【実施例】
【0085】
(実施例)
本発明の実施化は、以下の実施例を参照することによってさらに理解することができ、その実施例は説明するためのものであって、限定するためのものではない。
【0086】
実施例1−化合物(IIa)
該実施例は、本発明の化合物12(本明細書では、化合物(IIa)とも称される)の合成について記載している。
図1Aおよび1Bは組み合わせて、その合成スキームを示す。
【0087】
化合物2.トリフルオロ酢酸(「TFA」,Fisher,5mL)を、化合物1(1g,2.36mmol)の無水ジクロロメタン(「DCM」,Sigma−Aldrich,5mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温(「RT」,約25℃)で30分間撹拌した。高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)分析は、反応が終了したことを示した。反応混合物を濃縮し、高真空下で終夜乾燥して、緑がかった固形物として115gの化合物2を得た(TFA塩)。
【0088】
化合物4.無水メタノール(Acros,100mL)中二炭酸ジ−tert−ブチル(「(Boc)
2O」,10.24g,46.97mmol)およびパラジウム(Aldrich,活性炭担持10%,400mg)を、5−ニトロインドール−2−カルボン酸エチル(化合物3,Acros,10g,42.7mmol)中懸濁液に加えた。反応混合物をH
2(30psi)下で8時間水素化した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、高真空下で乾燥し、黄色の固形物として化合物4を得た(10.5g、81%)。
1HNMR(DMSO)δ11.68(s,1H),9.19(s,1H),7.76(s,1H),7.26(m,2H),7.02(d,1H),4.30(q,2H),1.46(s,9H) 1.33(t,3H).
【0089】
化合物5.LiOH一水和物(Sigma−Aldrich)の水(150mL,0.57M)中溶液を、化合物4(10.5g,34.5mmol)のアセトニトリル(150mL)中溶液に加えた。反応混合物を40℃で終夜加熱し、その後、HPLC分析を通じて加水分解が完了した。反応混合物を水(300mL)で希釈し、減圧濃縮し、アセトニトリルを除去した。得られた溶液をEtOAc(2x150mL)で抽出し、有機層を廃棄した。10%KHSO
4(Aldrich)溶液を加えて、水層をpH4に酸性化した。得られた混合物を、EtOAc(3x150mL)で再度抽出した。後の3回の抽出から得た有機層を合わせて、無水MgSO
4で乾燥し、減圧濃縮し、褐色の固形物として化合物5を得た(9.7g,84%)。
1HNMR(DMSO)δ12.84(s,1H),11.65(s,1H),9.20(s,1H),7.73(s,1H),7.23(m,2H),6.92(s,1H),1.42(s,9H);MS(ESI)m/z299(M+Na)
+.
【0090】
化合物6.化合物5(779mg,2.83mmol)およびN,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(「HATU」,Oakwood,1.07g,2.83mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(「DMF」,Sigma−Aldrich,10mL)中溶液を調製した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(「DIPEA」)を加えて、反応溶液のpHが8を超えるように調整した。反応混合物を室温で15分間撹拌した。粗化合物2(1.15g,推定2.36mmol)を加え、次いで、多量のDIPEAを加えて、反応混合物のpHが8を超えるように調整した。反応混合物を室温で終夜撹拌した。HPLC分析は、反応がほぼ終了したことを示した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄し、続けて食塩水で洗浄した。有機相を、2gシリカゲルを用いてスラリーになるまで濃縮した。スラリーを、ヘキサン中0〜50%EtOAcグラジエントを用いて40g CombiFlashカラムで精製し、黄色の固形物として化合物6を得た(1.05g,76%)。
1HNMR(DMSO−d
6):δ11.61(s,1H),9.18(s,1H),8.22(d,1H),8.16(m,1H),7.95(m,1H),7.81(s,1H),7.58(m,3H),7.42(m,3H),7.33(m,3H),7.15(s,1H),5.15(s,2H),4.82(t,1H),4.59(d,1H),4.30(m,1H),4.04(m,1H),3.90(m,1H),1.48(s,9H).
【0091】
化合物7.化合物6(780mg,1.34mmol)およびPd/C(Sigma−Aldrich,10%,150mg)の無水DCM(Sigma−Aldrich,10mL)および無水メタノール(5mL)中反応混合物を、水素バルーン下で終夜撹拌した。HPLC分析は、反応が終了したことを示した。反応混合物をCELITE(商標)に通して濾過し、濾液を濃縮して、わずかに黄色の固形物として化合物7を得(562mg,86%)、それをさらに精製することなく次の工程で用いた。
【0092】
化合物9.化合物7(260mg,0.53mmol)、ジ−tert−ブチル ジエチルホスホラミダイト(Sigma−Aldrich,0.58mL,2.1mmol)およびテトラゾール(Sigma−Aldrich,アセトニトリル中0.45M,14mL)のテトラヒドロフラン(「THF」,Sigma−Aldrich,無水,25mL)中溶液を、室温で2時間撹拌した。HPLC分析は、出発物質7が化合物8に完全に変換されたことを示した。化合物8を単離することなく、m−クロロ過安息香酸(「mCPBA」,Sigma−Aldrich,365mg,2.12mmol)のDCM(無水,Sigma−Aldrich,10mL)中溶液を加えた。得られた反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。HPLC分析は、反応が終了したことを示した。反応混合物を0.5gのシリカゲルを用いて濃縮し、スラリーを形成した。スラリーを、ヘキサン中10〜50%EtOAcグラジエントを用いて4g CombiFlashカラムで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、高真空下で乾燥し、白色の固形物の化合物9を得た(212mg,59%)。
【0093】
化合物10.TFA(Fisher,3mL)を、化合物9(212mg,0.031mmol)の無水DCM(Sigma−Aldrich,3mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。HPLC分析は、反応が終了したことを示した。反応混合物を濃縮し、高真空下で終夜乾燥し、緑がかった固形物として化合物10を得た(271mg)。TFA塩の
1HNMR(DMSO−d
6):δ11.81(s,1H),8.42(s,1H),8.12(d,1H),7.94(d,1H),7.55(m,1H),7.42(m,3H),7.18(s,1H),7.02(d,1H),4.78(t,1H),4.68(d,1H),4.32(s,1H),4.02(m,1H),3.90(m,1H).
【0094】
化合物12.化合物11(179mg,Sufi et al.2010(その開示は本明細書によって引用される)にしたがって調製された、モノTFA塩と仮定すると0.25mmol)およびHATU(Oakwood,84.4mg,0.222mmol)の無水DMF(Sigma−Aldrich,3mL)中溶液のpHを、DIPEAを加えて8を超えるように調整した。反応混合物を室温で15分間撹拌した。HPLC分析は、化合物11のほとんどが活性化したことを示した。化合物10(130mg,モノTFA塩と仮定すると0.222mmol)を反応混合物に加えた。DIPEAを加えて、pHが8を超えるように調整した。反応混合物を室温で15分間撹拌した。HPLC分析は、反応が終了したことを示した。反応混合物を、プレパラティブHPLCに注入し、溶出液として水(0.1%TFAを含む)中10〜100%アセトニトリルグラジエントを用いて精製した。生成物含有フラクションを合わせて、凍結乾燥し、白色の固形物として化合物12を得た(138mg,55%)。MS:[M+H]1055.
