(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基礎壁と、前記基礎壁に連結される連結壁と、前記連結壁と前記基礎壁との接合部分に沿って延び前記連結壁を前記基礎壁に連結する固定部とを備え、大きさの異なる複数種類の前記連結壁から選択した前記連結壁を前記固定部で前記基礎壁に連結し、異なる容積の断熱箱体を組み立てる冷蔵庫の製造方法であって、
前記固定部が、前記基礎壁及び前記連結壁に固定された固定カバーと、前記基礎壁、前記連結壁、及び前記固定カバーで囲われた空間に設けられた断熱部材とを備える冷蔵庫の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
複数の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面を参照して方向を示す場合、便宜上、冷蔵庫の扉側を「前側」とし、冷蔵庫を正面から見た場合の右側を「右側」として説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
以下、一実施形態について、
図1〜
図33を参照して説明する。
【0012】
まず、
図2に示す冷蔵庫11は、
図1〜
図6に示す断熱箱体12と、その断熱箱体12内を冷却するための図示しない冷凍サイクルとを備えている。
【0013】
断熱箱体12は、
図5および
図6に示すように、外箱13と、内箱14と、外箱13と内箱14との間に設けられている断熱部材15とを有している。断熱箱体12は、前面が開口した箱状に構成され、内箱14の内部に収容空間、例えば貯蔵室、必要に応じてダクトが設けられる空間などを形成している。
【0014】
外箱13は、スチール製であり、前面が開口した箱状に構成されている。外箱13は、
図1および
図3〜
図6に示すように、当該外箱13を複数に分割してなる複数枚の外板からなる壁を組み合わせて構成されている。具体的には、外箱13は、板状の上面壁16と、平板状の底面壁17と、平板状の右面壁18と、平板状の左面壁19と、平板状の背面壁20とから構成されている。上面壁16は、前後方向で段差状をなし、前部が底面壁17と平行な平板状をなし、後部が前部よりも下側に位置して底面壁17と平行な平板状をなしている。右面壁18と左面壁19とは左右対称の形状である。上面壁16の後部上には、
図3〜
図5に示すように、機械室21が形成されている。機械室21には、上述した冷凍サイクルを構成する図示しない圧縮機などが設けられている。機械室21の床面には、
図5に示すように、離間部211が形成されている。離間部211は、隣り合った断熱部材15間に隙間を設けることにより形成された開口である。この実施形態では、断熱箱体12の上面に位置する断熱部材15と背面に位置する断熱部材15とが離間して配置されることにより、離間部211が形成されている。また、断熱箱体12の後部の下部には冷蔵用、冷凍用、あるいは制御などに用いられる部品、凝縮器などを収容する部品収容室212が形成されている。また、部品収納室212の上面には、離間部213が形成されている。離間部213は、断熱箱体12の底面に位置する断熱部材15と背面に位置する断熱部材15とが離間して配置されることにより形成されている。
【0015】
内箱14は、樹脂製であり、前面が開口した箱状をなし、外箱13の内部に設けられている。内箱14は、
図1および
図3〜
図6に示すように、当該内箱14を複数に分割してなる複数枚の内板からなる壁を組み合わせて構成されている。具体的には、内箱14は、板状の上面壁22と、平板状の底面壁23と、平板状の右面壁24と、平板状の左面壁25と、平板状の背面壁26とから構成されている。内箱14の上面壁22も、外箱13の上面壁16と同様に、前後方向で段差状をなし、前部が底面壁23と平行な平板状をなし、後部が前部よりも下側に位置して底面壁23と平行な平板状をなしている。右面壁24と左面壁25とは左右対称の形状である。
【0016】
内箱14の左面壁25および背面壁26のそれぞれには、
図1および
図11に示すように、内箱14の外面側から当該内箱14の内面側すなわち貯蔵室側に突出する支持部材27が複数個設けられている。なお、内箱14の右面壁24にも、
図24に示すように、同様の支持部材27が設けられている。
【0017】
支持部材27は、例えば、樹脂製のブロックであり、
図20および
図21に示すように、基端部が断熱部材15に接着して固定され、他端部である先端部が、内箱14の壁、例えば
図20および
図21では左面壁25および背面壁26に形成した開口部28を貫通している。さらに、内箱14の右面壁24における背面壁26側の上下方向に並んで設けられている支持部材27、および内箱14の背面壁26における右面壁24側および左面壁25側の上下方向に並んで設けられている支持部材27の先端部側には、ねじ穴271が形成されている。なお、図示はしないが、内箱14の右面壁24における背面壁26側の上下方向に並んで設けられている支持部材27の突出している先端部にも、同様のねじ穴が形成されている。なお、支持部材27が、
図20および
図21に示すように、基端部に鍔部272を有する構成とし、鍔部272が断熱部材15と内箱14の外面とで挟持される構成としてもよい。支持部材27が鍔部272を有することにより、支持部材27が開口部28から貯蔵室側に落ちてしまうことを防止できる。また、支持部材27は、内箱14の壁とは別の部材ではなく、内箱14に一体に成形させてもよい。
【0018】
図5および
図6に示すように、外箱13の上面壁16と内箱14の上面壁22、外箱13の底面壁17と内箱14の底面壁23、外箱13の右面壁18と内箱14の右面壁24、外箱13の左面壁19と内箱14の左面壁25、外箱13の背面壁20と内箱14の背面壁26は、それぞれ断熱部材15を介して対向して設けられている。なお、
図6に、外箱13の右面壁18と内箱14の右面壁24とが対向し、外箱13の左面壁19と内箱14の左面壁25とが対向し、外箱13の背面壁20と内箱14の背面壁26とが対向した状態を概略的に示す。
【0019】
断熱部材15は、断熱性能に優れたもの、例えばウレタンなどの発泡断熱材やソフトテープなどよりも熱伝導率が低いものであり、具体的には、平板状の一般的な真空断熱パネルであり、芯材と、芯材を収容する外袋体とを備えている。芯材は、断熱性の高い材料、例えばグラスウールなどの無機繊維の積層体を、例えばポリエチレンなどの合成樹脂フィルムからなる図示しない内袋体に収容した後、矩形板状に圧縮硬化して形成したものである。芯材は、その他、例えば抄紙法、加熱圧縮法などで形成してもよい。外袋体は、ガスバリア性を有する袋であり、例えばポリエチレンテレフタレートのフィルム、高密度ポリエチレンのフィルム、アルミ蒸着フィルム、アルミ箔シートなどを適宜組み合わせ積層し袋状に形成したものである。そして、断熱部材15は、芯材を外袋体に収容した状態で当該外袋体内を減圧して、減圧を維持したまま外袋体の開口部を熱溶着などによって密閉することにより構成されている。
【0020】
断熱部材15は、平板状の板厚方向の一面が内箱14の外面に接着され、かつ、一面とは反対側の他面が外箱13の内面に接着されている。すなわち、断熱箱体12の内部は、断熱部材15が外板および内板に当接して配置されることにより構成されている。
図7に一例として、外箱13の左面壁19と、外箱13の左面壁19に対向して設けられている内箱14の左面壁25との間に断熱部材15が挟まれて設けられた構成を示す。この構成において、断熱部材15と外箱13の内面この場合左面壁19との間には、断熱部材15と左面壁19とを接着させる接着剤29が設けられている。さらに、断熱部材15と内箱14の外面この場合左面壁25との間にも、断熱部材15と左面壁25とを接着させる接着剤30が設けられている。接着剤29,30としては、液体状の接着剤、両面テープなどが用いられる。なお、上述した支持部材27は、この接着剤30によって断熱部材15に接着されている。また、支持部材27は、固定具51と係合することにより、外箱13および内箱14に当接した構成としてもよい。
