(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アラーム対処操作履歴情報記録最適化部は、前記アラーム対処操作履歴情報記憶部に記憶されているアラーム対処操作履歴情報に含まれている共通の操作についてのみアラーム対処操作履歴情報として記録する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の数値制御装置。
前記アラーム対処操作履歴情報記録最適化部は、オペレータにより前記アラームの対処に有効であると判断された操作についてのみアラーム対処操作履歴情報として記録する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の数値制御装置。
【背景技術】
【0002】
数値制御装置において、制御対象となる機械などに問題が生じてアラームが発生した場合、
図5に示す手順でアラームの解除が行われる。オペレータが数値制御装置を操作して作業をしている最中にアラームが発生し、数値制御装置が備える表示部にアラームメッセージが表示されると、当該メッセージを見たオペレータが、表示されたメッセージを参考に原因を調査し、アラーム発生の原因を特定する。
【0003】
その後、オペレータは数値制御装置のMDIユニットや操作盤などを操作して、アラーム発生の原因となるデータを修正し、数値制御装置のリセット操作、もしくは自動運転の開始操作を実施する。数値制御装置は、オペレータによる操作を受けて装置のリセット処理、もしくは自動運転を実行する。オペレータは、アラームが解除されれば作業を継続し、アラームが解除されない場合には、再度アラーム原因の調査を繰り返す。
【0004】
図5に示す従来技術におけるアラーム解除の手順では、オペレータが画面上に表示されるアラームメッセージを参考にしてアラームの原因を調査するが、数値制御装置の画面に表示されるアラームメッセージは発生した事象を端的に表現しているものが多く、アラームの原因を調査するために必要となる情報を十分にオペレータに伝えられていないという課題があった。
【0005】
また、オペレータがアラーム発生の原因を調査する際に、オペレータの知識量や経験値によってアラームの原因究明に掛かる時間や、アラームを解除する操作に掛かる時間が大きく異なるため、オペレータの違いが制御対象となる機械の稼働時間に影響するという課題があった。
【0006】
これらの課題に対して特許文献1に記載の技術では、アラーム発生時にオペレータが行った運転監視画面の切換え操作を履歴として記録しておき、新規アラーム発生時に該当アラームに関する過去に行った操作を履歴から抽出し、その操作内容を表示することで課題を解決しようとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、履歴として記録する内容が画面切換え操作のみであることから、アラーム解除に至るまでの明確な操作や手順を得ることが困難であると推測され、上記に挙げた課題を十分に解決しきれていない。
【0009】
そこで本発明の目的は、アラームメッセージの内容だけでなく過去に実施した対処操作を参考にすることで、アラームの対処を容易に実施することのできる数値制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の請求項1に係る発明は、機械の運転制御時に発生したアラームに基づいてアラームメッセージを表示する数値制御装置において、アラームに係る情報と、オペレータによる操
作に係る情報とを関連付けてアラーム対処操作履歴情報として記憶するアラーム対処操作履歴情報記憶部と、アラームが発生した後にオペレータによって行われた操作に係る情報を取得
し、前記アラームと、前記操作に係る情報とに基づいてアラーム対処操作履歴情報を生成する操作履歴情報取得部と
、前記アラーム対処操作履歴情報
を前記アラーム対処操作履歴情報記憶部に記録するアラーム対処操作履歴情報記録部と、アラームが発生した際に、前記アラームに係る情報に基づいて前記
アラーム対処操作履歴情報記憶部からアラーム対処操作履歴情報を抽出するアラーム対処操作履歴情報抽出部と、前記抽出されたアラーム対処操作履歴情報を表示する表示部と、を備え、前記アラーム対処操作履歴情報記録部は、前
記アラーム対処操作履歴情報に含まれる操作に係る情報をオペレータの利便性に資するよう最適化するアラーム対処操作履歴情報記録最適化部を備え、前記アラーム対処操作履歴情報抽出部は、前記抽出したアラーム対処操作履歴情報をオペレータの利便性に資するよう最適化するアラーム対処操作履歴情報抽出最適化部を備える、ことを特徴とする数値制御装置である。
