(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ジョー部材の各々は、組織を電気外科手術治療するために適合されており、該ジョー部材の各々は、電気外科手術エネルギーの供給源へのそれぞれのジョー部材の接続を容易にするために、該ジョー部材の各々から近位方向に延在する電気ワイヤを含む、請求項1に記載の外科手術器具。
前記ジョー部材の各々のフランジのうちの少なくとも1つは、該フランジの側面に配置された電気絶縁性のワイヤガイドを含み、該それぞれのジョー部材の電気ワイヤは、該ワイヤガイドを通って延在する、請求項7に記載の外科手術器具。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要約)
本開示は、製造に安価であり、かつ、比較的に大きな組織構造を密封および切断することが可能である、組織を治療するための外科手術器具を説明する。外科手術器具は、ハウジングと、そこから遠位方向に延在する細長いシャフトとを含む。細長いシャフトは、ハウジングに結合された近位部分と、近位部分と反対側の遠位部分とを含み、長手方向軸を規定する。駆動ロッドは、少なくとも部分的に細長いシャフトを通って延在し、細長いシャフトに対して長手方向に選択的に移動可能である。カムピンは、駆動ロッドによって支持されることにより、駆動ロッドの長手方向移動がカムピンに与えられる。エンドエフェクタは、細長いシャフトの遠位部分によって支持され、組織を治療するために適合されている。エンドエフェクタは、細長いシャフトの遠位部分にピボット軸の周りに旋回可能に結合された上部ジョー部材を含み、上部ジョー部材は、第1の対の側方に離間されたフランジを含み、第1の対のフランジの各々は、カムピンを係合するためのカム作用スロットを規定する。エンドエフェクタは、細長いシャフトの遠位部分にピボット軸の周りに旋回可能に結合された下部ジョー部材も含み、下部ジョー部材は、第2の対の側方に離間されたフランジを含む下部ジョー部材であって、第2の対のフランジの各々は、カムピンを係合するためのカム作用スロットを規定する。ジョー部材の第1の対のフランジと第2の対のフランジとは、オフセット構成に配置されることにより、上部ジョー部材の一方のフランジが、下部ジョー部材の対応するフランジの側方外側に位置決めされ、上部ジョー部材の他方のフランジが、下部ジョー部材の他方のフランジの側方内側に位置決めされている。
【0007】
上部ジョー部材と下部ジョー部材とは、互いに対して側方にオフセットされた態様で位置決めされた実質的に同一のコンポーネントとして構成され得る。フランジの各々は、ジョー部材の組織係合部分から近位方向に延在し得、組織係合部分は、実質的に曲げられ得る。ピボット軸は、フランジの各々を通って、長手方向軸を実質的に横切る方向に延在し得る。
【0008】
駆動ロッドは、ジョー部材を通って、フランジの各々の側方内側に延在し得、駆動ロッドは、概してU形プロフィールを示し得る。外科手術器具は、駆動ロッドに対して長手方向に選択的に移動可能なナイフをさらに含み得、ナイフは、U形プロフィール内に支持されることにより、駆動ロッドが、第1の側方平面におけるナイフの側方移動を制限し得る。駆動ロッドはまた、駆動ロッドのU形コネクタ部分と対向して配置されたオーバーフフォールドを含むことにより、ナイフが実質的に4つの側面で囲まれ、かつ、オーバーフォールドおよびU形コネクタ部分が、第1の側方平面と直交している第2の側方平面におけるナイフの移動を制限し得る。
【0009】
ジョー部材は、組織を電気外科手術治療するために適合され得、電気外科手術エネルギーの供給源へのそれぞれのジョー部材の接続を容易にするために、ジョー部材のから近位方向に延在する電気ワイヤを含み得る。ジョー部材の各々のフランジのうちの少なくとも1つは、フランジの側面に配置された電気絶縁性のワイヤガイドを含み得、それぞれのジョー部材の電気ワイヤは、ワイヤガイドを通って延在する。ワイヤガイドは、それぞれのフランジ上に成形された電気絶縁性のプラスチックから構成され得る。
【0010】
本開示の他の局面に従って、外科手術器具は、ハウジングと、そこから遠位方向に延在する細長いシャフトとを含む。細長いシャフトは、ハウジングに結合された近位部分と、近位部分と反対側の遠位部分とを含み、長手方向軸を規定する。エンドエフェクタは、細長いシャフトの遠位部分によって支持されている。エンドエフェクタは、組織を治療するために適合されており、エンドエフェクタは、互いに旋回可能に結合された第1および第2のジョー部材を含むことにより、開いた構成と閉じた構成との間で移動する。ジョー部材の各々は、1対の側方に離間されたフランジを含み、フランジの各々は、その上にカム作用表面を含む。ナイフは、少なくとも部分的に細長いシャフトを通って延在し、かつ、ジョー部材のフランジの間において長手方向に選択的に移動可能である。ナイフのブレードは、ジョー部材の組織接触部分の中に延在可能である。駆動ロッドは、少なくとも部分的に細長いシャフトを通って延在し、ハウジングの操作に応答して、ナイフに対して、および細長いシャフトに対して長手方向に選択的に移動可能である。駆動ロッドは、カムピンを担持し、該カムピンは、フランジの各々のカム作用表面を係合するように位置決めされることにより、ジョー部材を開いた構成と閉じた構成との間で移動させる。駆動ロッドは、実質的に4つの側面でナイフを囲むことにより、少なくとも2つの直交する平面内におけるナイフの運動を制限する。
【0011】
ジョー部材の側方に離間されたフランジは、入れ子構成に配置され得、ジョー部材の一方のフランジの両方は、ジョー部材の他方の側方に離間されたフランジの側方内側内に配置されている。ナイフは、実質的に平坦な金属片から構成され得、駆動ロッドは、ナイフの4つの横側の周りに延在する概ねU形プロフィールを示すように折り畳まれた金属から構成され得る。駆動ロッドの最遠位端は、ナイフの4つの側面の周りに延在し得、駆動ロッドの近位部分は、ナイフの4つより少ない側面の周りに延在し得る。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
外科手術器具であって、該外科手術器具は、
ハウジングと、
該ハウジングに結合された近位部分と、該近位部分と反対側の遠位部分とを含む細長いシャフトであって、該細長いシャフトは、長手方向軸を規定する、細長いシャフトと、
少なくとも部分的に該細長いシャフトを通って延在する駆動ロッドであって、該駆動ロッドは、該細長いシャフトに対して長手方向に選択的に移動可能である、駆動ロッドと、
カムピンであって、該カムピンは、該駆動ロッドによって支持されることにより、該駆動ロッドの長手方向移動が該カムピンに与えられる、カムピンと、
該細長いシャフトの遠位部分によって支持されたエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、組織を治療するために適合されている、エンドエフェクタと
を含み、
該エンドエフェクタは、
該細長いシャフトの遠位部分にピボット軸の周りに旋回可能に結合され、かつ、第1の対の側方に離間されたフランジを含む上部ジョー部材であって、該第1の対のフランジの各々は、該カムピンを係合するためのカム作用スロットを規定する、上部ジョー部材と、
該細長いシャフトの遠位部分に該ピボット軸の周りに旋回可能に結合され、かつ、第2の対の側方に離間されたフランジを含む下部ジョー部材であって、該第2の対のフランジの各々は、該カムピンを係合するためのカム作用スロットを規定する、下部ジョー部材と
を含み、
該ジョー部材の該第1の対のフランジと該第2の対のフランジとは、オフセット構成に配置されることにより、該上部ジョー部材の一方のフランジが、該下部ジョー部材の対応するフランジの側方外側に位置決めされ、該上部ジョー部材の他方のフランジが、該下部ジョー部材の他方のフランジの側方内側に位置決めされている、外科手術器具。
(項目2)
上記上部ジョー部材と上記下部ジョー部材とは、互いに対して側方にオフセットされた態様で位置決めされた実質的に同一のコンポーネントとして構成されている、上記項目に記載の外科手術器具。
(項目3)
上記フランジの各々は、上記ジョー部材の各々の組織係合部分から近位方向に延在し、該組織係合部分は、実質的に曲げられている、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目4)
上記ピボット軸は、上記フランジの各々を通って、上記長手方向軸を実質的に横切る方向に延在する、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目5)
上記駆動ロッドは、上記ジョー部材を通って、上記フランジの各々の側方内側に延在する、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目6)
