【実施例】
【0168】
以下に示す実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。また、これらはいかなる意味においても限定的に解釈されるものではない
。また、本明細書において、特に記載のない試薬、溶媒及び出発材料は、市販の供給源か
ら容易に入手可能である。
【0169】
参考例1 トラスツズマブの調製
Herceptin(Genentech,Inc.)440mg/バイアルの14本
分を陽イオン交換クロマトグラフィーバッファーA(25mM Citrate buf
fer,30mM NaCl,pH5.0)の2Lに溶解し、0.2μmフィルター(M
illipore Co.:Stericup 0.22μm,GVPVDF Memb
rane)にてろ過を行った。陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(SP Seph
arose HP 240ml,XK50カラム)に試料を供し、陽イオン交換クロマト
グラフィーバッファーB(25mM Citrate buffer,500mM Na
Cl,pH5.0)にてNaCl濃度30mM〜500mMの直線勾配(リニアグラディ
エント)により溶出させ、IgGモノマーを分画した。サイズ排除クロマトグラフィー分
析により、モノマー高純度98%以上のサンプルを合わせ、UF30K(Millipo
re Co.:PELLICON XL Filter,BIOMAX 30K,PXB
030A50)による濃縮及びCBSバッファー(10mM Citrate/140m
M NaCl,pH6.0)に置換した。CBSバッファーに置換したサンプルは0.2
μmフィルター(Sartorius:Minisart−Plus0.2μm,178
23K)にてろ過を行った。
【0170】
参考例2 トラスツズマブエムタンシンの製造 T−DM1
抗体のSMCC化:参考例1にて作成したトラスツズマブを製造方法1に記載した共通
操作C−2(緩衝液としてPBS6.5/EDTAを使用)、共通操作A及び共通操作B
(280nm吸光係数として1.37mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、PBS6
.5/EDTAにバッファー交換し、トラスツズマブ(160.0mg)がPBS6.5
/EDTA(7.60mL)に溶解する溶液を15mLポリプロピレン製チューブに用意
した。次いでSMCC(1.84mg)のDMSO溶液(0.40mL;抗体一分子に対
して約5.1当量相当)を室温で添加し、反応溶液の抗体濃度を20mg/mLに調整し
てチューブ・ローテーター(MTR−103、アズワン株式会社)を用いて室温で2時間
反応させた。この反応液を共通操作D−2(緩衝液としてPBS6.5/EDTAを使用
)に従った精製を行い、SMCC誘導化された抗体を154.9mg含む溶液を12mL
得た。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:50mLポリプロピレン製チューブに入れ
た上記溶液へPBS6.5/EDTA(2.56mL)及びN
2−デアセチル−N
2−(
3−メルカプト−1−オキソプロピル)−メイタンシン(4.67mg;DM1、Jou
rnal of Medicinal Chemistry、2006年、49巻、14号
、4392項)のDMA(ジメチルアセトアミド)溶液(0.93mL;SMCC誘導化
された抗体一分子に対して約5.8当量相当)を室温で添加し、反応溶液の抗体濃度を1
0mg/mLに調整してチューブ・ローテーターを用いて室温で16.5時間反応させた
。
精製操作:上記溶液を、塩化ナトリウム(137mM)を含むリン酸ナトリウム緩衝液
(10mM,pH6.5)を用いた共通操作D−1による精製を行い、目的の参考例化合
物を含有する溶液を35mL得た。
特性評価:252nm及び280nmの二波長におけるUV吸光度を用いた共通操作E
を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:4.14mg/mL、抗体収量:144.9mg(91%)、抗体一分子あ
たりの薬物平均結合数(n):3.0。
【0171】
実施例1 中間体(1)
【化27】
【0172】
工程1:tert−ブチル (4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9
−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘ
キサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ
[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)カーバメート
4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(0.237g,1.13mm
oL)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.1
30g,1.13mmoL)、及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド塩酸塩(0.216g,1.13mmoL)を加えて1時間攪拌した。その
反応溶液をエキサテカンのメタンスルホン酸塩(0.500g,0.94mmoL)、及
びトリエチルアミン(0.157mL,1.13mmoL)を加えたN,N−ジメチルホ
ルムアミド溶液(10mL)に滴下し、室温で1日攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られ
た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノ
−ル=8:2(v/v)]にて精製し、標記化合物(0.595g,定量的)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.2H
z),1.31(9H,s),1.58(1H,t,J=7.2Hz),1.66(2H
,t,J=7.2Hz),1.82−1.89(2H,m),2.12−2.21(3H
,m),2.39(3H,s),2.92(2H,t,J=6.5Hz),3.17(2
H,s),5.16(1H,d,J=18.8Hz),5.24(1H,d,J=18.
8Hz),5.42(2H,s),5.59−5.55(1H,m),6.53(1H,
s),6.78(1H,t,J=6.3Hz),7.30(1H,s),7.79(1H
,d,J=11.0Hz),8.40(1H,d,J=8.6Hz).
MS(APCI)m/z:621(M+H)
+
【0173】
工程2:4−アミノ−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキ
シ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ
−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−
b]キノリン−1−イル]ブタンアミド
上記工程1で得た化合物(0.388g,0.61mmoL)をジクロロメタン(9m
L)に溶解した。トリフルオロ酢酸(9mL)を加えて4時間攪拌した。溶媒を減圧留去
し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホル
ム:メタノール:水=7:3:1(v/v/v)の分配有機層]にて精製し、標記化合物
のトリフルオロ酢酸塩(0.343g,定量的)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.2H
z),1.79−1.92(4H,m),2.10−2.17(2H,m),2.27(
2H,t,J=7.0Hz),2.40(3H,s),2.80−2.86(2H,m)
,3.15−3.20(2H,m),5.15(1H,d,J=18.8Hz),5.2
6(1H,d,J=18.8Hz),5.42(2H,s),5.54−5.61(1H
,m),6.55(1H,s),7.32(1H,s),7.72(3H,brs),7
.82(1H,d,J=11.0Hz),8.54(1H,d,J=8.6Hz).
MS(APCI)m/z:521(M+H)
+
【0174】
実施例2 抗体−薬物コンジュゲート(2)
【化28】
【0175】
工程1:N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシルグリシル−L−フェニルアラニ
ル−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−
メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,
12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノ
リン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)グリシンアミド
N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシルグリシル−L−フェニルアラニルグリ
シン(0.081g,0.19mmoL)をジクロロメタン(3mL)に溶解し、N−ヒ
ドロキシスクシンイミド(0.021g,0.19mmoL)、及び1−エチル−3−(
3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.036g,0.19mmoL
)を加え、3.5時間攪拌した。この反応溶液を実施例1工程2で得た化合物(0.08
0g,0.15mmoL)を加えたN,N−ジメチルホルムアミド溶液(1.5mL)に
滴下し、室温で4時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノ−ル=8:2(v/v)]に
て精製し、標記化合物(0.106g,73%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4H
z),1.36(9H,s),1.71(2H,m),1.86(2H,t,J=7.8
Hz),2.15−2.19(4H,m),2.40(3H,s),2.77(1H,d
d,J=12.7,8.8Hz),3.02(1H,dd,J=14.1,4.7Hz)
,3.08−3.11(2H,m),3.16−3.19(2H,m),3.54(2H
,d,J=5.9Hz),3.57−3.77(4H,m),4.46−4.48(1H
,m),5.16(1H,d,J=19.2Hz),5.25(1H,d,J=18.8
Hz),5.42(2H,s),5.55−5.60(1H,m),6.53(1H,s
),7.00(1H,t,J=6.3Hz),7.17−7.26(5H,m),7.3
1(1H,s),7.71(1H,t,J=5.7Hz),7.80(1H,d,J=1
1.0Hz),7.92(1H,t,J=5.7Hz),8.15(1H,d,J=8.
2Hz),8.27(1H,t,J=5.5Hz),8.46(1H,d,J=8.2H
z).
MS(APCI)m/z:939(M+H)
+
【0176】
工程2:グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9S)−9
−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3
,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,
4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソ
ブチル)グリシンアミド
上記工程1で得た化合物(1.97g,2.10mmoL)をジクロロメタン(7mL
)に溶解し、トリフルオロ酢酸(7mL)を加えて1時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、
残留物にトルエンを加えて共沸させ、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール:水=7:3:1(v/v/v)の分配
有機層]にて精製し、標記化合物のトリフルオロ酢酸塩(1.97g,99%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4H
z),1.71−1.73(2H,m),1.82−1.90(2H,m),2.12−
2.20(4H,m),2.40(3H,s),2.75(1H,dd,J=13.7,
9.4Hz),3.03−3.09(3H,m),3.18−3.19(2H,m),3
.58−3.60(2H,m),3.64(1H,d,J=5.9Hz),3.69(1
H,d,J=5.9Hz),3.72(1H,d,J=5.5Hz),3.87(1H,
dd,J=16.8,5.9Hz),4.50−4.56(1H,m),5.16(1H
,d,J=19.2Hz),5.25(1H,d,J=18.8Hz),5.42(2H
,s),5.55−5.60(1H,m),7.17−7.27(5H,m),7.32
(1H,s),7.78−7.81(2H,m),7.95−7.97(3H,m),8
.33−8.35(2H,m),8.48−8.51(2H,m).
MS(APCI)m/z:839(M+H)
+
【0177】
工程3:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9
S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ
−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ
[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4
−オキソブチル)グリシンアミド
上記工程2で得た化合物(337mg,0.353mmoL)のN,N−ジメチルホル
ムアミド(1.2mL)溶液に、トリエチルアミン(44.3mL,0.318mmoL
)、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジル(119.7mg,0.388mm
oL)を加え、室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=5:1(v/v
)]にて精製し、標記化合物(278.0mg,76%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.3H
z),1.12−1.22(2H,m),1.40−1.51(4H,m),1.66−
1.76(2H,m),1.80−1.91(2H,m),2.05−2.21(6H,
m),2.39(3H,s),2.79(1H,dd,J=14.0,9.8Hz),2
.98−3.21(5H,m),3.55−3.77(8H,m),4.41−4.48
(1H,m),5.15(1H,d,J=18.9Hz),5.24(1H,d,J=1
8.9Hz),5.40(1H,d,J=17.1Hz),5.44(1H,d,J=1
7.1Hz),5.54−5.60(1H,m),6.53(1H,s),6.99(2
H,s),7.20−7.27(5H,m),7.30(1H,s),7.70(1H,
t,J=5.5Hz),7.80(1H,d,J=11.0Hz),8.03(1H,t
,J=5.8Hz),8.08(1H,t,J=5.5Hz),8.14(1H,d,J
=7.9Hz),8.25(1H,t,J=6.1Hz),8.46(1H,d,J=8
.5Hz).
MS(APCI)m/z:1032(M+H)
+
【0178】
工程4:抗体−薬物コンジュゲート(2)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、製造方法1に記載した共通操作
C−1及び共通操作B(280nm吸光係数として1.37mLmg
−1cm
−1を使用
)を用いて、PBS6.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(3.0m
L)を15mLポリプロピレン製チューブに入れ、ここに10mMトリス(2−カルボキ
シエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP,東京化成工業株式会社)水溶液(0.0934
mL;抗体一分子に対して4.6当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(Naca
lai Tesque,Inc.;0.150mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±
0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内
ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベー
トした後に上記工程3で得た化合物を10mM含むDMSO溶液(0.187mL;抗体
一分子に対して9.2当量)を加え、22℃で40分間インキュベートし、薬物リンカー
を抗体へ結合させた。次に、N−アセチルシステイン(NAC,Sigma−Aldri
ch Co.LLC)水溶液(0.0374mL;抗体一分子に対して18.4当量)を
加え、さらに22℃で20分間インキュベートし、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、製造方法1に記載した共通操作D−1(緩衝液としてPBS6.0
を使用)を用いた精製を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得
た後、共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した。
特性評価:製造方法1に記載した共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:3.21mg/mL,抗体収量:22.5mg(75%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):2.6。
【0179】
実施例3 抗体−薬物コンジュゲート(3)
【化29】
【0180】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(3)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及びB(280
nm吸光係数として1.487mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6
.0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(1.25mL
)を1.5mLポリプロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP水溶液(0
.039mL;抗体一分子に対して4.6当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(
0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後
に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還
元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、DMSO(0.072mL)
と実施例2工程3の化合物を10mM含むDMSO溶液(0.078mL;抗体一分子に
対して9.2当量)を室温で加え、チューブ・ローテーターを用いて室温で40分攪拌し
、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.0155m
L;抗体一分子に対して18.4当量)を加え、さらに室温で20分間攪拌し、薬物リン
カーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、目
的の化合物を含有する溶液を6mL得た。さらに共通操作Aを使用して、溶液を濃縮した
後、共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:9.85mg/mL,抗体収量:6.9mg(55%),抗体一分子あたり
の薬物平均結合数(n):7.3。
【0181】
実施例4 抗体−薬物コンジュゲート(4)
【化30】
【0182】
工程1:N−[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)プロパノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9
S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ
−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ
[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4
−オキソブチル)グリシンアミド
実施例1の化合物(80mg,0.084mmoL)を、6−マレイミドヘキサン酸N
−スクシンイミジルの代わりに3−マレイミドプロピオン酸N−スクシンイミジル(24
.6mg,0.0924mmoL)を用いて、実施例2工程3と同様に反応させ、標記化
合物(60.0mg,73%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.89(3H,t,J=7.3H
z),1.70−1.78(2H,m),1.81−1.94(2H,m),2.12−
2.23(4H,m),2.42(3H,s),2.81(1H,dd,J=13.7,
9.8Hz),3.01−3.15(3H,m),3.16−3.23(2H,m),3
.30−3.35(1H,m),3.58−3.71(6H,m),3.71−3.79
(1H,m),4.44−4.51(1H,m),5.19(1H,d,J=19.0H
z),5.27(1H,d,J=19.0Hz),5.43(1H,d,J=17.6H
z),5.47(1H,d,J=17.6Hz),5.57−5.63(1H,m),6
.56(1H,s),7.02(2H,s),7.17−7.22(1H,m),7.2
2−7.30(5H,m),7.34(1H,s),7.73(1H,t,J=5.6H
z),7.83(1H,d,J=10.7Hz),8.08(1H,t,J=5.6Hz
),8.15(1H,d,J=7.8Hz),8.30(2H,dt,J=18.7,5
.7Hz),8.49(1H,d,J=8.8Hz).
MS(APCI)m/z:990(M+H)
+
【0183】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(4)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及びB(280
nm吸光係数として1.48mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.
0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(1mL)を1.
5mLポリプロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP水溶液(0.015
5mL;抗体一分子に対して2.3当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(0.0
50mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に、37
℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた
。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、DMSO(0.072mL)
と実施例2工程3の化合物を10mM含むDMSO溶液(0.031mL;抗体一分子に
対して4.6当量)を室温で加え、チューブ・ローテーターを用いて室温で40分間攪拌
し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.0078
mL;抗体一分子に対して9.2当量)を加え、さらに室温で20分間攪拌し、薬物リン
カーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、目
的の化合物を含有する溶液を6mL得た。共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.32mg/mL,抗体収量:7.9mg(79%),抗体一分子あたり
の薬物平均結合数(n):3.1。
【0184】
実施例5 抗体−薬物コンジュゲート(5)
【化31】
【0185】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(5)
抗体還元時の抗体に対するTCEPのモル比が4.6となるよう10mM TCEP水
溶液の添加量を調節し、薬物リンカー結合時の抗体に対する実施例4工程1の化合物のモ
ル比が9.2となるよう10mM薬物リンカー溶液の添加量を調節し、また、反応停止時
の抗体に対するNACのモル比が18.4となるよう100mM NAC水溶液の添加量
を調節し、実施例4工程2と同様の操作により、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有す
る溶液を6mL得、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.23mg/mL,抗体収量:7.4mg(74%),抗体一分子あたり
の薬物平均結合数(n):6.1。
【0186】
実施例6 抗体−薬物コンジュゲート(6)
【化32】
【0187】
工程1:N−{3−[2−(2−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H
−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}エトキシ)エトキシ]プロパノイル}グ
リシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9S)−9−エチル−
5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10
,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,
7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソブチル)グ
リシンアミド
実施例2工程2で得た化合物(100mg,0.119mmoL)を、トリエチルアミ
ンの代わりにジイソプロピルエチルアミン(20.8μL,0.119mmoL)を、6
−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジルの代わりに3−(2−(2−(3−マレイ
ンイミドプロパンアミド)エトキシ)エトキシ)プロパン酸N−スクシンイミジル(50
.7mg,0.119mmoL)を用いて、実施例2工程3と同様に反応させ、標記化合
物(66.5mg,48%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.85(3H,t,J=7.4H
z),1.65−1.74(2H,m),1.77−1.90(2H,m),2.07−
2.19(4H,m),2.30(2H,t,J=7.2Hz),2.33−2.36(
2H,m),2.38(3H,s),2.76(1H,dd,J=13.7,9.8Hz
),2.96−3.18(9H,m),3.42−3.44(4H,m),3.53−3
.76(10H,m),4.43(1H,td,J=8.6,4.7Hz),5.14(
1H,d,J=18.8Hz),5.23(1H,d,J=18.8Hz),5.38(
1H,d,J=17.2Hz),5.42(1H,d,J=17.2Hz),5.52−
5.58(1H,m),6.52(1H,s),6.98(2H,s),7.12−7.
