特許第6104705号(P6104705)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104705
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】後方小旋回型の油圧ショベル
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/16 20060101AFI20170316BHJP
【FI】
   E02F9/16 H
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-107070(P2013-107070)
(22)【出願日】2013年5月21日
(65)【公開番号】特開2014-227702(P2014-227702A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2015年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】398071668
【氏名又は名称】株式会社日立建機ティエラ
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】特許業務法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹岡 直紀
(72)【発明者】
【氏名】樋口 隆司
(72)【発明者】
【氏名】田中 友幸
(72)【発明者】
【氏名】小堀 真嗣
【審査官】 竹村 真一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−030248(JP,A)
【文献】 特開2011−116253(JP,A)
【文献】 再公表特許第2011/061993(JP,A1)
【文献】 特開平10−280481(JP,A)
【文献】 特開2003−138603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00−9/18
E02F 9/24−9/28
B60R 3/00−7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、
前記上部旋回体は、前記下部走行体の車幅とほぼ等しい左,右方向の幅寸法を有し、かつ旋回中心を中心とした旋回半径の仮想円内に収まり、前記下部走行体上で旋回したときにカウンタウエイトの後面が前記下部走行体の車幅内に収まるように形成されており
前記上部旋回体は、支持構造体を形成する旋回フレームと、前記旋回フレーム上の前側に設けられ前方に向けてオペレータが着席する運転席を有するキャブと、該キャブ内に位置して前記運転席を挟んで左,右両側に設けられた左,右のコンソール装置とを備えており
前記左,右のコンソール装置は、前,後方向に延びた箱体からなる左,右のコンソールボックスと、該左,右のコンソールボックスの前側に取付けられ前記作業装置を操作するために前記運転席に着席したオペレータによって操作されるレバー部を有する左,右の操作レバーとにより構成してなる後方小旋回型の油圧ショベルにおいて、
前記キャブは、前記上部旋回体を旋回動作させたときに前記旋回半径の仮想円から突出しないように、平面視で、前面板、後面板、左前側面板、左後側面板、右面板、天面板により五角形状の箱体として形成されており
前記キャブの上方から見た平面視で、前記左,右のコンソール装置のうち、少なくとも左コンソール装置の左コンソールボックスは、前記運転席に対する左,右方向の間隔が、前記運転席の後側で広く前側で狭くなるように傾斜して配置される構成とし、
前記左コンソール装置の左コンソールボックスは、上方からみて長方形状をなす中空な箱体として形成され、左,右方向で間隔をもって対面した左側面部,右側面部と、該各側面部間の上側を覆った上面部とを有しており
前記キャブの左前側面板は、前記左コンソール装置の左コンソールボックスの左側面部に対面する左面位置に、後側から前側に向け前記左コンソールボックスに近付くように傾斜されており
前記左コンソールボックスの左側面部は、前記キャブの前記左前側面板に沿わせて平行に延びるように傾斜して配置される構成としたことを特徴とする後方小旋回型の油圧ショベル。
【請求項2】
前記運転席の中心を通って前,後方向に延びる直線を運転席中心線としたときに、少なくとも前記左コンソール装置は、前記コンソールボックスの長さ方向に延びるコンソール中心線と前記運転席中心線との間隔寸法を、後側で大きく前側で小さくなるように前記運転席に対して斜めに配置される構成としてなる請求項1に記載の後方小旋回型の油圧ショベル。
【請求項3】
前記左コンソール装置のコンソールボックスの左側面部と当該左側面部に対面する前記キャブの左前側面板との間には、平面視で前,後方向に延びる長方形状の空間設けられる構成としてなる請求項1または2に記載の後方小旋回型の油圧ショベル。
【請求項4】
前記左コンソール装置は、前記左コンソールボックス前記キャブの前記左前側面板に沿わせて傾斜して配置される構成としてなる請求項1または2に記載の後方小旋回型の油圧ショベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば後方小旋回型の油圧ショベルに関し、特に、運転席を挟んで左,右両側にコンソール装置が設けられた後方小旋回型の油圧ショベルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械の代表例である油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体とにより車体が構成され、上部旋回体の前側には作業装置が俯仰動可能に設けられている。
【0003】
