(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記監視部によって通信不能であることが検知された後、前記監視部によって通信可能な状態であることが検知されると、記憶された前記作業情報を前記携帯通信端末を介して前記サーバーへ送信する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の作業機。
前記監視機能によって通信不能であることが検知された後、前記監視機能によって通信可能な状態であることが検知されると、記憶された前記作業情報を前記携帯通信端末を介して前記サーバーへ送信する追送機能をコンピュータに実現させる請求項5または6に記載のアプリケーションプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、作業機から携帯通信端末を介してサーバーに作業情報を逐次送信しているため、作業機と携帯通信端末とサーバーとの間の通信経路中で通信が途絶した場合、作業情報の記録が行われないおそれがあった。
【0005】
このような実情に鑑み、作業機と携帯通信端末とサーバーとの間の通信経路中で通信が途絶した場合であっても作業情報の記録を行うことができる作業機、及び、アプリケーションプログラムの提供が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る作業機は、
対地作業を実行する作業部と、
携帯通信端末を介して外部のサーバーと通信可能な通信部と、
前記通信部と前記携帯通信端末との間の通信状態を監視する監視部と、
前記作業部により実行された作業情報を記憶可能な記憶部と、
前記監視部によって前記通信部と前記携帯通信端末とが通信可能であることが検知されると、前記作業情報
に、前記携帯通信端末及び前記通信部を介して前記サーバーから取得した作業対象圃場の圃場IDと前記携帯通信端末によって取得されたGPS位置情報を関連付けて、前記通信部及び前記携帯通信端末を介して前記サーバーへ送信し
続け、前記監視部によって前記通信部と前記携帯通信端末とが通信不能であることが検知されると、前記作業情報
に、仮に設けた仮圃場ブロック番号と時間情報とを関連付けて、前記記憶部に記憶させ
続ける制御部と、が備えられているものである。
【0007】
本発明によると、作業機の通信部と携帯通信端末との間の通信状態が監視部によって監視される。監視部によって作業機の通信部と携帯通信端末とが通信可能であることが検知されている場合には、作業部により実行された作業に関する作業情報は、通信部及び携帯通信端末を介してサーバーへ送信され、サーバー側に記憶される。そして、監視部によって通信部と携帯通信端末とが通信不能であることが検知された場合には、作業情報は、作業機の記憶部に記憶される。このため、例えば、携帯通信端末が故障している場合や、運転者が携帯通信端末を持参するのを忘れた場合であっても、作業情報が作業機の記憶部に記憶されるので、記憶部に記憶された作業情報を後でサーバーへ移すことができる。よって、作業機の通信部と携帯通信端末とが通信不能になって、作業機と携帯通信端末とサーバーとの間の通信経路中で通信が途絶した場合であっても作業情報の記録を行うことができる。
【0008】
また、本発明に係る作業機は、
対地作業を実行する作業部と、
携帯通信端末を介して外部のサーバーと通信可能な通信部と、
前記携帯通信端末と前記サーバーとの間の通信状態を監視する監視部と、
前記作業部により実行された作業情報を記憶可能な記憶部と、
前記監視部によって前記携帯通信端末と前記サーバーとが通信可能であることが検知されると、前記作業情報
に、前記携帯通信端末及び前記通信部を介して前記サーバーから取得した作業対象圃場の圃場IDと前記携帯通信端末によって取得されたGPS位置情報を関連付けて、前記通信部及び前記携帯通信端末を介して前記サーバーへ送信し
続け、前記監視部によって前記携帯通信端末と前記サーバーとが通信不能であることが検知されると、前記作業情報
に、仮に設けた仮圃場ブロック番号と前記GPS位置情報とを関連付けて、前記記憶部または前記携帯通信端末の端末記憶部に記憶
し続ける制御部と、が備えられ
、
前記制御部は、前記監視部によって前記携帯通信端末と前記サーバーとが通信不能であることが検知されたときに、前記GPS位置情報が取得できない場合には、前記作業情報に前記仮圃場ブロック番号と時間情報とを関連付けて、前記記憶部または前記端末記憶部に記憶させ続けるものである。
【0009】
本発明によると、携帯通信端末と外部のサーバーとの間の通信状態が監視部によって監視される。監視部によって携帯通信端末と外部のサーバーとが通信可能であることが検知されている場合には、作業部により実行された作業に関する作業情報は、通信部及び携帯通信端末を介してサーバーへ送信され、サーバー側に記憶される。そして、監視部によって携帯通信端末と外部のサーバーとが通信不能であることが検知された場合には、作業情報は、作業機の記憶部、または、携帯通信端末の端末記憶部に記憶される。このため、携帯通信端末と外部のサーバーとの間に通信障害が発生した場合や、サーバーが不調である場合等であっても、作業情報が、作業機の記憶部、または、携帯通信端末の端末記憶部に記憶されるので、記憶部、または、端末記憶部に記憶された作業情報を後でサーバーへ移すことができる。よって、携帯通信端末と外部のサーバーとが通信不能となって、作業機と携帯通信端末とサーバーとの間の通信経路中で通信が途絶した場合であっても作業情報の記録を行うことができる。
【0010】
上記構成において、前記監視部によって通信不能であることが検知されると運転者に対する報知を行う報知部が備えられていると好適である。
【0011】
本構成によれば、監視部によって作業機と携帯通信端末とサーバーとの間が通信不能になっていることが検知されると、報知部によって、運転者に対して通信不能になった旨の報知がなされる。これにより、運転者に通信途絶の発生を迅速に認識させることができる。
【0016】
上記構成において、前記制御部は、前記監視部によって通信不能であることが検知された後、前記監視部によって通信可能な状態であることが検知されると、記憶された前記作業情報を前記携帯通信端末を介して前記サーバーへ送信すると好適である。
