(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
乳幼児の身体を縦抱き状態で保持するシート部、前記シート部から延びて縦抱き状態で着用者の肩に掛けられる1対の肩ベルト、および前記シート部から延びて縦抱き状態で着用者の腰に回し掛けされる腰ベルトを有する縦抱きシートを備え、
前記縦抱きシートは、前記縦抱きシートのシート部および1対の肩ベルトをまとめて畳んだ状態で保持する縦抱きシート保持部をさらに有し、
前記腰ベルトは、前記シート部の長手方向端と連続する腰ベルト中央部と、前記シート部の幅方向一方に向かって延出する第1延出部と、前記シート部の幅方向他方に向かって延出する第2延出部とを有するとともに、前記第2延出部から延出する腰ベルト帯よりも幅寸法および厚み寸法の大きな部材からなり、
前記縦抱きシート保持部は、前記シート部および前記1対の肩ベルトを収納する袋であり、
前記縦抱きシート保持部は、前記腰ベルトを着用者の腰に巻き掛けた状態において、前記縦抱きシートのシート部および1対の肩ベルトをまとめて畳んだ状態で保持することを特徴とする、子守帯。
乳幼児の身体を縦抱き状態で保持するシート部、前記シート部から延びて縦抱き状態で着用者の肩に掛けられる1対の肩ベルト、および前記シート部から延びて縦抱き状態で着用者の腰に回し掛けされる腰ベルトを有する縦抱きシートを備え、
前記縦抱きシートは、前記縦抱きシートのシート部および1対の肩ベルトをまとめて畳んだ状態で保持する縦抱きシート保持部をさらに有し、
前記腰ベルトは、前記シート部の長手方向端と連続する腰ベルト中央部と、前記シート部の幅方向一方に向かって延出する第1延出部と、前記シート部の幅方向他方に向かって延出する第2延出部とを有するとともに、前記第2延出部から延出する腰ベルト帯よりも幅寸法および厚み寸法の大きな部材からなり、
前記縦抱きシート保持部は、前記シート部および前記1対の肩ベルトを収納する袋であり、
前記縦抱きシート保持部は、前記腰ベルトに結合されていることを特徴とする、子守帯。
乳幼児の頭を横抱き状態で支持するヘッドシート部、乳幼児の背中および尻を横抱き状態で支持するバックシート部、および前記バックシート部から起立して乳幼児の股と対面するクロッチ部を有し、前記縦抱きシートに着脱可能に取り付けられる横抱きシートをさらに備え、
前記1対の肩ベルトは、縦抱き状態および横抱き状態で着用者の肩に掛けられる、請求項1または2に記載の子守帯。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、乳幼児の成長は速くその体重がどんどん増えていくので、成長するにしたがって子守帯を着用する着用者の両肩には大きな負担がかかるようになる。そこで、乳児の体重を着用者の肩および腰に好適に分担して支持することができる子守帯が好まれる。乳幼児の体重を含む子守帯の荷重を着用者の腰に着実に伝達し、着用者の腰の広範囲に子守帯の荷重を分散させて着用者の疲労を軽減するには、乳児を保持する縦抱き用のシートの左右両側に1対の肩ベルトを結合し、このシートの下側に腰ベルトを結合し、腰ベルトの厚み寸法や幅寸法を大きくするとよい。
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載された子守帯は腰ベルトを有しない。また特許文献1に記載された子守帯にあっては、ベストあるいはチョッキのような使用者装着部材が腰ベルトを含むものの、赤ちゃん保持部材が使用者装着部材にバックルやファスナで着脱可能に連結されるため、乳幼児の支持が不安定となり、さらには縦抱きおよび横抱きの双方において着脱操作が面倒である。
【0007】
そこで、乳児を保持する縦抱き用のシートに、厚みおよび幅が大きく縦抱きに好適な肩ベルトおよび腰ベルトを分離不能に結合することが考えられる。しかし、従来よりも大きな腰ベルトがシートに結合した子守帯を、今度は横抱きにして使用する場合、腰ベルトが使用されることなく、しかも大きな腰ベルトは邪魔になる。
【0008】
かといって、大きな腰ベルトのみをシートに脱着可能とすれば、荷重を着用者の腰に適正に分散することができず、さらには誤使用の懸念や、紛失の懸念がある。
【0009】
