(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6105654
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】画像プレート読み出し装置の洗浄システム
(51)【国際特許分類】
A61L 2/08 20060101AFI20170316BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20170316BHJP
A61L 2/025 20060101ALI20170316BHJP
A61L 2/04 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
A61L2/08
A61L2/08 102
A61L2/10
A61L2/025
A61L2/04
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-41115(P2015-41115)
(22)【出願日】2015年3月3日
(62)【分割の表示】特願2009-290738(P2009-290738)の分割
【原出願日】2009年12月22日
(65)【公開番号】特開2015-142746(P2015-142746A)
(43)【公開日】2015年8月6日
【審査請求日】2015年4月2日
(31)【優先権主張番号】20086240
(32)【優先日】2008年12月23日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】509353665
【氏名又は名称】パロデックス グループ オイ
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】ヤリ タスキネン
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ウェーバー
(72)【発明者】
【氏名】ヤルト ルオトラ
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス ウッズ
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ギガックス
【審査官】
松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−008819(JP,A)
【文献】
特開平11−052503(JP,A)
【文献】
特開昭62−047361(JP,A)
【文献】
特開2008−268837(JP,A)
【文献】
特開2006−263609(JP,A)
【文献】
特開2002−336271(JP,A)
【文献】
特開2008−301970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00− 2/26
A61B 5/00
A61C 19/00−19/10
G21K 4/00
G03B 42/00−42/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像化の媒体である画像プレート用の読み出し装置と接触する一連の機器の洗浄システムであって、
病原菌保菌体を滅殺する電磁放射、熱放射及び/又は超音波放射を放出し、且つ前記読み出し装置内の画像プレートコンベヤ機構に向けて前記放射を放出するように、前記読み出し装置内に設けられている殺菌要素と、
前記読み出し装置内の画像プレートの存在を特定する特定手段とを備え、
前記殺菌要素は、画像プレートが前記読み出し装置内に存在しないときに前記画像プレートコンベヤ機構に向けて前記放射を放出する洗浄システム。
【請求項2】
前記コンベヤ機構は、画像プレート及び/又は画像プレート用の移送要素を前記読み出し装置内で搬送する要素、キャリアアーム、画像プレートホルダ、ローラ、グリッパ要素及び/又はガイドを備える請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項3】
前記殺菌要素は、前記読み出し装置と関連して画像プレート及び/又は画像プレート用の移送要素を受け入れることができるように意図される受け入れ要素に向けても前記放射を放出するようになっている請求項1又は2に記載の洗浄システム。
【請求項4】
前記受け入れ要素は、画像プレート若しくは画像プレート用の移送要素を受け入れるための入口、アダプタ及び/若しくはグリッパ要素を有するか、又は前記入口を覆う保護蓋を備える請求項3に記載の洗浄システム。
【請求項5】
前記殺菌要素は、紫外線放射、X線放射、熱放射及び/又は超音波放射を放出する請求項1から4のいずれか一項に記載の洗浄システム。
【請求項6】
前記殺菌要素は、前記画像プレートが前記読み出し装置内に存在するときに前記画像プレート内のデータを消去する請求項1から5のいずれか一項に記載の洗浄システム。
