(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6105453
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】情報処理装置、ポイント管理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20170316BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
G07G1/12 321Z
G07G1/12 331A
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-235626(P2013-235626)
(22)【出願日】2013年11月14日
(65)【公開番号】特開2015-95201(P2015-95201A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2016年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久晴
【審査官】
小太刀 慶明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−322656(JP,A)
【文献】
特開2000−353283(JP,A)
【文献】
特開2004−171240(JP,A)
【文献】
特開2009−181500(JP,A)
【文献】
特開平08−167077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 30/02
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一取引の会計時に、ポイントを利用する旨の指示を受付けると、客の所有ポイント数から利用ポイント数を差し引くとともに、取引情報を記憶する取引情報記憶手段に、当該取引の取引番号と、当該取引にかかる取引情報と、当該取引で利用したポイント数と、を記録するポイント利用手段と、
商品の返品に際して、当該商品の取引情報が記されたレシートを介して、当該商品の購入時の取引番号を受付ける取引番号受付手段と、
前記取引情報記憶手段を参照して、前記取引番号受付手段が受付けた前記取引番号に対してポイント利用を取り消した記録が無ければ、前記取引番号の取引において利用されたポイント数を再利用可能なポイントとして前記客に差し戻し、前記取引情報記憶手段にポイント利用を取り消した履歴有りと記録するポイント管理手段と、
前記取引情報記憶手段を参照して、前記取引番号受付手段が受付けた前記取引番号に対して既にポイント利用を取り消した記録があれば、今回の返品ではポイントの差し戻しができない旨を通知する通知手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記通知手段は、ポイント利用の取消ができない旨を返品レシートに印字出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
取引情報を記憶する取引情報記憶手段と、
一取引の会計時に、ポイントを利用する旨の指示を受付けると、客の所有ポイント数から利用ポイント数を差し引くとともに、前記取引情報記憶手段に、当該取引の取引番号と、当該取引にかかる取引情報と、当該取引で利用したポイント数と、を記録するポイント利用手段と、
商品の返品に際して、当該商品の取引情報が記されたレシートを介して、当該商品の購入時の取引番号を受付ける取引番号受付手段と、
前記取引情報記憶手段を参照して、前記取引番号受付手段が受付けた前記取引番号に対してポイント利用を取り消した記録が無ければ、前記取引番号の取引において利用されたポイント数を再利用可能なポイントとして前記客に差し戻し、前記取引情報記憶手段にポイント利用を取り消した履歴有りと記録するポイント管理手段と、
前記取引情報記憶手段を参照して、前記取引番号受付手段が受付けた前記取引番号に対して既にポイント利用を取り消した記録があれば、今回の返品ではポイントの差し戻しができない旨を通知する通知手段と、
を備えるポイント管理システム。
【請求項4】
前記通知手段は、ポイント利用の取消ができない旨を返品レシートに印字出力する、請求項3に記載のポイント管理システム。
【請求項5】
情報処理装置を制御するコンピュータを、
一取引の会計時に、ポイントを利用する旨の指示を受付けると、客の所有ポイント数から利用ポイント数を差し引くとともに、取引情報を記憶する取引情報記憶手段に、当該取引の取引番号と、当該取引にかかる取引情報と、当該取引で利用したポイント数と、を記録するポイント利用手段と、
商品の返品に際して、当該商品の取引情報が記されたレシートを介して、当該商品の購入時の取引番号を受付ける取引番号受付手段と、
