特許第6105493号(P6105493)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6105493断片化されたワイヤレス・スペクトルの仮想集約
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6105493
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】断片化されたワイヤレス・スペクトルの仮想集約
(51)【国際特許分類】
   H04J 1/00 20060101AFI20170316BHJP
【FI】
   H04J1/00
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-557744(P2013-557744)
(86)(22)【出願日】2012年2月24日
(65)【公表番号】特表2014-512735(P2014-512735A)
(43)【公表日】2014年5月22日
(86)【国際出願番号】US2012026437
(87)【国際公開番号】WO2012161784
(87)【国際公開日】20121129
【審査請求日】2013年10月30日
【審判番号】不服2015-20790(P2015-20790/J1)
【審判請求日】2015年11月24日
(31)【優先権主張番号】13/040,458
(32)【優先日】2011年3月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】プローヒト,ヴィナイ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルフォード,ポール,エー.
【合議体】
【審判長】 大塚 良平
【審判官】 菅原 道晴
【審判官】 林 毅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−232857(JP,A)
【文献】 特開2009−290899(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2093957(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J1/00,11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入来するある特定のユーザのデータ・ストリームを複数の出力されるサブストリームに分割するステップであって、該出力されるサブストリームのそれぞれは、複数のスペクトル・フラグメントのそれぞれのスペクトル・フラグメントに割り当てられ、且つ該それぞれのスペクトル・フラグメントの帯域幅と比例するデータ転送速度を有し、前記複数のスペクトル・フラグメントの内の少なくとも1つのスペクトル・フラグメントは、既に他のユーザに割り当てられ、前記出力されるサブストリームを割り当てられないスペクトル・フラグメントによって前記複数のスペクトル・フラグメントの他のいずれのスペクトル・フラグメントからも分離される不連続スペクトル・ブロックである、ステップ(420)と、
前記それぞれのスペクトル・フラグメントを介しての伝送に適合されている変調された信号を提供するために、前記出力されるサブストリームのそれぞれを変調するステップ(430)と、
前記変調された信号を少なくとも1つのキャリア信号のそれぞれのスペクトル・フラグメントへとアップコンバートするステップ(440)と、
を含み、
前記アップコンバートされた変調済みの信号内に含まれるサブストリームは、前記データ・ストリームを回復するために、受信機で復調および組み合わせられるように適合されている、
方法。
【請求項2】
通信システム内のそれぞれのチャネルを介して前記キャリア信号を伝送するステップ(450)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つ又は複数の前記キャリア信号は、衛星通信システム内のそれぞれのトランスポンダによってサポートされている、請求項に記載の方法。
【請求項4】
1つ又は複数の前記キャリア信号の各々は、マイクロ波通信方式システム内のそれぞれのマイクロ波リンクによってサポートされている、請求項に記載の方法。
【請求項5】
入来するある特定のユーザのデータ・ストリームを複数の出力されるサブストリームに分割するための分波器であって、前記サブストリームのそれぞれは、複数のスペクトル・フラグメントのそれぞれのスペクトル・フラグメントに割り当てられ、前記それぞれのスペクトル・フラグメントの帯域幅と比例するデータ転送速度を有し、前記複数のスペクトル・フラグメントの内の少なくとも1つのスペクトル・フラグメントは、既に他のユーザに割り当てられ、前記出力されるサブストリームを割り当てられないスペクトル・フラグメントによって前記複数のスペクトル・フラグメントの他のいずれのスペクトル・フラグメントからも分離される不連続スペクトル・ブロックである、分波器(111、811)と、
複数の変調器であって、各変調器が、前記それぞれのスペクトル・フラグメントを介しての伝送に適合されている変調された信号を提供するために、それぞれの出力されるサブストリームを変調するように構成された、複数の変調器(112、812)と、
前記変調された信号を少なくとも1つのキャリア信号のそれぞれのスペクトル・フラグメントへとアップコンバートするための少なくとも1つのアップコンバータ(114)と
を備える装置であって、
前記アップコンバートされた変調された信号内に含まれる前記サブストリームは、前記データ・ストリームを回復するために、受信機で復調および組み合わせられるように適合されている、
装置。
【請求項6】
前記分波器(111、811)は、
前記データ・ストリームの連続する部分をそれぞれのカプセル化パケットのペイロード部分にカプセル化するエンカプスレータであって、前記データ・ストリームの前記連続する部分のそれぞれは、前記それぞれのカプセル化パケットのヘッダ部分内に含まれるそれぞれのシーケンス番号に関連する、エンカプスレータ(1010)と、
前記変調器に向けてカプセル化されたパケットを選択的にルーティングするためのマスター・スケジューラ(1020)と、
を備える請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記マスター・スケジューラ(1020)は、顧客指定のアルゴリズムおよびサービス・プロバイダ指定のアルゴリズムのうちの1つに従って、パケットをルーティングし、ルーティングされた各サブストリームは、それぞれ対応する各スレーブ・スケジューラの重みと関連している、
請求項に記載の装置。
【請求項8】
ソフトウェア命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されたときに、
