(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0007】
本発明は、創傷を治療するための医薬組成物を提供する。該組成物は、有効成分としてポリスチレンミクロスフェアを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、ミクロスフェアと、ミクロスフェアの担体としての低張液(例えば、水)を含む。さらに別のいくつかの実施形態において、組成物は、水に溶解してミクロスフェアの比重と同様の比重を持つ溶液を形成する作用物質(例えば、賦形剤)を含む。本発明はさらに、前記組成物を用いた被検者の創傷の治癒方法、および前記組成物の調製方法を提供する。
【0008】
本発明は、低張液に懸濁させたポリスチレンミクロスフェアが、塩水、等張液に懸濁させたミクロスフェアよりも創傷治癒において有意に有効であるという驚くべき発見に一部基づいている。塩水は、損傷の洗浄、湿潤、浸漬、水和のためのケアの標準であると考えられているが、ミクロスフェアの担体として低張液を用いた場合、創傷治癒は有意に速かった。
【0009】
以下に例示するように、スプレーグ・ドーリーラットに誘発した全層創傷を、ポリスチレンミクロスフェアの塩水溶液またはポリスチレンミクロスフェアの蒸留水溶液を多数回適用することによって治療した。意外にも、ポリスチレンミクロスフェアの蒸留水溶液で治療した創傷は、塩水に懸濁させたポリスチレンミクロスフェアで治療した創傷よりも有意に速く50%の創傷閉鎖に達した。
【0010】
さらに別のいくつかの実施形態において、本発明は、水に添加または溶解してポリスチレンミクロスフェアとほぼ同様の比重を持つ担体溶液を形成する増粘剤を含む、改善された組成物を提供する。いかなる理論や作用機序にも拘束されることを望むものではないが、ミクロスフェアの比重と同様の比重を持つ溶液を用いることによって、ミクロスフェアの経時的な凝集または沈降を防ぎ、それによって、創傷治癒のための組成物の正確かつ精密な適用を確実にするものと考えられる。
【0011】
第1の態様によれば、本発明は、負に帯電したポリスチレンミクロスフェア、水、および水に溶解してポリスチレンミクロスフェアとほぼ同様の比重を持つ溶液を形成する増粘剤を含む、創傷を治療するための医薬組成物を提供する。いくつかの特定の実施形態において、ポリスチレンミクロスフェアの比重は、約1.05g/cm
3である。いくつかの具体的な実施形態において、増粘剤は、比重が1.02〜1.07g/cm
3の範囲の溶液を形成する。
【0012】
水の比重を上昇させるのに有用な増粘剤の例としては、限定されないが、親水性合成ポリマー、糖またはその誘導体、グリセロールまたはグリセリン、それらの誘導体またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、親水性合成ポリマーは、プロピレングリコール(PPG)およびポリエチレングリコール(PEG)から選択される。いくつかの実施形態において、糖は、スクロース、グルコース、ソルビトール、およびマンニトールからなる群から選択される。更なる増粘剤の例としては、限定されないが、クエン酸およびレゾルシノールが挙げられる。ある例示的な実施形態において、増粘剤はグリセロールまたはその誘導体である。
【0013】
いくつかの実施形態において、増粘剤は、組成物の約1重量%〜約50重量%、組成物の約10重量%〜約30重量%、または組成物の約20重量%〜約25重量%を構成する。
【0014】
別の態様によれば、本発明は、本質的に、負に帯電したポリスチレンミクロスフェアの入った低張液からなる創傷を治療するための医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において該低張液は水、例えば、蒸留水である。ある例示的な実施形態では、該水は、無菌水である。ある例示的な実施形態では、該水は、注射用水(WFI)である。
【0015】
別の一実施形態では、本発明の組成物のポリスチレンミクロスフェアは、約0.02μm〜約20μmの範囲の直径をもつ。 別の一実施形態では、ポリスチレンミクロスフェアは、約0.1μm〜約20μmまたは約1μm〜約10μmの直径をもつ。
【0016】
さらに別の一実施形態では、ポリスチレンミクロスフェアは、組成物の約0.001重量%〜約10重量%を構成する。特定の一実施形態では、複数のポリスチレンミクロスフェアは、組成物の約0.001重量%〜約0.09重量%、または約0.025重量%を構成する。
【0017】
いくつかの特定の実施形態において、本発明の組成物のミクロスフェアおよび方法は、細胞膜と多点接触を形成する。 別の一実施形態では、該ミクロスフェアは、負に帯電した表面基を有する。さらに別の一実施形態では、該ミクロスフェアは、治療期間中は実質的に生分解性でない。