【請求項7】
前記殺菌要素の機能は、時間制御式態様で画像読み取りと関連する手順として、若しくは独立した手順として、及び/又は動き若しくは身ぶりによる制御方法で行われるようになっている請求項1から6のいずれか一項に記載の洗浄システム。
【請求項8】
画像プレート読み出し装置用の請求項1から7のいずれか一項に記載の洗浄システムを備える画像プレート読み出し装置。
【請求項9】
画像化の媒体である画像プレート用の読み出し装置と接触する一連の機器を洗浄する方法であって、
前記読み出し装置は、前記読み出し装置内の画像プレートの存在を特定する特定手段を備え、前記方法は、病原菌保菌体を滅殺できる電磁放射、熱放射及び/又は超音波放射を、前記読み出し装置内のコンベヤ機構へ向けて放出し、
画像プレートが前記読み出し装置内に存在しないときに前記放射を放出することを含む方法。
【請求項10】
前記読み出し装置と関連し、且つ画像プレート及び/又は画像プレート用の移送要素を受け入れることができるように意図される受け入れ要素に向けても前記放射が放出される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
殺菌要素は、紫外線放射、X線放射、熱放射及び/又は超音波放射を放出する請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
電磁放射放出殺菌要素は、前記画像プレートが前記読み出し装置内に存在するときに前記画像プレート内のデータを消去する請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
殺菌要素は、時間制御式態様で画像読み取りと関連する手順として、若しくは独立した手順として、及び/又は動き若しくは身ぶりによる制御方法で放射を放出する請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば医療の画像化過程において使用する画像プレート、並びに画像プレートと関連する機器及び設備、例えば画像プレート読取機にかかわる、衛生学の概念に関する。具体的には、本発明は、画像プレート読み出し設備と関連する一連の機器用の洗浄システム、該洗浄システムを備える読み出し装置、及び画像プレート読み出し設備と関連する一連の機器を洗浄する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療の画像化過程において今日採用されている画像化の媒体は、在来のフィルム、再利用可能な画像プレート、又はX線放射監視用の無線又は有線センサを含む。フィルムが使用される場合、フィルムは、例えば可視光からフィルムを保護する別個のカセット内に収容されており、このカセットは、X線撮影中に患者及び患者の体液と接触する可能性がある。同様に、画像プレートはX線撮影中に保護装置内で遮蔽されており、X線画像は、撮像する物体、例えば患者又は患者の一部、をX線放射源と保護装置内に入っている画像プレートとの間に配置することによって取り込まれる。したがって、画像プレート保護装置は、患者及び患者の体液と接触する可能性が画像化過程中にあり、これは例えば口腔内X線撮影等で、この間、保護装置によって遮蔽されている画像プレートは患者の口内にある。
【0003】
前述の画像化の媒体のいずれを採用しようとも、患者及び/又は医療従事者から生ずる病原菌保菌体が、該画像化の媒体によって他の患者及び/又は医療従事者に移動する可能性があるというリスクが常に存在する。画像プレートの場合、例えば第1のリスクは、早くも画像プレートのパッケージ段階で現れ、この場合、画像プレートは例えば保護用厚紙等に挿入され、次いで、遮蔽装置、例えば密封可能な衛生遮蔽バッグ、に入った保護用厚紙等に収容されたまま、X線撮影中に例えば患者と接触することになる。該パッケージ過程では、画像プレートは、保護装置に挿入される前に、例えば梱包する人が、例えば画像プレートを床に落とすか又は画像プレートに素手若しくは汚れた手袋で触れることによって汚染される可能性がある。
【0004】
他のリスク要因は、保護装置、例えば遮蔽バッグ、の液密性が不十分であることを含み、それによって、例えば口腔内X線撮影において、患者の体液が遮蔽バッグ内に入り込み、遮蔽バッグに入っている画像プレートに至り、汚染する可能性がある。非防液性遮蔽バッグに伴う他のリスクは、遮蔽バッグ内にある可能性がある病原菌保菌体が、X線撮影中に遮蔽バッグ内から患者の口内へ移動する可能性があるということである。
【0005】
さらに他のリスクは、例えば看護師により患者の口内から遮蔽バッグが取り出され、この看護師が次いでこの同じ機器を他の物体、例えば読み出し装置又は構造体又はさらには他の遮蔽バッグと接触させることにより、病原菌保菌体が看護師から他の保護装置へ、また非防液性遮蔽バッグの場合には画像プレートにまで及ぶ可能性があることである。
