特許第6105605号(P6105605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6105605
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】真空掃除機のノズルの清掃
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/04 20060101AFI20170316BHJP
   A47L 9/30 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   A47L9/04 Z
   A47L9/30
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-537645(P2014-537645)
(86)(22)【出願日】2012年10月26日
(65)【公表番号】特表2014-534020(P2014-534020A)
(43)【公表日】2014年12月18日
(86)【国際出願番号】EP2012071319
(87)【国際公開番号】WO2013060880
(87)【国際公開日】20130502
【審査請求日】2015年10月20日
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2011/068743
(32)【優先日】2011年10月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】593005057
【氏名又は名称】アクティエボラゲット エレクトロラックス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100141081
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 庸良
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリク エリクソン
【審査官】 村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−000382(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0229075(US,A1)
【文献】 米国特許第06253414(US,B1)
【文献】 特開平08−289862(JP,A)
【文献】 特開平05−103740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/04
A47L 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空掃除機(2)用のノズル(1)であって、
前記ノズル(1)が、
− 掃除対象の表面から微小物を拾い集めるための回転部材(3)であって、長手軸(10)の周りに構成される回転部材と、
− 前記回転部材(3)に絡み付いた物を取る除くための清掃機構と、
を備え、
前記ノズルが、さらに
− 前記回転部材(3)をノズルカバー(12)越しに見ることができるように、少なくとも部分的に透明材料で作られたノズルカバー(12)
− 前記回転部材(3)の少なくとも部分を照明するために前記回転部材(3)に構成された照明手段(15)とを備える、
ノズル(1)。
【請求項2】
前記清掃機構が、
− 前記回転部材(3)の少なくとも1つの放射状突出部材(13)に設置された少なくとも1つの支持面(4)と、
− 少なくとも1つの清掃部材(5)であって、前記清掃部材(5)が前記支持面(4)から距離を置いて構成される休止位置と、前記回転部材に近接する少なくとも1つの清掃位置であって、前記清掃部材(5)が、前記回転部材(3)の回転時に、前記支持面(4)の少なくとも1つの区画(4a)と協働して前記回転部材(3)から絡み付いた物を取り除く清掃位置、との間で移動可能な少なくとも1つの清掃部材(5)と、
を備える、
請求項1に記載のノズル(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの放射状突出部材(13)が、前記回転部材(3)の長手軸(10)に沿って螺旋状に構成される、
請求項2に記載のノズル(1)。
【請求項4】
前記清掃部材(5)が、前記ノズル(1)において使用者の方を向く表面に設置されたプッシュボタン(6)に押圧力を加えることによって前記休止位置から前記少なくとも1つの清掃位置へ移動する、
請求項2又は3に記載のノズル(1)。
【請求項5】
前記清掃部材(5)がリンク機構(7)を介して前記ノズル(1)上の前記プッシュボタン(6)に接続される、
請求項4に記載のノズル(1)。
【請求項6】
