【文献】
パチスロスタードライバー,パチスロ攻略マガジンドラゴン2013年12月号,日本,株式会社双葉社,2013年10月21日,p.166-167,主にp.166「技術介入上乗せ」欄を参照。
【文献】
ギラギラ爺サマー,パチスロ攻略マガジンドラゴン2010年10月号,日本,株式会社双葉者,2010年 8月21日,p.28-34,主にp.30「ギラちゃんす中のART抽選」欄を参照。
【文献】
大逆転,パチスロ攻略マガジンドラゴン2011年8月号,日本,株式会社双葉社,2011年 6月21日,p.150-151,主にp.150「超チャンスゾーン」欄を参照。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
第1の実施形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1、
図2及び
図3を参照しながら説明する。
【0015】
(筐体12、前扉14)
第1の実施形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0016】
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0017】
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータ65と、この各リール駆動モータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記リール駆動モータ65及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、回転リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このリール駆動モータ65は、メイン制御手段200から出力されるリール駆動モータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。さらに、リールユニット60には、回転リール62上の図柄61を照らすためのバックランプ67が設けられている。
【0018】
(クレジット表示器87、払出枚数表示器88)
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、例えば2個の7セグメントLEDで構成されており、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の払出枚数が表示可能になっている。
【0019】
(区間報知ランプ90)
前扉14のうち、クレジット表示器87と払出枚数表示器88との間には、現在の後述する演出状態が「特別区間」であることを報知する区間報知ランプ90が設けられている。
この区間報知ランプ90は、演出状態が「一般区間」から「特別区間」に移行したことを契機にメイン制御手段200により点灯され、演出状態が「特別区間」である間は常時点灯されている。そして、区間報知ランプ90は、演出状態が「特別区間」から「一般区間」に移行したことを契機にメイン制御手段200により消灯される。
【0020】
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
第1の実施形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記操作部30の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
【0021】
(メダルセレクタ17)
前扉14の裏側であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。
【0022】
なお、前扉14の裏側には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口28から払い出される。
【0023】
(精算スイッチ36)
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0024】
(ストップスイッチ50)
前記操作部30の中央には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0025】
(スタートスイッチ40)
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0026】
(ベットスイッチ32)
このスタートスイッチ40の上方には、ベットスイッチ32として、貯留されたクレジットメダルから投入されたメダル数(クレジットされたメダル数)から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
【0027】
(演出用ボタンスイッチ42)
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89などが配置されている(
図3参照)。
【0028】
(扉開閉用スイッチ19)
扉開閉用スイッチ19は前扉14が閉じているか否かを検知するためのものである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが押圧されることでオンとなり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して押圧が解除されることでオフとなる。
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。
【0029】
(設定表示器89)
設定表示器89は、例えば7セグメントの小型のLEDにより、大当り確率の設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、設定後一定時間が経過するとその表示は解除される。
【0030】
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44を有すると共に各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(
図3参照)。
【0031】
(ホッパーユニット24)
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0032】
(電源ユニット43)
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
【0033】
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0034】
(遊技の流れの説明)
第1の実施形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35等の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の配当を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0035】
この有効ライン86は、具体的には3個の回転リール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各回転リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数の回転リール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組合せの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数(予め定められた数であって第1の実施形態では3)のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。第1の実施形態の有効ライン86は、左回転リール64と中回転リール66と右回転リール68との中段とを結んだ1本のみからなるものである。
【0036】
(演出装置70)
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、スピーカー72と、演出用ランプ78、表示装置84とを備えている。
【0037】
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0038】
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0039】
(表示装置84)
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための液晶表示装置である。
【0040】
(図柄61)
図2に示すように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「スイカ」、「ベル」、「リプ」、「赤7」、「チェリー」、「バー1」、「バー2」、「ブランク」、の複数の種々の図柄61が形成されている。
【0041】
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄61の番号(コマ番号)は、回転リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
【0042】
(制御装置100)
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出状態を制御するサブ制御手段500とを備えている。
【0043】
ここで、メイン制御手段200の制御に基づくスロットマシンの作動状態を遊技状態といい、サブ制御手段500の制御に基づくスロットマシンの作動状態を演出状態というものとする。なお、メイン制御手段200とサブ制御手段500との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段500への一方向の通信により行われ、サブ制御手段500からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、ベットスイッチ32、精算スイッチ36等の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60、ホッパーユニット24及び区間報知ランプ90等の作動を制御する。サブ制御手段500は、メイン制御手段200から信号を入力し、演出用ランプ78等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段500には、演出装置70としての演出用ランプ78、スピーカー72、表示装置84等の各パーツが接続されている。
【0044】
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン基板と、サブ制御手段500を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段500は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0045】
メイン制御手段200及びサブ制御手段500は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0046】
第1の実施形態に係る遊技機10では、通常に行われるノーマル遊技が設けられている。このノーマル遊技よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)遊技が設けられている。さらに、メイン制御手段200では、ボーナス移行役に入賞することにより実行されるボーナス遊技が設けられている(
図12参照)。これらの遊技は、メイン制御手段200により制御される。
【0047】
また、演出状態としてストップスイッチ50の押し順や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組合せを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態が設けられている(
図13参照)。
【0048】
(外部集中端子板18)
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン制御手段200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ表示器)やホールコンピュータに接続されている。
【0049】
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、
