特許第6104683号(P6104683)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104683
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/00 20060101AFI20170316BHJP
   D06F 23/02 20060101ALI20170316BHJP
   D06F 39/08 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   D06F39/00 Z
   D06F23/02
   D06F39/08 301B
   D06F39/08 301G
   D06F39/08 331
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-82899(P2013-82899)
(22)【出願日】2013年4月11日
(65)【公開番号】特開2014-204786(P2014-204786A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2016年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内山 具典
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 健司
(72)【発明者】
【氏名】畑山 勉
【審査官】 伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−153594(JP,A)
【文献】 特開2012−217709(JP,A)
【文献】 特開2007−089663(JP,A)
【文献】 特開平09−047598(JP,A)
【文献】 特開2004−073248(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0042914(US,A1)
【文献】 特開平08−206392(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102808308(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 1/00−51/02
58/00−60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を洗濯するための水を受ける水槽と、
水に紫外線を照射することで当該水を除菌する除菌装置と、
吸水ポンプが吸水した貯水を前記水槽に前記除菌装置を通して直接注入するための貯水除菌経路と、
前記除菌装置および前記水槽間で前記水槽内の水を循環させるための循環水除菌経路と、
前記水槽内の水を前記循環水除菌経路に沿って循環させる循環ポンプを備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記循環水除菌経路から前記除菌装置の上流側で分岐するものであって、前記水槽内の水を前記水槽の内部および外部間で前記除菌装置を通さずに循環させるための循環水バイパス経路と、
前記水槽内の水を前記循環水除菌経路に沿って循環させる除菌状態および前記循環水バイパス経路に沿って循環させるバイパス状態間で切換えられる循環水経路切換弁を備えたことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記循環ポンプおよび前記循環水経路切換弁は、一体化されていることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記除菌装置は、前記水槽に比べて低所に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項5】
洗剤が投入される洗剤ケースと、
前記貯水除菌経路から前記除菌装置の下流側で分岐するものであって、前記吸水ポンプが吸水した貯水を前記水槽に前記除菌装置および前記洗剤ケースを当該順に通して注入するための洗剤投入経路と、
前記吸水ポンプが吸水した貯水を前記水槽に前記貯水除菌経路を通して注入する除菌状態および前記洗剤投入経路を通して注入する洗剤投入状態間で切換えられる注水経路切換弁を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項6】