前記照明手段(15)が、更に前記真空掃除機の作動中に前記回転部材(3)を照明するように構成される、
請求項に記載のノズル(1)。
【請求項7】
前記清掃機構が、
− 前記回転部材(3)の少なくとも1つの放射状突出部材(13)に設置された少なくとも1つの支持面(4)と、
− 少なくとも1つの清掃部材(5)であって、前記清掃部材(5)が前記支持面(4)から距離を置いて構成される休止位置と、前記回転部材に近接する少なくとも1つの清掃位置であって、前記清掃部材(5)が、前記回転部材(3)の回転時に、前記支持面(4)の少なくとも1つの区画(4a)と協働して前記回転部材(3)から絡み付いた物を取り除く清掃位置、との間で移動可能な少なくとも1つの清掃部材(5)と、を備え、
前記清掃部材(5)が、前記ノズル(1)において使用者の方を向く表面に設置されたプッシュボタン(6)に押圧力を加えることによって前記休止位置から前記少なくとも1つの清掃位置へ移動し、
前記照明手段(15)が、更に前記プッシュボタン(6)に押圧力が加えられて前記清掃部材(5)が前記休止位置から前記少なくとも1つの清掃位置へ移動したときに、前記回転部材(3)を照明するように構成される、
請求項に記載のノズル。
【請求項8】
前記照明手段(15)が、更に前記ッシュボタン(6)が端部位置まで完全に押されたときに前記回転部材(3)を照明するように構成される、
請求項に記載のノズル。
【請求項9】
前記照明手段(15)が、更に前記プッシュボタン(6)が中間位置まで押されたときに前記回転部材(3)を照明するように構成される、
請求項に記載のノズル。
【請求項10】
前記清掃部材(5)が、前記回転部材(3)の回転時に前記少なくとも1つの清掃位置において前記少なくとも1つの支持面(4)の少なくとも1つの区画(4a)との間に弾性接触部を提供することができる弾性シート部材(5a)を備える、
請求項に記載のノズル(1)。
【請求項11】
少なくとも1つの突出部品(8)が前記ノズル(1)において掃除対象の表面の方を向く表面に構成される、
請求項1〜1のいずれか1項に記載のノズル(1)。
【請求項12】
前記回転部材(3)が、前記回転部材(3)の前記長手軸(10)に対して直角に構成された放射状リブ(9)を備える、
請求項1〜1のいずれか1項に記載のノズル(1)。
【請求項13】
前記放射状リブ(9)が、前記回転部材(3)から前記少なくとも1つの突出部材(13)まで延びて、前記回転部材(3)に沿って複数のポケット(11)を形成する、
請求項1に記載のノズル(1)。
【請求項14】
請求項1〜1のいずれか1項に記載のノズル(1)を備える真空掃除機(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転部材と、回転部材に絡み付いた物を取り除くための清掃機構とを備える真空掃除機用ノズルに関する。本発明は、電池式真空掃除機並びに商用電源供給真空掃除機のためのものである。本発明に係るノズルは、更にロボット型真空掃除機用として想定される。
【背景技術】
【0002】
回転部材即ち回転ブラシロールを備える真空掃除ノズルにおいて、糸、糸屑、人間若しくは動物の毛又はその他の繊維質の物質は、真空掃除機の作動時にブラシロールの周りに密着し又は巻付いて付着する傾向があることが、知られている。これは掃除ノズルの機能を阻害する可能性がある。
【0003】
特許文献1において、突出摩擦面を有する回転ブラシと回転ブラシの周りに巻き付いたごみを取り除くための1つ又はそれ以上の清掃部材とを備える真空掃除機用の掃除ノズルが開示される。清掃部材は、回転ブラシに隣接して位置決めされ、休止位置と清掃位置との間で移動するように作られ、ブラシの回転時に回転ブラシを清掃するように構成される。回転ブラシに集められたごみは、ブラシロールにきつく巻き付いて、ブラシの毛と絡み合っているので、多くの場合取り除くのが困難である。従って、清掃部材が摩擦部材を押圧することよって絡み付いた糸を外すためには大きな力が必要である。このような力は、真空掃除機の使用者が手動で加えることができる。電気掃除機又は電動ブラシヘッドは、この力が加えられたときにブラシロールを回転させるために必要な動力を与えることができる必要がある。
【0004】
開示される設計の欠点は、回転ブラシが、ほこり及びゴミを受け入れるノズルの下向き開口部を介してしか見えないので、ブラシロールが清掃作動を必要とするか否かを使用者が感知し難いことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開特許第2009/117383(A2)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ブラシロールが清掃作動を必要とするか否かの感知し難さに関する上記の欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの形態によれば、真空掃除機用のノズルが提供される。ノズルは、掃除対象の表面から微小物を拾い集めるための回転部材を備える。回転部材は、長手軸の周りに構成される。ノズルは、更に、回転部材に絡み付いた物を取り除くための清掃機構と、回転部材がノズルカバー越しに見えるように少なくとも部分的に透明材料で作られるノズルカバーとを備える。