【0095】
当業者であれば、上記の合成ならびに
図1Aおよび1Bの合成は、断片aおよびa’の前駆体の収束的結合(convergent assembly)を含むことおよび別の合成戦略は、例えば、下記の断片b、b’およびb”または断片c、c’およびc”の前駆体の結合(assembly)を介して利用されうることを理解するであろう。後者の2つの戦略は、Sufi et al.2010(その開示は本明細書によって引用される)にて説明されており、適当な変更を加えれば、本発明の化合物の合成に適当でありうる、
【化24】
【0096】
実施例2−化合物(Ia)
該実施例は、化合物14(本明細書では、化合物(Ia)とも称される)の合成に関する。合成スキーム図は、
図2に示される。
【0097】
化合物13.DIPEA(Aldrich,17μL,01mmol)を、化合物10a(Sigma−Aldrich,15.7mg,0.051mmol)およびHATU(Oakwood,19.4mg,0.051mmol)の無水DMF(Acros,1mL)中溶液に加えた。反応混合物のpHは8を超えた。反応混合物を室温で15分間撹拌した。HPLC分析は、出発物質が完全に活性化したことを示した。化合物10(30mg,モノTFA塩と仮定すると0.051mmol)を該溶液に加えた。多量のDIPEAを加えて、反応混合物のpHが8を超えるように調整した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。HPLC分析は、反応が終了したことを示した。粗生成物を、溶出液として水中10〜100%アセトニトリルグラジエント(0.1容量%TFA含有)を用いてプレパラティブHPLCで精製し、オフホワイト色の固形物として化合物13を得た(25mg,71%)。
【0098】
化合物14.TFA(VWR,1mL)を、化合物13(25mg,0.036mmol)の無水DCM(Acros,1mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。HPLC分析は、反応が終了したことを示した。反応混合物を濃縮し、溶出液として水中10〜65%アセトニトリルグラジエント(0.1容量%TFA含有)を用いてプレパラティブHPLCで精製し、オフホワイト色の固形物として化合物14を得た(21mg,モノTFA塩と仮定すると82%)。
1HNMR(DMSO−d
6):δ11.65(s,1H),9.67(s,1H),8.46(s,1H),8.07(d,2H),7.91(m,2H),7.69(d,2H),7.35−7.55(m,4H),7.15(s,1H),6.57(d,2H),4.82(t,1H),4.57(d,1H),4.03(t,1H),3.954(t,1H).
31PNMR(DMSO−d
6):δ−5.909(s,1P),MS:[M+H]591.
【0099】
実施例3−化合物(IIb)
図3A〜3Dは組み合わせて、化合物28(本明細書では、化合物(IIb)とも称される)の合成を示す。当業者は、本明細書にて利用される一般的戦略は、実施例1における上記のb/b’/b”パターンに相当することを理解するであろう。
【0100】
図3Aは、第1の中間化合物18の合成を示す。
【0101】
化合物17.tert−ブチル (2−オキソエチル)カルバメート(化合物16,Aldrich,5g,31.4mmol)のメタノール(無水,Acros,15mL)中溶液を、(S)−メチル 2−アミノ−3−メチルブタノエート(化合物15,BaChem,HCl塩,5.26g,31.4mmol)、NaOAc(Aldrich,10.3g,82.06mmol)のメタノール(無水,Acros,65mL)中溶液に加えた。次いで、NaBH
3CN(Aldrich,3.95g,62.8mmol)を加えた。反応混合物を22.5℃で16時間撹拌し、スラリーになるまで濃縮した。スラリーを水(100mL)に溶解し、得られた溶液をEtOAc(3x100mL)で抽出した。有機相を合わせて、食塩水(1x100mL)で洗浄し、濃縮し、真空下で乾燥して、化合物17を得た(油状物,粗9.4g)。[M+H]275.
【0102】
化合物18.LiOH水和物(Aldrich,2.88g,68.6mmol)の水(40mL)中溶液を、粗化合物17(9.4g)のメタノール(40mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、水(40mL)で希釈した。得られた溶液をDCM(40mL)で抽出した。水層を分離し、KHSO
4溶液(Aldrich,水中20%)でpH5に酸性化した。懸濁液を濾過し、固形物を高真空下で乾燥し、白色の固形物として化合物18を得た(4.85g,化合物15から60.2%)。MS:[M+H]261.
1HNMR(DMSO−d
6)δ6.82(t,1H),3.06(m,2H),2.83(d,1H),2.62(m,2H),2.31(m 1H),1.88(m,1H),1.38(s,9H),0.86(d,6H).
【0103】
図3Bは、第2の中間化合物22の合成を示す。
【0104】
化合物21.4−アミノ安息香酸tert−ブチル(化合物19,Fluka,8.75g,45.3mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(「EDC」,Fluka,8.68g,45.3mmol),無水DMF(Acros,150mL)中1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(Chem−Impex,6.12g,45.3mmol)、およびCuCl
2(Aldrich,6.08g,45.3mmol)を、N
α−Fmoc−L−シトルリン(化合物20,Fluka,15g,37.74mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物をEtOAc(600mL)で希釈し、得られた溶液をNa
2CO
3溶液(5%,200mL)、飽和NaHCO
3溶液(1x200mL)、および食塩水(1x200mL)で洗浄した。合わせた有機相を無水MgSO
4で乾燥し、濃縮し、黄色の固形物として粗化合物21を得た。
1HNMR(DMSO−d
6)δ10.39(s,1H),7.82(q,4H),7.68(m,4H),7.28−7.40(m,5H),6.01(t,1H),5.42(s,2H),4.10−4.29(m,4H),2.90−3.05(m,2H),1.32−1.70(m,13H);MS:[M+H]573.
【0105】
化合物22.ピペリジン(Aldrich,14mL)を、粗化合物21の無水DMF(Acros,140mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。HPLC分析は、反応が終了したことを示した。反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAc(600mL)に溶解した。有機相を食塩水(1x200mL)で洗浄し、無水MgSO
4で乾燥し、スラリーになるまでシリカゲルを用いて濃縮した。スラリーを、溶出液としてDCM中0〜20%メタノールグラジエントを用いてフラッシュクロマトグラフィーで精製し、白色の固形物として化合物22を得た(9.5g,化合物20から収率72%)。
1HNMR(DMSO−d
6)δ7.82(d,2H),7.72(d,2H),5.97(t,1H),5.38(s,2H),3.43(m,1H),2.98(t,2H),1.30−1.62(m,13H);MS:[M+H]351.