【0011】
本願の請求項2に係る発明は、前記アラーム対処操作履歴情報抽出最適化部は、抽出されたアラーム対処操作履歴情報に含まれる操作に係る情報を操作頻度に基づいてソートする、ことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置である。
【0012】
本願の請求項3に係る発明は、前記アラーム対処操作履歴情報記録最適化部は、前記アラーム対処操作履歴情報記憶部に記憶されているアラーム対処操作履歴情報に含まれている共通の操作についてのみアラーム対処操作履歴情報として記録する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の数値制御装置である。
【0013】
本願の請求項4に係る発明は、前記アラーム対処操作履歴情報記録最適化部は、オペレータにより前記アラームの対処に有効であると判断された操作についてのみアラーム対処操作履歴情報として記録する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の数値制御装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、メッセージの表示と共に、アラーム対処操作履歴情報を表示することで、アラームの原因調査の参考となり、取扱説明書等を参照すること無く、アラームを対処することができる。また、アラームの解除操作に掛かる時間が、オペレータの知識度に左右されることが少なくなり、アラームの発生によるダウンタイムを減らすことで、機械の稼働率が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
上述した通り、従来のアラーム対処作業のオペレータによるアラーム解除作業では、オペレータの知識量や経験値に頼るところが大きく、オペレータのスキルの違いでアラームを解除するまでの時間にばらつきがあった。そこで本発明においては、アラーム発生からアラーム解除までの間に行った操作履歴をアラーム対処操作履歴情報として数値制御装置内に記録し、次回同一アラーム発生時に、その記録したアラーム対処操作履歴情報をアラームメッセージと共に画面上に表示し、アラームメッセージの内容だけでなく、過去に実施した対処操作を参考にすることでその課題を解決する。
また、本発明においてはアラーム対処操作履歴情報は、それを記憶する際、もしくはアラームメッセージと共に表示する際に、単に記録乃至表示するだけでなく、アラームを解除する操作の参考となるよう最適化することで、アラームを解除するための適切な情報としてオペレータに提供される。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態における数値制御装置の要部ブロック図である。数値制御装置100は、数値制御装置運転部110、数値制御装置操作部120、アラーム監視部130、操作履歴情報取得部140、アラーム対処操作履歴情報記録部150、アラーム対処操作履歴情報記憶部160、アラーム対処操作履歴情報抽出部170、数値制御装置表示部180を備えている。
【0018】
数値制御装置運転部110は、加工プログラム等に基づいて制御信号や制御命令等を生成し、制御対象となる機械の各駆動部を運転制御する機能を有している。数値制御装置運転部110は、機械の運転に用いている各種プログラムやデータ、数値制御装置100の各部や、制御対象となる機械の各部に設けられたセンサなどを用いて取得した情報に基づいて、機械の運転状態を監視し、何らかの問題が発生した場合にはアラームを発し、運転制御を中断する機能も有している。
【0019】
数値制御装置操作部120は、MDIユニットや操作盤などの入力機器により構成され、オペレータから数値制御装置100に対する操作を受け付ける機能を有する。本実施の形態においては、数値制御装置100にアラームが発生した際に、オペレータによるアラーム対処操作を受け付ける役割を持つ。
【0020】
アラーム監視部130は、数値制御装置運転部110において発生したアラームを監視し、アラームが発生した際に、当該アラームに関連するアラームメッセージを図示しないアラーム情報テーブルから取得し、アラームメッセージ表示部184に対して当該アラームメッセージを表示すると共に、操作履歴情報取得部140に対してアラームの発生を当該アラームに係る情報(アラームの番号や種類、アラームに係るパラメータ等)と共に通知する。
【0021】
