特許第6105551号(P6105551)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6105551再循環排気ガスの注入装置、分配ボックスおよび前記デバイスを備える供給モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6105551
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】再循環排気ガスの注入装置、分配ボックスおよび前記デバイスを備える供給モジュール
(51)【国際特許分類】
   F02M 26/17 20160101AFI20170316BHJP
   F02M 35/10 20060101ALI20170316BHJP
   F02B 29/04 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   F02M26/17
   F02M35/10 301T
   F02M35/10 311C
   F02M35/10 311E
   F02B29/04 D
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-501492(P2014-501492)
(86)(22)【出願日】2012年2月13日
(65)【公表番号】特表2014-514489(P2014-514489A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】EP2012052387
(87)【国際公開番号】WO2012130513
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2015年2月12日
(31)【優先権主張番号】1152697
(32)【優先日】2011年3月31日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100179338
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジュ、ド、プルスメーカー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ピエール、ガラン
(72)【発明者】
【氏名】ローラン、オディラール
【審査官】 川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−521619(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02169208(EP,A1)
【文献】 実開平06−025545(JP,U)
【文献】 特開平09−042069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 26/00−26/74
F02B 29/04
F02M 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両エンジン、特に、ディーゼルエンジンの再循環排気ガスの注入装置であって、
複数の注入ポート(26.1,26.2,26.3,26.4)を備え、前記複数の注入ポートは、当該注入装置の部材の一部分に設けられ、各注入ポート(26.1,26.2,26.3,26.4)は、前記部材の厚みで断面および高さを有し、
前記再循環排気ガスが少なくとも1つの入口(21)から前記注入チャネル(24)内を循環し、当該注入装置内において、前記注入ポートの前記高さが前記入口(21)から高くなるように構成され
前記各注入ポート(26.1,26.2,26.3,26.4)の中心から熱交換器(16)との接合箇所に位置するオリフィス(22)までの距離(d1.1,d1.2,d1.3,d1.4)と、前記中心から前記エンジンのシリンダヘッド(32)までの距離(d2.1,d2.2,d2.3,d2.4)とが、前記入口(21)から注入ポートごとに増大する、ことを特徴とする、注入装置。
【請求項2】
前記注入ポート(26.1,26.2,26.3,26.4)は前記注入チャネル(24)に沿って構成されており、前記注入ポート(26.1,26.2,26.3,26.4)の断面および/または前記それぞれの高さは、各注入ポート(26.1,26.2,26.3,26.4)に対して実質的に等しい再循環排気ガスの注入流を誘発する、請求項1に記載の注入装置。
【請求項3】