【0018】
別の一実施形態では、組成物は、創傷に局所投与するために製剤される。
【0019】
別の態様によれば、それを必要とする被検者の創傷を治療するための方法が提供され、該方法は、治療的に有効な量の本発明の医薬組成物を被検者に投与することを含む。
【0020】
さらに別の態様によれば、それを必要とする被検者の創傷を治療するための医薬品の調製のための医薬組成物の使用が提供され、該組成物は、負に帯電したポリスチレンミクロスフェア、水、および任意に増粘剤を含み、該増粘剤は、ポリスチレンミクロスフェアとほぼ同様の比重を持つ溶液を形成する。
【0021】
別の態様によれば、それを必要とする被検者の創傷の治療に使用する医薬組成物が提供され、該組成物は、負に帯電したポリスチレンミクロスフェア、水、および任意に増粘剤を含み、前記増粘剤は、ポリスチレンミクロスフェアとほぼ同様の比重を持つ溶液を形成する。
【0022】
いくつかの実施形態において、創傷は、治癒困難な(または治癒が遅い)熱傷、外傷、および慢性創傷からなる群から選択される。別の一実施形態において、慢性創傷は、糖尿病性潰瘍、圧迫潰瘍、動脈性潰瘍、静脈性潰瘍、長期障害および圧迫潰瘍に伴う褥瘡、深刻な創傷、または外科手術による創傷からなる群から選択される。さらに別の一実施形態において、創傷は、正常な創傷修復力が低下した状態に関連する。
【0023】
別の態様によれば、被検者の創傷を治療するための、パッケージに含有された医薬組成物が提供され、該組成物は、低張液に懸濁させた約0.001重量%〜10重量%の負に帯電したポリスチレンミクロスフェアを含む。いくつかの実施形態において、低張液は滅菌水である。さらに別のいくつかの実施形態において、低張液は蒸留水である。いくつかの特定の実施形態において、前記低張液はWFIである。さらに別の一実施形態によれば、前記低張液は水であり、医薬組成物は、ポリスチレンミクロスフェアとほぼ同様の比重を持つ溶液を形成する増粘剤をさらに含む。
【0024】
別の態様によれば、被検者の創傷を治療するためのキットが提供される。該キットは、(i)容器、(ii)容器中の医薬組成物、および(iii)前記医薬組成物を創傷に適用するための説明書を含み、医薬組成物は、低張液に懸濁させた約0.001重量%〜約10重量%の負に帯電したポリスチレンミクロスフェアを含む。いくつかの実施形態において、低張液は滅菌水である。さらに別のいくつかの実施形態において、低張液は蒸留水である。いくつかの特定の実施形態において、前記低張液はWFIである。さらに別の一実施形態によれば、前記低張液は水であり、医薬組成物は、ポリスチレンミクロスフェアとほぼ同様の比重を有する溶液を形成する増粘剤をさらに含む。
【0025】
本発明の他の目的、特徴および効果は、以下の明細書および図面から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、いくつかの実施形態において、水に懸濁させた負に帯電したポリスチレンミクロスフェアを含む、医学的および/または医薬組成物を提供する。本発明はさらに、ポリスチレンミクロスフェアと、水に溶解または分散させて前記ポリスチレンミクロスフェアとほぼ同様の比重を持つ溶液を形成する増粘剤を含む、医学的または医薬組成物を提供する。本発明はさらに、前記組成物を用いた、被検者の創傷治癒のための方法、前記組成物の調製方法、および前記組成物を含むキットを提供する。
【0028】
以下に例示するように、スプレーグ・ドーリーラットに誘発した全層創傷を、ポリスチレンミクロスフェアの塩水溶液またはポリスチレンミクロスフェアの注射用水(WFI)を多数回適用することによって治療した。意外にも、ポリスチレンミクロスフェアのWFIで治療した創傷は、ポリスチレンミクロスフェアの塩水溶液で治療した創傷よりも有意に速く50%の創傷閉鎖に達した。
【0029】
このように、本発明のいくつかの実施形態において、ミクロスフェアを水に懸濁又は分散させる。ミクロスフェア担体として水を利用することの利点により、組成物が容易に滅菌され、室温で保存してもよい(すなわち、冷凍の必要がない)。 いくつかの実施形態において、組成物は、国際特許出願公開公報WO98/055108およびWO00/024378に記載の組成物などの治療用組成物に過敏性を示す被検者による使用には有利である。
【0030】