操作履歴情報取得部140は、アラーム監視部130からアラーム発生通知を受けると、当該アラーム発生通知と共に受け付けたアラームに係る情報に基づいて、アラーム発生以降においてオペレータが数値制御装置操作部120を操作して行うアラーム対処操作を記録し、発生したアラームに係る情報と関連付けてアラーム対処操作履歴情報を生成してアラーム対処操作履歴情報記録部150へ出力する。
【0022】
アラーム対処操作履歴情報記録部150は、操作履歴情報取得部140から受け付けたアラーム対処操作履歴情報をアラーム対処操作履歴情報記憶部160へ記録する。アラーム対処操作履歴情報記録部150はサブ機能手段としてアラーム対処操作履歴情報記録最適化部152を備えている。アラーム対処操作履歴情報記録最適化部152は、アラーム対処操作履歴情報をアラーム対処操作履歴情報記憶部160へと記録する際に、オペレータからの指示や、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に既に記憶されているアラーム対処操作履歴情報に基づいて、今回の記録対象となるアラーム対処操作履歴情報を選定し、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に記録するアラーム対処操作履歴情報を最適化する。
【0023】
アラーム対処操作履歴情報記憶部160は、不揮発性メモリ(図示せず)や外部記憶機器などにより構成された記憶領域であり、過去に数値制御装置100上で発生したアラームに係るアラーム対処操作履歴情報を複数記憶している。
アラーム対処操作履歴情報には、発生したアラームに係る情報と、当該アラームが発生した時にオペレータが数値制御装置操作部120を操作に係る情報(オペレータが選択したメニュー項目、参照した情報項目とその値、各データに対するデータ変更の内容、それぞれの操作にかけた時間など、実際にオペレータが行ったことに付随して発生する各種情報)とを関連付けて記憶している。
【0024】
アラーム対処操作履歴情報抽出部170は、数値制御装置100にアラームが発生した時、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に記録されたアラーム対処操作履歴情報から現在発生しているアラームに関連するアラーム対処操作履歴情報を検索して抽出する機能を有する。アラーム対処操作履歴情報抽出においては、発生したアラームの種類などに基づいて、同一の或いは類似するアラームに係る情報を有するアラーム対処操作履歴情報を抽出すると共に、アラーム対処操作履歴情報抽出最適化部172において、抽出した情報が最適化される。
【0025】
アラーム対処操作履歴情報抽出最適化部172が実行するアラーム対処操作履歴情報抽出最適化処理は、オペレータに対して有効であると思われるアラーム対処操作履歴情報を優先的に提供することを目的として実行される。アラーム対処操作履歴情報抽出最適化処理の一例としては、アラーム対処操作履歴情報記憶部160から抽出された同一のアラーム種類の複数のアラーム対処操作履歴情報について、例えば操作種別(オペレータが選択したメニュー項目など)により統計を取り、最も頻度多く操作されている操作の種別を優先して(ソートして)表示する手法が考えられる。また、操作の頻度に加えてアラームが発生した時刻についても着目し、直近1週間の操作頻度に基づいてソートして表示することも考えらえる。さらに、アラーム発生時の時間帯や温度などのパラメータ、当該アラーム対処操作を行ったオペレータの信用度、など、さまざまなデータをアラーム対処操作履歴情報に記録しておくことにより、より最適なアラーム対処操作履歴情報の提供に活用することができる。
【0026】
数値制御装置表示部180は、液晶ディスプレイ、タッチパネルなどの表示機器により構成され、オペレータに対して数値制御装置100の現在の状態情報を提供する役割を有する。数値制御装置表示部180は、アラーム監視部130から受け付けたアラームメッセージを表示するアラームメッセージ表示部184と、アラーム対処操作履歴情報抽出部170から受け付けたアラーム対処操作履歴情報を表示するアラーム対処操作履歴情報表示部186とを備えている。
これらを備えた数値制御装置100において、アラームが発生した際に実行される処理について、いくつかの例を示して説明する。
【0027】
<第1の実施の形態>
図2は、本発明の第1の実施の形態を説明する工程フロー図である。本実施の形態では、アラーム対処操作履歴情報抽出最適化部172が、アラーム対処操作履歴情報記憶部160から抽出された今回発生したアラームの種類と同じアラーム種類の複数のアラーム対処操作履歴情報について、その操作頻度により統計を取り、操作種別を操作頻度でソートして表示する例である。