上部旋回体には、前方に向けてオペレータが着席する運転席を有するキャブと、該キャブ内に位置して前記運転席を挟んで左,右両側に配置された左,右のコンソール装置とが設けられている。これら左,右のコンソール装置は、前,後方向に延びた箱体からなるコンソールボックスと、該コンソールボックスの前側に取付けられ前記作業装置を操作するために前記運転席に着席したオペレータによって操作されるレバー部を有する操作レバーとにより構成されている。さらに、キャブは、フロア部材上に運転席を有し、該運転席の周囲と上部を覆うようにキャブボックスが設けられている。
【0004】
ここで、昨今の油圧ショベルは、狭い作業現場でも作業できるように、上部旋回体が上方から見て円形状に形成され、例えば後方超小旋回型と呼ばれている。この後方超小旋回型の油圧ショベルは、上部旋回体が下部走行体の車幅にほぼ収まった状態で、この車幅の範囲で旋回動作できるように構成されている。
【0005】
この場合、キャブは、オペレータが搭乗するものであるから、キャブは、上部旋回体を旋回動作させたときに周囲の障害物に衝突しないように、旋回動作時に描かれる円形状の範囲から突出しないように配置されている。しかし、後方超小旋回型の油圧ショベルでは、上部旋回体が小型化されており、キャブの設置に使用できる面積も小さくなっている。このために、平面視で四角形状をしたキャブボックスを円形状の範囲内に収めるためには、キャブボックスは、左,右方向の幅寸法が小さくなり、内部の居住空間が小さくなってしまう。
【0006】
そこで、後方超小旋回型の油圧ショベルに用いられるキャブボックスには、その左面が前述した円形状の範囲から突出しないように、前,後方向の中間部が山形の頂点となり、前,後方向の端部を引込めることにより、五角形状に形成したものがある。これにより、後方超小旋回型の油圧ショベルでは、キャブボックスが上方から見て五角形状に形成され、キャブボックスの左面は、その前側位置が後側から前側に向け左コンソール装置(運転席)に近づくように傾斜して形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−287391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上部旋回体が小型化された後方超小旋回型の油圧ショベルでは、オペレータが操作を行うキャブボックスも小型化の対象となるから、このキャブボックス内では、運転席、左,右のコンソール装置を接近して配置しなくてはならず、作業環境が悪いという問題がある。特に、五角形状のキャブボックスでは、左面の前側位置が運転席側に傾斜している。従って、左コンソール装置は、左面の前側位置を避けるために、運転席に対して左,右のコンソール装置を近付けて配置しなくてはならず、より一層作業環境が悪くなるという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、左コンソール装置をオペレータの着席位置から左,右方向に離れた位置に配置でき、運転席の大型化、作業空間の拡大によって作業環境を良好にできるようにした後方小旋回型の油圧ショベルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による後方小旋回型の油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、前記上部旋回体は、前記下部走行体の車幅とほぼ等しい左,右方向の幅寸法を有し、かつ旋回中心を中心とした旋回半径の仮想円内に収まり、前記下部走行体上で旋回したときにカウンタウエイトの後面が前記下部走行体の車幅内に収まるように形成されており、前記上部旋回体は、支持構造体を形成する旋回フレームと、前記旋回フレーム上の前側に設けられ前方に向けてオペレータが着席する運転席を有するキャブと、該キャブ内に位置して前記運転席を挟んで左,右両側に設けられた左,右のコンソール装置とを備えており、前記左,右のコンソール装置は、前,後方向に延びた箱体からなる左,右のコンソールボックスと、該左,右のコンソールボックスの前側に取付けられ前記作業装置を操作するために前記運転席に着席したオペレータによって操作されるレバー部を有する左,右の操作レバーとにより構成してなる。
【0011】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記キャブは、前記上部旋回体を旋回動作させたときに前記旋回半径の仮想円から突出しないように、平面視で、前面板、後面板、左前側面板、左後側面板、右面板、天面板により五角形状の箱体として形成されており、前記キャブの上方から見た平面視で、前記左,右のコンソール装置のうち、少なくとも左コンソール装置の左コンソールボックスは、前記運転席に対する左,右方向の間隔が、前記運転席の後側で広く前側で狭くなるように傾斜して配置される構成とし、前記左コンソール装置の左コンソールボックスは、上方からみて長方形状をなす中空な箱体として形成され、左,右方向で間隔をもって対面した左側面部,右側面部と、該各側面部間の上側を覆った上面部とを有しており、前記キャブの左前側面板は、前記左コンソール装置の左コンソールボックスの左側面部に対面する左面位置に、後側から前側に向け前記左コンソールボックスに近付くように傾斜されており、前記左コンソールボックスの左側面部は、前記キャブの前記左前側面板に沿わせて平行に延びるように傾斜して配置される構成としたことにある。
【0012】
請求項2の発明は、前記運転席の中心を通って前,後方向に延びる直線を運転席中心線としたときに、少なくとも前記左コンソール装置は、前記コンソールボックスの長さ方向に延びるコンソール中心線と前記運転席中心線との間隔寸法を、後側で大きく前側で小さくなるように前記運転席に対して斜めに配置される構成としたことにある。
【0014】
請求項3の発明は、前記左コンソール装置のコンソールボックスの左側面部と当該左側面部に対面する前記キャブの左前側面板との間には、平面視で前,後方向に延びる長方形状の空間設けられる構成としたことにある。