上記駆動ロッドは、概してU形プロフィールを示す、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目7)
上記駆動ロッドに対して長手方向に選択的に移動可能なナイフをさらに含み、該ナイフは、上記U形プロフィール内に支持されることにより、該駆動ロッドが、第1の側方平面における該ナイフの側方移動を制限する、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目8)
上記駆動ロッドは、該駆動ロッドのU形コネクタ部分と対向して配置されたオーバーフフォールドを含むことにより、上記ナイフが実質的に4つの側面で囲まれ、かつ、該オーバーフォールドおよび該U形コネクタ部分が、上記第1の側方平面と直交している第2の側方平面における該ナイフの移動を制限する、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目9)
上記ジョー部材の各々は、組織を電気外科手術治療するために適合されており、該ジョー部材の各々は、電気外科手術エネルギーの供給源へのそれぞれのジョー部材の接続を容易にするために、該ジョー部材の各々から近位方向に延在する電気ワイヤを含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目10)
上記ジョー部材の各々のフランジのうちの少なくとも1つは、該フランジの側面に配置された電気絶縁性のワイヤガイドを含み、該それぞれのジョー部材の電気ワイヤは、該ワイヤガイドを通って延在する、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目11)
上記ワイヤガイドは、上記それぞれのフランジ上に成形された電気絶縁性のプラスチックから構成されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目12)
外科手術器具であって、該外科手術器具は、
ハウジングと、
該ハウジングに結合された近位部分と、該近位部分と反対側の遠位部分とを含む細長いシャフトであって、該細長いシャフトは、長手方向軸を規定する、細長いシャフトと、
該細長いシャフトの遠位部分によって支持されたエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、組織を治療するために適合されており、該エンドエフェクタは、互いに旋回可能に結合された第1および第2のジョー部材を含むことにより、開いた構成と閉じた構成との間で移動し、該ジョー部材の各々は、1対の側方に離間されたフランジを含み、該フランジの各々は、その上にカム作用表面を含む、エンドエフェクタと、
少なくとも部分的に該細長いシャフトを通って延在し、かつ、該ジョー部材の該フランジの間において長手方向に選択的に移動可能なナイフあって、該ナイフのブレードは、該ジョー部材の組織接触部分の中に延在可能である、ナイフと、
少なくとも部分的に該細長いシャフトを通って延在し、該ナイフに対して、および該細長いシャフトに対して長手方向に選択的に移動可能な駆動ロッドと
を含み、
該駆動ロッドは、カムピンを担持し、該カムピンは、該フランジの各々のカム作用表面を係合するように位置決めされることにより、該ジョー部材を該開いた構成と該閉じた構成との間で移動させ、該駆動ロッドは、実質的に4つの側面で該ナイフを囲むことにより、少なくとも2つの直交する平面内における該ナイフの運動を制限する、外科手術器具。
(項目13)
上記ジョー部材の上記側方に離間されたフランジは、入れ子構成に配置されており、該ジョー部材の一方の該フランジの両方は、該ジョー部材の他方の該側方に離間されたフランジの側方内側内に配置されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目14)
上記ナイフは、実質的に平坦な金属片から構成されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目15)
上記駆動ロッドは、上記ナイフの上記4つの側面の周りに延在する概ねU形プロフィールを示すように折り畳まれた金属から構成されている、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目16)
上記駆動ロッドの最遠位端は、上記ナイフの上記4つの側面の周りに延在し、該駆動ロッドの近位部分は、該ナイフの4つより少ない側面の周りに延在する、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(摘要)
外科手術器具は、細長いシャフトを支持するハウジングを含む。選択的に移動可能な駆動ロッドは、細長いシャフトを通って延在し、長手方向においてカムピンを担持する。組織を外科手術治療するためのエンドエフェクタは、細長いシャフトによって支持され、ピボット軸の周りに互いに旋回可能に結合された上部ジョー部材および下部ジョー部材を含む。上部ジョー部材は、第1の対の側方に離間されたフランジを含み、下部ジョー部材は、第2の対の側方に離間されたフランジを含み、フランジは、カムピンを係合するためのカム作用スロットを規定する。フランジは、オフセット構成に配置されており、オフセット構成において、上部ジョー部材の一方のフランジが、下部ジョー部材の対応するフランジの側方外側に位置決めされ、上部ジョー部材の他方のフランジが、下部ジョー部材の他方のフランジの側方内側に位置決めされている。
【0012】
本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例示し、かつ、以下に与えられる実施形態の詳細な説明と共に、本開示の原理を説明するために機能する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(詳細な説明)
本開示は、電気外科手術手順を行うための電気外科手術装置および方法に関する。特に、本開示は、組織を電気外科手術的に密封することに関する。従来であるように、用語「遠位」は、本明細書においてオペレータからより遠い装置の端を指し、用語「近位」は、本明細書において、オペレータにより近い鉗子10の端を指す。
【0015】
最初に
図1を参照すると、電気外科手術鉗子10の実施形態は、概してハウジング12を含み、ハウジング12は、細長いシャフト16を通してエンドエフェクタ14を遠隔的に制御するために、ハウジング12上においてさまざまなアクチュエータを支持する。この構成が、一般的に、腹腔鏡または内視鏡外科手術処置に用いられる器具と関連付けられるが、本開示のさまざまな局面は、従来の開放器具を用いて、および内管腔処置と関連して実践され得る。
【0016】
ハウジング12は、左ハウジングシャフト12aと右ハウジングシャフト12bとから構成される。ハウジングの半分12aおよび12bの左および右の設計は、鉗子10を使用するオペレータによって認識されるそれぞれの方向に指す。ハウジングの半分12aおよび12bは、頑丈なプラスチックから作成され得、接着、超音波溶接または他の適切な組立方法によって互いに連結され得る。
【0017】
エンドエフェクタ14を機械的に制御するために、ハウジング12は、固定ハンドル20と、可動ハンドル22と、トリガー26と、回転ノブ28とを支持する。可動ハンドル22は、1対の対向するジョー部材30、32が互いに対して離間された関係で配置される開いた構成(
図2A)と、ジョー部材30、32が一緒により近い閉じた構成またはクランプで締める構成(
図2B)との間においてアクチュエータ14を移動するように動作可能である。固定ハンドル20との可動ハンドル22の接近は、エンドエフェクタ14を閉じた構成に移動するように機能し、固定ハンドル20からの可動ハンドル22の分離は、エンドエフェクタ14を開いた構成に移動するように機能する。トリガー26は、エンドエフェクタ14が閉じた構成にある場合、エンドエフェクタ14を通してナイフブレード56(
図2Aを参照)を延びさせ、収縮させるように動作可能である。回転ノブ28は、鉗子を通って延在する長手方向軸A−Aの周りに細長いシャフト16およびエンドエフェクタ14を回転させるように機能する。
【0018】
エンドエフェクタ14を機械的に制御するために、ハウジング12は、その上にスイッチ36を支持し、スイッチ36は、エンドエフェクタ14への電気外科手術エネルギーの送達を始動および終結させるために、ユーザーによって動作可能である。スイッチ36は、電気外科手術ジェネレータ40のような電気外科手術エネルギーの供給源と電気的連絡している。ジェネレータ40は、Covidienによって販売されるLIGASURE(登録商標)脈管密封ジェネレータおよびForce Triad(登録商標)ジェネレータのようなデバイスを含み得る。ハウジング12とジェネレータ40との間に延在するケーブル42は、その上にコネクタ(示されていない)を含み得ることにより、鉗子10は、ジェネレータ40から選択的で電気的に結合され、切り離され得る。他の実施形態(示されていない)において、バテッリー動力の器具が提供され得、ジェネレータおよびコネクタは、器具の内部にあり得るか、または、器具と一体にあり得る。