【0106】
図3Cは、第3の中間化合物25の合成を示す。
【0107】
化合物23.DIPEA(Aldrich)を、溶液のpHが8を超えるように調整するのに十分な量で、化合物18(1.5g,5.77mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(「BOP」,BaChem,2.87g,6.5mmol)および化合物22(1.84g,5.26mmol)のDMF(Acros,無水,15mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。HPLC分析は、反応が終了したことを示した。DCM(100mL)および飽和NaHCO
3溶液(100mL)を反応混合物に加えた。水層をDCM(2x25mL)で抽出した。有機相を合わせて、スラリーになるまでシリカゲル(8g)を用いて濃縮した。スラリーを、溶出液としてDCM中0〜10%メタノールグラジエントを用いて80g CombiFlashカラムで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、濃縮し、高真空下で乾燥し、白色の固形物として化合物23を得た(2.1g,68%)。MS:[M+H]593.
【0108】
化合物24.ジオキサン中HCl(Aldrich,4N,7mL)を、化合物23(1.8g,3.03mmol)のアセトニトリル(HPLCグレード,Aldrich,20mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。HPLC分析は、反応が終了したことを示した。生成物を濾過して回収し、高真空下で終夜乾燥し、ほぼ白色の固形物として化合物24を得た(1.45g,94%)。MS:[M+H]437.
【0109】
化合物25.DIPEAを、溶液のpHが8を超えるように調整するのに十分な量で、化合物24(200mg,0.39mmol,二HCl塩と仮定)および(Boc)
2O(94.2mg,0.43mmol)のDMF(無水,2mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。HPLC分析は、反応が終了したことを示した。ジエチルエーテル(20mL)を加え、混合物を室温で15分間撹拌した。生成物を半固形物として分離した。溶媒を廃棄し、生成物を高真空下で終夜乾燥し、白色の固形物として化合物25を得た(178mg,85%,HCl塩)。MS:[M+H]537.
1HNMR(DMSO−d
6)δ10.51(s,1H),8.85(b,1H),7.88(d,2H),7.71(d,2H),7.03(b,1H),6.18(d,1H),5.42(b,2H),4.48(s,1H),2.75−3.10(m,7H),2.18(b,1H),1.42−1.78(m.4H),1.38(s,9H),0.92(m,6H).
【0110】
図3Dは、化合物28(本明細書では、化合物(IIb)とも称される)の合成の完成を示す。
【0111】
化合物26.DIPEA(Aldrich,0.142mL,0.816mmol)を、化合物25(394mg,0.734mmol)およびHATU(Oakwood,186mg,0.489mmol)のDMF(Acros,無水,3mL)中溶液に加えた。反応混合物のpHは8を超えていた。反応混合物を室温で15分間撹拌した。化合物10(実施例1,192mg,0.407mmol)を加えた。多量のDIPEAを加え、8を超える反応混合物のpHを保持した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物をプレパラティブHPLCに注入し、水中10〜65%アセトニトリルグラジエント(0.1%TFA含有)で溶出して精製した。生成物含有フラクションを合わせて、凍結乾燥し、白色の固形物として化合物26を得た(205mg,51%)。MS:[M+H]990.
【0112】
化合物27.TFA(VWR,5mL)を、化合物26(205mg,0.207mmol)のDCM(Acros,無水,5mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、凍結乾燥して、そのTFA塩として化合物27を得た(210mg,100%)。MS:[M+H]890.
【0113】
化合物28.DIPEA(Aldrich,0.147mL,0.842mmol)を、3−メルカプトプロパン酸(Aldrich,59.6mg,0.562mmol)、化合物27(100mg,0.112mmol)およびBOP(Aldrich,124mg,0.281mmol)のDMF(Acros,無水,2mL)中溶液に加えた。反応混合物のpHは8を超えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をプレパラティブHPLCに注入し、水中10〜65%アセトニトリルグラジエント(0.01%TFA含有)で溶出して精製し、化合物28(45mg,45.5%)を得た。MS:[M+H]978.
【0114】
実施例4−免疫コンジュゲートの調製
以下は、リジン ε−アミノ基と2−イミノチオランとの反応、次いで、マレイミド含有プロドラッグ化部分、例えば化合物(IIa)との反応による抗体への遊離チオール基の導入に基づく、本発明の免疫コンジュゲートの調製のための一般的製法の説明である。最初に、抗体は、50mM NaClおよび2mM ジエチレントリアミン五酢酸(「DTPA」)を含有する0.1Mリン酸バッファー(pH8.0)にバッファー交換され、5〜10mg/mLまで濃縮される。チオール化は、抗体に2−イミノチオランを加えて達成される。2−イミノチオランの添加量は、予備実験によって決定され得、抗体ごとに変化する。予備実験において、2−イミノチオランの増加量を抗体に滴下し、室温(25℃)で1時間抗体を用いてインキュベートした後に、抗体をSEPHADEX(商標)G−25カラムを用いて50mM pH6.0 HEPESバッファー中に脱塩し、導入されたチオール基の数をジチオジピリジン(「DTDP」)との反応によって速やかに測定する。チオール基とDTDPとの反応はチオピリジンの遊離をもたらし、それは324nmで分光学的にモニターされうる。典型的には、0.5〜1.0mg/mLのタンパク質濃度の試料を用いる。280nmでの吸光度を、試料中のタンパク質濃度を正確に測定するために用いることができ、次いで、各試料のアリコート(0.9mL)を、室温で10分間0.1mL DTDP(5mM エタノール中ストック溶液)を用いてインキュベートする。バッファーのみ+DTDPのブランク試料もまた、並行してインキュベートする。10分後、324nmでの吸光度を測定し、チオール基の数を19,800M
−1のチオピリジンの吸光係数を用いて定量化する。
【0115】
典型的には、1抗体当たり約3個のチオール基のチオール化レベルが望ましい。例えば、これは、いくつかの抗体と共に、15倍モル過剰の2−イミノチオランを加え、次いで、室温で1時間インキュベートすることによって達成されうる。次いで、抗体は、所望のモル比で2−イミノチオランを用いてインキュベートされ、次いで、コンジュゲーションバッファー(50mM pH 6.0 HEPESバッファー(5mM グリシンおよび2mM DTPA含有))中に脱塩される。チオール化物質は氷上で維持されるのに対し、導入されたチオールの数は上記のように定量化される。
【0116】