図4に示すように、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、配当付与手段240、遊技状態制御手段250、演出状態制御手段260、移行抽選手段270、特典手段280の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0050】
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
【0051】
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、第1の実施形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、第1の実施形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、ベットスイッチ32を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(第1の実施形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
【0052】
第1の実施形態では、役として、大別すると、ベル役、チェリー役、スイカ役、チャンス役などの小役(メダルの払い出しを伴う役や、演出状態の移行の契機となる役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
【0053】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(第1の実施形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
【0054】
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
【0055】
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。第1の実施形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に配当が付与されるように形成されている。たとえば、小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、配当として、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。また、再遊技役(リプレイ役)に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うとメダルの払い出しはないものの、配当として、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が設定され遊技を行うことができる。
【0056】
役抽選の当選確率は、複数段階、第1の実施形態では、6段階(設定1〜設定6)設定されており、設定1が最も低く、設定6が最も高くなるように設定されている。
【0057】
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、当選役を決定する役抽選を実行するものである。すなわち、役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類としてノーマル遊技用、RT遊技(RT2)用、ボーナス内部中用、ボーナス遊技用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶されている。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
【0058】
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。
【0059】
第1の実施形態におけるリール制御手段220は、役抽選手段210による役抽選の結果が後述する特殊リプレイ2の場合に、左第一停止又は中第一停止でストップスイッチ50が操作されたときには、回転リール62の回転をリプレイ2(RP2)に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うように停止させる。ここで、第1の実施形態における「左第一停止又は中第一停止」は、本発明における「第1操作順序」に相当する。
【0060】
また、第1の実施形態におけるリール制御手段220は、役抽選手段210による役抽選の結果が後述する特殊リプレイ2の場合に、右第一停止でストップスイッチ50が操作されたときには、回転リール62の回転をリプレイ2(RP2)と配当が同様であるリプレイ3(RP3)に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うように停止させる。ここで、第1の実施形態における「右第一停止」は、本発明における「第2操作順序」に相当する。
【0061】
さらに、第1の実施形態におけるリール制御手段220は、役抽選手段210による役抽選の結果が後述する特殊リプレイ3の場合に、左第一停止若しくは中第一停止又は右第一停止でストップスイッチ50が操作されたときには、回転リール62の回転をリプレイ3(RP3)に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うように停止させる。
【0062】
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
【0063】
(配当付与手段240)
配当付与手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の遊技者に所定の配当を付与するためのものである。配当付与手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃ったと判定されると、配当としてメダルの払い出しを行う。また、配当付与手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、再遊技役(リプレイ役)に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃ったと判定されると、配当として遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技における賭け数を設定する。
【0064】
(遊技状態制御手段250)
遊技状態制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技状態制御手段250は、
図6に示すように、ノーマル遊技制御手段251、RT制御手段252及びボーナス遊技制御手段253の各手段を有する。
【0065】
(ノーマル遊技制御手段251)
ノーマル遊技制御手段251は、「ノーマル遊技」の進行を制御するものである。ここで、「ノーマル遊技」は、後述するRT制御手段252による「RT遊技」(リプレイタイム遊技)や、ボーナス遊技制御手段253によるボーナス遊技以外の遊技状態をいい、
図12を用いて後述する「RT0」及び「RT1」を含む。
【0066】
(RT制御手段252)
RT制御手段252は、「RT遊技」の進行を制御するものである。ここで、「RT遊技」は、
図12を用いて後述する「RT2」及び「ボーナス内部中」を含む。
【0067】
(ボーナス遊技制御手段253)
ボーナス遊技制御手段253は、
図12を用いて後述する「ボーナス遊技」を制御するものである。
「ボーナス遊技」は、「ボーナス内部中」又は「RT0〜RT2中」にボーナス移行役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃ったことで移行し、いわゆる「RB」が連続作動し、所定の枚数、たとえば200枚を超えるメダルの払い出しで終了し、「RT0」に移行する。
【0068】
(演出状態制御手段260)
演出状態制御手段260は、演出状態を制御するためのものである。
具体的には、演出状態制御手段260は、
図7に示すように、通常遊技制御手段261、ATチャンスゾーン遊技制御手段262、AT遊技制御手段264及び上乗せ遊技制御手段265の各手段を有する。
【0069】
(通常遊技制御手段261)
通常遊技制御手段261は、通常状態で行われている遊技である通常遊技(非AT)を制御するものである。
【0070】
ここで、「非AT」は、「AT」の非作動状態を意味する。「AT」は、いわゆる「アシストタイム」の略語であり、「AT」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄61の組合せを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払出される。また、「AT」は、第1の実施形態では、メイン制御手段200で制御され、このとき、メイン制御手段200のRT遊技制御手段252で制御される「RT状態」に移行すると、「ART」状態となる。「ART」状態は、「RT」で、かつ「AT」の状態をいう。
【0071】
このとき、第1の実施形態におけるベル役は、当選したベル役の押し順が合致しないと入賞しないAT役となっている。
そのため、「AT」が作動すると、上述のように、ベル役の当選時に、当該当選したベル役に対応する押し順が報知される。そして、遊技者は、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当該当選したベル役を入賞させることができるため、「AT」が作動すると、「非AT」のときに比して、遊技者に有利となる。
【0072】
(ATチャンスゾーン遊技制御手段262)
ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ATチャンスゾーンで行われている遊技であるATチャンスゾーン遊技を制御するものである。
【0073】
(AT遊技制御手段264)
AT遊技制御手段264は、AT状態で行われている遊技であるAT遊技を制御するものである。
【0074】
(上乗せ遊技制御手段265)
上乗せ遊技制御手段265は、上乗せ特化ゾーンで行われている遊技である上乗せ遊技を制御するものである。
【0075】
(移行抽選手段270)
移行抽選手段270は、各演出状態へ移行するか否かを決定する抽選を行うものである。この移行抽選手段270は、
図8に示すように、通常状態においてATチャンスゾーンへ移行するか否かの抽選(以下、「ATチャンスゾーン移行抽選」とする)を行うATチャンスゾーン移行抽選手段271と、ATチャンスゾーンにおいてAT状態へ移行するか否かの抽選(以下、「AT抽選」とする)を行うAT移行抽選手段272と、ART通常状態において上乗せチャンスゾーンへ移行するか否かの抽選(以下、「上乗せチャンスゾーン移行抽選」とする)を行う上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273と、ART状態において上乗せ特化ゾーンへ移行するか否かの抽選(以下、「特化ゾーン移行抽選」とする)を行う特化ゾーン移行抽選手段274とを備えている。なお、移行抽選手段270が行う抽選は上記のものには限られない。
【0076】
(ATチャンスゾーン移行抽選手段271)
ATチャンスゾーン移行抽選手段271は、通常状態においてATチャンスゾーン移行抽選を行うものである。このATチャンスゾーン移行抽選手段271が行うATチャンスゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。第1の実施形態では、ATチャンスゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のレア役としてのチェリー役に当選したことに基づいて行われる。なお、ATチャンスゾーン移行抽選の抽選契機となる役抽選の当選役は、チェリー役に限らず、他の役でもよい。
【0077】
ATチャンスゾーン移行抽選手段271で行われるATチャンスゾーン移行抽選は、言い換えれば、通常状態において後述する特別区間へ移行するか否かを決定する抽選である。
【0078】
(AT移行抽選手段272)
AT移行抽選手段272は、ATチャンスゾーンにおいてAT抽選を行うものである。
第1の実施形態では、AT移行抽選手段272が行うAT抽選として、第1AT抽選と、第1AT抽選よりもAT抽選の当選確率が低い第2AT抽選とが設けられている(
図9参照)。ここで、第1の実施形態における「第1AT抽選」は、本発明における「第1移行抽選」に相当し、「第2AT抽選」は、本発明における「第2移行抽選」に相当する。
【0079】
AT移行抽選手段272は、役抽選手段210による役抽選の結果が後述する特殊リプレイ2又は特殊リプレイ3の場合に右第一停止でストップスイッチ50が操作されたことに基づいて、第1AT抽選を行う。