本発明は、上述の実情に鑑み、縦抱きにおいてはシートに結合する大きな腰ベルトを使用することが可能で、横抱きにおいては腰ベルトを好適に縮小することができる子守帯の構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の子守帯は、乳幼児の身体を縦抱き状態で保持するシート部、シート部から延びて縦抱き状態で着用者の肩に掛けられる1対の肩ベルト、およびシート部から延びて縦抱き状態で着用者の腰に回し掛けされる腰ベルトを有する縦抱きシートを備える。そして、縦抱きシートは、縦抱きシートのシート部および1対の肩ベルトをまとめて畳んだ状態で保持する縦抱きシート保持部をさらに有することを特徴とする。本発明の一実施の形態の子守帯は、乳幼児の頭を横抱き状態で支持するヘッドシート部、乳幼児の背中および尻を横抱き状態で支持するバックシート部、およびバックシート部から起立して乳幼児の股と対面するクロッチ部を有し、縦抱きシートに着脱可能に取り付けられる横抱きシートをさらに備え、1対の肩ベルトは、縦抱き状態および横抱き状態で着用者の肩に掛けられている。
【0011】
本発明の一実施形態による子守帯は、乳幼児の身体を縦抱き状態で保持するシート部、シート部から延びて縦抱き状態および横抱き状態で着用者の肩に掛けられる1対の肩ベルト、およびシート部から延びて縦抱き状態で着用者の腰に回し掛けされる腰ベルトを有する縦抱き用シートと、乳幼児の頭を横抱き状態で支持するヘッドシート部、乳幼児の背中および尻を横抱き状態で支持するバックシート部、およびバックシート部から起立して乳幼児の股と対面するクロッチ部を有し、縦抱きシートに着脱可能に取り付けられる横抱きシートとを備える。そして、横抱きシートは、縦抱きシートに取り付けられた状態で、腰ベルトを畳んで保持する腰ベルト保持部をさらに有することを特徴とする。
【0012】
かかる本発明の一実施形態によれば、乳幼児を縦抱きおよび横抱き可能な子守帯において、縦抱きシートが肩ベルトおよび腰ベルトを有することから、縦抱き状態で乳幼児を安定して支持することができ、煩雑な着脱操作が軽減される。そして特許文献1のような別体のベストあるいはチョッキが不要になる。また、縦抱き状態でシート部の長手方向他方端部と結合する腰ベルトを着用者の腰に巻き掛けて、乳幼児の体重を着用者の腰の広範囲に分散させることができる。さらに、横抱き状態でこの腰ベルトを畳んで縮小することができ、邪魔になることがない。しかも、横抱きシートに設けられた腰ベルト保持部がシートに設けられた腰ベルトを保持することから、腰ベルト保持部は横抱きシートを縦抱きシートに固定する役割を果たすことができる。
【0013】
腰ベルト保持部は、子守帯の横抱き状態で使用されない腰ベルトを、畳んだ状態に保持するものであればよくその構成、位置、および形状は特に限定されない。本発明の好ましい実施形態として、横抱きシートのバックシート部は縦抱きシートのシート部に重なるよう取り付けられ、腰ベルト保持部はクロッチ部に設けられる。かかる実施形態によれば、腰ベルト保持部が畳まれた腰ベルトを保持することによって厚みを増し、結果的にクロッチ部の厚みを大きくすることができる。他の実施形態として腰ベルト保持部はクロッチ部以外に配置される。
【0014】
本発明の一実施形態として、腰ベルト保持部は畳まれた腰ベルトを収納する袋である。かかる実施形態によれば、畳まれた腰ベルトをすっきりと収納することができる。袋はシートの幅方向外方から腰ベルトに被さるものであってもよいし、シートの長手方向一方あるいは他方から腰ベルトに被さるものであってもよく、袋の形状は特に限定されない。他の実施形態として、腰ベルト保持部は、畳まれた腰ベルトを係止する面ファスナやボタンであってもよい。
【0015】
本発明の好ましい実施形態として、腰ベルトを収納する袋は横抱きシートの下側面に設けられて横抱きシートの長手方向に出し入れされるポケットである。ポケットの形状は特に限定されない。より好ましい実施形態として、ポケットの出入口が横抱きシートの幅方向に延在して、ポケットの奥側がポケット出入口よりも幅方向に広がって形成されて、畳まれた腰ベルトをポケット奥側に収納する。かかる実施形態によれば、腰ベルトがポケットから不用意に抜け出すことを防止することができる。他の実施形態として、ポケットの出入口の幅方向寸法がポケットの奥側の幅方向寸法と略等しくてもよい。
