(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の制御パラメータ検出方法を含み、上記エレベーター群管理システムの運行をシミュレーションするエレベーター群管理シミュレーション方法であって、
上記制御パラメータの設定値を検出するステップにおいて検出された制御パラメータの設定値を制御モード毎のルックアップテーブルとして格納するステップと、
乗客の発生状況を示す乗客流データと上記ルックアップテーブルとに基づいて運行シミュレーションを実行するステップとを含むことを特徴とするエレベーター群管理シミュレーション方法。
複数のかごを備えた既設のエレベーター群管理システムの運行をシミュレーションするエレベーター群管理シミュレーション装置のために設けられ、上記複数のかごを一括管理するための制御パラメータの、制御モード毎の設定値を検出する制御パラメータ検出装置であって、
上記複数のかごの動作に係る動作履歴データを格納する動作履歴データ記憶手段と、
上記動作履歴データに基づいて、上記エレベーター群管理システムの制御モードが移行した時点を検出する制御モード移行時点検出部と、
上記動作履歴データに基づいて、上記検出された制御モードが移行した時点と次の移行した時点との間の時間期間別の制御パラメータの設定値を、当該検出された制御モードにおける設定値として検出する制御パラメータ検出部とを備えたことを特徴とする制御パラメータ検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施の形態において、同様の構成要素については同一の符号を付して説明は省略する。
【0011】
第1の実施の形態.
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1及びエレベーター群管理システム100の構成を示すブロック図である。
図1において、エレベーター群管理シミュレーションシステムは、既設のエレベーター群管理システム100の現状の動作を模擬する運行シミュレーションを実行してシミュレーション結果を出力するためのエレベーター群管理シミュレーション装置1と、エレベーター群管理システム100とを備えて構成される。また、エレベーター群管理システム100は、モータ21aと駆動シーブ21bとを有する駆動装置21と、当該駆動シーブ21bに掛けられた主ロープ23によって吊り下げられ、当該モータ21aの駆動力によって昇降路内を昇降するかご24及び釣合おもり22と、当該かご24に搭載された、当該かご24内の重量であるかご内負荷を検出する秤装置26と、各かご24を運転制御するかご制御装置20と、複数のかご24の動作を一括管理する群管理制御部13とを備えて構成される。また、各かご24には、乗客が行き先階を登録しもしくは戸の開閉を行うためのかご操作盤25が搭載されている。さらに、エレベーター群管理システム100は、各階の乗場毎に、乗客が各階及び方向別にかご24を呼ぶための乗場呼びボタン30と、当該乗場呼びボタン30に接続された各階の乗場機器を制御する乗場制御装置31とを備えて構成される。ここで、乗客は、各階及び方向別に乗場呼びボタン30を押すことによって乗場呼びを登録し、登録された階(登録階)及び登録された方向(登録方向)にかご24を移動させる。
【0012】
図1において、エレベーター群管理シミュレーション装置1は、例えば乗客が発生する時刻などの乗客の発生状況を示す乗客流データを格納するための乗客流データメモリ15と、各かご24の動作履歴データを格納するための動作履歴データメモリ14と、群管理制御部13の制御パラメータの現在の設定値を各かご24の動作履歴データに基づいて検出する群管理制御パラメータ検出装置10と、検出された制御パラメータを制御モード毎のルックアップテーブルとして格納するテーブル記憶手段であるテーブルメモリ11と、乗客流データ及びルックアップテーブルに格納された制御パラメータデータに基づいて、運行シミュレーションを実行するシミュレーション部16と、シミュレーション結果を表示するための表示部17とを備えて構成される。また、群管理制御パラメータ検出装置10は、エレベーター群管理システム100の制御モードが移行した時点を検出する制御モード移行時点検出部10Aと、同じ制御モードが継続している時間期間毎に、当該時間期間における制御パラメータを検出する群管理制御パラメータ検出部10Bとを備えて構成される。詳細には、群管理制御パラメータ検出装置10は、複数のかご24と、各かご24を運転制御するかご制御装置20とを備えたエレベーター群管理システム100の運行をシミュレーションするエレベーター群管理シミュレーション装置1のために設けられ、複数のかご24を一括管理するための制御パラメータの設定値を検出する。なお、本明細書において、制御パラメータの設定値を検出するとは、制御パラメータの現在の設定値を推定することを意味している。