【0017】
本構成によれば、監視部によって通信不能であることが検知された後、監視部によって通信可能な状態であることが検知されると、通信不能の際に記憶された作業情報がサーバーへ送信される。このため、作業機と携帯通信端末とサーバーとの間で通信不能な状態が発生したとしても、通信状態が回復すれば、サーバーにて通信不能時の作業情報を迅速に得ることができる。
【0020】
本発明に係るアプリケーションプログラムは、
対地作業を実行する作業機及び外部のサーバーとの通信が可能な携帯通信端末にインストールされるアプリケーションプログラムであって、
前記携帯通信端末と前記サーバーとの間の通信状態を監視する監視機能と、
前記監視機能によって前記携帯通信端末と前記サーバーとが通信可能であることが検知されると、前記作業機の作業部により実行された作業情報を、前記作業機の通信部から受信し、
前記作業情報に、前記サーバーから取得した作業対象圃場の圃場IDと前記携帯通信端末によって取得されたGPS位置情報を関連付けて、前記サーバーへ送信
し続ける送受信機能と、
前記監視機能によって前記携帯通信端末と前記サーバーとが通信不能であることが検知されると、
前記GPS位置情報が取得できる場合には、前記作業情報
に、仮に設けた仮圃場ブロック番号と前記GPS位置情報とを関連付けて、前記作業機の記憶部または前記携帯通信端末の端末記憶部
に記憶させ続け、前記GPS位置情報が取得できない場合には、前記作業情報に、前記仮圃場ブロック番号と時間情報とを関連付けて、前記作業機の記憶部または前記端末記憶部に記憶させ続ける記憶機能と、をコンピュータに実現させるものである。
【0021】
本発明によると、携帯通信端末によって、携帯通信端末とサーバーとの間の通信状態が監視される。携帯通信端末とサーバーとが通信可能であると、作業機の作業部により実行された作業に関する作業情報を、作業機の通信部から受信し、サーバーへ送信する。一方、携帯通信端末とサーバーとが通信不能であることが検知されると、作業機の記憶部または携帯通信端末の端末記憶部のうちいずれかに作業情報が記憶される。よって、携帯通信端末と外部のサーバーとが通信不能となって、作業機と携帯通信端末とサーバーとの間の通信経路中で通信が途絶した場合であっても作業情報の記録を行うことができる。
【0022】
上記構成において、前記監視機能によって通信不能であることが検知されると運転者に対する報知を行う報知機能をコンピュータに実現させると好適である。
【0023】
本構成によれば、携帯通信端末と外部のサーバーとが通信不能になると、運転者に対して通信不能になった旨の報知がなされる。これにより、運転者に通信途絶の発生を迅速に認識させることができる。
【0028】
上記構成において、前記監視機能によって通信不能であることが検知された後、前記監視機能によって通信可能な状態であることが検知されると、記憶された前記作業情報を前記携帯通信端末を介して前記サーバーへ送信する追送機能をコンピュータに実現させると好適である。
【0029】
本構成によれば、携帯通信端末と外部のサーバーとが通信不能であることが検知された後、携帯通信端末と外部のサーバーとが通信可能な状態であることが検知されると、通信不能の際に記憶された作業情報がサーバーへ送信される。このため、作業機と携帯通信端末とサーバーとの間で通信不能な状態が発生したとしても、通信状態が回復すれば、サーバーにて通信不能時の作業情報を迅速に得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の第1実施形態では、コンバインX(「作業機」の一例)とスマートフォンY(「携帯通信端末」の一例)が通信を行い、スマートフォンYとサーバーZが通信を行う。その際に、コンバインXが、コンバインXとスマートフォンYとの通信、スマートフォンYとサーバーZとの通信等の監視を行う。
【0034】
[コンバインの機器構成]
図1に示すように、コンバインXは、クローラ走行式の自脱型に構成されており、走行機構としてエンジンにより駆動されるクローラ走行装置11が備えられている。クローラ走行装置11の上方には、運転者が搭乗可能な運転部12が備えられている。対地作業を実行する「作業部」としては、走行機体の前部に備えられ、作業を行う場所である圃場における植立穀稈の刈り取りを行う刈取部13と、刈取部13により刈り取られた刈取穀稈から穀粒を脱穀する脱穀装置14等が備えられている。また、脱穀装置14の横側には、脱穀装置14により脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンク15が備えられている。
【0035】
運転部12には、運転者によって入力操作を行う入力装置16と、運転席17に着座した運転者が見やすい位置に配置された車載ディスプレイ18と、音声を出力可能な車載スピーカ19(
図2参照)が配置されている。また、運転部12には、運転者の操作する操縦レバーや操縦ペダル、操作スイッチ等が配置されている。
【0036】
脱穀装置14は、脱穀クラッチ20を入り状態にすると刈取穀稈からの穀粒の脱穀を行い、脱穀クラッチ20を切り状態にすると、停止するように構成されている。
【0037】
穀粒タンク15の下部には、穀粒タンク15に貯留された穀粒の重量を検出するための重量センサとして収量センサ21が備えられている。収量センサ21は、穀粒タンク15内に貯留された穀粒の「収量データ」を出力する。穀粒タンク15の内部には、穀粒タンク15内に貯留される穀粒の水分値とタンパク値等の品質を検出するための品質センサとして食味センサ22が備えられている。食味センサ22は、穀粒タンク15内に貯留される穀粒の「食味データ」を出力する。排出クラッチ23を入り状態にすると穀粒タンク15内に貯留された穀粒が機外へ排出され、排出クラッチ23を切り状態にすると穀粒タンク15からの穀粒の排出が停止されるように構成されている。また、コンバインXには、エンジン回転数を検出する回転センサ24、車速を検知する車速センサ25、エンジン稼働積算時間を計測するアワーメータ26等が備えられている。このように、コンバインXには、収量センサ21、食味センサ22、脱穀クラッチ20の入り切りを検知するセンサ、排出クラッチ23の入り切りを検知するセンサ、回転センサ24、車速センサ25、アワーメータ26等の種々の検知センサが備えられている。
