(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ナノ粒子が、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、または少なくとも10個の異なる側面を含む三次元形状を有する、請求項1に記載の方法。
前記ナノ粒子が、1ミクロン以下、500nm以下、250nm以下、100nm以下、75nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下、または1nm以下の少なくとも1つの横断面寸法を有する、請求項1に記載の方法。
前記ナノ粒子が、前記ナノ粒子の表面に付着した少なくとも2個、少なくとも4個、少なくとも6個、少なくとも8個または少なくとも10個の異なる単離された結合部位を含む、請求項24に記載の方法。
前記単離された結合部位が、少なくとも2nm、少なくとも5nm、少なくとも10nm、少なくとも15nm、少なくとも20nm、または少なくとも30nm互いに離れて配置される、請求項25に記載の方法。
前記核酸容器が空洞を含み、前記空洞の横断面寸法が、1ミクロン以下、500nm以下、250nm以下、100nm以下、75nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下、または1nm以下である、請求項1に記載の方法。
前記核酸容器が空洞を含み、前記空洞の横断面寸法が、1nm以上、5nm以上、10nm以上、20nm以上、30nm以上、40nm以上、50nm以上、100nm以上、500nm以上、または1ミクロン以上である、請求項1に記載の方法。
前記核酸容器が空洞を囲む壁を含み、前記壁の平均厚さが1ミクロン以下、500nm以下、250nm以下、100nm以下、75nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下、または1nm以下である、請求項1に記載の方法。
前記核酸容器が空洞を囲む壁を含み、前記壁の平均厚さが1nm以上、10nm以上、25nm以上、50nm以上、100nm以上、500nm以上、または1ミクロン以上である、請求項1に記載の方法。
前記ナノ粒子の表面上に配置された少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも15個、または少なくとも20個の異なるマーカーを含む、請求項50に記載の方法。
各々異なる形状を有する少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも50個、または少なくとも100個の無機ナノ粒子を同時に形成する工程を含む、請求項1に記載の方法。
前記核酸容器が、事前に設計された三次元構造を有する空洞を含むよう設計されており、前記ナノ粒子の形状が、少なくとも一部は、前記空洞に対して成型することにより形成される、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0037】
独特なおよび/または所定の形状を有するナノ構造を形成するための物品および方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法および物品は、構造型として核酸容器を使用する工程を含む。例えば、空洞を含む事前に設計された核酸容器を使用してナノ粒子の形状特異的成長を制御してもよい。空洞内でのナノ粒子の成長は、核酸容器の特異的形状により限局(confine)され得る。このような方法を使用して、複雑な所定の形状およびサイズを有するナノ粒子を形成することができる。核酸容器でコーティングされている得られたナノ粒子をそのままで使用してもよいし、または所望であれば核酸コーティングを部分的にもしくは完全に除去してもよい。
【0038】
さらに、本明細書に記載する方法により、異なるナノ粒子前駆体を使用するおよび/または核酸容器の壁の厚さを制御することにより、成長したナノ粒子の材料組成を制御することができる。いくつかの実施形態では、このようなパラメータを制御することにより、所定の制御された比の材料成分を有するナノ粒子合金を形成することができる。いくつかの実施形態では、得られた核酸−ナノ粒子構造を使用して、ナノ粒子の表面上または核酸容器の表面上の結合部位、マーカーおよび表面リガンドなどの成分の配向、数、種類および配置を制御することができる。有利には、所定の数および配向の独特な成分がナノ粒子または核酸容器表面に付着したナノ粒子により、標的分子の多重化検出などの用途のための構造のアドレス指定能力が可能となり得る。さらに、構造のアドレス指定能力を使用して、いくつかの実施形態で構造のより高次のアセンブリを形成することができる。
【0039】
本明細書で提供する物品および方法は、バイオセンシング、エレクトロニクス、環境科学およびエネルギーを含むいくつかの異なる分野の用途を有する。本明細書に記載する物品および方法の他の利点を以下により詳細に提供する。
【0040】
図1Aに示す独特なおよび/または所定の形状を有するナノ粒子を形成する方法の例。
図1Aに説明として示すように、スキーム10は、ナノ粒子のテンプレート化合成のための型として核酸容器20を使用する工程を含む。核酸容器20は、外側表面24と、内側表面26と、外側表面と内側表面との間に形成された壁25とを含む。核酸容器はまた、核酸容器の内側表面部分に囲まれた空洞30を含む。
図1Aに説明として示すように、核酸容器はまた、ある実施形態では開いていてもよく、他の実施形態では閉じていてもよい、端部32および端部33を含んでもよい。空洞への開口部により、1または複数のナノ粒子前駆体34が空洞に挿入されることが可能になり得る。あるいは、1または複数のナノ粒子前駆体は、例えば、容器自体の形成中に1または複数のナノ粒子前駆体を核酸に付着させて容器を形成することにより、完全に閉じた空洞の内側に存在することができる。いったん空洞に挿入されたら、1または複数のナノ粒子前駆体は、例えば、イオン性相互作用、疎水性および/または親水性相互作用、静電的相互作用、ファンデルワールス相互作用またはこれらの組み合わせを通じて、核酸容器に共有結合、物理吸着、化学吸着または付着することにより、核酸容器に会合し得る。他の実施形態では、1または複数のナノ粒子前駆体は、空洞の内側で浮遊していてもよい。
【0041】
核酸容器の壁はまた、ナノ粒子の形成を促進するために、ナノ粒子前駆体溶液が貫流するのを可能にし得る。一般的に、核酸容器の壁は多孔性であり、特定の分子および成分の容器の中または外への貫通および/または輸送を可能にすることができるが、他の分子および成分の容器の中または外への貫通および/または輸送を防ぐことができる。特定の分子が容器の壁の中へおよび/または容器の壁の中を通って貫通および/または輸送される能力は、以下により詳細に記載するように、例えば、壁を形成する核酸の充填密度、壁の厚さ、ならびに壁の化学的および物理的特性に依存し得る。したがって、核酸容器は開いている必要はなく、いくつかの実施形態では、特定のナノ粒子前駆体が細孔を介して空洞の中に入ることをなお可能にし、容器中でのナノ粒子の形成を促進しながら、実質的に閉じていてもよい。
【0042】
いったん1または複数のナノ粒子前駆体が空洞の中に配置されると、空洞の全部分を充填することができるナノ粒子38の形成を促進することができる。ナノ粒子38の形状は、少なくとも一部は、核酸容器の空洞の形状により、決定され得る。核酸容器の空洞の形状は、同様に、以下により詳細に記載するように、容器の内側表面を形成する核酸鎖の構成および配向を制御することにより変化させることができる。
図1Bは、異なる形状を有するナノ粒子38を形成するために使用することができる異なる形状の空洞を有する核酸容器の例を示している。有利には、多種多様な独特なおよび/または所定の形状のナノ粒子を本明細書に記載する方法を使用して形成することができる。
【0043】
特定の実施形態では、ナノ粒子が容器の内側表面または壁に遭遇するまで、容器の空洞中でナノ粒子の成長が継続する。成長するナノ粒子と容器の内側表面との間の化学的および/または物理的相互作用により、粒子の成長が停止または有意に減速し得る。実質的に閉じた核酸容器に関する特定の実施形態では、ナノ粒子38の全体の大きさおよび/または形状は、以下に詳細に記載するように、容器の空洞の大きさおよび/または形状により制御することができる。他の実施形態では、ナノ粒子の全部または一部の成長は、容器の内側表面部分と接触する前に停止する。
【0044】
核酸容器の空洞の内側でナノ粒子を成長させることは、一般的に、表面リガンドをナノ粒子前駆体の表面に単に付加すること以上のことを含む。例えば、ナノ粒子前駆体を使用してナノ粒子を成長させるいくつかの実施形態では、ナノ粒子前駆体は、ナノ粒子前駆体から成長して得られたナノ粒子の形状とは実質的に異なる形状を有してもよい。いくつかの例では、得られたナノ粒子は、ナノ粒子前駆体の形状よりも複雑な形状を有する。さらに、以下により詳細に記載するように、得られたナノ粒子の体積は、ナノ粒子前駆体の体積と実質的に異なってもよい(例えば、実質的に大きくてもよい)。
【0045】
図1Aに示す核酸容器20およびナノ粒子38は、以下により詳細に記載するように、種々の異なる用途に使用することができる複合ナノ構造40を形成することができる。
【0046】
図1Aは、核酸容器が形成された後でナノ粒子前駆体34を核酸容器の空洞に導入することを示しているが、他の実施形態では、容器が形成されている間にナノ粒子前駆体を核酸容器と会合させることができる。例えば、核酸容器の設計は、容器の内側表面部分を形成する核酸の一部に結合部位を含めることを含んでもよい。核酸をアニーリングして容器の形状を形成する間、核酸に付着した結合部位に相補的な結合部位を有するナノ粒子前駆体を導入して容器の内部表面とナノ粒子前駆体との間の結合を可能にすることができる。
【0047】
図1Aに説明として示すように、ナノ粒子38は、ナノ粒子前駆体34を使用することを含む種を介する成長プロセスにより形成することができる。すなわち、それ自体ナノ粒子の形態であり得るナノ粒子前駆体を種として使用してナノ粒子38の材料組成を決定し得る他の前駆体(例えば、ナノ粒子前駆体溶液)の存在下でより大きなナノ粒子を成長させることができる。ナノ粒子前駆体とナノ粒子前駆体溶液の任意の適当な組み合わせを使用することができる。例えば、金で形成されたナノ粒子を形成するために、HAuCl
4およびアスコルビン酸の金ナノ粒子前駆体および前駆体溶液を使用することができる。銀のナノ粒子を形成するために、AgNO
3およびアスコルビン酸の金ナノ粒子および前駆体溶液を使用することができる。したがって、得られるナノ粒子の材料組成を、使用する前駆体の種類を変えることにより制御することができる。追加の種類のナノ粒子前駆体の例を以下にさらに詳細に提供する。
【0048】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子を、種を介するプロセス以外の方法により形成することができる。例えば、1または複数のナノ粒子前駆体が核酸容器の空洞の全部または一部を充填してもよく、任意選択により、熱、光、圧力、電位、磁力および/または電磁力などの外力を印加してナノ粒子の成長または形成を促進することができる。いくつかの場合、化学成分を添加してナノ粒子の成長を促進することができる。1つの特定の実施形態では、モノマー(例えば、合成有機ポリマーなどの有機ポリマーのモノマー)などのナノ粒子前駆体、および任意選択によりモノマーの成長を誘因する1または複数の触媒を溶液形態で核酸容器の空洞に導入することができる。モノマーの重合は、例えば、熱、光または他の刺激を加えてポリマーナノ粒子の形成を可能にすることにより、核酸容器の空洞中で行うことができる。ヌクレオチドおよびアミノ酸などのモノマーを使用することができる。
【0049】
得られたナノ粒子は、ナノ粒子前駆体とは異なる物理的状態を有することができる。例えば、ナノ粒子の形成は、得られたナノ粒子を形成するために刺激を加えてナノ粒子前駆体の異なるフォームへの変換を引き起こす工程を含んでもよい。例えば、ナノ粒子前駆体は液体のフォームであってもよく、得られたナノ粒子は固体または固体様物質(例えば、ゲル)のフォームであってもよい。他の実施形態では、得られたナノ粒子は、ナノ粒子前駆体と同じ物理的状態を有する。例えば、ナノ粒子とナノ粒子前駆体の両方が固体のフォームであってもよい。
【0050】
本明細書に記載するように、いくつかの実施形態では、核酸容器の空洞中でのナノ粒子の形成は、容器中のナノ粒子の限局により停止または有意に減速する。例えば、ナノ粒子の形成は、ナノ粒子の表面と核酸容器の内側表面との間の化学的相互作用により停止し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、ナノ粒子の合成を、ナノ粒子が核酸容器の体積全体を充填する前に停止または有意に減速することができる。例えば、本明細書に記載するものなどの外力を使用してナノ粒子の形成を促進する場合、ナノ粒子が核酸容器の体積全体を充填する前に外力の印加を停止してもよい。
【0051】
したがって、いくつかの実施形態では、核酸容器は体積を有する空洞を含み、体積の一部のみがナノ粒子で充填される。例えば、空洞の体積の100%未満、80%未満、60%未満、40%未満、20%未満、または10%未満がナノ粒子で充填されてもよい。特定の実施形態では、空洞の体積の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、または少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%がナノ粒子で充填される。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、容器の体積の100%未満であるが少なくとも20%がナノ粒子で充填されていてもよい)。なお他の実施形態では、核酸容器の体積の実質的に全部がナノ粒子で充填されている。
【0052】
本明細書に記載する方法を使用してサイズ、形状および/または質量の均一性が比較的高いナノ粒子の集団を形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は、ナノ粒子の少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%が、組成物中の全ナノ粒子のメジアンまたは平均寸法または質量の、3標準偏差未満、2標準偏差未満、1標準偏差未満、0.5標準偏差未満または0.2標準偏差未満で、寸法(例えば、横断面寸法、最大横断面寸法、幅、高さもしくは長さ)または質量が変動するナノ粒子を含む。特定の実施形態では、組成物は、ナノ粒子の20%以下、15%以下、10%以下、5%以下、3%以下、2%以下、または1%以下が、組成物中の全ナノ粒子の対応する寸法の中間もしくは平均値または質量の20%超、15%超、10%超、5%超、3%超、2%超、または1%超異なる寸法または質量を有するような寸法(例えば、横断面寸法、幅、高さもしくは長さ)または質量の分布を有するナノ粒子を含んでもよい。
【0053】
本明細書に記載する方法を使用して、ナノ粒子の異なる領域でのナノ粒子の材料組成を制御および調整してもよい。例えば、本明細書に記載する方法により形成される金/銀ナノ粒子では、金の銀に対する比は第1の領域で8:1(重量:重量)、第2領域で1:8(重量:重量)の比であり得る。一般的に、第1および第2の成分を含む合金は、例えば、1:20〜20:1(重量:重量)の間の第1の成分の第2の成分に対する比を有してもよい。いくつかの実施形態では、ナノ粒子合金の第1の成分の第2の成分に対する比は、ナノ粒子の第1の領域で少なくとも1:20、少なくとも1:15、少なくとも1:10、少なくとも1:8、少なくとも1:6、少なくとも1:4、少なくとも1:2、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも4:1、少なくとも6:1、少なくとも8:1、少なくとも10:1、少なくとも15:1、または少なくとも20:1であってもよく、第1の成分の第2の成分に対する比は、第2の領域で少なくとも1:20、少なくとも1:15、少なくとも1:10、少なくとも1:8、少なくとも1:6、少なくとも1:4、少なくとも1:2、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも4:1、少なくとも6:1、少なくとも8:1、少なくとも10:1、少なくとも15:1、または少なくとも20:1であってもよく、比は第1と第2の領域との間で異なる。第3の成分を含む合金も可能であり得る。いくつかの場合、第1と第3の成分との、または第2と第3の成分との間の比は、上記比の1つを有する。
【0054】
本明細書に記載する方法を使用して材料組成の均一性が比較的高いナノ粒子を形成してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は、ナノ粒子の少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%が、組成物中の全ナノ粒子のメジアンまたは平均材料組成の3標準偏差未満、2標準偏差未満、1標準偏差未満、0.5標準偏差未満、または0.2標準偏差未満で、材料組成が変動するナノ粒子を含む。いくつかの実施形態では、材料組成の均一性が比較的高いこのような組成物には、第1と第2の成分との間の上記比を有するナノ粒子合金が含まれる。
【0055】
異なる形状を有する異なるナノ粒子の混合物が望まれる他の実施形態では、方法は、異なる核酸容器を使用して種々の異なるナノ粒子を同時に形成する工程を含んでもよい。例えば、いくつかの例では、各々が異なる所定の形状を有する2〜1000個の間のナノ粒子(例えば、2〜500個の間、2〜200個の間、または2〜100個の間のナノ粒子)を同時に形成してもよい。いくつかの実施形態では、方法は、異なる核酸容器を使用して、各々異なる形状を有する少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも50個、または少なくとも100個のナノ粒子(例えば、無機ナノ粒子)を同時に形成する工程を含んでもよい。組成物は、このような数の異なる形状のナノ粒子および/またはナノ構造を含んでもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する方法を使用して界面活性剤(例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド)などの特定の材料の非存在下でナノ粒子を形成することができる。このように、界面活性剤と適合性でない材料を含む種々の異なる材料を本明細書に記載する方法に使用してもよい。特定の実施形態では、ナノ粒子を酸化物テンプレートの非存在下で合成してもよい。
【0057】
特定の実施形態では、本明細書に記載する方法を生体外で(例えば、試験管内で)行うことができる。他の実施形態では、方法を細菌および細胞内などのインビトロまたはインビボ条件下で行うことができる。
【0058】
核酸容器、ナノ粒子およびこれらの組み合わせの他の特徴を以下にさらに詳細に記載する。
【0059】
本明細書に記載するように、核酸容器をテンプレートとして使用して容器の1または複数の空洞内でナノ粒子を形成することができる。核酸容器は、所定の三次元形状または構造(例えば、非ランダム三次元形状または構造)を有してもよい。
