特許第6104846号(P6104846)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104846
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】トナーカートリッジを再生産する方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20170316BHJP
【FI】
   G03G15/08 221
   G03G15/08 380
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-87840(P2014-87840)
(22)【出願日】2014年4月22日
(65)【公開番号】特開2014-228865(P2014-228865A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年5月20日
(31)【優先権主張番号】13/896,664
(32)【優先日】2013年5月17日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エフ・ゾナ
(72)【発明者】
【氏名】カレン・エル・ラモーラ
【審査官】 佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−114807(JP,A)
【文献】 特開2000−075641(JP,A)
【文献】 特開2006−293133(JP,A)
【文献】 特開平01−142750(JP,A)
【文献】 特開2011−123170(JP,A)
【文献】 特開2005−227730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトナーに関連するとともにトナー貯蔵領域とトナー供給ローラと現像ローラと感光ドラムとを含む非磁性トナーカートリッジを再生産する方法であって、
a)第2のトナーで前記トナー貯蔵領域を補充するステップであって、前記第2のトナーに関連する摩擦帯電性が前記第1のトナーに関連する摩擦帯電性とは異なる、ステップと、
b)トナー供給ローラコンタクトと現像ローラコンタクトの間に所定の抵抗値を有する抵抗器を電気的に接続するステップであって、前記抵抗器の所定の抵抗値が、前記第1のトナーと前記第2のトナーに関連する前記摩擦帯電性の相対的な差に関連している、ステップと、
を含み、
前記抵抗器が、静電プロセス中に前記トナーカートリッジを使用している間、前記トナー供給ローラと前記現像ローラとの間の電界を変更する、
方法。
【請求項2】
前記静電プロセスはプリントに関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記抵抗器が前記トナー供給ローラに関連する電気的コンタクトと前記現像ローラに関連する電気的コンタクトとに電気的接続され、前記電気的コンタクトが前記トナーカートリッジに関連する一つの長手方向端部に実質的に近傍にある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記抵抗器の前記所定抵抗値が通常使用時に前記トナーカートリッジに外的に提供されたバイアス電圧と前記第2のトナーに関連する前記摩擦帯電性との関数である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記抵抗器が前記トナー供給ローラと前記現像ローラとの間でバイアス電圧を変更する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記トナー供給ローラコンタクトを含む第1のスタンピングと前記現像ローラコンタクトを含む第2のスタンピングが、前記抵抗器を含む単体のスタンピングに交換される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のトナーに関連する前記摩擦帯電性が40μC/g以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記変更された電界が125〜200Vである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記感光ドラム、クリーニングブレード、およびシールの一以上を交換するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記抵抗器が、前記第2のトナーの摩擦帯電性、帯電ブレードの位置、クリーニングブレードの位置、および前記フォトレセプタの感度の一以上の関数である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