【0038】
このように構成されたコンバインXは、
図2に示すように、スマートフォンYとの間で近距離通信を行い、スマートフォンYは、管理センター等の外部のサーバーZとの間で遠距離通信を行う。これにより、コンバインXは、外部のサーバーZへ「作業情報」を送信できるようにされている。コンバインXの制御構成を説明する前に、スマートフォンYとサーバーZの構成をまず説明する。
【0039】
〔スマートフォン〕
スマートフォンYは、例えば、運転者の体に身に付けられたり、運転席17の近傍に設けられる不図示のクレードルに装備されたりして、作業を行うコンバインXの近距離に位置している。スマートフォンYには、入出力機器として、運転者により操作入力が行われるタッチパネル31と、各種情報を表示する端末ディスプレイ32と、音声出力が可能な端末スピーカ33と、が備えられている。また、スマートフォンYには、種々の処理機能をソフトウェアまたはハードウェアあるいはその両方によって構築された端末コントローラ35が備えられている。端末コントローラ35には、近距離通信部36、端末入力部37、端末出力部38、GPS取得部39、遠距離通信部40、端末制御部41、端末記憶部42、が備えられている。
【0040】
近距離通信部36は、コンバインXとの間で近距離通信を行う。端末入力部37は、タッチパネル31からの操作入力の内容を出力する。端末出力部38は、各種情報を端末ディスプレイ32による表示や端末スピーカ33による音声として出力する。GPS取得部39は、GPS衛星から「GPS位置情報」を取得して出力する。遠距離通信部40は、コンバインXによる作業が行われる作業場所とは比較的離れた場所にある管理センター等の外部のサーバーZとの間で、携帯電話通信回線またはインターネット等のWANを介した遠距離通信を行う。端末制御部41は、スマートフォンY内のコンピュータにおいてインストールされたアプリケーションプログラム実行し、端末全体の制御を行う。端末記憶部42は、各種情報を記憶可能に構成されている。
【0041】
〔サーバー〕
サーバーZには、外部との通信を行う入出力サーバー50と、アプリケーションサーバー51と、データベースサーバー52とが備えられている。アプリケーションサーバー51には、圃場管理部53と、作業管理部54と、が備えられている。データベースサーバー52には、圃場地図データベース55と、圃場情報データベース56と、仮保管データベース57と、が備えられている。
【0042】
圃場管理部53は、農家や農業団体などから入力される情報に基づいて、圃場番号、圃場名称、圃場住所、圃場地図位置、圃場形状、圃場面積、圃場作付け種など圃場に関する情報である圃場情報を圃場情報データベース56、仮保管データベース57と連携して管理する。作業管理部54は、スマートフォンYから送信されてくる「作業情報」をデータベースサーバー52、仮保管データベース57と連携して管理する。
【0043】
圃場地図データベース55には、圃場を一義的に特定できる名称や番号等による「圃場ID」や実際の地図位置等に関連付けられた「圃場地図」が格納されており、「圃場ID」や「GPS位置情報」等を検索条件として、適合する「圃場地図」等の抽出がなされる。圃場情報データベース56には、「圃場ID」毎に、圃場の住所、圃場の所有者、圃場の作付け種、圃場の地形情報、乾田か湿田か等の圃場の環境情報、圃場の区画内の圃場情報等の圃場に関する情報が記憶されている。仮保管データベース57には、スマートフォンYから送信されてくる後述の「仮圃場ブロック」が関連付けられた「作業情報」を一時的に記憶できる。
【0044】
〔コンバインの制御構成〕
コンバインXには、
図2に示すように、種々の処理機能をソフトウェアまたはハードウェアあるいはその両方によって構築するECUによって構成された車載コントローラ61が搭載されている。車載コントローラ61には、制御構成要素として、作業情報生成部62、付随情報生成部63、入力部64、報知部65が主として備えられ、各制御構成要素が車載LAN等のデータ伝送ラインを介して互いに接続されている。そのデータ伝送ラインには、アダプタ等を介して無線通信ユニット67が接続されており、各制御構成要素と互いに接続されている。無線通信ユニット67には、通信部68、監視部69、記憶部70、制御部71が備えられている。
【0045】
作業情報生成部62は、コンバインXの刈取部13や脱穀装置14等によって実行された作業に関する「作業情報」を出力する。作業情報生成部62は、例えば、脱穀クラッチ20、収量センサ21、食味センサ22、排出クラッチ23等の作業に関連する検知装置に接続されている。「作業情報」には、例えば、脱穀クラッチ20の入り切り状態、収量センサ21による「収量データ」、食味センサ22による水分値やタンパク含有量等の「食味データ」、排出クラッチ23の入り切り状態の情報等が含まれている。
【0046】
付随情報生成部63は、「作業情報」以外の付随的な情報を出力する。付随情報生成部63の内部には、「時間情報」を出力するタイマが設けられている。付随情報生成部63は、例えば、回転センサ24、車速センサ25、アワーメータ26等に接続されている。付随情報生成部63から出力される「付随情報」には、「時間情報」、回転センサ24により計測されたエンジン回転数、車速センサ25により検知された車速、アワーメータ26により検知されたエンジン稼働積算時間等が含まれている。
【0047】
入力部64は、入力装置16により操作入力された情報を出力する。入力部64は、入力装置16に接続されている。入力部64は、監視部69によって通信不能であることが検知されたときに対地作業が実行された場所の位置情報等を入力装置16によって入力可能としている。位置情報とは、例えば、刈取作業が行われた圃場のおおよその位置を推定できる程度の情報で構わない。
【0048】