【0060】
本明細書に記載する核酸容器を、任意の適当な方法を使用して形成することができる。いくつかの実施形態では、核酸容器を、核酸鎖を計画的に折りたたむおよび/または曲げて核酸容器の形状を形成することを含むプロセスなどの非ランダムプロセスを使用して構築してもよい。いくつかの実施形態では、DNA「折り紙」法を使用してもよい。このような方法を使用して、任意の使用者が指定した形状を有する三次元(3D)核酸容器を形成することができる。いくつかの実施形態では、核酸容器は、得られた容器の形状を規定するのを助け得る任意の複数短鎖(multiple shorter strands)と共に、主に核酸の一本鎖で形成される。例えば、DNA「折り紙」法の使用に関するいくつかの実施形態では、長い「足場」DNA鎖が標的構造形状を「ラスタライズ」する一方で、多くの短い「ステープル」鎖が足場とハイブリダイズしてこれを標的形状に維持する。類似のポリマーを使用した核酸容器を構築する他の方法も可能である。例えば、構造DNAナノテクノロジー(例えば、DNA折り紙および一本鎖タイルを含む設計)として知られる分野では、自己組織化核酸(特に、DNA)を使用してリボン、チューブ、格子ならびに任意の2Dおよび3D形状などの多様な合成分子構造および装置を構築してきた。さらに、チャネルを中空DNAナノ構造、例えば、DNAナノチューブおよび3Dバレルに導入することができる。これらの合成分子構造および中空DNAナノ構造は、本発明によるおよび本明細書に記載するナノ粒子成長のための空洞を含んでもよい。
【0061】
核酸容器は、caDNAnoおよび当技術分野で既知の他のソフトウェアなどのソフトウェアパッケージの有無にかかわらず設計することができる。いくつかの実施形態では、足場鎖は、M13ウイルスのものなど天然起源であってもよい。他の実施形態では、足場鎖は、非天然起源であってもよい。いずれの例でも、足場鎖の配列は知られているべきである。NUPACKなどのソフトウェアパッケージを使用して動的配列成分を設計することもできる。当業者であれば、核酸をベースにした構造を生成する方法を含むその全内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7745594号および第7842793号;米国特許出願公開第2010/00696621号;ならびにGoodmanらNature Nanotechnology、doi10.1038/nnano.2008.3の開示により証明されるようなこれらの方法に精通している。
【0062】
本明細書に記載するように、いくつかの実施形態では、核酸容器は、主に核酸の一本鎖(すなわち、「足場」)で形成されている。例えば、いくつかの実施形態では、核酸容器を形成するために使用する核酸の一本鎖は、核酸容器全体の総分子量の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%を構成する。特定の実施形態では、核酸容器の一次構造を形成する核酸の一本鎖の分子量は、例えば、100kDa〜10000kDaの間の分子量を有してもよい。いくつかの実施形態では、核酸容器の一次構造を形成する核酸の一本鎖の分子量は、例えば、少なくとも300kDa、少なくとも600kDa、少なくとも640kDa、少なくとも800kDa、少なくとも1000kDa、少なくとも2000kDa、少なくとも4000kDa、または少なくとも6000kDaであってもよい。いくつかの場合、核酸容器の一次構造を形成する核酸の一本鎖の分子量は、例えば、6000kDa未満、4000kDa未満、2000kDa未満、1000kDa未満、800kDa未満、600kDa未満、または300kDa未満であってもよい。他の分子量値も可能である。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、少なくとも300kDaおよび1000kDa未満の分子量)。
【0063】
いくつかの場合、核酸容器を形成するために使用する核酸の一本鎖は、例えば、1000塩基(1kb)〜300キロ塩基(300kb)の間の長さを有する。核酸の一本鎖は、例えば、少なくとも1000塩基長(1kb)、少なくとも2kb、少なくとも5kb、少なくとも10kb、少なくとも15kb、少なくとも20kb、少なくとも25kb、少なくとも30kb、少なくとも40kb、少なくとも50kb、少なくとも60kb、少なくとも70kb、少なくとも100kb、少なくとも150kb、または少なくとも200kbの長さを有してもよい。特定の実施形態では、核酸の一本鎖は、例えば、200kb未満、150kb未満、100kb未満、70kb未満、60kb未満、50kb未満、40kb未満、30kb未満、20kb未満、10kb未満、5kb未満、または3kb未満の長さを有してもよい。上記範囲の組み合わせも可能である。
【0064】
さらに、「足場」として働く核酸の2つ以上(例えば、2、3、4、5、6つ等)の一本鎖を使用した核酸容器の形成も考慮されることを認識すべきである。核酸の2つ以上の一本鎖は、上記範囲の分子量および/または長さを有してもよいし、あるいは異なる範囲の分子量および/または長さを有してもよい。
【0065】
核酸容器は、いくつかの実施形態では、構造の他の部分に対して開いている1または複数の部分を含んでもよい。例えば、1つの特定の実施形態では、核酸容器は、流体および特定の分子が内部に貫流することができるように開いている2個の対向端部を含む。このような構造の例を、それぞれ容器の上面図および側面図を示す
図2Aおよび
図2Bに示す。他の実施形態では、核酸容器は、1個の開口部を有してもよく、それぞれ容器の上面図および側面図を示す
図2Cおよび
図2Dに説明する実施形態に示される通りである。他の実施形態では、核酸容器は3個以上の開口部を含んでもよい。なお他の実施形態では、核酸容器は、それぞれ容器の上面図および側面図を示す
図2Eおよび
図2Fに説明として示すように、実質的に閉じていてもよい。一般的に、核酸容器を、溶液中および/またはナノ粒子成長条件中で典型的な熱的および/または他の外力下でその形状を維持するために十分剛性にしてもよい。
【0066】
核酸容器および核酸容器中の空洞は、任意の適当な形状を有してもよい。有利には、核酸容器を、ナノ粒子の全部分を形成するためのテンプレートとして働くことができる特定の形状を有する空洞を含むよう設計することができる。本明細書に記載するように、核酸容器の空洞の形状を、いくつかの実施形態では、相補的形状を有するナノ粒子を形成するために使用してもよい。核酸容器空洞の形状の非限定的な例には、チューブ、ボックス、バレル、長方形、ロッド、「T」、「L」分岐構造、菱形、星形、正方形、平行四辺形、ロンボイド、三角形、五角形、六角形および多角形(これらに実質的に類似の形状を含む)が含まれる。空洞の一部は、ある場合には直線状であってもよく、他の場合には湾曲していてもよい。いくつかの例では、1または複数のチャネルがナノ構造中に存在する。いくつかの場合、核酸容器の空洞は非球形を有する。他の場合、核酸容器の空洞は任意のまたは不規則な形状を有する。いくつかの実施形態では、核酸容器の空洞は対称形状を有する。いくつかの実施形態では、核酸容器の空洞は非対称形状(例えば、対称軸がない)を有する。核酸容器が、その構造が意図する用途に適している限り、種々の形状およびフォームを有してもよいことを理解すべきである。
【0067】
核酸容器の空洞が、核酸容器の外側表面の形状と比べて、同じ形状または異なる形状を有してもよいことを認識すべきである。例えば、核酸容器の空洞を対称軸がないように設計してもよい一方で、容器の外側表面が対称軸を有する形状を有してもよい。
【0068】
核酸容器の空洞の横断面は任意の適当な形状を有してもよい。例えば、横断面は、長方形、ロッド、「T」、「L」、分岐構造、菱形、星形、正方形、平行四辺形、三角形、五角形または六角形の形状(これらに実質的に類似の形状を含む)であってもよい。他の形状も可能である。いくつかの場合、空洞の横断面は非球形を有する。いくつかの実施形態では、核酸容器の空洞の各横断面は非球形を有する。他の場合、空洞の横断面は、任意のまたは不規則な形状、対称形状、または非対称形状を有する。特定の実施形態では、空洞の各横断面は対称形状を有する。他の実施形態では、空洞の各横断面は非対称形状を有する。
【0069】
核酸容器は、いくつかの実施形態では、種々の数の異なる側面を含む三次元形状を有する。例えば、核酸容器は、形状全体中に5個の側面、および3個の側面を含む横断面を含む角柱の形状の空洞を有してもよい。特定の実施形態では、核酸容器の空洞は、例えば、その形状全体中に3〜10
6個の間の側面(例えば、3〜100個の間、3〜70個の間、3〜50個の間、または3〜30個の間、3〜25個の間、3〜20個の間、3〜15個の間、6〜15個の間、3〜10個の間、6〜10個の間、3〜9個の間、3〜5個の間、100〜10
3個の間、10
3〜10
4個の間、10
4〜10
5個の間、または10
5〜10
6個の間の側面)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、核酸容器の空洞は、例えば、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、または少なくとも50個の異なる側面を含んでもよい。特定の実施形態では、核酸容器の空洞は、例えば、その形状全体中に3〜10
6個の間の側面(例えば、3〜100個の間、3〜70個の間、3〜50個の間、または3〜30個の間、3〜25個の間、3〜20個の間、3〜15個の間、6〜15個の間、3〜10個の間、6〜10個の間、3〜9個の間、3〜5個の間、100〜10
3個の間、10
3〜10
4個の間、10
4〜10
5個の間、または10
5〜10
6個の間の側面)を含む横断面を有してもよい。いくつかの実施形態では、核酸容器の空洞は、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、または少なくとも50個の異なる側面を含む横断面を有してもよい。上記範囲の組み合わせも可能である。湾曲側面または面も可能であり得るが、いくつかの場合、側面は湾曲していなくてもよい(例えば、直線状)。有利には、複雑な形状を有する空洞を含む核酸容器を、本明細書に記載する方法を使用して形成することができ、これを使用して任意の複雑な(arbitrary complex)形状を有するナノ粒子を形成することができる。
【0070】
2個の側面の間の角度は、例えば、1°〜180°の間(例えば、1°〜120°の間、1°〜90°の間、または1°〜45°の間)であってもよい。いくつかの場合、2個の側面の間の角度は、例えば、1°超、10°超、30°超、45°超、60°超、90°超、120°超、または150°超であってもよい。特定の場合、2個の側面の間の角度は、例えば、180°未満、150°未満、120°未満、90°未満、60°未満、45°未満、30°未満、または10°未満であってもよい。他の角度も可能である。上記範囲の組み合わせも可能である。
【0071】
核酸容器は、任意の適当な数の開いた側面を含んでもよい。例えば、核酸容器は、少なくとも1個の開いた側面、少なくとも2個の開いた側面、少なくとも3個の開いた側面、または少なくとも4個の開いた側面を含んでもよい。いくつかの場合、核酸容器は、開いた2個の対向側面を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、核酸容器は、開いていても閉じていてもよい(例えば、可逆的にまたは不可逆的に)1または複数の蓋を含む。例えば、それぞれ側面図および斜視図を示す
図3Aおよび
図3Bに説明する実施形態に示すように、核酸容器20は、開いていても閉じていてもよい蓋50および52を含んでもよい。
図3Aおよび
図3Bは、開いた構成である蓋を示しており、これをヒンジ54の位置を変えることにより閉じてもよい。同様に、
図3Cおよび
図3Dに示す核酸容器は、蓋の開閉を可能にすることができる蓋50およびヒンジ54を含む。いくつかの場合、核酸容器は切換可能な蓋を含む。蓋を特定の核酸鎖の存在または非存在に応じてスイッチを入れるまたは切る(例えば、開くまたは閉じる)ことができるように核酸容器を設計して、核酸容器の異なる寸法制御可能性をもたらしてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、蓋が開いていると、核酸容器は成長するナノ粒子の直径を制御することができる一方で、蓋が閉じていると、ナノ粒子の直径と長さの両方を制御することができる。蓋を含む核酸容器に関する物品および方法の例は、全目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国仮特許出願公開第61/481542号により詳細に記載されている。
【0073】
特定の実施形態では、核酸容器は、少なくとも部分的に中空であるナノ粒子を形成するのに適した構成を有してもよい。例えば、
図3Eおよび
図3Fに説明として示すように、核酸容器20は、空洞30の形状を規定する外壁27および内壁55を含む。内壁は、この領域でのナノ粒子の形成を阻止し、それによって輪の形状の横断面を有するナノ粒子の形成を可能にする。少なくとも部分的に中空であるより複雑な形状のナノ粒子を作成するための核酸容器の内壁および外壁の他の構成も可能であることを認識すべきである。
【0074】
異なる方法を使用して
図3Eおよび
図3Fに示す核酸容器を組み立ててもよい。1つの代表的な方法は、本明細書に記載するDNA折り紙または一本鎖タイルなどの構造DNAナノテクノロジーを介したDNAの直接折りたたみを含む。別の代表的な方法は、異なるDNAサブユニットの自己組織化に基づく。例えば、DNAチューブ(例えば、外壁27)およびロッド(内壁55)を別々に調製し、次いで、DNAハイブリダイゼーションまたは他の相互作用を介してアセンブルして
図3Eおよび
図3Fに示すもののようなチューブ内ロッドを形成してもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、蓋は、容器の少なくとも一部(例えば、表面)に配置された相補的結合部位に結合するための少なくとも1個の結合部位を含んでもよい。結合部位は、本明細書により詳細に記載するように、蓋の容器への確実な付着を可能にすることができる。いくつかの場合、蓋または蓋により閉じられる容器の表面は、少なくとも2個、少なくとも4個、少なくとも6個、少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも14個、少なくとも16個、少なくとも18個、または少なくとも20個の結合部位を含む。結合部位は、いくつかの実施形態では互いに単離されていてもよい。他の結合単位を使用してもよいが、結合部位は、例えば、核酸鎖を含んでもよい。
【0076】
図面の多くが1個の空洞を有する核酸容器を示しているが、いくつかの実施形態では、核酸容器が2個以上の空洞(および、それゆえ、複数のナノ粒子の形成のための複数の位置)を含んでもよいことを認識すべきである。例えば、核酸容器は、いくつかの場合、2〜200個の間の空洞(例えば、2〜100個の間、2〜50個の間、2〜20個の間、2〜10個の間、または2〜5個の間の空洞)を有してもよい。いくつかの実施形態では、核酸容器は、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、または少なくとも15個の空洞を含む。特定の実施形態では、核酸容器は、20個未満、15個未満、10個未満、5個未満、または3個未満の空洞を含む。他の数の空洞も可能である。上記範囲の組み合わせも可能である。
【0077】
核酸容器の空洞のサイズを所望の通り変えることができる。いくつかの実施形態では、空洞の横断面寸法(例えば、空洞を囲む容器の2つの内側表面部分の間の距離により測定される)は、2nm〜1ミクロンの間(例えば、2nm〜500nmの間、または2nm〜250nmの間)である。いくつかの実施形態では、空洞の横断面寸法は、例えば、1ミクロン以下、500nm以下、250nm以下、100nm以下、75nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下、または2nm以下であってもよい。特定の実施形態では、空洞の横断面寸法は、1nm以上、2nm以上、5nm以上、10nm以上、20nm以上、30nm以上、40nm以上、50nm以上、100nm以上、500nm以上、または1ミクロン以上である。他の値も可能である。上記範囲の組み合わせも可能である。いくつかの実施形態では、空洞の上記横断面寸法は空洞の最大横断面寸法である。
【0078】
一般的にナノメートル程度のサイズを有する核酸容器および核酸容器の空洞を主に記載するが、いくつかの実施形態では、有意に異なるサイズを有する種々の核酸容器を使用してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、いくつかの容器は部分的または完全に他の容器内に配置されるのに十分小さい複数の容器を使用する。
【0079】
核酸容器の壁の厚さも所望により変えることができる。いくつかの実施形態では、核酸容器は空洞を囲む壁を含み、壁の平均厚さは1nm〜1ミクロンの間(例えば、1nm〜500nmの間、または1nm〜250nmの間)であってもよい。壁の平均厚さは、例えば、1ミクロン以下、500nm以下、250nm以下、100nm以下、75nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下、または1nm以下であってもよい。特定の実施形態では、核酸容器の壁の平均厚さは、1nm以上、10nm以上、25nm以上、50nm以上、100nm以上、500nm以上、または1ミクロン以上である。他の値も可能である。上記範囲の組み合わせも可能である。
【0080】
いくつかの実施形態では、核酸容器の壁は、核酸の2つ以上の層で形成されていてもよい。核酸の層の数を増加させることにより、壁の剛性(および厚さ)を増加させてもよい。いくつかの実施形態では、壁の剛性が増加することにより、容器の内側でのナノ構造の成長中にその形状を維持した容器壁を得ることができる。例えば、壁の剛性が増加することにより、(例えば、成長中にナノ構造を圧縮することにより)容器の内側で成長するナノ構造の膨張を限局して、結果としてナノ構造が膨張前の容器の空洞のサイズを超えて成長しないようにすることができる。他の実施形態では、より少数の層により、ナノ構造を膨張前の容器の空洞のサイズを超えて成長させることができ、容器の壁をナノ構造成長中に膨張(例えば、湾曲)させることができる。いくつかの実施形態では、核酸容器の壁は、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも8個、または少なくとも10個の層を有してもよい。いくつかの場合、核酸容器の壁は、20個以下、15個以下、10個以下、8個以下、または5個以下の層を有してもよい。他の値も可能である。上記範囲の組み合わせも可能である。壁の層は、正方格子設計またはハニカム設計などの任意の適当な設計を有してもよい。
【0081】