【0013】
図1において、かご制御装置20は、かご24毎に設けられた駆動装置21に接続され、群管理制御部13からの制御信号に基づいて駆動装置21を制御してかご24を乗場呼びが登録された階(登録階)に向かって上方向もしくは下方向に移動させる。また、かご制御装置20は、各かご24毎に搭載された秤装置26によって検出されたかご内負荷データと、各かご24の位置を示すデータと、各かご24の戸の開閉を示すデータと、乗客によるかご操作盤25の操作を示すデータとを含むかごデータを生成し、当該かごデータを群管理制御部13に送信する。また、乗場制御装置31は、乗客による乗場呼びボタン30の操作を示す乗場データを生成し、当該乗場データを群管理制御部13に送信する。すなわち、かご制御装置20は、かご24毎に設けられ、乗客が行先の階床を設定したことに応答してかご24の動作を制御し、さらに、かご24の動作に係るかごデータを生成するかご制御手段である。
【0014】
群管理制御部13は、乗場制御装置31から乗場呼びがあったことを示す信号を受信すると、登録階及び登録方向の乗場呼びに対して最適なかご24を割り当て、当該かご24を登録階に移動させる。詳細には、群管理制御部13は、各乗場制御装置31から乗場呼びがあったことを示す信号と各かご制御装置20からのかごデータとに基づいて、各かご24を制御する制御信号を生成し、当該制御信号をかご制御装置20にそれぞれ出力し、登録階に移動させるかご24を制御する群管理制御手段である。また、群管理制御部13は、各かご制御装置20からのかごデータと、乗場制御装置31からの乗場データとを時系列に蓄積し、当該蓄積されたかごデータ及び乗場データを動作履歴データとして動作履歴データメモリ14に出力する。ここで、動作履歴データメモリ14は、動作履歴データを格納する動作履歴データ記憶手段である。
【0015】
制御モード移行時点検出部10Aは、動作履歴データメモリ14に格納される動作履歴データ14に基づいて、群管理制御部13における複数のかご24を一括管理する制御モードが移行した時点をすべて検出すると、移行時点抽出完了信号を生成し、当該移行時点抽出完了信号を群管理制御パラメータ検出部10Bに出力する。また、群管理制御パラメータ検出部10Bは、制御モード移行時点検出部10Aから移行時点抽出完了信号を受信すると、動作履歴データメモリ14に格納される動作履歴データに基づいて、各移行時点の時刻での制御パラメータをそれぞれ検出し、当該検出された制御パラメータをルックアップテーブルとしてテーブルメモリ11に出力する。すなわち、群管理制御パラメータ検出部10Bは、動作履歴データに基づいて、検出された制御モードが移行した時点と次の移行した時点との間の時間期間の制御パラメータの設定値を検出する制御パラメータ検出部である。
【0016】
シミュレーション部16は、乗客流データメモリ15からの乗客が発生する時刻を示す乗客流データに基づいて、当該時刻に対応する時間期間別の制御パラメータをルックアップテーブルからそれぞれ抽出して、当該抽出された制御パラメータを用いて運行シミュレーションを実行し、当該シミュレーション結果を表示部17に出力する。表示部17は、シミュレーション部
16からのシミュレーション結果を表示する。ここで、シミュレーション結果は、例えば乗客の平均待ち時間や、待ち時間が所定時間を超えた乗客の割合などの運行効率に関する指標などでもよく、もしくは各かご24の位置の推移や、各階の乗場でのかご24の到着を待つ乗客数の推移であってもよい。
【0017】
以上のように構成された第1の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1の動作について以下に説明する。
【0018】
図2は、
図1のエレベーター群管理シミュレーション装置1により実行される運行シミュレーション実行処理を示すフローチャートである。
