(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1搬送ラインで搬送させるコンタクト形成用の第1金属帯板を2枚とし、該2枚の第1金属帯板は、それぞれの一方の側端部に位置する前記コンタクト相当部列同士が互いに近接して向かい合う配置関係を維持した状態で、前記第1搬送ライン上を、対をなして並行搬送させ、
前記第1工程では、前記2枚の第1金属帯板の各々を構成する前記金属帯部の、前記電子部品を構成する前記コンタクト群に相当するコンタクト相当部群ごとに区切られた領域内に、第1貫通孔を形成し、
前記第2工程では、前記2枚の第1金属帯板をそれぞれ前記コンタクト相当部群ごとに切断して、前記コンタクト相当部群および前記第1貫通孔を有する1対の第1金属板を形成し、
前記第3工程では、前記第2金属帯板の前記一方の表面の、前記1対の固定タブ相当部間に位置する両方の側端側部分に、切り曲げ加工を施して前記一方の表面側に切り起こした舌状片部を形成し、
前記第4工程では、前記第1〜第3工程の全てを行った後に、前記第1搬送ラインで得られた前記1対の第1金属板を、それぞれの前記コンタクト相当部群同士が向かい合った位置関係のまま、前記第2搬送ライン上にある前記第2金属帯板の前記舌状片部に、前記1対の第1金属板のそれぞれの前記第1貫通孔が嵌挿されるように、前記第2金属帯板の前記一方の表面上の連結位置まで移動させた後、前記第2金属帯板の前記舌状片部に仮カシメ加工を施して、前記1対の第1金属板を前記第2金属帯板に仮固定し、
前記第5工程では、前記第2金属帯板の前記舌状片部に本カシメ加工を施して、前記1対の第1金属板を前記第2金属帯板に本固定する、請求項1に記載の電子部品の製造方法。
前記第1搬送ラインで搬送させるコンタクト形成用の第1金属帯板を2枚とし、該2枚の第1金属帯板は、それぞれの一方の側端部に位置する前記コンタクト相当部列同士が互いに近接して向かい合う配置関係を維持した状態で、前記第1搬送ライン上を、対をなして並行搬送させ、
前記第1金型は、前記2枚の第1金属帯板の各々を構成する前記金属帯部の、前記電子部品を構成する前記コンタクト群に相当するコンタクト相当部群ごとに区切られた領域内に、第1貫通孔を形成するように構成され、
前記第2金型は、前記2枚の第1金属帯板をそれぞれ前記コンタクト相当部群ごとに切断して、該コンタクト相当部群および前記第1貫通孔を有する1対の第1金属板を得るように構成され、
前記第3金型は、前記第2金属帯板の前記一方の表面の、前記1対の固定タブ相当部間に位置する両方の側端側の部分に、切り曲げ加工を施して前記一方の表面側に切り起こした舌状片部を形成させ、
前記第4金型は、前記1対の第1金属板を前記第2金属帯板に本固定するように構成され、
前記回転移動部材は、前記第1搬送ラインに位置する前記第2金型で得られた前記1対の第1金属板を吸着し、前記1対の第1金属板を、前記吸着状態の配置関係のまま、前記第2搬送ライン上の、前記第4金型よりも上流側にある前記第2金属帯板の前記一方の表面上の連結位置まで移動させることができるように回転可能に構成され、かつ前記1対の第1金属板を前記第2金属帯板に仮固定するための上下移動可能な押圧部をもつ、請求項3に記載の電子部品の製造装置。
前記第2金型で前記第1金属帯板を前記コンタクト相当部群ごとに切断して第1金属板を得るにあたり、前記第1金属帯板を構成する、前記コンタクト相当部のうち、前記電子部品を構成する前記コンタクト群ごとに切断する位置に存在する1本のコンタクト相当部を切除する第5金型を、前記第1搬送ラインにさらに有する、請求項3または4に記載の電子部品の製造装置。
前記第1および第2搬送ラインは、それぞれ、第1および第2金属帯板の搬送を案内するための第1及び第2ガイドレールと、第1および第2金属帯板を搬送方向に移動させるための第1および第2送り装置とを有する、請求項3から6までのいずれか1項に記載の電子部品の製造装置。
【背景技術】
【0002】
樹脂製ボディと、このボディに、所定の配設ピッチで配設された金属製の所要数のコンタクトからなるコンタクト群とを備える電子部品、例えばコネクタの製造方法としては、インサート成形によって製造する方法が知られている。
【0003】