前記貯水除菌経路から前記除菌装置の上流側で分岐するものであって、前記吸水ポンプが吸水した貯水を前記水槽に前記除菌装置を通さずに注入するための貯水バイパス経路と、
前記貯水バイパス経路を通して貯水が注入されるものであって、洗剤が投入される洗剤ケースと、
前記吸水ポンプが吸水した貯水を前記水槽に前記貯水除菌経路を通して注入する除菌状態および前記貯水バイパス経路を通して注入するバイパス状態間で切換えられる注水経路切換弁を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項7】
洗い工程の終了後に複数回のすすぎ工程を行う洗濯手段を備え、
前記洗濯手段は、
洗い工程および1回目のすすぎ工程では前記循環水経路切換弁をバイパス状態とすることで前記水槽内の水を前記循環水バイパス経路に沿って循環させ、
1回目より後のすすぎ工程では前記循環水経路切換弁を除菌状態とすることで前記水槽内の水を前記循環水除菌経路に沿って循環させることを特徴とする請求項2または3に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記水槽内に水道水を注入する給水弁と、
前記水槽を前記水槽内の水道水で洗浄する槽洗浄手段を備え、
前記槽洗浄手段は、
前記循環ポンプを運転状態とすると共に前記循環水経路切換弁を除菌状態とすることで前記水槽内の水道水を前記循環水除菌経路に沿って循環させることを特徴とする請求項2または3または7に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機には除菌装置を備えたものがある。この除菌装置は水をオゾン等で除菌するものであり、入浴後の風呂水等の貯水は除菌装置で除菌されることで洗濯用の清潔な水として再利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4869058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の洗濯機は貯水を水源から水槽に注入する場合または水槽の内部および外部間で循環させる場合に除菌するものであり、貯水が十分に除菌されない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施例の洗濯機は、衣類を洗濯するための水を受ける水槽と、水に紫外線を照射することで当該水を除菌する除菌装置と、吸水ポンプが吸水した貯水を前記水槽に前記除菌装置を通して直接注入するための貯水除菌経路と、前記除菌装置および前記水槽間で前記水槽内の水を循環させるための循環水除菌経路と、前記水槽内の水を前記循環水除菌経路に沿って循環させる循環ポンプを備えたものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施例1を示す図(洗濯機の内部構成を示す図)
図2】制御回路の処理内容を示す図(水道水コース)
図3】制御回路の処理内容を示す図(風呂水コース)
図4】制御回路の処理内容を示す図(槽洗浄コース)
図5】実施例2を示す図1相当図
図6】実施例3を示す図1相当図
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0007】
図1の外箱1は前板および底板を有する中空な四角箱状をなすものであり、底板が水平となるように床面に設置される。この外箱1内には水槽2が収納されている。この水槽2は衣類を洗濯する水を受けるものであり、外箱1の底板に弾性支持機構を介して支持されている。この水槽2には水槽2の外部に位置してドラムモータが固定されている。このドラムモータは水槽2の内部に突出する回転軸を有するものであり、ドラムモータの回転軸には水槽2の内部に位置してドラムが固定されている。このドラムは衣類が投入されるものであり、ドラムモータによって回転操作される。
【0008】
外箱1内には、図1に示すように、給水弁3が固定されている。この給水弁3は入口4と注水出口5と呼び水出口6を有するものであり、給水弁3の入口4は水道の蛇口に接続されている。この給水弁3は注水状態と呼び水状態と閉鎖状態相互間で電気的に切換えられるものであり、給水弁3の注水状態では水道水が注水出口5から排出され、給水弁3の呼び水状態では水道水が呼び水出口6から排出され、給水弁3の閉鎖状態では水道水が注水出口5および呼び水出口6のいずれからも排出されない。