【0021】
このように、外箱13の壁16〜20と、外箱13に対向して設けられた内箱14の壁22〜26と、その外箱13の壁16〜20と内箱14の壁22〜26との間に設けられた断熱部材15とを、接着剤29,30によって接着することにより、この外箱13の一の壁とその外箱13に対応する内箱14の一の壁と、それらの壁の間に設けられた断熱部材15とが一体となる。この一体となったものを断熱壁、この実施形態では分割断熱壁31と称する。
【0022】
分割断熱壁31は、外箱13の壁16〜20、内箱14の壁22〜26および断熱部材15をなす真空断熱パネルから構成され、真空断熱パネルの一面が外板に接着され、真空断熱パネルの他面が内板に接着されているので、真空断熱パネルによる断熱効果が得られるとともに、分割断熱壁31を薄くすることができ、断熱箱体12の壁を薄くすることができる。一例を挙げると、外箱と内箱との間にウレタンなどの発泡断熱材を充填した従来の断熱壁の厚さが約40mmであるのに対して、真空断熱パネルに外板及び内板を接着した断熱壁であると約20mmの厚さで従来の断熱壁と同程度の断熱性能が得られる。
【0023】
なお、断熱壁および分割断熱壁31は、分割断熱パネルと称してもよい。すなわち、断熱箱体12は、複数の分割断熱壁31を組み合わせて箱状に構成されている。
【0024】
具体的には、
図1に示すように、断熱箱体12は、当該断熱箱体12の上面壁を構成する上面用分割断熱壁311、当該断熱箱体12の床面壁を構成する床面用分割断熱壁312、当該断熱箱体12の右面壁である側壁を構成する右面用分割断熱壁313、当該断熱箱体12の左面壁である側壁を構成する左面用分割断熱壁314、当該断熱箱体12の背面壁を構成する背面用分割断熱壁315の5枚を組み合わせて構成されている。また、右面用分割断熱壁313および左面用分割断熱壁314は、左右対称の形状であり、対向して配置されている。
【0025】
後で詳述するが、この実施形態では、背面用分割断熱壁315を基礎壁とし、その他の分割断熱壁、つまり、上面用分割断熱壁311、床面用分割断熱壁312、右面用分割断熱壁313、左面用分割断熱壁314を基礎壁315に連結される連結壁として断熱箱体12を形成する。各連結壁311〜314は、大きさの異なる複数種類の分割断熱壁が存在しており、複数種類の中から選択した連結壁311〜314を基礎壁315に連結することで、断熱箱体12が組み立てられる。
【0026】
ここで、断熱箱体12の左右の壁を形成する右面用分割断熱壁313および左面用分割断熱壁314の前端部について
図3、
図4および
図8を参照して説明する。なお、上述したように、右面用分割断熱壁313と左面用分割断熱壁314とは左右対称であるため、右面用分割断熱壁313の前端部について説明する。
【0027】
図3および
図4に示すように、右面用分割断熱壁313の前端部の上下方向の中央部および下部付近の2箇所には、外箱13の右面壁18の前端部に折り曲げ部32が形成されている。2箇所の折り曲げ部32は同様の構成であるため、右面用分割断熱壁313の前端部の上下方向の中央部に設けられている折り曲げ部32について説明する。
【0028】
折り曲げ部32は、
図8に示すように、右面壁18の前端部から左方向に折り曲がり、引き続き内箱14の右面壁24の前方において後方側に折り曲がり、さらに、断熱部材15側に折り曲がった形状である。すなわち、折り曲げ部32は、左右方向に延びる2つの平坦部321と、ほぼ360°に折り曲がっている湾曲部322とから構成され、上方から見てU字状をなしている。2つの平坦部321は、互いにほぼ対向しているとともに、断熱部材15の前方に位置している。また、湾曲部322は、内箱14の右面壁24の前方に位置し、折り曲げ部32の平坦部321の先端面が断熱箱体12の外面に位置しないように、折り曲げ部32の端部が後方側になるように折り曲がっている。さらに、折り曲げ部32の湾曲部322と内箱14の右面壁24の前端部との間には開口部33が形成されるとともに、折り曲げ部32と断熱部材15の前端部との間には、端部差込室34が形成された構成となっている。すなわち、開口部33は、端部差込室34の入口として機能するものであり、内箱14の右面壁24の前端部と外箱13の右面壁18の折り曲げ部32とが離間して形成されている。端部差込室34は、空間であり、右面壁18の折り曲げ部32と断熱部材15とが離間して形成されている。そして、その端部差込室34に、仕切り板441と仕切り補強板442とが収容される構成である。また、2つの平坦部321には、板厚方向に貫通する貫通孔35が形成されている。この開口部33、端部差込室34および貫通孔35については、後述する。
【0029】
断熱箱体12の内箱14の内部である貯蔵室は、
図3および
図4に示すように、当該貯蔵室の中央部に設けられた第1の仕切り部材37と、第1の仕切り部材37の下方に設けられた第2の仕切り部材38とによって仕切られている。これにより、断熱箱体12の内部には、貯蔵室が複数に分割されて複数の部屋が形成されている。具体的には、内箱14と第1の仕切り部材37とで囲われて冷蔵室39が形成されている。また、内箱14と第1の仕切り部材37と第2の仕切り部材38とで囲われて野菜室40が形成されている。さらに、内箱14と第2の仕切り部材38とで囲われて内箱14の下部に空間が形成されている。この空間には、製氷室41と、第1の冷凍室42と、製氷室41の右隣に配置される第2の冷凍室43とが設けられる構成である。冷蔵室39の前面開口部には、
図2に示すように、観音開き式の冷蔵室扉391が設けられ、野菜室40の前面開口部には引出し式の野菜室扉401が設けられている。また、製氷室41の前面開口部には引出し式の製氷室扉411が設けられ、第1の冷凍室42の前面開口部には引出し式の第1の冷凍室扉421が設けられ、第2の冷凍室43の前面開口部には引出し式の第2の冷凍室扉431が設けられている。
【0030】
第1の仕切り部材37は、第2の仕切り部材38と同様の構成であるため、第1の仕切り部材37について
図8を参照して説明する。また、第1の仕切り部材37は、左右対称の形状であるため、右側の構成について説明する。
【0031】
第1の仕切り部材37は、前仕切り部44と、面仕切り部45とから構成されている。
【0032】
前仕切り部44は、貯蔵室の前面開口部に設けられ、当該貯蔵室の左右方向に延びる直方体状に構成されている。前仕切り部44は、仕切り板441と、仕切り補強板442と、仕切りカバー443と、仕切り断熱部材444とから構成されている。
【0033】
仕切り板441は、金属製であり、前仕切り部44の前面壁を構成する板部材であり、左右両端部がやや後方に折れ曲がっている。仕切り板441は、右端部が、右面用分割断熱壁313の前端部に形成されている開口部33を通って端部差込室34の内部に配置されている。前仕切り部44の右端部には、貫通孔445が3箇所形成されている。
【0034】
仕切り補強板442は、金属製であり、仕切り板441の引張強度が小さい場合などに設けられるものであり、上下方向の寸法が仕切り板441の上下方向の寸法と同様またはそれより短く調整され、左右方向の寸法が仕切り板441の左右方向の寸法よりも長く調整され、且つ、板厚が仕切り板441と同等またはそれ以上に調整された板部材であり、左右両端部がやや後方に折れ曲がっている。仕切り補強板442は、仕切り板441の背面に接して設けられている。
【0035】
そして、仕切り板441の右端部が、右面用分割断熱壁313の前端部に形成されている開口部33を通って端部差込室34の内部に配置されている。これにより、仕切り板441の右端部は、仕切り補強板442の右端部と外箱13の右面壁18すなわち右面用分割断熱壁313の折り曲げ部32とで挟まれた構成となる。また、仕切り板441および仕切り補強板442の左右両端部が後方に折れ曲がった形状であり、この端部が端部差込室34に挿入される構成であるため、折り曲げ部32の前面を仕切り板441の前面と面一に構成することができる。