このようなコネクタの製造方法としては、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載されたコネクタの製造方法は、コンタクトが複数並列に金属キャリアに連結された状態で供給され、複数の樹脂製のボディ基部と、前記ボディ基部の近傍に前記コンタクトが前記ボディ基部の所定位置に配置されるように前記金属キャリアを仮止めするコンタクト仮止め部を有する樹脂キャリアとが一体に形成され、前記樹脂キャリアの前記コンタクト仮止め部に前記金属キャリアを仮止めすることにより前記コンタクトを前記ボディ基部の所定位置に配置させ、この配置状態のボディ基部とコンタクトを金型のキャビティ内に位置決めし、前記キャビティ内に溶融樹脂を射出することにより前記ボディ基部と一体となって、前記ボディの一部を構成するボディ固着部をインサート成形することにより、コネクタを製造する方法であって、コネクタの生産速度を上げることができると共に、コンタクト(相当部)を無駄なく使用できるコネクタの生産方法を提供することを目的としている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、インサート成形する前に、樹脂製ボディの骨格を構成するボディ基部を予め樹脂成形する工程と、そのボディ基部を樹脂キャリアに一体に連結する工程とがさらに必要であり、製造するための工程数が多くなる等の理由から、コネクタの生産速度を十分に高めることはできないという問題がある。
【0005】
また、コンタクトの接続部をプリント基板にはんだ付けすることにより実装される使用態様のコネクタは、相手コネクタとの連結や分離の際に生じやすいこじり等によってコネクタに大きな力が作用する場合があり、かかる場合、コンタクトのはんだ付け部に接触不良や剥離が生じやすい。そこで、コネクタをプリント基板に実装したときのはんだ付け強度を向上させるため、例えばコンタクト群を挟んだ樹脂製ボディの両側端部に、金属製の1対の固定タブを設け、これらの固定タブをプリント基板にはんだ付けする構成を採用することが多い。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法は、固定タブを設ける工程を何ら開示していないため、かかる製造方法では、樹脂性ボディにコンタクト群と固定タブの双方を配設したコネクタをインサート成形によって製造することはできず、仮に製造ができたとしても、製造工程が煩雑になるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、コンタクト形成用の第1金属帯板を搬送させる第1搬送ラインと、固定タブ形成用の第2金属帯板を、前記第1搬送ラインとは間隔をおいて並行搬送させる第2搬送ラインとを備え、これら第1及び第2搬送ラインのそれぞれで適正な工程を行なうことによって、第1搬送ラインで搬送され、第1金属帯板を切断して得られる、所要数のコンタクト(相当部)からなるコンタクト(相当部)群を有する第1金属板を、第2搬送ラインで搬送される、1対の固定タブ(相当部)を有する第2金属帯板上に効率よく位置決め連結して、生産速度の向上を図った電子部品の製造方法および製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)樹脂製ボディと、該ボディに、所定の配設ピッチで配設された金属製の所要数のコンタクトからなるコンタクト群と、該コンタクト群を挟んだ前記ボディの両側の端部に配設された金属製の1対の固定タブとを備える電子部品の製造方法であって、一方の側端部に、複数のコンタクト相当部が整列するコンタクト相当部列を有し、該コンタクト相当部列以外の部分を金属帯部として構成してなる、コンタクト形成用の第1金属帯板を搬送させる第1搬送ラインと、一方の表面に、1対の固定タブ相当部が所定の間隔をおいて整列する固定タブ相当部列を有する、固定タブ形成用の第2金属帯板を、前記第1搬送ラインとは間隔をおいて並行搬送させる第2搬送ラインとを備え、前記第1搬送ラインでは、前記第1金属帯板を構成する前記金属帯部の、前記電子部品を構成する前記コンタクト群に相当するコンタクト相当部群ごとに区切られた領域内に、第1貫通孔を形成する第1工程と、前記第1金属帯板を前記コンタクト相当部群ごとに切断して、該コンタクト相当部群および前記第1貫通孔を有する第1金属板を得る第2工程とを少なくとも行い、前記第2搬送ラインでは、前記第2金属帯板の前記一方の表面の、前記1対の固定タブ相当部間に位置する少なくとも一方の側端側の部分に、切り曲げ加工を施して前記一方の表面側に切り起こした舌状片部を形成する第3工程とを少なくとも行い、前記第1〜第3工程の全てを行った後に、前記第1搬送ラインで得られた前記第1金属板を、前記第2搬送ライン上にある前記第2金属帯板の前記舌状片部に、前記第1金属板の前記第1貫通孔が嵌挿されるように、前記第2金属帯板の前記一方の表面上の連結位置まで移動させた後、前記第2金属帯板の前記舌状片部に仮カシメ加工を施して、前記第1金属板を前記第2金属帯板に仮固定する第4工程と、前記第2金属帯板の前記舌状片部に本カシメ加工を施して、前記第1金属板を前記第2金属帯板に本固定する第5工程とを少なくとも行なうことを特徴とする電子部品の製造方法。
【0010】