有利には、核酸容器の壁の厚さを制御することにより、容器の壁を横切るイオンまたは分子の拡散速度などの拡散速度を制御することができる。このような制御により、ナノ粒子の成長速度および/またはナノ粒子合金の材料組成を調整することが可能となり得る。例えば、いくつかの場合、拡散容器の壁の第1の部分は第1の厚さを有し、壁の第2の部分は第2の厚さを有し、第1および第2の厚さは上記範囲の1つにより定義される。第1のより厚い壁の部分は、例えば、第2のナノ粒子前駆体溶液よりも大きな程度まで第1のナノ粒子前駆体溶液が空洞に入るのを妨害し、それによって第2のナノ粒子前駆体の多くが第1の壁部分で空洞に入るのを可能にすることができる。結果として、ナノ粒子は、第1の壁部分でより多量の第2のナノ粒子前駆体から形成された材料を有することができる。
【0082】
当業者であれば、構造および粒子のサイズを決定するための技術に精通している。適当な技術の例には、動的光散乱(DLS)、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡、電気抵抗カウント(electroresistance counting)およびレーザー回折が含まれる。他の適当な技術が当業者に知られている。ナノ構造のサイズを決定する多くの方法が知られているが、本明細書に記載するサイズ(例えば、横断面寸法、厚さ)は、透過型電子顕微鏡により測定されるものを指す。
【0083】
核酸容器はまた、本明細書に記載するものなどの他の成分を含んでもよい(例えば、マーカー、結合部位、量子ドット、ナノ粒子、核酸、タンパク質等)。例えば、いくつかの実施形態では、核酸容器は、無機ナノ粒子または量子ドットなどの1または複数の無機構造(例えば、無機ナノ構造)を含む。1または複数の成分は、いくつかの実施形態では、例えば、空洞の内側でテンプレート化合成により形成されるナノ粒子が成分の周りに形成するまたは成分と結合するように空洞の一部を充填してもよい。いくつかの場合、成分は形成されているナノ粒子に組み込まれる。他の実施形態では、無機構造は核酸容器壁に包埋され、空洞の一部を充填しない。
【0084】
任意の適当なナノ粒子前駆体を使用して本明細書に記載するようにナノ粒子を形成することができる。ナノ粒子前駆体を使用してナノ粒子を開始、触媒および/または成長させてもよい。いくつかの場合、ナノ粒子前駆体の材料の全部または一部を得られたナノ粒子に組み込んでもよい。いくつかの実施形態では、ナノ粒子前駆体を、種を介する成長プロセスを使用してナノ粒子を形成するために使用してもよい。いくつかのこのような実施形態では、ナノ粒子前駆体は固体フォームであってもよい。例えば、ナノ粒子前駆体は、無機ナノ粒子などのナノ粒子のフォームであってもよい。いくつかの場合、ナノ粒子前駆体は結晶を含む。特定の場合、ナノ粒子前駆体は金属を含む。金属の非限定的な例には、Au、Ag、Cd、Cr、Co、Ti、Zn、Cu、Pb、Mn、Ni、Mg、Fe、PdおよびPtが含まれる。他の実施形態では、ナノ粒子前駆体は、半導体(例えば、Rh、Ge、シリコン、シリコン化合物および合金、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、砒化インジウム、およびリン化インジウム)を含む。いくつかの場合、ナノ粒子前駆体は、II〜IV族(例えば、IV〜VI族)元素を含んでもよい。特定の実施形態では、ナノ粒子前駆体は、金属酸化物または金属フッ化物を含む。いくつかの場合、ナノ粒子前駆体は合金を含む。いくつかの場合、ナノ粒子前駆体はドープ化合物を含む。このような材料および他の材料の組み合わせも可能である。
【0085】
ナノ粒子前駆体の非限定的な例には以下が含まれる。Au、Ag、PtおよびPdナノ粒子を形成するために、金ナノ粒子を前駆体として使用することができる。あるいは、Ag、PtおよびPdナノ粒子を前駆体として使用することができる。半導体および金属酸化物ナノ粒子(例えば、Cd、Cr、Co、Ti、Zn、Mn、Ni、Mg、Feまたは本明細書に記載する異なる材料の1または複数を含むナノ粒子)を形成するために、対応する材料のクラスターまたは小型ナノ粒子を種として使用することができる。他の実施形態では、ナノ粒子(例えば、有機ナノ粒子)の成長を誘因することができるのであれば、酵素またはペプチドを核生成部位として使用することができる。いくつかの触媒を使用してPt(PPh
3)
2Cl
2などのポリマーまたはナノ粒子の成長を誘因することもできる。
【0086】
本明細書に記載するように、ナノ粒子前駆体は溶液のフォームであることもできる。結果として生じるナノ粒子の材料組成は、使用する前駆体溶液の種類を変えることにより制御することができる。任意の適当な溶液を使用してナノ粒子を形成することができ、この溶液は当技術分野の一般知識と組み合わせて本明細書で提供する記載を使用して選択することができる。例えば、HAuCl
4前駆体溶液を使用して金ナノ粒子を形成してもよく、AgNO
3前駆体溶液を使用して銀ナノ粒子を形成してもよい(任意選択によりアスコルビン酸などの他の溶液と組み合わせて)。ナノ粒子前駆体と前駆体溶液の組み合わせも、本明細書で提供する記載と組み合わせて当業者が決定することができる。
【0087】
他の実施形態では、ナノ粒子前駆体を、種を介さない成長プロセスを使用してナノ粒子を形成するために使用してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ナノ粒子前駆体はモノマーまたはポリマーのフォームであってもよく、ナノ粒子の形成はモノマーおよび/またはポリマー単位を重合させるおよび/または架橋する工程を含んでもよい。
【0088】
いくつかの場合、ナノ粒子前駆体は、(例えば、アミノ酸、ペプチド、または核酸で実質的に形成されたナノ粒子を形成するために)アミノ酸、ペプチド、ヌクレオチド、または核酸を含んでもよい。
【0089】
他の場合、ナノ粒子前駆体は結合部位などの他の官能性を含んでもよいし、または特定の表面官能性を付与されてもよい。例えば、ナノ粒子前駆体は、特定の表面化学を前駆体に付与するために自己組織化単層を含んでもよい。特定の実施形態では、ナノ粒子前駆体は、核酸容器の一部に付着するのを可能にするために結合部位または他の適当な成分を含んでもよい。他の実施形態では、ナノ粒子前駆体は、容器の空洞に懸濁しており、容器の表面に付着していなくてもよい。
【0090】
ナノ粒子前駆体は任意の適当なサイズを有してもよい。いくつかの実施形態では、ナノ粒子前駆体は、0.5nm〜1ミクロンの間(例えば、0.5nm〜500nmの間、または0.5nm〜250nmの間)の少なくとも1つの横断面寸法を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子前駆体は、例えば、1ミクロン以下、500nm以下、250nm以下、100nm以下、75nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下、5nm以下、1nm以下、または0.5nm以下の少なくとも1つの横断面寸法を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子前駆体は、0.5nm以上、1nm以上、2nm以上、5nm以上、10nm以上、20nm以上、または50nm以上の少なくとも1つの横断面寸法を有する。他のサイズも可能である。上記範囲の組み合わせも可能である。
【0091】
いくつかの場合、ナノ粒子前駆体のサイズ(例えば、体積)は、前駆体から形成されるナノ粒子または容器の空洞よりも少なくとも500倍、少なくとも300倍、少なくとも200倍、少なくとも100倍、少なくとも50倍、少なくとも20倍、少なくとも10倍、少なくとも5倍、または少なくとも2倍小さい。他のサイズも可能である。
【0092】
特定の実施形態では、ナノ粒子前駆体は、例えば、20Da〜10kDaの間(例えば、20Da〜5kDaの間、または20Da〜1kDaの間)の平均分子量を有する。ナノ粒子前駆体は、例えば、10kDa以下、5kDa以下、1kDa以下、500Da以下、200Da以下、100Da以下、50Da以下、または20Da以下の平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子前駆体は、10Da以上、20Da以上、50Da以上、100Da以上、200Da以上、500Da以上、1kDa以上、または10kDa以上の平均分子量を有する。他の分子量も可能である。上記範囲の組み合わせも可能である。
【0093】
本明細書に記載するように、独特なおよび/または所定の形状を有するナノ粒子を、本明細書に記載する方法を使用して形成することができる。例えば、具体的な形状(および/またはサイズ)を有するナノ粒子は、核酸容器の空洞をナノ粒子の所望の形状(および/またはサイズ)の相補体(complement)を有するよう設計することにより形成することができる。次いで、空洞をナノ粒子の全部分を形成するための型として作用することができる。ナノ粒子の形状の非限定的な例には、チューブ、ボックス、バレル、長方形、ロッド、「T」、「L」、分岐構造、菱形、星形、正方形、平行四辺形、三角形、五角形、六角形、多面体および輪(これらに実質的に類似の形状を含む)が含まれる。いくつかの場合、ナノ粒子は非球形を有する。他の場合、ナノ粒子は任意のまたは不規則形状を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は対称形状を有する。対称形状は、いくつかの実施形態では、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つまたは少なくとも4つの対称軸を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は非対称形状を有する(例えば、対称軸がない)。
【0094】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する方法により形成されるナノ粒子は固体または固体様(例えば、固体コアを有する)であり、中空構造でない。他の実施形態では、ナノ粒子の一部は、
図3Eおよび
図3Fに関して本明細書に記載するように中空であってもよい。ナノ粒子の中空部分(例えば、空洞)は、ナノ粒子の壁に完全に囲まれていても、または部分的に囲まれていても(例えば、開いた1または複数の端部を有する)よい。
【0095】
ナノ粒子の横断面は任意の形状を有してもよい。例えば、横断面は、長方形、ロッド、「T」、「L」、分岐構造、菱形、星形、正方形、平行四辺形、三角形、五角形、六角形、または輪の形状(これらに実質的に類似の形状を含む)であってもよい。他の形状も可能である。いくつかの場合、ナノ粒子の横断面は非球形を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子の各横断面は非球形を有する。他の場合、ナノ粒子の横断面は、任意のまたは不規則形状、対称形状、または非対称形状を有する。特定の実施形態では、ナノ粒子の各横断面は対称形状を有する。他の実施形態では、ナノ粒子の各横断面は非対称形状を有する。
【0096】
ナノ粒子は、いくつかの実施形態では、種々の数の異なる側面を含む三次元形状を有する。例えば、ナノ粒子は、4個の側面を含む角柱の形状であってもよい。特定の実施形態では、ナノ粒子は、例えば、3〜10
6個の間の側面(例えば、3〜100個の間、3〜70個の間、3〜50個の間、または3〜30個の間、3〜25個の間、3〜20個の間、3〜15個の間、6〜15個の間、3〜10個の間、6〜10個の間、3〜9個の間、3〜5個の間、3〜8個の間、20〜50個の間、50〜100個の間、100〜10
3個の間、10
3〜10
4個の間、10
4〜10
5個の間、または10
5〜10
6個の間の側面)を含んでもよい。いくつかの場合、ナノ粒子は、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも10
3個、少なくとも10
4個、または少なくとも10
5個の異なる側面を含む。
【0097】
本明細書に記載するように、いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、核酸容器の内側表面部分の形状と相補的な形状を有する少なくとも1つの表面部分を含む。表面部分は、一般的に、単一原子の表面積よりも大きい表面積を有する表面の一部を指す。いくつかの例では、表面部分は、少なくとも1nm
2、少なくとも2nm
2、少なくとも5nm
2、少なくとも10nm
2、少なくとも15nm
2、少なくとも20nm
2、少なくとも25nm
2、少なくとも30nm
2、少なくとも50nm
2、少なくとも200nm
2、少なくとも200nm
2、少なくとも500nm
2、または少なくとも1000nm
2の表面積を有してもよい(ここで、最大表面部分はナノ粒子全体の表面積である)。
【0098】
いくつかの場合、ナノ粒子は、サブナノメートル(例えば、0.5nm)レベルで核酸容器の内側表面部分の形状と相補的な少なくとも1つの表面部分を有する。例えば、容器の内側でのナノ粒子の成長は、容器の内側表面部分の限局に達すると停止または有意に減速し得る。いくつかのこのような実施形態では、ナノ粒子と容器の内側表面との間の表面化学および/または物理的相互作用によりナノ粒子のさらなる成長が阻止される。例えば、核酸容器の負に帯電したリン酸基とナノ粒子またはナノ粒子前駆体の正に帯電した基との間の静電的相互作用によりナノ粒子のさらなる成長が阻止され得る。核酸容器の内側表面部分の原子の特定の配向は、得られたナノ粒子の最終形状を決定することができ、ここでは内側表面部分および結果として生じるナノ粒子の表面部分の形状が、例えば、サブナノメートルレベルで相補的である。
【0099】
いくつかの実施形態では、比較的高い割合のナノ粒子の表面積が、サブナノメートル(例えば、0.5nm)レベルで核酸容器の内側表面(例えば、空洞)の形状と相補的である。例えば、ナノ粒子の表面積の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%が、サブナノメートルレベルで核酸容器の内側表面の形状と相補的であってもよい。他の実施形態では、ナノ粒子の表面積の100%が、サブナノメートルレベルで核酸容器の内側表面の形状と相補的である。
【0100】
他の実施形態では、得られたナノ粒子は、ナノスケールレベル(例えば、1nm以上)で核酸容器の内側表面部分の形状と相補的な少なくとも1つの表面部分を有する。例えば、容器の内側でのナノ粒子の成長は、容器の内側表面の限局に達する前に停止または有意に減速し、結果として生じるナノ粒子は空洞の体積未満の体積を有してもよい。いくつかのこのような実施形態では、ナノ粒子は、空洞の形状と実質的に類似の形状を有し、ナノスケールレベルで容器の内壁と相補的であるが、サブナノスケールレベルで容器の内壁と相補的ではない。
【0101】
いくつかの実施形態では、比較的高い割合のナノ粒子の表面積が、ナノスケールレベル(例えば、1nm以上)レベルで核酸容器の内側表面部分の形状と相補的である。例えば、ナノ粒子の表面積の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%がナノスケールレベルで核酸容器の内側表面部分の形状と相補的である。他の実施形態では、ナノ粒子の表面積の100%が、ナノスケールレベルで核酸容器の内側表面部分の形状と相補的である。
【0102】
ナノ粒子の異なる部分について分子(例えば、オングストローム)およびナノスケールレベルで相補性を有するナノ粒子も可能である。
【0103】
なお他の実施形態では、得られたナノ粒子は、核酸容器の内側表面部分と相補的ではない1または複数の表面部分を含む。例えば、2個の開いた端部を含む核酸容器中でナノ粒子を組み立てると、核酸容器の内側表面部分と相補的(例えば、分子レベルまたはナノスケールレベルで)な中央部分を有するが、核酸容器の任意の部分と相補的ではない端部を有するナノ粒子が得られる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、核酸容器の空洞の外側で成長してもよく、他の因子により成形されてもよい。
【0104】
特定の実施形態では、ナノ粒子は少なくとも2つの対向表面部分を含み、少なくとも2つの対向表面部分の各々は核酸容器の内側表面部分の形状と相補的な形状を有する。相補性は、上記のように分子レベルまたはナノスケールレベルであってもよい。例えば、
図1Aに説明する実施形態に示すように、核酸容器の空洞の2つの対向表面部分は、内側表面部分26Aおよび26Bとして示される。対向表面部分は、いくつかの実施形態では、互いに平行であってもよい。ナノ粒子38を形成する際、これらの位置でのナノ粒子の表面部分は、核酸容器の内側表面部分26Aおよび26Bと相補的であってもよい。
【0105】
他の実施形態では、ナノ粒子は少なくとも2つの隣接表面部分を含み、少なくとも2つの隣接表面部分の各々は核酸容器の内側表面部分の形状と相補的な形状を有する。例えば、
図1Aに説明する実施形態に示すように、核酸空洞の隣接内側表面部分26Aおよび26Cを使用してナノ粒子38の形成を促進してもよい。したがって、ナノ粒子38は、これらの位置で空洞の内側表面部分と相補的な隣接表面部分を含んでもよい。
【0106】
ナノ粒子は任意の適当な材料で形成することができる。本明細書に記載する方法により形成されるナノ粒子は、いくつかの実施形態では、無機ナノ粒子であってもよい。いくつかの場合、ナノ粒子は金属を含む。金属の非限定的な例には、Au、Ag、Cd、Cr、Co、Ti、Zn、Cu、Pb、Mn、Ni、Mg、Fe、PdおよびPtが含まれる。他の実施形態では、ナノ粒子は半導体(例えば、Rh、Ge、シリコン、シリコン化合物および合金、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、砒化インジウム、およびリン化インジウム)を含む。いくつかの場合、ナノ粒子はII〜VI族(例えば、IV〜VI族)元素を含んでもよい。特定の実施形態では、ナノ粒子は金属酸化物または金属フッ化物を含む。いくつかの場合、ナノ粒子は合金を含む。いくつかの場合、ナノ粒子はドープ化合物を含む。このようなおよび他の材料の組み合わせも可能である。ナノ粒子は、いくつかの実施形態では、電子および/または熱伝導性、あるいは他の実施形態では、非電子および/または非熱伝導性であってもよい。
【0107】
他の実施形態では、本明細書に記載する方法により形成されるナノ粒子は有機ナノ粒子であってもよい。いくつかの場合、ナノ粒子は、架橋していても架橋していなくてもよいポリマーを含んでもよい。ポリマーは、例えば、合成ポリマーおよび/または天然ポリマーであってもよい。合成ポリマーの例には、非分解性ポリマー、例えば、ポリメタクリレート、および分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびこれらの共重合体が含まれる。天然ポリマーの例には、ヒアルロン酸、キトサンおよびコラーゲンが含まれる。いくつかの実施形態では、導電性ポリマーを使用してもよい。特定の実施形態では、ナノ粒子は、ポリマー材料を含まない(例えば、これはポリマーでない)。いくつかの場合、ナノ粒子は、タンパク質、酵素、またはペプチドを含んでもよい。
【0108】
ナノ粒子の表面は、ナノ粒子の内部部分を形成するために使用する材料を含んでもよい、または結合部位もしくは他の成分などの特定の表面官能性を付与されてもよい。例えば、ナノ粒子は、特定の表面化学をナノ粒子に付与するために自己組織化単層を含んでもよい。いくつかの場合、ナノ粒子表面を1または複数の化学物質により不動態化して成分の付着を促進してもよい。