【0019】
ここで
図2Aおよび2Bを参照すると、エンドエフェクタ14は、組織(示されていない)がジョー部材30、32の間に受け取られ得る開いた構成(
図2A)、および組織がクランプで締められ、密封され得る閉じた構成(
図2B)から移動され得る。上部ジョー部材30および下部ジョー部材32は、ピボットピン44の周りに細長いシャフト16に機械的に結合される。上部ジョー部材30は、細長いシャフト16を通って延在するワイヤ46bを介して、ケーブル42に電気的に結合され、従って、ジェネレータ40に電気的に結合される(
図1を参照)。下部ジョー部材32は、細長いシャフト16を通って延在する別のワイヤ46a(
図4)によってジェネレータ40にも結合される。ワイヤ46a、46bは、それぞれ、下部ジョー部材32および上部ジョー部材30に配置された1対の電気伝導性の組織係合密封プレート48、50に電気的経路を提供する。下部ジョー部材32の密封プレート48は、上部ジョー部材30の密封プレート50と対向し、いくつかの実施形態において、密封プレート48、50は、対向する端末(例えば、ジェネレータ40と関連付けられた正またはアクティブ(+)端末および負またはリターン(−)端末)に電気的に結合される。従って、双極エネルギーがエンドエフェクタ14を通して提供され得る。代替的に、エンドエフェクタ14は、単極エネルギーを組織に送達するために構成され得る。単極構成において、エンドエフェクタ14は、アクティブ端末(例えば、(+))からの電気外科手術エネルギーを送達し、その一方で、リターンパッド(示されていない)は、概して患者に設置され、リターン経路をジェネレータ40の対向する端末(例えば、(−))に提供する。
【0020】
ジョー部材30、32は、ピボットピン44の周りに旋回され、エンドエフェクタ14を、密封プレート48、50がその間に把持された組織に圧力を提供する
図2Bの閉じた構成に移動する。いくつかの実施形態において、有効的な密封を提供するために、約3kg/cm
2から約16kg/cm
2までの範囲内、望ましくは、約7kg/cm
2から約13kg/cm
2までの動作範囲内の圧力が組織に適用され得る。また、閉じた構成において、分離またはギャップ距離「G」は、密封プレート48、50上に、またはそれらに隣接して配置されたストップ部材54のアレイによって、密封プレート48、50の間に維持され得る。ストップ部材54は、対向するジョー部材30、32上の対向する表面に接触し、密封プレート48、50のさらなる接近を防げる。いくつかの実施形態において、有効的な組織密封を提供するために、約0.001インチから約0.006インチまで、好ましくは、約0.002インチと約0.005インチとの間の適切なギャップ距離が提供され得る。いくつかの実施形態において、ストップ部材54は、非電気伝導性のプラスチックまたは他の材料から作られ、例えば、オーバーモールドまたは射出成形のようなプロセスによって、ジョー部材30、32上に成形される。他の実施形態において、ストップ部材54は、ジョー部材30、32上に蒸着された高抵抗セラミックスから作られる。ギャップを制御する他の方法が予期され、「GAP CONTROL VIA OVERMOLD TEETH AND HARD STOPS」という題名の共有に係る特許出願(出願第_/_,_号)において記載された方法を含む。
【0021】
電気外科手術エネルギーは、電気伝導性の密封プレート48、50を通して組織に送達され、組織密封を達成する。組織密封が確立されると、ナイフブレード56は、ジョー部材30、32の中に規定されたナイフチャンネル58を通して前進させられ、密封された組織を離断し得る。ナイフブレード56は、
図2Aにおいて、エンドエフェクタ14が開いた構成にある場合、細長いシャフト16から延在するように描かれる。いくつかの実施形態において、ナイフロックアウトは、エンドエフェクタ14が開いた構成にある場合、ナイフチャンネル58内へのナイフブレード56の延びを防止し、従って、組織の突然または早発の離断を防げる。
【0022】
ここで
図3を参照すると、細長いシャフト16は、さまざまな長手方向のコンポーネントを含み、さまざまな長手方向のコンポーネントは、ハウジング12(
図1)によって支持されたさまざまなアクチュエータにエンドエフェクタ14を動作可能に結合する。外側シャフト部材60は、細長いシャフト16の外部表面を規定し、以下に説明されるように、そこを通る他のコンポーネントの移動を支持する。外側シャフト部材60は、金属の平坦なストック片から構成され得る。外側シャフト部材60を構成することにおいて、スタンピング、打ち抜き、または類似な金属加工プロセスは、平坦なブランクを最初に生成するように使用され得、平坦なブランクは、適切な外側プロフィールおよび任意の内部開口部または特徴を含む。その後、必要な折り畳み、曲げおよび湾曲等は、プレスブレーキ、または他の適切な金属加工機器を用いて平坦なブランクを曲げることによって形成され得る。いくつかの例において、折り畳み、曲げおよび湾曲は、外側プロフィールおよび内部開口部と同時に、または外側プロフィールおよび内部開口部を形成するために使用される同じ機器を用いて金属コンポーネントに形成され得る。従って、スタンピングプロセスへの言及は、平坦なプロフィールの形成、および任意の湾曲、巻きまたは曲げ等を関連のコンポーネントに与えることを含むように理解され得る。外側シャフト部材60は、平坦なブランクを概ね長方形のプロフィールに折り畳むことによって形成されることにより、平坦なブランクの2つの対向する長手方向のエッジが、長手方向の継ぎ目62において会う(
図4を参照)。長手方向の継ぎ目62は、レーザー溶接(または他の適切なプロセス)によって2つの対向する長手方向のエッジを一緒に連結され、連続的な長方形プロフィールを形成し得る。継ぎ目62は、概して、描かれたようにまっすぐであり得るか、または、代替的に、ボックスジョイント、V字型ジョイントまたは金属加工分野で既知の他のインターフェースが継ぎ目62に沿って規定され得る。
【0023】
外側シャフト部材60は、ジョー部材30および32を受け取るために、その遠位端において継ぎ手64を規定する。外側シャフト部材60の対向する垂直側壁64aおよび64bは、水平壁64cおよび64dから遠位方向に延在し、それぞれ、そこを通って延在するボア66aおよび66bを含む。ボア66aおよび66bは、ピボットピン44を摩擦によって支持し、外側シャフト部材60に対するピボットピン44の方向付けを維持する。代替的に、または追加的に、ピボットピン44は、レーザーまたは加熱ベースの溶接、接着、化学結合、または他の適切なプロセスによって、外側シャフト部材60に対して締め付けられ得る。
【0024】
外側シャフト部材60の近位端において、1対のタブ66c(
図3において1つしか見えない)は、外側シャフト部材60を回転ノブ28に連結するために提供される。外側シャフト部材60と回転ノブとの間に確立された接続は、
図5および6を参照して以下に説明される。
【0025】
ピボットピン44は、ジョー部材30、32の各々の近位部分を通って延在し、外側シャフト部材60の遠位端においてジョー部材30、32を旋回可能に支持する。
図12を参照して以下により詳細に説明されるように、ジョー部材30、32の各々の近位部分は、二重フラッグとして構成される(代替的に、「二重フランジ」と呼ばれる)。二重フラッグの構成は、それぞれ、ジョー部材30、32の遠位部分から近位方向に延在する2つの側方に離間された平行フランジまたは「フラッグ」30a、30bおよび32a、32bを指す。横カムスロット30cおよび横ピボットボア30dは、上部ジョー部材30のフラッグ30a、30bの各々を通って延在する。同様に、横カムスロット32cおよび横ピボットボア32dは、下部ジョー部材32のフラッグ32a、32bの各々を通って延在する。ピボットボア30d、32dは、滑り嵌めの関係でピボットピン44を受け取り、滑り嵌めの関係は、ジョー部材30、32がピボットピン44の周りに旋回し、開いた構成と閉じた構成との間においてエンドエフェクタ14を移動すること(それぞれ、
図2Aおよび2B)を可能にする。
【0026】
ジョー部材30、32の各々の遠位部分は、外側シャフト部材60の遠位方向へ延在する。ジョー部材30、32の各々の遠位部分は、組織の操作を容易にし、かつ、器官および大きな組織構造にアクセスするために、より良い「視線」を提供するように、曲げられ得る。
図3に描かれたように、ジョー部材30、32は、ユーザーの視点から左へ曲がる。
図8を参照して以下により詳細に説明されるように、例えば、エンドエフェクタ14は、ジョー部材30、32が右へ曲がるように長手方向軸A−Aの周りに回転され得る。いくつかの代替的な実施形態において、
