(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6105013
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】導電回路付シュリンクフィルムとその製造方法
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20170316BHJP
G06K 19/04 20060101ALI20170316BHJP
G06K 19/02 20060101ALI20170316BHJP
B32B 3/14 20060101ALI20170316BHJP
B32B 7/02 20060101ALI20170316BHJP
B44C 1/17 20060101ALI20170316BHJP
B65D 23/08 20060101ALI20170316BHJP
H05K 3/20 20060101ALI20170316BHJP
G09F 3/00 20060101ALI20170316BHJP
G09F 3/04 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
G06K19/077 220
G06K19/077 272
G06K19/077 212
G06K19/077 144
G06K19/04
G06K19/02 020
B32B3/14
B32B7/02 104
B44C1/17 A
B65D23/08 B
H05K3/20 C
G09F3/00 M
G09F3/04 C
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-189241(P2015-189241)
(22)【出願日】2015年9月28日
【審査請求日】2016年10月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231361
【氏名又は名称】日本写真印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】谷口 忠壮
(72)【発明者】
【氏名】西川 哲
(72)【発明者】
【氏名】中村 晃久
(72)【発明者】
【氏名】中川 英之
(72)【発明者】
【氏名】宮下 修平
【審査官】
甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−305860(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/145312(WO,A1)
【文献】
登録実用新案第3173004(JP,U)
【文献】
特開2004−020771(JP,A)
【文献】
特開2004−281135(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/137923(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/00−19/18
B32B 3/14
B32B 7/02
B44C 1/17
B65D 23/08
H05K 3/20
G09F 3/00
G09F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体シート上に、伸縮性を有するインキを用いて形成された導電回路層を含む転写層を形成して転写シートを得る工程と、
前記転写シートとシュリンク基材を積層し、積層物を、加熱した互いに逆方向に回転しているローラーの間に通して、前記積層物に熱と圧力を加えて前記シュリンク基材に前記転写層を転写し、前記積層物から前記基体シートを取り除く工程とを備え、
前記熱は170℃〜210℃であり、前記圧力は0.3MPa〜1.2MPaであり、前記熱と前記圧力の付加時間は前記積層物と前記ローラーの相対移動速度で表され0.5m/分〜4.0m/分である、導電回路付シュリンクフィルムの製造方法。
【請求項2】
前記基体シートと前記導電回路層との間に絵柄層を形成する工程をさらに備えた、請求項1に記載の導電回路付シュリンクフィルムの製造方法。
【請求項3】
前記絵柄層上に、保護層を形成する工程をさらに備えた、請求項2に記載の導電回路付シュリンクフィルムの製造方法。
【請求項4】
前記インキは、銀、PEDOT、カーボンブラック、カーボンナノチューブのうちいずれか1つを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の導電回路付シュリンクフィルムの製造方法。
【請求項5】
前記積層物から前記基体シートを取り除いた後に、前記導電回路層と導通するように、前記転写層上に電子部品を装着する工程をさらに備えた、請求項1から4のいずれか1項に記載の導電回路付シュリンクフィルムの製造方法。
【請求項6】
前記転写シートと前記シュリンク基材を積層する前に、前記導電回路層と導通するように、前記導電回路層上または前記シュリンク基材上に電子部品を装着する工程をさらに備えた、請求項1から4のいずれか1項に記載の導電回路付シュリンクフィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電回路付シュリンクフィルムとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流や在庫の管理などを目的として、外部のリーダーやライターを介してデータを非接触で送受信するICタグが、商品などのパッケージに付けられることが多くなっている。ここでICタグとは、フィルムなどに印刷されたアンテナ回路とICチップからなるものである。
【0003】