【0109】
ナノ粒子は任意の適当なサイズを有してもよい。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、2nm〜1ミクロンの間(例えば、2nm〜500nmの間、または2nm〜250nmの間)の少なくとも1つの横断面寸法(または少なくとも2つの横断面寸法)を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、1ミクロン以下、500nm以下、250nm以下、100nm以下、75nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下、または5nm以下の少なくとも1つの横断面寸法(または少なくとも2つの横断面寸法)を有する。特定の実施形態では、ナノ粒子は、2nm以上、5nm以上、10nm以上、50nm以上、または100nm以上の少なくとも1つの横断面寸法(または少なくとも2つの横断面寸法)を有する。上記範囲の組み合わせも可能である。いくつかの場合、上記横断面寸法は最大横断面寸法である。
【0110】
いくつかの場合、ナノ粒子は、例えば、8nm
3〜1μm
3(1
*10
9nm
3)の間の体積を有する。特定の実施形態では、ナノ粒子は、例えば、少なくとも20nm
3、少なくとも50nm
3、少なくとも100nm
3、少なくとも500nm
3、少なくとも1×10
3nm
3、少なくとも5×10
3nm
3、少なくとも1×10
4nm
3、少なくとも5×10
4nm
3、少なくとも1×10
5nm
3、少なくとも5×10
5nm
3、少なくとも1×10
6nm
3、少なくとも5×10
6nm
3、少なくとも1×10
7nm
3、少なくとも5×10
7nm
3、少なくとも1×10
8nm
3、または少なくとも5×10
8nm
3の体積を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、例えば、1×10
9nm
3未満、5×10
8nm
3未満、1×10
8nm
3未満、5×10
7nm
3未満、1×10
7nm
3未満、5×10
6nm
3未満、1×10
6nm
3未満、5×10
5nm
3未満、1×10
5nm
3未満、5×10
4nm
3未満、1×10
4nm
3未満、5×10
3nm
3未満、1×10
3nm
3未満、500nm
3未満、100nm
3未満、50nm
3未満、または20nm
3未満の体積を有する。他の範囲も可能である。上記範囲の組み合わせも可能である。特定の実施形態では、このような体積は、単一核酸足場の使用に基づく。複数核酸足場を使用することでより大きな体積も可能となり得る。
【0111】
本明細書に記載するように、ナノ粒子は、ナノ粒子が成長する容器の空洞と実質的に類似のサイズ、寸法(例えば、長さ、幅、高さ)、横断面寸法、および/または体積を有してもよい。他の実施形態では、ナノ構造は、ナノ粒子が成長する容器の空洞よりも小さいサイズ、寸法(例えば、長さ、幅、高さ)、横断面寸法、および/または体積を有してもよい。例えば、ナノ粒子の成長は、ナノ粒子が容器の1または複数の側面に達する前に停止してもよい。他の実施形態では、ナノ構造は、ナノ粒子が成長する容器の空洞のものよりも大きいサイズ、寸法(例えば、長さ、幅、高さ)、横断面寸法、および/または体積を有してもよい。例えば、容器の壁を、中で成長するナノ粒子が成長中に容器の壁を膨張させるように可撓性になるよう設計してもよい。ナノ粒子および/または容器の他の構成も可能である。
【0112】
いくつかの場合、ナノ粒子の体積は、ナノ粒子を形成するために使用するナノ粒子前駆体の体積の少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、少なくとも500倍、または少なくとも1000倍であってもよい。得られたナノ粒子の体積は、少なくとも一部は、本明細書に記載するように変えることができる核酸容器の空洞のサイズに依存し得る。核酸容器の空洞の体積よりも小さいまたは大きいサイズを有するナノ粒子も可能であることを認識すべきである。例えば、ナノ粒子の一部を容器の内側で組み立ててもよく、ナノ粒子の他の部分は容器の外側で成長してもよい。
【0113】
いくつかの場合、ナノ粒子は、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、または少なくとも20:1のアスペクト比を有する。他の値のアスペクト比も可能である。本明細書で使用する場合、「アスペクト比」とは、長さと幅の比を指し、ここでは長さおよび幅は互いに垂直に測定され、長さとは最長の直線的に測定された寸法を指す。
【0114】
本明細書に記載するように、いくつかの場合、ナノ粒子の全部または一部が核酸ナノ構造によりカプセル化またはコーティングされていてもよい。例えば、ナノ粒子の表面積の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%が核酸ナノ構造によりカプセル化またはコーティングされていてもよい。いくつかの例では、ナノ粒子の表面積全体が核酸ナノ構造によりカプセル化またはコーティングされている。いくつかのこのような実施形態では、ナノ粒子の全部または一部を核酸ナノ構造に付着させてもよい。例えば、ナノ粒子の全部または一部を核酸ナノ構造上に物理吸着させてもよい。他の実施形態では、ナノ粒子の全部または一部は核酸ナノ構造に付着しておらず、核酸ナノ構造に単に隣接している。ナノ粒子は、カプセル化中に核酸ナノ構造と接触していても接触していなくてもよい。
【0115】
本明細書に記載する特徴の1または複数を有するナノ粒子を含む組成物も提供する。例えば、いくつかの場合、組成物は、組成物中のナノ粒子の少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%が非球形であり、対称軸を有さず、核酸容器の内側表面部分と相補的であり(分子レベルまたは原子レベルで)、または核酸容器によりカプセル化/コーティングされている。
【0116】
別の組の実施形態では、ナノ粒子の1または複数の表面を、1または複数の成分によりパターン化する(例えば、二次元および/または三次元で)ことができる。これは、例えば、ナノ粒子を形成するために使用する核酸容器の内部表面上で1または複数の成分のパターンを組み立てる工程と、次いで容器内でナノ粒子の成長を誘因する工程(triggering)とにより行うことができる。容器内でナノ粒子を成長させることにより、ナノ粒子の表面上に1または複数の成分のパターンを組み込むことができる。この方法を用いて、ナノメートルまたはサブナノメートルレベルの細部を有するナノスケール構造を組み立てることができる。このような構造の例には、金属硬貨および任意の形状のナノスケール電子デバイスが含まれる。合金またはポリマー/金属ハイブリッド構造のフォームのコア−シェル型構造などの他の構造も形成することができる。いくつかのこのような実施形態では、シェル層の形状はコアの一般的形状と異なっていてもよい。例えば、六角形シェルが五角形コアを囲んでもよい。本明細書に記載する方法は、特定の既存の方法と比べて任意の事前に設計された構造を組み立てるより合理的方法である。
【0117】
いくつかの実施形態では、組み立てられたナノ粒子を型として使用して、DNA指向性合成(例えば、高い温度もしくは圧力を要するもの、および/または有機溶液中で形成されるもの)により直接調製することができない他の材料を組み立ててもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に中空の本明細書に記載する方法により形成されるナノ粒子を型として使用してナノ粒子の中空部分(例えば、空洞)内で二次ナノ構造を形成してもよい。他の実施形態では、ナノ粒子の外側表面を型として使用してより大きな二次ナノ構造を形成することができる。型として使用するナノ粒子は、任意選択により、二次ナノ構造を形成した後に除去してもよい。例えば、金、銀、または白金で形成されるまたはこれを含むナノ粒子が型として使用するのに適当となり得る。型として使用するための他の材料も可能である。ナノ粒子を型として使用して形成される二次ナノ構造は、概してナノ粒子のための本明細書に記載する材料を含む任意の適当な材料でできていてもよい。二次ナノ構造の材料は、型として使用するナノ粒子の材料と同じでも異なっていてもよい。
【0118】
ナノ粒子および/またはナノ粒子を使用して形成される二次ナノ構造の中空部分(例えば、空洞)は任意の適当なサイズを有してもよい。いくつかの実施形態では、ナノ粒子および/または二次ナノ構造の中空部分(例えば、空洞)は、1nm〜1ミクロンの間(例えば、1nm〜500nmの間、または1nm〜250nmの間)の少なくとも1つの横断面寸法を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子および/または二次ナノ構造の中空部分(例えば、空洞)は、1ミクロン以下、500nm以下、250nm以下、100nm以下、75nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、10nm以下、または5nm以下の少なくとも1つの横断面寸法(または少なくとも2つの横断面寸法)を有する。特定の実施形態では、ナノ粒子および/または二次ナノ構造の中空部分(例えば、空洞)は、2nm以上、5nm以上、10nm以上、50nm以上、または100nm以上の少なくとも1つの横断面寸法(または少なくとも2つの横断面寸法)を有する。上記範囲の組み合わせも可能である。いくつかの場合、上記横断面寸法は最大横断面寸法である。
【0119】
いくつかの場合、ナノ粒子および/または二次ナノ構造の中空部分は、例えば、1nm
3〜1μm
3(1
*10
9nm
3)の間の体積を有する。特定の実施形態では、ナノ粒子および/または二次ナノ構造の中空部分は、例えば、少なくとも20nm
3、少なくとも50nm
3、少なくとも100nm
3、少なくとも500nm
3、少なくとも1×10
3nm
3、少なくとも5×10
3nm
3、少なくとも1×10
4nm
3、少なくとも5×10
4nm
3、少なくとも1×10
5nm
3、少なくとも5×10
5nm
3、少なくとも1×10
6nm
3、少なくとも5×10
6nm
3、少なくとも1×10
7nm
3、少なくとも5×10
7nm
3、少なくとも1×10
8nm
3、または少なくとも5×10
8nm
3の体積を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子および/または二次ナノ構造の中空部分は、例えば、1×10
9nm
3未満、5×10
8nm
3未満、1×10
8nm
3未満、5×10
7nm
3未満、1×10
7nm
3未満、5×10
6nm
3未満、1×10
6nm
3未満、5×10
5nm
3未満、1×10
5nm
3未満、5×10
4nm
3未満、1×10
4nm
3未満、5×10
3nm
3未満、1×10
3nm
3未満、500nm
3未満、100nm
3未満、50nm
3未満、または20nm
3未満の体積を有する。他の範囲も可能である。上記範囲の組み合わせも可能である。
【0120】
本明細書に記載するように、任意選択により核酸容器またはナノ構造によりコーティングまたはカプセル化されていてもよいナノ粒子は、種々の異なる形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、独特な形状のナノ粒子を使用して1または複数の成分(例えば、結合部位、マーカー、リガンド等)をナノ粒子表面および/または核酸容器の表面の異なる部分に配置してナノ粒子またはナノ構造を異なる方法でアドレス指定することができる。例えば、8個の異なる部位を有するナノ粒子を、8個の異なる側面の各々で1または複数の成分で官能化してもよい。いくつかの場合、成分はナノ粒子またはナノ構造上の独特な位置に添加することができる単離された成分のフォームである。例えば、単一の単離された成分をナノ粒子の単一側面上に配置してもよく、ナノ粒子の異なる側面の各々は異なる単一の単離された成分を含む。これらのおよび他の実施形態は、以下により詳細に記載するように種々の異なる標的を検出するのに有用となり得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、成分をナノ粒子および/またはナノ構造の正確な位置に配置することを、核酸容器の特定の化学的性質(chemistry)により制御してもよい。例えば、8個の異なる側面を有するナノ粒子を、8個の異なる側面を有する内部空洞と、異なる側面の各々で異なる化学的性質を有する壁とを有する核酸容器で(部分的にまたは完全に)囲まれていてもよい。成分を、ナノ粒子の側面をコーティングまたはカプセル化する側面の1つで核酸容器またはナノ構造の特定の部分との親和性を有するように設計してもよい。したがって、核酸容器を特定の位置で特異的な配列または化学的性質を有するように設計することにより、特異的な成分を核酸容器の表面および/またはナノ粒子の表面に添加することができる。同様に、追加の成分をこの方法を使用して核酸容器の表面および/またはナノ粒子の表面の異なる位置に特異的に添加することができる。
【0122】
本明細書に記載するように、核酸容器は、典型的には容器の壁の厚さを通る小さい細孔または孔がナノ粒子の外側表面に近づくことができるよう多孔性である。核酸容器の外側表面および/または核酸容器の細孔を、特定の成分を細孔または容器の表面に配置するのに有利な特定の核酸配列、親水性、疎水性、電荷および/またはサイズを含むよう設計することができる。同様に、添加する成分を、核酸容器の特定の部分に親和性を有するように相補的な核酸配列、親水性、疎水性、電荷および/またはサイズを含むよう設計してもよい。いくつかの場合、成分を核酸容器の特定の部分と調和させる際、成分をナノ粒子の表面の一部と接触するように最後まで細孔を通じて挿入してもよい。
【0123】
いくつかのこのような実施形態では、成分の端部は、ナノ粒子の表面に付着することを可能にする特定の化学的性質を有してもよい。例えば、成分を、金ナノ粒子に物理吸着することを可能にするチオールで官能化してもよい。成分をナノ粒子に直接付着させるいくつかの実施形態では、成分はナノ粒子の表面に付着したままで、(部分的にまたは完全に)ナノ粒子を囲む核酸容器の全部または一部を任意選択により除去してもよい。しかしながら、他の実施形態では、核酸容器は成分の付着後でさえナノ粒子を囲んだままであってもよい。なお他の実施形態では、成分をナノ粒子の表面に付着させずに、核酸容器の一部に付着させる。ナノ粒子の表面と核酸容器の一部との両方に付着させることも可能である。共有結合、物理吸着、化学吸着、またはイオン性相互作用を通じた付着、親水性および/または疎水性相互作用、静電相互作用、ファンデルワールス相互作用、あるいはこれらの組み合わせなどの、例えば、ナノ粒子の表面および/または核酸容器の一部に付着させる任意の適当な方法を使用してもよい。
【0124】
成分はナノ粒子または核酸容器に対して任意の適当な配向を有してもよい。例えば、成分をナノ粒子または核酸容器の壁に実質的に垂直に配向させてもよい。いくつかの実施形態では、成分をナノ粒子または核酸容器の壁に対して特定の角度または角度範囲で配向してもよい(例えば、0°〜90°の間、0°〜15°の間、15°〜45°の間、45°〜60°の間、または60°〜90°の間)。
【0125】
特定の実施形態では、非球形を有する無機ナノ粒子の表面に付着した単離された核酸鎖を含む無機ナノ粒子を提供する。特定の実施形態では、細孔を含む核酸容器でコーティングされた無機ナノ粒子を提供する。単離された核酸鎖などの結合部位を無機ナノ粒子の表面に付着させてもよく、これは核酸容器の細孔を通って無機ナノ粒子の表面から広がってもよい。いくつかの場合、結合部位(例えば、単離された核酸鎖)の長さは核酸容器の厚さよりも長く、結果として結合部位は核酸容器から外向きに広がる。
【0126】
ナノ粒子の全部または一部を囲む核酸容器の独特な化学的性質を使用して成分の(ナノ粒子の表面へ直接または核酸容器への)配置を指向することにより、多くの異なるパラメータの制御を提供することができる。
図4A〜
図4Dは、成分を核酸ナノ構造および/またはナノ粒子に添加する際に制御することができる異なるパラメータの例を示す。
【0127】
図4Aに説明する実施形態に示すように、成分60の数を核酸容器および/またはナノ粒子の1または複数の表面部分に沿って変えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、単一の単離された成分60を核酸容器および/またはナノ粒子の単一側面上に配置してもよい。他の実施形態では、2個の単離された成分を核酸容器および/またはナノ粒子の単一側面上に配置することができる。なお他の実施形態では、3個以上の成分60を核酸容器および/またはナノ粒子の単一側面上に配置することができる。
【0128】
図4Bに説明する実施形態に示すように、2個以上の成分間の距離も制御することができる。例えば、第1の成分60および第2の成分62を核酸容器および/またはナノ粒子の側面で互いに比較的離れて配置してもよい。他の実施形態では、2個の成分を互いに比較的近くに、あるいは核酸容器および/またはナノ粒子の対向側面上に配置することができる。
【0129】
図4Cに説明する実施形態に示すように、立体構造的(conformational)制御も提供することができる。例えば、核酸容器および/またはナノ粒子の1または複数の側面上の独特な位置での異なる成分の配置により、成分が互いにおよび/または核酸容器の一部と相互作用することができ、成分の特定の構造配置を提供するおよび/または容器の構造配置を変化させることができる。
【0130】
さらに、
図4Dに説明する実施形態に示すように、成分の長さおよび/またはナノ粒子の表面からの成分の距離を制御することもできる。例えば、ナノ粒子38の表面から短い距離離れて配置された成分60を含むことが望ましい場合、比較的薄い壁を有する核酸容器を使用することができる。ナノ粒子38の表面から比較的遠く離れて配置された成分20を含むことが望ましい場合、比較的厚い壁を使用することができる。いくつかの実施形態では、比較的厚い壁を、第2の層70を使用して核酸容器20の全部または一部をコーティングすることにより得てもよい。第2の層は、核酸ポリマーまたはコーティングとして使用するのに適した本明細書に記載する任意の他の材料を使用して形成してもよい。さらにまたはあるいは、成分60の長さを変えて成分の端部と核酸容器の表面および/またはナノ粒子の表面との間の距離を制御してもよい。
【0131】
図4A〜
図4Dに示すように制御することができる種類のパラメータは単なる例に過ぎず、核酸容器および/またはナノ粒子に対する成分の配置に関しての他のパラメータも可能であることを認識すべきである。さらに、複数の成分(例えば、結合部位)を、均一または不均一のいずれを問わず、制御された立体構造または相対的配置を有する同一表面上に配置させてもよい。
【0132】
図4Eおよび
図4Fは、どのように特異的配向の構造を使用して、構造の表面アドレス指定能力を使用してアセンブリ(例えば、より高次の構造)を形成することができるかの例を示す。例えば、異なる側面a〜fを有する核酸容器20は、容器の内側表面に付着したナノ構造37を含んでもよい。ナノ構造は、核酸容器の空洞の一部を充填してもよい。ナノ粒子38を、核酸容器およびナノ構造37を本明細書に記載するように型として使用して空洞の内側に形成してもよい。構造の各側面の成分60は、