図28を参照して以下に説明されるように、例えば、エンドエフェクタ220は、ジョー部材222、224が上向きの方向に曲がる安定な方向付けに回転され得る。
【0027】
1対のワイヤガイド68は、ワイヤ46a、46b(
図4)を保護するために提供される。ワイヤガイド68は、外側シャフト部材60の対向する垂直側壁64aおよび64bの内部表面に隣接して位置決めされる。接着剤、ネジまたは類似な締め付け機構は、ワイヤガイド68を取り付けるために使用され得ることにより、ワイヤガイド68の位置が維持され得る。いくつかの代替的な実施形態において、
図23を参照して以下に説明されるように、ワイヤガイド68が省略され得、その構造は、ワイヤガイドとして機能する近くのコンポーネント内に組み込まれ得る。
【0028】
ワイヤガイド68は、概して平坦であり、金属、滑らかなプラスチック(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))または類似な材料から構成され得る。従って、ワイヤガイド68は、ジョー部材30、32がピボットピン44の周りに旋回するとき、下部ジョー部材32のフランジ32aおよび32bの外部表面にベアリング表面を提供し得る。ワイヤガイド68は、長手方向の通路70を含み、ワイヤ46a、46b(
図4)のそれぞれ1つは、通路70を通って延在し、密封プレート48、50(
図2A)を電気外科手術ジェネレータ40(
図1)に接続し得る。通路70は、細長いシャフト16内のさまざまなコンポーネントの運動に起因するワイヤの絡み合いを妨げるように、継ぎ手64の側壁64a、64bに当ててワイヤを維持する。遠位フレア72は、通路70の中に提供され、ジョー部材30、32が旋回するとき、ワイヤがジョー部材30、32と移動するように隙間を提供する。孔74は、ワイヤガイド68の中に提供され、そこを通るピボットピン44の通過を可能にし、スロット76は、
図3を引き続き参照して以下に説明されるように、カムピン92の運動をガイドするために提供される。スロット76は、オプションであり、カムピン92が十分に短いいくつかの代替的な実施形態においてワイヤガイド68から除外され得る。孔74およびスロット76は、ワイヤガイド68の中心軸に配置され、従って、対向して方向付けされた2つの同一ワイヤガイド68は、外側シャフト部材60上の孔66aおよび66bとの正しい整列を提供し得る。
【0029】
1対のワイヤ導管78aおよび78bは、ワイヤ46aおよび46b(
図4)をワイヤガイド68の近位方向にガイドするために提供され得る。ワイヤ導管78a、78bは、プラスチックから構成され、周囲のコンポーネント上に形成され得る尖ったエッジからワイヤ46a、46bを保護するように機能し得る。ワイヤ導管78a、78bは、組立の間に、ワイヤ46a、46bを位置内に送り込むことを容易にするために、ある程度の剛性も提供し得る。
【0030】
ジョー駆動ロッド80は、外側シャフト部材60内に受け取られ、外側シャフト部材60に対する長手方向の運動のために構成される。ジョー駆動ロッド80は、平坦な金属ストック片から構成され、前述のような外側シャフト部材60の形成に類似するスタンピングプロセスによって形成され得る。ジョー駆動ロッド80は、概して側壁82a、82bと、U形のコネクタ部分82cとを含むU形プロフィールを示す。水平のフランジ84aおよび84bは、それぞれの側壁82bおよび82aから側方に突起し、外側シャフト部材60内においてジョー駆動ロッドを側方に支持する。ジョー駆動ロッド80の遠位部分86は、外側シャフト部材60の中の受け取りのために構成され、ジョー駆動ロッド80をエンドエフェクタ14に動作可能に結合するための特徴を含む。ジョー駆動ロッド80の近位部分88は、ハウジング12(
図1)の中の受け取りのために構成され、ジョー駆動ロッド80をその上に支持されたアクチュエータ(例えば、可動ハンドル22)に動作可能に結合するための特徴を含む。
【0031】
ジョー駆動ロッド80の遠位部分86は、カムピン92を受け取るために、側壁82a、82bを通って延在する丸い孔90を含む。カムピン92は、孔90内に摩擦嵌められ、溶接され、または他の方法で締め付けられ得ることにより、カムピン92が、ジョー駆動ロッド80に固定的に結合され、側壁82aおよび82bの各々から側方に突起する。孔90の遠位では、長手方向スロット96が側壁82a、82bを通して規定される。長手方向スロット96は、ピボットピン44に隙間を提供し、従って、ピボットピン44から独立したジョー駆動ロッド80の長手方向の往復運動を可能にする。
【0032】
オーバーフォールド98が、孔90およびスロット96の付近に規定される。側壁82bの一部分は、対向する側壁82aに向かって折り畳まれることにより、ジョー駆動ロッド80の一部分が、オーバーフォールド98の付近において概に閉じたプロフィールを示す。
図4を参照して以下により詳細に説明されるように、オーバーフォールド98は、ジョー駆動ロッド80が、ナイフガイドとして機能して、ナイフ102の運動をガイドすることを可能にする。
【0033】
ジョー駆動ロッド80の近位部分88は、1組の側方に突起するカラーストップ88a、88bおよび88cと、1対の側方に突起するバネストップ88d、88eとを含む。カラーストップ88a、88b、88cは、駆動カラー184を係合し、バネストップ88d、88eは、
図18を参照して以下に説明されるように、ジョー駆動ロッド80を可動ハンドル22に動作可能に結合するように協働するバネキーパー192を係合する。
【0034】
ナイフ102は、概して平坦なコンポーネントであり、前述のようなスタンピングプロセスによって構成され得るプロフィールを規定する。ナイフ102は、その最遠位端において尖らせたナイフブレード56を支持する。ナイフブレード56の尖ったエッジは、ナイフ102の遠位端に、その後にプロフィールを形成するスタンピングプロセスに適用され得る。例えば、さまざまな製造技術は、尖らせたエッジを形成するために、例えば、研削、鋳造、電気化学エッチングまたは他の適切な製造プロセスを使用され得る。長手方向スロット106は、ナイフ102内に規定され、ピボットピン44およびカムピン92に隙間を提供する。近位タブ108a、108bは、ナイフ102から突起し、ナイフ102をトリガー26に動作可能に結合するための機構を提供する。ナイフ102とトリガー26との間の接続は、
図19および20を参照して以下により詳細に説明される。
【0035】
ここで
図4を参照すると、細長いシャフト16のさまざまなコンポーネントが描かれ、互いに、そして上部ジョー部材30および下部ジョー部材32に組み立てられる。外側シャフト部材60は、外側シャフト部材60上のタブ66cが回転ノブ28と係合すること(また、
図6を参照)によって回転ノブ28に固定される。ジョー駆動ロッド80は、外側シャフト部材60の中に位置決めされることにより、ジョー駆動ロッド80の水平のフランジ84aおよび84bが外側シャフト部材60の側壁64aおよび64bに接する。ワイヤガイド68は、外側シャフト部材60の側壁64aと64bとの間に位置決めされ、従って、下部ジョー部材32のフランジ32a、32bは、下部ジョー部材32に側方の支持を提供する。上部ジョー部材30のフランジ30a、30bは、下部ジョー部材32のフランジ32a、32b内において側方に配置される。フランジ32a、32b
内の側方のフランジ30a、30bのこの配置は、「入れ子」配置として説明され得る。他の配置、例えば、
図15を参照して以下に説明される「オフセット」配置が予想される。
【0036】
ナイフ102は、ジョー駆動シャフト80内において中央に配置される。ジョー駆動シャフト80の側壁82a、82bは、ナイフ102に側方の支持を提供し、垂直の支持は、U形のコネクタ部分82cおよびオーバーフォールド98によって提供される。ナイフ102は、その遠位端において4つの横側面でジョー駆動シャフト80によって実質的に囲まれ、その遠位端において実質的にナイフ102を囲むことによって、ジョー駆動シャフト80は、4つの側方においてナイフ102の運動を制約する。ナイフ102の自由運動は、長手方向のみにおいて許可される。従って、ジョー駆動シャフト80は、ナイフ102を細長いシャフト16内の中央位置に押すことによってナイフガイドとして機能し、従って、ナイフ102がナイフチャンネル58(
図2A)の中を往復するとき、ナイフ102の正しい整列を確実にする。その遠位端においてナイフ102を実質的に囲むことによって、ジョー駆動ロッド80は、2つの直交する側方平面(例えば、垂直面および水平面)においてナイフ102の移動を制限する。ジョー駆動ロッド80も、細長いシャフト16およびジョー部材30、32の組立の間、ナイフ102および他のコンポーネントを損傷から保護するように機能し得る。
【0037】
ここで