報知部65は、監視部69によって、スマートフォンYとサーバーZとの間が通信不能になったことが検知されると、運転者に対する報知を行う。この場合の報知の仕方としては、例えば、車載ディスプレイ18による表示報知、車載スピーカ19による音声報知、スマートフォンYの端末ディスプレイ32による表示報知、スマートフォンYの端末スピーカ33による音声報知、スマートフォンYの不図示の振動装置による振動報知がある。また、報知部65は、監視部69によって、コンバインXとスマートフォンYとの間が通信不能になったことが検知された場合も、同様に、運転者に対する報知を行う。この場合の報知の仕方としては、例えば、車載ディスプレイ18による表示報知、車載スピーカ19による音声報知等がある。また、報知部65は、監視部69によって、「GPS位置情報」が取得不能であることが検知された場合も、同様に、運転者への報知を行う。この場合の報知の仕方としては、例えば、車載ディスプレイ18による表示報知、車載スピーカ19による音声報知、スマートフォンYの端末ディスプレイ32による表示報知、スマートフォンYの端末スピーカ33による音声報知、スマートフォンYの不図示の振動装置による振動報知がある。
【0049】
無線通信ユニット67は、例えばWi−Fi(登録商標)やBlueTooth(登録商標)等のような無線LANによって近距離に存在する外部機器と無線通信が可能とされている。無線通信ユニット67に、通信部68、監視部69、記憶部70、制御部71が内蔵されている。通信部68は、無線LAN接続によって、主に、スマートフォンYの近距離通信部36との近距離通信を行う。通信部68は、スマートフォンYに接続することによって、スマートフォンYを介して、管理センター等の外部のサーバーZと通信可能とされている。
【0050】
監視部69は、コンバインXとスマートフォンYとの通信状態を監視するように構成されている。監視部69は、スマートフォンYの端末制御部41に接続確認を常時行っており、スマートフォンYからの応答があるときは、コンバインXとスマートフォンYとが通信可能であるとして検知し、スマートフォンYの端末制御部41から応答がないときは、コンバインXとスマートフォンYとが通信不能であるとして検知する。また、監視部69は、スマートフォンYとサーバーZとの通信状態も監視するように構成されている。監視部69は、スマートフォンYからサーバーZと接続している接続信号をスマートフォンYから受信しているか常時監視しており、接続信号を受信しているときは、スマートフォンYとサーバーZとが通信可能であるとして検知し、接続信号を受信していないときは、スマートフォンYとサーバーZとが通信不能であるとして検知している。このように、監視部69は、コンバインXがスマートフォンYを介してサーバーZとの間で通信可能であるか否かを検知できるように構成されている。さらに、監視部69は、スマートフォンYから「GPS位置情報」を受信しているか否かを監視している。
【0051】
記憶部70は、各種情報を記憶可能に構成されており、特に、コンバインXの刈取部13や脱穀装置14等の「作業部」により実行された作業に関する「作業情報」を記憶するために用いられる。
【0052】
制御部71は、スマートフォンYによって取得された「GPS位置情報」、「圃場ID」を「作業情報」に関連付ける。制御部71は、監視部69によってコンバインXの通信部68とスマートフォンYとが通信可能であることが検知され、監視部69によってスマートフォンYとサーバーZとが通信可能であることが検知されると、「圃場ID」、「GPS位置情報」等が関連付けられた「作業情報」を通信部68及びスマートフォンYを介してサーバーZへ送信する。
【0053】
また、制御部71は、監視部69によってコンバインXの通信部68とスマートフォンYとが通信不能であることが検知されると、「時間情報」(時刻情報)が含まれた「付随情報」を「作業情報」に関連付けるとともに、コンバインXの入力装置16から入力された位置情報を入力部64から取得して、あるいは、スマートフォンYのタッチパネル31から位置情報を入力して、「作業情報」に関連付ける。そして、制御部71は、監視部69によってコンバインXの通信部68とスマートフォンYとが通信不能であることが検知されると、「時間情報」が含まれた「付随情報」、入力された位置情報等が関連付けられた「作業情報」を記憶部70に記憶させる。
【0054】
また、制御部71は、監視部69によってスマートフォンYとサーバーZとが通信不能であることが検知されると、「時間情報」(時刻情報)が含まれた「付随情報」を「作業情報」に関連付けるとともに、コンバインXの入力装置16またはスマートフォンYのタッチパネル31から入力された位置情報を入力部64から取得して「作業情報」に関連付ける。そして、制御部71は、監視部69によってスマートフォンYとサーバーZとが通信不能であることが検知されると、「時間情報」が含まれた「付随情報」、入力された位置情報、「GPS位置情報」等が関連付けられた「作業情報」を、コンバインXの記憶部70またはスマートフォンYの端末記憶部42に記憶させる。
【0055】
また、制御部71は、監視部69によってコンバインXとスマートフォンYとサーバーZとの通信経路中に通信途絶が発生して通信不能であることが検知された後、監視部69によってコンバインXとスマートフォンYとサーバーZとが通信可能な状態であることが検知されると、コンバインXの記憶部70またはスマートフォンYの端末記憶部42に記憶された「作業情報」を、スマートフォンYを介してサーバーZへ送信する。
【0056】
〔動作説明〕
上記構成による動作を説明する。
コンバインXの監視部69は、
図3に示すように、コンバインXとスマートフォンYとの通信状態、スマートフォンYとサーバーZとの通信状態、スマートフォンYによる「GPS位置情報」の受信状態を常時監視している。監視部69によって検知された状況に応じて、処理A、処理B、処理C、処理D、処理Eが互いに切り換えられて実行される。特に、コンバインXとスマートフォンYとが通信不能になった際、スマートフォンYとサーバーZが通信不能になった際、「GPS位置情報」が受信不能になった際には、「付随情報」に含まれる「時間情報」が「作業情報」に関連付けられる。