【0009】
給水弁3の注水出口5は、図1に示すように、洗剤ケース7に接続されている。この洗剤ケース7は使用者が洗剤と漂白剤と柔軟剤を投入するものであり、外箱1内に固定されている。この洗剤ケース7は注水口8を介して水槽2に接続されており、給水弁3の注水状態では水道水が給水弁3の注水出口5から洗剤ケース7および注水口8を通して水槽2内に注入され、洗剤ケース7内に洗剤〜柔軟剤が投入されている状態では水道水と共に水槽2内に注入される。
【0010】
外箱1内には、図1に示すように、風呂水ポンプ9が固定されている。この風呂水ポンプ9は浴槽内の風呂水を吸上げるものであり、入口10と注水出口11と呼び水入口12を有している。この呼び水入口12は管状の呼び水通路13および洗剤ケース7を介して給水弁3の呼び水出口6に接続されており、給水弁3の呼び水状態では水道水が給水弁3の呼び水出口6から洗剤ケース7と呼び水通路13と呼び水入口12を通して風呂水ポンプ9に呼び水として供給される。この呼び水通路13には逆止弁14が介在されており、逆止弁14は風呂水が呼び水通路13内を呼び水入口12から洗剤ケース7に向けて逆流することを阻止する。この風呂水は貯水に相当し、風呂水ポンプ9は吸水ポンプに相当する。
【0011】
外箱1内には、図1に示すように、水槽2に比べて低所に位置して円筒状の除菌ケース15が収納されている。この除菌ケース15は外箱1の底板に支持されたものであり、底板に対して平行に配置されることで水平にされている。この除菌ケース15は水が注入されるものであり、除菌ケース15の一端部には風呂水入口16および循環水入口17が固定され、除菌ケース15の他端部には出口18が固定されている。
【0012】
除菌ケース15内には、図1に示すように、円管状の紫外線ランプ19が同軸状に固定されている。この紫外線ランプ19は電源が供給されることで除菌ケース15内に紫外線を照射するものであり、除菌ケース15内の水は紫外線ランプ19から紫外線が照射されることで除菌される。これら除菌ケース15と風呂水入口16と循環水入口17と出口18と紫外線ランプ19は除菌装置20を構成するものである。
【0013】
除菌ケース15の風呂水入口16は、図1に示すように、管状の注水通路21を介して風呂水ポンプ9の出口11に接続されており、風呂水ポンプ9の運転状態では浴槽内の風呂水が風呂水ポンプ9の出口11から注水通路21および風呂水入口16を通して除菌ケース15内に注入される。この風呂水は除菌ケース15内を一端部から他端部に向けて流れ、除菌ケース15の出口18から排出される。
【0014】
除菌ケース15の出口18には、図1に示すように、水槽側切換弁22の入口が接続されている。この水槽側切換弁22は入口と注水出口23と洗剤投入出口24を有するものであり、注水出口23は管状の注水通路25を介して水槽2に接続され、洗剤投入出口24は管状の洗剤投入通路26を介して洗剤ケース7に接続されている。この水槽側切換弁22は洗剤投入状態および注水状態相互間で電気的に切換えられるものであり、水槽側切換弁22の洗剤投入状態では水が除菌ケース15の出口18から洗剤投入出口24と洗剤投入通路26と洗剤ケース7と注水口8を通して水槽2内に注入され、水槽側切換弁22の注水状態では水が除菌ケース15の出口18から注水出口23および注水通路25を通して水槽2内に注入される。この水槽側切換弁22は風呂水経路切換弁に相当し、符号27は注水通路21および注水通路25からなる風呂水除菌経路および貯水除菌経路に相当し、洗剤投入通路26は風呂水除菌経路27から除菌装置20の下流側で分岐する洗剤投入経路に相当する。
【0015】
外箱1内には、図1に示すように、循環ポンプ29が固定されている。この循環ポンプ29は入口30および出口31を有するものであり、除菌ケース15の下方に配置されている。この循環ポンプ29の入口30は管状の循環通路32を介して水槽2の最低部に接続されており、循環ポンプ29の運転状態では水槽2内の水が循環通路32および入口30を通して循環ポンプ29内に吸引された後に出口31から排出される。この循環通路32にはフィルタ33が介在されており、フィルタ33は水中からリント等の異物を捕捉する。
【0016】