図5および6を参照すると、回転ノブ28は、単一のコンポーネントとして構成され得る。いくつかの代替的な実施形態において、
図25を参照して以下に説明されるように、例えば、回転ノブ260が提供され、回転ノブ260は、互いに固定される複数のコンポーネントから構成される。回転ノブ28は、外側シャフト部材60を受け取るために、その中に規定された遠位開口部112を含む。遠位開口部112は、側方壁112a、112b、112cおよび112dによって境界を作られ、側方壁112a、112b、112cおよび112dは、外側シャフト部材60の長方形プロフィールに対応する概に長方形のプロフィールを規定する。遠位開口部112は、外側シャフト部材60の最近位表面を着座させるための内部ランディング114と、外側シャフト部材60のタブ66cを受け取るための2つの側方のラッチポケット116とを含む。タブ66cは、可撓性であり、遠位方向に側方外側に突出することにより、外側シャフト部材60の近位端を回転ノブ28の遠位開口部112に挿入することが、タブ66cが側方壁112a、112bを係合すると、タブがすぐに内側へ曲がり、そしてラッチポケット116の内側において外側に突起する方向付けに戻ることを誘起する。従って、タブ66cは、外側シャフト部材60を回転ノブ28に係止する。外側シャフト部材60および開口部112の長方形プロフィールに起因して、長手方向軸A−A(
図1)の周りに回転ノブ28に与えられた回転運動は、外側シャフト部材60に伝達される。
【0038】
通路120は、回転ノブ28を通して規定され、そこを通るジョー駆動シャフト80(
図3)の長手方向運動を可能にする。通路120は、回転ノブ28に与えられた回転運動がジョー駆動シャフト80に伝達されるように成形される。1つの実施形態において、ケーブル隙間通路122も、回転ノブ28を通して規定され、密封プレート48、50(
図2A)を電気外科手術ジェネレータ40(
図1)に電気的に結合する電気ケーブル(例えば、
図4の46a、46b)の通過を可能にする。従って、回転ノブ28に与えられた回転運動は、細長いシャフト16のコンポーネントの各々、そしてそれに結合されているエンドエフェクタ14に回転運動を与え得る。
【0039】
ここで
図7および8を参照すると、回転ノブ28の近位端は、ハウジング12を係合するように構成される。円形溝124は、回転ノブ28から近位方向へ突起する円形ボス126の周りに規定される。円形溝124は、ハウジング12の内側へ突起する壁(見えない)を受け取って、ハウジング12の遠位端に対して回転ノブ28を維持する。円形溝124は、長手方向軸A−A(
図1)の周りに回転ノブ28の回転運動をガイドする。
【0040】
回転ノブ28の回転運動は、ハウジング12から遠位方向に突起するストップボス130によって限定され得る。ストップボス130は、回転ノブ28上の回転ストップ134を係合するように位置決めされ、例えば、いずれかの方向における180度よりさらなる回転ノブの回転運動を防ぐ。戻り止め136は、回転ノブ28から近位方向へ突起し、ストップボス130が回転ストップを係合する前に、ストップボス130の遠位表面を係合する。回転ノブ28が、ストップボス130が回転ストップ134と戻り止め136との間に位置決めされる位置まで回転される場合、回転ノブ28の回転位置は、比較的に安定であり、十分な力がストップボス130を超えて戻り止め136を移動するように供給されるまで解放可能に維持され得る。2つの半径方向の対向する位置が規定され、そこにおいて、回転ノブ28の回転位置は、比較的に安定である。これらの2つの半径方向の対向する位置は、エンドエフェクタ14(
図1)の2つの方向付けに対応し、その2つの方向付けにおいて、ジョー部材30、32は、ユーザーの視点から右および左へ曲がる。
【0041】
ここで
図9を参照すると、エンドエフェクタ14は、ピボットピン44によって細長いシャフト16の遠位端に結合される。ピボットピン44は、外側シャフト部材60の遠位端において規定された継ぎ手64の側壁64aおよび64bに結合される。従って、ピボットピン44は、ジョー駆動ロッド80およびナイフ102の長手方向の移動に対して長手方向の固定基準を示す。側壁64aおよび64bの側方内側に、ピボットピン44は、ワイヤガイド68、下部ジョー部材32のフラッグ32aおよび32b、上部ジョー部材30のフラッグ30aおよび30b、ジョー駆動シャフト80の側壁82aおよび82b、並びにナイフ102を通って延在する。ジョー部材30、32は、ピボットピン44の周りに旋回するように自由であり、ジョー作動シャフト80およびナイフ102は、ピボットピン44の周りに長手方向に並進するように自由である。
【0042】
ここで
図10を参照すると、ジョー駆動ロッド80は、開いた構成においてエンドエフェクタ14を維持する遠位位置に配置される。ジョー駆動ロッド80がカムピン92に結合されるので、ジョー駆動ロッド80が遠位位置にある場合、カムピン92は、ジョー部材30、32およびフラッグ30a、30b、32a、32bを通して規定されたカムスロット30cおよび32cの遠位位置において設置される。また、ジョー駆動ロッド80が遠位位置にある場合、ジョー駆動ロッド80の最遠位面86aは、エンドエフェクタ14の組織受け取り領域14aに延在する。従って、ジョー駆動ロッド80は、ストップを提供して、組織が細長いシャフト16の中に入ることを防ぐ。
【0043】
ジョー駆動ロッド80は、ピボットピン44(固定の長手方向基準)に対して近位方向へ引き抜かれ、エンドエフェクタ14を閉じた構成(
図2Bを参照)に移動し得る。ピボットピン44の長手方向位置が(明確のために
図10のビューから除去される外側シャフト部材60によって)固定され、かつ、カムスロット30c、32cが長手方向軸A−Aに対して斜めに配置されるので、カムスロット30c、32cを通るカムピン92の近位収縮は、ジョー部材30、32をピボットピン44の周りに互いに向かって旋回させる。逆に、エンドエフェクタ14が閉じた構成にある場合、遠位方向におけるジョー駆動ロッド80の長手方向並進は、ジョー部材30、32を開いた構成に向かって互いから離れるように旋回させる。
【0044】
ここで
図11を参照すると、エンドエフェクタ14が閉じた構成にある場合、ナイフ102は、ジョー駆動シャフト80内を長手方向に自由に移動可能である。ナイフ102の中のスロット106は、ピボットピン44とカムピン92との両方の周りに延在し、従ってピン44、92は、ナイフ102の往復運動と干渉しない。ナイフ102の最遠位端でのブレード56は、オーバーフォールド98を含むジョー駆動ロッド80の最遠位端によって中央に整列される。正しく整列されると、ブレード104は、ジョー部材30、32内に規定されたナイフチャンネル58に容易に入る。ジョー駆動ロッド80から遠位方向に延在するナイフ102の一部分は、自由に曲がり、従ってブレード104は、ナイフ102が長手方向に往復するとき、ジョー部材30、32を通るナイフチャンネル58の湾曲に追随する。
【0045】
ここで
図12および13を参照すると、下部ジョー部材32は、3つの主要なコンポーネントから構成される。これらのコンポーネントは、二重フラッグジョーインサート140と、絶縁体142と、密封プレート48とを含む。いくつかの代替的な実施形態において、
図22を参照して以下に説明されるように、例えば、ジョー部材224が提供され得、ジョー部材224は、特有の利点を提供するために配置された主要なコンポーネントから構成される。
【0046】
ジョー部材32のフラッグ32a、32bは、二重フラッグジョーインサート140の近位部分を規定し、概ねU形のチャンネル144は、ジョー部材32の組織係合部分を支持するように遠位方向に延在する。二重フラッグジョーインサート140は、さまざまな平面の表面を含み、前述のようなスタンピングプロセスによって形成されたシート金属コンポーネントとして構成され得る。このようなスタンピングプロセスにおいて、カムスロット32cおよびピボット孔32dは、平坦なブランク内にあけられ得、その後、ブランクは、フラッグ32a、32bおよびU形のチャンネル144を形成するように曲げられ得る。側方への曲げは、ジョー部材32の湾曲を収容するために、ジョーインサート140にも適用され得る。
【0047】
絶縁体142は、電気絶縁性のプラスチック(例えば、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、またはそれらの混合(PC/ABS)から構成され得る。電気絶縁性のプラスチックは、単一のショット射出成形プロセスにおいてジョーインサート140上に外側被覆され得る。さまざまな特徴は、絶縁体142内に成形され、インサート140への密封プレート48の取り付けを容易にし得る。例えば、タブが提供され得、タブは、密封プレート48のスナップ嵌めの取り付けを可能にし、または、リッジが形成され得、リッジは、絶縁体142上の密封プレートの超音波溶接を可能にする。密封プレート50は、電気伝導性の金属から構成され得、平坦なシートストックからスタンプされ得る。
