(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
流体中の生体物質の成分を検査するための流体求心デバイスであって、前記流体求心デバイスは、回転可能なホルダ内で受容されるように適合される形を有し、前記回転可能なホルダは、回転の中心および外縁を有し、前記流体求心デバイスは、前記回転の中心と少なくとも前記外縁との間で半径方向に延在し、前記流体求心デバイスの内側は、前記回転の中心に向かって位置し、前記流体求心デバイスの外側は、前記外縁に向かって位置し、前記デバイスは、
少なくとも前面上に流体特徴を有する流体構成部分層を備え、前記流体特徴は、
前記流体を通すための流入チャネルを含み、前記流入チャネルはチャンバ入口に連結され、前記流体特徴は、さらに、
前記流体を受容するための前記チャンバ入口で前記流入チャネルに連結される底部充填可能チャンバを含み、前記チャンバ入口は前記底部充填可能チャンバの外側に設けられ、前記底部充填可能チャンバは、
変動磁場に応答せず、かつ、前記底部充填可能チャンバ内で変位するように適合された少なくとも1つの対象物と、
外部変動磁場に応答して前記底部充填可能チャンバ内で移行運動するように適合された、ビーズを除く少なくとも1つの移行可能部材とを含み、前記移行運動は、前記底部充填可能チャンバの内側と外側との間にわたって半径方向に往復するものであり、前記移行運動は、前記少なくとも1つの対象物を前記底部充填可能チャンバ内で変位させ、
前記底部充填可能チャンバ、前記少なくとも1つの対象物及び前記少なくとも1つの移行可能部材は、前記底部充填可能チャンバから前記少なくとも1つの対象物及び前記少なくとも1つの移行可能部材が流出することを防止しながら前記底部充填可能チャンバ内で前記少なくとも1つの移行可能部材の前記移行運動と前記少なくとも1つの対象物の前記変位とを可能にするような寸法に形作られかつ構成され、前記流体特徴は、さらに、
前記底部充填可能チャンバのための流出口を含み、前記流出口は前記底部充填可能チャンバからの前記流体の流出を可能にし、前記流出口は前記底部充填可能チャンバの1つの縦方向側面上に位置し、前記流体特徴は、さらに、
前記底部充填可能チャンバのための余剰分出口に連結されるオーバーフローチャンバを含み、前記余剰分出口は、前記底部充填可能チャンバから前記オーバーフローチャンバへの前記流体の一部の流出を可能にし、前記余剰分出口は、前記底部充填可能チャンバの縦方向側面上の前記底部充填可能チャンバの前記内側の近くに提供され、前記流体特徴は、さらに、
前記オーバーフローチャンバに連結されるが前記底部充填可能チャンバに連結されない通気チャネルを含み、前記通気チャネルは、前記底部充填可能チャンバおよび前記オーバーフローチャンバを同時に通気するためのものであり、前記デバイスは、さらに、
前記流体構成部分層の背部に結合され、それによって、前記流体が求心力下で通って流動する流体ネットワークを作出する、底部構成部分層を備える、デバイス。
前記流出口に破裂弁を更に備え、前記破裂弁は、前記デバイス上に適用される既定求心力で開放し、前記破裂弁は、前記開放まで、前記流体が前記底部充填可能チャンバから流出するのを防止する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のデバイス。
保持チャンバを更に備え、前記保持チャンバは、前記保持チャンバの内側で前記流出口に連結され、前記保持チャンバは、前記底部充填可能チャンバよりも前記流体構成部分層の前記外側により接近して位置し、前記保持チャンバは、計量チャネルを介して前記流出口に連結され、前記計量チャネルは、前記流体の少なくとも一部分を前記底部充填可能チャンバから前記保持チャンバへ通すためのものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のデバイス。
前記保持チャンバ中に全体的に提供され、液体希釈剤を含有する容器を更に備え、前記容器は、前記容器中に前記液体希釈剤を維持するように、かつ前記容器への外部力の適用時に前記保持チャンバ中で前記液体希釈剤を放出するように適合され、前記外部力は、機械力、電気力、電磁力、熱的力、衝撃力、および音響力のうちの1つであり、それによって、前記保持チャンバ中の前記液体希釈剤と前記流体との間の流体接続を達成する、請求項8に記載のデバイス。
前記キュベットは、少なくとも1つのパラメータについて光学的に照会されるように適合され、前記パラメータは、蛍光、吸光、および比色分析法のうちの1つである、請求項12または13に記載のデバイス。
前記流体は、血液、鼻咽頭吸引物、口腔液、再懸濁させた口腔スワブからの液体、再懸濁させた鼻スワブからの液体、肛囲スワブから再懸濁させた液体、膣スワブから再懸濁させた液体、唾液及び尿からなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
【発明の概要】
【0015】
本明細書に記載される流体求心デバイスは、単純化された構造および発動装置を組み合わせることを可能にして、核酸の多重増幅および検出のために要求される乾燥試薬および
湿性試薬の両方の格納を許容しながら、最小限のチャンバおよびチャネルにおける試料調製、容積計量、容積の制御された置換を確実にし得る。
【0016】
記載される流体求心デバイスは、多数の試料を同時にプロセスし、迅速な結果を生み出すための、ポイント・オブ・ケアまたはベンチトップシステムにおいて実装するのによく適している。
【0017】
本発明の第1の態様によれば、組み合わされたマクロ構造およびマイクロ構造により、単純化された試料調製方法を確保する、流体求心デバイスが提供される。流体は、求心力を提供するローターに適用される求心力を使用して移動させることができる。プロセスは、液体の使用を最小化し、単純な弁制御を堅牢に使用するために、単純化される。
【0018】
本発明の第2の態様によれば、増幅および/または検出を干渉する可能性がある、試料中に存在する、可能性のある阻害物質を制御するために、核酸を抽出し、調製するための方法が提供される。更に、流体回路は、試料容積の溶解前および溶解後測定を提供することができる。これは、体積定義を可能にする。容積定義は、2つのメニスカス間の差異によって定義される液体体積を差し引くことによって、達成することができる。これは、流体求心デバイス中に導入される小体積を正確に測定するために必要とされる、通常の高精度マイクロペッター(micropettor)の代わりに、単純な収集デバイスの使用を可能にし、オペレータによる操作を大幅に容易にする。
【0019】
本発明の第3の態様によれば、試料調製および多重リアルタイム核酸増幅検出を組み合わせた、流体求心デバイスが提供される。流体求心デバイスは、底部充填チャンバ(それは均質化、細胞溶解、阻害物質の制御、および微生物の濃縮のために使用され得る)と流体連通している、取り入れレセプタクルを含み、底部充填チャンバは保持チャンバと流体連通しており、保持チャンバは検出領域と流体連通しており、検出領域は、増幅および検出のために、要求される場合、試料を2つ以上の検出チャンバに分割するために分配チャネルを使用することができる。流体求心デバイスのチャネルおよびチャンバは、閉鎖ループシステムによって、自己換気することができ、システムを閉鎖状態に保ちながら、通気を提供して、それにより汚染を防止する一助となる。
【0020】
本発明の第4の態様によれば、流体求心デバイスの機能を制御するための機器が提供される。システムは、流体求心デバイスを回転させるためのモーター、流体求心デバイス内で移行可能部材を移動させるための磁石等の機械部品、流体デバイスの温度を制御するための熱素子、蛍光シグナルを測定するための光学部品、ならびに例えばタッチスクリーンデバイスを有する、電子およびヒト機械インターフェースを備える。
【0021】
一実施形態では、機器は、流体求心デバイスの複数の区域における空気温度制御を提供する。
【0022】
一実施形態では、機器は、熱素子を回転している流体求心デバイスと接触して配置することによって、求心デバイス上の複数の区域における温度制御を提供する。
【0023】
幅広い態様によれば、流体試料中の生体物質の成分を検査するための流体求心デバイスが提供され、この装置は、実質的に平坦な裏側を有する流体構成部分層を備え、流体構成部分層は、回転可能なホルダ内で受容されるように適合される形を有し、回転可能なホルダは、回転の中心および外縁を有し、流体構成部分層は、回転の中心と外縁との間で半径方向に延在し、流体構成部分層の内側は、回転の中心に向かって位置し、流体構成部分層の外側は、外縁に向かって位置し、流体構成部分層は、流体構成部分層から外方向に延在し、内側の近くに位置し、かつ試料出口において終わる、試料を受容するための試料取り
入れレセプタクル;一端で試料出口に、および別の端でチャンバ入口に連結される、流体試料を循環させるための流入チャネル;チャンバ入口が底部充填可能チャンバの外側に提供される、流体試料を受容するためのチャンバ入口で流入チャネルに連結される底部充填可能チャンバを含むように形作られる。
【0024】
一実施形態では、装置は、試料取り入れレセプタクルへのアクセスを閉鎖するための、試料取り入れレセプタクルのためのキャップを更に備える。
【0025】
一実施形態では、底部充填可能チャンバは、楕円形であり、内側と外側との間で半径方向に延在する。
【0026】
一実施形態では、底部充填可能チャンバは、外部変動磁場に応答して底部充填可能チャンバ内で移行する、少なくとも1つの移行可能部材を含む。
【0027】
一実施形態では、変動磁場に応答して移行する移行可能部材は、常磁性材料からなる。
一実施形態では、変動磁場に応答して移行する移行可能部材は、円盤または球体である。
【0028】
一実施形態では、移行可能部材は、強磁性である。
一実施形態では、底部充填可能チャンバは、変動磁場に応答して反応しない、少なくとも1つの対象物を更に備える。
【0029】
一実施形態では、対象物は、ビーズ、ガラスビーズ、ジルコニウムビーズ、樹脂、ならびにビーズおよび樹脂のスラリーのうちの少なくとも1つである。
【0030】
一実施形態では、対象物は、試料の成分と相互作用するように適合されるキレート材料でコーティングされる。
【0031】
一実施形態では、対象物および移行可能部材の各々は、チャンバ入口のサイズよりもサイズが大きい。
【0032】
一実施形態では、底部充填可能チャンバは、均質化チャンバである。
一実施形態では、底部充填可能チャンバは、溶解チャンバである。
【0033】
一実施形態では、底部充填可能チャンバは、清澄化チャンバである。
一実施形態では、底部充填可能チャンバは、標的濃縮チャンバである。
【0034】
一実施形態では、装置は、底部充填可能チャンバのための余剰分出口に連結されるオーバーフローチャンバを更に備え、この余剰分出口は、底部充填可能チャンバからオーバーフローチャンバへの、流体試料の一部の流出を可能にする。
【0035】
一実施形態では、余剰分出口は、底部充填可能チャンバの内側の近くに提供される。
一実施形態では、余剰分出口は、底部充填可能チャンバの1つの縦方向側面上に提供される。
【0036】
一実施形態では、装置は、底部充填可能チャンバのための流出口を更に備え、この流出口は、底部充填可能チャンバからの試料の流出を可能にする。
【0037】
一実施形態では、流出口は、底部充填可能チャンバの1つの縦方向側面上に位置する。
一実施形態では、対象物および移行可能部材の各々は、流出口のサイズよりもサイズが
大きい。
【0038】
一実施形態では、余剰分出口は、流出口よりも内側により接近して位置する。
一実施形態では、装置は、保持チャンバを更に備え、この保持チャンバは、保持チャンバの内側で流出口に連結され、保持チャンバは、底部充填可能チャンバよりも流体構成部分層の外側により接近して位置する。
【0039】
一実施形態では、保持チャンバは、移送チャネルを介して流出口に連結され、移送チャネルは、流体試料の少なくとも一部分を底部充填可能チャンバから保持チャンバへと循環させるためのものである。
【0040】
一実施形態では、装置は、保持チャンバ中に全体的に提供され、液体反応物質を含有する容器を更に備え、この容器は、容器中に液体反応物質を維持するように、かつ保持チャンバへの外部力の適用時に保持チャンバ中で液体反応物質を放出するように適合される。
【0041】
幅広い態様によれば、液体反応物質を流体試料と混合するための流体求心デバイスが提供され、その装置は、実質的に平坦な裏側を有する流体構成部分層を備え、流体構成部分層は、回転可能なホルダ内で受容されるように適合される形を有し、回転可能なホルダは、回転の中心および外縁を有し、流体構成部分層は、回転の中心と外縁との間で半径方向に延在し、流体構成部分層の内側は、回転の中心に向かって位置し、流体構成部分層の外側は、外縁に向かって位置し、流体構成部分層は、流体構成部分層から外方向に延在し、内側の近くに位置し、かつ試料出口において終わる、試料を受容するための試料取り入れレセプタクル;保持チャンバ中に流体試料を受容するための試料取り入れレセプタクルに連結される保持チャンバ;容器中に液体反応物質を維持するように、かつ保持チャンバへの外部力の適用時に保持チャンバ中で液体反応物質を放出するように適合される、保持チャンバ中に全体的に提供され、液体反応物質を含有する、容器を含むように形作られる。
