(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6105061
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】ガウシアンフィット残差選択基準を用いて画像を正規化するための装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20170316BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20170316BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20170316BHJP
【FI】
G01N21/64 F
G01N33/48 M
G06T7/00 350A
【請求項の数】22
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-517472(P2015-517472)
(86)(22)【出願日】2013年6月14日
(65)【公表番号】特表2015-523660(P2015-523660A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(86)【国際出願番号】US2013046035
(87)【国際公開番号】WO2013188857
(87)【国際公開日】20131219
【審査請求日】2016年6月14日
(31)【優先権主張番号】61/660,270
(32)【優先日】2012年6月15日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500174502
【氏名又は名称】ルミネックス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,マシュー・エス
(72)【発明者】
【氏名】アラブ,ニコラス
【審査官】
佐田 宏史
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−509270(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0002194(US,A1)
【文献】
特表2005−536752(JP,A)
【文献】
特表2007−538259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/64,33/48
G06T 5/00,7/00−7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のチャネルにおいて複数の粒子の2次元画像を獲得するステップと、
前記複数の粒子は、前記第1のチャネルにおいて第1の蛍光材料の内部分布に基づくガウシアン強度プロファイルを有する複数の較正粒子と、前記第1のチャネルにおいて第2の蛍光材料の表面分布に基づく非ガウシアン強度プロファイルを有する非較正粒子を含み、
前記較正粒子に対応する前記画像の一部分をガウシアン関数と相関させることによって前記複数の較正粒子の1つの較正粒子を同定するステップと、
前記較正粒子の強度を測定するステップと、
前記較正粒子の前記強度の少なくとも1部に基づいて前記画像の強度を正規化するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のチャネルはリポータ・チャネルであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数の領域の前記2次元画像に分布される複数の較正粒子を同定するステップと、
前記複数の較正粒子の強度の少なくとも1部に基づいて、前記複数の領域の強度を正規化するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記較正粒子の強度の少なくとも1部に基づいて、第2のチャネルにおける前記複数の粒子の第2の2次元画像の強度を正規化するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のチャネルは、前記第1のチャネルと異なり、前記第2のチャネルは分類チャネルであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記較正粒子の前記強度を測定するステップは、前記較正粒子のピークを検出するステ
ップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記較正粒子の前記強度を測定するステップは、前記較正粒子の中心の周りの前記画像
の領域を積分するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の蛍光材料は前記第1の蛍光材料と同じであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1のチャネルにおいて複数の粒子の2次元画像を獲得し、
前記複数の粒子は、前記第1のチャネルにおいて第1の蛍光材料の内部分布に基づいたガウシアン強度プロファイルを有する複数の較正粒子と、前記第1のチャネルにおいて第2の蛍光材料の外部分布に基づいた非ガウシアン強度プロファイルを有する複数の非較正粒子を含み、
前記較正粒子に対応する前記画像の一部分をガウシアン関数と相関させることによって前記複数の較正粒子の1つの較正粒子を同定し、
