特許第6105160号(P6105160)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゼットティーイー コーポレーションの特許一覧

特許6105160キャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法及び基地局、端末
<>
  • 特許6105160-キャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法及び基地局、端末 図000002
  • 特許6105160-キャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法及び基地局、端末 図000003
  • 特許6105160-キャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法及び基地局、端末 図000004
  • 特許6105160-キャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法及び基地局、端末 図000005
  • 特許6105160-キャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法及び基地局、端末 図000006
  • 特許6105160-キャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法及び基地局、端末 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6105160
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】キャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法及び基地局、端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/18 20090101AFI20170316BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20170316BHJP
【FI】
   H04W36/18
   H04W72/04 111
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-515600(P2016-515600)
(86)(22)【出願日】2013年8月16日
(65)【公表番号】特表2016-522648(P2016-522648A)
(43)【公表日】2016年7月28日
(86)【国際出願番号】CN2013081604
(87)【国際公開番号】WO2013189340
(87)【国際公開日】20131227
【審査請求日】2015年11月30日
(31)【優先権主張番号】201310212884.2
(32)【優先日】2013年5月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100101063
【弁理士】
【氏名又は名称】松丸 秀和
(72)【発明者】
【氏名】ウェン,ヨンミン
【審査官】 桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−520626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア相補カバレッジのシーンに応用されるキャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法であって、
端末と基地局がキャリアアグリゲーションの方式で複数のメンバーキャリアに対応した複数のセルによって同時にデータを送受信し、そのうちの1つのセルが主セルであり、その他のセルが副セルであり、キャリアアグリゲーションサービスを起動することと、
前記基地局が前記端末の測定結果に基づき、前記端末の主セルを前記副セルのうちの1つの副セルに切り替えることを確定し、目標副セルとすることと、
前記基地局が前記端末と前記目標副セルとのサービス接続を保持し、且つ制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えることを前記端末に通知することと、を含み、
前記基地局が、制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えることを前記端末に通知することは、
前記基地局は前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するシグナリングメッセージを前記端末に送信し、前記シグナリングメッセージに前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するために必要な接続パラメータ情報が含まれることと、
前記端末が前記接続パラメータ情報に基づき前記目標副セルと前記制御シグナリングリンクを確立することと、を含み、