その一つの態様として、シュリンクフィルムにICタグを貼り付けたボトル用のラベルがある(たとえば、特許文献1参照)。このラベルは、シュリンクフィルムの一方の面に絵柄層が印刷され、他方の面に導電性インキからなるアンテナ回路が印刷されており、アンテナ回路と導通するようにICタグが貼り付けられたICラベルである。このICラベルの両端部を重ね合わせて筒状になったラベルをボトルへ装着し、シュリンクフィルムを熱収縮させてボトルに密着させることで、ICタグ付ボトルを得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−020771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のICラベルにおいては、導電性インキに収縮性がないため、ICラベルを設ける箇所が平面や2次曲面に限られてしまい、3次曲面の箇所にICラベルを設けることが困難であるという問題がある。
【0006】
また、シュリンクフィルムの収縮開始温度が導電性インキの乾燥温度よりも低いため、ICラベルを製造する過程でシュリンクフィルムが収縮してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、シュリンクフィルムを収縮させても導電回路が3次曲面に追従できる導電回路付シュリンクフィルムと、製造過程でシュリンクフィルムが収縮することがない導電回路付シュリンクフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は必要に応じて任意に組み合わせることができる。
【0009】
本発明の導電回路付シュリンクフィルムの製造方法は、
基体シート上に、伸縮性を有するインキを用いて形成された導電回路層を含む転写層を形成して転写シートを得る工程と、
転写シートとシュリンク基材を積層し、積層物に熱と圧力を加えてシュリンク基材に転写層を転写し、積層物から基体シートを取り除く工程と
を含むことを特徴とするものである。
【0010】
好ましい態様においては、基体シートと導電回路層との間に絵柄層を形成する工程をさらに有するものである。
【0011】
好ましい態様においては、絵柄層上に、保護層を形成する工程をさらに有するものである。
【0012】
これらの好ましい態様においては、インキは、銀、PEDOT、カーボンブラック、カーボンナノチューブのうちいずれか1つを含むものである。
【0013】
これらの好ましい態様においては、導電回路層と導通するように、導電回路付シュリンクフィルム上に電子部品を装着する工程をさらに有するものである。
【0014】
これらの好ましい態様においては、導電回路層と導通するように、シュリンク基材上または導電回路層上に電子部品を装着する工程をさらに有するものである。
【0015】
本発明の導電回路付シュリンクフィルムは、
シュリンク基材と、
シュリンク基材上に、伸縮性を有するインキを用いて形成された導電回路層と
を含むことを特徴とするものである。
【0016】
好ましい態様においては、導電回路層上に、絵柄層が形成されているものである。
【0017】
好ましい態様においては、絵柄層上に、保護層が形成されているものである。
【0018】
これらの好ましい態様においては、インキは、銀、PEDOT、カーボンブラック、カーボンナノチューブのうちいずれか1つを含むものである。
【0019】
これらの好ましい態様においては、導電回路層と導通するように、導電回路付シュリンクフィルム上に電子部品が装着されているものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の導電回路付シュリンクフィルムは、シュリンク基材と、シュリンク基材上に、伸縮性を有するインキを用いて形成された導電回路層とを含むように構成した。したがって、本発明の導電回路付シュリンクフィルムは、導電回路付シュリンクフィルムを熱収縮させて3次曲面を有する成形品に装着する場合でも、導電回路が3次曲面に追従できるものである。
【0021】
本発明の導電回路付シュリンクフィルムの製造方法は、基体シート上に、伸縮性を有するインキを用いて形成された導電回路層を含む転写層を形成して転写シートを得る工程と、転写シートとシュリンク基材を積層し、積層物に熱と圧力を加えてシュリンク基材に転写層を転写し、積層物から基体シートを取り除く工程とを含むように構成した。したがって、本発明によれば、製造過程においてシュリンクフィルムが収縮しない導電回路付シュリンクフィルムを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る導電回路付シュリンクフィルムの断面図である。
【
図2】本発明の導電回路付シュリンクフィルムの製造方法の一例を示す断面図である。
【
図4】電子部品が装着された導電回路付シュリンクフィルムの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、導電回路付シュリンクフィルムとその製造方法について、実施形態の一例を説明する。
【0024】
本発明の導電回路付シュリンクフィルムの製造方法は、基体シート上に、伸縮性を有するインキを用いて形成された導電回路層を含む転写層を形成して転写シートを得る工程と、転写シートとシュリンク基材を積層し、積層物に熱と圧力を加えてシュリンク基材に転写層を転写し、積層物から基体シートを取り除く工程とを含むことを特徴とするものである。
【0025】
まず、基体シート上に、伸縮性を有するインキを用いて形成された導電回路層を含む転写層を形成して転写シートを得る。
【0026】
基体シートの材質は特に限定されず、たとえば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩ビ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS系樹脂などの熱可塑性樹脂およびこれらの積層品を挙げることができる。基体シートの厚みは、たとえば15μm〜600μmとすることができる。
【0027】
