特許第6104504号(P6104504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104504
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】ヌクレオシド類似体
(51)【国際特許分類】
   C07H 19/10 20060101AFI20170316BHJP
   A61K 31/7072 20060101ALI20170316BHJP
   A61K 31/7076 20060101ALI20170316BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20170316BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20170316BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20170316BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20170316BHJP
   C07H 19/20 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   C07H19/10CSP
   A61K31/7072
   A61K31/7076
   A61P1/16
   A61P31/12
   A61P31/12 171
   A61P31/14
   A61P31/16
   C07H19/20
【請求項の数】1
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2011-543681(P2011-543681)
(86)(22)【出願日】2009年12月23日
(65)【公表番号】特表2012-516287(P2012-516287A)
(43)【公表日】2012年7月19日
(86)【国際出願番号】US2009069420
(87)【国際公開番号】WO2010075517
(87)【国際公開日】20100701
【審査請求日】2012年12月20日
【審判番号】不服2015-11461(P2015-11461/J1)
【審判請求日】2015年6月17日
(31)【優先権主張番号】61/140,441
(32)【優先日】2008年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505442842
【氏名又は名称】ギリアド ファーマセット エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】バオ, ドンフイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ウォスヌク
(72)【発明者】
【氏名】ナガラスナム, ダナパラン
(72)【発明者】
【氏名】ソフィア, マイケル, ジョゼフ
【合議体】
【審判長】 中田 とし子
【審判官】 齊藤 真由美
【審判官】 冨永 保
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/121634(WO,A2)
【文献】 特願2011−543685号(特表2012−515714号)
【文献】 特願2012−279175号(特表2013−082728号)
【文献】 ANTIMICROBIAL AGENTS AND CHEMOTHERAPY,2008年,Vol.52,No.2,p.458−464
【文献】 Proc.Nat.Acad.Sci.USA,vol.93,(1996),p.7295−7299
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H 19/00
REGISTRY(STN)
CAplus(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
という構造式IIで表わされる化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国以外の全ての国の指定については、出願人である米合衆国籍企業Pharmasset Inc.,の名前で、米国のみの指定については、出願人であり、中国人民共和国国民であるDonghui Bao、大韓民国国民であるWonsuk Chang、そして共に米合衆国国民であるDhanapalan NagarathnamおよびMichael Joseph Sofiaの名前でのPCT国際特許出願として、2009年12月21日に出願されている。
【0002】
優先権請求
本願は、2008年12月23日出願の米国仮特許出願第61/140,441号明細書に対する優先権を請求するものであり、その内容全体が参照により組み込まれる。
【0003】
本発明は、ヌクレオシド類似体、およびウイルス性疾患を治療するための作用物質としてのそれらの使用に関する。これらの化合物は、RNA依存性RNAウイルス複製の阻害物質であり、HCV NS5Bポリメラーゼの阻害物質として、HCV複製の阻害物質として、および哺乳動物におけるC型肝炎感染の治療のために有用である。
【背景技術】
【0004】
C型肝炎ウイルス(HCV)感染は、世界の人口の2〜15%と推定されている相当な数の感染者において、慢性肝疾患、例えば肝硬変および肝細胞癌を導く重大な健康上の問題である。米疾病管理センターによると米国だけで推定450万人の感染者が存在する。世界保健機関によると、世界中に2億人の感染者が存在し、毎年少なくとも300〜400万人が感染する。ひとたび感染すると、約20%の人はウイルスを排除するが、残りの感染者は、一生HCVを潜伏させる可能性がある。慢性的感染者の10〜20パーセントが最終的に、肝臓破壊性の肝硬変また癌を発生させる。ウイルス性疾患は、汚染した血液および血液製剤、汚染した針によって非経口的に感染したり、性的感染したり、感染した母親またはキャリヤである母親からその子供へと垂直感染したりする。HCV感染のための現行の治療は、組換え型インターフェロン−αを単独でまたはヌクレオシド類似体リバビリンと組合せた形で用いる免疫療法に制限されており、その臨床的有益性に限界がある。その上、HCVに対する立証されたワクチンは全く存在しない。その結果、慢性HCV感染に有効である改良型治療薬に対する緊急の必要性が存在する。
【0005】
HCVビリオンは、約3010個のアミノ酸のポリタンパク質をコードする約9600塩基の単一のオリゴリボヌクレオチドゲノム配列を伴う外被プラス鎖RNAウイルスである。HCV遺伝子のタンパク質産物は、構造タンパク質C、E1およびE2と非構造タンパク質NS2、NS3、NS4AおよびNS4BそしてNS5AおよびNS5Bで構成されている。非構造(NS)タンパク質は、ウイルス複製のための触媒機構を提供すると考えられている。NS3プロテアーゼは、ポリタンパク質鎖由来のRNA依存RNAポリメラーゼであるNS5Bを放出する。HCV NS5Bポリメラーゼは、HCVの複製サイクルにおいて鋳型として役立つ1本鎖ウイルスRNAからの2本鎖RNAの合成のために必要とされる。したがって、NS5BポリメラーゼはHCV複製複合体における不可欠な構成成分とみなされている(K.Ishiet al.、Heptology、1999、29:1227−1235;V.Lohmannet al.、Virology、1998、249:108−118)。HCV NS5Bポリメラーゼの阻害は、2本鎖HCVRNAの形成を妨げ、したがって、HCV−特異的抗ウイルス療法の開発へ向けた魅力的なアプローチを構成する。
【0006】
HCVは、数多くの一般的特徴を共通に有するはるかに大きいウイルス科に属する。
【0007】
Flaviviridaeウイルス
Flaviviridaeウイルス科は少なくとも次の3つの全く異なる属を含む。すなわち、畜牛および豚の疾病の原因となるペスチウイルス属;デング熱や黄熱病などの疾病の主因であるフラビウイルス属;そしてHCVを唯一の成員とするヘパシウイルスである。フラビウイルスは、血清学的関連性に基づいて複数の群に分けられる68超の成員を含む(Calisheret al.、J.Gen.Virol、1993、70、37−43)。臨床的症候はさまざまであり、発熱、脳炎および出血熱を含む(Fields Virology、Editors:Fields、B.N.、Knipe、D.M.およびHowley、P.M.、Lippincott−Raven Publishers、Philadelphia、PA、1996、Chapter31、931−959)。ヒトの疾病に結びつけられる世界的関心の的であるフラビウイルスには、デング出血熱ウイルス(DHF)、黄熱病ウイルス、ショック症候群および日本脳炎ウイルスが含まれる(Halstead、S.B.、Rev.Infect.Dis.、1984、6、251−264;Halstead、S.B.、Science、239:476−481、1988;Monath、T.P.、New Eng.J.Med、1988、319、64 1−643)。
【0008】
ペスチウイルス属には、牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)、古典的豚熱ウイルス(CSFV、豚コレラウイルスとも呼ばれる)および羊のボーダー病ウイルス(BDV)が含まれる(Moennig、V.et al.、Adv.Vir.Res.1992、41、53−98)。家畜類(畜牛、豚および羊)のペスチウイルス感染は、世界中で重大な経済的損失をひき起こしている。BVDVは、畜牛の粘膜疾患をひき起こし、家畜業界にとって著しい経済的重要性をもつ(Meyers、G.およびThiel、H.J.、Advances in Virus Research、1996、47、53−118;Moennig V.et al.、Adv.Vir.Res.1992、41、53−98)。ヒトペスチウイルスは、動物のペスチウイルスほど広範に特徴づけされていない。しかしながら、血清学的調査は、ヒトにおける多大なペスチウイルス曝露を示している。
【0009】
ペスチウイルスとヘパシウイルスは、Flavividae科内の密接に関連するウイルス群である。この科内のその他の密接に関連するウイルスとしては、GBウイルスA、GBウイルスA様因子、GBウイルス−BおよびGBウイルス−C(G型肝炎ウイルス、HGVとも呼ばれる)がある。ヘパシウイルス群(C型肝炎ウイルス;HCV)は、密接に関連するものの遺伝子型によって区別可能である数多くのヒトに感染するウイルスで構成される。少なくとも6つのHCV遺伝子型そして50超の亜型が存在する。ペスチウイルスとヘパシウイルスの間の類似性があること、そして細胞培養内で効果的に成長するヘパシウイルスの能力が低いことを併せて考えて、HCVウイルスを研究するための代理として牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)が使用されることが多い。