前記端末が前記目標副セルとの前記制御シグナリングリンクの確立を完成した後に、同時に前記主セルとのシグナリング接続及びサービス接続を切断し、キャリアアグリゲーションサービスを閉めるキャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法。
【請求項2】
前記端末が前記接続パラメータ情報に基づき前記目標副セルと前記制御シグナリングリンクを確立することは、
前記端末が前記接続パラメータ情報に基づき前記端末の制御層を設定して、前記目標副セルと同期し、且つ前記シグナリングメッセージによって既に前記目標副セルの接続パラメータに応じて再設定したのを前記目標副セルに通知することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基地局が前記端末の測定結果に基づき、前記端末の主セルを前記副セルのうちの1つの副セルに切り替えるのを確定し、目標副セルとすることは、
主セルとある副セルの信号強度が切り替え条件を満たす場合に、前記基地局は前記端末が報告した前記主セルと前記副セルの信号の測定結果を受信し、前記信号の測定結果に前記主セルと前記副セルの信号強度が含まれることと、
前記基地局は前記端末が報告した前記主セルと前記副セルの信号の測定結果に基づき、前記端末の主セルを前記副セルに切り替え、目標副セルとすることと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
キャリア相補カバレッジのシーンに応用される基地局であって、
端末とキャリアアグリゲーションの方式で複数のメンバーキャリアに対応した複数のセルによって同時にデータを送受信し、そのうちの1つのセルが主セルであり、その他のセルが副セルであり、キャリアアグリゲーションサービスを起動するように設定されるインタラクションモジュール、
前記端末の測定結果に基づき、前記端末の主セルを前記副セルのうちの1つの副セルに切り替えるのを確定し、目標副セルとするように設定される切り替え判定モジュール、
前記端末と前記目標副セルとのサービス接続を保持して、且つ制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えることを前記端末に通知するように設定される切り替え制御モジュールを含み、
前記切り替え制御モジュールは、
前記端末に前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するシグナリングメッセージを送信し、前記シグナリングメッセージに前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確定するために必要な接続パラメータ情報が含まれる、という方式により制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えることを前記端末に通知するように設定され、
前記端末が前記接続パラメータ情報に基づき前記目標副セルと前記制御シグナリングリンクを確立し、
前記端末が前記目標副セルとの前記制御シグナリングリンクの確立を完成した後に、同時に前記主セルとのシグナリング接続及びサービス接続を切断し、キャリアアグリゲーションサービスを閉める基地局。
【請求項5】
前記インタラクションモジュールは更に、主セルとある副セルの信号強度が切り替え条件を満たす場合に、前記端末が報告した前記主セルと前記副セルの信号の測定結果を受信し、前記信号の測定結果に前記主セルと前記副セルの信号強度が含まれるように設定され、
前記切り替え判定モジュールは、
前記端末が報告した前記主セルと前記副セルの信号の測定結果に基づき、前記端末の主セルを前記副セルに切り替え、目標副セルとする、という方式により前記端末の測定結果に基づき、前記端末の主セルを前記副セルのうちの1つの副セルに切り替えるのを確定し、目標副セルとするように設定される請求項4に記載の基地局。
【請求項6】
キャリア相補カバレッジのシーンに応用される端末であって、
基地局とキャリアアグリゲーションの方式で複数のメンバーキャリアに対応した複数のセルによって同時にデータを送受信し、そのうちの1つのセルが主セルであり、その他のセルが副セルであり、キャリアアグリゲーションサービスを起動するように設定されるインタラクションモジュール、
主セルとある副セルの信号強度が切り替え条件を満たす場合に、前記基地局に前記主セルと前記副セルの信号の測定結果を報告し、前記信号の測定結果に前記主セルと前記副セルの信号強度が含まれるように設定される測定結果報告モジュール、
前記基地局からの、制御シグナリング接続を目標副セルに切り替えるシグナリングメッセージを受信した後に、前記目標副セルとのサービス接続を保持して、且つ前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するように設定される切り替え制御モジュールを含み、
前記切り替え制御モジュールは更に、前記目標副セルとの前記制御シグナリングリンクの確立を完成した後に、同時に前記主セルとのシグナリング接続及びサービス接続を切断し、キャリアアグリゲーションサービスを閉めるように設定される端末。
【請求項7】
前記切り替え制御モジュールは、
前記基地局からの、制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えるシグナリングメッセージを受信し、前記シグナリングメッセージに前記目標副セルと前記制御シグナリングリンクを確立するために必要な接続パラメータ情報が含まれ、及び