また、AT移行抽選手段272は、役抽選手段210による役抽選の結果が後述する特殊リプレイ3の場合に左第一停止又は中第一停止でストップスイッチ50が操作されたことに基づいて、第2AT抽選を行う。すなわち、AT移行抽選手段272は、役抽選手段210による役抽選の結果が後述する特殊リプレイ3の場合には、押し順を問わずにAT抽選を行うこととされている。
【0080】
なお、AT抽選の抽選契機は、役抽選の当選役に基づかずに、たとえば、所定の遊技数を消化したことに基づいて行ってもよいし、所定の条件が成立した場合にAT移行を決定するようにしてもよい。
【0081】
(上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273)
上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273は、ART通常状態において上乗せチャンスゾーン移行抽選を行うものである。この上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273が行う上乗せチャンスゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。第1の実施形態では、上乗せチャンスゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のレア役としてのチェリー役に当選したことに基づいて行われる。なお、上乗せチャンスゾーン移行抽選の抽選契機となる役抽選の当選役は、チェリー役に限らず、他の役でもよい。また、上乗せチャンスゾーン移行抽選は、役抽選の当選役に基づかずに、たとえば、所定の遊技数を消化したことに基づいて行ってもよい。
【0082】
(特化ゾーン移行抽選手段274)
特化ゾーン移行抽選手段274は、ART状態において特化ゾーン移行抽選を行うものである。この特化ゾーン移行抽選手段274が行う特化ゾーン移行抽選は、ART通常状態においては、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。第1の実施形態では、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のレア役としてのチェリー役に当選したことに基づいて行われる。なお、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選の抽選契機となる役抽選の当選役は、チェリー役に限らず、他の役でもよい。また、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選の抽選契機は、役抽選の当選役に基づかずに、たとえば、所定の遊技数を消化したことに基づいて行ってもよい。
【0083】
一方、特化ゾーン移行抽選手段274が行う特化ゾーン移行抽選は、上乗せチャンスゾーンにおいては、上乗せチャンスゾーンの各遊技で行われる。そして、上乗せチャンスゾーンにおいて行われる特化ゾーン移行抽選は、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選に比べて、その当選確率が高くなっている。なお、上乗せチャンスゾーンにおいて行われる特化ゾーン移行抽選の抽選契機は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行ってもよいし、所定の遊技数を消化したことに基づいて行ってもよい。
【0084】
(特典手段280)
特典手段280は、所定の条件が成立した場合に、遊技者にとって有利な特典の付与を行うものである。
ここで、特典とは、配当と異なるものであって、第1の実施形態では「ポイント」とされている。この「ポイント」は、AT抽選実行時における獲得総数に基づいてAT抽選の当選確率が変化することとされている。
【0085】
第1の実施形態では、特典手段280は、役抽選手段210による役抽選の結果が後述する特殊リプレイ2の場合に左第一停止又は中第一停止でストップスイッチ50が操作されたことに基づいて、特典として、遊技者に「ポイント」を「1」付与する。そして、特典手段280は、遊技者に付与されたポイントを蓄積し、その蓄積されているポイントの総数を記憶している。第1の実施形態における特典手段280は、遊技者に付与されたポイントを「5ポイント」を上限として蓄積することとされている。なお、特典手段280が蓄積可能なポイント数は「5ポイント」に限らず、これより多くても少なくてもよいし、蓄積可能なポイント数に上限を設けなくてもよい。
【0086】
また、第1の実施形態では、蓄積されているポイントが上限である「5ポイント」の場合に、役抽選手段210による役抽選の結果が後述する特殊リプレイ2であり、かつ、遊技者により左第一停止又は中第一停止でストップスイッチ50が操作されたときには、ポイントはさらに蓄積されることがない。すなわち、蓄積されているポイントが上限である「5ポイント」の場合にポイントを獲得可能な操作が行われても、ポイントの加算処理等は何も行われない。
【0087】
上述のように、第1の実施形態では、特典手段280に蓄積されているポイントの総数に基づいてAT抽選の当選確率が変化することとされている。
具体的には、
図9に示すように、AT抽選のうち第1AT抽選の当選確率は、蓄積されているポイントが「0ポイント」の場合には「33%」、「1ポイント」の場合には「40%」、「2ポイント」の場合には「50%」、「3ポイント」の場合には「66%」、「4ポイント」の場合には「80%」、「5ポイント」の場合には「100%」となっている。なお、第1AT抽選の当選確率は、上記したものに限らず、他の数値でもよい。
【0088】
また、AT抽選のうち第2AT抽選の当選確率は、蓄積されているポイントが「0ポイント」の場合には「10%」、「1ポイント」の場合には「20%」、「2ポイント」の場合には「30%」、「3ポイント」の場合には「40%」、「4ポイント」の場合には「50%」、「5ポイント」の場合には「100%」となっている。すなわち、第2AT抽選の当選確率は、第1AT抽選の当選確率に比べて低く設定されている。なお、第2AT抽選の当選確率は、上記したものに限らず、第1AT抽選の当選確率に比べて低くなるものであれば、他の数値でもよい。
【0089】
また、上述の「第1AT抽選の当選確率に比べて低くなる」とは、必ずしも各ポイントにおける第2AT抽選の当選確率の全てが第1AT抽選の当選確率よりも低くなる必要はなく、全体として、第2AT抽選が第1AT抽選よりも不利な抽選となればよい。たとえば、各ポイントにおける第2AT抽選の一部の当選確率が対応する第1AT抽選の当選確率と同一又は高確率であったとしても、第2AT抽選のその他のポイントにおける当選確率が第1AT抽選の当選確率よりも低ければ、第2AT抽選の当選確率は「第1AT抽選の当選確率に比べて低くなる」といえる。
【0090】
(サブ制御手段500)
サブ制御手段500は、
図5に示すように、演出実行制御手段510を有する。
以上の構成をもって、サブ制御手段500は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
【0091】
具体的には、サブ制御手段500は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0092】
(演出実行制御手段510)
演出実行制御手段510は、演出装置70により行われる演出を実行するためのものである。
演出実行制御手段510は、役抽選の結果に基づく当選役に応じた演出や、ノーマル遊技、RT遊技、ボーナス遊技等の各遊技状態に応じた演出や、押し順を報知するための演出等を行う。これらの演出は、それぞれ複数設けられており、演出実行制御手段510は、抽選により所定の演出を選択するとともに選択した演出を演出装置70を介して実行する。
【0093】
(役構成について)
次に、
図10を用いて、第1の実施形態における役構成について説明する。なお、第1の実施形態における役構成は、
図10に示すものに限定されない。
【0094】
図10に示すように、再遊技役(リプレイ役)として、リプレイ1(RP1)からリプレイ12(RP12)があり、その図柄61の組合せが、左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68の順(以下同様)に、リプレイ1(RP1)「リプ、リプ、リプ」、リプレイ2(RP2)「リプ、リプ、ベル」、リプレイ3(RP3)「リプ、リプ、チェリー」等である。有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、一の配当(メダル)の付与はなしだが、他の配当(次回の遊技においてメダル投入無しで遊技開始可能)が付与される。ここで、第1の実施形態における「リプレイ2(RP2) リプ、リプ、ベル」は、本発明における「第1表示態様」に相当し、「リプレイ3(RP3) リプ、リプ、チェリー」は、本発明における「第2表示態様」に相当する。
【0095】
また、小役(ベル役)として、ベル1(BE1)からベル8(BE8)があり、その図柄61の組合せが、ベル1(BE1)「ベル、ベル、ベル」、ベル2(BE2)「赤7、チェリー、スイカ」、ベル3(BE3)「バー1、チェリー、スイカ」等である。有効ライン86上にベル役に対応する図柄61の組合せが揃うと、ベル1(BE1)の場合は9枚のメダルが払い出され、ベル2(BE2)からベル8(BE8)の場合は1枚のメダルが払い出される。
【0096】
また、小役としてスイカ役(WM)があり、その図柄61の組合せが「スイカ、スイカ、スイカ」である。有効ライン86上にスイカ役(WM)に対応する図柄61の組合せが揃うと、5枚のメダルが払い出される。
【0097】
また、小役としてチェリー役(CH)があり、その図柄61の組合せが「チェリー、ANY、ANY」である。有効ライン86上にチェリー役(CH)に対応する図柄61の組合せが揃うと、2枚のメダルが払い出される。なお、「ANY」は、どのような図柄61が有効ライン86上に揃っても良いことを示す。
また、ボーナス移行役(BN)があり、その図柄61の組合せが「赤7、赤7、赤7」である。
【0098】
(役抽選の内容について)
次に、
図11を用いて、第1の実施形態における役抽選の内容について説明する。なお、第1の実施形態における役抽選の内容は、
図11に示すものに限定されない。
【0099】
図11に示すように、役抽選の内容として、通常リプレイ、移行リプレイ(移行リプレイ1から移行リプレイ5)、特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜特殊リプレイ3)、ベル(Lベル、Cベル及びRベル)、スイカ、チェリー及びBBが設けられている。
上記の役抽選の内容のうち、通常リプレイは、「リプレイ1(RP1)」が当選する当選役である。このとき、通常リプレイは、ストップスイッチ50の押し順を問わずに「リプレイ1(RP1)」に入賞する。
【0100】
上記の役抽選の内容のうち、移行リプレイ1は、「リプレイ1(RP1)」、「リプレイ4(RP4)」、「リプレイ5(RP5)」及び「リプレイ6(RP6)」が重複当選する当選役である。このとき、移行リプレイ1は、「中(C)→右(R)→左(L)」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「リプレイ4(RP4)」、「リプレイ5(RP5)」又は「リプレイ6(RP6)」に入賞する。一方、移行リプレイ1は、上記以外の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、リプレイ1(RP1)に入賞する。
【0101】
上記の役抽選の内容のうち、移行リプレイ2は、「リプレイ1(RP1)」、「リプレイ7(RP7)」、「リプレイ8(RP8)」又は「リプレイ9(RP9)」が重複当選する当選役である。このとき、移行リプレイ2は、「中(C)→左(L)→右(R)」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「リプレイ7(RP7)」、「リプレイ8(RP8)」又は「リプレイ9(RP9)に入賞する。一方、移行リプレイ2は、上記以外の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、リプレイ1(RP1)に入賞する。
【0102】
上記の役抽選の内容のうち、移行リプレイ3は、「リプレイ1(RP1)」又は「リプレイ10(RP10)」が重複当選する当選役である。このとき、移行リプレイ3は、「右(R)→中(C)→左(L)」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「リプレイ10(RP10)」に入賞する。一方、移行リプレイ3は、上記以外の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、リプレイ1(RP1)に入賞する。