【0016】
本発明の好ましい実施形態として、横抱きシートは、根元がバックシート部と結合し、先端が1対の肩ベルトの一端とそれぞれ接続する1対の接続ベルトをさらに有する。かかる実施形態によれば、接続ベルトと肩ベルトを接続することによって、肩ベルトを延長することができ、肩ベルトの長さを縦抱き状態および横抱き状態のそれぞれに適合させることができる。また。他の実施形態として、肩ベルトの一端および他端が縦抱きシートと連結してもよい。
【0017】
本発明は一実施形態に限定されるものではないが、接続ベルトは横抱き状態でクロッチ部に設けられたベルト案内部に通されてもよい。かかる実施形態によれば、腰ベルト保持部が横抱き状態で子守帯の荷重を負担する接続ベルトに沿って保持されることから、腰ベルトおよび腰ベルト保持部がぶらぶらと揺動することがない。
【0018】
本発明は一実施形態に限定されるものではないが、縦抱きシートは、縦抱きシートのシート部および1対の肩ベルトをまとめて畳んだ状態で保持する縦抱きシート保持部をさらに有してもよい。かかる実施形態によれば、子守帯で乳幼児を保持しない場合であっても、シート部および1対の肩ベルトをまとめて畳むことができる。したがって着用者の腰に腰ベルトを巻き掛け、シート部および1対の肩ベルトを縮小した状態で、着用者は縦抱きシートを身に着けることができる。
【0019】
一実施形態として、縦抱きシート保持部は、両端が腰ベルトと結合し、中間領域がシート部および1対の肩ベルトを束ねる帯であってもよい。かかる実施形態によれば、シート部および1対の肩ベルトを縮小した状態を、帯によって保持することができる。他の実施形態として、帯は腰ベルトとシート部の境界に設けられた貫通孔を貫通して、シート部および1対の肩ベルトを束ねる。さらに他の実施形態として、縦抱きシート保持部は、シート部および1対の肩ベルトを収納する袋である。
【0020】
上述した袋ないしポケットの他、腰ベルト保持部は、畳まれた腰ベルトを束ねる帯であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
このように本発明の一実施形態は、横抱き状態で使用されない腰ベルトを畳んで縮小することができることから、横抱き状態で腰ベルトが邪魔になることがない。しかも縦抱き状態でこの腰ベルトを着用者の腰に巻き掛けて子守帯の荷重を好適に分担して、しかも荷重を着用者の腰全体に分散させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明の一実施例になる子守帯の縦抱きシート外側面を示す図であり、
図2は同実施形態の縦抱きシート内側面を示す図である。
図3は、同実施形態の縦抱きシートが縦抱き状態で乳児を保持する状態を示す図である。
図4は縦抱き状態で用いられる縦抱きシートの外側面を示す図である。
図5は子守帯の着用者が同実施形態の縦抱きシートを縦抱き状態で用いる状態を示す図であり、だっこの場合を示す。
【0025】
この説明の中で、縦抱き状態とは、乳幼児の頭を上にして乳幼児の足を下にして保持することをいい、おんぶおよびだっこのいずれであってもよい。また横抱き状態とは、乳幼児の体を略水平にすることをいい、一般的には乳幼児の頭と足が着用者(乳幼児の保護者)の左右方向になるよう、着用者の腹部に隣接して支持するものである。
【0026】
また、この説明の中で、内側面とは乳幼児と接触する面をいい、縦抱き状態にあっては子守帯の着用者に指向する面になる。これに対し外側面とは、内側面とは反対側の面をいい、縦抱き状態にあっては子守帯の着用者と反対側の面をいう。
【0027】
また、この説明の中で、シートの幅方向とは、縦抱き状態にあっては乳幼児および着用者からみて左右方向に等しく、横抱き状態にあっては乳幼児からみて左右方向に等しいとともに着用者からみて前後方向に等しい。またシートの長手方向とは、縦抱き状態にあっては乳幼児および着用者からみて上下方向(すなわち頭から足まで身体の延在方向)に等しく、横抱き状態にあっては乳幼児からみて頭から足まで身体の延在方向に等しいとともに着用者からみて左右方向に等しい。つまり長手方向とは幅方向と直角な方向をいい、シートの長手方向寸法および幅方向寸法の長短を限定するものではない。