17(1H,m),7.18−7.25(4H,m),7.29(1H,s),7.69
(1H,t,J=5.5Hz),7.78(1H,d,J=11.3Hz),7.98−
8.03(2H,m),8.11(1H,d,J=7.8Hz),8.16(1H,t,
J=5.7Hz),8.23(1H,t,J=5.9Hz),8.44(1H,d,J=
9.0Hz).
MS(APCI)m/z:1149(M+H)
+
【0188】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(6)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及びB(280
nm吸光係数として1.48mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.
0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(1.25mL)
を1.5mLポリプロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP水溶液(0.
019mL;抗体一分子に対して2.3当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(0
.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に
、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元
させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、DMSO(Sigma−Al
drich Co.LLC;0.109mL)と上記工程1の化合物を10mM含むDM
SO溶液(0.039mL;抗体一分子に対して4.6当量)を室温で加え、チューブ・
ローテーターを用いて室温で40分間攪拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、
100mM NAC水溶液(0.008mL)を加え、さらに室温で20分間攪拌し、薬
物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、目
的の化合物を含有する溶液を6mL得た。
特性評価:共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.76mg/mL,抗体収量:10.6mg(85%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):3.6。
【0189】
実施例7 抗体−薬物コンジュゲート(7)
【化33】
【0190】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(7)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及びB(280
nm吸光係数として1.48mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.
0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(1.25mL)
を1.5mLポリプロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP水溶液(0.
039mL;抗体一分子に対して4.6当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(0
.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に
、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元
させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、DMSO(0.072mL)
と実施例6工程1の化合物を10mM含むDMSO溶液(0.078mL;抗体一分子に
対して9.2当量)を室温で加え、チューブ・ローテーターを用いて室温で40分間攪拌
し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.0155
mL)を加え、さらに室温で20分間攪拌し、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、目
的の化合物を含有する溶液を6mL得た。
特性評価:共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.93mg/mL,抗体収量:11.6mg(93%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):6.9。
【0191】
実施例8 抗体−薬物コンジュゲート(8)
【化34】
【0192】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(8)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及びB(280
nm吸光係数として1.48mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.
0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(1.25mL)
を1.5mLポリプロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP水溶液(0.
039mL;抗体一分子に対して4.6当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(0
.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した後に
、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元
させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、DMSO(0.072mL)
と実施例6工程1の化合物を10mM含むDMSO溶液(0.078mL;抗体一分子に
対して9.2当量)を室温で加え、チューブ・ローテーターを用いて室温で40分間攪拌
し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.0155
mL)を加え、さらに室温で20分間攪拌し、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い
、目的の化合物を含有する溶液を5.7mL得た。
特性評価:共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.50mg/mL,抗体収量:8.55mg(86%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):6.2。
【0193】
実施例9 抗体−薬物コンジュゲート(9)
【化35】
【0194】
工程1:N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イ
ル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキソ−16−アザノナデカン−1−
オイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(4−{[(1S,9S)−9
−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3
,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,
4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−4−オキソ
ブチル)グリシンアミド
実施例2工程2で得た化合物(90mg,0.107mmoL)を、トリエチルアミン
の代わりにジイソプロピルエチルアミン(18.7μL,0.107mmoL)を、6−
マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジルの代わりに1−マレインイミド−3−オキソ
−7,10,13,16−テトラオキサ−4−アザノナデカン−19−酸N−スクシンイ
ミジル(55.1mg,0.107mmoL)を用いて、実施例2工程3と同様に反応さ
せ、標記化合物(50mg,37%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.85(3H,t,J=7.2H
z),1.64−1.74(2H,m),1.77−1.90(2H,m),2.06−
2.19(4H,m),2.27−2.32(2H,m),2.33−2.37(2H,
m),2.38(3H,s),2.72−2.80(3H,m),2.96−3.19(
6H,m),3.39−3.48(10H,m),3.52−3.75(10H,m),
4.39−4.48(1H,m),5.14(1H,d,J=18.8Hz),5.23
(1H,d,J=18.8Hz),5.38(1H,d,J=17.0Hz),5.42
(1H,d,J=17.0Hz),5.52−5.58(1H,m),6.52(1H,
s),6.98(1H,s),7.13−7.24(5H,m),7.29(1H,s)
,7.69(1H,t,J=5.5Hz),7.78(1H,d,J=10.9Hz),
7.98−8.03(2H,m),8.10(1H,d,J=7.8Hz),8.16(
1H,t,J=5.7Hz),8.23(1H,t,J=5.7Hz),8.44(1H
,d,J=8.6Hz).
MS(APCI)m/z:1237(M+H)
+
【0195】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(9)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び上記工程1で得た化合物を用いて、実施例6
工程2と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.75mg/mL,抗体収量:10.5mg(84%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):3.4。
【0196】
実施例10 抗体−薬物コンジュゲート(10)
【化36】
【0197】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(10)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び実施例9工程1で得た化合物を用いて、実施
例7工程1と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.79mg/mL,抗体収量:10.7mg(86%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):6.0。
【0198】
実施例11 中間体(11)
【化37】
【0199】
工程1:tert−ブチル [2−(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオ
ロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,1
5−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インド
リジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)エチル]カ
ーバメート
エキサテカンのメタンスルホン酸塩(3.10g,5.47moL)を、4−(ter
t−ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸の代わりに{2−[(tert−ブトキシカル
ボニル)アミノ]エトキシ}酢酸(J.Med.Chem.,1992年,35巻,29
28頁;1.55g,6.01mmol)を用いて、実施例1工程1と同様に反応させ、
標記化合物(2.56g,73%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.3H
z),1.26(9H,s),1.81−1.91(2H,m),2.13−2.22(
2H,m),2.40(3H,s),3.08−3.26(4H,m),3.43−3.
53(2H,m),4.00(1H,d,J=15.1Hz),4.05(1H,d,J
=15.1Hz),5.14(1H,d,J=18.7Hz),5.22(1H,d,J
=18.7Hz),5.40(1H,d,J=16.6Hz),5.44(1H,d,J
=16.6Hz),5.59−5.66(1H,m),6.53(1H,s),6.86
(1H,t,J=5.4Hz),7.31(1H,s),7.79(1H,d,J=10
.9Hz),8.49(1H,d,J=9.1Hz).
MS(APCI)m/z:637(M+H)
+
【0200】
工程2:2−(2−アミノエトキシ)−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオ
ロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,1
5−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インド
リジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アセトアミド
上記工程1で得た化合物(1.50g,2.36mol)を、実施例1工程2と同様に
反応させ、標記化合物のトリフルオロ酢酸塩(1.50g,定量的)を淡黄色固体として
得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.5H
z),1.81−1.92(2H,m),2.15−2.23(2H,m),2.41(
3H,s),3.05(2H,t,J=5.1Hz),3.15−3.23(2H,m)
,3.71(2H,t,J=5.1Hz),4.10(2H,s),5.19(1H,d
,J=18.7Hz),5.24(1H,d,J=18.7Hz),5.43(2H,s
),5.58−5.66(1H,m),6.55(1H,s),7.33(1H,s),
7.73−7.84(4H,m),8.55(1H,d,J=9.1Hz).
MS(APCI)m/z:537(M+H)
+
【0201】
実施例12 抗体−薬物コンジュゲート(12)
【化38】
【0202】
工程1:N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシルグリシル−L−フェニルアラニ
ル−N−[2−(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ
−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−
1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b
]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)エチル]グリシンアミド
実施例11工程2の化合物(554mg,0.85mmol)を、実施例2工程1と同
様に反応させ、標記化合物(775mg,95%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.85(3H,t,J=7.3H
z),1.36(9H,s),1.78−1.89(2H,m),2.13−2.22(
2H,m),2.39(3H,s),2.71(1H,dd,J=13.4,9.8Hz
),2.95(1H,dd,J=13.4,4.3Hz),3.09−3.23(1H,
m),3.23−3.32(2H,m),3.40−3.62(8H,m),3.73(
1H,dd,J=16.5,5.5Hz),4.03(2H,s),4.39−4.47
(1H,m),5.17(1H,d,J=18.9Hz),5.25(1H,d,J=1
8.9Hz),5.41(1H,d,J=16.8Hz),5.45(1H,d,J=1
6.8Hz),5.57−5.64(1H,m),6.54(1H,s),6.99(1
H,t,J=5.8Hz),7.13−7.26(5H,m),7.31(1H,s),
7.76−7.82(2H,m),7.90(1H,t,J=5.2Hz),8.13(
1H,d,J=7.9Hz),8.27(1H,t,J=5.8Hz),8.49(1H
,d,J=8.5Hz).
MS(APCI)m/z:955(M+H)
+
【0203】
工程2:グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[2−(2−{[(1S,9S
)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−
2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[
3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−
オキソエトキシ)エチル]グリシンアミド
上記工程1で得た化合物(630mg,0.659mmol)を、実施例2工程2と同
様に反応させ、標記化合物のトリフルオロ酢酸塩(588mg,92%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.3H
z),1.79−1.90(2H,m),2.13−2.22(2H,m),2.39(
3H,s),2.71(1H,dd,J=13.4,10.1Hz),2.99(1H,
dd,J=13.4,4.3Hz),3.09−3.23(1H,m),3.24−3.
32(3H,m),3.41−3.71(7H,m),3.86(1H,dd,J=16
.8,5.8Hz),4.04(2H,s),4.52(1H,td,J=9.0,4.
1Hz),5.17(1H,d,J=18.9Hz),5.25(1H,d,J=18.
9Hz),5.41(1H,d,J=16.5Hz),5.45(1H,d,J=16.
5Hz),5.56−5.65(1H,m),6.55(1H,s),7.13−7.2
6(5H,m),7.32(1H,s),7.80(1H,d,J=11.0Hz),7
.87−8.01(4H,m),8.29−8.36(2H,m),8.46−8.55
(2H,m).
MS(APCI)m/z:855(M+H)
+
【0204】
工程3:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[2−(2−{[(1
S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジ
オキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]
ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ
}−2−オキソエトキシ)エチル]グリシンアミド
上記工程2で得た化合物(240mg,0.247mmol)を、実施例2工程3と同
様に反応させ、標記化合物(162mg,62%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.6H
z),1.13−1.22(2H,m),1.40−1.51(4H,m),1.78−
1.90(2H,m),2.09(2H,t,J=7.6Hz),2.14−2.21(
2H,m),2.39(3H,s),2.74(1H,dd,J=13.6,9.7Hz
),2.96(1H,dd,J=13.6,4.5Hz),3.08−3.24(1H,
m),3.24−3.30(1H,m),3.33−3.40(4H,m),3.47−
3.68(7H,m),3.72(1H,dd,J=16.6,5.7Hz),4.03
(2H,s),4.42(1H,td,J=8.6,4.2Hz),5.17(1H,d
,J=18.7Hz),5.25(1H,d,J=18.7Hz),5.40(1H,d
,J=17.2Hz),5.44(1H,d,J=17.2Hz),5.57−5.64
(1H,m),6.52(1H,s),6.99(2H,s),7.13−7.25(5
H,m),7.31(1H,s),7.74−7.81(2H,m),7.99(1H,
t,J=5.7Hz),8.03−8.11(2H,m),8.22(1H,t,J=5
.7Hz),8.47(1H,d,J=9.1Hz).
MS(APCI)m/z:1048(M+H)
+
【0205】
工程4:抗体−薬物コンジュゲート(12)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び上記工程3で得た化合物を用いて、実施例6
工程2と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。さらに共通操作Aを
使用して、溶液を濃縮した後、共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:10.77mg/mL,抗体収量:7.5mg(60%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):3.7。
【0206】
実施例13 抗体−薬物コンジュゲート(13)
【化39】
【0207】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(13)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び実施例12工程3で得た化合物を用いて、実
施例7工程1と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。さらに共通操
作Aを使用して、溶液を濃縮した後、共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:10.69mg/mL,抗体収量:7.5mg(60%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):6.9。
【0208】
実施例14 中間体(14)
【化40】
【0209】
工程1:tert−ブチル (3−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9
−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘ
キサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ
[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−3−オキソプロピル)カーバメート
エキサテカンのメタンスルホン酸塩(500mg,0.941mmoL)を、4−(t
ert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸の代わりにN−(tert−ブトキシカル
ボニル)−β−アラニンを用いて、実施例1工程1と同様に反応させ、標記化合物(61
6mg,定量的)を黄茶色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.2H
z),1.29(9H,s),1.86(2H,dt,J=15.1,7.3Hz),2
.04−2.22(2H,m),2.31(2H,t,J=6.8Hz),2.40(3
H,s),3.10−3.26(4H,m),5.15(1H,d,J=18.8Hz)
,5.26(1H,d,J=19.2Hz),5.42(2H,dd,J=18.8,1
6.4Hz),5.57(1H,dt,J=8.5,4.2Hz),6.53(1H,s
),6.78(1H,t,J=5.5Hz),7.30(1H,s),7.80(1H,
d,J=11.0Hz),8.46(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:607(M+H)
+
【0210】
工程2:N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチ
ル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12
H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン
−1−イル]−β−アラニンアミド
上記工程1で得た化合物を、実施例1工程2と同様に反応させ、標記化合物のトリフル
オロ酢酸塩(499mg,86%)を黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.2H
z),1.86(2H,dquin,J=14.6,7.2,7.2,7.2,7.2H
z),2.06−2.27(1H,m),2.41(3H,s),2.46−2.57(
2H,m),3.08(2H,t,J=6.8Hz),3.14−3.24(2H,m)
,5.22(1H,d,J=18.8Hz),5.29(1H,d,J=18.8Hz)
,5.43(2H,s),5.58(1H,dt,J=8.5,4.5Hz),6.55
(1H,s),7.32(1H,s),7.74(3H,brs),7.82(1H,d
,J=11.0Hz),8.67(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:507(M+H)
+
【0211】
実施例15 抗体−薬物コンジュゲート(15)
【化41】
【0212】
工程1:N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシルグリシル−L−フェニルアラニ
ルグリシル−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−
メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,
12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノ
リン−1−イル]−β−アラニンアミド
実施例14工程2で得た化合物(484mg,0.780mmoL)を、実施例2工程
1と同様に反応させ、標記化合物(626mg,87%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4H
z),1.27−1.42(9H,m),1.77−1.93(2H,m),2.06−
2.22(2H,m),2.36(2H,t,J=7.2Hz),2.40(3H,d,
J=1.6Hz),2.44−2.54(2H,m),2.76(1H,dd,J=14
.5,10.2Hz),3.02(1H,dd,J=13.9,4.5Hz),3.12
−3.22(2H,m),3.52(6H,d,J=6.3Hz),4.42−4.54
(1H,m),5.19(1H,d,J=19.2Hz),5.26(1H,d,J=1
8.4Hz),5.42(1H,dd,J=18.4,16.4Hz),5.57(1H
,dt,J=8.7,4.4Hz),6.53(1H,s),6.98(1H,t,J=
5.9Hz),7.14−7.28(5H,m),7.31(1H,s),7.77−7
.84(1H,m),7.91(1H,t,J=5.5Hz),8.16(1H,d,J
=7.8Hz),8.27(1H,t,J=5.1Hz),8.52(1H,d,J=9
.0Hz).
【0213】
工程2:グリシルグリシル−L−フェニルアラニルグリシル−N−[(1S,9S)−9
−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3
,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,
4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−β−アラニンアミド
トリフルオロ酢酸塩
上記工程1で得た化合物(624mg,0.675mmoL)を、実施例2工程2と同
様に反応させ、標記化合物(626mg,92%)を黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4H
z),1.86(2H,tt,J=14.5,7.2Hz),2.07−2.22(2H
,m),2.36(2H,t,J=7.2Hz),2.40(3H,s),2.44−2
.54(2H,m),2.75(1H,dd,J=13.7,9.8Hz),3.04(
1H,dd,J=13.7,4.3Hz),3.12−3.22(2H,m),3.58
(2H,d,J=4.7Hz),3.69(3H,td,J=11.2,5.7Hz),
3.87(1H,dd,J=17.0,5.7Hz),4.54(1H,m,J=17.
8,4.5Hz),5.19(1H,d,J=19.2Hz),5.26(1H,d,J
=18.8Hz),5.43(2H,s),5.51−5.60(1H,m),6.55
(1H,s),7.14−7.29(5H,m),7.32(1H,s),7.81(1
H,d,J=10.9Hz),7.88(1H,t,J=5.7Hz),7.97(3H
,brs),8.29−8.38(2H,m),8.50(1H,t,J=5.7Hz)
,8.55(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:825(M+H)
+
【0214】
工程3:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニルグリシル−N−[(1S,9
S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ
−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ
[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−β−アラニ
ンアミド
上記工程2で得た化合物(60.0mg,0.0646mmoL)を、実施例2工程3
と同様に反応させ、標記化合物(14.0mg,21%)を固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.2H
z),1.12−1.22(2H,m),1.39−1.51(4H,m),1.79−
1.91(2H,m),2.02−2.20(2H,m),2.07(2H,t,J=7
.4Hz),2.30−2.42(4H,m),2.40(3H,s),2.78(1H
,dd,J=14.1,9.4Hz),3.02(1H,dd,J=14.7,4.9H
z),3.12−3.21(2H,m),3.26−3.42(2H,m),3.50−
3.80(6H,m),4.40−4.51(1H,m),5.19(1H,d,J=1
9.6Hz),5.26(1H,d,J=19.2Hz),5.42(2H,brs),
5.51−5.62(1H,m),6.53(1H,s),6.99(2H,s),7.
