特許第6105243号(P6105243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6105243
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】圧力制御弁
(51)【国際特許分類】
   F15B 5/00 20060101AFI20170316BHJP
   G05D 16/20 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   F15B5/00 B
   G05D16/20 C
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-212222(P2012-212222)
(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公開番号】特開2014-66308(P2014-66308A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2015年8月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】591124514
【氏名又は名称】株式会社アサヒ・エンタープライズ
(73)【特許権者】
【識別番号】504392474
【氏名又は名称】飯塚 博道
(74)【代理人】
【識別番号】100078145
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 修
(74)【代理人】
【識別番号】100076059
【弁理士】
【氏名又は名称】逢坂 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100086564
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 聖孝
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 博道
【審査官】 関 義彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭51−5462(JP,A)
【文献】 実開昭57−112912(JP,U)
【文献】 特開平7−110003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 5/00
G05D 16/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部の小孔から空気を噴射するノズルと、
前記ノズルの先端部と対向して配され、前記ノズルとの間のギャップが電磁コイルによって調整されるフラッパと、
前記ノズルに対して作動圧を印加する供給ポートと、
前記フラッパの背圧を出力圧として取出す出力ポートと、
前記出力ポートに生ずる出力圧を検出するとともに、該出力圧をコントローラに帰還する圧力センサと、
前記供給ポートと前記ノズルとの間に設けられ、しかも前記ノズルの基端側であって前記出力ポートに連通する部位に配されるエゼクタを有
前記エゼクタは前記ノズルの基端側であって供給圧を印加する該ノズルの入口に対向して配され、
前記供給ポートからの作動圧が前記エゼクタを通して前記ノズルの中心孔から噴射され、しかも前記フラッパが前記ノズルの先端部から離間すると、前記供給ポートと接続された前記エゼクタが前記出力ポートの空気を吸引して前記圧力センサの検出圧を負圧にする圧力制御弁。
【請求項2】
弁のケーシングを構成するブロックに前記出力ポートと前記供給ポートとが互いに軸線が平行に並置して形成され、しかも前記供給ポートの先端部に前記エゼクタが設けられる請求項1に記載の圧力制御弁。
【請求項3】
前記ブロックの前記供給ポートの先端部に小孔を形成した突部が設けられ、該突部によって前記エゼクタが形成され、該エゼクタは前記ノズルを挿入保持する挿通孔の後端側に収納され、しかも前記エゼクタを収納する位置で前記挿入孔と前記出力ポートとが連通孔によって連通され、前記連通孔に検出孔が形成され、該検出孔に前記圧力センサーが取付けられている請求項2に記載の圧力制御弁。
【請求項4】