当該注入装置内において、前記ポートの前記断面が前記入口(21)から小さくなるように構成される、請求項1または請求項2に記載の注入装置。
【請求項4】
前記注入ポート(26.1,26.2,26.3,26.4)の前記断面の最小表面に対する前記断面の最大表面の比率は、1.4〜2.25の範囲にある、請求項1から3のいずれか一項に記載の注入装置。
【請求項5】
前記注入ポート(26.1,26.2,26.3,26.4)の断面が円形であり、前記注入ポートのそれぞれの直径は8〜15mmの範囲にある、請求項1から4のいずれか一項に記載の注入装置。
【請求項6】
前記注入チャネル(24)の直径に対する前記注入ポート(26.1,26.2,26.3,26.4)の直径の比率は、0.1〜0.4の範囲にある、請求項5に記載の注入装置。
【請求項7】
前記注入ポート(26.1,26.2,26.3,26.4)の数が、前記エンジンのシリンダ数および前記エンジンのシリンダ数の倍数に等しい、請求項1から6のいずれか一項に記載の注入装置。
【請求項8】
車両エンジン、特に、ディーゼルエンジンのガス分配ボックスであって、当該ガス分配ボックス(18)は、
請求項1から7のいずれか一項に記載の注入装置(24)と、
空間(29)と、
を備え、
前記空間(29)は、特に熱交換器(16)から受ける空気の流れと、前記注入装置(24)によって前記空間(29)内に注入される前記再循環排気ガスとの混合を許容可能にする、ガス分配ボックス。
【請求項9】
車両エンジン、特に、ディーゼルエンジンの吸気ガス供給モジュールであって、当該モジュール(10)は、
前記吸気ガスの前記熱交換器(16)と、
請求項1から7のいずれか一項に記載の注入装置と、
を備え、
当該モジュール(10)内の吸気ガスの流れ方向に従って前記交換器(16)の下流の前記吸気ガスに前記再循環排気ガスを注入可能に構成される、吸気ガス供給モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両エンジンからの再循環排気ガスを注入するデバイス、前記エンジン内のガス分配ボックスおよび前記デバイスを備える前記エンジン用ガス供給モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
車両エンジンの吸気ガス供給モジュールは、エンジンを動作させるために、吸気ガスと呼ばれる、空気を含む混合気を供給する。
【0003】
このような吸気ガス供給モジュールは、空気を冷却可能な熱交換器と、冷却空気を収集しエンジンのシリンダの方へ分配する分配ボックスとを備える。
【0004】
再循環排気ガスと呼ばれる、エンジンが放出する排気ガスのうちの一部を分配ボックスに注入するバルブをさらに備える吸気ガス供給モジュールがすでによく知られている。
【0005】
このような分配ボックスは、熱交換器から流れてくる冷却空気と、バルブからの再循環排気ガスとの混合気をエンジンのシリンダの方へ分配させることができる。
【0006】
この目的のために、分配ボックスは、熱交換器から流れてくる冷却空気およびバルブからの再循環排気ガスが混合される空間を規定するキャビティを備える。
【0007】
再循環排気ガスをこの空間に注入するために、この種類の分配ボックスは、複数の注入ポート、いわゆるインジェクタによって穿孔された略円筒形の注入チャネルを含む。
【0008】
分配ボックスの注入ポートの直径がすべて同じであり、エンジンのシリンダと対向する注入チャネルに沿って線形に注入ポートが配設され、バルブを介して、注入チャネルの端部の一方で、ガスを注入チャネル内に入れる分配ボックスがすでによく知られている。
【0009】
このような分配ボックスにおいて、再循環排気ガスが注入チャネル内を進むにつれて、静圧、ひいては、再循環排気ガスの注入流量が各連続シリンダで減少し、その結果、注入流量、ひいては、ガスの回収率および温度がシリンダ間で不均衡になることが見出された。加えて、このような不均衡により再循環排気ガスに含まれる粒子によって注入ポートの一部に詰まりが生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、これらの欠点の少なくとも一部を解消することであり、車両エンジン、特に、ディーゼルエンジンの再循環排気ガスの注入装置であって、前記注入装置の部材の一部分に設けられ、前記部材の厚みで断面および高さを各々が有する複数の注入ポートを備え、少なくとも2つの注入ポートの断面および/または高さが異なるという意味で注目すべき注入装置注入装置に関する。