交換トナーを含む再生産された非磁性トナーカートリッジに関連するトナー供給ローラと現像ローラの間の電界を変更する方法であって、
前記トナー供給ローラと前記現像ローラの間で抵抗器に動作可能に接続するステップであって、前記交換トナーに関連する摩擦帯電特性に基づいて前記トナー供給ローラと前記現像ローラの間の電界を変更するために前記抵抗器の抵抗値を選択するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トナーカートリッジを再生産するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プリントの周知のプロセスにおいて、一般に感光体(以下、フォトレセプタ)として知られている電荷保持表面が静電気的に帯電され、その後、原画像の光パターンに露光され、これに応じて、表面を選択的に放電する。フォトレセプタ上で帯電、次に、放電された領域から得られたパターンが、潜像として知られる、原画像に一致している「静電荷パターン」を形成する。潜像は、「トナー」として知られている微細に分割された静電気的に付着する粉末を接触させることにより、現像される。トナーはフォトレセプタ表面上の静電荷によって画像領域上で保持される。よって、トナー画像は複写される原画像の光画像に一致するように生成される。その後、トナー画像は、基材または支持部材(例えば、紙)に転写され、支持部材へ定着され、複写される画像の永久的な記録になる。現像に引き続いて、電荷保持表面上に残った余分なトナーが表面からクリーニングされる。このプロセスは、原画像を複写したり、帯電した表面を様々な方法で像様に放電することができるラスタ出力スキャナ(ROS)などを用いて電気的に生成または記憶された原画像をプリントしたりする、光レンズに有用である。
【0003】
プリンタにおいて、現像液材料内でトナーがフォトレセプタ、最終的に、複写紙に転写されていくにつれて、この使用済みのトナーを取り替える必要がある。このように、プリンタは新品のトナーをマシンに分配する容器またはカートリッジを含む。小型でコンパクトなカートリッジや取外しが簡単なカートリッジを提供するために、カートリッジは一般にコンパクトな形状を有している。
【0004】
サービスのコスト、は印刷機の稼働に関わるコストのかなりの部分を占めている。いくつかの部品は、多くの場合サービスを必要とするものである。これらのいくらかの部品を簡単に交換する方法を提供することにより、オペレータはこれらの部品をオペレータ自身で交換することができ、サービス技術者の人件費を節約することができる。
【0005】
これらのいくつかの部品は、顧客によって簡単に交換できる筐体内に集合させている。この筐体は一般に顧客交換可能ユニット(CRU)と呼ばれる。一般に、CRUに含まれるものは、トナー、クリーニングブレード、帯電装置(コロトロンまたはバイアス帯電ローラ)、およびフォトレセプタである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
CRUは、複写機の寿命のあるうちに、数回、変更される。CRUの中の部品のいくつかはCRUの寿命があるうちに消費されるが、部品の多くは再利用することができる。したがって、今では、CRUは交換されるというより頻繁に再生産されている。再生産は、CRUを新品のトナーで補充し、摩耗する全ての部品を点検することを含む。摩耗した部品は交換される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施態様では、第1のトナーに関連するとともにトナー貯蔵領域とトナー供給ローラと現像ローラと感光ドラムとを含む非磁性トナーカートリッジを再生産する方法であって、a)第2のトナーでトナー貯蔵領域を補充するステップであって、第2のトナーに関連する摩擦帯電性が第1のトナーに関連する摩擦帯電性とは異なる、ステップと、b)トナー供給ローラコンタクトと現像ローラコンタクトの間に所定の抵抗値を有する抵抗器を電気的に接続するステップであって、抵抗器の所定の抵抗値が、第1のトナーと第2のトナーに関連する摩擦帯電性の相対的な差に関連している、ステップと、を含み、抵抗器が、静電プロセス中にトナーカートリッジを使用している間、トナー供給ローラと現像ローラとの間の電界を変更する、方法が記載されている。
【0008】
本開示の別の実施態様では、再生産された非磁性トナーカートリッジであって、カートリッジに関連する元のトナーとは異なる摩擦帯電性に関連する交換用トナーを含むトナー貯蔵領域と、カートリッジの外部の電源に接続するように構成された第1の電気的コンタクトに動作可能に接続されるトナー供給ローラと、カートリッジの外部の電源に接続するように構成された第2の電気的コンタクトに動作可能に接続される現像ローラと、感光ドラムと、第1の電気的コンタクトと第2の電気的コンタクトに動作可能に接続される抵抗器と、を含み、抵抗器が、静電プロセス中にトナーカートリッジを使用している間、交換用トナーを現像ローラへ引き寄せるために、トナー供給ローラと現像ローラとの間の電界を変更する、再生産された非磁性トナーカートリッジが記載されている。