【0010】
ペスチウイルスおよびヘパシウイルスの遺伝子構成は、非常に類似している。これらのプラス鎖RNAウイルスは、ウイルス複製に必要な全てのウイルスタンパク質をコードする単一の大きい読み取り枠(ORF)を有する。これらのタンパク質は、成熟ウイルスタンパク質を生成するために細胞およびウイルスでコード化されたプロティナーゼの両方により同時および翻訳後に処理されるポリタンパク質として発現される。ウイルスゲノムRNAの複製を担当するウイルスタンパク質は、およそカルボキシ末端内にある。ORFの3分の2は、非構造(NS)タンパク質と呼ばれる。ペスチウイルスおよびヘパシウイルスのためのORFの非構造タンパク質部分の遺伝子構成およびポリタンパク質処理は、極めて類似している。ペスチウイルスおよびヘパシウイルスの両方について、成熟した非構造(NS)タンパク質は、非構造タンパク質コーディング領域のアミノ末端からORFのカルボキシ末端までの順番で、p7、NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5AおよびNS5Bで構成されている。
【0011】
ペスチウイルスおよびヘパシウイルスのNSタンパク質は、特異タンパク質の機能に特徴的である配列ドメインを共有する。例えば、両方の群の中のウイルスのNS3タンパク質は、セリンプロテイナーゼおよびヘリカーゼに特徴的なアミノ酸配列モチーフを有する(Gorbalenyaet al.、Nature、1988、333、22;BazanおよびFletterick Virology、1989、171、637−639;Gorbalenyaet al.、Nucleic Acid Res.、1989、17、3889−3897)。同様に、ペスチウイルスおよびヘパシウイルスのNS5Bタンパク質は、RNA依存性RNAポリメラーゼに特徴的なモチーフを有する(Koonin、E.V.およびDolja、V.V.、Crir.Rev.Biochem.Molec.Biol.1993、28、375−430)。
【0012】
ウイルスのライフサイクルにおけるペスチウイルスおよびヘパシウイルスのNSタンパク質の実際の役割および機能は、直接類似している。両方の場合において、NS3セリンプロテイナーゼが、ORF内のその位置の下流側でのポリタンパク質前駆物質の全てのタンパク質分解処理を担っている(WiskerchenおよびCollett、Virology、1991、184、341−350;Bartenschlageret al.、J.Virol.1993、67、3835−3844;Eckartet al.、Biochem.Biophys.Res.Comm.1993,192、399−406;Grakouiet al.、J.Virol.1993、67、2832−2843;Grakouiet al.、Proc.Natl.Acad Sci.USA1993、90、10583−10587;Hijikataet al.、J.Virol.1993、67、4665−4675;Tomeet al.、J.Virol.、1993、67、4017−4026)。NS4Aタンパク質は両方の場合において、NS3セリンプロテアーゼとの補因子として作用する(Bartenschlageret al.、J.Virol.1994、68、5045−5055;Faillaet al.、J.Virol.1994、68、3753−3760;Xuet al.、J.Virol、1997、71:53 12−5322)。両方のウイルスのNS3タンパク質は同様にヘリカーゼとしても機能する(Kimet al.、Biochem.Biophys.Res.Comm.、1995、215、160−166;JinおよびPeterson、Arch.Biochem.Biophys.、1995、323、47−53;WarrenerおよびCollett、J.Virol.1995、69,1720−1726)。最後に、ペスチウイルスおよびヘパシウイルスのNS5Bタンパク質は、予測されたRNA依存性RNAポリメラーゼ活性を有する(Behrenset al.、EMBO、1996、15、12−22;Lechmannet al.、J.Virol.、1997、71、8416−8428;Yuanet al..、Biochem.Biophys.Res.Comm.1997、232、231−235;Hagedorn、国際公開第97/12033号;Zhonget al.、J.Virol.、1998、72、9365−9369)。
【0013】
現在、C型肝炎ウイルスに感染した個体のための治療の選択肢は限定的である。現行の承認済み治療選択肢は、組換え型インターフェロン−αを単独でまたはヌクレオシド類似体リバビリンと組合せて用いる免疫療法を使用することである。この療法は、臨床効果に限界があり、治療された患者の50%しか療法応答性を示さない。したがって、HCV感染が提起する満たされていない医学的ニーズに対処するためのより効果的で親規な療法に対する高いニーズが存在する。
【0014】
NS2−NS3オートプロテアーゼ、N3プロテアーゼ、N3−ヘリカーゼおよびNS5Bポリメラーゼを含め(ただしこれらに限定されない)、抗HCV治療用物質としての直接作用性抗ウイルス薬の創薬用に数多くの潜在的な分子標的がすでに同定されている。RNA依存性RNAポリメラーゼは、1本鎖プラスセンスRNAゲノムの複製にとって絶対不可欠であり、この酵素は、医薬品化学者の間に高い関心を導き出してきた。
【0015】
HCV感染に対する潜在的療法としてのHCV NS5Bの阻害物質が精査されてきた:Tan、S.−L.et al.、Nature Rev.Drug Discov.、2002、1、867−881;Walker、M.P.et al.、Exp.Opin.Investigational Drugs、2003、12、1269−1280;Ni、Z−J.et al.、Current Opinion in Drug Discovery and Development、2004、7、446−459;Beaulieu、P.L.et al.、Current Opinion in Investigational Drugs、2004、5、838−850;Wu、J.et al.、Current Drug Targets−Infectious Disorders、2003、3、207−219;Griffith、R.C.et al.、Annual Reports in Medicinal Chemistry、2004、39、223−237;Carrol、S.et al.、Infectious Disorders−Drug Targets、2006、6、17−29。耐性HCV菌株が出現し広範な遺伝子型を網羅する作用物質の同定が必要となる潜在的可能性は、HCV NS5B阻害物質としての新規でかつより有効なヌクレオシドを同定するために継続的努力を行なう必要性を裏づけしている。
【0016】
NS5Bポリメラーゼのヌクレオシド阻害物質は、連鎖停止を結果としてもたらす非天然基質としてかまたはヌクレオチドと競合してポリメラーゼに結合する競合的阻害物質として作用することができる。連鎖停止剤として機能するためには、ヌクレオシド類似体は、細胞により吸収され、ポリメラーゼヌクレオチド結合部位について競合するためにトリホスフェートにインビボで転換されなくてはならない。トリホスフェートへのこの転換は、一般に細胞キナーゼによって媒介され、そのため潜在的なヌクレオシドポリメラーゼ阻害物質に対して追加の構造的要件が付与される。残念ながら、このことにより、HCV複製の阻害物質としてのヌクレオシドの直接的評価は、インサイチュリン酸化反応が可能な細胞に基づく検定に制限される。
【0017】
場合によっては、ヌクレオシドの生物活性は、それを活性なトリホスフェート形態に転換するのに必要とされる1つ以上のキナーゼについてのその基質特性の低さにより妨げられている。ヌクレオシドキナーゼによるモノホスフェートの形成は一般に、3つのリン酸化反応事象の速度制限ステップと考えられている。活性トリホスフェート類似体へのヌクレオシドの代謝における初期リン酸化反応ステップに対する必要性を回避するために、安定したホスフェートプロドラッグの調製が報告されてきた。ヌクレオシドホスホラミデートプロドラッグが、活性ヌクレオシドトリホスフェートの前駆物質であり、ウイルス感染した全細胞に投与された時点でウイルス複製を阻害することが示されている(McGuigan、C.et al.、J.Med.Chem.、1996、39、1748−1753;Valette、G.et al.、J.Med.Chem.、1996、39、1981−1990;Balzarini、J.et al.、Proc.National Acad Sci USA、1996、93、7295−7299;Siddiqui、A.Q.et al.、J.Med.Chem.、1999、42、4122−4128;Eisenberg、E.J.et al.、Nucleosides、Nucleotides and Nucleic Acids、2001、20、1091−1098;Lee、W.A.et al.、Antimicrobial Agents and Chemotherapy、2005、49、1898);米国特許公開第2006/0241064号明細書;および国際公開第2007/095269号。
【0018】
同様に、実現可能な治療薬としてのヌクレオシドの有用性を制限しているのは、時として低いものであるその物理化学的特性および薬物速度論的特性である。これらの低い特性は、作用物質の腸内吸収を制限し、標的組織または細胞内への摂取を制限する可能性がある。その特性を改善するため、ヌクレオシドのプロドラッグが利用されてきた。ヌクレオシドホスホラミデートの調製物が、ヌクレオシドの全身的吸収を改善し、さらに細胞内への摂取および輸送を最適化して親ヌクレオシドを単独で投与する場合に比べてヌクレオシドモノホスフェート類似体の細胞内濃度を劇的に増強するのに適した分配係数を得るために、これらの「プロヌクレオチド」のホスホラミデート部分が中性親油基でマスキングされるということが、実証された。ホスフェートエステル部分の酵素媒介加水分解は、ヌクレオシドモノホスフェートを生成し、ここで速度を制限する初期リン酸化反応は不要である。
【発明の概要】
【0019】
本発明は、
という構造式Iで表わされる精製化合物または構造式IIで表わされる精製化合物において、
RがOMe、OEt、−N(−CHCHCH−)(アゼチジン−1−イル)またはOHである化合物、
あるいはその塩、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または結晶質形態を対象としている。
【0020】
定義