【0011】
このようにして、ポートの幾何学的形状は、各ポートでの静圧が実質的に一定になるように適応されうる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の1つの特徴的特性によれば、注入装置は注入チャネルであり、注入ポートは注入チャネルに沿って構成されており、注入ポートの断面および/またはそれぞれの高さが各注入ポートに対して実質的に等しい再循環排気ガスの注入流を誘発する。これにより、再循環排気ガスの回収率および温度がエンジンのシリンダ間で一様になる。このような注入流により、ポートの詰まりが回避される。
【0013】
好ましくは、各注入ポートの高さは一定であり、注入ポートの少なくとも2つの断面は異なる。
【0014】
本発明の別の特徴的特性によれば、各注入ポートの断面は一定であり、注入ポートのうち少なくとも2つポートの高さは異なる。
【0015】
本発明の1つの態様によれば、注入装置は、再循環排気ガスが少なくとも1つの入口から前記チャネル内を循環するように構成され、前記ポートの断面は前記入口から小さくなり、および/または、前記ポートの高さは前記入口から高くなる。
【0016】
本発明の特徴的特性によれば、注入ポートの最小の断面積に対する最大の断面積の比率は1.4〜2.25の範囲にある。
【0017】
好ましくは、注入ポートは円形の断面のものであり、それぞれの直径は8〜15mmの範囲にある。
【0018】
好適には、注入チャネルの直径に対する注入ポートの直径の比率は0.1〜0.4の範囲にある。
【0019】
任意に、注入ポートの数は、エンジンのシリンダ数またはエンジンのシリンダ数の倍数に等しい。このようなポート数により、エンジンのすべてのシリンダ間で実質的に同じ方法で再循環排気ガスを注入できるようになる。
【0020】
また、本発明は、車両エンジン、特に、ディーゼルエンジンのガス分配ボックスであって、当該ガス分配ボックスは、上記に規定された種類の注入装置を備え、当該ガス分配ボックスの空間は、特に熱交換器から流れてくる空気の流れと、前記注入装置によって前記空間内に注入される再循環排気ガスとの混合を許容可能であるガス分配ボックスに関する。
【0021】
また、本発明は、車両エンジン、特に、ディーゼルエンジンの吸気ガス供給モジュールであって、前記モジュールは、前記吸気ガスの熱交換器と、上記に規定された種類の注入装置とを備え、モジュール内の吸気ガスの流れ方向に従って熱交換器の下流の前記吸気ガスに再循環排気ガスを注入可能に構成される吸気ガス供給モジュールに関する。
【0022】
本発明の他の特徴的特性および利点は、非包括的な実施例によって与えられた添付の図面の点で以下の記載から認識されるであろう。同様の物体には同一の参照符号が付与される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明による車両エンジン用の吸気ガス供給モジュールの分解斜視図である。
図2】組み立てられた状態にある図1の供給モジュールの斜視図を示す。
図3】本発明による吸気ガス供給モジュールの分配ボックスの断面斜視図である。
図4a】本発明による吸気ガス供給モジュールの分配ボックスの斜視図である。
図4b】注入チャネルの内部を見ることができるように断面で示された、本発明による吸気ガス供給モジュールの分配ボックスの部分斜視図である。
図4c図4aのボックスの取り付けが意図された車両エンジンのシリンダヘッドの部分図である。
図5】前記チャネルを見ることができるようにするために断面で示された、本発明による分配ボックスの注入チャネルの下方からの部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1図5に、車両エンジンの吸気ガス供給モジュールの異なる要素が示されている。
【0025】
図1に示す車両エンジンの吸気ガス供給モジュール10は、熱交換器16に流体、例えば、エンジンのブースト回路からの空気を供給する収集ボックス14を備える。また、前記モジュールは、流体の流れを制御するために使用されるバルブ12を備えうる。
【0026】
熱交換器16は、例えば、側壁16a、下壁16bおよび上壁16cを備え、これらの壁の間に、プレート16dおよび内部スペーサ16eが重ねて配置される。上壁16cは、流体を冷却するための液体用の注入/排出管17a,17bを備える。プレート16dは、同一の対の2つのプレート間に、冷却流体循環用の第1のチャネルと、2つの隣接対と対向させて設置された2つのプレート間に、前記スペーサ16eが装備された流体循環用チャネルとを形成するために対にして組み立てられる。このように、流体は、バルブ12を通った後、収集ボックス14、最後に、内部スペーサ16eを通って循環する。