前記接続パラメータ情報に基づき前記端末の制御層を設定して、前記目標副セルと同期し、且つ前記シグナリングメッセージによって既に前記目標副セルの接続パラメータに応じて再設定したのを前記目標副セルに通知する、という方式により前記基地局からの、制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えるシグナリングメッセージを受信した後に、前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するように設定される請求項6に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信分野に関し、特にキャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法、基地局及び端末に関する。
【背景技術】
【0002】
キャリアアグリゲーションは高度なロングタームエボリューション(Long Term Evolution-Advanced、LTE-A)の中核技術の一つである。キャリアアグリゲーションは異なる周波数範囲におけるキャリアをアグリゲーションすると同時に、ある端末にデータを伝送して、より広い伝送キャリアの帯域幅を実現することによって、より高いデータ伝送速度を実現するものである。
【0003】
キャリアアグリゲーション技術において、主な制御機能を果たすのは主セルである。主セルは無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)層のシグナリング制御端末によって副セルを増加又は削除し、メディアアクセス制御(Media Access Control、MAC)層のシグナリング制御端末によって副セルをアクティベーション又はディアクティベーションし、同時に更に端末とサービス接続がある。副セルと端末はサービス接続だけがあって制御シグナリング接続がない。リリース10(Release 10、R10)標準には端末が1つの主セル及び最も多くの4つの副セルと同時に通信できることが規定されている。R10標準の規定によって、切り替えが主セル間だけに行うことができる。主セルに切り替えを発生する場合に、先に主セルを解放してすべての副セルをディアクティベーションし、更に新しい主セルを接続して且つその他の副セルをアクティベーションし、すべての副セルがいずれもディアクティベーションされ、つまり使用を一時停止する。このように、切り替える場合に、端末は先にソースセルと接続を切断し、次に目標セルと接続を確立し、これはハードハンドオフのメカニズムである。ハードハンドオフ時に短い時間帯で端末はソースセル及び目標セルといずれも接続されず、LTE-A標準が過度にハードハンドオフの信頼性に依存させないため、1つのハードハンドオフフォールバックメカニズムを増加せざるを得なく、即ち端末が目標セルへの切り替えは失敗すると、直ちにソースセルに戻る。
【0004】
LTE-A標準において、4種の典型的なキャリアアグリゲーションアプリケーションシーンを定義した。そのうち、第3種のアプリケーションシーンはセルエッジ効果を減少するためのものである(図面1を参照)。つまり、2つのメンバーキャリア1及び2は同一の基地局内に部署され、各メンバーキャリアに対して、基地局は3つのセルによって覆われ、各セルが120度覆われる。2番目のメンバーキャリアのアンテナは1番目のメンバーキャリアのエッジに指向し、両者の一つのセルエッジを他のセルの中心に位置させ、このように、端末がセルエッジにある場合に、キャリアアグリゲーション技術を採用してこの2つのキャリアと同時に通信でき、端末がセルエッジでの速率を向上させ、エッジ効果を削除することができる。例えば、端末は図におけるA、B、C、Dの4つの場所にしたがって移動する場合に、初めて端末がA点にある際に、メンバーキャリア1の単独のカバレッジエリアにあり、キャリアアグリゲーションを行うことができない。端末がB点に移動する場合に、メンバーキャリア1及び2の共通のカバレッジエリアにあり、キャリアアグリゲーションを行うことができる。基地局の制御によって、メンバーキャリア2が所在するセル1を副セルとして加え、セル2は主セルである。端末がC点に移動する場合に、セル2の信号が悪くなり、基地局の制御によって、セル1を主セルに変更し、セル2を副セルに変更する。C点に移動する場合に、基地局はセル2の使用を停止するように端末を制御し、キャリアアグリゲーションを停止する。端末がD点に移動する場合に、またメンバーキャリア1及び2の共通のカバレッジエリアにあるため、またキャリアアグリゲーションを行うことができる。このシーンで、端末が図1におけるB点にあり、この時、端末はセル1、2と同時に通信する。セル2は主セルであり、セル1は副セルであり、キャリアアグリゲーションサービスを起動する。端末がB点からC点に移動する場合に、図2に示すように、LTE-Aネットワークにおいてキャリアアグリゲーション技術を採用してハードハンドオフを行うフローは以下のステップS101〜ステップS107を含む。
【0005】
ステップS101:端末はB点からC点へ移動し、端末の移動に伴って、セル2の信号が徐々に悪くなる。
【0006】