【0006】
病原菌保菌体が、画像プレートから画像プレートの近傍にある機器、例えば読み出し装置のコンベヤ機構、受け入れ要素もしくは移送要素、又は画像プレートの出口へ、又は読み出し画像プレートが該読み出し装置から戻されるトレーへ、そしてさらにはそれによって他の画像プレート又は同様に取り扱う人若しくは要素まで及ぶという、またさらなるリスクが存在する。
【0007】
例えばこれに関連する口腔内画像プレートと、機器と、設備の衛生状態を改善するための、いくつかの解決策が既知である。
【0008】
例えば、特許文献1は、2つの遮蔽バックによって口腔内画像プレートを保護するための1つの解決策を開示しており、この場合、画像プレートはまず一端が開状態の内側遮蔽バッグに挿入され、この内側遮蔽バッグが次いで外側遮蔽バッグに挿入され、該外側遮蔽バッグは、内側バッグと共に、患者の唾液が読み取り装置まで進むことを防ぐこと、及び患者を画像プレートの表面上に付着している可能性がある病原菌保菌体から保護することを意図するものである。画像プレートは、まず厚紙カバー内に入れてから外側遮蔽バッグに入れることができる。さらに、公開されている特許文献2も、また、封筒タイプの容器によって画像プレートを保護するための解決策を開示しており、この場合、画像プレートは、X線による撮影中に封筒タイプの容器の第1の端から容器に挿入され、X線による撮影の後には該容器の第2の端から取り出される。
【0009】
しかし、上記解決策は、例えば遮蔽バッグを開くプロセスは、遮蔽バッグの引裂きを制御することができないといういくつかの問題を伴う。これは、遮蔽バッグを開くプロセスにおいて、遮蔽バッグ内にある画像プレートが、例えば床又は他の何らかの汚染表面上に、落下することによって、病原菌保菌体が画像プレートと接触してしまう可能性があるという危険を伴う。特許文献2に記載されている封筒タイプの容器は、その内部の、画像プレートを容器に挿入する場所が、その抜き出す場所と同じではないため、その構造及び製造の観点から極めて複雑である。そのような容器は、画像プレートを挿入するか又は抜き出すための複数の開口を含むため、極めて漏れが生じやすい。
【0010】
またさらに、引用した公開特許の双方において提示されている解決策は、双方に、折り曲げ可能なフラップによって作られる折り曲げられた継目に流れを可能ならしめる通路が残っており、これによって液体が流れて画像プレートの挿入のための開口と接触し、それゆえさらに容器の内部及び画像プレートと接触することが可能となるため、防液性ではない。さらに、例えば特許文献2に提示されている封筒タイプの容器には、フラップが折り曲げられて閉じられているため鋭い角部が残っている。まず第1に、そのような鋭い角部は患者の口内では不快に感じられ、その上、鋭い角部によって患者の粘膜が傷つけられ、それによって患者の体への又は患者の体からの病原菌保菌体の移転を容易にする可能性もあるため、衛生上のリスクも存在する。
【0011】
汚染された口腔内画像プレートを洗浄するためのいくつかの解決策もまた既知である。例えば特許文献3は、消毒に関する解決策を開示しており、この場合、画像プレート読み出し装置は、熱処理、紫外線照射、薬品又はガス処理によって消毒を行う特別な消毒ユニットを備える。
【0012】
しかし、特許文献3に提示されている解決策における問題は、装置が、画像プレート読み出し装置内にその時点で入っている画像プレートを専ら消毒することである。従来の画像プレートが例えば紫外線照射によって消毒される場合、画像プレートはその後、再利用前に消去処理(erasing procedure)又は少なくとも黒化処理(dark treatment)に付されなければならず、これは、少なくとも1つの作業をプロセスに加えることによる時間及び資源を要し、第2に、画像プレートは直ちに再利用できない。さらに、強力な紫外線照射は画像プレートに有害であり、その耐用年数を短縮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】フィンランド公開特許第92633号明細書
【特許文献2】米国特許第6,315,444号明細書
【特許文献3】米国公開特許出願第2007/0086911号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従来技術に関連する欠点をなくすことが本発明の目的である。実施の一態様によると、本発明は、医療の画像化過程において使用される画像プレート、並びに画像プレートに伴う機器及び設備、例えば画像プレート読取機、の衛生状態を改善し、それによって、X線撮影に関連する媒体、並びに/又は、患者及び/若しくは医療従事人員の中でも医療従事者によって病原菌保菌体が拡がることを最小限に抑えることを追求するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的は、請求項1に記載の、画像プレート読み出し装置に関連する一連の機器のための洗浄システムと、請求項