【0028】
また、横抱き状態で使用される横抱きシートは、縦抱きシートのシート部と重なるように取り付けられることから、横抱きシートの幅方向とは乳幼児からみて左右方向に等しい。また横抱きシートの長手方向とは、乳幼児からみて頭から足まで身体の延在方向に等しい。
【0029】
本実施例の子守帯は、
図1〜
図5に示す縦抱きシート10および後述する横抱きシートを備える。縦抱きシート10は、シート部11と、第1肩ベルト21と、第2肩ベルト22と、腰ベルト31とを有する。縦抱きシート10の1対の肩ベルトになる第1肩ベルト21および第2肩ベルト22は、シート部11の長手方向一方側の幅方向両側とそれぞれ結合する。腰ベルト31はシート部11の長手方向他方側と結合して幅方向へ延びる。
【0030】
シート部11は縦抱き状態で乳幼児を直接保持する。またシート部11は、後述する横抱き状態で、乳幼児を支持する横抱きシートを直接保持する。このためシート部11は、厚みの大きなシート状の縫製部材からなり、長手方向および幅方向に広がる。
【0031】
シート部11の長手方向一方端には1対の肩ベルトになる第1肩ベルト21および第2肩ベルト22が縫い付けられる。シート部11の長手方向他方端には腰ベルト31が縫い付けられる。またシート部11の長手方向一方端部にはヘッドカバー12がボタンあるいはファスナ等で着脱可能に取り付けられる。ヘッドカバー12は、厚みの小さな布からなり、シート部11の長手方向一方端から延出する。ヘッドカバー12の幅方向両端には、1対の留め帯13がそれぞれ設けられる。留め帯13の根元はヘッドカバー12の長手方向一方端の角部に縫い付けられ、留め帯13の先端側には、複数のボタン14、14が間隔を開けて設けられる。
【0032】
シート部11の幅方向一方側縁および幅方向他方側縁には、1対のクッション筒15,16が縫い付けられて結合する。クッション筒15,16はクッション性の縫製部材からなる先端開口の筒であり、これらのクッション筒は内部にバックルを収納する。クッション筒15,16内のバックルは、シート部11にそれぞれ縫い付けられ、シート部11の長手方向一方寄りに位置する。クッション筒15,16、後述するクッションシート、および他のクッション筒等を含めて、バックルを包囲する緩衝部材は、バックルが乳幼児に当接することを防止する。
【0033】
シート部11の幅方向一方側縁および幅方向他方側縁には、通気性の良い薄い布からなる1対の股布11mが縫い付けられる。股布11mはクッション筒15,16から腰ベルト31までシート部11の長手方向に延び、乳幼児の脚の付け根と接触する。
【0034】
図2に示すように、シート部11の内側面には通気性の良い薄い布からなる股当て17が設けられる。股当て17はT字のような形状であって、股当て17の下端縁がシート部11の長手方向他方端に縫い付けられる。股当て17の上端縁は自由端にされる。また股当て17の上端縁のうち幅方向一方および他方には、1対のバックル18がそれぞれ設けられる。
【0035】
第1肩ベルト21の根元はシート部11の長手方向一方側に縫い付けられて結合する。具体的に第1肩ベルト21は、シート部11の幅方向一方側から長手方向一方へ延出する。
【0036】
第1肩ベルト21の先端には接続具21cが固定され、接続具21cには第1肩ベルト帯23が取り付けられている。第1肩ベルト帯23は第1肩ベルト21の先端から延出するものであり、第1肩ベルト帯23の先端側にはバックル25が取り付けられる。第1肩ベルト帯23を接続具21cに沿って滑らすことにより接続具21cからバックル25までの長さを調整可能とされる。
【0037】
第1肩ベルト21は、縦抱き状態で着用者の一方の肩に掛けられる。このため第1肩ベルト21は、通常の帯よりもベルト幅およびベルト厚みの大きな縫製部材からなり、子守帯の荷重を着用者の肩の広範囲に分散させる。
【0038】
第1肩ベルト21の長手方向中央には、ブリッジベルト41が取り付けられている。ブリッジベルト41は第1肩ベルト21から延びる帯であって、その先端側にバックル43を有する。バックル43はブリッジベルト41に沿って位置調整可能である。さらに第1肩ベルト21の長手方向中程には、前述したヘッドカバー12の留め帯13のボタン14と係合する複数のボタン27が間隔を開けて設けられる。