しかしながら、依然としてセル1の内部に存在するため、セル1の信号が著しく変わらない。
【0007】
ステップS102:セル2の信号が一定の程度まで悪くなる際に、端末が測定レポートを報告することをトリガーし、端末が基地局にセル1及びセル2の信号強度の測定レポートを報告する。
【0008】
ここでのトリガー条件は、R10標準に規定されている、主セルの信号が閾値1より小さく且つ隣接セルの信号が閾値2より大きいというA5イベントであってよい。
【0009】
ステップS103:基地局は端末が報告した測定レポートを受信した後に、セル2が主セルとして切り替えを決定し、この時セル1の信号が強いため、セル1及びセル2は内部で切り替えた制御シグナリングとサービスデータを互換し、切り替えに準備する。
【0010】
ステップS104:準備作業が完成された後に、セル2は端末にシグナリングを送信して、端末にセル1、2との接続を切断するのを通知し、改めてセル1にアクセスを開始する。
【0011】
ステップS105:端末はセル2の命令を受信した後に、セル1、2との通信接続を切断する。
【0012】
ステップS106:端末はシグナリング要求に応じてセル1にアクセス要求を開始する。
【0013】
ステップS107:端末がセル1へのアクセスは成功し、セル1と通信接続を回復する。
【0014】
以上のフローにおいて、ステップS105〜ステップS107において端末がいずれかのセルに接続されず、ハードハンドオフであるが、端末が基地局に接続されないため、ドロップ、遅延増加、及びビット誤り率が高くなること等のユーザーエクスペリエンスを影響するイベントを発生する懸念がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の実施例は端末のドロップ率、遅延及びビット誤り率等を減少させて、LTE-Aネットワーク切り替えの性能を向上させ、高いQoS要求のサービスを確保するためのキャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法、基地局及び端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の実施例はキャリア相補カバレッジのシーンに適用されるキャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法を提供し、
端末と基地局がキャリアアグリゲーションの方式で複数のメンバーキャリアに対応した複数のセルによって同時にデータを送受信し、そのうちの1つのセルが主セルであり、その他のセルが副セルであることと、
前記基地局が前記端末の測定結果に基づき、前記端末の主セルを前記副セルのうちの1つの副セルに切り替えることを確定し、目標副セルとすることと、
前記基地局が前記端末と前記目標副セルとのサービス接続を保持し、且つ制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えることを前記端末に通知することと、を含む。
【0017】
選択的に、前記基地局が、制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えることを前記端末に通知するのは、
前記基地局が前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するシグナリングメッセージを前記端末に送信し、前記シグナリングメッセージに前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するために必要な接続パラメータ情報が含まれることと、
前記端末が前記接続パラメータ情報に基づき前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立することと、を含む。
【0018】
選択的に、前記端末が前記接続パラメータ情報に基づき前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するのは、
前記端末が前記接続パラメータ情報に基づき前記端末の制御層を設定し、前記目標副セルと同期し、且つシグナリングメッセージによって既に前記目標副セルの接続パラメータに応じて再設定したのを前記目標副セルに通知することを含む。
【0019】
選択的に、前記方法は、
前記端末と前記目標副セルとの制御シグナリングリンクの確立を完成した後に、前記主セルとのシグナリング接続を切断し、同時にサービス接続を保持すること、或いは同時に前記主セルとのシグナリング接続とサービス接続を切断することを更に含む。
【0020】
選択的に、前記基地局が前記端末の測定結果に基づき、前記端末の主セルを前記副セルのうちの1つの副セルに切り替えるのを確定し、目標副セルとするのは、
主セルとある副セルの信号強度が切り替え条件を満たす場合に、前記基地局は前記端末が報告した前記主セルと副セルの信号の測定結果を受信し、前記信号の測定結果に前記主セルと副セルの信号強度が含まれることと、
前記基地局は前記端末が報告した主セルと副セルの信号の測定結果に基づき、前記端末の主セルを副セルに切り替え、目標副セルとすることと、を含む。
【0021】
本発明の実施例はキャリア相補カバレッジのシーンに応用される基地局を更に提供し、