循環ポンプ29の出口31には、図1に示すように、連結管34を介して循環ポンプ側切換弁35の入口が接続されている。この連結管34は金属等の強度が高い材料で成形されたものであり、循環ポンプ29および循環ポンプ側切換弁35は連結管34を介して機械的に連結されることで作業者が単一物として取り扱うことが可能に一体化されている。符号36は循環ポンプ29および循環ポンプ側切換弁35からなる循環ポンプユニットである。
【0017】
循環ポンプ側切換弁35は、図1に示すように、入口と除菌出口37とバイパス出口38を有するものであり、除菌出口37は管状の除菌通路39を介して除菌ケース15の循環水入口17に接続され、バイパス出口38は管状のバイパス通路40を介して水槽2に接続されている。この循環ポンプ側切換弁35は除菌状態およびバイパス状態相互間で電気的に切換えられるものであり、循環ポンプ側切換弁35のバイパス状態では循環ポンプ29の出口31から排出された水が連結管34とバイパス出口38とバイパス通路40を通して水槽2内に注入され、循環ポンプ側切換弁35の除菌状態では循環ポンプ29の出口31から排出された水が連結管34と除菌出口37と除菌通路39と循環水入口17を通して除菌ケース15内に注入される。この水は除菌ケース15内を一端部から他端部に向けて流れ、除菌ケース15の出口18から排出される。この循環ポンプ側切換弁35は循環水経路切換弁に相当し、符号41は循環通路32と連結管34と除菌通路39と注水通路25からなる循環水除菌経路に相当し、バイパス通路40は循環水除菌経路41から除菌装置20の上流側で分岐する循環水バイパス経路に相当する。
【0018】
外箱1の前板には、図1に示すように、カバー43が装着されている。このカバー43は閉鎖状態および開放状態相互間で操作可能にされたものであり、閉鎖状態でメンテナンス口を前方から閉鎖する。このメンテナンス口は外箱1の前板に下端部に位置して形成されたものであり、除菌装置20と循環ポンプ29とフィルタ33と循環ポンプ側切換弁35はカバー43の開放状態で外箱1内に前からメンテナンス口を通して手を挿入することでメンテナンス可能にされている。
【0019】
外箱1内には、図1に示すように、制御回路44が固定されている。この制御回路44はドラムモータと給水弁3と風呂水ポンプ9と紫外線ランプ19と水槽側切換弁22と循環ポンプ29と循環ポンプ側切換弁35のそれぞれを電気的に制御することでドラム内の衣類を洗濯するものであり、CPUとROMとRAMを有している。この制御回路44は洗濯手段および槽洗浄手段に相当するものであり、制御回路44には運転コーススイッチおよびスタートスイッチが接続されている。これら運転コーススイッチおよびスタートスイッチのそれぞれは使用者が操作可能にされたものであり、制御回路44は運転コーススイッチが操作された場合には水道水コースと風呂水コースと槽洗浄コースを含む複数の運転コースのうちから運転コーススイッチの操作内容に応じた1つを選択し、スタートスイッチが操作された場合には運転コースの選択結果を開始する。
【0020】
制御回路44は水道水コースおよび風呂水コースのそれぞれとして洗い工程とすすぎ工程1と中間脱水工程とすすぎ工程2と中間脱水工程とすすぎ工程3と最終脱水工程を順に行うものである。図2は水道水コースでの制御回路44の処理内容であり、制御回路44はステップS1で水槽2内に設定水位の水道水を貯留する。この水道水コースは洗い工程とすすぎ工程1とすすぎ工程2とすすぎ工程3のそれぞれで水槽2内に設定水位の水道水を貯留するものであり、水道水は給水弁3が注水状態とされることで給水弁3の注水出口5から洗剤ケース7および注水口8を通して水槽2内に注入される。
【0021】
制御回路44はステップS1で水槽2内に設定水位の水道水を貯留すると、ステップS2で現在の工程が洗い工程とすすぎ工程1とすすぎ工程2とすすぎ工程3のうちのいずれであるかを判断する。ここで現在の工程が洗い工程またはすすぎ工程1であると判断した場合にはステップS3で循環ポンプ側切換弁35をバイパス状態とすることで除菌通路39を閉鎖すると共にバイパス通路40を開放し、ステップS4で循環ポンプ29を運転開始する。
【0022】
制御回路44はステップS4で循環ポンプ29を運転開始すると、ステップS5で現在の工程が終了したか否かを判断する。ここで現在の工程が終了したと判断した場合にはステップS6へ移行し、循環ポンプ29を運転停止する。即ち、水道水コースの洗い工程およびすすぎ工程1では水槽2内の水道水が循環通路32とフィルタ33とバイパス通路40を通して水槽2の内部および外部間で循環することに応じてドラム内の衣類に上から水道水が浴びせられる。この水道水コースの洗い工程およびすすぎ工程1のそれぞれでは水槽2内に洗剤分を多量に含む高濃度の洗剤水が貯留されており、除菌ケース15内に高濃度の洗剤水が注入されることが防止される。