8に記載の読み出し装置と、請求項
9に記載の洗浄方法とによって達成される。
【0016】
画像プレート読み出し装置に関連する一連の機器のための本発明の洗浄システムは、洗浄システムにかかる請求項1に提示されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の読み出し装置は、読み出し装置にかかる請求項
8に提示されていることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明の洗浄方法は、洗浄方法にかかる請求項
9に提示されていることを特徴とする。
【0019】
本明細書に示されている概念は、例えば以下の意味で使用される。
【0020】
「コンベヤ機構」は、読み出し装置の読取機ユニットによって読み取られるように、読み出し装置内部に少なくとも部分的に挿入される画像プレート、又は(画像プレートを有している若しくは有していない)移送要素を搬送したり、運搬したりする機構である。
【0021】
該コンベヤ機構は、例えば、コンベヤベルト、キャリアアーム、ホルダ、ローラ及び/又はガイド等から成る機構であり得る。実施の一態様によると、該キャリアアーム又は該画像プレートホルダは、受け入れ要素として機能するグリッパ要素(把持要素)と同様とすることができ、該グリッパ要素は、画像プレート又は移送要素を受け入れるだけではなく、画像プレート又は移送要素を読み出し装置内で運ぶようにもなっている。いくつかの実施の態様では、該コンベヤ機構はまた、画像プレート又は移送要素を画像プレートの出口まで運ぶようになっており、該出口は、読み出し装置の設計に応じて、別個の出口とすることもできるし、また、入口としても機能することができるようにしてもよい。
【0022】
「受け入れ要素」は例えば、画像プレート又は画像プレート用の移送要素を読み出し装置内へ受け入れるために、読み出し装置に近接している要素である。該受け入れ要素は、例えば、コンベヤ機構と関連して設けられるアダプタであることができ、画像プレート又は種々のサイズの画像プレート用の移送要素が読み出し装置内へ搬送されることが可能とされる。受け入れ要素の作動とは、例えば、画像プレート自体を入口に又は移送要素に嵌め込まれた画像プレートを入口に配置することを可能にするための、読み出し装置の入口と関連する一連の機器を作動させることや、例えば、画像プレート又は移送要素によってその必要に応じてアダプタを調整することを含む。
【0023】
実施の一態様によると、例えばカセットのような移送要素がアダプタ内に留まり、該移送要素内にある画像用媒体が読み取りのために該アダプタから該読み出し装置に送り込まれるというような態様で、アダプタは、例えばカセットのような移送要素の必要に応じてそれ自体で適合することができ、したがってアダプタ自身とともに該アダプタ内に留まっている移送要素の一部を消毒することが可能となる。受け入れ要素の作動は、読み出し装置のグリッパ要素を待機モードへ切替えることも含むことができ、画像プレートを該グリッパ要素自身に又は移送要素に嵌め込まれた画像プレートをグリッパ要素へ配置することを可能にする。受け入れ要素はまた、作動時に開く読み出し装置の保護蓋であり得る。
【0024】
「移送要素」は例えば、例えば口腔内X線撮影において使用される画像プレートを場所から場所へと搬送される要素である。該移送要素内の画像プレートは、読み出し装置に送り込まれ、読み出し装置のコンベヤ機構によって搬送され、さらに読み出し装置の読取要素によって読み取られ、そしてさらに読み出された画像プレート用出口まで送りこまれる。該出口は、別個の出口であるか、又は代替的には該入口と同じであり得る。該移送要素は例えば、画像用媒体と関連する画像プレート搬送体、アダプタ又はカセットであり得る。
【0025】
実施の一態様によると、画像プレート読み出し装置と関連する(又は読み出し装置と接触する)一連の機器のための該洗浄システムは、病原菌保菌体を滅殺することができる電磁放射及び/又は超音波放射を放出する殺菌要素を備える。この実施の態様によると、該殺菌要素は、該画像プレート読み出し装置によって包含されている画像プレートコンベヤ機構に向けて上記放射を放出するようになっている。洗浄要素は、好適には読み出し装置の内部にあり、又は、少なくとも放出された放射が読み出し装置外へ出ることができないような配置にあることが好ましい。実施の一態様では、洗浄要素の作動モードは、読み出し装置の外部に表示、例えば信号灯及び/若しくは音声信号又はディスプレイ要素による表示を設けることによって示される。
【0026】
第2の実施の形態によると、画像プレート読み出し装置は、上記で規定した読み出し装置洗浄システムを備える。
【0027】