(2)前記第1搬送ラインで搬送させるコンタクト形成用の第1金属帯板を2枚とし、該2枚の第1金属帯板は、それぞれの一方の側端部に位置する前記コンタクト相当部列同士が互いに近接して向かい合う配置関係を維持した状態で、前記第1搬送ライン上を、対をなして並行搬送させ、前記第1工程では、前記2枚の第1金属帯板の各々を構成する前記金属帯部の、前記電子部品を構成する前記コンタクト群に相当するコンタクト相当部群ごとに区切られた領域内に、第1貫通孔を形成し、前記第2工程では、前記2枚の第1金属帯板をそれぞれ前記コンタクト相当部群ごとに切断して、前記コンタクト相当部群および前記第1貫通孔を有する1対の第1金属板を形成し、前記第3工程では、前記第2金属帯板の前記一方の表面の、前記1対の固定タブ相当部間に位置する両方の側端側部分に、切り曲げ加工を施して前記一方の表面側に切り起こした舌状片部を形成し、前記第4工程では、前記第1〜第3工程の全てを行った後に、前記第1搬送ラインで得られた前記1対の第1金属板を、それぞれの前記コンタクト相当部群同士が向かい合った位置関係のまま、前記第2搬送ライン上にある前記第2金属帯板の前記舌状片部に、前記1対の第1金属板のそれぞれの前記第1貫通孔が嵌挿されるように、前記第2金属帯板の前記一方の表面上の連結位置まで移動させた後、前記第2金属帯板の前記舌状片部に仮カシメ加工を施して、前記1対の第1金属板を前記第2金属帯板に仮固定し、前記第5工程では、前記第2金属帯板の前記舌状片部に本カシメ加工を施して、前記1対の第1金属板を前記第2金属帯板に本固定する、上記(1)に記載の電子部品の製造方法。
【0011】
(3)樹脂製ボディと、該ボディに、所定の配設ピッチで配設された金属製の所要数のコンタクトからなるコンタクト群と、該コンタクト群を挟んだ前記ボディの両側の端部に配設された金属製の1対の固定タブとを備える電子部品の製造装置であって、一方の側端部に、複数のコンタクト相当部が整列するコンタクト相当部列を有し、該コンタクト相当部列以外の部分を金属帯部として構成してなる、コンタクト形成用の第1金属帯板を搬送させる第1搬送ラインと、一方の表面に、1対の固定タブ相当部が所定の間隔をおいて整列する固定タブ相当部列を有する、固定タブ形成用の第2金属帯板を、前記第1搬送ラインとは間隔をおいて並行搬送させる第2搬送ラインとを備え、前記第1搬送ラインには、前記第1金属帯板を構成する前記金属帯部の、前記電子部品を構成する前記コンタクト群に相当するコンタクト相当部群ごとに区切られた領域内に、第1貫通孔を形成する第1金型と、前記第1金属帯板を前記コンタクト相当部群ごとに切断して、該コンタクト相当部群および前記第1貫通孔を有する第1金属板を得る第2金型とを有し、前記第2搬送ラインには、前記第2金属帯板の前記一方の表面の、前記1対の固定タブ相当部間に位置する少なくとも一方の側端側の部分に、切り曲げ加工を施して前記一方の表面側に切り起こした舌状片部を形成する第3金型と、前記第1金属板を前記第2金属帯板に本固定する第4金型とを有し、前記第1搬送ラインと前記第2搬送ラインの上方に跨る領域には、前記第1搬送ラインに位置する前記第2金型で得られた前記第1金属板を吸着し、前記第1金属板を、前記吸着状態のまま、前記第2搬送ライン上の、前記第4金型よりも上流側にある前記第2金属帯板の前記一方の表面上の連結位置まで移動させることができるように回転可能に構成され、かつ前記第1金属板を前記第2金属帯板に仮固定するための上下移動可能な押圧部をもつ回転移動部材とを有することを特徴とする電子部品の製造装置。
【0012】
(4)前記第1搬送ラインで搬送させるコンタクト形成用の第1金属帯板を2枚とし、該2枚の第1金属帯板は、それぞれの一方の側端部に位置する前記コンタクト相当部列同士が互いに近接して向かい合う配置関係を維持した状態で、前記第1搬送ライン上を、対をなして並行搬送させ、前記第1金型は、前記2枚の第1金属帯板の各々を構成する前記金属帯部の、前記電子部品を構成する前記コンタクト群に相当するコンタクト相当部群ごとに区切られた領域内に、第1貫通孔を形成するように構成され、前記第2金型は、前記2枚の第1金属帯板をそれぞれ前記コンタクト相当部群ごとに切断して、該コンタクト相当部群および前記第1貫通孔を有する1対の第1金属板を得るように構成され、前記第3金型は、前記第2金属帯板の前記一方の表面の、前記1対の固定タブ相当部間に位置する両方の側端側の部分に、切り曲げ加工を施して前記一方の表面側に切り起こした舌状片部を形成させ、前記第4金型は、前記1対の第1金属板を前記第2金属帯板に本固定するように構成され、前記回転移動部材は、前記第1搬送ラインに位置する前記第2金型で得られた前記1対の第1金属板を吸着し、前記1対の第1金属板を、前記吸着状態の配置関係のまま、前記第2搬送ライン上の、前記第4金型よりも上流側にある前記第2金属帯板の前記一方の表面上の連結位置まで移動させることができるように回転可能に構成され、かつ前記1対の第1金属板を前記第2金属帯板に仮固定するための上下移動可能な押圧部をもつ、上記(3)に記載の電子部品の製造装置。
【0013】
