(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記部間通信制御部は、さらに、前記端末制御部に通信したコマンドの応答として受信した前記端末制御部からの応答コマンドを、前記応答コマンドに含まれる前記コマンドに付与された識別番号に基づき、前記近接通信部または前記無線通信部に送信する通信制御部を備える
請求項1に記載の端末機器。
前記コマンド変換部は、前記コマンド変換テーブルを用いて、前記無線通信部および前記近接通信部から受信したコマンドのうちの他方のコマンド体系のコマンドであって前記識別番号付加部により識別番号が付加された他方のコマンド体系のコマンドを前記一方のコマンド体系のコマンドに変換する
請求項1または2に記載の端末機器。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の基礎となった知見)
近距離無線通信(以下では、NFCまたは近接通信と記載)は、近接場型の無線通信であり、およそ1メートル〜数センチ程度の短距離を通信エリアとする。近接通信は、非接触ICカード(スマートカード)およびRFIDなどで使用され、ユーザの利便性を向上させている。近年では、携帯電話機などの携帯端末にこのNFCの搭載が進んでおり、店舗での支払い等ができるなどの利便性を提供している。
【0012】
携帯端末でNFC搭載が進むにつれて、据置型AV機器、健康機器および白物家電を含む家電製品にもNFCの搭載が進むことが予想される。それにより、例えば家電製品のパラメータ設定のための情報を携帯機器側に用意し、携帯機器で設定した後、NFCを使ってその情報(データ)を家電製品に送り込むなど、NFCを使った家電連携により、ユーザの操作性や利便性を向上することができる。
【0013】
一方、例えば、スマートグリッドやスマートメーターと連携し、自動的にエネルギー消費を最適化する仕組みを持った家電製品(スマート家電)が今後、市場に投入されることが予定されている。このような家電製品は、RFなどの無線通信モジュールなどを搭載し、インターネットに常に接続(常時接続)することで、エネルギー消費の最適化を図ることで、ユーザにメリットをもたらすことができる。換言すると、家電製品をネットワークに常時接続し、家電製品をネットワーク端末とすることがユーザにとって大きなメリットとして認知される環境になった際には、家電製品の常時接続化(無線通信モジュール搭載)が進むことが予測される。
【0014】
しかし、これまでネットワークに接続されなかった家電製品は、無線LANなど無線通信機能が搭載されたとしても、無線LAN設定の設定に必要な表示や入力の機能が不十分であり、ネットワーク接続が困難であることが予想される。しかし、これらの家電製品にNFC機能を適用することにより、これらの問題を解消できるだけでなく、さらなるサービス展開が期待できる。そのため、将来、家電製品には、NFC機能と無線通信機能とが併存すると予想される(例えば、特許文献1)。なお、NFCは、十数センチの距離での小電力無線通信技術として規格されたものであり、RFなどを用いた一般的な無線通信技術の規格と異なる。そのため、NFCで用いられるコマンド体系と、一般的な無線通信技術で用いられるコマンド体系とは異なっている。
【0015】
特許文献1には、NFC機能と無線通信機能とが併存された機器として、NFC通信部と無線通信を行うBT通信部とを有するオーディオプレーヤが開示されている。
【0016】
しかしながら、家電製品の一般的な買換え期間を考慮すると、特許文献1に開示されるように最初からNFC機能と無線通信機能とが併載された機器が市場に普及するまでには時間を要すると考える。
【0017】
そのため、NFC通信モジュール(または無線通信モジュール)と家電製品の本来機能部とが搭載されている家電製品に対し、本来機能部を制御するマイコンを変更することなしに、通信モジュールを交換するだけで、NFC機能と無線通信機能という2つの通信方式に対応する必要がある。また、家電製品の開発コストを抑制するためにも、本来機能部を制御するマイコンを既存のものを用い(マイコンを変更することなしに)、内部に搭載する通信モジュールを変更するだけでNFC機能と無線通信機能という2つの通信方式を実現したいという要請もある。
【0018】
ここで、NFCで用いられるコマンド体系と、一般的な無線通信技術で用いられるコマンド体系とは異なっているため、NFC通信モジュール(または無線通信モジュール)をNFC機能と無線通信機能とを単純に搭載した通信モジュールでは、片方の通信手段が動作しないという課題が発生する。
【0019】
本発明の一形態は、上述の事情を鑑みてなされたもので、家電製品等の本来機能部を変更せずに併存するNFCと一般的な無線通信とにおける通信を適切に制御することができる端末機器、その通信方法および通信モジュールを提供することを目的とする。
【0020】
上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る端末機器は、端末機器であって、外部のリーダライタと近接通信する近接通信部と、外部の通信機器と無線通信する無線通信部と、前記無線通信部および前記近接通信部のうちの一方のコマンド体系のみを解し、前記端末機器が有する機能を制御する端末制御部と、前記無線通信部および前記近接通信部と前記端末制御部との間での通信を制御する部間通信制御部とを備え、前記部間通信制御部は、前記近接通信部または前記無線通信部からのコマンドに対して識別番号を付加する識別番号付加部と、前記無線通信部のコマンド体系と前記近接通信部のコマンド体系とを対応付けるコマンド変換テーブルを用いて、前記無線通信部および前記近接通信部からのコマンドのうち他方のコマンド体系のコマンドを前記一方のコマンド体系のコマンドに変換するコマンド変換部と、を有し、前記識別番号付加部により識別番号が付加された、前記一方のコマンド体系に変換された前記他方のコマンド体系のコマンドを、または、前記識別番号付加部により識別番号が付加された、前記一方のコマンド体系のコマンドを前記端末制御部に通信する。
【0021】
この構成により、家電製品等の本来機能部を変更せずに併存するNFCと一般的な無線通信とにおける通信を適切に制御することができる。
【0022】
ここで、例えば、前記部間通信制御部は、さらに、前記端末制御部に通信したコマンドの応答として受信した前記端末制御部からの応答コマンドを、前記応答コマンドに含まれる前記コマンドに付与された識別番号に基づき、前記近接通信部または前記無線通信部に送信する通信制御部を備えるとしてもよい。
【0023】
また、例えば、前記コマンド変換部は、前記コマンド変換テーブルを用いて、前記無線通信部および前記近接通信部から受信したコマンドのうちの他方のコマンド体系のコマンドであって前記識別番号付加部により識別番号が付加された他方のコマンド体系のコマンドを前記一方のコマンド体系のコマンドに変換するとしてもよい。
【0024】
また、例えば、前記識別番号付加部は、前記コマンド変換部によりコマンド変換されたコマンドに対して識別番号を付加するとしてもよい。
【0025】
また、例えば、前記部間通信制御部は、前記端末制御部とシリアル接続されているとしてもよい。
【0026】
また、例えば、前記通信制御部は、さらに、前記識別番号付加部により識別番号が付加され、かつ、前記一方のコマンド体系に変換された前記他方のコマンド体系のコマンドを、または、前記識別番号付加部により識別番号が付加された前記一方のコマンド体系のコマンドを、前記端末制御部にシリアル通信するとしてもよい。
【0027】
また、例えば、前記部間通信制御部は、さらに、前記近接通信部および前記無線通信部のうちどちらを優先して通信すべきかを示す優先度情報を記憶する優先度情報記憶部を備え、前記通信制御部は、前記優先度情報に基づき、前記近接通信部および前記無線通信部のうちの一方と前記端末制御部とのコマンド通信を遮断し、前記近接通信部および前記無線通信部のうちの他方と前記端末制御部とのコマンド通信を行うとしてもよい。
【0028】
また、例えば、前記優先度情報は、前記近接通信部と前記端末制御部とのコマンド通信を、前記無線通信部と前記端末制御部とのコマンド通信より優先する旨の情報を含むとしてもよい。
【0029】