【0036】
仕切り補強板442の右端部は、仕切り板441よりも右側に位置して断面L字状をなし、外箱13の右面壁18の右前部分の角の形状に対応して後方に折れ曲がっている。さらに、仕切り補強板442の右端部には、仕切り板441の3箇所の貫通孔445に対応する3箇所のねじ穴446が形成されている。3箇所のうちの最も右端部側に位置するねじ穴446は、外箱13の右面壁18の折り曲げ部32に形成した貫通孔35に通されるねじ46の軸部が設けられた構成となっている。また、仕切り補強板442の残り2箇所のねじ穴446にも、仕切り板441の貫通孔445に通されるねじ47の軸部が設けられた構成となっている。これにより、仕切り板441の右端部および仕切り補強板442の右端部は、右面用分割断熱壁313の折り曲げ部32に連結固定された構成となる。なお、上述したように、図示はしないが、仕切り板441の左端部および仕切り補強板442の左端部も、上述した右端部と同様な構成であり、外箱13の左面壁19すなわち左面用分割断熱壁314の図示しない折り曲げ部に連結固定された構成となっている。すなわち、仕切り板441は、右面用分割断熱壁313と左面用分割断熱壁314とを貯蔵室の前面開口部において連結固定する連結部材として機能し、折り曲げ部32は被連結部材として機能している。
【0037】
仕切りカバー443は、金属製であり、前面が開口した箱状をなし、仕切り板441とともに前仕切り部44の直方体の外周壁を形成するものである。そして、仕切りカバー443と仕切り板441とで形成される直方体の空間に、仕切り断熱部材444が設けられている。仕切りカバー443は、支持部材27によって支持されている。すなわち、仕切りカバー443は、下部に図示しない取付部を有し、この取付部がねじによって支持部材27に固定される構成である。
【0038】
仕切り断熱部材444は、発泡スチロールやウレタンなどの断熱部材からなり、直方体状に形成されている。
【0039】
面仕切り部45は、
図3および
図4にも示すように、断熱性を有する樹脂製の矩形状の板部材であり、真空断熱パネルなどの板状の断熱部材の周囲を樹脂製の板で覆ったものである。面仕切り部45は、内箱14の支持部材27上に載置されて保持されているとともに、前端部が前仕切り部44の背面に接して設けられ、左右両端部が内箱14の右面壁24および左面壁25に接して設けられている。なお、第1の仕切り部材37の面仕切り部45の後端部は、内箱14の背面壁26に対して隙間を開けて設けられている。これにより、冷蔵室39と野菜室40とは連通した構成となっている。一方、第2の仕切り部材38の面仕切り部45の後端部は、内箱14の背面壁26に接して設けられている。これにより、野菜室40と製氷室41とは第2の仕切り部材38によって断熱されるとともに、野菜室40と第2の冷凍室43とも第2の仕切り部材38によって断熱された構成となっている。
【0040】
分割断熱壁31は、
図1および
図3〜
図6に示すように、隣り合う他の分割断熱壁31に対して固定具51を介して連結固定されている。すなわち、内箱14は、複数に分割された壁22〜26において、一の壁に隣り合う他の壁によって形成されるコーナー部において、これらの2つの壁が固定具51を介して連結固定された構成となっている。
【0041】
固定具51は、内箱14にあって上面壁22と右面壁24とで形成されるコーナー部、上面壁22と左面壁25とで形成されるコーナー部、上面壁22と背面壁26とで形成されるコーナー部、底面壁23と右面壁24とで形成されるコーナー部、底面壁23と左面壁25とで形成されるコーナー部、底面壁23と背面壁26とで形成されるコーナー部に設けられている。言い換えると、固定具51は、隣り合って離間している2つの分割断熱壁31を連結固定する固定部となる。
【0042】
また、内箱14の後部のコーナー部、例えば左面壁25と背面壁26とで形成される左奥側のコーナー部には、
図6および
図9に示すように、電線52が配置されている。電線52は、例えば図示しない制御手段たる制御装置と当該制御装置からの信号を受けて駆動する図示しない送風ファンなどの部品とをつなぐ電線、あるいは、制御装置と各種センサとをつなぐ電線であり、例えば、当該コーナー部に沿って延びている。電線52は、複数本の電線を束ねて構成されている。なお、図面では、複数本の電線が束ねられて断面が円形の状態となった電線52を示す。
【0043】
さらに、内箱14の後部であって電線52が設けられているコーナー部とは異なるコーナー部、例えば左面壁25と背面壁26とで形成される右奥側のコーナー部には、
図6および
図22に示すように、配管53が配置されている。配管53は、具体的には、図示しない冷蔵用の蒸発器とコンプレッサとをつなぐサクションパイプおよび冷凍用の蒸発器とコンプレッサとをつなぐサクションパイプなど冷凍サイクルにおけて冷媒を流通させる配管であり、例えば当該コーナー部に沿って延びている。配管53は、例えば、冷蔵に用いられる冷媒が通るものと、冷凍に用いられる冷媒が通るものとの2本設けられている。
【0044】
内箱14の各コーナー部に設けられている固定具51のうち、内箱14において左面壁25と背面壁26とで形成されるコーナー部に設けられている固定具511、および、右面壁24と背面壁26とで形成されるコーナー部に設けられている固定具512は、分割断熱壁31と別体に設けられている点で分割断熱壁31と一体に設けられた他の固定具と相違しているが、その他の点で内箱14の各コーナー部に設けられている固定具51はよく似た構成であるため、以下、分割断熱壁31と別体に設けられた固定具511及び固定具512について説明する。なお、固定具512の説明においては、固定具511と共通する部分についての説明を省略する。また、上述の電線52および配管53の構成についても説明する。
【0045】
まず、固定具511について
図1、
図9〜
図21を参照して説明する。
【0046】
固定具511は、
図1、
図9および
図10に示すように、全体として断面直角三角形の柱状をなし、内箱14の左面壁25と背面壁26とで形成されるコーナー部に沿って上下方向に延びた形状をなしている。
図9は、電線52が設けられているコーナー部付近を概略的に示すものである。
図10は、コーナー部に固定具511を設けた後の当該コーナー部を示すものである。なお、
図11は、当該コーナー部に固定具511が設けられる前の当該コーナー部を示している。
【0047】
固定具511は、
図12〜
図14に示すように、断面直角三角形の筒状を構成する固定カバー54および補強部材55と、筒状の内部を構成するコーナー用断熱部材56とを有している。
【0048】
固定カバー54は、樹脂製であり、上下方向に長い矩形の板部材であり、コーナー部に設けられている電線52の前側を覆うようにして配置されている。すなわち、冷蔵庫11の使用者側から電線52が見えないように固定カバー54が配置されている。固定カバー54の前面には、
図14〜
図21に示すように、ねじ57の軸部を貫通させるための貫通孔58が形成されている。固定カバー54の貫通孔58は、長手方向に直交する幅方向において両端部の複数個所に形成されている。この貫通孔58は、他方側の端部の貫通孔58が極力離れるように、他方側の端部に位置する貫通孔58と上下方向がずれて配置されている。すなわち、固定カバー54の貫通孔58は、例えば
図13に示すように、固定カバー54の長手方向に沿ってジグザグ状に配置されている。
【0049】
固定カバー54の貫通孔58のうち正面から見て左側に位置する貫通孔58の軸方向は、
図15、
図17、
図19および
図20に示すように、当該固定カバー54が内箱14のコーナー部に設けられたときに内箱14の左面壁25に直交する方向である。また、固定カバー54の貫通孔58のうち正面から見て右側に位置する貫通孔58の軸方向は、
図15、
図16、
図18および
図21に示すように、当該固定カバー54が内箱14のコーナー部に設けられたときに当該内箱14の背面壁26に直交する方向である。