【0103】
上記の役抽選の内容のうち、移行リプレイ4は、「リプレイ1(RP1)」又は「リプレイ11(RP11)」が重複当選する当選役である。このとき、移行リプレイ4は、「右(R)→左(L)→中(C)」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「リプレイ11(RP11)」に入賞する。一方、移行リプレイ4は、上記以外の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、リプレイ1(RP1)に入賞する。
【0104】
上記の役抽選の内容のうち、移行リプレイ5は、「リプレイ1(RP1)」又は「リプレイ12(RP12)」が重複当選する当選役である。このとき、移行リプレイ5は、「左(L)→中(C)→右(R)」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「リプレイ12(RP12)」に入賞する。一方、移行リプレイ5は、上記以外の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、リプレイ1(RP1)に入賞する。
【0105】
上記の役抽選の内容のうち、特殊リプレイ1は、「リプレイ1(RP1)」又は「リプレイ3(RP3)」が重複当選する当選役である。このとき、特殊リプレイ1は、「左第一停止又は中第一停止」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「リプ、リプ、リプ」の図柄61の組合せが有効ライン86上に揃って、「リプレイ1(RP1)」に入賞する。この場合には、ポイントの獲得やAT抽選の実行もなされない(すなわち、何も行われない)。
【0106】
一方、特殊リプレイ1は、「右第一停止」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「リプ、リプ、チェリー」の図柄61の組合せが有効ライン86上に揃って、「リプレイ3(RP3)」に入賞する。この場合には、第1AT抽選が行われる。
【0107】
上記の役抽選の内容のうち、特殊リプレイ2は、「リプレイ2(RP2)」又は「リプレイ3(RP3)」が重複当選する当選役である。このとき、特殊リプレイ2は、「左第一停止又は中第一停止」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「リプ、リプ、ベル」の図柄61の組合せが有効ライン86上に揃って、「リプレイ2(RP2)」に入賞する。この場合には、ポイントが「1」付与される。
【0108】
一方、特殊リプレイ2は、「右第一停止」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「リプ、リプ、チェリー」の図柄61の組合せが有効ライン86上に揃って、「リプレイ3(RP3)」に入賞する。この場合には、第1AT抽選が行われる。
【0109】
上記の役抽選の内容のうち、特殊リプレイ3は、「リプレイ3(RP3)」が当選する当選役である。このとき、特殊リプレイ3は、ストップスイッチ50の押し順を問わずに「リプ、リプ、チェリー」の図柄61の組合せが有効ライン86上に揃って、「リプレイ3(RP3)」に入賞する。この場合、「右第一停止」の押し順でストップスイッチ50が操作されたときには「第1AT抽選」が行われ、「左第一停止又は中第一停止」の押し順でストップスイッチ50が操作されたときには「第2AT抽選」が行われる。
ここで、第1の実施形態における「特殊リプレイ2」は、本発明における「第1結果」に相当し、「特殊リプレイ3」は、本発明における「第2結果」に相当する。
【0110】
このとき、第1の実施形態では、
図11に示すように、役抽選にて特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)に当選する確率は、9000/65536とされている。
そして、第1の実施形態では、役抽選にて特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)に当選した場合に、特殊リプレイ1〜3のうち何れの特殊リプレイであるのかは以下のように振り分けられている。
【0111】
役抽選にて特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)に当選した場合に、特殊リプレイ1である確率は、4500/9000、すなわち、「5/10」とされている。
役抽選にて特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)に当選した場合に、特殊リプレイ2である確率は、3600/9000、すなわち、「4/10」とされている。
役抽選にて特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)に当選した場合に、特殊リプレイ3である確率は、900/9000、すなわち、「1/10」とされている。
【0112】
また、役抽選にて特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)に当選した場合には、停止操作可能状態となる前までに演出実行制御手段510により説明演出が実行される。この説明演出では、特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)に当選したこと、ストップスイッチ50の押し順と入賞し得る役との関係、及び、入賞役と恩恵((1)ポイント獲得(2)第1AT抽選の実行(3)第2AT抽選の実行(4)何も行われない)との関係を示す演出が行われる。ただし、演出実行制御手段510により実行される説明演出では、遊技者にいずれの特殊リプレイに当選したのかは認識できないこととされている。そのため、いずれの特殊リプレイに当選したのかを認識できない遊技者は、自己の戦略に基づいてストップスイッチ50の押し順を選択することとなる。
【0113】
この結果、
図10及び
図11に示すように、遊技者が「左第一停止又は中第一停止」の押し順でストップスイッチ50を操作した場合に、特殊リプレイ1に当選していたときには、「リプ、リプ、リプ」の図柄61の組合せが有効ライン86上に揃って、「リプレイ1(RP1)」に入賞する。この場合には、ポイントの獲得やAT抽選の実行もなされない(すなわち、何も行われない)。
【0114】
また、
図10及び
図11に示すように、遊技者が「左第一停止又は中第一停止」の押し順でストップスイッチ50を操作した場合に、特殊リプレイ2に当選していたときには、「リプ、リプ、ベル」の図柄61の組合せが有効ライン86上に揃って、「リプレイ2(RP2)」に入賞する。この場合には、ポイントが「1」付与される。
【0115】
また、
図10及び
図11に示すように、遊技者が「左第一停止又は中第一停止」の押し順でストップスイッチ50を操作した場合に、特殊リプレイ3に当選していたときには、「リプ、リプ、チェリー」の図柄61の組合せが有効ライン86上に揃って、「リプレイ3(RP3)」に入賞する。この場合には、「第2AT抽選」が行われる。
【0116】
一方、
図10及び
図11に示すように、遊技者が「右第一停止」の押し順でストップスイッチ50を操作した場合には、当選した特殊リプレイの種類にかかわらず、「リプ、リプ、チェリー」の図柄61の組合せが有効ライン86上に揃って、「リプレイ3(RP3)」に入賞する。この場合には、「第1AT抽選」が行われる。
【0117】
上記の役抽選の内容のうち、Lベルは、「ベル1(BE1)」、「ベル2(BE2)」、「ベル3(BE3)」又は「ベル4(BE4)」が重複当選する当選役である。このとき、Lベルは、「左第一停止」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「ベル1(BE1)」に入賞する。一方、Lベルは、「中第一停止又は右第一停止」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「ベル2(BE2)」、「ベル3(BE3)」又は「ベル4(BE4)」に入賞する。
【0118】
上記の役抽選の内容のうち、Cベルは、「ベル1(BE1)」、「ベル5(BE5)」又は「ベル6(BE6)」が重複当選する当選役である。このとき、Cベルは、「中第一停止」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「ベル1(BE1)」に入賞する。一方、Cベルは、「左第一停止又は右第一停止」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「ベル5(BE5)」又は「ベル6(BE6)」に入賞する。
【0119】
上記の役抽選の内容のうち、Rベルは、「ベル1(BE1)」、「ベル7(BE7)」又は「ベル8(BE8)」が重複当選する当選役である。このとき、Rベルは、「右第一停止」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「ベル1(BE1)」に入賞する。一方、Rベルは、「左第一停止又は中第一停止」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「ベル7(BE7)」又は「ベル8(BE8)」に入賞する。
【0120】
上記の役抽選の内容のうち、スイカは「スイカ(WM)」が、チェリーは「チェリー(CH)」が、BBは「ボーナス(BN)」が当選する当選役である。
【0121】
(
図12を用いた遊技状態の説明)
次に、
図12を用いて「遊技状態」について説明する。
【0122】
「遊技状態」は、メイン制御手段200により管理され、
図12に示すように、大別すると、「ノーマル遊技」、「RT遊技」及び「ボーナス遊技」がある。「RT」は、いわゆる「リプレイタイム」の略語であり、「RT遊技」に移行すると、再遊技役(リプレイ役)に当選する抽選確率、すなわち再遊技確率が高くなる。
【0123】
なお、各遊技における再遊技役への当選確率は、「ノーマル遊技」においては「1/7.3」に設定されており、「RT遊技」では「ノーマル遊技」よりも高く設定されている。
【0124】
「ノーマル遊技」は、ノーマル遊技制御手段251により制御され、「RT0」と、「RT1」とがある。
「RT0」から「RT1」には、リプレイ12(RP12)に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃った場合に移行する。ここで「リプレイ12(RP12)に対応した図柄61」とは、
図11に示すように、移行リプレイ5に当選し、ストップスイッチ50を「左(L)→中(C)→右(R)」の押し順(いわゆる順押し)で操作した際に停止表示される図柄61である。「RT0」では押し順が報知されず、遊技者はストップスイッチ50を順押しで操作する可能性が高い。そのため、移行リプレイ5の当選時にはリプレイ12(RP12)に対応した図柄61が停止表示され、「RT1」に移行する。
【0125】
「RT遊技」は、RT制御手段252により制御され、「ノーマル遊技」より再遊技役(リプレイ役)への当選確率の高い「RT2」と、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する「ボーナス内部中」とがある。
【0126】
ここで、「ノーマル遊技」から「RT遊技」、具体的には、「RT1」から「RT2」には、リプレイ4(RP4)〜リプレイ11(RP11)に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃った場合に移行する。たとえば、
図11に示すように、移行リプレイ1に当選し、「中(C)→右(R)→左(L)」の押し順でストップスイッチ50が操作された場合、「リプレイ4(RP4)」、「リプレイ5(RP5)」又は「リプレイ6(RP6)」が実行され、当該実行された再遊技役(リプレイ役)に対応した図柄61が停止表示され移行する。
【0127】
また、「RT1」及び「RT2」において、ベル2(BE2)〜ベル8(BE8)に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃った場合に「RT0」に移行する。ここで「ベル2(BE2)〜ベル8(BE8)」は、たとえば、左第一停止が不正解の役に当選し、ストップスイッチ50を左第一停止で操作した際に停止表示されるものである。このとき「RT2」において演出状態が