【0009】
更に他の実施態様では、交換トナーを含む再生産された非磁性トナーカートリッジに関連するトナー供給ローラと現像ローラの間の電界を変更する方法であって、トナー供給ローラと現像ローラの間で抵抗器に動作可能に接続するステップであって、交換トナーに関連する摩擦帯電特性に基づいてトナー供給ローラと現像ローラの間の電界を変更するために抵抗器の抵抗値が選択されるステップを含む、方法が記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、非磁性トナーカートリッジを示す断面図である。
図2図2は、トナー供給ローラから現像ローラまでのトナーの移動を概略的に示す図である。
図3図3は、トナーカートリッジの等価回路を概略的に示す図である。
図4図4は、本開示の例示的な一実施形態による、トナーカートリッジの等価回路を概略的に示す図である。
図5図5は、本開示の例示的な一実施形態による、トナーに関連する摩擦帯電性と、関連する供給ローラ/現像ローラ電界と、を示すグラフである。
図6図6は、再生産されたトナーカートリッジに関連する電気的コンタクトの例示的な一実施形態を示す図である。
図7図7は、本開示の例示的な実施形態によるトナーカートリッジを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、トナーカートリッジの現像特徴、即ち、アフターマーケット(中古)のトナーを用いた一成分現像システム、を改良するために、現像ローラとトナー供給ローラとの間の電界を変更する方法を提供する。現像ローラとトナー供給ローラの電気的コンタクト同士の間に抵抗器を置くことによって、電界を低減して、アフターマーケットトナーの現像ローラへの搭載量を調整することができる。このトナーカートリッジを再生産する方法は、マシンにおけるゼログラフィー設定ポイントのいずれかの調整が不可能であるという限界を克服し、トナーカートリッジに関連する元のトナーとは異なる摩擦帯電性を有する交換用トナーを含むアフターマーケットソリューションの現像効率を高めるための調整を提供する。分布状態にある誤サイン(WS)/低帯電(LC)端末を有するトナーの選別による現像を少なくするために、供給ローラと現像ローラとの間の電界を変更する方法が提供されていることは有利である。これによって、WS/LCトナーが堆積する前にカートリッジ寿命を延ばすことができ、プリントの現像量と不明僚を削減する。更に、トナーカートリッジの第三者の再生産者は、帯電ブレードの高さは別として、再生産されたトナーカートリッジを使用するプリンタに関連するゼログラフィー設定ポイントまたは現像用ハードウェア設計についてはコントロールできない。再生産されたアセンブリへ抵抗器を単に追加することは、第三者のカートリッジを複数のトナーと協働させる相対的にコストの掛からない方法であり、トナーの更に最適化に伴うコストを削減することができる。
【0012】
例示的な一実施形態によれば、抵抗器は、極めて高い抵抗のニップが介在する現像ローラと供給ローラを介して接続される。通常の動作電流がニップに関連する高抵抗により極めて低いことから、新しい抵抗器を流れる追加電流によって電源電圧が降下する。電流がこのように低くまた相対湿度(RH)やマシン耐性に応じて変化しやすいので、ポテンショメータなどの抵抗器を供給ローラに直列に追加接続する場合より、電源特徴I−V曲線に基づくことでより一貫した電圧降下が得られる。
【0013】
第三者のアフターマーケットの部品供給者よるオールインワンのカートリッジを再生産するために開発されているトナー設計が利用可能である。これらのカートリッジの一部は、非磁性の一成分アーキテクチャであり、特定のトナーだけがアフターマーケットの部品、即ち、フォトレセプタ、クリーニングブレードなどと協働するように設計されている。よって、元製品の製造者(OEM)のトナー、即ち、懸濁重合と同等のフロー特性および帯電性能を得ることは困難である。特に、マシンのゼログラフィー設定ポイントとハードウェアパラメータはOEMトナー用に最適化されているが、第三者によって提供される交換用トナーと協働するように現場調整ができないことが問題とされている。
【0014】
本明細書には、アフターマーケットのトナーを用いてカートリッジの現像特徴を改善するために、現像ローラとトナー供給ローラとの間の電界を変更する方法が提供されている。これら2つのローラのコンタクト同士の間に抵抗器を置くことによって、現像ローラへの交換用トナーの搭載を調整するために電界を縮小して、マシンにおけるゼログラフィー設定ポイントのいずれかの調整が不可能であるという限界を克服する。