【0039】
第2肩ベルト22は、シート部11の幅方向中央で長手方向に延びる仮想線を対称軸として、第1肩ベルトと対称に構成され、具体的にシート部11の長手方向一方端のうち幅方向他方から延出する。したがって
図1では、第2肩ベルト22と、接続具22cと、第2肩ベルト帯24と、バックル26と、ボタン28と、ブリッジベルト42と、クッション素材からなるクッション筒45の符号のみを示し、詳細な説明を省略する。なお先端開口のクッション筒45はブリッジベルト42の先端に設けられたバックルを包囲する。したがってブリッジベルト42の先端のバックルは外に露出しない。
【0040】
図2に示すように、第1肩ベルト21の根元には、内側面に沿ってクッションシート19が設けられる。クッションシート19と第1肩ベルト21の内側面との隙間は、第1肩ベルト21の延在方向に出し入れできる開口にされる。そしてクッションシート19と第1肩ベルトの内側面の間にバックルを収容する。クッションシート19の裏側に位置するバックル20は、第1肩ベルト21に縫い付けられて、外に露出しない。同様に、第2肩ベルト22の根元にもクッションシート19およびバックル20(
図15)が設けられる。
【0041】
腰ベルト31は、シート部11の長手方向他方端に縫い付けられて結合する。そしてシート部11の長手方向他方端と連続する腰ベルト中央部32と、幅方向一方に向かって延出する第1延出部33と、幅方向他方に向かって延出する第2延出部34とを有する。第1延出部33の先端にはゴム帯からなる腰ベルト帯通し部35とバックル37とが設けられる。腰ベルト帯通し部35は腰ベルト31の長手方向に貫通する輪である。第2延出部34の先端からは腰ベルト帯36が延出する。腰ベルト帯36にはバックル38が取り付けられる。バックル38は腰ベルト帯36に沿って位置調整可能である。バックル37,38を互いに連結することにより、腰ベルト31は、縦抱き状態で着用者の腰に巻き掛けられる。このため腰ベルト31は、通常の帯よりもベルト幅およびベルト厚みの大きな縫製部材からなり、子守帯の荷重を着用者の腰の広範囲に分散させる。
【0042】
着用者が乳幼児を縦抱きするには、
図3に示すように、まず乳幼児Bの頭を長手方向一方に向け、乳幼児Bの足を長手方向他方に向けて、乳幼児Bをシート部11の内側面に寝かせ、股当て17で乳幼児Bの股を覆い、幅方向一方のバックル18を、幅方向一方のバックル20に連結し、幅方向他方のバックル18を、幅方向他方のバックル20に連結する。これにより乳幼児Bはシート部11に拘束される。
【0043】
また、第1肩ベルト21のバックル25をクッション筒15の中のバックルに連結し、第2肩ベルト22のバックル26をクッション筒16の中のバックルに連結して、着用者の肩を通す輪をそれぞれ形成する。次に着用者が両腕を一方の輪および他方の輪にそれぞれ差し込んで、第1肩ベルト21および第2肩ベルト22を肩にそれぞれ掛けることにより、乳幼児Bは着用者に縦抱きにされる。なお縦抱きはおんぶでもだっこでもよい。
【0044】
次に着用者は、腰ベルト31の第1延出部33および第2延出部34を腰の両側にそれぞれ掛け、バックル38を腰ベルト帯通し部35に差し込んだ後にバックル37に連結する。これにより、乳幼児Bの体重を含む子守帯の荷重が、着用者の肩だけでなく、着用者の腰にも分担される。そして第1肩ベルト21および第2肩ベルト22は、単なる布製帯にすぎない第1肩ベルト帯23および第2肩ベルト帯24よりも幅寸法および厚み寸法の大きな部材からなるので、子守帯の荷重を着用者の両肩の広範囲に優しく分散することができる。また腰ベルト31も、単なる布製帯にすぎない腰ベルト帯36よりも幅寸法および厚み寸法の大きな部材からなるので、子守帯の荷重を着用者の腰の広範囲に優しく分散することができる。
【0045】
次に、ブリッジベルト41のバックル43を、
図4に示すようにクッション筒45の開口に差し込み、ブリッジベルト42の先端のバックル(クッション筒45内)に連結する。これにより、第1肩ベルト21および第2肩ベルト22が互いに接近して、
