(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、通信ネットワークに接続されたユーザ機器によって使用される移動体通信事業者の選択に動的影響を及ぼす方法を与えることにある。ここで、ユーザ機器は、埋め込み識別モジュールを含み、複数の移動体通信事業者プロファイルを使用することができる。その結果、運用コストが減少し、収益が増加し、当該特定のユーザ機器に対する現行移動体通信ネットワーク事業者のサービスレベルが保持若しくは拡張され若しくはアフィリエイト移動体通信事業者へと引き渡され、又は他の移動体通信事業者へと承継される。
【0009】
本発明の目的は、通信ネットワークに接続されたユーザ機器によって使用される移動体通信事業者プロファイルの選択に動的影響を及ぼす方法によって達成される。ここで、ユーザ機器は、埋め込み識別モジュールを含み、複数の移動体通信事業者プロファイルを使用することができる。複数の移動体通信事業者プロファイルは、少なくとも第1移動体通信事業者プロファイル及び第2移動体通信事業者プロファイルを含む。方法は、
・複数のトリガ事象を定義して、各トリガ事象に対する切り替え確率を決定するステップであって、当該切り替え確率は、ユーザ機器が第1移動体通信事業者プロファイルを第2移動体通信事業者プロファイルへと切り替える確率であり、当該切り替え確率及び当該複数のトリガ事象は、当該ユーザ機器に関連付けられた少なくとも一つの切り替えパラメータに依存するステップと、
・切り替え関連情報がユーザ機器へと送信されるステップであって、当該切り替え関連情報は、第1移動体通信事業者プロファイルの若しくはその関連サービスパラメータの修正、又は第2移動体通信事業者プロファイルの若しくはその関連サービスパラメータの修正のいずれかに関連する情報に対応し、当該切り替え関連情報は、第1移動体通信事業者プロファイルから第2移動体通信事業者プロファイルへの切り替えをユーザ機器に引き起こすこと、又はユーザ機器が第1移動体通信事業者プロファイルから第2移動体通信事業者プロファイルへ切り替えるのを防止することのいずれかを目的とするステップと
を含む。
【0010】
本発明によれば、有利なことに、埋め込み識別モジュール(例えばeSIM(埋め込み加入者識別モジュール)又はeUICC(埋め込みユニバーサル集積回路カード))が設けられたユーザ機器により、消費者は、オーバー・ザ・トップ(OTT)購読マネージャを介するいくつかの場合において、自分のデバイスにおける移動体通信事業者(プロファイル)のアクティブな表示を動的に切り替え、自分の現行の状況に対し移動体通信事業者の選択を最適化することができる。
【0011】
移動体通信事業者プロファイル(又はSIMプロファイル)の動的切り替えが特に重要となる地理的エリアは、ユーザが、ここからローミング課金が通常始まるという領土境界(すなわち通信ネットワークの境界でもある境界)、特に国境に近づくときに存在する。この例では、ユーザが、新たな国の移動体通信事業者を代表する他の移動体通信事業者プロファイルへと切り替えるか、又は、そのようなものがまだユーザのeUICCに存在しない場合、競争相手の移動体通信事業者(可能であればOTT購読マネージャを介して)が、新たな移動体通信事業者プロファイル(又はSIMプロファイル)をユーザに押し付けて既存移動体通信事業者から離れるように誘い込もうとする可能性が高い。
【0012】
したがって、本発明の重要な側面は、どのようにして、ユーザの将来生じ得るネットワークニーズ及びネットワーク切り替えの確率を予測し、これに基づいて、
・新たな移動体通信事業者プロファイル(若しくはSIMプロファイル)を計算し、若しくは新たな移動体通信事業者のために既存移動体通信事業者プロファイル(若しくはSIMプロファイル)を修正し、その後、ユーザがこの機会を利用するよう促し、又は
・新たな移動体通信事業者の脅威に対し、現行移動体通信事業者プロファイル(又はSIMプロファイル)に関連付けられた現行移動体通信事業者への忠誠を確保することに努める対抗策によって先手を打つかにある。
【0013】
したがって、移動体通信事業者プロファイルの動的切り替えは、移動体通信事業者にとっての潜在的脅威及び機会の双方を提示する。ユーザの現行ネットワーク特性と代替ネットワーク特性との間の有意な差異が存在する経路上でユーザが臨界「トリガ」ポイントに近づくときに先手を打つことができることにより、顧客維持を強める技術的対抗策を実現したり、又は移動体通信事業者が切り替えられる尤度を増加させる技術的奨励を実現したりすることができる。
【0014】
本発明の重要な一側面によれば、移動体通信事業者切り替えの脅威が決定される。ユーザ機器に対する移動体通信事業者切り替えの脅威は典型的に、ユーザ機器の位置及び/又は軌道を確立することによって決定される。これにより、ユーザ機器の将来生じ得る経路が決定される。ネットワーク切り替え機会のための潜在的なトリガポイントを代表する経路上のポイント、例えば、ユーザがローミング課金を負担し始める国境を横切る移動、又は必要なサービスがもはや利用できないエリアへの移動、が決定される。特に有利なことに、本発明によれば、ユーザ機器による移動体通信事業者切り替えリスクが存在する特定地理向けの脅威トリガポイントが識別される。経路に沿ったトリガポイント、すなわち移動体通信事業者切り替えリスクが存在する場所、に対する脅威の大きさがフィルタリングされる結果、有意なネットワーク切り替えリスクを代表するトリガポイントのみの処理が進められる。
【0015】
本発明の一つのさらに重要な側面によれば、移動体通信事業者切り替え機会が決定される。ユーザ機器にとっての移動体通信事業者切り替え機会は典型的に、ユーザ機器の位置及び/又は軌道を確立することによって決定される。これにより、その将来生じ得る経路が決定される。ネットワーク切り替え機会のための潜在的なトリガポイントを代表する経路上のポイント、例えば、ユーザがローミング課金を負担し始める国境を横切る移動、又は必要なサービスがもはや利用できないエリアへの移動、が決定される。特に有利なことに、本発明によれば、ユーザ機器による移動体通信事業者切り替えリスクが存在する特定地理向けの機会トリガポイントが識別される。経路に沿ったトリガポイント、すなわちユーザ機器にとってサービスニーズが移動体通信事業者切り替え後に良好に満たされる確率が存在する場所、に対する機会の大きさがフィルタリングされる結果、有意なネットワーク切り替え機会を代表するトリガポイントのみの処理が進められる。
