特許第6104927号(P6104927)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104927
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】複合シール
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/12 20060101AFI20170316BHJP
   F16J 15/10 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   F16J15/12 K
   F16J15/10 T
   F16J15/12 N
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-540795(P2014-540795)
(86)(22)【出願日】2013年9月25日
(86)【国際出願番号】JP2013075861
(87)【国際公開番号】WO2014057803
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2015年3月20日
(31)【優先権主張番号】特願2012-224158(P2012-224158)
(32)【優先日】2012年10月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000229564
【氏名又は名称】日本バルカー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 一平
【審査官】 谷口 耕之助
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−297124(JP,A)
【文献】 特開2007−120738(JP,A)
【文献】 特開2008−025720(JP,A)
【文献】 特開2006−071025(JP,A)
【文献】 特開2008−298261(JP,A)
【文献】 特開2005−164027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/12
F16J 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を配置する第1装置と、前記第1装置に対向配置され紫外線を通過させる板状の第2装置とを備える半導体製造装置に用いられ、前記基板の周囲を取り囲むように配置され、前記第1装置と前記第2装置とにより挟み込まれることで弾性変形し、前記第2装置の一方面側の空間と他方面側の空間とを気密的に分離する、複合シールであって、
当該複合シールは、
前記第1装置側に配置され、弾性変形が可能な弾性部材と、
前記弾性部材よりも前記第2装置側に配置される金属部材と、
を備え
前記弾性部材は、
本体部と、
前記本体部から外側に拡張するフランジ部と、を含み、
前記金属部材は、前記フランジ部を挟んで、前記本体部とは反対側の領域を覆うように設けられる、複合シール。
【請求項2】
前記本体部は、断面形状が、前記第1装置側が短辺、前記第2装置側が長辺の略台形形状である、請求項に記載の複合シール。
【請求項3】
前記本体部は、断面形状が、前記第1装置側に向けて凸形状の曲面形状を有する、請求項に記載の複合シール。
【請求項4】
前記フランジ部の端面は、前記本体部側に近づくにしたがって、厚みが増加する斜面形状を有する、請求項からのいずれかに記載の複合シール。
【請求項5】
前記フランジ部の端面は、前記第2装置側が最も外側に位置し、前記第2装置側から前記第1装置側に向かうにしたがって、内側に傾斜する斜面である、請求項に記載の複合シール。
【請求項6】
前記フランジ部の端面は、前記第1装置側が最も外側に位置し、前記第1装置側から前記第2装置側に向かうにしたがって、内側に傾斜する斜面である、請求項に記載の複合シール。
【請求項7】
前記弾性部材は、ゴム状部材であり、
前記金属部材は、薄膜のアルミ部材である、請求項1からのいずれかに記載の複合シール。
【請求項8】
前記第1装置は、前記基板を配置する基板配置領域の周囲を取り囲むように設けられる溝部を含み、
当該複合シールは、環状の形態を有し、前記溝部に収容される、請求項1からのいずれかに記載の複合シール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置などに用いられる複合シールの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、半導体製造装置などにおいては、半導体基板を真空雰囲気下に設置するため、半導体基板を載置する領域と他の領域とを気密的に分離する際に、特許文献1から特許文献6に開示されるようなシール部材(ガスケット)が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−193659号公報