13−7.28(5H,m),7.31(1H,s),7.74−7.84(2H,m)
,8.01(1H,t,J=5.3Hz),8.06(1H,t,J=5.7Hz),8
.14(1H,d,J=8.2Hz),8.25(1H,t,J=5.7Hz),8.5
3(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:1018(M+H)
+
【0215】
工程4:抗体−薬物コンジュゲート(15)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及び共通操作B
(280nm吸光係数として1.37mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、PBS6
.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.0mL)を2mLチューブ
に採取し、10mM TCEP水溶液(0.0155mL;抗体一分子に対して2.3当
量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(0.050mL)を加えた。本溶液のpHが
7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることに
より、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベー
トした後に上記工程3で得た化合物を10mM含むDMSO溶液(0.0311mL;抗
体一分子に対して4.6当量)を加え、22℃で40分間インキュベートし、薬物リンカ
ーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.00622mL;抗体一
分子に対して9.2当量)を加え、さらに22℃で20分間インキュベートし、薬物リン
カーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてPBS6.0を使用)を用いた精製
を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.18mg/mL,抗体収量:7.08mg(71%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):2.0。
【0216】
実施例16 抗体−薬物コンジュゲート(16)
【化42】
【0217】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(16)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及び共通操作B
(280nm吸光係数として1.37mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、PBS6
.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.0mL)を2mLチューブ
に採取し、10mM TCEP水溶液(0.0311mL;抗体一分子に対して4.6当
量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(0.050mL)を加えた。本溶液のpHが
7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることに
より、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベー
トした後に実施例15工程3で得た化合物を10mM含むDMSO溶液(0.0622m
L;抗体一分子に対して9.2当量)を加え、22℃で40分間インキュベートし、薬物
リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.0124mL;抗
体一分子に対して18.4当量)を加え、さらに22℃で20分間インキュベートし、薬
物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてPBS6.0を使用)を用いた精製
を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.03mg/mL,抗体収量:6.18mg(62%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):3.8。
【0218】
実施例17 抗体−薬物コンジュゲート(17)
【化43】
【0219】
工程1:N−[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)プロパノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニルグリシル−N−[(1S,9
S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ
−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ
[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−β−アラニ
ンアミド
実施例15工程2で得た化合物(60.0mg,0.0646mmoL)を、6−マレ
イミドヘキサン酸N−スクシンイミジルの代わりに3−マレイミドプロピオン酸N−スク
シンイミジルを用いて、実施例2工程3と同様に反応させ、標記化合物(36.0mg,
57%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.4H
z),1.85(2H,dt,J=14.4,7.5Hz),2.05−2.22(2H
,m),2.40(3H,s),2.30−2.44(5H,m),2.73−2.84
(1H,m),3.02(1H,dd,J=13.9,4.5Hz),3.17(3H,
d,J=5.1Hz),3.26−3.40(2H,m),3.41−3.81(6H,
m),4.40−4.51(1H,m),5.19(1H,d,J=19.2Hz),5
.26(1H,d,J=18.8Hz),5.42(2H,brs),5.52−5.6
1(1H,m),6.53(1H,s),6.99(2H,s),7.13−7.28(
5H,m),7.31(1H,s),7.80(2H,d,J=10.2Hz),8.0
3(1H,t,J=5.5Hz),8.12(1H,d,J=8.2Hz),8.20−
8.31(2H,m),8.52(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:976(M+H)
+
【0220】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(17)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び上記工程1で得た化合物を用いて、実施例6
工程2と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.74mg/mL,抗体収量:10.4mg(83%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):3.7。
【0221】
実施例18 抗体−薬物コンジュゲート(18)
【化44】
【0222】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(18)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び実施例17工程1で得た化合物を用いて、実
施例7工程1と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.98mg/mL,抗体収量:11.9mg(95%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):6.6。
【0223】
実施例19 抗体−薬物コンジュゲート(19)
【化45】
【0224】
工程1:N−{3−[2−(2−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H
−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ})エトキシ]プロパノイル}グリシルグ
リシル−L−フェニルアラニルグリシル−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フル
オロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,
15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]イン
ドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−β−アラニンアミド
実施例15工程2で得た化合物(60.0mg,0.0646mmoL)を、6−マレ
イミドヘキサン酸N−スクシンイミジルの代わりに3−(2−(2−(3−マレインイミ
ドプロパンアミド)エトキシ)エトキシ)プロパン酸N−スクシンイミジルを用いて、実
施例2工程3と同様に反応させ、標記化合物(23.0mg,31%)を固体として得た
。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.4H
z),1.77−1.92(2H,m),2.07−2.21(2H,m),2.27−
2.42(6H,m),2.40(3H,s),2.74−2.84(1H,m),2.
97−3.06(1H,m),3.09−3.21(4H,m),3.25−3.39(
6H,m),3.45(4H,s),3.50−3.80(8H,m),4.41−4.
51(1H,m),5.19(1H,d,J=18.4Hz),5.26(1H,m,J
=18.4Hz),5.42(2H,brs),5.51−5.61(1H,m),6.
54(1H,s),7.00(2H,s),7.13−7.28(5H,m),7.31
(1H,s),7.74−7.87(2H,m),7.93−8.07(2H,m),8
.09−8.21(2H,m),8.26(1H,brs),8.54(1H,d,J=
8.6Hz).
MS(ESI)m/z:1135(M+H)
+
【0225】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(19)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び上記工程1で得た化合物を用いて、実施例6
工程2と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.60mg/mL,抗体収量:9.6mg(77%),抗体一分子あたり
の薬物平均結合数(n):1.9。
【0226】
実施例20 抗体−薬物コンジュゲート(20)
【化46】
【0227】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(20)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び実施例19工程1で得た化合物を用いて、実
施例7工程1と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.69mg/mL,抗体収量:10.1mg(81%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):3.0。
【0228】
実施例21 抗体−薬物コンジュゲート(21)
【化47】
【0229】
工程1:N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イ
ル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナンデカン−1
−オイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニルグリシル−N−[(1S,9S)−
9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,
3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’
,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−β−アラニンアミ
ド
実施例15工程2で得た化合物(60.0mg,0.0646mmoL)を、6−マレ
イミドヘキサン酸N−スクシンイミジルの代わりに1−マレインイミド−3−オキソ−7
,10,13,16−テトラオキサ−4−アザノナデカン酸N−スクシンイミジルを用い
て、実施例2工程3と同様に反応させ、標記化合物(23.0mg,29%)を固体とし
て得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.0H
z),1.85(2H,tt,J=14.6,7.1Hz),2.06−2.22(2H
,m),2.40(3H,s),2.28−2.43(6H,m),2.78(1H,d
d,J=13.7,9.4Hz),3.02(1H,dd,J=14.1,3.9Hz)
,3.09−3.22(4H,m),3.27−3.41(4H,m),3.47(12
H,d,J=8.6Hz),3.53−3.81(10H,m),4.41−4.51(
1H,m),5.19(1H,d,J=19.2Hz),5.26(1H,d,J=18
.8Hz),5.42(2H,brs),5.53−5.61(1H,m),6.54(
1H,s),7.00(2H,s),7.12−7.29(5H,m),7.31(1H
,s),7.74−7.85(2H,m),8.03(2H,d,J=6.6Hz),8
.11−8.21(2H,m),8.27(1H,t,J=5.9Hz),8.54(1
H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:1224(M+H)
+
【0230】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(21)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び上記工程1で得た化合物を用いて、実施例6
工程2と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.77mg/mL,抗体収量:10.6mg(85%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):3.2。
【0231】
実施例22 抗体−薬物コンジュゲート(22)
【化48】
【0232】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(22)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び実施例21工程1で得た化合物を用いて、実
施例7工程1と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.89mg/mL,抗体収量:11.3mg(90%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):6.2。
【0233】
実施例23 中間体(23)
【化49】
【0234】
工程1:tert−ブチル (6−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9
−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘ
キサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ
[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−6−オキソヘキシル)カーバメート
エキサテカンのメタンスルホン酸塩(0.500g,0.882mmoL)を、4−(
tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸の代わりに6−(tert−ブトキシカ
ルボニルアミノ)ヘキサン酸を用いて、実施例1工程1と同様に反応させ、標記化合物(
0.620g,定量的)を得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:0.83(3H,t,J=7.8Hz),1.14
−1.28(2H,m),1.31(9H,s),1.47−1.61(2H,m),1
.75−1.89(2H,m),2.04−2.17(4H,m),2.35(3H,s
),2.81−2.88(2H,m),3.09−3.16(2H,m),5.10(1
H,d,J=19.4Hz),5.16(1H,d,J=19.4Hz),5.39(2
H,s),5.48−5.55(1H,m),6.50(1H,s),6.73−6.7
8(1H,m),7.26(1H,s),7.74(1H,d,J=10.9Hz),8
.39(1H,d,J=9.0Hz).
【0235】
工程2:6−アミノ−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキ
シ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ
−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−
b]キノリン−1−イル]ヘキサンアミド
上記工程1で得た化合物(0.397g,0.611mmoL)を、実施例1工程2と
同様に反応させ、標記化合物のトリフルオロ酢酸塩(0.342g,84%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:0.88(3H,t,J=7.2Hz),1.31
−1.41(2H,m),1.52−1.70(4H,m),1.80−1.94(2H
,m),2.05−2.18(2H,m),2.21(2H,t,J=7.4Hz),2
.40(3H,s),2.81(2H,t,J=7.4Hz),3.10−3.25(2
H,m),3.33(2H,brs),5.18(1H,d,J=19.8Hz),5.
22(1H,d,J=19.8Hz),5.41(2H,d,J=16.6Hz),5.
45(2H,d,J=16.6Hz),5.53−5.60(1H,m),6.55(1
H,s),7.32(1H,s),7.80(1H,d,J=10.9Hz),8.49
(1H,d,J=9.2Hz).
【0236】
実施例24 抗体−薬物コンジュゲート(24)
【化50】
【0237】
工程1:N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシルグリシル−L−フェニルアラニ
ル−N−(6−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−
メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,
12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノ
リン−1−イル]アミノ}−6−オキソヘキシル)グリシンアミド
実施例23工程2で得た化合物(0.170g,0.516mmoL)を、実施例2工
程1と同様に反応させ、標記化合物(0.225g,91%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:0.88(3H,t,J=7.4Hz),1.43
−1.70(6H,m),1.87(2H,td,J=15.0,7.4Hz),2.1
0−2.22(3H,m),2.28−2.37(1H,m),2.42(3H,s),
2.78−2.85(1H,m),3.01−3.10(3H,m),3.15−3.2
2(2H,m),3.54−3.61(5H,m),3.62−3.69(1H,m),
4.44−4.53(1H,m),5.17(1H,d,J=19.2Hz),5.25
(1H,d,J=19.2Hz),5.45(2H,s),5.54−5.61(1H,
m),6.55(1H,s),7.02(1H,t,J=6.1Hz),7.11−7.
28(5H,m),7.33(1H,s),7.63−7.69(1H,m),7.82
(1H,d,J=11.0Hz),7.90−7.96(1H,m),8.17(1H,
d,J=7.8Hz),8.28(1H,t,J=5.5Hz),8.46(1H,d,
J=9.0Hz).
【0238】
工程2:グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(6−{[(1S,9S)−9
−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,
13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7
]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−6−オキソヘキシル)グ
リシンアミド
上記工程1で得た化合物(0.105g,0.108mmoL)を、実施例2工程2と
同様に反応させ、標記化合物(0.068mg,65%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:0.89(3H,t,J=7.4Hz),1.15
−1.67(6H,m),1.79−1.97(2H,m),2.08−2.24(4H
,m),2.42(3H,s),2.76−2.82(1H,m),3.00−3.10
(5H,m),3.19(1H,s),3.50−3.63(2H,m),3.64−3
.76(3H,m),3.84−3.92(1H,m),4.51−4.59(1H,m
),5.17(1H,d,J=19.4Hz),5.24(1H,d,J=19.4Hz
),5.44(2H,s),5.53−5.61(1H,m),6.55(1H,brs
),7.15−7.29(5H,m),7.33(1H,s),7.72−7.78(1
H,m),7.82(1H,d,J=11.0Hz),7.96−8.08(2H,m)
,8.30−8.38(2H,m),8.46−8.56(2H,m).
【0239】
工程3:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(6−{[(1S,9
S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−10,13−ジオキソ−2,3,9
,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’
:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−6−オキソヘキ
シル)グリシンアミド
上記工程2で得た化合物(58mg,0.060mmoL)を、実施例2工程3と同様
に反応させ、標記化合物(39mg,62%)を得た。
1H−NMR(CD
3OD)δ:0.99(3H,t,J=7.4Hz),1.27(2
H,td,J=11.6,6.1Hz),1.38−1.44(2H,m),1.50−
1.63(6H,m),1.65−1.80(2H,m),1.89−1.98(2H,
m),2.17−2.25(3H,m),2.26−2.36(3H,m),2.40(
3H,s),2.95(1H,dd,J=14.3,9.2Hz),3.12(1H,d
d,J=13.7,5.7Hz),3.15−3.25(4H,m),3.44(2H,
t,J=7.2Hz),3.65(1H,d,J=17.2Hz),3.76(1H,d
,J=17.2Hz),3.79−3.86(4H,m),4.43(1H,dd,J=
8.9,6.0Hz),5.10(1H,d,J=18.9Hz),5.25(1H,d
,J=18.9Hz),5.35(1H,d,J=16.6Hz),5.56(1H,d
,J=16.0Hz),5.60−5.64(1H,m),6.76(2H,s),7.
12−7.24(6H,m),7.58(1H,s),7.60(1H,d,J=10.
9Hz),7.68(1H,t,J=5.7Hz).
MS(ESI)m/z:1060(M+H)
+
【0240】
工程4:抗体−薬物コンジュゲート(24)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及び共通操作B
(280nm吸光係数として1.37mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、PBS6
.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(9.0mL)を50mLチュー
ブに採取し、10mM TCEP水溶液(0.140mL;抗体一分子に対して2.3当
量)及び1Mリン酸水素カリウム二水溶液(0.450mL)を加えた。本溶液のpHが
7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることに
より、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベー
トした後に上記工程3の化合物を10mM含むDMSO溶液(0.280mL;抗体一分
子に対して4.6当量)を加え、22℃で40分間インキュベートし、薬物リンカーを抗
体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.0559mL;抗体一分子に対
して9.2当量)を加え、さらに22℃で20分間インキュベートし、薬物リンカーの反
応を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてPBS7.4を使用)を用いた精製
を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を得た。
特性評価:共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:3.30mg/mL,抗体収量:53.5mg(59%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):1.7。
【0241】
実施例25 抗体−薬物コンジュゲート(25)
【化51】
【0242】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(25)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及び共通操作B
(280nm吸光係数として1.37mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、PBS6
.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(9.0mL)を50mLチュー
ブに採取し、10mM TCEP水溶液(0.280mL;抗体一分子に対して4.6当
量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(0.450mL)を加えた。本溶液のpHが
7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることに
より、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベー
トした後に実施例24工程3の化合物を10mM含むDMSO溶液(0.559mL;抗
体一分子に対して9.2当量)を加え、22℃で40分間インキュベートし、薬物リンカ
ーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.112mL;抗体一分子
に対して18.4当量)を加え、さらに22℃で20分間インキュベートし、薬物リンカ
ーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてPBS6.0を使用)を用いた精製
を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を得た。
特性評価:共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:10.65mg/mL,抗体収量:55.1mg(61%),抗体一分子あ
たりの薬物平均結合数(n):2.5。
【0243】
実施例26 抗体−薬物コンジュゲート(26)
【化52】
【0244】
工程1:({N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシル}ア
ミノ)メチルアセテート
N−9−フルオレニルメトキシカルボニルグリシルグリシン(4.33g,12.2m
mol)、テトラヒドロフラン(THF;120ml)、及びトルエン(40.0ml)
からなる混合物に、ピリジン(1.16ml,14.7mmol)及び四酢酸鉛(6.8
4g,14.7mmol)を加え、5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、
不溶物をセライト濾過によって除き、減圧下濃縮した。得られた残留物を酢酸エチルに溶
解し、水及び飽和食塩水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減
圧下で留去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ヘキサン:
酢酸エチル=9:1(v/v)〜酢酸エチル]にて精製し、標記化合物(3.00g,6
7%)を無色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:2.07(3H,s),3.90(2H
,d,J=5.1Hz),4.23(1H,t,J=7.0Hz),4.46(2H,d
,J=6.6Hz),5.26(2H,d,J=7.0Hz),5.32(1H,brs
),6.96(1H,brs),7.32(2H,t,J=7.3Hz),7.41(2
H,t,J=7.3Hz),7.59(2H,d,J=7.3Hz),7.77(2H,
d,J=7.3Hz).