図13のAT状態であれば、押し順が報知されるが、AT状態が終了すると、押し順が報知されず、遊技者は通常の押し順すなわち、ストップスイッチ50を左第一停止で操作するため、「ベル2(BE2)〜ベル8(BE8)」に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に停止表示され、「RT0」に移行する。
【0128】
「ボーナス内部中」は、ボーナス内部中制御手段253により制御され、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する。
「ボーナス遊技」は、ボーナス遊技制御手段254により制御され、「ボーナス内部中」又は「RT0〜RT2中」に「ボーナス図柄」を揃えることで移行する。
【0129】
「ボーナス遊技」には、BB1がある。ここで、BB1はいわゆる「RB」が連続作動し、所定の枚数、たとえば200枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
そして、「ボーナス遊技」終了後、「RT0」に移行する。
【0130】
(
図13を用いた演出状態の説明)
図13に示すように、第1の実施形態における演出状態は、上述のように、「一般区間」と、「特別区間」とがある。
【0131】
(一般区間)
「一般区間」は、後述する「特別区間」を除いた区間であって、メダルの払い出しを伴う小役の押し順の報知が許容されない区間である。「一般区間」としては、「通常状態」がある。なお、「一般区間」の種類や数は、上述したものに限られない。
【0132】
(通常状態)
「通常状態」は、後述する「ATチャンスゾーン」及び「AT状態」より遊技者に不利な状態である。ここで、第1の実施形態における「通常状態」は、本発明における「下位状態」に相当する。
【0133】
(特別区間)
「特別区間」は、「一般区間」より遊技者に有利な区間であって、メダルの払い出しを伴う小役の押し順の報知が許容される区間である。
【0134】
この「特別区間」においては、少なくとも1回、最大払出枚数に係る入賞に対する指示がされることとなっている。そのため、第1の実施形態では、特別区間中において、最大払出枚数に係る小役としてのベル1(BE1)の押し順が少なくとも1回報知されることとなっている。
「特別区間」としては、「ATチャンスゾーン」と、「AT状態」とがある。なお、「特別区間」の種類や数は、上述したものに限られない。
【0135】
(ATチャンスゾーン)
「ATチャンスゾーン」は、「通常状態」より遊技者に有利な状態である。ここで、第1の実施形態における「ATチャンスゾーン」は、本発明における「中位状態」に相当する。当該「ATチャンスゾーン」に移行した場合、遊技状態ではRT1が実行されている。
【0136】
「一般区間」から「特別区間」、具体的には、「通常状態」から「ATチャンスゾーン」には、通常状態において、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づきATチャンスゾーン移行抽選手段271により行われるATチャンスゾーン移行抽選に当選したことに基づいて移行する。
【0137】
上述のように、第1の実施形態ではATチャンスゾーン中に、役抽選手段210による役抽選の結果が特殊リプレイ2の場合に左第一停止又は中第一停止でストップスイッチ50が操作された場合には、「リプ、リプ、ベル」の図柄61の組合せが有効ライン86上に揃って、「リプレイ2(RP2)」に入賞する。この場合、停止図柄判定手段230による有効ライン86上の図柄61の組合せ(出目)の判定結果に基づいて、特典手段280によりポイントが「1」付与される。また、第1の実施形態ではATチャンスゾーン中に、AT移行抽選手段272により、役抽選手段210による役抽選の結果が特殊リプレイ2又は特殊リプレイ3の場合に右第一停止でストップスイッチ50が操作されたことに基づいて第1AT抽選が、特殊リプレイ3の場合に左第一停止又は中第一停止でストップスイッチ50が操作されたことに基づいて第2AT抽選が行われる。
【0138】
このとき、第1の実施形態では、ATチャンスゾーン中の役抽選手段210による役抽選の結果が特殊リプレイ2又は特殊リプレイ3以外の場合には、遊技者により上述した操作態様でストップスイッチ50が操作されたとしても、「ポイントの付与」や「AT抽選」等の処理は行われないこととされている。
【0139】
なお、ATチャンスゾーンを複数設けた場合には、ATチャンスゾーン移行抽選の当選後にATチャンスゾーン移行抽選手段271により行われる、移行先のATチャンスゾーンを決定する移行先決定抽選にて当該移行するATチャンスゾーンが決定されることとされている。また、移行先のATチャンスゾーンを決定することについては、2段階抽選に限定されず、ATチャンスゾーン移行抽選(特別区間移行抽選)の契機となる役それぞれに予め特定の割合で移行先を予め決めておいてもよい。
【0140】
さらに、第1の実施形態におけるATチャンスゾーンでは、AT移行抽選手段272によるAT抽選が行われることとしているがこれには限られない。たとえば、ATチャンスゾーンでは、少なくとも1回、最大払出枚数に係る入賞に対する指示をするのみでAT移行抽選手段272によるAT抽選を行わないこととし、いわゆるガセ的な「特別区間」としてもよい。この場合には、ATチャンスゾーンの他に、一般区間(通常状態)から移行可能な演出状態を特別区間に設けた上で、ATチャンスゾーンに代えて、当該設けられた演出状態においてAT移行抽選手段272によるAT抽選が行われることとしてもよい。
【0141】
また、第1の実施形態では、「ATチャンスゾーン」において第1AT抽選又は第2AT抽選が行われた場合、その実行されたAT抽選の結果にかかわらず、当該ATチャンスゾーンを終了する。具体的には、「ATチャンスゾーン」において第1AT抽選又は第2AT抽選が行われ、その実行されたAT抽選に当選した場合には、当該ATチャンスゾーンを終了して、AT状態(詳しくは、「ART通常状態」)に移行する。一方、「ATチャンスゾーン」において第1AT抽選又は第2AT抽選が行われ、その実行されたAT抽選に当選しなかった場合には、当該ATチャンスゾーンを終了して、通常状態に移行する。
【0142】
(AT状態)
「AT状態」は、「ATチャンスゾーン」より遊技者に有利な状態である。当該「AT状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技(AT)が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役や再遊技役の図柄61の組合せを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。ここで、第1の実施形態における「AT状態」は、本発明における「上位状態」に相当する。
「AT状態」としては、「ART状態」と、「上乗せ特化ゾーン」とがある。なお、「AT状態」の種類や数は、前述したものに限られない。
【0143】
(ART状態)
「ART状態」は、「通常状態」及び「ATチャンスゾーン」より遊技者に有利な状態である。当該「ART状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技であるAT遊技と、RT2とが開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄61の組合せを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0144】
「ATチャンスゾーン」から「ART状態」へは、ATチャンスゾーンにおいて、AT移行抽選手段272により行われるAT抽選に当選した場合に移行する。
「ART状態」は、第1の実施形態では、50ゲームの遊技が可能に設定されており、50ゲームを消化した後に、ART中のAT遊技を終了して「通常状態」へ戻る。すなわち、50ゲームを消化した場合は、ART(AT+RT)のうち、AT遊技が終了するように設定されているため、ストップスイッチ50の押し順の報知が終了され、これに伴い、ベル2(BE2)〜ベル8(BE8)に対応した図柄61の組合せの表示を回避するストップスイッチ50の押し順が報知されなくなり、結果として、ベル2(BE2)〜ベル8(BE8)に対応した図柄61の組合せが停止表示され、「ノーマル遊技(RT0)」へ戻る。たとえば、ベル2(BE2)〜ベル8(BE8)のうち、ベル5(BE5)〜ベル8(BE8)は、ストップスイッチ50を左第一停止で操作した際に停止表示される図柄61である。この場合、AT遊技が終了しているため押し順の報知が行われず、遊技者はストップスイッチ50を左第一停止で操作するため、ベル5(BE5)〜ベル8(BE8)に対応した図柄61の組合せが停止表示され、「ノーマル遊技(RT0)」に移行する。
【0145】
また、「ART状態」は、後述する「上乗せ特化ゾーン」等の特殊な状態を除いた状態であり、「ART状態」の演出状態としては、「ART通常状態」、「上乗せチャンスゾーン」を備える。
【0146】
(ART通常状態)
「ART通常状態」は、後述する「上乗せチャンスゾーン」等の特殊な状態を除いた状態である。
「ATチャンスゾーン」から「ART通常状態」には、ATチャンスゾーンにおいて、AT移行抽選手段272により行われるAT抽選に当選した場合に移行する。
【0147】
この「ART通常状態」では、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて、上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273により上乗せチャンスゾーン移行抽選が行われる。また、「ART通常状態」では、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて、特化ゾーン移行抽選手段274により特化ゾーン移行抽選が行われる。なお、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選の当選確率は、上乗せチャンスゾーンにおいて行われる特化ゾーン移行抽選の当選確率に比べて、低く設定されている。
【0148】
(上乗せチャンスゾーン)
「上乗せチャンスゾーン」は、「ART通常状態」よりも特化ゾーン移行抽選手段274が行う特化ゾーン移行抽選の当選確率を高く設定することで、「上乗せ特化ゾーン」に移行しやすいように設定された状態である。
【0149】
「ART通常状態」から「上乗せチャンスゾーン」へは、ART通常状態において、上乗せチャンスゾーン移行抽選手段273により行われる上乗せチャンスゾーン移行抽選に当選した場合に移行する。
【0150】
この「上乗せチャンスゾーン」では、各遊技で、特化ゾーン移行抽選手段274により特化ゾーン移行抽選が行われる。また、上乗せチャンスゾーンにおいて行われる特化ゾーン移行抽選の当選確率は、ART通常状態において行われる特化ゾーン移行抽選の当選確率に比べて、高く設定されている。
そして、上乗せチャンスゾーンに滞在中に特化ゾーン移行抽選に当選しなかった場合には、上乗せチャンスゾーンの所定の遊技数を消化した後、「ART通常状態」に戻る。
【0151】
(上乗せ特化ゾーン)
「上乗せ特化ゾーン」は、所定の遊技数、上乗せ遊技制御手段265によりAT遊技の遊技区間、第1の実施形態では、AT遊技の遊技数に上乗せするか否か、及び上乗せする場合の上乗せ遊技数を抽選により決定する演出状態である。
「ART状態」から「上乗せ特化ゾーン」へは、ART状態において、特化ゾーン移行抽選手段274により行われる特化ゾーン移行抽選に当選した場合に移行する。
そして、上乗せ特化ゾーンの所定の遊技数消化後、「ART通常状態」に戻る。
【0152】
(特別区間から一般区間への移行条件)
「特別区間」から「一般区間」へ移行するための移行条件は、上述したAT遊技の遊技数を消化した場合の他、以下のものがある。
【0153】
「特別区間」から「一般区間」、具体的には、「ATチャンスゾーン」から「通常状態」には、ATチャンスゾーンにおいて第1AT抽選又は第2AT抽選が行われ、その実行されたAT抽選に当選しなかった場合に移行する。ただし、「ATチャンスゾーン」から「通常状態」への移行条件が成立するための前提として、当該特別区間において、少なくとも1回、最大払出枚数に係る小役としてのベル1(BE1)の押し順が少なくとも1回報知されていることが条件となる。また、「特別区間」から「一般区間」へは、上述のAT遊技の遊技数が残っていても、特別区間の遊技数を「1500ゲーム」消化した場合に移行する。
【0154】
すなわち、第1の実施形態において「特別区間」から「一般区間」には、上述の「ATチャンスゾーン」から「通常状態」、「AT状態」から「通常状態」への移行条件の成立、又は、特別区間の遊技数を「所定遊技数(たとえば、1500ゲーム)」消化した場合に移行する。