図2のステップS1では、制御モード移行時点検出部10Aがエレベーター群管理システム100の制御モードが変更する時点である制御モード移行時点を検出する。次に、ステップS2では、群管理制御パラメータ検出部10Bが、移行時点の時刻での制御モードにおいて設定された制御パラメータの検出処理を実行する。次に、ステップS3では、検出された制御モード毎の制御パラメータをルックアップテーブルとしてテーブルメモリ11に格納する。次に、シミュレーション部16が、乗客流データメモリ15から乗客流データを読み出し(ステップS4)、当該読み出された乗客流データにおける乗客毎の発生時刻に対応する制御パラメータをルックアップテーブルからそれぞれ抽出して、当該抽出された制御パラメータを用いて運行シミュレーションを実行し(ステップS5)、当該シミュレーション結果を表示部17に表示する(ステップS6)。
【0019】
図3は、
図2のステップS4における乗客流データの一例を示す表である。乗客流データは、乗客毎の発生時刻すなわち乗場に現れる時刻、乗車階、及び降車階を示し、シミュレーション部16は当該乗客流データに従ってシミュレーション上の乗客を発生させてエレベーター群管理システム100の運行シミュレーションを実行する。
【0020】
図4は、
図2のステップS2の制御パラメータ検出処理を詳細に示すフローチャートである。ここで、
図1のエレベーター群管理システム100の複数のかご24を一括管理する制御モードは、1日を一区切りとして、時刻に応じて異なる制御モードが設定され、制御モード毎に制御パラメータが設定される。従って、群管理制御パラメータ検出装置10は、動作履歴データメモリ14に格納される動作履歴データを1日毎に分割し、1日毎の動作履歴データについて、制御モードが移行した時点と、同じ制御モードが継続している時間期間毎の制御パラメータの設定値とを検出する。
【0021】
図5Aは、
図1の群管理制御部13による時間期間別の制御モードの一例を示す図である。また、
図5Bは、
図5Aの各制御モード毎の制御パラメータの設定値の一例を示す図である。
図5Aに示す例では、時間期間0:00〜8:00は制御モード1、時間期間8:00〜9:00は制御モード2、時間期間9:00〜12:00は制御モード3、時間期間12:00〜13:00は制御モード4、時間期間13:00〜24:00は制御モード5を設定している。また、
図5Bに示す例では、各制御モード毎の制御パラメータとして、配車階と配車台数、配車台数のうちの戸開台数、かご24毎のサービスカット階、出発調整階と出発調整時間をそれぞれ設定する。ここで、配車階は、かご内に乗客がおらず、かつ、乗場呼びに割り当てられていないかご24の一部または全部を、自動的に配車する階を示す。配車階は複数設定される場合もある。配車台数は、各配車階に配車するかご24の台数を示す。配車台数のうちの戸開台数は、配車台数のうち、自動的に戸開する台数を示す。また、サービスカット階は、かご24を停止させない階を示す。乗客は、サービスカット階での乗場呼びの登録はできず、行き先階としてサービスカット階を登録することもできない。さらに、出発調整とは、かご24が階に到着後、所定時間、かご操作盤による戸閉操作を無効とすることである。またさらに、出発調整階は、出発調整が行われる階を示し、出発調整時間は、出発調整階にかご24が到着後、かご操作盤による戸閉操作を無効とする時間期間を示す。
【0022】
図4において、ステップS21では、制御モード移行時点検出部10Aから移行時点抽出完了信号を受信したかどうかを判定する。ステップS21において移行時点抽出完了信号を受信しない場合はステップS21に戻り、移行時点抽出完了信号を受信するまでこの判定ステップは継続する。ステップS21において移行時点抽出完了信号を受信した場合は、群管理制御パラメータ検出部10Bにより、同じ制御モードが継続している時間期間毎に設定された制御パラメータを検出し(ステップS22)、制御パラメータ検出処理S2は終了する。
【0023】
図6は、
図1の制御モード移行時点検出部10Aによる制御モード移行時点の検出結果の一例を示す図である。1日毎の動作履歴データについて、エレベーター群管理システム100が開始する時刻をデータ開始時刻tSとし、エレベーター群管理システム100が終了する時刻をデータ終了時刻tEとする。また、制御モード移行時点検出部10Aが移行時点を検出した時点の時刻を早い順にt1、t2、…、tn(nは検出した移行時点の個数)とする。そして、時刻tSから時刻t1までの時間期間をT1、時刻t1から時刻t2までの時間期間をT2、…、時刻tnから時刻tEまでの時間期間をTn+1とする。すなわち、ステップS22において、時間期間T1、時間期間T2、…、時間期間Tn+1の各時間期間における制御パラメータの設定値がそれぞれ検出される。ここで、検出する制御パラメータは、例えば、配車階と配車台数、配車台数のうちの戸開台数、かご24毎のサービスカット階、出発調整階と出発調整時間などとする。これらのすべての制御パラメータの設定値を検出してもよいし、一部の制御パラメータの設定値を検出してもよい。