前記取引情報記憶手段を参照して、前記取引番号受付手段が受付けた前記取引番号に対してポイント利用を取り消した記録が無ければ、前記取引番号の取引において利用されたポイント数を再利用可能なポイントとして前記客に差し戻し、前記取引情報記憶手段にポイント利用を取り消した履歴有りと記録するポイント管理手段と、
前記取引情報記憶手段を参照して、前記取引番号受付手段が受付けた前記取引番号に対して既にポイント利用を取り消した記録があれば、今回の返品ではポイントの差し戻しができない旨を通知する通知手段と、
として機能させるプログラム。
【請求項6】
前記通知手段は、ポイント利用の取消ができない旨を返品レシートに印字出力する、請求項5に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、ポイント管理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売店舗等では、購入金額に応じて会員にポイントを付与し、会員はそのポイントを次回以降の取引で利用して値引き等を行えるポイント還元制が広く用いられている。このようなポイント還元制を採用する店舗において商品を返品する際、その商品を購入した元取引でポイント還元(ポイントの利用)が行われていれば、そのポイント利用は取り消されることとなる。そして、元取引で利用されたポイント数は、再利用可能なポイント数として会員に差し戻される。
【0003】
しかしながら、同じ取引レシートで再度返品処理を行うと、ポイントを再度差し戻す処理を繰り返してしまい、ポイントを二重に差し戻してしまう。つまり、返品回数を重ねればポイントを不正に加算できるようになっていた。そこで従来、ポイントを二重に差し戻さないようにすることが望まれていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ポイントを二重に差し戻さないようにすることができる情報処理装置、ポイント管理システムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報処理装置は、
ポイント利用手段と、取引番号受付手段と、ポイント管理手段と、
通知手段と、を備える。
ポイント利用手段は、一取引の会計時に、ポイントを利用する旨の指示を受付けると、客の所有ポイント数から利用ポイント数を差し引くとともに、取引情報を記憶する取引情報記憶手段に、当該取引の取引番号と、当該取引にかかる取引情報と、当該取引で利用したポイント数と、を記録する。取引番号受付手段は、商品の返品に際して、
当該商品の取引情報が記されたレシートを介して、当該商品
の購入時の取引番号を受付ける。ポイント管理手段は、
前記取引情報記憶手段を参照して、前記取引番号受付手段が受付けた前記取引番号に対してポイント利用を取り消した記録が無ければ、前記取引番号の取引において利用されたポイント数を再利用可能なポイントとして前記
客に差し戻し、前記取引情報記憶手段にポイント利用
を取
り消
した履歴有りと記録する。
通知手段は、前記取引情報記憶手段を参照して、前記取引番号受付手段が受付けた前記取引番号に対して既にポイント利用を取り消した記録があれば
、今回の返品ではポイントの差し戻しができない旨を通知する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態にかかるポイントシステムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、ストアサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、売上ファイルのデータ構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、ポイント管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、POS装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、エラーメッセージが記された返品レシートの印字例を示す図である。
【
図7】
図7は、POS端末が実行するポイント利用取消処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本実施形態に係るポイント管理システム100の概略構成図である。ポイント管理システム100は、店舗に設けられたストアサーバ4、POS(Point Of Sale)端末1および、ストアサーバ4と専用回線8で接続されたポイント管理サーバ6とで主に構成される。以下では、本実施形態の情報処理装置としてPOS端末1を用いる場合について説明するが、同様の機能を有するマルチ情報端末2を本実施形態の情報処理装置として適用してもよい。尚、マルチ情報端末2とは、表示装置、入力装置、通信インタフェース、カードリーダライタ、プリンタ等を有する情報端末のことであり、POS端末1と同様に売上登録処理を行ったり、デジタルサイネージの表示処理を行ったりする端末のことである。