【0015】
請求項4の発明は、前記左コンソール装置は、前記左コンソールボックス前記キャブの前記左前側面板に沿わせて傾斜して配置される構成としたことにある。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、左,右のコンソール装置は、運転席を挟んで左,右両側に設けられている。この上で、左,右のコンソール装置のうち、少なくとも左コンソール装置の左コンソールボックスは、キャブの上方から見た平面視で、運転席に対する左,右方向の間隔が、運転席の後側で広く前側で狭くなるように傾斜して配置されている。ここで、キャブは、平面視で、前面板、後面板、左前側面板、左後側面板、右面板、天面板により五角形状の箱体として形成され、前記キャブの左前側面板は、前記左コンソール装置の左コンソールボックスの左側面部に対面する左面位置に、後側から前側に向け前記左コンソールボックスに近付くように傾斜されている。この上で、左コンソール装置は、そのコンソールボックスの左側面部を前記キャブの左前側面板に沿わせて平行に延びるように傾斜して配置する構成としている。このように、例えば、キャブの左前側面板が後側から前側に向けて左コンソール装置の左コンソールボックスの左側面部に近付くように傾斜することにより、傾斜させた左コンソール装置のコンソールボックスを、キャブの左前側面板に対して接近して平行に延びるように傾斜して配置することができる。
【0017】
従って、左コンソール装置は、運転席から離間して配置することができるから、左コンソール装置の左コンソールボックスと運転席との間に空間を確保することができる。この結果、左コンソール装置の左コンソールボックスと運転席との間の空間を利用することで、例えば、運転席を座り心地の良い大きなものに変更することができ、作業環境を良好にすることができる。特に、左コンソール装置の左コンソールボックスは、運転席に対する左,右方向の間隔を、運転席の後側で広く形成しているから、オペレータは余裕をもって腰を下ろすことができる。一方、左コンソール装置の左コンソールボックスとキャブとの間の空間を利用することで、例えば、各種物品を収容するポケット等の収容空間を設けることができる。
即ち、左コンソール装置は、コンソールボックスをキャブの左前側面板に沿わせて平行に延びるように傾斜して配置させることができるから、左コンソール装置の左コンソールボックスを左前側面板に接近した位置に配置することができる。または、左コンソール装置の左コンソールボックスと左前側面板との間に使い勝手のよい有効な空間を設けることができる。この結果、左コンソール装置の左コンソールボックスを左前側面板に接近した位置に配置したときには、運転席の周囲に空間を形成することができるから、運転席を座り心地の良い大きなものに変更することができ、作業環境を良好にすることができる。一方、左コンソール装置の左コンソールボックスと左前側面板との間に有効な空間を設けたときには、この空間に各種物品を収容するポケット等の収容部を設けることができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、左コンソール装置のコンソールボックスの中心を通るコンソール中心線と運転席の中心を通る運転席中心線との間隔寸法を、後側で大きく前側で小さくなるように運転席に対して斜めに配置している。これにより、各コンソール装置は、後側から前側に向け運転席側に傾斜して配置することができる。この結果、左コンソール装置は、運転席またはキャブの左面との間に空間を確保することができ、運転席の大型化や作業空間の拡大、収容機能の充実等を図ることができる。
【0022】
請求項の発明によれば、左コンソール装置のコンソールボックスの左側面部とキャブの左前側面板との間には、平面視で前,後方向に延びる長方形状の空間を設けることができる。この場合、長方形状の空間は、三角形のように歪な形状の空間とは異なり、様々なものを設置、形成するのに使い勝手のよい整った形状の空間となっている。これにより、例えば、キャブの左前側面板には、物品の収容部を設けることができる。
【0023】
請求項の発明によれば、左コンソール装置は、そのコンソールボックスを前記キャブの左前側面板に沿わせて傾斜して配置する構成としている。
【0024】
従って、左コンソール装置は、コンソールボックスをキャブの左前側面板に沿わせて傾斜させることができるから、左コンソール装置を左前側面板に接近した位置に配置することができる。または、左コンソール装置と左前側面板との間に使い勝手のよい空間を設けることができる。
【0025】
この結果、左コンソール装置を左前側面板に接近した位置に配置したときには、運転席の周囲に空間を形成することができるから、運転席を座り心地の良い大きなものに変更することができ、作業環境を良好にすることができる。一方、左コンソール装置と左前側面板との間に有効な空間を設けたときには、この空間に各種物品を収容するポケット等の収容部を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1の実施の形態による後方小旋回型の油圧ショベルを示す正面図である。
図2】作業装置の一部を省略した後方小旋回型の油圧ショベルを拡大して示す平面図である。
図3】キャブ、左,右のコンソール装置等を拡大して示す外観斜視図である。
図4】運転席と各コンソール装置とキャブボックスとの配置関係を拡大して示す横断面図である。
図5】フロア部材、運転席、左コンソール装置等を示す正面図である。
図6】左コンソール装置を一部破断して示す要部拡大の正面図である。
図7】比較例による左コンソール装置を運転席、右コンソール装置、キャブボックス等と一緒に示す横断面図である。