前記フラッパがボビンに連結されるとともに、該ボビンに巻装された前記電磁コイルに前記コントローラから制御電流が印加されて該制御電流の大きさに応じて前記ノズルに対する前記フラッパの軸線方向の位置が制御されて前記ノズルと前記フラッパとの間のギャップが調整される請求項1に記載の圧力制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルとフラッパとの組合わせから成り、両者の間のギャップに応じて変化するノズルの背圧を出力圧として取出すようにした圧力制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、圧力制御弁としてノズル・フラッパから成る圧力制御弁が広く用いられている。この制御弁は、供給圧(作動圧)をノズルに印加し、このノズルの先端側の小孔から空気を噴射させるとともに、ノズルの先端部と対向して配されるフラッパのノズルに対するギャップを調整することによってノズルの背圧が変化することを利用するものである。ここでフラッパが完全に閉じられると、ノズルの背圧は供給圧(作動圧)に等しくなる。これに対してフラッパがノズルに対して無限大の距離だけ離間した場合には、ノズルが大気開放された状態となるために、理論上出力圧は0になる。そしてフラッパのノズルに対するギャップに応じて、ノズルの背圧として取出される出力圧は、供給圧(作動圧)から0までの間で変化する。
【0003】
ここで上記フラッパをボビンに取付け、このボビンに巻装されたコイルを磁気回路のエアギャップ内に配し、上記コイルに対して供給する電流を制御することによって、フォースモータあるいはリニアモータの原理によってフラッパとノズルとのギャップを、電磁コイルの電流に応じて調整することができ、これによって電空制御型の圧力制御弁が構成される。
【0004】
このようなリニアモータ型(フォースモータ型)の電空レギュレータは、10KHz以上のメカニカルな応答性があることが従来より知られている。この種の電空レギュレータにおいては、ノズル・フラッパによって電気信号を空気圧力に変換しており、ここの部分で発生する空気の流動抵抗によって、ノズルの背圧として取出される出力圧を完全に0にすることができず、上記空気抵抗による正の所定の圧力と、供給圧(作動圧)の間で圧力制御ができるのに止まっていた。すなわち従来の電空レギュレータは、出力圧を完全に0にすることができなかった。出力圧を0にするためにはブースタによる減算を行なわなければならないが、ブースタを用いると応答性が減衰するとともに、ヒステリシスの微少な増加が発生していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭57−112912号公報
【特許文献2】実開昭62−40301号公報
【特許文献3】特開2000−347745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明の課題は、ノズル・フラッパ型の圧力制御弁において、ノズルの背圧として取出される出力圧を負圧から正圧までの範囲内で任意に調整できる圧力制御弁を提供することである。
【0007】
本願発明の別の課題は、電磁コイルによってギャップが調整されるノズル・フラッパ型の圧力制御弁であって、高い応答性を有しながらしかも出力圧を負圧から正圧まで任意に調整できる高精度で高分解能の圧力制御弁を提供することである。
【0008】
本願発明の上記の課題および別の課題は、以下に述べる本願発明の技術的思想、およびその実施の形態によって明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の主要な発明は、
先端部の小孔から空気を噴射するノズルと、
前記ノズルの先端部と対向して配され、前記ノズルとの間のギャップが電磁コイルによって調整されるフラッパと、
前記ノズルに対して作動圧を印加する供給ポートと、
前記フラッパの背圧を出力圧として取出す出力ポートと、
前記出力ポートに生ずる出力圧を検出するとともに、該出力圧をコントローラに帰還する圧力センサと、
前記供給ポートと前記ノズルとの間に設けられ、しかも前記ノズルの基端側であって前記出力ポートに連通する部位に配されるエゼクタを有
前記エゼクタは前記ノズルの基端側であって供給圧を印加する該ノズルの入口に対向して配され、
前記供給ポートからの作動圧が前記エゼクタを通して前記ノズルの中心孔から噴射され、しかも前記フラッパが前記ノズルの先端部から離間すると、前記供給ポートと接続された前記エゼクタが前記出力ポートの空気を吸引して前記圧力センサの検出圧を負圧にする圧力制御弁に関するものである。
【0010】