【0008】
また、
図1では1台のPOS端末1およびマルチ情報端末2がLAN3によりストアサーバ4に接続されて使用される例について示しているが、店舗において用いられるPOS端末1およびマルチ情報端末2の台数は特に限定されず、それぞれ複数台であってもよい。
【0009】
まず、ストアサーバ4について説明する。
図2は、ストアサーバ4のハードウェア構成を示すブロック図である。ストアサーバ4は、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータ構成の制御部41を備えている。また、制御部41にはバス42及びI/O機器制御部44を介して、キーボード45、表示器46、プリンタ47及びHDD(Hard Disk Drive)48が接続されている。
【0010】
制御部41は、通信I/F(インタフェース)431及びLAN3を介してPOS端末1との間でデータ通信を行う。また、制御部41は、通信I/F432及び専用回線8を介してポイント管理サーバ6との間でデータ通信を行う。また、制御部41は、POS端末1からの要求に応じて、ポイント管理サーバ6に各種データを送信するように要求する。加えて、制御部41は、ポイント管理サーバ6から受信したデータを、要求のあったPOS端末1に送信する。
【0011】
HDD48には、制御部41のCPUを動作させる各種制御プログラムの他、売上ファイル481が格納されている。売上ファイル481(取引情報記憶手段)は、店舗での売上データを記憶するファイルである。ストアサーバ4は、店舗内のPOS端末1から送信される売上データを売上ファイル481に格納する。
【0012】
図3は、売上ファイル481のデータ構成例を示す図である。
図3に示すように、売上ファイル481は、各取引を識別するための取引番号に対応付けて、取引処理を行ったPOS端末1を識別するためのレジ番号、取引処理を行った店員を識別するための店員番号が格納される。また、一取引ごとの取引情報として、商品の商品コード、商品名、数量、単価、小計、合計金額等が格納される。また、売上ファイル481には、当該取引におけるポイント利用履歴として、当該会計で利用されたポイント数(利用ポイント数)を示す情報が格納される。加えて、売上ファイル481には、一度利用されたポイントの差し戻しが有ったか否かを判別するためのポイント利用取消フラグが格納される。ポイント利用取消フラグには、ポイント利用が取り消されていなければ0が設定され、ポイント利用取消の履歴があれば1が設定される。
【0013】
次に、ポイント管理サーバ6について説明する。
図4は、ポイント管理サーバ6のハードウェア構成を示すブロック図である。ポイント管理サーバ6は、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータ構成の制御部61を備える。また、制御部61にはバス62及びI/O機器制御部64を介して、キーボード65、表示器66、プリンタ67及びHDD68が接続されている。制御部61は、通信I/F63及び専用回線8を介してストアサーバ4との間でデータ通信を行う。
【0014】
HDD68には、制御部61のCPUを動作させる各種プログラムの他、会員マスタ681が格納されている。会員マスタ681には、ポイント会員に関する情報として、会員氏名、住所、電話番号、会員が所有するポイント数等の会員情報が格納される。ポイント管理サーバ6の制御部61は、データ取得要求に応じて、会員マスタ681の各種データをストアサーバ4に送信する。
【0015】
次に、POS端末1について説明する。POS端末1は、商品の売上登録を行う商品販売データ処理装置である。
図5は、POS端末1の機能構成を示すブロック図である。POS端末1は、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータ構成の制御部11を備える。また、制御部11にはバス12及びI/O機器制御部14を介して、キーボード15、スキャナ16、店員用表示器17、客用表示器18、プリンタ19が接続されている。制御部11は、通信I/F13及びLAN3を介してストアサーバ4との間でデータ通信を行う。次に、制御部11が実行する本実施形態のプログラムについて説明する。
【0016】
なお、本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0017】
さらに、本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0018】
本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムは、