【0048】
ここで
図14を参照すると、上部ジョー部材30のフラッグ30a、30bは、下部ジョー部材32のフラッグ32a、32bに対して入れ子にされた配置で概略的に描かれている。上部ジョー部材30の近位部分は、下部ジョー部材32の近位部分より狭く、従って、フラッグ32aと32bとの間の側方空間「S」は、フラッグ30aおよび30bがその間に位置決めされることに十分である。ピボット軸「P0」は、フラッグ30a、32a、および30b、32bの重なり部分を通って延在することにより、上部ジョー部材30および下部ジョー部材32は、共通の軸「P0」の周りに旋回し得る。入れ子構成において、上部ジョー部材30および下部ジョー部材32の近位部分は、ピボット軸「P0」に対して横切る共通の中央線「CL−1」も共有する。
【0049】
図14に例示された入れ子構成の代替物は、
図15に概略的に例示されたオフセット構成である。二重フラッグ上部ジョー部材150の近位部分は、フラッグ150aおよび150bを含む。二重フラッグ下部ジョー部材152の近位部分は、フラッグ152aおよび152bを含み、上部ジョー部材150の近位部分の幅と同一である幅を示す。フラッグ150a、152a、および150b、152bの重なり部分を提供することにより、ジョー部材150、152が、共通の軸「P0」の周りに旋回し得、上部ジョー部材150の一方のフラッグ150aは、下部ジョー部材152の対応するフラッグ152aの側方外側に位置決めされ、上部ジョー部材150の他方のフラッグ150bは、下部ジョー部材152の対応するフラッグ152bの側方内側に位置決めされる。オフセット構成において、上部ジョー部材150の近位部分の中央線「CL−2」は、下部ジョー部材152の中央線「CL−3」に対して側方にオフセットされる。
【0050】
上部ジョー部材150、152の遠位組織係合部分(仮想線で描かれる)が、例えば、ジョー部材30、32の側方湾曲(
図2Bを参照)なしに概してまっすぐである実施形態において、オフセット構成は、ジョー150、152が実質的に同一部材であることを可能にする。上部ジョー部材150、152のまっすぐな遠位部分は、共通の中央線「CL−4」に沿って整列され得るが、上部ジョー部材150、152の近位部分は、それらのそれぞれの中央線「CL−2」および「CL−3」に沿って整列される。概して、同一的に構成されたジョー部材150、152を有する鉗子は、製造に対して比較的に安価であり得る。
【0051】
ここで
図16を参照すると、作動機構160の代替的な実施形態が描かれている。作動機構160は、1対のジョー部材166、168を開閉するための1対のスタンプされたレバーリンク162、164を使用する。上部ジョー部材166は、ピボット軸「P1」の周りに旋回可能に下部レバーリンク162に結合された近位フランジ166aを含む。下部ジョー部材168は、ピボット軸「P2」の周りに旋回可能に上部レバーリンク164に結合された近位フランジ168aを含む。近位フランジ166aおよび168aの各々は、前述のようなスタンプされた金属コンポーネントとしても構成され得る。レバーリンク162、164は、それぞれのピボット軸「P3」および「P4」の周りに往復する駆動ロッド170に旋回可能に結合され、近位フランジ166aおよび168aの各々は、ピボット軸「P5」の周りに配置されるピボットピン172の周りに旋回可能に結合される。ピボット172は、外側シャフト部材(示されていない)に結合され、従って作動機構160の運動に対して固定の基準を示す。
【0052】
往復する駆動ロッド170は、矢印「D1」によって示される遠位長手方向および矢印「D2」によって示される近位長手方向に移動可能である。ピボットピン172の長手方向位置が固定されるので、往復する駆動ロッド170の長手方向移動は、リンク162を軸「P1」および「P3」の周りに同時に旋回させ、リンク164を軸「P2」および「P4」の周りに同時に旋回させる。リンク162と164とが同時に旋回することは、描かれた閉じた構成と開いた構成(示されていない)との間においてジョー部材166、168を軸「P5」の周りに旋回させる。
【0053】
二重フラッグジョー部材166、168は、入れ子構成(
図14を参照)において配置された近位フランジ166a、168aを含む。上部リンク164も、下部ジョー部材168の近位フランジ168aのフラッグを「入れ子にされた」ように特徴付けられ得るか、またはその間に側方に配置され得る。上部ジョー部材166の近位フランジ166aは、下部レバーリンク162内に「入れ子にされる」。ピボットリンク162、164および近位フランジ166a、168aの各々は、概ねU形の断面を含み、ピボットリンク162、164がこの方法で近位フランジ166a、168aとインターリーブすることを可能にする。この構成は、中央チャンネル174を含み、ナイフまたは他の中央に配置された駆動コンポーネント(示されていない)が中央チャンネル174を通って延在し得る。
【0054】
作動機構160は、ジョー部材166、168が、単一カムスロット(例えば、
図10を参照)を使用する類似のサイズを有するジョー部材を開放するための作動部材より大きい角度まで開放し、または互いから分離することを可能にする。作動部材160は、いくつかのオペレータが好み得る触感も提供し得る。スタンプされたレバーリンク162、164および近位フランジ166a、168aは、比較的に強い作動機構160を提供し、作動機構160は、ジョー部材166、168が、その間に捕えられた組織に比較的に大きい力を適用することを可能にする。
【0055】
ここで
図17を参照すると、細長いシャフト16の長手方向移動可能なコンポーネントへの可動ハンドル22およびナイフトリガー26の接続が説明される。可動ハンドル22は、ジョー駆動ロッド80(
図10)に長手方向運動を与えるように操作され得、ナイフトリガー26は、ナイフ102(
図11)に長手方向運動を与えるように操作され得る。前述のように、ジョー駆動ロッド80の長手方向運動は、
図2Aの開いた構成と
図2Bの閉じた構成との間においてエンドエフェクタ14を移動するように機能し、ナイフ102の長手方向運動は、ナイフチャンネル58(
図2A)を通してナイフブレード56を移動するように機能する。
【0056】
可動ハンドル22は、接続機構176によってジョー駆動ロッド80に動作可能に結合される。接続機構176は、可動ハンドル22の上部端において規定された継ぎ手178を含む。継ぎ手178は、ピボットボス180によって右ハウジングの半分12a上に旋回可能に支持される。第2の補完ピボットボス180(示されていない)は、継ぎ手178を支持するために、左ハウジング半分12b(
図1)上に支持される。継ぎ手178の2つの上部フランジ178aおよび178bの各々は、駆動カラー184(
図18)のそれぞれのリム184aおよび184bを係合するために、そこにおいて丸い駆動表面182aおよび182bを含む。駆動表面182a、182bは、長手方向軸A−Aに沿って配置されることにより、ピボットボス180の周りの可動ハンドル22の旋回運動が、長手方向軸A−Aに沿う駆動カラー184の対応する長手方向運動を誘起する。
【0057】
ここで
図18を参照すると、遠位長手方向運動は、矢印D3によって示されるように、可動ハンドル22(
図17)を用いて駆動カラー184の遠位リム184aを押すことによって接続機構176に与えられ得る。遠位リム184aは、カラーストップ88a(
図3)、88bおよび88cを係合する。従って、駆動カラー184の遠位長手方向運動は、ジョー駆動ロッド80の対応する遠位運動を誘起するために、ジョー駆動ロッド80に直接に伝達される。近位長手方向運動は、矢印D4によって示されるように、可動ハンドル22(
図17)を用いて駆動カラー184の近位リム184bを押すことによって接続機構176に与えられ得る。近位リム184bは、近位リム184bとバネキーパー192との間に拘束される圧縮バネ188を係合する。バネキーパー192は、ジョー駆動ロッド80のバネストップ88d(
図3)および88eを係合する。従って、駆動カラー184の近位運動は、圧縮バネ188およびバネキーパー192を介してジョー駆動ロッド80に伝達される。
【0058】
ジョー駆動ロッド80の近位運動は、カムピン92を近位方向に引き、
図10を参照して前述したように、エンドエフェクタ14を閉じた構成に移動するように互いに向かってジョー部材30、32を旋回させる。ジョー部材30および32が閉じられると、ジョー駆動ロッド80は、基本的に底に達する(すなわち、ジョー部材30、32が互いに接触するので、ジョー駆動ロッド80のさらなる近位移動が禁止される)。しかしながら、可動ハンドル22(