画像プレート読み出し装置と関連する(又は読み出し装置と接触する)一連の機器のための、上述の洗浄システム又は方法は実際に、従来技術に対して明らかな利点を提供する。洗浄システムは、読み出し装置を内部でも消毒することができるようにすることによって、読み出し設備の衛生状態に関する改善を提供する。例えば画像媒体を封入するために使用される保護要素が何らかの理由で損傷を受けた場合、又は用いられた画像媒体若しくはそれと関連する移送要素が汚染された場合(例えば患者又は医療従事者の体液及び/又は病原菌保菌体によって)、読み出し装置の内部構成要素、例えばコンベヤ要素もまた、そのような画像媒体又は移送要素によって汚染される可能性がある。しかしながら、本発明によって、とりわけコンベヤ機構に入り込んだ病原菌保菌体を殺菌要素により滅殺することができるため、さらなる汚染の潜在的な源となりうる読み出し装置の内部構成要素の役割を効果的に最小限に抑えることができる。
【0028】
一実施の態様によると、読み出し装置と関連して画像プレート及び/又は移送要素の受け入れを可能にすることが意図される受け入れ要素に向けても該殺菌要素による放射が行われる。受け入れ要素は、画像プレート又は移送要素をその内部に挿入するための例えば読み出し装置の入口とすることもできるし、該入口を覆う保護蓋とすることもできる。いくつかの読み出し装置は、種々のサイズの画像プレート及び/又は移送要素のためのいくつかの種々のサイズの入口さえも有し得る。
【0029】
該受け入れ要素はまたアダプタであってもよく、アダプタによって、例えばカセットが読み出し装置の入口に適合される。殺菌要素によって放出される放射が読み出し装置の外の周囲環境に出てしまうことのないように、アダプタは、例えば、カセットを読み出し装置の入口にきつく適合するように構成されることが好ましい。実施の一態様では、アダプタは、様々なサイズのカセット又は画像プレート又は画像プレートの移送要素を読み出し装置の入口に適合することを可能にするフレームである。この場合、放射が読み出し装置の外へ出てしまう可能性は、他の方法で制限される。
【0030】
実施の一態様によると、受け入れ要素は、また、画像プレート又は移送要素を受け入れるグリッパ要素であり得る。
【0031】
実施の一態様によると、例えばカセットの如き移送要素は、例えば読み出し装置の入口又は読み出し装置の入口に適合されるアダプタ内に留まることができ、それによって、殺菌要素が入口又はアダプタに向けて、さらには例えばカセットの如き移送要素に向けて放射を放出することが可能であり、したがって移送要素の少なくとも一部も殺菌することが可能となる。この場合、とりわけ、画像媒体がカセットから抜き出されて該カセットが該入口又は該アダプタと係合しているときにカセットの一部を殺菌することができる。
【0032】
実施の一態様によると、殺菌要素は、例えば紫外線放射、X線放射、熱放射及び/又は超音波放射を放出する。実施の一態様によると、殺菌要素は、電磁放射を放出する一方で、画像プレートを空にする(データ消去する)ために使用される要素と同じであり得る。また別の実施の形態によると、画像プレートが読み出し装置内に存在しない時にのみ、殺菌要素が機能するようになっている。在来の画像プレートが強力なUV放射によって殺菌される場合、再び使用可能になる前に消去又は黒化処理に付さなければならないため、特にこのことは有利である。
【0033】
殺菌要素の動作は、例えば、時間制御式態様で画像の読み取りと関連する手順として、又は独立した手順として進められるようにすることができる。
【0034】
また、読み出し装置の衛生状態を改善するための実施の一態様によると、読み出し装置の内面及び/又は外面、特に、画像プレートと接触するか又は別様に繰り返し触れられる面は、いわゆる抗菌剤によってコーティングすることもできることに留意するべきである。実施の一態様によると、読み出し装置の特定の部分を、抗菌材から製造することもできる。そのような抗菌材は例えば、SAME基(自己組織化単分子膜末端基)に含まれる材料であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1A】1つの例示的な画像プレート読み出し装置を示す。
【
図1B】1つの例示的な画像プレート読み出し装置と関連する機器の洗浄システムを示す。
【
図1C】1つの例示的な画像プレート読み出し装置と関連する機器の洗浄システムを示す。
【0036】
本発明の好適な実施態様は、以下において、添付の図面を参照し、若干、より詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1Aは、1つの例示的な画像プレート読み出し装置100を示し、