伸縮性を有するインキの材質としては、銀、PEDOT(ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン))、カーボンブラック、カーボンナノチューブのうちいずれか1つを含むものとすることができる。PEDOTを用いる場合は、PEDOTが水や溶媒に難溶であるため、PSS(ポリスチレンスルホン酸)を添加することが好ましい。これらの材質は粒子としてインキに分散される。インキ中にはバインダー樹脂を含むことが好ましい。バインダー樹脂によって上記粒子がインキ中に分散されるとともに、バインダー樹脂に粒子が担持される。また、バインダー樹脂が含まれることで、インキが塗布面にしっかりと密着することができる。なお、インキは、硬化剤や溶剤その他添加剤を含んでもよい。
【0028】
バインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、エラストマー樹脂などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2つ以上を混ぜて使用してもよい。上記粒子とバインダー樹脂との重量比率は、20:80〜99:1が好ましく、より好ましくは60:40〜80:20である。粒子の重量比率が20未満であると、形成した導電回路層における導電率の低下や抵抗値の上昇などの不具合が生じる。一方、バインダー樹脂の重量比率が1未満であると、粒子が均一に分散されないため、導電率低下や抵抗値上昇などの不具合が生じる。
【0029】
転写シート1は、基体シート11上に、保護層12、絵柄層13、導電回路層14、接着層15が順次積層されたものを用いることができる(
図3参照)。なお、基体シート11上には、基体シートと保護層との離型性を高めるために、離型層を形成してもよい。
【0030】
保護層12は、転写層10をシュリンク基材2上に転写し、基体シート11を取り除いた後、導電回路付シュリンクフィルム3の最表面となる層である。保護層12を形成することによって、絵柄層13や導電回路層14に耐水性や耐久性を付与できる。保護層12の材質としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂などの他、塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン―酢酸ビニル共重合体系樹脂などのコポリマーを用いるとよい。保護層12に硬度が必要な場合には、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などを選定して用いるとよい。保護層12の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法や、グラビアコート法、ロールコート法などのコート法を用いるとよい。
【0031】
絵柄層13は、保護層12上に全面的に形成してもよく、部分的に形成してもよい。絵柄層13の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド系樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。絵柄層13の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法や、グラビアコート法、ロールコート法などのコート法を用いるとよい。
【0032】
導電回路層14は、上述のインキを用いて形成する。導電回路層14の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法や、グラビアコート法、ロールコート法などのコート法を用いるとよい。
【0033】
接着層15はシュリンク基材2上に上記の各層を接着するために形成する。接着層15としては、シュリンク基材2の材質に適した感熱性または感圧性の樹脂を適宜選択して用いるとよい。たとえば、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン‐酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体系樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂などを挙げることができる。接着層15の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法や、グラビアコート法、ロールコート法などのコート法を用いるとよい。
【0034】
なお、上記の各層を形成する際の乾燥温度は、たとえば50℃〜200℃にすることができる。
【0035】
以上のようにして、基体シート上に、伸縮性を有するインキを用いて形成された導電回路層を含む転写層を形成した転写シートを得ることができる。
【0036】
次に、転写シートとシュリンク基材を積層し、積層物に熱と圧力を加えてシュリンク基材に転写層を転写し、積層物から基体シートを取り除く。
【0037】
具体的には、
図2に示すように転写シート1とシュリンク基材2を積層し、積層物を加熱した互いに逆方向に回転しているローラー4の間に通して、積層物に熱と圧力を加える。熱と圧力によって転写層がシュリンク基材2に転写される。転写後、基体シート11を積層物から剥離する。
【0038】
シュリンク基材2の材質は特に限定されるものではなく、たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、アイオノマー、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、フッ素系樹脂、塩酸ゴム、シリコーンゴム、EPDM、クロロプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴムなどの樹脂またはゴムを挙げることができる。これらをフィルム状に成形し、一軸または二軸方向に延伸して熱セット処理をすることでシュリンク基材が得られる。