図17)のさらなる近位移動は、駆動カラー184を近位方向に移動させ続ける。駆動カラー184のこの続けられた近位移動は、バネ188を圧縮する。圧縮されると、バネ188は、ジョー駆動ロッド80に追加の力を与え、これは、結果としてジョー部材30と32と(
図2Bを参照)の間に捕えられた組織に適用される追加の閉鎖力を生じさせる。バネ188は、ジョー部材30、32および可動ハンドル22を開いた構成に付勢するようにも機能する。
【0059】
回転スペーサ196は、ジョー駆動ロッド80の近位端において支持される。回転スペーサ196は、ジョー駆動ロッド80の不規則な断面を受け取る内部通路(示されていない)を含む。回転スペーサ196の外側表面は、概ね円筒形であり、従って、回転スペーサ196は、長手方向軸A−Aの周りのジョー駆動ロッド80の回転(例えば、回転ノブ28(
図17)の回転によって誘起される回転)を介して、ハウジング12(
図17を参照)内においてジョー駆動ロッド80の近位端を支持し得る。いくつかの実施形態において、例えば、回転スペーサ196とバネキーパー192との間の長手方向並進が要求されない実施形態において、回転スペーサ196およびバネキーパー192は、仮想線で描かれた単一のコンポーネントとして構成され得る。単一コンポーネントのバネキーパー192および回転スペーサ196は、ダウエルピン(示されていない)によってジョー駆動シャフト80に結合され得る。
【0060】
再び
図17を参照すると、トリガー26は、トリガー26から突起するピボットボス202の周りに、ハウジング12の中に旋回可能に支持される。トリガー26は、ナイフ接続機構204によってナイフ102(
図11)に動作可能に結合されることにより、トリガー26のピボット運動は、ナイフ102の長手方向運動を誘起する。ナイフ接続機構204は、トリガー26の上部フランジ26a、26bと、リンク208と、ナイフカートリッジ210とを含む。リンク208は、フランジ26a、26bおよびナイフカートリッジ210に結合されることにより、トリガー26の旋回運動は、ナイフカートリッジ210の長手方向運動を誘起する。
【0061】
ここで
図19を参照すると、ナイフカートリッジ210は、ジョー駆動ロッド80の運動と独立して、ジョー駆動ロッド80にわたって長手方向に移動可能である。従ってジョー駆動ロッド80は、ナイフカートリッジ210の移動に対して固定の基準と見なされ得る。ナイフカートリッジ210は、スリーブ212、ナイフリム216およびキャップ218を含む。
【0062】
ナイフリム216は、ピボットボス216aを含み、リンク208(
図21Cを参照)は、ピボットボス216aの周りにナイフアーム216に結合される。
図21Cを参照して以下に説明されるように、リンク208は、矢印A9の遠位方向にナイフカートリッジ210に長手方向移動を与える。ガイドアーム216bは、ナイフリム216の近位端から側方に突起し、ナイフカートリッジ210の長手方向運動をガイドするために、ハウジング12の中に規定されたそれぞれのガイドスロット12c(
図19において概略的に示され、かつ、
図21Cにおいて見える)を係合する。
【0063】
スリーブ212は、ナイフリム216に結合され、従ってスリーブ212は、ナイフリム216と一緒に並進する。スリーブ212は、そこに規定された刻み目またはキャッチ212aを含み、刻み目またはキャッチ212aは、キャップ218のスナップインアーム218aを受け取る。従って、キャップ218は、スリーブ212に組み立てられ得ることにより、キャップ218およびスリーブ212が一緒に並進する。従って、全ナイフカートリッジ210、すなわち、ナイフバー216、スリーブ212およびキャップ218の全ては、矢印A9の方向に、ジョー駆動ロッド80と一緒に並進するように誘起され得る。ナイフカートリッジ210が矢印A9の方向に並進する場合、ナイフカートリッジ210は、回転ノブ28(
図19において概略的に示される)に対して圧縮されるバネ219に接する。バネ219は、近位方向に、ジョー駆動ロッド80に沿って近位位置にナイフカートリッジ210を付勢する。
【0064】
ここで
図20を参照すると、ナイフ102は、ナイフカートリッジ210に結合されることにより、ナイフカートリッジ210の長手方向運動がナイフ102に送達される。ナイフ102から突起する近位タブ108a、108bは、スリーブ212とキャップ218との間に捕えられ、従って、ナイフ102は、近位方向と遠位方向との両方においてナイフカートリッジ210とともに並進する。近位タブ108a、108bは、スリーブ212の内において長手方向軸A−Aの周りに回転するように自由であり、従って、ナイフ102は、回転ノブ28が前述のように回転されると、ナイフカートリッジ210内においてジョー駆動ロッド80と一緒に回転し得る。
【0065】
ここで
図21A、21B、21Cおよび21Dを参照すると、一連の運動は、ジョー30、32を閉じるために、ジョー駆動機構の運動を誘起するように可動ハンドル22を移動することによって、およびジョー30、32を通してブレード56を並進させるために、ナイフ作動機構の運動を誘起するようにトリガー26を移動することによって始動され得る。最初に、可動ハンドル22とトリガー26との両方は、
図21Aに描かれたように、遠位または作動されていない位置にある。可動ハンドル22およびトリガー26のこの配置は、ジョー部材30、32が実質的に互いから離間される開いた構成(
図2A)にエンドエフェクタ14を維持し、ナイフブレード56は、ジョー部材30、32に対して収縮された位置または近位位置にある。トリガー26の最初の遠位位置は、ナイフ作動機構上のバネ219の影響によって能動的に維持される。しかしながら、可動ハンドル22の遠位位置は、例えば、ジョー作動機構の中の内部摩擦によって単に受動的に維持される。可動ハンドル22とトリガー26との両方が、遠位の作動されていない位置にある場合、近位方向の(すなわち、固定ハンドル20に向かう)ナイフトリガー26の旋回運動は、トリガー26と可動ハンドル22との間の干渉によって禁止される。この干渉は、エンドエフェクタ14が開いた構成にある場合、ジョー部材30、32を通るナイフブレードの前進を禁止する。
【0066】
可動ハンドル22は、ジョー部材30、32を閉じた構成(
図2B)に移動するために、
図21Aの遠位位置から
図21Bに描かれた中間位置に移動され得る。可動ハンドル22が、矢印M1の方向でピボットボス180の周りに旋回すると、駆動表面182bは、駆動カラー184の近位リム184bを係合する。駆動カラー184、バネ188およびバネキーパー192の全ては、ジョー駆動ロッド80のバネストップ88dおよび88eに対して近位方向に駆動され、従って、ジョー駆動ロッド80は、矢印M2の方向へ近位に駆動される。
図10を参照して前述されるように、ジョー駆動ロッド80の近位移動は、ジョー部材30、32のカムスロット30c、32cを介してカムピン92を近位方向に引き抜き、従ってジョー部材30、32を互いに向かって旋回するように機能する。ジョー部材30、32が互いに係合し、かつ、ジョー部材30、32のさらなる旋回移動が達成されない場合、ジョー作動機構は、「底に達し」、かつ、カムピン92およびジョー駆動ロッド80のさらなる近位移動が禁止される。
【0067】
可動ハンドル22は、ジョー部材30、32によって適用される圧力を増大させるために、
図21Bの中間位置から
図21Cの作動された位置または近位位置に移動され得る。可動ハンドル22が、矢印M3の方向へピボットボス180の周りにさらに旋回すると、駆動表面182bは、矢印M4の方向へバネ188に対して、駆動カラー184の近位リム184bをさらに遠位に押す。バネ188は、バネキーパー192に対して圧縮され、張力は、ジョー駆動ロッド80を介してジョー部材30、32に送達される。バネ188によって供給される張力は、ジョー部材30、32が組織密封をもたらすために適切な圧力を適用することを確実にする。可動ハンドル22が作動された位置または近位位置にある場合、電気外科手術エネルギーは、組織密封を生成するために、エンドエフェクタ14に選択的に供給され得る。
【0068】
可動ハンドル22が作動された位置または近位位置にある場合、可動ハンドル22上のフランジ22aは、固定ハンドル20内に支持されたレールウェー20aの中に受け取られる。レールウェー20aは、バネ188の付勢に対抗して近位位置に可動ハンドル22を一時的に係止するように機能し、これは、可動ハンドル22を、
図21Cの近位位置から