入来するある特定のユーザのデータ・ストリームを複数の出力されるサブストリームに分割するステップであって、該出力されるサブストリームのそれぞれは、複数のスペクトル・フラグメントのそれぞれのスペクトル・フラグメントに割り当てられ、該それぞれのスペクトル・フラグメントの帯域幅と比例するデータ転送速度を有し、前記複数のスペクトル・フラグメントの内の少なくとも1つのスペクトル・フラグメントは、既に他のユーザに割り当てられ、前記出力されるサブストリームを割り当てられないスペクトル・フラグメントによって前記複数のスペクトル・フラグメントの他のいずれのスペクトル・フラグメントからも分離される不連続スペクトル・ブロックである、ステップ(420)と、
前記それぞれのスペクトル・フラグメントを介しての伝送に適合されている変調された信号を提供するために、前記出力されるサブストリームのそれぞれを変調するステップ(430)と、
少なくとも1つのキャリア信号のそれぞれのスペクトル・フラグメントへと前記変調された信号をアップコンバートするステップ(440)と
を含む方法を行い、
前記アップコンバートされた変調済みの信号内に含まれる前記サブストリームは、前記データ・ストリームを回復するために受信機で復調および組み合わせられるように適合されている、
コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、通信ネットワークに関し、より詳細には、それに限定されないが、衛星およびマイクロ波ベースのポイント・ツー・ポイントの通信ならびにバックホール・リンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のワイヤレス・システムでは、伝送されるデータの量に比例した帯域幅をもつ連続するスペクトルのブロックを利用できることを想定している。伝送システムは、したがって、通常のまたは平均的な使用ケースを用いる最悪の場合の帯域幅要件に対して設計されていることが多く、一部の例では、より小さい帯域幅(すなわちスペクトル)を必要とすることもある。
【0003】
衛星通信システムおよび他のポイント・ツー・ポイント通信システムにおいては、顧客に割り当てられた利用可能なスペクトルは時間の経過とともに断片化されることがあり、このために割り当てられたスペクトルのブロック間に未使用のブロックが生じる。未使用のスペクトルのブロックが小さすぎる場合、顧客の間でスペクトルを再び割り当てるか、またはスペクトルの未使用のブロックを単一のスペクトル領域へと合体できるように、既存のスペクトル割当てから新しいスペクトル割当てに顧客を「移動させる」ことが必要である。残念なことに、そのような再割当てを行うと大きな混乱が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の様々な不備点が、本発明のスペクトルを集約するシステム、方法、および装置によって対処され、ここでは、データ・ストリームのそれぞれの部分をスペクトルの離れた各ブロックへと変調することによって、スペクトルの複数の離れたブロックをスペクトルの1つの連続する仮想ブロックとして構成することができ、この変調された部分に関連するデータ転送速度は、変調される離れたスペクトル・ブロックの利用可能な帯域幅と互換性をもっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態による方法は、データ・ストリームを複数のサブストリームに分割するステップであって、サブストリームのそれぞれは、それぞれのスペクトル・フラグメントに関連し、それぞれのスペクトル・フラグメントの帯域幅と互換性をもつデータ転送速度を有する、ステップと、それぞれのスペクトル・フラグメントにより伝送するために適合された変調された信号を提供するためにサブストリームのそれぞれを変調するステップと、少なくとも1つのキャリア信号のそれぞれのスペクトル・フラグメントへと変調された信号をアップコンバートするステップとを含み、アップコンバートされた変調済みの信号内に含まれるサブストリームは、それによってデータ・ストリームを回復するために受信機で復調および組み合わせられるように適合されている。
【0006】
一実施形態による装置は、データ・ストリームを複数のサブストリームに分割するための分波器であって、サブストリームのそれぞれは、それぞれのスペクトル・フラグメントに関連し、それぞれのスペクトル・フラグメントの帯域幅と互換性をもつデータ転送速度を有する、分波器と、複数の変調器であって、それぞれの変調器は、それぞれのスペクトル・フラグメントにより伝送するために適合された変調された信号を提供するために、それぞれのサブストリームを変調するように構成された、複数の変調器と、少なくとも1つのキャリア信号のそれぞれのスペクトル・フラグメントへと変調された信号をアップコンバートするための少なくとも1つのアップコンバータとを備え、アップコンバートされた変調済みの信号内に含まれるサブストリームは、それによってデータ・ストリームを回復するために受信機で復調および組み合わせられるように適合されている。
【0007】
方法または装置の分割機能は、それぞれのカプセル化パケットのペイロード部分へとデータ・ストリームの連続する部分をカプセル化するステップであって、データ・ストリームの連続する部分のそれぞれは、それぞれのカプセル化パケットのヘッダ部分内に含まれるそれぞれのシーケンス番号に関連する、ステップと、復調器に向けてカプセル化されたパケットを選択的にルーティングするステップとを含むことができる。
【0008】
選択的なルーティングは、ランダムなルーティング・アルゴリズム、ラウンド・ロビン・ルーティング・アルゴリズム、顧客指定のアルゴリズム、およびサービス・プロバイダ指定のアルゴリズムなどのうちのいずれかに従ってカプセル化パケットのルーティングに基づいてもよく、各サブストリームは、それぞれの重みと関連している。
【0009】
様々なサブストリームは、衛星通信システム内の1つまたは複数のトランスポンダ、マイクロ波通信方式システム内の1つまたは複数のマイクロ波リンク、および/またはワイヤレス通信システム内の1つまたは複数のワイヤレス・チャネルを介して伝送するためにキャリア信号へと変調およびアップコンバートすることができる。
【0010】
様々な実施形態では、カプセル化されたパケットは、回復力/冗長性を追加するために、複数回、ルーティングされる。
【0011】
本発明の教示は、添付図面とともに以下の詳細な説明を考慮することによって容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態による通信システムを示すブロック図である。
図2】本実施形態を理解するのに役立つスペクトル割当てをグラフ的に示す図である。
図3】様々な実施形態で使用するに適した汎用コンピューティング・デバイスのハイレベル・ブロック図である。
図4】一実施形態による方法の流れ図である。
図5】一実施形態による方法の流れ図である。
図6】一実施形態による方法の流れ図である。
図7A】一実施形態による通信システムのブロック図である。
図7B】一実施形態による通信システムのブロック図である。
図8A】一実施形態による通信システムのブロック図である。
図8B】一実施形態による通信システムのブロック図である。
図9A】一実施形態による通信システムのブロック図である。
