電気的な接続要素3と、ろう材料4とを備えて試験片を製造した。接続要素3は、20℃〜200℃の温度範囲で10.0×10
−6/℃の熱膨張係数及び20℃〜300℃の温度範囲で10.5×10
−6/℃の熱膨張係数を有するEN 10 088−2による材料番号1.4509の鋼からなっている。基板1は、20℃〜300℃の温度範囲で8.30×10
−6/℃の熱膨張係数を有するソーダ石灰ガラスからなっている。ろう材料4は、Sn40Bi57Ag3を含み、250μmの層厚さを有している。接続要素3は、200℃の温度及び2秒の処理時間で、導電性の構造2にろう接されている。パネル内に臨界的な機械的応力は観察されず、電気的な接続要素3とのパネルの結合は、導電性の構造2にわたって持続的に安定であった。すべての試験片において、+80℃から−30℃への温度差で、基板1が破損又は損傷しないことが観察された。ろう接直後、ろう接された接続要素3を備えるパネルが、急激な温度低下に対して安定であることが判った。
【0063】
同じ形状を有し、銅又は黄銅からなる接続要素を有する比較例では、明らかに高い機械的応力が発生し、+80℃から−30℃への急激な温度差では、パネルがろう接直後に概ね損傷を示すことが観察された。ガラス基板1と、本発明における電気的な接続要素3とを備える本発明に係るパネルが、急激な温度差に対してより良好な安定性を示すことが判った。この結果は、当業者にとって予期せざる意想外のことであった。
【符号の説明】
【0064】
1 基板
2 導電性の構造
3 電気的な接続要素
4 ろう材料
5 接続ケーブル
6 濡れ層
7 スペーサ
8 導電性の構造2との接続要素3のコンタクト面
9 コンタクト隆起部
10 接続要素3のろう接領域
11 接続要素3の圧着領域
12 圧着領域11とろう接領域10との間の移行領域
13 接続要素3の別の領域
A−A′ 断面線