本明細書中で使用するある物という語句は、1つ以上のその物、例えば、1つ以上の化合物または少なくとも1つの化合物を指す化合物を意味する。したがってその物、「1つ以上」および「少なくとも1つ」という用語は、本明細書において互換的に使用可能である。
【0021】
「本明細書の上記で定義された」という語句は、「発明の概要」で提供された最初の定義を意味する。
【0022】
本明細書で記述される「精製された」という用語は、所与の化合物の純度を意味する。例えば一つの化合物は、所与の化合物が組成物の主要構成成分である場合「精製され」ており、すなわち少なくとも50w/w%純粋である。したがって「精製された」という用語は、少なくとも純度50w/w%、少なくとも純度60w/w%、少なくとも純度70%、少なくとも純度80%、少なくとも純度85%、少なくとも純度90%、少なくとも純度92%、少なくとも純度94%、少なくとも純度96%、少なくとも純度97%、少なくとも純度98%、および少なくとも純度99%を包含する。
【0023】
本明細書中で記述される「代謝産物」という用語は、必要としている対象に対する投与の後インビボで産生される化合物を意味する。
【0024】
本明細書中で記述される「塩」という用語は、プロトン受容部分のプロトン化および/またはプロトン供与部分の脱プロトン化によって生成される化合物を意味する。プロトン受容部分のプロトン化は、生理学的アニオンの存在によって電荷が平衡化されているカチオン種の形成を結果としてもたらし、一方プロトン供与部分の脱プロトン化は、生理学的カチオンの存在によって電荷が平衡化されているアニオン種の形成を結果としてもたらすという点に留意すべきである。
【0025】
「P」という用語は、リン原子がキラルであること、および、それが、一般に認められた明白な意味を有する「R」または「S」の対応するカーン・インゴルド・プレローグ呼称を有することを意味している。構造式Iにより表わされているホスホラミデートヌクレオシドおよび構造式IIにより表わされている環状リン酸ヌクレオシドは、リンにおけるキラリティに起因してジアステレオマーの混合物として存在できるということが企図されている。出願人らは、ジアステレオマー混合物および/または分解ジアステレオマーの使用を企図している。一部の場合においては、アスタリスクが、ホスホロアミデートまたは環状燐酸のリン原子の隣に現れない。これらの場合には、リン原子がキラルであり、P(O)Clの場合などのようにリンに結合した置換基がリンにおけるキラリティの可能性を排除しているのでないかぎり当業者であればこれをそのように理解するものと了解される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、
という構造式Iで表わされる精製化合物または構造式IIで表わされる精製化合物において、
RがOMe、OEt、−N(−CHCHCH−)(アゼチジン−1−イル)、OHである;
化合物、
あるいはその塩、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または結晶質形態を対象としている。
【0027】
本発明の第1の実施形態は、
という構造式Iで表わされる精製化合物において、
RがOMeである;
化合物、
あるいはその塩、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または結晶質形態を対象としている。
【0028】
本発明の第1の実施形態は、
という構造式Iで表わされる精製化合物において、
RがOEtである;
化合物、
あるいはその塩、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または結晶質形態を対象としている。
【0029】
本発明の第3の実施形態は、
という構造式Iで表わされる精製化合物において、
RがOHである化合物、
あるいはその塩、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または結晶質形態を対象としている。
【0030】
本発明の第4の実施形態は、
という構造式Iで表わされる精製化合物において、
Rが−N(−CHCHCH−)(アゼチジン−1−イル)である;
化合物、
あるいはその塩、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または結晶質形態を対象としている。
【0031】
本発明の第5の実施形態は、
という構造式IIで表わされる精製化合物、
あるいはその塩、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または結晶質形態を対象としている。
【0032】
用量、投与および用途
本発明の第6の実施形態は、本明細書中で開示されているいずれかのウイルス因子の治療用組成物において、賦形剤、担体、希釈剤および等価の媒質から選択された薬学的に許容される媒質と;構造式Iで表わされる精製化合物または構造式IIで表わされる精製化合物、あるいはその塩、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または結晶質形態、を含む組成物を対象としている。
【0033】
第6の実施形態の調合物が、本発明において企図されている精製化合物のいずれかを単独で、または本発明の別の精製化合物と組合せた形で含み得る、ということが企図されている。
【0034】
本発明の精製化合物は、多様な経口投与剤形および担体中で調合されてよい。経口投与は錠剤、コーティング錠、硬および軟ゼラチンカプセル、溶液、エマルジョン、シロップまたは懸濁液の形で行なうことができる。本発明の化合物は、その他の投与経路の中でも座薬で投与された場合に有効である。最も便利な投与方法は、一般に、疾病の重症度および抗ウイルス薬に対する患者の応答に応じて調整可能である適切な毎日の投薬計画を用いた経口投与である。
【0035】
本発明の1つまたは複数の精製化合物ならびにその薬学的に許容できる塩は、1つ以上の従来の賦形剤、担体または希釈剤と共に、医薬組成物および単位投薬量の形態に入れられてよい。医薬組成物および単位投薬量の形態は、追加の活性化合物を伴うまたは伴わない従来の割合の従来の成分で構成されていてよく、単位投薬量形態は、利用すべき意図された一日投薬量範囲と相応する任意の適切な有効量の活性成分を含有していてよい。医薬組成物は、固体、例えば錠剤または充填カプセル、半固体、粉末、持続放出調合物または、液体、例えば懸濁液、エマルジョンまたは経口用途向けの充填カプセルとして、あるいは直腸投与または膣内投与向けの座薬の形で利用されてよい。典型的な調製物は、約5%〜約95%の1つまたは複数の活性化合物(w/w)を含む。「調製物」または「剤形」という用語は、活性化合物の固体および液体の両方の調合物を含むように意図されており、当業者であれば、活性成分が所望の用量および薬物動態パラメータに応じて異なる調製物中に存在し得るということが理解できよう。
【0036】
本明細書中で使用する「賦形剤」という用語は、医薬組成物を調製するために使用され、一般に安全で、非毒性でかつ生物学的にもその他の形でも有害でない化合物を意味し、家畜への使用ならびにヒトの製薬学的用途のために許容可能である賦形剤を含む。本発明の精製化合物は、単独で投与できるが、一般的には、意図された投与経路および標準的な薬学的実践方法を考慮して選択される1つ以上の適切な薬学的賦形剤、希釈剤または担体との混和物の形で投与される。
【0037】
精製化合物の「薬学的に許容できる塩」形態は、非塩形態には存在しなかった所望の薬学動態特性も同様に当初よりこの活性成分に付与するかもしれず、さらに、体内でのその治療的活性に関してこの活性成分の薬力学にプラスの影響さえ及ぼすかもしれない。本明細書中で使用される精製化合物の「薬学的に許容できる塩」という語句は、薬学的に許容できかつ親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味する。このような塩には、(1)無機酸例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などで形成されるか、または有機酸例えばグリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、サリチル酸、ムコン酸などで形成された酸性付加塩、または、(2)上に列挙した無機酸のいずれかの共役塩基で形成され、ここでこの共役塩基がNa、K、Mg2+、Ca2+、NHR’’’4−gの中から選択されたカチオン構成成分を含み、ここでR’’’がC1−3アルキルであり、gが0、1、2、3または4の中から選択された数である塩基性付加塩が含まれる。薬学的に許容できる塩に対する言及は全て、同じ酸性付加塩の本明細書で定義された通りの溶媒付加形態(溶媒和物)または結晶質形態(多形)を含むということを理解すべきである。
【0038】
同様に、構造式Iで表わされる化合物または構造式IIで表わされる化合物は、重水素化された類似体を包含することが企図された。「重水素化類似体」という用語は、H−同位体、すなわち水素(H)がH−同位体、すなわち重水素(D)により置換されている本明細書中で記述される化合物またはその塩を意味する。重水素置換は、部分的かまたは完全であり得る。部分的重水素置換は、少なくとも1つの水素が少なくとも1つの重水素により置換されることを意味する。例えば、構造式14で表わされる化合物について、当業者であれば、少なくとも以下の部分的重水素化類似体を企図することができる(なおここで「d」は、n個の重水素原子、例えばイソプロピル基についてはn=1〜7、一方フェニル基についてはn=1〜5を表わす)。以下に記すメチル基は、完全に重水素化されているものとして示されているが、−CDHおよび−CDHなどの部分重水素化の変形形態も可能であることが認識される。
【0039】
これらは、当業者にとっては公知である手順および試薬により合成的に入手可能ないくつかの重水素化類似体にすぎない。
【0040】