【0023】
制御回路44はステップS2で現在の工程がすすぎ工程2またはすすぎ工程3であると判断すると、ステップS7で紫外線ランプ19をオンする。そして、ステップS8で循環ポンプ側切換弁35を除菌状態とすることで除菌通路39を開放すると共にバイパス通路40を閉鎖し、ステップS9で水槽側切換弁22を注水状態とすることで注水通路25を開放すると共に洗剤投入通路26を閉鎖し、ステップS10で循環ポンプ29を運転開始する。
【0024】
制御回路44はステップS10で循環ポンプ29を運転開始すると、ステップS11で現在の工程が終了したか否かを判断する。ここで現在の工程が終了したと判断した場合にはステップS12で循環ポンプ29を運転停止し、ステップS13で紫外線ランプ19をオフする。即ち、水道水コースのすすぎ工程2およびすすぎ工程3のそれぞれでは水槽2内の水道水が循環通路32とフィルタ31と除菌ケース15と注水通路25を通して水槽2および除菌装置20間で循環する。この水道水は除菌ケース15内を通過するときに紫外線ランプ19からの紫外線で除菌されるものであり、ドラム内の衣類には上から除菌された水道水が浴びせられる。
【0025】
図3は風呂水コースでの制御回路44の処理内容であり、制御回路44はステップS21で紫外線ランプ19をオンし、ステップS22で水槽2内に設定水位の風呂水を貯留する。この風呂水コースは洗い工程とすすぎ工程1とすすぎ工程2とすすぎ工程3のそれぞれで水槽2内に設定水位の風呂水を貯留するものであり、制御回路44は風呂水コースで洗い工程用の風呂水を水槽2内に貯留する場合には水槽側切換弁22を洗剤投入状態とし、循環ポンプ側切換弁35をバイパス状態とする。そして、紫外線ランプ19をオンし、風呂水ポンプ9を運転開始する。この状態では風呂水が風呂水ポンプ9の出口11から注水通路21と除菌ケース15と洗剤投入通路26と洗剤ケース7と注水口8を通して水槽2内に注入され、除菌ケース15内を通過するときに紫外線ランプ19からの紫外線で除菌される。
【0026】
制御回路44は風呂水ポンプ9を運転開始すると、洗剤投入時間が経過したか否かを判断する。この洗剤投入時間は洗剤ケース7内の洗剤を水槽2内に注入するために必要な時間に設定されたものであり、制御回路44は洗剤投入時間が経過したと判断した場合には水槽側切換弁22を注水状態に切換える。この状態では風呂水が風呂水ポンプ9の出口11から注水通路21と除菌ケース15と注水通路25を通して水槽2内に注入され、除菌ケース15内を通過するときに紫外線ランプ19からの紫外線で除菌される。即ち、風呂水コースの洗い工程では除菌された風呂水が水槽2内に貯留されることでドラム内の衣類が除菌された風呂水で洗われる。
【0027】
制御回路44は風呂水コースですすぎ工程1〜3用の風呂水を水槽2内に貯留する場合には水槽側切換弁22を注水状態とし、循環ポンプ側切換弁35をバイパス状態とする。そして、紫外線ランプ19をオンし、風呂水ポンプ9を運転開始する。この状態では風呂水が風呂水ポンプ9の出口11から注水通路21と除菌ケース15と注水通路25を通して水槽2内に注入され、除菌ケース15内を通過するときに紫外線ランプ19からの紫外線で除菌される。即ち、風呂水コースのすすぎ工程1〜3のそれぞれでは除菌された風呂水が水槽2内に貯留されることでドラム内の衣類が除菌された風呂水ですすがれる。
【0028】
制御回路44はステップS22で水槽2内に設定水位の風呂水を貯留すると、ステップS23で紫外線ランプ19をオフし、ステップS2へ移行する。ここで現在の工程が洗い工程またはすすぎ工程1であると判断した場合にはステップS3〜S6へ移行し、水槽2内の風呂水を循環通路32とフィルタ33とバイパス通路40を通して循環させ、水槽2内の風呂水をドラム内の衣類に上から浴びせる。この風呂水の循環は紫外線ランプ19のオフ状態で除菌ケース15内を経由することなく行われるものであり、風呂水コースの洗い工程およびすすぎ工程1では高濃度の洗剤水が除菌ケース15内に注入されることが防止される。
【0029】