【0024】
以下、制御モード移行時点の検出方法について説明する。
【0025】
エレベーター群管理システム100は、時間帯毎に交通需要が異なるので、異なる交通需要に合わせるように複数のかご24を一括管理する制御モードを変更して動作する。従って、時間帯毎の異なる交通需要に合わせて複数のかご24を適切に制御することができる。例えば、主階床から上り方向へ行く交通需要が大きい時間帯では、主階床への配車台数が多くなるように制御パラメータを設定した制御モードを適用する。また、ある階から下り方向へ行く交通需要が大きい時間帯では、当該階への配車台数が多くなるように制御パラメータを設定した制御モードを適用する。あるいは、全体的に交通需要が小さい時間帯では、分散して配車するように制御パラメータを設定した制御モードを適用する。ここで、制御モード移行時点は、動作履歴データメモリ14に含まれる各かご24のかご位置の履歴データに基づいて検出することができる。詳細には、各階における単位時間あたりのかご24の停止回数及び停止時間を算出し、ある階においてそれらが所定の大きさ以上変化した時点を、制御モードが移行した時点として検出する。なお、制御モード移行時点は、かご位置の履歴データに動作履歴データメモリ14に含まれる他のデータを付加した複数のデータに基づいて検出するようにしてもよい。
【0026】
次に、時間期間Ti(iは1、2、…、n+1)における各制御パラメータの設定値の検出方法について以下に説明する。
【0027】
配車階と配車台数は、動作履歴データメモリ14に格納される各かご位置の履歴データに基づいて検出する。例えば、時間期間Tiにおける、各階に停止しているかご24の台数の推移を算出し、ある階において特定の台数が停止している時間の累積が所定の時間より長ければ、当該階を配車階とし、当該停止台数を配車台数とする。
【0028】
また、配車台数のうちの戸開台数は、動作履歴データメモリ14に含まれる各かご位置の履歴データと戸の開閉の履歴データに基づいて検出する。例えば、時間期間Ti中の、配車階に配車台数分のかご24が停止している状況において、戸開しているかご24の台数を、配車台数のうちの戸開台数とする。配車階が複数ある場合は、各々の配車階について算出する。
【0029】
さらに、各かご24毎のサービスカット階は、動作履歴データメモリ14に含まれる各かご位置の履歴データに基づいて検出する。例えば、各かご24毎に、時間期間Ti中の階別の停止回数と、時間期間Ti以外の時間期間中の階別の停止回数を算出する。その結果、時間期間Ti中の停止回数が0回で、かつ、時間期間Ti以外の時間期間中の停止回数が0回でない階があれば、その階を当該かご24のサービスカット階とする。
【0030】
またさらに、出発調整階と出発調整時間は、動作履歴データメモリ14に含まれる各かご位置の履歴データと戸の開閉の履歴データとに基づいて検出する。例えば、時間期間Ti中の各階における各かご24の戸が開いている時間期間を算出し、その時間期間の長さが一定である階があれば、当該階を出発調整階とし、当該時間期間の長さを出発調整時間とする。
【0031】
以上のような本実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1によれば、群管理制御における時間期間別の制御モード、及び、制御モード毎の制御パラメータの現在の設定値を、かご24の動作履歴データに基づいて検出するようにしたので、容易に精度良く制御パラメータの設定値を検出することができる。
【0032】
また、本実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1によれば、群管理システム、または、かご制御装置や乗場制御装置から得られる動作履歴データに基づいて、稼働中のエレベーター群管理システム100の制御パラメータの現在の設定値を検出するようにしたので、エレベーター群管理システム100に追加装置を設置することなく、制御パラメータの設定値を検出することができる。
【0033】
また、本実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1によれば、群管理制御の性能(運行効率)への影響が大きい制御パラメータである配車階と配車台数、配車台数のうちの戸開台数、かご24毎のサービスカット階、及び出発調整階と出発調整時間の現在の設定値を検出することができるので、稼働中のエレベーター群管理システム100の実際の性能に即したシミュレーション結果を得ることができる。