図9B】一実施形態による通信システムのブロック図である。
図10】様々な実施形態で使用するに適したスライサ/デマルチプレクサのハイレベル・ブロック図である。
図11】一実施形態による方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
理解し易くするために、可能な場合は、図に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号を使用している。
【0014】
本発明は、衛星通信システムの文脈の中で主に記述する。しかし、当業者および本明細書の教示から知識を得た者は、本発明はまた、マイクロ波通信システム、ワイヤレス通信システムなど、柔軟なスペクトル割当てから利益を得る任意のシステムに適用可能であることを理解するであろう。
【0015】
一実施形態は、累積的な帯域幅が、構成するブロックの帯域幅の合計とほぼ等しくなるように、ワイヤレス・スペクトルの複数の断片化されたブロックを1つの連続する仮想ブロックへと集約するために、効率的かつ汎用の技術を提供する。断片化されたブロックは、オプションとして、ガード・ブロック、他者が所有するブロック、地域または国のワイヤレス・スペクトル監督機関によって禁止されたブロックなど、スペクトルのブロックによって相互に分離される。
【0016】
図1は、様々な実施形態から利益を得る通信システムのブロック図を示している。図1の通信システム100は、仮想スペクトル・アグリゲータ送信機110、電力増幅器120、衛星アップリンク130、衛星140、衛星ダウンリンク150、仮想スペクトル・アグリゲータ受信機160、およびオプションとして制御モジュール170を含むポイント・ツー・ポイント・リンクを含む。ポイント・ツー・ポイント・リンクを通じて伝送されるデータは、188バイトのトランスポート・ストリーム(TS)パケット、64〜1500バイトのイーサネット・パケットなど、データ・ストリーム・パケットDとして提供される。特定のパケット構造、パケット構造内で伝達されるデータなどは、本明細書に記述した様々な実施形態に対して容易に適合される。
【0017】
入力データ・ストリームDは、仮想スペクトル集約送信機110によって受信され、N個のサブストリーム(D…DN−1)を提供するために、スライサ/デマルチプレクサ111によって処理され、ここで、Nは、S、SなどからSN−1までとして示される多数のスペクトル・フラグメントに対応している。
【0018】
図1に示すように、N=3であり、したがって、スライサ/デマルチプレクサ111は、(実例として)D、D、およびDとして示された3つのサブストリームへと入力データ・ストリームDをスライス、多重化、および/または分割する。
【0019】
サブストリームD、D、およびDのそれぞれは、それぞれの変調器112(すなわち変調器112、112、および112)に結合される。変調器112、112、および112のそれぞれは、それぞれのスペクトル・フラグメントS、S、およびSによって運ばれるように、対応する変調された信号を提供するために、それぞれのサブストリームD、D、およびDを変調する。
【0020】
変調器112は、波形の型、コンスタレーション・マップ、順方向誤り修正(FEC)設定の特性など、同じ特性を有する、または異なる特性を有する変調器を含むことができる。各変調器は、特定タイプのトラフィック(たとえば、ストリーミング・メディア、ストリーム送信しないデータなど)、その対応するスペクトル・フラグメントSに関連する特定のチャネル条件、および/または他の基準に従って最適化することができる。
【0021】
概して言えば、スライサ/デマルチプレクサ111によって任意のサブストリームDに割り当てられたデータの量は、対応するスペクトル・フラグメントSのデータ運搬容量に比例する。様々な実施形態では、サブストリームDのそれぞれは、同じ量のデータを含む一方、他の実施形態では、様々なサブストリームDは、異なる量のデータを含むことができる。
【0022】
図1に示すように、第1の変調器112は、第1のスペクトル・フラグメントSに関連する6MHzの信号を提供し、第2の変調器112は、第2のスペクトル・フラグメントSに関連する1MHzの信号を提供し、第3の変調器112は、第3のスペクトル・フラグメントSに関連する1MHzの信号を提供する。
【0023】
周波数マルチプレクサ(すなわち信号結合器)113は、組み合わせられた変調された信号Scを生成するために変調された信号を組み合わせるように動作し、これは変調されたキャリア信号Cを提供するために、アップコンバータ114によってキャリア信号へと変調される。複数の周波数マルチプレクサ/信号結合器113は、共通のトランスポンダ、マイクロ波リンク、およびワイヤレス・チャネルなどを介して伝送されるように、変調された信号のそれぞれのグループを多重化するために使用することができることに注意されたい。
【0024】
図1の実施形態では、変調されたキャリア信号Cに関連するスペクトルは、変調されたデータ・サブストリームを伝達するために使用される複数のスペクトル・フラグメントへと、論理的にまたは実際に分割される。スペクトル・フラグメント・アロケーション・テーブルまたは他のデータ構造は、どのスペクトル・フラグメントが規定されているか、どのスペクトル・フラグメント(どのデータ・サブストリーム)が使用されているか、およびどのスペクトル・フラグメントを利用できるかを追跡するために使用される。概して言えば、各トランスポンダ/伝送チャネルは、複数のスペクトル・フラグメントまたは領域に分割することができる。これらのスペクトル・フラグメントまたは領域のそれぞれは、特定のデータ・サブストリームに割り当てることができる。データ・サブストリームのそれぞれは、一意または共通の変調方式に従って変調することができる。
【0025】
図1に示すように、単一の衛星トランスポンダが使用されるため、変調された信号はすべて、単一の衛星チャネルを介したアップコンバージョンおよび伝送の前に、周波数マルチプレクサ113によって組み合わせることができる。様々な実施形態では、1つまたは複数の衛星内に複数のトランスポンダを使用することができる。これらの実施形態では、衛星内で共通のトランスポンダを介して伝送されるそれらの変調された信号だけが組み合わせられ、ともに変換される。様々な実施形態では、変調波形は独立して伝送される。
【0026】
アップコンバータ114によって生成された、変調されたキャリア信号Cは、電力増幅器120によって増幅され、衛星アップリンク130を介して衛星140に送信される。衛星140は、変調されたサブストリームD、D、およびDを含む変調されたキャリア信号を衛生ダウンリンク150に送信し、これは仮想スペクトル・アグリゲータ受信機160に信号を伝播する。
【0027】
仮想スペクトル・アグリゲータ受信機160は、受信されたキャリア信号C’から組み合わせられたスペクトル・フラグメント信号Sc’をダウンコンバートするダウンコンバータ(165)と、組み合わせられたスペクトル・フラグメント信号Sc’からスペクトル・フラグメントS’、S’、およびS’を分離するように動作する周波数デマルチプレクサ(164)とを含む。