また、例えば、前記優先度情報には、優先してコマンド通信すべきコマンドである優先コマンドを示す情報を含み、前記通信制御部は、前記近接通信部および前記無線通信部のうちの一方から前記優先コマンドを受信した場合、前記近接通信部および前記無線通信部のうちの他方と前記端末制御部とのコマンド通信を遮断し、前記近接通信部および前記無線通信部のうちの一方と前記端末制御部とのコマンド通信を行うとしてもよい。
【0030】
また、例えば、前記部間通信制御部は、さらに、前記端末機器の記憶部に保存されているデータのヘッダを抽出する抽出部を備え、前記部間通信制御部は、前記データのヘッダを前記近接通信部に送信するとしてもよい。
【0031】
また、例えば、前記部間通信制御部は、前記データの大きさが予め定めた以上である場合、前記データのヘッダを前記近接通信部に送信し、前記無線通信部が前記外部の通信機器と通信可能なときに前記データを送信するとしてもよい。
【0032】
また、例えば、前記部間通信制御部は、前記近接通信部により、前記データを前記無線通信部に送信する旨を示すコマンドを受信した場合、前記無線通信部が前記外部の通信機器と通信可能なときに前記データを送信するとしてもよい。
【0033】
また、例えば、前記部間通信制御部は、前記端末機器の使用者に報知すべき報知情報があるかどうかを検知し、前記報知情報があることを検知した場合に、前記報知情報を前記使用者に獲得させるための報知コマンドを前記近接通信部と前記無線通信部との両方に保持させる報知情報制御部を備え、報知情報制御部は、前記無線通信部および前記近接通信部の一方が前記報知コマンドを通信した場合、前記無線通信部および前記近接通信部の他方が保持する前記報知コマンドを削除させるとしてもよい。
【0034】
ここで、例えば、前記端末機器は、さらに、前記無線通信部または前記近接通信部の障害を検知する障害検知部を備え、前記報知情報は、前記障害検知部により検知された障害であるとしてもよい。
【0035】
また、上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る通信方法は、外部のリーダライタと近接通信する近接通信部と、外部の通信機器と無線通信する無線通信部と、前記無線通信部および前記近接通信部のうちの一方のコマンド体系のみを解し、前記端末機器が有する機能を制御する端末制御部と、前記無線通信部および前記近接通信部と前記端末制御部との間での通信を制御する部間通信制御とを備える端末機器の通信方法であって、前記部間通信制御部に、前記近接通信部または前記無線通信部からのコマンドに対して識別番号を付加させる識別番号付加ステップと、前記部間通信制御部に、前記無線通信部のコマンド体系と前記近接通信部のコマンド体系とを対応付けるコマンド変換テーブルを用いて、前記無線通信部および前記近接通信部からのコマンドのうちの他方のコマンド体系のコマンドを前記一方のコマンド体系のコマンドに変換するコマンド変換ステップと、を含み、前記識別番号付加部により識別番号が付加された、前記一方のコマンド体系に変換された前記他方のコマンド体系のコマンドを、または、前記識別番号付加部により識別番号が付加された、前記一方のコマンド体系のコマンドを前記端末制御部に通信する。
【0036】
また、上記目的を達成するために、本発明の一形態に係るプログラムは、外部のリーダライタと近接通信する近接通信部と、外部の通信機器と無線通信する無線通信部と、前記無線通信部および前記近接通信部のうちの一方のコマンド体系のみを解し、前記端末機器が有する機能を制御する端末制御部と、前記無線通信部および前記近接通信部と前記端末制御部との間での通信を制御する部間通信制御とを備える端末機器に実行させるプログラムであって、前記部間通信制御部に、前記近接通信部または前記無線通信部からのコマンドに対して識別番号を付加させる識別番号付加ステップと、前記部間通信制御部に、前記無線通信部のコマンド体系と前記近接通信部のコマンド体系とを対応付けるコマンド変換テーブルを用いて、前記無線通信部および前記近接通信部からのコマンドのうちの他方のコマンド体系のコマンドを前記一方のコマンド体系のコマンドに変換するコマンド変換ステップと、を含み、前記識別番号付加部により識別番号が付加された、前記一方のコマンド体系に変換された前記他方のコマンド体系のコマンドを、または、前記識別番号付加部により識別番号が付加された、前記一方のコマンド体系のコマンドを前記端末制御部に通信する。
【0037】
また、上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る通信モジュールは、外部のリーダライタと近接通信する近接通信部と、外部の通信機器と無線通信する無線通信部と、前記無線通信部および前記近接通信部のうちの一方のコマンド体系のみを解し、前記端末機器が有する機能を制御する端末制御部と、前記無線通信部および前記近接通信部との間での通信を制御する部間通信制御部とを備え、前記部間通信制御部は、前記近接通信部または前記無線通信部からのコマンドに対して識別番号を付加する識別番号付加部と、前記無線通信部のコマンド体系と前記近接通信部のコマンド体系とを対応付けるコマンド変換テーブルを用いて、前記無線通信部および前記近接通信部からのコマンドのうちの他方のコマンド体系のコマンドを前記一方のコマンド体系のコマンドに変換するコマンド変換部と、を有し、前記識別番号付加部により識別番号が付加された、前記一方のコマンド体系に変換された前記他方のコマンド体系のコマンドを、または、前記識別番号付加部により識別番号が付加された、前記一方のコマンド体系のコマンドを前記端末制御部に通信する。
【0038】
また、上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る集積回路は、外部の通信機器と無線通信する無線通信部および外部のリーダライタと近接通信する近接通信部のうちの一方のコマンド体系のみを解し、前記端末機器が有する機能を制御する端末制御部と、前記無線通信部および前記近接通信部との間での通信を制御する集積回路であって、前記部間通信制御部は、前記近接通信部または前記無線通信部からのコマンドに対して識別番号を付加する識別番号付加部と、前記無線通信部のコマンド体系と前記近接通信部のコマンド体系とを対応付けるコマンド変換テーブルを用いて、前記無線通信部および前記近接通信部からのコマンドのうちの他方のコマンド体系のコマンドを前記一方のコマンド体系のコマンドに変換するコマンド変換部と、を有し、前記識別番号付加部により識別番号が付加された、前記一方のコマンド体系に変換された前記他方のコマンド体系のコマンドを、または、前記識別番号付加部により識別番号が付加された、前記一方のコマンド体系のコマンドを前記端末制御部に通信する。
【0039】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例である。したがって、これらの各形態により、本発明が限定されるものではない。本発明は、請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0040】
(実施の形態1)
図1は、本発明における端末機器を含むシステムの構成例を示す図である。
図1に示すシステム1は、端末機器10と、リーダライタである携帯機器20と、中継機器30と、サーバ機器50とを備える。
【0041】
端末機器10は、例えばエアコンや電子レンジ、洗濯機、テレビ、血圧計などの家電製品である。端末機器10は、端末機器10の通信機能を除く機能(本来機能)を有する端末部11と、通信機能を有する通信モジュール12とで構成される。
【0042】
携帯機器20は、NFC機能が搭載されている。携帯機器20は、本発明のリーダライタに対応し、端末機器10と近接通信する。
【0043】
中継機器30は、例えばゲートウェイ機器などであり、無線通信を用いて端末機器10をネットワーク40に接続する機能を有する。
【0044】
サーバ機器50は、ネットワーク40上に存在し、端末機器10に関する情報を保持するデータベースを有する。
【0045】
以上のようにシステム1は構成される。
【0046】
図2は、実施の形態1における端末機器の構成例を示すブロック図である。
【0047】