【0057】
図4に示すように、処理Aは、コンバインXとスマートフォンYとが通信可能、かつ、スマートフォンYとサーバーZとが通信可能、かつ、「GPS位置情報」が受信可能なときに実行される。まず、スマートフォンYのGPS取得部39によって「GPS位置情報」が取得される(♯a01)。そして、スマートフォンYの端末制御部41により遠距離通信回線を介してサーバーZへ「圃場地図」の要求が行われる(♯a02)。サーバーZは、スマートフォンYから「圃場地図」の要求を受信すると、圃場管理部53が圃場地図データベース55から「圃場地図」の抽出を行う(♯a03)。この際、圃場管理部53は、圃場地図データベース55から抽出した「圃場地図」に、圃場情報データベース56に格納されている圃場に関する圃場情報を関連付ける。そして、サーバーZは、スマートフォンYへ「圃場地図」を送信する(♯a04)。スマートフォンYは、サーバーZから「圃場地図」を受信すると、端末出力部38によって、端末ディスプレイ32に「圃場地図」を表示する(♯a05)。そして、端末出力部38によって端末ディスプレイ32に、
図9に示すような「圃場選択画面」を表示する(♯a06)。そして、運転者がタッチパネル31をタッチ操作して、「圃場選択画面」に表示された「圃場ID」の中から、これから作業を行う圃場の「圃場ID」を選択する。これにより、「圃場ID」が決定される(♯a07)。「圃場ID」が選択されると、端末ディスプレイ32に、「圃場ID」に対応する「圃場情報」が表示される(♯a08)。そして、スマートフォンYからコンバインXへ、「圃場ID」が送信されるとともに、「GPS位置情報」が逐次送信される(♯a09)。コンバインXによる作業が開始されると(♯a10)、実行された作業に基づいて「作業情報」が生成される(♯a11)。そして、コンバインXの制御部71によって「作業情報」に「圃場ID」及び「GPS位置情報」が関連付けられる(♯a12)。そして、コンバインXからスマートフォンYへ「圃場ID」及び「GPS位置情報」が関連付けられた「作業情報」がスマートフォンYへ送信される(♯a13)。スマートフォンYは、コンバインXから「圃場ID」及び「GPS位置情報」が関連付けられた「作業情報」を受信すると、そのデータをサーバーZへ送信(転送)する(♯a14)。サーバーZは、「圃場ID」及び「GPS位置情報」が関連付けられた「作業情報」を、新たな「圃場情報」として、圃場情報データベース56に更新記憶する(♯a15)。また、♯a13の後、コンバインXは、作業を終了するか否かを確認し(♯a16)、作業を終了しない場合、♯a11に戻り(♯a16:No)、作業を終了する場合、「作業情報」の生成やデータの送信を終了する(♯a16:Yes)。このように、処理Aでは、作業が終了するまで、コンバインXからスマートフォンYを介してサーバーZへ「圃場ID」及び「GPS位置情報」が関連付けられた「作業情報」が送信され、サーバーZにデータが記憶される。
【0058】
図5に示すように、処理Bは、スマートフォンYとサーバーZとの通信状態や、「GPS位置情報」の取得状態に関らず、コンバインXとスマートフォンYとが通信不能なときに実行される(
図5では、一例として、スマートフォンYとサーバーZとが通信可能で、「GPS位置情報」が取得可能な状態を示している)。まず、コンバインXの車載ディスプレイ18に、「圃場仮設定画面」が表示され(♯b01)、「仮圃場ブロック」の割り当てが行われる(♯b02)。コンバインXによる作業が開始されると(♯b03)、実行された作業に基づいて「作業情報」が生成される(♯b04)。そして、コンバインXの制御部71によって「作業情報」に「仮圃場ブロック」及び「時間情報」が関連付けられる(♯b05)。そして、「仮圃場ブロック」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」がコンバインXの記憶部70に記憶される(♯b06)。そして、コンバインXは、作業を終了するか否かを確認し(♯b07)、作業を続ける場合、♯b04に戻り(♯b07:No)、そうでない場合は作業を終了する(♯b07:Yes)。そして、コンバインXとスマートフォンYとサーバーZとが通信可能な状態に回復すると、記憶部70に記憶された「仮圃場ブロック」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」を送信する(♯b08)。なお、記憶部70に記憶された「作業情報」等のデータは、サーバーZからのデータの受信通知が確認されてから消去される。また、サーバーZは、「仮圃場ブロック」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」を受信すると、そのデータを、仮保管データベース57に記憶する。
なお、仮保管データベース57に記憶された「仮圃場ブロック」が関連付けられた「作業情報」は、「仮圃場ブロック」と「圃場ID」とが照合されることにより、正しい「圃場ID」に関連付けられる。正しい「圃場ID」に関連付けられた「作業情報」は、「圃場ID」についての新たな「圃場情報」の一部として、圃場情報データベース56に記憶される。
【0059】
ここで、「圃場仮設定画面」は、
図10に示すように、「作業情報」を、「仮圃場ブロック」、つまり、圃場単位毎にブロック分けすることを運転者に示すために表示される。「仮圃場ブロック」は、作業順序に応じて、数字や文字などによって表示される。例えば、「圃場ブロック」を作業順序を示す圃場番号
(「仮圃場ブロック番号」に相当)で表示する場合には、1つ目の圃場で圃場番号“1”の「圃場ブロック」を割り当て(
図10(a)参照)、作業を開始し、作業を終了すると(
図10(b)参照)、自動的に圃場番号“2”の「圃場ブロック」に切り換わる(
図10(c)参照)。つまり、作業開始から作業終了までが1つの圃場単位とみなされ、圃場単位毎に「作業情報」が記憶される。なお、圃場単位のブロック分けは、1つ目の圃場から2つ目の圃場へ移動するまでの空白時間が発生したことをトリガにして実行してもよいし、排出クラッチ23の入り切りをトリガにして実行してもよい。
【0060】