【0050】
固定カバー54は、
図1、
図12および
図13に示すように、固定具511が設けられるコーナー部の延びている方向の長さにおいて2個に分割されたパーツから構成されている。この構成により、固定カバー54の取扱いが容易になるとともに、ねじれなどの変形がしにくくなる。以下、固定カバー54のうち上側のパーツを上固定カバー541と称し、下側のパーツを下固定カバー542と称する。上固定カバー541は内箱14の冷蔵室39および野菜室40のコーナー部に配置され、下固定カバー542が内箱14の製氷室41および第1の冷凍室42のコーナー部に配置される構成である。固定カバー54のうち上固定カバー541と下固定カバー542とが連結する部分言い換えると分割部分は、
図15に示すように左奥側のコーナー部側に突出し、後述する補強部材55に当接している。また、
図10および
図12〜
図14に示すように、上固定カバー541の長手方向の中央部には端部側が開口した開口部59が形成され、下固定カバー542の長手方向の中央部にも端部側が開口した開口部60が形成されている。
【0051】
補強部材55は、固定具51の固定カバー54の強度を補強するものであり、樹脂製であり、
図9、
図12および
図14に示すように、固定具511の断面二等辺三角形の残りの二辺を形成するカバー、具体的には直角の角を形成する断面L字状の板部材からなり、長手方向の長さが固定カバー54の長手方向の長さと同じに調整されている。補強部材55は、断面L字状をなす二辺のうちの一辺が内箱14の左面壁25すなわち左面用分割断熱壁314に対向して配置され、残りの一辺が内箱14の背面壁26すなわち背面用分割断熱壁315に対向して配置されている。
【0052】
この補強部材55の直角部分が内箱14のコーナー部に対応して配置される構成である。すなわち、補強部材55の断面L字状の直角部分が内箱14のコーナー部の角に最も近づいた状態になるようにして、固定具511が当該コーナー部に配置されている。そして、補強部材55の断面L字状の開いている側の開口部が固定カバー54によって覆われる構成である。言い換えると、補強部材55は、隣り合う分割断熱壁31の端部間すなわち隣り合う分割断熱壁31の離間している部分を横断して配置され、分割断熱壁31間の断熱効果の小さい所に配置された構成である。
【0053】
補強部材55の長手方向に直交する幅方向の両端部には、複数のねじ穴61および複数の貫通孔62が形成されている。複数のねじ穴61および複数の貫通孔62は、固定カバー54の貫通孔58に対応して、補強部材55の長手方向に沿ってジグザグ状に配置されている。
【0054】
補強部材55の貫通孔62は、固定カバー54側に膨出している膨出部63に形成されている。すなわち、膨出部63も補強部材55の長手方向に沿ってジグザグ状に配置されている。補強部材55の貫通孔62の軸方向は、固定カバー54が補強部材55に取り付けられたときに、固定カバー54の貫通孔58の軸方向に一致する構成である。補強部材55の貫通孔62には、ねじ57の軸部が貫通する構成である。
【0055】
補強部材55のねじ穴61は、
図14、
図15、
図16および
図19に示すように、固定カバー54側に突出した円筒状をなし、内部にねじ山が形成されたものである。補強部材55のねじ穴61は、固定カバー54が補強部材55に取り付けられたときに、固定カバー54の貫通孔58の軸方向に一致し、ねじ57と螺合する構成となっている。
【0056】
この補強部材55も、
図14に示すように、固定具511が設けられるコーナー部の延びている方向の長さにおいて2個に分割されたパーツから構成されている。補強部材55の分割位置は、固定カバー54の分割位置と同じである。以下、補強部材55のうち上側のパーツを上補強部材551と称し、下側のパーツを下補強部材552と称する。この構成によって、上補強部材551も、冷蔵室39および野菜室40のコーナー部に配置され、下補強部材552が内箱14の製氷室41および第1の冷凍室42のコーナー部に配置される構成である。
【0057】
コーナー用断熱部材56は、例えば
図9に示すように、固定具511の固定カバー54に覆われるようにコーナー部に配置されたものであり、具体的には上述したように固定具511に囲われて設けられている。すなわち、コーナー用断熱部材56は、隣り合う分割断熱壁31の端部間である離間している部分を覆うように配置されている。コーナー用断熱部材56は、
図14に示すように、発泡スチロールなどの断熱部材を三角柱に形成したものである。コーナー用断熱部材56の長手方向に直交する幅方向の両端部側には、複数の切欠き部64が形成されている。切欠き部64は、固定カバー54の貫通孔58、補強部材55のねじ穴61および貫通孔62に設けられるねじ57に干渉しないように、コーナー用断熱部材56の長手方向に沿ってジグザグ状に配置されている。このコーナー用断熱部材56も、固定具511が設けられるコーナー部の延びている方向の長さにおいて2個に分割されたパーツから構成されている。コーナー用断熱部材56の分割位置は、固定カバー54の分割位置と同じである。以下、コーナー用断熱部材56のうち上側のパーツを上コーナー用断熱部材561と称し、下側のパーツを下コーナー用断熱部材562と称する。この場合、上コーナー用断熱部材561は、上固定カバー541および上補強カバー551によって挟まれて設けられている。また、下コーナー用断熱部材562は、下固定カバー542および下補強カバー552によって挟まれて設けられている。この構成によって、上コーナー用断熱部材561も、冷蔵室39および野菜室40のコーナー部に配置され、下コーナー用断熱部材562が内箱14の製氷室41および第1の冷凍室42のコーナー部に配置される構成である。
【0058】
上記構成によって、固定具511は、全体として、コーナー部に沿って延びる方向において2個に分割可能な構成となっている。なお、上コーナー用断熱部材561は、下コーナー用断熱部材562に対して離間して設けられている。すなわち、
図15に示すように、固定カバー54の分割部分では、固定具511の分割部分の前面がコーナー部側に凹んだ形状になっている。
【0059】
また、上コーナー用断熱部材561の長手方向の中央部には固定カバー541の開口部59に対応して端部側が開口した開口部65が形成され、下コーナー用断熱部材562の長手方向の中央部にも固定カバー541の開口部60に対応して端部側が開口した開口部66が形成されている。
【0060】
また、コーナー用断熱部材56の長手方向に直交する断面における直角部分、すなわち内箱14のコーナー部の角に近接する部位には、長手方向に延びる凹状の収容部67が形成されている。このコーナー用断熱部材56の収容部67には、上述した電線52が収容されている。すなわち、固定具511は、筒状の内部に電線52を収容した構成となっている。収容部67に収容されている電線52は、収容部67の内周面が保持部となって当該保持部によって所定の位置からずれないように保持されているとともに、図示しないフックなどの保持部などでも保持されている。すなわち、電線52と固定具511とは一体された構成となっている。電線52は、一部がコーナー用断熱部材56の開口部65を通って上固定カバー541の開口部59から貯蔵室側に出ており、また他の一部もコーナー用断熱部材56の開口部66を通って下固定カバー592の開口部60から貯蔵室側に出ており、さらに他の一部が固定具511の上端面から外側に出ており離間部211を通って機械室21に導かれている。すなわち、固定具511の開口部59,60は、固定具511の内部に収容されている電線52の一部を貯蔵室側に導くためのものである。なお、さらに、電線52の一部を固定具511の下端面から、離間部213を通って部分収容室212に導かれるようにしてもよい。
【0061】
電線52は、