端末機器10は、上述したように、端末機器10の本来機能を有する端末部11と、通信機能を有する通信モジュール12とで構成されている。
【0048】
まず、端末部11の構成について説明する。
【0049】
端末部11は、端末機器10の通信機能を除く主要機能(本来機能)を果たす部分であり、冷蔵庫なら冷蔵庫機能、電子レンジならレンジ機能、エアコンならエアコン機能を果たす部分である。本実施の形態の端末機器10は、AV家電等の電子機器端末や、冷蔵庫などの白物家電などの家電製品のすべてを対象とし得る。以下、家電製品ごとの機能説明は省略し、共通の機能のみを説明する。
【0050】
端末部11は、キー111と、使用履歴検出部113、エラー検出部114および電源検出部115を有する検出部112と、電源遮断検出部116と、蓄電部118を有するメイン電源117と、メイン電源制御部119と、端末コントローラ120と、メインメモリ121とを備える。
【0051】
キー111は、端末機器10の操作ボタンであり、ユーザ操作を受け付ける。
【0052】
使用履歴検出部113は、ユーザによるキー111の操作に応じて、操作された操作履歴を使用履歴として検出し、メインメモリ121に蓄積(格納)する。使用履歴は、継続して蓄積されつづけるため、メインメモリ121は、使用履歴情報を蓄積可能なメモリ領域の中で、新しい履歴情報が記録されるように、FIFO(First In First Out)スタック構成にすることが好ましい。
【0053】
メイン電源117は、端末機器10の主電源であり、バッテリやコンセント接続によって電力を供給する。メイン電源117は、少なくとも端末部11と、通信モジュール12とに電源を供給する。また、メイン電源117は、蓄電部118を有しており、コンセントが遮断された場合でも、蓄電部118に電力を供給させることによって一定期間継続して電源を供給することができる。
【0054】
電源遮断検出部116は、バッテリなどの電池を搭載しない端末機器10において、コンセントなどの電力の供給源が不慮に絶たれたことを検出する。例えば、電源遮断検出部116は、メイン電源117にかかる電圧値の低下などをみて検出する。なお、電源遮断検出部116は、コンセントが遮断された場合には、蓄電部118から電力を供給されることによって動作し、コンセントなどの電力の供給源が不慮に絶たれたことを検出する。
【0055】
また、電源遮断検出部116は、電力源の遮断を検知したことを電源検出部115に通知する。
【0056】
電源検出部115は、後述するメイン電源117の電源状態を検出する。ここで、電源状態とは、電源が入っている状態、コントローラから電源を制御できる状態(スリープモード)、電源オフの状態の少なくとも3状態である。具体的には、電源検出部115は、端末部11の電源がオンになった状態で電源オン状態を検知する。また、電源検出部115は、端末部11がスリープモードや電源オフ状態になる直前にスリープモードや電源オフ状態への移行を検知して、電源状態をメインメモリ121に格納する。また、電源検出部115は、電源遮断検出部116により、電源が遮断されたことが通知された場合には、電力源が遮断された旨を示すフラグ情報をメインメモリ121に格納するとしてもよい。
【0057】
メイン電源制御部119は、端末コントローラ120からの起動命令または終了命令に応じて、端末機器10に電源の供給を開始したり(起動)、供給を停止したり(終了)する。
【0058】
端末コントローラ120は、本発明の端末制御部に対応し、無線通信部15および近接通信部14のうちの一方のコマンド体系のみを解し、端末機器10が有する機能を制御する。具体的には、端末コントローラ120は、少なくとも使用履歴検出部113、検出部112と、電源遮断検出部116と、メイン電源117と、メイン電源制御部119と、メインメモリ121とを制御可能なシステムコントローラであり、端末機器10の通信機能を除く主要機能を制御する。端末コントローラ120は、所謂、マイコンやCPUで構成される。
【0059】
本実施の形態では、端末コントローラ120は、近接通信部14のコマンド体系のみを解する。
【0060】
メインメモリ121は、端末部11に必要な情報を記憶する。メインメモリ121は、例えば、内部に書き換え不可能なROM領域と、書き換え可能なRAM領域と、端末コントローラ120の制御手順を記したファームウェア(FW)を格納したFW領域とを備える。ROM領域には、例えば、端末部11を識別可能な識別情報、製造年月日およびメーカ識別情報などを含む情報が記録されている。RAM領域には、例えば、使用履歴検出部113によって収集された使用履歴情報、および、エラー検出部114によって検出された端末機器10のエラー情報を含む情報が記録される。FW領域には、例えば、端末コントローラ120の制御手順であるファームウェアが記録される。ここで、FW領域は、ROMメモリで構成されていても、RAMメモリで構成されていても構わない。
【0061】
以上のように端末部11は構成され、無線通信部15および近接通信部14のうちの一方のコマンド体系のみを解す端末コントローラ120により制御されている。
【0062】
続いて、通信モジュール12の構成について説明する。
【0063】
この通信モジュール12は、端末機器10において、交換可能である。本実施の形態では、端末部11を制御する端末コントローラ120が解するコマンド体系は、近接通信部14のコマンド体系であるとして、以下説明する。
【0064】
通信モジュール12は、制御部13と、近接通信部14と、無線通信部15とで構成されている。
【0065】
近接通信部14は、本発明の近接通信部に対応し、外部のリーダライタと近接通信する。具体的には、近接通信部14は、外部のリーダライタである携帯機器20と近接通信し、端末機器10内で制御部13と通信する。近接通信部14は、近接通信記憶部141と、近接通信制御部142と、アンテナ143とから構成される。
【0066】
アンテナ143は、例えばループアンテナで構成されており、外部のリーダライタである携帯機器20からの電波を受信する。
【0067】
近接通信制御部142は、変調部1421と、復調部1422とを備える。
【0068】
復調部1422は、アンテナ143で受信した電波を復調して、制御部13に伝達(送信)する。変調部1421は、制御部13から伝達された情報を、変調し、アンテナ143で送信する。ここで、情報とは、ペイロードとヘッダとで構成されるデータであってもよいし、携帯機器20に対するコマンドであってもよい。
【0069】
本実施の形態では、近接通信制御部142は、NFC規格で定められたコマンド体系(以下、NFCコマンド体系とも記載)を解して動作し、制御部13へはNFCコマンド体系のコマンドおよびNFCコマンド体系のコマンドとともに情報を伝達する。
【0070】
近接通信記憶部141は、内部にROM領域とRAM領域を有し、メインメモリ121が記憶している端末機器10(端末部11)に関するデータの一部や携帯機器20と近接通信するための情報などを記憶する。
【0071】
近接通信記憶部141は、例えば、近接通信部14を唯一に識別可能な識別情報、端末機器10を識別可能な端末機器識別情報、端末機器の型番、中継機器30のアドレス情報、および、サーバ機器50へのアドレス情報などを記憶する。近接通信記憶部141は、携帯機器20から転送される情報も一時的に記憶する。なお、近接通信記憶部141は、例えば、端末部11の使用履歴検出部113で抽出した使用履歴情報、エラー検出部114で検出したエラー情報、および、電源検出部115で検出した電源状態情報などの情報を記憶するとしてもよい。
【0072】
続いて、無線通信部15の構成について説明する。
【0073】
無線通信部15は、本発明の無線通信部に対応し、外部の通信機器と無線通信する。具体的には、無線通信部15は、外部の通信機器である中継機器30と無線通信し、端末機器10内で制御部13と通信する。無線通信部15は、無線通信制御部151と、無線RF部152とから構成される。
【0074】
無線RF部152は、RF(Radio Frequency)で、中継機器30と無線通信する。ここで、RFとは、無線通信に利用できる周波数範囲である。
【0075】