【0008】
ノズルカバーが少なくとも部分的に透明材料で作られることによって、回転部材は、ノズルカバー越しに見える。それによって、使用者は、絡み付いた物が沢山存在して、清掃作動を実施する必要があるか否かを知ることができる。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、ノズルは更に、回転部材の少なくとも1つの放射状突出部材に設置された少なくとも1つの支持面と、清掃部材が支持面から距離を置いて構成される休止位置と回転部材に近接する少なくとも1つの清掃位置との間で移動可能な少なくとも1つの清掃部材とを備える。清掃位置において、清掃部材は、回転部材の回転時に支持面の少なくとも1つの区画と協働して回転部材から絡み付いた物を取り除く。従って、少なくとも部分的に透明材料で作られたノズルカバーは、更に、清掃作動が実施された後に絡み付いた物が回転部材から取り除かれたか否かを使用者が判定できると言う利点を有する。
【0010】
実施形態によれば、少なくとも1つの放射状突出部材は、回転部材の長手軸に沿って螺旋状に構成される。螺旋状構成は、回転時に回転部材の適切な清掃を保証すると同時に、限定された支持面内において相互作用的清掃が実施される。それによって、回転部材の回転速度への影響が減少し、効果的な清掃作動が行われると同時に、通常の掃除作業が維持される。
【0011】
本発明の更に別の実施形態において、清掃部材は、ノズルにおいて使用者の方を向く表面に設置されたプッシュボタンに押圧力を加えることによって、休止位置から少なくとも1つの清掃位置へ移動する。ノズルカバーが少なくとも部分的に透明材料で作られることによって、使用者は、清掃作動が実施された後に絡み付いた物が回転部材から取り除かれたか否か知ることができ、かつ、プッシュボタンを操作して、清掃部材を休止位置へ移動できる。
【0012】
実施形態によれば、清掃部材は、リンク機構軸部を介してノズル上のプッシュボタンに接続される。
【0013】
別の実施形態において、ノズルは、回転部材の少なくとも部分を照明するために回転部材に構成された照明手段を備える。照明手段は、例えば、ノズル内部に構成された小型電球又は発光ダイオード(LED)の形式で実現できる。実施形態において、照明手段は、例えば、長手方向に延びる回転部材の両端に又はノズルハウジングに取り付けられたノズルの内の任意の場所に配置できる。1つの実施形態において、照明手段は、真空掃除機が作動中に回転部材を照明するように構成される。従って、照明手段は、使用者が真空掃除機を始動したときに点灯する。但し、多くの異なる実施形態が想定される。例えば、照明手段は、プッシュボタンに電気接続できる。この場合、照明手段は、清掃部材を清掃位置へ移動するためにプッシュボタンに押圧力が加えられたとき回転部材を照明するように構成される。従って、使用者は、ノズル上のプッシュボタンを押すことによって回転部材の清掃を開始し、それによって使用者が回転部材に絡み付いた物をよりよく見えるように、照明手段に回転部材を照明させる。1つの実施形態において、照明手段は、プッシュボタンを端部位置まで完全に押したときに点灯する。別の実施形態において、照明手段は、プッシュボタンを中間位置まで押したときに点灯する。
【0014】
更に別の実施形態において、清掃部材は、回転部材の回転時に少なくとも1つの清掃位置において少なくとも1つの支持面の少なくとも1つの区画との間に弾性接触部を提供することができる弾性シート部材を備える。清掃作動のために弾性接触部を提供することによって、ブラシロールなどの回転部材を回転させるために必要な動力が、以前の解決策に比べて制限される。それによって、清掃作動時に適切な清掃機能が保証される。
【0015】
更に別の実施形態において、少なくとも1つの突出部品が、ノズルにおいて掃除対象の表面の方を向く表面に構成される。清掃作動が実施されるとき、突出部品は、ノズルに加えられた力によってノズルが傾斜するのを防止する。
【0016】
実施形態によれば、回転部材は、回転部材の長手軸に対して直角に構成された放射状リブを備える。
【0017】