制御回路44はステップS2で現在の工程がすすぎ工程2またはすすぎ工程3であると判断すると、ステップS7〜S13へ移行することで水槽2内の風呂水を循環通路32とフィルタ33と除菌ケース15と注水通路25を通して循環させ、水槽2内の風呂水をドラム内の衣類に上から浴びせる。この風呂水の循環は紫外線ランプ19のオン状態で除菌ケース15内を経由して行われるものであり、風呂水コースのすすぎ工程2およびすすぎ工程3では水槽2内の風呂水が除菌される。
【0030】
図4は槽洗浄コースが選択された場合の制御回路44の処理内容であり、制御回路44はステップS31で給水弁3を注水状態とすることで水槽2内に設定水位の水道水を貯留する。そして、ステップS32で紫外線ランプ19をオンし、ステップS33で循環ポンプ側切換弁35を除菌状態とすることで除菌通路39を開放し、ステップS34で水槽側切換弁22を注水状態とすることで注水通路25を開放する。
【0031】
制御回路44はステップS34で注水通路25を開放すると、ステップS35で循環ポンプ29を運転開始し、ステップS36で槽洗浄コースを終えるか否かを判断する。ここで槽洗浄コースを終えると判断した場合にはステップS37で循環ポンプ29を運転停止し、ステップS38で紫外線ランプ19をオフする。即ち、槽洗浄コースでは水槽2内の水道水が水槽2および除菌ケース15間を紫外線ランプ19のオン状態で循環することで除菌され、水槽2が除菌された水道水による水流で洗浄される。
【0032】
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
風呂水を水槽2に除菌装置20を通して注入するための風呂水除菌経路27を設けたので、風呂水を浴槽から水槽2に注水するときに除菌できる。しかも、水槽2内の水を除菌装置20および水槽2間で循環させるための循環水除菌経路41を設けたので、水槽2内の風呂水を循環させる場合にも除菌でき、総じて除菌装置20の除菌能力が低い場合であっても風呂水が十分に除菌されるようになる。
【0033】
循環水除菌経路41から除菌装置20の上流側で分岐するバイパス通路40を設け、循環ポンプ側切換弁35をバイパス状態とすることで水槽2内の水をバイパス通路40に沿って循環させたので、水槽2内の水を循環させる場合に水槽2内の水が除菌ケース15内に注入されることを防止できる。従って、水中の洗剤分が紫外線で分解されることが防止され、除菌ケース15内に水中の洗剤分が貯まることも防止される。しかも、循環ポンプ側切換弁35を除菌状態とすることで水槽2内の水を循環水除菌経路41に沿って循環させたので、水槽2内の水を循環させながら除菌することもできる。
【0034】
洗い工程およびすすぎ工程1で循環ポンプ側切換弁35をバイパス状態とすることで水槽2内の水をバイパス通路40に沿って循環させたので、水槽2内の水の洗剤濃度が特に高い場合に水槽2内の水が除菌ケース15内に注入されることを防止できる。しかも、すすぎ工程2およびすすぎ工程3で循環ポンプ側切換弁35を除菌状態とすることで水槽2内の水を循環水除菌経路41に沿って循環させたので、水槽2内の水の洗剤濃度が特に高くない場合には水槽2内の水を循環させながら除菌することができる。
【0035】
循環ポンプ29および循環ポンプ側切換弁35を一体化した。このため、循環ポンプ29および循環ポンプ側切換弁35が相互に近接配置されるので、連結管34の長寸法が短縮される。従って、連結管34内に貯まる洗剤水の量が低減されるので、連結管34内から除菌ケース15内に注入される洗剤水の量が抑えられる。
【0036】
除菌装置20を水槽2に比べて低所に配置したので、作業者がカバー43の開放状態でメンテナンス口を通して除菌装置20を交換する等のメンテナスを行うことが可能になる。しかも、中間脱水工程および最終脱水工程での除菌装置20の振動による揺れ幅が小さく抑えられるので、除菌装置20に作用する負荷が軽減される。
【0037】
風呂水除菌経路27から除菌装置20の下流側で分岐する洗剤投入通路26を設けたので、洗い工程で水槽側切換弁22を洗剤投入状態とすることで洗剤ケース7内の洗剤を除菌された風呂水と共に水槽2に注入することができる。しかも、循環ポンプ側切換弁35の除菌状態で水槽側切換弁22を注水状態とすることで水槽2内の水を循環水除菌経路41に沿って循環させることができる。従って、水槽2内の水を洗剤ケース7を通して循環させる必要がなくなるので、循環ポンプ29の負荷が軽減される。
【0038】