いくつかの実施形態において、本発明は、負に帯電したポリスチレンミクロスフェアおよび水を含む、または、それらからなる創傷を治療するための薬学的または医学的組成物を提供する。さらに別のいくつかの実施形態において、本発明の組成物は、水に添加または溶解してミクロスフェアとほぼ同様の比重を持つ溶液を形成する賦形剤 (例えば、水溶性増粘剤)をさらに含む。いくつかの実施形態において、増粘剤は、水に分散してポリスチレンミクロスフェアとほぼ同様の比重を持つ分散液を形成する。
【0031】
いくつかの実施形態において、ミクロスフェアは、ミクロスフェアの比重とほぼ同様の比重を持つ溶液を用いた場合、長期間にわたり、懸濁液または分散液中に残留する。前記改善された組成物を使用することにより、創傷治癒用組成物が正確に適用される。例えば、(確実にミクロスフェアが懸濁/分散されるように)創傷への適用の前に組成物を混合するという不可欠のステップを省くことができる。これは慢性創傷をもつ被検者の大部分、例えば、高齢の被検者にとって特に有利である。
【0032】
ある例示的な実施形態では、(i)約0.001重量%〜10重量%の負に帯電したポリスチレンミクロスフェア、(ii)約10重量%〜30重量%のグリセロール、グリセリン、それらの混合体または誘導体、および(iii)前記ミクロスフェアの担体としての水を含む、医薬組成物が提供される。
【0033】
いくつかの特定の実施形態によれば、本発明の組成物を調製する方法が提供される。 いくつかの実施形態において、該方法は以下の一般的なステップを含む:増粘剤を低張液(例えば、蒸留水またはWFI)に添加して、ミクロスフェアとほぼ同様の比重(例えば、1.02〜1.07g/cm
3の範囲)を持つ溶液を形成する;前記負に帯電したミクロスフェアを該溶液に添加する。
【0034】
いくつかの実施形態において、担体溶液を調製し、次いで該溶液にミクロスフェアを添加する。他のいくつかの実施形態において、溶液の比重を調節する前に、溶液にミクロスフェアを添加する。好ましくは、ミクロスフェアの添加前、および/または添加後に、担体溶液の比重を調節し、任意に検査する。当業者は、増粘剤の種類によって、担体溶液の調製には種々の混合時間枠が必要であることを理解するであろう。限定されない実施形態において、ミクロスフェアの添加前に、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも15分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、または少なくとも60分間、該増粘剤を添加し、混合する。
【0035】
いくつかの特定の実施形態において、本発明の組成物は、pHが約4〜約8、約4.5〜約7.5、または約5〜約7である。ある実施形態において、組成物は、pHが約4.5〜約5.5(例えば、5)である。別の一実施形態において、組成物は、pHが約6.5〜約7.5(例えば、7)である。
【0036】
典型的に、本発明の組成物および方法に用いられる水は、滅菌水である。いくつかの実施形態において、水は蒸留水である。ある例示的な実施形態では、該水は注射用水(WFI)である。
【0037】
注射用水(WFI)は、好適な溶質の添加後、静脈内投与のための単回用量用容器に入れられて市販されている無菌、非発熱性の蒸留水として、当該技術において公知である。WFIのpHは5.5(5.0〜7.0)であり、そのオスモル濃度は0である。
【0038】
「塩水溶液」は、約9グラムの塩化ナトリウム(NaCl)を1リットルの蒸留水に溶解させることによって得られる塩化ナトリウム溶液として、当該技術で公知である。
【0039】
本明細書において用いられる用語「低張」、「等張」および「高張」は、細胞の細胞質中の溶質濃度に対する濃度に関する。
【0040】
比重
比重とは、同体積の水の重量に対する、ある物質の重量を表す。典型的に、比重は25℃で測定される。例えば、水の比重は1である。本発明のいくつかの実施形態において、増粘剤を水担体に溶解して、好適な比重を持つ溶液を作成する。いくつかの特定の実施形態において、好適な比重は、本発明の組成物中のミクロスフェアの比重と同様である。ポリスチレンミクロスフェアの比重は、通常1.05の範囲である。いくつかの特定の実施形態において、水溶性増粘剤は、溶液安定化効果を有する。用語「溶液安定化効果」は、かなり長期間、懸濁液/分散液に残る(即ち、凝固しない)ミクロスフェアことを言うものとする。ここで使用される「かなり長期間」は、増粘剤を含まないミクロスフェアを含む組成物より少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%長い期間と関連する。ここで開示される前記溶液安定化効果は、少なくとも3か月間保たれる。
【0041】
いくつかの実施形態において、溶液が1.02〜1.07g/cm
3、特に1.03〜1.06g/cm
3、より特に1.04〜1.06g/cm