【0042】
一実施形態では、装置は、試料出口から保持チャンバの保持チャンバ入口へと流体試料を循環させるための流入チャネルを更に備える。
【0043】
一実施形態では、保持チャンバは、流体試料を受容するためのレセプタクルを有する。
一実施形態では、レセプタクルは、保持チャンバの外側に位置する。
【0044】
一実施形態では、レセプタクルの最大容積は、保持チャンバに移される試料の最大体積に少なくとも等しい。
【0045】
一実施形態では、レセプタクルは、乾燥反応物質を含む。
一実施形態では、乾燥反応物質は、阻害物質制御試薬である。
【0046】
一実施形態では、保持チャンバは、希釈チャンバである。
一実施形態では、保持チャンバのレセプタクルは、希釈剤の放出時に空にされる。
【0047】
一実施形態では、容器は、ガラス、毛細ガラス、熱可塑性重合体、およびまたは感熱材料のうちの1つで作製される。
【0048】
一実施形態では、液体反応物質は、希釈剤である。
一実施形態では、液体反応物質は、水、緩衝液、イオン、重合体、タンパク質、糖、核酸、および/または溶液の乾燥可能部(a−dryable part)のうちの1つである。
【0049】
一実施形態では、容器は、融解温度で融解させられるように適合される感熱材料で作製されるキャップを有し、液体反応物質が、保持チャンバ中の容器内から容器の外部へと進むことを可能にする。
【0050】
一実施形態では、容器は、感熱材料で作製される。
一実施形態では、外部力は、機械力、電気力、電磁力、熱的力、衝撃力、および音響力のうちの1つである。
【0051】
一実施形態では、容器は、解放可能な開口部を有する。
一実施形態では、保持チャンバは、保持チャンバのための分配出口を有し、この分配出口は、保持チャンバの外側に位置し、かつ横断分配チャネルの第1の横断端において、分配チャネルの内側で横断分配チャネルに連結され、横断分配チャネルは、横断分配チャネルの外側に提供される一連の少なくとも1つのキュベットを有する。
【0052】
一実施形態では、分配出口は、移送チャネルを介して分配チャネルに連結される。
一実施形態では、キュベットは、乾燥試薬を含む。
【0053】
一実施形態では、乾燥試薬は、増幅のためのものであり、酵素を含むことができる。
一実施形態では、キュベットは、一連のプライマーを含む。
【0054】
一実施形態では、キュベット中の乾燥試薬は、水よりも低い密度を有する感熱または相変化物質の薄膜によって覆われる。
【0055】
一実施形態では、感熱材料は、ワックスである。
一実施形態では、キュベットは、少なくとも1つのパラメータについて光学的に照会されるように適合される。
【0056】
一実施形態では、キュベットは、キュベット本体において少なくとも1つの光学的に透明な窓を備える、キュベット本体を有し、この光学的に透明な窓は、光路に沿って既定の波長の光を投影するように適合される光源の光路と整合される。
【0057】
一実施形態では、パラメータは、蛍光、吸光、および比色分析法のうちの1つである。
一実施形態では、パラメータは、蛍光であり、ここでキュベットは、キュベット中の蛍光溶液、キュベット中の溶液中の蛍光体被覆粒子、キュベットの内壁上の蛍光体粒子のうちの1つを含む。
【0058】
一実施形態では、キュベットは、検出チャンバである。
一実施形態では、キュベットは、増幅チャンバである。
【0059】
一実施形態では、キュベットは、核酸増幅チャンバである。
一実施形態では、横断分配チャネルは、分配チャネルの第2の横断端で廃棄チャンバを含む。
【0060】
一実施形態では、廃棄チャンバは、分配チャネルに連結されるキュベットの流入を封止するように適合される、熱活性化封を含む。
【0061】
一実施形態では、熱活性化封は、ワックスである。
一実施形態では、逆流防止弁を含む、チャンバ入口、余剰分出口、流出口、分配出口のうちの少なくとも1つ。
【0062】
一実施形態では、破裂弁を含む、チャンバ入口、余剰分出口、流出口、分配出口のうちの少なくとも1つであり、この破裂弁は、装置上に適用される既定の求心力で開放する。
【0063】
一実施形態では、逆流防止弁および破裂弁は、単一の逆流防止破裂弁において提供される。
【0064】
一実施形態では、流体構成部分層は、プラスチック材料で作製される。
一実施形態では、プラスチック材料は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、PDMS、COC、SU−8材料のうちの1つである。
【0065】
一実施形態では、流体構成部分層は、1枚のプラスチック材料により、実質的に平坦な裏側上で封止される。
【0066】
一実施形態では、1枚のプラスチック材料は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、PDMS、COC、SU−8材料のうちの1つである。
【0067】
一実施形態では、流体構成部分層は、接着剤、感圧接着材料、熱伝達、溶媒結合、紫外線硬化性接着剤、超音波結合、レーザー溶接、RF結合等の結合方法を介して、1枚のプラスチック材料により封止される。
【0068】
一実施形態では、破裂弁の破裂特性は、回転の中心からのその距離、支持板を構成するプラスチック材料、封を構成する材料、およびプラスチック材料中に成形される弁自体の形状の組み合わせである。
【0069】
一実施形態では、分配チャネル、キュベット、および廃棄チャンバは、回転可能なホルダの外縁を越えて延在する、支持部材板の一部分上に提供される。
【0070】
一実施形態では、流体構成部分層は、長方形である。
一実施形態では、ホルダは、円盤である。
【0071】
一実施形態では、流体構成部分層の形は、リングのテーパー区分である。
一実施形態では、リングのテーパー区分は、リングの一部分である。
【0072】
一実施形態では、リングのテーパー区分は、リングの8分の1である。
一実施形態では、装置は、オーバーフローチャンバ、保持チャンバ、および分配チャネルのうちの少なくとも1つのための通気出口を更に備え、この通気出口は、自己通気チャネルに接続される。
【0073】
一実施形態では、自己通気チャネルは、試料取り入れレセプタクルの内側で試料取り入れレセプタクルに連結される。
【0074】
一実施形態では、流体構成部分層は、少なくとも部分的に加熱されるように適合される。
【0075】
一実施形態では、流体構成部分層は、温度制御されるように適合される。
一実施形態では、流体構成部分層は、少なくとも2つの別個の温度制御可能区分に分割されるように適合される。
【0076】
一実施形態では、2つの別個の温度制御可能区分のうちの第1の区分は、底部充填可能チャンバおよび保持チャンバを含む。
【0077】
一実施形態では、2つの別個の温度制御可能区分のうちの第1の区分は、少なくとも保持チャンバを含む。
【0078】
一実施形態では、第1の区分は、試料取り入れレセプタクル、流入チャネル、オーバーフローチャンバ、および計量チャネルを含む。
【0079】
一実施形態では、2つの別個の温度制御可能区分のうちの第2の区分は、少なくとも分配チャネルおよびキュベットを含む。
【0080】
一実施形態では、2つの区分のうちの第2の区分は、オーバーフローチャンバおよび移送チャネルの一部分を含む。
【0081】
一実施形態では、流体試料は、血液、鼻咽頭吸引物、口腔液、再懸濁させた口腔スワブからの液体、再懸濁させた鼻スワブからの液体、肛囲スワブから再懸濁させた液体、膣スワブから再懸濁させた液体、唾液、尿(純粋または希釈)のうちの少なくとも1つである。
【0082】
幅広い態様によれば、流体試料中の生体物質の成分を検査するための流体求心デバイスを使用する検査装置が提供され、この装置は、流体求心デバイス;ローターアセンブリ;ローターに連結される、流体構成部分層を使用して流体求心デバイスのうちの少なくとも1つを受容するための、ホルダ;ローターアセンブリを回転させるためのモーター;ローターアセンブリの回転の持続期間、加速、および速度のうちの少なくとも1つを制御するための、モーターのための速度制御装置;マイクロ流体求心デバイスの少なくとも一部分の温度を制御するための、温度状態調節サブシステム;流体求心デバイスの試料を励起し、検査結果を得るための、励起サブシステム;ユーザコマンドを受容するため、ならびにコマンドを、速度制御装置、温度状態調節サブシステム、および励起サブシステムのうちの少なくとも1つに送るための、ユーザインターフェースのうちの少なくとも1つを備える。
【0083】
一実施形態では、ホルダは、流体求心デバイスを受容するローターの底部、および流体求心デバイスを固定するためのスナップリングを備える、ローターアセンブリである。
【0084】
一実施形態では、検査装置は、基部、壁、およびヒンジ式蓋を有する、検査装置のための外囲を更に備え、この外囲は、ローターアセンブリ、ホルダ、モーター、温度状態調節サブシステム、および励起サブシステムを囲む。
【0085】
一実施形態では、検査装置は、ローターの下に提供される永久磁石を更に備える。
一実施形態では、温度状態調節サブシステムは、流体求心デバイスの2つの区域の温度を制御する。
【0086】
一実施形態では、検査装置は、外囲、外囲界壁、ローターアセンブリ、ローター断熱壁、ホルダ、蓋断熱、および蓋断熱壁のうちの少なくとも1つによって作出される区画を更に備える。
【0087】
一実施形態では、検査装置は、区画の間の熱伝達を制御するために使用することができる断熱材を更に備える。
【0088】
一実施形態では、温度状態調節サブシステムは、加熱区域の上および下のうちの1つに位置する熱素子を備える。
【0089】
一実施形態では、熱素子は、抵抗加熱コイルである。
一実施形態では、検査装置は、各加熱区域の内部に、各区域の個々の温度を測定するための熱電対を更に備える。
【0090】
一実施形態では、検査装置は、室温空気が加熱区域に進入することを強いる、ブロワを更に備える。
【0091】
一実施形態では、検査装置は、熱気を加熱区域の外部に射出するための出口ゲートを更に備える。
【0092】
一実施形態では、励起サブシステムは、光源、および励起ビームを形作るための光学素子を含む。
【0093】
一実施形態では、励起サブシステムは、流体求心デバイス内で目的の種によって発せられる光を収集するための、検出モジュールを含む。
【0094】
幅広い態様によれば、流体試料中の生体物質の成分を検査するための流体求心デバイスを使用する検査方法が提供され、本方法は、少なくとも1つの流体求心デバイスを提供すること;検査装置を提供すること;生体物質を含む流体試料を提供すること;流体を流体求心デバイスの試料取り入れレセプタクル中に装填すること;流体求心デバイスを検査装置のホルダ内に配置すること;検査手順を開始するためのユーザコマンドを提供すること;ローターアセンブリを第1の速度で回転させて、流体試料を試料取り入れレセプタクルから底部充填可能チャンバへと移すことを含む。
【0095】
一実施形態では、回転は、試料の一部をオーバーフローチャンバの中に排出することを更に含む。
【0096】
一実施形態では、検査方法は、ローターアセンブリを第2の速度で回転させて、底部充填可能チャンバの内部で移行部材の移動を作動させることを更に含む。
【0097】
一実施形態では、検査方法は、ローターアセンブリを第3の速度で回転させて、試料を清澄化し、計量出口を破裂させることを更に含み、ここで試料の計量された体積が、保持チャンバに移る。
【0098】
一実施形態では、計量された体積は、保持チャンバのレセプタクルに移る。
一実施形態では、検査方法は、ローターアセンブリを第4の速度で回転させることを更に含む。
【0099】
一実施形態では、検査方法は、保持チャンバを加熱し、それによって、液体反応物質を容器から放出することを更に含む。
【0100】
一実施形態では、検査方法は、ローターアセンブリを第5の速度で回転させて、保持チャンバ出口を破裂させることを更に含む。
【0101】
一実施形態では、検査方法は、キュベットを、65℃を下回る温度に保つことを更に含む。
【0102】
例となる実施形態では、検査方法は、キュベットを、35℃を下回る温度に保つことを更に含む。
【0103】
一実施形態では、検査方法は、キュベットを第1の温度で加熱することを更に含む。
一実施形態では、検査方法は、キュベットを第2の温度で加熱することを更に含む。
【0104】
一実施形態では、検査方法は、キュベットの温度を、高い、低い、および中程度の検査温度の間で循環させることを更に含む。
【0105】
一実施形態では、検査方法は、各温度周期の終わりに、少なくとも1つの励起波長で蛍光測定を取ることを更に含む。
【0106】
一実施形態では、検査方法は、蛍光測定の記録を取ることを更に含む。