固体形態の調製物としては、例えば粉末、錠剤、丸薬、カプセル、座薬および分散性顆粒が含まれる。固体担体は、希釈剤、着香剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁化剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤、またはカプセル化材料としても作用してよい1つ以上の物質であってよい。粉末中では、一般に担体は、微粉化された活性構成成分との混合物である微粉化された固体である。錠剤中では、活性構成成分は一般に、適切な割合で必要な結合能力を有する担体と混合され、所望の形状およびサイズに圧密される。適切な担体としては炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、ココアバターなどが含まれるがこれらに限定されない。固体形態調製物は、活性構成成分に加えて、着色剤、安定剤、緩衝液、人工および天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含んでいてよい。固体調合物の例は、各々参照により本明細書に組み込まれている欧州特許第0524579号明細書;米国特許第6,635,278号明細書;米国特許出願公開第2007/0099902号明細書;米国特許第7,060,294号明細書;米国特許出願公開第2006/0188570号明細書;米国特許出願公開第2007/0077295号明細書;米国特許出願公開第2004/0224917号明細書;米国特許第7,462,608号明細書;米国特許公開第2006/0057196号明細書;米国特許第6,267,985号明細書;米国特許第6,294,192号明細書;米国特許第6,569,463号明細書;米国特許第6,923,988号明細書;米国特許出願公開第2006/0034937号明細書;米国特許第6,383,471号明細書;米国特許第6,395,300号明細書;米国特許第6,645,528号明細書;米国特許第6,932,983号明細書;米国特許出願公開第2002/0142050号明細書;米国特許出願公開第2005/0048116号明細書;米国特許出願公開第2005/0058710号明細書;米国特許出願公開第2007/0026073号明細書;米国特許出願公開第2007/0059360号明細書;および米国特許出願公開第2008/0014228号明細書の中で例証されている。
【0041】
液体調合物も同様に、経口投与に適しており、エマルジョン、シロップ、エリキシル剤、および水性懸濁液を含む液体調合物を含む。これらには、使用直前に液体形態の調製物に転換されるように意図された固体形態調製物が含まれる。エマルジョンは、例えばプロピレングリコール水溶液などの溶液中で調製されてよく、あるいは、レシチン、モノオレイン酸ソルビタンまたはアカシアなどの乳化剤を含んでいてよい。水性懸濁液は、天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびその他の周知の懸濁剤などの粘性材料と共に微粉化した活性構成成分を水中に分散させることによって調製可能である。
【0042】
本発明の精製化合物は、座薬として投与するために調合されてよい。脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物などの低融点ロウを最初に溶融させて、活性構成成分を例えば撹拌により均質に分散させる。溶融した均質な混合物は次に、適切なサイズの金型の中に注ぎ込まれ、冷却され、凝固される。
【0043】
本発明の精製化合物は、膣投与向けに調合されてよい。活性成分に加えて、当該技術分野において適当であるものとして公知である担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、フォームまたはスプレー。
【0044】
薬学的担体、希釈剤および賦形剤と共に適切な調合物は、参照により本明細書に組み込まれているRemington:The Science and Practice of Pharmacy 1995、E.W.Martin、Mack Publishing Company編、19th edition、Easton、Pennsylvania中に記載されている。熟練した製剤学者(formulation scientist)であれば、明細書中の教示の範囲内で調合物を改質して、本発明の組成物を不安定なものにしたりあるいはその治療活性を低下させることなく、特定の投与経路向けの数多くの調合物を提供するかもしれない。
【0045】
例えば水またはその他のビヒクル中での溶解度がさらに高い化合物にするための当該化合物の改質は、当業者の技能範囲内に充分入るわずかな改質(例えば塩の調合)によって容易に達成されてよい。患者の体内で最大の有益効果を得るためにこれらの精製化合物の薬物動態を管理する目的で特定の化合物の投与経路および投薬量計画を修正することも同様に、当業者の技能範囲内に入る。
【0046】
さらに、本発明の精製された化合物は、リポソームまたはミセルと併せて調合されてよい。リポソームに関しては、各々参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,013,556号明細書;米国特許第5,213,804号;第5,225,212号;第5,891,468号;第6,224,903号;第6,180,134号;第5,192,549号;第5,316,771号;第4,797,285号;第5,376,380号;第6,060,080号;第6,132,763号;第6,653,455号;第6,680,068号;第7,060,689号;第7,070,801号;第5,077,057号;第5,277,914号;第5,549,910号;第5,567,434号;第5,077,056号;第5,154,930号;第5,736,155号;第5,827,533号;第5,882,679号;第6,143,321号;第6,200,598号;第6,296,870号;第6,726,925号;および第6,214,375号明細書中に記載されている要領で調合可能であることが企図されている。ミセルに関しては精製化合物を、共に参照により組み込まれている米国特許第5,145,684号および5,091,188号明細書中で開示されている要領で調合可能であることが企図されている。
【0047】
本発明の第7の実施形態は、C型肝炎、西ナイルウイルス、黄熱病ウイルス、デング熱ウイルス、ライノウイルス、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス、牛ウイルス性下痢ウイルスまたは、日本脳炎ウイルスといったウイルス因子のいずれか1つによる感染の結果である任意の身体状態の治療のための医薬品の製造における、構造式Iで表わされる精製化合物または構造式IIで表わされる精製化合物、あるいはその塩、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または結晶質形態の使用を対象としている。
【0048】
「医薬品」という用語は、それを必要としている対象の治療および/または予防方法において使用され、限定するものではないが、構造式Iの化合物を含む組成物、調合物、剤形などを含む物質を意味する。本明細書中で開示されている抗ウイルス性身体条件のいずれかを治療するための医薬品の製造における、構造式Iで表わされた化合物の単独でのまたは本発明の別の化合物との組合せの形での使用が企図されている。医薬品には、本発明の第7の実施形態により企図されている組成物のいずれか1つが含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
本発明の第8の実施形態は、必要としている対象の治療および/または予防方法において、構造式Iで表わされる精製化合物または構造式IIで表わされる精製化合物、あるいはその塩、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または結晶質形態を治療上有効な量この対象に投与するステップを含む方法を対象としている。
【0050】
第8の実施形態の第1の態様は、必要としている対象の治療および/または予防方法において、構造式Iで表わされる精製化合物または構造式IIで表わされる精製化合物、あるいはその塩、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または結晶質形態の範囲内に入る少なくとも2つの治療上有効な量の化合物をこの対象に投与するステップを含む方法を対象としている。
【0051】
第8の実施形態の第2の態様は、必要としている対象の治療および/または予防方法において、構造式Iで表わされる精製化合物または構造式IIで表わされる精製化合物、あるいはその塩、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または結晶質形態の範囲内に入る少なくとも2つの化合物を治療上有効な量この対象に対し、交互または同時に投与するステップを含む方法を対象としている。
【0052】
必要としている対象とは、C型肝炎、西ナイルウイルス、黄熱病ウイルス、デング熱ウイルス、ライノウイルス、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス、牛ウイルス性下痢ウイルスまたは、日本脳炎ウイルス、フラビウイルス科またはペスチウイルスまたはヘパシウイルスを含む(但しこれらに限定されない)本明細書中で開示されているウイルス因子または、上に列挙したウイルスのいずれかと同等のまたはそれに匹敵する症候をひき起こすウイルス因子のいずれかによる感染の結果である任意の身体状態を有する対象であることが意図されている。
【0053】
「対象」という用語は、畜牛、豚、羊、鶏、七面鳥、水牛、ラマ、ダチョウ、イヌ、ネコおよびヒトを含む(但しこれらに限定されない)哺乳動物を意味し、好ましくは対象はヒトである。第9の態様のその対象の治療方法は、単独かまたは本発明の別の化合物と組合わせた形での本明細書中で企図された化合物のいずれかであり得るということが企図されている。
【0054】
本明細書中で使用される「治療上有効な量」という用語は、一個体の体内の疾病の症候を軽減するのに必要とされる量を意味する。用量は、各々の特定の症例における個々の要件に合わせて調整される。その投薬量は、治療すべき疾病の重症度、患者の年令および全身的健康状態、患者が治療を受けているその他の医薬品、投与経路および形態そして関与する医師の選好および経験などの数多くの要因に応じて、広範な限界内で変動し得る。経口投与については、一日あたり0.001、0.0025、0.005、0.0075、0.01、0.025、0.050、0.075、0.1、0.125、0.150、0.175、0.2、0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9および9.5などの間の全ての値を含めた約0.001から約10gの間の一日投薬量が、単剤療法および/または併用療法において適切であるはずである。特定の一日投薬量は、その間の0.01g(すなわち10mg)の全増分値を含めて1日あたり約0.01〜約1gの間にあり、好ましい一日投薬量は、各々その間の0.01gの全増分値を含めて一日あたり約0.01〜約0.8g、より好ましくは一日あたり約0.01〜約0.6g、最も好ましくは一日あたり約0.01〜約0.25gである。一般に、治療は、ウイルスを素早く削減または除去するため大量の初期「負荷用量(loading dose)」で開始され、その後、感染の再発を防止するのに充分なレベルまで用量が削減される。本明細書中で記述されている疾病の治療における当業者は、過度の実験無くかつ本発明の開示および個人的知識および経験に頼って、所与の疾病および患者について本発明の化合物の治療上有効な量を確定することができるものである。