図13に示すように、固定カバー54の開口部59,60から貯蔵室側に出ている部分に接続部68を有している。また、電線52は、固定具511の上端面から外側に延びている先端部にも接続部68を有している。これらの接続部68は、樹脂製であり、他の電線の接続部と接続可能なプラグ状の構成となっている。他の電線は、例えば制御装置や送風ファンなどの部品に接続されている。
【0062】
固定カバー54と補強部材55との間、具体的には固定カバー54の幅方向の端部と補強部材55の幅方向の端部との間には、
図14および
図16〜
図19に示すように、第1のシール部材71が設けられている。第1のシール部材71は、固定カバー54および補強部材55の長手方向に沿って長く延びる部材であり、例えばソフトテープから構成されている。これにより、固定カバー54と補強部材55との間が第1のシール部材71によってシールされた構成となる。
【0063】
補強部材55とこの補強部材55に近接する内箱14の壁、具体的には補強部材55と左面壁25すなわち左面用分割断熱壁314との間、および補強部材55と背面壁26すなわち背面用分割断熱壁315との間には、
図14〜
図19に示すように、第2のシール部材72が設けられている。第2のシール部材72は、固定カバー54および補強部材55の長手方向に沿って長く延びる部材であり、例えばソフトテープから構成されている。これにより、補強部材55とこの補強部材55に近接する分割断熱壁31との間が第2のシール部材72によってシールされた構成となる。
【0064】
図9に示すように、分割断熱壁31の端部、例えば左面用分割断熱壁314と背面用分割断熱壁315とが突き合されている部分には、第3のシール部材73が設けられている。第3のシール部材73は、固定カバー54および補強部材55の長手方向に平行に延びている部材であり、例えばソフトテープから構成されている。これにより、左面用分割断熱壁314と背面用分割断熱壁315との間が第3のシール部材73によってシールされた構成となる。なお、
図20および
図21では、第3のシール部材の図示を省略する。
【0065】
固定具511は、
図14〜
図19に示すように、固定カバー54と補強部材55とによってコーナー用断熱部材56を挟み、コーナー用断熱部材56の収容部67に電線52を収容し、固定カバー54の幅方向の端部と補強部材55の幅方向の端部とを合わせて構成されている。そして、このように固定カバー54を補強部材55に合わせた状態で、ねじ57の軸部を固定カバー54の貫通孔58に通して補強部材55のねじ穴61に螺合させることにより、固定カバー54が補強部材55に固定された構成となっている。また、固定カバー54が補強部材55に固定されることにより、コーナー用断熱部材56も固定具511の内部に固定された構成となり、電線52も固定具511の内部に固定された構成となっている。したがって、固定カバー54と、補強部材55と、コーナー用断熱部材56と、電線52とが一体化した構成となっている。
【0066】
なお、上固定カバー541と下固定カバー542との分割部分では、
図15に示すように、1対のねじ57,57によって固定カバー54が補強部材55に固定されている。そして、固定具511の分割部分には、第2の仕切り部材38の後端部の左部が当接して配置される構成となっている。
【0067】
また、
図20および
図21に示すように、ねじ57を固定カバー54の貫通孔58および補強部材55の貫通孔62に通して内箱14の支持部材27のねじ穴に螺合させることにより、固定具511が内箱14のコーナー部に固定された構成となっている。
【0068】
このとき、固定カバー54と補強部材55との間が第1のシール部材71によってシールされ、固定具51とこの固定具51に近接する分割断熱壁31との間が第2のシール部材72によってシールされ、左面用分割断熱壁314と背面用分割断熱壁315との間が第3のシール部材73によってシールされた構成となる。
【0069】
さらに、左面用分割断熱壁314および背面用分割断熱壁315は、第2のシール部材72を介して補強部材55に対向した配置となる。これにより、隣り合う左面用分割断熱壁314および背面用分割断熱壁315が固定具511によって連結固定されるとともに、左面用分割断熱壁314と背面用分割断熱壁315とで形成される隣り合う分割断熱壁314,315の角度が、補強部材55の直角部分に対応して90°に保持される。すなわち、補強部材55は、左面用分割断熱壁314および背面用分割断熱壁315のそれぞれに対向して配置され、隣り合う壁すなわち分割断熱壁31の角度を90°に保持する角度保持部として機能している。
【0070】
次に、固定具512について
図22〜
図31を参照して説明する。
【0071】
固定具512は、
図22および
図23に示すように、全体として断面直角三角形の柱状をなし、内箱14の右面壁24と背面壁26とで形成されるコーナー部に沿って上下方向に延びた形状をなしている。
図22は、配管53が設けられているコーナー部付近を概略的に示すものである。
図23は、コーナー部に固定具512を設けた後の構成を示すものである。なお、
図24は、当該コーナー部に固定具512を設ける前の構成を示している。
【0072】
固定具512は、
図25〜
図27に示すように断面直角三角形の筒状を構成する固定カバー81および補強部材82と、筒状の内部を構成するコーナー用断熱部材83とを有している。
【0073】
固定カバー81は、固定カバー54とほぼ同様な構成であり、上下方向に長い矩形の板部材であり、コーナー部に設けられている配管53の前側を覆うようにして配置されている。すなわち、冷蔵庫11の使用者側から配管53が見えないように固定カバー81が配置されている。固定カバー81には、固定カバー54の貫通孔58と同様の貫通孔84が複数個所に形成されている。また、固定カバー81も、
図27に示すように、固定具512が設けられるコーナー部の延びている方向の長さにおいて2個に分割されたパーツから構成され、固定カバー81のうち上側のパーツを構成する上固定カバー811と、下側のパーツを構成する下固定カバー812とから構成されている。上固定カバー811と下固定カバー812とが連結する部分すなわち分割部分は、
図28に示すように右奥側のコーナー部側に突出した形成である。また、上固定カバー811の長手方向の中央部には、
図27に示すように、外側に突出して延びる第1の突出部85を有し、この第1の突出部に開口部86が形成されている。また、
図23および
図25〜
図27に示すように、下固定カバー812の長手方向の中央部にも、外側に突出して延びる第2の突出部87を有し、この第2の突出部87に開口部88が形成されている。
【0074】
補強部材82は、補強部材55とほぼ同様な構成であり、
図27に示すように、固定具512の断面二等辺三角形の残りの二辺を形成する断面L字状の板部材である。この補強部材82の直角部分が内箱14のコーナー部に対応して配置される構成である。そして、補強部材82の断面L字状の開いている側の開口部を覆うようにして固定カバー81が設けられる構成である。
【0075】
補強部材55の長手方向に直交する幅方向の両端部には、複数のねじ穴89および複数の貫通孔90が形成されている。補強部材82のねじ穴89および貫通孔90も、補強部材55のねじ穴61および貫通孔62と同様の構成である。また、この補強部材82も、固定具512が設けられるコーナー部の延びている方向の長さにおいて2個に分割されたパーツから構成され、補強部材82のうち上側のパーツを構成する上補強部材821と、下側のパーツを構成する下補強部材822とから構成されている。また、上補強部材821は、当該上補強部材821の長手方向の中央部すなわち第1の突出部85に対応する位置に外側に突出して延びる第1の補強用突出部91を有している。第1の補強用突出部91は、第1の突出部85とともに筒状を形成するものである。さらに、下補強部材822も、当該下補強部材822の長手方向の中央部すなわち第2の突出部87に対応する位に外側に突出して延びる第2の補強用突出部92を有している。第2の補強用突出部92も、第2の突出部87とともに筒状を形成するものである。