幅広い態様によれば、流体試料中の生体物質の成分を検査するための流体求心デバイスを使用する検査方法が提供され、本方法は、少なくとも1つの流体求心デバイスを提供すること;検査装置を提供すること;生体物質を含む流体試料を提供すること;流体を流体求心デバイスの試料取り入れレセプタクル中に装填すること;流体求心デバイスを検査装置のホルダ内に配置すること;検査手順を開始するためのユーザコマンドを提供すること;ローターアセンブリを第1の速度で回転させて、流体試料を試料取り入れレセプタクルから保持チャンバへと移すこと;保持チャンバを加熱し、それによって、液体反応物質を容器から放出することを含む。
【0107】
一実施形態では、本方法は、ローターアセンブリを第5の速度で回転させて、保持チャンバ出口を破裂させることを含む。
【0108】
一実施形態では、試料は、保持チャンバのレセプタクルに移る。
本発明の別の幅広い態様によれば、流体中の生体物質の成分を検査するための流体求心装置が提供される。流体求心デバイスは、回転可能なホルダ内で受容されるように適合される。装置は、少なくとも前面上に流体特徴を有する流体構成部分層、および流体構成部分層の背部に結合され、それによって、流体が求心力下で通って流動する流体ネットワークを作出する、底部構成部分層を備える。流体中の生体物質の成分を検査するための流体求心デバイスを使用する、検査装置および検査方法もまた、提供される。
【0109】
一実施形態では、流体特徴は、流体を受容するための流入チャネルに連結される底部充填可能チャンバであってもよく、このチャンバ入口は、底部充填可能チャンバの外側に提供される。
【0110】
別の実施形態では、流体特徴は、流体を受容するための流入チャネルに連結される保持チャンバ、保持チャンバ中に全体的に提供され、液体希釈剤を含有する容器であってもよく、この容器は、容器への外部力の適用時に保持チャンバ中で液体希釈剤を放出するまで、容器中に液体希釈剤を維持し、それによって、保持チャンバ中の液体希釈剤と流体との間の流体接続を復元する。
【0111】
更に、保持チャンバは、保持チャンバの外側に位置し、保持チャンバの流入と流出との間の流体接続を中断する、流体を受容するための流動分断レセプタクルを有することができる。
【0112】
本発明の別の幅広い態様によれば、流体中の生体物質の成分を検査するための流体求心装置が提供され、この流体求心デバイスは、回転可能なホルダ内で受容されるように適合される形を有し、回転可能なホルダは、回転の中心および外縁を有し、流体求心デバイスは、回転の中心と外縁との間で半径方向に延在し、流体求心デバイスの内側は、回転の中心に向かって位置し、流体求心デバイスの外側は、外縁に向かって位置し、装置は、流体
特徴が流体を循環させるための流入チャネルを含み、流入チャネルがチャンバ入口に連結される、少なくとも前面上に流体特徴を有する流体構成部分層;流体を受容するためのチャンバ入口で流入チャネルに連結され、チャンバ入口が底部充填可能チャンバの外側に提供される、底部充填可能チャンバ;ならびに流体構成部分層の背部に結合され、それによって、流体が求心力下で通って流動する流体ネットワークを作出する、底部構成部分層を備える。
【0113】
一実施形態では、流体求心装置は、流体を受容するための取り入れレセプタクルを更に備え、この取り入れレセプタクルは、流体構成部分層の前面上で流体構成部分層から外方向に延在し、内側の近くに位置し、かつ取り入れレセプタクル出口において終わり、流入チャネルは、チャンバ入口と対向する端で取り入れレセプタクル出口に連結される。
【0114】
一実施形態では、底部充填可能チャンバは、外部変動磁場に応答して底部充填可能チャンバ内で移行する、少なくとも1つの移行可能部材を含む。
【0115】
一実施形態では、底部充填可能チャンバは、変動磁場に応答しない少なくとも1つの対象物を備え、この対象物は、ビーズ、ゼオライト、粒子、濾過粒子、ガラスビーズ、ジルコニウムビーズ、樹脂、ビーズおよび樹脂のスラリーのうちの少なくとも1つである。
【0116】
一実施形態では、対象物および移行可能部材のうちの少なくとも1つは、流体の成分と相互作用するように適合されるキレートおよびリガント(ligant)材料のうちの少なくとも1つでコーティングされる。
【0117】
一実施形態では、流体求心装置は、底部充填可能チャンバのための余剰分出口に連結されるオーバーフローチャンバを更に備え、この余剰分出口は、底部充填可能チャンバからオーバーフローチャンバへの、流体試料の一部の流出を可能にし、底部充填可能チャンバの縦方向側面上の底部充填可能チャンバの内側の近くに提供される。
【0118】
一実施形態では、流体求心装置は、底部充填可能チャンバのための流出口を更に備え、この流出口は、底部充填可能チャンバからの流体の流出を可能にし、底部充填可能チャンバの1つの縦方向側面上に位置し、かつ余剰分出口よりも底部充填可能チャンバの外側により接近して位置し、底部充填可能チャンバの計量体積は、流出口と余剰分出口との間で規定される。
【0119】
一実施形態では、流体求心装置は、底部充填可能チャンバのための流出口を更に備え、流出口は、底部充填可能チャンバからの流体の流出を可能にし、かつ底部充填可能チャンバの1つの縦方向側面上に位置する。
【0120】
一実施形態では、流体求心装置は、流出口に破裂弁を更に備え、この破裂弁は、装置上に適用される既定の求心力で開放し、かつ開放まで、流体が底部充填可能チャンバから流出するのを防止する。
【0121】
一実施形態では、流体求心装置は、保持チャンバを更に備え、この保持チャンバは、保持チャンバの内側で流出口に連結され、底部充填可能チャンバよりも流体構成部分層の外側により接近して位置し、かつ計量チャネルを介して流出口に連結され、計量チャネルは、流体の少なくとも一部分を底部充填可能チャンバから保持チャンバへと循環させるためのものである。
【0122】
一実施形態では、流体求心装置は、保持チャンバ中に全体的に提供され、液体希釈剤を含有する、容器を更に備え、この容器は、容器中に液体希釈剤を維持するように、かつ容
器への外部力の適用時に保持チャンバ中で液体希釈剤を放出するように適合され、外部力は、機械力、電気力、電磁力、熱的力、衝撃力、および音響力のうちの1つであり、それによって、保持チャンバ中の液体希釈剤と流体との間の流体接続を復元する。
【0123】
流体中の生体物質の成分を検査するための流体求心装置であって、この流体求心デバイスは、回転可能なホルダ内で受容されるように適合される形を有し、回転可能なホルダは、回転の中心および外縁を有し、流体求心デバイスは、回転の中心と外縁との間で半径方向に延在し、流体求心デバイスの内側は、回転の中心に向かって位置し、流体求心デバイスの外側は、外縁に向かって位置し、装置は、流体特徴が流体を循環させるための流入チャネルを含み、流入チャネルが取り入れレセプタクル出口に連結される、少なくとも前面上に流体特徴を有する流体構成部分層;流体を保持チャンバ中に受容するための取り入れレセプタクル出口を介して流入チャネルに連結される、保持チャンバ;保持チャンバ中に全体的に提供され、液体希釈剤を含有し、容器中に液体希釈剤を維持するように、かつ容器への外部力の適用時に保持チャンバ中で液体希釈剤を放出するように適合され、この外部力が機械力、電気力、電磁力、熱的力、衝撃力、および音響力のうちの1つであり、それによって、保持チャンバ中の液体希釈剤と流体との間の流体接続を復元する、容器;ならびに流体構成部分層の背部に結合され、それによって、流体が求心力下で通って流動する流体ネットワークを作出する、底部構成部分層を備える。
【0124】
一実施形態では、保持チャンバは、流体を受容するための流動分断レセプタクルを有し、この流動分断レセプタクルは、保持チャンバの外側に位置し、かつ取り入れレセプタクル出口と保持チャンバの分配出口との間の流体接続を中断する。
【0125】
一実施形態では、流動分断レセプタクルは、乾燥反応物質を含む。
一実施形態では、保持チャンバは、保持チャンバのための分配出口を有し、この分配出口は、保持チャンバの外側に位置し、かつ横断分配チャネルの第1の横断端において、分配チャネルの内側で横断分配チャネルに連結され、横断分配チャネルは、横断分配チャネルの外側に提供される一連の少なくとも1つのキュベットを有する。
【0126】
一実施形態では、キュベットのうちの少なくとも1つは、乾燥試薬および相変化物質のうちの少なくとも1つを含む。
【0127】
一実施形態では、キュベットは、少なくとも1つのパラメータについて光学的に照会されるように適合され、このパラメータは、蛍光、吸光、および比色分析法のうちの1つである。
【0128】
一実施形態では、横断分配チャネルは、分配チャネルの第2の横断端で廃棄チャンバを含む。
【0129】
一実施形態では、廃棄チャンバは、相変化物質を含む。
一実施形態では、分配チャネル、キュベット、および廃棄チャンバは、回転可能なホルダの外縁を越えて延在する、流体層成分の一部分上に提供される。
【0130】
一実施形態では、流体構成部分層は、少なくとも2つの別個の温度制御可能区分に分割されるように適合され、この2つの別個の温度制御可能区分のうちの第1の区分は、少なくとも保持チャンバを含み、2つの別個の温度制御可能区分のうちの第2の区分は、少なくとも分配チャネルおよびキュベットを含む。
【0131】
流体中の生体物質の成分を検査するための流体求心装置であって、この流体求心デバイスは、回転可能なホルダ内で受容されるように適合される形を有し、回転可能なホルダは
、回転の中心および外縁を有し、流体求心デバイスは、回転の中心と外縁との間で半径方向に延在し、流体求心デバイスの内側は、回転の中心に向かって位置し、流体求心デバイスの外側は、外縁に向かって位置し、装置は、流体特徴が流体を受容するための取り入れレセプタクルを含み、取り入れレセプタクルが流体構成部分層の前面上で流体構成部分層から外方向に延在し、内側の近くに位置し、かつ取り入れレセプタクル出口において終わる、少なくとも前面上に流体特徴を有する流体構成部分層;一端で取り入れレセプタクル出口に、および別の端でチャンバ入口に連結される、流体を循環させるための流入チャネル;流体を受容するためのチャンバ入口で流入チャネルに連結され、チャンバ入口が底部充填可能チャンバの外側に提供される、底部充填可能チャンバ;ならびに流体を保持チャンバ中に受容するための底部充填可能チャンバに連結される、保持チャンバ;保持チャンバの外側に位置する、保持チャンバのための分配出口;分配出口が、分配チャネルの第1の横断端において、分配チャネルの内側で横断分配チャネルに連結される、横断分配チャネルの外側に提供される一連の少なくとも1つのキュベットと、分配チャネルの第2の横断端の廃棄チャンバとを有する、横断分配チャネル;ならびに流体構成部分層の背部に結合され、それによって、流体が求心力下で通って流動する流体ネットワークを作出する、底部構成部分層を備える。
【0132】
流体中の生体物質の成分を検査するための流体求心デバイスを使用する検査装置であって、この装置は、少なくとも1つの流体求心デバイス;ローターアセンブリ;ローターに連結される、流体構成部分層を使用して流体求心デバイスのうちの少なくとも1つを受容するための、ホルダ;ローターアセンブリを回転させるためのモーター;ローターアセンブリの回転の持続期間および速度のうちの少なくとも1つを制御するための、モーターのための速度制御装置;マイクロ流体求心デバイスの少なくとも一部分の温度を制御するための、温度状態調節サブシステム;流体の特性を検出するための、検出サブシステム;ユーザコマンドを受容するため、ならびにコマンドを、速度制御装置、温度状態調節サブシステム、励起サブシステム、および検出サブシステムのうちの少なくとも1つに送るための、ユーザインターフェースを備える。
【0133】
一実施形態では、温度状態調節サブシステムは、流体求心デバイスの少なくとも2つの区域の温度を制御する。
【0134】
流体中の生体物質の成分を検査するための流体求心デバイスを使用する検査方法であって、本方法は、少なくとも1つの流体求心デバイスを提供すること;検査装置を提供すること;生体物質を含む流体を提供すること;流体求心デバイスの取り入れレセプタクル中に流体を装填すること;流体求心デバイスを検査装置のホルダ内に配置すること;検査手順を開始するためのユーザコマンドを提供すること;ローターアセンブリを第1の速度で回転させて、流体を取り入れレセプタクルから底部充填可能チャンバへと移すことを含む。
【0135】
定義
本明細書において、「流体求心デバイス」という用語は、流体が回転の作用によって促される、流体ネットワークを意味することが意図される。
【0136】
本明細書において、「マクロ構造」および「マクロ形状」という表現における「マクロ」という用語は、1mmよりも大きい流体求心デバイス特徴を意味することが意図される。特に、「マクロ構造」寸法は、例えば、約1mm〜約10mmである。
【0137】
本明細書において、「マイクロ構造」および「マイクロ形状」という表現における「マイクロ」という用語は、1mmよりも小さい流体求心デバイス特徴を意味することが意図される。特に、「マイクロ構造」は、約1μm〜約1mmの寸法を有する。