【0055】
治療効力は、タンパク質レベル例えば血清タンパク質(例えばアルブミン、凝固因子、アルカリ性ホスファターゼ、アミノトランスフェラーゼ(例えばアラニントランスアミナーゼ、アスパルテートトランスアミナーゼ)、5’−ヌクレオシダーゼ、γ−グルタミニルトランスペプチダーゼなど)、ビリルビン合成、コレステロール合成および胆汁酸合成を含めた(但しこれらに限定されない)肝機能;炭水化物代謝、アミノ酸およびアンモニア代謝を含めた(但しこれらに限定されない)肝臓代謝機能の試験に基づいて確定可能である。代替的には、HCV−RNAを測定することによって治療有効性を監視してもよい。これらの試験の結果により用量を最適化することが可能となる。
【0056】
第8の実施形態の第3の態様は、必要としている対象における治療および/または予防方法において、治療上有効な量の構造式Iで表わされる精製化合物または構造式IIで表わされる精製化合物、あるいはその塩、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または結晶質形態と治療上有効な量の別の抗ウイルス剤を対象に対して投与するステップを含む方法であって、投与が同時または交替である方法を対象としている。交替投与の間の時間は2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、および23時間を含めた間のあらゆる下位範囲を含む、1〜24時間の範囲内にあり得ると理解される。「別の抗ウイルス剤」の例としては、HCV NS3プロテアーゼ阻害物質(国際公開第2008010921号、国際公開第2008010921号、欧州特許第1881001号明細書、国際公開第2007015824号、国際公開第2007014925号、国際公開第2007014926号、国際公開第2007014921号、国際公開第2007014920、国際公開第2007014922号、米国特許公開第2005267018号明細書、国際公開第2005095403号、国際公開第2005037214号、国際公開第2004094452号、米国特許公開第2003187018号明細書、国際公開第200364456号、国際公開第2005028502号および国際公開第2003006490号を参照);HCV NS5B阻害物質(米国特許公開第2007275947号明細書、米国特許公開第20072759300号明細書、国際公開第2007095269号、国際公開第2007092000号、国際公開第2007076034号、国際公開第200702602号、米国特許出願公開第2005−98125号明細書、国際公開第2006093801号、米国特許公開第2006166964号明細書、国際公開第2006065590号、国際公開第2006065335号、米国特許出願公開第2006040927号明細書、米国特許出願公開第2006040890号明細書、国際公開第2006020082号、国際公開第2006012078号、国際公開第2005123087号、米国特許出願公開第2005154056号明細書、米国特許出願公開第2004229840号明細書、国際公開第2004065367号、国際公開第2004003138号、国際公開第2004002977号、国際公開第2004002944号、国際公開第2004002940号、国際公開第2004000858号、国際公開第2003105770号、国際公開第2003010141号、国際公開第2002057425号、国際公開第2002057287号、国際公開第2005021568号、国際公開第2004041201号、米国特許出願公開第20060293306号明細書、米国特許出願公開第20060194749号明細書、米国特許出願公開第20060241064号明細書、米国特許第6784166号明細書、国際公開第2007088148号、国際公開第2007039142号、国際公開第2005103045号、国際公開第2007039145号、国際公開第2004096210号、および国際公開第2003037895号を参照);HCV NS4阻害物質(国際公開第2007070556号および国際公開第2005067900号を参照);HCV NS5a阻害物質(米国特許出願公開第2006276511号明細書、国際公開第2006120252号、国際公開第2006120251号、国際公開第2006100310号、国際公開第2006035061号を参照);Toll様受容体アゴニスト(国際公開第2007093901号);およびその他の阻害物質(国際公開第2004035571号、国際公開第2004014852号、国際公開第2004014313号、国際公開第2004009020号、国際公開第2003101993号、国際公開第2000006529号を参照);そして2008年3月21日出願の米国特許出願第12/053015号明細書中で開示されている化合物(これらの特許文献の内容は参照により本明細書に組み込まれている)が含まれるが、これらに限定されない。
【0057】
第8の実施形態の第4の態様は、必要としている対象における治療および/または予防方法において、治療上有効な量の構造式Iで表わされる精製化合物または構造式IIで表わされる精製化合物、あるいはその塩、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物または結晶質形態と別の抗ウイルス剤を対象に対して交替にまたは同時に投与するステップを含む方法を対象としている。交替投与の間の時間は2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、および23時間時間を含めた間のあらゆる下位範囲を含む、1〜24時間の範囲内にあり得ると理解される。
【0058】
別の抗ウイルス剤、例えばインターフェロン−α、インターフェロン−β、peg化インターフェロン−α、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、別のヌクレオシドHCVポリメラーゼ阻害物質、HCV非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害物質、HCVプロテアーゼ阻害物質、HCVヘリカーゼ阻害物質またはHCV融合阻害物質が企図されている。活性化合物またはその誘導体または塩が別の抗ウイルス剤と組合せた形で投与される場合、親化合物に比べて活性が増大するかもしれない。治療が併用療法である場合には、このような投与はヌクレオシド誘導体の投与との関係において同時であっても逐次的であってもよい。したがって本明細書で使用される「同時投与」は、同時のまたは異なる時点での作用物質の投与を含む。2つ以上の作用物質の同時投与は、2つ以上の活性成分を含む単一の調合物によってかまたは単一の活性作用物質を伴う2つ以上の剤形の実質的に同時の投与によって達成可能である。
【0059】
本明細書中で開示されている精製化合物については、必要としている対象に対して投与した時点で代謝産物を形成するかもしれないという点に留意すべきである。例えば、ホスホラミデート部分は、加水分解を受けてモノホスフェート誘導体を形成するかもしれず、この誘導体は次にリン酸化反応を受けてジホスフェートおよびトリホスフェート誘導体を提供し、これは生理学的条件下で生理学的塩の形で存在すると考えられる。本明細書では代謝産物または代謝産物塩が企図されていることから、一変形実施形態として、構造式Iで表わされる精製化合物から得られる少なくとも1つの代謝産物または構造式IIで表わされる精製化合物から得られる少なくとも1つの代謝産物を1つのC型肝炎ウイルスに感染した細胞と接触させる、必要としている患者における治療方法も同様に企図されている。
【0060】
本明細書中での治療に対する言及は、既存の身体条件の予防ならびに治療にも拡大されるということがわかる。さらに、本明細書中で使用されるHCV感染の「治療」という用語は同様に、HCV感染に付随するまたはそれにより媒介される疾病または身体条件またはその臨床的症候の治療または予防をも含んでいる。
【実施例】
【0061】
開示された実施形態のさらなる理解は、単に例示を目的とし開示された発明を限定するものではない以下の実施例を考慮することにより認識される。
【0062】
開示されたH−NMR値は、Varian AS−400計器上で記録したものである。質量スペクトルデータは、Micromass−Quattromicro APIまたはWaters Acquityのいずれかを使用して得た。
【0063】
UPLC分析:Acquity UPLC BEH C18 1.7μm2.1×50mmカラム;0〜2分間、水中0.1%のギ酸中5〜95%(アセトニトリル中0.1%のギ酸);2〜2.4分間、水中0.1%のギ酸中95〜5%(アセトニトリル中0.1%のギ酸);2.4〜3分間、水中0.1%のギ酸中5%(アセトニトリル中0.1%のギ酸)。
【0064】
以下のスキームは、以下の論述のための視覚的補助手段として役立つように意図されており、添付のクレームの範囲を制限するように意図されたものではない。ホスホラミデートヌクレオシドを調製するための一般的手順は、内容が参照により本明細書に組み込まれている、2008年3月21日出願の米国特許出願第12/053,015号明細書、651〜655頁において開示されている。
【0065】
化合物(1)は、各々参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2008/0139802号明細書(これは国際公開第2008/045419号に対応する)の5頁目、国際公開第2006/012440号の11〜13頁目および国際公開第2006/031725号の20〜22頁および30〜31頁目に開示されたプロセスにより得ることができる。
【0066】
((2R,3R,4R,5R)−3−(ベンゾイルオキシ)−4−フルオロ−5−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチルベンゾエート(2)の合成