図4Fに示すように、独特で、他の構造の側面上の特異的成分と結合して特異的構成を有するアセンブリを形成するよう設計してもよい。表面特異的相互作用を使用したアセンブルの追加の例を以下により詳細に記載する。
【0133】
単離された成分を核酸容器および/またはナノ粒子上に配置することに関する特定の実施形態では、成分は、同一核酸容器および/またはナノ粒子に付着している別の成分から特定の距離離れて配置されているという意味で「単離されて」いてもよく、結果として単離された成分を独特に同定および他の成分から識別することができる(例えば、ナノスケールレベルで)。いくつかの場合、単離された成分は、単離されており、同一核酸容器および/またはナノ粒子に付着した他の近くの成分との立体相互作用を回避またはその量を減少させるので、他の実体が成分に結合または付着することを促進し得る。
【0134】
いくつかの場合、第1の成分(例えば、単離された成分)は、同一核酸容器および/またはナノ粒子に付着した最も近い第2の成分から少なくとも2nm、少なくとも5nm、少なくとも10nm、少なくとも15nm、少なくとも20nm、少なくとも30nm、少なくとも40nm、または少なくとも50nm離れて配置される。特定の場合、第1の成分(例えば、単離された成分)は、最も近い第2の成分から500nm以下、200nm以下、100nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下、または50nm以下離れて配置される。他の距離も可能である。上記範囲の組み合わせも可能である。他の実施形態では、成分を互いに直接隣接して配置して(例えば、自己組織化単層のフォームで)個々の成分が単離されていないおよび/または互いに識別可能でなくなってもよい(例えば、ナノスケールレベルで)。
【0135】
任意の適当な数の成分(単離されているまたは単離されていないにかかわらず)を核酸容器および/またはナノ粒子に付着させてもよい。いくつかの実施形態では、核酸ナノ構造および/またはナノ粒子は、例えば、2〜500個の間の成分(例えば、2〜100個の間、2〜50個の間、または2〜20個の間の成分)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、核酸ナノ構造および/またはナノ粒子は、少なくとも2個、少なくとも4個、少なくとも6個、少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも14個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも70個、または少なくとも100個の異なる成分を含んでもよい。他の実施形態では、核酸ナノ構造および/またはナノ粒子は、100個未満、70個未満、50個未満、40個未満、30個未満、20個未満、10個未満、7個未満の異なる成分を含む。いくつかの実施形態では、成分の各々は本明細書に記載するように互いに単離されている。他の数の成分も可能である。上記範囲の組み合わせも可能である。
【0136】
本明細書に記載するように、核酸容器および/またはナノ粒子の表面上に配置された2以上の成分を互いに対して任意の適当な配向で配置してもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの成分を核酸容器および/またはナノ粒子の対向表面部分に付着させる。他の実施形態では、少なくとも2つの成分を核酸容器および/またはナノ粒子の隣接表面部分に配置させる。いくつかの場合、第1の成分をナノ粒子の表面上に配置させ、第2の成分を核酸容器の表面に付着させる。他の構成および配向も可能である。
【0137】
本明細書に記載する方法を使用して、タンパク質、有機分子および無機ナノ粒子などの成分を、本明細書に記載する方法により形成されるナノ粒子の表面上に「印刷」してもよい。成分を最初に事前に設計されたパターンで核酸容器の内部表面上に修飾し、その後事前に設計されたパターンを保持しながら、本明細書に記載する相互作用(例えば、物理吸着、共有結合、ファンデルワールス相互作用等)を通じて核酸容器の内側で成長させるナノ粒子外部表面上に移してもよい。例えば、容器の内側で成長するナノ粒子は、容器の内壁に達し、ここでこれらは成分と接触して、成分がナノ粒子の表面に付着することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、核酸容器を除去した後でさえ、成分はナノ粒子の表面上に残ったままであり得る。他の実施形態では、成分を、容器足場とハイブリダイズし、足場を標的形状に維持するステープル鎖(例えば、核酸)に付着させることができる。容器の異なる部分を結合させるために異なるステープル鎖を使用してもよいので、ステープル鎖を異なる成分を付着させるために個々に標的化してもよい。
【0138】
種々の異なる成分を本明細書に記載するように核酸容器および/またはナノ粒子の表面に付着させることができる。いくつかの実施形態では、成分は結合部位を含む。時々、成分は、2つの結合部位−1つはナノ粒子のためであり、1つはナノ粒子とは別の標的のためである−を含むことができる。「結合」という用語は、相互親和性または結合能力、典型的には生化学、生理学および/または薬学相互作用を含む、特異的もしくは非特異的結合または相互作用を示す対応する分子対間の相互作用を指す。生物学的結合は、タンパク質、ペプチド、核酸、糖タンパク質、炭水化物、ホルモンなどを含む生物学的分子対間に生じる種類の相互作用を定義する。具体的な例には、抗体/抗原、抗体/ハプテン、酵素/基質、酵素/阻害剤、酵素/補因子、結合タンパク質/基質、担体タンパク質/基質、レクチン/炭水化物、受容体/ホルモン、受容体/作動因子、核酸の相補鎖、タンパク質/核酸抑制因子/誘導因子、リガンド/細胞表面受容体、ウイルス/リガンド、アプタマー/タンパク質等が含まれる。このような分子は、本明細書に記載するナノ粒子および核酸容器と共に使用することができる成分の例である。
【0139】
いくつかの実施形態では、結合部位は核酸を含む。例えば、核酸は、本明細書により詳細に記載するように、DNA、RNA,他の核酸、またはこれらの組み合わせのフォームであってもよい。いくつかの実施形態では、核酸は、一本鎖部分を含む。他の実施形態では、核酸は、二本鎖部分を含む。一本鎖および二本鎖部分の組み合わせも可能である。核酸の例は以下でさらに詳細に提供する。
【0140】
特定の実施形態では、成分はマーカーを含む。マーカーの例には、発光プローブ、フルオロフォアもしくはフルオロフォア標識分子または化合物、発色団もしくは発色団標識分子または化合物などの読み取り(または検出可能)マーカーが含まれる。いくつかの例では、マーカーはナノ粒子(例えば、量子ドット)を含む。特定の実施形態では、マーカーは、表面増強ラマン散乱(SERS)レポーター分子などのレポーター分子を含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、マーカーおよび対応する結合部位をナノ粒子および/または核酸容器の表面に付着させる。マーカー/結合部位対は以下に詳細に記載するように標的分子に特異的および独特であってもよい。いくつかのこのような実施形態では、各マーカーを使用して特異的結合部位を表してもよい。いくつかの場合、ナノ粒子および/または核酸容器は、複数のマーカー/結合部位対を含み、マーカー/結合部位対の各々は互いに異なり、それによって多重化を可能にする。マーカーおよび結合部位の他の組み合わせも可能である。
【0142】
いくつかの実施形態では、核酸容器および/またはナノ粒子表面に対して特定の配向で成分を配置することにより、複数のナノ構造をより高次のアセンブリに制御して自己組織化させることが可能になる。例えば、
図5に説明する実施形態に示すように、アセンブリ75は、互いに対して特異的配置で配置された複数のナノ構造40A〜40Dを含む。互いに対して特異的なナノ構造配置は、核酸容器および/またはナノ粒子上に特異的位置で配置された独特な成分を使用することにより得てもよい。例えば、ナノ構造40Aを、それぞれナノ構造40Aおよび40Bに付着した成分60Aおよび60Bを使用してナノ構造40Bと共に組織化してもよい。成分60Aおよび60Bは、いくつかの実施形態では、互いに相補的な結合部位で、結果としてこれらは互いに選択的に結合するが、成分61A、61B、62Aまたは62Bなどの他の成分には結合しなくてもよい。本明細書に記載するように、成分を、コーティングされたナノ粒子の表面から適当な距離で配置されるようなならびに/あるいは核酸容器および/またはナノ粒子の特定の側面上に配置されるような適当な長さを含むよう設計してもよい。同様に、ナノ構造40Bを、成分61Aおよび61Bの対を使用してナノ構造40Cと共に組織化してもよく、ナノ構造40Bを、成分62Aおよび62Bの対を使用してナノ構造40Dと共に組織化してもよい。この代表的な実施形態に示すように、ナノ構造の各表面を異なる結合部位でタグをつけて、三次元空間内の各別々の表面で異なるナノ構造を付着させることが可能である。
【0143】
本明細書に記載するように、アセンブリに使用する各ナノ構造(核酸容器および/またはナノ粒子を含む)は任意の適当な形状を有してもよい。例えば、
図5に説明として示すように、ナノ構造40Aは、ロンボイドのフォームであってもよく、ナノ構造40Bは五角形のフォームであってもよく、ナノ構造40Cはナノ構造40Aとは異なる配向を有するロンボイドのフォームであってもよく、ナノ構造40Dは六角形のフォームであってもよい。他の実施形態では他の形状を使用してもよい。さらに、任意の適当な材料をナノ構造の各々に使用してもよいことを認識すべきである。例えば、ナノ粒子38A〜38Dを、同じ材料、または本明細書に記載するものなどの異なる材料で形成してもよい。さらに、成分60〜62は変化してもよく、同じ種類でも異なる種類の成分であってもよい。
【0144】
いくつかの実施形態では、
図5に示すものなどのアセンブリは、各々が核酸容器の内側に配置されたナノ粒子前駆体からナノ粒子を成長させることにより形成された複数の核酸コーティングされたナノ粒子を合成する工程と、次いで核酸コーティングされたナノ粒子を組織化する工程とにより形成することができる。他の実施形態では、より高次の構造を、各々がナノ粒子前駆体を中に配置した核酸容器を組織化する工程と、次いで核酸容器の内側でナノ粒子前駆体からナノ粒子を合成して核酸コーティングされたナノ粒子を形成する工程とにより形成することができる。このような方法の組み合わせも可能である。
【0145】
本明細書に記載するように、任意の適当な成分または結合部位をアセンブリのために使用してもよく、成分または結合部位をナノ粒子および/またはナノ構造の核酸部分と会合させてもよい。いくつかの実施形態では、核酸コーティングされたナノ粒子を、核酸コーティングされたナノ粒子の核酸部分に付着した成分または結合部位により互いに付着させる。他の実施形態では、核酸コーティングされたナノ粒子を、核酸コーティングされたナノ粒子のナノ粒子部分に付着した成分または結合部位により互いに付着させる。いくつかの場合、核酸コーティングされたナノ粒子を、熱的プロセスを使用して(例えば、熱を使用して2つのナノ粒子、またはナノ粒子と会合した2つ以上の成分間の付着または結合を引き起こす)互いに付着させる。他の場合、核酸コーティングされたナノ粒子を、光物理的プロセスを使用して互いに付着させる。特定の場合、核酸コーティングされたナノ粒子を、結合プロセスを使用して互いに付着させる。
【0146】
組織化後、核酸容器の全部または一部を任意選択により核酸コーティングされたナノ粒子から除去してもよい。いくつかのこのような実施形態では、ナノ粒子の表面を除去ステップの前、最中または後に不動態化してもよい。ナノ粒子は、除去ステップ後にアセンブリ中で互いに付着したままであってもよい。他の実施形態では、核酸容器を複数ナノ構造の組織化後に除去しない。
【0147】
異なる種類のアセンブリを形成することができる。いくつかの場合、アセンブリは、電子回路を含む。いくつかの実施形態では、アセンブリは、二次元アレイのフォームである。他の実施形態では、アセンブリは、三次元アレイのフォームである。いくつかの場合、ナノ構造は、表面特異的結合に基づいて階層的に組織化することができる。
【0148】
回路を形成する方法の例を
図6Aおよび
図6Bに説明する実施形態に示す。
図6Aは、ナノ構造40A、40Bおよび40Cがナノ構造40Eと共に組織化して電子回路を形成するプロセスを含む方法100を示している。
図6Bは、電子回路を形成するために使用することができる導電性ナノ粒子を含む、ナノロッドのフォームの異なる配向の構造を示す。図に説明として示すように、いくつかの実施形態では、本明細書に記載するように異なる表面間の結合の特異性により、複数のナノ構造を構築ブロックとして使用して所定の位置に配置させることができる。例えば、
図6Bでは、構造間の連結点をナノロッド上の設計された位置に特異的に配置することができる。同様に本明細書に記載するように、異なる戦略を利用し異なる構造を形成することができる。例えば、一実施形態では、アセンブリは、核酸容器を組織化する工程と、次いで容器内での導電性材料の成長を誘因する工程とにより形成することができる。別の実施形態では、導電性材料を、核酸容器を使用して構築ブロックの各々で成長させることができ、次いで、結果として生じるナノ構造をより大きな構造に組織化することができる。いくつかの場合、例えば、熱的/光物理的方法を介して、構築ブロックの端部を合併することにより、電子回路として使用することができる連続的導電性ネットワークを製造してもよい。
【0149】
アセンブリは任意の適当なサイズを有してもよく、ナノ−、マイクロ−、メソ−またはマクロ−スケールであってもよい。いくつかの場合、アセンブリは、1mm以下、100ミクロン以下、50ミクロン以下、10ミクロン以下、1ミクロン以下、500nm以下、100nm以下、50nm以下、10nm以下、または1nm以下の長さおよび/または少なくとも1つの横断面寸法を有する。他の場合、アセンブリは、1nm以上、10nm以上、100nm以上、1ミクロン以上、10ミクロン以上、50ミクロン以上、100ミクロン以上、または1mm以上の長さおよび/または少なくとも1つの横断面寸法を有する。他の値も可能である。上記範囲の組み合わせも可能である。アセンブリの長さは、アセンブリを形成する最も遠く間隔があいたナノ構造の2つの最も外側の部分の間の距離を測定することにより決定することができる。同様に、アセンブリの横断面寸法は、アセンブリを形成するナノ構造の2つの最も離れた部分の間の横断面を取り、最も外側の部分の間の距離を測定することにより決定することができる。
【0150】
ナノ構造のアセンブリは任意の適当な構成を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、アセンブリは、直線形状(例えば、AAAAAABBBBBBB(ここでAおよびBは異なるナノ構造構築ブロックである)またはABABABABなどの代替鎖)を有してもよい。他の場合、アセンブリは星形形状(例えば、1個のAの周りに5個のB)を有してもよい。他の実施形態では、アセンブリは、チューブ、ボックス、バレル、長方形、ロッド、「T」、「L」、分岐構造、菱形、星形、正方形、平行四辺形、ロンボイド、三角形、五角形、六角形または多面体(これらに実質的に類似の形状を含む)などの三次元構造を形成してもよい。他の構成も可能である。
【0151】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するナノ構造(例えば、核酸容器によりコーティングされたまたはコーティングされていないナノ粒子)を多重化検出のために使用することができる。検出は、いくつかの実施形態では、標的分子(例えば、生体分子)を含む疑いがある組成物を複数のナノ構造に導入する工程と、存在する場合には標的分子を少なくとも2つの異なるナノ構造の表面に結合させる工程とを含んでもよい。このような方法の例を
図7に説明として示す。方法80は、ナノ構造の異なる部分/側面に付着した異なる成分を含むナノ構造40Aおよびナノ構造40Dを使用する工程を含む。例えば、ナノ構造40Aはナノ構造の異なる側面上に配置された成分81〜84を含み、ナノ構造40Dはナノ構造の異なる側面上に配置された異なる成分85〜90を含む。いくつかの場合、ナノ構造の成分の各々は互いに異なり、他の場合、ナノ構造の成分のいくつかは同じであってもよいが、他のものは互いに異なっていてもよい。標的分子94を導入する際、標的分子の一部と40Aの成分の1つとの間の結合が起こり、標的分子の一部と構造40Dの成分との間の結合が起こり得る。標的分子に含まれる特定の結合部位に応じて、ナノ構造40Aと40Dの成分間の異なる組み合わせの結合が起こり得る。
図7に説明として示すように、標的分子は、ナノ構造40Aの成分82に特異的な結合部位と、ナノ構造40Dの成分90に特異的な結合部位とを含んでもよい。このような方法を使用して、あらゆる2つの表面(例えば、1つのナノ構造の1つの表面および異なるナノ構造の別の表面)を使用して1つの特異的標的分子を検出してもよい。
【0152】
いくつかの実施形態では、標的分子を導入して2つの特異的表面の認識を誘因することができ、認識イベントの結果としての独特なシグナルを生成および/または増強してもよい。例えば、1組の実施形態では、
図7に示す成分の各々は、SERSに基づく検出のためのレポーター分子であってもよい。標的分子と2つの異なる表面(各異なるナノ分子上のもの)との間の結合は、結合に関連する2つの特異的レポーター分子からのラマンシグナルを増強することができる。このような方法を使用すると、各標的分子の結合からのシグナルが独特で他から識別可能であるので、比較的少数のナノ構造を使用して種々の異なる標的分子を検出することができる。
【0153】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するナノ構造により認識することができる異なる標的分子の数は、少なくとも一部は、ナノ構造上に配置された異なる成分(例えば、結合部位)の数に依存し得る。本明細書に記載するように、いくつかの場合、成分は単離された成分のフォームである。一般的に、本明細書に記載するナノ構造を使用して認識することができる異なる標的分子の数は、式(n
*x−1)
*n
*x/2(各標的分子の検出が、2つのナノ構造との結合を含むと仮定する)(ここで、nはナノ構造の数であり、xはナノ構造の各々に関連する異なる結合部位(および/または側面)の数である)。例えば、各ナノ構造上5個の結合部位を有する2つのナノ構造により、(2
*5−1)
*2
*5/2=45個の異なる標的分子を検出することができる。本明細書に記載するナノ構造を使用して認識することができる異なる標的分子の数は、各標的分子の検出が、3個のナノ構造との結合を含むと仮定すると、式(n
*x−2)
*(n
*x−1)
*n