【0138】
本明細書において、「試料」という用語は、分析対象の任意の流体、溶液、または混合懸濁液を意味することが意図される。特に「試料」は、「生体」試料または「原料生体試料」であり得、血液、血液成分、鼻およびまたは咽頭およびまたは口腔体液、再懸濁させた鼻およびまたは口腔およびまたは咽頭スワブからの液体、肛囲/膣スワブから再懸濁させた液体、唾液、創傷の滲出液、糞便、ならびに尿からの目的となる任意の生物学的種を意味することが意図される。
【0139】
本明細書において、「希釈剤」という用語は、試料を希釈する役目を果たし得る、決定量の流体を意味することが意図される。
【0140】
本明細書において、「レセプタクル」という用語は、一定量の流体を受容するように設計される、流体求心デバイス特徴を意味することが意図される。
【0141】
本明細書において、「チャネル」という用語は、流体求心デバイスチャンバ、レセプタクル、および試料レセプタクルの間の流体流動を可能にする、流体求心デバイスのマイクロ構造またはマクロ構造路を意味することが意図される。
【0142】
本明細書において、「入口」という用語は、流体が流入することを可能にする、流体求心デバイスチャンバへの開口部を意味することが意図される。
【0143】
本明細書において、「出口」という用語は、流体が流出することを可能にする、流体求心デバイスチャンバへの開口部を意味することが意図される。
【0144】
本明細書において、「破裂弁」または「流体弁」という用語は、交換可能に使用され、典型的に流体求心デバイスの回転によって作出される求心力によって液体に適用される一定量の圧力未満で、液体が流動するのを防止する一助となる主な機能を有する、流体求心デバイス上のマイクロ構造を意味することが意図される。圧力が、液体の表面張力によってもたらされる力に打ち勝つとき、流体は、「破裂弁」を通じて流動する。
【0145】
本発明の本質をこのようにして一般に記載したところで、その例となる実施形態を例証として示す、次の図面への参照がなされる。
【0146】
添付の図面全体を通じて、同様の特徴は、同様の参照番号によって特定されることに留意する。
【発明を実施するための形態】
【0148】
流体求心デバイス構造アセンブリ
図1Aおよび
図1Bは、例となるローターアセンブリ1003を示す。ローター2の例となる底部は、最大8つの流体求心デバイス1を受容するように形作られる。ローターアセンブリは、底部ローター2、およびそれらの間に挿入される流体求心デバイス1を保持するためのスナップリング7を含む。
図1Bにおいて、スナップリング上部ローターアセンブリ本体部分が取り外されている。
【0149】
流体求心デバイス1は、少なくとも2つの構成部分層からなる。
図1Cおよび1Dに示されるように、流体層は、流体求心デバイス1の底面および/または上面上に特徴を有する。流体層3は、取り入れレセプタクル5、チャンバ6a、6b、6c、チャネル、および流体弁からなる。流体層3は、一緒に結合される複数の層を使用することによって作製することができることが理解されるであろう。薄底層4は、流体層3に接合される。流体層3の底部表面は、薄底層4と噛合されるとき、求心力下で流体が通って流動する、囲まれたリザーバ、チャネル、および弁通路の流体ネットワークを形成する。
【0150】
流体層3および薄底層4は、熱プラスチック材料で作製することができる。熱プラスチック材料は、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリオキシメチレン(POM)、ペルフルオロアルコキシ(perfluoralkoxy)(PFA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチル−メタクリレート(PMMA)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリアミド(PA)、ポリスルホン(PSU)、ポリビニリデン(PVDF)、ならびに当業者に既知の他の材料のうちの少なくとも1つであってもよい。それらは、未改質表面または改質表面と共に使用されてもよい。表面改質は、一方もしくは両方の面に、または一方もしくは両方の面上の目的となる具体的な領域上に、適用されてもよい。
【0151】
熱結合、高周波結合、レーザー溶接、超音波結合、接着、または感圧接着、および当業者に既知の他の技法等の、流体求心デバイス流体層3を平坦な底層4と共に組立てるための複数の噛合技法が、利用可能である。
【0152】
例となる実施形態では、噛合技法は、アセンブリ前に乾燥または液体試薬を流体求心デバイス内に組み込むことを可能にする。
【0153】
別の例となる実施形態では、噛合技法は、約4℃〜約80℃の温度におけるものである。
【0154】
1つの例となる実施形態では、流体求心デバイスの回転は、流体求心デバイスを、回転の中心を中心として回転させられる専用ローター2上に配置することによって作出される
。ローター2は、回転の中心、および外縁を有し、この例の場合、外縁は外周である。流体求心デバイス1は、回転の中心と外縁との間で半径方向に延在する。示される例において、それは更に、外縁を越えて延在する。流体求心デバイス1の内側は、回転の中心に向かって位置し、流体求心デバイスの外側1は、外縁に向かって位置する。
【0155】
流体求心デバイスは、約5mmの内径および約20mm〜約50mmの外径を有する円盤の一部分であり得る。円盤の一部分は、円盤の1/8であり得る。流体求心デバイスの形、およびローターが受容できる流体求心デバイスの数に対する限定はない。
【0156】
代替的な実施形態では、流体求心デバイスは、円盤形を有し、ローターは、単一の流体求心デバイスを受容するように適合される。
【0157】
別の代替的な実施形態では、流体求心デバイスの形は、25mm×75mmの標準的な顕微鏡スライドに対応する。ローターは、2〜12個の顕微鏡スライドを受容するように適合されてもよい。
【0158】
流体層
図1Cは、試料を受容するための取り入れレセプタクル5、および複数のリザーバ6a、6b、6cを含む、流体層3の上面構造を示す。各リザーバの形は、流体求心デバイス1において要件および実装される機能に対して適合される。
【0159】
図1Dは、薄底層4を備える流体層3の断面図を示す。例となる実施形態では、流体層3の設計は、射出成形プロセスに対して適合されてもよい。幾つかの用途については、一様な壁圧を順守することが有利であり得る。例えば、壁圧は、約0.7〜1.2mmであり得る。幾つかの用途については、一定の抜け勾配を確実にすることが有利であり得る。垂直面は、約0.5°〜5°の抜け勾配を有することができる。
【0160】
取り入れレセプタクル、通気チャネル、および流体求心デバイス試料入口キャップ
図2Aおよび2Bは、取り入れレセプタクルの例となる実施形態を示す。取り入れレセプタクル5は、チャンバ901に流体接続される。通気出口816は、出口チャネルおよび通気チャンバ905に接続される。
【0161】
一実施形態では、通気チャンバ905は、取り入れレセプタクル5に接続され、このうち流体求心デバイスの上面上の入口通気接続906は、取り入れレセプタクル5の内部部分の近くにある。
【0162】
例となる実施形態では、カバー907は、取り入れレセプタクル5と直接接触している基部ピース908、可撓性接続アーム909、および接続アーム909によって基部ピース908にリンクされるキャップ910を含む。カバー907は、キャップ910が基部ピース908上に据付された、閉鎖構成で配置することができるか、または
図2Bに示される開放構成で配置することができる。この特定の実施形態では、基部ピース908は、カバー907が閉鎖構成にあるときであっても、入口通気接続906を介して通気チャンバ905とチャンバ901との間の連通を可能にするように設計される。
【0163】
代替的な実施形態では(示されず)、通気チャンバ905は、チャンバ901から切断される(入口通気接続906は不在である)。空気通気口は、カバー907が閉鎖構成にあるとき、基部ピース908とキャップ910との間に形成される自由空洞を介してチャンバ901と通気チャンバ905との間の空気連通を可能にする、カバー907の基部ピース908上に提供される穴によって提供される。
【0164】
底部充填可能チャンバ
図3Aおよび3Bは、流体ネットワークの底部充填可能チャンバを示す。この例では、取り入れレセプタクル5は、流入チャネル302により底部充填可能チャンバ315に流体接続される。取り入れレセプタクルと流入チャネルとの間の接続は、任意にポート接続303を介して行われてもよく、または取り入れレセプタクルの出口は、流入チャネルに直接接続されてもよい。
【0165】
一実施形態では、具体的な固相クロマトグラフィー物質(イオン交換材料等)を、レセプタクル5の中に配置することができる。底部充填可能チャンバを充填するための遠心分離中に、固相クロマトグラフィー物質は、チャネル302を充填して、粗試料からの何らかの核酸増幅阻害物質を吸着することが可能な排除カラムの形成を可能にするであろう。
【0166】
底部充填可能チャンバ315の底部入口304は、底部充填可能チャンバ315の外側に位置する。試料の流動は、取り入れレセプタクル5から底部充填可能チャンバの外側へのものであるため、底部充填可能チャンバの外側は、底部充填可能チャンバの底部と称される。通気チャネル305aは、底部充填可能チャンバの内側でチャンバ出口306に接続される。
【0167】
チャンバの寸法は、数センチメートルの幅、数センチメートルの高さ、および数ミリメートルの深さの間で構成される。例となる実施形態では、チャンバ315寸法は、1cm幅、2cm高さ、および2mm深さの間で構成される。別の例となる実施形態では、寸法は、0.5cm幅、1.5cm高、および1.3mm深さである。
【0168】
試薬および移行可能部材
次に
図4Aおよび4Bを参照すると、底部充填可能チャンバは、任意に、移行可能部材対象物307を含有してもよい。移行可能部材は、強磁性であり得、変動磁場に応答してチャンバ中で移動することができる。例となる実施形態では、変動磁場は、底部充填可能チャンバの内縁および外縁に対応する半径方向位置に代替的に配置される固定磁石の上での、流体求心デバイスの回転によって生成される。別の実施形態では、変動磁場は、固定流体求心デバイス上での磁石の回転によって生成される。
【0169】
例となる実施形態では、固定磁石は、希土類磁気物質で作製される永久磁石である。別の実施形態では、それらは、電磁石である。
【0170】
チャンバはまた、任意に、磁場に応答しない固体物質308を含有してもよい。固体物質は、化学または生化学反応を提供するために使用することができ、塩、緩衝液、または酵素を含んでもよい。固体物質は、酵素阻害物質を吸着することによって試料を精製するために使用することができ、クロマトグラフィーマトリックス、親和性結合のための固体支持体、固相抽出、キレート材料、陰イオンおよび陽イオン樹脂、ならびに異なるタイプのゼオライトを含んでもよい。固体物質は、細胞破砕のために使用することができ、硬質マトリックスを含んでもよい。固体物質は、プロセス制御のために使用することができ、細菌細胞または胞子を含んでもよい。固体物質を使用して、液体を吸収するための湿度測定マトリックスを使用して溶解物を濃縮することができる。固体物質は、特異的抗体等のリガンドで機能化することができ、それを使用して、底部充填可能チャンバの内部で標的を捕捉することができる。固体物質は、底部充填可能チャンバの内部で標的微生物を停止するかまたは捕らえることが可能なフィルタであり得る。固体物質は、その表面に標的微生物を吸着して、それらを底部充填可能チャンバの内部で固定化することが可能な、イオン交換部分で機能化することができる。これらの異なる固体物質は、単独でまたは組み合わせて使用することができる。
【0171】
固体物質が細胞壁および膜破壊のための硬質マトリックスであるとき、材料は、約50μm〜約200μmの直径を有するシリカまたはジルコニウムビーズで作製することができる。ビーズは、任意に、酵素阻害物質の吸収のためのキレート剤でコーティングすることができる。
【0172】
1つの例となる実施形態では、移行可能対象物は、金属円盤であり、固体物質は、陰イオンおよび陽イオン樹脂ならびに胞子と混合される、硬質ビーズからなる。
【0173】
オーバーフロー
図5は、オーバーフローチャネル311によって底部充填可能チャンバのオーバーフロー出口310に流体接続される、オーバーフローチャンバ309を含む、底部充填可能チャンバの別の流体相互接続を示す。オーバーフローチャネルは、チャンバの縦方向側面のうちの1つの上の、チャンバの内部部分の近くに配置される。オーバーフローチャンバは、オーバーフロー出口310に対して、流体求心デバイスの外縁に向かって位置し、オーバーフローチャンバは、通気チャネル305bを通じて通気される。この構成は、同時に底部充填可能チャンバおよびオーバーフローチャンバ309を通気しながら、底部充填可能チャンバ中で体積定義を行うことを可能にする。オーバーフローチャンバの容積は、100μL〜数ミリリットルの間で構成される。例となる実施形態では、オーバーフローチャンバの容積は、150〜200μLの間で構成される。