(5)前記第2金型で前記第1金属帯板を前記コンタクト相当部群ごとに切断して第1金属板を得るにあたり、前記第1金属帯板を構成する、前記コンタクト相当部のうち、前記電子部品を構成する前記コンタクト群ごとに切断する位置に存在する1本のコンタクト相当部を切除する第5金型を、前記第1搬送ラインにさらに有する、上記(3)または(4)に記載の電子部品の製造装置。
【0014】
(6)前記第5金型は、前記第1金型とともに単一の複合金型として構成される、上記(5)に記載の電子部品の製造装置。
【0015】
(7)前記第1および第2搬送ラインは、それぞれ、第1および第2金属帯板の搬送を案内するための第1及び第2ガイドレールと、第1および第2金属帯板を搬送方向に移動させるための第1および第2送り装置とを有する、上記(3)から(6)までのいずれか1項に記載の電子部品の製造装置。
【0016】
(8)前記回転移動部材は、90°間隔で回転する円板状の回転ユニットとして構成される上記(3)から(7)までのいずれか1項に記載の電子部品の製造装置。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電子部品の製造方法は、樹脂製ボディと、該ボディに、所定の配設ピッチで配設された金属製の所要数のコンタクトからなるコンタクト群と、該コンタクト群を挟んだ前記ボディの両側の端部に配設された金属製の1対の固定タブとを備える電子部品の製造方法であって、一方の側端部に、複数のコンタクト相当部が整列するコンタクト相当部列を有し、該コンタクト相当部列以外の部分を金属帯部として構成してなる、コンタクト形成用の第1金属帯板を搬送させる第1搬送ラインと、一方の表面に、1対の固定タブ相当部が所定の間隔をおいて整列する固定タブ相当部列を有する、固定タブ形成用の第2金属帯板を、前記第1搬送ラインとは間隔をおいて並行搬送させる第2搬送ラインとを備え、前記第1搬送ラインでは、前記第1金属帯板を構成する前記金属帯部の、前記電子部品を構成する前記コンタクト群に相当するコンタクト相当部群ごとに区切られた領域内に、第1貫通孔を形成する第1工程と、前記第1金属帯板を前記コンタクト相当部群ごとに切断して、該コンタクト相当部群および前記第1貫通孔を有する第1金属板を得る第2工程とを少なくとも行い、前記第2搬送ラインでは、前記第2金属帯板の前記一方の表面の、前記1対の固定タブ相当部間に位置する少なくとも一方の側端側の部分に、切り曲げ加工を施して前記一方の表面側に切り起こした舌状片部を形成する第3工程を少なくとも行い、前記第1〜第3工程の全てを行った後に、前記第1搬送ラインで得られた前記第1金属板を、前記第2搬送ライン上にある前記第2金属帯板の前記舌状片部に、前記第1金属板の前記第1貫通孔が嵌挿されるように、前記第2金属帯板の前記一方の表面上の連結位置まで移動させた後、前記第2金属帯板の前記舌状片部に仮カシメ加工を施して、前記第1金属板を前記第2金属帯板に仮固定する第4工程と、前記第2金属帯板の前記舌状片部に本カシメ加工を施して、前記第1金属板を前記第2金属帯板に本固定する第5工程とを少なくとも行なうことによって、第1搬送ラインで搬送され、第1金属帯板を切断して得られる、所要数のコンタクト(相当部)からなるコンタクト(相当部)群を有する第1金属板を、第2搬送ラインで搬送される、1対の固定タブ(相当部)を有する第2金属帯板上に効率よく位置決め連結して、電子部品の生産速度の向上を図ることが可能になった。
【0018】
また、本発明の電子部品の製造装置は、樹脂製ボディと、該ボディに、所定の配設ピッチで配設された金属製の所要数のコンタクトからなるコンタクト群と、該コンタクト群を挟んだ前記ボディの両側端部に配設された金属製の1対の固定タブとを備える電子部品の製造装置であって、一方の側端部に、複数のコンタクト相当部が整列するコンタクト相当部列を有し、該コンタクト相当部列以外の部分を金属帯部として構成してなる、コンタクト形成用の第1金属帯板を搬送させる第1搬送ラインと、一方の表面に、1対の固定タブ相当部が所定の間隔をおいて整列する固定タブ相当部列を有する、固定タブ形成用の第2金属帯板を、前記第1搬送ラインとは間隔をおいて並行搬送させる第2搬送ラインとを備え、前記第1搬送ラインには、前記第1金属帯板を構成する前記金属帯部の、前記電子部品を構成する前記コンタクト群に相当するコンタクト相当部群ごとに区切られた領域内に、第1貫通孔を形成する第1金型と、前記第1金属帯板を前記コンタクト相当部群ごとに切断して、該コンタクト相当部群および前記第1貫通孔を有する第1金属板を得る第2金型とを有し、前記第2搬送ラインには、前記第2金属帯板の前記一方の表面の、前記1対の固定タブ相当部間に位置する少なくとも一方の側端側の部分に、切り曲げ加工を施して前記一方の表面側に切り起こした舌状片部を形成する第3金型と、前記第1金属板を前記第2金属帯板に本固定する第4金型とを有し、前記第1搬送ラインと前記第2搬送ラインの上方に跨る領域には、前記第1搬送ラインに位置する前記第2金型で得られた前記第1金属板を吸着し、前記第1金属板を、前記吸着状態のまま、前記第2搬送ライン上の、前記第4金型よりも上流側にある前記第2金属帯板の前記一方の表面上の連結位置まで移動させることができるように回転可能に構成され、かつ前記第1金属板を前記第2金属帯板に仮固定するための上下移動可能な押圧部をもつ回転移動部材を有することによって、第1搬送ラインで搬送され、第1金属帯板を切断して得られる、所要数のコンタクト(相当部)からなるコンタクト(相当部)群を有する第1金属板を、第2搬送ラインで搬送される、1対の固定タブ(相当部)を有する第2金属帯板上に効率よく位置決め連結して、電子部品の生産速度の向上を図ることが可能になった。