ここで、弁のケーシングを構成するブロックに前記出力ポートと前記供給ポートとが互いに軸線が平行に並置して形成され、しかも前記供給ポートの先端部に前記エゼクタが設けられてよい。また前記ブロックの前記供給ポートの先端部に小孔を形成した突部が設けられ、該突部によって前記エゼクタが形成され、該エゼクタは前記ノズルを挿入保持する挿通孔の後端側に収納され、しかも前記エゼクタを収納する位置で前記挿入孔と前記出力ポートとが連通孔によって連通され、前記連通孔に検出孔が形成され、該検出孔に前記圧力センサーが取付けられてよい。また前記フラッパがボビンに連結されるとともに、該ボビンに巻装された前記電磁コイルに前記コントローラから制御電流が印加されて該制御電流の大きさに応じて前記ノズルに対する前記フラッパの軸線方向の位置が制御されて前記ノズルと前記フラッパとの間のギャップが調整されてよい。





【発明の効果】
【0011】
本願の主要な発明は、
先端部の小孔から流体を噴射するノズルと、
前記ノズルの先端部と対向して配され、前記ノズルとの間のギャップが電磁コイルによって調整されるフラッパと、
前記フラッパの背圧を出力圧として取出す出力ポートと、
前記ノズルの基端側であって前記出力ポートに連通する部位に配されるエゼクタと、
を有するものである。
【0012】
従ってこのような圧力制御弁によると、前記ノズルの基端側であって前記出力ポートに連通する部位に配されるエゼクタによって、出力ポートから流体を吸引し、これによって出力ポートの圧力を負圧にすることが可能になる。従って作動範囲が、上記ノズルに印加される作動圧からエゼクタによって生ずる出力ポートの負圧の範囲内で出力圧を制御することが可能になる。とくに従来不可能であった0から負圧までの圧力範囲での圧力制御が可能になり、制御される圧力の範囲が広くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施の形態に係る圧力制御弁の縦断面図である。
図2】同圧力制御弁のエゼクタを含む要部の拡大断面図である。
図3】本発明に係る圧力制御弁の作動範囲を示す線図である。
図4】圧力制御弁を用いたレーザ加工機の要部断面図である。
図5】圧力制御弁を用いた半導体ウエハ研磨装置の要部縦断面図である。
図6】同要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本願発明を図示の実施の形態によって説明する。本実施の形態の圧力制御弁は、その全体の構造が図1に示すようになっている。この圧力制御弁は、直方体状をなす鋼製のバルブブロック10を備えており、このバルブブロック10の右方には、右側面に開放された円形の凹部11が形成されている。そしてこの凹部11の中心部において、軸線が水平方向に延びる挿通孔12が左方に向って形成されており、この挿通孔12にはノズル13が挿入保持されている。なおノズル13は、挿通孔12に対して、ねじで螺着されている。そしてノズル13の先端側が円錐状に突出しており、その中心部にこのノズル13の中心孔16に連通する小孔14が形成されている。またバルブブロック10の凹部11には上方に向って連通口15が形成され、この連通口15によって凹部11内が大気開放されている。
【0015】
バルブブロック10の上記挿通孔12の左方には、挿通孔12と軸線が一致するように供給ポート19が形成されている。そして供給ポート19の先端側の部分には挿通孔12内に突出して突部20が形成され(図2参照)、しかもこの突部20の中心部には、上記ノズル13の基端側の端面に露出する中心孔16の入口部分と対向するように小孔21が形成されている。小孔21はノズル13の中心孔16より十分に小さく、エゼクタ22を構成している。また挿通孔12の基端側の部分であってエゼクタ22を構成する突部20の外周側のリング状凹部には圧縮コイルばね23が配されており、この圧縮コイルばね23が上記ノズル13を右方に押圧してねじのバックラッシュを除去している。
【0016】
上記挿通孔12には図1に示すように上方に分岐して連通孔24が形成され、この連通孔24の屈曲した先端部と連通するようにバルブブロック10に出力ポート25が形成されている。出力ポート25の軸線は、上記供給ポート19の軸線と平行になっている。また連通孔24には、上方に延びて検出孔26が形成され、この検出孔26に圧力センサ27が取付けられている。
【0017】