【0028】
スペクトル・フラグメントS’、S’、およびS’のそれぞれは、個別の復調器(すなわち復調器162、162、および162)に結合される。対応する復調されたサブストリームD’、D’およびD’を提供するために、復調器162、162、および162のそれぞれは、そのそれぞれのスペクトル・フラグメントS’、S’およびS’を復調する。
【0029】
仮想スペクトル・アグリゲータ送信機110によって最初に処理された入力データ・ストリームDを表す出力データ・ストリームD’を生成するために、復調されたサブストリームD’、D’、およびD’は、結合器161によって処理される。復調器162のそれぞれは、その対応する変調器112と互換性をもつ方法で動作することを注意されたい。
【0030】
オプションとして、仮想スペクトル・アグリゲータ受信機160は、様々な復調されたサブストリームに弾性的なエラスティック・バッファリング機能を提供するバッファ166、166、および166を含むため、様々なサブストリームに関連する異なる伝播遅延によって引き起こされた調整エラーは、サブストリームを組み合わせる前に回避することができる。166に属するバッファは、復調器(162)と結合器161との間に配置された機能要素として示されている。様々な実施形態では、バッファ166またはそれらの機能的な等価物は、結合器161内に含まれている。たとえば、結合器161は、復調器(162)のすべてからデータを受信し、次に、出力ストリームD’としてそのデータを再配置する単一のバッファを含むことができる。サブストリーム内のパケットIDおよび/または他の情報は、この目的に使用することができる。
【0031】
オプションの制御モジュール170は、要素管理システム(EMS)、ネットワーク管理システム(NMS)、および/または図1に関して本明細書に記述した機能を実装するネットワーク要素の管理に使用するのに適した他の管理または制御システムと対話する。制御モジュール170は、様々な変調器、復調器、および/または図1に関して本明細書に記述した要素内の他の回路を構成するために使用することができる。さらに、制御モジュール170は、それによって制御される要素に関して離れて位置してもよく、伝送回路に隣接して位置してもよく、受信機回路などに隣接して位置してもよく、その他諸々な場所に位置してよい。制御モジュール170は、本明細書に記述したような特定の制御機能を実行するようにプログラムされた汎用コンピュータとして実装することができる。一実施形態では、制御モジュール170は、それぞれ第1の制御信号TXCONFおよび第2の制御信号RXCONFを介して、仮想スペクトル・アグリゲータ送信機110および仮想スペクトル・アグリゲータ受信機160の構成および/または操作を構成する。この実施形態では、複数の制御信号は、複数の送信機および受信機の場合に提供することができる。
【0032】
図2は、本実施形態を理解するのに役立つスペクトル割当てのグラフ的な図を示している。具体的には、図2は、36MHzのスペクトル割当てをグラフ的に示しており、第1の顧客には、スペクトルの第1の部分210、実例として単一の10MHzのブロックが割り当てられ、第2の顧客には、スペクトルの第2の部分220、実例として単一の8MHzのブロックが割り当てられ、第3の顧客には、スペクトルの第3の部分230、実例として単一の10MHzのブロックが割り当てられ、第4の顧客には、スペクトルの第4の部分240、実例として第1の1MHzのブロック240、第2の1MHzのブロック240、および6MHzのブロック240を含む3つの不連続スペクトル・ブロックが割り当てられる。
【0033】
本明細書で説明した様々な実施形態において、第4の顧客に関連するデータ・ストリームは、単一の6MHzのスペクトル・フラグメントで2つの異なる1MHzのスペクトル・フラグメントに分割され、分割されたもののそれぞれは本質的に図1に関して上に記述したのと同じ方法で処理される。
【0034】
図3は、本明細書に記述した様々な実施形態で使用するに適した汎用コンピューティング・デバイス300のハイレベル・ブロック図を示している。たとえば、図3に示されたコンピューティング・デバイス300は、本明細書に記述される様々な送信機の処理機能、受信機の処理機能、および/または管理処理機能を実装するのに適したプログラムを実行するために使用することができる。
【0035】
図3に示すように、コンピューティング・デバイス300は、入力/出力(I/O)回路310、プロセッサ320、およびメモリ330を含む。プロセッサ320は、I/O回路310およびメモリ330のそれぞれに結合される。
【0036】
メモリ330は、バッファ332、送信機(TX)プログラム334、受信機(RX)プログラム336、および/または、管理プログラム338を含むように示されている。メモリ330に格納される特定のプログラムは、コンピューティング・デバイス300を使用して実装される機能に依存している。
【0037】
一実施形態では、図1に関して上に記述したスライサ/デマルチプレクサ111は、図3のコンピューティング・デバイス300などのコンピューティング・デバイスを使用して実装される。具体的には、プロセッサ320は、スライサ/デマルチプレクサ111に関して上に記述した各種機能を実行する。この実施形態では、I/O回路310は、データ・ソース(図示せず)から入力データ・ストリームDを受信し、N個のサブストリーム(D…DN−1)を復調器112に提供する。
【0038】
一実施形態では、図1に関して上に記述した結合器161は、図3のコンピューティング・デバイス300などのコンピューティング・デバイスを使用して実装される。具体的には、プロセッサ320は、結合器161に関して上に記述した各種機能を実行する。本実施形態では、I/O回路310は、(オプションとしてバッファ166を介して)復調器162から、復調されたサブストリームD’、D’、およびD’を受信し、仮想スペクトル・アグリゲータ送信機110によって最初に処理された入力データ・ストリームDを表す出力データ・ストリームD’を提供する。
【0039】
一実施形態では、図1に関して上に記述したオプションの制御モジュール170は、図3のコンピューティング・デバイス300などのコンピューティング・デバイスを使用して実装される。
【0040】
特定のタイプおよび配置のコンポーネントを有するものとして主に示し記述したが、他の適切なタイプおよび/または配置のコンポーネントもコンピューティング・デバイス300に使用できることが理解されるであろう。コンピューティング・デバイス300は、本明細書に記述した各種機能を実装するのに適した任意の方法で実装することができる。
【0041】
図3に示したコンピュータ300は、本明細書に記述した機能要素、および/または本明細書に記述した機能要素の部分を実装するのに適した一般的なアーキテクチャおよび機能を提供することが理解されるであろう。本明細書に示し記述した機能は、たとえば汎用コンピュータ、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または他のハードウェア等価物を使用して、ソフトウェアおよび/またはハードウェアに実装することができる。