図8】本発明の第2の実施の形態による運転席と各コンソール装置とキャブボックスとの配置関係を図4と同様位置から見た横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態に係る後方小旋回型の油圧ショベルを、添付図面に従って詳細に説明する。
【0028】
図1ないし図6は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は後方小旋回型の油圧ショベルとしてのキャブ仕様の油圧ショベルである。この油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載され該下部走行体2と共に車体を構成する上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に揺動および俯仰動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行うスイング式の作業装置4とにより構成されている。
【0029】
作業装置4は、後述する旋回フレーム5の支持ブラケット5Aに揺動可能かつ俯仰動可能に取付けられたブーム4Aと、該ブーム4Aの先端部に俯仰動可能に取付けられたアーム4Bと、該アーム4Bの先端部に回動可能に取付けられたバケット4Cと、前記ブーム4Aを俯仰動するブームシリンダ4Dと、前記アーム4Bを俯仰動するアームシリンダ4Eと、前記バケット4Cを回動するバケットシリンダ4Fとを含んで構成されている。これらのシリンダ4D,4E,4Fを伸長、縮小させることにより、作業装置4を作動させることができる。
【0030】
ここで、上部旋回体3は、図2に示すように、下部走行体2の車幅とほぼ等しい左,右方向の幅寸法を有し、かつ旋回中心を中心とした旋回半径の仮想円(図示せず)内に収まるように、平面視でほぼ円形状に形成されている。これにより、油圧ショベル1は、上部旋回体3が下部走行体2上で旋回中心を中心として旋回したときに、後述するカウンタウエイト10の後面がほぼ下部走行体2の車幅内に収まる後方超小旋回型の油圧ショベルとして構成されている。そして、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム5、キャブ12、左,右のコンソール装置19,23を含んで構成されている。
【0031】
5は上部旋回体3の支持構造体を構成する旋回フレームである。この旋回フレーム5の前側には、作業装置4を左,右方向に揺動可能に支持するための支持ブラケット5Aが前側に突出して設けられている。
【0032】
6は旋回フレーム5の後側に搭載されたエンジン(図2中に点線で図示)である。このエンジン6は、油圧ポンプ7を駆動するものであり、旋回フレーム5上に左,右方向に延在する横置き状態で配置されている。一方、エンジン6の前側には、旋回フレーム5の右側に位置して作動油タンク8と燃料タンク9が左,右方向に並んで配置されている。
【0033】
10はエンジン6の後側に位置して旋回フレーム5の後部に取付けられたカウンタウエイトである。このカウンタウエイト10は、作業装置4との重量バランスをとるもので、後面の中央位置が後向きに突出した凸湾曲形状に形成されている。
【0034】
11は後述のキャブ12の後側から右側に亘って旋回フレーム5上に設けられた外装カバーである。この外装カバー11は、旋回フレーム5上に搭載されたエンジン6等の機器を覆うものである。
【0035】
12は旋回フレーム5上の左前側に設けられたキャブ(図1図2参照)を示している。このキャブ12は、油圧ショベル1を操作するオペレータの居住空間を形成するもので、五角形状の箱体として形成されている。キャブ12は、後述のフロア部材13、運転席14、キャブボックス16等により構成されている。
【0036】
13はキャブ12のベースとなるフロア部材である。このフロア部材13は、図3図5に示すように、オペレータが搭乗する足場を形成するもので、例えば鋼板等を用いて形成されている。フロア部材13は、例えば、後述するキャブボックス16の形状に合わせて五角形状の板体として形成され、前,後位置および左,右位置の四隅が防振マウント(図示せず)を介して旋回フレーム5上に取付けられている。さらに、フロア部材13の後側寄りには、運転席取付台13Aが設けられ、該運転席取付台13A上には、後述の運転席14、左,右のコンソール装置19,23等が配設されている。
【0037】
14はオペレータが着座するためにフロア部材13に設けられた運転席である。この運転席14は、運転席取付台13A上に着座位置調整装置15を介して取付けられている。これにより、運転席14は、着座位置調整装置15によって前,後方向および上,下方向に移動させることができ、オペレータの体格、好みに合わせて着座位置を調整することができる。一方、運転席14の左,右両側には、作業装置4等を操作する後述のコンソール装置19,23が配設され、運転席14の前方には、下部走行体2を走行させるときに手動操作または足踏み操作によって操作する走行レバー・ペダル装置27が配設されている。
【0038】
ここで、運転席14は、当該運転席14を挟む位置に配置された左,右のコンソール装置19,23のうち、左コンソール装置19をキャブボックス16の左面板16H側に接近した位置に配置した場合には、左,右のコンソール装置19,23間の離間寸法を広げることができ、幅寸法が大きく座り心地の良好な大型な運転席を設置することができる。さらに、運転席14と左コンソール装置19との間には、後側に位置して後述する長方形状の空間S2が設けられている。
【0039】
16はフロア部材13上に運転席14の周囲と上方を覆って設けられたキャブボックスである。このキャブボックス16は、内部にオペレータが居住するための運転室を画成し、運転席14、左,右のコンソール装置19,23、左,右の走行レバー・ペダル装置27等を収容するものである。
【0040】