このような構成に係る圧力制御弁が、図1に示すように、ムービングコイル型のフラッパ38の駆動機構と組合わされている。すなわち上記バルブブロック10に対してその右方には、カップ状ケーシング32が配されている。カップ状ケーシング32の内部空間は上記バルブブロック10の凹部11と連通するようになっている。そしてカップ状ケーシング32の中心部にはセンターポール33が配されるとともに、このセンターポール33と重なるようにマグネット34が取付けられ、マグネット34がカップ状のヨーク35の底部に取付けられている。そしてセンターポール33とヨーク35との間のリング状の隙間の部分に挿入されたボビン36に電磁コイル37が巻装されており、この電磁コイル37によってムービングコイル型のリニアモータを構成している。そして上記ボビン36の先端側の部分にディスクスプリング38が取付けられている。ディスクスプリング38は、その中心側の部分が上記ノズル13の小孔14と対向するようになっており、これによってノズル・フラッパ型の圧力制御弁を構成するようにしている。なおディスクスプリング38には開口39が適宜形成され、これによってディスクスプリング38の両側での圧力差をなくすようにしており、カップ状ケーシング32内の内圧をこの開口39を通して上記バルブブロック10の凹部11および連通口15を介して大気開放状態にしている。
【0018】
上記出力ポート25の検出孔26に取付けられた圧力センサ27は、コントローラ43に接続されており、圧力センサ27の電気的な出力をコントローラ43に供給するようになっている。なおコントローラ43には、出力圧の目標値が入力される。そしてコントローラ43はその出力電流を電磁コイル37に供給するようになっている。
【0019】
次に図1および図2に示す圧力制御弁の動作について説明する。供給ポート19から供給圧(作動圧)がこの圧力制御弁に対して印加される。すなわち例えば500KPaの一定圧力が印加される。この圧力は、エゼクタ22を介して挿通孔12の左端側の空間に印加され、ノズル13の中心孔16から先端側の小孔14を通して勢いよく噴射され、フラッパ38の中心部に空気を吹付ける。ここでフラッパ38がノズル13の小孔14を完全に閉じている場合には、挿通孔12と連通する連通孔24を通して出力ポート25から取出される出力圧は、供給圧(作動圧)に等しく、例えば500KPaになる。これに対してフラッパ38がノズル13の先端部から大きく離間している場合には、ノズル13は凹部11および連通口15によって大気開放されるために、その背圧が理論上大気圧に等しく0KPaになる。実際には、ノズル13の中心孔16や小孔14によって通気抵抗が発生し、またフラッパ38とノズル13との間のギャップによって通気抵抗が発生して、通気抵抗に伴う圧力差によって、0よりも若干大きな出力圧を出力ポート25に生ずる。従ってフラッパ38のノズル13に対するギャップを調整することによって、上記0よりも若干大きな圧力から供給圧と等しい圧力の範囲内で、ノズル13の背圧として取出される出力圧を調整することができる。これが電空制御型の圧力制御弁の基本動作である。
【0020】
本実施の形態においては、ディスクスプリング38から成るフラッパが完全にノズル13の小孔14を開放した状態、すなわちフラッパ38がノズル13の先端部から大きく離間した状態において、供給ポート19と接続されたエゼクタ22が連通孔24内の空気を吸引するために、出力ポート25の出力圧が大気圧、すなわち0KPaよりも低い値になり、これによって出力圧力が負圧に維持される。
【0021】
このようにエゼクタ22を供給ポート19の先端側であって連通孔12の基端側においてノズル13の中心孔16の入口部分に対向するように設けているために、図3に示すように、従来の圧力制御弁に比べて本発明に係る圧力制御弁は、とくに低圧側での制御範囲が拡大することになる。エゼクタ22の性能にもよるが、本実施の形態の圧力制御弁においては、例えば−20KPaの程度の値まで圧力を下げることが可能になっている。
【0022】
このような制御範囲での圧力の制御動作を説明する。図1に示す圧力制御弁の右側の圧力制御部のセンターポール33、マグネット34、ヨーク35が磁気回路を構成し、センターポール33の外周部とヨーク35の内周部との間のリング状空間が磁気回路のエアギャップになる。この部分にボビン36上に巻装された電磁コイル37が配されている。この電磁コイル37に電流を流すと、ボビン36が軸線方向、すなわち図1において左右の方向に移動され、これによってディスクスプリング38から成るフラッパのノズル13に対する位置を調整することが可能になる。すなわちフラッパ38をノズル13から大きく離した位置から、ノズル13の小孔14をほとんど閉塞する範囲まで移動させることによって、出力ポート25に生ずる出力圧を変更することが可能になる。なお電磁コイル37の制御は、コントローラ43によって行なわれ、しかもコントローラ43には、出力ポート25の出力圧を検出孔26に取付けられた圧力センサ27を介して取出すようにしているために、出力ポート25の出力圧がコントローラ43を介して電磁コイル37に帰還され、いわゆるフィードバック制御が行なわれている。