実施形態によれば、放射状リブは、回転部材から少なくとも1つの突出部材まで延びて、回転部材に沿って複数のポケットを生成する。複数のポケットは、絡み付いた物が回転部材の中間区画へ向かって動くのを防止する。それによって、絡み付いた物は、回転部材の長さに沿って分布する。絡み付いた物が均等に分布することは、絡み付きの層が少なくなるので、有利である。従って、適切な清掃のために必要な回転部材の回転数が少なくなる。それによって、全体的清掃時間が減少する。更に、少なくとも部分的に透明材料で作られたノズルカバーは、使用者がポケットに捕捉された物を容易に発見できるようにする。
【0018】
本発明の別の形態によれば、上記のノズルを備えた真空掃除機が提供される。
【0019】
本発明の更なる特徴及び利点は、特許請求の範囲および以下の説明から明らかになるだろう。当業者には容易に分かるように、実施例の開示される特徴を組み合わせて、特許請求の範囲において定義される本発明の範囲から逸脱することなく、以下に説明する実施形態以外の実施形態を創作できる。
【0020】
本発明の様々な形態は、その特定の特徴及び利点を含めて、以下の説明及び添付図面から容易に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】1つの実施形態に従った真空掃除機を示す。
図2】1つの実施形態に従った突出掃除面を備えるブラシロールを持つノズルを示す。
図3】下から見たノズルを示す。
図4a】実施形態に従ったノズルのブラシロールのための清掃機構を示す。
図4b】実施形態に従ったノズルのブラシロールのための清掃機構を示す。
図4c】実施形態に従ったノズルのブラシロールのための清掃機構を示す。
図4d】実施形態に従ったノズルのブラシロールのための清掃機構を示す。
図4e】実施形態に従ったノズルのブラシロールのための清掃機構を示す。
図5】1つの実施形態に従ったプッシュボタン及び清掃機構に接続されたリンク機構を示す。
図6a】1つの実施形態に従った清掃機構及びブラシロールの側面図である。
図6b】1つの実施形態に従った清掃機構及びブラシロールの側面図である。
図7a】清掃機構が休止モードのとき不必要な摩耗から清掃機構及び剛毛を持つブラシロールを保護するための別の機構を示す。
図7b】清掃機構が休止モードのとき不必要な摩耗から清掃機構及び剛毛を持つブラシロールを保護するための別の機構を示す。
図8】清掃機構の細部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明について、実施例が示される添付図面を参照しながらより詳細に説明する。但し、本発明は、本出願に示される実施形態に限定されると解釈すべきではない。以下の説明全体を通じて、同様の参照番号は、適用可能な場合には同様の要素、部品、品目又は特徴を示すために使用される。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に従った、掃除対象の表面から微小物を拾い集めるためのブラシロールなどの回転部材3を備えるノズル1を備える直立型真空掃除機2を示す。ノズル1は、更に、回転部材3に絡み付いた物を取り除くための清掃機構も備える。ノズル1は、ノズルカバー12越しに回転部材3が見えるように、少なくとも部分的に透明材料で作られるカバー12を備える。それによって、使用者は、回転部材3に髪の毛などの物が沢山絡み付いているか否か見ることができる。使用者は、ノズル1上のプッシュボタン6を押すことによって回転部材3の清掃を開始する。
【0024】
図2は、1つの実施形態に従ったノズル1をより詳細に示す。清掃機構は、清掃部材5と、回転部材3の放射状突出部材13に設置された支持面4とを備える。図示する実施形態において、2つの突出部材13は、回転部材3の長手軸に沿って螺旋状に構成される。他の可能な代替案は、1つの螺旋状に構成された突出部材13又は2つよりも多い螺旋状に構成された突出部材13である。清掃部材5は、支持面4から距離を置いて構成される休止位置と清掃位置との間で移動可能である。清掃位置は、段階的に即ち漸次的に構成されて、清掃作動時に清掃部材5を支持面に接近させることができる。これは、例えば、絡み付いた物の厚い層が存在する場合に又は回転部材3を駆動するために利用できる動力が限定される場合に有利であろう。リンク機構7の軸部を介して清掃部材5に接続されたプッシュボタン6が、清掃部材5を休止位置と清掃位置との間で移動するために設置される。
【0025】
清掃位置において、清掃部材5の弾性シート部材5aは、回転部材3の回転時に支持面4と協働して、絡み付いた物を回転部材3から除去する。弾性シート部材5aは、回転部材3の回転時に清掃位置にあるときに支持面4との間に弾性接触部を与えることができる。それによって、取り除くべき絡み付いた物が沢山ある場合、清掃作動によって回転部材3の回転速度が低下する可能性を制限できる。ノズル1は、回転部材3がノズルカバー12越しに見えるように少なくとも部分的に透明材料で作られるカバー3を備える。透明性は、清掃作動が必要か否かを使用者が確認できるようにする。
【0026】