【0076】
コーナー用断熱部材83は、コーナー用断熱部材56とほぼ同様な構成であり、固定具512の固定カバー81に覆われるようにコーナー部に配置されている。すなわち、コーナー用断熱部材83も、隣り合う分割断熱壁31の端部間である離間している部分を覆うように配置されている。コーナー用断熱部材83は、
図27に示すように、発泡スチロールなどの断熱部材を三角柱に形成したものであり、幅方向の両端部側に複数の切欠き部93が形成されている。この切欠き部93は、コーナー用断熱部材56の切欠き部64と同様な構成である。また、このコーナー用断熱部材83も、固定具512が設けられるコーナー部の延びている方向の長さにおいて2個に分割されたパーツから構成され、コーナー用断熱部材83のうち上側のパーツを構成する上コーナー用断熱部材831と、下側のパーツを構成する下コーナー用断熱部材832とから構成されている。この場合、上コーナー用断熱部材831は、上固定カバー8111および上補強カバー821によって挟まれて設けられている。また、下コーナー用断熱部材832は、下固定カバー812および下補強カバー822によって挟まれて設けられている。
【0077】
上記構成によって、固定具512は、全体として、コーナー部に沿って延びる方向において2個に分割可能な構成となっている。なお、上コーナー用断熱部材831は、下コーナー用断熱部材832に対して離間して設けられている。すなわち、
図28に示すように、固定カバー81の分割部分では、当該固定カバー81のコーナー部側の面が補強部材82に接しており、固定具51の分割部分の前面がコーナー部側に凹んだ形状になっている。
【0078】
また、上コーナー用断熱部材831は、
図27に示すように、当該上コーナー用断熱部材831の長手方向の中央部すなわち第1の突出部85に対応する位置に外側に突出して延びる第1の断熱用突出部94を有し、この第1の断熱用突出部94に開口部95が形成されている。第1の断熱用突出部94は、第1の補強用突出部91と第1の突出部85とで形成される筒状部分に収容される構成である。さらに、下コーナー用断熱部材832も、当該下コーナー用断熱部材832の長手方向の中央部すなわち第2の突出部87に対応する位置に外側に突出して延びる第2の断熱用突出部96を有し、この第2の断熱用突出部96に開口部97が形成されている。第2の断熱用突出部96は、第2の補強用突出部92と第2の突出部87とで形成される筒状部分に収容される構成である。
【0079】
また、コーナー用断熱部材83の長手方向に直交する断面における直角部分、すなわち内箱14のコーナー部の角に近接する部位には、長手方向に延びる凹状の収容部98が形成されている。このコーナー用断熱部材83の収容部98には、上述した配管53が収容されている。すなわち、固定具512は、筒状の内部に配管53を収容した構成となっている。収容部98に収容されている配管53は、収容部98の内周面が保持部となって当該保持部によって保持されているとともに、図示しないフックなどの保持部などでも保持されている。すなわち、配管53と固定具512とは一体された構成となっている。なお、収容部98に収容されている配管53は、コーナー部の部位によっては複数本収容されている。
【0080】
配管53は、一部がコーナー用断熱部材83の開口部95を通って上固定カバー811の開口部86から貯蔵室側に出ており、他の一部がコーナー用断熱部材83の開口部97を通って下固定カバー812の開口部88から貯蔵室側に出ており、さらに他の一部が固定具512の上端面から外側に出ており離間部211を通って機械室21に導かれている。すなわち、固定具512の開口部86,88は、固定具512の内部に収容されている配管53の一部を貯蔵室側に導くためのものである。なお、さらに、配管53の一部を固定具512の下端面から、離間部213を通って部分収容室212に導かれるようにしてもよい。
【0081】
配管53は、
図26に示すように、固定カバー81の開口部86,88から貯蔵室側に出ている部分に溶着部99を有している。また、配管53は、固定具512の上端面から外側に延びている先端部にも溶着部99を有している。これらの溶着部99は、他の配管の溶着部と溶着可能な構成、例えば配管53の直径が他の配管よりも大きい構成となっている。他の配管は、冷蔵用の蒸発器、冷凍用の蒸発器、コンプレッサに接続されている。この実施形態では、上固定カバー811の開口部86から貯蔵室側に延びる配管53が冷蔵用の蒸発器に接続され、下固定カバー812の開口部88から貯蔵室側に延びる配管が冷凍用の蒸発器に接続され、固定具512の上端面から外側に延びる配管が機械室21に設けられているコンプレッサに接続されるように、配管53の溶着部99と他の配管の溶着部とが溶着される構成となっている。
【0082】
固定カバー81と補強部材82との間、具体的には固定カバー81の幅方向の端部と補強部材82の幅方向の端部との間には、固定具511に設けた第1のシール部材71と同様の第1のシール部材101が設けられている。
【0083】
補強部材82とこの補強部材82に近接する内箱14の壁、具体的には補強部材82と右面壁24すなわち右面用分割断熱壁313との間、補強部材82と背面壁26すなわち背面用分割断熱壁315との間には、
図27〜
図31に示すように、第2のシール部材72と同様の第2のシール部材102が設けられている。
【0084】
また、
図22に示すように、右面用分割断熱壁313と背面用分割断熱壁315とが突き合されている部分には、第3のシール部材72と同様の第3のシール部材103が設けられている。
【0085】
固定具512は、
図26〜
図31に示すように、固定カバー81と補強部材82とによってコーナー用断熱部材83を挟み、コーナー用断熱部材83の収容部98に配管53を収容し、固定カバー81の幅方向の端部と補強部材82の幅方向の端部とを合わせて構成されている。そして、このように固定カバー81を補強部材82に合わせた状態で、ねじ57の軸部を固定カバー81の貫通孔84に通して補強部材82のねじ穴89に螺合させることにより、固定カバー81が補強部材82に固定された構成となっている。また、固定カバー81が補強部材82に固定されることにより、コーナー用断熱部材83も固定具51の内部に固定された構成となり、配管53も固定具512の内部に固定された構成となっている。この上固定カバー811と下固定カバー812の分割部分にも、第2の仕切り部材38の後端部の右部が当接して配置され、この分割部分を覆う構成となっている。
【0086】
なお、上固定カバー811と下固定カバー812との分割部分では、
図28に示すように、1対のねじ57,57によって固定カバー81が補強部材82に固定されている。そして、固定具512の分割部分には、第2の仕切り部材38の後端部の右部が当接して配置される構成となっている。
【0087】
また、図示しないねじの軸部を、
図30に示すように、固定カバー81の貫通孔84および補強部材82の貫通孔90に通して内箱14の図示しない支持部材のねじ穴に螺合させることにより、固定具512が内箱14のコーナー部に固定された構成となる。なお、図示はしないが、固定具512は、同様な構成によって背面壁26の支持部材にも固定されている。
【0088】
このとき、固定カバー81と補強部材82との間が第1のシール部材101によってシールされ、固定具51とこの固定具51に近接する分割断熱壁31との間が第2のシール部材102によってシールされ、右面用分割断熱壁313と背面用分割断熱壁315との間が第3のシール部材103によってシールされる。
【0089】
また、補強部材82は、第2のシール部材102を介して右面用分割断熱壁313および背面用分割断熱壁315のそれぞれに対向した配置となる。これにより、隣り合う右面用分割断熱壁313および背面用分割断熱壁315が固定具512によって連結固定されるとともに、右面用分割断熱壁313と背面用分割断熱壁315とで形成される隣り合う壁の角度が、補強部材82の直角部分に対応して90°に保持される。すなわち、補強部材82も、隣り合う壁の角度を90°に保持する角度保持部として機能している。