【0245】
工程2:ベンジル [({N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]
グリシル}アミノ)メトキシ]アセテート
上記工程1で得た化合物(3.68g,10.0mmoL)及びベンジルグリコレート
(4.99g,30.0mmoL)のTHF(40.0mL)溶液に、カリウム ter
t−ブトキシド(2.24g,20.0mmoL)を0℃で加え、室温で15分間攪拌し
た。反応溶液に酢酸エチル、水を0℃で加え、酢酸エチル、クロロホルムで抽出し、得ら
れた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物を
ジオキサン(40.0mL)、水(10.0mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウム(1.
01g,12.0mmoL)、クロロギ酸9−フルオレニルメチル(2.59g,10.
0mmoL)を加え、室温で2時間攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出し
、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。溶媒を減圧留去し、得られた残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ヘキサン:酢酸エチル=100:0(v/
v)〜0:100]にて精製し、無色油状の標記化合物(1.88g,40%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:3.84(2H,d,J=5.5Hz)
,4.24(3H,t,J=6.5Hz),4.49(2H,d,J=6.7Hz),4
.88(2H,d,J=6.7Hz),5.15−5.27(1H,m),5.19(2
H,s),6.74(1H,brs),7.31−7.39(7H,m),7.43(2
H,t,J=7.4Hz),7.61(2H,d,J=7.4Hz),7.79(2H,
d,J=7.4Hz).
【0246】
工程3:[({N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシル}
アミノ)メトキシ]酢酸
上記工程2で得た化合物(1.88g,3.96mmoL)をエタノール(40.0m
L)、酢酸エチル(20.0ml)に溶解した。パラジウム炭素触媒(376mg)を加
え、水素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。不溶物をセライト濾過によって除き、溶媒を
減圧留去し、標記化合物(1.52g,定量的)を無色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:3.62(2H,d,J=6.3H
z),3.97(2H,s),4.18−4.32(3H,m),4.60(2H,d,
J=6.7Hz),7.29−7.46(4H,m),7.58(1H,t,J=5.9
Hz),7.72(2H,d,J=7.4Hz),7.90(2H,d,J=7.4Hz
),8.71(1H,t,J=6.5Hz).
【0247】
工程4:9H−フルオレン−9−イルメチル(2−{[(2−{[(1S,9S)−9−
エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,
9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4
’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエ
トキシ)メチル]アミノ}−2−オキソエチル)カーバメート
氷冷下、エキサテカンのメタンスルホン酸塩(0.283g,0.533mmoL)、
N−ヒドロキシスクシンイミド(61.4mg,0.533mmoL)、及び上記工程3
で得た化合物(0.205g,0.533mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(
10.0mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(92.9μL,0.53
3mmoL)及びN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.143g,0.69
3mmoL)を加え、室温で3日間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール:水=7:
3:1(v/v/v)の分配有機層]にて精製し、標記化合物(0.352g,82%)
を淡茶色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.81(3H,t,J=7.4H
z),1.73−1.87(2H,m),2.06−2.20(2H,m),2.34(
3H,s),3.01−3.23(2H,m),3.58(2H,d,J=6.7Hz)
,3.98(2H,s),4.13−4.25(3H,m),4.60(2H,d,J=
6.7Hz),5.09−5.22(2H,m),5.32−5.42(2H,m),5
.50−5.59(1H,m),6.49(1H,s),7.24−7.30(3H,m
),7.36(2H,t,J=7.4Hz),7.53(1H,t,J=6.3Hz),
7.66(2H,d,J=7.4Hz),7.75(1H,d,J=11.0Hz),7
.84(2H,d,J=7.4Hz),8.47(1H,d,J=8.6Hz),8.7
7(1H,t,J=6.7Hz).
MS(ESI)m/z:802(M+H)
+
【0248】
工程5:N−[(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ
−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−
1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b
]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)メチル]グリシンアミド
上記工程4で得た化合物(0.881g,1.10mmoL)のN,N−ジメチルホル
ムアミド(11.0mL)溶液に、ピペリジン(1.1mL)を加え、室温で2時間攪拌
した。溶媒を減圧留去し、標記化合物を含む混合物を得た。本混合物は、これ以上の精製
は行わずに次の反応に用いた。
【0249】
工程6:N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシルグリシル
−L−フェニルアラニル−N−[(2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ
−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15
−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリ
ジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)メチル]グリ
シンアミド
氷冷下、上記工程5で得た混合物(0.439mmoL)、N−ヒドロキシスクシンイ
ミド(0.101g,0.878mmoL)、及びN−[(9H−フルオレン−9−イル
メトキシ)カルボニル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニン(特開2002−60
351号;0.440g,0.878mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(50
.0mL)溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.181g,0.8
78mmoL)を加え、室温で4日間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=9:1
(v/v)]にて精製し、標記化合物(0.269g,58%)を淡橙色固体として得た
。
MS(ESI)m/z:1063(M+H)
+
【0250】
工程7:グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[(2−{[(1S,9S)−
9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,
3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’
,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキ
ソエトキシ)メチル]グリシンアミド
上記工程6で得た化合物(0.269g,0.253mmoL)のN,N−ジメチルホ
ルムアミド(4.00mL)溶液に、ピペリジン(0.251mL,2.53mmoL)
を加え、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、標記化合物を含む混合物を得た。本
混合物は、これ以上の精製は行わずに次の反応に用いた。
【0251】
工程8:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[(2−{[(1S,
9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキ
ソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラ
ノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−
2−オキソエトキシ)メチル]グリシンアミド
上記工程7で得た化合物(0.253mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(1
0.0mL)溶液に、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジル(0.156g,
0.506mmoL)を加え、室温で3日間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=
9:1(v/v)]にて精製し、標記化合物(0.100g,38%)を淡黄色固体とし
て得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.83(3H,t,J=7.2H
z),1.09−1.21(2H,m),1.33−1.47(4H,m),1.75−
1.90(2H,m),2.00−2.23(4H,m),2.36(3H,s),2.
69−2.81(1H,m),2.94−3.03(1H,m),3.06−3.22(
2H,m),3.23−3.74(6H,m),3.98(2H,s),4.39−4.
50(1H,m),4.60(2H,d,J=6.7Hz),5.17(2H,s),5
.39(2H,s),5.53−5.61(1H,m),6.50(1H,s),6.9
6(2H,s),7.11−7.24(5H,m),7.28(1H,s),7.75(
1H,d,J=11.0Hz),7.97(1H,t,J=5.7Hz),8.03(1
H,t,J=5.9Hz),8.09(1H,d,J=7.8Hz),8.27(1H,
t,J=6.5Hz),8.48(1H,d,J=9.0Hz),8.60(1H,t,
J=6.5Hz).
MS(ESI)m/z:1034(M+H)
+
【0252】
工程9:抗体−薬物コンジュゲート(26)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び上記工程8で得た化合物を用いて、実施例6
工程2と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.61mg/mL,抗体収量:9.7mg(77%),抗体一分子あたり
の薬物平均結合数(n):2.9。
【0253】
実施例27 抗体−薬物コンジュゲート(27)
【化53】
【0254】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(27)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び実施例26工程8で得た化合物を用いて、実
施例7工程1と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.58mg/mL,抗体収量:9.5mg(76%),抗体一分子あたり
の薬物平均結合数(n):5.6。
【0255】
実施例28 抗体−薬物コンジュゲート(28)
【化54】
【0256】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(28)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及びB(280
nm吸光係数として1.48mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.
0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(1.25mL)
を1.5mLポリプロピレン製チューブ2本に入れ、ここに10mM TCEP水溶液(
0.039mL;抗体一分子に対して4.6当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液
(0.0625mL)を加えた。本溶液のpHが7.4±0.1内であることを確認した
後に、37℃で1時間インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を
還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、DMSO(0.072mL)
と実施例26工程8の化合物を10mM含むDMSO溶液(0.078mL;抗体一分子
に対して9.2当量)を室温で加え、チューブ・ローテーターを用いて室温で40分間攪
拌し、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.015
5mL)を加え、さらに室温で20分間攪拌し、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い
、目的の化合物を含有する溶液を合わせ11.7mL得た。
特性評価:共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.60mg/mL,抗体収量:18.7mg(94%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):5.2。
【0257】
実施例29 抗体−薬物コンジュゲート(29)
【化55】
【0258】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(29)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及びB(280
nm吸光係数として1.48mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.
0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(6mL)をポリ
プロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP水溶液(0.108mL;抗体
一分子に対して2.5当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(0.091mL)を
加えた。本溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間イ
ンキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、DMSO(0.146mL)
と実施例26工程8の化合物を10mM含むDMSO溶液(0.193mL;抗体一分子
に対して4.5当量)を室温で加え、15℃で1時間インキュベートし、薬物リンカーを
抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.029mL)を加え、さらに
室温で20分間攪拌し、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、目
的の化合物を含有する溶液を24mL得た。
特性評価:共通操作E及びF(ε
D,280=5178(実測値)、ε
D,370=2
0217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.77mg/mL,抗体収量:42mg(85%),共通操作Eにて測定
された抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.0;共通操作Fにて測定された抗
体一分子あたりの薬物平均結合数(n):3.4。
【0259】
実施例30 抗体−薬物コンジュゲート(30)
【化56】
【0260】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(30)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及びB(280
nm吸光係数として1.48mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.
0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(6mL)をポリ
プロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP水溶液(0.215mL;抗体
一分子に対して5当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(0.094mL)を加え
た。本溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキ
ュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、実施例26工程8の化合物を
10mM含むDMSO溶液(0.370mL;抗体一分子に対して8.6当量)を室温で
加え、15℃で1時間インキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、10
0mM NAC水溶液(0.056mL)を加え、さらに室温で20分間攪拌し、薬物リ
ンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、目
的の化合物を含有する溶液を24mL得た。
特性評価:共通操作E及びF(ε
D,280=5178(実測値)、ε
D,370=2
0217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.92mg/mL,抗体収量:46mg(92%),共通操作Eにて測定
された抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):6.2;共通操作Fにて測定された抗
体一分子あたりの薬物平均結合数(n):7.1。
【0261】
実施例31 抗体−薬物コンジュゲート(31)
【化57】
【0262】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(31)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及びB(280
nm吸光係数として1.48mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.
0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(50.00mL
)をポリプロピレン製容器に入れ、撹拌下、室温で1Mリン酸水素二カリウム水溶液(0
.745mL)を加えた後、10mM TCEP水溶液(1.868mL;抗体一分子に
対して5.4当量)を加えた。本溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後
に、撹拌を停止し、37℃で1時間インキュベートすることにより、抗体内ヒンジ部のジ
スルフィド結合を還元した。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を15℃に冷却後、撹拌下、実施
例26工程8の化合物を10mM含むDMSO溶液(2.958mL;抗体一分子に対し
て8.6当量)をゆっくり滴下しながら加えた。15℃のまま、最初の30分間は撹拌し
、次の1時間は撹拌を停止させてインキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。
次に、撹拌下、100mM NAC水溶液(0.444mL)を加え、さらに室温で20
分間撹拌し、薬物リンカーの反応を停止させた。
精製:撹拌下、上記溶液に20%酢酸水(約0.25mL)とABS(50mL)をゆ
っくり加え、本溶液のpHを5.5±0.1にした。この溶液を精密ろ過(Millip
ore Co. Millex―HVフィルター、0.45μm、PVDF膜)して白濁
物を除いた。この溶液に対して、限外ろ過膜(メルク株式会社、Pellicon XL
Cassette、Biomax 50KDa)、チューブポンプ(米国コールパーマ
ー社マスターフレックスポンプ model 77521−40、ポンプヘッド mod
el 7518−00)及びチューブ(米国コールパーマー社マスターフレックスチュー
ブ L/S16)で構成された限外ろ過装置を用い、限外ろ過精製を行った。すなわち、
反応液に精製緩衝液としてABS(計800mL)を滴下しながら、限外ろ過精製を行う
ことで、未結合の薬物リンカー及び他の低分子量試薬を除去するとともに緩衝液をABS
へ置換し、さらに濃縮まで行った。得られた精製溶液に対して、精密ろ過(0.22μm
(Millipore Co. Millex―GVフィルター、PVDF膜)及び0.
10μm(Millipore Co. Millex―VVフィルター、PVDF膜)
)を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を得た。
特性評価:共通操作E及びF(ε
D,280=5178(実測値)、ε
D,370=2
0217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:11.28mg/mL,抗体収量:451mg(90%),共通操作Eにて
測定された抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):6.6;共通操作Fにて測定され
た抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):7.7。
【0263】
実施例32 (実施例26工程8の化合物の別途合成法)
【化58】
【0264】
工程1:tert−ブチル N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−
ピロール−1−イル)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニネート
氷冷下、tert−ブチル N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニ
ル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニネート(J.Pept.Res.,1999
年,53巻,393項;0.400g,0.717mmol)のTHF(12.0ml)
溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(0.400ml)を
加えて室温で4日間攪拌した後、更に6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジル(
0.221g,0.717mmoL)を加え、3時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希
釈し、10%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄後
、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去した後、得られた残留
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=
9:1(v/v)]にて精製し、標記化合物(0.295g,78%)を淡黄色固体とし
て得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:1.28−1.36(2H,m),1.
41(9H,s),1.57−1.71(4H,m),2.23(2H,t,J=7.6
Hz),3.09(2H,d,J=6.0Hz),3.51(2H,t,J=7.6Hz
),3.85−4.02(4H,m),4.69−4.78(1H,m),6.15(1
H,t,J=4.6Hz),6.33(1H,d,J=7.3Hz),6.60(1H,
t,J=5.0Hz),6.68(2H,s),7.10−7.16(2H,m),7.
22−7.31(3H,m).
MS(ESI)m/z:529(M+H)
+
【0265】
工程2:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニン
上記工程1で得た化合物(0.295g,0.558mmoL)のジクロロメタン(8
.00ml)溶液に、トリフルオロ酢酸(4.00mL)を加え、室温で18時間攪拌し
た。溶媒を減圧留去し、標記化合物(0.240g,91%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:1.15−1.23(2H,m),
1.40−1.53(4H,m),2.10(2H,t,J=7.6Hz),2.88(
1H,dd,J=13.7,8.9Hz),3.04(1H,dd,J=13.7,5.
0Hz),3.35−3.43(2H,m),3.58−3.77(4H,m),4.4
1(1H,td,J=7.8,5.0Hz),7.00(2H,s),7.16−7.3
1(5H,m),8.00(1H,t,J=5.7Hz),8.06(1H,t,J=5
.7Hz),8.13(1H,d,J=7.8Hz).
【0266】
工程3:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[(2−{[(1S,
9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキ
ソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラ
ノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−
2−オキソエトキシ)メチル]グリシンアミド
上記工程2で得た化合物(0.572g,1.21mmoL)をジクロロメタン(12
.0mL)に溶解し、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.152g,1.32mmoL
)、及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.
253g,1.32mmoL)を加えて1時間攪拌した。反応溶液を実施例26工程5で
得た混合物(1.10mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(22.0mL)溶液
に加え、室温で3時間攪拌した。反応溶液に10%クエン酸水溶液を加え、クロロホルム
で抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。溶媒を減圧留去し、得
られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メ
タノール=8:2(v/v)]にて精製し、標記化合物(0.351g,31%)を淡黄
色固体として得た。機器データは、実施例26工程8の化合物と同様であった。
【0267】
実施例33 (実施例26工程8の化合物の別途合成法)
【化59】
【0268】
工程1:ベンジル [({N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]
グリシル}アミノ)メトキシ]アセテート
実施例26工程1で得た化合物(7.37g,20.0mmoL)のTHF(200m
l)溶液に、ベンジルグリコレート(6.65g,40.0mmoL)、及びp−トルエ
ンスルホン酸一水和物(0.381g,2.00mmoL)を0℃で加え、室温で2時間
30分間攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出
し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。溶媒を減圧留去し、得られた
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ヘキサン:酢酸エチル=100:0(v
/v)〜0:100]にて精製し、標記化合物(6.75g,71%)を無色固体として
得た。機器データは、実施例26工程2の化合物と同様であった。
【0269】
工程2:N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニ
ン−N−{[(2−(ベンジルオキシ)−2―オキソエトキシ]メチル}グリシンアミド
上記工程1で得た化合物(6.60g,13.9mmoL)のN,N−ジメチルホルム
アミド(140mL)溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エ
ン(2.22g,14.6mmoL)を0℃で加え、室温で15分間攪拌した。反応溶液
に、N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニン(
6.33g,15.3mmoL)、N−ヒドロキシスクシンイミド(1.92g,16.