図6に示すように、処理Cは、コンバインXとスマートフォンYが通信可能、かつ、スマートフォンYとサーバーZが通信可能、かつ、「GPS位置情報」が受信不能なときに実行される。まず、スマートフォンYの端末制御部41により遠距離通信回線を介してサーバーZへ「圃場地図」の要求が行われる(♯c01)。サーバーZは、スマートフォンYから「圃場地図」の要求を受信すると、圃場管理部53が圃場地図データベース55から「圃場地図」の抽出を行う(♯c02)。この際、圃場管理部53は、圃場地図データベース55から抽出した「圃場地図」に、圃場情報データベース56に格納されている圃場に関する圃場情報を関連付ける。そして、サーバーZは、スマートフォンYへ「圃場地図」を送信する(♯c03)。スマートフォンYは、サーバーZから「圃場地図」を受信すると、端末出力部38によって端末ディスプレイ32に、「圃場地図」を表示する(♯c04)。そして、端末出力部38によって端末ディスプレイ32に、
図8に示すような「圃場選択画面」を表示する(♯c05)。「圃場選択画面」に表示された「圃場ID」の中から、これから作業を行う圃場の「圃場ID」を運転者がタッチパネル31をタッチ操作して選択すると、「圃場ID」が決定される(♯c06)。「圃場ID」が選択されると、端末ディスプレイ32に、「圃場ID」に対応する「圃場情報」が表示される(♯c07)。そして、スマートフォンYからコンバインXへ「圃場ID」が送信される(♯c08)。コンバインXによる作業が開始されると(♯c09)、実行された作業に基づいて「作業情報」が生成される(♯c10)。そして、コンバインXの制御部71によって「作業情報」に「圃場ID」及び「時間情報」が関連付けられる(♯c11)。そして、コンバインXからスマートフォンYへ「圃場ID」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」がスマートフォンYへ送信される(♯c12)。スマートフォンYは、コンバインXから「圃場ID」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」を受信すると、そのデータをサーバーZへ送信(転送)する(♯c13)。サーバーZは、「圃場ID」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」を、新たな「圃場情報」の一部として、圃場情報データベース56に記憶する(♯c14)。また、♯c12の後、コンバインXは、作業を終了するか否かを確認し(♯c15)、作業を終了しない場合、♯c10に戻り(♯c15:No)、作業を終了する場合、「作業情報」の生成やデータの送信を終了する(♯c15:Yes)。このように、処理Cでは、作業が終了するまで、コンバインXからスマートフォンYを介してサーバーZへ「圃場ID」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」が送信される。サーバーZにおいて、「圃場ID」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」は、「圃場ID」についての新たな「圃場情報」の一部として、圃場情報データベース56に記憶される。
【0061】
図7に示すように、処理Dは、コンバインXとスマートフォンYとが通信可能、かつ、スマートフォンYとサーバーZとが通信不能、かつ、「GPS位置情報」が受信可能なときに実行される。まず、スマートフォンYのGPS取得部39によって「GPS位置情報」が取得される(♯d01)。そして、サーバーZから「圃場地図」を受信できないので、スマートフォンYの端末ディスプレイ32に、「圃場仮設定画面」が表示され(♯d02)、「仮圃場ブロック」の割り当てが行われる(♯d03)。そして、スマートフォンYからコンバインXへ、「仮圃場ブロック」が送信されるとともに、「GPS位置情報」が逐次送信される(♯d04)。なお、コンバインXとスマートフォンYとが通信可能であるので、「圃場仮設定画面」を車載ディスプレイ18に表示させて「仮圃場ブロック」の割り当てを行ってもよい。コンバインXによる作業が開始されると(♯d05)、実行された作業に基づいて「作業情報」が生成される(♯d06)。そして、コンバインXの制御部71によって「作業情報」に「仮圃場ブロック」及び「GPS位置情報」が関連付けられる(♯d07)。そして、コンバインXからスマートフォンYへ「仮圃場ブロック」及び「GPS位置情報」が関連付けられた「作業情報」がスマートフォンYへ送信される(♯d08)。スマートフォンYは、コンバインXから「仮圃場ブロック」及び「GPS位置情報」が関連付けられた「作業情報」を受信すると、そのデータはスマートフォンYの端末記憶部42に記憶される(♯d09)。そして、コンバインXは、作業を終了するか否かを確認し(♯b10)、作業を続ける場合、♯b06に戻り(♯b10:No)、そうでない場合は作業を終了する(♯b10:Yes)。そして、コンバインXとスマートフォンYとサーバーZとが通信可能な状態に回復すると、端末記憶部42に記憶された「仮圃場ブロック」及び「GPS位置情報」が関連付けられた「作業情報」を送信する(♯d11)。なお、スマートフォンYの端末記憶部42に記憶された「作業情報」等のデータは、サーバーZからのデータの受信通知が確認されてから消去される。また、サーバーZは、「仮圃場ブロック」及び「GPS位置情報」が関連付けられた「作業情報」を受信すると、そのデータを、仮保管データベース57に記憶する。
なお、仮保管データベース57に記憶された「仮圃場ブロック」が関連付けられた「作業情報」は、「仮圃場ブロック」と「圃場ID」とが照合されることにより、正しい「圃場ID」に関連付けられる。正しい「圃場ID」に関連付けられた「作業情報」は、「圃場ID」についての新たな「圃場情報」の一部として、圃場情報データベース56に記憶される。
【0062】