図5に示すように着用者Mの両肩に深く掛けられる。本実施例の子守帯は、
図5に示すような小さな乳幼児Bを縦抱きすることができる他、図示はしなかったが大きく成長した幼児も縦抱き可能である。
【0046】
なお着用者Mは、必要に応じて、ヘッドカバー12を乳幼児Bの頭に掛けてやるとよい。ヘッドカバー12側のボタン14は、肩ベルト側の複数のボタン27,28と選択的に係合することから、ヘッドカバー12の高さ位置を調節可能である。
【0047】
万一、着用者の不注意で腰ベルトのバックル37,38の連結が解除された場合、バックル38は腰ベルト帯通し部35に係止する。これにより腰ベルト31は着用者の腰から不用意に外れることがない。
【0048】
子守帯で乳幼児を縦抱きも横抱きもしない場合、着用者は本実施例の子守帯のうち、シート部11、第1肩ベルト21、および第2肩ベルト22をまとめて畳むことができる。
【0049】
本実施例の子守帯には、
図6に示すように、腰ベルト31の外側面に帯51が設けられる。具体的に帯51は、その根元で腰ベルト中央部32と結合する。そして帯51の先端にはボタン52が設けられる。また、腰ベルト31の外側面には、腰ベルト31に沿って、シート部11の長手方向に出し入れできるポケット53が設けられ、通常は帯51をポケット53に収納する。
【0050】
図2に示す状態から、第1肩ベルト21および第2肩ベルト22をシート部11の内側面に重ねるように折り、シート部11を長手方向一方側から他方側へ巻いていくと、シート部11は腰ベルト31と隣接する位置まで縮小される。次に帯51を、巻かれたシート部11に巻き掛け、帯51先端のボタン52を、腰ベルト中央部32の内側面に設けられ、ポケットによって外に露出しないようにされたボタン54(
図2)に係合させる。これにより
図7に示すように、シート部11、第1肩ベルト21、および第2肩ベルト22をまとめて畳んだ状態で保持する。したがって着用者は、使用しないシート部11等を縮小させたまま、腰ベルト31を着用者の腰に巻き掛けておくことで、縦抱きシート10をコンパクトな状態で身に着けることができる。
【0051】
乳幼児を横抱きする場合について以下に説明する。
【0052】
図8は本実施例になる子守帯の横抱きシートの下側面を示す図であり、
図9は横抱きシートの上側面を示す図である。
図10は横抱き状態で乳児を保持した状態を示す図である。横抱きシート60は、ヘッドシート部65、バックシート部66、およびクロッチ部を有する。ヘッドシート部65は乳児の頭を下から支持する。ヘッドシート部65の長手方向他方端にはバックシート部66が接続する。バックシート部66は乳児の背中および尻を下から支持する。ヘッドシート部65およびバックシート部66は連続して形成され、これらの内部に硬質の板材61を含む。破線で示す板材61は容易に変形せず、乳児を横抱き状態で安定して支持する。バックシート部66の長手方向他方端にはクロッチ部69が接続する。クロッチ部69は布製で屈曲可能であり、バックシート部66から起立して乳児の股と対面する。また、クロッチ部69の下側面にはポケット62が設けられ、クロッチ部69は袋状に形成される。ポケット62の出入口63は、横抱きシート60の下側面に位置し、横抱きシート60の幅方向に延在する。これによりポケット62は折り畳まれた腰ベルト31を後述のように横抱きシート60の長手方向に出し入れすることができる。
【0053】
図8に示すように、ポケット62は略台形形状であり、ポケット62の奥側が、ポケット62の出入口63よりも幅方向に広がるよう幅広に形成される。なお出入口63はゴム糸を含み、力を加えると大きく開口する。クロッチ部69の下側面、すなわちポケット62の幅方向中央部には、ベルト案内部64が設けられる。ベルト案内部64は横抱きシート60の長手方向に貫通する布製の輪であり、後述のようにベルトを案内する。
【0054】