槽洗浄コースで循環ポンプ側切換弁35を除菌状態とすることで水槽2内の水道水を循環水除菌経路41に沿って循環させた。従って、水槽2が除菌された水道水で洗浄されるので、水槽2の洗浄効果が高まる。
【0039】
除菌装置20を循環ポンプ29の近傍に配置した。従って、除菌装置20および循環ポンプ29間の配管が短くなるので、水槽2内の水を水槽2および除菌装置20間で循環させる場合の循環ポンプ29の負荷が軽減される。
【0040】
除菌装置20を水平に配置したので、紫外線ランプ19内に封入されたガスの偏りがなくなる。従って、紫外線ランプ19の発光が均一化されるので、除菌装置20の除菌性能が安定する。
【実施例2】
【0041】
外箱1内には、図5に示すように、風呂水ポンプ側切換弁51が収納されている。この風呂水ポンプ側切換弁51は入口52と洗剤投入出口53と注水出口54を有するものであり、入口52は風呂水ポンプ9の出口11に接続され、洗剤投入出口53は洗剤ケース7に管状のバイパス通路55を介して接続され、注水出口54は注水通路21に接続されている。この風呂水ポンプ側切換弁51は洗剤投入状態および注水状態相互間で電気的に切換えられるものであり、風呂水ポンプ側切換弁51の洗剤投入状態では風呂水が洗剤投入出口53からバイパス通路55と洗剤ケース7と注水口8を通して水槽2内に注入され、風呂水ポンプ側切換弁51の注水状態では風呂水が注水出口54と注水通路21と風呂水入口16を通して除菌ケース15内に注入される。この除菌ケース15の出口18は注水通路25を介して水槽2に接続されており、風呂水ポンプ側切換弁51の注水状態では風呂水が除菌ケース15の出口18から注水通路25を通して水槽2内に注入される。この風呂水ポンプ側切換弁51は注水経路切換弁に相当し、バイパス通路55は風呂水除菌経路27から除菌装置20の上流側で分岐する貯水バイパス経路に相当する。
【0042】
制御回路44は図3の風呂水コースで洗い工程用の風呂水を水槽2内に貯留する場合に風呂水ポンプ側切換弁51を洗剤投入状態とし、風呂水ポンプ9を運転開始する。この風呂水ポンプ側切換弁51の洗剤投入状態では風呂水がバイパス通路55から洗剤ケース7を通して水槽2内に注入され、洗剤ケース7内の洗剤が風呂水と共に水槽2内に注入される。この風呂水ポンプ側切換弁51は洗剤投入時間だけ洗剤投入状態とされるものであり、制御回路44は風呂水ポンプ9を運転開始してから洗剤投入時間が経過した場合に紫外線ランプ19をオンし、風呂水ポンプ側切換弁51を注水状態に切換える。この風呂水ポンプ側切換弁51の注水状態では風呂水が除菌ケース15内で除菌された後に注水通路25を通して水槽2内に注入され、水槽2内に除菌された風呂水が貯留される。
【0043】
制御回路44は図3の風呂水コースですすぎ工程1〜3用の風呂水を水槽2内に貯留する場合に紫外線ランプ19をオンする。そして、風呂水ポンプ側切換弁51を注水状態とし、風呂水ポンプ9を運転開始する。この風呂水ポンプ側切換弁51の注水状態では風呂水が除菌ケース15内で除菌された後に水槽2内に注入され、水槽2内に除菌された風呂水が貯留される。
【0044】
制御回路44は図2の水道水コースと図3の風呂水コースと図4の槽洗浄コースのそれぞれで水槽2内の水を水槽2および除菌装置20間で循環させる場合に循環ポンプ側切換弁35を除菌状態とし、紫外線ランプ19のオン状態で水槽2内の水を循環通路32とフィルタ33と除菌通路39と除菌ケース15と注水通路25に沿って循環させ、水槽2内の水を紫外線ランプ19からの紫外線で除菌しながら循環させる。
【0045】
上記実施例2によれば次の効果を奏する。
風呂水除菌経路27から除菌装置20の上流側で分岐するバイパス通路55を設け、風呂水ポンプ側切換弁51を洗剤投入状態することで風呂水をバイパス通路55から洗剤ケース7を通して水槽2に注入したので、洗剤ケース7内の洗剤を風呂水と共に除菌装置20を経由することなく水槽2に注入できる。しかも、風呂水ポンプ側切換弁51を注水状態することで風呂水を水槽2に除菌装置20を通して注入できる。
【実施例3】
【0046】
外箱1内には、図6に示すように、水槽2の上方に位置して除菌装置20が固定されており、除菌装置20の風呂水入口16は注水通路21を介して風呂水ポンプ9の出口11に接続されている。この除菌装置20の循環水入口17は除菌通路39を介して循環ポンプ側切換弁35の除菌出口37に接続されており、除菌装置20の出口18は管状の注水通路61を介して洗剤ケース7に接続されている。これら注水通路61および注水通路21は風呂水除菌経路62に相当し、風呂水除菌経路62は貯水除菌経路に相当する。