図5に示すように、入力受付部51、取引情報問合部52、売上登録部53、ポイント管理部54、表示制御部55、印字制御部56を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体(ROM)から本実施形態のプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされる。そして、CPUが主記憶装置上に入力受付部51、取引情報問合部52、売上登録部53、ポイント管理部54、表示制御部55、印字制御部56を生成する。
【0019】
入力受付部51は、キーボード15、スキャナ16からの各種入力を受付ける。例えば入力受付部51は、キーボード15のテンキー入力に応じて、商品の返品に際して、商品購入時の取引番号の入力を受付ける。入力受付部51は、スキャナ16がレシートに印刷されたコードシンボルを読み取った場合に、当該コードシンボルから取引番号をデコードして受付けても良い。
【0020】
取引情報問合部52は、入力受付部51が受付けた取引番号に対応する取引情報を、ストアサーバ4の売上ファイル481に対して問合せる。ストアサーバ4の制御部41は問い合わせのあった取引番号に対応する取引情報を売上ファイル481から読み込み、POS端末1に送信する。このようにして取引情報問合部52は取引情報を取得する。
【0021】
売上登録部53は、商品の売上登録を行う。即ち、売上登録部53は、入力受付部51が受付けた商品コードに対応する商品情報を商品マスタ(不図示)から読み込む。そして、キーボード15の締めキー等が選択されて一取引の終了が宣言されると、各商品情報およびその取引の合計金額等を含む情報を、その取引の取引情報として一時的に保存する。また、売上登録部53は、取引ごとに取引番号を符番して各取引情報を管理する。また、売上登録部53は、所定の時刻となった場合あるいは送信指示を受付けた場合に、POS端末1内に保存されている取引情報をストアサーバ4に送信する。ストアサーバ4の制御部41は、受信した取引情報を売上ファイル481に登録する。
【0022】
また、売上登録部53は、商品の返品登録を行う。即ち、売上登録部53は、取引情報問合部52がストアサーバ4から取得した取引情報から、返品対象の商品コードおよび返品点数の選択・入力をキーボード15を介して受付ける。また、売上登録部53は、返品商品の商品コード、点数、返金額等、返品商品にかかる取引情報をストアサーバ4に送信する。ストアサーバ4の制御部41は、受信した取引情報を売上ファイル481に登録する。
【0023】
ポイント管理部54は、ポイント管理サーバ6の会員マスタ681に基づいて、会員ごとの所有ポイント数を管理する。また、ポイント管理部54は、会計時にポイントを利用する旨の入力を受付けた場合等に、当該会員の所有ポイント数から利用ポイント数を差し引く。尚、ポイントの利用方法、即ち、ポイントの会員への還元方法については特に限定されない。ポイントを会計時に利用して支払代金に当ててもよいし、所定ポイント数となった場合に印字制御部56によりレシートにクーポン券を印字してもよい。
【0024】
ポイント管理部54は、売上ファイル481を参照して、返品商品に対応する取引番号の取引について、ポイント利用の取消が可能であるか否かを判定する。
【0025】
即ち、ポイント利用取消フラグが0であればポイント利用取消の履歴は無い。従って、ポイント管理部54はポイント利用取消が可能であると判定し、ポイント利用取消処理を行う。ポイント管理部54は、元取引で利用された利用ポイント数(利用済ポイント数)を、再利用可能ポイントとして会員に差し戻す指示を、ストアサーバ4を介してポイント管理サーバ6に送信する。ポイント管理サーバ6の制御部61は、受信した利用ポイント数を会員マスタ681において該当する会員番号の累積ポイント数に加算する。また、ポイント管理部54は、売上ファイル481においてポイント利用取消フラグを1に変更し、ポイント利用の取消履歴有りと記録する。
【0026】
一方、ポイント利用取消フラグが1であれば、ポイント利用取消がすでになされているので、ポイント管理部54はポイント利用取消ができないと判定する。そして、ポイント管理部54は、利用ポイント数の差し戻しは行わず、エラー判定とする。
【0027】
表示制御部55は、店員用表示器17および客用表示器18の表示出力を制御する。また、表示制御部55(エラー出力手段)は、上記エラー判定となった場合に、店員用表示器17にエラーメッセージを表示する。エラーメッセージとしては、ポイント利用取消がすでに為されている旨や、ポイント利用取消ができない旨、或いは、ポイントの差し戻しができない旨等を表示するとよい。尚、表示制御部55は客用表示器18に同様のエラーメッセージを表示してもよい。
【0028】