【0155】
なお、第1の実施形態における演出状態の移行先のパターンは、上記したものに限らず、たとえば、「特別区間」において「ATチャンスゾーン」と「AT状態」とを行き来可能としてもよい。
【0156】
(
図14を用いた遊技の基本的な流れの説明)
図14に示すフローチャートに基づいて、メイン制御手段200が1回の遊技毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
【0157】
ステップS10において、メイン制御手段200により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御手段200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップS11に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS10となる。
【0158】
なお、このステップS10の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(3枚)に達しているか否かの判定が行われる。
【0159】
ステップS11において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップS12に進む。
【0160】
ステップS12において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、メイン制御手段200により、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段220により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する押し順は、メイン制御手段200に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
【0161】
また、すべての停止操作終了後、メイン制御手段200からサブ制御手段500へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、すべての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップS13に進む。
【0162】
ステップS13において、停止図柄判定手段230により、有効ライン86上の図柄61の組合せに対して所定の役の図柄61の組合せが揃っているか否かの入賞等の判定処理が行われる。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、メイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。そして、判定処理が終わると、次のステップS14に進む。
【0163】
ステップS14において、配当付与手段240により、停止図柄判定手段230の判定結果に対応した払出処理等が行われる。なお、判定結果、払出等が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理が終了する。
【0164】
(
図15を用いたATチャンスゾーンの基本的な流れの説明)
図15に示すフローチャートに基づいて、ATチャンスゾーンで実行する処理について説明する。
【0165】
ステップS20において、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、AT抽選出目(「リプ、リプ、チェリー」)が有効ライン86上に揃っているか否かの判定が行われる。ここで、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、AT抽選出目(「リプ、リプ、チェリー」)が有効ライン86上に揃っていると判定されると、次のステップS21に進む。一方、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、AT抽選出目(「リプ、リプ、チェリー」)が有効ライン86上に揃っていると判定されないと、ステップS25に進む。
【0166】
ステップS21において、AT移行抽選手段272により、遊技者によるストップスイッチ50の操作態様及び蓄積されているポイントに基づく当選確率にてAT抽選が行われる(
図9参照)。その後、次のステップS22に進む。
【0167】
ステップS22において、AT移行抽選手段272により、ステップS21におけるAT抽選の結果、AT抽選に当選したか否かの判定が行われる。ここで、AT移行抽選手段272により、ステップS21におけるAT抽選の結果、AT抽選に当選したと判定されると、次のステップS23に進む。一方、AT移行抽選手段272により、ステップS21におけるAT抽選の結果、AT抽選に当選したと判定されないと、ステップS24に進む。
【0168】
ステップS23において、AT遊技制御手段264により、AT遊技が設定される。その後、次のステップS24に進む。
ステップS24において、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、特典手段280が蓄積しているポイント数を「0」とした上で、当該ATチャンスゾーンを終了する。そして、当該処理が終了する。
【0169】
ステップS25において、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、ポイント獲得出目(「リプ、リプ、ベル」)が有効ライン86上に揃っているか否かの判定が行われる。ここで、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、ポイント獲得出目(「リプ、リプ、ベル」)が有効ライン86上に揃っていると判定されると、次のステップS26に進む。一方、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、ポイント獲得出目(「リプ、リプ、ベル」)が有効ライン86上に揃っていると判定されないと、当該処理を終了する。
【0170】
ステップS26において、特典手段280により、当該獲得しているポイントの総数が「5ポイント」未満であるか否かの判定が行われる。ここで、特典手段280により、当該獲得しているポイントの総数が「5ポイント」未満であると判定されると、次のステップS27に進む。一方、特典手段280により、当該獲得しているポイントの総数が「5ポイント」未満であると判定されないと、当該処理を終了する。
【0171】
ステップS27において、特典手段280により、ポイントが「1」付与され、当該付与されたポイントが蓄積される。そして、当該処理が終了する。
【0172】
(第1の実施形態の作用効果)
第1の実施形態では、遊技者がポイントを獲得すべく左第一停止又は中第一停止の押し順でストップスイッチ50を操作した場合に、役抽選手段210による役抽選の結果が特殊リプレイ3であったときには、その選択の意に反する結果として、第2AT抽選が実行されることとされている。そして、この第2AT抽選は、遊技者の選択として望んで実行されたAT抽選、具体的には、第1AT抽選が実行された場合よりもAT抽選の当選確率が低く設定されている。
【0173】
そのため、第1の実施形態によれば、AT抽選の当選確率の底上げとしてのポイントを獲得するのかと、AT抽選を実行するのかとを遊技者に選択可能としつつも、その選択の結果として遊技者の意に反する結果が生じることもあるため、その選択にリスクを生じさせることができ、戦略性に富んだ遊技を提供できる。
【0174】
また、第1の実施形態では、遊技者の意思に基づき右第一停止の押し順でストップスイッチ50を操作することにより行われる第1AT抽選の当選確率が、遊技者の意に反して行われる第2AT抽選の当選確率よりも高く設定されている。そのため、第1の実施形態によれば、遊技者に自らの意思に基づいて積極的にAT抽選を行わせることができ、遊技に積極的に遊技者を参加させることにより、遊技の興趣を高めることができる。
【0175】
また、第1の実施形態では、「特別区間」から「一般区間」へは、AT遊技の遊技数が残っていても、特別区間の遊技数を「1500ゲーム」消化した場合に移行することとされている。
【0176】
このとき、遊技者には、ATチャンスゾーンにおいてポイントをより多く獲得してAT抽選の当選確率を上げたうえでAT抽選を行いたいという欲求が生じるものと考えられる。しかし、この場合には、ATチャンスゾーンも「特別区間」の一区間であるため、ATチャンスゾーン中も「特別区間」の遊技数が減算されていく。そのため、ATチャンスゾーンに滞在している期間が長くなればなるほど、「特別区間」の遊技数が減算されていき、結果としてART状態移行後におけるART状態に滞在可能な期間が減少していくこととなる。
【0177】
一方で、遊技者は、ART状態移行後におけるART状態に滞在可能な期間を長くすべく、ATチャンスゾーンにおいてポイントがあまり蓄積されていなくとも早期にAT抽選を行うこともあり得る。
【0178】
以上により、第1の実施形態によれば、遊技者に特別区間のうちのどれだけの遊技数をATチャンスゾーンに費やすかを決定させることができる。
具体的には、遊技者がART状態移行後におけるART状態に滞在可能な期間が減少するとしても、AT抽選の当選確率を上げたうえでAT抽選を行いたいと考えた場合には、ATチャンスゾーンにおいてポイントをより多く獲得するという選択を取ることが考えられる。
【0179】
一方、遊技者がART状態移行後におけるART状態に滞在可能な期間を長くしたいと考えた場合には、獲得ポイント数が少なく、AT抽選の結果により通常状態へ移行するリスクが高いとしても、早期にAT抽選を行うという選択を取ることが考えられる。
【0180】
したがって、第1の実施形態によれば、遊技者に特別区間のうちのどれだけの遊技数をATチャンスゾーンに費やすかを決定させることにより、ATチャンスゾーンにおける戦略性を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。さらに、第1の実施形態によれば、ATチャンスゾーンにおける戦略がAT抽選を行うタイミングだけでなく、移行後のART状態にて得られる配当(メダル)の多寡にまで影響を及ぼし得るため、その戦略の重要度を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0181】
(その他の態様)
以上のとおり、本発明を第1の実施形態を例として説明したが、本発明は上述した第1の実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の技術的範囲には、下記のような形態も含まれる。
【0182】
第1の実施形態では、特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)に当選した場合、遊技者が最初に操作するストップスイッチ50の種類(すなわち、3択)に基づいて表示される出目により、その後の結果が変化するとして説明したが、これには限られない。たとえば、特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)に当選した場合、遊技者が操作したストップスイッチ50の第一停止から第三停止までの順序(すなわち、6択)に基づいて表示される出目により、その後の結果を変化させてもよい。
【0183】
また、特殊リプレイに当選した場合に、一の押し順として、たとえば順押しでストップスイッチ50が操作されたときに、「AT抽選出目(「リプ、リプ、チェリー」)」と、「ポイント獲得出目(「リプ、リプ、ベル」)」との何れかが必ず表示されることとしてもよい。このように、一の押し順の結果として、「ポイントの獲得」か「AT抽選の実行」が必ず行われることとした場合(すなわち、何もしないことがない)には、遊技者に対し、自己の選択によるリスクを一層高めることができ、その選択における緊張感を高めることができる。
【0184】
さらに、特殊リプレイに当選した場合に、一の押し順として、たとえば順押しでストップスイッチ50が操作されたときに、ポイントの獲得やAT抽選の実行もなされない、すなわち、何も行われない図柄61の組合せが表示されることとしてもよい。
【0185】
また、遊技者の意に反する結果(左第一停止又は中第一停止)として、所定の図柄61の組合せ(AT抽選出目「リプ、リプ、チェリー」)が有効ライン86上に揃った場合には、当該蓄積されているポイントを減算することとしてもよいし、当該蓄積されているポイントを全て消滅させることとしてもよい。このように、遊技者を確実に不利にするリスクを設けることにより、遊技者に対し、自己の選択によるリスクを一層高めることができ、その選択における緊張感を高めることができる。