キャブボックス16は、図3図4に示すように、左前ピラー16Aと、右前ピラー16Bと、左後ピラー16Cと、右後ピラー16Dと、左中間ピラー16Eとを有し、左前ピラー16Aと右前ピラー16Bとの間に設けられた前面板16Fと、左後ピラー16Cと右後ピラー16Dとの間に設けられた後面板16Gと、左前ピラー16Aと左後ピラー16Cとの間に設けられた左面板16Hと、右前ピラー16Bと右後ピラー16Dとの間に設けられた右面板16Jと、各ピラー16A〜16Eの上端側に設けられた天面板16Kとによって有蓋な箱状体として形成されている。
【0041】
ここで、キャブボックス16は、円形状をした上部旋回体3の左側に配置されている。この場合、上部旋回体3を旋回動作させたときに、キャブボックス16が周囲の障害物に衝突しないように、旋回動作時に描かれる旋回半径の仮想円から突出しないように配置されている。しかし、小型化された上部旋回体3には、キャブ12を設置するために大きなスペースを確保することはできない。このために、平面視で四角形状をしたキャブボックスでは、設置スペースを有効利用できず、内部の居住空間が小さくなってしまう。
【0042】
そこで、キャブボックス16は、その左面板16Hが前述した仮想円から大きく突出しないように、左前ピラー16Aと左後ピラー16Cを右側に引込め、左中間ピラー16Eを左側に突出させることにより、左面板16Hを山形状に折り曲げて形成している。
【0043】
これにより、左面板16Hの前側位置は、後側の左中間ピラー16Eから左前ピラー16Aに向け左コンソール装置19に近付くように右側に傾斜した左前側面板16H1となっている。一方、左面板16Hの後側位置は、左中間ピラー16Eから左後ピラー16Cに向け右側に傾斜した左後側面板16H2となっている。このように、左面板16Hを前,後方向の中間部で折り曲げることにより、キャブボックス16は、平面視で五角形状(五角柱状)に形成され、これにより、内部の居住空間を確保しつつ、旋回半径の仮想円内に収めることができる。
【0044】
さらに、左面板16Hの左前側面板16H1に相当する左前ピラー16Aと左中間ピラー16Eとの間は、図3に示すように、オペレータがキャブボックス16に乗降するための乗降口17となっている。
【0045】
18は乗降口17を開閉可能に閉塞するためにキャブボックス16の左面板16Hに設けられたドアである(図4参照)。このドア18は、後側の端縁が左中間ピラー16Eに対し水平方向に回動可能に取付けられている。ドア18は、左面板16Hの左前側面板16H1を実態的に現す部材で、例えば内面パネル18Aと外面パネル18Bとを対面させて固着することにより形成されている。
【0046】
ここで、ドア18は、左コンソール装置19との間に後述の空間S1を形成し、この空間S1は、平面視で三角形のように歪な形状ではなく、前,後方向に延びる長方形状(四角形状)のように使い勝手のよい整った形状の空間となっている。これにより、ドア18の内面パネル18Aには、空間S1を利用してドアポケット18C(二点鎖線で図示)、スイッチ類(図示せず)等を設けることができる。
【0047】
次に、キャブ12内に位置して運転席14を挟んで左,右両側に設けられた左,右のコンソール装置19,23について述べる。
【0048】
19は運転席14の左側に配設された左コンソール装置を示している。この左コンソール装置19は、後述の右コンソール装置23との間で運転席14の前側部位を挟む位置、具体的には、キャブボックス16のドア18(左面板16Hの左前側面板16H1)に近い位置に配置されている。左コンソール装置19は、後述の左操作レバー20と左コンソールボックス22とにより構成されている。
【0049】
20は左コンソールボックス22と共に左コンソール装置19を構成する左操作レバーである。この左操作レバー20は、運転席14に着席したオペレータによって操作されるものであり、図3図5に示すように、ブラケット21を用いて運転席14の左前側に配設されている。そして、左操作レバー20は、図6に示すように、左コンソールボックス22内でブラケット21に取付けられた減圧弁型のパイロット弁20Aと、該パイロット弁20Aに取付けられ左コンソールボックス22の外部へと斜め上向きに突出したレバー部20Bとにより構成されている。
【0050】
ここで、パイロット弁20Aは、90°の角度間隔をもって同心円上に配置された4本のプッシャ20A1〜20A3(3本のみ図示)と、該各プッシャ20A1〜20A3を選択的に押圧する円板状のカム20A4とを備え、このカム20A4の中央にはレバー部20Bの下端部が取付けられている。
【0051】
左操作レバー20は、運転席14に着席したオペレータがレバー部20Bを左手で把持し、このレバー部20Bを前,後方向に傾転操作したときには、上部旋回体3が旋回動作を行い、レバー部20Bを左,右方向に傾転操作したときには、作業装置4のアーム4Bが俯仰動作を行うようになっている。
【0052】
22は左操作レバー20のパイロット弁20Aを収容する左コンソールボックスである。この左コンソールボックス22は、図4図6に示すように、例えば樹脂材料等を用い、上方からみて略長方形状をなす中空な箱体として形成されている。左コンソールボックス22は、前側が上向きに屈曲したL字状の板体からなり、左,右方向で間隔をもって対面した左,右の側面部22A,22Bと、該各側面部22A,22B間の上側を覆った上面部22Cと、前記各側面部22A,22B間の前側から下側を覆った下面部22Dとにより構成されている。
【0053】
ここで、図4に示すように、左コンソール装置19の左コンソールボックス22は、平面視で時計方向に回転させることにより、前側が運転席14側となる右側に傾いて配置されている。具体的には、運転席14の左,右方向の中心を通って前,後方向に延びる直線を運転席中心線A−Aとし、左コンソールボックス22の幅方向(上面部22C)の中心を通って長手方向に延びる直線を左コンソール中心線B−Bとすると、左コンソール中心線B−Bは、運転席中心線A−Aと平行な直線A′−A′に対して右側に角度α1だけ時計回りに傾いて配置されている。この場合の傾き角度α1は、例えば3°〜15°、好ましくは6°〜10°程度となっている。