また、処理Dにおいては、♯d07の後に、♯d08、♯d09、♯d11を行う代わりに、「仮圃場ブロック」及び「GPS位置情報」が関連付けられた「作業情報」を、コンバインXの記憶部70に記憶するようにしてもよい。また、♯d07の後に、♯d08、♯d09、♯d11を行い、かつ、「仮圃場ブロック」及び「GPS位置情報」が関連付けられた「作業情報」を、コンバインXの記憶部70に記憶するようにしてもよい。つまり、「仮圃場ブロック」及び「GPS位置情報」が関連付けられた「作業情報」は、コンバインXの記憶部70、スマートフォンYの端末記憶部42のいずれに記憶してもよい。
【0063】
図8に示すように、処理Eは、コンバインXとスマートフォンYとが通信可能、かつ、スマートフォンYとサーバーZとが通信不能、かつ、「GPS位置情報」が受信不能なときに実行される。まず、サーバーZから「圃場地図」を受信できないので、スマートフォンYの端末ディスプレイ32に、「圃場仮設定画面」が表示され(♯e01)、「仮圃場ブロック」の割り当てが行われる(♯e02)。そして、スマートフォンYからコンバインXへ「仮圃場ブロック」が送信される(♯e03)。なお、コンバインXとスマートフォンYとが通信可能であるので、「圃場仮設定画面」を車載ディスプレイ18に表示させて「仮圃場ブロック」の割り当てを行ってもよい。コンバインXによる作業が開始されると(♯e04)、実行された作業に基づいて「作業情報」が生成される(♯e05)。そして、コンバインXの制御部71によって「作業情報」に「仮圃場ブロック」及び「時間情報」が関連付けられる(♯e06)。そして、コンバインXからスマートフォンYへ「仮圃場ブロック」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」がスマートフォンYへ送信される(♯e07)。スマートフォンYは、コンバインXから「仮圃場ブロック」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」を受信すると、そのデータはスマートフォンYの端末記憶部42に記憶される(♯e08)。そして、コンバインXは、作業を終了するか否かを確認し(♯e09)、作業を続ける場合、♯e05に戻り(♯e09:No)、そうでない場合は作業を終了する(♯e09:Yes)。そして、コンバインXとスマートフォンYとサーバーZとが通信可能な状態に回復すると、端末記憶部42に記憶された「仮圃場ブロック」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」を送信する(♯e10)。なお、スマートフォンYの端末記憶部42に記憶された「作業情報」等のデータは、サーバーZからのデータの受信通知が確認されてから消去される。また、サーバーZは、「仮圃場ブロック」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」を受信すると、そのデータを、仮保管データベース57に記憶する。
なお、仮保管データベース57に記憶された「仮圃場ブロック」が関連付けられた「作業情報」は、「仮圃場ブロック」と「圃場ID」とが照合されることにより、正しい「圃場ID」に関連付けられる。正しい「圃場ID」に関連付けられた「作業情報」は、「圃場ID」についての新たな「圃場情報」の一部として、圃場情報データベース56に記憶される。
【0064】
また、処理Eにおいては、♯e06の後に、♯e07、♯e08、♯e10を行う代わりに、「仮圃場ブロック」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」を、コンバインXの記憶部70に記憶するようにしてもよい。また、♯e06の後に、♯e07、♯e08、♯e10を行い、かつ、「仮圃場ブロック」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」を、コンバインXの記憶部70に記憶するようにしてもよい。つまり、「仮圃場ブロック」及び「時間情報」が関連付けられた「作業情報」は、コンバインXの記憶部70、スマートフォンYの端末記憶部42のいずれに記憶してもよい。
【0065】
上記の内容をまとめると
図11に示すようになる。
〔1〕コンバインXとスマートフォンYが通信可能、かつ、スマートフォンYとサーバーZが通信可能、かつ、「GPS位置情報」が取得可能なときは、処理Aが実行され、「圃場ID」、「GPS位置情報」、「作業情報」がサーバーZに記憶される。
〔2〕スマートフォンYとサーバーZとの通信状態や、「GPS位置情報」の取得状態に関らず、コンバインXとスマートフォンYとが通信不能なときは、処理Bが実行され、「仮圃場ブロック」、「時間情報」、「作業情報」がコンバインXに一時的に記憶される。
〔3〕コンバインXとスマートフォンYが通信可能、かつ、スマートフォンYとサーバーZが通信可能、かつ、「GPS位置情報」が受信不能なときには、処理Cが実行され、「圃場ID」、「時間情報」、「作業情報」がサーバーZに記憶される。
〔4〕コンバインXとスマートフォンYとが通信可能、かつ、スマートフォンYとサーバーZとが通信不能、かつ、「GPS位置情報」が受信可能なときは、処理Dが実行され、「仮圃場ブロック」、「GPS位置情報」、「作業情報」がコンバインXの記憶部70またはスマートフォンYの端末記憶部42に記憶される。
〔5〕コンバインXとスマートフォンYとが通信可能、かつ、スマートフォンYとサーバーZとが通信不能、かつ、「GPS位置情報」が受信不能なときは、処理Eが実行され、「仮圃場ブロック」、「時間情報」、「作業情報」がコンバインXの記憶部70またはスマートフォンYの端末記憶部42に記憶される。
【0066】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上述の本発明の第1実施形態では、コンバインXが通信監視を行っていたが、本発明の第2実施形態では、スマートフォンYがスマートフォンYとサーバーZとの間の通信監視を行う。この通信監視は、コンピュータであるスマートフォンYにインストールされたアプリケーションプログラムに基づいて行われる。なお、本発明の第2実施形態における各構成は、第2実施形態において説明する内容の他は、第1実施形態と同様である。
【0067】
本発明の第2実施形態では、