機械的撹拌器、添加用漏斗および温度計の備わった乾燥した5Lの三つ口丸底フラスコに、ラクトン((2R,3R,4R)−3−(ベンゾイルオキシ)−4−フルオロ−4−メチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イル)メチルベンゾエート))(1.379g、1.018mol)を投入した。固体を無水THF(1.75L)中に溶解させ、窒素雰囲気下で−30℃まで冷却した。リチウムトリ−tert−ブトキシアルミノヒドリドの溶液(THF中1.0M、1.527L)を、1時間にわたり撹拌し−30℃の温度に保ちながら、ラクトン溶液に添加した。添加を終えた後、温度をゆっくりと上昇させ、TLCにより反応を追跡した(ラクトールR0.4、30%のヘキサン中EtOAc)。反応は1時間15分後に完了した(温度は−10℃に達した)。添加用漏斗を介して酢酸エチル(900mL)を添加することにより反応を急冷した。飽和NHCl(40mL)を0℃で添加した。曇った混合物を10L丸底フラスコ中に傾瀉する。残った固体残渣を濾過し、酢酸エチル(2×200mL)で洗浄した。濾液を、傾瀉済み溶液と合わせ、合わせた溶液を減圧下で濃縮した。油性残渣を酢酸エチル(2L)中に溶解させ、3NのHCl(600mL)で洗浄した。水層を酢酸エチル(3×400mL)で逆抽出した。合わせた有機層を水(3×800mL)、飽和NaHCO(400mL)および塩水(400mL)で洗浄した。有機溶液をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、明褐色の油性残渣を得た。吸引およびヘキサン中の酢酸エチル5%、10%、20%および30%の段階的勾配を用いて(各々約5L)残渣をプラグカラム(6Lの焼結ガラス漏斗内に詰めた40〜63ミクロンのシリカゲル2.2kg、シリカゲルの長さ22cm、直径15cm)により精製した。生成物含有画分を合わせ、無色の非常に濃い液体(310.4g)まで減圧下で濃縮した。
【0067】
液体は、50℃で真空(0.2mmHg)下において種晶として結晶質ベータ生成物(約100mg散開(spread out))を添加した後、ゆっくりと凝固した。凝固プロセスは真空を伴ってまたは伴わずに50℃、20時間で完了した。こうして収集した白色固体(293.8g、77%)は、79〜80℃のmp(融点)およびNMRに基づき20:1のβ/α比を有している。
H−NMR(DMSO−d)β−異性体、δ=5.20(dd、1H、OH);α−異性体、δ=5.40(dd、1H、OH)。(β−ラクトール)。(DMSO−d):δ7.99(m、2H、芳香族)、7.93(m、2H、芳香族)、7.70(m、1H、芳香族)、7.61(m、1H、芳香族)、7.55(m、2H、芳香族)、7.42(m、2H、芳香族)、7.32(dd、1H、C1H)、5.54(dd、1H、C3−H)、5.20(dd、1H、OH)、4.55−4.50(m、1H、C5−Ha)、4.46−4.40(m、2H、C5−HbおよびC4−H)、1.42(d、3H、CH)。
【0068】
((2R,3R,4R,5R)−3−(ベンゾイルオキシ)−5−ブロモ−4−フルオロ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチルベンゾエート(3)の合成
無水ジロクロメタン(5.6L)を反応装置内に投入し、−22℃以下まで冷却した。トリフェニルホスフィン(205.4g、0.783mol)を低温溶媒に添加し、懸濁液を撹拌して溶液を形成させた。固体形態のラクトール(2、209.4g、0.559mol)を低温溶液に添加し、15分間撹拌した。溶液温度を窒素ガス流の下で−22℃〜−20℃の間に維持する一方で、四臭化炭素(278.2g、0.839mol)を少量ずつ添加した(約30分)。CBrの添加を終了した後、温度を−17℃まで20分間にわたりゆっくりと上昇させた。TLC(Rs0.61(α)、0.72(β)、0.36ラクトール;ヘキサン中20%EtOAc)により反応が95%超完了と判断した。反応溶液を直ちに、フラッシュクロマトグラフィグレードのシリカゲル(40〜63ミクロン)が230g入った容器に移した。撹拌した混合物を、2.5L焼結ガラス製ブフナー漏斗中にシリカゲルパッド(680g)を通して通過させた。減圧下で濾液を約800mLまで濃縮させ、粗製生成物のα/β異性体の比はH−NMRにより決定した場合、10:1であった。(CDCl)δ=6.35(s、α C1−H)、6.43、(d、β C1−H)。6Lの焼結ガラス製ブフナー漏斗中で2.1kgのシリカゲルを用いてプラグカラムクロマトグラフィにより残渣を精製し、ヘキサン中1%、5%、8%、12%のEtOAcの段階的勾配溶離(各々約4L)で(吸引によって)溶出して非極性不純物を除去し、それに続いてヘキサン中12%、25%EtOAc(合計6L)で生成物を溶出した。生成物含有画分を合わせて2つの画分の形に分け、減圧下で濃縮し、無色の油になるまで、真空下で乾燥させた(0.1mmHg、周囲温度、20時間)。主画分(197g、89%α/β=20:1)。数週間にわたり0℃に放置した時点でわずかな分量の油からアルファ異性体が結晶化して、mp59−61℃の大きく薄い平板を提供した。早期のより選択性の低いラン(run)由来のアルファおよびベータ生成物油の混合物から、純粋なベータ異性体が結晶化して、mp77〜79℃の針状物を提供した。
H−NMR(β−ブロミド)(CDCl):δ=8.08(m、2H、芳香族)、8.04(m、2H、芳香族)、7.62(m、1H、芳香族)、7.54−7.45(m、3H、芳香族)、7.35(m、2H、芳香族)、6.43(d、1H、C1−H)、6.04(dd、1H、C3H)、4.78−4.73(m、2H、C4−HおよびC5−Ha)、4.63−4.58(m、1H、C5−Hb)、1.76(d、3H、CH)。α−ブロミド、α/β=20:1)(CDCl):δ8.13(m、2H、芳香族)、8.02(m、2H、芳香族)、7.63−7.56(m、2H、芳香族)、7.50−7.42(m、4H、芳香族)、6.34(s、1H、C1−H)、5.29(dd、1H、C3H)、4.88(m、1H、C4−H)、4.78(dd、1H、C5−Ha)、4.63(dd、1H、C5−Hb)、1.72(d、3H、CH)。
【0069】
(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−(ベンゾイルオキシメチル)−4−フルオロ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−イルベンゾエート(4)の合成
12L3つ口丸底フラスコに、6−クロロ−2−アミノプリン(225.4g、1.329mol)を投入した。無水tert−BuOH(4.5L)を添加し、溶液を周囲温度で機械的撹拌器を用いて撹拌した。撹拌しながら窒素ガス流の下でカリウムtert−ブトキシド(固体、151.6g、1.35mol)を少量ずつ添加した。混合物をさらに30分間室温で撹拌した。5L丸底フラスコに対しα−ブロミド(3、197g、0.451mol)および3Lの無水アセトニトリルを周囲温度で装填した。ブロミド溶液を、1分間にわたり周囲温度でプリンベースの懸濁液に添加した。5Lフラスコをアセトニトリル(2×1L)で洗い流して、ブロミドを反応混合物に完全に移した。加熱マントルおよびコントローラを用いて混合物を2時間にわたり50℃まで漸進的に加熱し、20時間撹拌した。反応は、TLCベータ(Rf0.28、ヘキサン中の30%のEtOAc)が示す通り、ほぼ完全であった。飽和NHCl(200mL)を添加することで反応を急冷して懸濁液を形成した。懸濁した固体を、2.5Lの磁器製ブフナー漏斗中の3cmセライトパッドを通した濾過により除去した。トルエン(3×100mL)で固体を洗浄した。合わせた濾液を、pH7まで6NのHCl溶液(約220mL)を添加することで中和した。減圧下で混合物を濃縮した。混合物の体積が約3分の1に減少した時点で、同様に濾過により追加の沈殿固体を除去した。濾液を約800mLの体積までさらに濃縮した。残渣をプラグカラム(6Lの焼結ガラス製ブフナー漏斗中の1.6kgのフラッシュグレードのシリカゲル)上に装填し、非極性不純物を除去するためのヘキサン中10%の酢酸エチル(6L)、少量のラクトールを提供するためのヘキサン中30%の酢酸エチル(6L)そして次に、主要量の生成物を溶出するためのヘキサン中40%〜45%の酢酸エチルの勾配で(吸引によって)溶出した。生成物含有画分を合わせ、減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させ(0.2mmHg、24時間、周囲温度)、白色発泡体固体(150.7g、NMRによるβ/α=14:1)を得た。
H−NMR(CDCl)ベータ:δ=1.33(d、22.4Hz、2’−C−CH)、アルファ:1.55(d、22Hz、2’−C−CH)。
【0070】
生成物混合物発泡体を、周囲温度でメタノール(700mL)中に溶解させた。放置時に、2時間にわたりゆっくりと固体が形成した。冷凍機内で懸濁液を17時間−5℃まで冷却した。得られた白色固体を濾過により収集し、低温MeOH(−5℃、3×60mL)およびエチルエーテル(3×100mL)で洗浄した。真空下で固体を乾燥させ(0.2mmHg、24時間、周囲温度)、すぐれたde(HPLCによるβ/α99.8:1)をもつ110.5gのβ生成物を得た。濾液を部分的に濃縮し(約400mL)、次に60℃まで加熱しながらより多くのMeOH(400mL)で希釈した。溶液を周囲温度まで冷却し、播種し、−5℃まで冷却した。第2の収穫物を同様に収集し、洗浄し、乾燥して、類似のジアステレオマー純度を有する白色固体(12.26g)としてより多くの生成物を得た。減圧下で母液を乾燥するまで濃縮した(約25g)。残渣は、βおよびα−異性体の混合物であった。それを自動シリカゲルカラムクロマトグラフィ(Analogix、240gのカートリッジ、ヘキサン中40%〜50%の酢酸エチル)にかけ、14.52gの生成物発泡体を得、これを同様にMeOHから再結晶化し、洗浄し乾燥させてさらに8.46gの生成物を高純度で得た。
【0071】
3つの固体は、類似の純度を有するものと判断され、これらを合わせて、131.2gの白色結晶質生成物4を得た(ブロモ糖由来55%、ラクトール由来49%)。Mp160.5〜162.0℃。0.20%アルファを含めHPLC純度99.5%。
H−NMR(純粋β−アノマー、CDCl):δ=8.03(m、2H、芳香族)、7.93(m、2H、芳香族)、7.88(s、1H、C8−H)、7.60(m、1H、芳香族)、7.50(m、1H、芳香族)、7.44(m、2H、芳香族)、7.33(m、2H、芳香族)、6.44(dd、1H、C1’−H)、6.12(d、1H、C3’−H)、5.35(s、2H、NH)、5.00(dd、1H、C5’−Ha)、4.76(m、1H、C4’−H)、4.59(dd、1H、C5’−Hb)、1.33(d、3H、CH3)。
H−NMR(α−異性体、CDCl):δ=8.11−8.09(m、3H、芳香族およびC8−H)、8.01(m、2H、芳香族)、7.63(m、1H、芳香族)、7.55(m、1H、芳香族)、7.48(m、2H、芳香族)、7.39(m、2H、芳香族)、6.35(d、1H、C1’−H)、5.76(dd、1H、C3’−H)、5.18(s、2H、NH)、4.93−4.89(m、1H、C4’−H)、4.75−4.71(m、1H、C5’−Ha)、4.58−4.54(m、1H、C5’−Hb)、1.55(d、3H、CH)。