【0054】
これにより、左コンソールボックス22の左コンソール中心線B−Bの後部側と運転席中心線A−Aとの間隔寸法R1が大きく、左コンソールボックス22の左コンソール中心線B−Bの前部側と運転席中心線A−Aとの間隔寸法F1が小さく設定されている(F1<R1)。
【0055】
このように、左コンソールボックス22を、運転席中心線A−Aとの間隔が後側で大きく前側で小さくなるように斜め右向きに配置することにより、左コンソールボックス22は、左,右方向の外側に対面しているキャブボックス16の左面板16Hの左前側面板16H1、即ち、ドア18の内面パネル18Aと沿うようにほぼ平行に配置することができる。
【0056】
従って、左コンソールボックス22の左側面部22Aとドア18の内面パネル18Aとの間に、平面視で前,後方向に延びる長方形状の空間S1を設けることができ、左コンソールボックス22の後部と運転席14との間に長方形状の空間S2(図4中にそれぞれ格子模様で図示)を設けることができる。
【0057】
これにより、空間S1を利用し、左側面部22Aをドア18の内面パネル18Aに接近させた位置に配置した場合には、左,右のコンソール装置19,23間の間隔寸法を大きくすることができ、運転席14の大型化や作業空間の拡大を図ることができる。しかも、左コンソール装置19は、運転席14に対する左,右方向の間隔を、運転席14の後側で広く形成しているから、オペレータは余裕をもって運転席14に腰を下ろすことができる。
【0058】
一方、平面視で前,後方向に延びる長方形状の空間S1は、使い勝手のよい空間であるから、この空間S1を利用してドア18の内面パネル18Aにドアポケット18C(図4中に二点鎖線で図示)を設けたり、各種スイッチ類(図示せず)を取付けることができる。さらに、左コンソールボックス22の後部と運転席14との間に設けた空間S2には、オペレータが使用する品物、例えば飲料容器、弁当等を収容する収容ケース(図示せず)を設けることができる。
【0059】
23は運転席14の右側に配設された右コンソール装置である。この右コンソール装置23は、キャブボックス16の乗降口17から離間し、右面板16Jに接近した位置に配置されている。右コンソール装置23は、後述の右操作レバー24と右コンソールボックス25とを含んで構成されている。
【0060】
24は右コンソールボックス25と共に右コンソール装置23を構成する右操作レバーである。この右操作レバー24は、ブラケット(図示せず)を用いて運転席14の右前側に配設され、運転席14に着席したオペレータによって操作されるものである。右操作レバー24は、左操作レバー20とほぼ同様に、減圧弁型のパイロット弁(図示せず)と、該パイロット弁に取付けられ右コンソールボックス25の外部へと斜め上向きに突出したレバー部24Aとにより構成されている。
【0061】
右操作レバー24は、運転席14に着席したオペレータがレバー部24Aを右手で把持し、このレバー部24Aを前,後方向に傾転操作したときには、作業装置4のブーム4Aが俯仰動作を行い、レバー部24Aを左,右方向に傾転操作したときには、作業装置4のバケット4Cが回動動作を行うようになっている。
【0062】
25は右操作レバー24のパイロット弁を収容する右コンソールボックスで、該右コンソールボックス25は、左コンソールボックス22とほぼ同様に、樹脂材料等を用いて形成され、上方からみて略長方形状をなす中空な箱体として構成されている。ここで、右コンソールボックス25は、左コンソール装置19の左コンソールボックス22と相違し、右コンソールボックス25の幅方向の中心を通って長手方向に延びた右コンソール中心線C−Cは、運転席中心線A−Aとほぼ平行に配置されている。
【0063】
26は左コンソール装置19に設けられたゲートロックレバーで、該ゲートロックレバー26は、その基端側が左コンソールボックス22内で回動可能に支持され、キャブボックス16の乗降口17を遮断する乗降規制位置と、乗降口17を開く乗降許可位置との間で回動変位するものである。そして、ゲートロックレバー26を乗降規制位置としたときには、油圧ショベル1の各油圧アクチュエータが作動可能となり、ゲートロックレバー26を乗降許可位置としたときには、各シリンダ4D,4E,4F等の油圧アクチュエータの作動を禁止することができる。
【0064】
27は運転席14の前方に位置してフロア部材13の前側に設けられた左,右の走行レバー・ペダル装置である。この走行レバー・ペダル装置27は、下部走行体2を走行させるときに操作されるものである。
【0065】
第1の実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、油圧ショベル1の動作について説明する。
【0066】
まず、オペレータは、キャブ12のドア18を開き、乗降口17を通じてキャブボックス16内に乗込んだ後、運転席14に着席する。この状態で、オペレータは、左,右の走行レバー・ペダル装置27を操作することにより、油圧ショベル1を作業現場まで自走させることができる。一方、作業現場では、オペレータは、左操作レバー20のレバー部20Bを傾転操作すると共に、右操作レバー24のレバー部24Aを傾転操作することにより、上部旋回体3を旋回させつつ作業装置4を動作させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
【0067】