【0174】
計量
図6は、移送チャネル314により底部充填可能チャンバを後続のチャンバ313と流体接続するための、底部充填可能チャンバに対する、任意の流出口312を示す。流出口は、底部充填可能チャンバの縦方向側面の1つの上に位置する。流出口は、マイクロメートル系寸法を有する破裂弁であり得る。マイクロメートル系弁の寸法は、1〜100μmの深さ、10μm〜1mmの幅、および数ミクロン〜数ミリメートルの長さであり得る。例となる実施形態では、マイクロメートル系弁の寸法は、30〜75μmの深さ、70〜120μmの幅、および0.5〜1.5mmの長さの間で構成される。流出口は、流出口がオーバーフロー出口に対して外位置に配置される限り、底部充填可能チャンバの内縁と外縁との間の任意の距離で配置することができる。流出口とオーバーフロー出口との間の距離は、計量され、次のチャンバに送られる対象となる体積を定義することになる。
【0175】
流出口によって計量される流体の体積は、10〜50μLの間で構成され得る。例となる実施形態では、定義される体積は、20μLである。
【0176】
図7Aは、上述の任意の構成のうちの幾つかを有する、底部充填可能チャンバを示す。取り入れレセプタクル5は、流入チャネル302、底部充填可能チャンバ315、および底部入口304に流体接続される。オーバーフローチャンバ309は、オーバーフロー出口310およびオーバーフローチャネル311を通じて、底部充填可能チャンバに流体接続される。流出口312は、出口チャネル312を通じて、オーバーフロー出口と流出口の間に位置する液体を、後続のチャンバ313に移すことを可能にする。チャンバは、移行可能部材307および固体物質308を含有する。
【0177】
図7Bは、標的ストッパ316を備える底部充填可能チャンバを示す。ストッパは、それを通じて試料を強いるために配置される。水および小分子は、通り抜けるであろうが、標的は、保持されるであろう。取り入れレセプタクル5の中に装填される液体の大部分は、標的ストッパ316を介して、オーバーフロー309を通って流動することになるため、標的は、底部充填可能チャンバ中に存在するわずかな割合の液体中に濃縮されるであろう。
【0178】
図7Cは、病原体ストッパが移行可能部材307の移行可能な移動によって分離されている後に捕らえられた細菌の放出を示す。標的は、細胞、細菌、真菌、ウイルス等のうちの少なくとも1つであり得る。一実施形態では、標的ストッパ316は、サイズ排除フィルタである。別の実施形態では、標的ストッパ316は、イオン交換樹脂である。別の実施形態では、病原体ストッパ316は、特異的抗体で機能化されたビーズを含む。
【0179】
図8は、
図7に記載される底部充填可能チャンバ中での流体進行を示す。
図8〜
図8Fは、底部充填可能チャンバ中での順次の流体移動を記載する。チャンバの充填は、
図8Aにおいて生じ、オーバーフローチャンバへと出ていく液体オーバーフローは、
図8Bおよび
図8Cにおいて生じ、移行可能な移動によって発動される試料均質化および溶解は、
図8Dにおいて生じ、不溶性物質の沈降による清澄化は、
図8Eにおいて生じ、計量された液体の次のチャンバへの移送は、
図8Fにおいて生じる。
【0180】
次に
図9Aおよび
図9Bを参照すると、底部入口304ならびに任意のオーバーフロー出口310および任意の流出口312の形状は、移行可能対象物および/またはビーズが、底部充填可能チャンバから流出するのを防止する一助となるように適合される。一実施形態では、固体物質中に含有される移行可能対象物およびビーズの最小寸法は、幅317aまたは深さ318aを超え、かつ幅317bまたは深さ318bを超えるべきである。
【0181】
保持チャンバ
試料を保持および/または希釈するための流体構造の1つの例となる実施形態が、
図10A〜10Dに示される。この実施形態では、流体流入チャネル401は、入口402に流体接続され、チャンバ403の内側上に位置する。通気出口404は、チャンバ中の空気置換を可能にするために、チャンバの内側上に位置する。リザーバは、約1μL〜約2mLの容積を有する。リザーバの出口405は、チャンバの外側上に位置し、一般に破裂弁である。
【0182】
図10Aの例となる実施形態では、保持チャンバは、チャンバの外側上に位置する任意のレセプタクル406を有する。レセプタクルは、一般に、
図10Bに示されるように、保持チャンバ中への初期流入時に液体がチャンバ出口405と接触することを防止する一助となるために、入口チャネルから来る液体407を含有するように適合される。
【0183】
任意に、レセプタクルは、
図10Cに示されるように、乾燥試薬408を含有してもよい。乾燥試薬408は、酵素、緩衝液、および/または化学物質であり得るが、これらに制限されない。
【0184】
図10Dに示される例となる実施形態では、保持チャンバは、任意に、保持チャンバの内部に配置され、希釈剤410を含有する、液体容器409を含んでもよい。希釈剤は、水、緩衝液、または乾燥され得ない緩衝液のある部分であり得るが、これらに限定されない。液体容器409は、一般に、耐熱材料および/または感熱相変化物質で作製されるが、必ずしもそうではない。耐熱材料は、100℃を上回る融点を有してもよく、ガラス、重合体熱プラスチック、ならびに当業者に既知の他の材料のうちの1つであってもよい。相変化物質は、一定温度で融解および固体化してもよい。固相は、約45℃を下回ってもよく、融解相温度は、約45℃〜85℃の間であってもよい。相変化物質は、ワックス、パラフィンワックス、微晶質ワックス、合成ワックス、天然ワックス、糊、または当業者に既知の他の封止材料であってもよい。
【0185】
上述の構造は、流動分断弁(Flow Decoupling Valve)と称される、新規弁タイプとして使用することができる。流動分断弁は、2つの要素、すなわち保持チャンバの入口と出口との間の接続を中断するための流動分断レセプタクル、および外
部力の適用時に放出され得る希釈剤を囲む液体容器を含有する。希釈剤の放出は、回路内の流体接続を復元する。
【0186】
例となる実施形態では、保持チャンバがある特定の温度を上回って加熱されるとき、容器410の相変化物質末端411は、液体を放出する。液体容器は、約1〜3年の期間にわたって、囲まれた液体の蒸発を防止する一助となることができ、1マイクロリットル〜2ミリリットルの最大収容積を有する。
【0187】
図11は、保持チャンバ実施形態における、連続流体移動の流体進行を示す。
図11Aにおいて、レセプタクル中にある、入口から来る液体407が示され、
図11Bにおいて、保持チャンバが加熱され416、相変化物質末端が融解しており411a、411b、
図11Cにおいて、希釈剤410が放出され、
図11Dにおいて、入口から来る液体407が希釈剤410と混合され、
図11Eにおいて、希釈された415が破裂弁出口405によって排出される。
【0188】
保持チャンバ中で流体を希釈するための、代替的な例となる実施形態が
図12に示される。希釈剤チャンバ412は、保持チャンバ403の上またはその内側上に位置してもよい。液体は、希釈剤出口414に配置される相変化物質弁413を作動させることによって、保持チャンバ中で放出される。この例となる実施形態では、相変化物質弁は、約50℃を上回る熱によって作動されるワックス弁である。別の実施形態では、熱は、赤外線、レーザー、マイクロ波等の電磁波、および当業者に既知の任意の他の材料によって生成される。代替的な実施形態では(示されず)、液体容器からの液体は、機械的に放出されてもよい。例えば、貫通機構を、プランジャによって作動させることができる。別の代替的な実施形態では(示されず)、希釈剤容器からの液体は、電磁発動装置によって放出されてもよい。
【0189】
保持チャンバに接続される流体計量システムの例となる実施形態は、
図13に示される。この例では、試料出口303は、底部入口304を通じて、底部充填可能チャンバ315に流体接続される。オーバーフローチャンバ309は、オーバーフロー出口310およびオーバーフローチャネル311により底部充填可能チャンバ315に接続される。計量出口312は、チャンバ315のオーバーフロー出口310と計量出口312との間に含有される液体を、計量チャネル314および保持チャンバ入口402を介して、保持チャンバレセプタクル406に移すことを可能にする。
【0190】
加熱時に、希釈容器409中に含有される希釈剤410は、保持チャンバ403中に放出される。液体410は、保持チャンバレセプタクル406中に含有される、測定された容積と混合する。一旦、希釈剤および測定された体積が一緒に混合されると、総体積は、希釈物を、破裂弁として作用する出口405と接触させるのに十分に大きい。このようにして、容器409からの液体の放出は、液体を適時適所に運び、また、流体回路を作動させる。実際、液体容器が加熱される前に、液体から来るチャンバ315は、レセプタクル406の中へ保持される。この特定の実施形態では、保持チャンバレセプタクルは、計量出口破裂弁312に対する高いRPM破裂率を可能にし、保持チャンバ出口弁405との接触を防止する一助となるように流体の局所化を制御することによって、液体が保持チャンバから出てくることを防止する一助となる。この新規流動分断弁の機構は、受動的計量出口破裂弁312を受動的出口弁405から分離して、複雑な能動的弁制御に対する必要性なしに、堅牢な流体制御を可能にする。
【0191】
別の例となる実施形態では、液体容器409の相変化物質411は、レセプタクル406および希釈剤410に保持される、測定された液体407よりも高い密度を有する。加熱されるとき、液体容器409中に含有される液体410は、チャンバ403中に放出さ
れる。相変化物質411は、希釈剤410および流体407の混合物の下に移動し、後者が破裂弁として作用し得る出口405と接触し得るように、それを置換することになる。この特定の実施形態では、一旦、より高い密度の液体が放出されると、保持チャンバは、空にすることができる。
【0192】
幾つかの実施形態では、乾燥試薬408は、保持チャンバ403の中に格納することができる。
【0193】
キュベット、検出チャンバ、および分配チャンバ
図14は、流体検出キュベットの配設の実施形態を示す。
図14Aの例となる実施形態では、試料リザーバ601は、流入チャネル603、分配チャネル604、およびキュベット入口を通じて、1つ以上の検出キュベット602a、602b、および602cに流体接続される。示される例では、幾つかのキュベットは、3つである。分配チャネル604の端は、廃棄チャンバ605に流体接続され、通気出口606は、分配チャネル604の端の近くに位置する。
【0194】
図14Bの例となる実施形態では、乾燥試薬607a、607b、および607cは、それぞれのキュベット602a、602b、602c中に格納されている。乾燥試薬は、酵素増幅プロセスおよび/または検出を行うための一連のプライマー、酵素混合物、蛍光プローブ、および塩である。キュベット中に移される流体は、乾燥試薬を再懸濁させるであろう。
【0195】
図14Cに示される別の実施形態では、感熱相変化物質608は、各キュベットの内部に直接、例えば、乾燥試薬607の最上部上に、配置することができる。感熱相変化物質608は、入ってくる流体の比重よりも低い、比重を有することができる。例えば、材料608の融点は50℃を上回り、1を下回る比重を有する。例となる実施形態では、相変化物質は、ワックスである。この実施形態では、相変化物質の体積を差し引いたキュベットの容積は、一般に5〜100μLの間である増幅反応の体積を規定する。加熱時に、相変化物質は、融解し、求心力下でキュベット入口610まで移動することになる。この実施形態では、よく設計されたキュベット入口は、相変化物質で充填されるとき、蒸発および各キュベットとの間の相互汚染を防止する一助となるであろう。
【0196】
図14Dに示される別の実施形態では、廃棄チャンバは、試料比重よりも低い比重を有する、感熱相変化物質612を含有してもよい。例えば、材料の融点は、50℃を上回り、1を下回る比重を有する。例となる実施形態では、相変化物質は、ワックスである。
図15に示されるように、廃棄チャンバ605、分配チャネル604、およびキュベット602が加熱されるとき611、および流体609の余剰分が廃棄チャンバ605中に流入するとき、融解されたワックス612bは、キュベット入口の最上部の分配チャネル604内で移動する。
【0197】
別の実施形態では、相変化物質612は、廃棄の中に配置される。保持チャンバから来る液体は、廃棄中に存在する相変化物質の融点よりも低い温度を伴い、分配水路に運ばれる。
【0198】
一実施形態では、相変化物質は、キュベットの中、および廃棄の中の両方に配置される。この特定の実施形態では、廃棄の中に配置される相変化物質612の融点は、キュベット中に配置される相変化物質608の融点以下である。
【0199】