導入されたチオールの数を確認した後、薬物−リンカー部分が、1チオール当たり3倍モル過剰量で加えられる。コンジュゲーション反応は、最終濃度が5%のジメチルスルホキシド(DMSO)をも含有するコンジュゲーションバッファー、または同様の別の溶媒において進行しうる。一般的に、薬物−リンカーストック溶液は、100%DMSOに溶解される。ストック溶液は、最終濃度を10%にするために加えられた十分なDMSOを有するか、または最終濃度が10%のDMSOを含有するコンジュゲーションバッファーで前希釈された、チオール化抗体に直接加えられ、次いで、同量のチオール化抗体を加えうる。
【0117】
コンジュゲーション反応混合物を、攪拌しながら室温で2時間インキュベートする。インキュベーション後、コンジュゲーション反応混合物を遠心分離し、0.2μmフィルターに通して濾過した。コンジュゲートの精製は、多数の方法を用いてクロマトグラフィーを介して達成されうる。ある方法では、コンジュゲートは、5mMグリシンおよび50mM NaClを含有する50mM pH7.2 HEPESバッファーで予め平衡にしたSEPHACRYL(登録商標)S200カラムのサイズ排除クロマトグラフィーを用いて精製する。線流速28cm/hでクロマトグラフィーを実施する。コンジュゲートを含有するフラクションを改修し、プールし、そして、濃縮する。別法では、イオン交換クロマトグラフィーを介して精製を達成しうる。条件は、抗体ごとに変化し、各場合において最適化されるべきである。例えば、抗体−薬物コンジュゲート反応混合物は、5mMグリシンを含有する50mM pH5.5 HEPESで予め平衡にしたSP−SEPHAROSE(商標)カラムに供給される。抗体コンジュゲートは、pH5.5で平衡化バッファー中0〜1M NaClのグラジエントを用いて溶出される。免疫コンジュゲートを含有する関連のあるフラクションは、プールされ、製剤バッファー(5mMグリシンおよび100mM NaClを含有する50mM pH7.2 HEPESバッファー)に対して透析される。
【0118】
上記の製法にしたがって、化合物(IIa)の免疫コンジュゲートを、抗PSMAヒトモノクローナル抗体(2A10,Huang et al.2009およびCardarelli et al.2011);抗メソテリンヒトモノクローナル抗体(6A4,Terrett et al.2009b)、抗CD70ヒトモノクローナル抗体(2H5,Terrett et al.2009a)、および抗CD19ヒトモノクローナル抗体(21D4,Rao−Naik et al.2009)を調製した。同様に、化合物(A)との比較免疫コンジュゲートを調製した。
【0119】
当業者は、上記の病態および方法が例示するものであって、限定するものではないこと、そして、コンジュゲーションのアプローチが当該分野にて周知であり、本発明において使用可能であることを理解するであろう。
【0120】
実施例5−
3H−チミジン取り込みアッセイ
該実施例は、一般的に、本発明の免疫コンジュゲートの抗増殖活性をアッセイするために用いられる製法について記載している。ヒト腫瘍細胞系を、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(ATCC),P.O.Box 1549,Manassas,VA 20108,USAから得、そして、ATCC指示書にしたがって培養した。CHO−Meso細胞を、CHO細胞にヒトメソテリン遺伝子含有DNAをトランスフェクトし、ヒトメソテリンを発現する安定なクローンを選択することによって作製した。それぞれ
3Hチミジンアッセイのために3時間96ウェルプレート中に、細胞を1.0x10
4細胞/ウェルで播種した。免疫コンジュゲートの連続希釈物(1:3)をウェルに加えた。プレートを72時間インキュベートした。プレートは、インキュベーション全期間の最後の24時間、1.0μCiの
3H−チミジン/ウェルでパルスを発し、それを捕獲し、Top Countシンチレーションカウンター(Packard Instruments,Meriden,CT)で読み取った。EC
50値−物質が50%の最大阻害によって細胞増殖を阻害するかまたは減少させる濃度−を、PRISM(商標)ソフトウェア,バージョン4.0(GraphPad Software,La Jolla,CA,USA)を用いて測定した。
【0121】
抗増殖結果は、上記されるように、
図4A〜4Fに示されている。
【0122】
実施例6−細胞溶解物による脱リン酸化
該実施例は、本発明に記載のリン酸プロドラッグ化seco−MGBA化合物がヒト腫瘍細胞溶解物によって脱リン酸化されうることを立証している。
【0123】
ボルテックス用チューブごとに10
7細胞の推定量を有する冷凍ペレットとしての786−O細胞を再懸濁し、500μLの溶解バッファー(25mM NaOAc,1mM EDTA,0.25Mショ糖,0.1%トリトンX−100,pH5.5)中で均一化した。均一化は、30秒のボルテックス混合、次いで、1分の氷冷を含んでいた。次いで、細胞試料を、19ゲージ針中で3回さらにせん断混合した。
【0124】
均一化後、細胞溶解物のDNAを、BENZONASE(商標)DNAseを用いて加水分解した。最初に、試料を1mM MgSO
4で育てた。混合後、2μLのBENZONASE(商標)DNAse(ニート)を、溶解物の各バイアルに加えた(4μL/mL,v/v,最終濃度)。次いで、試料を15分間室温で保存し、次いで、氷冷した。該工程について、良好なDNAse活性を、綿状沈殿物の出現によって明らかにした。次いで、試料を、微小遠心分離機にて最大速度で5分間回転させ、細胞残屑を除去した。上清を、後で用いるために−70℃で冷凍した。溶解物のタンパク質濃度を、Pierce BCAタンパク質測定方法(Thermo Scientific)を用いて測定した。該試験中の試料が、2.85mg/mLタンパク質を含有することを見出した。
【0125】
式(Ia)で示される化合物の2000μMストック溶液を調製した。溶解物を溶解バッファー中で2.1mg/mLに希釈した。反応のために、5μLの化合物(Ia)ストックを95μLの溶解物に加えた。最終濃度は、2mg/mLのタンパク質を含有する溶解物中100μM化合物(Ia)であった。pH5.5で緩衝化する、25mM NaOAc、1mM EDTA、0.25M ショ糖、0.1%トリトンX 100、および1mM MgSO
4を含有するバッファーを提供した。
【0126】
BENZONASE(商標)DNAseおよびMgSO
4も加えられている、細胞溶解物の代わりに溶解バッファーを用いる、陰性対照が用いられた。
【0127】
試験試料および対照を、37℃で熱ブロックセットに加えた。所定の時間間隔(5分、1時間、2時間、4時間および8時間)で、50μLアリコートを除去し、150μL(3x)の冷エタノールを加えて各アリコートにおける反応を停止した。試料を1時間氷上で保存し、遠心分離して、タンパク質を除去した。以下の条件下でUPLC分析するために、上清を準備した:
カラム:Waters HSS T3 2.1x50mm C18 UPLC
移動相:「A」バッファー:水/0.1%TFA;「B」バッファー:アセトニトリル/0.1%TFA
HPLC系:Waters UPLC
注入量:4μL
溶出:1.8分間で25〜40%「B」
流速:1mL/分
検出:A340
【0128】
反応に続いて、それぞれ、脱リン酸化化合物(Ia)のseco形およびシクロプロピル形である、化合物(IVa)および(IVb)の製造をモニタリングした。
【化25】
【0129】
脱リン酸化は、かなり急速であり、8時間以内に終了することが見出された。反応混合物のpHは、リソソーム細胞小器官において見出されたものに近似する、5.5であったので、該結果は、脱リン酸化反応における酸ホスファターゼが関与する。
【0130】