【0027】
吸気ガス供給モジュール10は、熱交換器16によって冷却された流体を車両エンジンのシリンダの方へ分配または誘導可能な分配ボックス18を備える。
【0028】
また、例示した吸気ガス供給モジュール10は、再循環排気ガスと呼ばれる、エンジンが放出する排気ガスのうちの一部を分配ボックス18に注入するバルブ20をさらに備える。前記バルブ20は、EGRバルブと呼ばれる。
【0029】
図2は、組み立てられた状態にある図1の吸気ガス供給モジュール10を示す。このように、モジュールに供給する流体の流れを制御するために使用されるバルブ12は、流体収集ボックス14に取り付けられる。収集ボックス14は、流体が熱交換器の方へ流れるようにするために、熱交換器16の面のうち壁がない2面の一方に取り付けられる。分配ボックス18は、熱交換器16によって冷却された流体を収集し、収集した冷却流体を再循環排気ガスと混合して、結果的に得られた混合気をエンジンのシリンダの方へ分配するために、熱交換器16の面のうち壁がないもう一方の面に取り付けられる。EGRバルブ20は、分配ボックス18に取り付けられる。
【0030】
図3に示すように、EGRバルブ20は、分配ボックス18の注入装置24の入口ポート21を介して再循環排気ガスを通過させる。本発明によるこのような注入装置24は、複数の注入ポート、いわゆるインジェクタ26.1,26.2,26.3,26.4を備える。図示したデバイスは、チャネルの形態を呈している。しかしながら、本発明を実現するために当業者によって許容可能であれば、任意の同等の形態のものが考えられうる。
【0031】
限定的な意味ではないが、注入ポート26.1,26.2,26.3,26.4は、ポートの中心を通る軸28に沿って一直線に配列されることが好ましい。注入ポートは、エンジンの吸気ガス供給ポートと対向した位置にあるように配設される。一変形例として、各ポートが二重にされてもよい。
【0032】
図3の実例において、注入チャネル24は、細長い形のものであり、入口ポート21を介して再循環排気ガスの入口とは反対の端部でブロックされる。
【0033】
分配ボックス18には、熱交換器16との接合部にあるオリフィス22とともに、空間29を規定するキャビティを備え、空間内では、熱交換器16から流れてくる冷却空気と、EGRバルブ20の分配ボックス18の注入チャネル24を介して流れてくる再循環排気ガスとが混合される。チャネル24は、特に、前記空間29を規定するボックス18のハウジングの部材から作られる。
【0034】
図4aは、熱交換器16との接合部でオリフィス22によって分配ボックス18内に規定された空間29を示す。矢印29’は、オリフィス22を介して熱交換器16から流出して、オリフィス22および分配ボックス18に与えられたキャビティによって範囲が定められた空間29内に流入する冷却流体の流れ方向を示す。明確にするために、EGRバルブ20は、この図4aに部分的にしか表されていない。
【0035】
分配ボックス18の図4bに示す注入チャネル24により、EGRバルブ20から流れてくる再循環排気ガスが注入ポート26.1,26.2,26.3,26.4を介して空間29内に流入し、熱交換器16からの冷却流体の流れに対して実質的に垂直方向に放出する。
【0036】
空間29内で生成された、熱交換器16から流れてくる冷却流体と注入された再循環排気ガスとの混合気は、引き続き、分配ボックス18の誘導手段30によって、エンジンのシリンダの吸気ガス供給ポートの方へシリンダヘッド32を介して分配または誘導される。
【0037】
図4cに示すように、分配ボックス18およびエンジンのシリンダヘッド32は、重ねて取り付けられることが意図されている。
【0038】
図5は、注入チャネル24を示し、ここでは、各ポートの中心を通る軸28に沿って一直線に配設された4つのポート26.1,26.2,26.3,26.4を備える。ポートの数は増減しうる。特に、上述したように、ポートは一対ずつにまとめられてもよく、各対は、エンジンのシリンダヘッドに設けられた吸気ガス供給ポートと対向した位置にあるように配設される。
【0039】
バルブ20から入口ポート21を介して流れてくる再循環排気ガスは、実質的に矢印32の向きに、ポート26.1,26.2,26.3,26.4の方向に注入チャネル24内を循環する。