ここで、後方超小旋回型の油圧ショベル1は、上部旋回体3の小型化に伴ってキャブ12も小型化されているので、このキャブ12内に運転席14、各コンソール装置19,23等を配置するための空間も狭くなっている。即ち、キャブ12を構成するキャブボックス16は、左前ピラー16A、右前ピラー16B、左後ピラー16C、右後ピラー16D、左中間ピラー16Eを有し、左前ピラー16Aと右前ピラー16Bとの間が前面板16Fとなり、左後ピラー16Cと右後ピラー16Dとの間が後面板16Gとなり、左前ピラー16Aと左後ピラー16Cとの間が左面板16Hとなり、右前ピラー16Bと右後ピラー16Dとの間が右面板16Jとなり、各ピラー16A〜16Eの上端側が天面板16Kとなる有蓋な箱状体として形成されている。
【0068】
さらに、キャブボックス16は、左面板16Hを山形状に形成し、左面板16Hの前側位置となる左前ピラー16Aと左中間ピラー16Eとの間を、該左中間ピラー16Eから左前ピラー16Aに向け左コンソール装置19に近付くように傾斜した左前側面板16H1としている。これにより、キャブボックス16は、平面視で五角形状に形成されている。
【0069】
然るに、第1の実施の形態によれば、キャブ12の上方から見た平面視で、左,右のコンソール装置19,23のうち、左コンソール装置19は、運転席14に対する左,右方向の間隔が、運転席14の後側で広く前側で狭くなるように傾斜して配置している。具体的には、運転席14の中心を通って前,後方向に延びる直線を運転席中心線A−Aとしたときに、左コンソール装置19は、左コンソールボックス22の中心を通って長さ方向に延びるコンソール中心線B−Bと運転席中心線A−Aとの間隔寸法を、後側で大きな間隔寸法R1とし、前側で小さな間隔寸法F1とすることにより、左コンソールボックス22(コンソール中心線B−B)を運転席14(運転席中心線A−A)に対して斜めに配置する構成としている。
【0070】
従って、キャブ12のキャブボックス16を構成する左面板16Hの前側位置に、左中間ピラー16Eから左前ピラー16Aに向け左コンソール装置19に近付くように右側に傾斜した左前側面板16H1が設けられた場合でも、左コンソール装置19は、その左コンソールボックス22を前記左前側面板16H1に沿うように傾き角度α1で傾斜して配置することができる。
【0071】
これにより、左コンソール装置19は、左コンソールボックス22を左面板16Hの左前側面板16H1(ドア18)とほぼ同じ方向(角度)に傾斜させることができるから、左コンソールボックス22の左側面部22Aとドア18の内面パネル18Aとの間に、平面視で前,後方向に延びる長方形状の空間S1を設けることができ、左コンソールボックス22の後部と運転席14との間に長方形状の空間S2を設けることができる。
【0072】
この結果、左コンソール装置19を左前側面板16H1をなすドア18に近付け、該左コンソール装置19を運転席14から離間して配置した場合には、運転席14の周囲に空間を形成することができる。これにより、運転席14として座り心地の良い大きなものを用いることができる上に、作業空間を拡大することができ、作業環境を良好にすることができる。また、左コンソール装置19は、運転席14に対し、前側の間隔寸法F1よりも後側の間隔寸法R1が大きくなるように傾斜させているから、オペレータが着座したときの腰まわりに空間を設けることができ、作業環境を良好にすることができる。
【0073】
一方、左コンソール装置19を角度α1で傾斜させ、左コンソール装置19とドア18との間に使い勝手のよい有効な空間S1,S2を設けた状態では、この空間S1を利用してドア18の内面パネル18Aにドアポケット18Cを設けることができ、収容機能を充実させことができる。さらに、空間S1,S2には、各種スイッチ類、オペレータが使用する品物、例えば飲料容器、弁当等を収容する収容ケースを設けることができる。
【0074】
次に、図4に示す本実施の形態による左コンソール装置19と、図7に示す比較例による左コンソール装置119との比較について説明する。
【0075】
まず、比較例による左コンソール装置119は、本実施の形態による左コンソール装置19と同様な左操作レバー120、ブラケット121、左コンソールボックス122を備えて構成されている。
【0076】
ここで、比較例による左コンソール装置119を構成する左コンソールボックス122は、該左コンソールボックス122の中心を通って長さ方向に延びる左コンソール中心線D−Dを、運転席14の中心を通って前,後方向に延びる運転席中心線A−Aと平行に配置している。即ち、左コンソールボックス122の左コンソール中心線D−Dの後部側と運転席中心線A−Aとの間隔寸法R2と、左コンソールボックス122の左コンソール中心線D−Dの前部側と運転席中心線A−Aとの間隔寸法F2とがほぼ等しく設定されている(R2=F2)。
【0077】
このように、比較例による左コンソール装置119は、運転席14と平行に配置されているから、左コンソールボックス122は、キャブボックス16を構成する左面板16Hの左前側面板16H1(ドア18)に対し、後側で間隔寸法が大きく、前側で間隔寸法が小さくなるように配置されている。このために、比較例による左コンソール装置119では、左コンソールボックス122の左前部位が左面板16Hの左前側面板16H1となるドア18の内面パネル18Aに接近することになる。
【0078】
この結果、左コンソール装置119を運転席14から離間して配置することができないから、運転席14の大きさが小さなものに制限されてしまうばかりか、窮屈な着座姿勢となり、作業環境が悪くなるという問題が生じる。しかも、前,後方向に真直ぐに配置された左コンソール装置119と左前側面板16H1(ドア18)との間の空間S3(図7中に格子模様で図示)は、歪な三角形状となるから、有効に利用することが難しい。さらに、左コンソールボックス122の後部と運転席14との間の空間S4(図7中に格子模様で図示)も小さく使い勝手が悪いものである。
【0079】
これに対し、本実施の形態による左コンソール装置19は、運転席14に対する左,右方向の間隔が、運転席14の後側で広く前側で狭くなるように傾き角度α1で傾斜して配置している。これにより、比較例による左コンソール装置119とは異なり、左コンソール装置19を、キャブボックス16の左面板16Hの左前側面板16H1、即ち、ドア18とほぼ同じ角度で傾斜させることができる。