無線通信制御部151は、変調部1511と、復調部1512とを備える。
【0076】
復調部1512は、無線RF部152で受信した電波を復調して、制御部13に伝達(送信)する。変調部1511は、制御部13から伝達された情報を変調して、無線RF部152で送信する。ここで、情報とは、上述したように、ペイロードとヘッダとで構成されるデータであってもよいし、中継機器30またはサーバ機器50に対するコマンドであってもよい。
【0077】
本実施の形態では、無線通信制御部151は、RF技術で定められたコマンド体系(以下、無線RFコマンド体系とも記載)を解して動作し、制御部13へは無線RFコマンド体系のコマンドおよび無線RFコマンド体系のコマンドとともに情報を伝達する。
【0078】
なお、無線RFコマンド体系と、NFCコマンド体系とは、異なるコマンド体系である。つまり、無線RFコマンド体系と、NFCコマンド体系とでは、所望の動作に対して割り当てられるコマンドが異なっている。
【0079】
続いて、制御部13の構成について説明する。
【0080】
制御部13は、本発明の部間通信制御部に対応し、近接通信部14および無線通信部15と端末コントローラ120との間の通信を制御する。具体的には、制御部13は、近接通信部14および無線通信部15のうちの一方のコマンド体系のみを解し、端末機器10が有する機能を制御する端末コントローラ120と、近接通信部14および無線通信部15との間での通信を制御する。制御部13は、コマンド変換部131と、識別番号付加部133と、通信制御部134と、記憶部135とを備える。なお、本実施の形態では、制御部13と端末部11とは、シリアルインタフェースで結合されている。具体的には、制御部13は、端末コントローラ120とシリアル接続されている。
【0081】
コマンド変換部131は、本発明のコマンド変換部に対応し、近接通信部14のコマンド体系(NFCコマンド体系)と無線通信部15のコマンド体系(無線RFコマンド体系)とを対応付けるコマンド変換テーブル132を用いて、近接通信部14および無線通信部15からのコマンドのうちの他方のコマンド体系のコマンドを一方のコマンド体系のコマンドに変換する。
【0082】
ここで、
図3は、本発明のコマンド変換テーブルの一例を示す図である。
図3は、端末機器10がエアコンの場合の例を示している。
図3に示すように、コマンド変換テーブル132は、メインメモリ121への書き込み要求、メインメモリ121の読み取り要求、エアコン電源ONおよび温度設定など所望の動作に対して割り当てられるコマンドを示している。
【0083】
コマンド変換部131は、このようなコマンド変換テーブル132を用いて、コマンド体系を変換する。本実施の形態では、端末部11を制御する端末コントローラ120が解するコマンド体系は、近接通信部14のコマンド体系である。つまり、コマンド変換部131は、無線通信部15から伝達されたコマンドを、近接通信部14のコマンド体系に対応するコマンドに変換する。
【0084】
識別番号付加部133は、本発明の識別番号付加部に対応し、近接通信部14または無線通信部15からのコマンドに対して識別番号を付加する。本実施の形態では、識別番号付加部133は、コマンド変換部131と通信制御部134との間に構成される。換言すると、識別番号付加部133は、近接通信部14からのコマンドに対して識別番号を付加する。また、識別番号付加部133は、無線通信部15からのコマンドに対してはコマンド変換部131でコマンド体系が変換された後のコマンドに対して識別番号を付加する。具体的には、識別番号付加部133は、第1の識別番号付加部1331と第2の識別番号付加部1332とで構成される。第1の識別番号付加部1331は、入力されたコマンドに対して近接通信部14からコマンドに対応することが識別できる識別番号を付加する。第2の識別番号付加部1332は、入力されたコマンドに対して無線通信部15のからコマンドに対応することが識別できる識別番号を付加する。
【0085】
なお、識別番号付加部133は、通信制御部134から伝達されたコマンドを通過させるとしてもよいし、伝達されたコマンドに付加された識別番号を除去して伝達するとしてもよい。コマンドに付加された識別番号は、端末部11の端末コントローラ120にとっては無意味な情報であればよい。
【0086】
記憶部135は、優先度情報記憶部1351と、通信記憶部1352とを少なくとも備える。
【0087】
優先度情報記憶部1351は、本発明の優先度情報記憶部に対応し、近接通信部14および無線通信部15のうちどちらを優先して通信すべきかを示す優先度情報を記憶する。
【0088】
本実施の形態では、例えば、
図4に示すように、優先度情報記憶部1351は、近接通信部14と端末部11とのコマンド通信を、無線通信部15と端末部11とのコマンド通信より優先する旨の情報を含む優先度情報を記憶する。ここで、
図4は、本発明の優先度情報記憶部に記憶されている優先度情報の一例を示す図である。
【0089】
なお、優先度情報記憶部1351は、さらに、
図5に示すように、優先してコマンド通信すべきコマンド(図ではAコマンド)である優先コマンドを示す情報を含む優先度情報を記憶するとしてもよい。ここで、
図5は、本発明の優先度情報記憶部に記憶されている優先度情報の別の一例を示す図である。
【0090】
通信記憶部1352は、近接通信部14および無線通信部15と端末コントローラ120との間の通信を制御するための情報が記憶される。なお、通信記憶部1352は、メインメモリ121が記憶している端末機器10(端末部11)に関するデータの一部も一時記憶するとしてもよい。
【0091】
通信制御部134は、本発明の通信制御部に対応し、端末コントローラ120に通信したコマンドの応答として受信した端末コントローラ120からの応答コマンドを、当該応答コマンドに含まれるコマンドに付与された識別番号に基づき、近接通信部14または無線通信部15に通信する。例えば、通信制御部134は、識別番号付加部133により識別番号が付加された、一方のコマンド体系に変換された他方のコマンド体系のコマンドを、または、識別番号付加部133により識別番号が付加された、一方のコマンド体系のコマンドを端末コントローラ120に通信する。
【0092】
具体的には、通信制御部134は、端末コントローラ120とシリアル接続されている。通信制御部134は、識別番号付加部133により識別番号が付加され、かつ、一方のコマンド体系(NFCコマンド体系)に変換された他方のコマンド(無線RFコマンド体系のコマンド)を、端末コントローラ120にシリアル通信する。また、通信制御部134は、識別番号付加部133により識別番号が付加された一方のコマンド体系(NFCコマンド体系)のコマンドを、端末コントローラ120にシリアル通信する。
【0093】
ここで、通信制御部134が近接通信部14および無線通信部15のうちの一方と端末コントローラ120とのコマンド通信を制御しているとする。その場合、通信制御部134は、優先度情報記憶部1351が記憶する優先度情報に基づき、近接通信部14および無線通信部15のうちの一方と端末コントローラ120とのコマンド通信を遮断し、近接通信部14および無線通信部15のうちの他方と端末コントローラ120とのコマンド通信を行う。なお、コマンド通信には、コマンドのみを通信する場合だけでなく、コマンドを通信後、データを通信する場合も含むとして説明する。
【0094】
また、本実施の形態では、通信制御部134が無線通信部15と端末コントローラ120とのコマンド通信を制御している場合に、近接通信部14からコマンドが伝達されてきたときには、優先度情報に基づき、無線通信部15と端末コントローラ120とのコマンド通信を遮断し、近接通信部14と端末コントローラ120とのコマンド通信を行う。
【0095】
なお、通信制御部134は、近接通信部14および無線通信部15のうちの一方から優先コマンドを受信した場合、近接通信部14および無線通信部15のうちの他方と端末コントローラ120とのコマンド通信を遮断し、近接通信部14および無線通信部15のうちの一方と前記端末制御部とのコマンド通信を行う。例えば、通信制御部134は、無線通信部15から優先コマンドを受信した場合には、近接通信部14と端末コントローラ120とのコマンド通信を遮断し、無線通信部15と前記端末制御部とでその優先コマンドに対応するコマンド通信を行う。また、例えば、通信制御部134は、近接通信部14から優先コマンドを受信した場合には、近接通信部14と端末コントローラ120との間でコマンド通信を行っていたとしても、それを中断し、近接通信部14と前記端末制御部とでその優先コマンドに対応するコマンド通信を行う。