7mmoL)、及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩
酸塩(3.20g,16.7mmoL)のN,N−ジメチルホルムアミド(140mL)
溶液を、あらかじめ室温で1時間攪拌した後に加え、室温で4時間攪拌した。反応溶液に
0.1規定塩酸を加え、クロロホルムで抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥
し、ろ過した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=8:2(v/v)]にて精製し、標記化
合物(7.10g,79%)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:2.78(1H,dd,J=13.9,9.6Hz
),3.05(1H,dd,J=13.9,4.5Hz),3.56−3.80(6H,
m),4.15(2H,s),4.47−4.55(1H,m),4.63(2H,d,
J=6.6Hz),5.03(2H,s),5.15(2H,s),7.16−7.38
(15H,m),7.52(1H,t,J=5.9Hz),8.03(1H,t,J=5
.5Hz),8.17(1H,d,J=8.2Hz),8.36(1H,t,J=5.7
Hz),8.61(1H,t,J=6.6Hz).
【0270】
工程3:グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[(カルボキシメトキシ)メチ
ル]グリシンアミド
上記工程2で得た化合物(7.00g,10.8mmoL)のN,N−ジメチルホルム
アミド(216mL)溶液に、パラジウム炭素触媒(7.00g)を加え、水素雰囲気下
、室温で24時間攪拌した。不溶物をセライト濾過により除き、溶媒を減圧留去した。得
られた残留物を水に溶解し、不溶物をセライト濾過により除き、溶媒を減圧留去する操作
を2回繰り返し、標記化合物(3.77g,82%)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:2.84(1H,dd,J=13.7,9.8Hz
),3.08(1H,dd,J=13.7,4.7Hz),3.50−3.72(4H,
m),3.77−3.86(2H,m),3.87(2H,s),4.52−4.43(
1H,m),4.61(2H,d,J=6.6Hz),7.12−7.30(5H,m)
,8.43(1H,t,J=5.9Hz),8.54(1H,d,J=7.8Hz),8
.70(1H,t,J=6.3Hz),8.79(1H,t,J=5.5Hz).
【0271】
工程4:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[(カルボキシメトキ
シ)メチル]グリシンアミド
上記工程3で得た化合物(3.59g,8.48mmoL)のN,N−ジメチルホルム
アミド(85.0mL)溶液に、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジル(2.
88g,9.33mmoL)、及びトリエチルアミン(0.858g,8.48mmoL
)を加え、室温で1時間攪拌した。反応溶液に0.1規定塩酸を加え、クロロホルム、ク
ロロホルムとメタノールの混合溶媒[クロロホルム:メタノール=4:1(v/v)]で
抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。溶媒を減圧留去し、得ら
れた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタ
ノール:水=7:3:1(v/v/v)の分配有機層]にて精製し、標記化合物(3.7
0g,71%)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:1.13−1.24(2H,m),1.42−1.
53(4H,m),2.11(2H,t,J=7.4Hz),2.80(1H,dd,J
=13.7,9.8Hz),3.06(1H,dd,J=13.9,4.5Hz),3.
37(2H,t,J=7.2Hz),3.56−3.78(6H,m),3.97(2H
,s),4.46−4.53(1H,m),4.61(2H,d,J=6.3Hz),7
.00(2H,s),7.15−7.29(5H,m),8.03−8.20(3H,m
),8.32(1H,t,J=5.9Hz),8.60(1H,t,J=6.7Hz).
【0272】
工程5:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[(2−{[(1S,
9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキ
ソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラ
ノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−
2−オキソエトキシ)メチル]グリシンアミド
エキサテカンのメタンスルホン酸塩(1.14g,2.00mmoL)のN,N−ジメ
チルホルムアミド(40.0mL)溶液に、トリエチルアミン(0.202g,2.00
mmoL)、上記工程4で得た化合物(1.48g,2.40mmoL)、及び16.4
%含水の4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチル
モルホリニウムクロリド(0.993g,3.00mmoL)を0℃で加え、室温で1時
間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=8:2(v/v)]にて精製し、標記化合
物(1.69g,82%)を淡黄色固体として得た。機器データは、実施例26工程8の
化合物と同様であった。
【0273】
実施例34 中間体(34)
【化60】
【0274】
工程1:2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メ
チル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,1
2H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリ
ン−1−イル]アミノ}−2−オキソエチルアセテート
氷冷下、エキサテカンのメタンスルホン酸塩(0.500g,0.941mmoL)の
N,N−ジメチルホルムアミド(20.0mL)懸濁液に、N,N−ジイソプロピルエチ
ルアミン(0.492mL,2.82mmoL)及びアセトキシアセチルクロリド(0.
121ml,1.13mmoL)を加え、室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得
られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メ
タノール:水=7:3:1(v/v/v)の分配有機層]にて精製し、標記化合物(0.
505g,定量的)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4H
z),1.81−1.92(2H,m),2.08(3H,s),2.08−2.22(
2H,m),2.41(3H,s),3.14−3.21(2H,m),4.51(2H
,dd,J=19.4,14.7Hz),5.22(2H,dd,J=40.1,19.
0Hz),5.43(2H,s),5.56−5.61(1H,m),6.53(1H,
s),7.31(1H,s),7.81(1H,d,J=11.0Hz),8.67(1
H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:536(M+H)
+
【0275】
工程2:N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチ
ル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12
H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン
−1−イル]−2−ヒドロキシアセトアミド
上記工程1で得た化合物(0.504g,0.941mmoL)のメタノール(50.
0mL)懸濁液に、THF(20.0ml)及び1規定水酸化ナトリウム水溶液(4.0
0ml,4.00mmoL)を加え、室温で1時間攪拌した。1規定塩酸(5.00ml
,5.00mmoL)を加えて反応を停止し、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール:水=7
:3:1(v/v/v)の分配有機層]にて精製し、標記化合物(0.412g,89%
)を淡黄色固体として得た。抗体−薬物コンジュゲート(45)、(46)をマウスに投
与した際に、この化合物が腫瘍中で確認できた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.3H
z),1.78−1.95(2H,m),2.09−2.28(2H,m),2.39(
3H,s),3.07−3.27(2H,m),3.96(2H,d,J=6.0Hz)
,5.11−5.26(2H,m),5.42(2H,s),5.46−5.54(1H
,m),5.55−5.63(1H,m),6.52(1H,s),7.30(1H,s
),7.78(1H,d,J=10.9Hz),8.41(1H,d,J=9.1Hz)
.
MS(ESI)m/z:494(M+H)
+
【0276】
実施例35 (実施例34の化合物の別途合成法)
【化61】
【0277】
工程1:N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチ
ル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12
H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン
−1−イル]−2−ヒドロキシアセトアミド
グリコール酸(0.0201g,0.27mmoL)をN,N−ジメチルホルムアミド
(1.0mL)に溶解し、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.0302g,0.27m
moL)、及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
(0.0508g,0.27mmoL)を加えて1時間攪拌した。反応溶液をエキサテカ
ンのメタンスルホン酸塩(0.1g,0.176mmoL)のN,N−ジメチルホルムア
ミド(1.0mL)懸濁液に、トリエチルアミン(0.025mL,0.18mmoL)
を加え、室温で24時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=10:1(v/v)
]にて精製し、標記化合物(0.080g,92%)を淡黄色固体として得た。機器デー
タは、実施例34工程2で得た化合物と同様であった。
【0278】
実施例36 抗体−薬物コンジュゲート(36)
【化62】
【0279】
工程1:N−[4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)ブタノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニルグリシル−N−[(1S,9S
)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−
2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[
3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]−β−アラニン
アミド
実施例15の工程2で得た化合物(60.0mg,0.0646mmoL)を、6−マ
レイミドヘキサン酸N−スクシンイミジルの代わりに4−マレイミド酪酸N−スクシンイ
ミジルを用いて、実施例2工程3と同様に反応させ、標記化合物(24.0mg,38%
)を淡白色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.2H
z),1.68(2H,quin,J=7.4Hz),1.78−1.92(2H,m)
,2.06−2.22(2H,m),2.10(2H,t,J=7.8Hz),2.31
−2.43(2H,m),2.40(3H,s),2.78(1H,dd,J=13.7
,9.4Hz),3.01(1H,dd,J=13.7,4.7Hz),3.17(4H
,d,J=5.1Hz),3.29−3.40(2H,m),3.52−3.80(6H
,m),4.40−4.51(1H,m),5.19(1H,d,J=18.4Hz),
5.26(1H,d,J=18.8Hz),5.42(2H,s),5.52−5.61
(1H,m),6.53(1H,s),6.99(2H,s),7.12−7.28(5
H,m),7.31(1H,s),7.74−7.84(2H,m),8.02(1H,
t,J=5.9Hz),8.08−8.16(2H,m),8.25(1H,t,J=5
.9Hz),8.52(1H,d,J=8.2Hz).
MS(ESI)m/z:990(M+H)
+
【0280】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(33)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び上記工程1で得た化合物を用いて実施例6工
程2と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.75mg/mL,抗体収量:10.5mg(84%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):4.7。
【0281】
実施例37 抗体−薬物コンジュゲート(37)
【化63】
【0282】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(37)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び実施例36工程1で得た化合物を用いて、実
施例7工程1と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.89mg/mL,抗体収量:11.3mg(90%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):8.5。
【0283】
実施例38 中間体(38)
【化64】
【0284】
工程1:tert−ブチル (5−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9
−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘ
キサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ
[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−5−オキソペンチル)カーバメート
エキサテカンのメタンスルホン酸塩(500mg,0.941mmoL)を、4−(t
ert−ブトキシカルボニルアミノ)ブタン酸の代わりに5−(tert−ブトキシカル
ボニルアミノ)吉草酸を用いて、実施例1工程1と同様に反応させ、標記化合物(571
mg,96%)を黄茶色固体として得た。これ以上の精製はせず次の反応へ用いた。
MS(ESI)m/z:635(M+H)
+
【0285】
工程2:5−アミノ−N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキ
シ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ
−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−
b]キノリン−1−イル]ペンタンアミド
上記工程1で得た化合物(558mg,0.879mmoL)を、実施例1工程2と同
様に反応させ、標記化合物のトリフルオロ酢酸塩(363mg,64%)を黄色固体とし
て得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.88(3H,t,J=7.4H
z),1.52−1.71(4H,m),1.87(2H,tt,J=14.4,6.9
Hz),2.07−2.18(2H,m),2.22(2H,t,J=7.0Hz),2
.40(3H,s),2.76−2.88(2H,m),3.13−3.22(2H,m
),5.18(1H,d,J=18.8Hz),5.24(1H,d,J=18.8Hz
),5.43(2H,s),5.53−5.61(1H,m),6.55(1H,s),
7.33(1H,s),7.65(3H,br.s.),7.81(1H,d,J=11
.3Hz),8.49(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:535(M+H)
+
【0286】
実施例39 抗体−薬物コンジュゲート(39)
【化65】
【0287】
工程1:N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシルグリシル−L−フェニルアラニ
ル−N−(5−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−
メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,
12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノ
リン−1−イル]アミノ}−5−オキソペンチル)グリシンアミド
実施例38工程2で得た化合物(348mg,0.537mmoL)を、実施例2工程
1と同様に反応させ、標記化合物(429mg,84%)を淡黄色固体として得た。これ
以上の精製はせず次の反応へ用いた。
【0288】
工程2:グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(5−{[(1S,9S)−9
−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,
13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7
]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−5−オキソペンチル)グ
リシンアミド
上記工程1で得た化合物(427mg,0.448mmoL)を、実施例2工程2と同
様に反応させ、標記化合物のトリフルオロ酢酸塩(430mg,99%)を黄色固体とし
て得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.2H
z),1.38−1.49(2H,m),1.54−1.66(2H,m),1.86(
2H,tt,J=14.5,7.0Hz),2.08−2.16(2H,m),2.19
(2H,t,J=7.2Hz),2.40(3H,s),2.76(1H,dd,J=1
3.9,10.0Hz),3.00−3.12(3H,m),3.14−3.21(2H
,m),3.57(2H,d,J=4.7Hz),3.60−3.75(3H,m),3
.87(1H,dd,J=16.8,5.9Hz),4.55(1H,td,J=9.0
,4.7Hz),5.16(1H,d,J=18.8Hz),5.23(1H,d,J=
18.4Hz),5.44(2H,s),5.53−5.60(1H,m),6.55(
1H,s),7.14−7.29(5H,m),7.32(1H,s),7.74(1H
,t,J=5.5Hz),7.81(1H,d,J=10.9Hz),7.96(3H,
br.s.),8.30−8.37(1H,m),8.44−8.53(2H,m).
MS(ESI)m/z:853(M+H)
+
【0289】
工程3:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−(5−{[(1S,9
S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−10,13−ジオキソ−2,3,9
,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’
:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−5−オキソペン
チル)グリシンアミド
上記工程2で得た化合物(60.0mg,0.0621mmoL)を、実施例2工程3
と同様に反応させ、標記化合物(16.0mg,25%)を固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4H
z),1.13−1.21(2H,m),1.36−1.52(6H,m),1.53−
1.65(2H,m),1.79−1.92(2H,m),2.05−2.15(4H,
m),2.19(2H,s),2.40(3H,s),2.79(1H,dd,J=13
.7,10.2Hz),2.98−3.10(3H,m),3.12−3.21(2H,
m),3.29−3.37(2H,m),3.53−3.79(6H,m),4.41−
4.50(1H,m),5.16(1H,d,J=18.8Hz),5.23(1H,d
,J=18.8Hz),5.43(2H,s),5.52−5.60(1H,m),6.
53(1H,s),6.99(2H,s),7.12−7.28(5H,m),7.31
(1H,s),7.63(1H,t,J=5.7Hz),7.80(1H,d,J=10
.6Hz),8.02(1H,t,J=5.9Hz),8.08(1H,t,J=5.7
Hz),8.12(1H,d,J=7.8Hz),8.24(1H,t,J=5.7Hz
),8.45(1H,d,J=8.6Hz).
MS(ESI)m/z:1046(M+H)
+
【0290】
工程4:抗体−薬物コンジュゲート(39)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及び共通操作B
(280nm吸光係数として1.37mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、PBS6
.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.0mL)を2mLチューブ
に採取し、10mM TCEP水溶液(0.0155mL;抗体一分子に対して2.3当
量)及び1Mリン酸水素カリウム二水溶液(0.050mL)を加えた。本溶液のpHが
7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることに
より、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベー
トした後に上記工程3で得た化合物を10mM含むDMSO溶液(0.0311mL;抗
体一分子に対して4.6当量)を加え、22℃で40分間インキュベートし、薬物リンカ
ーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.00622mL;抗体一
分子に対して9.2当量)を加え、さらに22℃で20分間インキュベートし、薬物リン
カーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてPBS6.0を使用)を用いた精製
を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:1.12mg/mL,抗体収量:6.72mg(67%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):1.8。
【0291】
実施例40 抗体−薬物コンジュゲート(40)
【化66】
【0292】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(40)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及び共通操作B
(280nm吸光係数として1.37mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、PBS6
.0/EDTAにて10mg/mLに調製した。本溶液(1.0mL)を2mLチューブ
に採取し、10mM TCEP水溶液(0.0311mL;抗体一分子に対して4.6当
量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(0.050mL)を加えた。本溶液のpHが
7.4±0.1内であることを確認した後に、37℃で1時間インキュベートすることに
より、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を22℃で10分間インキュベー
トした後に実施例39工程3で得た化合物を10mM含むDMSO溶液(0.0622m
L;抗体一分子に対して9.2当量)を加え、22℃で40分間インキュベートし、薬物
リンカーを抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.0124mL;抗
体一分子に対して18.4当量)を加え、さらに22℃で20分間インキュベートし、薬
物リンカーの反応を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D−1(緩衝液としてPBS6.0を使用)を用いた精製
を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を6mL得た。
特性評価:共通操作Eを使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:0.98mg/mL,抗体収量:5.88mg(59%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):3.4。
【0293】
実施例41 抗体−薬物コンジュゲート(41)
【化67】
【0294】
工程1:tert−ブチル {2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−オキソエ
チル}カーバメート
N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシン(4.2g,24mmol)をジメチ
ルホルムアミド(40mL)に溶解し、アミノエタノール(2.9g,48mmol)、
1−ヒドロキシベンズトリアゾール(3.7g,24mmol)を加え、1−エチル−3
−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(6.9g,36mmoL)を
加えて室温で12時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残留物にトルエンを加えて共沸させ
、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル〜酢酸エチル:メ
タノール=10:1(v/v)]にて精製し、無色油状の標記化合物(3.8g,72%
)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:1.44(9H,s),1.69(1H
,brs),3.43(2H,td,J=5.9,5.1Hz),3.71(2H,t,
J=5.1Hz),3.79(2H,d,J=5.9Hz),5.22(1H,brs)
,6.62(1H,brs).
【0295】
工程2:2−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシル]アミノ}エチル4−
ニトロフェニルカーボネート
上記工程1で得た化合物(1.0g,4.59mmoL)のTHF(23mL)溶液に
、ジイソプロピルエチルアミン(0.80mL,4.59mmol)、炭酸ビス(4−ニ
トロフェニル)(1.32g,6.88mmoL)を加え、室温で12時間攪拌した。溶
媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[ヘキサン〜ヘ
キサン:酢酸エチル=1:3(v/v)]にて精製し、標記化合物(1.13g,64%
)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:1.44(1H,s),3.66(2H
,td,J=5.1,5.9Hz),3.81(2H,d,J=5.9Hz),4.36
(2H,t,J=5.1Hz),5.07(1H,s),6.48−6.53(1H,m
),7.38(2H,dt,J=9.9,2.7Hz),8.27(2H,dt,J=9
.9,2.7Hz).