【0015】
第三者のアフターマーケットの構成において、第三者のサプライヤは、プリンタ、複写機、および/または多機能デバイス(MFD)に使用されるトナーカートリッジに再生産ソリューションを提供するために、フォトレセプタ、クリーニングブレード、シールなどの部品をソースとし、トナーと共に、説明書、固定具、手工具を含む再生産プロセスを開発する。一般に、第三者の供給者は、トナーカートリッジの一つを再生産する際、OEMの部品の多くを再利用する。とりわけ、現像用ハードウェア、即ち、現像ローラ、トナー供給ローラ、および帯電/測定ブレードがクリーニングされ再利用される。感光ドラム、クリーニングブレード、トナー、およびカートリッジメモリチップは、通常、新しいアフターマーケット部品と交換される。この状況において、トナーの帯電および流動特性は、このプロセスにおいて再利用されるOEM設計による現像用ハードウェアを使用して機能するように最適化される必要がある。更に、前述したように、マシン設定は、現場では、再生産されたカートリッジソリューションと協働するように調整することができない。OEMカートリッジハードウェアおよび材料に対して最適化された露光レベル、背景帯電レベル、現像位相などのゼログラフィーマシンの設定ポイントは、OEMと同様のプリント性能を実現するためにアフターマークソリューションによって解決しなければならない設計上の制約となり得る。現像用ハードウェアおよび固定されたマシン設定に制約があることから、現像性能を調整するために使用できる唯一の「ノブ(突破口)」は、トナー設計および/または再生産アセンブリプロセス中のカートリッジの帯電/測定ブレードの位置の調整である。
【0016】
図1を参照して、現像装置の一般構造を説明する。特に、図1およびこれに伴う図1の説明は、米国特許第8,150,301号に記載される現像装置の説明におおよそ一致している。現像装置によって採用されている現像方法は、非磁性一成分現像液を使用するコンタクトタイプのものである。
【0017】
この実施形態における現像装置は、トナー貯蔵チャンバ110と現像チャンバ111を含む筐体141を有している。
【0018】
トナー貯蔵チャンバ110はトナーを貯蔵する。チャンバは、可撓性のブレードであるトナー搬送部材115を有している。トナー搬送部材115は、図示した方向に回転し、トナーを攪拌しながら、トナー貯蔵チャンバ110内のトナーを現像チャンバ111へ搬送する。
【0019】
現像チャンバ111には、現像ローラ112、トナー供給ローラ113、調整ブレード114がある。現像ローラ112は、現像液担持体であり、図示した方向に回転される。トナー供給ローラ113は、現像ローラ112を現像液で塗膜する部材である。トナー供給ローラ113は図示した方向に回転する。調整ブレード114は、現像液が感光ドラム100の周面に塗膜された後、現像液が、単位面積当たりで、感光ドラム100の周面に塗膜されたまま残してよい量を調整する部材である。
【0020】
この実施形態における現像チャンバ111は、トナー貯蔵チャンバ110の上部に配置されている。現像チャンバ111とトナー貯蔵チャンバ110との間に開口142が提供されていることにより、筐体141内のトナーはトナー貯蔵チャンバ110と現像チャンバ111の間を移動することができる。トナー搬送部材115が回転するにつれて、トナー貯蔵チャンバ110内のトナーは、矢印144で示したように、開口142を通過して、フリップアップするように、現像チャンバ111内へ、搬送される。
【0021】
現像チャンバ111は、トナー貯蔵チャンバ110から搬送されたトナーを貯蔵するトナー貯蔵部143を具備している。現像装置は、トナー供給ローラ113がトナー貯蔵部143に部分的または完全に封入されるように構成されている。トナー供給ローラ113は現像ローラ112と接触した状態で配置される。トナー供給ローラ113は、トナー供給ローラ113と現像ローラ112との接触領域、即ち、ニップ150において、トナー供給ローラ113の周面が現像ローラ112の周面が移動する方向とは反対方向に移動する方向に移動する。即ち、ニップ150の領域において、現像ローラ112の周面が下方へ移動するのに対して、トナー供給ローラ113の周面は上方へ移動する。換言すれば、トナー供給ローラ113の回転方向に関して、ニップ領域150の下流エッジは上流エッジより上側で略直線である。
【0022】