*x/3を使用して決定することができる。いくつかの実施形態では、2個のナノ構造(または3個、4個、5個、6個のナノ構造等)を使用して、例えば、2〜2000個の異なる標的分子(例えば、2〜1000個の間、2〜500個の間、2〜200個の間、2〜100個の間、または2〜50個の間の異なる標的分子)を検出することができる。例えば、いくつかの実施形態では、2個のナノ構造(または3個、4個、5個、6個のナノ構造等)を使用して、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも70個、少なくとも100個、少なくとも500個、少なくとも1000個、または少なくとも1500個の異なる標的分子を検出することができる。いくつかの場合、このような数の標的分子を同時に検出することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、その各々を使用して異なる標的分子を検出することができる少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも50個、または少なくとも100個の異なるナノ構造を含む。
【0154】
本明細書に記載するナノ構造を使用して、SERSに基づく検出以外の他の検出法を使用することができることを認識すべきである。例えば、他の金属表面増強発光プローブを使用することができ、ここでは発光基をラマンシグナルレポーターの代わりに利用する。
【0155】
核酸は、本発明の文脈では、DNAおよびRNAを含み、これらの種々の修飾物も同様である。修飾物には、塩基修飾物、糖修飾物、および骨格修飾物が含まれる。これらの非限定的な例を本明細書で提供する。使用してもよいDNA変異体の非限定的な例には、L−DNA(文献で知られている、DNAの骨格エナンチオマー)、ペプチド核酸(PNA)ビスPNAクランプ、偽相補PNA、ロックド核酸、またはDNA−LNA共核酸などの上記の共核酸(co-nucleic acid)が含まれる。本明細書に記載する実施形態に使用する核酸は、性質が均一でも不均一でもよいことを理解すべきである。例として、これらは性質が完全にDNAであってもよいし、あるいはDNAおよび非DNA(例えば、LNA)のモノマーまたは配列で構成されていてもよい。したがって、核酸要素の任意の組み合わせを使用してもよい。本明細書に記載する核酸をポリマーまたは核酸ポリマーと呼んでもよい。修飾により、このようなポリマーの相互作用を特定の条件下で多少安定にしてもよい。
【0156】
本明細書に記載する核酸は、天然源から得てもよく、任意選択によりその後修飾してもよい。これらは、インビトロで合成してもよく、任意選択により天然核酸を模倣しても、または非天然核酸(例えば、天然核酸中に見られない要素の存在のため)を表してもよい。細胞、組織または生物中から核酸を収集する方法は、当技術分野で既知である。自動化核酸合成を含む核酸を合成する方法も当技術分野で既知である。
【0157】
核酸は、均一骨格(例えば、完全にリン酸ジエステルもしくは完全にホスホロチオエート)または不均一(もしくはキメラ)骨格を有してもよい。ホスホロチオエート骨格修飾は、(天然リン酸ジエステル骨格核酸と比べて)核酸をヌクレアーゼに対して感受性でなくし、したがって特定の条件下でより安定にする。核酸にさらなる安定性をもたらし得る他の結合には、それだけに限らないが、ホスホロジチオエート結合、メチルホスホネート結合、メチルホスホロチオエート結合、ボラノホスホネート結合、ペプチド結合、アルキル結合、デホスホ型結合などが含まれる。
【0158】
ホスホロチオエート結合を含む骨格などの修飾骨格を有する核酸(キメラ修飾骨格を含むものを含む)は、ホスホロアミダートまたはH−ホスホネート化学のいずれかを使用する自動化技術を使用して合成してもよい(F.E.Eckstein、「Oligonucleotides and Analogues-A Practical Approach」IRL Press、Oxford、UK、1991ならびにM.D.MatteucciおよびM.H.Caruthers、Tetrahedron Lett.21、719(1980))。アリール−およびアルキル−ホスホネート結合は、例えば、米国特許第4469863号に記載されているように形成することができ;例えば、米国特許第5023243号および欧州特許第092574号に記載されているようなアルキルホスホトリエステル結合(荷電酸素部分がアルキル化されている)は、市販の試薬を使用して自動化固相合成により調製することができる。他のDNA骨格修飾および置換を形成する方法は記載されてきた。Uhlmann Eら(1990)Chem Rev 90:544;Goodchild J(1990)Bioconjugate Chem 1:165;Crooke STら(1996)Annu Rev Pharmacol Toxicol 36:107〜129;およびHunziker Jら(1995)Mod Synth Methods 7:331〜417。
【0159】
本明細書に記載する核酸は、さらにまたはあるいはその糖中に修飾を含んでもよい。例えば、β−リボース単位またはβ−D−2’−デオキシリボース単位を修飾糖単位で置き換えることができ、修飾糖単位は、例えば、β−D−リボース、α−D−2’−デオキシリボース、L−2’−デオキシリボース、2’−F−2’−デオキシリボース、アラビノース、2’−F−アラビノース、2’−O−(C
1〜C
6)アルキル−リボース、好ましくは2’−O−(C
1〜C
6)アルキル−リボースは2’−O−メチルリボース、2’−O−(C
2〜C
6)アルケニル−リボース、2’−[O−(C
1〜C
6)アルキル−O−(C
1〜C
6)アルキル]−リボース、2’−NH
2−2’−デオキシリボース、β−D−キシロ−フラノース、α−アラビノフラノース、2,4−ジデオキシ−β−D−エリスロ−ヘキソ−ピラノース、および炭素環である(例えば、Froehler J(1992)Am Chem Soc 1 14:8320に記載されている)および/または鎖状糖類似体(例えば、Vandendriesscheら(1993)Tetrahedron 49:7223に記載されている)および/または二環式糖(bicyclosugar)類似体(例えば、Tarkov Mら(1993)Helv Chim Acta 76:481に記載されている)から選択される。
【0160】
核酸は、その塩基に修飾を含んでもよい。修飾塩基には、修飾シトシン(5−置換シトシン(例えば、5−メチル−シトシン、5−フルオロ−シトシン、5−クロロ−シトシン、5−ブロモ−シトシン、5−ヨード−シトシン、5−ヒドロキシ−シトシン、5−ヒドロキシメチル−シトシン、5−ジフルオロメチル−シトシン、および非置換もしくは置換5−アルキニル−シトシン)、6−置換シトシン、N4−置換シトシン(例えば、N4−エチル−シトシン)、5−アザ−シトシン、2−メルカプト−シトシン、イソシトシン−、偽−イソシトシン、縮合環系を有するシトシン類似体(例えば、N,N’−プロピレンシトシンもしくはフェノキサジン)、およびウラシルおよびその誘導体(例えば、5−フルオロ−ウラシル、5−ブロモ−ウラシル、5−ブロモビニル−ウラシル、4−チオ−ウラシル、5−ヒドロキシ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル)、修飾グアニン、例えば、7−デアザグアニン、7−デアザ−7−置換グアニン(7−デアザ−7−(C2〜C6)アルキニルグアニンなど)、7−デアザ−8−置換グアニン、ヒポキサンチン、N2−置換グアニン(例えば、N2−メチル−グアニン)、5−アミノ−3−メチル−3H,6H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノプリン、プリン、インドール、アデニン、置換アデニン(例えば、N6−メチル−アデニン、8−オキソ−アデニン)、8−置換グアニン(例えば、8−ヒドロキシグアニンおよび8−ブロモグアニン)、および6−チオグアニンが含まれる。核酸は、ユニバーサル塩基(例えば、3−ニトロピロール、P−塩基、4−メチル−インドール、5−ニトロ−インドールおよびK−塩基)および/または芳香環系(例えば、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ベンズイミダゾールまたはジクロロ−ベンズイミダゾール、1−メチル−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸アミド)を含んでもよい。
【0161】
本明細書で使用する場合、「結合する」または「相互作用する」という用語は、これらが核酸に関する場合、典型的には2個以上の核酸配列または鎖の間のハイブリダイゼーション(例えば、塩基特異的結合)を指す。「アニーリング」という用語は、ハイブリダイズした要素の熱力学的定常状態(またはそれに比較的近いもの)が形成されるように核酸の混合物を加熱し、ゆっくり冷却する(例えば、典型的な熱サイクルマシン中で)プロセスを指す。核酸間の相互作用は、本明細書に記載する特定の実施形態によると、特異的であり、典型的には相互作用する鎖の配列により支配される。これらの相互作用には相補核酸配列が互いにハイブリダイズするワトソン−クリック結合が含まれる。これらの相互作用はまたそれだけに限らないが、Hoogsteenまたは四重結合を含む他の結合モチーフを含んでもよい。
【0162】
いくつかの実施形態では、低分子、タンパク質およびマーカーなどの他の成分を本明細書に記載する核酸に付着させてもよいことを認識すべきである。
【0163】
以下の実施例は本発明の特定の実施形態を説明することを意図しているが、限定するものと解釈するべきでなく、本発明の全範囲を例証するものではない。
【実施例】
【0164】
(実施例1)
この実施例は、本明細書に記載するように核酸容器中で金ナノ粒子を形成する方法を示す。
【0165】
工程1:核酸容器の形成。DNA折り紙法を使用してDNAを折りたたむことにより核酸容器を形成した。核酸容器はcaDNAnoソフトウェアを使用して設計した。DNA鎖を設計した形状に折りたたむために、200nM M13核酸足場(P8064変異)(配列番号1)16.7μL、500nMステープル鎖(Dietzら、Science、325:725〜730、2009年8月7日およびDouglasら、Nature、459:414〜418、2009年5月21日に記載されている手順にしたがって得た)20μL、折りたたみ緩衝液(50mM Tris、10mM EDTAおよび120mM MgCl
2)11μLおよび水44μLを混合した。得られた溶液を急速に熱変性し、引き続いて100分間にわたって80℃から61℃まで、次いで72時間にわたって60℃から24℃までゆっくり冷却した。核酸容器を氷水浴中3時間で70Vで2%アガロースゲル(0.5xTBE+10mM MgCl
2)上で精製した。ゲルをSybr Goldで染色し、核酸容器を破砕−浸漬法によりゲルから抽出した。
【0166】
工程2:種修飾。5nmモノ−DNA官能化金ナノ粒子前駆体を、テンプレート化ナノ粒子を成長させるための種として使用した。種を核酸容器の空洞に導入するために、精製した容器(0.5xTBE+10mM MgCl
2緩衝液中2nM)を50nM 5nmモノ−DNA官能化金ナノ粒子と混合した。溶液を37℃で16時間インキュベートし、次いで24℃にゆっくりアニーリングした(1℃/工程、20分/工程)。1個の金ナノ粒子を核酸容器の空洞に導入するために、金ナノ粒子からのモノ−DNAを、核酸容器の内側表面に付着した単一相補DNA配列とハイブリダイズするよう設計した。
【0167】
過剰の非結合金ナノ粒子を、回転遠心分離機を介して除去した。種修飾核酸容器溶液20μLを水180μLと混合し、Amicon遠心濾過器(MWCO=100kDa、Millipore製)に充填して14000gで3分間遠心分離した。この工程を同一条件下で2回繰り返した。次いで、フィルターを逆にし、1000gで2分間回転させた。残留溶液を回収した。
【0168】
工程3:核酸容器内での金ナノ粒子の成長。六角形の形状の横断面を有する金ナノ粒子を成長させるため、上記工程1および2を最初に行って
図8Aに示すように六角形の形状の横断面を有する空洞を含む核酸容器20を合成した。次いで、精製種修飾溶液10μLを14mM HAuCl
4前駆体溶液1μLと混ぜ合わせた。20mMアスコルビン酸1μLをその後添加した。2分後、最終溶液3.5μLを銅グリッド上に浸漬した。2分後、溶液を濾紙で拭き取り、ナノ構造をグリッド上に残した。次いで、2%ウラン形成物3.5μLをグリッド上に添加して得られたナノ構造を染色した。45秒後、溶液を濾紙で拭き取った。次いで、得られたナノ構造を乾燥させるためにグリッドを乾燥させた。
【0169】
図8Bおよび
図8Cは、精製後に得られたナノ構造のTEM像を示す。
図8Cに示すように、金で形成されたナノ粒子38は38nmおよび34nmの横断面寸法を有した。
【0170】
この実施例は、金ナノ粒子を、ナノ粒子の成長中に型として働く核酸容器中で形成することができることを示している。得られたナノ粒子は、核酸容器の空洞の形状と相補的な形状を有している。
【0171】
(実施例2)
この実施例は、本明細書に記載する核酸容器中で銀ナノ粒子を形成する方法を示している。
【0172】
実施例1に記載する工程1および2を行って、
図9Aに示すようにロンボイドの形状の横断面を有する核酸容器を合成した。核酸容器の空洞中で銀ナノ粒子を成長させるため、精製種修飾溶液10μLを100mM Mg(Ac)
2溶液1μLと混ぜ合わせた。この混合物に、14mM AgNO
31μLおよび20mMアスコルビン酸1μLをその後添加した。得られた溶液3.5μLを銅グリッド上に浸漬した。2分後、溶液を濾紙で拭き取り、ナノ構造をグリッド上に残した。次いで、2%ウラン形成物3.5μLをグリッド上に添加して得られたナノ構造を染色した。45秒後、溶液を濾紙で拭き取った。次いで、得られたナノ構造を乾燥させるためにグリッドを乾燥させた。
【0173】
図9B〜
図9Dは、精製後に得られたナノ構造のTEM像を示す。
図9Bに示すように、銀で形成されたナノ粒子38は17nmおよび18nmの横断面寸法を有した。核酸容器20の壁の厚さは約4〜6nmであった。
図9Cおよび
図9Dは、二量体化した2つのナノ構造を示している。二量体化構造は、実施例1に記載する工程1および2を使用して形成した。しかしながら、核酸容器の空洞中で銀ナノ粒子を成長させる前に、2つの核酸容器を、相補DNA鎖を使用して互いに付着させた。
【0174】
この実施例は、銀ナノ粒子を、ナノ粒子の成長中に型として働く核酸容器中で形成することができることを示している。得られたナノ粒子は、核酸容器の空洞の形状と相補的な形状を有している。この実施例はまた、核酸容器を互いに付着させてより大きなナノ構造を形成することができることも示している。
【0175】
(実施例3)
この実施例は、量子ドットが容器の内側表面に会合した核酸容器中で銀ナノ粒子を形成する方法を示している。量子ドットを使用して核酸容器の開口部をふさいだ。
【0176】
実施例2に記載する工程1および2を行って、
図9Aに示すようにロンボイドの形状の横断面を有する核酸容器を合成した。種修飾折り紙溶液20μLの溶液に、2μM量子ドットの溶液0.5μL(Invitrogen製)を添加し、35℃で16時間インキュベートし、次いでさらに2時間で室温にゆっくり冷却した。種精製および銀成長を実施例2に記載する方法にしたがって行った。
【0177】
図10は精製後に得られたナノ構造のTEM像を示す。銀製のナノ粒子38を核酸容器20の中で形成した。約20nmの寸法を有する量子ドット39を核酸容器の2つの端部に配置した。
【0178】
この実施例は、容器の両端部を量子ドットでふさぐと、銀ナノ粒子をナノ粒子の成長中に型として働く核酸容器中で形成することができることを示している。得られたナノ粒子は、核酸容器および量子ドットにより形成された空洞の形状と相補的な形状を有していた。この実施例はまた、核酸容器を利用して、太陽電池および水からの水素製造に潜在的に適用可能な不均一構造を調製することができることも示している。
【0179】
(実施例4)
この実施例は、開いた核酸容器を設計する方法およびその形成中に銀ナノ粒子の形状を指示するための容器の使用を示している。この実施例では、M13核酸足場(P8064変異)(配列番号1)を使用した。
【0180】
型として使用する中空DNA容器を、本明細書に記載するように3D DNA折り紙法を使用して設計した(
図11)。核酸(DNA)容器20の構造的剛性を確保するために、多層正方格子設計を使用して壁25(例えば、側壁)を形成した。16へリックスバンドルでできた二層設計、18へリックスバンドルでできた三層設計、24へリックスバンドルでできた四層設計を異なる形状のDNA容器(
図11)で試験した。容器の空洞30の横断面を、長方形、正方形、三角形および輪形状を含むサブ25nmの異なった形状で設計した(
図11A);この異なった特性はプログラム可能性、既存の硬い型が欠いている特徴を付与する。DNA容器の厚さも10nm〜30nmで調整した。単一の規定のDNA容器の中央空洞中での金属の成長を確保するために、銀または金の成長用の種34として使用する5nm金ナノ粒子を、DNAハイブリダイゼーションを介してDNA容器の内部表面に接合した(
図11B)。21nt一本鎖DNAを種表面に固定化し、金種と表面DNAとの間の化学量論比を反応緩衝液中1:1とした。3〜25に及ぶ複数の21nt ssDNAを、配列を種表面上のものと相補的にしてDNA容器の内部表面に固定化した。特に、いくつかの実施形態では、種を使用しない、銀および金などの貴金属の直接還元により、DNA容器の外部表面での金属化が起こり得る。種により媒介される金属前駆体のその後の還元により、特異的な所定の形状および寸法のための各DNA型内での金属ナノ構造38の限局された成長がもたらされた(
図11C)。
【0181】
この実験では、DNAバレルおよび蓋などのDNA容器の一部を、80℃〜24℃で72時間にわたってステープル/足場混合物をゆっくりアニーリングすることにより折りたたんだ。次いで、粗生成物を泳動緩衝液として0.5xTBE/10mM MgCl
2を用いたアガロースゲル電気泳動(1.5%アガロースゲル)に供した。精製構造をゲルから抽出し、次いで遠心分離を介して回収した。種修飾を過剰の5nm金粒子(金とDNA容器との間の化学量論比は2:1〜5:1に及んだ)と共に開いたDNA容器(例えば、バレル)を35℃で16時間インキュベートすることにより行い、次いで、24℃で3時間にわたってアニーリングした。サイズ排除回転カラムを使用して過剰な金ナノ粒子を除去した。閉じた空洞を形成するために、DNA蓋を種修飾DNAバレルと35℃で16時間混合し、次いで24℃で3時間にわたってアニーリングした。次いで、銀ナノ粒子のための硝酸銀および金ナノ粒子の形成のための塩化金酸などの金属前駆体を精製金−DNAバレル接合体に添加し、引き続いてアスコルビン酸(AA)などの還元剤を添加した。暗中4℃または室温で数分〜数時間成長させた後、溶液を銅グリッド上に浸漬し、TEM画像化のためにウラン塩で染色した。
【0182】
(実施例5)
この実施例は、閉じた核酸容器(例えば、ボックス)を設計する方法およびその形成中に銀ナノ粒子の形状を指示するための容器の使用を示している。この実施例では、M13核酸足場(P8064変異)(配列番号1)を使用した。
【0183】
銀ナノ粒子の三次元限局成長を、ボックス形状DNA容器を使用して試験した。各DNAボックス容器20を3つの独立した成分:1つのバレル47と2つの正方形形状蓋50および52で設計した(
