(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104402
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】流体機械
(51)【国際特許分類】
F04D 5/00 20060101AFI20170316BHJP
F04D 23/00 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
F04D5/00 G
F04D23/00 E
【請求項の数】4
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-545740(P2015-545740)
(86)(22)【出願日】2013年11月28日
(65)【公表番号】特表2015-536414(P2015-536414A)
(43)【公表日】2015年12月21日
(86)【国際出願番号】EP2013074990
(87)【国際公開番号】WO2014086658
(87)【国際公開日】20140612
【審査請求日】2015年7月23日
(31)【優先権主張番号】102012222336.3
(32)【優先日】2012年12月5日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】クラウス−ヴェアナー ベンダー
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ケプラー
【審査官】
田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−167089(JP,A)
【文献】
特開2005−214106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 5/00
F04D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
該ハウジング内に配置されていて、ステータと、軸に配置されたロータとを有する電動モータと、
軸により駆動され、ポンプハウジング内に配置されていて、少なくとも1つの環列を成す複数の羽根室を画定する複数の回転羽根を備えた少なくとも1つの羽根車と、
ポンプハウジング内に配置されていて、それぞれ1つの環列を成す羽根室に向かい合って位置していて、ポンプ入口からポンプ出口にまで延びるサイドチャンネルと
を備えた流体機械において、
サイドチャンネル(12)の終端部で、サイドチャンネル(12)の半径方向内側の半部(18)に、チャンネル底部(17)を始点として流れ方向でポンプハウジング壁(16)の高さにまで上昇する傾斜路(15)が配置されており、
サイドチャンネル(12)が、その半径方向外側に位置する半部(19)で、ポンプ出口(14)に移行している
ことを特徴とする、流体機械。
【請求項2】
傾斜路(15)の表面が、羽根車(6)の方向に凸状に湾曲させられている、請求項1記載の流体機械。
【請求項3】
傾斜路(15)が、サイドチャンネル長さの10%〜50%にわたって延びている、請求項1記載の流体機械。
【請求項4】
ポンプ出口(14)へのサイドチャンネル(12)の開口が、流れ方向で見て、傾斜路(15)の下流側に続いている、請求項1から3までのいずれか1項記載の流体機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、ハウジングと、該ハウジング内に配置されていて、ステータと、軸に配置されたロータとを有する電動モータと、軸により駆動され、ポンプハウジング内に配置されていて、少なくとも1つの環列を成す複数の羽根室を画定する複数の回転羽根を備えた少なくとも1つの羽根車と、ポンプハウジング内に配置されていて、それぞれ1つの環列を成す羽根室に向かい合って位置していて、ポンプ入口からポンプ出口にまで延びるサイドチャンネルとを備えた流体機械である。
【0002】
このような流体機械は従来公知であり、液体、特に燃料を圧送するかまたはガス、特に空気を圧送するために使用される。圧送すべき媒体は、ポンプ入口を介して吸い込まれ、サイドチャンネルと羽根室とを介してポンプ出口に圧送される。その際、サイドチャンネルと羽根室との間で流れが循環する。移送時に循環流れ内でまたは循環流れによって流れ損失が生じてしまうことは好ましくない。
【0003】
したがって、本発明の課題は、流れ損失が従来よりも少ない流体機械を提供することである。
【0004】