図16は、上述の保持チャンバ403が分配チャネル604に流体接続される、別の例となる実施形態を示す。一実施形態では、分配チャネルの通気出口606および保持チャ
ンバの通気出口404は、任意に、保持チャンバ403の通気出口404の近くで、単一の通気チャネル704に融合されてもよい。
【0200】
図17は、試料ポート303が底部充填可能チャンバ315に流体接続される、別の例となる実施形態を示し、ここでチャンバは、移行可能部材307および硬質ビーズ308を含む。底部充填可能チャンバは、オーバーフローチャンバ309に接続され、破裂弁計量出口312は、保持チャンバ入口402に流体接続される。保持チャンバ403は、流体の希釈を可能にするために、上述のようにレセプタクル406および液体容器409を含有する。希釈された流体は、出口405に到達し、保持チャンバ403の破裂弁出口405を通じてキュベット602に移され、廃棄605は、ワックス612を含有する。この例となる実施形態では、乾燥試薬607およびワックス(示されず)は、キュベット中に格納される。キュベット、保持チャンバ、および底部充填可能チャンバの通気出口606、404、および815は、単一の通気ポート816を通じる完全な流体回路の通気を可能にするために、一緒に融合される。
【0201】
機器の例となる構成
図18は、上に提示される流体求心デバイスをプロセスするための例となる機器1000を示す。装置1000は、この例となる実施形態において、30cm幅×30cm深さ×20cm高である。それは、遠心分離外囲1004の内部に配置される、基部1001、ヒンジ蓋1002、およびローターアセンブリ1003を含む。遠心分離外囲1004の内部に配置されるローターアセンブリ1003は、機器の基部と平行な平面で周回する。
【0202】
図19は、より詳細な機器1000、とりわけ基部1001の内部に位置する構成要素を示す。ローターアセンブリ1003の回転移動は、遠心分離外囲1004の下に位置するモーター1005によってもたらされる。制御装置1008は、機器1000を制御するためのマイクロプロセッサ、メモリ、電子装置、およびソフトウェアを提供する。この例では、制御装置は、イーサネット(登録商標)、シリアル、デジタルI/O、およびアナログI/O等の、ハードワイヤ連通プロトコルインターフェースを提供する。この例となる実施形態では、タッチスクリーンLCD1006は、制御装置1008上に埋め込まれた、機器ソフトウェアを動作させるために使用されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供する。LCDは、シリアル連通プロトコルを使用して、制御装置と連通する。制御装置は、シリアルリンクを使用して、モーター制御装置1010および光学的シグナル取得基板1011と連通する。温度状態調節基板1012は、アナログ入力に接続され、励起源制御基板1013は、制御装置1008のデジタル出力に接続される。
【0203】
この例となる機器1000は、流体求心デバイスの既定の目的の区域における温度を制御するための、複数の温度区域制御を提供する。この例となる実施形態では、遠心分離外囲1004、ローターアセンブリ1003、および蓋1001は、二重区域空気温度制御を確実にするように設計される。
【0204】
励起モジュール1007は、少なくとも1つの励起波長を提供する。励起ビーム路は、流体求心デバイスのキュベットの内部の蛍光種を底面から励起するために、上方に行く。
【0205】
検出モジュール1009は、遠心分離外囲の裏に位置する。検出モジュール1009は、少なくとも1つの波長で流体求心デバイスにおける蛍光種によって発せられる光を収集する、光学素子を収容する。この例となる実施形態では、検出器は、PMTである。
【0206】
機器機能概観
機器は、統合モジュール:モーター1005、遠心分離外囲1004、複数区域温度制御装置2000、光学素子1014、制御装置1008、およびヒト機械インターフェース1006を含む。
図20に示される種々の構成要素またはモジュールの配設は、例となるであり、限定的であるようには意図されないことが理解されるであろう。
【0207】
遠心分離外囲
ローターアセンブリ1003は、流体求心デバイス1の中への流体運動を制御するために周回する、遠心分離外囲1004の内部に配置される。ローターアセンブリの回転移動は、モーター1005によってもたらされる。ローターアセンブリは、遠心性外囲の内部で永久的に固定されてもよく、またはローターを遠心性外囲の内部に配置する前に流体求心デバイス(複数可)をローター上に配置することを可能にするために、遠心性外囲から除去されてもよい。ローターアセンブリは、機器の基部と平行な平面で、または代替的に機器の基部と垂直な平面で、周回してもよい。ローターアセンブリの周回速度は、0〜20000RPM/秒の間の加速率で、時計回りおよび/または反時計回りに、0〜10000RPMの間で変動し得る。例えば、回転順序は、制御装置1008によって自動的に行われる。
【0208】
永久磁石(図示されず)が、幾つかの流体求心デバイス実施形態の底部充填チャンバに位置する移行可能部材307を磁気的に作動させるために、遠心分離外囲の内部に配置されてもよい。遠心性流体円盤についての磁気作用の例は、Kidoらによって、“A novel,compact disk−like centrifugal microfluidics system for cell lysis and sample homogenization”,Colloids Surfaces B:Biointerfaces,58(2007)44−51において記載されている。
【0209】
複数区域温度制御
機器1000はまた、複数区域温度制御装置2000が、流体求心デバイスの既定の目的の領域(ROI)1300、1302の温度を調節することを可能にする。加熱/冷却は、送風機を用いるまたは用いない抵抗技法(ニクロム線、セラミック加熱器)、熱電(ペルチエ)技法、ハロゲンバルブ加熱、ならびに当業者に既知の他の加熱/冷却システムにより、達成されてもよい。
【0210】
次に
図21を参照すると、流体求心デバイスの単純化された上面図が、2つのROI領域1300、1302を概略的に示す。この例となる実施形態では、2つのROI領域は、非重複型であり、リング形である。異なるROIの加熱/冷却を、具体的な時点で独立して達成することができる。
【0211】
再び
図20を参照すると、加熱器2001aおよび2001bは、空気を加熱してもよく、熱気は、流体求心デバイスの選択されたROIが加熱されるように、および結果的に流体が加熱されるように強いる。遠心分離外囲1004は、流体求心デバイスROIの温度制御を確実にするために、加熱された空気を遠心性外囲のそれぞれの区画に閉じ込めるための断熱構造を備えてもよい。各区画における加熱された空気の温度は、温度センサによって測定することができる。温度センサは、熱電対、サーミスタ、抵抗温度検出器(RTD)、ならびに当業者に既知の他の温度センサであってもよい。温度フィードバックループ制御を制御装置1008に対して実装して、空気の温度を正確に制御してもよい。
【0212】
幾つかの実施形態では、送風機を使用して、熱気をROIの周囲で再循環させることができる。代替的にまたは追加的に、送風機は、目的のROIに接触する前に、加熱器によって新鮮な空気が加熱されるように強いることができる。
【0213】
幾つかの実施形態では、少なくとも1つの通気口(図示されず)は、熱気が遠心性外囲の区画から流出することを可能にする。通気口は、一時的または永久的に開放することができる。
【0214】
幾つかの実施形態では、送風機2002を使用して、流体求心デバイスの具体的なROIを冷却してもよい。送風機を使用して、流体求心デバイスの具体的なROIを冷却するために、冷却された空気(室温)が力遠心性外囲の具体的な区画中に進入することを強いることができる。
【0215】
幾つかの実施形態では、流体求心デバイスの少なくとも1つのROIは、別のROIを25℃〜99℃の間で加熱するとき、35℃を下回って維持することができる。
【0216】
好ましくは、温度フィードバックループアルゴリズムを制御装置1008に対して実装して、流体求心デバイスのROIのうちの少なくとも1つの等温保温を行ってもよい。代替的にまたは追加的に、温度フィードバックループアルゴリズムを実装して、流体求心デバイスの少なくとも1つのROIの中への熱循環を行ってもよい。
【0217】
一実施形態では、1つのROIの等温保温を使用して、核酸増幅阻害を制御、より具体的には、PCR増幅の阻害を制御してもよい。代替的にまたは追加的に、等温保温を使用して、相変化物質を加熱することができる。より具体的な実施形態では、流体求心デバイス中への目的のROIは、少なくとも上述の流体求心デバイス実施形態の保持チャンバを含む。
【0218】
一実施形態では、流体求心デバイスの少なくとも1つのROIの等温保温を使用して、等温核酸増幅を行ってもよい。より具体的な実施形態では、ROIは、上述の実施形態流体求心デバイスのキュベットを備える。
【0219】
別の実施形態では、流体求心デバイスの少なくとも1つのROIの熱循環を使用して、PCR増幅を行ってもよい。より具体的な実施形態では、ROIは、上述の実施形態流体求心デバイスのキュベットを備える。
【0220】
次に
図22を参照すると、流体の温度は、流体求心デバイスのより具体的なROI2201、2202a、2202b、2202cにおいて制御されてもよい。熱質量を最小化し、加熱/冷却速度を増加させるために、流体求心デバイスの不必要な領域の加熱を回避することが好適である場合がある。各々具体的なROIにおける温度は、加熱/冷却素子および温度センサを、ローター上の流体求心デバイスの底面および/または上面と接触して配置することによって、制御されてもよい。電力は、モーターとローターアセンブリとの間に配置されるスリップリング(図示されず)を介して、加熱素子に伝送されてもよい。温度センサデータもまた、スリップリングアセンブリを通じておよび/または無線で、伝送されてもよい。
【0221】
別の代替的な実施形態では、1つ以上の加熱素子の温度制御フィードバックループをローター上に直接実装するために、副制御装置を、回転ローターアセンブリの中に統合することができる。電力は、回転電子基板上に配置される電池のうちの1つ、非回転部分とローター上に配置される電子基板との間の誘導電力伝達によって、またはモーターとローターとの間のスリップリングインターフェースを用いて、回転電子基板に供給されてもよい。この副制御装置と制御装置1008との間の連通インターフェースは、スリップリングを介したシリアル連通、RF連通、または任意の他の無線伝送モードを通じて、実装されてもよい。幾つかの実施形態では、温度は、流体求心デバイスの異なるROIの中に測定されてもよい。検知素子の状態調節およびアナログからデジタルへの変換を、回転制御装
置に対して直接実装して、それによって、スリップリングを通じるアナログセンサシグナル伝送を回避し、ノイズを低減してもよい。この実施形態は、PCR増幅等の酵素増幅反応を較正するために好適である。代替的な実施形態では、回転制御装置を使用して、流体求心デバイスの層のうちの1つの上にコーティングされた電極の電気シグナルを測定してもよい。電極を使用して、流体求心デバイスの種々のROIにおける液体の存在を検出してもよい。
【0222】
図23は、二重区域空気温度制御を示す。この例では、2つの区画、すなわち領域流体求心デバイス1の、保持チャンバ403を加熱するための区画番号1 1301、ならびにキュベット602を加熱および冷却するための区画番号2 1303が存在する。各領域における空気の閉じ込めは、遠心分離外囲1004、遠心分離外囲界壁1304、ローターの底部2、ローター断熱壁1305、スナップリング7、蓋断熱1307、および蓋断熱壁1308によって区切られる区画の組み合わせを通じて達成される。断熱材を使用して、隣接したおよび/または噛合された構成要素の間の熱伝達を制御し、また、遠心分離外囲1004の外部の制御されない熱流速も回避することができる。各区画の内部で熱を生成するために、熱素子1309aは、区画番号2 1303における流体求心デバイスの下に配置され、加熱素子1309bは、区画番号1 1301における流体求心デバイスの上に配置される。熱電対1310aおよび1310bは、区画の個々の温度を測定するために、各区画の内部に配置される。機器1000において、両方の区画における加熱素子は、抵抗加熱コイルである。区画番号2 1303の冷却速度を制御するために、送風機3111は、室温空気が区画番号2 1303に進入することを強いる。ブロワ3111が内部で空気を吹き出しているとき、出口ゲート3112が開放されて、区画番号2 1303の外部に熱気を射出する。温度フィードバックループアルゴリズムを電子制御装置1008に対して実装して、各区画における温度が正確に制御される。この構成は、両方の区画に対する空気加熱速度が、例えば、1〜20℃/秒の間であることを可能にする。区画番号2 1303の空気冷却速度は、例えば、0.1〜20℃/秒の間である。制御フィードバックループアルゴリズムを実装して、流体求心デバイスの目的の各区域の等温保温、および区画番号2 1303に対するPCR増幅等の熱循環プログラムを行うことができる。