【特許文献2】特開平11−201288号公報
【特許文献3】特開2003−343727号公報
【特許文献4】特開2007−120738号公報
【特許文献5】特開2007−170634号公報
【特許文献6】特開2008−164079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、半導体製造装置の製造工程において、紫外線を用いる工程が採用されるようになっている。紫外線を用いる場合には、紫外線の通過を許容するために板状の石英部材を用いて、半導体基板が載置される領域と他の領域とが気密的に分離される。この場合にも、上記シール部材が用いられる。
【0005】
しかし、石英部材の内部を乱反射した紫外線が、周辺部に位置するシール部材にまで到達し、シール部材への紫外線照射により、著しくシール部材が劣化することが考えられる。
【0006】
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、紫外線が照射された場合であっても、複合シールの劣化を抑制することが可能な構造を備える複合シールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に基づいた複合シールにおいては、基板を配置する第1装置と、上記第1装置に対向配置され紫外線を通過させる板状の第2装置とを備える半導体製造装置に用いられ、上記基板の周囲を取り囲むように配置され、上記第1装置と上記第2装置とにより挟み込まれることで弾性変形し、上記第2装置の一方面側の空間と他方面側の空間とを気密的に分離する、複合シールであって、当該複合シールは、上記第1装置側に配置され、弾性変形が可能な弾性部材と、上記弾性部材よりも上記第2装置側に配置される金属部材とを備える。
【0008】
他の形態においては、上記弾性部材は、本体部と、上記本体部から外側に拡張するフランジ部とを含み、上記金属部材は、上記フランジ部を挟んで、上記本体部とは反対側の領域を覆うように設けられる。
【0009】
他の形態においては、上記本体部は、断面形状が、上記第1装置側が短辺、上記第2装置側が長辺の略台形形状である。
【0010】
他の形態においては、上記本体部は、断面形状が、上記第1装置側に向けて凸形状の曲面形状を有する。
【0011】
他の形態においては、上記フランジ部の端面は、上記本体部側に近づくにしたがって、厚みが増加する斜面形状を有する。
【0012】
他の形態においては、上記フランジ部の端面は、上記第2装置側が最も外側に位置し、上記第2装置側から上記第1装置側に向かうにしたがって、内側に傾斜する斜面である。
【0013】
他の形態においては、上記フランジ部の端面は、上記第1装置側が最も外側に位置し、上記第1装置側から上記第2装置側に向かうにしたがって、内側に傾斜する斜面である。
【0014】
他の形態においては、上記弾性部材は、ゴム状部材であり、上記金属部材は、薄膜のアルミ部材である。
【0015】
他の形態においては、上記第1装置は、上記基板を配置する基板配置領域の周囲を取り囲むように設けられる溝部を含み、当該複合シールは、環状の形態を有し、上記溝部に収容される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、紫外線照射によっても劣化を抑制することが可能な構造を備える複合シールを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施の形態1における複合シールの構造を示す平面図である。
図2】実施の形態1における複合シールの構造を示す側面図である。
図3図1中III−III線矢視断面図である。
図4】実施の形態1における複合シールの使用状態を示す半導体製造装置の断面図である。
図5】実施の形態1における複合シールの変形状態(変形前)を示す第1断面図である。
図6】実施の形態1における複合シールの変形状態(変形後)を示す第2断面図である。
図7】実施の形態1における複合シールの変形状態における内部圧力の変化を示す第1断面図である。
図8】実施の形態1における複合シールの変形状態における内部圧力の変化を示す第2断面図である。
図9】実施の形態1における複合シールの変形状態における内部圧力の変化を示す第3断面図である。
図10】実施の形態1における複合シールの変形状態における内部圧力の変化を示す第4断面図である。