【0034】
さらに、本実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1によれば、制御パラメータの現在の設定値をかご24の動作履歴データに基づいて検出し、検出した設定値を入力として群管理シミュレーションを実行するので、現在の設定値を示すデータを別途作成しなくとも稼働中のエレベーター群管理システム100の実際の性能に即したシミュレーション結果を得ることができる。さらに、現在の設定値の一部または全部が不明の場合でも、稼働中のエレベーター群管理システム100の実際の性能に即したシミュレーション結果を得ることができる。
【0035】
なお、上述した実施の形態では、かご制御装置20により作成されたかごデータ及び乗場制御装置31により作成された乗場データは群管理制御部13を介して動作履歴データメモリ14に格納されるが、本発明はこれに限らず、当該かごデータ及び当該乗場データを群管理制御部13を介さず直接的に動作履歴データメモリ14に格納するようにしてもよい。
【0036】
また、上述した実施の形態では、乗客流データ及び制御パラメータの設定値データに基づいてシミュレーションを実行したが、本発明はこれに限らず、これらのデータに例えばかご24の台数、かご24の停止階床数、及びエレベーター群管理システム100の仕様に関する情報などのデータを付加することにより、さらに精度の高いシミュレーションを実行することができる。この場合は、それらの情報を入力する手段をエレベーター群管理シミュレーション装置1にさらに設ける必要がある。
【0037】
本実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1は、既設のエレベーター群管理システム100で制御パラメータの現状の設定値を群管理制御部13から直接得ることができない場合に使用することを想定する。また、例えば、既設のエレベーター群管理システム100が古く、制御パラメータの設定値に関する情報が残っていない場合など、制御パラメータの現状の設定値が不明な場合に使用することを想定する。
【0038】
本実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1を使用することにより、制御パラメータの現在の設定値を群管理制御部13から直接得ることができなくても、かご24の動作履歴データに基づいて推定できるので、当該既設のエレベーター群管理システム100の現状の設定での性能評価を行うことができる。さらに、複数の異なる乗客流データを用いることにより、当該既設のエレベーター群管理システム100の現状の設定での、様々な交通需要状況における性能評価を行うことができる。
【0039】
また、本実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1において、エレベーター群管理システム100が学習機能を備え、動作履歴に応じて最適な制御パラメータを自動的に求め、動的に設定するように構成することもできる。群管理制御部13は、動作履歴データを動作履歴データメモリ14に出力するとともに、動作履歴データに応じて最適な制御パラメータを求める。さらに、群管理制御部13は、求められた制御パラメータに基づいて、各かご24を制御する制御信号を生成する。このように構成されたエレベーター群管理システム100においては、最適な制御パラメータが動的に設定されるため、制御パラメータの現在の設定値が外部からは不明となる。このような場合においても、本実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1によれば、制御パラメータの現在の設定値を推定することができ、推定した設定値に基づいた性能評価を行うことが可能となる。したがって、動的に設定された制御パラメータの設定値が、適切なものか否かを確認することが可能となる。
【0040】
なお、本実施の形態では、シミュレーションに必要な制御パラメータと、既設のエレベーター群管理システム100で用いられている制御パラメータとが同一である場合を想定しているが、これらのパラメータが必ずしも同一とは限らない。シミュレーションに必要な制御パラメータと、既設のエレベーター群管理システム100で用いられている制御パラメータとが異なるような場合には、制御パラメータの設定値も異なることとなるが、この場合でも、既設のエレベーター群管理システム100の実際に即した動作をシミュレーション可能な設定値が取得できればよい。
【0041】
第2の実施の形態.