H226細胞溶解物を用いて、同様の実験を行った。脱リン酸化は、3時間以内に終了することが見出された。
【0131】
実施例7−肝ミクロソームによる脱リン酸化
該実施例は、ヒトおよびマウス肝ミクロソーム酵素による化合物(Ia)の脱リン酸化を立証している。
【0132】
プールされている肝臓源(liver source)由来のヒト肝ミクロソームを、Xenotech(Part Number H−0630)から得られた。それらは、20%ショ糖溶液中20mg/mLのわずかなタンパク質濃度で供給された。タンパク質含有量を、Thermo−Fisherからの試薬を用いてBCA分析で検証した。
【0133】
ヒト肝ミクロソームを、反応バッファー(100mM Tris−HCl,1mM MgCl
2 0.9% NaCl,pH7.4)で8.42mg/mLに希釈した。希釈量を、100μL最終反応容量の95μLごとに0.8mgを正確に輸送できるように設定した。次いで、ストックを1:1容量対容量で連続希釈して、ストック溶液当たり8〜0.0156mg/mLのミクロソームを輸送する10個のストック溶液を製造した。
【0134】
式(Ia)で示される化合物の2000μMストック溶液を調製した。反応のために、95μLの各ミクロソームストックを、37℃の熱ブロック中で平衡化した。次いで、5μLアリコートの化合物(Ia)ストック溶液を、正確に調整された30秒間隔で各反応バイアルに加えた。最終化合物(Ia)濃度は、100μMであった。試料を温度で1時間反応して、その後、100μLの冷エタノールを加えて反応を停止した。各バイアルが正確に1時間反応するように、正確に30秒間隔で再度停止した。試料を2回調製した。タンパク質は30分間氷上で沈殿した。遠心分離後に上清を回収した。UPLCクロマトグラフィー分析は、前記実施例に記載の同一条件を用いて実施され、化合物(IVa)および(IVb)の製造を再度モニタリングした。ミクロソーム濃度の関数として化合物(IVa)および(IVb)への化合物(Ia)の変換を示すクロマトグラフィートレースは、
図5に示されている。
【0135】
図6は、ミクロソーム濃度の関数として60分後の化合物(Ia)から製造された化合物(IVa)および(IVb)の量のプロットである。製造の速度は、基本的には、0.00156〜0.0125mg/mLのミクロソーム濃度に対して線形である。該範囲のデータを用いて、0.0054μmol/分/mgの化合物(IVa)および(IVb)の製造速度が算出された。
【0136】
マウス肝ミクロソーム(Xenotech,Part No.M−3000)を用いること以外は同一製法を利用して、0.0018μmol/分/mgの速度を得た。
【0137】
実施例8−化合物(IIc)
該実施例および
図7は、化合物30(本明細書では、化合物(IIc)とも称される)の合成について記載している。
【0138】
化合物30.DIPEA(Aldrich,7.85μL,0.045mmol)を、化合物27(20mg,0.022mmol)、5−アジドペンタン酸29(BaChem,6.43mg,0.045mmol)およびBOP(Aldrich,19.87mg,0.045mmol)のDMF(Acros,無水,0.5mL)中溶液に加えた。反応混合物のpHは8を超えたままであった。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をプレパラティブHPLCカラムに注入し、水中10〜65%アセトニトリルグラジエント(0.1%TFA含有)で溶出して精製し、化合物30を得た(5mg,21.9%)。MS:[M+H]1015.
【0139】
化合物30(IIc)は、「クリック」化学を利用してコンジュゲーションに適当なものにする、アジド反応性官能基を有する。
【0140】
実施例9−化合物(IId)
該実施例および
図8は、化合物34(本明細書では、化合物(IId)とも称される)の合成について記載している。
【0141】
化合物32.ジシクロヘキシルカルボジイミド(「DCC」,Novabiochem,277mg,1.098mmol)を、1−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン(Acros,126mg,1.098mmol)、(Boc−アミノオキシ)酢酸31(TCI,200mg,1.046mmol)の1,4−ジオキサン(Aldrich,無水,2mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物をCELITE(商標)に通して濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、EtOAc(30mL)に溶解し、飽和NaHCO
3溶液(20mL)および水(20mL)で洗浄した。有機相を濃縮し、高真空下で乾燥し、化合物32を得た(275mg,91.2%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ7.66(s,1H),4.78(s,2H),2.87(s,4H),1.49(s,9H).
【0142】
化合物33.DIPEA(Aldrich,36.5μL,0.21mmol)を、化合物32(20mg,0.07mmol)および化合物27(31mg,0.035mmol)のDMF(Aldrich,無水,1mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、水中10〜65%アセトニトリルグラジエント(0.1%TFA含有)でプレパラティブHPLCで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、凍結乾燥し、化合物33を得た(24mg,64.5%)。MS:[M+H]1063.
【0143】
化合物34.TFA(Acros,0.5mL)を、化合物33(24mg,0.023mmol)のDCM(Aldrich,無水,0.5mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。反応混合物を、水中10〜65%アセトニトリルグラジエント(0.1%TFA含有)を用いてプレパラティブHPLCで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、凍結乾燥し、化合物34を得た(10mg,45.7%)。MS:[M+H]963.
【0144】
化合物34(IId)は、ケトン基を含有するように改変された抗体とのオキシム形成によって、例えば、非天然アミノ酸p−アセチルフェニルアラニンの取り込みによって、コンジュゲーションに適当なものにする、ヒドロキシルアミン反応性官能基を有する。
【0145】
実施例10−化合物(IIe)
該実施例および
図9A〜9Bは組み合わせて、化合物48(本明細書では、化合物(IIe)とも称される)の合成について記載している。
【0146】
化合物37.塩化銅(II)(Aldrich,1.252g,9.31mmol)を、4−アミノ安息香酸tert−ブチル36(Fluka,1.5g,7.76mmol)、Fmoc保護されたロイシン35(BaChem,2g,5.66mmol)、EDC(Fluka,1.786g,9.31mmol)およびt−ブタノール(Chem−impex,1.426g,9.31mmol)のDMF(Aldrich,無水,15mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、EtOAc(30mL)、水(30mL)および食塩水(30mL)で後処理した。有機相を濃縮し、高真空下で乾燥し、化合物37を得た(3.7g)。MS:[M+H]529.