前記較正粒子の強度を測定し、
前記較正粒子の前記強度の少なくとも1部に基づいて前記画像の明度を調整する、
ための機械可読命令を含む持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記第1のチャネルは、リポータ・チャネルであることを特徴とする、請求項9に記載の持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記命令は、
複数の較正粒子を同定し、前記複数の較正粒子は前記2次元画像の複数の領域に分布することと、
前記複数の較正粒子の強度の少なくとも1部に基づいて、前記複数の領域の明度を調整すること、
をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記較正粒子の前記強度の少なくとも1部に基づいて、第2のチャネルにおける前記複数の粒子の第2の2次元画像の明度を調整することをさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記第2のチャネルは前記第1のチャネルと異なり、前記第2のチャネルは分類チャネルであることを特徴とする、請求項12に記載の持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記較正粒子の前記強度を測定することは、前記較正粒子のピークを検出することを含むことを特徴とする、請求項9に記載の持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記較正粒子の前記強度を測定することは、前記較正粒子の中心の周りの前記画像の領域を積分することを含むことを特徴とする、請求項9に記載の持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記命令は、前記較正粒子を同定する前に前記2次元画像からバックグラウンド信号を取り去ること
をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
装置は、
少なくとも1つのプロセッサと、
画像サブシステムを含み、
前記画像サブシステムは,前記装置の画像領域内に、第1のチャネルにおいて第1の蛍光材料の内部配布に基づいたガウシアン強度プロファイルを有する較正粒子と、前記第1のチャネルにおいて第2の蛍光材料の非内部配布に基づいた非ガウシアン強度プロファイルを有する非較正粒子を含む複数の粒子を受け、
前記画像領域へ光を供給し、
前記第1のチャネルにおいて前記複数の粒子の画像を捕らえるよう構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記較正粒子に対応する前記画像の一部分をガウシアン関数と相関させることによって前記複数の較正粒子の少なくもと1つの較正粒子を同定するステップと、
前記較正粒子の強度を測定し、
前記較正粒子の前記強度の少なくとも1部に基づいた画像の強度を正規化するよう構成される、
ことを特徴とする装置。
【請求項18】
前記較正粒子に対応する前記画像の一部分をガウシアン関数と相関は、二次関数をともなう近似前記ガウシアン関数を含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記画像サブシステムは、CCD検出器を含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
複数の較正粒子を同定し、
前記複数の較正粒子の強度を測定し、
前記複数の較正粒子の少なくとも1部に基づいた画像の複数の領域に対応する強度を正規化するよう構成される、
ことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記複数の領域は、前記領域に前記画像を区分化するグリッドに基づくことを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記複数の領域は、連続した複数の領域であることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データ処理のための方法及びシステムに関し、より具体的には、ガウシアンフィット残差選択基準(Gaussian residual of fit selection criteria)を用いて画像を正規化するための装置、システム及び方法に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2012年6月15日出願の米国仮特許出願第61/660,270号の優先権を主張するものであり、本願の内容は上記米国仮特許出願と一致する。
【背景技術】
【0002】
バイオテクノロジー用途において現在利用可能な幾つかの機器では、電荷結合素子(CCD)検出器などの検出器を用いる画像形成(imaging)が用いられている。市販のシステムの多くは、標的のヒト(又は他の動物)の細胞を画像形成するように構成される。CCD検出器が細胞の蛍光放射を測定するのに用いられる多重化用途においては、細胞及び画像内の蛍光放射の位置を用いて、細胞を特徴付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,736,330号明細書
【特許文献2】米国特許第5,981,180号明細書