3の比重を持つように、十分な量の溶媒(即ち、水溶性増粘剤)を水に溶解する。増粘剤は、溶液の比重を組成物中のミクロスフェアの比重とほぼ同様の比重に変更し得るものであればよい。好適な作用物質としては有機溶媒と塩がある。水の比重を増加させる好適な有機溶媒としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールなどのグリコールがある。
【0042】
増粘剤およびそれらの比重の例は、限定されないが、グリセロール(25℃で1.129)、プロピレングリコール(25℃で1.036)、クエン酸(25℃で1.665)、グリセリン(25℃で1.263)、グリセリン50%水(20℃で1.13)、レゾルシノール(25℃で1.272)、PEG300(25℃で1.12〜1.13)、糖蜜(15.6℃で1.40〜1.49)、86.4ブリックス、84.4ブリックスおよび78.4ブリックスから選択されるコーンシロップ(15.6℃で1.405〜1.459)、60ブリックス、64ブリックス、68ブリックス、72ブリックス、74ブリックス、76ブリックスから選択されるスクロース(15.6℃で1.29〜1.39);グルコース(15.6℃で1.35〜1.44)、ソルビトール(20℃で1.29)、マンニトール(25℃で1.50)、マンニトール20%水(25℃で0.965〜1.070)、およびメルトデキストリン(meltodextrin)(25℃で2.95)である。
【0043】
さらに、増粘剤は、好適な体積で組成物中に存在し、望ましい範囲の比重(例えば、ミクロスフェアの比重とほぼ同様)を得る。例えば、限定されないが、増粘剤は、溶液のおよそ0.75〜75.0体積%、1〜50体積%、10〜35体積%、あるいは15〜25体積%である。いくつかの実施形態において、増粘剤は、溶液の少なくとも1体積%、少なくとも5体積%、少なくとも10体積%、少なくとも15体積%、少なくとも16体積%、少なくとも17体積%、少なくとも18体積%、少なくとも19体積%、少なくとも20体積%である。別の一実施形態では、増粘剤は、溶液の多くて50体積%、多くて40体積%、多くて35体積%、多くて34体積%、多くて33体積%、多くて32体積%、多くて31体積%、多くて30体積%、多くて29体積%、多くて28体積%、多くて27体積%、多くて26体積%、多くて25体積%である。ある例示的な実施形態では、増粘剤(例えば、グリセロール)は、溶液の約22体積%である。
【0044】
さらに別のいくつかの実施形態において、増粘剤は、組成物中のミクロスフェアが細胞膜との多点接触を形成する能力を妨げない。さらに別の一実施形態では、増粘剤は、該ミクロスフェアの負帯電を妨げない。いくつかの具体的な実施形態において、増粘剤は、非イオン性である。
【0045】
いくつかの実施形態において、担体の比重は、ミクロスフェアの比重の0.04以内である。別の一実施形態では、担体の比重は、ミクロスフェアの比重の0.03以内である。別の一実施形態では、担体の比重は、ミクロスフェアの比重の0.02以内である。さらに別の一実施形態では、担体の比重は、ミクロスフェアの比重の0.01以内である。「X」以内の比重とは、基準比重の−X〜+Xの間である。
【0046】
ここで使用される用語、ポリスチレンミクロスフェアの比重に対して「ほぼ同様」、「実質的に同一」または「実質的に等しい」とは、担体の比重をミクロスフェアの比重と類似させ、ミクロスフェアが懸濁液または分散液中に、(変更を加えない担体と比較して)より長期間存在するようにするようにした変更に関連する。例えば、ほぼ同様の比重は、基準比重の−0.04〜+0.04の幅、または基準比重の−0.03〜+0.03の幅、あるいは基準比重の−0.02〜+0.02の幅である。
【0047】
ミクロスフェア
本発明の組成物中のミクロスフェアは、いかなる薬剤または治療用物質をさらに添加または包含することなく、創傷の治癒を促進することができる。該ミクロスフェアは、治療効果を生み出すために、変質やその他の化学変化をせず、他の異なる有効成分の担体として単に機能するというよりはむしろ、本発明の組成物の有効成分であると考えられる。
【0048】
ある実施形態において、本発明のミクロスフェアは、細胞膜、例えば、外側の細胞膜との多点接触を形成する。別の一実施形態では、該ミクロスフェアは、治療期間中(すなわち、創傷が本質的に治癒されるまで)は、実質的に生分解性でない。さらに別の一実施形態では、該ミクロスフェアは、重大な化学変化または分解を起こすことなく創傷治癒を促進する。ミクロスフェアは、水性媒体に実質的に不溶であり、そのような媒体中では懸濁液または分散液を形成する。
【0049】