【0072】
(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(アゼチジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(5)の合成
乾燥した350mL密閉圧力フラスコ(Chemglass)に、(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−(ベンゾイルオキシメチル)−4−フルオロ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−イルベンゾエート(4、3.6g、6.85mmol)と150mLの純粋エタノールを添加した。アゼチジンヒドロクロリド(2.56g、27.4mmol)を添加し、その後続けてトリエチルアミン(4.16g、41.1mmol)を添加した。懸濁液を密閉状態で5時間攪拌し70℃まで加熱した。全ての出発材料が消費されたが、TLCにより示されるようにベンゾイル基だけは残留した。ナトリウムメトキシド(7.8mL、34.3mmol、メタノール中の25%溶液)を混合物に添加し、50℃で加熱した。反応は、3.5時間後に完了した。反応混合物を室温まで冷却し、氷酢酸(0.41g、6.85mmol)の添加により中和した。混合物を減圧下で濃縮し、その後残渣を酢酸エチルで研和した。得られた固体を濾過により除去し、固体をEtOAc(2×15mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィ(Analogix、120gのカートリッジ、DCM中0〜15%MeOHの勾配)によって精製した。純粋な生成物含有画分を合わせ、減圧下で濃縮し、乾燥させて(50℃、0.2mmHg、17時間)、明るいピンク色の発泡体固体(2.15g、6.35mmol、93%)を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ=8.00(s、1H、C8−H)、6.03(s、2H、NH)、6.00(d、1H、C1’−H)、5.64(d、1H、3’−OH)、5.24(t、1H、5’−OH)、4.24−4.10(m、5H、アゼチジンのN−CH、C3’−H)、3.90−3.81(m、2H、C4’−HおよびC5’−H)、3.69−3.64(m、1H、C5’−H)、2.37(ペンタ、2H、アゼチジンの中心CH)、1.05(d、3H、C2’−CH)。
【0073】
(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−(ベンジルオキシ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(6)の合成
乾燥した500mL丸底フラスコに、(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−(ベンゾイルオキシメチル)−4−フルオロ−4−メチルテトラヒドロフラン−3−イルベンゾエート(4、8.0g、15.2mmol)および無水ベンジルアルコール(128mL)を添加した。別の乾燥した250mL丸底フラスコに、NaH(鉱物油中60%、2.44g、60.8mmol)および無水DMF(40mL)を投入した。懸濁液を氷水浴中で0℃で撹拌した。シリンジによってベンジルアルコール(27mL)を滴下により添加した。溶液をゆっくりと形成させ、室温で窒素雰囲気下において素早くヌクレオシド懸濁液にそれを移した。混合物を50℃まで加熱し、撹拌した。反応は3時間後に完了し、これを周囲温度まで冷却した。4NのHCl(12mL)を添加することにより約pH=7までそれを中和した。溶液を減圧(4mbar、90℃の浴)下で濃縮した。曇った残渣をジクロロメタン(100mL)で希釈し、水(3×30mL)、塩水(30mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させた。懸濁液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して油性残渣を得た。これをカラムクロマトグラフィ(Analogix、DCM中MeOH 0〜8%の勾配)により精製した。生成物はDCM中4%のMeOHで溶出した。生成物含有画分を合わせ、減圧下で濃縮し、乾燥させて(50℃、0.2mmHg、17時間)、白色発泡体固体(4.57g、11.7mmol、77.2%)を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ=8.18(s、1H、8−H)、7.53−7.51(m、2H、芳香族−H)、7.43−7.34(m、3H、芳香族−H)、6.66(s、2H、NH)、6.05(d、1H、C1’−H)、5.67(d、1H、3’−OH)、5.48(dd、2H、ベンジルのCH)、5.25(t、1H、5’−OH)、4.18(dt、1H、C3’−H)、3.92−3.82(m、2H、C4’−HおよびC5’−H)、3.71−3.66(m、1H、C5’−H)、1.07(d、3H、C2’−CH)。
【0074】
(2R,3R,4R,5R)−5−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−4−メチルテトラヒドロフラン−3−オール(7)
MeOH(10ml)中の4の懸濁液(500mg、0.951mmolに、MeOH中のNaOMe(25%、0.90ml)を添加した。3時間50℃まで混合物を加熱した。その後、それをAcOHで中和した。それを濃縮し、EtOAC(30ml)を添加した。不溶性固体を濾過により除去した。濾液を濃縮し、溶離剤としてCHCl中の0〜15%のMeOHを用いてシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製した。白色固体として化合物7(203mg、68.3%)を得た:H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ8.17(s、1H)、6.61(s、2H)、6.05(d、J=17.6Hz、1H)、5.67(d、J=7.2Hz、1H)、5.25(t、J=4.8Hz、1H)、4.18(dt、J=25.6、8.0Hz、1H)、3.96(s、3H)、3.91(dm、J=9.2Hz、1H)、3.85(ddd、J=2.0、5.2、12.8Hz、1H)、3.69(ddd、J=2.8、3.2、12.0Hz、1H)、1.06(d、J=22.8Hz、3H);tR=0.52(99.1%);C1217FN314.3についてのLRMS(ESI)[M+H]計算値、実際値314.2。
【0075】
(2S)−メチル2−((((2R、3R、4R、5R)−5−(2−アミノ−6−(アゼチジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエート(8)の合成
乾燥した100mL丸底フラスコに、フェニルジクロロホスフェート(1.72g、8.15mmol)および無水ジクロロメタン(17mL)を添加した。アミノエステル(1.42g、10.2mmol)を添加し、懸濁液を−5℃まで冷却した。N−メチルイミダゾール(3.34g、40.7mmol)をシリンジによって一度に添加し、溶液を窒素雰囲気下で1時間−5℃で撹拌した。その後ヌクレオシド(5、1.38g、4.07mmol)(発泡体固体)を一度に添加し、溶液を1時間にわたり周囲温度まで暖めることができた。周囲温度で4時間の後、TLC(DCM中5%のMeOH)は、不完全な反応(SM(出発材料)が約30%残留)だけでなく、より極性の低い不純物の成長も示していた。飽和NHCl(20ml)を添加することにより反応を急冷し、ジクロロメタン(20mL)で希釈した。有機層を分離し、水(5×30mL)、塩水(20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させた。生成物含有溶液を濾過し、減圧下で濃縮して、粗製油性残渣3.26gを得た。これをカラムクロマトグラフィ(Analogix、40gのカートリッジ、DCM中のMeOHの勾配0%〜10%)によって精製した。生成物はDCM中4%のMeOHで溶出した。純粋な生成物含有画分を合わせ、減圧下で濃縮し、乾燥させて(50℃、0.2mmHg、17時間)白色発泡体固体(1.322g、2.28mmol、56%)を得た。HPLC純度99.25%。生成物のNMRスペクトルは、それが55:45の比での2つのジアステレオ異性体の混合物であることを示していた。
H−NMR(DMSO−d)δ=7.80(s、1H、1つの異性体の8−H)、7.80(s、1H、別の異性体の8−H)、7.38−7.33(m、2H、芳香族−H)、7.22−7.14(m、3H、芳香族−H)、6.09(s、2H、NH)、6.12−6.02(m、2H、C1’−HおよびNH)、5.83(d、1H、1つの異性体の3’−OH)、5.77(d、1H、別の異性体の3’−OH)、4.46−4.05(m、8H、アゼチジンのNCH、アミノエステルのα−H、C3’−H、C4’−H、C5’−H)、3.89−3.79(m、1H、C5’−H)、3.56(s、3H、1つの異性体中のアミノエステルのOCH)、3.54(s、3H、別の異性体中のアミノエステルのOCH)、2.37(ペンタ、2H、アゼチジンの中心CH)、1.21(d、3H、1つの異性体中のアミノエステルのα−CH)、1.19(d、3H、別の異性体中のアミノエステルのα−CH)、1.08(d、3H、C2’−CH)。
31PNMR(DMSO−d):δ4.85(1つの異性体)、4.77(その他の異性体)。
【0076】
(2S)−メチル2−((((2R、3R、4R、5R)−5−(2−アミノ−6−(ベンジルオキシ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエート(9)の合成
乾燥した100mL丸底フラスコに、フェニルジクロロホスフェート(3.29g、15.58mmol)と無水ジクロロメタン(24mL)を投入する。アミノエステルトシレート(白色粉末)を添加し、溶液を窒素下で−5℃まで冷却する。N−メチルイミダゾール(4.92g、59.94mmol)を乾燥したシリンジによって一度に添加し、得られた無色透明溶液を1時間−5℃で撹拌する。その後、ヌクレオシド(6)固体を窒素下で一度に溶液に添加し(2.334g、5.99mmol)、混合物を周囲温度まで温めて無色の溶液を得る。反応の進捗はTLC(ジクロロメタン中の5%エタノール)により監視する。ジクロロメタン(30mL)と1NのHCl(60mL)を添加することによって反応をなおも急冷する。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2×20mL)で抽出する。合わせた有機層を水(2×40mL)、飽和NaHCO(30mL)、水そして塩水で洗浄する。有機層をNaSO上で乾燥させる。濾過による固体の除去の後、濾液を減圧下で濃縮してゴム状残渣(7.28g)を得る。カラムクロマトグラフィ(Analogix、80gのカートリッジ、DCM中0〜10%のMeOHの勾配)によって残渣を精製する。生成物はDCM中2%のMeOHで溶出する。生成物含有画分を合わせ、減圧下で濃縮し、乾燥させて(50℃、0.2mmHg、17時間)、白色発泡体固体を得る。出発ヌクレオシドの一部(0.257g)も回収する。収量は、消費された出発材料に基づいている。