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら以下で説明する。
【0021】
図1は、本発明に従う代表的な電子部品の製造装置の斜視図、
図2は、
図1の製造装置により中間加工帯板を作製し、樹脂成形等の後工程を経て製造された最終製品としての電子部品の拡大斜視図、
図3は、本発明の電子部品が製造されるまでの流れを説明するための概略イメージ図、
図4は、第1金属帯板の拡大平面図、
図5は、第2金属帯板の拡大平面図、
図6は、
図1に示す製造装置の拡大平面図、
図7は、
図1に示す製造装置を、第2搬送ライン側から見たときの拡大正面図、
図8は、
図1に示す製造装置を、第1搬送ライン側から見たときの拡大背面図、
図9は、
図1に示す製造装置における、第1および第2搬送ラインと回転移動部材のレイアウトが分かるように、金型等を除いて示した拡大斜視図、そして、
図10は、
図1に示す製造装置の、回転移動部材を中心とする要部の拡大斜視図である。
【0022】
図1に示す製造装置1は、電子部品、例えば
図2に示すように樹脂製ボディ106と、このボディ106に、所定の配設ピッチで配設された金属製の所要数のコンタクト108からなるコンタクト群110と、このコンタクト群110を挟んだボディ106の両側の端部104,104に配設された金属製の1対の固定タブ112,112とを備える電子部品100を製造するための装置である。
【0023】
また、
図2に示す電子部品100は、図示しない相手方のレセプタクルコネクタと電気接続するために挿抜可能に構成されるプラグコネクタであって、樹脂製ボディ106が、互いに間隔をおいて対向配置される1対の長辺側壁部102、102と、これら1対の長辺側壁部102、102を連結する1対の短辺側壁部104、104とを有し、これら1対の長辺側壁部102、102および1対の短辺側壁部104、104で略長方形の平面形状をもつ矩形枠を構成するとともに、この矩形枠の一端側には、底面部114を有し、他端側には、相手方のレセプタクルコネクタが挿入されて嵌合連結される嵌合口が形成されている。
【0024】
さらに、
図2に示すコネクタ10のボディ106には、各長辺側壁部102に11本の信号コンタクト108、両長辺側壁部102、102に合計22本の信号コンタクト108からなる2列のコンタクト群110、110が配設されるとともに、これらコンタクト群110、110を挟んだボディ106の両側の端部(1対の短辺側壁部)104、104に、1対の固定タブ112、112が配設されている。
【0025】
なお、本発明の製造装置1を用いて製造される電子部品100としては、
図2に示すようなプラグコネクタだけではなく、レセプタクルコネクタや、一列のコンタクト群110のみを配列したコネクタなど、種々の電子部品が含まれる。
【0026】
そして、本発明の製造装置1は、2つの搬送ラインである、第1搬送ラインL1および第2搬送ラインL2を備えるとともに、第1金型2、第2金型3、第3金型4および第4金型5の4つの金型2〜5と、回転移動部材6とで主に構成されている。
【0027】
第1搬送ラインL1は、電子部品100のコンタクト108を形成するための母材となる第1金属帯板30を搬送させるための製造ラインであり、コンタクト形成用の第1金属帯板30は、
図4に拡大して示すように、一方の側端部31に、複数のコンタクト相当部32が整列するコンタクト相当部列33を有し、このコンタクト相当部列33以外の部分を金属帯部34として構成することができる。なお、第1搬送ラインL1において、「上流側」とは、第1金属帯板30が搬送されてくる方向に位置する側(
図3の左側)、「下流側」とは、第1金属帯板30が搬送されていく方向に位置する側(
図3の右側)を意味する。
【0028】
第2搬送ラインL2は、固定タブ112を形成するための母材となる第2金属帯板50を、第1搬送ラインL1とは間隔をおいて並行搬送させるための製造ラインであり、固定タブ形成用の第2金属帯板50は、
図5に拡大して示すように、一方の表面50aに、1対の固定タブ相当部51、51が所定の間隔xをおいて整列する固定タブ相当部列52を有し、第2搬送ラインL2は、
図1に示すように第1搬送ラインL1とは間隔をおいて並行搬送させるように構成されている。なお、第2搬送ラインL2において、「上流側」とは、第2金属帯板50が搬送されてくる方向に位置する側(