【0016】
本発明の一つのさらに重要な側面によれば、移動体通信事業者切り替え対抗策が決定される。移動体通信事業者切り替え対抗策は、ネットワークサービス特性をユーザ機器がとる経路に沿って決定し、当該ネットワークサービス特性を、ユーザにとって現在利用可能なネットワークサービス特性と比較する。ユーザ機器の既存ネットワークに対する新たなネットワークサービス特性が、ユーザ機器が移動体通信事業者を切り替えるリスクを低減するべく計算される。ネットワーク切り替え脅威において識別されたトリガポイントに到達するときに、それに応じて既存SIMプロファイルが更新され、又は新たなネットワークサービス特性が新たな料金表として適用される。特に有利なことに、本発明によれば、移動体通信事業者切り替え脅威への対抗策が計算される結果、ユーザが新たな移動体通信事業者へと切り替えるリスクが低減される。
【0017】
本発明のさらにもう一つのさらに重要な側面によれば、移動体通信事業者切り替え奨励が決定される。移動体通信事業者切り替え奨励は、ユーザがとる経路に沿ってネットワークサービス特性を決定し、当該ユーザにとって現在利用可能なネットワークサービス特性と比較する。新たな移動体通信事業者のためにあつらえられたネットワークサービス特性が、ユーザ機器(又はそのユーザ)に対して移動体通信事業者の切り替えを奨励するように計算される。これは、ネットワーク切り替え機会において識別されたトリガポイントに到達するときに、適切な料金表提案とともに新たな移動体通信事業者プロファイルとしてダウンロードされる。特に有利なことに、本発明によれば、移動体通信事業者切り替え機会に対する奨励が、ユーザ機器(又はそのユーザ)の新たな移動体通信事業者への切り替えが奨励されるように、すなわち新たな移動体通信事業者プロファイルを使用して、計算される。
【0018】
本発明は、すべての種類の通信ネットワーク、特に、2G、3G及び/又は4G通信ネットワークのような移動体通信ネットワークを参照する。用語2Gアクセスは、第2世代移動体通信ネットワークに関連し、典型的にGSM(登録商標)規格(Global System for Mobile communication)によって表されるユーザ機器に対応する。用語3Gアクセスは、第3世代移動体通信ネットワークに関連し、典型的にUMTS規格(Universal Mobile Telecommunication System)によって表されるユーザ機器に対応する。用語4Gアクセスは、第4世代移動体通信ネットワークに関連し、典型的にLTE規格(Long Term Evolution)によって表されるユーザ機器に対応する。
【0019】
本発明によれば、複数のトリガ事象が決定され、各トリガ事象に対して関連切り替え確率が決定されることが好ましい。
【0020】
したがって、有利なことに、切り替え確率が所定のしきい値を上回ることが、ユーザ機器が他の移動体通信事業者プロファイルへの切り替えを奨励されるか又は他の移動体通信事業者プロファイルへの切り替えを防止されるかのいずれかとなるようなアクションのトリガとなる。
【0021】
さらに、本発明によれば、切り替え確率は、
・ユーザ機器の地理的な位置に、又は
・ユーザ機器の地理的な位置に、及びユーザ機器が移動する方向に
依存することが好ましい。
【0022】
したがって、有利なことに、本発明によれば、トリガ状況を容易に決定することができる。
【0023】
本発明によれば、複数のトリガ事象のトリガ事象の少なくとも一部分が、ユーザ機器が、
・通信ネットワークのカバレッジエリアの境界、並びに/又は
・領土境界、特に国境及び/若しくは地域境界
に近づいている及び/又は近接していることに対応するのが好ましい。
【0024】
さらに、切り替え関連情報は、ユーザ機器のユーザへの、修正された接続条件及び/又は適用可能な料金表に関する情報に対応するのが好ましい。
【0025】
したがって、有利なことに、ユーザ機器のユーザは、異なる価格設定モデルに関する及び/又は異なるサービスレベルに関する移動体通信事業者プロファイルの切り替えについて決めることができる。
【0026】
本発明はまた、通信ネットワークに関し、当該通信ネットワークは、当該通信ネットワークに接続されたユーザ機器によって使用される移動体通信事業者プロファイルの選択に動的影響を及ぼす。ここで、ユーザ機器は、埋め込み識別モジュールを含み、複数の移動体通信事業者プロファイルを使用することができる。複数の移動体通信事業者プロファイルは、少なくとも第1移動体通信事業者プロファイル及び第2移動体通信事業者プロファイルを含む。通信ネットワークは、
・複数のトリガ事象が定義され、各トリガ事象の切り替え確率が決定され、当該切り替え確率は、ユーザ機器が、第1移動体通信事業者プロファイルから第2移動体通信事業者プロファイルへと切り替える確率に対応し、当該複数のトリガ事象に対する切り替え確率は、当該ユーザ機器に関連付けられた少なくとも一つの切り替えパラメータに依存し、
・切り替え関連情報が、通信ネットワークによってユーザ機器へと送信され、当該切り替え関連情報は、第1移動体通信事業者プロファイルの若しくはその関連サービスパラメータの修正、又は第2移動体通信事業者プロファイルの若しくはその関連サービスパラメータの修正のいずれかに関連する情報に対応し、当該切り替え関連情報は、第1移動体通信事業者プロファイルから第2移動体通信事業者プロファイルへの切り替えをユーザ機器に引き起こすこと、又はユーザ機器が第1移動体通信事業者プロファイルから第2移動体通信事業者プロファイルへ切り替えるのを防止することのいずれかを目的とする