別の一実施形態では、該ミクロスフェアは、負に帯電した表面基を有する。典型的に、ミクロスフェアが担持する全体としての電荷は、ゼータマスター(ZetaMaster)(マルバーンインスツルメンツ(Malvern Instruments)社、英国)により、電気泳動移動度(mV)等による、Zまたはゼータ電位として測定してもよい。いくつかの実施形態において、用語「帯電した」とは、少なくとも約−1mV、少なくとも−10mV、または少なくとも約−20mVの値のZ電位を意味する。他のいくつかの実施形態において、負電荷の範囲は、−30mV〜約−80mVである。
【0050】
これらミクロスフェアの構造は、コアと、ミクロスフェアのコアの少なくとも外部に存在する、少なくとも一つの型の帯電した表面基とを含む。コアの好適な材料の例は、限定されないが、ポリスチレン、誘導体化ポリスチレン、ラテックス、ポリ-β-アラニン、ポリリジン、ポリ-N-エチル-4-ビニルピリジニウムブロミド、ポリメチルアクリレート(PMMA)およびシリコーンなどの長鎖ポリマーを含む。好ましくは、材料は、ポリスチレンおよび誘導体化ポリスチレンからなる群から選択される。表面基の例は、限定されないが、硫酸塩、ポリ-N-エチル-4-ビニルピリジニウムブロミド、プロタミン、硫酸プロタミン、プロタミン塩、ポリリジン、カルボキシル、ポリスチレン、および誘導体化ポリスチレンを含む。さらに好ましくは、表面基は、ポリスチレン、誘導体化ポリスチレン、ポリリジンおよびカルボキシルからなる群から選択される。これら表面基は、ミクロスフェアのコアの一部であってもよいし、あるいは長鎖ポリマーの誘導体化などの化学的方法によって後に付加してもよい。以下において、用語「誘導体化」とは、分子またはその一部を化学的に変更、修飾または変化させる工程を言うものとする。
【0051】
したがって、ミクロスフェアの構造は、2つの別個の要素である「コア」および「表面基」を含むが、これら要素のそれぞれの可能な種は重複する。例えば、ポリスチレンは、ミクロスフェアの表面基にもコア材料にもなり得る。
【0052】
当業者は、より一般的には「作用物質」と記載されるこれらミクロスフェアが、中実もしくは中空のビーズ、粒子または小球体であり得ることを理解するであろう。作用物質の形状は、球状もしくは楕円状のような規則的な形状、または規則的な非球形状であり得、あるいは粒子の形状は、その表面が単一の連続な曲線ではなく、あるいは該表面が平滑ではないような、不規則なものであり得る。さらに、作用物質は、異なるポリマーの混合物であり得、また異なるサイズの種々の粒子、ビーズまたは小球体の混合物でもあり得る。作用物質はまた異なるサイズの孔を持つこともできる。
【0053】
いくつかの特定の実施形態において、本発明のミクロスフェアは、カルボキシルもしくはアミノ表面基をもつ、または更なる表面基を持たないポリスチレンからなる。
【0054】
治療上の使用
いくつかの特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、それを必要とする被検者の創傷の治療に有用である。
【0055】
本発明の組成物を用いて、多種多様な創傷を治療することができ、創傷は、限定されないが、全層熱傷および部分熱傷、日焼け、凍傷;圧迫(褥瘡)潰瘍および静脈瘤性潰瘍、血流停止性潰瘍、および栄養障害性潰瘍等の潰瘍性病変;切断術、切開、環状切除および会陰切開等の外科手術手順に伴う創傷;外傷性および化膿性創傷;膣炎;子宮頚管炎;毛巣嚢胞創傷;病理学的な裂け傷および病理学的痔疾を含む。
【0056】
いくつかの特定の実施形態によれば、創傷は、正常な創傷修復力が低下した状態に関連する。典型的な実施形態によれば、創傷は、糖尿病等の状態に関連し、および/または、高齢患者、またはステロイド治療中もしくは化学治療中の患者において発生する。典型的な実施形態によれば、創傷は、本発明の別個の実施形態を表す、糖尿病性足潰瘍、神経病性前肢潰瘍を含む神経病性潰瘍、熱傷、糖尿病性圧迫潰瘍、または糖尿病性静脈性潰瘍;長期障害に伴う褥瘡または圧迫潰瘍からなる群から選択される。
【0057】
解剖学的に、本発明によって治療し得る組織は、限定されないが、皮膚および筋を含む。用語「被検者」は、いくつかの特定の実施形態において、哺乳類、好ましくは、ヒトを言うものとする。
【0058】
本発明の方法は、美容的に、例えば、顔の皮膚などの皮膚の切傷またはその他の創傷における、過度の瘢痕形成を防止し、またニキビを治療するために用いてもよい。美容的な意味において、「過度の瘢痕形成」は、美容的に望ましくない、または許容し得ない任意の瘢痕を包含する。
【0059】
ここで使用される用語「熱傷」は、熱、冷温、化学物質、電気、又は放射線照射作用によって引き起こされる、組織に対する傷害を言う。