トナー貯蔵部143内のトナーは、トナー供給ローラ113の回転によって、トナー供給ローラ113と現像ローラ112との間のニップ領域150へ搬送され、現像ローラ112上に塗膜される。トナーがトナー供給ローラ113による現像ローラ112の周面に塗布されたとき、トナーはトナーと現像ローラ112との間で摩擦帯電される。また、トナー供給ローラ113は、潜像の現像後に現像ローラ112の周面上に残留するトナーを掻き取る。
【0023】
現像チャンバ111において、ブレード114は、調整部材として配置され、現像ローラ112の周面にずっと押圧されたままである。トナーが現像ローラ112の周面に塗膜された後、ブレード114によって電荷を帯びている間に、現像ローラ112上のトナー層の厚さが調整される。これによって、トナーの薄層が現像ローラ112の周面に形成される。
【0024】
現像ローラ112は、その周面が感光ドラム100の周面にずっと押圧された状態を保つように位置決めされることによって現像領域を形成し、その際、現像ローラ112と感光ドラム100の間の接触圧は予め設定された値を有している。現像ローラ112は、現像領域において、現像ローラ112の周面が、現像ローラ112と感光ドラム100の間で所定量の周速差が存在することにより、感光ドラム100の周面の移動方向と同じ方向に移動するように回転する。
【0025】
ブレード114により現像ローラ112の周面に形成された薄膜トナー層は現像ローラ112が現像ローラ112と感光ドラム100との間の現像領域へ回転することによって搬送され、感光ドラム100の周面の潜像が現像される。現像ローラ112の周面に残留するトナー粒子、即ち、潜像の現像に使用されなかったトナー粒子はトナー供給ローラ113によって現像ローラ112の周面から取り除かれる。
【0026】
現像ローラ112とトナー供給ローラ113が前述の方向の各々へ回転するにつれて、トナー供給ローラ113の回転方向に関して、現像領域の上流側に圧力が生成される。よって、この力がトナー貯蔵部143内のトナーを空気と一緒に開口142へ押し込み、トナー貯蔵チャンバ110へ逆戻りさせる。よって、トナー貯蔵部143内のトナーはトナー貯蔵部143内に滞留しない。つまり、トナー貯蔵部143内のトナー本体は、隣のトナー本体と連続的に交換され、トナー貯蔵チャンバ110からトナー貯蔵部143へ搬送され、トナー貯蔵部143を介して循環する。
【0027】
図1の実施形態による現像装置によって採用される現像ローラ112は半導電性弾性ローラである。このローラは、弾性層を具備しており、一つの例示的な実施形態によれば、その外径は16mmである。半導電性弾性層の材料は、カーボンなどの導電性物質が分散されたシリコーンゴム、ウレタンなどの軟質ゴムまたは発泡物質であり、一つの例示的な実施形態によれば、体積抵抗率は、10Ωcm〜1010Ωcmである。場合によっては、材料は、前述の物質を組み合わせて形成される。
【0028】
例示的な一実施形態によれば、トナー供給ローラ113は、外径が16mmの弾性ローラである。トナー供給ローラ113の弾性表面層は、導電性の発泡物質、即ち、導電性スポンジから形成されている。例示的な一実施形態によれば、トナー供給ローラ113は、ニップ150の領域の現像ローラ112への見掛けの喰い込み量が1.5mmであるように、現像ローラ112に押圧されたままである。
【0029】
ブレード114は板バネである。ブレード114は、現像ローラ112の周面に接触したままであり、弾性的に屈曲されることによって、コンタクト部155の領域において調整ブレード114と現像ローラ112の間で維持される。
【0030】
この実施形態において、−350Vと−550Vが、現像ローラ112とトナー供給ローラ113の各々に印加される。ブレード114には−550Vが印加される。
【0031】
この実施形態の現像装置によって使用される現像液は、負帯電性の非磁性一成分トナーである。
【0032】
この実施形態の画像形成装置の処理速度、即ち、感光ドラム100の周速は、毎秒150mmであるのに対し、現像ローラ112の周速は毎秒180mmである。
【0033】
ここで、この実施形態を特徴付けることについて、より具体的には、通常帯電トナー粒子だけを現像ローラ112に供給する方法およびこの方法を実施するための構造的な構成について説明する。
【0034】
最初に、トナー供給ローラ113に印加する電圧について説明する。
【0035】
この実施形態において、トナー供給ローラ113に印加される電圧またはトナー供給バイアスは、その絶対値が、現像ローラ112に印加される電圧より大きい。現像ローラ112に印加される電圧の極性はトナーが帯電される極性と同じである。より具体的には、現像ローラ112には−350Vが印加され、トナー供給ローラ113には−550Vが印加される。
【0036】