【0090】
次に、固定具512の固定カバー81の開口部88から貯蔵室側に導かれている配管53の一部について
図32を参照して説明する。
図32に示すように、内箱14の内部において第2の仕切り部材38の面仕切り部45と内箱14の右面壁24との間には、仕切り部用断熱部材105が設けられている。仕切り部用断熱部材105は、発泡スチロールなどからなる断熱部材であり、前後方向に延びるブロック状をなしている。仕切り部用断熱部材105には、内箱14側が開口した凹部106が形成されている。そして、凹部106の内部には、固定具512の開口部88から貯蔵室側に出た配管53の一部が設けられた構成となっている。すなわち、固定具512の開口部88から出ている配管53の一部は、第2の仕切り部材38の縁部の前後方向に沿って設けられた構成となっている。
【0091】
この仕切り部用断熱部材105の上面、前面および左面は、第2の仕切り部材38の面仕切り部45から延びている部材によって覆われている。
【0092】
なお、図示はしないが、内箱14の内部において第2の仕切り部材38の面仕切り部45と内箱14の左面壁25との間にも、上述の仕切り断熱部材などを設けて、固定具512の開口部60から出ている電線52の一部が、第2の仕切り部材38の縁部の前後方向に沿って設けられる構成としてもよい。
【0093】
上記した一実施形態による冷蔵庫11の組み立てシステムを
図1および
図33を参照して説明する。ここでは、断熱箱体12を構成する分割断熱壁31のうち、1の分割断熱壁(例えば、背面用分割断熱壁315)を基礎壁とし、その他の分割断熱壁(例えば、上面用分割断熱壁311、床面用分割断熱壁312、右面用分割断熱壁313及び左面用分割断熱壁314)を連結壁とし、連結壁毎に大きさの異なる複数種類を用意し、固定具51を介して基礎壁に連結する連結壁の種類を変更することで、異なる容積の断熱箱体12を組み立てる場合について説明する。
【0094】
まず、
図1に示す分割断熱壁31を製作する。つまり、基礎壁である背面用分割断熱壁315と、連結壁である上面用分割断熱壁311、床面用分割断熱壁312、右面用分割断熱壁313及び左面用分割断熱壁314を製作する。
【0095】
連結壁311〜314は、基礎壁315に対して固定部である固定具51を介して連結可能であって、連結壁311〜314毎に複数種類の奥行き寸法の分割断熱壁が製作される。なお、各連結壁311〜314は、連結壁315だけでなく隣り合う連結壁311〜314にも連結されるため、連結壁311〜314の間で同じ奥行き寸法の分割断熱壁が存在するように各連結壁311〜314の奥行き寸法が設定されている。
【0096】
具体例を挙げると、幅寸法が750mm、高さ寸法が1200mmの基礎壁である背面用分割断熱壁315に対して、上面用分割断熱壁311及び床面用分割断熱壁312は、幅寸法が基礎壁315と同じ750mmで、奥行き寸法が500mm、600mm、700mm、730mmの4種類の分割断熱壁が製作され、右面用分割断熱壁313及び左面用分割断熱壁314は、高さ寸法が1800mmで、奥行き寸法が、上面用分割断熱壁311及び床面用分割断熱壁312と同様で500mm、600mm、700mm、730mmの4種類の分割断熱壁が製作される。
【0097】
また、基礎壁315や連結壁311〜314と別体に設けられている固定具51、本実施形態では、基礎壁315と連結壁314を連結する固定具511と、基礎壁315と連結壁313を連結する固定具512とを製作する。
【0098】
具体的には、収容部67に電線52を収容したコーナー用断熱部材56を固定カバー54と補強部材55とで挟み、ねじ57によって固定カバー54を補強部材55に固定することで、
図12に示すような固定カバー54と、補強部材55と、コーナー用断熱部材56と、電線52とが一体化した固定具511を製作する。固定具512についても固定具511と同様、収容部98に配管53を収容したコーナー用断熱部材83を固定カバー81と補強部材82とで挟み、ねじ57によって固定カバー81を補強部材55に固定することで、
図25に示すような固定カバー81と、補強部材82と、コーナー用断熱部材83と、配管53とが一体化した固定具512を製作する。
【0099】
この例では、異なる容積の断熱箱体12を組み立てるため、連結壁311〜314毎に奥行き寸法の異なる分割断熱壁を製作したが、固定具511,512はそれぞれ1種類ずつ製作される。つまり、断熱箱体12の容積が異なっても、背面用分割断熱壁315と右面用分割断熱壁314とを連結する固定具511と、この固定具511に一体化された電線52は同一形状のものが用いられ、また、背面用分割断熱壁315と左面用分割断熱壁313とを連結する固定具512と、この固定具512に一体化された配管53も同一形状のものが用いられる。これにより、組み立てられた断熱箱体12には、容積が異なっていても断熱箱体12の内部の同じ高さ位置に電線52の接続部68や配管53の溶着部99が配設されることになる。
【0100】
次に、連結壁311〜314毎に製作した複数種類の奥行き寸法の分割断熱壁から1種類の奥行き寸法の分割断熱壁、例えば、奥行き寸法500mmの上面用分割断熱壁311、床面用分割断熱壁312、右面用分割断熱壁313及び左面用分割断熱壁314を選択する。
【0101】
次に、基礎壁315に対して選択した4つの連結壁311〜314を固定具51で連結するとともに、隣り合う連結壁311〜314を連結する。基礎壁315と連結壁311〜314の連結構成の一例を
図33に示すように、左面用分割断熱壁314に固定具511をねじ57により取り付ける。これにより、固定具511とともに固定具511の収容部67に配設された電線52が左面用分割断熱壁314に取り付けられる。
【0102】
次に、左面用分割断熱壁314と固定具511とが一体となったものに、背面用分割断熱壁315を取り付ける。これにより、基礎壁である背面用分割断熱壁315とこれに隣り合う連結壁である左面用分割断熱壁314とが連結固定され、内箱14の右奥側のコーナー部が形成されるとともに、このコーナー部に配線52が固定具511を介して配設される。このとき、背面用分割断熱壁315と左面用分割断熱壁314とで形成される隣り合う壁の角度は、補強部材55の直角部分に対応して90°に保持される。
【0103】
内箱14の他のコーナー部も、分割断熱壁31と固定具51とを連結固定することにより形成される。これにより、隣り合う分割断熱壁31の角度が90°である内箱14が形成され、直方体の断熱箱体12が形成されるとともに、右面用分割断熱壁313と背面用分割断熱壁315とを連結する固定具512によって、この固定具512の収容部98に配設された配管53が内箱14の左奥側のコーナー部に配設される。
【0104】
本実施形態では、奥行き寸法が500mmの連結壁311〜314を選択すると庫内容積が約440Lの断熱箱体12を、奥行き寸法が600mmの連結壁311〜314を選択すると庫内容積が約550Lの断熱箱体12を、奥行き寸法が700mmの連結壁311〜314を選択すると庫内容積が約670Lの断熱箱体12を、奥行き寸法が730mmの連結壁311〜314を選択すると庫内容積が約708Lの断熱箱体12を、それぞれ得ることができる。
【0105】
また、断熱箱体12の組み立て時に、第1の仕切り部材37および第2の仕切り部材38を所定の位置に設けることにより、冷蔵室39、野菜室40、製氷室41、第1の冷凍室42および第2の冷凍室43が形成されるとともに、貯蔵室の前面開口部側において、右面用分割断熱壁313と左面用分割断熱壁314とが第1の仕切り部材37および第2の仕切り部材38によって連結固定される。
【0106】
そして、断熱箱体12の組み立て途中、あるいは、組み立て後、配管53に設けられた溶着部99に冷凍サイクルを構成する圧縮機や凝縮器や蒸発器やサクションパイプを配管接続するとともに、電線52に設けられた接続部68に制御装置や送風ファンや発生装置150などの電気部品を接続する。