【0096】
以上のように、制御部13は構成される。
【0097】
次に、以上のように構成された端末機器10の動作について説明する。
【0098】
図6は、実施の形態1における通信モジュールでコマンド変換される場合のコマンド通信処理の例を示すフローチャートである。
【0099】
まず、無線通信部15は、外部の通信機器である中継機器30と無線通信し、信号(電波を受信する(S101)。
【0100】
次に、無線通信部15は、受信した信号を復調し、復調して得られたコマンドを制御部13に伝達する(S102)。
【0101】
次に、制御部13では、無線通信部15から伝達されたコマンドをコマンド変換部131で受信する。コマンド変換部131は、コマンド変換テーブル132を用いて、受信したコマンドを近接通信部14のコマンド体系のコマンドに変換する(S103)。コマンド変換部131は、コマンド変換したそのコマンドを第2の識別番号付加部1332に伝達する。
【0102】
次に、第2の識別番号付加部1332は、伝達されたそのコマンドに、無線通信部15に対応する識別番号を付加する(S104)。
【0103】
次に、第2の識別番号付加部1332は、その識別番号を付加したコマンドを通信制御部134に伝達する(S105)。
【0104】
そして、通信制御部134は、伝達されたそのコマンドをシリアル接続されている端末コントローラ120に伝達する。
【0105】
図7は、実施の形態1における通信モジュールの応答処理の例を示すフローチャートである。
【0106】
まず、端末部11は、通信モジュール12より、近接通信部14または/および無線通信部15に対応する識別番号が付加されたコマンドが伝達され、そのコマンドを受信するとする(S106)。
【0107】
次に、端末部11すなわち端末コントローラ120は、受信したコマンドに応じた動作を実行し(S107)、それとともに、通信制御部134に受信したコマンドに応答する応答コマンド(応答ACK)を送信する(S108)。ここで、応答ACKには、受信したコマンドに応答する旨を示すための情報が含まれており、その情報には上記識別番号が含まれている。
【0108】
次に、通信制御部134は、端末コントローラ120より伝達された応答ACKに含まれる識別番号を判定する(S109)。
【0109】
通信制御部134は、その識別番号が無線通信部15に対応する識別番号である場合には、無線通信部15へ応答ACKを送信する(S110)。
【0110】
一方、通信制御部134は、その識別番号が近接通信部14に対応する識別番号である場合には、近接通信部14へ応答ACKを送信する(S111)。
【0111】
このようにして、通信制御部134は、応答コマンドに含まれるコマンドに付与された識別番号に基づき、近接通信部14または無線通信部15に通信する。
【0112】
図8は、実施の形態1における優先度情報に基づく通信モジュールの通信処理の例を示すフローチャートである。
【0113】
まず、通信制御部134が無線通信部15と端末コントローラ120とのコマンド通信を制御している。
【0114】
次に、通信制御部134は、無線通信部15からのコマンド(コマンド変換されたコマンド)を端末コントローラ120に送信中であるとき、近接通信部14が、信号を受信したとする(S201)。
【0115】
次に、近接通信部14は、通信制御部134に受信したコマンドを復調して得られたコマンドを送信する(S202)。
【0116】
ここで、通信制御部134は、優先度情報記憶部1351が記憶する優先度情報を確認し、近接通信部14および無線通信部15のコマンドうちのいずれを優先して端末コントローラ120に通信すべきかを判定する(S203)。
【0117】
通信制御部134は、優先度情報記憶部1351が記憶する優先度情報に基づき、近接通信部14のコマンドを優先すべき場合、無線通信部15と端末コントローラ120とのコマンド通信を遮断する(S204)。
【0118】
次に、通信制御部134は、近接通信部14からのコマンドを端末コントローラ120に送信(コマンド通信)する(S206)。
【0119】
次に、端末コントローラ120は、受信したコマンドを実行する(S207)。具体的には、端末コントローラ120は、受信したコマンドに応じた動作を実行する。
【0120】
なお、本実施の形態では、近接通信部14のコマンドを優先すべき場合として説明したが、それに限らない。無線通信部15のコマンドを優先すべき場合としてもよい。その場合、S203において、通信制御部134は、優先度情報記憶部1351が記憶する優先度情報に基づき、無線通信部15のコマンドを優先すべき場合、無線通信部15と端末コントローラ120とのコマンド通信を継続する(S205)。
【0121】
このようにして、通信モジュール12は、優先度情報に基づく通信処理を行う。
【0122】
なお、
図8では、通信制御部134が無線通信部15からのコマンド(コマンド変換されたコマンド)を端末コントローラ120に送信中であるとき、近接通信部14が、信号を受信したとして説明を行ったがそれに限らない。もちろん、
図9に示すように、通信制御部134が近接通信部14からのコマンドを端末コントローラ120に送信中であるとき、無線通信部15が、信号を受信したとしてもよい。
【0123】
ここで、
図9は、実施の形態1における優先度情報に基づく通信モジュールの通信処理の別の例を示すフローチャートである。なお、
図9に示すS301〜S307の処理は、
図8に示すS201〜S207の処理において近接通信部14と無線通信部15とを入れ替えた場合であり、
図8で説明した処理と同様であるため、説明を省略する。
【0124】
以上、本実施の形態によれば、家電製品等の本来機能部を変更せずに併存するNFCと一般的な無線通信とにおける通信を適切に制御することができる端末機器、その通信方法を実現することができる。
【0125】
なお、本実施の形態では、端末機器10の構成を具体的に説明したが、これらは本発明の好ましい一具体例を示すものである。
図10に示すように、端末機器10の最小構成としては、端末部11と、通信制御部134、コマンド変換テーブル132を有するコマンド変換部131、識別番号付加部133とを有する制御部13と、近接通信部14と、無線通信部15とを備えていればよい。ここで、
図10は、本発明における通信装置の最小構成を示すブロック図である。
【0126】
(変形例1)
実施の形態1では、端末部11を制御する端末コントローラ120が解するコマンド体系は、近接通信部のコマンド体系のみであるとして説明したがそれに限らない。端末コントローラ120が解するコマンド体系は、無線通信部のコマンド体系のみであってもよい。その場合を変形例1として説明する。
【0127】
図11は、実施の形態1の変形例1における端末機器の構成例を示すブロック図である。
図2と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0128】
図11に示す端末機器10Aは、実施の形態1に係る端末機器10に対して、端末部21の端末コントローラ220と、通信モジュール22の制御部23との構成が異なる。
【0129】
具体的には、端末コントローラ220は、実施の形態1に係る端末コントローラ120と異なり、無線通信部15のコマンド体系のみを解する点で構成が異なる。
【0130】
制御部23は、実施の形態1に係る制御部13に対して、コマンド変換部231の構成が異なる。
【0131】
コマンド変換部231は、近接通信部14から伝達されたコマンドを、無線通信部15のコマンド体系に対応するコマンドに変換する。
【0132】
図12は、実施の形態1の変形例1における通信モジュールでコマンド変換される場合のコマンド通信処理の例を示すフローチャートである。
【0133】
なお、
図1に示すS401〜S407の処理は、近接通信部14と無線通信部15とを入れ替えた以外は、