図11】実施の形態1における複合シールの変形状態における内部圧力の変化を示す第5断面図である。
図12】実施の形態1における複合シールの変形状態における内部圧力の変化を示す第6断面図である。
図13】実施の形態2における複合シールの構造を示す断面図である。
図14】実施の形態2における複合シールの変形状態(変形前)を示す第1断面図である。
図15】実施の形態2における複合シールの変形状態(変形後)を示す第2断面図である。
図16】実施の形態3における複合シールの構造を示す断面図である。
図17】実施の形態3における複合シールの変形状態(変形前)を示す第1断面図である。
図18】実施の形態3における複合シールの変形状態(変形後)を示す第2断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に基づいた各実施の形態における複合シールについて、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する各実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0019】
(実施の形態1:複合シール100)
図1から図3を参照して、本実施の形態における複合シール100の構造について説明する。図1は、複合シール100の構造を示す平面図、図2は、複合シール100の構造を示す側面図、図3は、図1中III−III線矢視断面図である。
【0020】
図1から図3を参照して、本実施の形態における複合シール100は、環状の形態を有している。複合シール100の大きさは、用いられる半導体製造装置の大きさに応じて適宜決定されるものであるが、たとえば、内直径(φD1)が、約360mm、幅(w1)が約6mm、高さ(h)が約3mm程度である。
【0021】
図3に示すように、複合シール100の具体的構造としては、弾性変形が可能な弾性部材110と金属部材120とを備えている。弾性部材110は、ゴム状部材からなり、たとえば、フッ素系ゴム部材(フッ化ビニリデン(FKM))が用いられる。本実施の形態では、弾性部材110として、日本バルカー工業株式会社製のスポックアーマー(登録商標)を用いた。また、金属部材120としては、厚さ約0.05mm程度のシート状アルミを用いた。金属部材120は、紫外線の通過を抑制し、弾性部材110に紫外線が到達することを抑制する材料であることが好ましい。たとえば、アルミ以外に、アルミ合金、アルマイト等のアルミ部材を用いることもできる。
【0022】
弾性部材110は、後述の半導体製造装置に設けられる溝部13(図4参照)の断面視において、溝部13の内部に収容される本体部111と、溝部13の内部に収容されず、溝部13からは露出し、本体部111から外側に拡張するフランジ部112とを含む。ここで、本体部111から外側に拡張するとは、複合シール100の半径方向の内方および外方に向けて、図3に示すように、フランジ部112が張り出すことを意味する。以下の実施の形態においても同様である。
【0023】
金属部材120は、フランジ部112を挟んで、本体部111とは反対側の領域を覆うように設けられる。
【0024】
本体部111は、断面形状が、溝部13側(図3中の下側)が短辺、金属部材120側が長辺の略台形形状であり、短辺部110a、傾斜側面部110b、110bを有している。
【0025】
また、フランジ部112の端面110cは、本体部111側に近づくにしたがって、厚みが増加する斜面形状を有し、具体的には、端面110cは、後述の第2装置21側(図3中の上側)が最も外側に位置し、第2装置21側(図3中の上側)から第1装置11側(図3中の下側)に向かうにしたがって、内側に傾斜する斜面である。
【0026】
(複合シール100の使用状態)
次に、図4から図6を参照して、複合シール100の使用状態について説明する。図4は、複合シール100の使用状態を示す半導体製造装置の断面図、図5は、複合シール100の変形状態(変形前)を示す第1断面図、図6は、複合シール100の変形状態(変形後)を示す第2断面図である。
【0027】
図4を参照して、この複合シール100が用いられる半導体製造装置1は、半導体基板50を配置する基板配置領域12の周囲を取り囲むように設けられる溝部13を備える第1装置11と、この第1装置11に対向配置され紫外線を通過させる板状の第2装置21とを備える。板状の第2装置21には、石英基板が用いられている。この半導体製造装置1においては、溝部13は、環状に設けられている。
【0028】