【特許文献3】米国特許第6,057,107号明細書
【特許文献4】米国特許第6,268,222号明細書
【特許文献5】米国特許第6,449,562号明細書
【特許文献6】米国特許第6,514,295号明細書
【特許文献7】米国特許第6,524,793号明細書
【特許文献8】米国特許第6,528,165号明細書
【特許文献9】米国特許第6,649,414号明細書
【特許文献10】米国特許第6,592,822号明細書
【特許文献11】米国特許第6,649,414号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
画像を正規化するための方法が提示される。一実施形態において、本方法は、複数の較正粒子(calibration particle)を含む複数の粒子の2次元画像を獲得するステップを含む。加えて、本方法は、較正粒子に対応する画像の一部分を数理モデルと相関させることによって較正粒子を同定するステップを含むことができる。さらに、本方法は、較正粒子の強度を測定し、較正粒子の強度を用いて画像の強度を正規化するステップを含むことができる。
【0005】
幾つかの実施形態において、較正粒子は、内部染色される(internally dyed)。幾つかの実施形態において、方法はまた、複数の領域の2次元画像に分布される複数の較正粒子を同定するステップも含むことができる。さらに、本方法は、複数の較正粒子の強度を用いて、複数の領域の強度を正規化するステップを含むことができる。
【0006】
幾つかの実施形態において、方法は、較正粒子の強度を用いて、複数の粒子の第2の2次元画像の強度を正規化するステップを含むことができる。例えば、第2の2次元画像は、分類画像とすることができる。
幾つかの実施形態において、数理モデルは、ガウシアン数理モデルとすることができる。幾つかの実施形態において、数理モデルは、二次数理モデルとすることができる。
【0007】
幾つかの実施形態において、較正粒子の強度を測定するステップは、較正粒子のピークを検出するステップを含むことができる。さらに、較正粒子の強度を測定するステップは、較正粒子の中心の周りの画像の領域を積分するステップを含むことができる。
幾つかの実施形態において、方法は、較正粒子を同定する前に2次元画像からバックグラウンド信号を取り去るステップを含むことができる。
【0008】
有形コンピュータ可読媒体も提示される。有形コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行されるとき、コンピュータに、本明細書に記載される方法を実行させる命令を含むことができる。
【0009】
用語「結合された(coupled)」は、接続されている状態と定義されているが、必ずしも直接的である必要はなく、また機械的である必要もない。
用語「1つの(「a」及び「an」」は、本開示が明らかにそうでないことを要求しない限り、1つ又はそれ以上と定義される。
【0010】
用語「備える(comprise)」(及び「備えている(comprising)」等の「備える(comprise)」のあらゆる形態)、「有する(have)」(及び「有している(having)」等の「有する」(has)」のあらゆる形態)、「含む(include)」(及び「含んでいる(including)」等の「含む(include)」のあらゆる形態)、並びに「包含する(contain)」(及び「包含している(containing)」等の「包含する(contains)」のあらゆる形態)は、開放型の連結動詞である。結果として、1つ又はそれ以上のステップ又は要素を「備える」、「有する」、「含む」、又は「包含する」方法又はデバイスは、1つ又はそれ以上のステップ又は要素を所有するが、これらの1つ又はそれ以上のものだけを所有するように限定されるものではない。同様に、1つ又はそれ以上の特徴を「備える」、「有する」、「含む」又は「包含する」方法のステップ又はデバイスの要素は、1つ又はそれ以上の特徴を所有するが、これらの1つ又はそれ以上の特徴のみを所有するように限定されるものではない。さらに、特定の方法で構成されたデバイス又は構造体は、少なくともその方法において構成されるが、列挙されない方法で構成される場合もある。
【0011】
他の特徴及び関連した利点は、添付図面に関連する以下の特定の実施形態の詳細な説明を参照することで明らかになるであろう。
【0012】
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明の特定の態様をさらに例証するために含められている。本明細書に提示される特定の実施形態の詳細な説明に関連してこれらの図面の1つ又はそれ以上を参照することによって、本発明をより良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】画像を正規化するための方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図4】正規化のために9つの領域に区分化された2次元画像の表示である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