【0040】
本発明によれば、ポートの幾何学的な特徴的特性は、ポートの位置の静圧に適応するために変更される。
【0041】
注入チャネル24と空間29との間に分配ボックス18の一定の部材の厚さ(すなわち、一定のポート高さ)を有する、本発明による分配ボックス18の一実施形態において、表面および、同等のものとして、各ポート26.1,26.2,26.3,26.4のそれぞれの直径D1,D2,D3,D4は、再循環排気ガスの静圧、ひいては、再循環排気ガスの流れが、ポートごとに実質的に一定のままであるように構成される。
【0042】
本発明による分配ボックス18の別の実施形態において、直径D1,D2,D3,D4は一定であってもよく、注入チャネル24と空間29との間の分配ボックス18の部材の厚さのみ、すなわち、各ポートの高さが、再循環排気ガスの静圧を実質的に一定に保ち、ひいては、再循環排気ガスの流れを実質的に一定に保つために変更されてもよい。
【0043】
本発明による分配ボックス18の別の実施形態において、注入チャネル24と空間29との間の分配ボックス18の部材の厚さ、すなわち、各ポートの高さと、直径D1,D2,D3,D4の両方は、再循環排気ガスの静圧が実質的に一定であり、ひいては、再循環排気ガスの流れが実質的に一定であるように構成されることによって、ポートごとに異なるものであってもよい。言い換えれば、ポートの直径および高さの両方は、ポートごとに異なるものであってもよい。
【0044】
図示した注入ポートは円形のものであるが、例えば、スロットなど、矩形であっても、任意の他の形のものであってもよいことに留意されたい。さらに、上述したように、ポートを一対ずつにまとめる場合、同一対のポートは等しく、異なる対のポートの幾何学的な特徴的特性を変えただけである。
【0045】
このように、本発明による分配ボックス18において、各ポートの高さ(部材の厚さ)および表面と、任意選択的に、2つの連続したポート間の間隔は、空間29内の再循環排気ガスの注入の流れが実質的に一定に保たれるような寸法にされる。
【0046】
このように、ポート26.1,26.2,26.3,26.4のそれぞれの直径D1,D2,D3,D4は、8〜20mmの範囲のものであってもよい。特に、これらの直径は、チャネル24の入口21から短くなる。注入チャネルに関して言えば、断面は、例えば、20〜28mmの範囲のものである。
【0047】
最小注入ポートの表面に対する最大注入ポートの表面の比率は、例えば、1.4〜2.25の範囲のものである。そして、分配パイプの直径に対する注入ポートの比率は、例えば、0.1〜0.4の範囲のものである。
【0048】
距離d1.1,d1.2,d1.3,d1.4は、それぞれ、ポート26.1,26.2,26.3,26.4の中心とオリフィスとの間の距離を表す。言い換えれば、d1.1,d1.2,d1.3,d1.4は、各ポート26.1,26.2,26.3,26.4に対して、オリフィス22を含む平面と軸28を含む平面とを分離する距離である。この距離は、例えば、32〜36mmの範囲のものであってもよい。この距離は、例えば、チャネル24の入口21からポートごとに増大する。
【0049】
距離d2.1,d2.2,d2.3,d2.4は、ポート26.1,26.2,26.3,26.4の中心とシリンダヘッド32との間の距離を表す。この距離は、例えば、15〜33mmの範囲のものであってもよい。この距離は、例えば、チャネル24の入口21からポートごとに増大する。
【0050】
このように、バルブ20から流れてくる再循環排気ガスの高圧によって誘発される熱交換器16の爆発の危険性を実質的に低減し、熱交換器16から流れてくる冷却流体とポート26.1,26.2,26.3,26.4を介して空間29内に注入される再循環排気ガスとの間の混合気を最適化することが可能である。
【0051】
図示しているように、各ポート26.1,26.2,26.3,26.4の中心を通る軸28は、例えば、熱交換器のオリフィス22の平面とシリンダヘッドのオリフィス22の平面とによって形成される角度の二等分線を形成する。
【0052】
このように、オリフィス22とシリンダヘッド32との間の距離d1.1+d2.2,d1.2+d2.2,d1.3+d2.3,d1.4+d2.4は、例えば、47〜69mmの範囲のものであってもよく、これにより、シリンダから熱交換器16の方へのフレームの戻りが回避される。これらの距離は、例えば、チャネル24の入口21からポートごとに増大する。
図1
図2
図3
図4a-4c】
図5