図5を参照して、複合シール100が溝部13に載置された状態を示している。溝部13に、複合シール100の本体部111が位置し、フランジ部112は、溝部13の内部に収容されず、溝部13からは露出している。また、フランジ部112の第2装置21側に、金属部材120が位置している。
【0029】
図6を参照して、半導体製造装置1において、第1装置11側に向かって第2装置21が下降し、基板配置領域12側が真空状態となるように制御された状態を示す。複合シール100は、第1装置11と第2装置21とにより挟み込まれることで大きく弾性変形し、第2装置21の一方面側(第1装置11側)の空間と他方面側の空間とが気密的に分離される。
【0030】
この際、基板配置領域12に載置された半導体基板50に紫外線(UV)が照射された場合、図6中の第2装置21内の矢印L1に示すように、第2装置(石英部材)21の内部を乱反射した紫外線が、周辺部に位置する弾性部材110にまで到達し、弾性部材110に紫外線が照射される。
【0031】
しかし、本実施の形態1における複合シール100によれば、金属部材120によって、弾性部材110への紫外線の照射が大きく抑制され、弾性部材110の劣化の促進を遅延させることが可能となる。
【0032】
また、弾性部材110の圧縮時においては、図5および図6に示すように、溝部13の内部において、弾性部材110が大きく変化することで、弾性部材110としての気密性を担保することに成功する一方で、フランジ部112の変形量を小さく抑制している。これにより、弾性変形に乏しい金属部材120への亀裂発生等の破損を防止することを可能としている。
【0033】
ここで、図7から図12を参照して、温度変化に応じた複合シール100の圧縮時における内圧の変化について説明する。図7から図12は、複合シール100の変形状態における内部圧力の変化を示す第1から第6断面図である。
【0034】
図7は、室温(25℃)の状態において、複合シール100の本体部111およびフランジ部112に加圧力が加わっていない状態を示す。領域A(弾性部材110の全ての領域)には、圧力は加わっていない。図8は、室温(25℃)の状態において、複合シール100に加圧力が加わった状態(真空圧が、約5Torr時)を示す。本体部111の内部において、内部圧力が上昇している。内部圧力は、領域A<領域B<領域Cである。一方、フランジ部112の内部圧力の変化は、本体部111に比べ小さい。
【0035】
図9から図12を参照して、さらに複合シール100の温度が上昇した場合について説明する。図9は、温度が70℃の場合を示す。本体部111の内部において、内部圧力がさらに上昇している。内部圧力は、領域A<領域B<領域C<領域Dである。一方、フランジ部112の内部圧力の変化は、本体部111に比べ小さい。
【0036】
図10は、温度が120℃の場合を示す。本体部111の内部において、領域Dが拡大し、内部圧力がさらに上昇している。内部圧力は、領域A<領域B<領域C<領域Dである。一方、フランジ部112の内部圧力の変化は、本体部111に比べ小さい。
【0037】
図11は、温度が150℃の場合を示す。本体部111の内部において、領域Dよりも内部圧力が高い領域Eが発生し、内部圧力がさらに上昇している。内部圧力は、領域A<領域B<領域C<領域D<領域Eである。一方、フランジ部112の内部圧力の変化は、本体部111に比べ小さい。
【0038】
図12は、温度が200℃の場合を示す。本体部111の内部において、領域Eが拡大し、領域Fよりも内部圧力が高い領域Fが発生し、内部圧力がさらに上昇している。内部圧力は、領域A<領域B<領域C<領域D<領域E<領域Fである。一方、フランジ部112の内部圧力の変化は、本体部111に比べ小さい。
【0039】
このように、複合シール100の温度が上昇した場合であっても、本体部111の変形量は小さいことから、弾性変形に乏しい金属部材120への亀裂発生等の破損を防止することが可能であることを確認できた。
【0040】
以上、本実施の形態における複合シール100によれば、金属部材120によって弾性部材110への紫外線の照射が大きく抑制され、弾性部材110の紫外線による劣化の促進を遅延させることが可能となる。
【0041】
また、複合シール100の圧縮時においては、フランジ部112の変形量が小さいことから、弾性変形に乏しい金属部材120への亀裂発生等の破損を防止することを可能としている。
【0042】
(実施の形態2:複合シール200)
図13を参照して、本実施の形態における複合シール200の構造について説明する。図13は、複合シール200の構造を示す断面図である。
【0043】