バックシート部66の長手方向他方端には、下側面から延びる1対の接続ベルト71,72が設けられる。具体的に接続ベルト71の根元は、バックシート部66の幅方向一方側に縫い付けられ、接続ベルト72の根元は横抱きシート60の幅方向他方側に縫い付けられる。接続ベルト71,72の先端にはクッション筒73,74がそれぞれ設けられる。クッション筒73,74はクッション性の縫製部材からなる先端開口の筒であり、これらのクッション筒73,74は内部にバックルを収容する。クッション筒73,74内のバックルは接続ベルト71,72の先端にそれぞれ縫い付けられている。
【0055】
横抱きシート60の幅方向両側には1対のバックル通し部81が設けられる。バックル通し部81は布製の輪であり、横抱きシート60の長手方向一方寄りに配置される。ヘッドシート部65は板材61とともに半円状にされ、かかる半円弧形状の長手方向一方縁に沿ってヘッドガード部83が接続する。ヘッドガード部83はヘッドシート部65の上側面から起立して、ヘッドシート部65の上側面に支持される乳児の頭を保護する。
【0056】
バックシート部66の上側面には、通気性の良い薄い布からなる股当て67が設けられる。股当て67はT字のような形状であって、股当て67の下端縁がバックシート部660の長手方向他方端部に縫い付けられる。股当て67の上端縁は自由端にされる。股当て67の下端縁は板材61の長手方向他方端縁と略同じ位置にされる。また股当て67の上端縁のうち幅方向一方および他方には、1対のバックル68がそれぞれ設けられる。
【0057】
着用者が乳幼児を横抱きするには、
図10に示すように、シート部11の内側面に横抱きシート60の下側面を面接触させ、長手方向他方側および幅方向両側で縦抱きシート10と横抱きシート60を互いに連結して、横抱きシート60を縦抱きシート10に重ねるように取り付ける。次に乳児Cを横抱きシート60の上側面に横たわらせて、股当て67で乳児Cを拘束する。
【0058】
縦抱きシート10と横抱きシート60を互いに連結する手順につき具体的に説明する。シート部11の内側面に横抱きシート60を重ねて載せた状態で、まず
図11に示すように、腰ベルト31をポケット62の奥側の幅方向寸法と略同じになるように折り畳む。ここでは、腰ベルト中央部32の内側面に、第1延出部33と、第2延出部34と、腰ベルト帯36とを重ねていくように折り畳むと良い。
【0059】
次に
図12に示すように、折り畳んだ腰ベルト31をシート部11の内側面に近づくように起こし、ポケット62を下方(シート部11側)に向けて、折り畳んだ腰ベルト31をポケット62の出入口63に差し込む。これにより
図13に示すように、折り畳まれた腰ベルト31はポケット62に収納される。ポケット62は、
図8等に示すように、出入口63よりも奥側が幅広となるよう略台形のような形に形成されることから、折り畳まれた腰ベルト31がポケット62から容易に飛び出すことはない。
【0060】
次に
図14に示すように、接続ベルト71,72をベルト案内部64に通す。
図14は
図10のXIVで示す箇所を詳細に示す図である。なお接続ベルト71,72は、長手方向一方側から他方側に通されて、ポケット62の幅方向一方側および幅方向他方側にそれぞれ掛けられる。接続ベルト71,72をこのようにベルト案内部64に通すことによって、接続ベルト71,72はポケット62に沿って斜め方向に延びる。これにより、ポケット62の幅方向一方端が一方の接続ベルト71を越えて幅方向一方へ張り出すとともに、ポケット62の幅方向他方端が他方の接続ベルト72を越えて幅方向他方へ張り出し、接続ベルト71,72はポケット62を含むクロッチ部69を上方へ起立させつつ安定して支持することができる。
【0061】
次に第1肩ベルト帯23のバックル25をクッション筒73の開口に差し込み、接続ベルト71先端のバックル(クッション筒73内)に連結する。同様に、第2肩ベルト帯24のバックル26をクッション筒74の開口に差し込み、接続ベルト72先端のバックル(クッション筒74内)に連結する。これにより、第1肩ベルト21および接続ベルト71が繋がって横抱きに適した長さの輪にされる(
図10)。同様に、第2肩ベルト22および接続ベルト72が繋がって横抱きに適した長さの輪にされる。
【0062】
次に
図15に示すように、シート部11側の股当て17の1対のバックル18を、幅方向同じ側のバックル通し部81にそれぞれ通し、幅方向同じ側のクッションシート19と肩ベルトとの間にそれぞれ差し込んで、幅方向同じ側のバックル20にそれぞれ連結する。なおバックル20はクッションシート19に覆われており外に露出しない。