ように構成される。
【0027】
さらに、通信ネットワークに関し、複数のトリガ事象が決定され、各トリガ事象に対して関連切り替え確率が決定されることが好ましい。
【0028】
追加的に本発明によれば、通信ネットワークに関し、切り替え確率が、
・ユーザ機器の地理的な位置に、又は
・ユーザ機器の地理的な位置及び当該ユーザ機器の移動方向に
依存するのが好ましい。
【0029】
本発明によれば、通信ネットワークに関し、複数のトリガ事象のトリガ事象の少なくとも一部分が、・通信ネットワークのカバレッジエリアの境界、並びに/又は・領土境界、特に国境及び/若しくは地域境界に近づいている及び/又は近接しているユーザ機器に対応するのが好ましい。
【0030】
追加的に、本発明は、ユーザ機器に関し、当該ユーザ機器は、通信ネットワークに接続された当該ユーザ機器によって使用される移動体通信事業者プロファイルの選択に動的影響を及ぼす。ここで、ユーザ機器は埋め込み識別モジュールを含み、複数の移動体通信事業者プロファイルを使用することができる。複数の移動体通信事業者プロファイルは、少なくとも第1移動体通信事業者プロファイル及び第2移動体通信事業者プロファイルを含み、ユーザ機器は、
・複数のトリガ事象が定義され、各トリガ事象の切り替え確率が決定され、当該切り替え確率は、ユーザ機器が、第1移動体通信事業者プロファイルから第2移動体通信事業者プロファイルへと切り替える確率に対応し、当該切り替え確率及び当該複数のトリガ事象は、当該ユーザ機器に関連付けられた少なくとも一つの切り替えパラメータに依存し、
・切り替え関連情報がユーザ機器によって受信され、当該切り替え関連情報は、第1移動体通信事業者プロファイルの若しくはその関連サービスパラメータの修正、又は第2移動体通信事業者プロファイルの若しくはその関連サービスパラメータの修正のいずれかに関する情報に対応し、当該切り替え関連情報は、第1移動体通信事業者プロファイルから第2移動体通信事業者プロファイルへの切り替えをユーザ機器に引き起こすこと、又はユーザ機器が第1移動体通信事業者プロファイルから第2移動体通信事業者プロファイルへ切り替えるのを防止することのいずれかを目的とする
ように構成される。
【0031】
さらに、本発明は、コンピュータ上で、又は通信ネットワークのネットワークノード若しくはユーザ機器上で若しくは部分的に通信ネットワークのネットワークノード上で若しくは部分的にユーザ機器上で実行されると、コンピュータ又は通信ネットワークのネットワークノード若しくはユーザ機器に本発明の方法を行わせるコンピュータ可読プログラムコードを含むプログラムに関する。
【0032】
本発明はまた、通信ネットワークを使用するコンピュータプログラム製品に関する。コンピュータプログラム製品は、記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムを含む。コンピュータプログラムは、コンピュータ上で、又は通信ネットワークのネットワークノード上で若しくはユーザ機器上で若しくは部分的に通信ネットワークのネットワークノード上で若しくは部分的にユーザ機器上で実行されると、コンピュータ又は通信ネットワークのネットワークノード若しくはユーザ機器に本発明の方法を行わせるプログラムコードを含む。
【0033】
本発明のこれら及び他の特性、特徴及び利点は、本発明の原理を例示する添付図面とともに考慮される以下の詳細な説明から明らかとなる。明細書は、本発明の範囲を制限することなく、例示のみを目的として与えられる。以下で引用される参照図は、添付図面を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明が、特定の実施形態についてかつ所定図面を参照して説明されるが、本発明は、これらに限られることなく、特許請求の範囲によってのみ限られる。記載の図面は模式的に過ぎず、非制限的である。図面において、要素のいくつかのサイズは、例示目的ゆえに誇張され、縮尺どおりには描かれない。
【0036】
例えば「一」、「一つ」、「当該」のような不定冠詞又は冠詞が、単数名詞を参照するときに使用されるが、これは、特に言及されない限り、当該名詞の複数形も含む。
【0037】
さらに、明細書及び特許請求の範囲における第1、第2、第3等の用語が使用されるのは、同様の要素同士を区別するためであって、必ずしも連続的又は経時的順序のためではない。理解すべきことだが、そのように使用される用語は、適切な状況下において互換性があり、ここに記載される本発明の実施形態は、ここに記載又は例示されるものとは異なる配列で動作させることもできる。
【0038】
図7において、本発明に係る方法の適用を目的とする典型的状況が模式的に示される。ユーザ機器20は、第1領域51と第2領域52との間を動く。境界50、特に領土境界及び/又は地域境界及び/又は国境及び/又はサービスカバレッジ境界が、第1領域51を第2領域52から分離する。ユーザ機器20は、通信ネットワーク100に接続される。第1領域51において、第1移動体通信事業者111は自身のサービスを提供している。第2領域52には、第2移動体通信事業者112及び第3移動体通信事業者122が存在し、(同じ通信ネットワーク100又は通信ネットワーク100若しくは異なる通信ネットワーク(図示せず)に接続された一部分のいずれかで)事業が行われている。
図7に例示の典型的な使用例では、ユーザ機器20は、太線矢印によって代表される模式的例示の軌道に沿って第1領域51から第2領域52へと動く。太線矢印は、図の右手部分に向かってわずかに傾斜して伸びている。移動体通信事業者111、112、122はそれぞれ、ユーザ機器内の埋め込み識別モジュールにおける異なる移動体通信事業者プロファイルに対応し、ユーザ機器20によって選択することができる。参照符号30は、トリガポイントに対応する。トリガポイントとは、トリガ事象が発生する、すなわち切り替え確率が典型的には所定しきい値を超える、地理的ポイントである。
【0039】