本実施の形態における複合シール200は、基本的構成は、上記実施の形態1における複合シール100と同じ形態であり、環状の形態を有している。複合シール200の大きさは、用いられる半導体製造装置の大きさに応じて適宜決定されるものであるが、たとえば、内直径(φD1)が、約360mm、幅(w1)が約6mm、高さ(h)が約3mm程度である。
【0044】
図13に示すように、複合シール200の具体的構造としては、弾性変形が可能な弾性部材210と紫外線を反射する金属部材220とを備えている。弾性部材210および金属部材220に用いられる材料は、上記実施の形態1における複合シール100と同じである。
【0045】
弾性部材210は、後述の半導体製造装置に設けられる溝部13(図4参照)の断面視において、溝部13の内部に収容される本体部211と、溝部13の内部に収容されず、溝部13からは露出し、本体部211から外側に拡張するフランジ部212とを含む。
【0046】
金属部材220は、フランジ部212を挟んで、本体部211とは反対側の領域を覆うように設けられる。本体部211は、断面形状が、溝部13に向けて凸形状の曲面形状210aを有している。
【0047】
フランジ部212の端面210cは、上記実施の形態1における複合シール100の端面110cと同じ形態である。
【0048】
(複合シール200の使用状態)
次に、図14および図15を参照して、複合シール200の使用状態について説明する。図14は、複合シール200の変形状態(変形前)を示す第1断面図、図15は、複合シール200の変形状態(変形後)を示す第2断面図である。
【0049】
図14を参照して、この複合シール200が用いられる半導体製造装置1は、実施の形態1と同じである。複合シール200が溝部13に載置された状態を示している。溝部13に、複合シール200の本体部211が位置し、フランジ部212は、溝部13の内部に収容されず、溝部23からは露出している。また、フランジ部212の第2装置21側に、金属部材220が位置している。
【0050】
図15を参照して、半導体製造装置1において、第1装置11側に向かって第2装置21が下降し、基板配置領域12側が真空状態となるように制御された状態を示す。複合シール200は、第1装置11と第2装置21とにより挟み込まれることで大きく弾性変形し、第2装置21の一方面側(第1装置11側)の空間と他方面側の空間とが気密的に分離される。
【0051】
本実施の形態における複合シール200によっても、上記実施の形態1における複合シール100と同様に、金属部材220によって、弾性部材210への紫外線の照射が大きく抑制され、弾性部材210の紫外線による劣化の促進を遅延させることが可能となる。
【0052】
また、複合シール200の圧縮時においては、フランジ部212の変形量が小さいことから、弾性変形に乏しい金属部材220への亀裂発生等の破損を防止することを可能としている。
【0053】
実施の形態1のように複合シールの弾性部材の断面形状が略台形形状の場合には、複合シールを溝に装着した際に複合シールの姿勢が傾いた場合には、短辺部が部分的に溝に当接する。その結果、弾性部材にねじれが生じ、複合シールを圧縮した際の接触面圧が不均一になることが考えられる。本実施の形態のように弾性部材の断面形状を凸形状の曲面形状とすることで、複合シールの姿勢が傾いた場合でも、圧縮した際の接触面圧を均一にすることができ、シール性をより高めることが可能となる。
【0054】
(実施の形態3:複合シール300)
図16を参照して、本実施の形態における複合シール300の構造について説明する。図16は、複合シール300の構造を示す断面図である。
【0055】
本実施の形態における複合シール300は、基本的構成は、上記実施の形態1における複合シール100と同じ形態であり、環状の形態を有している。複合シール300の大きさは、用いられる半導体製造装置の大きさに応じて適宜決定されるものであるが、たとえば、内直径(φD1)が、約360mm、幅(w1)が約6mm、高さ(h)が約3mm程度である。
【0056】
図16に示すように、複合シール300の具体的構造としては、弾性変形が可能な弾性部材310と紫外線を反射する金属部材320とを備えている。弾性部材210および金属部材220に用いられる材料は、上記実施の形態1における複合シール100と同じである。
【0057】
弾性部材310は、後述の半導体製造装置に設けられる溝部13(図4参照)の断面視において、溝部13の内部に収容される本体部311と、溝部13の内部に収容されず、溝部13からは露出し、本体部311から外側に拡張するフランジ部212とを含む。
【0058】