端末とキャリアアグリゲーションの方式で複数のメンバーキャリアに対応した複数のセルによって同時にデータを送受信し、そのうちの1つのセルが主セルであり、その他のセルが副セルであるように設定されるインタラクションモジュール、
前記端末の測定結果に基づき、前記端末の主セルを前記副セルのうちの1つの副セルに切り替えることを確定し、目標副セルとするように設定される切り替え判定モジュール、
前記端末と前記目標副セルとのサービス接続を保持し、且つ制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えることを前記端末に通知するように設定される切り替え制御モジュールを含む。
【0022】
選択的に、インタラクションモジュールは更に、主セルとある副セルの信号強度が切り替え条件を満たす場合に、前記端末が報告した前記主セルと副セルの信号の測定結果を受信し、前記信号の測定結果に前記主セルと副セルの信号強度が含まれるように設定され、
前記切り替え判定モジュールは、
前記端末が報告した前記主セルと副セルの信号の測定結果に基づき、前記端末の主セルを副セルに切り替え、目標副セルとする、という方式により前記端末の測定結果に基づき、前記端末の主セルを前記副セルのうちの1つの副セルに切り替えるのを確定し、目標副セルとするように設定される。
【0023】
選択的に、前記切り替え制御モジュールは、
前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するシグナリングメッセージを前記端末に送信し、前記シグナリングメッセージに前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するために必要な接続パラメータ情報が含まれる、という方式により制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えることを前記端末に通知するように設定される。
【0024】
本発明の実施例はキャリア相補カバレッジのシーンに応用される端末を更に提供し、
基地局とキャリアアグリゲーションの方式で複数のメンバーキャリアに対応した複数のセルによって同時にデータを送受信し、そのうちの1つのセルが主セルであり、その他のセルが副セルであるように設定されるインタラクションモジュール、
主セルとある副セルの信号強度が切り替え条件を満たす場合に、前記基地局に前記主セルと副セルの信号の測定結果を報告し、前記信号の測定結果に前記主セルと副セルの信号強度が含まれるように設定される測定結果報告モジュール、
基地局からの、制御シグナリング接続を目標副セルに切り替えるシグナリングメッセージを受信した後に、前記目標副セルとのサービス接続を保持し、且つ前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するように設定される切り替え制御モジュールを含む。
【0025】
選択的に、前記切り替え制御モジュールは、
基地局からの、制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えるシグナリングメッセージを受信し、前記シグナリングメッセージに前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するために必要な接続パラメータ情報が含まれ、及び
前記接続パラメータ情報に基づき前記端末の制御層を設定し、前記目標副セルと同期し、且つシグナリングメッセージによって既に前記目標副セルの接続パラメータに応じて再設定したのを前記目標副セルに通知する、という方式により基地局からの、制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えるシグナリングメッセージを受信した後に、前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するように設定される。
【0026】
選択的に、前記切り替え制御モジュールは更に、前記目標副セルとの制御シグナリングリンクの確立を完成した後に、前記主セルとのシグナリング接続を切断し、同時にサービス接続を保持し、或いは同時に前記主セルとのシグナリング接続とサービス接続を切断するように設定される。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施例によるキャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法及び基地局、端末において、関連技術に対する変更が小さく、本発明の実施例はLTE-Aネットワークにおけるキャリアアグリゲーション技術に基づいて、キャリアアグリゲーション技術の主セル、副セルの概念及びLTE-Aネットワークにおけるハードハンドオフのトリガー、実行等の過程を使用する。異なるのは切り替え過程において従来の先に主セルを解放してすべての副セルをディアクティベーションし、再び新しい主セルを接続してその他の副セルをアクティベーションする方法を採用せず、切り替え過程においてサービス接続を保持して、主セルの制御権即ちシグナリング制御接続だけを変更することである。このように、最大限に関連技術を互換でき、実現上に便利である。本発明の実施例による方法及び基地局、端末を採用してソフトハンドオフを実現し、ハードハンドオフよりもより高い信頼性、より低い遅延、及びより低いビット誤り率等を有するため、LTE-Aネットワーク切り替えの性能を大幅に向上させ、高いQoS要求のサービスを確保する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1はLTE-A標準に定義された第3種のアプリケーションシーンの模式図である。