この課題は、サイドチャンネルの終端部で、サイドチャンネルの半径方向内側の半部に、チャンネル底部を始点として流れ方向でポンプハウジング壁の高さにまで上昇する傾斜路が配置されており、サイドチャンネルが、その半径方向外側に位置する半部で、ポンプ出口に移行していることによって解決される。
【0005】
傾斜路を配置することによって、循環流れの、サイドチャンネル内に流入する部分が逸らされる。同時に、循環流れの、サイドチャンネルから流出する部分だけが、ポンプ出口に達する。なぜならば、サイドチャンネルが、その半径方向外側に位置する半部でしか、ポンプ出口に移行していないからである。流れの、ポンプ出口に流れ込む部分の選択と、その他の部分の逸らしとによって、全体的に改善された流れ状況を達成することができ、その結果、この流れ状況によって、流れ損失がほとんど発生しなくなり、ひいては、流体機械の効率が改善される。さらに、ポンプ出口への移行部が、従来よりも小さな横断面を有している。これによって、圧送すべき媒体の更なる増圧が達成される。更なる利点は、構造的な手段によって付加的なコストが生じないので、コストを変えずに、特性が改善された流体機械を製造することができる点にある。
【0006】
傾斜路の表面が、羽根車の方向に凸状に湾曲させられていると、部分流れの確実な逸らしが達成されることが判った。
【0007】
幾何学的な寸法と圧力状況とに関連して、サイドチャンネル長さの10%〜50%の傾斜路の長さが判明した。
【0008】
ポンプ出口へのサイドチャンネルの開口が、流れ方向で見て、傾斜路の下流側に続いている限り、部分流れが良好に逸らされ、次いで、ポンプ出口にオーバフローする。
【0009】
別の態様によれば、傾斜路の配置と、ポンプ出口へのサイドチャンネルの開口とが、流れ方向で見て、互いに重なり合うように、傾斜路が流れ方向にずらされることによって、延長された有効なサイドチャンネル長さが達成される。
【0010】
サイドチャンネルからポンプ出口への移行時に渦流が形成される場合、この渦流は、ポンプ出口へのサイドチャンネルの開口の直径が、ポンプ出口のより大きな直径へと流れ方向でなだらかに拡径されていることによって、最小限に抑えることができる。横断面増加によって、流れの沈静化が生じる。その際、ほんの僅かな圧力損失は無視することができる。
【0011】
本発明を1つの実施の形態において詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】サイドチャンネルの出口領域を示す図である。
【0013】
図1に示した流体機械は、ハウジング1を有している。このハウジング1内には、電動モータ2が配置されている。この電動モータ2は、ステータ3と、軸5に配置されたロータ4とを有している。軸5は、羽根車6を駆動する。この羽根車6は、ポンプハウジング7内に配置されている。このポンプハウジング7は、スペーサリング10により互いに間隔を置いて配置されたポンプ底部8とポンプカバー9とから成っている。羽根車6は、ポンプカバー9に向けられた面に、1つの環列を成す複数の羽根室を画定する複数の回転羽根を有している。ポンプハウジング7のポンプカバー9には、環列を成す羽根室に向かい合って、サイドチャンネル12が対応配置されている。このサイドチャンネル12は、ポンプ入口13からポンプ出口14にまで延びている。このポンプ入口13とポンプ出口14とは、共にポンプカバー9に配置されている。ポンプ入口13とポンプ出口14とは、通常、相並んで位置しており、図面では、より見やすくするために、共に位置をずらしてあるにすぎない。羽根室とサイドチャンネル12とは、それぞれ半円形の横断面を有している。羽根室とサイドチャンネル12とに形成される循環流れは、矢印によって図示してある。
【0014】
図2には、ポンプハウジング7のポンプカバー9から一部抜粋したことにより、ポンプ出口14を含むサイドチャンネル12が、別個の構成部分の形態で示してある。ハッチングした面は、半円形のチャンネル横断面を示している。サイドチャンネル12の終端部では、このサイドチャンネル12の半径方向内側の半部18に、傾斜路15が配置されている。この傾斜路15は、チャンネル底部17を始点として流れ方向でポンプハウジング壁16の高さにまで上昇している。傾斜路15は、羽根車(図示せず)の方向に凹状に湾曲させられている。サイドチャンネル12は、その半径方向外側に位置する半部19で、ポンプ出口14に移行している。傾斜路15と、ポンプ出口14へのサイドチャンネル12の開口とは、流れ方向で見て、互いに重なり合って配置されている。サイドチャンネル12には、流れ方向でストリッパ20が続いており、次いで、ポンプ入口(図示せず)が続いている。