【0296】
工程3:2−({[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]アセチル}アミノ)エチ
ル[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,
13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ
[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル
]カーバメート
エキサテカンのメタンスルホン酸塩(0.70g,1.2mmoL)、上記工程2で得
た化合物(0.57g,1.5mmoL)、1−ヒドロキシベンズトリアゾール(3.7
g,24mmol)にジメチルホルムアミド(23mL)を加え、ジイソプロピルエチル
アミン(0.43mL,2.5mmol)を加えて室温で12時間攪拌した。溶媒を減圧
留去し、残留物にトルエンを加えて共沸させ、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=10:1(v/v)]にて精
製し、標記化合物(0.86g,定量的)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4H
z),1.35(9H,s),1.78−1.94(1H,m),2.07−2.17(
1H,m),2.17−2.27(1H,m),2.37(3H,s),3.05−3.
16(1H,m),3.19−3.26(1H,m),3.34−3.39(2H,m)
,3.50−3.56(2H,m),4.00−4.07(1H,m),4.13−4.
21(1H,m),5.15−5.34(3H,m),5.44(2H,s),6.54
(1H,s),6.90−6.96(1H,m),7.32(1H,s),7.78(1
H,d,J=11.0Hz),7.93−8.07(2H,m).
【0297】
工程4:2−(グリシルアミノ)エチル[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−
9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−
ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジ
ノ[1,2−b]キノリン−1−イル]カーバメート
上記工程3で得た化合物(0.86g,2.1mmoL)をジクロロメタン(15mL
)に溶解した。トリフルオロ酢酸(15mL)を加えて1時間攪拌した。溶媒を減圧留去
し、残留物にトルエンを加えて共沸させ、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノ−ル:水=7:3:1(v/v/v)の
分配有機層]にて精製し、標記化合物(0.86g,99%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.2H
z),1.79−1.95(2H,m),2.06−2.18(1H,m),2.18−
2.29(1H,m),2.38(3H,s),3.07−3.17(1H,m),3.
20−3.29(1H,m),3.36−3.50(2H,m),3.51−3.62(
2H,m),3.99−4.08(1H,m),4.22−4.31(1H,m),5.
16−5.35(3H,m),5.42(1H,d,J=18.8Hz),5.46(1
H,d,J=18.8Hz),6.56(1H,s),7.34(1H,s),7.65
(2H,brs),7.79(1H,d,J=10.6Hz),7.99−8.06(1
H,m),8.51(1H,t,J=5.5Hz).
MS(APCI)m/z:939(M+H)
+
【0298】
工程5:N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシルグリシル
−L−フェニルアラニル−N−[2−({[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ
−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15
−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリ
ジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]カルバモイル}オキシ)エチル]グリシンアミ
ド
N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシルグリシル−L−
フェニルアラニン(特開2002−60351号;0.21g,0.41mmoL)をN
,N−ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.
052g,0.45mmoL)、及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミド塩酸塩(0.086g,0.45mmoL)を加えて1時間攪拌した。反
応溶液を上記工程4で得た化合物(0.24g,0.35mmol)、及びトリエチルア
ミン(0.078mL、0.45mmoL)を加えたN,N−ジメチルホルムアミド溶液
(2mL)に滴下し、室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノ−ル=8:2(
v/v)]にて精製し、標記化合物(0.24g,65%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.3H
z),1.79−1.90(2H,m),2.05−2.27(2H,m),2.36(
3H,s),2.73−2.81(1H,m),2.98−3.12(2H,m),3.
17−3.26(1H,m),3.35−3.42(2H,m),3.55−3.79(
6H,m),4.00−4.10(1H,m),4.12−4.23(2H,m),4.
23−4.29(2H,m),4.45−4.55(1H,m),5.13−5.33(
3H,m),5.40(1H,d,J=17.2Hz),5.44(1H,d,J=17
.2Hz),6.53(1H,s),7.11−7.26(5H,m),7.26−7.
33(3H,m),7.38(2H,t,J=7.6Hz),7.57(1H,t,J=
5.9Hz),7.68(2H,d,J=7.4Hz),7.77(1H,d,J=11
.0Hz),7.85(2H,d,J=9.0Hz),7.91−7.97(1H,m)
,7.98−8.05(2H,m),8.14(1H,d,J=7.8Hz),8.31
−8.26(1H,m).
MS(APCI)m/z:1063(M+H)
+
【0299】
工程6:グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[2−({[(1S,9S)−
9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,
3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’
,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]カルバモイル}オキ
シ)エチル]グリシンアミド
上記工程5で得た化合物(0.24g,0.35mmol)を、実施例26工程7と同
様に反応させ、標記化合物(0.12g,65%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.4H
z),1.78−1.94(2H,m),2.06−2.27(2H,m),2.37(
3H,s),2.72−2.81(1H,m),2.98−3.07(1H,m),3.
12−3.17(2H,m),3.57−3.81(6H,m),4.00−4.21(
3H,m),4.45−4.54(1H,m),5.15−5.35(3H,m),5.
41(1H,d,J=17.2Hz),5.45(1H,d,J=17.2Hz),6.
54(1H,s),7.11−7.26(6H,m),7.32(1H,s),7.78
(1H,d,J=11.0Hz),7.93−8.00(1H,m),8.03(1H,
d,J=9.4Hz),8.06−8.13(1H,m),8.21−8.27(2H,
m),8.30−8.36(1H,m).
MS(APCI)m/z:841(M+H)
+
【0300】
工程7:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)ヘキサノイル]グリシルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[2−({[(1S,
9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキ
ソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラ
ノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]カルバモイ
ル}オキシ)エチル]グリシンアミド
上記工程6で得た化合物(42.0mg,0.0499mmoL)を、実施例2工程3
と同様に反応させ、標記化合物(38.3mg,74%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.4H
z),1.12−1.23(2H,m),1.40−1.51(4H,m),1.80−
1.95(2H,m),2.05−2.27(4H,m),2.38(3H,s),3.
43−2.40(8H,m),3.53−3.78(6H,m),4.00−4.21(
2H,m),4.44−4.55(1H,m),5.17−5.36(3H,m),5.
43(2H,s),6.54(1H,s),6.99(2H,s),7.19(5H,d
,J=23.9Hz),7.33(1H,s),7.78(1H,d,J=10.6Hz
),7.91−8.16(5H,m),8.24−8.31(1H,m).
MS(ESI)m/z:1034(M+H)
+
【0301】
工程8:抗体−薬物コンジュゲート(41)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び上記工程7で得た化合物を用いて、実施例6
工程2と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.54mg/mL,抗体収量:9.2mg(74%),抗体一分子あたり
の薬物平均結合数(n):3.7。
【0302】
実施例42 抗体−薬物コンジュゲート(42)
【化68】
【0303】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(42)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び実施例41工程7で得た化合物を用いて、実
施例7工程1と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.47mg/mL,抗体収量:8.8mg(71%),抗体一分子あたり
の薬物平均結合数(n):7.0。
【0304】
実施例43 抗体−薬物コンジュゲート(43)
【化69】
【0305】
工程1:N−{3−[2−(2−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H
−ピロール1−イル)プロパノイル]アミノ}エトキシ)エトキシ]プロパノイル}グリ
シルグリシル−L−フェニルアラニル−N−[(2−{[(1S,9S)−9−エチル−
5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10
,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,
7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエトキシ)
メチル]グリシンアミド
実施例26工程6で得た化合物(53.7mg,50.5μmoL)をN,N−ジメチ
ルホルムアミド(1.50mL)に溶解し、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7
−ウンデセン(7.5μL,50.5μmoL)を加え、室温で30分攪拌した。反応溶
液にp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(14.0mg,5.56μmoL)を加えた
後、3−(2−(2−(3−マレインイミドプロパンアミド)エトキシ)エトキシ)プロ
パン酸N−スクシンイミジル(32.3mg,75.8μmoL)を加え、室温で2.2
5時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー[[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール:水=7:3:1(v/v/v)の分
配有機層]にて精製し、標記化合物(27.1mg,47%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:0.87(3H,t,J=7.0Hz),1.79
−1.91(2H,m),2.18(2H,t,J=15.1Hz),2.29−2.3
3(4H,m),2.39(3H,s),2.76(1H,dd,J=13.9,9.2
Hz),3.02(1H,dd,J=13.7,3.9Hz),3.13−3.15(2
H,m),3.44−3.46(6H,m),3.57−3.59(6H,m),3.6
9−3.75(6H,m),4.01(2H,s),4.46−4.48(1H,m),
4.63(2H,d,J=6.3Hz),5.21(2H,s),5.42(2H,s)
,5.60(1H,dd,J=13.5,5.7Hz),6.54(1H,s),7.0
0(2H,s),7.17−7.24(6H,m),7.31(1H,s),7.79(
1H,d,J=11.0Hz),8.00−8.02(2H,m),8.13(1H,d
,J=7.8Hz),8.17(1H,t,J=6.3Hz),8.52(1H,d,J
=9.0Hz),8.65(1H,t,J=6.5Hz).
MS(ESI)m/z=1151(M+H)
+
【0306】
工程2:抗体−薬物コンジュゲート(43)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び上記工程1で得た化合物を用いて、実施例7
工程1と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.96mg/mL,抗体収量:17.6mg(88%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):5.6。
【0307】
実施例44 抗体−薬物コンジュゲート(44)
【化70】
【0308】
工程1:tert−ブチル N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシルグリシル−
D−フェニルアラニンエート
N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシルグリシン(3.00g,11.3mm
oL)をN,N−ジメチルホルムアミド(20.0mL)に溶解し、N−ヒドロキシスク
シンイミド(1.43g,12.4mmoL)、及び1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(2.37g,12.4mmoL)を加えて1時間
攪拌した。その反応溶液にD-フェニルアラニンtert−ブチル(2.74g,12.3
8mmoL)及びトリエチルアミン(1.73mL,12.4mmoL)を加えたN,N
−ジメチルホルムアミド溶液(10mL)を滴下し、室温で2時間攪拌した。反応液にジ
クロロメタンを加え、水、1規定塩酸及び飽和重曹水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=9:1(v/v)]にて精製
し、標記化合物(4.21g,80%)を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl
3)δ:1.41(9H,s),3.03−3.14(2H,m
),3.86−3.97(4H,m),4.70−4.77(1H,m),5.13(2
H,s),5.43(1H,brs),6.42(1H,d,J=10.0Hz),6.
64−6.71(1H,m),7.11−7.15(2H,m),7.20−7.31(
4H,m),7.31−7.38(4H,m).
MS(APCI)m/z:470(M+H)
+
【0309】
工程2:N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシルグリシル−D−フェニルアラニ
ン
工程1で得た化合物(4.21g,8.97mmoL)を酢酸エチル(20mL)に溶
解し、4規定塩酸の酢酸エチル溶液(20.0mL)を加え、室温で一晩放置した。溶媒
を減圧下で留去した後、トルエンを加え、溶媒を減圧下で留去した。得られた残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール:水=7
:3:1(v/v/v)の分配有機層]にて精製し、標記化合物(1.66g,45%)
を無色固体として得た。
1H−NMR(CDCl
3)δ:2.92−3.01(1H,m),3.10−3.1
8(1H,m),3.65−3.81(3H,m),3.88−3.98(1H,m),
4.64−4.73(1H,m),5.06(2H,s),5.87(1H,brs),
7.10−7.37(13H,m).
MS(APCI)m/z:412(M+H)
−
【0310】
工程3:N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]グリシルグリシル−D−フェニルアラニ
ル−N−{[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエトキシ]メチル}グリシンアミド
実施例32工程1で得た化合物(1.25g,2.63mmoL)のジオキサン(25
.0mL)溶液に、ピペリジン(5.00mL)、N,N−ジメチルホルムアミド(5.
00mL)を加えて室温で30分間攪拌した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物を
N,N−ジメチルホルムアミド(20.0mL)に溶解した。上記工程2の化合物(1.
20g,2.90mmoL)、及び16.4%含水の4−(4,6−ジメトキシ−1,3
,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(1.03g,3.
16mmoL)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、水で洗浄
後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去した後、得られた残留
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=
9:1(v/v)]にて精製し、標記化合物(270mg,16%)を無色固体として得
た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:2.78(1H,dd,J=13.6,10.0H
z),3.05(1H,dd,J=13.9,4.2Hz),3.56−3.79(6H
,m),4.15(2H,s),4.47−4.54(1H,m),4.63(2H,d
,J=6.7Hz),5.03(2H,s),5.15(2H,s),7.14−7.3
9(15H,m),7.50(1H,t,J=5.7Hz),8.02(1H,t,J=
5.4Hz),8.16(1H,d,J=7.9Hz),8.34(1H,t,J=6.
0Hz),8.60(1H,t,J=7.0Hz).
MS(APCI)m/z:648(M+H)
+
【0311】
工程4:グリシルグリシル−D−フェニルアラニル−N−[(カルボキシメトキシ)メチ
ル]グリシンアミド
上記工程3で得た化合物(200mg,0.31mmoL)をN,N−ジメチルホルム
アミド(5.0mL)に溶解し、5%パラジウム炭素触媒(0.12g)を加え、水素雰
囲気下、室温で9時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、残留物を水とN,N−ジメチ
ルホルムアミドの混合溶媒で洗浄した。ろ液と洗液を合わせて減圧下で留去し、標記化合
物(0.15g,定量的)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:2.85(1H,dd,J=13.3,9.7Hz
),3.08(1H,dd,J=13.9,5.4Hz),3.43−3.52(4H,
m),3.62−3.89(7H,m),4.36−4.44(1H,m),4.58−
4.67(2H,m),7.12−7.29(5H,m),8.44(1H,t,J=5
.7Hz),8.67(1H,d,J=7.3Hz),8.78(1H,t,J=5.4
Hz),8.91(1H,brs).
MS(APCI)m/z:424(M+H)
+
【0312】
工程5:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)ヘキサノイル]グリシルグリシル−D−フェニルアラニル−N−[(カルボキシメトキ
シ)メチル]グリシンアミド
上記工程4で得た化合物(0.15g,0.35mmoL)をN,N−ジメチルホルム
アミド(10mL)に溶解し、6−マレイミドヘキサン酸N−スクシンイミジル(0.1
1g,0.35mmoL)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液にクロロホルムを加え
、水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去した後、得
られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロホルム〜クロロホルム:メ
タノール:水=7:3:1(v/v/v)の分配有機層]にて精製し、標記化合物(41
mg,26%)を無色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:1.13−1.24(2H,m),1.42−1.
53(4H,m),2.12(2H,t,J=7.3Hz),2.82(1H,dd,J
=13.9,10.0Hz),3.09(1H,dd,J=13.9,4.8Hz),3
.17(2H,d,J=4.2Hz),3.47−3.89(8H,m),4.08−4
.14(1H,m),4.41−4.49(1H,m),4.58−4.69(2H,m
),7.00(2H,s),7.14−7.27(5H,m),8.31(1H,t,J
=6.0Hz),8.39(1H,brs),8.55(2H,brs),8.93(1
H,brs).
MS(APCI)m/z:615(M−H)
−
【0313】
工程6:N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル
)ヘキサノイル]グリシルグリシル−D−フェニルアラニル−N−[(2−{[(1S,
9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキ
ソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラ
ノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−
2−オキソエトキシ)メチル]グリシンアミド
エキサテカンのメタンスルホン酸塩(22mg,0.388mmoL)のN,N−ジメ
チルホルムアミド(10mL)溶液に、トリエチルアミン(5.42μL、0.388m
moL)、上記工程5で得た化合物(29mg,0.466mmoL)、及び16.4%
含水の4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモ
ルホリニウムクロリド(19mg,0.686mmoL)を0℃で加え、室温で1時間攪
拌した。反応液を減圧下で留去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー[クロロホルム〜クロロホルム:メタノール:水=7:3:1(v/v/v)の分
配有機層]にて精製し、標記化合物(26mg,65%)を薄黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:0.87(3H,t,J=7.3Hz),1.12
−1.22(2H,m),1.40−1.51(4H,m),1.79−1.92(2H
,m),2.09(2H,t,J=7.6Hz),2.13−2.23(2H,m),2
.39(3H,s),2.78(1H,dd,J=13.6,9.4Hz),2.98−
3.05(1H,m),3.13−3.23(2H,m),3.54−3.78(8H,
m),4.02(2H,s),4.41−4.50(1H,m),4.61−4.66(
2H,m),5.21(2H,s),5.42(2H,s),5.56−5.64(1H
,m),6.53(1H,s),6.99(2H,s),7.14−7.27(5H,m
),7.31(1H,s),7.79(1H,d,J=10.9Hz),8.01(1H
,t,J=5.4Hz),8.07(1H,t,J=5.7Hz),8.14(1H,d
,J=7.9Hz),8.31(1H,t,J=5.7Hz),8.53(1H,d,J
=9.1Hz),8.63(1H,t,J=6.3Hz).