【0223】
光学素子
再び
図20を参照すると、例となる機器1000の光学素子1014は、2つのモジュール、すなわち励起モジュール1007および検出モジュール1009を含む。これらの2つのモジュールは、液体1608を流体求心デバイス1中に光学的に問い合わせる(interrogate)ように構成される。それは、流体求心デバイス1のキュベット中の蛍光種を測定するのに好適である。幾つかの実施形態では、蛍光光学素子を使用して、リアルタイムPCRまたはリアルタイム等温検出を行ってもよい。
【0224】
別の実施形態では、光学素子1014は、液体を流体求心デバイス中で問い合わせるための検出モジュールを含むのみである。
【0225】
励起モジュール1007は、励起ビームをスペクトル的および空間的の両方で形作るための、光源(複数可)ならびに機械要素および光学素子を含む。いくつかの光源が、励起モジュール中に収容されてもよく、それらの出力は、単一のビーム路に連結されてもよい。代替的に、発動装置は、蛍光種を異なる波長で励起するために、光源間の切換えを可能にしてもよい。一実施形態では、波長選択および出力電力調整は、機器の制御装置1008によって自動的に行われる。
【0226】
一実施形態では、光源は、発光ダイオード(LED)である。別の実施形態では、レーザー、ハロゲン、または水銀ランプが使用されてもよい。
【0227】
幾つかの実施形態では、励起モジュール1007は、蛍光種を1〜6つの異なる波長で励起するための、1〜6つのLEDを含有する。各LEDは、単一のビーム路に連結される前に、単一帯域通過干渉フィルタによって、スペクトル的にろ波され(spectrally filtered)てもよい。代替的に、多重帯域通過干渉フィルタを使用して、単一のビーム路に連結された後に、LEDをろ波してもよい。
【0228】
検出モジュール1009は、流体求心デバイス内で目的の種によって発せられる光を収集するための、光学素子を備える。光学素子は、光検出器に対して空間的に収集された光を形作るためのレンズ、蛍光種の発光スペクトルに対応する波長帯を選択するための干渉フィルタであり得る。一実施形態では、検出器は、PMTである。別の実施形態では、検出器は、光ダイオードである。
【0229】
幾つかの実施形態では、検出モジュールは、単一の検出器上への1〜6つの異なる波長を検出してもよい。各波長は、単一帯域通過干渉フィルタによってろ波されてもよく、発動装置は、蛍光種を連続的に検出するために、フィルタ間の切換えを可能にしてもよい。代替的に、多帯域通過干渉フィルタを使用して、波長間で切換えるための発動装置の必要性を回避してもよい。この場合、全ての波長が、検出器によって同時に検出されるであろう。各種を区別するために、励起モジュールにより蛍光種を連続的に励起することが必要である場合がある。例えば、このタスクは、制御装置1008によって自動的に行われる。
【0230】
図24は、本発明の実施形態による励起モジュール1007を示す、概略断面図を示す。この実施形態では、ビームコンバイナ1607は、2つのLED1601aおよび1601b、2つの源レンズ1602aおよび1602b、2つの励起フィルタ1603aおよび1603b、二色鏡1604、開口1605、ならびに投影レンズ1606aおよび1606bからなる。レンズ1602aを通じて焦点を合わせられた後、LED1601aからの光は、フィルタ1603aによってスペクトル的にろ波される。次いで、光は、二色性ビームスプリッタ1604を通過し、レンズ1602aからの焦点合わせは、開口1605における。LED1601bによって発せられる光は、レンズ1602bおよびフィルタ1603bを使用して、形作られ、ろ波され、また、ビームスプリッタ1604上で反射することによって、開口1605上へと焦点を合わせられる。開口1605は、2つのLED1601aおよび1601bから発せられる光を空間的にろ波する。光は次いで、蛍光種を励起するための1対のレンズ1606aおよび1606bを通じて、試料1608に対して流体求心デバイス1の中へと投影される。
【0231】
図25は、例となるLED1601aおよび1601b、フィルタ1602aおよび1602b、ならびにビームスプリッタ1604のスペクトル特性を示す。ビームスプリッタのスペクトル特性は、それぞれ471nmおよび590nmのピーク電力を有する青色LEDおよびアンバー色LEDを組み合わせることを可能にする。このスペクトル配設は、リアルタイムPCR増幅において一般的に使用される、カルボキシフルオレセイン(5−FAM)および/またはTexas Red(登録商標)の両方を励起するためによく適している。
【0232】
次に
図26を参照すると、概略側面断面図が、流体求心デバイス1の中に位置する試料1608からの2つの波長での、目的の蛍光種によって発せられる光を収集するための、例となる検出モジュールを示す。発せられる蛍光は、対物レンズ1801によって収集され、平行にされる。次いで、蛍光種の発光スペクトルに対応する2つの伝送帯域を有する干渉フィルタ1802を通じてスペクトル的にろ波された後、蛍光ビーム路1807は、2つの円筒形レンズ1803および1804によって、両方の平面において別個に形作ら
れる。ビームは次いで、長方形の開口視野絞り1805およびPMTの長方形の光電陰極1806によって、空間的にろ波される。
【0233】
図27は、二重帯域フィルタのスペクトル特性を示す。このスペクトル構成は、524nmおよび628nmを中心とする伝送を可能にする。この構成は、リアルタイムPCR増幅において一般的に使用される、5−カルボキシフルオレセイン(5−FAM)およびTexas Red(登録商標)の検出によく適している。更に、このモジュールは、意図される用途の必要性に応じて、複数の構成を有することができる。
【0234】
図28は、5つの伝送帯域:[420〜460nm]、[510〜531nm]、[589〜623nm]、[677〜711nm]、および[769〜849nm]を有する、より複雑なスペクトル特性を示す。この多帯域通過フィルタは、次の5つの色素:AlexaFluor350、5−カルボキシフルオレセイン(5−FAM)、Texas Red(登録商標)、Cy5、およびAlexa 750の連続検出によく適している。
【0235】
熱循環増幅のための検査方法
図29は、機器1000および
図17の例となる流体求心デバイスを使用して、生体物質の試料調製を行い、潜在的な阻害物質を制御し、リアルタイムPCRにより検出するための、例となるワークフローを示す。この流動チャートは、例となる温度、持続期間、速度、およびステップを列挙する。
【0236】
第1のステップ1201は、取り入れレセプタクル5の中に生体試料を装填することに存する。次いで、流体求心デバイスを機器の中に配置し、始動ボタン1202を押す。この時点から、機器は、全プロセスを受け持つことになる。回転は、速度番号1 1203で始動して、液体を取り入れレセプタクル5から溶解チャンバ315に移し、試料の一部をオーバーフローチャンバ309の中に排出することになる。回転速度は、速度番号2 1204に変更して、底部充填可能溶解チャンバの内部での移行部材307の移動を作動させるであろう。ローター2の下に配置される永久磁石は、流体求心デバイスがその上で回転するとき、変動磁場を作出する。既定量の時間の後、回転は、再び速度番号3 1205に変更されて、溶解物を清澄化し、計量出口312を破裂させる。
【0237】
計量された体積は、保持チャンバレセプタクル406の中に移される。ステップ1206で、回転は、再び速度番号4に変更される。区画番号1は、例えば、生体試料中に潜在的に存在する阻害物質を制御するために、流体求心デバイスのROI番号1が3分間にわたって95℃に到達するように加熱される。この加熱はまた、液体容器ワックスキャップ411を融解させて、保持チャンバ403の内部で希釈剤410を放出することになる。機器の区画番号2および流体求心デバイスのROI番号2は、例えば、必要とされる場合ブロワを作動させることによって、35℃を下回る温度に保たれることに留意すべきである。
【0238】
ステップ1206の終わりに、溶解物は、一般に希釈剤とよく混合され、分配チャネルおよびキュベット602の中に移される準備ができる。移送は、例えば、廃棄チャンバ605中でワックス608を融解するために、ROI番号2が50℃を上回る温度に到達するような温度で、区画番号2を加熱することによって、および回転をステップ1207の速度番号3に変更することによって、行われる。事前格納されたPCR乾燥試薬607を再懸濁させるために、希釈リザーバ出口405が破裂し、液体がキュベット602中に移される。ステップ1208で、回転速度は、速度番号4に変更され、試薬607中に含有される温態始動酵素は、流体求心デバイスのROI番号2が、例えば、使用される特異的試薬に応じて3〜10分間の間の期間にわたって、94℃に到達するように、区画番号2を加熱することによって作動される。
【0239】
この時間中、加熱区域番号1は、約45℃の温度まで自然に冷却する。回転速度番号4で継続して、リアルタイムPCR循環プロトコル1209が始動される。区画番号2における温度は、ROI番号2における温度が、1〜15秒間、0〜15秒間、および1〜20秒間のそれぞれ変動する期間にわたって、約95℃、56℃、および72℃の間で循環されるように循環される。各72℃周期の終わりに、蛍光測定が、同時にまたは連続的に1〜6つの異なる励起/検出波長で取られる。循環は、35〜45回行われる。リアルタイムPCR蛍光曲線が次いで、コンピュータベースのアルゴリズムによって分析され、解釈される。結果は、データベースに記録が取られ、任意に検査オペレータまたは外科医に伝送される。
【0240】
図30Aは、
図29に関連して記載される例となる実施形態についての、ROI番号1およびROI番号2の回転速度プロフィール、熱温度プロフィールを示す。
図30Bは、リアルタイムPCR前の期間を示し、
図30Cは、リアルタイムPCR検出の3つの周期を示す。
【0241】
別の実施形態では、機器は代替的に、試料調製およびリアルタイム等温検出をプロセスしてもよい。使用される等温増幅は、RMA(リボヌクレアーゼ媒介型増幅)、HDA(ヘリカーゼ依存性増幅)、RPA(リコンビナーゼポリメラーゼ増幅)およびSPIA(単一のプライマー等温増幅)、LAMP(ループ媒介型等温増幅)。)、SDA(鎖置換増幅)、NASBA(核酸配列ベース増幅)、wGA(全ゲノム増幅)、pWGA(プライマーゼベース全ゲノム増幅)、ICAN(核酸の等温およびキメラプライマー開始増幅)、EXPAR(指数的増幅反応)、NEAR(切断酵素増幅反応)、RCA(ローリングサークル増幅)、TMA(転写媒介型増幅)であり得るが、これらに限定されない。
【0242】
試料体積定義、試料均質化、試料溶解、試料計量、試料希釈、試料混合、および試料検出を可能にする、具体的な用途を念頭に置いて、複数の流体求心デバイスを製造することができることは、当業者によって認識されるであろう。
【0243】
等温増幅のための検査方法
図29上で示されるフローチャートの代替的な実施形態では、ステップ1207、1208、1209、および1210は、生体物質の試料調製を行い、可能性のある阻害物質を制御し、リアルタイム等温増幅により検出するように、修正される。より特定の実施形態では、等温リアルタイム増幅は、リアルタイムリコンビナーゼポリメラーゼ増幅(リアルタイムRPA)である。
【0244】
ステップは次の通りである:生体試料を取り入れレセプタクル5の中に装填する。次いで、流体求心デバイスを機器の中に配置し、始動ボタンを押す。この時点から、機器は、全プロセスを受け持つことになる。回転は、速度番号1で始動して、液体を取り入れレセプタクル5から溶解チャンバ315に移し、試料の一部をオーバーフローチャンバ309の中に排出することになる。回転速度は、速度番号2に変化して、底部充填可能溶解チャンバの内部での移行部材307の移動を作動させることになる。ローター2の下に配置される永久磁石は、流体求心デバイスがその上で回転するとき、変動磁場を作出する。既定量の時間の後、回転は、再び速度番号3に変更されて、溶解物を清澄化し、計量出口312を破裂させる。
【0245】
計量された体積は、保持チャンバレセプタクル406中に移される。回転は、再び速度番号4に変更される。区画番号1は、例えば、生体試料中に可能性として存在する阻害物質を制御するために、流体求心デバイスのROI番号1において、温度が3分間にわたって95℃であるように加熱される。この加熱はまた、液体容器ワックスキャップ411を
融解させて、保持チャンバ403の内部で希釈剤410を放出することになる。区画番号2は、例えば、必要とされる場合ブロワを作動させることによって、ROI番号2が35℃を下回る温度に保たれるように、より低い温度に保たれることに留意すべきである。