種々の特徴及び有利な詳細が、限定されない実施形態を参照してより完全に説明されており、これらの実施形態は、添付図面に示され、以下の説明において詳述されている。公知の出発物質、処理技術、構成要素及び機器の説明は、本発明の詳細を不必要に分かりにくくしないために省略される。しかしながら、詳細な説明及び特定の例は、本発明の実施形態を示し、例証として与えられたものであり、限定目的で与えられたものではないことを理解されたい。当業者には、基礎をなす本発明の概念の趣旨及び/又は範囲内にある種々の代替物、修正物、追加物及び再構成物が、本開示から明らかになるであろう。
【0015】
粒子に関して複数の実施形態が本明細書に記載されるが、本明細書に記載されるシステム及び方法はまた、例えば、マイクロスフェア、ポリスチレンビーズ、微小粒子、金ナノ粒子、量子ドット、ナノドット、ナノ粒子、ナノシェル、ビーズ、マイクロビーズ、ラテックス粒子、ラテックスビーズ、蛍光ビーズ、蛍光粒子、カラー粒子、カラービーズ、組織、細胞、微生物、有機物、又は非有機物(non−organic matter)と共に用いることができる。粒子は、分子反応のための媒介物として働くことができる。適切な粒子の例は、Fultonへの特許文献1、Chandler他への特許文献2、Fultonへの特許文献3、Chandler他への特許文献4、Chandler他への特許文献5、Chandler他への特許文献6、Chandler他への特許文献7及びChandlerへの特許文献8に示され、記載されており、これらは本明細書に完全に記載されているかのように引用によって組み入れられる。限定することなく、本明細書に記載されるシステム及び方法は、これらの特許文献に記載されるいずれかの粒子と共に用いることができる。さらに、本明細書に記載される方法及びシステムの実施形態で用いる粒子は、米国テキサス州オースチン所在のLuminex Corporation等の製造業者から入手することができる。
【0016】
さらに、本明細書に記載される方法及びシステムに適合する粒子のタイプは、粒子の表面に付着又は結合した蛍光材料を有する粒子を含む。これらのタイプの粒子は、全体が本明細書に記載されているかのように引用によって組み入れられる、Chandler他の特許文献4及びChandler他の特許文献9に示され、説明されており、蛍光染料又は蛍光粒子は、分類蛍光(classification fluorescence)(すなわち、蛍光放射が、粒子又は粒子が属するサブセットのアイデンティティを判定するために測定及び使用される)を可能にするために、粒子の表面に直接結合する。本明細書で説明される方法及びシステムで使用できるタイプの粒子は、粒子の核に組み込まれた1つ又はそれ以上の蛍光色素又は蛍光染料を有する粒子も含む。例えば、較正粒子は、内部染色及び均一に染色することができる。幾つかの実施形態においては、較正粒子は、複数の染料で内部染色することができる。
【0017】
本明細書で説明される方法及びシステムで使用できる粒子は、1つ又はそれ以上の適切な光源に曝された時に自分で1又はそれ以上の蛍光信号を示す粒子をさらに含む。さらに、励起時に粒子が複数の蛍光信号を示し、この蛍光信号の各々を、粒子のアイデンティティを判定するのに別々に又は組み合わせて使用することができる粒子を製造することが可能である。以下で説明されるように、画像データ処理は、特に複数検体流体に関する粒子の分類、並びに粒子に結合した検体の量の判定を含むことができる。粒子に結合した検体の量を表すリポータ信号(reporter signal)は、通常、作業中には未知なので、1つ又は複数の分類波長又は分類波長域だけではなく、リポータ波長又はリポータ波長域でも蛍光を発する特別に染色された粒子を、本明細書で説明される処理に使用することができる。
【0018】
本明細書で説明される方法は、一般的に、粒子の1つ又はそれ以上の画像を分析し、画像から測定されたデータを処理して、1つ又はそれ以上の粒子の特性を判定することを含む。例えば、データ処理は、画像の複数の領域における複数の検出波長での粒子の蛍光放射の大きさを表す正規化された数値を判定するために用いることができる。粒子が属する多重サブセットを表すトークンID及び/又は存在を表すリポータ値及び/又は粒子の表面に結合した検体の量を判定するために1つ又はそれ以上の数値を使用するなど、粒子の1つ又はそれ以上の特性の後続処理は、全体が本明細書に記載されているかのように引用により組み込まれている、Fultonへの特許文献1、Chandler他への特許文献2、Chandler他への特許文献5、Chandler他への特許文献7、Chandlerへの特許文献10、Chandler他への特許文献11に記載の方法に従って実行することができる。
【0019】
以下の概略的なフローチャート図は、一般的に、論理フローチャート図として述べられる。従って、示される順序及び表記されるステップは、提示される方法の一実施形態を示す。機能、論理又は結果が示される方法の1つ又はそれ以上のステップ、又はその一部分と等価な他のステップ及び方法を考えることもできる。さらに、使用する形式及び記号は、方法の論理的ステップを説明するために与えられるものであり、方法の範囲を制限するように理解されない。フローチャート図では、種々の矢印の種類及び線種を用いることができるが、それらは、対応する方法の範囲を制限するように理解されるものではない。実際には、一部の矢印又は他のコネクタを用いて、本方法の論理の流れのみを示すことができる。例えば、特定の矢印は、図示の方法の各列挙ステップの間の不特定期間の待機期間又は監視期間を示すことができる。さらに、特定の方法が行われる順序は、示される対応するステップの順序に厳密に従うことができるが、これに従わなくてもよい。