【0147】
化合物38.ピペリジン(Aldrich,3mL)を、粗化合物37(3.7g)のDMF(Aldrich,無水,15mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間保持し、次いで、水中10〜65%アセトニトリルグラジエント(0.1%TFA含有)で溶出して、プレパラティブHPLCで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、凍結乾燥し、化合物38を得た(1.7g,2工程にわたって70.8%)。MS:[M+H]307.
【0148】
化合物41.DIPEA(Aldrich,0.97mL,5.5mmol)を、アラニン t−ブチル エステル塩酸塩39(BaChem,0.4g,2.22mmol)および化合物40(Bachem,1g,2.22mmol)のDMF(Aldrich,無水,20mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、EtOAc(100mL)、水(50mL)および食塩水(50mL)で後処理した。有機相を濃縮し、高真空下で乾燥し、化合物41を得た(1.3g)。MS:[M+H]481.
【0149】
化合物42.TFA(Acros,10mL)を、粗化合物41(1.3g)のDCM(Acros,無水,10mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間保持し、濃縮し、水中10〜100%アセトニトリルグラジエント(0.1%TFA含有)で溶出して、プレパラティブHPLCで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、凍結乾燥し、化合物42を得た(0.68g,2工程にわたって72.2%)。MS:[M+H]425.
【0150】
化合物43.DIPEA(Aldrich,0.246mL,1.413mmol)を、化合物38(289mg,0.842mmol)、化合物42(200mg,0.471mmol)およびBOP(Bachem,313mg,0.707mmol)のDMF(Aldrich,無水,3mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、EtOAc(30mL)、水(20mL)および食塩水(20mL)で後処理した。有機相を濃縮し、ヘキサン中0〜60%EtOAcグラジエントを溶出して、4g CombiFlash(商標)カラムで精製した。有機相を組み合わせて、濃縮し、高真空下で乾燥し、化合物43を得た(126mg,37.5%)。MS:[M+H]713.
【0151】
化合物44.TFA(Acros,3mL)を、化合物43(126mg)のDCM(Acros,無水,3mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で0.5時間保持し、濃縮し,水中10〜100%アセトニトリルグラジエント(0.1%TFA含有)で溶出して、プレパラティブHPLCで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、凍結乾燥し、化合物44を得た(84mg,72%)。MS:[M+H]657.
【0152】
化合物45.DIPEA(Aldrich,21μL,0.122mmol)を、化合物44(40mg,0.061mmol)、HATU(Oakwood,18.53mg,0.049mmol)のDMF(Aldrich,無水,1mL)中溶液に加えた。反応混合物のpHは8を超えた。反応混合物を室温で15分間撹拌した。該反応混合物に、化合物10(34.5mg,0.073mmol)を加え、続けてさらなるDIPEA(Aldrich,21μL,0.122mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、水中10〜100%アセトニトリルグラジエント(0.1%TFA含有)で溶出して、プレパラティブHPLCで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、凍結乾燥し、化合物45を得た(20mg,30%)。MS:[M+H]1110.
【0153】
化合物46.ピペリジン(Aldrich,0.2mL,2.02mmol)を、化合物45(20mg)のDMF(Acros,無水,0.5mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間保持した。反応混合物を、水中10〜65%アセトニトリルグラジエント(0.1%TFA含有)で溶出して、プレパラティブHPLCで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、凍結乾燥し、化合物46を得た(8mg,50%)。MS:[M+H]888.
【0154】
化合物48.DIPEA(Aldrich,10μL,0.006mmol)を、化合物46(8mg,0.009mmol)およびN−スクシンイミジル 6−マレイミドヘキサノエート47(TCI,5.55mg,0.018mmol)のDMF(Acros,無水,1mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間保持した。反応混合物を、水中10〜100%アセトニトリルグラジエント(0.1%TFA含有)で溶出して、プレパラティブHPLCで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、凍結乾燥し、化合物48を得た(2mg,20%)。MS:[M+H]1081.
【0155】
化合物48(IIe)のLeu−Ala−Leuトリペプチドは、該化合物と製造されたコンジュゲートをCD10で開裂しやすくする、酵素CD10の基質モチーフである。
【0156】
実施例11−化合物(IIf)
該実施例および
図10A〜10Bは組み合わせて、化合物56(本明細書では、化合物(IIf)とも称される)の合成について記載している。
【0157】
化合物50.塩化銅(II)(Aldrich,0.913g,6.79mmol)を、4−アミノ安息香酸tert−ブチル36(Fluka,1.312g,6.79mmol)、Fmoc保護されたイソロイシン49(BaChem,2g,5.66mmol)、EDC(Fluka,1.302g,6.79mmol)およびt−ブタノール(Chem−impex,1.040g,6.79mmol)のDMF(Aldrich,無水,20mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、EtOAc(30mL)、水(30mL)および食塩水(30mL)で後処理した。合わせた有機相を濃縮し、ヘキサン中0〜20%EtOAcグラジエントで溶出して、40g CombiFlash(商標)カラムで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、濃縮し、高真空下で乾燥し、化合物50を得た(0.85g,28.4%)。MS:[M+H]529.
【0158】
化合物51.ピペリジン(Aldrich,0.5mL)を、粗化合物50(3.7g)のDMF(Aldrich,無水,5mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間保持した。反応混合物を、EtOAc(20mL)、水(15mL)および食塩水(15mL)で後処理した。有機相を合わせて、濃縮し、ヘキサン中0〜75%EtOAcグラジエントで溶出して、12g CombiFlash(商標)カラムで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、濃縮し、高真空下で乾燥し、化合物51を得た(0.38g,76.9%)。MS:[M+H]307.
【0159】
化合物52.DIPEA(Aldrich,0.228mL,1.305mmol)を、化合物51(0.2g,0.653mmol)および化合物40(Bachem,294mg,0.653mmol)のDMF(Aldrich,無水,3mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(50mL)、水(20mL)および食塩水(20mL)で後処理した。合わせた有機相を濃縮し、ヘキサン中0〜40%EtOAcグラジエントで溶出して、4g CombiFlash(商標)カラムで精製した。生成物含有フラクションを残渣になるまで濃縮し、それを高真空下で乾燥し、化合物52を得た(178mg,42.5%)。MS:[M+H]642.
【0160】
化合物53.TFA(Acros,3mL)を、化合物52(178mg,0.277mmol)のDCM(Acros,無水,3mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で0.5時間保持した。反応混合物を濃縮し、凍結乾燥し、化合物53を得た(145mg,89.5%)。MS:[M+H]586.