図15は
図10のXVで示す箇所を詳細に示す図である。
【0063】
上述した1対のバックル18,20の連結操作と、腰ベルト31をポケット62に収納する操作と、接続ベルト71,72をベルト案内部64に通す操作によって、横抱きシート60は縦抱きシート10に確りと取り付けられる(
図10)。
【0064】
説明を
図10に戻すと、着用者が乳幼児を横抱きするには、乳児Cの頭を長手方向一方に向け、乳児Cの両足を長手方向他方に向けて、ヘッドシート部65およびバックシート部66の上側面に乳児Cをあおむけに横たわらせる。クロッチ部69は乳児Cの両足の間に位置する。次に、股当て67で乳児Cの股部を上から覆い、幅方向一方のバックル68を、幅方向一方のクッション筒15内のバックルに連結し、幅方向他方のバックル68を、幅方向他方のクッション筒16内のバックルに連結する。これにより乳児Cは横抱きシート60に拘束される。
【0065】
次に着用者が自分の一方の腕を、第1肩ベルト21および接続ベルト71の輪と、第2肩ベルト22および接続ベルト72の輪に差し込んで、第1肩ベルト21および第2肩ベルト22を自分の一方の肩にそれぞれたすき掛けすることにより、乳児Cは
図16に示すように着用者Mに横抱きにされる。好ましくは、このときブリッジベルト41先端のバックル43とブリッジベルト42先端のバックル(クッション筒45内)が互いに連結される。
【0066】
なお接続ベルト71,72には子守帯の荷重がかかって上下方向に延びるため、折り畳んだ腰ベルト31を収納するポケット62およびクロッチ部69も、バックシート部66に対して起き上がる。クロッチ部69およびポケット62は、出入口63側の幅方向寸法がポケット奥側の幅方向寸法よりも狭くなるよう形成されることから、
図16に示すように乳児Cの両脚をクロッチ部69幅方向外方に迂回させ易くすることができる。これにより乳児Cは、長手方向に移動しないよう、クロッチ部69とヘッドガード部83の間に保持される。
【0067】
ところで本実施例の子守帯によれば、縦抱きシート10に横抱きシート60を取り付けた状態で、クロッチ部69は腰ベルト31を畳んで保持するポケット62を有することから、横抱き状態で使用されない腰ベルト31を邪魔にならないよう縮小することができる。
【0068】
また本実施例の子守帯によれば、ポケット62の出入口63が横抱きシート60の幅方向に延在し、ポケット62の奥側がポケット62の出入口63よりも幅方向に広がってポケット62が形成されて、畳まれた腰ベルト31をポケット奥側に収納することから、腰ベルト31がポケット62から容易に抜け出すことがない。
【0069】
また本実施例の子守帯によれば、1対の接続ベルト71,72の根元がバックシート部66と結合し、接続ベルト71,72の先端が第1肩ベルト21および第2肩ベルト22とそれぞれ接続することから、第1肩ベルト21および第2肩ベルト22を横抱きに適した長さに変更することができる。
【0070】
また本実施例の子守帯によれば、接続ベルト71,72は横抱き状態でベルト案内部64に通されることから、接続ベルト71,72がポケット62に掛けられる。したがって、クロッチ部69が横抱き状態でぶらぶらと揺動することがない。しかもクロッチ部69がバックシート部66の上側面に対して起立し、バックシート部66の上側面に寝かされる乳児Cの股を保護して、乳児Cの長手方向一方へのずり落ちを防止する。
【0071】
また本実施例の子守帯によれば、シート部11、第1肩ベルト21、第2肩ベルト22をまとめて畳んだ状態で保持する帯51をさらに備えることから、子守帯に乳幼児を保持しない場合であっても、
図7に示すようにシート部11、第1肩ベルト21、および第2肩ベルト22をまとめて畳むことができる。したがって着用者の腰に腰ベルト31を巻き掛け、シート部11、第1肩ベルト21、および第2肩ベルト22を縮小した状態で、着用者は縦抱きシート10を身に着けることができる。
【0072】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。