印字制御部56は、プリンタ19の印字動作を制御する。例えば、売上登録部53の指示に応じてレシートを印字する。また、ポイント管理部54の指示に応じてその取引において利用された利用ポイント数を印字する。また、印字制御部56は、返品処理にかかる各種情報をプリンタ19に出力し、返品レシートを印字する。ポイント利用取消が為された場合、印字制御部56は、再利用可能となったポイント数やポイント残高等を返品レシートに印字する。また、印字制御部56(エラー出力手段)は、上記エラー判定となった場合に、上記表示メッセージと同様のエラーメッセージを返品レシートに印字する。
【0029】
図6は、エラーメッセージ91が記された返品レシート90の印字例を示す図である。印字制御部56は、返品レシート90に返品商品の商品コード、商品名、点数、単価、返金額等の返品情報とともに、エラーメッセージ91を印字する。印字内容は特に限定されないが、ポイント利用取消がすでに為されている旨や、ポイント利用取消ができない旨、或いは、ポイントの差し戻しができない旨等を印字するとよい。また、返品レシート90には、会員の所有ポイント数を印字してもよい。
【0030】
次に、POS端末1が実行するポイント利用取消処理の手順について説明する。
図7は、POS端末1が実行するポイント利用取消処理の手順を示すフローチャートである。
【0031】
まず、入力受付部51は、キーボード15またはスキャナ16からの入力に応じて、返品商品の購入時の取引番号を受付ける(ステップS1)。取引情報問合部52は、ステップS1で受付けた取引番号を用いて、当該取引番号に対応する取引情報をストアサーバ4に問合せる(ステップS2)。
【0032】
ポイント管理部54は、ステップS2で問合せた取引番号について、ポイント利用取消フラグが0であるか否かを判定する(ステップS3)。0である場合(ステップS3:Yes)、ポイント利用取消の履歴は無いので、ポイント管理部54はポイント利用取消処理を行う(ステップS4)。即ち、ポイント管理部54は、元取引で利用された利用ポイント数を再利用可能ポイントとして当該会員に差し戻す指示をポイント管理サーバ6に送信する。また、ポイント管理部54は、売上ファイル481のポイント利用取消フラグを1とする(ステップS5)。印字制御部56は、返品レシートを印字してレシート発行口(不図示)から発行し(ステップS6)、返品処理を終了する。
【0033】
一方、ポイント利用取消フラグが1である場合(ステップS3:No)、ポイント利用取消が既に為されているので、ポイント管理部54はポイント利用取消が行えないと判定する。そして、表示制御部55は、店員用表示器17にエラーメッセージを表示する(ステップS7)。また、印字制御部56は、エラーメッセージを返品レシートに印字した上で(ステップS8)、当該返品レシートをレシート発行口(不図示)から発行する(ステップS9)。
【0034】
以上説明したとおり、本実施形態のPOS端末1は、返品商品に対応する取引番号の取引について既にポイント利用を取り消した履歴があれば、ポイントの差し戻しができない旨をエラー出力する。従って、先の返品処理において既にポイント利用の取消があった場合に、二重にポイントが差し戻されてしまうことを防止できる。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0036】
例えば、上述では本実施形態にかかる情報処理装置としてPOS端末1を適用した例を示したが、当該情報処理装置としてマルチ情報端末2等のその他の装置を用いてもよい。また、POS端末1の制御部11が有する各部の機能をストアサーバ4の制御部41が有する形態として、ストアサーバ4が上記返品処理を行ってもよい。くわえて、ネットワーク接続された複数の情報処理装置が上記各部の機能を分散して保持し、当該機能を実現する形態としてもよい。
【0037】
尚、上述ではストアサーバ4が売上ファイル481を有するとしたが、その他の装置が売上ファイル481と同様のデータベースを有する構成であってもよい。一例として、系列店舗の売上データを統括する本部サーバが、複数のストアサーバ4から送信されたデータに基づいて売上データを管理する形態であってもよい。
【0038】
会員マスタ681についても同様に、他の装置が記憶する形態としてもよい。例えば、ストアサーバ4や上記本部サーバが会員マスタ681を有していてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1…POS端末、2…マルチ情報端末、4…ストアサーバ、6…ポイント管理サーバ、11…制御部、51…入力受付部、52…取引情報問合部、53…売上登録部、54…ポイント管理部、55…表示制御部、56…印字制御部、90…返品レシート、91…エラーメッセージ、100…ポイント管理システム、481…売上ファイル、681…会員マスタ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0040】
【特許文献1】特開2006−251841号公報