【0020】
図1は、数理モデル(例えば、ガウシアン)フィット残差選択基準を用いて画像を正規化するための方法100の一実施形態を示す。一実施形態において、方法100は、複数の粒子の2次元画像を獲得するステップ102で開始する。画像は、例えば、CCDセンサを用いて取得することができる。幾つかの実施形態において、複数の画像を取得することができる。例えば、2つの分類チャネル画像及びレポータ画像を取得することができる。複数の粒子は、複数の較正粒子を含むことができる。較正粒子は、三重染色された(triple−dyed)粒子とすることができる。染料は、較正粒子全体にわたって均一に分布させることができ、それにより、励起光源で較正粒子が照らされたとき、レポータチャネルにおいて均一に分布した蛍光発光をもたらすことができる。幾つかの実施形態において、全ての粒子(較正粒子及びアッセイ粒子)が、分類チャネルにおいて均一に分布した蛍光発光を有することもできる。しかしながら、較正粒子のみが、レポータチャネルにおいて均一に分布した蛍光発光を有することができる。球形状の粒子に起因して、均一に分布した蛍光発光は、画像内の粒子に対応する光のガウス分布をもたらすことができる。
【0021】
ステップ104は、較正粒子に対応する画像の一部を数式と相関させることによって、較正粒子を同定するステップを示し。このステップは、幾つかのサブ構成要素を含むことができる。例えば、本方法は、最初に、画像からバックグラウンド信号を取り去り、次に、個々の粒子に対応する画像におけるピークを検出することを含むことができる。一度、粒子の位置が分かると、本方法は、検出されたピークの周りの画像ピクセルへの数値フィット(numerical fit)を行うことができる。一実施形態においては、数値フィットは、
【0023】
の形の式のガウシアンフィットとすることができる。
【0024】
フィット・プロセスは、粒子の画像に最良にフィットするパラメータa及びbを決定する。フィットは、該フィットを行うのに用いられる画像の解像度を高めるためにピクセルを補間することなどによって、サブピクセル解像度で行うことができる。フィット残差を測定することができ、残差が所定の値(公差)を上回る場合には、粒子を、較正粒子ではないとして拒否することができる。較正粒子は内部染色されているため、ガウシアンプロファイルを有することができる。対照的に、粒子の表面にだけ蛍光発光を有することができるアッセイ粒子は、ガウス分布を有することができない。従って、較正粒子は、それらのガウシアンプロファイルによって同定することができる。較正粒子のプロファイルは、一般に、ガウス分布として説明されるが、幾つかの実施形態においては、例えば、フィットを行うための数式を二次式とすることができる。別の式は、較正粒子の検出の際の正確性の低下を犠牲にして、フィットを判定するのに必要とされる処理を低減すことが可能である。さらに、実際には、異常値の粒子を廃棄するなどの付加的なステップを用いて、システムの性能を高めることができる。
【0025】
方法100はまた、較正粒子の強度を測定するステップ106も含む。粒子の強度は、測定信号のピークを測定することによって測定することができ、又は測定されたピークの特定の半径内のピクセルを積分することによって測定することができる。さらに、強度は、最初に補間などによって粒子のサブピクセル画像を判定し、次に粒子の周りのサブピクセル画像を積分することによって測定することができる。
【0026】
較正粒子の特定のパラメータは公知である。例えば、較正粒子は、較正粒子が製造されるときに確立される公知のサイズ及び量の蛍光材料を有することができる。例えば、較正粒子を製造するのに使用される異なる染料の量を慎重に制御して、公知の量及び均一な分布の蛍光発光を確実にするすることができる。
【0027】
方法100はまた、較正粒子の強度を用いて、2次元画像を正規化するステップ108も含む。較正粒子の予測蛍光量は公知であるので、その蛍光量を用いて、測定された蛍光強度量を正規化することができる。さらに、このプロセスを、2D画像の全体にわたって分布される複数の較正粒子に関して繰り返し、画像の異なる領域を正規化することができる。アッセイ粒子を較正粒子に散在させることができるので、較正粒子だけを有する別個の画像を取得する必要なしに、画像を正規化することができる。従って、複数の画像の正規化された強度を維持しながら、処理量を高めることができる。画像強度の均一性の欠如は、例えば、光源の非均一性、レンズの非均一性、又は画像形成面の移動によってもたらされ得る。本明細書で説明される方法は、複数の原因による非均一な光測定に対して同時に正規化することが可能である。
【0028】
画像強度の正規化は、同じ粒子集合の複数の画像を取得する際に用いることができる。例えば、分類チャネル及びレポータチャネルにおいて2つの別個の画像を取得することができる。較正粒子は、3つの画像全てに現れ、これを3つの画像全ての正規化に使用することができる。
【0029】
図2は、2次元画像の一部分を表し、粒子からの測定された光202の強度がz軸上に示される。この状況において、測定された光202は、ガウス分布である。その情報を用いて、上述のように粒子を較正粒子として同定することができる。
【0030】