【0161】
化合物56(IIf)のLeu−Ileジペプチドは、該化合物と製造された免疫コンジュゲートをカテプシンEで開裂しやすくする、酵素カテプシンEの基質モチーフである。
【0162】
実施例12−化合物(IIg)
該実施例および
図11A〜11Bは組み合わせて、化合物67(本明細書では、化合物(IIg)とも称される)の合成について記載している。
【0163】
化合物57.塩化銅(II)(Aldrich,0.913g,6.79mmol)を、4−アミノ安息香酸メチル56(Aldrich,0.913g,6.05mmol)、Fmoc保護されたシトルリン20(BaChem,2g,5.04mmol)、EDC(Fluka,1.160g,6.05mmol)およびt−ブタノール(Chem−impex,0.926g,6.05mmol)のDMF(Aldrich,無水,20mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、EtOAc(100mL)、水(30mL)および食塩水(30mL)で後処理した。有機相を濃縮し、DCM中0〜20%メタノールグラジエントで溶出して、40g CombiFlash(商標)カラムで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、濃縮し、高真空下で乾燥し、化合物57を得た(1.825g,68.2%)。MS:[M+H]531.
【0164】
化合物58.ピペリジン(Aldrich,0.2mL)を、化合物57(1.25g,3.437mmol)のDMF(Aldrich,無水,3mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(40mL)、水(15mL)および食塩水(15mL)で後処理した。有機相を合わせて、濃縮し,DCM中0〜30%メタノールグラジエントで溶出して、12g CombiFlash(商標)カラムで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、濃縮し、高真空下で乾燥し、化合物58を得た(0.778g,73.1%)。MS:[M+H]309.
【0165】
化合物59.DIPEA(Aldrich,1.0mL,5.71mmol)を、化合物58(778mg,2.52mmol)、化合物18(655mg,2.52mmol)およびBOP(Bachem,1.12g,2.52mmol)のDMF(Aldrich,無水,10mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(50mL)、水(20mL)および食塩水(20mL)で後処理した。合わせた有機相を濃縮し、DCM中0〜15%メタノールグラジエントで溶出して、40g CombiFlash(商標)カラムで精製した。有機相を合わせて、濃縮し、高真空下で乾燥し、化合物59(1.06g,76%)を得た。MS:[M+H]551.
【0166】
化合物60.TFA(Acros,5mL)を、化合物59(1.06g,1.92mmol)のDCM(Acros,無水,5mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、凍結乾燥し、TFA塩として化合物60を得た(1.09g)。MS:[M+H]451.
【0167】
化合物62.DIPEA(Aldrich,1.02mL,5.838mmol)を、化合物60(500mg,1.109mmol)、6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸61(Fluka,450mg,1.946mmol)およびBOP(Bachem,0.720g,1.629mmol)のDMF(Aldrich,無水,10mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(60mL)、水(30mL)および食塩水(30mL)で後処理した。合わせた有機相を濃縮し、DCM中0〜20%メタノールグラジエントで溶出して、12g CombiFlash(商標)カラムで精製した。有機相を合わせて、濃縮し、高真空下で乾燥し、化合物62を得た(427mg,58%)。MS:[M+H]664.
【0168】
化合物63.LiOH溶液(Aldrich,10mL水中150mg)を、化合物62(0.427g,0.643mmol)のアセトン(Baker,10mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、酢酸(Fisher,氷,0.3mL)で中和した。反応混合物を、水中10〜65%アセトニトリルグラジエント(0.1%TFA含有)で溶出して、プレパラティブHPLCで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、凍結乾燥し、化合物63を得た(325mg,77.8%)。MS:[M+H]650.
【0169】
化合物64.DIPEA(Aldrich,27μL,0.153mmol)を、化合物63(59.5mg,0.092mmol)、HATU(Oakwood,23.21mg,0.061mmol)のDMF(Aldrich,無水,1mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。これに、化合物10(36mg,0.076mmol)を加え、続いてさらなるDIPEA(Aldrich,27μL,0.153mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、水中10〜65%アセトニトリルグラジエント(0.1%TFA含有)で溶出して、プレパラティブHPLCで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、凍結乾燥し、化合物64を得た(38mg,55.7%)。MS:[M+H]1103.
【0170】
化合物65.TFA(Acros,1mL)を、化合物64(38mg,0.034mmol)のDCM(Acros,無水,1mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、凍結乾燥し、TFA塩として化合物65を得た(43mg)。MS:[M+H]1003.
【0171】
化合物66.DIPEA(Aldrich,29μL,0.159mmol)を、化合物32(15.4mg,0.053mmol)および化合物65(43mg,0.043mmol)のDMF(Aldrich,無水,1mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、水中10〜65%アセトニトリルグラジエント(0.1%TFA含有)で溶出して、プレパラティブHPLCで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、凍結乾燥し、化合物66を得た(22mg,43.5%)。MS:[M+H]1176.
【0172】
化合物67.化合物66(22mg,0.019mmol)の4N HCl 1,4−ジオキサン溶液(Aldrich,10mL)中溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、水中10〜65%アセトニトリルグラジエント(0.1%TFA含有)で溶出して、プレパラティブHPLCで精製した。生成物含有フラクションを合わせて、凍結乾燥し、化合物67を得た(12mg,58.7%)。MS:[M+H]1076.