図12)。蓋とバレルの内部表面の両方で囲まれた空洞30を正方形−または長方形−形状横断面で設計した。長方形DNAバレルは88個の平行な二重らせんから組織化した。中央空洞の横断面寸法は、8らせん×6らせんとして設計した。側壁は16へリックスバンドルおよび18へリックスバンドルから構築した。バレルの長さはそれぞれ6および9二重らせん回転として設定した。正方形形状DNAバレルは108個の二重らせんから組織化した。各側壁は18へリックスバンドルから構築した。中央空洞の横断面寸法は6らせん×6らせんとして設計し、7二重らせん回転の長さを有した。三層DNA蓋を、幅18らせん、厚さ3らせんおよび長さ15らせん回転で設計した。
【0184】
蓋をバレル上に接続するために、6個または16個の15nt一本鎖結合部位を長方形DNAバレルの18へリックスバンドルの両端部に導入した一方で、正方形DNAボックスでは、13個の15nt一本鎖結合部位49をDNA側壁の各端部に固定化した(
図12A)。各バンドルの結合部位は、同一配列を示した。DNA蓋の一端部では、DNAバレル上のものと相補的な配列を有する20個の15nt一本鎖DNAを導入した。2つの異なる配列DNA間の間隔はバレルの結合部位の間隔と一致した20nmに設定した。
【0185】
長方形バレルと蓋の両方について、形成収率は約10〜20%であった一方で、正方形バレルについては折りたたみ収率は、粘着末端積み重ねによるバレル二量体化のために5%とずっと低かった。TEM画像化により、設計した形状の形成が示された。両長方形バレルについて、中央空洞の横断面寸法は二重らせん当たり2.5nmと一致した20nm×15nmであり、正方形形状空洞については15nm×15nmであった。しかしながら、画像化のためのTEM試料調製中の部分的脱水および構造変形のために、2または3nmの小さなずれも観察され、90°からの隅角からのずれおよび/または粗い内側表面も観察された。また、TEM画像化によって異なる形状のDNAバレルについての種修飾収率が約74〜91%(N>100)であることも明らかになった。
【0186】
次いで、蓋閉鎖後の未精製反応溶液を、TEMを用いて画像化して形成収率を決定した(
図12B〜
図12D左、N>100)。20−15−30nm寸法の長方形DNAバレルを利用して種修飾DNAボックス容器の形成収率を最適化した。長方形バレルの各端部上の6つの結合部位を含む、3:1の蓋:バレル化学量論比は10%未満のボックス形成収率をもたらしたが、結合部位を16個に増加させるとボックス形収率が31%に上昇した(
図12B、左)。蓋:バレル化学量論比を2:1から6:1まで増加させると、ボックス形成収率が28%から33%までわずかに増加した。比較的高い化学量論比、すなわち、6:1で、いくつかの例では、バレルの各端部は2つの蓋と接触することができ、これが正確な蓋閉鎖工程を阻止することができる。欠陥構造の収率も2:1化学量論比で20%から6:1化学量論比で50%まで増加した。欠陥構造の形成は、高い化学量論比でDNAボックス形成収率のさらなる増加を妨げた。20−15−20nm寸法および15−15−25nm寸法を有するDNAバレルについてのボックス閉鎖収率は、3:1の化学量論比で、それぞれ13%および21%であることが分かった(
図12C〜
図12D左)。DNAボックス容器と比較として、種修飾バレルを伴う種修飾DNA容器の形成は、さらに約20%さらに低下し、これは種修飾DNAバレルの形成収率と一致した。アガロースゲル電気泳動を試験して種修飾DNAボックス容器の反応溶液を精製した。しかしながら、種修飾DNAボックス容器に対応するバンドを抽出した後、TEM画像化により、開いたおよび閉じた種修飾DNAボックス容器の両方が存在することが明らかになり、これはゲル抽出中の小さな移動度差または構造変改のいずれかから生じたものであった。
【0187】
銀ナノ粒子の成長を、硝酸銀(1.4mM)およびアスコルビン酸(2mM)を添加することにより誘因した。室温で4〜10分間成長させた後、DNAボックス内で成長した銀ナノ粒子38をTEMにより画像化した(
図12B右)。TEM像により、銀成長後に4〜8nm厚さの側壁が存在することが示され、このことは銀成長後にDNA容器が無傷のままであることを示唆していた。20−15−30nm寸法の空洞を有する長方形DNAボックスでは、銀ナノ粒子は20−16−30nm寸法に成長した(
図12B、右)。長方形横断面ならびに丸コーナーがTEM像で観察された。空洞寸法を20−15−20nmに減少させると、類似の長方形横断面形状および20nm厚さを有する銀ナノ粒子が観察された(
図12C、右)。DNAボックス容器中銀ナノ粒子の異なる最大許容厚さは、厚さ方向のDNAボックス容器の限局を裏付けた。DNAボックス容器の横断面寸法を20nm×15nmから15nm×15nmに変化させると、正方形形状横断面を有する銀ナノ粒子がもたらされた(
図12D右)。各縁はTEM像で約16nmであると測定された。空洞のものと比較して大きな銀ナノ粒子の寸法サイズは、銀ナノ粒子成長によるDNA二重らせんの圧縮から生じた。
【0188】
いくつかの場合、銀成長工程中に欠陥DNA構造も観察された。長方形DNAボックス容器の16へリックスバンドルで作られた2つの二層DNA側壁により限局された成長方向において、側壁屈曲と空洞膨張の両方を有する欠陥構造が観察された一方で、18へリックスバンドルで作られた2つの三層DNA側壁により限局された成長方向において、例えば、20nmから約25nmまでの寸法サイズが膨張した欠陥構造が主に観察された。TEM像により、二層側壁についての欠陥収率は三層側壁のものより5倍高いことが示された(N>50)。三層DNA側壁を有する正方形形状DNAボックス容器では、欠陥構造は主に例えば、15nmから約20nmまでの空洞寸法の膨張から生じた。欠陥率はまた反応時間および反応物濃度にも依存した。反応時間が4分で反応物が0.3mM AgNO
3および0.5mM AAである場合、正方形ボックスについての欠陥率は2/3低下した。
【0189】
蓋およびバレルについてのいくつかの他の設計も試験して異なる形状を有する空洞を組み立てた。10または15nm長さを有するDNAの16へリックスバンドルを30へリックスバンドルの上部に導入した。精製後、TEM像により、30へリックスバンドルのウェル形成が示された。しかしながら、この特定の実験では、両16へリックスバンドルは30へリックスバンドルに密接に接続しなかったので、ボックス形成に利用することができなかった。三角形上面を有するDNAバレルも組み立てた。種修飾および蓋閉鎖後、明確な間隔が1つの頂点で観察され、これは数個の10nmDNAらせんで構成されていた。三角形上面は限局銀ナノ粒子で観察されたが、10nmDNAらせん間の空間が広がった。これは、30nmDNAらせん中の4〜5個のステープル交差結合と比べて、10nmDNAらせん中の1個または2個のステープル交差の不安定結合から生じた。歪んだDNAバレルにより、剛性の安定なDNA側壁が金属成長を限局することがさらに証明された。
【0190】
本明細書に記載するように、
図12A〜
図12Dは、DNAボックス容器内での銀ナノ粒子の限局成長を示している。
図12Bは、20−15−30nm寸法の長方形形状DNAボックス内で成長した銀ナノ粒子についての設計(上)およびTEM像(下)を示している。左から右に:DNAボックス、種修飾DNAボックスおよびボックス内で成長した銀。
図12Cは、20−15−20nm寸法の長方形形状DNAボックス内で成長した銀ナノ粒子についての設計(上)およびTEM像(下)を示している。左から右に:DNAボックス、種修飾DNAボックスおよびボックス内で成長した銀。
図12Dは、15−15−25nm寸法の正方形形状DNAボックス内で成長した銀ナノ粒子についての設計(上)およびTEM像(下)を示している。左から右に:DNAボックス、種修飾DNAボックスおよびボックス内で成長した銀。
図12Eは、20−15−30nm寸法の長方形形状DNAボックス内で成長した銀ナノ粒子についての縮小TEM像を示している。
【0191】
(実施例6)
この実施例は、開いた核酸容器を設計する方法およびその形成中に銀および金ナノ粒子の形状を指示するための容器の使用を示している。この実施例では、M13核酸足場(P8064変異)(配列番号1)を使用した。
【0192】
DNA型中での金属ナノ構造の限局成長の一般性を開いた核酸容器20(例えば、バレル)で試験して横断面制御可能性を証明した(
図13)。四層DNAらせんを接続してDNA容器内の特異的形状の空洞を取り囲む壁25を形成した。空洞30を、3つの異なる横断面形状、例えば、等辺三角形(
図13A)、直角三角形(
図13B)およびディスク形状(
図13C)で設計した。3つの21nt一本鎖結合部位を容器の内部表面で導入して種34を固定化した。
【0193】
ゲル精製により、DNA容器の5〜10%折りたたみ収率が示された。TEM像により、等辺三角形形状DNAチャネルが15nmの厚さを有する25nmの辺長を示すことが示された(
図13A左)。直角三角形の場合、2つの異なる組の辺寸法、例えば、20−24−31nm(
図13B左)および15−29−33nm(図示せず)が観察された。形状多様性はDNA容器の辺の16塩基一本鎖領域の存在が原因であった(図示せず)。異なる伸長状態で、一本鎖領域は、異なる長さを示すことができ、それにより可変性の容器寸法がもたらされ得る。DNAリングについては、ディスク形状容器の内側寸法は25nmであると決定され、厚さは10nmであった(
図13C左)。金種修飾後、TEM画像化により、各容器について60〜75%の修飾収率が明らかになった(N>100)。複数の結合部位が容器の内部表面に存在したが、ほとんどのDNA容器は1個の種と接合しており(
図13A〜C中央)、これは容器内のナノ粒子間の空間的反発が原因であった。
【0194】
(室温で4〜8分間)DNA容器内で成長した銀ナノ粒子をTEMにより画像化した。形成した銀ナノ粒子の約5〜10%は、ナノ粒子が成長した容器の設計した横断面の形状を有することが分かった(残りのナノ粒子は球の形状を有する)。等辺三角形形状容器では、完全限局銀ナノ粒子は、等辺三角形形状横断面を示し、25nmの長さを有する各辺および3個の丸い頂点を有していた(
図13A右)。銀成長後にDNA容器は無傷のままであり、成長した銀ナノ粒子の側面表面まわりに完全に巻かれていることが分かった。DNA側壁の明らかな屈曲も湾曲も観察されなかった。銀ナノ粒子の中央では、5nm直径を有する丸い影がDNA容器中の修飾金種に割り当てられていた。20−24−31nm寸法を有する直角三角形形状チャネルでは、直角銀ナノ粒子は19−24−29nm寸法で成長した(
図13B右)。等辺三角形形状チャネルと同様に、直角銀ナノ粒子でも丸い頂点が観察された。ディスク形状チャネルでは、25nmの横断面寸法を有する銀球が観察された(
図13C右)。
【0195】
開いた容器では、垂直ではなくて側方に成長した粒子のみが容器の形状に限局され、これにより5〜10%の限局収率が得られた。非限局粒子のほとんどは球形を示した。
【0196】
四層DNAらせんが側壁剛性を増加させることが認められた。等辺三角形形状DNA容器の場合、屈曲側壁を有する欠陥構造の数は二層または三層長方形DNA容器よりも低かった。15−29−33nm寸法を有する直角三角形容器も中での銀成長を限局することが同様に認められた。しかしながら、30°角度を含む鋭い頂点を有する容器中で成長したナノ粒子は、等辺三角形の60°の角度を有する容器または直角三角形の50°の角度を有する容器中で形成されたものと比べて、十分に形成しなかった。
【0197】
いくつかの他の開いた容器も試験した。15nmの辺を有する等辺三角形形状DNA容器は、DNA二重らせんを相互接続するためのステープル交差が少ないために、25nmの辺を有するものと比べてあまり剛性でない側壁を示した。中で成長した銀ナノ粒子が三角形形状銀ナノ粒子をもたらしたが(1%、N>100)、ナノ構造のほとんどは球様であった。ハニカム格子を使用して六角形DNA容器を構築した。しかしながら、銀成長後、DNA側壁中の二重らせんの配向転換が観察され、正方格子と比べて剛性でないハニカム格子の構造を示した。
【0198】
金ナノ粒子も開いた長方形DNA容器内で成長させた。銀ナノ粒子と比べて、0.5xTBE/10mM Mg(NO
3)
2緩衝液中の金の成長速度ははるかに遅かった。30分間の反応後、中でナノ粒子についての明らかな大きさの増加は観察されなかったが、これはEDTAの金前駆体に対するキレート効果が原因であった。反応緩衝液からEDTAを除去すると、成長速度が有意に促進された。30分の反応により、長方形バレル内に15nm×20nm長方形横断面形状金ナノ粒子がもたらされた(
図13D右)。
【0199】
(実施例7)
この実施例は、本明細書に記載するように核酸(例えば、DNA)容器の指向性自己組織化を行う方法を記載する。この実施例では、M13核酸足場(P8064変異)(配列番号1)を使用した。
【0200】
無機ナノ粒子を含有するDNA容器を含むDNA容器は、構造的限局だけでなく表面アドレス指定能力情報も提供する。例えば、中にナノ粒子を含有するDNA容器については、3D DNA折り紙の配列特異性のために、銀ナノ粒子表面の近くに位置する各ステープル鎖(例えば、DNA鎖)を独立にアドレス指定および調節することができ、これによりナノ粒子表面上で表面アドレス指定能力分解能を2.5nm×3.4nmまで下げることが可能になる。各ステープル鎖を、ビオチンまたは複数の異なる配列一本鎖領域を含む異なる結合特徴、制御された配向および化学量論比でさらに修飾することができる。当技術分野で既知の以前の組織化後戦略とは異なり、DNAナノ構造の表面アドレス指定能力により、容器の予備組織化ネットワーク内での金属成長が可能になった。この特徴に基づいて、分岐金属三量体および量子ドット(QD)−銀不均一構造を
図14に示すように組み立てた。
【0201】
3つの個々のDNAバレル容器20からY形状DNA容器51をアセンブルするために、6つの一本鎖コネクタを、3位と5位の両方で特異的ステープル鎖を伸長することにより各長方形バレルの一端部で2つの平行列に配置した。各列は3つの異なる配列の15nt一本鎖DNAで構成されており、これを別のパートナーバレルの相補鎖とハイブリダイズした。10nM金種34の存在下で別々に調製および精製したDNAバレル(3nM)をインキュベーションすることにより、種修飾Y形状バレルがもたらされた。TEM画像化により、種修飾Y形状バレルの5%の形成収率が示された(
図14A,左および中央)。五量体および六量体などの多量体も未精製溶液中で観察された。Y形状バレル内で成長した銀は、DNAバレル容器の配向により限局されるように、各バレル内の個々のナノ粒子、および三量体のためのY形状配向をもたらした(
図14A、右)。各バレル内の銀ナノ粒子38の幅は20、22および23nmであると決定された。長方形バレル空洞の幅(20nm)よりもわずかに増加した幅は、金属成長によるDNA二重らせん間の間隔膨張が原因であった。銀ナノ粒子の成長フロンティアが遭遇したY形状バレルの中央では、3つの明確な粒子界面が観察され、これにより、形成されたそのままの(as-formed)銀ナノ粒子が3個の独立した銀フラグメントから生じ、組織化したことが確認された。粒子界面の存在はまた、Y形状バレルの中央に種が存在しないために、中央での異なる配向結晶学的面の成長速度が低いことを示した。
【0202】
図14Bに示すように不均一量子ドット(QD)−銀ナノ粒子−量子ドットサンドイッチ構造53を構築するために、5個または6個のビオチン基を、20−15−30nm寸法および空洞を有する開いた長方形バレル容器20の各端部に導入した。量子ドットを容器のための蓋として使用して容器内での銀ナノ粒子の成長を限局した。DNA容器バレルのビオチン化は、TTスペーサーを介した5位での選択ステープル鎖の伸長により達成した。最初にビオチン化長方形バレル容器(5nM)を金種34(10nM)と共に17時間インキュベートし、次いで過剰の量子ドット53(ストレプトアビジンコーティングしたQD(50nM))の存在下でさらに17時間インキュベートした。過剰の量子ドット57および金種を、回転カラム精製を介して除去した。TEM画像化により、QDと種修飾バレルとの間の設計したサンドイッチ構造の形成が明らかになった(
図14B、左および中央)。染色後、15〜20nm直径を有する白色球はQDコアの周りのPEGおよびストレプトアビジンシェルに起因した。70%の種修飾バレルは、両端部で2つのQDと接合していることが分かった(N>100)。特に、DNAバレルの側面表面に付着していることが分かったQDはなかった。修飾金種により媒介される成長により、設計されたQD−Ag−QD不均一構造を有する、2つのQD間の銀ナノ粒子がもたらされた(
図14B、右)。DNAバレル内のAgナノ粒子の寸法サイズは、容器の空洞の大きさと一致する21nm×30nmであると決定された。
【0203】
核酸配列
M13核酸足場(P8064変異)(配列番号1)