図3の左側)、「下流側」とは、第2金属帯板50が搬送されていく方向に位置する側(
図3の右側)を意味する。
【0029】
第1搬送ラインL1には、第1金属帯板30の搬送を案内するための第1ガイドレール8と、第1金属帯板30を搬送方向T1に移動させるための第1送り装置9を配置し、また、第2搬送ラインL2には、第2金属帯板50の搬送を案内するための第2ガイドレール10と、第2金属帯板50を搬送方向T2に移動させるための第2送り装置11とを配置することが好ましい(
図3、
図6参照)。第1ガイドレール8は、例えば
図9に示すように、第1搬送ラインL1に第1金型2および第2金型3を配設するため、複数に分割された部材で構成され、また、第1送り装置9は、駆動軸の先端に設けられたスプロケットが一定の角速度で回転して、このスプロケットの歯が、第1金属帯板30の金属帯部34に一定間隔で設けた複数の位置決め孔38(
図4参照)に係合するように構成することが好ましいが、かかる構成だけには限定されない。第2ガイドレール10は、例えば
図9に示すように、第2搬送ラインL2に第3金型4および第4金型5を配設するため、複数に分割された部材で構成され、また、第2送り装置11は、駆動軸の先端に設けられたスプロケットが一定の角速度で回転して、このスプロケットの歯が、第2金属帯板50の金属帯部34に一定間隔で設けた複数の位置決め孔39(
図5参照)に係合するように構成することが好ましいが、かかる構成だけには限定されない。
【0030】
また、
図1の製造装置では、第1搬送ラインL1で搬送される第1金属帯板30を、2枚の第1金属帯板30、30とし、2枚の第1金属帯板30、30を、それぞれの一方の側端部31に位置するコンタクト相当部列33、33同士が、
図4に拡大して示すように、互いに近接して向かい合う配置関係を維持した状態で、第1搬送ラインL1上を、対をなして並行搬送させるように構成した場合を示しているが、コネクタの種類に応じては、1枚の第1金属帯板30だけを搬送させてもよい。
【0031】
また、第1搬送ライン30には、第1金型2と第2金型3が配置されている。
第1金型2は、第1金属帯板30を構成する金属帯部34の、電子部品10を構成するコンタクト群20に相当するコンタクト相当部群35ごとに区切られた領域内に、第1貫通孔、
図3では、2個の第1貫通孔36、36を形成するため、第1搬送ラインL1上に配置される。
【0032】
第2金型3は、第1金属帯板30をコンタクト相当部群35ごとに切断して、コンタクト相当部群35および第1貫通孔36を有する第1金属板、
図3では1対の第1金属板37、37を得るため、第1搬送ラインL1上であって、第1金型2よりも下流側に配置される。
【0033】
一方、第2搬送ラインL2には、第3金型4と第4金型5が配置されている。
【0034】
第3金型4は、第2金属帯板50の一方の表面50aの、1対の固定タブ相当部51、51間に位置する少なくとも一方の側端側の部分、
図5では、両側端側の部分53,53の各2箇所に、切り曲げ加工を施して一方の表面50a側に切り起こした対をなす舌状片部54、54(
図11参照)を形成するため、第2搬送ラインL2上に配置される。
【0035】
第4金型5は、第1金属板37を第2金属帯板50に本固定するため、第2搬送ラインL2上であって、第3金型4よりも下流側に配置されている。
【0036】
また、第1搬送ラインL1と第2搬送ラインL2の上方に跨る領域には、回転移動部材6が配置されている。
【0037】
回転移動部材6は、
図3に示すように、第1搬送ラインL1に位置する第2金型3で得られた第1金属板37を吸着し、第1金属板37を、吸着状態のまま、第2搬送ラインL2上の、第4金型5よりも上流側にある第2金属帯板50の一方の表面50a上の連結位置まで移動させることができるように回転可能に構成されている。加えて、回転移動部材6は、第1金属板37を第2金属帯板50に仮固定するための上下移動可能な押圧部7、
図10では90°間隔で4つの押圧部7を有している。また、回転移動部材6は、90°間隔で回転する円板状の回転ユニットとして構成されることが好ましい。例えば、
図3に示すように、第4金型5で本カシメ加工を行なった後に、第2金属帯板50の一方の表面50a上に第1金属板37が正常に連結されているかを検査するため、第4金型5の下流側に、カメラのような第2検知手段14を設けたり、あるいは、第4金型5での本カシメ加工が完了した後に、回転移動部材6の押圧部7が、第2金型3の位置まで戻る途中の位置、
図3では、第4金型5の位置から反時計回りに90°回転した位置に、押圧部7に第1金属板37が吸着したまま残っていないかを検出するためのカメラのような第3検知手段15を設けることも可能である。また、回転移動部材6では、
図9および