MS(APCI)m/z:1034(M+H)
+
【0314】
工程7:抗体−薬物コンジュゲート(44)
参考例1にて作製したトラスツズマブ及び上記工程6で得た化合物を用いて、実施例7
工程1と同様の方法により、標記抗体−薬物コンジュゲートを得た。
抗体濃度:1.87mg/mL,抗体収量:16.8mg(84%),抗体一分子あた
りの薬物平均結合数(n):6.1。
【0315】
実施例45 中間体(45)
【化71】
【0316】
工程1:tert−ブチル (2−{[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9
−ヒドロキシ−4−メチル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘ
キサヒドロ−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ
[1,2−b]キノリン−1−イル]アミノ}−2−オキソエチル)カーバメート
N−(tert−ブトキシカルボニル)−グリシン(0.395g,2.26mmoL
)のジクロロメタン(3.00mL)溶液に、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.26
0g,2.26mmoL)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド塩酸塩(0.433mg,2.26mmoL)を加え、室温で1時間撹拌した。こ
の溶液を、エキサテカンのメタンスルホン酸塩(1.00g,1.88mmoL)、トリ
エチルアミン(0.315mL,2.26mmoL)、及びN,N−ジメチルホルムアミ
ド(3.00mL)からなる溶液に加え、室温で16.5時間撹拌した。反応溶液をクロ
ロホルムで希釈し、10%クエン酸溶液で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[クロロ
ホルム〜クロロホルム:メタノール=9:1(v/v)]にて精製し、標記化合物(1.
16g,99%)を黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ:0.86(3H,t,J=7.2H
z),1.30(9H,s),1.81−1.89(2H,m),2.09−2.21(
2H,m),2.38(3H,s),3.15−3.17(2H,m),3.55−3.
56(2H,m),5.15(1H,d,J=18.8Hz),5.23(1H,d,J
=19.2Hz),5.41(2H,s),5.55−5.56(1H,m),6.53
(1H,s),6.95(1H,t,J=5.5Hz),7.28(1H,s),7.7
7(1H,d,J=11.0Hz),8.39(1H,d,J=8.6Hz).
MS(APCI)m/z:593(M+H)
+
【0317】
工程2:N−[(1S,9S)−9−エチル−5−フルオロ−9−ヒドロキシ−4−メチ
ル−10,13−ジオキソ−2,3,9,10,13,15−ヘキサヒドロ−1H,12
H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン
−1−イル]グリシンアミド
上記工程1で得た化合物(0.513g,1.01mmoL)を、実施例1工程2と同
様に反応させ、標記化合物(0.463g,93%)を黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CD
3OD)δ:0.96(3H,t,J=7.0Hz)
,1.89−1.91(2H,m),2.14−2.16(1H,m),2.30(3H
,s),2.40−2.42(1H,m),3.15−3.21(2H,m),3.79
−3.86(2H,m),4.63−4.67(1H,m),5.00−5.05(1H
,m),5.23(1H,d,J=16.0Hz),5.48(1H,d,J=16.0
Hz),5.62−5.64(1H,m),7.40−7.45(2H,m).
MS(APCI)m/z:493(M+H)
+
【0318】
実施例46 抗体−薬物コンジュゲート(46)
【化72】
【0319】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(46)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及びB(280
nm吸光係数として1.48mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.
0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(50mL)をポ
リカーボネート製の125mL三角フラスコ容器に入れ、マグネティックスターラー撹拌
下、室温で1Mリン酸水素二カリウム水溶液(0.750mL)を加えた後、10mM
TCEP水溶液(1.857mL;抗体一分子に対して5.4当量)を加えた。本溶液の
pHが7.0±0.1内であることを確認した後に、撹拌を停止し、37℃で1時間イン
キュベートすることにより、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元した。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を15℃に冷却後、撹拌下、実施
例26工程8の化合物を10mM含むDMSO溶液(2.958mL;抗体一分子に対し
て8.6当量)をゆっくり滴下して加えた。15℃で、最初の30分間は撹拌し、次の1
時間は撹拌を停止させてインキュベートし、薬物リンカーを抗体へ結合させた。次に、撹
拌下、100mM NAC水溶液(0.444mL;抗体一分子に対して12.9当量)
を加え、さらに室温で20分間撹拌し、未反応の薬物リンカーの反応性を停止させた。
精製:撹拌下、上記溶液に20%酢酸水(約0.25mL)とABS(50mL)をゆ
っくり加え、本溶液のpHを5.5±0.1にした。この溶液を精密ろ過(Millip
ore Co. Millex−HVフィルター、0.45μm、PVDF膜)して白濁
物を除いた。この溶液に対して、限外ろ過膜(メルク株式会社、Pellicon XL
Cassette、Biomax 50KDa)、チューブポンプ(米国コールパーマ
ー社マスターフレックスポンプ model 77521−40、ポンプヘッド mod
el 7518−00)及びチューブ(米国コールパーマー社マスターフレックスチュー
ブ L/S16)で構成された限外ろ過装置を用い、限外ろ過精製を行った。すなわち、
反応液に精製緩衝液としてABSを滴下しながら(計800mL)、限外ろ過精製を行う
ことで、未結合の薬物リンカー及び他の低分子量試薬を除去するとともに緩衝液をABS
へ置換し、さらに濃縮まで行った。得られた精製溶液に対して、精密ろ過(0.22μm
(Millipore Co. Millex―GVフィルター、PVDF膜)及び0.
10μm(Millipore Co. Millex―VVフィルター、PVDF膜)
)を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を42.5mL得た。
特性評価:共通操作E及びF(ε
D,280=5178(実測値)、ε
D,370=2
0217(実測値)を使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:10.4mg/mL,抗体収量:442mg(88.5%),共通操作Eに
て測定された抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):6.0;共通操作Fにて測定さ
れた抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):7.5。
【0320】
実施例47 抗体−薬物コンジュゲート(47)
【化73】
【0321】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(47)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及びB(280
nm吸光係数として1.48mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.
0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(15mL)をポ
リプロピレン製チューブに入れ、ここに10mM TCEP水溶液(0.567mL;抗
体一分子に対して5.5当量)及び1Mリン酸水素二カリウム水溶液(0.225mL)
を加えた。本溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に、37℃で2時間
インキュベートすることで、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元させた。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液へ、DMSO(0.146mL)
と実施例26工程8の化合物を10mM含むDMSO溶液(0.928mL;抗体一分子
に対して9.0当量)を室温で加え、15℃で30分間インキュベートし、薬物リンカー
を抗体へ結合させた。次に、100mM NAC水溶液(0.133mL;抗体一分子に
対して12.9当量)を加え、さらに室温で20分間攪拌し、未反応の薬物リンカーの反
応性を停止させた。
精製:上記溶液を、共通操作D(緩衝液としてABSを使用)を用いた精製を行い、目
的の化合物を含有する溶液を49mL得た。
特性評価:共通操作E(ε
D,280=5178、ε
D,370=20217を使用)
を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:2.91mg/mL,抗体収量:143mg(95%),抗体一分子あたり
の薬物平均結合数(n):6.2
【0322】
実施例48 抗体−薬物コンジュゲート(48)
【化74】
【0323】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(48)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及びB(280
nm吸光係数として1.48mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.
0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(280mL)を
ポリカーボネート製の1000mL三角フラスコ容器に入れ、マグネティックスターラー
撹拌下、室温で1Mリン酸水素二カリウム水溶液(4.200mL)を加えた後、10m
M TCEP水溶液(10.594mL;抗体一分子に対して5.5当量)を加えた。本
溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に撹拌を停止し、37℃で2時間
インキュベートすることにより、抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元した。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を15℃に冷却後、撹拌下、実施
例26工程8の化合物を10mM含むDMSO溶液(17.335mL;抗体一分子に対
して9.0当量)をゆっくり滴下して加えた。15℃で、30分間撹拌し、薬物リンカー
を抗体へ結合させた。次に、撹拌下、100mM NAC水溶液(2.485mL;抗体
一分子に対して12.9当量)を加え、さらに室温で20分間撹拌し、未反応の薬物リン
カーの反応性を停止させた。
精製:撹拌下、上記溶液に20%酢酸水(約1.4mL)とABS(280mL)をゆ
っくり加え、本溶液のpHを5.5±0.1とした。この溶液を精密ろ過(0.45μm
、PVDF膜)して白濁物を除き、ろ液を約600mL得た。この溶液に対して、限外ろ
過膜(メルク株式会社、Pellicon XL Cassette、Biomax 5
0KDa)、チューブポンプ(米国コールパーマー社マスターフレックスポンプ mod
el 77521−40、ポンプヘッド model 7518−00)及びチューブ(
米国コールパーマー社マスターフレックスチューブ L/S16)で構成された限外ろ過
装置を用い、限外ろ過精製を行った。すなわち、反応液に精製緩衝液としてABS(計4
800mL)を滴下しながら、限外ろ過精製を行うことで、未結合の薬物リンカー及び他
の低分子量試薬を除去するとともに緩衝液をABSへ置換し、さらに濃縮まで行った。得
られた精製溶液に対して、精密ろ過(0.22μm及び0.10μmの2回、PVDF膜
)を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を70mL得た。
特性評価:共通操作E(ε
D,280=5178
、ε
D,370=20217を使用)
を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:35.96mg/mL,抗体収量:2517mg(90%),抗体一分子あ
たりの薬物平均結合数(n):6.2
【0324】
実施例49 抗体−薬物コンジュゲート(49)
【化75】
【0325】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(49)
抗体の還元:参考例1にて作製したトラスツズマブを、共通操作C−1及びB(280
nm吸光係数として1.48mLmg
−1cm
−1を使用)を用いて、媒体をPBS6.
0/EDTAに置換し、10mg/mLの抗体濃度に調製した。本溶液(280mL)を
ポリカーボネート製の1000mL三角フラスコ容器に入れ、マグネティックスターラー
撹拌下、室温で1Mリン酸水素二カリウム水溶液(4.200mL)を加えた後、10m
M TCEP水溶液(10.594mL;抗体一分子に対して5.5当量)を加えた。本
溶液のpHが7.0±0.1内であることを確認した後に撹拌を停止し、37℃で2時間
インキュベートすることにより抗体内ヒンジ部のジスルフィド結合を還元した。
抗体と薬物リンカーのコンジュゲーション:上記溶液を15℃に冷却後、撹拌下、実施
例26工程8の化合物を10mM含むDMSO溶液(17.335mL;抗体一分子に対
して9.0当量)をゆっくり滴下して加えた。15℃で、30分間撹拌し、薬物リンカー
を抗体へ結合させた。次に、撹拌下、100mM NAC水溶液(2.485mL;抗体
一分子に対して12.9当量)を加え、さらに室温で20分間撹拌し、未反応の薬物リン
カーの反応性を停止させた。
精製:撹拌下、上記溶液に20%酢酸水(約1.4mL)とABS(280mL)をゆ
っくり加え、本溶液のpHを5.5±0.1とした。この溶液を精密ろ過(0.45μm
、PVDF膜)して白濁物を除き、ろ液を約600mL得た。この溶液に対して、限外ろ
過膜(メルク株式会社、Pellicon XL Cassette、Ultracel
l 30KDa)、チューブポンプ(米国コールパーマー社マスターフレックスポンプ
model 77521−40、ポンプヘッド model 7518−00)及びチュ
ーブ(米国コールパーマー社マスターフレックスチューブ L/S16)で構成された限
外ろ過装置を用い、限外ろ過精製を行った。すなわち、反応液に精製緩衝液としてABS
(計4800mL)を滴下しながら、限外ろ過精製を行うことで、未結合の薬物リンカー
及び他の低分子量試薬を除去するとともに緩衝液をABSへ置換し、さらに濃縮まで行っ
た。得られた精製溶液に対して、精密ろ過(0.22μm及び0.10μmの2回、PV
DF膜)を行い、標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を130mL得た。
特性評価:共通操作E(ε
D,280=5178
、ε
D,370=20217を使用)
を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:21.00mg/mL,抗体収量:2730mg(97.5%),抗体一分
子あたりの薬物平均結合数(n):6.3
【0326】
実施例50 抗体−薬物コンジュゲート(50)
【0327】
工程1:抗体−薬物コンジュゲート(50)
実施例47、48及び49で作製した抗体−薬物コンジュゲート(47)、(48)及
び(49)を混合し(243mL)、さらにABS(39.75mL)を加えることで、
標記抗体−薬物コンジュゲートを含有する溶液を283mL得た。
特性評価:共通操作E及びF(ε
D,280=5178
、ε
D,370=20217を
使用)を使用して、下記の特性値を得た。
抗体濃度:20.0mg/mL,抗体収量:5655mg,共通操作Eにて測定された
抗体一分子あたりの薬物平均結合数(n):6.3;共通操作Fにて測定された抗体一分
子あたりの薬物平均結合数(n):7.8。
【0328】
評価例1 抗体−薬物コンジュゲートの抗細胞効果(1)
HER2抗原陽性細胞のヒト乳癌株であるKPL−4(川崎医科大学・紅林淳一先生,B
ritish Journal of Cancer, (1999)79(5/6). 707-717)、抗原陰性細胞のMCF7(Eu
ropean Collection of Cell Cultures;ECACC
)は10%のウシ胎児血清(MOREGATE)を含むRPMI1640(GIBCO;
以下、培地)で培養した。KPL−4、MCF7を培地で2.5×10
4 Cells/
mLになるようにそれぞれ調製し、96穴細胞培養用マイクロプレートに100μLずつ
添加して一晩培養した。
翌日、培地で1000nM、200nM、40nM、8nM、1.6nM、0.32n
M、0.064nMに希釈したトラスツズマブ又は抗体−薬物コンジュゲートをマイクロ
プレートに10μLずつ添加した。抗体非添加ウェルには培地を10μLずつ添加した。
37℃、5%CO
2下で5乃至7日間培養した。培養後、マイクロプレートをインキュベ
ーターから取り出して室温で30分間静置した。培養液と等量のCellTiter−G
lo Luminescent Cell Viability Assay(Prom
ega)を添加して撹拌した。室温で10分間静置後にプレートリーダー(Perkin
Elmer)で発光量を計測した。IC
50値は次式で算出した。
IC
50(nM)=antilog((50−d)×(LOG
10(b)−LOG
10(
a))÷(d−c)+LOG
10(b))
a:サンプルaの濃度
b:サンプルbの濃度
c:サンプルaの生細胞率
d:サンプルbの生細胞率
各濃度における細胞生存率は次式で算出した。
細胞生存率(%)=a÷b×100
a:サンプルウェルの発光量の平均値(n=2)
b:抗体非添加ウェルの発光量の平均値(n=10)
【0329】
抗体−薬物コンジュゲート(2)、(3)、(5)、(7)、(10)、(12)、(
13)、(16)、(18)、(40)、(42)は、KPL−4細胞に対してIC
50
<0.1(nM)の抗細胞効果を示した。
抗体−薬物コンジュゲート(4)、(6)、(9)、(15)、(17)、(21)、
(22)、(25)、(36)、(37)、(39)、(41)、(43)は、0.1<
IC
50<1(nM)の抗細胞効果を示した。
抗体−薬物コンジュゲート(20)、(24)、(27)は、1<IC
50<100(
nM)の抗細胞効果を示した。抗体−薬物コンジュゲート(19)、(26)は抗細胞効
果を示さなかった(>100(nM))。
一方、MCF7細胞に対しては(5)、(13)、(43)が1<IC