図6の処理S101〜S107と同様であるため、説明を省略する。
【0134】
(変形例2)
実施の形態1では、識別番号付加部133は、コマンド変換部131と通信制御部134との間に構成されるとして説明したがそれに限らない。識別番号付加部133は、コマンド変換部131と無線通信部15との間に構成されるとしてもよい。その場合を変形例2として説明する。
【0135】
図13は、実施の形態1の変形例2における端末機器の構成例を示すブロック図である。
図2と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0136】
図13に示す端末機器10Bは、実施の形態1に係る端末機器10に対して、通信モジュール32の制御部33の構成が異なる。
【0137】
具体的には、制御部33は、実施の形態1に係る制御部13に対して、コマンド変換部331と、識別番号付加部333との構成が異なる。
【0138】
識別番号付加部333は、コマンド変換部331と無線通信部15との間に構成され、近接通信部14および無線通信部15からのコマンドに対して識別番号を付加する。具体的には、識別番号付加部333は、第1の識別番号付加部3331と第2の識別番号付加部3332とで構成される。第1の識別番号付加部3331は、入力されたコマンドに対して近接通信部14の識別番号を付加し、第2の識別番号付加部3332は、入力されたコマンドに対して無線通信部15の識別番号を付加する。
【0139】
コマンド変換部331は、コマンド変換テーブル132を用いて、無線通信部15および近接通信部14から受信したコマンドのうちの他方のコマンドであって識別番号付加部333により識別番号が付加された他方のコマンドを一方のコマンド体系のコマンドに変換する。具体的には、コマンド変換部331は、無線通信部15から伝達され、第2の識別番号付加部3332で識別番号が付加されたコマンドを、近接通信部14のコマンド体系に対応するコマンドに変換する。
【0140】
(変形例3)
本変形例では、変形例1と変形例2との組み合わせについて説明する。
【0141】
図14は、実施の形態1の変形例3における端末機器の構成例を示すブロック図である。
図2、
図12および
図13と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0142】
図14に示す端末機器10Cは、変形例2に係る端末機器10Bに対して、端末部21の端末コントローラ220と、通信モジュール42の制御部43との構成が異なる。
【0143】
具体的には、端末コントローラ220は、変形例2に係る端末コントローラ120と異なり、無線通信部15のコマンド体系のみを解する点で構成が異なる。
【0144】
制御部43は、変形例2に係る制御部33に対して、コマンド変換部431の構成が異なる。
【0145】
すなわち、コマンド変換部431は、近接通信部14から伝達され、第1の識別番号付加部3331で識別番号が付加されたコマンドを、無線通信部15のコマンド体系に対応するコマンドに変換する。
【0146】
以上、本実施の形態によれば、家電製品等の本来機能部を変更せずに併存するNFCと一般的な無線通信とにおける通信を適切に制御することができる端末機器、その通信方法を実現することができる。
【0147】
具体的には、本実施の端末機器等は、コマンド変換部を備えることで、複数の通信手段を解釈できるように、通信コマンドの差異を吸収するためのコマンド変換を行うことができ、家電製品(端末機器)の本来機能を制御する家電マイコン(端末コントローラ)が解するコマンドを送信することができる。
【0148】
また、本実施の端末機器等は、識別番号付加部と、優先度情報記憶部とを備えることで、無線通信中に、端末機器の使用者(ユーザ)が端末機器に場合にも排他制御ができる。これは、識別番号付加部に識別番号(ID)が付加されることで、家電マイコン(端末コントローラ)にどちらの通信手段から情報を伝達し、どちらの通信手段に応答したかを認識することができるからである。つまり、コマンドに識別番号(ID)が付加されることにより、無線通信とNFCとのどちら通信方式を用いる通信手段(通信部または無線通信部)から受信したコマンドであるかを判断することができ、近接通信部または無線通信部どちらにACKを返せばいいか判断可することができるからである。
【0149】
また、本実施の端末機器等は、優先度情報記憶部を備え、通信状態や家電製品の動作状態に基づく優先度情報を優先度情報記憶部に格納することで、優先度の高い方で通信するという制御が可能になる。例えば、優先度情報に基づき、家電マイコン(端末コントローラ)との現在の無線通信を切断し、使用者動作に伴う近接通信を優先して通信するというような制御も可能になる。
【0150】
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1の構成を含み、さらに携帯機器20またはサーバ機器50とコマンドに伴いデータをやりとりする場合の例について説明する。
【0151】
図15は、実施の形態2における端末機器の構成例を示すブロック図である。
図2と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0152】
図15に示す端末機器10Dは、実施の形態1に係る端末機器10に対して、通信モジュール52の制御部53の構成が異なる。
【0153】
具体的には、制御部53は、実施の形態1に係る制御部13に対して、通信制御部534の構成が異なり、さらに障害検知部536と報知情報制御部537との構成が付加されている。
【0154】
通信制御部534は、実施の形態1に係る通信制御部134に対して、ヘッダ抽出部538の構成が付加されている。
【0155】
ヘッダ抽出部538は、本発明の抽出部に対応し、端末部11のメインメモリ121に保存されているデータのヘッダ(ヘッダ情報)を抽出する。データは、ヘッダとペイロードとから構成されている。
【0156】
具体的には、ヘッダ抽出部538は、メインメモリ121に保存されているデータのヘッダ(ヘッダ情報)から、そのデータの容量を示す情報を少なくとも抽出する。
【0157】
そして、通信制御部534は、抽出したデータのヘッダを近接通信部14に対して送信する。
【0158】
ここで、制御部53は、メインメモリ121に保存されているデータの大きさが予め定めた以上である場合、近接通信部14に対してはデータのヘッダのみを送信し、無線通信部15が中継機器30と通信可能なときにデータを送信する。なお、制御部53は、近接通信部14に対してはデータのヘッダのみを送信し、近接通信部14から、データを無線通信部15に送信する旨を示すコマンドを受信した場合に限り、無線通信部15が中継機器30(外部の通信機器)と通信可能なときにそのデータを送信するとしてもよい。
【0159】
通信制御部534のその他の機能については通信制御部134と同じであるため説明を省略する。
【0160】
障害検知部536は、本発明の障害検知部に対応し、少なくとも無線通信部15または近接通信部14の障害を検知する。
【0161】
例えば、障害検知部536は、制御部53が端末コントローラ120により伝達されたコマンドを無線通信部15に対して送信したのにかかわらず、そのコマンドに対するACKが無線通信部15から制御部53に伝達されないとき、無線通信部15が故障していると検知する。同様に、障害検知部536は、制御部53が端末コントローラ120により伝達された近接通信部14に対して送信したのにかかわらず、そのコマンドに対するACKが近接通信部14から制御部53に伝達されないとき、近接通信部14が故障していると検知する。
【0162】
また、例えば、障害検知部536は、無線通信部15がコマンドを含むデータ信号を送信したのにかかわらず、前記データ信号のMAC−ACKが無線通信部15に伝達されない場合、無線通信部15のネットワークの設定がエラーであるまたは無線通信がパケットエラーであると検知する。なお、無線通信部15にNACKが伝達された場合、無線通信部15と中継機器30とは接続されているものの通信状態が不良であると検知する。
【0163】