即ち、トナー供給ローラ113には、現像ローラ112と極性が同じ電圧であり、トナー供給ローラ113と現像ローラ112との間で−200Vの電圧差をもたらすような電圧が印加される。言い換えれば、トナー供給ローラ113に印加される電圧は、その極性が現像液を帯電することが可能な正磁極と同じであり、よって、現像ローラ112に印加される電圧と同じであり、更に、その絶対値が現像ローラ112に印加される電圧の絶対値より大きくなるように設定される。
【0037】
一般に、上記したように、米国特許第8,150,301号に開示されているように、図1は、非磁性一成分現像カートリッジのための現像ハードウェアを示す断面図である。トナー溜め領域110は、供給ローラ113上に搭載されるトナーを含み、その後、トナーは現像ローラ112へ転写される。パドル115は、現像ローラ搭載ゾーン領域111へトナーを搬送する。供給ローラは、一般により低速で、現像ローラとは反対方向へ回転する。現像ローラは、現像ローラに力を印加する帯電/測定ブレード114に対して回転する。ブレードのニップ155において、トナーはローラ面に対する摩擦によって帯電され、均一な厚さになるように測定される。このトナーの帯電層は、現像ニップ領域におけるフォトレセプタ上の潜像に接触する。現像後、供給ローラも、ニップ領域150内の現像ローラから残ったトナーを剥離させてトナー溜めに戻すように機能する。
【0038】
図1のニップ領域150にとって現像プロセスの重要な領域である。この領域において、トナーはコンタクト領域の入口で現像ローラに塗膜され、更に、コンタクト領域の出口で現像ローラから剥離される。より高速のマシンにおいて、一般に、現像部品同士の間に供給される電界がある。現像ローラはフォトレセプタに十分な潜像現像を提供するためにバイアスされる。一実施例によれば、これは約−350DC(直流)Vである。供給ローラは、良好に帯電されたトナー粒子が搭載ステップにおいて現像ローラに付着されることを確実にするために、より高い負電圧、例えば、−550DCVでバイアスされる。米国特許第8,150,301号に実質的に開示されている図2はトナー供給ニップの電気特性を示している。このニップに電界を付与することによって、良好に帯電した負のトナーが現像ローラへ移動するが、誤サイントナーだけでなく一部の低帯電トナーが供給ローラとともに滞留する。
【0039】
上記のトナーの帯電構成は、帯電/測定ブレードニップへ移動するトナーが全て負帯電トナーであること、および、たとえブレードニップ内で更に帯電される前であっても、潜像現像を担持するに十分であること、を確かなものにする。OEM(元製品の製造者)のトナーの場合において、トナーの流れや帯電性が、このニップにおいて誤サイン(WS)または低帯電(LC)トナー粒子が殆ど存在しないように、マシン提供者によって最適化される。しかしながら、第三者のトナー設計は帯電分布においてWS/LC端末を除去するのに苦労することもある。例えば、一つの交換品、即ち、非OEMトナーが図2に示した元の同じ電界を受けた場合、現像ローラへ移動する良好に帯電されたトナー量は少なくなり、トナー溜めに滞留するWS/LC端末が多くなる場合がある。最終的に、プリント量が増えるにつれて、トナーホッパーに残るトナー粒子は全て低帯電粒子になる。カートリッジの寿命の中盤から最後にかけて、交換用のトナー濃度性能は、全ての良好に帯電された粒子、即ち、小型で丸い粒子を最初に選択的に取り出し、全ての低帯電粒子、即ち、大型で粗い粒子を溜めに残す現像システムによって劇的に低下する。従来の再生産プロセスはマシンにおいてバイアスを調節したり現像ハードウェア設計/材料を変更したりする能力を持たないので、トナー生産者はOEMと同様の帯電分布を提供するにはトナー設計および生産プロセスを改良することを余儀なくされる。
【0040】
本明細書において、現像システムにおける選別量を減らすために、供給ローラと現像ローラの間の電界を変更する手段が提供されている。この手段はアフターマークのトナー設計でもカートリッジの全体寿命にわたる顧客の要求を満たすことを可能にし、現像用ハードウェア材料特性のマシン設定が現場では調整が不可能である制約を克服する。一つの例示的な実施形態によれば、抵抗器が供給ローラと現像コンタクトを介して配置されることにより、両間のバイアス電圧を変更し、通常動作によって発生する選別による現像の量を少なくする方法を提供する。図3は、抵抗器のない電流バイアス回路図を示し、図4は開示されている抵抗器を有する電流バイアス回路図を示している。回路に適切な抵抗(R1)を追加することにより、供給ローラと現像の間の電界が交換用トナーの摩擦帯電性に応じて調整される。
【0041】