図2図2はLTE-Aネットワークにおいてキャリアアグリゲーション技術を採用してハードハンドオフを行うフローチャートである。
図3図3は本発明の実施例におけるキャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する基地局の構造図である。
図4図4は本発明の実施例におけるキャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する端末の構造図である。
図5図5は本発明の実施例におけるキャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法のフローチャートである。
図6図6は本発明の一適用例においてLTE-Aネットワークにキャリアアグリゲーション技術を採用してソフトハンドオフを行うフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳しく説明する。なお、衝突しない場合に、本願における実施例及び実施例における特徴を互いに任意に組み合わせることができる。
【0030】
図3に示すように、本実施例はキャリア相補カバレッジのシーンに応用されるキャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する基地局を提供し、
端末とキャリアアグリゲーションの方式で複数のメンバーキャリアに対応した複数のセルによって同時にデータを送受信し、そのうちの1つのセルが主セルであり、その他のセルが副セルであることに用いられるインタラクションモジュール31、
前記端末の測定結果に基づき、前記端末の主セルを前記副セルのうちの1つの副セルに切り替えることを確定し、目標副セルとすることに用いられる切り替え判定モジュール32、
該目標副セルとのサービス接続を保持し、且つ制御シグナリング接続を該目標副セルに切り替えることを前記端末に通知することに用いられる切り替え制御モジュール33を含む。
【0031】
インタラクションモジュール31は更に、主セルとある副セルの信号強度が切り替え条件を満たす場合に、前記端末が報告した前記主セルと該副セルの信号の測定結果を受信し、前記信号の測定結果に前記主セルと該副セルの信号強度が含まれることに用いられ、
切り替え判定モジュール32は、
前記端末が報告した前記主セルと該副セルの信号の測定結果に基づき、前記端末の主セルを該副セルに切り替え、目標副セルとする、という方式により前記端末の測定結果に基づき、前記端末の主セルを前記副セルのうちの1つの副セルに切り替えるのを確定し、目標副セルとすることに用いられる。
【0032】
前記切り替え制御モジュール33は、
前記切り替え制御モジュール33が前記端末に、前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するシグナリングメッセージを送信し、前記シグナリングメッセージに前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するために必要な接続パラメータ情報が含まれる、という方式により制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えることを前記端末に通知することに用いられる。
【0033】
図4に示すように、本実施例はキャリア相補カバレッジのシーンに応用されるキャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する端末を提供し、
基地局とキャリアアグリゲーションの方式で複数のメンバーキャリアに対応した複数のセルによって同時にデータを送受信し、そのうちの1つのセルが主セルであり、その他のセルが副セルであることに用いられるインタラクションモジュール41、
主セルとある副セルの信号強度が切り替え条件を満たす場合に、前記基地局に前記主セルと該副セルの信号の測定結果を報告し、前記信号の測定結果に前記主セルと該副セルの信号強度が含まれることに用いられる測定結果報告モジュール42、
基地局からの、制御シグナリング接続を目標副セルに切り替えるシグナリングメッセージを受信した後に、前記目標副セルとのサービス接続を保持し、且つ前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立することに用いられる切り替え制御モジュール43を含む。
【0034】
前記切り替え制御モジュール43は、
前記切り替え制御モジュール43が基地局からの、制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えるシグナリングメッセージを受信し、前記シグナリングメッセージに前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するために必要な接続パラメータ情報が含まれ、及び