このように障害検知部536は、少なくとも無線通信部15または近接通信部14に関する障害情報を検知する。
【0164】
報知情報制御部537は、本発明の報知情報制御部に対応し、端末機器10Dの使用者に報知すべき報知情報があるどうかを検知し、報知情報があることを検知した場合に、その報知情報を使用者に獲得させるための報知コマンドを近接通信部14と無線通信部15との両方に保持させる。また、報知情報制御部537は、無線通信部15および近接通信部14の一方が報知コマンドを外部に通信した場合、無線通信部15および近接通信部14の他方の報知コマンドを削除する。
【0165】
なお、報知情報制御部537は、障害検知部536が検知した障害情報を報知情報としてもよい。また、報知情報制御部537は、端末コントローラ120が伝達するコマンドの内容から報知情報を検出するとしてもよい。この場合、報知情報制御部は、例えば端末部11の動作エラーを示す情報を端末コントローラ120が告知するコマンドであることを検知した場合、そのコマンドを報知情報とすればよい。
【0166】
ここで、制御部53は、報知情報制御部537が報知情報を検知または障害検知部536が障害情報を検知し、近接通信部14および無線通信部を介して、報知情報または障害情報をサーバ機器50に送信する。サーバ機器50は、障害情報(報知情報)に応じた対応方法を近接通信部14または無線通信部15に応答し、その対応方法(例えば正常設定値等の修正情報)が端末部11に伝達される。
【0167】
このようにして、端末機器10の修正情報が端末部11に伝達されることにより、障害等に対応することができるようになる。
【0168】
以上のように、制御部53は構成される。
【0169】
次に、以上のように構成された端末機器10Dの動作について説明する。
【0170】
図16は、実施の形態2における通信モジュールでヘッダ抽出される場合の動作の例を示すフローチャートである。
【0171】
まず、ヘッダ抽出部538は、メインメモリ121に保存されているデータのヘッダ(ヘッダ情報)を抽出する(S501)。なお、ヘッダ抽出部538は、抽出したヘッダ情報を保持するとしてもよいし、通信記憶部1352に記憶するとしてもよい。
【0172】
次に、通信制御部534は、近接通信部14よりコマンド送信要求があるかを確認する(S502)。
【0173】
通信制御部534は、近接通信部14よりコマンド送信要求がある場合(S502でYes)、抽出したヘッダ情報を近接通信部14に伝達する(S503)。なお、通信制御部534は、近接通信部14よりコマンド送信要求がない場合(S502でNo)、
図16に示す動作を終了する。
【0174】
次に、通信制御部534は、近接通信部14によりメインメモリ121に保存されているデータを送信する要求を示すコマンドを受信したかを確認する(S504)。なお、通信制御部534は、近接通信部14によりメインメモリ121に保存されているデータを送信する要求を示すコマンドを受信していない場合(S504でNo)、
図16に示す動作を終了する。
【0175】
通信制御部534は、近接通信部14によりメインメモリ121に保存されているデータを送信する要求を示すコマンドを受信した場合(S504でYes)、そのコマンドが無線通信部15によるデータ送信を要求しているかを確認する(S505)。
【0176】
通信制御部534は、そのコマンドが無線通信部15によるデータ送信を要求している場合(S505でYes)、メインメモリ121に保存されているデータを通信記憶部1352に一時記憶し、無線通信部15が中継機器30(外部の通信機器)と通信可能なときにそのデータを送信する(S506)。
【0177】
一方、通信制御部534は、そのコマンドが近接通信部14によるデータ送信を要求している場合(S505でNo)、メインメモリ121に保存されているデータを近接通信部14に送信する(S507)。その場合、近接通信部14は、受信したデータを一旦、近接通信記憶部141に格納(記憶)し、近接通信部14が携帯機器20と通信可能なときにそのデータを送信する。
【0178】
図17は、実施の形態2における通信モジュールでヘッダ抽出される場合の動作の別の例を示すフローチャートである。
【0179】
まず、ヘッダ抽出部538は、メインメモリ121に保存されているデータのヘッダ(ヘッダ情報)を抽出する(S601)。なお、ヘッダ抽出部538は、抽出したヘッダ情報を保持するとしてもよいし、通信記憶部1352に記憶するとしてもよい。
【0180】
次に、通信制御部534は、近接通信部14よりデータ送信要求のコマンドを受信したかを確認する(S602)。
【0181】
通信制御部534は、近接通信部14よりデータ送信要求のコマンドを受信した場合(S602でYes)、さらに、抽出したヘッダ情報を確認し、メインメモリ121に保存されているデータの大きさが予め定めた以上であるかを確認する(S603)。なお、通信制御部534は、近接通信部14よりデータ送信要求のコマンドを受信していない場合(S602でNo)、
図17に示す動作を終了する。
【0182】
通信制御部534は、メインメモリ121に保存されているデータの大きさが予め定めた以上である場合(S603でYes)、抽出したヘッダ情報を近接通信部14に伝達する(S604)。それとともに、通信制御部534は、メインメモリ121に保存されているデータを通信記憶部1352に一時記憶する。
【0183】
次に、通信制御部534は、無線通信部15が中継機器30(外部の通信機器)と通信可能なときにそのデータを送信する(S605)。
【0184】
一方、通信制御部534は、メインメモリ121に保存されているデータの大きさが予め定めたよりも小さい場合(S603でNo)、メインメモリ121に保存されているデータを近接通信部14に送信する(S606)。なお、その場合、近接通信部14は、受信したデータを一旦、近接通信記憶部141に格納(記憶)し、近接通信部14が携帯機器20と通信可能なときにそのデータを送信する。
【0185】
図18は、実施の形態2における通信モジュールで報知情報が通信される場合の例を示すフローチャートである。
【0186】
まず、通信制御部534は、端末コントローラ120よりコマンドを受信する(S701)。
【0187】
次に、報知情報制御部537は、端末コントローラ120が伝達するコマンドの内容から報知情報があるかを確認する(S702)。
【0188】
報知情報制御部537は、端末コントローラ120が伝達するコマンドの内容から報知情報を検出した場合(S702でYes)、その報知情報を使用者に獲得させるための報知コマンドを近接通信部14と無線通信部15との両方に保持(格納)させる(S703)。
【0189】
次に、報知情報制御部537は、一定期間後、無線通信部15または近接通信部14が報知コマンドを外部に通信できたかを確認する(S704)。
【0190】
ここで、報知情報制御部537は、無線通信部15または近接通信部14が報知コマンドを外部に通信できた場合(S704でYes)、無線通信部15および近接通信部14のうちのどちらが報知コマンドを外部に通信したかを確認する(S705)。
【0191】
報知情報制御部537は、近接通信部14が報知コマンドを外部に通信したことを確認した場合、無線通信部15の報知コマンドを通信記憶部1352から削除する(S706)。
【0192】
一方、報知情報制御部537は、無線通信部15が報知コマンドを外部に通信したことを確認した場合、近接通信部14に報知コマンドを削除させる。
【0193】
以上のようにして、通信モジュール52は報知情報を通信する。
【0194】
なお、上記では、報知情報を端末コントローラ120のコマンドから判断した例を説明したが、それに限られない。例えば、障害検知部536が検知した障害情報を報知情報と判断してもよい。つまり、端末機器10Dの使用者に報知すべき報知情報を判断できる方法であればよく判断方法は限定されない。
【0195】
図19は、実施の形態2における通信モジュールで障害情報が通信される場合の例を示すフローチャートである。
【0196】
まず、障害検知部536は、障害情報を検知できるか試みる(S801)。なお、障害検知部536は、障害情報を検知できない場合(S801でNo)、S801に戻り、一定期間後、再度、障害情報を検知できるか試みる。