【0047】
制御回路44は図3の風呂水コースで洗い工程用とすすぎ工程1用とすすぎ工程2用とすすぎ工程3用の風呂水を水槽2内に貯留する場合に紫外線ランプ19をオンする。そして、循環ポンプ側切換弁35をバイパス状態とし、風呂水ポンプ9を運転開始する。この風呂水ポンプ9の運転状態では風呂水が注水通路21と除菌ケース15と注水通路61と洗剤ケース7と注水口8を通して水槽2内に注入される。従って、風呂水が紫外線で除菌され、除菌された風呂水が水槽2内に貯留される。
【0048】
制御回路44は図2の水道水コースと図3の風呂水コースと図4の槽洗浄コースのそれぞれで水槽2内の水を水槽2および除菌装置20間で循環させる場合に循環ポンプ側切換弁35を除菌状態とし、紫外線ランプ19をオンする。この循環ポンプ側切換弁35の除菌状態では水槽2内の水が循環通路32と除菌通路39と除菌ケース15と注水通路61と洗剤ケース7と注水口8を通して水槽2内に注入され、除菌ケース15内で除菌されながら循環する。これら循環通路32と除菌通路39と注水通路61は循環水除菌経路63に相当する。
【0049】
上記実施例3によれば次の効果を奏する。
除菌装置20を洗剤ケース7の近傍に配置した。従って、洗剤ケース7および除菌装置20相互間の配管が短くて単純なものになるので、水槽側切換弁22および風呂水ポンプ側切換弁51を廃止できる。
【0050】
上記実施例1においては、槽洗浄コースで水槽側切換弁22を注水状態とし、水槽2内の水道水を除菌ケース15から洗剤投入通路26と洗剤ケース7と注水口8を通して水槽2内に注入しても良い。この場合には水槽2内に除菌された水道水が上から注入されるので、水槽2の広範囲を洗浄できる。
【0051】
上記実施例1〜2においては、風呂水コースのすすぎ工程1〜3のそれぞれで水槽2内に洗い工程と同一のプロセスで設定水位の風呂水を貯留しても良い。
上記実施例1〜3においては、風呂水コースの最終回のすすぎ工程3で給水弁3を注水状態とすることで水槽2内に設定水位の水道水を貯留しても良い。
【0052】
上記実施例1〜3においては、循環ポンプ29の出口および循環ポンプ側切換弁35の入口を一体成形することで循環ポンプ29および循環ポンプ側切換弁35を一体化しても良い。
【0053】
上記実施例1〜3においては、外箱1に接続口を固定し、風呂水ポンプ9を接続口に外箱1の外部で接続しても良い。即ち、風呂水ポンプ9を外箱1に内蔵しない構成としても良い。
【0054】
上記実施例1〜3においては、風呂水に換えて雨水等の貯水を風呂水ポンプ(吸水ポンプ)9で吸水することで水槽2に注水しても良い。即ち、水道とは別の水源に貯留された貯水を水槽2に注水しても良い。
【0055】
上記実施例1〜3においては、垂直軸により回転駆動される撹拌翼にて水槽内に溜められた水に水流を生成して衣類を洗濯する方式の縦型洗濯機に本発明を適用しても良い。
以上に説明した洗濯機は上記実施例にのみ限定されるものでなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。その他、本発明の複数の実施例を説明したが、これらの実施例は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施例はその他の様々な例で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施例や変形例は発明の範囲や要旨に含まれると共に特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
2は水槽、3は給水弁、7は洗剤ケース、9は風呂水ポンプ(吸水ポンプ)、20は除菌装置、22は水槽側切換弁(注水経路切換弁)、26は洗剤投入通路(洗剤投入経路)、27は風呂水除菌経路(貯水除菌経路)、29は循環ポンプ、35は循環ポンプ側切換弁(循環水経路切換弁)、40はバイパス通路(循環水バイパス経路)、41は循環水除菌経路、44は制御回路(洗濯手段,槽洗浄手段)、51は風呂水ポンプ側切換弁(注水経路切換弁)、55はバイパス通路(貯水バイパス経路)、62は風呂水除菌経路(貯水除菌経路)、63は循環水除菌経路である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6