図7において、以下の仮定が適用される。すなわち、第2移動体通信事業者112は、第1移動体通信事業者プロファイル111のアフィリエイトである。第3移動体通信事業者122は、LTEアクセスネットワーク(4Gネットワーク)を有する。OTT購読マネージャZは、第1、第2及び第3移動体通信事業者111、112、122並びにユーザ機器20との契約を有する。
【0040】
第1使用例によれば、ユーザ機器20は第1領域51に存在し、第2領域52へと向かう可能性がある軌道を有する。ユーザ機器20は、埋め込み識別モジュール(例えばeUICC)を有する携帯機器20に対応する。ここで、第1移動体通信事業者111が存在して選択され、第2及び第3移動体通信事業者112、122は存在するが選択されない。ユーザ機器20の経路は第2領域52へと向かう。第2領域52は通常、ユーザ機器20が第1移動体通信事業者111に留まる場合、ローミング課金を負担させる。したがって、ユーザ機器20が、第1領域51と第2領域52との間の境界50(これは、第1移動体通信事業者111と代替事業者とのネットワーク特性の差異に起因するトリガポイントを代表する)に近づくと、第2領域52には、ユーザ機器20(ひいてはそのユーザ又は加入者)が、ローミング課金を回避するべく第2又は第3移動体通信事業者112又は122へと切り替える高いリスクが存在する。本発明によれば、ユーザ機器20の軌道が第1移動体通信事業者111によって検出され、一般履歴データ(すなわち複数のユーザ機器に関して生成されたもの)及び/又は固有履歴データ(すなわちユーザ機器20に固有のもの)並びに現行の関連状況のいずれかを使用して、新たな移動体通信事業者への切り替えリスクによって代表される脅威が、境界50を含む潜在的なトリガポイントそれぞれに対して計算される。ユーザ機器20が境界エリアに近づくと、境界トリガポイントに対する脅威が(所定の)しきいレベルを超える。第1移動体通信事業者111は、対抗策を計算し、ユーザ機器20のユーザを維持するための提案を行う。ユーザ機器20のユーザが当該提案を受け入れると、第1移動体通信事業者111は当該提案に応じて料金表を更新する。ユーザ機器20は、第2又は第3移動体通信事業者112又は122への切り替えなしに当該境界を横切ることになる。したがって、移動体通信事業者111は、ユーザ機器20の連続使用からの収入を保有し続ける。
【0041】
第2使用例によれば、ユーザ機器20は第1領域51に存在し、第2領域52へと向かう可能性がある軌道を有する。ユーザ機器20は、埋め込み識別モジュール(例えばeUICC)を有する携帯機器20に対応する。ここで、第1移動体通信事業者111が存在して選択され、第2及び第3移動体通信事業者112、122は存在するが選択されない。ユーザ機器20の経路は第2領域52へと向かう。第2領域52は通常、ユーザ機器20が第1移動体通信事業者111に留まる場合、ローミング課金を負担させる。したがって、ユーザ機器20が、第1領域51と第2領域52との間の境界50(これは、第1移動体通信事業者111と代替事業者とのネットワーク特性の差異に起因するトリガポイントを代表する)に近づくと、第2領域52には、ユーザ機器20(ひいてはそのユーザ又は加入者)が、ローミング課金を回避するべく第2又は第3移動体通信事業者112又は122へと切り替える高いリスクが存在する。本発明によれば、ユーザ機器20の軌道が第1移動体通信事業者111によって検出され、一般履歴データ(すなわち複数のユーザ機器に関して生成されたもの)及び/又は固有履歴データ(すなわちユーザ機器20に固有のもの)並びに現行の関連状況のいずれかを使用して、新たな移動体通信事業者への切り替えリスクによって代表される脅威が、境界50を含む潜在的なトリガポイントそれぞれに対して計算される。ユーザ機器20が境界エリアに近づくと、境界トリガポイントに対する脅威が(所定の)しきいレベルを超える。第1移動体通信事業者111は、ユーザ機器20のユーザを維持する可能性が最も高い提案を計算し、その情報を、第1移動体通信事業者111の第2領域52におけるアフィリエイトである第2移動体通信事業者112へと伝える。第2移動体通信事業者112は、提案又は奨励をユーザに与える。ユーザは、提案又は奨励を受け入れ、境界を横切った後に第2移動体通信事業者112への切り替えを行う(すなわち、第1移動体通信事業者111の選択解除及び第2移動体通信事業者112の選択を行う)。代替的に、第2移動体通信事業者112が、まだユーザ機器20のeUICCに存在していない場合、第2移動体通信事業者112は、ユーザ機器20のユーザのニーズに良好にマッチする新たな移動体通信事業者プロファイル(又はSIMプロファイル)を作成してこの移動体通信事業者プロファイルをユーザ機器20に押し付ける。第2移動体通信事業者112は、提案又は奨励をユーザ機器20のユーザに与える。ユーザは、提案を受け入れ、境界50を横切った後に(埋め込み識別モジュール、典型的にはeUICCにおける第1移動体通信事業者111の選択解除及び第2移動体通信事業者112の選択により)第2移動体通信事業者112への切り替えを行う。
【0042】
第3使用例によれば、ユーザ機器20は第1領域51に存在し、第2領域52へと向かう可能性がある軌道を有する。ユーザ機器20は、埋め込み識別モジュール(例えばeUICC)を有する携帯機器20に対応する。ここで、第1移動体通信事業者111が存在して選択され、第2及び第3移動体通信事業者112、122は存在するが選択されない。ユーザ機器20のユーザはまた、OTT(オーバー・ザ・トップ)購読マネージャに加入している。ここで、最低通話コストを与えるべくユーザ機器20の埋め込み識別モジュール(典型的にはeUICC)において移動体通信事業者を切り替えることを目的とする「最安通話」オプションの使用が選択されている。第1領域51において、第1移動体通信事業者111が、ユーザ機器20のユーザのニーズとの関連において最低通話コストを提案するように、OTT購読マネージャによって選択される。