【0060】
ここで使用される用語「慢性創傷」または「治癒困難な創傷」は、創傷の治癒が長引き、再発の傾向があるかもしれないという特徴的症状を持つ臨床状態を言うものとする。慢性創傷は通常、糖尿病、高齢の患者、運動能力が限定されている患者、またはステロイド治療中もしくは化学治療中の患者といった、正常な創傷治癒力が低下した状態に関連する。したがって、このような治癒の悪い創傷の患者は、典型的に、糖尿病性足潰瘍、神経病性前肢潰瘍を含む神経病性潰瘍、糖尿病性圧迫潰瘍、または糖尿病性静脈性潰瘍を含む糖尿病性潰瘍に苦しむ患者、ならびに運動能力が限定されている褥瘡に苦しむ患者である。褥瘡は通常何らかの理由で長期間1つの場所にとどまる人々が冒される状態である。
【0061】
ここで使用される用語「熱傷の重篤度」または「創傷の重篤度」は、熱傷または創傷を分類するために用いられる1以上のパラメータ、例えば、熱傷/創傷の程度、熱傷/創傷に冒されている全体表面積のパーセンテージ、および熱傷/創傷の深さなどを言う。
【0062】
創傷または熱傷の重篤度はそれぞれ、典型的にステージおよび度に分類される。
【0063】
ステージIの創傷は、目に見える皮膚の切り傷はない。しかしながら、創傷を覆う皮膚には、周りの領域とは著名な違いが認められ得る。この違いは、皮膚の温度、硬さ、または色の違いかもしれない。創傷はまた痛みや痒みを伴うかもしれない。ステージIIの創傷では、最上層の皮膚(表皮および真皮)が重篤である。排膿が認められるものもある。ステージIIIの創傷は、ステージIIの創傷より深い。それらは典型的に「脂肪」層(皮下)に及ぶが、それ以上には拡がっていない。壊死組織および排膿が認められるかもしれない。ステージIVの創傷は非常に重篤である。これら創傷は、骨や筋肉まで至ることを特徴とする。殆どの場合に壊死組織および排膿が認められる。このステージでは、創傷が感染していることも多い。
【0064】
I度の熱傷は、損傷した部分にある程度の紅斑および浮腫を認めるが、組織壊死や水疱形成はない。II度の熱傷は、真皮の部分に種々の破壊が生じ、水疱が形成される。そのような浅層熱傷の、再生による治癒には、二次感染を伴っていない場合は皮膚移植を要しない。III度の熱傷は、毛髪や汗腺といった付属皮膚構造の壊死を含む皮膚領域の完全な破壊が起こる。茶色がかった黒色の痂皮(乾燥したかさぶたもしくは脱皮)が破壊された組織に残る。深いIII度の熱傷は、IV度の熱傷と分類されることもあり、皮下脂肪の下の深層の筋膜および体の結合組織のレベルまたはその下まで破壊される。この重篤度の熱傷では 筋、骨、より深い神経、さらには臓器の損傷や破壊が認められることもある。
【0065】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、皮膚および皮下創傷を治療することができる。
【0066】
組成物の量および投与計画は、熱傷または創傷の種類および重篤度、ならびに年齢、性別、熟練医師により測定される一般的な健康状態を含む被検者のパラメータによって設定され、臨床治験において安全かつ有効であることが確立されるであろう。
【0067】
いくつかの特定の実施形態によれば、組成物は、1日1〜2回の投薬計画により治療部位に適用される。さらに別のいくつかの実施形態によれば、組成物は、一日おきまたは週2回、治療部位に適用される。投与の繰り返し回数は、初期創傷の重篤度によって決まることになる。
【0068】
用語「薬学的に許容し得る」は、動物およびさらに特にヒトでの使用について、連邦または州政府の規制局により承認されている、あるいは米国薬局方、欧州薬局方または他の一般的に認められている薬局方にリストされていることを意味する。用語「担体」は、それを用いてミクロスフェアが投与される希釈液、賦形剤、または分散媒を言うものとする。担体は、製剤に添加されたとき、好適な粘度を付与したり、製剤の形状を作る、ある程度不活性の物質である。
【0069】
本発明の組成物との関係で用いられる用語「有効量」は、意図する創傷治癒効果を達成するために十分な組成物の量を意味する。したがって、「ある有効量」は、非毒性であるが、ここに記載の熱傷または創傷の治療において治療結果を達成するために十分な組成物の量である。種々の生物学的要因や担体の特性が意図されたタスクを果たす物質の能力に影響を及ぼし得る。したがって、ある「有効量」または「治療的に有効な量」はそのような生物学的要因に依存するかもしれない。医療機器、製薬、機能性食品(nutraceuticai)、漢方薬、およびヘルスサイエンスの分野の当業者により適切に決定される。例えば、MeinerとTonascia, ’’Clinical Trials: Design, Conduct, and Analysis,’’ Monographs in Epidemiology and Biostatistics, Vol. 8 (1986)を参照されたい。本発明のいくつかの特定の態様によれば、用語「治療的有効量」は、創傷または熱傷の治癒を、皮膚組織の完全な治癒まで促進することができる量を意味する。