【0080】
この結果、運転席14の大型化、作業空間、着座スペースの拡大を図ることができ、作業環境を良好にすることができる。一方、左コンソール装置19と左前側面板16H1との間に、平面視で前,後方向に延びる長方形状の空間S1(図4中に格子模様で図示)を設けることができる。また、左コンソールボックス22の後部と運転席14との間には、大きな空間S2(図4中に格子模様で図示)を設けることができる。
【0081】
次に、図8は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、右コンソール装置を、運転席に対する左,右方向の間隔が、運転席の後側で広く前側で狭くなるように傾斜して配置したことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0082】
図8において、31は第2の実施の形態による右コンソール装置で、該右コンソール装置31は、第1の実施の形態による右コンソール装置23とほぼ同様に、右操作レバー32と右コンソールボックス33とにより構成されている。しかし、第2の実施の形態による右コンソール装置31は、右コンソールボックス33が後側から前側に向け運転席14に近付くように左側に傾斜して配置されている点で、第1の実施の形態による右コンソール装置23と相違している。
【0083】
即ち、第2の実施の形態による右コンソール装置31は、その右コンソールボックス33の中心を通って長手方向に延びる直線を右コンソール中心線E−Eとすると、この右コンソール中心線E−Eは、運転席中心線A−Aと平行な直線A′−A′に対して左側に角度α2だけ傾いて配置されている。この場合の傾き角度α2は、例えば前述した傾き角度α1と同様に、3°〜15°、好ましくは6°〜10°程度となっている。
【0084】
これにより、右コンソールボックス33の右コンソール中心線E−Eの後部側と運転席中心線A−Aとの間隔寸法R3が大きく、右コンソールボックス33の右コンソール中心線E−Eの前部側と運転席中心線A−Aとの間隔寸法F3が小さく設定されている(F3<R3)。
【0085】
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態と同様の作用、効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態では、左コンソール装置19に加え、右コンソール装置31も傾斜して配置しているから、左,右の操作性を同等にすることができる。しかも、左コンソール装置19の後側を間隔寸法R1をもって運転席14から大きく離間させ、右コンソール装置31の後側を間隔寸法R3をもって運転席14から大きく離間させているから、オペレータは、大きな余裕をもって運転席14に腰を下ろすことができる。
【0086】
なお、第1の実施の形態では、左操作レバー20のレバー部20Bを前,後方向に傾転操作したときには、上部旋回体3が旋回動作を行い、レバー部20Bを左,右方向に傾転操作したときには、作業装置4のアーム4Bが俯仰動作を行う。一方、右操作レバー24のレバー部24Aを前,後方向に傾転操作したときには、作業装置4のブーム4Aが俯仰動作を行い、レバー部24Aを左,右方向に傾転操作したときには、作業装置4のバケット4Cが回動動作を行うものとして説明した。しかし、本発明はこれに限らず、左操作レバーと右操作レバーによる操作形態は、上述した組合せに限定されるものではなく、オペレータの好みに応じて変更することもできる。この構成は第2の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
【0087】
各実施の形態では、旋回フレーム5上にエンジン6を搭載した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、エンジン6に代えて電動モータを用いてもよく、さらには、電動モータとエンジンとを併用したハイブリッド式原動機としてもよい。
【0088】
各実施の形態では、スイング式の作業装置4を備えた油圧ショベル1に適用した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばオフセット式の作業装置を備えた油圧ショベル、あるいはスイング動作やオフセット動作を行わないモノブーム式の作業装置を備えた油圧ショベルにも適用することができる。
【0089】
さらに、各実施の形態では、建設機械として油圧ショベル1を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば油圧クレーン等の他の建設機械にも広く適用することができる。
【符号の説明】
【0090】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
4 作業装置
12 キャブ
13 フロア部材
14 運転席
16 キャブボックス
16F 前面板
16G 後面板
16H 左面板
16H1 左前側面板
16H2 左後側面板
16J 右面板
16K 天面板
17 乗降口
18 ドア
18A 内面パネル
18B 外面パネル
18C ドアポケット
19 左コンソール装置
20 左操作レバー
20A パイロット弁
20B,24A レバー部
22 左コンソールボックス
23,31 右コンソール装置
24,32 右操作レバー
25,33 右コンソールボックス
A−A 運転席中心線
B−B 左コンソール中心線
E−E 右コンソール中心線
α1,α2 傾き角度
R1,R3 後側の間隔寸法
F1,F3 前側の間隔寸法
S1,S2 長方形状の空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8