【0039】
転写時の温度は170℃〜210℃、好ましくは180℃〜200℃である。この範囲にあれば、接着層15の樹脂の溶融が十分であり、転写層10とシュリンク基材2が密着し、転写層10をシュリンク基材2に確実に転写することができる。
【0040】
転写時の圧力は0.3MPa〜1.2MPa、好ましくは0.4MPa〜0.8MPaである。この範囲にあれば、熱の伝導が良く、接着層15の樹脂が適度に溶融して、転写層10とシュリンク基材2が密着し、転写層10をシュリンク基材2に確実に転写することができる。
【0041】
上記の温度と圧力の付加時間は、積層物とローラー4の相対移動速度により表すことができ、好ましくは0.5m/分〜4.0m/分である。速度が0.5m/分未満の場合、熱の伝導が高く、シュリンク基材2が製造過程において収縮してしまう。4.0m/分より速い場合は、熱の伝導が低く、接着層15の樹脂の溶融が不十分なため、転写層10がシュリンク基材2と密着しない。
【0042】
導電回路層14を含む各層をシュリンク基材2に転写することによって、シュリンク基材2が収縮することなく、シュリンク基材2上に容易に導電回路層14を設置することができる。
【0043】
本発明の導電回路付シュリンクフィルム3は、熱収縮させて成形品などに装着することができる。装着箇所は、導電回路付シュリンクフィルム3を熱収縮させたときに収縮率が大きい箇所であってよく、小さい箇所であってもよい。成形品が、たとえばボトルの場合は、収縮率が大きい箇所として口部・くびれ部・底部などを挙げることができ、収縮率が小さい箇所として胴部(直径の大きい部分)などを挙げることができる。導電回路層14は、上述したインキを用いて形成するため、伸縮性を有する。したがって、導電回路付シュリンクフィルム3を熱収縮させて、3次曲面を有する成形品などに装着しても、導電回路が3次曲面に追従できる。
【0044】
本発明の導電回路付シュリンクフィルムの製造方法は、導電回路層14と導通するように、導電回路付シュリンクフィルム3上に電子部品を装着する工程をさらに有することができる。電子部品としては、たとえば、ICチップが挙げられる。この場合、基体シート11上の導電回路層14は、ICチップ5と導通する形状にパターニングされたアンテナ6として形成する(
図4参照)。アンテナ6はリーダー/ライターから発生している磁束がアンテナ6を通過したときに生じる電流が流れる部分である。この電流がアンテナ6からICチップ5に供給されてICチップ5が起動し、リーダー/ライターとの間で情報のやり取りができるようになる。
【0045】
導電回路付シュリンクフィルム3に保護層12や絵柄層13が形成されていない場合は、たとえばアンテナ6上に塗布した導電性接着剤を介してICチップ5を装着することで、アンテナ6とICチップ5を導通接続することができる。導電回路付シュリンクフィルム3に保護層12や絵柄層13が形成されている場合は、たとえば、次のような方法でアンテナ6とICチップ5を導通接続することができる。(1)保護層12と絵柄層13を貫通してアンテナ6に到達する穴を設け、(2)穴に導電ペーストを充填し、(3)導電ペースト上に塗布した導電性接着剤を介してICチップ5を装着する。
【0046】
電子部品は、導電回路付シュリンクフィルム3を得る前に装着することもできる。この場合、ICチップ5を転写シート1またはシュリンク基材2上に装着する。
【0047】
ICチップ5を転写シート1上に装着する場合は、導電回路層14はICチップ5と導通する形状にパターニングしたアンテナ6として形成する。次に、アンテナ6とICチップ5の回路とを、導電性接着剤などによって電気的に導通接続して、転写シート1を得る。この転写シート1をシュリンク基材2に転写することで、導電回路付シュリンクフィルム3を得ることができる。
【0048】
ICチップ5をシュリンク基材2上に装着する場合は、ICチップ5の回路と接する接着層15上には導電性接着剤を塗布するとよい。このようにすると、転写時の熱と圧力によって導電性接着剤が融着し、ICチップ5の回路とアンテナ6とを導通接続することができる。
【0049】
導電回路付シュリンクフィルム3を得る前にICチップ5を装着する場合は、基体シート11、転写層10の各層、シュリンク基材2の厚みや材質を適切に選定することによって、転写時の熱と圧力からICチップ5を保護することができる。
【0050】
なお、電子部品としてはICチップの他に、ディスプレイモジュール、タッチパネル、太陽電池、各種センサー(ガスセンサー、熱センサー、圧力センサー)などを利用することもできる。
【0051】
以上のようにして、本発明の導電回路付シュリンクフィルムを得ることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 :転写シート
10 :転写層
11 :基体シート
12 :保護層
13 :絵柄層
14 :導電回路層
15 :接着層
2 :シュリンク基材
3 :導電回路付シュリンクフィルム
4 :ローラー
5 :ICチップ
6 :アンテナ
【要約】
【課題】シュリンクフィルムを収縮させても導電回路が3次曲面に追従できる導電回路付シュリンクフィルムと、製造過程でシュリンクフィルムが収縮することがない導電回路付シュリンクフィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の導電回路付シュリンクフィルムの製造方法は、基体シート上に、伸縮性を有するインキを用いて形成された導電回路層を含む転写層を形成して転写シートを得る工程と、転写シートとシュリンク基材を積層し、積層物に熱と圧力を加えてシュリンク基材に転写層を転写し、積層物から基体シートを取り除く工程とを含むように構成した。また、本発明の導電回路付シュリンクフィルムは、シュリンク基材と、シュリンク基材上に、伸縮性を有するインキを用いて形成された導電回路層とを含むように構成した。
【選択図】
図1