図21Bの中間位置に付勢する。従って、レールウェー20aは、可動ハンドル22上において圧力を能動的に維持することなしに、エンドエフェクタ14において圧力の維持を可能にする。フランジ22aは、可動ハンドル22を近位方向に旋回させることと、バネ188の影響下で移動するように可動ハンドル22を解放することとによってレールウェー20aから解放され得る。レールウェー20aの動作は、Hixonらの米国特許出願第11/595,194号(同米国特許第7,766,910号)においてより詳細に説明されている。いくつかの実施形態(示されていない)において、フランジ22aおよびレールウェー20aは、これらの特徴によって提供された一時的係止能力を有しない器具を提供するように省略され得る。
【0069】
可動ハンドル22が作動された位置または近位位置にある場合、ナイフトリガー26は、
図21Cの遠位位置から
図21Dの近位位置に選択的に移動され、ジョー部材30、32を通してナイフブレード56を前進させ得る。ナイフトリガー26は、矢印M5の方向へピボットボス202の周りに旋回され、矢印M6の方向へナイフトリガー26のフランジ26bを遠位方向に前進させ得る。フランジ26bの移動は、リンク208をトリガー26のフランジ26bに対して、かつ、ナイフアーム216に対して旋回させることにより、リンク208が、矢印M7の方向へナイフカートリッジ210を遠位方向に引き抜く。
図11および19〜20を参照して前述されるように、ナイフカートリッジ210の遠位移動は、ジョー部材30、32を通してナイフブレード56を遠位方向に前進させる。
【0070】
ここで
図22〜29を参照すると、さまざまな代替的なコンポーネントが説明され、それらは、特定の機能を外科手術器具に提供するために、前述のように、類似の名前のコンポーネントに対して個別に、または組み合わせて代用され得る。
図22を参照して、エンドエフェクタ220の代替的な実施形態は、それぞれ、組織の鈍い切開を容易にするように構成されている上部ジョー部材222および下部ジョー部材224を含む。各々のジョー部材222、224は、遠位先端部の少し隆起した部分222b、224bから突起するレッジ222a、224aを有する扇形遠位端を示す。エンドエフェクタ220が描かれる閉じた構成にある場合、レッジ222a、224aは切開されるべき組織の中に押され得る。そして、エンドエフェクタ220は、開いた構成に移動され、ジョー部材222、224と、レッジ222a、224aによって把持された任意の組織を分離し得る。
【0071】
レッジ222a、224aは、電気絶縁性の材料、例えば、
図23に描かれる絶縁体230から構成され得る。上部ジョー部材222は、二重フラッグジョーインサート234、絶縁体230および密封プレート238を含む3つの主要なコンポーネントから構成される。絶縁体230は、単一ショット成形動作において二重フラッグジョーインサート234のU形チャンネル236と密封プレート238との上に成形され得る。絶縁体230は、U形チャンネル236を完全に囲み得、その遠位端でのレッジ224a(
図22)およびその近位端でのワイヤガイド240のようなさまざまな特徴を含み得る。
【0072】
ワイヤガイド240は、絶縁体230の一部分であり、二重フラッグジョーインサート234の側面に、前述のように密封プレート238を電気外科手術ジェネレータ40(
図1)に結合するワイヤ46bにわたって成形される。ワイヤガイド240は、ピボットピン44(
図24)に隙間を提供するために孔244を含み、上部ジョー部材222の単一の側面に配置される。下部ジョー部材224(
図22)は、同様なワイヤガイド(示されていない)を含み得、上部ジョー部材222および下部ジョー部材224が、
図24に描かれた「オフセット」配置において外側シャフト部材250に組み立てられる場合、ワイヤガイドは、対向する側面に位置決めされる。従って、ワイヤガイド240は、上部ジョー部材222がピボットピン44の周りに旋回する場合、外側シャフト部材250からの磨耗からワイヤ46bを保護し得る。
【0073】
ここで
図25を参照すると、回転ノブ260は、2つの異なるコンポーネント262および264から構成される。外部コンポーネント262は、使用中オペレータによって係合され得る把持表面268を提供する。外部コンポーネント262は、プラスチックまたは類似な材料からの成形を容易にするために、概して薄い壁構造を示す。内側壁部分270は、スナップ嵌めの方法で回転ノブ260の内側コンポーネント264を係合するように提供される。内側コンポーネント264は、回転ノブ260を外側シャフト部材250に結合するための遠位係合部分272(
図27を参照)と、そこから近位へ延在する円形ボス276とを含む。円形ボス276は、その外側円周から放射状に突起する、半径方向に離間される戻り止め278と、そこから長手方向に突起する近位延在部280とを含む。戻り止め278および近位延在部280は、
図28を参照して以下に説明される回転ノブ260の回転制限を規定する。
【0074】
ここで
図26および27を参照すると、外側シャフト部材250は、スナップ嵌めの方法で回転ノブ260に結合され得る。外側シャフト部材250は、その近位端の付近の垂直の側壁250a、250bを通って延在する1対の長方形開口部284を含む。長方形開口部284は、外側シャフト部材250の近位端に可撓性を提供することにより、側壁250a、250bの近位端における1対のラッチ288が、回転ノブ260の内部コンポーネント264の遠位係合部分272内に設置される。遠位係合部分272は、テーパー状の壁272a、272bを含み、テーパー状の壁272a、272bは、外側シャフト部材250が壁272aと272bとの間に長手方向に挿入されると、ラッチ288を一時的に側方内側へ押すためのものである。ラッチ288が壁272a、272bを超えて近位に挿入されると、ラッチ288は、外側シャフト部材250の弾力性がラッチを側方外側へ押すにつれて、適所にはめ込む。従って、外側シャフト部材250は、回転ノブ260に動作可能に結合され得る。
【0075】
ここで
図28を参照すると、回転ノブ260の回転運動は、ハウジング302へのその接続によって制限され、ハウジング302は、右ハウジングの半分302aと左ハウジングの半分302bとを含む。ストップ304は、ハウジングの半分302bから側方内側に突起し、かつ、近位延長部280を係合するように位置決めされ、(一実施形態において)いずれかの方法で180度より大きい角度の回転ノブの回転運動を防ぐ。回転ノブ260の外側円周から延在する1対の戻り止め278は、ハウジングの半分302bから突起する1対のカンチレバーアーム306を係合する。カンチレバーアーム306との戻り止め278の係合は、回転ノブ260とハウジング302との間の比較的に安定な関係を規定する。一実施形態において、戻り止め278は、約90度で放射状に離間されることにより、少なくとも3つの比較的に安定な位置が、近位延長部280およびストップ304によって可能にされた回転の範囲の中に規定され得る。これらの位置は、ジョー部材222および224(
図22)が内側方向に左へ曲がり、ユーザーの視点から右へ曲がる構成に対応し得る。回転ノブ260の回転を制限するためのコンポーネントの全ては、ハウジング302の内部において規定され、従って、外部材料からの干渉が限定される。
【0076】
外側シャフト部材250、回転ノブ260およびハウジング302は、長手方向通路を規定し、ジョー駆動ロッド80、ナイフ102およびワイヤ導管78aおよび78bがこの通路を通って延在し得る。回転ノブ260は、内部棚(示されていない)も含み得、バネ219が、内部棚に対して圧縮され得る(圧縮された状態のバネ219の説明のための
図21Dを参照)。
【0077】
ここで
図29を参照すると、ナイフカートリッジ310は、ナイフに対するナイフカートリッジ310の相対的回転によってナイフ102に動作可能に結合される。ナイフカートリッジ310は、(
図19を参照して前述されたように、ナイフ102を捕えるためのキャップ218とスリーブ212との両方を含むナイフカートリッジ210と比較して)、単一のコンポーネントを含む。ナイフカートリッジ310の開口部312は、ナイフ102の近位タブ108a、108bを受け取る。矢印Q1の方向におけるナイフカートリッジ310の回転は、ナイフカートリッジの近位レッジに対して近位タブ108a、108bを捕える。従って、長手方向運動は、ナイフカートリッジ310とナイフ102との間に送達され得る。
【0078】
本開示のいくつかの実施形態が図面において示されたが、本開示が、当技術分野が許容する範囲と同程度に広く、明細書が同様に読まれることが意図されるので、本開示が実施形態に限定されないことが意図される。それゆえに、上記説明は、限定するものとしてではなく、むしろ特定の実施形態の代表的な例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付した請求項の範囲および精神内の他の変更を想定する。
【0079】
前述の開示が、明確また理解の目的のために、例示および例を通じてある程度に詳細に説明されたが、ある変化および変更は添付された請求項の範囲内に実践され得ることが明白である。