【0070】
ここで使用される、数値「X」の前におかれている用語「約」「同様」または「およそ」は、X−Xの10%からX+Xの10%の幅、好ましくは、X−Xの5%からX+Xの5%の幅を意味する。
【0071】
濃度、量、率、および他の数字データは、ここでは、単一の数字または範囲の形式で表示または提示され得る。範囲の形式は単に便宜上および簡潔化のために用いられるものであって、したがって、数値の範囲の限定として明確に記載された数値を含むのみならず、全ての個別の数値、または各数値および部分範囲が明確に記載されているかのように、その範囲の部分範囲を含むものであると柔軟に解釈されるべきである。
【0072】
以下の実施例は、本発明のいくつかの実施形態をより完全に説明するために提示するが、それらは決して、本発明の広い範囲を限定するものと解すべきではない。
【0073】
実施例
材料と方法
動物:11匹のスプレーグ・ドーリーラット(雌、250〜300g、ハーランラボラトリーズ(Harlan Laboratories)、エルサレム、イスラエル)
試験品目:0.025%ポリスチレンミクロスフェア注射用水(WFI)。
材料
麻酔混合物:1mLのケタミン(100mg/ml、フォート・ドッジアニマルヘルス(Fort Dodge Animal Health)、フォート・ドッジ、米国)、1mLのキシラジン(20mg/ml、ユーロペット(Europet))、および13mLの0.9%NaClの混合物。
無痛化剤:ブプリノルフィン(Buprinorphine)(0.3mg/ml、ベットマーケット(VetMarket)、ペタク・チクヴァ、イスラエル)。3.3mlのブプリノルフィンを1リットルの飲用水で希釈した。
0.025%ポリスチレンビーズの塩水。治療溶液を同じ白色のポリプロピレン点耳液15mL容器に供給した。
【0074】
創傷切開
ラットに番号を付し、別々のケージに入れ、食餌と水を自由摂取させた。ラットに麻酔をかけて、ドレッシングを交換した。
麻酔をかけたラットの背部を剃り、EtOH(70%)で滅菌した。その皮膚を伸ばし、ラットの背部側の2箇所に1×2cmの創傷を付けた。外科用メスとハサミで、筋膜(含まず)まで伸びる全層創傷を切開により作った。
各ラットの左右の創傷を、符号を付けた溶液(創傷部位を完全に覆うように4滴)で治療した。創傷をドレッシングした。実験中、ラットは、飲用水(ブプリノルフィン)で無痛状態にした。
【0075】
創傷治療
各ドレッシングを除去後、0日目および一日おきに創傷の写真を撮った。
画像分析ソフトを用いて創傷面積を測定した。各創傷の創傷治癒速度を下記式:
【数1】
(式中、面積t
0=最初の創傷面積、t
x=創傷後の時間)。
により計算した。
【0076】
実施例1
ポリスチレンミクロスフェアの注射用水(WFI)または塩水で治療した創傷の創傷閉鎖速度
塩水またはミクロスフェアの塩水溶液で治療した創傷の創傷閉鎖速度と、ポリスチレンミクロスフェアのWFIで治療した創傷とを比較した。実験は、上記詳述した手順に従い、ソロカ医療センター(Soroka Medical Center)で行った。
【0077】
創傷治癒試験(創傷閉鎖速度)
ラットに麻酔をかけ、背部側に全層創傷を作製した(0日目)。各動物に対して、左側創傷に、5μmの、負に帯電したミクロスフェアを懸濁させたWFIを適用し、右側創傷に塩水を適用した。第2の試験セットでは、左側創傷に、5μmの、ポリスチレンミクロスフェアを懸濁させた塩水を適用し、右側創傷に、5μmの、ポリスチレンミクロスフェアを懸濁させたWFIを適用した。創傷をガーゼ、Kerlexロール、およびドレッシングネットでドレッシングした。一日おきにラットに麻酔をかけ、写真を撮り、治療し、ドレッシングした。Xは、ラットが死んだことを示す。
【0078】
図1は、14日目までの創傷閉鎖の経過観察を示す。
図2Aは、ポリスチレンミクロスフェアのWFIで治療した創傷と塩水で治療した創傷の治癒カイネティクスの比較を表す。50%治癒時間の平均は、Prism 5ソフトウェアを用いて、グラフに記載の非線形回帰(三次多項式)により外挿計算した(点線に該当)。塩水で治療した創傷は、6.23日目に50%の創傷閉鎖に達したが(95%CI、5.59〜6.84)、一方、ポリスチレンビーズのWFIで治療した創傷は、5.31日目に50%の創傷閉鎖に達した(95%CI、4.71〜5.89)。この差は、統計学的に有意である。p=0.0476(対応のあるt検定)またはp=0.0476(符号順位検定)。