【0186】
さらに、第1の実施形態では、ポイントが付与される図柄61の組合せを1種類としたが、これに限らず、2種類以上設けてもよい。このようにポイントが付与される図柄61の組合せを2種類以上設けた場合には、当該ポイントが付与される図柄61の組合せが有効ライン86上に揃ったときに、「1ポイント」付与される図柄61の組合せと、「2ポイント」付与される図柄61の組合せとを設けることにより、当該ポイントが付与される図柄61の組合せに優劣をつけてもよい。そして、ポイントが付与される図柄61の組合せに優劣をつけることにより、ポイントが付与される態様を多様なものとすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0187】
また、第1の実施形態では、役抽選にて特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)に当選した場合に、遊技者のストップスイッチ50の押し順の結果、AT抽選出目(「リプ、リプ、チェリー」)又はポイント獲得出目(「リプ、リプ、ベル」)の何れが有効ライン86上に揃いそうかを演出実行制御手段510により実行される示唆演出にて示唆することとしてもよい。
【0188】
たとえば、示唆演出として、演出実行制御手段510により表示装置84に「左第一停止又は中第一停止の場合 リプレイ1(RP1):30%、リプレイ2(RP2):60%、リプレイ3(RP3):10%」等と表示させることとしてもよい。また、演出実行制御手段510により実行される示唆演出は、表示装置84を用いることに限らず、たとえば、スピーカー72を用いて効果音により示唆してもよいし、演出用ランプ78を用いて発光により示唆してもよい。さらに、演出実行制御手段510により実行される示唆演出は、表示装置84を用いた場合には、上述のように文字を表示することに限らず、各リプレイの割合を示したグラフ等を表示してもよい。
【0189】
このように、演出実行制御手段510により示唆演出を実行することとした場合には、遊技者に特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)当選時におけるストップスイッチ50の押し順の判断材料を提供でき、遊技者の選択における戦略性を高め、遊技の興趣を高めることができる。
【0190】
また、第1の実施形態では、役抽選にて特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)に当選した場合に、遊技者が中第一停止の押し順でストップスイッチ50を操作したときには、AT抽選出目(「リプ、リプ、チェリー」)とポイント獲得出目(「リプ、リプ、ベル」)との何れもが有効ライン86上に揃わないこととしてもよい。このように、役抽選にて特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)に当選した場合に、何も行われない選択肢を設けることにより、遊技者が何れの押し順でストップスイッチ50を操作するかを決断しきれないときの回避手段となり、過度に遊技者を追い込むことを防止できる。
【0191】
さらに、演出実行制御手段510により示唆演出が実行され、かつ、上述の何も行われない選択肢を設けた場合には、示唆演出の内容に基づいて回避手段を取るという選択肢を増やすことができる。これにより、遊技者がポイントの獲得について挑戦する契機をさらに調整可能となり、遊技者の選択における戦略性を高め、遊技の興趣を高めることができる。
【0192】
また、第1の実施形態では、ATチャンスゾーン中の特定の遊技数の場合(たとえば、「5ゲーム目」、「10ゲーム目」等の5の倍数)には、第1AT抽選又は第2AT抽選の何れかの当選確率を高めることとしてもよい。そして、これらのATチャンスゾーン中の特定の遊技数の場合に、第1AT抽選又は第2AT抽選の何れかの当選確率が向上することは、演出実行制御手段510による報知演出にて遊技者に報知される。
【0193】
ここで、ATチャンスゾーン中の特定の遊技数の場合に、第1AT抽選の当選確率を高めたときには、現在の蓄積しているポイントが少なく、運に任せて第1AT抽選を実行するといった場当たり的な戦略でなく、第1AT抽選の当選確率が向上する特定の遊技数を踏まえた将来的な戦略を練ることができる。
【0194】
一方、ATチャンスゾーン中の特定の遊技数の場合に、第2AT抽選の当選確率を高めたときには、その特定の遊技数時であれば、第2AT抽選が実行されたとしてもその当選確率が若干向上しているため、遊技者にリスクを恐れずにポイント獲得という選択をさせることができる。なお、ATチャンスゾーン中の特定の遊技数の場合に高められた第2AT抽選の当選確率は、その特定の遊技数における第1AT抽選の当選確率未満とすることが望ましい。
【0195】
以上のように、AT抽選の当選確率が向上する特定の遊技数を踏まえた将来的な戦略を練ったとしても、その特定の遊技数時に特殊リプレイに当選しなければ、AT抽選やポイントの獲得に挑戦することすらできないため、特定の遊技数とその時の当選役との巡り合わせに一喜一憂させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0196】
また、第1の実施形態では、ATチャンスゾーン中に所定のレア役(たとえば、チェリー)に当選した場合には、レア役に当選した遊技時から所定の遊技期間(たとえば、5ゲーム間)の間、AT抽選の当選確率を向上させることとしてもよい。
【0197】
さらに、ATチャンスゾーン中に所定のレア役(たとえば、チェリー)に当選した場合の恩恵として、レア役に当選した遊技時から所定の遊技期間(たとえば、5ゲーム間)の間に特殊リプレイに当選したときには、演出実行制御手段510による報知演出にて、何れの種類の特殊リプレイに当選したのかを報知することとしてもよい。なお、上述の恩恵が付与される期間は、レア役に当選した遊技時から所定の遊技期間の間に限らず、レア役に当選した遊技時から特殊リプレイに所定回数(たとえば、3回)当選するまでとしてもよい。
【0198】
以上のように、ATチャンスゾーン中における所定のレア役の当選に恩恵を付与した場合には、ATチャンスゾーン中において特殊リプレイ以外の当選役にも期待感を持たせることができるうえ、所定のレア役に当選したときの喪失感を防止できる。
【0199】
また、第1の実施形態では、AT抽選を当選確率の異なる第1AT抽選と第2AT抽選との2種類を備えることとしたが、これに限らず、AT抽選は1種類としてもよい。この場合は、AT抽選の抽選回数を異ならせることにより、遊技者が意図して行ったAT抽選と遊技者の意に反して行われたAT抽選との間で優劣をつけることが望ましい。このようにAT抽選を1種類とした場合には、AT抽選を2種類とした構成に比べて、メイン制御手段200のデータ容量を削減することができる。
【0200】
また、第1の実施形態では、ATチャンスゾーン中における役抽選にて特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)に当選した場合、停止図柄判定手段230による有効ライン86上の図柄61の組合せ(出目)の判定結果に基づいて、「AT抽選」や「ポイントの獲得」がなされることとしたが、これには限られない。たとえば、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、特殊リプレイ(特殊リプレイ1〜3)当選時のストップスイッチ50の押し順の判定結果に基づいて、「AT抽選」や「ポイントの獲得」がなされることとしてもよい。
【0201】
また、以上で説明した第1の実施形態では、本発明における「中位状態」を「ATチャンスゾーン」、「上位状態」を「AT状態」として説明したがこれには限られない。たとえば、
図13に示す「上乗せチャンスゾーン」を本発明における「中位状態」とし、「上乗せ特化ゾーン」を本発明における「上位状態」として、以上で説明した構成を採用してもよい。この場合には、特化ゾーン移行抽選として、第1特化ゾーン移行抽選と第2特化ゾーン移行抽選との少なくとも2種類を設け、「第1特化ゾーン移行抽選」を本発明における「第1移行抽選」に、「第2特化ゾーン移行抽選」を本発明における「第2移行抽選」に相当することとしてもよい。
【0202】
(第2の実施形態)
以下、本実施の形態の第2の実施形態を第1の実施形態と重複する部分は説明を省略して説明する。
第2の実施形態は、ATチャンスゾーンにおいてAT抽選が行われたことに基づいて当該ATチャンスゾーンが終了する点で第1の実施形態と同様である。しかし、第2の実施形態は、ATチャンスゾーンにおいてAT抽選が行われていなくとも、所定の遊技数を経過することにより当該ATチャンスゾーンが終了する点で第1の実施形態と異なる。
【0203】
(ATチャンスゾーン遊技制御手段262)
図16に示すように、第2の実施形態におけるATチャンスゾーン遊技制御手段262は、ATチャンスゾーンにおける遊技数のカウントを行うATチャンスゾーン遊技数カウント手段263を備えている。
【0204】
(ATチャンスゾーン遊技数カウント手段263)
ATチャンスゾーン遊技数カウント手段263は、ATチャンスゾーンにおける遊技数のカウントを行うものであって、ATチャンスゾーンにおける遊技数をカウントするためのATチャンスゾーン遊技数カウンタを備えている。
【0205】
このATチャンスゾーン遊技数カウント手段263は、ATチャンスゾーンへの移行時に付与されるATチャンスゾーンの遊技数をATチャンスゾーン遊技数カウンタに設定し、ATチャンスゾーンの遊技数が1遊技消化される毎に、ATチャンスゾーン遊技数カウンタ値を「1」減算する。第2の実施形態では、本発明における「所定の遊技数」として、「20ゲーム」がATチャンスゾーンの遊技数とされている。なお、ATチャンスゾーンの遊技数は、「20ゲーム」に限らず、これより多くても少なくてもよい。また、ATチャンスゾーンの遊技数は、常に固定された遊技数でもよいし、ATチャンスゾーンが開始される都度、抽選により当該ATチャンスゾーンにおける遊技数を決定するなどして、変動するものであってもよい。
【0206】
そして、ATチャンスゾーン遊技制御手段262は、当該ATチャンスゾーンにてAT抽選が行われることなくATチャンスゾーン遊技数カウント手段263がカウントするATチャンスゾーン遊技数カウンタ値が「0」になった場合には、当該ATチャンスゾーンを終了して、通常状態に移行する。
【0207】
(
図17を用いたATチャンスゾーンの基本的な流れの説明)
図17に示すフローチャートに基づいて、ATチャンスゾーンで実行する処理について説明する。
【0208】
ステップS30において、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、AT抽選出目(「リプ、リプ、チェリー」)が有効ライン86上に揃っているか否かの判定が行われる。ここで、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、AT抽選出目(「リプ、リプ、チェリー」)が有効ライン86上に揃っていると判定されると、次のステップS31に進む。一方、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、AT抽選出目(「リプ、リプ、チェリー」)が有効ライン86上に揃っていると判定されないと、ステップS35に進む。
【0209】
ステップS31において、AT移行抽選手段272により、遊技者によるストップスイッチ50の操作態様及び蓄積されているポイントに基づく当選確率にてAT抽選が行われる(
図9参照)。その後、次のステップS32に進む。
【0210】
ステップS32において、AT移行抽選手段272により、ステップS31におけるAT抽選の結果、AT抽選に当選したか否かの判定が行われる。ここで、AT移行抽選手段272により、ステップS31におけるAT抽選の結果、AT抽選に当選したと判定されると、次のステップS33に進む。一方、AT移行抽選手段272により、ステップS31におけるAT抽選の結果、AT抽選に当選したと判定されないと、ステップS34に進む。
【0211】
ステップS33において、AT遊技制御手段264により、AT遊技が設定される。その後、次のステップS34に進む。
ステップS34において、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、特典手段280が蓄積しているポイント数を「0」とした上で、当該ATチャンスゾーンを終了する。そして、当該処理が終了する。
【0212】