本図において、ステップSA01〜ステップSA05は、アラームが発生した時にアラーム対処操作履歴情報を生成してアラーム対処操作履歴情報記憶部160へと記録する工程を示しており、ステップSA06〜ステップSA10は、次回以降に同一のアラームが発生した時に、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に記録されたアラーム対処操作履歴情報を抽出してオペレータに提示する工程を示している。
【0028】
●[ステップSA01]数値制御装置100上でアラームが発生する。
●[ステップSA02]アラーム監視部130が、発生したアラームに基づいてアラームメッセージを取得し、当該アラームメッセージをアラームメッセージ表示部184へ表示する。これ以降、オペレータによる操作と数値制御装置100に対して適用されたデータ変更などを記録する。
●[ステップSA03]オペレータは、数値制御装置表示部180のアラームメッセージ表示部184に表示されたアラームメッセージ等の情報を参考にして原因を調査し、アラーム発生の原因を特定する。
●[ステップSA04]オペレータは、数値制御装置操作部120を操作して、アラーム発生の原因となったデータの修正などを行う。
●[ステップSA05]オペレータは、リセット操作や自動運転を開始してアラームを解除する。この時点で、今回発生したアラームに係る情報と、ステップSA02以降でオペレータが行った操作やデータ変更などを関連付けてアラーム対処操作履歴情報を作成し、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に記録する。
【0029】
●[ステップSA06]次回以降において、数値制御装置100上でアラームが発生する。
●[ステップSA07]アラーム監視部130が、発生したアラームに基づいてアラームメッセージを取得し、当該アラームメッセージをアラームメッセージ表示部184へ表示する。また、アラーム対処操作履歴情報抽出部170は、今回発生したアラームの種類等の情報に基づいて、アラーム対処操作履歴情報記憶部160から同一の又は類似するアラーム種別を有するアラーム対処操作履歴情報を抽出する。抽出されたアラーム対処操作履歴情報は、アラーム対処操作履歴情報抽出最適化部172により操作の頻度で統計が取られてソートされ、操作の比度の多い順にアラーム対処操作履歴情報表示部186に表示される。
●[ステップSA08]オペレータは、数値制御装置表示部180のアラームメッセージ表示部184に表示されたアラームメッセージ、アラーム対処操作履歴情報表示部186に表示されたアラーム対処操作履歴情報等を参考にして原因を調査し、アラーム発生の原因を特定する。
●[ステップSA09]オペレータは、数値制御装置操作部120を操作して、アラーム発生の原因となったデータの修正などを行う。
●[ステップSA10]オペレータは、リセット操作や自動運転を開始してアラームを解除する。この時点で、今回発生したアラームに係る情報と、ステップSA07以降でオペレータが行った操作やデータ変更などを関連付けてアラーム対処操作履歴情報を作成し、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に記録する。
【0030】
このように、過去において同じアラームが発生し、当該アラームに対して対処が行われたことがある場合は、オペレータは単にアラームメッセージだけでなく、当該アラームに対して過去に行われた対処操作を、アラーム対処操作履歴情報として参照できるばかりでなく、過去に複数のオペレータが最も多く行った操作を優先して参照することができるため、アラームに対する対処が効率よくかつ容易になることが期待される。
【0031】
<第2の実施の形態>
図3は、本発明の第2の実施の形態を説明する工程フロー図である。本実施の形態では、アラーム対処操作履歴情報記録最適化部152が、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に記録するアラーム対処操作履歴情報を、過去に記録されたアラーム対処操作履歴情報を参照して選別する例である。
本図において、ステップSB01〜ステップSB05は、アラームが発生した時にアラーム対処操作履歴情報を生成してアラーム対処操作履歴情報記憶部160へと記録する工程を示しており、ステップSB06〜ステップSB10は、次回以降に同一のアラームが発生した時に、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に記録されたアラーム対処操作履歴情報を抽出してオペレータに提示する工程を示している。