図10に示す実施形態では、軽量化を図るため、回転移動部材6を構成する円板状の回転基材に4個の丸穴17を形成した場合を示しているが、かかる丸孔17は必要に応じて適宜設けることができる。
【0038】
また、
図1では、第1搬送ラインL1で搬送させるコンタクト形成用の第1金属帯板30を、2枚の第1金属帯板30,30とし、2枚の第1金属帯板30、30は、それぞれの一方の側端部31に位置する前記コンタクト相当部列33,33同士が互いに近接して向かい合う配置関係を維持した状態で、第1搬送ラインL1上を、対をなして並行搬送させる場合を示している。
【0039】
この場合、
図3に示すように、第1金型2は、2枚の第1金属帯板30、30の各々を構成する金属帯部34の領域内に、第1貫通孔36を形成するように構成され、第2金型3は、2枚の第1金属帯板30、30をそれぞれコンタクト相当部群35ごとに切断して、コンタクト相当部群35および第1貫通孔36を有する1対の第1金属板37、37を得るように構成され、第4金型5は、1対の第1金属板37、37を第2金属帯板50に本固定するように構成され、回転移動部材6は、第1搬送ラインL1に位置する第2金型3で得られた1対の第1金属板37、37を吸着し、1対の第1金属板37、37を、吸着状態の配置関係のまま、第2搬送ラインL2上の、第4金型5よりも上流側にある第2金属帯板50の一方の表面50a上の連結位置まで移動させることができるように回転可能に構成されていればよい。
【0040】
さらに、本発明の他の実施形態としては、第2金型3で第1金属帯板30をコンタクト相当部群35ごとに切断して第1金属板37を得るにあたり、第1金属帯板30を構成する、コンタクト相当部32のうち、電子部品100を構成するコンタクト群110ごとに切断する位置に存在する1本のコンタクト相当部32を切除する第5金型を、前記第1搬送ラインL1にさらに配設することが好ましい。尚、
図3では、第5金型を、第1金型2とともに単一の複合金型12として構成されている場合も択一的に示している。また、
図6および
図8には、第1金属帯板30を第1搬送ラインL1上であって、第2金型3よりも下流側の位置まで第1金属帯板30を延長してセットした後に、第1金属帯板30の切断を開始し、その際、第2金型3よりも下方側にセットした第1金属帯板30の延長した部分が、第1金属板37を得る際に、切れ端として第1搬送ラインL1上に残る金属くず(スクラップ)を回収するための金属くず回収ボックス16を配設した場合を示しているが、この金属片回収ボックス16は、必要に応じて適宜配設することができる。
【0041】
次に、本発明に従う代表的な電子部品の製造方法について説明する。
図11は、本発明に従う代表的な電子部品の製造方法の主要工程を説明するための製造フロー図である。
【0042】
本発明の製造方法は、第1および第2搬送ラインL1、L2を備え、第1工程から第5工程を少なくとも行なうものである。
【0043】
第1搬送ラインL1では、まず、第1送り装置9によって、第1金属帯板30が第1ガイドレール8に案内されて搬送され、第1金属帯板30を構成する金属帯部34の、電子部品100を構成するコンタクト群110に相当するコンタクト相当部群35ごとに区切られた領域内に、第1貫通孔36を形成する第1工程S100を行う。
【0044】
また、第1工程S100では、第1金型2によって、第1金属帯板30に第1貫通孔36を形成するだけではなく、必要に応じて、第1金型2を複合金型12に変更し、
図3に示すように、第1金属帯板30を構成する、コンタクト相当部32のうち、電子部品100を構成するコンタクト群110ごとに切断する位置に存在する1本のコンタクト相当部を切除したり、次の工程でコンタクト群110ごとの切断を容易にするためのスリットを形成したりしてもよい。
【0045】
第1工程S100を行った後、次に、第1金属帯板30をコンタクト相当部群35ごとに切断して、コンタクト相当部群35および第1貫通孔36を有する第1金属板37を得る第2工程S101を行なう。
【0046】
一方、第2搬送ラインL2では、第2送り装置11によって、第2金属帯板50が、第2ガイドレール10に案内されて搬送され、第2金属帯板50の一方の表面50aの、1対の固定タブ相当部51,51間に位置する少なくとも一方の側端側の部分53,53に、切り曲げ加工を施して一方の表面50a側に切り起こした舌状片部54を形成する第3工程S102を少なくとも行う。舌状片部54、54は、
図11では、第2金属帯板50に対し垂直な位置(90°の角度)まで切り起こしている場合を示す。
【0047】
そして、第1工程S100および第2工程S101と、第3工程S102とを全てを行った後に、第1搬送ラインL1で得られた第1金属板37を、回転移動部材6の押圧部7が吸着し、その後、