ステップS35において、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、ポイント獲得出目(「リプ、リプ、ベル」)が有効ライン86上に揃っているか否かの判定が行われる。ここで、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、ポイント獲得出目(「リプ、リプ、ベル」)が有効ライン86上に揃っていると判定されると、次のステップS36に進む。一方、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、ポイント獲得出目(「リプ、リプ、ベル」)が有効ライン86上に揃っていると判定されないと、ステップS38に進む。
【0213】
ステップS36において、特典手段280により、当該獲得しているポイントの総数が「5ポイント」未満であるか否かの判定が行われる。ここで、特典手段280により、当該獲得しているポイントの総数が「5ポイント」未満であると判定されると、次のステップS37に進む。一方、特典手段280により、当該獲得しているポイントの総数が「5ポイント」未満であると判定されないと、ステップS38に進む。
【0214】
ステップS37において、特典手段280により、ポイントが「1」付与され、当該付与されたポイントが蓄積される。そして、次のステップS38に進む。
ステップS38において、ATチャンスゾーン遊技数カウント手段263により、ATチャンスゾーン遊技数カウンタ値が「1」減算される。そして、次のステップS39に進む。
【0215】
ステップS39において、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、ATチャンスゾーン遊技数カウンタ値が「0」であるか否かの判定が行われる。ここで、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、ATチャンスゾーン遊技数カウンタ値が「0」であると判定されると、次のステップS40に進む。一方、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、ATチャンスゾーン遊技数カウンタ値が「0」であると判定されないと、当該処理を終了する。
【0216】
ステップS40において、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、特典手段280が蓄積しているポイント数を「0」とした上で、当該ATチャンスゾーンを終了する。そして、当該処理が終了する。
【0217】
(第2の実施形態の作用効果)
第2の実施形態では、第1AT抽選又は第2AT抽選が行われていなくとも、所定の遊技数を経過したことに基づいてATチャンスゾーンが終了することとされている。そのため、第2の実施形態によれば、遊技者にポイントを多く獲得してから第1AT抽選又は第2AT抽選を行いたいとの欲求と、所定の遊技数を経過したことに基づいてATチャンスゾーンが終了してしまうのではないかとの不安とを与えることができ、遊技者の選択にリスクが生じることにより戦略性に富んだ遊技を提供できる。
【0218】
また、第2の実施形態では、第1AT抽選又は第2AT抽選の抽選結果に基づいて、当該ATチャンスゾーンでの遊技を終了し、通常状態又はAT状態での遊技を開始する。そのため、第2の実施形態によれば、遊技者にポイントを多く獲得してから第1AT抽選又は第2AT抽選を行いたいとの欲求と、役抽選の結果として特殊リプレイ3に当選し、左第一停止又は中第一停止の押し順でストップスイッチ50が操作されたことに基づいて第2AT抽選が行われてしまうのではないかとの不安とを与えることができ、遊技者の選択にリスクが生じることにより戦略性に富んだ遊技を提供できる。
【0219】
(第3の実施形態)
以下、本実施の形態の第3の実施形態を第1及び第2の実施形態と重複する部分は説明を省略して説明する。
【0220】
第3の実施形態は、ATチャンスゾーンにおいてAT抽選が行われ、AT抽選に当選したことに基づいて当該ATチャンスゾーンが終了する点で第1及び第2の実施形態と異なる。この第3の実施形態は、ATチャンスゾーンにおいてAT抽選が行われ、AT抽選に当選しなかった場合に、当該ATチャンスゾーンの遊技数が残っているときには、当該ATチャンスゾーンが継続されることとなっている。
【0221】
また、第3の実施形態は、ATチャンスゾーンにおいてAT抽選が行われていなくとも、所定の遊技数を経過することにより当該ATチャンスゾーンが終了する点で第2の実施形態と共通する。
【0222】
(
図18を用いたATチャンスゾーンの基本的な流れの説明)
図18に示すフローチャートに基づいて、ATチャンスゾーンで実行する処理について説明する。
【0223】
ステップS50において、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、AT抽選出目(「リプ、リプ、チェリー」)が有効ライン86上に揃っているか否かの判定が行われる。ここで、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、AT抽選出目(「リプ、リプ、チェリー」)が有効ライン86上に揃っていると判定されると、次のステップS51に進む。一方、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、AT抽選出目(「リプ、リプ、チェリー」)が有効ライン86上に揃っていると判定されないと、ステップS56に進む。
【0224】
ステップS51において、AT移行抽選手段272により、遊技者によるストップスイッチ50の操作態様及び蓄積されているポイントに基づく当選確率にてAT抽選が行われる(
図9参照)。その後、次のステップS52に進む。
【0225】
ステップS52において、AT移行抽選手段272により、ステップS51におけるAT抽選の結果、AT抽選に当選したか否かの判定が行われる。ここで、AT移行抽選手段272により、ステップS51におけるAT抽選の結果、AT抽選に当選したと判定されると、次のステップS53に進む。一方、AT移行抽選手段272により、ステップS51におけるAT抽選の結果、AT抽選に当選したと判定されないと、ステップS55に進む。
【0226】
ステップS53において、AT遊技制御手段264により、AT遊技が設定される。その後、次のステップS54に進む。
ステップS54において、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、特典手段280が蓄積しているポイント数を「0」とした上で、当該ATチャンスゾーンを終了する。そして、当該処理が終了する。
【0227】
ステップS55において、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、特典手段280が蓄積しているポイント数が「0」とされる。そして、ステップS60に進む。
【0228】
ステップS56において、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、ポイント獲得出目(「リプ、リプ、ベル」)が有効ライン86上に揃っているか否かの判定が行われる。ここで、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、ポイント獲得出目(「リプ、リプ、ベル」)が有効ライン86上に揃っていると判定されると、次のステップS57に進む。一方、停止図柄判定手段230により、ステップS11における役抽選処理の結果、ポイント獲得出目(「リプ、リプ、ベル」)が有効ライン86上に揃っていると判定されないと、ステップS59に進む。
【0229】
ステップS57において、特典手段280により、当該獲得しているポイントの総数が「5ポイント」未満であるか否かの判定が行われる。ここで、特典手段280により、当該獲得しているポイントの総数が「5ポイント」未満であると判定されると、次のステップS58に進む。一方、特典手段280により、当該獲得しているポイントの総数が「5ポイント」未満であると判定されないと、ステップS59に進む。
【0230】
ステップS58において、特典手段280により、ポイントが「1」付与され、当該付与されたポイントが蓄積される。そして、次のステップS59に進む。
ステップS59において、ATチャンスゾーン遊技数カウント手段263により、ATチャンスゾーン遊技数カウンタ値が「1」減算される。そして、次のステップS60に進む。
【0231】
ステップS60において、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、ATチャンスゾーン遊技数カウンタ値が「0」であるか否かの判定が行われる。ここで、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、ATチャンスゾーン遊技数カウンタ値が「0」であると判定されると、次のステップS61に進む。一方、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、ATチャンスゾーン遊技数カウンタ値が「0」であると判定されないと、当該処理を終了する。
【0232】
ステップS61において、ATチャンスゾーン遊技制御手段262により、特典手段280が蓄積しているポイント数を「0」とした上で、当該ATチャンスゾーンを終了する。そして、当該処理が終了する。
【0233】
(第3の実施形態の作用効果)
第3の実施形態では、第1AT抽選又は第2AT抽選が行われ、当該AT抽選に当選しなかったとしても、当該ATチャンスゾーンの遊技数が残っている場合には、当該ATチャンスゾーンが継続されることとされている。そのため、第3の実施形態によれば、AT抽選が行われ、その結果にかかわらず当該ATチャンスゾーンが終了する構成に比べて、ATチャンスゾーン中にAT抽選を行うリスクを軽減することができる。したがって、第3の実施形態によれば、ATチャンスゾーン中において遊技者がリスクを恐れることなくAT抽選を行う可能性を高めることができ、遊技が単調になることを抑制することによって、遊技の興趣を高めることができる。
【0234】
(第2及び第3の実施形態の変形例)
以下、本実施の形態の第2及び第3の実施形態の変形例(以下、単に「変形例」とする)について説明する。
【0235】
変形例は、第2及び第3の実施形態と同様に、ATチャンスゾーンにおいてAT抽選が行われたこと及びATチャンスゾーンにおいてAT抽選が行われていなくとも、所定の遊技数を経過したことに基づいて、当該ATチャンスゾーンが終了する。しかし、変形例は、第2及び第3の実施形態と異なり、所定の遊技数が経過したことによりATチャンスゾーンを終了する場合には、当該ATチャンスゾーンの終了時にAT抽選としての第3AT抽選が行われることとされている。
【0236】
このとき、第3AT抽選の当選確率は、第1AT抽選及び第2AT抽選に比べて低く設定されている。
具体的には、
図19に示すように、AT抽選のうち第3AT抽選の当選確率は、蓄積されているポイントが「0ポイント」の場合には「3%」、「1ポイント」の場合には「6%」、「2ポイント」の場合には「10%」、「3ポイント」の場合には「20%」、「4ポイント」の場合には「30%」、「5ポイント」の場合には「50%」となっている。なお、第3AT抽選の当選確率は、上記したものに限らず、第1AT抽選及び第2AT抽選の当選確率に比べて低くなるものであれば、他の数値でもよい。
【0237】
(変形例の作用効果)
変形例では、所定の遊技数が経過したことによりATチャンスゾーンを終了する場合には、当該ATチャンスゾーンの終了時にAT抽選としての第3AT抽選が行われることとされている。そのため、変形例によれば、ATチャンスゾーンに移行した場合には必ずAT抽選が行われるので、遊技者にAT状態移行への期待感を与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【課題】特定の契機において遊技者が所定の指示を与えることを可能にしつつも、その指示の結果が遊技者の意に反する可能性を備えることで、その指示にリスクを生じさせ、戦略性に富んだ遊技を実行可能な遊技機を提供する。
【解決手段】役抽選が第1結果の場合に第1操作順序で操作されたときには、回転リールが第1表示態様で停止されて特典が付与され、第2操作順序で操作されたときには、回転リールが第2表示態様で停止されて特典に基づいて第1移行抽選が行われ、役抽選が第2結果の場合に第2操作順序で操作されたときには、回転リールが第2表示態様で停止されて特典に基づいて第1移行抽選が行われ、第1操作順序で操作されたときには、回転リールが第2表示態様で停止されて特典に基づいて、第1移行抽選よりも遊技者にとって有利となる権利が付与される確率の低い第2移行抽選が行われる。