しかしながら、ユーザ機器20の経路は、第2領域52へと向かう。第2領域52は通常、ユーザ機器20が第1移動体通信事業者111に留まる場合、ローミング課金を負担させる。したがって、ユーザ機器20が第1領域51と第2領域52との境界50に近づくと、ユーザ機器20のユーザが「最安通話」オプションのOTT購読マネージャを使用するので、ローミング課金を回避するべく第2領域52において第2又は第3移動体通信事業者112又は122へと切り替える機会が存在する。本発明によれば、ユーザ機器20の軌道がOTT購読マネージャによって検出され、一般履歴データ(すなわち複数のユーザ機器に関して生成されたもの)及び/又は固有履歴データ(すなわちユーザ機器20に固有のもの)並びに現行の関連状況のいずれかを使用して、ユーザ機器20を新たな移動体通信事業者へと切り替えるべく必要とされる奨励が、利用可能な機会(すなわち第2及び/又は第3移動体通信事業者112、122の利用可能性)に基づいて計算される。ユーザ機器20が境界エリアに近づくと、当該機会が、境界50上にあるトリガポイントにおける(所定の)しきいレベルを超えるので、OTT購読マネージャは、ユーザ機器20(又はeUICCのような埋め込み識別モジュール)を、いずれも所与の関連状況において最低通話コストを提供する第2移動体通信事業者112又は第3移動体通信事業者122へと遠隔的に切り替える。代替的に、第2移動体通信事業者112又は第3移動体通信事業者122が、まだユーザ機器20のeUICCに存在していない場合、OTT購読マネージャは、ユーザ機器20が境界50を横切るときに、第2移動体通信事業者112又は第3移動体通信事業者122が、新たな移動体通信事業者プロファイルをユーザ機器20に押し付けるトリガを与える。OTT購読マネージャは、ユーザ機器20に通知した後、ユーザ機器20のeUICCを、いずれも所与の状況において最低通話コストを提供する第2移動体通信事業者112又は第3移動体通信事業者122へと遠隔的に切り替える。
【0043】
第4使用例によれば、ユーザ機器20は第1領域51に存在し、かつ、第2領域52へと向かう可能性が高い軌道を有する。ユーザ機器20は、埋め込み識別モジュール(例えばeUICC)を有する携帯機器20に対応する。ここで、第1移動体通信事業者111が存在して選択され、第2及び第3移動体通信事業者112、122は存在するが選択されない。ユーザ機器20のユーザはまた、OTT(オーバー・ザ・トップ)購読マネージャに加入している。ここで、ユーザ機器20のユーザが実行するアプリケーションに対し、ユーザ機器20の埋め込み識別モジュール(典型的にはeUICC)において移動体通信事業者を切り替えることを目的とする「最善性能」オプションの使用が選択されている。例えば、ユーザは、ユーザ機器20において、典型的には極めて高い帯域幅及び短い待ち時間のニーズを有するオンラインゲームをプレイすることができる。第1領域51において、第1移動体通信事業者111が、ユーザ機器20のユーザのニーズとの関連において最善の性能を提供するようにOTT購読マネージャによって選択される。しかしながら、ユーザ機器20の経路は、第2領域52へと向かう。したがって、ユーザ機器20が第1領域51と第2領域52との境界50に近づくと、ユーザ機器20のユーザが「最善性能」オプションのOTT購読マネージャを使用するので、第2領域52において第2又は第3移動体通信事業者112又は122へと、当該移動体通信事業者のいずれもが第1移動体通信事業者111よりも改善されたレベルの性能を提供可能な場合に、切り替える機会が存在する。本発明によれば、ユーザ機器20の軌道がOTT購読マネージャによって検出され、一般履歴データ(すなわち複数のユーザ機器に関して生成されたもの)及び/又は固有履歴データ(すなわちユーザ機器20に固有のもの)並びに現行のゲーミング関連状況のいずれかを使用して、ユーザ機器20を新たな移動体通信事業者へ切り替えるべく必要とされる奨励が、利用可能な機会(すなわち第2及び/又は第3移動体通信事業者112、122の利用可能性)に基づいて計算される。ユーザ機器20が境界エリアに近づくと、第3移動体通信事業者122のLTEネットワークによって提示される機会が、境界50上にあるトリガポイントにおける(所定の)しきいレベルを超えるので、OTT購読マネージャは、ユーザ機器20(又はeUICCのような埋め込み識別モジュール)を第3移動体通信事業者122へと遠隔的に切り替える。代替的に、第3移動体通信事業者122が、まだユーザ機器20のeUICCに存在していない場合、OTT購読マネージャは、ユーザ機器20が境界50を横切るときに、第3移動体通信事業者122が新たな移動体通信事業者プロファイルをユーザ機器20に押し付けるトリガを与える。OTT購読マネージャは、ユーザ機器20に通知した後、ユーザ機器20のeUICCを第3移動体通信事業者122へと遠隔的に切り替える。
【0044】
図1において、本発明の方法に係る第1例のフロー図が模式的に示される。本発明の方法に係る第1例は典型的に、ユーザ機器20によって現在使用されている移動体通信事業者によって適用される(すなわちユーザ機器20は、当該移動体通信事業者に対応する移動体通信事業者プロファイルを使用する)。この例では、移動体通信事業者は、ユーザ機器20が新たな移動体通信事業者へと、すなわち新たな(又は第2)移動体通信事業者プロファイルへと、切り替える脅威レベルを推定し、当該脅威を相殺する対抗策を確立したいと希望する。本発明の方法に係る第1例の第1処理ステップ311において、現行移動体通信事業者(すなわち第1移動体通信事業者プロファイル)に対する切り替え脅威レベル、すなわちユーザ機器20が現行移動体通信事業者から離れるように切り替える確率、が決定される。
【0045】
ネットワーク切り替え脅威は、一の移動体通信事業者に関連付けられた特性であって、ユーザ機器20の検出された軌道によって示される経路に沿って他の移動体通信事業者にも属する特性が、ユーザ機器20のユーザにとっての、(当該ユーザの)好み又は関連状況サービスニーズを考慮に入れた利益を提供できる場合に存在する。脅威が評価された後、本発明の方法に係る第1例の第2処理ステップ312において、対抗策が関連トリガポイントに基づいて計算される。