前記切り替え制御モジュール43が前記接続パラメータ情報に基づき前記端末の制御層を設定し、前記目標副セルと同期し、且つシグナリングメッセージによって既に前記目標副セルの接続パラメータに応じて再設定したのを前記目標副セルに通知する、という方式により基地局からの、制御シグナリング接続を前記目標副セルに切り替えるシグナリングメッセージを受信した後に、前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立することに用いられる。
【0035】
前記切り替え制御モジュール43は更に、前記目標副セルとの制御シグナリングリンクの確立を完成した後に、前記主セルとのシグナリング接続を切断し、同時にサービス接続を保持し、或いは同時に前記主セルとのシグナリング接続とサービス接続を切断することに用いられる。
【0036】
図5に示すように、本実施例はキャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法を提供し、以下のステップS201〜ステップS203を含む。
【0037】
ステップS201:端末と基地局はキャリアアグリゲーションの方式で複数のメンバーキャリアに対応した複数のセルによって同時にデータを送受信し、そのうちの1つのセルは主セルであり、その他のセルは副セルである。
【0038】
ステップS202:基地局は前記端末の信号測定結果に基づき、前記端末の主セルを前記副セルのうちの1つの副セルに切り替えることを確定し、目標副セルとする。
【0039】
主セルとある副セルの信号強度は切り替え条件を満たす場合に、例えば、ある副セルの信号が十分によくなり、又は主セルの信号が非常に悪くなる場合に、端末は基地局に該主セルと副セルの信号の測定結果を報告し、信号の測定結果に該主セルと該副セルの信号強度が含まれる。
【0040】
ステップS203:前記基地局は前記端末と該目標副セルとのサービス接続を保持し、且つ制御シグナリング接続を該目標副セルに切り替えることを前記端末に通知する。
【0041】
ステップS203においては、前記基地局は前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するシグナリングメッセージを前記端末に送信し、前記シグナリングメッセージに前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するために必要な接続パラメータ情報が含まれ、
前記端末は前記接続パラメータ情報に基づき前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立する。
【0042】
前記端末が前記接続パラメータ情報に基づき前記目標副セルと制御シグナリングリンクを確立するのは、
前記端末が前記接続パラメータ情報に基づき前記端末の制御層を設定し、前記目標副セルと同期し、且つシグナリングメッセージによって既に前記目標副セルの接続パラメータに応じて再設定したのを前記目標副セルに通知することを含む。
【0043】
この副セルを主セルに変更するが、元の主セルを副セルに変更し、同時にその他の副セルが依然として変わらない。このように、ソフトハンドオフを実現する。
【0044】
ステップS203の後に、端末は前記副セルとの制御シグナリングリンクの確立を完成した後に、前記主セルとのシグナリング接続を切断し、或いは前記主セルとのシグナリング接続とサービス接続を切断する。
【0045】
このように、切り替え過程全体において、端末はいずれも少なくとも1つのセルとサービス接続を保持し、制御シグナリング接続は元の主セルからある信号が強い副セルに切り替え、ソフトハンドオフを実現する。
【0046】
一適用例において、図1に示すようなLTE-A標準に定義された第3種のアプリケーションシーンを例として、このようなシーンで、2つのメンバーキャリアは相補カバレッジを採用し、キャリアアグリゲーション技術を取り入れた後に、基地局でも端末でも、同時に複数のメンバーキャリアによってデータを送受信する能力を備え、客観的にソフトハンドオフの必要条件を備え、非常に容易にソフトハンドオフを実現する。該シーンで、関連技術と同様で、端末が図1におけるB点に位置し、この時、端末はセル1、2と同時に通信する。セル2は主セルであり、セル1は副セルであり、キャリアアグリゲーションサービスを起動する。端末はB点からC点まで移動する場合に、図6に示すように、本発明の実施例におけるLTE-Aネットワークにキャリアアグリゲーション技術を採用してソフトハンドオフを行うフローは以下のステップS301〜ステップS307を含む。
【0047】
ステップS301〜ステップS302は図2におけるステップ101〜ステップ102と類似する。
【0048】
ステップS303:基地局は端末が報告した測定レポートを受信した後に、セル2は主セルとして切り替えることを決定し、この時、セル1の信号が強いわけであるため、セル1とセル2は内部で切り替えた制御シグナリングとサービスデータを互換し、セル2はセル1と制御シグナリング接続を確立するために必要なパラメータ等の情報を取得して、切り替えに準備する。
【0049】
ステップS304:準備作業が完成した後に、セル2は端末にシグナリングを送信して、RRC層等の制御シグナリングリンクをセル1に切り替え、セル2とのサービスとシグナリング接続を切断するように端末に通知する。