第1の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1は、当該エレベーター群管理シミュレーション装置1において使用される動作履歴データのうちのかごデータをかご制御装置20により作成される場合について説明したが、本発明はこれに限らず、当該かごデータが、各かご24に設置される例えば加速度センサ及びレーザスキャンセンサなどの計測装置から取得されてもよい。
【0042】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1A及びエレベーター群管理システム100の構成を示すブロック図である。
図7のエレベーター群管理シミュレーション装置1Aは、
図1のエレベーター群管理シミュレーション装置1に比較して、動作履歴データメモリ14の代わりに各かご24に設置される加速度センサ27からのかご位置の履歴データ及び各かご24内に設置されるレーザスキャンセンサ28からのかご24の戸の開閉の履歴データ及びかご内負荷の履歴データを格納する動作履歴データメモリ14Aを備えたことを特徴とする。
【0043】
図7において、加速度センサ27は、各かごの加速度を検出し、当該検出された加速度に基づいて、かご24のかご位置の変化を算出し、当該算出されたかご位置の変化をかご位置の履歴データとして出力する。また、レーザスキャンセンサ28は、レーザによりかご24の戸の開閉状態を取得し、当該取得されたかご24の戸の開閉状態を戸の開閉の履歴データとして出力する。さらに、レーザスキャンセンサ28は、レーザによる各かご24内に存在する人数の計測結果に基づいてかご内の乗客人数を算出し、各かご24内に乗車する人数からかご内負荷を算出し、当該算出されたかご内負荷をかご内負荷の履歴データとして出力する。
【0044】
以上のように構成された第2の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1Aの動作について以下に説明する。
【0045】
第2の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1Aは、第1の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1に比較して、群管理制御部13からかご位置の履歴データ、かご24の戸の開閉の履歴データ及びかご内負荷の履歴データが動作履歴データメモリ14A内に格納されない場合には、加速度センサ27及びレーザスキャンセンサ28からそれぞれかご位置の履歴データ、戸の開閉の履歴データ及びかご内負荷の履歴データを動作履歴データメモリ14A内に格納することが可能となる。
【0046】
以上の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1Aによれば、第1の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1と同様の効果を得ることができる。また、以上の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1Aによれば、第1の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1に比較すると、エレベーター群管理シミュレーション装置1Aとは独立した計測装置から得られる動作履歴データに基づいて制御パラメータの設定値を検出することができるので、群管理制御部13から動作履歴データを取得できない場合においても、制御パラメータの設定値を検出することが可能となる。
【0047】
なお、加速度センサ27及びレーザスキャンセンサ28を設置する場所は上述の場所に限定されない。また、画像センサなど他の計測装置を用いてもよい。
【0048】
第3の実施の形態.
上述した実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1、1Aは、予め作成した乗客流データを、乗客流データメモリ15から取り出して使用していた。これに対して、本発明の第3の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1Bは、各かご24の動作履歴データに基づいて乗客流データを作成することを特徴とする。
【0049】
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1Bの構成を示すブロック図である。
図8のエレベーター群管理シミュレーション装置1Bは、
図1のエレベーター群管理シミュレーション装置1に比較して、乗客流データメモリ15の代わりに乗客流データを作成する乗客流データ作成部18を備えたことを特徴とする。
【0050】
図8において、乗客流データ作成部18は、動作履歴データメモリ14に格納される動作履歴データに基づいて、乗客の発生状況を示す乗客流データを作成し、当該乗客流データをシミュレーション部16に出力する。
【0051】
以上のように構成された第3の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1Bの動作について以下に説明する。
【0052】
図9は、
図8のエレベーター群管理シミュレーション装置1Bにより実行される運行シミュレーション実行処理を示すフローチャートである。
図9の運行シミュレーション実行処理を示すフローチャートは、第1の実施の形態に係る
図2の運行シミュレーション実行処理を示すフローチャートに比較すると、ステップS4の代わりにステップS4Aを備え、ステップS5の代わりにステップS5Aを備え、さらにステップS1の前段に乗客流データを作成するステップS7を備えたことを特徴とする。
【0053】
図9において、ステップS7では、乗客流データ作成部18が動作履歴データメモリ14からの動作履歴データに基づいて、乗客流データを作成する。ここで、動作履歴データ14に含まれる各かご位置の履歴データ及びかご内負荷の履歴データに基づいて、乗客毎の発生時刻、乗車階及び降車階を推定し、第1の実施の形態に係る
図3に図示したような乗客流データを作成する。以下簡単に説明する。
【0054】
まず、かごが階に停止する毎に、その停止階での乗車人数及び降車人数を算出する。次に、各停止階での乗車人数及び降車人数から、個々の乗客の乗車階と降車階を算出する。例えば、ある階で乗車した乗客は、乗車階よりも進行方向前方の階で降車するという条件のもとで、個々の乗客の乗車階と降車階とを算出する。続いて、個々の乗客の発生時刻を算出する。例えば、当該乗客が乗車したかご24が乗車階に到着する直前に当該階に停止していたかご24が出発した時刻から、当該乗客が乗車したかご24が当該階に到着した時刻までの時間において、ランダム到着モデルに従って算出する。なお、乗客流データの作成方法は上述の方法に限らない。
【0055】
次に、ステップS1からステップS3は、第1の実施の形態に係る
図2のステップS1からステップS3と同様である。次に、シミュレーション部16が、乗客流データ作成部18から乗客の発生状況を示す乗客流データを受信し(ステップS4A)、乗客流データに基づいて、ルックアップテーブルから乗客が発生する時刻に対応する時間期間別の制御パラメータをそれぞれ抽出して、当該抽出された制御パラメータを用いて運行シミュレーションを実行し(ステップS5A)、当該シミュレーション結果を表示部17に表示する(ステップS6)。
【0056】
以上の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1Bによれば、第1の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1と同様の効果を得ることができる。また、以上の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1Bによれば、第1の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1に比較すると、各かご24の動作履歴データに基づいて、制御パラメータの検出と、乗客流データの作成との両方を行うことができるので、制御パラメータの現在の設定値を示すデータの作成も乗客流データの作成も不要にして、稼働中のエレベーター群管理システム100の実際の性能に即したシミュレーション結果を得ることが可能となる。
【0057】
第4の実施の形態.