【0107】
上記構成によれば、次の効果を奏する。
【0108】
複数種類の奥行き寸法の連結壁311〜314から1種類の奥行き寸法の連結壁311〜314を選択し、選択した連結壁311〜314を固定具51を介して基礎壁315に連結することで冷蔵庫11の断熱箱体12を形成する。したがって、この実施形態によれば、選択する連結壁311〜314の奥行き寸法を変更することで異なる容積の断熱箱体12が得られるため、従来のように予め立体的な内箱を設ける構成よりも、断熱箱体12を形成するための中間部品を略平板状に設けて中間部品のストックスペースの省スペース化が可能となるとともに、基礎壁315のような中間部品の一部を共通化することができるため、容積の異なる複数品種の冷蔵庫を効率よく生産することができる。
【0109】
しかも、本実施形態では、基礎壁315と連結壁311〜314とを連結することで内箱14を形成するため、樹脂成型品のような抜きテーパを内箱14の内面に設ける必要がなく、内箱14において隣り合う壁22〜26を垂直に設けることができる。そのため、例えば、基礎壁315や連結壁311〜314の端部や突き合わせ部分に発泡断熱材を充填する等、内箱14と外箱13との間の一部に発泡断熱材を充填する場合に、内箱14の内面を面接触状態で支持する治具を、異なる容積の断熱箱体12に対して共通して使用することができ、複数品種の冷蔵庫を効率的に生産することができる。
【0110】
また、固定具51が基礎壁315や連結壁313,314に対して別体に設けられているため、基礎壁315に連結壁313,314を連結固定しやすく断熱箱体12に組み立て作業性を向上させることができる。しかも、固定具51が、隣り合う分割断熱壁31の角度を90°に保持するため、断熱箱体12の組み立て作業が容易となる。
【0111】
また、本実施形態では、組み立てる断熱箱体12の容積が異なっても、同一形状の固定具511、512や電線52や配管53を用いることができ、部品の共通化を図ることができ、容積の異なる複数品種の冷蔵庫を効率よく生産することができる。
【0112】
しかも、組み立てられた断熱箱体12では、容積が異なっていても断熱箱体12の内部の同じ高さ位置に電線52の接続部68や配管53の溶着部99が配設されることから、制御装置や送風ファンなどの電線52の接続部68に接続される電子部品や、蒸発器などの配管53の溶着部99に溶着される冷凍サイクルを構成する部品の共通化を図りやすく、容積の異なる複数品種の冷蔵庫を効率よく生産することができる。
【0113】
なお、本発明は、左右壁の壁厚が35mm以下という薄い形状の場合に、限られた設置スペースにおいて庫内容量を多くすることができる点で特に有効であり、本実施形態では、真空断熱パネルの厚さが約20mm、内板と外板とを合わせた厚さが1.5mmであり、左右壁の壁厚は、21.5mmであって、冷蔵庫の大容量化に更に有効な25mm以下の厚さ寸法で構成されている。
【0114】
また、上記した本実施形態では、電線および配管が固定具とともに内箱のコーナー部に設けられた構成を用いて説明したが、それら以外の部品、例えば冷凍サイクルを構成する蒸発器に付着した霜の融解水を蒸発皿などの蒸発装置へ導水するドレンホースなどの部品を固定具に一体化して内箱のコーナー部に配設してもよい。このような場合、組み立てる断熱箱体12の容積が異なっても、同一形状のドレンホースなどの部品を用いてもよい。
【0115】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について、
図34及び
図35を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成のものについては同一の符号を付し、その構成の説明を省略する。なお、第2の実施形態では、断熱箱体12の右奥側のコーナー部について説明するが、他のコーナー部にも適用することができる。
【0116】
この実施形態では、固定具111は、全体として断面L字状の柱状をなし、外箱13の右面壁18と背面壁20とで形成されるコーナー部に沿って上下方向に延びた形状をなしており、断熱箱体12の外側(庫外側)から隣り合う分割断熱壁31、例えば、基礎壁である背面用分割断熱壁315と、連結壁である右面用分割断熱壁313とを連結する。
【0117】
固定具111は、外箱13の右面壁18及び背面壁20との間で断面L字状の空間を形成する固定カバー112と、断面L字状の空間内に充填されたコーナー用断熱部材113とを有している。
【0118】
固定カバー112は、固定ネジ114によって右面壁18及び背面壁20に固定されており、この例では、右面壁18との固定位置と背面壁20との固定位置とが固定カバー112の長手方向(上下方向)にずれて配置されている。
【0119】
コーナー用断熱部材113は、
図35に示すように、固定カバー112と外箱13との間で形成された空間に配設されており、隣り合う分割断熱壁31の突き合わせ部分、つまり、断熱部材15が配設されていない部分を覆うように配置されている。
【0120】
また、コーナー用断熱部材113における分割断熱壁31の断熱部材15に近接する部位には、長手方向に沿って延び、外箱13側に開口する凹状の収容部115が形成されている。この収容部115には電線52や配管53が収容されている。
【0121】
このような固定具111は、固定カバー112が右面壁18及び背面壁20との間でコーナー用断熱部材113を挟持しつつ固定ネジ114によって右面壁18及び背面壁20に固定される。これにより、隣り合う右面用分割断熱壁313および背面用分割断熱壁315が固定具111によって連結固定されるとともに、隣り合う分割断熱壁314,315の角度が、固定カバー112のL字形状に対応して90°に保持される。
【0122】
このような本実施形態の固定具111を用いることによっても隣り合う基礎壁と連結壁とを連結固定させることができる。
【0123】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について、
図36を参照して説明する。なお、上記した第1の実施形態と同一の構成のものについては同一の符号を付し、その構成の説明を省略する。なお、第2の実施形態では、断熱箱体12の左奥側のコーナー部について説明するが、他のコーナー部にも適用することができる。
【0124】
この実施形態では、
図36に示すように、連結壁である左面用分割断熱壁314の左面壁19の後端部には、直角に折曲る後部フランジ部164が一体に設けられている。この後部フランジ部164には、基礎壁である背面用分割断熱壁315の背面壁20の端部(左辺部)が重ね合わせられている。
【0125】
これに対し、基礎壁である背面用分割断熱壁315の背面壁26には、左面用分割断熱壁314の左面壁25の内面に当接しながら庫内側(図で左側)に延びる突出部368が一体に設けら、この突出部368の内側に例えば発泡スチロールの成形品からなる断熱材367が収容されている。また、左面壁25の内面には位置決め部369が突起状に設けられている。
【0126】
そして、左面壁25から突出する位置決め部369に背面用分割断熱壁315から突出する突出部368の先端を当接させると共に、左面壁19の後端部に設けられた後部フランジ部164を背面壁20の端部に重ね合わせ固定ボルト130によって共締めする。これにより、隣り合う左面用分割断熱壁314および背面用分割断熱壁315が固定ボルト130によって連結固定されるとともに、隣り合う分割断熱壁314,315の角度が90°に保持される。つまり、この実施形態では、固定ボルト130が連結壁を基礎壁に連結する固定部として機能する。
【0127】
このような本実施形態の固定ボルト130を用いることによっても隣り合う基礎壁と連結壁とを連結固定させることができる。
【0128】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。