図1Cは、該画像プレート読み出し装置100と関連するか又はこれと接触する機器の洗浄システム102を示す。一実施態様によると、洗浄システム102は殺菌又は消毒要素102aを備え、該殺菌要素102aは、病原菌保菌体を滅殺する電磁放射及び/又は超音波放射を放出し、且つ該画像プレート読み出し装置内にある画像プレートコンベヤ機構104a、104b、104cに向けて上記放射を放出するようになっている。該コンベヤ機構は、例えば、画像プレート又は移送要素を該読み出し装置内で搬送するか又は少なくとも移動させるか又はガイドするようになっているキャリアアーム又は他の何らかの画像プレートホルダ104a、ローラ又はガイド104bである。該コンベヤ機構はまたグリッパ要素104cであり得る。
【0038】
該殺菌要素102a、102bは、該読み出し装置100と関連して画像プレート及び/又は移送要素を受け入れることができるように意図される受け入れ要素106へ向けて放射を放出することができ、また、例えば、画像プレート若しくは移送要素を受け入れることが意図される入口106a及び/又はアダプタ106bへ向けて放射を放出することができ、また、該読み出し装置の入口と係合する保護蓋へ向けても放射を放出することができるようにされている。一実施態様によると、読み出し装置100は複数の洗浄要素102a、102bを備えることができ、又は代替的には、該殺菌要素が放出する放射のビームを所望に応じコンベヤ要素のみへ方向付けしたり、該受け入れ要素のみへ方向付けしたり、任意選択的には両方へ方向付けすることができるように、単一の洗浄要素102aを枢動可能であるか又は別様に移動可能であるようにすることができる。
【0039】
一実施態様によると、殺菌に使用される殺菌要素102aは(特に電磁放射を放出する殺菌要素を有する実施態様において)、画像プレートを空にするか又はデータ消去するために使用されるものと同じ要素であり得る。
【0040】
一実施態様によると、洗浄要素は、読み出し装置内の画像プレートの存在を特定する特定手段103を備えることができ、この特定手段103は、画像プレートが読み出し装置内に存在しないときにのみ殺菌要素102a、102bを機能させるように制限するようにされている。これによって、例えば画像プレートを搬送することが意図される要素並びに画像プレート移送要素(画像プレートのない)及び画像プレート受け入れ要素を、画像プレートを例えば紫外線放射である放射に曝すことなく殺菌消毒することができる。
【0041】
一実施態様によると、ある対象を、例えばユーザ又はユーザが行う身ぶり若しくは動きを検出する検出要素110が画像プレート読み出し装置と通信するようにして配置される。該検出要素は、好適には、読み出し装置とデータの通信をするようにされており、それによって、検出要素が、例えば、読み出し装置の近くの対象を検出すると、該読み出し装置又は制御要素112と信号で通信するようになっている。一実施態様によると、次いで、制御要素は、該検出要素によって伝達された信号によってトリガされると、何らかの機能を行うようになっており、例えば、殺菌要素の作動を、例えば時間制御式態様で画像読み取りと関連する手順として、又は独立した手順として制御する。
【0042】
該検出要素110a、110bは、例えば、ユーザが行う身ぶり又は動きを例えばパターン認識に基づいて観察することができるカメラ又はレーダであり得る。この場合、制御ユニット112は、ユーザが行う身ぶり又は動きについて判断して、該検出した身ぶりと関連する処理の制御を行い、例えば、該洗浄システムの洗浄要素102a、102bを直ちに又は遅らせて作動させるように制御する。該洗浄要素のアクティブモードを示す手段が図に示されており、この場合は信号灯120である。一実施態様によると、洗浄要素のアクティブモードに関する表示を、案内要素114を介して与えるようにしてもよい。
【0043】
しかし、本発明の読み出し装置洗浄システムは、
図1Bに示される検出機器を使用することなく実現することもできることに留意するべきである。この場合、とりわけ、洗浄要素を制御する制御要素112は、読み出し装置と通信をするようにして、例えば洗浄システム102と通信をするようにして、他の場所に配置される。
【0044】
上述したものは、本発明の解決策の一部の実施形態に過ぎない。本発明の原理は、例えば実施態様の詳細及び応用分野に関して、特許請求の範囲によって規定される保護範囲内における変形形態も当然のこととして対象とされる。上記説明は、口腔内画像プレート並びに該口腔内画像プレートの読み取りや処理に関する機器及び要素に対して極めて具体的に対応するものであるが、本発明はこれらに限定されず、口腔内画像プレートは、X線撮影において一般的に使用される画像プレートの一例に過ぎない。
【0045】
また、図面に示した機器及び装置はその全ての態様において一定の縮尺である必要はなく、また例えば画像プレート及び/又は画像プレートを包囲する移送要素は、例えば
図1Cにおいてはアダプタ106bが水平面内に示されているが、垂直面内にある読み出し装置にも送りこむことができることに留意されたい。