【0042】
ソフトウェアによる方法として本明細書に記述したステップの一部は、たとえば、様々な方法のステップを実行するようにプロセッサと協働する回路として、ハードウェア内に実装ができると考えられる。本明細書に記述した機能/要素の一部は、コンピュータ・プログラム製品として実装することができ、コンピュータ命令は、コンピュータによって処理されたときに、本明細書に記述した方法および/または技術が呼び出されるか、そうでなければ提供されるように、コンピュータの動作を構成する。本発明の方法を呼び出すための命令は、固定または取り外し可能な媒体に格納され、ブロードキャストまたは他の信号搬送媒体でデータ・ストリームを介して伝送され、有形媒体を介して伝送され、かつ/または命令に従って動作するコンピューティング・デバイス内のメモリ内に格納され得る。
【0043】
図4は、一実施形態による方法の流れ図を示している。具体的には、図4の方法400は、図1に関して上に説明したように、伝送のためにデータ・ストリームDを処理するのに適している。
【0044】
ステップ410で、仮想スペクトル集約送信機110によってなど、1つまたは複数の顧客からのデータを含むデータ・ストリームが受信される。
【0045】
ステップ420で、受信されたデータ・ストリームは、N個のサブストリームへスライスされ、各サブストリームは、それぞれのスペクトル・フラグメントに関連付けられる。ボックス425を参照すると、サブストリームへとデータ・ストリームをスライスする処理は、以下の基準、すなわち、顧客ごと、フラグメントごと、データ型に対して、固定サイズ、可変サイズ、様々なスライス方法および/または他の基準の組合せ、のいずれかを単独または任意の組合せで使用して実行することができる。
【0046】
ステップ430で、サブストリームのそれぞれは、それぞれの変調器を使用して変調される。ボックス435を参照すると、復調器は、データ型に対して最適化し、チャネル条件に対して最適化することができ、それらは共通の特性を共有し、それらは様々な/異なる特性などを有する。
【0047】
オプションのステップ440で、1つまたは複数の変調されたサブストリームは、同じトランスポンダまたは伝送チャネルを使用して伝送されることになっており、これらの変調されたサブストリームが組み合わせられる。
【0048】
ステップ450では、変調されたサブストリームは、アップコンバートおよび伝送される。ボックス455を参照すると、アップコンバージョン/伝送プロセスは、衛星通信方式、マイクロ波通信システム、ワイヤレス通信システム/チャネル、または他の媒体にある場合がある。
【0049】
図5は、一実施形態による方法の流れ図を示している。具体的には、図5の方法500は、図1に関して上に説明したように、1つまたは複数の受信されたサブストリームを処理するのに適している。
【0050】
ステップ510で、1つまたは複数の変調されたサブストリームが受信され、ダウンコンバートされる。ボックス515を参照すると、1つまたは複数の変調されたサブストリームは、衛星通信方式、ワイヤレス通信システム、ワイヤレス通信システム/チャネル、または他の媒体を介して受信することができる。
【0051】
ステップ520で、以前に送信機で組み合わせされたサブストリームは、個々のサブストリームを提供するために分離され、ステップ530で、個々のサブストリームのそれぞれは、それぞれの適切な復調器を使用して復調される。
【0052】
ステップ540で、復調されたサブストリームの1つまたは複数は、選択的に遅延されるため、結果として生じる復調データ・ストリームは一時的に調整することができる。
【0053】
ステップ550で、復調され、選択的に遅延したサブストリームは、仮想スペクトル・アグリゲータ送信機によって最初に処理された入力データ・ストリームDを表すデータ・ストリームD’など、結果として生じるデータ・ストリームを提供するために組み合わせられる。
【0054】
図6は、一実施形態による方法の流れ図を示している。具体的には、図6の方法600は、様々な実施形態に従って様々な送信機および受信機のパラメータを構成するのに適している。
【0055】
ステップ610で、顧客データの伝送のために要求が受信される。ボックス615を参照すると、要求は指定された帯域幅、指定されたデータ転送速度、指定されたデータ型、指定された変調タイプ、ならびに/または顧客データ伝送要求に関連する帯域幅および/もしくはサービス要件を記述する他の情報を提供することができる。
【0056】
ステップ620で、顧客データ伝送要求を満たすのに適したスペクトル割当てに関して決定が行われる。
【0057】
ステップ630で、特定のスペクトル関連の基準が、顧客データ伝送要求を満たすのに適しているかどうかに関して、オプションの決定が行われる。ボックス635を参照すると、そのようなスペクトル関連の基準は、最小の帯域幅ブロック・サイズ、連続する帯域幅ブロックの要件、および/または他の基準を含むことができる。
【0058】
ステップ640で、利用可能なスペクトル・フラグメントが識別される。ボックス645を参照すると、利用可能なスペクトル・フラグメントの識別は、アロケーション・テーブル、管理システム、および/またはそのような情報の他のソースに関して行うことができる。一実施形態では、アロケーション・テーブルは、衛星通信システムによってサービスを提供される各顧客に関連するスペクトル割当てを規定する、すなわち、各顧客の帯域幅割当て、帯域幅をサポートするトランスポンダ(複数可)、トランスポンダ(複数可)をサポートする衛星(複数可)などである。さらに、各衛星の各トランスポンダのサイズおよびスペクトル領域に関して、利用可能なスペクトル・フラグメントが規定される。
【0059】
ステップ650で、顧客データ伝送要求を満たすために利用可能なスペクトル・フラグメントが割り当てられる。ボックス655を参照すると、利用可能なスペクトル・フラグメントは、利用可能なものとして割り当て、顧客に対して最適化し、キャリアに対して最適化し、スペクトル・フラグメント数を減らすために最適化し、回復力または冗長度を提供するために最適化し、かつ/または他の基準に基づいて最適化することができる。
【0060】
ステップ660で、送信機/受信機システムは、顧客データ伝送要求をサポートし、要求する顧客および/または他の顧客のためにスペクトル・フラグメント割当てへのいずれの変化に対しても適合するために、正しい数およびタイプの変調器/復調器を提供するように構成される。すなわち、特定の顧客、サービス・プロバイダなどを支持して最適化するために、最適化および/または他の基準に基づいて、複数の顧客のスペクトル・フラグメント割当てを変更することが適切な場合がある。
【0061】
ステップ670で、課金データ、サービス契約などが適切に更新される。ステップ680で、システム構成、供給、および/または他の管理データが更新される。
【0062】