GAATTCGAGCTCGGTACCCGGGGATCCTCAACTGTGAGGAGGCTCACGGACGCGAAGAACAGGCACGCGTGCTGGCAGAAACCCCCGGTATGACCGTGAAAACGGCCCGCCGCATTCTGGCCGCAGCACCACAGAGTGCACAGGCGCGCAGTGACACTGCGCTGGATCGTCTGATGCAGGGGGCACCGGCACCGCTGGCTGCAGGTAACCCGGCATCTGATGCCGTTAACGATTTGCTGAACACACCAGTGTAAGGGATGTTTATGACGAGCAAAGAAACCTTTACCCATTACCAGCCGCAGGGCAACAGTGACCCGGCTCATACCGCAACCGCGCCCGGCGGATTGAGTGCGAAAGCGCCTGCAATGACCCCGCTGATGCTGGACACCTCCAGCCGTAAGCTGGTTGCGTGGGATGGCACCACCGACGGTGCTGCCGTTGGCATTCTTGCGGTTGCTGCTGACCAGACCAGCACCACGCTGACGTTCTACAAGTCCGGCACGTTCCGTTATGAGGATGTGCTCTGGCCGGAGGCTGCCAGCGACGAGACGAAAAAACGGACCGCGTTTGCCGGAACGGCAATCAGCATCGTTTAACTTTACCCTTCATCACTAAAGGCCGCCTGTGCGGCTTTTTTTACGGGATTTTTTTATGTCGATGTACACAACCGCCCAACTGCTGGCGGCAAATGAGCAGAAATTTAAGTTTGATCCGCTGTTTCTGCGTCTCTTTTTCCGTGAGAGCTATCCCTTCACCACGGAGAAAGTCTATCTCTCACAAATTCCGGGACTGGTAAACATGGCGCTGTACGTTTCGCCGATTGTTTCCGGTGAGGTTATCCGTTCCCGTGGCGGCTCCACCTCTGAAAGCTTGGCACTGGCCGTCGTTTTACAACGTCGTGACTGGGAAAACCCTGGCGTTACCCAACTTAATCGCCTTGCAGCACATCCCCCTTTCGCCAGCTGGCGTAATAGCGAAGAGGCCCGCACCGATCGCCCTTCCCAACAGTTGCGCAGCCTGAATGGCGAATGGCGCTTTGCCTGGTTTCCGGCACCAGAAGCGGTGCCGGAAAGCTGGCTGGAGTGCGATCTTCCTGAGGCCGATACTGTCGTCGTCCCCTCAAACTGGCAGATGCACGGTTACGATGCGCCCATCTACACCAACGTGACCTATCCCATTACGGTCAATCCGCCGTTTGTTCCCACGGAGAATCCGACGGGTTGTTACTCGCTCACATTTAATGTTGATGAAAGCTGGCTACAGGAAGGCCAGACGCGAATTATTTTTGATGGCGTTCCTATTGGTTAAAAAATGAGCTGATTTAACAAAAATTTAATGCGAATTTTAACAAAATATTAACGTTTACAATTTAAATATTTGCTTATACAATCTTCCTGTTTTTGGGGCTTTTCTGATTATCAACCGGGGTACATATGATTGACATGCTAGTTTTACGATTACCGTTCATCGATTCTCTTGTTTGCTCCAGACTCTCAGGCAATGACCTGATAGCCTTTGTAGATCTCTCAAAAATAGCTACCCTCTCCGGCATTAATTTATCAGCTAGAACGGTTGAATATCATATTGATGGTGATTTGACTGTCTCCGGCCTTTCTCACCCTTTTGAATCTTTACCTACACATTACTCAGGCATTGCATTTAAAATATATGAGGGTTCTAAAAATTTTTATCCTTGCGTTGAAATAAAGGCTTCTCCCGCAAAAGTATTACAGGGTCATAATGTTTTTGGTACAACCGATTTAGCTTTATGCTCTGAGGCTTTATTGCTTAATTTTGCTAATTCTTTGCCTTGCCTGTATGATTTATTGGATGTTAATGCTACTACTATTAGTAGAATTGATGCCACCTTTTCAGCTCGCGCCCCAAATGAAAATATAGCTAAACAGGTTATTGACCATTTGCGAAATGTATCTAATGGTCAAACTAAATCTACTCGTTCGCAGAATTGGGAATCAACTGTTATATGGAATGAAACTTCCAGACACCGTACTTTAGTTGCATATTTAAAACATGTTGAGCTACAGCATTATATTCAGCAATTAAGCTCTAAGCCATCCGCAAAAATGACCTCTTATCAAAAGGAGCAATTAAAGGTACTCTCTAATCCTGACCTGTTGGAGTTTGCTTCCGGTCTGGTTCGCTTTGAAGCTCGAATTAAAACGCGATATTTGAAGTCTTTCGGGCTTCCTCTTAATCTTTTTGATGCAATCCGCTTTGCTTCTGACTATAATAGTCAGGGTAAAGACCTGATTTTTGATTTATGGTCATTCTCGTTTTCTGAACTGTTTAAAGCATTTGAGGGGGATTCAATGAATATTTATGACGATTCCGCAGTATTGGACGCTATCCAGTCTAAACATTTTACTATTACCCCCTCTGGCAAAACTTCTTTTGCAAAAGCCTCTCGCTATTTTGGTTTTTATCGTCGTCTGGTAAACGAGGGTTATGATAGTGTTGCTCTTACTATGCCTCGTAATTCCTTTTGGCGTTATGTATCTGCATTAGTTGAATGTGGTATTCCTAAATCTCAACTGATGAATCTTTCTACCTGTAATAATGTTGTTCCGTTAGTTCGTTTTATTAACGTAGATTTTTCTTCCCAACGTCCTGACTGGTATAATGAGCCAGTTCTTAAAATCGCATAAGGTAATTCACAATGATTAAAGTTGAAATTAAACCATCTCAAGCCCAATTTACTACTCGTTCTGGTGTTTCTCGTCAGGGCAAGCCTTATTCACTGAATGAGCAGCTTTGTTACGTTGATTTGGGTAATGAATATCCGGTTCTTGTCAAGATTACTCTTGATGAAGGTCAGCCAGCCTATGCGCCTGGTCTGTACACCGTTCATCTGTCCTCTTTCAAAGTTGGTCAGTTCGGTTCCCTTATGATTGACCGTCTGCGCCTCGTTCCGGCTAAGTAACATGGAGCAGGTCGCGGATTTCGACACAATTTATCAGGCGATGATACAAATCTCCGTTGTACTTTGTTTCGCGCTTGGTATAATCGCTGGGGGTCAAAGATGAGTGTTTTAGTGTATTCTTTTGCCTCTTTCGTTTTAGGTTGGTGCCTTCGTAGTGGCATTACGTATTTTACCCGTTTAATGGAAACTTCCTCATGAAAAAGTCTTTAGTCCTCAAAGCCTCTGTAGCCGTTGCTACCCTCGTTCCGATGCTGTCTTTCGCTGCTGAGGGTGACGATCCCGCAAAAGCGGCCTTTAACTCCCTGCAAGCCTCAGCGACCGAATATATCGGTTATGCGTGGGCGATGGTTGTTGTCATTGTCGGCGCAACTATCGGTATCAAGCTGTTTAAGAAATTCACCTCGAAAGCAAGCTGATAAACCGATACAATTAAAGGCTCCTTTTGGAGCCTTTTTTTTGGAGATTTTCAACGTGAAAAAATTATTATTCGCAATTCCTTTAGTTGTTCCTTTCTATTCTCACTCCGCTGAAACTGTTGAAAGTTGTTTAGCAAAATCCCATACAGAAAATTCATTTACTAACGTCTGGAAAGACGACAAAACTTTAGATCGTTACGCTAACTATGAGGGCTGTCTGTGGAATGCTACAGGCGTTGTAGTTTGTACTGGTGACGAAACTCAGTGTTACGGTACATGGGTTCCTATTGGGCTTGCTATCCCTGAAAATGAGGGTGGTGGCTCTGAGGGTGGCGGTTCTGAGGGTGGCGGTTCTGAGGGTGGCGGTACTAAACCTCCTGAGTACGGTGATACACCTATTCCGGGCTATACTTATATCAACCCTCTCGACGGCACTTATCCGCCTGGTACTGAGCAAAACCCCGCTAATCCTAATCCTTCTCTTGAGGAGTCTCAGCCTCTTAATACTTTCATGTTTCAGAATAATAGGTTCCGAAATAGGCAGGGGGCATTAACTGTTTATACGGGCACTGTTACTCAAGGCACTGACCCCGTTAAAACTTATTACCAGTACACTCCTGTATCATCAAAAGCCATGTATGACGCTTACTGGAACGGTAAATTCAGAGACTGCGCTTTCCATTCTGGCTTTAATGAGGATTTATTTGTTTGTGAATATCAAGGCCAATCGTCTGACCTGCCTCAACCTCCTGTCAATGCTGGCGGCGGCTCTGGTGGTGGTTCTGGTGGCGGCTCTGAGGGTGGTGGCTCTGAGGGTGGCGGTTCTGAGGGTGGCGGCTCTGAGGGAGGCGGTTCCGGTGGTGGCTCTGGTTCCGGTGATTTTGATTATGAAAAGATGGCAAACGCTAATAAGGGGGCTATGACCGAAAATGCCGATGAAAACGCGCTACAGTCTGACGCTAAAGGCAAACTTGATTCTGTCGCTACTGATTACGGTGCTGCTATCGATGGTTTCATTGGTGACGTTTCCGGCCTTGCTAATGGTAATGGTGCTACTGGTGATTTTGCTGGCTCTAATTCCCAAATGGCTCAAGTCGGTGACGGTGATAATTCACCTTTAATGAATAATTTCCGTCAATATTTACCTTCCCTCCCTCAATCGGTTGAATGTCGCCCTTTTGTCTTTGGCGCTGGTAAACCATATGAATTTTCTATTGATTGTGACAAAATAAACTTATTCCGTGGTGTCTTTGCGTTTCTTTTATATGTTGCCACCTTTATGTATGTATTTTCTACGTTTGCTAACATACTGCGTAATAAGGAGTCTTAATCATGCCAGTTCTTTTGGGTATTCCGTTATTATTGCGTTTCCTCGGTTTCCTTCTGGTAACTTTGTTCGGCTATCTGCTTACTTTTCTTAAAAAGGGCTTCGGTAAGATAGCTATTGCTATTTCATTGTTTCTTGCTCTTATTATTGGGCTTAACTCAATTCTTGTGGGTTATCTCTCTGATATTAGCGCTCAATTACCCTCTGACTTTGTTCAGGGTGTTCAGTTAATTCTCCCGTCTAATGCGCTTCCCTGTTTTTATGTTATTCTCTCTGTAAAGGCTGCTATTTTCATTTTTGACGTTAAACAAAAAATCGTTTCTTATTTGGATTGGGATAAATAATATGGCTGTTTATTTTGTAACTGGCAAATTAGGCTCTGGAAAGACGCTCGTTAGCGTTGGTAAGATTCAGGATAAAATTGTAGCTGGGTGCAAAATAGCAACTAATCTTGATTTAAGGCTTCAAAACCTCCCGCAAGTCGGGAGGTTCGCTAAAACGCCTCGCGTTCTTAGAATACCGGATAAGCCTTCTATATCTGATTTGCTTGCTATTGGGCGCGGTAATGATTCCTACGATGAAAATAAAAACGGCTTGCTTGTTCTCGATGAGTGCGGTACTTGGTTTAATACCCGTTCTTGGAATGATAAGGAAAGACAGCCGATTATTGATTGGTTTCTACATGCTCGTAAATTAGGATGGGATATTATTTTTCTTGTTCAGGACTTATCTATTGTTGATAAACAGGCGCGTTCTGCATTAGCTGAACATGTTGTTTATTGTCGTCGTCTGGACAGAATTACTTTACCTTTTGTCGGTACTTTATATTCTCTTATTACTGGCTCGAAAATGCCTCTGCCTAAATTACATGTTGGCGTTGTTAAATATGGCGATTCTCAATTAAGCCCTACTGTTGAGCGTTGGCTTTATACTGGTAAGAATTTGTATAACGCATATGATACTAAACAGGCTTTTTCTAGTAATTATGATTCCGGTGTTTATTCTTATTTAACGCCTTATTTATCACACGGTCGGTATTTCAAACCATTAAATTTAGGTCAGAAGATGAAATTAACTAAAATATATTTGAAAAAGTTTTCTCGCGTTCTTTGTCTTGCGATTGGATTTGCATCAGCATTTACATATAGTTATATAACCCAACCTAAGCCGGAGGTTAAAAAGGTAGTCTCTCAGACCTATGATTTTGATAAATTCACTATTGACTCTTCTCAGCGTCTTAATCTAAGCTATCGCTATGTTTTCAAGGATTCTAAGGGAAAATTAATTAATAGCGACGATTTACAGAAGCAAGGTTATTCACTCACATATATTGATTTATGTACTGTTTCCATTAAAAAAGGTAATTCAAATGAAATTGTTAAATGTAATTAATTTTGTTTTCTTGATGTTTGTTTCATCATCTTCTTTTGCTCAGGTAATTGAAATGAATAATTCGCCTCTGCGCGATTTTGTAACTTGGTATTCAAAGCAATCAGGCGAATCCGTTATTGTTTCTCCCGATGTAAAAGGTACTGTTACTGTATATTCATCTGACGTTAAACCTGAAAATCTACGCAATTTCTTTATTTCTGTTTTACGTGCAAATAATTTTGATATGGTAGGTTCTAACCCTTCCATTATTCAGAAGTATAATCCAAACAATCAGGATTATATTGATGAATTGCCATCATCTGATAATCAGGAATATGATGATAATTCCGCTCCTTCTGGTGGTTTCTTTGTTCCGCAAAATGATAATGTTACTCAAACTTTTAAAATTAATAACGTTCGGGCAAAGGATTTAATACGAGTTGTCGAATTGTTTGTAAAGTCTAATACTTCTAAATCCTCAAATGTATTATCTATTGACGGCTCTAATCTATTAGTTGTTAGTGCTCCTAAAGATATTTTAGATAACCTTCCTCAATTCCTTTCAACTGTTGATTTGCCAACTGACCAGATATTGATTGAGGGTTTGATATTTGAGGTTCAGCAAGGTGATGCTTTAGATTTTTCATTTGCTGCTGGCTCTCAGCGTGGCACTGTTGCAGGCGGTGTTAATACTGACCGCCTCACCTCTGTTTTATCTTCTGCTGGTGGTTCGTTCGGTATTTTTAATGGCGATGTTTTAGGGCTATCAGTTCGCGCATTAAAGACTAATAGCCATTCAAAAATATTGTCTGTGCCACGTATTCTTACGCTTTCAGGTCAGAAGGGTTCTATCTCTGTTGGCCAGAATGTCCCTTTTATTACTGGTCGTGTGACTGGTGAATCTGCCAATGTAAATAATCCATTTCAGACGATTGAGCGTCAAAATGTAGGTATTTCCATGAGCGTTTTTCCTGTTGCAATGGCTGGCGGTAATATTGTTCTGGATATTACCAGCAAGGCCGATAGTTTGAGTTCTTCTACTCAGGCAAGTGATGTTATTACTAATCAAAGAAGTATTGCTACAACGGTTAATTTGCGTGATGGACAGACTCTTTTACTCGGTGGCCTCACTGATTATAAAAACACTTCTCAGGATTCTGGCGTACCGTTCCTGTCTAAAATCCCTTTAATCGGCCTCCTGTTTAGCTCCCGCTCTGATTCTAACGAGGAAAGCACGTTATACGTGCTCGTCAAAGCAACCATAGTACGCGCCCTGTAGCGGCGCATTAAGCGCGGCGGGTGTGGTGGTTACGCGCAGCGTGACCGCTACACTTGCCAGCGCCCTAGCGCCCGCTCCTTTCGCTTTCTTCCCTTCCTTTCTCGCCACGTTCGCCGGCTTTCCCCGTCAAGCTCTAAATCGGGGGCTCCCTTTAGGGTTCCGATTTAGTGCTTTACGGCACCTCGACCCCAAAAAACTTGATTTGGGTGATGGTTCACGTAGTGGGCCATCGCCCTGATAGACGGTTTTTCGCCCTTTGACGTTGGAGTCCACGTTCTTTAATAGTGGACTCTTGTTCCAAACTGGAACAACACTCAACCCTATCTCGGGCTATTCTTTTGATTTATAAGGGATTTTGCCGATTTCGGAACCACCATCAAACAGGATTTTCGCCTGCTGGGGCAAACCAGCGTGGACCGCTTGCTGCAACTCTCTCAGGGCCAGGCGGTGAAGGGCAATCAGCTGTTGCCCGTCTCACTGGTGAAAAGAAAAACCACCCTGGCGCCCAATACGCAAACCGCCTCTCCCCGCGCGTTGGCCGATTCATTAATGCAGCTGGCACGACAGGTTTCCCGACTGGAAAGCGGGCAGTGAGCGCAACGCAATTAATGTGAGTTAGCTCACTCATTAGGCACCCCAGGCTTTACACTTTATGCTTCCGGCTCGTATGTTGTGTGGAATTGTGAGCGGATAACAATTTCACACAGGAAACAGCTATGACCATGATTAC
【0204】
図8のDNA容器のためのステープル鎖の配列
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【0205】
図9のDNA容器のためのステープル鎖の配列
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【0206】
均等物
本発明のいくつかの実施形態を本明細書で記載および説明してきたが、当業者であれば、本明細書に記載する機能を行うためならびに/あるいは結果および/または利点の1つもしくは複数を得るための、種々の他の手段および/または構造を容易に想起する。そして、このような変形および/または修正の各々は本発明の範囲内にあるとみなされる。より一般的には、当業者であれば本明細書に記載する全てのパラメータ、寸法、材料および構成が代表的なものを意図したものであり、実際のパラメータ、寸法、材料および/または構成は、本発明の教示を使用する特定の用途(複数可)に依存することを容易に認識する。当業者であれば、日常的実験に過ぎないものを使用して、本明細書に記載する本発明の具体的な実施形態の多くの均等物を確認することを認識するまたは確認することができる。そのため、実施形態は例としてのみ示されており、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、本発明を具体的に記載および請求しているものとは別の方法で実施してもよいことを理解すべきである。本発明は、本明細書に記載する各個々の特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法に関する。さらに、このような特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法が相互に矛盾していなければ、2つ以上のこのような特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法の任意の組み合わせが本発明の範囲に含まれる。
【0207】
本明細書で定義および使用する、全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文献中の定義、および/または定義される用語の通常の意味に優先すると理解されるべきである。
【0208】
明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用する不定冠詞「a」および「an」は、特に明確に反対の指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0209】
特に明確に反対の指示がない限り、2つ以上の工程または行為を含む本明細書に請求する任意の方法において、方法の工程または行為の順序は、方法の工程または行為を詳述する順序に必ずしも限定されないことも理解すべきである。
【0210】
特許請求の範囲ならびに上記明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「保有する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「含む(involving)」、「維持する(holding)」、「で構成される(composed of)」などの全ての移行句は、オープンエンドである、すなわち、含むがそれに限らないを意味すると理解すべきである。米国特許商標庁特許審査手続便覧、第2111.03節に示されるように、「からなる(consisting of)」および「から本質的になる(consisting essentially of)」という移行句のみがそれぞれクローズドまたはセミクローズド移行句であるべきである。