【0197】
障害検知部536は、障害情報を検知した場合(S801でYes)、さらに、その障害情報が近接通信部14に関する障害情報か、無線通信部15に関する障害情報かを確認する(S802)。
【0198】
障害検知部536は、検知した障害情報が近接通信部14に関するものである場合、その障害情報を通信記憶部1352に格納し(S803)、無線通信部15にその障害情報を、中継機器30を介して、サーバ機器50に送信させる(S804)。
【0199】
次に、無線通信部15は、サーバ機器50により、障害情報に応じた修正情報を受信する(S805)。このようにして、端末機器10に修正情報が伝達され、障害等に対応できることになる。
【0200】
一方、S802において、障害検知部536は、検知した障害情報が無線通信部15に関するものである場合、その障害情報を近接通信部14に伝達する(S806)。
【0201】
次に、近接通信部14はその障害情報を、携帯機器20に送信する(S807)。
【0202】
次に、携帯機器20は、その障害情報をサーバ機器50に送信する(S808)。
【0203】
次に、携帯機器20は、サーバ機器50により、障害情報に応じた修正情報を受信する(S809)。そして、使用者が携帯機器20を端末機器10に近接させて、近接通信することで、近接通信部14は、サーバ機器50により、障害情報に応じた修正情報を受信する(S810)。このようにして、端末機器10に修正情報が伝達され、障害等に対応できることになる。換言すると、ユーザは、端末機器10を直接操作して障害を修正することなく、障害情報に基づき携帯機器等を端末機器へ近接させるという簡単操作で障害を修正することができるという効果を奏する。
【0204】
なお、中継機器30も近接通信機能を備えるとしてもよい。その場合、中継機器30の影響による障害、または、端末機器10および中継機器30双方の影響による障害があったとしても、ユーザは、上記同様に、中継機器30に携帯機器20を近接させることにより、携帯機器20が保持する修正情報を中継機器30に伝達し、中継機器30の障害を修正することができるという効果を奏する。
【0205】
以上のようにして、通信モジュール52は障害情報を通信する。
【0206】
以上、本発明によれば、家電製品等の本来機能部を変更せずに併存するNFCと一般的な無線通信とにおける通信を適切に制御することができる端末機器、その通信方法を実現することができる。
【0207】
以上、本発明の端末機器、その通信方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0208】
例えば、実施の形態2では、識別番号付加部133は、コマンド変換部131と通信制御部534との間に構成されるとして説明したがそれに限らない。識別番号付加部は、コマンド変換部と無線通信部15との間に構成されるとしてもよい。また、実施の形態2では、端末部11を制御する端末コントローラ120が解するコマンド体系は、近接通信部14のコマンド体系のみであるとして説明したがそれに限らない。端末コントローラ120が解するコマンド体系は、無線通信部15のコマンド体系のみであってもよい。
図20に示すように、実施の形態1の変形例2と同様に、識別番号付加部633は、コマンド変換部631と無線通信部15との間に構成されるとしてもよい。
【0209】
ここで、
図20は、実施の形態2の変形例における端末機器の構成例を示すブロック図である。
図12、
図13および
図15と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。なお、
図20に示す端末機器10Eは、実施の形態2に係る端末機器10Dに対して、端末部21の端末コントローラ220と、通信モジュール62の制御部63との構成が異なる。
【0210】
なお、実施の形態1および2において、端末機器10と携帯機器20との間の通信をNFCなどの近接無線通信で行う場合の例を説明したが、これに限られない.コマンド情報の送受信のための通信を赤外線通信で行うとしてもよく、携帯機器20はエアコン等のリモコンであるとしてもいい。
【0211】
また、本発明には、端末機器に搭載される通信モジュールのみでも本発明の範囲に含まれる。なぜなら、無線通信部または近接通信部のみで構成される通信モジュールを備える端末機器に対して、その既存の通信モジュールを本発明の通信モジュールに交換することで、家電製品等の本来機能部を変更せずに併存するNFCと一般的な無線通信とにおける通信を適切に制御することができる本発明の効果が得られるからである。
【0212】
具体的には、本発明の一態様の通信モジュールは、外部のリーダライタと近接通信する近接通信部と、外部の通信機器と無線通信する無線通信部と、前記無線通信部および前記近接通信部のうちの一方のコマンド体系のみを解し、前記端末機器が有する機能を制御する端末制御部と、前記無線通信部および前記近接通信部との間での通信を制御する部間通信制御部とを備え、前記通信制御部は、前記近接通信部または前記無線通信部からのコマンドに対して識別番号を付加する識別番号付加部と、前記無線通信部のコマンド体系と前記近接通信部のコマンド体系とを対応付けるコマンド変換テーブルを用いて、前記無線通信部および前記近接通信部からのコマンドのうちの他方のコマンドを前記一方のコマンド体系のコマンドに変換するコマンド変換部と、を有する。
【0213】
また、本発明は、装置として実現するだけでなく、このような装置が備える処理手段の一部を集積回路として実現してもよい。
【0214】
具体的には、本発明の一態様に係る集積回路は、外部の通信機器と無線通信する無線通信部および外部のリーダライタと近接通信する近接通信部のうちの一方のコマンド体系のみを解し、前記端末機器が有する機能を制御する端末制御部と、前記無線通信部および前記近接通信部との間での通信を制御する集積回路であって、前記通信制御部は、前記近接通信部または前記無線通信部からのコマンドに対して識別番号を付加する識別番号付加部と、前記無線通信部のコマンド体系と前記近接通信部のコマンド体系とを対応付けるコマンド変換テーブルを用いて、前記無線通信部および前記近接通信部からのコマンドのうちの他方のコマンドを前記一方のコマンド体系のコマンドに変換するコマンド変換部と、を有する。
【0215】
また、本発明は、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりしてもよい。
【0216】
すなわち、本発明の一態様として、外部のリーダライタと近接通信する近接通信部と、外部の通信機器と無線通信する無線通信部と、前記無線通信部および前記近接通信部のうちの一方のコマンド体系のみを解し、前記端末機器が有する機能を制御する端末制御部と、前記無線通信部および前記近接通信部と前記端末制御部との間での通信を制御する部間通信制御とを備える端末機器に実行させるプログラムであって、前記通信制御部に、前記近接通信部または前記無線通信部からのコマンドに対して識別番号を付加させる識別番号付加ステップと、前記無線通信部のコマンド体系と前記近接通信部のコマンド体系とを対応付けるコマンド変換テーブルを用いて、前記無線通信部および前記近接通信部からのコマンドのうちの他方のコマンドを前記一方のコマンド体系のコマンドに変換するコマンド変換ステップと、を含むプログラムとして実現してもよい。また、本発明の一態様として、外部のリーダライタと近接通信する近接通信部と、外部の通信機器と無線通信する無線通信部と、前記無線通信部および前記近接通信部のうちの一方のコマンド体系のみを解し、前記端末機器が有する機能を制御する端末制御部と、前記無線通信部および前記近接通信部と前記端末制御部との間での通信を制御する部間通信制御とを備える端末機器の通信方法であって、前記通信制御部に、前記近接通信部または前記無線通信部からのコマンドに対して識別番号を付加させる識別番号付加ステップと、前記無線通信部のコマンド体系と前記近接通信部のコマンド体系とを対応付けるコマンド変換テーブルを用いて、前記無線通信部および前記近接通信部からのコマンドのうちの他方のコマンドを前記一方のコマンド体系のコマンドに変換するコマンド変換ステップと、を含む通信方法として実現してもよい。