【0077】
(2S)−メチル2−((((2R、3R、4R、5R)−5−(2−アミノ−6−ヒドロキシ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエート(10)の合成
出発材料(9、1.92g、2.8mmol)の入った乾燥した250mL丸底フラスコに、純粋無水エタノール(50mL)を添加する。木炭上のパラジウム(10%、120mg)を添加する。フラスコ中の雰囲気を水素と交換し、混合物を室温で3.5時間1atmの水素ガス下で撹拌する。TLCにより反応は完了と判断され、木炭上のPdを濾過によって除去し、エタノール(2×10mL)で洗浄する。濾液を減圧下で濃縮して、固体の残渣を得る。固体をシリカゲル(10g)と混合して、カラムクロマトグラフィ(Analogix、40gのカートリッジ、DCM中1%〜16%のMeOHの勾配)により精製する。生成物含有画分を合わせ、減圧下で濃縮し、乾燥させて(50℃、0.2mmHg、17時間)、白色粉末(1.43g、86%)を得る。HPLC純度99.55%。
【0078】
(2S)−イソプロピル2−((((2R、3R、4R、5R)−5−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリルアミノ)−プロパノエート(11)の合成
THF(1.5ml)中の7(50mg、0.16mmol)およびN−メチルイミダゾール(0.10ml、1.3mmol)の溶液に、0℃で滴下により、THF中のホスホロクロリデート(1.0M、0.48ml)を添加した。反応物をゆっくりと室温まで温め、1時間撹拌した。その後水(0.1ml)とEtOAc(5ml)を添加した。飽和一塩基性クエン酸ナトリウム水(2ml×2)、飽和NaHCO水(2mL×1)を用いて有機溶液を洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗製油を、溶離剤としてCHCl中の0〜8%のiPrOHを用いたシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、白色固体としてホスホラミデート(36mg、39%、2:1のジアステレオマー混合物)を得た:H NMR(400MHz、DMSO−d)δ7.97(s、0.66H)、7.95(s、0.34H)、7.39−7.30(m、2H)、7.25−7.13(m、3H)、6.63(bs、2H)、6.11(d、J=18.8Hz、0.34H)、6.09(d、J=19.2Hz、0.66H)、6.06−5.88(m、1H)、5.90−5.78(m、1H)、4.80(septet、J=6.8Hz、1H)、4.45−4.24(m、3H)、4.16−4.05(m、1H)、3.96(s、3H)、3.84−3.70(m、1H)、1.28−1.03(J=7.2Hz、12Hとしてmは1.20でのdを含む);31P NMR(162MHz、DMSO−d)δ4.91、4.72;t=1.16(33.1%)、1.18(63.9%);C2433FNPについてのLRMS(ESI)[M+H]計算値583.5、実際値583.4。
【0079】
(2S)−2−((((2R、3R、4R、5R)−5−(2−アミノ−6−(アゼチジン−1−イル)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸(12)の合成
化合物8(150mg、0.269mmol)をトリエチルアミン(2mL)および水(0.5mL)の中に懸濁させ、20時間60℃で加熱した。その後、揮発性構成成分を減圧下で蒸発させた。溶離剤としてiPrOH中の0〜15%のNHOHを用いてシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィにより粗製生物を精製した。白色固体として生成物を得た(101mg、80%):H NMR(400 MHz、DMSO−d)δ7.93(s、1H)、6.10(bs、2H)、5.97(d、J=17.2Hz、1H)、4.44−3.86(m、10H)、2.37(quintet、J=7.6Hz、2H)、1.10(d、J=6.8Hz、3H)、1.05(d、J=22.4Hz、3H);31P NMR(162MHz、DMSO−d)δ8.72;t=0.55(97.4%);C1726FNPについてのLRMS(ESI)[M+H]計算値490.4、実際値、490.4。
【0080】
(2S)−2−((((2R、3R、4R、5R)−5−(2−アミノ−6−ヒドロキシ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸(13)の合成
化合物10(110mg、0.204mmol)をトリエチルアミン(2mL)および水(0.5mL)の中に懸濁させ、20時間60℃で加熱した。その後揮発性構成成分を減圧下で蒸発させた。溶離剤としてiPrOH中の0〜20%のNHOHを使用するシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィにより粗生成物を精製した。白色固体として生成物を得た(74mg、81%):H NMR(400MHz、DMSO−d)δ7.88(s、1H)、6.68(bs、2H)、5.93(d、J=18.0Hz、1H)、4.42−3.83(m、6H)、1.11(d、J=7.2Hz、3H)、1.07(d、J=22.4Hz、3H);31P NMR(162MHz、DMSO−d)δ8.90;t=0.50(98.7%)C1421FNPについての;LRMS(ESI)[M+H]計算値451.3、実際値451.3。
【0081】
(2S)−2−((((2R、3R、4R、5R)−5−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸(14)の合成
化合物11(110mg、0.189mmol)をトリエチルアミン(2mL)および水(0.5mL)の中に懸濁させ、48時間60℃で加熱した。その後揮発性構成成分を減圧下で蒸発させた。溶離剤としてiPrOH中の0〜20%のNHOHを使用するシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィにより粗生成物を精製した。白色固体として生成物を得た(88mg、97%):H NMR(400MHz、DMSO−d)δ8.08(s、1H)、6.67(bs、2H)、6.03(d、J=18.0Hz、1H)、4.44−3.70(mは3.96でのsを含む、8H)、3.39(m、1H)、1.10(d、J=7.2Hz、3H)、1.05(d、J=22.8Hz、3H);31P NMR(162MHz、DMSO−d)δ8.52;t=0.61(96.3%);C1523FNPについてのLRMS(ESI)[M+H]計算値465.3、実際値465.3。
【0082】
(2S)−2−((((2R、3R、4R、5R)−5−(2−アミノ−6−エトキシ−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸(15)の合成
化合物15は化合物14と類似の方法で調製するように企図されている。
【0083】
(2S)−2−((((2R、3R、4R、5R)−5−(2、4−ジオキソ−3、4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリルアミノ)プロパン酸(17)の合成
化合物16((2S)−イソプロピル2−((((2R,3R,4R,5R)−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル−アミノ)プロパノエート)を、特定されたその主題全体が参照により本明細書に組み込まれている2008年3月21日出願の米国特許出願第12/053,015号明細書(代理人整理番号第60137,0034USU1)の652〜669頁に開示されている手順にしたがって調製した(化合物16は米国特許出願第12/053,015号の674頁に化合物25として特定されている)。
【0084】
化合物17は、以下の手順による化合物15からの合成であった。化合物16(300mg、0.57mmol)をトリエチルアミン(6mL)および水(1.5mL)中に懸濁させ、60℃で30時間加熱した。その後、揮発性構成成分を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン中の50〜70%のイソプロピルアルコールとそれに続いてイソプロピルアルコール中の0〜20%の水酸化アンモニウムを溶離剤として用いるシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィにより、粗生成物を精製した。白色固体として生成物(2)を得た(210mg、92%の収量):H NMR(400MHz、DMSO−d)δ8.01(d、J=8.0Hz、1H)、5.97(d、J=18.8Hz、1H)、5.55(d、J=8.0Hz、1H)、4.02−3.80(m、4H)、3.34(dq、J=7.2、10.4Hz、1H)、1.25(d、J=22.4Hz、3H)、1.10(d、J=6.8Hz、3H);31P NMR(162MHz、DMSO−d6)δ7.91;MS(ESI)(M+H)412.3。
【0085】
本明細書で開示されている精製化合物はC型肝炎ウイルスに対して活性を有することが企図されている。
【0086】
2008年3月21日出願の米国特許出願第12/053,015号明細書(国際公開第2008/121634号も参照)、2009年6月5日出願の米国特許出願第12/479,075号明細書および2008年6月11日出願の米国仮特許出願第61/060、683号明細書、各々2008年11月23日に出願の米国仮特許出願第61/140,423号および第61/140,317号明細書の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれている。さらに本明細書中に開示されている特許および非特許参考文献も、参照により組み込まれる。包含されている主題が本出願の本文中で開示されている用語と矛盾する用語を含む場合には、包含されている主題の全体的意味が失われないことを条件として、本出願の中に含まれる用語の意味が支配する。