【0046】
ネットワーク切り替え対抗策とは、現行(又は第1)移動体通信事業者が使用する(本発明の方法に係る第1例の第3処理ステップ313において通信される)提案であり、現行ネットワークの特性を良好にユーザに良好にマッチさせる目的を有する。その結果、ユーザ機器20のユーザは、他の移動体通信事業者へと切り替えるのを思いとどまる。対抗策の提案がユーザ機器20のユーザへと通信される結果、ユーザがトリガポイントを通過するときに当該対抗策が有効とされ、ユーザのニーズが現行(又は第1)移動体通信事業者と良好にマッチするようになる(ひいては、ユーザ機器20のユーザが、自身のeUICCを他の(又は第2)移動体通信事業者へと切り替える可能性が低くなる)。(例えば修正された移動体通信事業者プロファイルの形態にある)更新された新たな特性は、一定数の方法でアクティブにすることができる。当該方法は、例えば、ユーザに対して新たな料金表を採用すること、新たなネットワーク機能をユーザにとって利用可能とすること(例えばLTEアクセスネットワーク)、又はユーザの利用可能な帯域幅を増加させることを含む。したがって、本発明の方法に係る第1例の成果は、ユーザに通信されて当該ユーザが現行移動体通信事業者に留まる尤度が高まるようにし得る提案である。ユーザ機器20のユーザが、本発明の方法に係る第1例の第4処理ステップ314において当該提案を受け入れる場合、当該ユーザ又はユーザ機器20が現行(又は第1)移動体通信事業者111に留まる結果となる(本発明の方法に係る第1例の最終ステップ315によって代表される)。
【0047】
なお、ネットワークによって行われる提案は、ユーザ決定が要求される場合、ユーザのために自動的に評価され得る。さらに、提案をするMNOが、他のMNOがする可能性が高い提案を推定する予測要素を組み入れることができる。当該情報は、新たな提案の計算に使用することができる。
【0048】
図2において、本発明の方法に係る第2例のフロー図が模式的に示される。本発明の方法に係る第2例は典型的に、代替のサービスをユーザに提供可能なアフィリエイト移動体通信事業者又はOTT購読マネージャによって適用される。この例では、アフィリエイト移動体通信事業者又はOTT購読マネージャは、ユーザ機器に対して現行移動体通信事業者から離れる(すなわち現行(第1)移動体通信事業者プロファイルから他の(第2)移動体通信事業者プロファイルへの)切り替えを促す適切な奨励レベルを決定したいと希望する。本発明の方法に係る第2例の第1処理ステップ321において、アフィリエイト移動体通信事業者又はOTT購読マネージャのための切り替え機会、すなわちユーザ機器20が現行移動体通信事業者から離れるように切り替える切り替え確率、のレベルが決定される。
【0049】
ネットワーク切り替え機会は、(ユーザ機器20の)ユーザが現在のところ移動体通信事業者を使用しているが、OTT購読マネージャを介してアフィリエイト移動体通信事業者又は新たな移動体通信事業者のいずれかへの切り替えによってニーズとの良好なマッチを達成することができる場合である。機会が評価された後、本発明の方法に係る第2例の第2処理ステップ322において、対抗策(又は奨励)が関連トリガポイントに基づいて計算される。
【0050】
ネットワーク切り替え奨励とは、アフィリエイト移動体通信事業者又はOTT購読マネージャが使用する(本発明の方法に係る第2例の第3処理ステップ323において通信される)提案であり、アフィリエイト移動体通信事業者又は他のネットワーク事業者の特性をユーザにマッチさせる目的を有する。その結果、ユーザ機器20のユーザは、アフィリエイト移動体通信事業者又は他の移動体通信事業者へと切り替えるのを思いとどまる。奨励の提案は、ユーザ機器20のユーザへと通信される。ユーザがトリガポイントを通過すると、当該奨励は、他の移動体通信事業者により(対応する異なる移動体通信事業者プロファイルを適用することにより)ユーザのニーズに良好にマッチするように有効にされ得る。(例えば修正された移動体通信事業者プロファイルの形態にある)更新された新たな特性は、一定数の方法でアクティブにすることができる。当該方法は、例えば、ユーザに対して新たな料金表を採用すること、新たなネットワーク機能をユーザにとって利用可能とすること(例えばLTEアクセスネットワーク)、又はユーザの利用可能な帯域幅を増加させることを含む。トリガポイント及びユーザの投影経路沿いに存在する他のネットワークの特性が、ユーザプロファイルの側面とともに使用され、ユーザへの奨励提案が、当該トリガポイントに先立って決定される。したがって、本発明の方法に係る第2例の成果は、ユーザ又はユーザ機器20がOTT購読マネージャを介してアフィリエイト移動体通信事業者又は新たな移動体通信事業者へと切り替える尤度が増加するように、ユーザ機器20のユーザへと通信され得る提案である。本発明の方法に係る第2例の第4処理ステップ324においてユーザ機器20のユーザが当該提案を受け入れる場合、ユーザ又はユーザ機器20が現行(又は第1)移動体通信事業者111から離れるように切り替える結果となる(本発明の方法に係る第2例の第5処理ステップ325によって代表される)。ユーザの埋め込み識別モジュールに既に存在するアフィリエイト移動体通信事業者が利用可能な場合(これは国境を横切る場合に生じ得る)、ネットワーク切り替え奨励が、個々に適合される特性にも基づいて、ユーザに対し、自身の埋め込み識別モジュールをアフィリエイト移動体通信事業者へと動的に切り替えるよう促すために使用される。アフィリエイト移動体通信事業者のプロファイルの存在は、本発明の方法に係る第2例の第5処理ステップ325によってチェックされる。当該移動体通信事業者がまだeUICCに存在しない場合、アフィリエイト移動体通信事業者のための新たなSIMプロファイルが、(本発明の方法に係る第2例の第6処理ステップ326の間に)ユーザの携帯機器へと押し付けられる。これに引き続き、ユーザの切り替えが第7処理ステップ327において実行される。アフィリエイト移動体通信事業者のプロファイルの存在に関するチェックが(第5処理ステップ325において)ポジティブの場合(すなわち当該プロファイルがeUICCに存在する場合)、ユーザ切り替えは、第7処理ステップ327において行われ又は実行される。