図3は、下から見たノズル1を示す。ブッシュボタン6を押し下げたとき、ノズル1は、ノズル1の下に設置された1つ又はそれ以上の突出部品8によって傾斜を防止される。突出部品8は、ノズル1において掃除対象の表面の方を向く表面に構成される。
【0027】
更に図2及び3を参照すると、本発明の別の実施形態において、ノズル1は回転部材の少なくとも部分を照明するために回転部材3に構成された照明手段を備える。照明手段は、ノズル1内部に構成された小型電球又は発光ダイオード(LED)15の形式で実現できる。LED15は、例えば、図2に示すように長手方向へ延びる回転部材3の両端に又はノズルハウジングに取り付けられたノズル1内部の任意の場所に構成できる。1つの実施形態において、LED15は、真空掃除機2が作動中に回転部材3を照明するように構成される。従って、LEDは、使用者が真空掃除機を始動したときに点灯する。但し、多数の異なる実施形態が想定される。例えば、LED15は、プッシュボタン6に電気接続できる。この場合、LED15は、清掃部材5を清掃位置へ移動するためにプッシュボタン6に押圧力が加えられると、回転部材3を照明するように構成される。従って、使用者は、ノズル1上のプッシュボタン6を押すことによって回転部材3の清掃を開始し、それによって、使用者が回転部材3に絡み付いた物をより良く見ることができるように、LED15に回転部材3を照明させる。1つの実施形態において、LED15は、プッシュボタン6を端部位置まで完全に押したときに点灯する。別の実施形態において、LED15は、プッシュボタン6を中間位置まで押したときに点灯する。
【0028】
図4a〜bは、1つの実施形態に従ったノズルのブラシロールのための清掃機構の休止モード及び第2清掃モードを示す。清掃部材5は、清掃部材5が回転部材3上方の休止位置から支持面に隣接する清掃位置へ回動すべく、回転部材3上方において長手棒5bを介して回動するように構成される。清掃部材5の長さは、支持面4によって被覆されるブラシロールの長さと同じであることが好ましい。2つの放射状突出部材13は、回転部材3の長手軸10に沿って螺旋状に構成される。清掃部材5は、弾性シート部材5aを保持する長手棒5bを備える。清掃部材5は、回転部材3の長手軸10に沿って構成される。弾性シート部材5aは、0.2〜0.8mmの範囲の厚みを持つことが好ましい。弾性シート部材5aに適した材料を選択することが重要である。材料は、時間を経過すると摩耗して、その元来の引裂き能力(tearing ability)を失う。耐摩耗性を有するように、比較的硬いばね鋼を使用できる。支持面と接する清掃部材5の縁は、絡み付いた物を効果的に取り除くために比較的鋭利である必要がある。ばね鋼をせん断又はパンチプレスすることによって、せん断面の縁の一方は丸みを持ち、他方はまくれ(edge burr)を持つ。清掃部材5をパンチプレスすることによって、切断面の1つの縁は他方より鋭利になる。せん断又はパンチプレスすることによって、上記のように、清掃部材5の縁にまくれができる。縁のまくれが最小化される場合、絡み付いた物をブラシロールから除去するのに適する鋭い縁が生成される。上記の縁のまくれの代わりとして、清掃部材5の縁を、機械加工によって鋭利にできる。それによって、鋭利な縁の誤差を改善できる。
【0029】
図4cは、複数の区画4a、4b、4cを持つ支持面4を備えるブラシロールとして示される回転部材3を図解する。区画4a、4b、4cの各々は、長手軸10に対して個別の半径で構成される。区画の半径は、図示する実施形態において、漸次的に変化し、それによって、区画は連続的支持面4を形成する。又は、半径を段階的に変化させ、それによって、異なる半径を持つ3つの別個の支持面を与えることができる。区画4aの半径は、清掃位置のときに清掃部材と表面区画4aとの間で清掃可能に接触するように選択される。区画4cの半径は、清掃部材5が清掃位置のときに清掃部材5と区画4cとの間に小さい距離があるように選択される。区画4bは、区画4aの半径から区画4cの半径へ円滑に移行させる漸次的に変化する半径が与えられる。
【0030】
図4dにおいて図示する清掃部材5は、図4cの回転部材3の清掃中である。清掃部材の弾性シート部材5aは、区画4aの単一接触点において支持面と弾性接触する。弾性シート部材5aが充分に屈曲できる場合、区画4cにおいてもある程度の接触が得られる。但し、区画4cにおいてある程度の相互作用的清掃が行われても、清掃部材へ加えられた力の大部分は、区画4aへ伝達される。このような構成によって、清掃部材5へ加えられた力の少なくともほとんどは、区画4aとの接触部に集中される。単一点で又は少なくとも限定された面積での接触は、効率の良い清掃を保証しながら、通常の掃除作業を邪魔しない。
【0031】