交換用トナーの一実施例によれば、このバイアスの低減によって現像ローラの搭載が測定ブレードへ供給するトナーを選別する必要がなくなり、これによって、OEMと同様の帯電分布を有さない可能性のあるカートリッジの寿命を延ばすことができる。システムソリューションの現像段階では、トナー設計、ブレードの位置、フォトレセプタドラムの感度を変更するために必要とされる抵抗器の値を求める試験が行われる。現像ニップに押し込まれる誤サイン/低帯電トナーの量が増加するので、トナー設計、ブレード位置の測定、および/またはフォトレセプタ感度は、ソリューションの背景性能によって良好な濃度の安定バランスを保つための調整を必要とする。最適な抵抗値が決定されると、抵抗器は再生産プロセス中に電気的コンタクトアセンブリへ追加される。
【0042】
図5は、一実施例による、交換用トナーと元のOEMトナーに必要とされる供給/現像のバイアス電圧のグラフである。図示したように、グラフは、良好なトナーの現像を支持するために、μC/gで指定される特定のトナーの摩擦特性と、供給ローラと現像ローラの間の対応する電界と、の関係を示す。
【0043】
図6は、一つの例示的な実施形態による、交換用トナーの一実施例に対して必要とされる供給/現像バイアス電圧を達成するために、トナーカートリッジのエンドキャップ内へ組み込まれた抵抗器610を示す。
【0044】
図示したように、エンドキャップは、測定ブレード電気的コンタクト600、現像ローラ電気的コンタクト605、抵抗器610、および供給ローラ電気的コンタクト620を含む。更に参照するに、図7は、抵抗器R1を取り付けずに、帯電ブレード705と現像ローラ710を含むトナーカートリッジに取り付け/固定されたトナーカートリッジのエンドキャップを示す。一実施形態において、抵抗器は50,000Ωであるように選択され、供給ローラと現像ローラとの間の電界を約50V、減少させた。
【0045】
他の設計は、再生産プロセス実行中に2つの電流スタンピングを交換するために供給され得る抵抗器を含む単一銅または青銅スタンピングアセンブリを提供することによって、抵抗器を組み込むことができる。
【0046】
要するに、提供されている再生産方法および再生産されたデバイスは、デバイスが分布においてWS/LC端末を有するトナーの選別による現像量を少なくするために供給ローラと現像ローラの間の電界を変更するステップを含む。このステップは、顧客や現場の技術者が介入しなくとも、現像部品に印加される電圧を変更するために単に再生産アセンブリへ抵抗器を追加することによって達成される。なお、以下に本発明の構成の一例を付記として示す。
(付記1)
第1のトナーに関連するとともにトナー貯蔵領域とトナー供給ローラと現像ローラと感光ドラムとを含む非磁性トナーカートリッジを再生産する方法であって、
a)第2のトナーで前記トナー貯蔵領域を補充するステップであって、前記第2のトナーに関連する摩擦帯電性が前記第1のトナーに関連する摩擦帯電性とは異なる、ステップと、
b)トナー供給ローラコンタクトと現像ローラコンタクトの間に所定の抵抗値を有する抵抗器を電気的に接続するステップであって、前記抵抗器の所定の抵抗値が、前記第1のトナーと前記第2のトナーに関連する前記摩擦帯電性の相対的な差に関連している、ステップと、
を含み、
前記抵抗器が、静電プロセス中に前記トナーカートリッジを使用している間、前記トナー供給ローラと前記現像ローラとの間の電界を変更する、
方法。
(付記2)
前記抵抗器が前記トナー供給ローラに関連する電気的コンタクトと前記現像ローラに関連する電気的コンタクトとに電気的接続され、前記電気的コンタクトが前記トナーカートリッジに関連する一つの長手方向端部に実質的に近傍にあり、前記抵抗器の前記所定抵抗値が通常使用時に前記トナーカートリッジに外的に提供されたバイアス電圧と前記第2のトナーに関連する前記摩擦帯電性との関数である、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記抵抗器が前記トナー供給ローラと前記現像ローラとの間でバイアス電圧を変更し、前記第2のトナーに関連する前記摩擦帯電性が40μC/g以下であり、前記変更された電界が125〜200Vである、付記1に記載の方法。
(付記4)
前記感光ドラム、クリーニングブレード、およびシールの一以上を交換するステップを更に含む付記1に記載の方法。
(付記5)
前記抵抗器が、前記第2のトナーの摩擦帯電性、帯電ブレードの位置、クリーニングブレードの位置、および前記フォトレセプタの感度の一以上の関数である、付記1に記載の方法
付記
交換トナーを含む再生産された非磁性トナーカートリッジに関連するトナー供給ローラと現像ローラの間の電界を変更する方法であって、
前記トナー供給ローラと前記現像ローラの間で抵抗器に動作可能に接続するステップであって、前記交換トナーに関連する摩擦帯電特性に基づいて前記トナー供給ローラと前記現像ローラの間の電界を変更するために前記抵抗器の抵抗値を選択するステップを含む、
方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7