【0023】
このように本実施の形態に係る圧力制御弁は、図1において右方に取付けられたフォースモータのコイル37に供給する電流を変えることによって、ノズル13の背圧である出力圧を制御することが可能になる。ここで供給ポート19からの供給圧をエゼクタ22を構成する突部20の小孔21を通して出力ポート25と連通する挿通孔12のノズル13の端部の中心孔16の入口部分に噴射しているために、ノズル・フラッパの背圧として取出される出力圧が0あるいはマイナス(−20KPa位まで)下げることができ、出力圧の制御範囲が0KPaよりもマイナス側にまで拡がることになる。すなわち出力圧の下端側のレンジが0からマイナス側に拡大するようになる。
【0024】
次にこのような電磁制御弁45の使用例について図4により説明する。図4は、レーザ加工機に適用したものであって、レーザ光源50からのレーザ光を反射鏡51によって反射してステージ53上のワーク54に照射し、レーザエネルギによってワーク54の加工を行なうようにしている。
【0025】
ここでレーザ光源50からのレーザ光を反射する反射鏡51はカップ状ケーシング52の開口端に取付けられている。そして上記カップ状ケーシング52の内部の圧力を電磁制御弁45によって制御するようにしており、これによって反射鏡51の曲率を調整し、反射鏡51によるレーザ光の集束と拡散とを制御するようにしている。すなわち反射鏡51の微小な変形を利用し、レーザ光源50からのレーザ光の集束の度合い、エネルギ強度、および拡がりを制御するようにしている。
【0026】
次に電磁制御弁45を用いた半導体ウエハの研磨装置について図5および図6により説明する。ここでは、ステージ58上に載置台59を介して薄い円盤状の半導体ウエハ60が載置される。そして半導体ウエハ60上には円盤状の研磨パッド61が載せられる。そしてこの研磨パッド61を、中に空気を充填したバルーン62および押え板63を介して押圧パッド64で押圧しながら、図6に示すように、半導体ウエハ60に対して研磨パッド61を自転させながら公転させ、これによって半導体ウエハ60の表面をまんべんなく研磨するようにしている。
【0027】
研磨の際に、半導体ウエハ60の表面と研磨パッド61の下面との間に、研磨材のスラリを供給するようにしている。またバルーン62内の空気圧を、電磁制御弁45によって制御するようにしている。この電磁制御弁45の供給ポートには、空気圧源46から高圧の空気が印加され、この電磁制御弁45の出力圧がバルーン62に印加され、バルーン62の内圧の調整によって半導体ウエハ60の表面の研磨量がコントロールされる。
【0028】
このようにバルーン62内の空気圧を、電磁制御弁45で微妙に調整することによって、所望の研磨を半導体ウエハ6の表面に施すことが可能になる。なお半導体ウエハ60の研磨の場合には、バルーン62の内圧が、例えば−20〜+50KPaの範囲内で調整されることになる。
【0029】
以上本願発明を図示の実施の形態によって説明したが、本願発明は上記実施の形態によって限定されることなく、本願発明の技術的思想の範囲内において各種の変更が可能である。例えば上記実施の形態におけるノズル13やフラッパ38の構成、あるいはまたエゼクタ22の寸法や性能等については、各種の設計変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本願発明は、レーザ加工機、半導体ウエハの研磨装置等に用いられる電磁制御弁として広く利用することが可能である。
【符号の説明】
【0031】
10 バルブブロック
11 凹部
12 挿通孔
13 ノズル
14 小孔
15 連通口
16 中心孔
19 供給ポート
20 突部
21 小孔
22 エゼクタ
23 圧縮コイルばね
24 連通孔
25 出力ポート
26 検出孔
27 圧力センサ
32 カップ状ケーシング
33 センターポール
34 マグネット
35 ヨーク
36 ボビン
37 電磁コイル
38 ディスクスプリング(フラッパ)
39 開口
43 コントローラ
45 電磁制御弁
46 空気圧源
50 レーザ光源
51 反射鏡
52 カップ状ケーシング
53 ステージ
54 ワーク
58 ステージ
59 載置台
60 半導体ウエハ
61 研磨パッド
62 バルーン
63 押え板
64 押圧パッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6