【0050】
端末がより速く、より円滑にシグナリング制御リンク接続をセル1に切り替えることを助けるために、セル2はステップS303において得られたセル1の関連シグナリング接続パラメータを端末に送信することができる。端末に関連命令を送信する場合に、セル2はRRC接続再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージによって端末に通知することができる。
【0051】
ステップS305:端末はセル2のシグナリングを受信した後に、端末はセル2が送信してきたセル1の関連シグナリング接続パラメータに基づき、自分のRRC層等の制御層を設定して、セル1と同期する。
【0052】
端末はセル1とのサービス接続を保持して、シグナリング接続をセル2からセル1に切り替え、この時、端末とセル1とはシグナリング接続の確立過程にあり、まだセル2とのシグナリング接続を切断しない。
【0053】
ステップS306:端末はセル1にシグナリングメッセージを送信し、既にセル1のシグナリング接続パラメータに応じて再設定したのをセル1に通知する。
【0054】
端末はRRC接続再設定完成(RRC Connection Reconfiguration Complete)メッセージによってセル1に通知することができ、ここまで、端末とセル1の制御シグナリング接続の確立を完成した。
【0055】
ステップS307:端末とセル1との制御シグナリング接続の確立を完成した後に、セル2の命令に基づき、セル2とのシグナリングを解放する。
【0056】
セル2の信号が悪いと、セル2とのサービス接続を切断してもよく、端末とセル1はシグナリング接続によってシグナリングメッセージの交互を行うことができ、同時に端末とセル1とのサービス接続は正常にデータを送受信してもよい。
【0057】
以上のソフトハンドオフの過程全体において、切り替えるのは制御シグナリング接続だけであり、端末はセルとずっとサービス接続を保持している。
【0058】
本実施例が提出した方法、基地局及び端末はLTE-Aネットワークに応用できるだけでなく、更に例えば電気電子学会(Institute of Electrical and Electronic Engineers、IEEE)802.16m等のすべてのキャリアアグリゲーション技術を採用するブロードバンド移動通信ネットワークに適用されてソフトハンドオフを実現することができる。
【0059】
以上の実施例から見ると、上記の実施例によるキャリアアグリゲーション技術に基づいてソフトハンドオフを実現する方法及び基地局は、関連技術に対する変更が小さく、本発明の実施例はLTE-Aネットワークにおけるキャリアアグリゲーション技術に基づいて、キャリアアグリゲーション技術の主セル、副セルの概念及びLTE-Aネットワークにおけるハードハンドオフのトリガー、実行等の過程を使用する。異なるのは切り替え過程において従来の先に主セルを解放してすべての副セルをディアクティベーションし、再び新しい主セルを接続してその他の副セルをアクティベーションする方法を採用せず、切り替え過程においてサービス接続を保持して、主セルの制御権即ちシグナリング制御接続だけを変更することである。このように、最大限に関連技術を互換でき、実現上に便利である。本発明の実施例による方法及び基地局を採用してソフトハンドオフを実現し、ハードハンドオフよりもより高い信頼性、より低い遅延、及びより低いビット誤り率等を有するため、LTE-Aネットワーク切り替えの性能を大幅に向上させ、高いQoS要求のサービスを確保する。
【0060】
当業者は、上記方法における全部又は一部のステップは、プログラムが関連のハードウェアを指令することにより完成することができ、前記プログラムはコンピュータ可読記憶媒体、例えば読み出し専用メモリ、ディスク又はCDなどに記憶することができることを理解することができる。選択的に、上記実施例の全部又は一部のステップは、1つ又は複数の集積回路を採用して達成することもできる。対応的に、上記実施例における各モジュール/ユニットはハードウェアの形式で達成してよく、ソフトウェア機能モジュールの形式で達成してもよい。本発明はいずれの特定形式のハードウェアとソフトウェアの組み合わせに限定されたものではない。
【0061】
上記のものは単に本発明の好ましい実施例であるだけで、本発明の保護範囲を限定するためのものではない。本発明の発明内容により、更に他の多種の実施例を有することができ、本発明の精神とその実質から逸脱しない場合に、当業者は、本発明の実施例により各種の相応の変更と変形を行うことができ、本発明の精神と原則にある限り、行ったいずれの修正、等価置き換え、改善などは、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の実施例による方法、基地局及び端末を採用してソフトハンドオフを実現し、ハードハンドオフよりもより高い信頼性、より低い遅延、及びより低いビット誤り率等を有するため、LTE-Aネットワーク切り替えの性能を大幅に向上させ、高いQoS要求のサービスを確保する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6