【0173】
実施例13−インビボ結果
図12A〜12Iは、種々の癌型に対する、マウスでの異種移植試験における本発明の免疫コンジュゲートのインビボ効果を立証している。
【0174】
OVCAR3細胞試験.0.1mLリン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)+0.1mLマトリゲル中で再懸濁された、400万のOVCAR3卵巣癌細胞を、SCIDマウスの脇腹部に皮下注入した。23日後、腫瘍測定を開始し、マウスを無作為に腫瘍のLWH/2で推定された90mm
3の平均腫瘍サイズを各々有する6匹のマウスのグループに分けた。腫瘍注入の24日後、試験化合物のみをマウスに腹腔内投与した。
図12Aは、OVCAR3細胞に対して、抗メソテリン抗体6A4と化合物(IIa)との免疫コンジュゲートが、特に0.314μmol/kgの細胞毒素の高投与量で腫瘍成長を抑制したことを示す。抗CD19抗体21D4の対応する免疫コンジュゲートの比較データはまた、アイソタイプ対照として示される。
【0175】
N87細胞試験.0.1mL PBS+0.1mL マトリゲル中で再懸濁された、250万人のN87胃腫瘍細胞を、SCIDマウスの脇腹部に皮下注入した。12日後、腫瘍測定を開始し、マウスを無作為に腫瘍のLWH/2で推定された110mm
3の平均腫瘍サイズを各々有する7匹のマウスのグループに分けた。腫瘍注入の14日後、試験化合物のみをマウスに腹腔内投与した。
図12Bは、N87細胞に対して、抗メソテリン抗体6A4と化合物(IIa)との免疫コンジュゲートが腫瘍成長を強く阻害することを示す。製剤バッファーのみまたは(アイソタイプ対照としての)抗CD19抗体21D4および化合物(IIa)の免疫コンジュゲートの比較データが示される。
【0176】
H226細胞試験.0.1mL PBS+0.1mL マトリゲル中で再懸濁された、500万のH226中皮腫細胞を、SCIDマウスの脇腹部に皮下注入した。14日後、腫瘍測定を開始し、マウスを無作為に腫瘍のLWH/2で推定された110mm
3の平均腫瘍サイズを各々有する9匹のマウスのグループに分けた。腫瘍注入の15日後、試験化合物のみをマウスに腹腔内投与した。
図12Cは、腫瘍成長に対する抗メソテリン抗体6A4および化合物(IIa)の免疫コンジュゲートの用量依存的効果を示す。SRは、各場合において、3.6であった。
【0177】
H1650細胞試験.0.1mL PBS+0.1mL マトリゲル中で再懸濁された、250万のH1650肺腫瘍(腺癌)細胞を、SCIDマウスの脇腹部に皮下注入した。7日後、腫瘍測定を開始し、マウスを無作為に腫瘍のLWH/2で推定された110mm
3の平均腫瘍サイズを各々有する6匹のマウスのグループに分けた。腫瘍注入の9日、14日および21日後、試験化合物のみをマウスに腹腔内投与した。
図12Dは、抗メソテリン抗体6A4および化合物(IIa)の免疫コンジュゲートによる腫瘍阻害を示す。ビヒクル対照および(アイソタイプ対照としての)抗CD19抗体21D4および化合物(IIa)の免疫コンジュゲートの比較データが示される。
【0178】
Hep3B細胞試験.0.1mL PBS+0.1mL マトリゲル中で再懸濁された、400万のHep3B肝臓腫瘍細胞を、SCIDマウスの脇腹部に皮下注入した。10日後、腫瘍測定を開始し、マウスを無作為に腫瘍のLWH/2で推定された90mm
3の平均腫瘍サイズを各々有する7匹のマウスのグループに分けた。腫瘍注入の11日後、試験化合物のみをマウスに腹腔内投与した。
図12Eは、抗グリピカン3抗体4A6および化合物(IIa)の免疫コンジュゲートの用量依存的腫瘍成長阻害効果を示す。最も強力な効果は、0.1μmol/kgの用量で認められた。ビヒクルのみ、抗体4A6のみ、または(アイソタイプ対照としての)抗CD19抗体21D4および化合物(IIa)の免疫コンジュゲートの比較データもまた示されている。
図12Fは、同一試験からのグラフであるが、腫瘍関連悪液質を軽減する抗体4A6−化合物(IIa)免疫コンジュゲートの能力を立証している。抗CD19コンジュゲートが、(
図12Eによれば)腫瘍成長を減少しているが、(
図12Fによれば)悪液質を軽減していないことを示す、抗CD19−化合物(IIa)免疫コンジュゲートのデータもまた示されている。
【0179】
LNCaP細胞試験.0.1mL PBS+0.1mL マトリゲル中で再懸濁された、250万のLNCaP前立腺腫瘍細胞を、SCIDマウスの脇腹部に皮下注入した。30日後、腫瘍測定を開始し、マウスを無作為に腫瘍のLWH/2で推定された150mm
3の平均腫瘍サイズを各々有する7匹のマウスのグループに分けた。腫瘍注入の31日後、試験化合物のみをマウスに腹腔内投与した。
図12Gは、アイソタイプ対照としての処方物バッファーおよび抗CD19抗体21D4と化合物(IIa)の免疫コンジュゲートと比較した、抗PSMA抗体2A10および化合物(IIa)の免疫コンジュゲートによる腫瘍成長阻害を示す。各場合において、細胞毒素濃度は0.1μmol/kgであった。
図12Hは、抗RG−1抗体19G9および化合物(IIa)の免疫コンジュゲートと、抗CD19免疫コンジュゲートのアイソタイプ対照の、同一試験からの別のセットの結果を示す。
【0180】
Raji細胞試験.0.1mL PBS+0.1mL マトリゲル中で再懸濁された、1000万のRajiヒトバーキットリンパ腫細胞を、SCIDマウスの脇腹部に皮下注入した。6日後、腫瘍測定を開始し、マウスを無作為に腫瘍のLWH/2で推定された90mm
3の平均腫瘍サイズを各々有する8匹のマウスのグループに分けた。腫瘍注入の7日後、試験化合物単独でマウスに腹腔内投与した。
図12Iは、抗メソテリン抗体6A4、抗CD19抗体21D4、抗CD22抗体12C5および抗CD70抗体1F4それぞれと化合物(IIa)との免疫コンジュゲートによる腫瘍成長阻害作用を示す。(抗体1F4の全配列情報は、Coccia et al.2010に開示されており、その開示は本明細書によって引用される。抗体1F4のV
H CDR1、CDR2、およびCDR3ならびにV
K CDR1、CDR2およびCDR3配列は、それぞれ、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59および配列番号60に示される。)
【0181】
本発明の前記の詳細な説明には、本発明の特定の部分または態様と主にまたは限定的に関連している一説が含まれる。これは明確にするためであって、便宜のためのものであること、特定の特性は開示されている単なる一説以上に関連がありうること、そして、本明細書の開示には、異なる一説にて見出された情報の適当な組合せが全て含まれることを理解すべきである。同様に、種々の図面および本明細書の記載は本発明の特定の実施態様に関するものであるけれども、特有の特性が特定の図面または実施態様の文脈において開示されている場合、かかる特性はまた、別の特性を組み合わせてまたは一般的な発明における、別の図面または実施態様の文脈において、適当な範囲で、用いられうることを理解すべきである。
【0182】
さらに、本発明は特定の好ましい実施態様に関して特に記載されているけれども、本発明はかかる好ましい実施態様に限定されるものではない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されている。
【0183】
(参考資料)
第一著者(または発明者)および本明細書よりも先の日付によって簡略化された方法で引用される以下の参考資料のすべての引用は以下に提供される。これらの参考資料は、各々、本明細書によって引用される。
【0184】
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【0185】
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【0186】
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【0187】
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【0188】
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【0192】
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【0219】
Zhao et al.,Poster 45,28th National Medicinal Chemistry Symposium(San Diego,CA,8−12 June 2002),「An improved synthesis of CC−1065 analogs and development of prodrugs」(abstract).[2002a].
【0220】
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【0221】
Zhao et al.,US7,655,660B2(2010).
【0222】
(配列表)
本明細書に記載の核酸および/またはアミノ酸配列を含む、配列番号1から配列番号60からなる「SEQT_11770WOPCT.txt」名の配列表は、その全体が本明細書によって引用される。配列表は、EFS−Webを介してASCIIテキスト形式で添付して提出されており、その結果、紙とそのコンピューターに読み込み可能な形式の両方を構成する。配列表は、2012年4月24日にPatentIn3.5を用いて最初に作成された(サイズは10KBである)。
【0223】
以下の表は、本願に記載の配列の説明を要約している。
【表3-1】
【表3-2】