様々な実施形態では、異なる衛星トランスポンダおよび/または異なる衛星で利用可能なスペクトル・フラグメントが、仮想の連続するブロックを形成するために集約される。他の実施形態では、複数のトランスポンダの全帯域幅が、衛星リンクを通じて高いデータ転送速度のパイプ(たとえばOC−3/12c)をサポートするために使用される。
【0063】
図7〜9は、様々な実施形態による通信システムのブロック図を示している。図7〜9に示した通信システム内の様々なコンポーネントのそれぞれは、図1の通信システム内の対応するコンポーネントに関して、上に記述したのと同じ方法で本質的に機能する。たとえば、図7〜9の実施形態のそれぞれにおいて、入力データ・ストリームDは、仮想スペクトル集約送信機110によって受信され、N個のサブストリーム(D…DN−1)を提供するために、スライサ/デマルチプレクサx11(711、811、911)によって処理され、N個のサブストリームのそれぞれは、それぞれの変調器x12(712、812、912)によって変調される。様々な図の間にある他の違いおよび類似点について、ここでより詳細に記述する。
【0064】
図7は、ストリームA、B、C、およびDとして示された複数のデータ・ストリームのそれぞれを伝えるために単一のトランスポンダが使用される単一のトランスポンダの実施形態を示している。図7Aは、システムのアップリンク部分を示す一方、図7Bは、システムのダウンリンク部分を示している。
【0065】
図7Aを参照すると、組み合わせられて変調された信号ABCを提供するために第1の信号結合器113によって組み合わせられるそれぞれの変調されたストリームを生成するために、データ・ストリームA、B、およびCは、それぞれの変調器712によって変調される。
【0066】
次に、それぞれのスペクトル・フラグメントS、S、およびSによって運ばれる、対応する変調された信号を提供するために、それぞれの変調器712(すなわち変調器712、712、および712)によって変調されるN個のサブストリーム(D…DN−1)を提供するために、データ・ストリームDはスライサ/デマルチプレクサ711によって処理される。組み合わせられた変調された信号DDDを提供するために、対応する変調された信号は、第2の信号結合器713によって組み合わせられる。これは、第3の信号結合器713によって変調された信号ABCと組み合わせられる。電力増幅器720によって増幅され、衛星アップリンク730を介して衛星740に向けて送信されるキャリア信号Cを生成するために、結果として生じる組み合わせられた変調された信号は、アップコンバータ714によって変換される。
【0067】
図7Bを参照すると、衛星740は、変調されたストリームAからDを含む変調されたキャリア信号を衛生ダウンリンク750に送信し、これはダウンコンバータ765に信号を伝播する。ダウンコンバートされた信号は、ABCおよびDDDの信号成分に信号を分離するように動作する周波数デマルチプレクサ764によって処理される。
【0068】
ABC信号成分は、変調された信号を回復するために第2の周波数デマルチプレクサ764によって分離され、次に、それぞれの復調器752によって復調される。
【0069】
それぞれの復調器752によって復調された変調された信号を回復するために、DDD信号成分は、第3の周波数デマルチプレクサ764によって分離される。
【0070】
入力データ・ストリームDを表す出力データ・ストリームD’を生成するために、復調されたサブストリームD’、D’、およびD’は、結合器761によって処理される。復調器162のそれぞれは、その対応する変調器112と互換性をもつ方法で動作することを注意されたい。
【0071】
図8は、トランスポンダが2つある実施形態を示し、第1のトランスポンダは、データ・ストリームDに関連する3つのサブストリームの2つだけでなく、ストリームA、B、およびCとして示された複数のデータ・ストリームを伝えるために使用され、第2のトランスポンダは、データ・ストリームDに関連する第3のサブストリームだけでなく、EおよびFとして示された複数のデータ・ストリームを伝えるために使用される。図8Aは、システムのアップリンク部分を示し、図8Bは、システムのダウンリンク部分を示している。
【0072】
図8Aを参照すると、データ・ストリームA、B、C、E、およびFは、それぞれの変調されたストリームを生成するためにそれぞれの変調器812によって変調される。
【0073】
データ・ストリームEおよびFは、それぞれの変調された信号を生成するためにそれぞれの変調器812によって変調される。
【0074】
次に、それぞれのスペクトル・フラグメントS、S、およびSによって運ばれる、対応する変調された信号を提供するために、それぞれの変調器812(すなわち変調器812、812、および812)によって変調されるN個のサブストリーム(D…DN−1)を提供するために、データ・ストリームDはスライサ/デマルチプレクサ811によって処理される。
【0075】
組み合わせられた変調された信号ABCを提供するために、データ・ストリームA、B、およびCに関連する変調された信号は、第1の信号結合器813によって組み合わせられる。
【0076】
組み合わせられた変調された信号D12を提供するために、サブストリームDおよびDに関連する変調された信号は、第2の信号結合器813によって組み合わせられる。
【0077】
次に、第1の813および第2の813の信号結合器によって生成された組み合わせられた変調された信号は、第3の信号結合器813によって組み合わせられ、第1のキャリア信号C1を生成するために第1のアップコンバータ814によって変換される。
【0078】
サブストリームDに関連する変調された信号、ならびにストリームEおよびFは、第4の信号結合器813によって組み合わせられ、第2のキャリア信号C2を生成するために第2のアップコンバータ814によって変換される。
【0079】
C1およびC2のキャリア信号は、第4の信号結合器813によって組み合わせられ、電力増幅器820によって増幅され、衛星アップリンク830のそれぞれのトランスポンダ(AおよびB)を介して、衛星840に向けて送信される。
【0080】
図8Bを参照すると、衛星840は、衛生ダウンリンク850にそれぞれのトランスポンダ(AおよびB)を介して変調されたストリームAからFを含む2つの変調されたキャリア信号を送信し、これは信号をダウンコンバータ865に伝播する。ダウンコンバートされた信号は、周波数デマルチプレクサ864によってその2つのキャリア信号へと分離される。2つのキャリア信号は、入力データ・ストリームAからFを表す様々な出力データ・ストリームA’からF’を生成するために、864に属する様々なデマルチプレクサ、862に属する復調器、および結合器861を使用して処理される。
【0081】
図9は、データ・ストリームDに関連する3つのサブストリームの2つとともに、ストリームA、B、およびCとして示された複数のデータ・ストリームを伝えるために、1つの衛星(940)が使用される、衛星が2つある実施形態を示している。第2の衛星(940)は、データ・ストリームDに関連する第3のサブストリームとともに、EおよびFとして示されている複数のデータ・ストリームを伝えるために使用される。図9Aは、システムのアップリンク部分を示し、図9Bは、システムのダウンリンク部分を示している。