図3では反時計回りに90°回転させることによって、カメラのような第1検知手段13によって、押圧部7に第1金属板37が正常な吸着状態で存在するかを検知し、次いで、さらに反時計回りに90°回転させることによって、第2搬送ラインL2上にある第2金属帯板50の舌状片部54に、第1金属板37の第1貫通孔36が嵌挿される連結位置まで移動させた後、第2金属帯板50の舌状片部54に仮カシメ加工を施して、前記第1金属板を前記第2金属帯板に仮固定する第4工程S103を行なう。
【0048】
押圧部7は、吸着した第1金属板37を、吸着した状態のまま、第2金属帯板50上の上方に移動させ、その後、押圧部7を、第1金属板37の第1貫通孔36が第2金属帯板50の舌状片部54に嵌挿される連結位置まで下降させて、第2金属帯板50の一対の舌状片部54、54を押し拡げる方向に変形させて
図11の第4工程において円形枠で拡大して示すような一対の舌状片部54A、54Aにすると同時に、第1金属板37との押圧部7の吸着状態を解除することによって、仮カシメ加工が行うことができる。
【0049】
その後、第2送り装置11によって、第2金属帯板50を、第2搬送ラインL2の下流に位置する第4金型5まで移動させ、第4金型5によって、第2金属帯板50の舌状片部54A、54Aをプレスして、舌状片部54A、54Aを、
図11の第5工程において円形枠で拡大して示すような一対の舌状片部54B、54Bに変形させて、第1金属板37が、第2金属帯板50の一方の面50a上に本カシメ連結される。
【0050】
また、
図11では、第1搬送ラインL1で搬送させる第1金属帯板30を、2枚の第1金属帯板30、30とする場合を示している。この場合でも、本発明の電子部品の製造方法は、基本的には上述した1枚の第1金属帯板30の場合と同様である。
【0051】
すなわち、2枚の第1金属帯板30、30は、それぞれの一方の側端部31、31に位置するコンタクト相当部列33、33同士が互いに近接して向かい合う配置関係を維持した状態で、第1搬送ラインL1上を、対をなして並行搬送させ、第1工程S100では、2枚の第1金属帯板30、30の各々を構成する金属帯部34の、電子部品100を構成するコンタクト群110に相当するコンタクト相当部群35ごとに区切られた領域内に、第1貫通孔36を形成し、第2工程S101では、2枚の第1金属帯板30、30をそれぞれコンタクト相当部群35ごとに切断して、コンタクト相当部群35および第1貫通孔36を有する1対の第1金属板37、37を形成し、第4工程S103では、前記第1〜第3工程S100〜S102の全てを行った後に、第1搬送ラインL1で得られた1対の第1金属板37、37を、それぞれのコンタクト相当部群35、35同士が向かい合った位置関係のまま、第2搬送ラインL2上にある第2金属帯板50の舌状片部54、54に、1対の第1金属板37、37のそれぞれの第1貫通孔36、36が嵌挿されるように、第2金属帯板50の一方の表面50a上の連結位置まで移動させた後に、1対の第1金属板37、37の第1貫通孔36、36を通じて上方に突出する、第2金属帯板50の舌状片部54、54に仮カシメ加工を施して、1対の第1金属板37、37を第2金属帯板50に仮固定し、その後、第5工程S104では、第2金属帯板50の舌状片部54、54に本カシメ加工を施して、1対の第1金属板37、37を第2金属帯板50に本固定して、1対の第1金属板37、37を第2金属帯板50上に位置決め連結することができる。
【0052】
そして、1対の第1金属板37、37を第2金属帯板50に本固定した後に、インサート成形等による樹脂成形によって、コンタクト相当部32と固定タブ相当部51の一部が、樹脂ボディ相当部に埋め込まれて一体成形された電子部品相当部が形成され、その後、この電子部品相当部を、第2金属帯板50から切断して分離することによって、電子部品100を製造することができる。
【0053】
尚、上述したところは、この発明の実施形態を例示したにすぎず、特許請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【課題】本発明は、コンタクト(相当部列)を有する第1金属帯板から得られる第1金属板を、1対の固定タブ(相当部列)を有する第2金属帯板上に効率よく位置決め連結して、生産速度の向上を図った電子部品の製造方法等を提供する。
【解決手段】本発明の電子部品の製造方法は、コンタクト形成用の第1金属帯板30を搬送させる第1搬送ラインL1と、固定タブ形成用の第2金属帯板50を搬送させる第2搬送ラインL2とを備え、第1搬送ラインL1では、第1金属帯板30に第1貫通孔36を形成する第1工程S100と、第1金属帯板30をコンタクト相当部群35ごとに切断して第1金属板37を得る第2工程S101を、また、第2搬送ラインL2では、第2金属帯板50に舌状片部54を形成する第3工程S102を少なくとも行い、その後、第1金属板37を、第2金属帯板50の連結位置まで移動させた後、仮カシメ加工を施す第4工程S103と、本カシメ加工を施す第5工程S104とを少なくとも行なうことにある。