【0051】
本発明の方法に係る第2例の第4処理ステップ324においてユーザ機器20のユーザが当該提案を受け入れる場合、ユーザ機器20のユーザ(又は購読マネージャ)は、第8処理ステップ328において新たな(又は第2/第3)移動体通信事業者112/122を使用する。その結果、ユーザ又はユーザ機器20は、(本発明の方法に係る第2例の最終処理ステップ328によって代表される)アフィリエイト移動体通信事業者112の使用を目下行っていることとなる。
【0052】
なお、ネットワークによって行われる提案は、ユーザ決定が要求される場合、ユーザのために自動的に評価され得る。さらに、提案をする移動体通信事業者が他の移動体通信事業者によってされる可能性が高い提案を推定する場合、予測要素を組み入れることができる。当該情報は、新たな提案の計算に使用することができる。
【0053】
図3において、ネットワーク切り替え脅威レベル又は切り替え確率を決定する本発明の方法に係る第1部分のフロー図が模式的に示される。すなわち、
図3は、ネットワーク切り替え脅威レベルを決定する可能な方法の概要である。機能性は、移動体通信事業者プロファイルが、ユーザの携帯機器で動くアプリケーションによって収集されたデータを使用して実装することができる。ユーザの同意があれば、ユーザの位置が(
図3の第1処理ステップ331において)確立され、これを経時的に測定することにより、(随意的にユーザのプロファイルからの付加情報を使用して)ユーザの将来生じ得る経路を確立するべく使用される軌道が確立される。これが意味するのは、
図3の第2処理ステップ332において、ユーザ機器20の履歴が追跡され、ユーザ機器20の将来生じ得る軌道が計算されることである。ユーザの経路沿いの可能なネットワーク接続が、アクセス技術、帯域幅、範囲、待ち時間、コスト等、及び所有権のような主要特性を含む、利用可能なネットワークのカバレッジ情報を使用して(
図3の第3処理ステップ333において)決定される。
図3の第4処理ステップ334において、可能なネットワーク切り替えトリガポイント(国境等)が決定される。ネットワーク切り替えトリガポイントとは、ユーザの投影経路に沿ったポイントである。ネットワーク条件によって提供される特性と、異なるMNOの特性との差異に起因してネットワーク切り替えのトリガが与えられる。
図3の第5処理ステップ335において、ユーザ機器20のユーザの関連状況ニーズ(帯域幅、待ち時間等)が決定される。さらに、
図3の第6処理ステップ336において、移動体通信事業者プロファイル又は移動体通信事業者の切り替え履歴が決定される。
図3の第7処理ステップ337において、ユーザ機器20のユーザの推定経路沿いのネットワーク切り替え脅威レベルが、(i)代替ネットワークの存在及び性質、(ii)トリガポイントの存在及び性質、(iii)関連状況、及び(iv)履歴に基づいて計算される。脅威レベルとは、ユーザが新たな移動体通信事業者へと切り替える尤度、すなわち、他の移動体通信事業者プロファイルへと切り替える切り替え確率である。これは、ユーザの経路に沿った各トリガポイントに対して計算される。尤度は、
・トリガポイントにおける代替MNOネットワーク接続の特性、
・代替MNOネットワーク接続の特性と現行MNOネットワーク接続の特性との差異、
・ユーザの関連状況ニーズ、
・ユーザのネットワーク切り替え履歴
を考慮することによって決定される。
【0054】
複数の異なる可能な、固有の実装例が存在する。例えば、規則ベースのシステムが、知識ベースを使用して、考慮される基準それぞれに対する変動状態レベルに関連付けられた規則を定義することができる。付加入力をしきい値とすることができる。しきい値は、ネットワーク切り替えにつながりそうもないトリガポイントが無視されて有意なリスクを有するものだけに作用するという意味で、結果をフィルタリングするべく使用することができる。
【0055】
図4において、本発明の方法に係る、ネットワーク切り替え機会のレベル又は切り替え確率を決定する第2部分のフロー図が模式的に示される。すなわち、
図4は、ネットワーク切り替え機会のレベルを決定する可能な方法の概要である。機能性は、オーバー・ザ・トップ購読マネージャが、ユーザの携帯機器で動くアプリケーションによって収集されたデータを使用して実装することができる。ユーザの同意があれば、ユーザの位置が(
図4の第1処理ステップ341において)確立され、これを経時的に測定することにより、(随意的にユーザのプロファイルからの付加情報を使用して)ユーザの将来生じ得る経路を確立するべく使用される軌道が確立される。これが意味するのは、
図4の第2処理ステップ342において、ユーザ機器20の履歴が追跡され、ユーザ機器20の将来生じ得る軌道が計算されることである。ユーザの経路沿いの現行ネットワーク接続の特性が、アクセス技術、帯域幅、範囲、待ち時間等、及び見込まれるコストのような主要特性を含む、利用可能なネットワークのカバレッジ情報を使用して決定される。ユーザの経路沿いの可能なネットワーク接続が、アクセス技術、帯域幅、範囲、待ち時間、コスト等、及び所有権のような主要特性を含む、利用可能なネットワークのカバレッジ情報を使用して(
図4の第3処理ステップ343において)決定される。
図4の第4処理ステップ344において、可能なネットワーク切り替えトリガポイント(国境等)が決定される。ネットワーク切り替えトリガポイントとは、ユーザの投影経路沿いのポイントである。現行MNO及び可能なネットワーク条件のネットワークと、他のMNOのネットワークとの特性の差異に起因してネットワーク切り替えのトリガを与えることができる。