【0032】
●[ステップSB01]数値制御装置100上でアラームが発生する。
●[ステップSB02]アラーム監視部130が、発生したアラームに基づいてアラームメッセージを取得し、当該アラームメッセージをアラームメッセージ表示部184へ表示する。これ以降、オペレータによる操作と数値制御装置100に対して適用されたデータ変更などを記録する。
●[ステップSB03]オペレータは、数値制御装置表示部180のアラームメッセージ表示部184に表示されたアラームメッセージ等の情報を参考にして原因を調査し、アラーム発生の原因を特定する。
●[ステップSB04]オペレータは、数値制御装置操作部120を操作して、アラーム発生の原因となったデータの修正などを行う。
●[ステップSB05]オペレータは、リセット操作や自動運転を開始してアラームを解除する。この時点で、今回発生したアラームに係る情報と、ステップSB02以降でオペレータが行った操作やデータ変更などを関連付けてアラーム対処操作履歴情報を作成し、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に記録するが、その際にアラーム対処操作履歴情報記録最適化部152は、今回のアラーム対処操作履歴情報と、前回までのアラーム対処操作履歴情報とに記録されている各操作について論理積をとり、過去と共通して行われた操作についてのみを記録対象として、アラーム対処操作履歴情報記憶部160へ記録する。
【0033】
●[ステップSB06]次回以降において、数値制御装置100上でアラームが発生する。
●[ステップSB07]アラーム監視部130が、発生したアラームに基づいてアラームメッセージを取得し、当該アラームメッセージをアラームメッセージ表示部184へ表示する。また、アラーム対処操作履歴情報抽出部170は、今回発生したアラームの種類等の情報に基づいて、アラーム対処操作履歴情報記憶部160から同一の又は類似するアラーム種別を有するアラーム対処操作履歴情報を抽出する。抽出されたアラーム対処操作履歴情報には、今回発生したアラームに対して過去において共通に行われた操作のみが記録されている。
●[ステップSB08]オペレータは、数値制御装置表示部180のアラームメッセージ表示部184に表示されたアラームメッセージ、アラーム対処操作履歴情報表示部186に表示されたアラーム対処操作履歴情報等を参考にして原因を調査し、アラーム発生の原因を特定する。
●[ステップSB09]オペレータは、数値制御装置操作部120を操作して、アラーム発生の原因となったデータの修正などを行う。
●[ステップSB10]オペレータは、リセット操作や自動運転を開始してアラームを解除する。この時点で、今回発生したアラームに係る情報と、ステップSB07以降でオペレータが行った操作やデータ変更などを関連付けてアラーム対処操作履歴情報を作成し、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に記録する。記録処理の手順については、ステップSB05と同様である。
【0034】
このように、過去において同じアラームが発生し、当該アラームに対して対処が行われたことがある場合は、オペレータはアラームメッセージに加えて、当該アラームに対して過去に行われた共通の操作をアラーム対処操作履歴情報として参照できるので、いずれの操作がアラームを解除するために必要最小限の操作であるのかを把握しながらアラーム発生の原因を調査できるため、アラームに対する対処が効率よくかつ容易になることが期待される。
【0035】
<第3の実施の形態>
図4は、本発明の第3の実施の形態を説明する工程フロー図である。本実施の形態では、アラーム対処操作履歴情報記録最適化部152が、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に記録するアラーム対処操作履歴情報を、オペレータの指示に基づいて選別する例である。
本図において、ステップSC01〜ステップSC05は、アラームが発生した時にアラーム対処操作履歴情報を生成してアラーム対処操作履歴情報記憶部160へと記録する工程を示しており、ステップSC06〜ステップSC10は、次回以降に同一のアラームが発生した時に、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に記録されたアラーム対処操作履歴情報を抽出してオペレータに提示する工程を示している。
【0036】
●[ステップSC01]数値制御装置100上でアラームが発生する。