金属部材320は、フランジ部312を挟んで、本体部211とは反対側の領域を覆うように設けられる。本体部311の断面形状は、実施の形態1における本体部111と同一の形状である。フランジ部312の端面310cは、上記実施の形態1における複合シール100の端面110cとは逆の形態であり、第1装置11側が最も外側に位置し、第1装置11側から第2装置21側に向かうにしたがって、内側に傾斜する斜面である。
【0059】
(複合シール300の使用状態)
次に、図17および図18を参照して、複合シール300の使用状態について説明する。図17は、複合シール300の変形状態(変形前)を示す第1断面図、図18は、複合シール300の変形状態(変形後)を示す第2断面図である。
【0060】
図17を参照して、この複合シール300が用いられる半導体製造装置1は、実施の形態1と同じである。複合シール300が溝部13に載置された状態を示している。溝部13に、複合シール300の本体部311が位置し、フランジ部312は、溝部13の内部に収容されず、溝部23からは露出している。また、フランジ部312の第2装置21側に、金属部材320が位置している。
【0061】
図18を参照して、半導体製造装置1において、第1装置11側に向かって第2装置21が下降し、基板配置領域12側が真空状態となるように制御された状態を示す。複合シール200は、第1装置11と第2装置21とにより挟み込まれることで大きく弾性変形し、第2装置21の一方面側(第1装置11側)の空間と他方面側の空間とが気密的に分離される。
【0062】
本実施の形態における複合シール300によっても、上記実施の形態1における複合シール100と同様に、金属部材320によって、弾性部材310への紫外線の照射が大きく抑制され、弾性部材310の紫外線による劣化の促進を遅延させることが可能となる。
【0063】
また、複合シール300の圧縮時においては、フランジ部312の変形量が小さいことから、弾性変形に乏しい金属部材320への亀裂発生等の破損を防止することを可能としている。
【0064】
また、紫外線が第2装置(石英部材)21の内部だけでなく、第1装置11と第2装置21との間にも浸入する環境の場合、本実施の形態のように端面310cまで金属部材320が設けられていると、図18に示すように、第2装置21と第1装置11との間から浸入する紫外線を遮ることが可能となる。
【0065】
なお、上記各実施の形態においては、溝部13を有する半導体製造装置に複合シールを配置する場合について説明したが、溝部13を有さない半導体製造装置に対しても、同様に本発明を適用することができる。
【0066】
また、上記各実施の形態においては、複合シールの弾性部材の形状として、溝部13の内部に収容される本体部と、溝部13の内部に収容されず、溝部13からは露出し、本体部から外側に拡張するフランジ部とを含む構造を採用した場合について説明しているが、この構造に限定されるものではなく、フランジ部を設けない構造を採用することも可能である。溝部13側に配置され、弾性変形が可能な弾性部材110と、第2装置21側に配置され、紫外線を反射する金属部材120とを備える複合シールであれば、紫外線が照射された場合であっても、複合シールの劣化を抑制することを可能とする。
【0067】
また、金属部材により紫外線を反射させることで、弾性部材への紫外線の照射を抑制して、弾性部材の紫外線による劣化の促進を遅延させることを可能とした場合について説明しているが、100%紫外線を反射させる場合に限定されず、弾性部材への紫外線の照射を抑制することができる部材であれば、どのような金属部材であってもかまわない。
【0068】
また、上記各実施の形態においては、複合シールの形状として、円環状の形態を採用した場合について説明したが、環状については、円形状に限定されず、楕円形状、四角形状の環状形態を採用することも可能である。
【0069】
また、本発明に基づく上記各実施の形態において示す複合シールが用いられる半導体製造装置においても用いられる半導体とは、素子が組み込まれる半導体基板、FPD(フラットパネルディスプレイ)を構成する半導体基板等、半導体製造プロセスを採用することが可能な半導体を意味する。
【0070】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0071】
11 第1装置、13 溝部、21 第2装置、100,200,300 複合シール、110,210,310 弾性部材、110a 短辺部、110b 傾斜側面部、110c,210c,310c 端面、111,211,311 本体部、112,212,312 フランジ部、120,220,320 金属部材、210a 曲面形状。
図1
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