図4の第5処理ステップ345において、ユーザ機器20のユーザの関連状況ニーズ(帯域幅、待ち時間等)が決定される。さらに、
図4の第6処理ステップ346において、移動体通信事業者プロファイル又は移動体通信事業者の切り替え履歴が決定される。
図4の第7処理ステップ347において、ユーザに対して新たな移動体通信事業者(又は移動体通信事業者プロファイル)への切り替えを奨励する機会が、ユーザの経路沿いの各トリガポイントに対して計算される。当該機会の性質及び大きさが、
・トリガポイントにおける現行移動体通信事業者ネットワーク接続の特性、
・代替移動体通信事業者プロファイルネットワーク接続の特性と現行MNOネットワーク接続の特性との差異、
・ユーザの関連状況ニーズ、
・ユーザのネットワーク切り替え履歴
を考慮することによって決定される。
【0056】
複数の異なる可能な、固有の実装例が存在する。例えば、規則ベースのシステムが、知識ベースを使用して、考慮される基準それぞれに対する変動状態レベルに関連付けられた規則を定義することができる。付加入力をしきい値とすることができる。しきい値は、ネットワーク切り替えにつながりそうもないトリガポイントが無視されて有意なリスクを有するものだけに作用するという意味で、結果をフィルタリングするべく使用することができる。
【0057】
図5において、本発明の方法に係る第3部分のフロー図が模式的に示される。すなわち、
図5は、ネットワーク切り替え対抗策を決定する主要ステップを例示する。これは、適格な脅威が発生した後に実行され、ユーザに対して提案すべき対抗策提案が決定される。ネットワーク接続の特性がユーザのニーズに良好に合致し、ひいては、既存移動体通信事業者への接続が維持される可能性が高くなる。
【0058】
再びであるが、トリガポイントに及びユーザの投影経路沿いに存在する他のネットワークの特性が、(移動経路沿いの他の潜在的なネットワーク接続が確立される
図5の第1処理ステップ351において、及び、各ネットワークの特性が(データベース、ウェブベースのデータマイニング等を使用して)決定される
図5の第2処理ステップ352において)、過去の切り替え挙動、及び(アクセス技術、帯域幅、待ち時間、価格等のような)任意のネットワーク接続関連状況の情報を記述するユーザプロファイル(
図5の第3処理ステップ353において、例えば過去のネットワーク切り替え挙動、関連状況等を使用してユーザプロファイルが決定される)の側面とともに使用され、
図5の第4処理ステップ354において、トリガポイントに先立ちユーザへの対抗提案が決定される。
図5の第5処理ステップ355において提案がフィルタリングされ、
図5の第6処理ステップ356において提案がユーザ機器20のユーザへと通信される。
【0059】
多くの可能な固有の実装例が存在する。例えば、規則ベースのシステムが、知識ベースを使用して、考慮される基準それぞれに対する変動状態レベルに関連付けられた規則を定義することができる。対抗策は、移動体通信事業者の好みに応じてフィルタリングされる。そして、ユーザの好みに応じて、ユーザへと受け入れてもらうように通信される提案の形態で表現される。
【0060】
ユーザが当該提案を受け入れるが、どんな理由にせよ、それでも移動体通信事業者を切り替える確率を制限するべく、当該提案は、時間又は量を制限することができる。
【0061】
図6において、本発明の方法に係る第4部分のフロー図が模式的に示される。すなわち、
図6は、ネットワーク切り替え奨励を決定する主要ステップを例示する。これは、適格な機会が生じた後に実行され、ユーザに対して提案すべき奨励提案が決定される。新たなネットワーク接続の特性が、既存MNOよりもユーザのニーズに良好に合致し、ひいては、新たなMNOへと切り替える可能性が高くなる。
【0062】
再びであるが、トリガポイントに及びユーザの投影経路沿いに存在する他のネットワークの特性が、(移動経路沿いの他の潜在的なネットワーク接続が確立される
図6の第1処理ステップ361において、及び、各ネットワークの特性が(データベース、ウェブベースのデータマイニング等を使用して)決定される
図6の第2処理ステップ362において)、(アクセス技術、帯域幅、待ち時間、価格等のような)過去の切り替え挙動、及び任意のネットワーク接続関連状況の情報を記述するユーザプロファイル(
図6の第3処理ステップ363において、例えば過去のネットワーク切り替え挙動、関連状況等を使用してユーザの挙動プロファイルが決定される)の側面とともに使用され、
図6の第4処理ステップ364において、トリガポイントに先立ちユーザへの奨励提案が決定される。
図6の第5処理ステップ365において提案がフィルタリングされ、
図6の第6処理ステップ366において提案がユーザ機器20のユーザへと通信される。
【0063】
多くの可能な固有の実装例が存在する。例えば、規則ベースのシステムが、知識ベースを使用して、考慮される基準それぞれに対する変動状態レベルに関連付けられた規則を定義することができる。奨励は、移動体通信事業者の好みに応じてフィルタリングされる。そして、ユーザの好みに応じて、ユーザへと受け入れてもらうように通信される提案の形態で表現される。
【0064】
切り替え先の移動体通信事業者が、ユーザのユーザ機器20における埋め込み識別モジュール上のプロファイルに既に存在する場合、ユーザはここで当該切り替えを実行し得る。代替的に、切り替えは、遠隔購読マネージャによるトリガを受け得る。
【0065】
切り替え先の移動体通信事業者が、ユーザのユーザ機器20における埋め込み識別モジュール上のプロファイルにまだ存在しない場合、遠隔購読マネージャがここで新たなプロファイルをダウンロードし、ユーザがその後、当該切り替えを実行し得る。代替的に、切り替えはまた、遠隔購読マネージャによるトリガを受け得る。
【0066】
代替的に、プロファイルのダウンロードは、提案がユーザへと通信される前に又はそれと並行してトリガを受け得る。ユーザが当該提案を受け入れた後、新たなプロファイルが即座に利用可能となる。