図12に示すように、第1実施形態のようにコンバインXに監視部69、制御部71が備えられることに代えて、スマートフォンYに監視部169が備えられている。また、第1実施形態とは機能の異なる端末入力部137、端末出力部138、端末制御部141が備えられている。監視部169は、スマートフォンYとサーバーZとの間の通信状態を監視し、スマートフォンYとサーバーZとが通信可能である否かを検知する監視機能を実現するように構成されている。端末制御部141は、第1実施形態における制御部71と類似の機能を有している。監視部169や、端末制御部141の種々の機能は、アプリケーションプログラムによって実現される。
【0068】
監視部169は、スマートフォンYとサーバーZとの通信状態を監視するように構成されている。監視部69は、サーバーZに接続確認を常時行っており、サーバーZからの応答があるときは、スマートフォンYとサーバーZとが通信可能であるとして検知し、サーバーZから応答がないときは、スマートフォンYとサーバーZとが通信不能であるとして検知する。
【0069】
端末制御部141は、監視部169によってスマートフォンYとサーバーZとが通信可能であることが検知されると、サーバーZに「圃場地図」を要求し、サーバーZから「圃場地図」を受信する。そして、コンバインXの刈取部13や脱穀装置14等の作業部により実行された「収量データ」、「食味データ」等の「作業情報」を、コンバインXの通信部68から受信し、サーバーZへ送信する(「送受信機能」)。
【0070】
また、端末制御部141は、監視部169によって通信不能であることが検知された時点の「時間情報」を「作業情報」に関連付ける(「時間関連付機能」)。
【0071】
また、端末制御部141は、監視部169によってスマートフォンYとサーバーZとが通信不能であることが検知されると、コンバインXから送信されてきた「作業情報」に、GPS取得部39によって取得された「GPS位置情報」を関連付ける(「GPS関連付機能」)。
【0072】
また、端末制御部141は、監視部169によってスマートフォンYとサーバーZとが通信不能であることが検知されると、スマートフォンYの端末記憶部42またはコンバインXの記憶部70に「作業情報」を記憶させる(「記憶機能」)。GPS取得部39による「GPS位置情報」が取得可能な場合は、「GPS位置情報」が関連付けられた「作業情報」がスマートフォンYの端末記憶部42またはコンバインXの記憶部70に記憶される。
【0073】
また、端末出力部138は、監視部169によってスマートフォンYとサーバーZとが通信不能であることが検知されると、運転者に対する報知を行う(「報知機能」)。この場合の報知の仕方としては、例えば、スマートフォンYの端末ディスプレイ32による表示報知、スマートフォンYの端末スピーカ33による音声報知、スマートフォンYの不図示の振動装置による振動報知、車載ディスプレイ18による表示報知、車載スピーカ19による音声報知がある。
【0074】
また、端末入力部137は、監視部169によってスマートフォンYとサーバーZとが通信不能であることが検知されたときに、対地作業が実行された場所の圃場の位置を推定できるような位置情報を入力可能に構成されている。例えば、スマートフォンYの端末ディスプレイ32や、コンバインXの車載ディスプレイ18に、「圃場仮設定画面」が表示される。また、端末入力部137は、「圃場仮設定画面」等において、スマートフォンYのタッチパネル31や、コンバインXの入力装置16により入力された位置情報等の情報を「作業情報」に関連付ける。
【0075】
端末制御部141は、監視部169によってスマートフォンYとサーバーZとが通信不能であることが検知された後、監視部169によってスマートフォンYとサーバーZとが通信可能な状態に復帰したことが検知されると、スマートフォンYの端末記憶部42またはコンバインXの記憶部70に記憶された「作業情報」等を、スマートフォンYを介してサーバーZへ送信する。
【0076】
第2実施形態では、スマートフォンYの監視部169は、スマートフォンYとサーバーZとの通信状態、「GPS位置情報」の取得状態を常時監視している。監視部69によって検知された状況に応じて、第1実施形態における処理A、処理C、処理D、処理Eを構成する一部の処理が互いに切り換えられて実行される。また、第2実施形態では、「作業情報」への「GPS位置情報」や「時間情報」の関連付けがスマートフォンY側で行われる。さらに、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、「GPS位置情報」が取得不能の場合、「付随情報」として「時間情報」を「作業情報」に関連付ける。
【0077】
〔その他の実施形態〕
(1)上記第1実施形態及び第2実施形態では、「付随情報」としての「時間情報」を「作業情報」に関連付ける例を示したがこれに限られない。例えば、「付随情報」として、走行距離、エンジン稼働時間、燃料消費量、車速等が「作業情報」に関連付けられてもよい。
【0078】
(2)上記第1実施形態及び第2実施形態では、サーバーZからスマートフォンYへ圃場情報を関連付けた「圃場地図」を送信する例を示したが、これに限られず、サーバーZからスマートフォンYへ送信される「圃場地図」に圃場情報が含まれていなくてもよい。
【0079】
(3)上記第1実施形態及び第2実施形態では、スマートフォンYによって「GPS位置情報」を取得する例を示したが、これに限られない。例えば、コンバインXにカーナビゲーションシステム等の「GPS位置情報」を取得する機器が搭載されている場合には、コンバインX側で「GPS位置情報」を取得してもよい。
【0080】
(4)上記第1実施形態及び第2実施形態では、コンバインXの通信部68と記憶部70とが無線通信ユニット67に内蔵されて備えられている例を示したが、これに限られない。データ伝送ラインに接続されていれば、通信部68と記憶部70とが夫々別に備えられていてもよい。
【0081】
(5)上記第1実施形態及び第2実施形態では、携帯通信端末の一例としてスマートフォンYを示したが、これに限られない。例えば、タブレット型パソコン、ノート型パソコン、ナビゲータ機器、フィーチャーフォン等の他の携帯通信端末であってもよい。