50<100(
nM)の抗細胞効果を示したが、抗体−薬物コンジュゲート(2)、(3)、(4)、(
6)、(7)、(9)、(10)、(12)、(15)、(16)、(17)、(18)
、(25)、(26)、(27)、(39)、(40)、(41)、(42)、(44)
は抗細胞効果を示さなかった(>100(nM))。
また、トラスツズマブはKPL−4細胞、MCF7細胞ともに抗細胞効果を示さなかっ
た(>100(nM))。
【0330】
評価例2 抗腫瘍試験(1)
マウス:5−6週齢の雌ヌードマウス(日本チャールス・リバー株式会社)を実験使用
前にSPF条件下で4−7日間馴化した。マウスには滅菌した固形飼料(FR−2,Fu
nabashi Farms Co.,Ltd)を給餌し、滅菌した水道水(5−15p
pm次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加して調製)を与えた。
測定・計算式:全ての研究において、腫瘍の長径及び短径を電子式デジタルキャリパー
(CD−15CX,Mitutoyo Corp.)で1週間に2回測定し、腫瘍体積(
mm
3)を計算した。計算式は以下に示すとおり。
腫瘍体積(mm
3)=1/2×長径(mm)×[短径(mm)]
2
【0331】
抗体−薬物コンジュゲート及び抗体は全て生理食塩水(株式会社大塚製薬工場)で希釈
し、10mL/kgの液量を尾静脈内投与した。
KPL−4細胞を生理食塩水に懸濁し、1.5×10
7cellsを雌ヌードマウスの
右体側部に皮下移植し(Day0)、Day15に無作為に群分けを実施した。抗体−薬
物コンジュゲート(27)又は対照群として抗HER2抗体トラスツズマブ(参考例1)
をDay15、22に全て10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。コントロール群と
して無処置群を設定した。
【0332】
結果を
図3に示す。トラスツズマブの投与により腫瘍の増殖が抑制されたが、抗体−薬
物コンジュゲート(27)の投与では腫瘍増殖抑制効果はより顕著であった。なお、図中
、横軸は細胞移植後の日数、縦軸は腫瘍体積を示す。また、トラスツズマブ又は抗体−薬
物コンジュゲート(27)を投与されたマウスでは、体重減少等の特に目立った所見も無
く、抗体−薬物コンジュゲート(27)は高い安全性を有していると考えられる。なお、
以下の抗腫瘍試験に関する評価例において、特に記載のない場合、本評価例で使用した手
法で試験が実施されている。
【0333】
評価例3 抗腫瘍試験(2)
ATCC(American Type Culture Collection)か
ら購入したヒト胃癌株NCI−N87細胞を、生理食塩水に懸濁し1×10
7cells
を雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植し(Day0)、Day7に無作為に群分けを実
施した。抗体−薬物コンジュゲート(8)、(28)、又はトラスツズマブエムタンシン
(参考例2)をDay7に全て10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。コントロール
群として無処置群を設定した。
【0334】
結果を
図4に示す。抗体−薬物コンジュゲート(8)、(28)は、トラスツズマブエ
ムタンシンと同等の腫瘍の退縮を伴う強い抗腫瘍効果が認められた。また、抗体−薬物コ
ンジュゲート(8)、(28)、又はトラスツズマブエムタンシン投与によるマウスの体
重減少は認められなかった。
【0335】
評価例4 抗腫瘍試験(3)
DSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganism
en und Zellkulturen GmbH)から購入したヒト乳癌株JIMT−1
細胞を生理食塩水に懸濁して3×10
6cellsを雌ヌードマウスの右体側部に皮下移
植し(Day0)、Day12に無作為に群分けを実施した。抗体−薬物コンジュゲート
(8)、(29)、(30)、又はトラスツズマブ、トラスツズマブエムタンシンをDa
y12、19に全て10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。コントロール群として生
理食塩水投与群を設定した。
【0336】
結果を
図5に示す。JIMT−1腫瘍に対し、トラスツズマブ、トラスツズマブエムタ
ンシンの投与は腫瘍の増殖を抑制しなかった。一方、抗体−薬物コンジュゲート(8)、
(29)、(30)の投与により腫瘍の増殖は顕著に抑制された。また、抗体−薬物コン
ジュゲート(8)、(29)、(30)、トラスツズマブ、又はトラスツズマブエムタン
シン投与によるマウスの体重減少は認められなかった。
【0337】
評価例5 抗体−薬物コンジュゲートの抗細胞効果(2)
ヒト非小細胞肺癌株Calu−3(ATCC)は、10%のウシ胎児血清(MOREG
ATE)を含むEagle’s Minimum Essential Medium(
GIBCO;以下、MEM培地)で培養した。
ヒト胃癌株NCI−N87(ATCC)、ヒト胃癌株MKN−45(ヒューマンサイエ
ンス研究資源バンク)は、10%のウシ胎児血清を含むRPMI1640 Medium
(GIBCO;以下、RPMI培地)で培養した。
ヒト乳癌株MDA−MB−453(ATCC)、ヒト乳癌株MDA−MB−468(A
TCC)は、10%のウシ胎児血清を含むLeibovitz’s L−15 Medi
um(GIBCO;以下、Leibovitz’s培地)で培養した。
この5種類の細胞株のうち、Calu−3、NCI−N87、MDA−MB−453は
HER2陽性細胞、MKN−45及びMDA−MB−468はHER2陰性細胞である。
Calu−3、NCI−N87、MKN−45を、MEM培地又はRPMI培地で4×
10
4cells/mLになるように調製し、65μLの培地を入れた96穴細胞培養用
マイクロプレートに25μLずつ添加して、37℃、5% CO
2下で一晩培養した。ま
た、MDA−MB−453、MDA−MB−468を、Leibovitz’s培地で4
×10
4cells/mLになるように調製し、65μLの培地を入れた96穴細胞培養
用マイクロプレートに25μLずつ添加して、37℃、CO
2濃度設定なし下で一晩培養
した。
翌日、RPMI培地又はLeibovitz’s培地で1000nM、200nM、4
0nM、8nM、1.6nM、0.32nM、0.064nMに希釈した検体、さらにR
PMI培地又はLeibovitz’s培地を上記マイクロプレートに10μLずつ添加
し、37℃、5% CO
2又は37℃、CO
2濃度設定なし下で6日間培養した。
Calu−3、NCI−N87、MDA−MB−468には抗体−薬物コンジュゲート
(46)を、その他の細胞には抗体−薬物コンジュゲート(50)を検体として添加した
。培養後、マイクロプレートをインキュベーターから取り出して室温で30分間静置した
。培養液と等量のCellTiter−Glo Luminescent Cell V
iability Assay(Promega)を添加し、プレートミキサーで攪拌し
て細胞を完全に溶解した。室温で10分間静置後にプレートリーダーで発光量を計測した
。
生細胞率は次式で算出した。
生細胞率(%)=a÷b×100
a:検体添加ウェルの発光量の平均値
b:培地添加ウェルの発光量の平均値
IC
50値は次式で算出した。
IC
50(nM)=antilog((50−d)×(LOG
10(b)−LOG
10(
a))÷(d−c)+LOG
10(b))
a:検体濃度a
b:検体濃度b
c:検体濃度aにおける生細胞率
d:検体濃度bにおける生細胞率
a、bは生細胞率50%を挟む2点でa>b。
【0338】
抗体−薬物コンジュゲート(46)は、HER2陽性細胞Calu−3、NCI−N8
7に対してIC
50<1(nM)の抗細胞効果を示した。一方、HER2陰性細胞MDA
−MB−468に対しては抗細胞効果を示さなかった(>100(nM))。
【0339】
抗体−薬物コンジュゲート(50)は、HER2陽性細胞MDA−MB−453に対し
てIC
50<1(nM)の抗細胞効果を示した。一方、HER2陰性細胞MKN−45に
対しては抗細胞効果を示さなかった(>100(nM))。
【0340】
評価例6 抗腫瘍試験(4)
HER2低発現であるヒト膵臓癌株Capan−1細胞(ATCC)を生理食塩水に懸
濁して4×10
7cellsを雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植してCapan−1
固形腫瘍を作成した。その後、この固形腫瘍を雌ヌードマウス移植により複数回継代維持
して本試験に用いた。固形腫瘍の腫瘍片を雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植し(Da
y0)、Day20に無作為に群分けを実施した。
抗体−薬物コンジュゲート(31)、トラスツズマブ、又はトラスツズマブエムタンシ
ンをDay20に全て10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。コントロール群として
生理食塩水投与群を設定した。
結果を
図6に示す。Capan−1腫瘍に対し、トラスツズマブ、トラスツズマブエム
タンシンの投与は腫瘍の増殖を抑制しなかった。これに対し、抗体−薬物コンジュゲート
(31)の投与によって腫瘍の増殖は顕著に抑制され、HER2低発現腫瘍であっても抗
体−薬物コンジュゲート(31)の有効性が確認された。HER2非発現胃癌株GCIY
腫瘍に対しては抗体−薬物コンジュゲート(31)は腫瘍増殖抑制を示さなかった。
なお、腫瘍におけるHER2の発現に関し、HER2検査ガイド第三版(日本病理学会
、トラスツズマブ病理部会作成)に記載された免疫組織化学染色による測定結果に基づき
、スコアが3+であるものを高発現とし、2+を中発現、1+を低発現と各々分類した。
また、当該測定法においてスコアが0であっても、例えばフローサイトメーターによる測
定法等の他の測定法によって陽性である場合は低発現に分類した。
【0341】
評価例7 抗腫瘍試験(5)
ATCCから購入したヒト胃癌株NCI−N87細胞を、生理食塩水に懸濁して1×1
0
7cellsを雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植し(Day0)、Day6に無作
為に群分けを実施した。抗体−薬物コンジュゲート(50)をDay6に各群0.3、1
、3、10mg/kgの用量でそれぞれ尾静脈内投与した。コントロール群として酢酸緩
衝液投与群を設定した。
結果を
図7に示す。抗体−薬物コンジュゲート(50)は、投与量に依存した抗腫瘍効
果を示した。また、抗体−薬物コンジュゲート(50)投与によるマウスの体重減少は認
められなかった。
【0342】
評価例8 抗腫瘍試験(6)
本試験は以下の方法で実施された。
マウス:6−12週齢の雌ヌードマウス(チャールス・リバー社)を実験に供した。
測定、計算式:腫瘍の長径および短径を電子式デジタルキャリパーで1週間に2回測定
し、腫瘍体積(mm
3)を計算した。計算式は以下に示すとおり。
腫瘍体積(mm
3)=0.52×長径(mm)×[短径(mm)]
2
抗体−薬物コンジュゲート、トラスツズマブ、及びトラスツズマブエムタンシンは酢酸
緩衝液で希釈し、10mL/kgの液量を尾静脈内投与した。
【0343】
乳癌患者から摘出した腫瘍を雌ヌードマウスに移植することにより複数回継代維持した
腫瘍(ST225;South Texas AcceleratedResearchT
herapeutics(START)社)を本試験に用いた。この腫瘍はHER2中発
現(免疫組織化学染色による判定は2+)である。
固形腫瘍の腫瘍片を雌ヌードマウスの体側部に皮下移植し、腫瘍体積が100−300
mm
3に到達した時点で無作為に群分けを実施した。群分け日をDay0とし、Day0
に抗体−薬物コンジュゲート(50)、トラスツズマブ、又はトラスツズマブエムタンシ
ンをいずれも10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。コントロール群として酢酸緩衝
液投与群を設定した。
結果を
図8に示す。HER2中発現である乳癌ST225腫瘍に対し、トラスツズマブ
の投与は腫瘍の増殖を抑制しなかった。これに対し、トラスツズマエムタンシン又は抗体
−薬物コンジュゲート(50)の投与により腫瘍の増殖は顕著に抑制された。
【0344】
評価例9 抗腫瘍試験(7)
乳癌患者から摘出した腫瘍を雌ヌードマウスに移植することにより複数回継代維持した
腫瘍(ST910;START社)を本試験に用いた。この腫瘍はHER2低発現(免疫
組織化学染色による判定は1+)である。
固形腫瘍の腫瘍片を雌ヌードマウスの体側部に皮下移植し、腫瘍体積が100−300
mm
3に到達した時点で無作為に群分けを実施した。群分け日をDay0とし、Day0
に抗体−薬物コンジュゲート(50)、トラスツズマブ、又はトラスツズマブエムタンシ
ンをいずれも10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。コントロール群として酢酸緩衝
液投与群を設定した。
結果を
図9に示す。HER2低発現である乳癌ST910腫瘍に対し、トラスツズマブ
及びトラスツズマエムタンシンの投与は腫瘍の増殖を抑制しなかった。これに対し、抗体
−薬物コンジュゲート(50)の投与により腫瘍の増殖は顕著に抑制され、HER2低発
現乳癌腫瘍に対する抗体−薬物コンジュゲート(50)の有効性が確認された。なお、こ
の評価例9は評価例8と同一の手法で実施されている。
【0345】
評価例10 抗腫瘍試験(8)
本試験は以下の方法で実施された。さらに、評価例11〜13も本手法によって実施さ
れている。
マウス:5−8週齢の雌ヌードマウス(Harlan Laboratories社)
を実験に供した。
測定、計算式:腫瘍の長径および短径を電子式デジタルキャリパーで1週間に2回測定
し、腫瘍体積(mm
3)を計算した。計算式は以下に示すとおり。
腫瘍体積(mm
3)=0.52×長径(mm)×[短径(mm)]
2
抗体−薬物コンジュゲート、トラスツズマブ、及びトラスツズマブエムタンシンは酢酸
緩衝液で希釈し、10mL/kgの液量を尾静脈内投与した。
【0346】
大腸癌患者から摘出した腫瘍を雌ヌードマウスに移植することにより複数回継代維持し
た腫瘍(CTG−0401;CHAMPIONSONCOLOGY社)を本試験に用いた
。この腫瘍はHER2低中発現(免疫組織化学染色による判定は1+又は2+)である。
固形腫瘍の腫瘍片を雌ヌードマウスの左体側部に皮下移植し、腫瘍体積が100−30
0mm
3に到達した時点で無作為に群分けを実施した。群分け日をDay0とし、Day
0に抗体−薬物コンジュゲート(50)、トラスツズマブ、又はトラスツズマブエムタン
シンをいずれも10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。コントロール群として酢酸緩
衝液投与群を設定した。
結果を
図10に示す。HER2低中発現大腸癌CTG−0401腫瘍に対し、トラスツ
ズマブ又はトラスツズマエムタンシンの投与は腫瘍の増殖を抑制しなかった。これに対し
、抗体−薬物コンジュゲート(50)の投与により腫瘍の増殖は顕著に抑制された。
【0347】
評価例11 抗腫瘍試験(9)
非小細胞肺癌患者から摘出した腫瘍を雌ヌードマウス移植により複数回継代維持した腫
瘍(CTG−0860;CHAMPIONSONCOLOGY社)を本試験に用いた。こ
の腫瘍はHER2中発現(免疫組織化学染色による判定は2+)である。
固形腫瘍の腫瘍片を雌ヌードマウスの左体側部に皮下移植し、腫瘍体積が100−30
0mm
3に到達した時点で無作為に群分けを実施した。群分け日をDay0とし、Day
0に抗体−薬物コンジュゲート(50)、トラスツズマブ、又はトラスツズマブエムタン
シンをいずれも10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。コントロール群として酢酸緩
衝液投与群を設定した。
結果を
図11に示す。HER2中発現非小細胞肺癌CTG−0860腫瘍に対し、トラ
スツズマブ又はトラスツズマエムタンシンの投与は腫瘍の増殖を抑制しなかった。これに
対し、抗体−薬物コンジュゲート(50)の投与により腫瘍の増殖は顕著に抑制された。
【0348】
評価例12 抗腫瘍試験(10)
胆管癌患者から摘出した腫瘍を雌ヌードマウスに移植することにより複数回継代維持し
た腫瘍(CTG−0927;CHAMPIONSONCOLOGY社)を本試験に用いた
。この腫瘍はHER2高発現(免疫組織化学染色による判定は3+)である。
固形腫瘍の腫瘍片を雌ヌードマウスの左体側部に皮下移植し、腫瘍体積が100−30
0mm
3に到達した時点で無作為に群分けを実施した。群分け日をDay0とし、Day
0に抗体−薬物コンジュゲート(50)、トラスツズマブ、又はトラスツズマブエムタン
シンをいずれも10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。コントロール群として酢酸緩
衝液投与群を設定した。
結果を
図12に示す。HER2高発現胆管癌CTG−0927腫瘍に対し、トラスツズ
マブの投与は腫瘍の増殖を抑制しなかった。これに対し、トラスツズマブエムタンシンの
投与により腫瘍の増殖は抑制された。さらに抗体−薬物コンジュゲート(50)の投与は
腫瘍の退縮を誘導した。
【0349】
評価例13 抗腫瘍試験(11)
食道癌患者から摘出した腫瘍を雌ヌードマウスに移植することにより複数回継代維持し
た腫瘍(CTG−0137;CHAMPIONSONCOLOGY社)を本試験に用いた
。この腫瘍はHER2高発現(免疫組織化学染色による判定は3+)である。
固形腫瘍の腫瘍片を雌ヌードマウスの左体側部に皮下移植し、腫瘍体積が100−30
0mm
3に到達した時点で無作為に群分けを実施した。群分け日をDay0とし、Day
0に抗体−薬物コンジュゲート(50)、トラスツズマブ、又はトラスツズマブエムタン
シンをいずれも10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。コントロール群として酢酸緩
衝液投与群を設定した。
結果を
図13に示す。HER2高発現食道癌CTG−0137腫瘍に対し、トラスツズ
マブの投与は腫瘍の増殖を抑制しなかった。これに対し、トラスツズマブエムタンシン又
は抗体−薬物コンジュゲート(50)の投与により腫瘍の増殖は顕著に抑制された。
【0350】
評価例14 抗腫瘍試験(12)
ATCCから購入した、HER2高発現であるヒト卵巣癌株SK−OV−3細胞を生理
食塩水に懸濁して4×10
7cellsを雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植し、SK
−OV−3固形腫瘍を作成した。その後、この固形腫瘍を雌ヌードマウスに移植すること
により複数回継代維持して本試験に用いた。
固形腫瘍の腫瘍片を雌ヌードマウスの右体側部に皮下移植して腫瘍体積が100−30
0mm
3に到達した時点で無作為に群分けを実施した。群分け日をDay0とし、Day
0に抗体−薬物コンジュゲート(50)、トラスツズマブ、又はトラスツズマブエムタン
シンをいずれも10mg/kgの用量で尾静脈内投与した。コントロール群として生理食
塩水投与群を設定した。
結果を
図14に示す。SK−OV−3腫瘍に対し、トラスツズマブの投与は腫瘍の増殖
を抑制しなかった。これに対し、トラスツズマブエムタンシン又は抗体−薬物コンジュゲ
ート(50)の投与により腫瘍の増殖は顕著に抑制された。