図3は、2つの異なる粒子の例示的なプロファイルを示す。曲線302は、ガウス曲線に対応する。曲線をガウシアンフィットに当てはめることによって、その画像が曲線302に対応する粒子を、較正粒子として同定することができる。対照的に、曲線304は、アッセイ粒子(非較正粒子)に相当する可能性がある。この例では、検出された蛍光発光は、粒子の表面上に分布した材料から生じる可能性がある。従って、光の分布はガウス分布でなく、この粒子は、較正粒子として同定することができない。これらの曲線は、
図2に示される画像の断面に対応する。
【0031】
図4は、画像を正規化するために較正粒子420をどのように用いることができるかを示す。この例において、画像400は、9つの領域(402、404、406、408、410、412、414、416及び418)に区分化される。各領域は、1つ又はそれ以上の較正粒子420を有する。上述のように、本明細書で説明される方法によると、較正粒子を、最初に、その画像のプロファイルにより較正粒子であると同定することができる。較正粒子を同定した後、上述のように較正粒子の強度を測定することができる。次に、測定された強度を用いて、画像400内の非較正粒子(図示せず)の測定値を正規化することができる。この正規化を通じて、例えば、照明の不均一性、レンズ収差、又はセンサの不完全性により導入される場合がある画像強度のばらつきを補償することができる。
図4の例は、9つの領域に区分化された画像を示すが、これらの区分は、わずか1つであってもよい(画像全体が均一に正規化される、又は無制限とすることができる)。後者の状況において、正規化を表す数式を構築することができる。単に説明のために、正規化を表す数式は、地形図に似ていることがあり、これは、画像上の位置によって適用される正規化の量がどのように変わるかを示す。
【0032】
粒子に関して実施形態が本明細書に記載されるが、本明細書に記載されるシステム及び方法はまた、マイクロスフェア、ポリスチレンビーズ、微小粒子、金ナノ粒子、量子ドット、ナノドット、ナノ粒子、ナノシェル、ビーズ、マイクロビーズ、ラテックス粒子、ラテックスビーズ、蛍光ビーズ、蛍光粒子、カラー粒子、カラービーズ、組織、細胞、微生物、有機物、非有機物、又は当分野で周知の任意の他の別個の物質と共に使用することもできることを理解されたい。粒子は、分子反応のための媒介物として働くことができる。適切な粒子の例は、Fultonへの特許文献1、Chandler他への特許文献2、Fultonへの特許文献3、Chandler他への特許文献4、Chandler他への特許文献5、Chandler他への特許文献6、Chandler他への特許文献7及びChandlerへの特許文献8に示され記載されており、これらは本明細書に完全に記載されているかのように引用によって組み入れられる。本明細書に記載されるシステム及び方法は、これらの特許文献に記載されるいずれかの粒子と共に使用することができる。さらに、本明細書に記載される方法およびシステムの実施形態で用いる粒子は、米国テキサス州オースチン所在のLuminex Corporation等の製造業者から入手することができる。用語「粒子」及び「マイクロスフェア」は、本明細書において交換可能に使用することができる。
【0033】
幾つかの実施形態は、コンピュータにより実行される場合に、コンピュータに、本方法の少なくとも1つの実施形態を実行させるコンピュータ可読コードを含む有形コンピュータ可読媒体を含む。有形コンピュータ可読媒体は、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、フラッシュドライブ、ハードウェアドライブ、又は他の物理的記憶装置とすることができる。
【0034】
幾つかの方法において、有形コンピュータ可読媒体が作成される。幾つかの実施形態において、本方法は、コンピュータにより実行されるとき、コンピュータに、本方法の少なくとも1つの実施形態を実行させるコンピュータ可読コードを有するコンピュータ可読媒体を記録することを含むことができる。コンピュータ可読媒体の記録は、例えば、データをCD−ROM又はDVD−ROMに焼くこと、又は他の方法でデータを物理的記憶装置にポピュレートすることを含むことができる。
【0035】
本明細書に開示され請求される方法の全ては、本開示に照らして必要以上の実験をすることなく作製し、実行することができる。本発明の装置及び方法を、好ましい実施形態に関して記載してきたが、当業者には、本発明の概念、趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される方法、並びに方法のステップ及びステップのシーケンスに変形形態を適用できることは明らかであろう。例えば、較正粒子の同定に用いられるフィットは、好ましくはガウシアンフィットとして記載される。開示される実施形態の趣旨の範囲内の他の数学的フィットを用いることもできる。さらに、同じ又は同様の結果が達成される場合、開示される装置に対して修正を行なうこと、構成要素をなくすこと、又は本明細書に記載される構成要素の代わりをすることもできる。当業者に明らかな全てのこうした同様の代替形態及び修正形態は、添付の特許請求の範囲によって定められるような本発明の趣旨、範囲及び概念の範囲内にあると考えられる。
【符号の説明】
【0036】
202:光
302、304:曲線
400:画像
420:較正粒子
402、404、406、408、410、412、414、416、418:領域