【0082】
図9Aを参照すると、データ・ストリームA、B、C、E、およびFは、2つのキャリア信号が、単一の衛星のそれぞれのトランスポンダを介して伝えるために組み合わせられないことを除いて、図8Aに関して上に記述したのと本質的に同じ方法で処理される。むしろ、図9は、個別の電力増幅器(920および920)によって増幅され、アップリンク930および930を使用して、それぞれ衛星940および940に送信される2つのキャリア信号を示している。
【0083】
図9Bを参照すると、2つの衛星940は、それぞれのダウンリンク950を介して、変調されたストリームAからFを含むそれぞれの変調されたキャリア信号を送信し、これは次に、それぞれのダウンコンバータ965に供給される。2つのダウンコンバートされたキャリア信号は、入力データ・ストリームAからFを表す出力データ・ストリームA’からF’を生成するために、デマルチプレクサ(964)、復調器(962)、および結合器(961)を使用して処理される。
【0084】
図10は、本明細書に記述した様々な実施形態で使用するのに適したスライサ/デマルチプレクサのハイレベル・ブロック図を示している。具体的には、図10のスライサ/デマルチプレクサ1000は、パケット・エンカプスレータ1010、バッファ・メモリ1022を含むマスター・スケジューラ1020、およびバッファ・メモリ1032を含む複数のスレーブ・スケジューラ1030を含む。
【0085】
パケット・エンカプスレータ1010は、データ・ストリームDから受信されたパケットを、事前定義されている、または正規化された形式を有するパケット構造へとカプセル化するように動作する。様々なカプセル化パケット形式を使用できるが、システムのアップリンク側のスライサ/デマルチプレクサによって使用されるカプセル化形式に従ってパケットを組み合わせるように、システムのダウンリンク側の結合器を構成することが重要である。
【0086】
一実施形態では、カプセル化パケットは、185バイトのペイロード・セクションおよび3バイトのヘッダ・セクションを有する188バイトのパケットを含む。パケット・エンカプスレータ1010は、オリジナル・データ・ストリームDから連続する185バイト部分を抽出し、カプセル化パケット(EP)を形成するために抽出された各部分をカプセル化する。各カプセル化パケットのヘッダ部分は、ペイロード・データに関連するユーザ・シーケンス番号を格納するため、データ・ストリームの連続する185バイト部分は、様々な図に関して上に説明したように、結合器によって再構築することができる。
【0087】
一実施形態では、ユーザ・シーケンス番号は、継続的に増分され、パケット・エンカプスレータ1010によって提供されるカプセル化されたパケットにスタンプを押すために使用される14ビットの番号を含む。一実施形態では、パケット・エンカプスレータ1010によって提供されるパケットのヘッダ部分は、2つのゼロ・ビットが続き、ユーザ・シーケンス番号に関連する14ビットが続く16進数47(すなわち47h)を格納する第1のバイトを含む。
【0088】
伝えられている総合データ率がより高い場合、より大きなシーケンス番号フィールド(たとえば24または32ビット)を使用することができる。シーケンス番号フィールドのサイズは、上記の様々な図に記述されている受信結合器要素で起こるバッファリングの量に関係している。バッファのサイズは、次に、最大サブストリーム帯域幅と最小サブストリーム帯域幅の比率に関係している。したがって、様々な実施形態は、合計の全帯域幅および/または最大帯域幅サブストリームと最小帯域幅サブストリームとの比率に基づいて、シーケンス番号のフィールド・サイズ(および結果として生じるオーバヘッド)を調整することができる。
【0089】
様々な実施形態では、カプセル化パケットを構成するために、188バイトより多いバイト数、または少ないバイト数が使用される。様々な実施形態では、カプセル化パケット・ヘッダを構成するために、3バイトより多いバイト数、または少ないバイト数が使用される。たとえば、ユーザ・シーケンス番号に追加的なヘッダ・ビットを割り当てることによって、より大きなユーザ・シーケンス番号を使用することができる。この場合、受信機で同じシーケンスを有する2つのカプセル化パケットを処理する可能性が減る。
【0090】
本明細書に記述した実施形態では、188バイトの固定パケット・サイズがカプセル化パケットに使用される。しかし、様々な代替実施形態において、異なる固定サイズのパケットおよび/または異なる可変サイズのパケットは、そのようなパケット・サイズがそれらのサブストリームに使用されるそれぞれの変調器の入力インターフェースと互換性をもっている限り、異なるサブストリームに使用することができる。
【0091】
マスター・スケジューラ1020は、カプセル化されたパケットを様々なスレーブ・スケジューラ1030にルーティングする。スレーブ・スケジューラ1030は、次に、それらのパケットをスライサ/デマルチプレクサのそれぞれの出力ポートにルーティングし、それによって、実例として、それぞれのサブストリームを変調器または他のコンポーネントに提供する。
【0092】
概して言えば、各スレーブ・スケジューラ1030は、そのスケジューラに割り当てられたスペクトル・フラグメントの帯域幅に一致するパケットを受け入れる。したがって、1MHzのスペクトル・フラグメント・チャネルにサービスを提供するスレーブ・スケジューラは、10MHzのスペクトル・フラグメントまたは領域にサービスを提供するスレーブ・スケジューラの約1/10のデータ転送速度でパケットを受け入れる。
【0093】
マスター・スケジューラ1020は、どのスレーブ・スケジューラ1030が次のカプセル化されたパケットを受信できるか(またはするべきか)を識別するために、スレーブ・スケジューラ1030と通信する。オプションとして、マスター・スケジューラ1020は、スレーブ・スケジューラ1030からステータスおよび他の管理情報を受信し、このステータス情報の一部は、様々な管理エンティティ(図示せず)に伝播することができる。
【0094】
一実施形態では、スレーブ・スケジューラ1030は、パケットを受け入れる能力を示す制御信号をマスター・スケジューラ1020に提供する。一実施形態では、マスター・スケジューラ1020は、ラウンドロビン方式でスレーブ・スケジューラ1030にパケットを割り当てる。一実施形態では、特定の伝送チャネルまたはスペクトル領域が顧客および/またはサービス・プロバイダ要件に基づいて好ましい場合、マスター・スケジューラ1020によるカプセル化されたパケットの割当ては、好ましい伝送チャネルにサービスを提供するこれらのスレーブ・スケジューラ1030に、より多くのカプセル化されたパケットを提供することを選ぶように重み付けされる。
【0095】