ブラシロールの清掃時に問題となるのは、ブラシロールの周りの絡み付きがブラシロールの長さに沿って均等に広がらないように思われることである。絡み付きは、ブラシロールの中間区画において最大規模となる。このような絡み付きの不均等な分布は、ブラシロール清掃の観点から見ると不利である。なぜなら、ブラシロールの1回転ごとに絡み付きの上層の清掃が行われるからである。即ち、ある区画に絡み付きの層が多くなると、それだけ合計の清掃時間は長くなる。従って、ブラシロール清掃時間は、ブラシロールの1つの所定区画における絡み付きの最大層によって決まる。従って、全部の絡み付きがブラシロールの長さに沿って分散すると有利である。図4a〜dに示すように、回転部材3は、回転部材3の長手軸10に直角に構成された放射状リブ9を備える。放射状リブ9は、回転部材3から突出部材まで延びて、回転部材3に沿って複数のポケット11を生成する。複数のポケット11は、絡み付いた髪の毛などが中間区画へ向かって動くのを邪魔する。それによって、ブラシロールの長さに沿って絡み付いた物のより大きな分布が可能になり、ブラシロールの合計清掃時間が短縮される。各ポケット11は、髪の毛などの微小物を捕捉して、ブラシロールの長さに沿ってこれが動くのを阻止する。
【0032】
図5は、1つの実施形態に従ったプッシュボタン6及び清掃機構に接続されたリンク機構7を示す。清掃部材5は、ノズル1において使用者の方を向く表面に設置されたプッシュボタン6に押圧力を加えることによって、休止位置から清掃位置へ移動する。清掃部材5は、リンク機構7の軸部を介してノズル1上のプッシュボタン6に接続される。
【0033】
図6a及び6bは、1つの実施形態に従った清掃機構及びブラシロールの詳細な側面図である。図6aに図示する清掃部材5は、休止位置にある。弾性シート部材5aと回転するブラシロールのどの部品との間にも接触部はない。図6bにおいて、清掃部材は、すでに清掃位置へ回動している。弾性シート部材5aは、回転するブラシロールに近接し、弾性シート部材5aと支持面4との間に弾性接触が得られる。弾性シート部材5aの鋭利な縁がブラシロールに絡み付いた物を取り除く。
【0034】
図7a及び7bは、清掃機構が休止モードである時、不要な摩耗からブラシロールを保護するための別の機構を示す。清掃部材5は、通常の真空掃除時に摩耗から保護されるように、かつブラシロール清掃時にブラシの毛の摩耗を最小限に抑えるのに役立つように設計される。回転部材3が集めた小さい石などの硬い微小物は、清掃部材及び特に鋭利な縁の摩耗の一因となる。図に示すように、微小物は、回転部材3に対面して構成された突出部品14によって、清掃部材5と接するのを防止される。更に、突出部品14は、ブラシの毛と清掃部材5の縁との間の接触によるブラシロールの毛の摩耗を制限する。ブラシの毛は、まず、突出部品14に接触する。それによって、ブラシの毛は、縁と接する前に曲がるので、毛の摩耗は制限される。
【0035】
図8は、1つの実施形態に従った清掃機構の細部を示す。清掃部材5の弾性シート部材5aは、清掃位置にあるとき、角度α(αは、40°〜90°の範囲)で支持面4の区画の接線と交わる。
【0036】
使用時に、清掃機構は下記のように作用する。ブラシロール清掃時に、清掃部材5は、真空掃除機のノズル1に設置された回転ブラシロールに設置された支持面4と相互作用して、支持面に圧力を加える。清掃プロセスにおいて、真空掃除機のモーターファンもオンになる。支持面4は、ブラシの毛を別にして、清掃プロセスにおいて清掃部材5と接触するブラシロールの唯一の領域である。ブラシロールが1回転すると、支持面4全体が清掃部材5と接触することになるので、絡み付いた物は、清掃部材と支持面との間の相互作用的清掃の対象となる。絡み付いた物は、支持面における清掃部材5による引裂き又は摩擦によって、より小さな破片へ引き裂かれる。引き裂かれた物は、ブラシロールの回転運動による遠心力と結合した真空掃除機の空気流によってブラシロールから分離されて、最終的に真空掃除機のダスト容器又はダスト袋に入る。ブラシロールの毛は、ブラシロール清掃時には清掃部材5の下で屈曲する。引裂き摩擦のほとんどを発生するのは清掃部材5が支持面4の表面に加える圧力なので、ブラシロールの毛は、絡み付いた物と同じ摩耗の対象にはならない。更に、弾性シート部材5aは屈曲できるので、ブラシロール清掃時に弾性シート部材5aと支持面4との間の一貫した相互作用が得られ、これが、誤差を低くする。ブラシロール清掃性能は、ブラシロールの回転速度によって決まる。即ち、回転速度が速ければ、ブラシロール清掃が速くなる。更に、速度はトルクに密接に関係する。即ち、トルクが増大すれば、速度は減少する。従って、加えられるトルクが効率的なブラシロール清掃にとって十分に高く、同時に速度を過剰に減少させない程度に低い状態を見つけることが重要である。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8