●[ステップSC02]アラーム監視部130が、発生したアラームに基づいてアラームメッセージを取得し、当該アラームメッセージをアラームメッセージ表示部184へ表示する。これ以降、オペレータによる操作と数値制御装置100に対して適用されたデータ変更などを記録する。
●[ステップSC03]オペレータは、数値制御装置表示部180のアラームメッセージ表示部184に表示されたアラームメッセージ等の情報を参考にして原因を調査し、アラーム発生の原因を特定する。
●[ステップSC04]オペレータは、数値制御装置操作部120を操作して、アラーム発生の原因となったデータの修正などを行う。
●[ステップSC05]オペレータは、リセット操作や自動運転を開始してアラームを解除する。この時点で、今回発生したアラームに係る情報と、ステップSC02以降でオペレータが行った操作やデータ変更などを関連付けてアラーム対処操作履歴情報を作成し、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に記録するが、その際にアラーム対処操作履歴情報記録最適化部152は、今回のアラーム対処で行われた各操作をオペレータに対して操作順に一覧表示し、オペレータに今回のアラーム対処で有効と判断した操作を選択させる。そして、オペレータが選択した操作のみを記録対象として、アラーム対処操作履歴情報記憶部160へ記録する。
【0037】
●[ステップSC06]次回以降において、数値制御装置100上でアラームが発生する。
●[ステップSC07]アラーム監視部130が、発生したアラームに基づいてアラームメッセージを取得し、当該アラームメッセージをアラームメッセージ表示部184へ表示する。また、アラーム対処操作履歴情報抽出部170は、今回発生したアラームの種類等の情報に基づいて、アラーム対処操作履歴情報記憶部160から同一の又は類似するアラーム種別を有するアラーム対処操作履歴情報を抽出する。抽出されたアラーム対処操作履歴情報には、今回発生したアラームに対して過去においてオペレータにより有効であると判断された操作のみが記録されている。
●[ステップSC08]オペレータは、数値制御装置表示部180のアラームメッセージ表示部184に表示されたアラームメッセージ、アラーム対処操作履歴情報表示部186に表示されたアラーム対処操作履歴情報等を参考にして原因を調査し、アラーム発生の原因を特定する。
●[ステップSC09]オペレータは、数値制御装置操作部120を操作して、アラーム発生の原因となったデータの修正などを行う。
●[ステップSC10]オペレータは、リセット操作や自動運転を開始してアラームを解除する。この時点で、今回発生したアラームに係る情報と、ステップSC07以降でオペレータが行った操作やデータ変更などを関連付けてアラーム対処操作履歴情報を作成し、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に記録する。記録処理の手順については、ステップSC05と同様である。
【0038】
このように、過去において同じアラームが発生し、当該アラームに対して対処が行われたことがある場合は、オペレータはアラームメッセージに加えて、当該アラームに対してオペレータが有効であると判断した操作のみをアラーム対処操作履歴情報として参照できるので、いずれの操作がアラームを解除するために有効であるのかを把握しながらアラーム発生の原因を調査できるため、アラームに対する対処が効率よくかつ容易になることが期待される。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態の例に限定されることなく、適宜の変更を加えることにより、その他の態様で実施することができる。例えば、操作種別として、オペレータが選択したメニュー項目等に基づいて単体の操作を操作種別として識別する手法以外にも、複数の操作を一連の操作として管理する操作種別管理テーブル(図示せず)を別途用意し、オペレータが行った一連の操作を一の操作種別として管理するように構成することもでき、そのように構成することで、より操作の意味内容を加味したアラーム対処操作履歴情報の管理をすることができる。
【0040】
また、アラーム対処操作履歴情報記憶部160に記録されるアラーム対処操作履歴情報は、複数の数値制御装置100間で共有するように構成してもよい。その場合は、例えばホストコンピュータ上にアラーム対処操作履歴情報記憶部160を設け、ネットワークを介して記録・参照できるように構成してもよいし、外部記憶媒体を用いてデータを互いに移行するようにしてもよい。