【0079】
図2Bは、ポリスチレンミクロスフェアのWFIとミクロスフェアの塩水溶液の治癒カイネティクスの比較を表す。ポリスチレンミクロスフェアのWFIで治療した創傷は、6.62日目に50%の創傷閉鎖に達した(95%CI、6.01〜7.21)が、一方、ポリスチレンミクロスフェアの塩水溶液で治療した創傷は、7.42日目に50%の創傷閉鎖に達した(95%CI、6.97〜7.88)。
【0080】
実施例1は、意外にも、ポリスチレンミクロスフェアを懸濁させたWFIが、創傷の治療および洗浄のケアの標準と考えられている塩水に懸濁させたミクロスフェアまたは塩水のみの場合と比較して、創傷閉鎖において有意に高い活性を実証したことを示している。
【0081】
実施例2
ポリスチレンミクロスフェア水溶液をベースとした製剤の適用後の創傷閉鎖速度のin vivo評価
この研究の目的は、ポリスチレンミクロスフェアを懸濁させたWFI(0.025%)および22%グリセロールの3つの別個の製剤:(i)pHを調節していない製剤;ii)pH5に調節した製剤;および(iii)pH7に調節した製剤の多数回適用後の創傷閉鎖速度を評価することであった。ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に懸濁させた負に帯電したミクロスフェア(5μm)を含む製剤を陽性対照として使用した。
【0082】
研究を始める前に、製剤の安定性を試験した。そして、ミクロスフェアの凝集や沈降が生ずることなく、少なくとも3か月安定であることが分かった。さらにこの期間中、有意なpH変化も観察されなかった。
【0083】
スプレーグ・ドーリーラットに誘発した全層創傷を、塩水またはポリスチレンビーズのWFIを多数回適用することによって治療した。14日目まで創傷閉鎖を経過観察した。創傷治癒速度は、最初の創傷面積からの%差として計算した。
【0084】
ポリスチレンビーズのWFIおよび22%グリセロールを含む製剤(i)は、7.47日目に50%の創傷閉鎖に達し(95%CI、6.98〜7.97)、一方、対照製剤で治療した創傷は、7.50日目に50%の創傷閉鎖に達した(95%CI、7.07〜7.94)(
図3)。この結果から、ポリスチレンミクロスフェアを懸濁させたWFIおよび22%グリセロールは、陽性対照と比較した場合、創傷閉鎖について同一の有効性を示すことがわかる。
【0085】
ポリスチレンビーズのWFIおよび22%グリセロール(pH5)を含む製剤(ii)は、6.5日目に50%の創傷閉鎖に達した(95%CI、5.93〜7.06)、一方、対照で治療した創傷は、7.03日目に50%の創傷閉鎖に達した(95%CI、6.57〜7.50)(
図4)。統計学によれば、この差は、統計学的に有意である。p=0.048(対応のあるt検定)。この結果から、ポリスチレンミクロスフェアを懸濁させたWFIおよび22%グリセロール(pH5)は、創傷閉鎖について、DMEM中に懸濁させたポリスチレンミクロスフェアに比べて優れた有効性を示すことがわかる。
【0086】
ポリスチレンビーズのWFIおよび22%グリセロール(pH7)を含む製剤(iii)は、6.95日目に50%の創傷閉鎖に達した(95%CI、6.38〜7.50)、一方、対照で治療した創傷は、7.95日目に50%の創傷閉鎖に達した(95%CI、7.51〜8.41)(
図5)。統計学によれば、この差は統計学的有意差ではない。p=0.0720(対応のあるt検定)。この結果から、ポリスチレンミクロスフェアを懸濁させたWFIおよび22%グリセロール(pH7)は、創傷閉鎖について、DMEM中に懸濁させたポリスチレンミクロスフェアと比べて同様の有効性を示すことがわかる。
【0087】
特定の実施形態の説明により、本発明の一般的性質が完全に明らかになり、他の人も、現在の知識を応用することにより、過渡の実験をすることなく、一般的概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態を種々の応用に合わせて容易に修正し、および/または適合させることができるだろう。したがって、このような適合および修正は、開示されているいくつかの実施形態の均等物の意味および範囲内にあると解されるべきであり、またそのように解されることが意図されている。本明細書で採用した語句や表現または専門用語は、説明を目的とするものであり、制限することを目的としているものでないことが理解される。開示されている種々の機能を行うための手段、材料およびステップは、本発明から離れずに、種々の代替する形式をとってもよい。