上述した実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1、1A、1Bは、各かご24の動作履歴データに基づいて運行シミュレーションを実行する。これに対して、本発明の第4の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1Cは、上述した実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1、1A、1Bによる各かご24の動作履歴データに基づいた運行シミュレーションを任意に入力された制御パラメータに基づく運行シミュレーションと比較できることを特徴とする。
【0058】
図10は、本発明の第4の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1Cの構成を示すブロック図である。
図10のエレベーター群管理シミュレーション装置1Cは、
図1のエレベーター群管理シミュレーション装置1に比較して、シミュレーション部16の代わりにシミュレーション部16Aを備え、エレベーター群管理システム100の群管理制御の制御パラメータを任意に入力するための制御パラメータ入力部19をさらに備えたことを特徴とする。
【0059】
シミュレーション部16Aは、第1の実施の形態に係るシミュレーション部16に比較すると、さらに乗客流データメモリ15に格納された乗客流データと、群管理制御パラメータ入力部19から入力された制御パラメータとに基づいてエレベーター群管理システムの運行シミュレーションを実行し、それぞれのシミュレーション結果を表示部17に出力することを特徴とする。
【0060】
以上のように構成された第4の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1Cの動作について以下に説明する。
【0061】
図11は、
図10のエレベーター群管理シミュレーション装置1Cにより実行される運行シミュレーション実行処理を示すフローチャートである。
図11の運行シミュレーション実行処理を示すフローチャートは、第1の実施の形態に係る
図2の運行シミュレーション実行処理を示すフローチャートに比較すると、ステップS6の代わりにステップS8〜ステップS10を備えたことを特徴とする。
【0062】
図11において、ステップS1〜ステップS5は第1の実施の形態に係る
図2のフローチャートと同様である。次に、ステップS8では、群管理制御パラメータ入力部19に任意の制御パラメータを入力する。次に、ステップS9では、シミュレーション部16Aが乗客流データメモリ15からの乗客流データ及び入力された制御パラメータに基づいて、運行シミュレーションを実行し、それぞれの運行シミュレーションの結果を表示部17に表示する(ステップS10)。
【0063】
以上の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1Cによれば、第1の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1と同様の効果を得ることができる。また、以上の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1Cによれば、第1の実施の形態に係るエレベーター群管理シミュレーション装置1に比較すると、制御パラメータを現状の設定値とした場合と、現状とは異なる任意の設定値とした場合とで、同一の乗客流データを用いてシミュレーションを実行するようにしたので、制御パラメータを現状から変化させた場合の性能(運行効率)の変化を、実際に即して把握することが可能となる。
【0064】
なお、制御パラメータ入力部19が、複数通りの制御パラメータの任意の設定値の入力を受け付けるようにし、各々の入力された設定について運行シミュレーションを実行し、シミュレーション結果を出力するようにしてもよい。また、制御パラメータを現状の設定値とした場合のシミュレーション結果と、入力された任意の設定値とした場合のシミュレーション結果の相対比較結果を算出して出力するようにしてもよい。