【0246】
溶解物は、一般に希釈剤とよく混合され、42℃以下の温度まで冷却され、分配チャネルおよびキュベット602の中に移される準備ができる。この実施形態では、希釈剤は、水およびマグネシウムである。移送は、ROI番号2が37〜42℃に保たれるような温度に区画番号2を保つことによって、および回転を速度番号3に変更することによって、行われる。事前格納されたPCR乾燥試薬607を再懸濁させるために、希釈リザーバ出口405が破裂し、液体がキュベット602の中に移される。この実施形態では、乾燥試薬607は、RPA蛍光プローブ、プライマー、リコンビナーゼ、ポリメラーゼ、エキソヌクレアーゼ、クラウディング剤(crowding agent)、GP32、uvsY、およびuvsXを含む。回転速度は、速度番号4に変更され、区画番号2は、ROI番号2が37〜42℃に到達するように加熱される。
【0247】
この時間中、加熱区域番号1は、45℃を下回る温度まで自然に冷却する。蛍光測定が、数分毎に、同時にまたは順次に1〜6つの異なる励起/検出波長で取られる。増幅ステップは、20分後に停止される。リアルタイムRPA蛍光シグナルが次いで、コンピュータベースのアルゴリズムによって分析され、解釈される。結果は、データベースに記録が取られ、任意に検査オペレータまたは外科医に伝送される。
【0248】
別の実施形態では、機器は代替的に、試料調製およびリアルタイム等温検出をプロセスしてもよい。使用される等温増幅は、RMA(リボヌクレアーゼ媒介型増幅)、HDA(ヘリカーゼ依存性増幅)、RPA(リコンビナーゼポリメラーゼ増幅)およびSPIA(単一のプライマー等温増幅)、LAMP(ループ媒介型等温増幅)。)、SDA(鎖置換増幅)、NASBA(核酸配列ベース増幅)、wGA(全ゲノム増幅)、pWGA(プライマーゼベース全ゲノム増幅)、ICAN(核酸の等温およびキメラプライマー開始増幅)、EXPAR(指数的増幅反応)、NEAR(切断酵素増幅反応)、RCA(ローリングサークル増幅)、TMA(転写媒介型増幅)であり得るが、これらに限定されない。
【0249】
試料体積定義、試料均質化、試料溶解、試料計量、試料希釈、試料混合、および試料検出を可能にする、具体的な用途を念頭に置いて、複数の流体求心デバイスを製造することができることは、当業者によって認識されるであろう。
【実施例1】
【0250】
次の実施例は、例示説明であり、限定的であるようには意図されない。
本実施例は、妊娠した女性の膣−肛囲スワブからの、B群連鎖球菌の存在の検出に関する。
【0251】
この実施例の目的のために使用される流体求心デバイスは、
図1Cに記載される外形を有し、
図17に示され、記載される流体要素からなる。
【0252】
【表1】
【0253】
液体容器を、次のプロトコルを使用して製作した:プラスチックストローの1つの末端をホットグルーで閉鎖し、140μLのPCR処理水を装填し、容器を融解されたパラフィンワックスで封止する。
【0254】
流体求心デバイスを、次のプロトコルを使用して組立てた:常磁性円盤を溶解チャンバ中に配置し、60μLのガラスビーズスラリーを装填し、2μLプライマーを各キュベット中に装填し、0.5μLのTaqManプローブを装填し、スラリーおよびプライマーを真空下で一晩乾燥させ、液体容器を保持チャンバ中に配置し、低温融解パラフィンワックスを廃棄チャンバ中に分与する。
【0255】
次のステップは、グローブボックス中、アルゴン大気下で行われる:1つの検出キュベット当たりOmniMix HSの1つのビーズを配置し、感圧接着剤を使用して薄底層を流体層に結合し、組立てられた流体求心デバイスを乾燥剤と共にアルミニウムパウチ中に配置し、パウチを封止する。
【0256】
実験
臨床試験中、膣/肛囲スワブを、600μLのトリスEDTA10mm(TE)で充填されたClinical Packagingスナップ弁技術を使用して、妊娠した女性から収集した。
【0257】
600μLのTEとのスワブの再懸濁後、170μLのスワブ希釈液の量を、上述の流体求心デバイスの取り入れレセプタクル中に直接配置する。
【0258】
流体求心デバイスを機器の中に配置し、次のプロトコルを、試料調製のために二重区域温度制御機器中で行う。
【0259】
この実施例で使用されるPCR阻害物質の計量、溶解、および制御についてのパラメータは、次の通りである:
【0260】
【表2】
【0261】
【表3】
【0262】
【表4】
【0263】
【表5】
【0264】
【表6】
【0265】
流体求心デバイスを次いで、RotorGene上で働くように特別に設計された適合ローター上に移して、次の条件を使用してリアルタイムPCRをプロセスする。
【0266】
【表7】
【0267】
結果:
スワブは、28.30のCTでGBSの存在検出について陽性と見出された。
【実施例2】
【0268】
次の実施例は、例示説明であり、限定的であるようには意図されない。
本実施例は、妊娠した女性の膣−肛囲スワブからのB群連鎖球菌の存在を検出するための、流体求心デバイスの例となる実施形態の使用に関する。
【0269】
この実施例の目的のために使用される流体求心デバイスは、
図1Cに記載される外形を有し、
図17に示され、記載される流体要素からなる。
【0270】
【表8】
【0271】
液体容器を、次のプロトコルを使用して製作した:120μLのPCR希釈液を装填し、ポリアロマーチューブをホットグルーアローBAP 5−4で封止する。
【0272】
流体求心デバイスを、次のプロトコルを使用して組立てた:常磁性円盤を溶解チャンバ中に配置し、60μLのガラスビーズスラリーを装填し、4.6μLのPCR試薬を各キュベット中に装填し、スラリーおよびPCR試薬を熱および真空下で乾燥させ、液体容器を保持チャンバ中に配置し、低温融解パラフィンワックスを廃棄チャンバ中に分与する。
【0273】
事前に組立てられた層9795R/467 MP/ポリカーボネートを、流体層に結合し、90インチ・ポンド(約0.113N・m)のトルクによる押しを使用して圧力を印加する。組立てられた流体求心デバイスを乾燥剤と共にアルミニウムパウチ中に配置し、パウチを封止する。
【0274】
実験
臨床試験中、膣/肛囲スワブを、600μLのトリスEDTA10mm(TE)で充填されたMedical Packagingスナップ弁技術を使用して、妊娠した女性か
ら収集した。
【0275】
600μLのTEとのスワブの再懸濁後、170μLのスワブ希釈液を、上述の流体求心デバイスの試料取り入れレセプタクル中に直接配置する。
【0276】
流体求心デバイスを機器の中に配置し、次のプロトコルを、試料調製のために二重区域温度制御機器中で行う。
【0277】
この実施例で使用されるPCR阻害物質の計量、溶解、および制御についてのパラメータは、次の通りである:
【0278】
【表9】
【0279】
【表10】
【0280】
【表11】
【0281】
【表12】
【0282】
【表13】
【0283】
流体求心デバイスを次いで、RotorGene上で働くように特別に設計された適合ローター上に移して、次の条件を使用してリアルタイムPCRをプロセスする。
【0284】
【表14】
【0285】
結果:
スワブは、27〜32の間のCTでGBSの存在検出について陽性と見出された。
【実施例3】
【0286】
次の実施例は、例示説明であり、限定的であるようには意図されない。
本実施例は、ヒト頬側スワブ試料からのヒトベータグロビン遺伝子、ヒト尿試料からの大腸菌、およびヒト鼻スワブ試料からのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の存在を検出するための、流体求心デバイスの例となる実施形態の使用に関する。
【0287】
【表15-1】
【0288】
【表15-2】
【0289】
aTaqman−LNAプローブにおける小文字は、ロックト核酸(LNA(商標))を示す。
【0290】
【表16】
【0291】
この実施例の目的のために使用される流体求心デバイスは、
図1Cに記載される外形を有し、
図17に示され、記載される流体要素からなる。
【0292】
この実施例の目的のために使用される流体求心デバイスは、表16に列挙される構成要素を含有した。
【0293】
液体容器を、次のプロトコルを使用して製作した:120μLのPCR希釈液を装填し、ポリアロマーチューブをホットグルーアローBAP 5−4で封止する。
【0294】
流体求心デバイスを、次のプロトコルを使用して組立てた:常磁性円盤を溶解チャンバ中に配置し、60μLのガラスビーズスラリーを装填し、4.6μLのPCR試薬を各キュベット中に装填し、スラリーおよびPCR試薬を熱および真空下で乾燥させ、液体容器を保持チャンバ中に配置し、低温融解パラフィンワックスを廃棄チャンバ中に分与する。
【0295】
事前に組立てられた層9795R/467 MP/ポリカーボネートを、流体層に結合し、90インチ・ポンド(約0.113N・m)のトルクによる押しを使用して圧力を印加する。
【0296】
実験
頬側ブラッシングスワブを、600μLのトリスEDTA10mm(TE)で充填された、スナップ弁技術によるMedical Packagingスワブを使用して、ヒトボランティアから収集した。スワブを、頬の内表面と接触して配置し、30秒間かき回した。スワブをそのスリーブ中に再び配置し、スナップ弁を破壊して、600μLのTEを
放出させた。5分間の待機時間後、スワブを1分間ボルテックスする。この懸濁し希釈された試料を、検査に使用した。
【0297】
患者から収集された尿試料を、TE中、1/56に希釈した。この希釈された試料を、検査に使用した。
【0298】
臨床試験中、鼻スワブを、ボランティアから収集し、600μLのTE中に再懸濁させた。この懸濁した希釈された試料を、検査に使用した。
【0299】
140μLの希釈された試料の体積を、上述の流体求心デバイスの試料取り入れレセプタクル中に直接配置する。
【0300】
流体求心デバイスを、機器の中に配置し、プロトコルを、表9、10、11、12、および13に従って行った。
【0301】
幾つかの検査においては、ステップ8でプロトコルを一時停止および再開して、保持チャンバレセプタクル中の流体の位置を調べた。
【0302】
アッセイに応じて、表17または表18のいずれかに列挙される条件下で、熱循環を行った。
【0303】
【表17】
【0304】
【表18】
【0305】
結果:
内部制御は、試料による阻害がないかまたはほんの最小限であることを明らかにした。別の検査方法によって標的DNAを含有することがすでに知られている全ての試料は、実際に流体求心デバイスで陽性であることが見いだされ、同様に、標的DNAについて陰性であることがすでに知られている試料は、実際に流体求心デバイスで陰性であることが見出された。
【0306】
この実施例は、多様な生体試料および細胞からの核酸を検出することについての、本発明の流体求心技術の多用途性を示す。希釈された糞便試料もまた、下痢/に関与する細菌
病原体の検出について首尾よく検査された。
【実施例4】
【0307】
次の実施例は、例示説明であり、限定的であるようには意図されない。
本実施例は、細胞および微生物を濃縮するための、本発明の流体求心デバイスの、より具体的には、底部充填可能チャンバおよび他の要素の例となる実施形態の使用に関する。
【0308】
【表19】
【0309】
この実施例の目的のために使用される流体求心デバイスは、
図1Cに記載される外形を有し、
図17に示され、記載される流体要素からなる。
【0310】
この実施例の目的のために使用される流体求心デバイスは、表19に列挙される構成要素を含有した。
【0311】
流体求心デバイスを、次のプロトコルを使用して組立てた:常磁性円盤を溶解チャンバ中に配置し、60μLのガラスビーズスラリーを装填し、スラリーを一晩真空下で乾燥させ、事前に組立てられた層9795R/467 MP/ポリカーボネートを流体層に結合し、90インチ・ポンド(約0.113N・m)のトルクによる押しを使用して圧力を印加する。
【0312】
実験
細菌エンテロコッカス・フェカリスの10μL(10
5コロニー形成単位、CFU)の希釈されたの培養物を、190μLのTEと混合した。
【0313】
200μL混合物を、上述の流体求心デバイスの試料取り入れレセプタクル中に直接に配置した。
【0314】
流体求心デバイスを、機器の中に配置し、次のプロトコルを、表9および10に従って行った。
【0315】
流体求心デバイスを、感圧層を除去することによって解体し、その結果、底部充填可能チャンバ中およびオーバーフローチャンバ中の液体を採取し、希釈して、各チャンバ中に存在する細菌細胞の平板計数を行うことができるようにした。
【0316】
結果:
平板計数は、細菌細胞の数が、オーバーフローチャンバ中に存在する細菌細胞の数と比較して、1.5〜3倍の倍数で、底部充填可能チャンバ中で高かったことを明らかにした。
【0317】
上述の実施形態は、例とするものにすぎないことが意図される。本発明の範囲は、したがって、添付の特許請求の範囲のみによって限定されることが意図される。