一実施形態では、スレーブ・スケジューラのそれぞれは、事前定義された帯域幅または対応するスペクトル・フラグメントに関連するチャネル容量の他のインジケータに関連している。この実施形態では、マスター・スケジューラ1020は、各スレーブ・スケジューラ1030の重み付け割当てに従ってパケットをルーティングする。
【0096】
概して言えば、マスター・スケジューラは、ランダムなルーティング・アルゴリズム、ラウンドロビン・ルーティング・アルゴリズム、顧客指定のアルゴリズム、およびサービス・プロバイダ指定のアルゴリズムの1つまたは複数に従ってパケットをルーティングする。そのようなルーティングは、各変調器、スペクトル・フラグメント、通信チャネルなどに重み係数を関連付けることによって対応することができる(たとえば、トランスポンダ、マイクロ波リンク、ワイヤレス・チャネルなど)。たとえば、好ましいスペクトル・フラグメントは、最小または最大サイズをもつフラグメント、比較的低いエラー・チャネルまたは比較的高いエラー・チャネルに関連するフラグメント、好ましい通信タイプに関連するフラグメント(たとえば、衛星、マイクロ波リンク、ワイヤレス・ネットワークなど)、好ましい顧客に関連するフラグメントなどを含むことができる。チャネルに重み付けする他の手段、通信システム、スペクトル領域なども、様々な実施形態において使用することができる。
【0097】
図11は、一実施形態による方法の流れ図を示している。ステップ1110で、パケットはデータ・ストリームDから受信される。ステップ1120で、受信されたパケットがカプセル化される。ボックス1125を参照すると、パケットは、185バイトのペイロードおよび3バイトのヘッダ・パケットを含むことができる。異なるシーケンス番号フィールド・サイズおよび/または追加の制御情報を有する他のヘッダ形式を、本実施形態の文脈の中で使用することができる。
【0098】
ステップ1130で、カプセル化されたパケットは、実例として、マスター・スケジューラ1020、パケット・エンカプスレータ1010内の個別のバッファ(図示せず)などによってバッファされる。
【0099】
ステップ1140で、エンカプスレータ・パケットは、マスター・スケジューラ1020によってスレーブ・スケジューラ1030に転送される(または転送するようにされる)。
【0100】
本明細書に記述した様々な実施形態において、各カプセル化されたパケットは、それぞれのサブストリームの一部としてそれぞれの変調器に結合される。しかし、増加したデータ回復力および/またはバックアップを提供するように構成された実施形態では、カプセル化されたパケットは、複数のそれぞれのサブストリームの一部として複数の変調器に結合することができる。これらの実施形態では、カプセル化されたパケットに関連するシーケンス番号は同じままである。
【0101】
これらの実施形態では、受信機は、適切なシーケンス番号をもつ第1のカプセル化されたパケット(またはエラーのないカプセル化されたパケット)を処理し、同じシーケンス番号を有する他のパケットを無視する。すなわち、受信機でカプセル化パケットを再び順序付ける場合、最近順位付けされたカプセル化パケットのシーケンス番号に一致するシーケンス番号を有するこれらのカプセル化パケットが廃棄される。シーケンス番号は周期的または繰り返されるため(たとえば、14ビットのシーケンス番号の場合、16,384のカプセル化パケットごと)、数千パケット前に処理されたカプセル化パケットと同じシーケンス番号を有するカプセル化パケットは、その以前に処理されたカプセル化パケットの複写である可能性があるため、冗長としてドロップまたは廃棄するべきである。
【0102】
本明細書に記述した様々な実施形態は、離れたスペクトルのブロックの動的なスペクトル・アグリゲーションを提供するため、顧客の帯域幅要件が変わると、スペクトルを増やしたり、または既存のスペクトル割当てから減らしたりすることができる。さらに、小さなスペクトル・ブロックまたは孤立したスペクトル・ブロック(すなわち、概括的に役立てるには小さすぎるスペクトル・ブロック)は、帯域幅のより大きなブロックを形成するために、事実上組み合わせることができる。
【0103】
上記の実施形態は、1つのスペクトル・フラグメントの損失が、サービスの完全な損失を引き起こさないことになるため、改善されたシステム回復力を含む多くの利点を提供する。さらに、スペクトル・フラグメントが複数のトランスポンダを横断してマッピングされている場合、1つのトランスポンダの損失のために、サービスが完全に損失することはなく、むしろ、許容できる品質範囲内のサービス(グレースフル・デグラデーション)が提供される。連続するスペクトルを利用するより古い/既存の方式は、単一障害点になる可能性がある唯一のトランスポンダを使用することができる。
【0104】
実施形態の様々な利点は、そうでなければ小さすぎて使用できない孤立したスペクトル・フラグメントを使用する能力だけでなく、著しく高いスペクトル使用効率を含む。様々な実施形態は、衛星用途、ベントパイプSatCom用途に使用されるものなどのポイント・ツー・ポイントのワイヤレス・リンク、マイクロ波タワーを使用して提供されるワイヤレス・バックホール・インフラストラクチャなどに適用することができる。
【0105】
様々な実施形態は、帯域幅が、すでに使用中のそれらの帯域幅ブロックに追加的な帯域幅のブロックを「付加する」ことによって割り当てられるため、サービス・プロバイダおよび消費者のために「pay−as−you−grow(成長に合わせて支払う)」ビジネス・モデルを促進できるメカニズムを提供する。
【0106】
様々な実施形態では、サテライト・システムの単一のトランスポンダは、複数の変調されたサブストリームを含むキャリア信号を伝播するために使用され、変調されたサブストリームのそれぞれは、そのそれぞれのスペクトル・フラグメント領域を占める。他の実施形態では、複数のキャリア信号は、それぞれのトランスポンダを介して伝播される。
【0107】
様々な実施形態では、マイクロ波通信システム内の単一のマイクロ波リンクは、複数の変調されたサブストリームを含むキャリア信号を伝播するために使用され、各変調されたサブストリームは、そのそれぞれのスペクトル・フラグメント領域を占める。他の実施形態では、複数のキャリア信号は、それぞれのマイクロ波リンクを介して伝播される。
【0108】
様々な実施形態では、ワイヤレス通信システム内の単一のワイヤレス・チャネルは、複数の変調されたサブストリームを含むキャリア信号を伝播するために使用され、各変調されたサブストリームは、そのそれぞれのスペクトル・フラグメント領域を占める。他の実施形態では、複数のキャリア信号は、それぞれのワイヤレス・チャネルを介して伝播される。
【0109】
前述した内容は本発明の様々な実施形態に関して記述しているが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他およびさらなる実施形態を考案することができ、当業者なら、これらの教示を組み込んだ他の多数の様々な実施形態を容易に考案することができる。そのため、本発明の適切な範囲は、添付の特許請求の範囲に従って決定すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11