特許第6105683号(P6105683)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6105683
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】食器洗い機
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/44 20060101AFI20170316BHJP
【FI】
   A47L15/44
【請求項の数】14
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-142995(P2015-142995)
(22)【出願日】2015年7月17日
(65)【公開番号】特開2016-22386(P2016-22386A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2015年7月17日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0092097
(32)【優先日】2014年7月21日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0109907
(32)【優先日】2014年8月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】チュ ビョンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】リ チョンミン
(72)【発明者】
【氏名】リ ヨミン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヘヨン
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02623013(EP,A1)
【文献】 実開昭51−038380(JP,U)
【文献】 実開昭51−053763(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第00860140(EP,A1)
【文献】 特表2005−522290(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0224100(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/016283(WO,A1)
【文献】 実開昭48−089565(JP,U)
【文献】 特開平11−310794(JP,A)
【文献】 特開2005−002393(JP,A)
【文献】 特開2006−280518(JP,A)
【文献】 特開2001−258811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食器が洗浄される空間を形成するタブと、
前記タブ内に供給される洗浄水が入れられるサンプと、
前記サンプに脱スケール溶剤を供給する脱スケール溶剤供給装置を含み、
前記脱スケール溶剤供給装置は、
前記サンプに供給する洗浄水をガイドする主流路と、
脱スケール剤を収容し、前記脱スケール剤が溶解された洗浄水を前記主流路に排出する溶剤排出口を有する溶剤収容部と、
前記溶剤排出口を開閉する溶剤排出バルブと、
前記主流路から分枝して前記溶剤収容部に洗浄水を供給し、大気と連通する大気連通口とを有する分枝流路を含
前記分枝流路は、
前記主流路から流入した洗浄水を上方向にガイドする上流側分枝流路と
前記上流側分枝流路に沿ってガイドされた洗浄水を下方向にガイドする下流側分枝流路を含み
前記溶剤排出バルブによって前記溶剤排出口が閉じた状態で前記溶剤収容部内に洗浄水が供給され、前記溶剤収容部内に洗浄水が満たされた後、前記分枝流路を介した洗浄水の供給が中断される時、前記下流側分枝流路内の水位は前記大気連通口を通じて作用する大気圧によって一定の高さに制限され
前記上流側分枝流路の出口面積は
前記下流側分枝流路の入口面積に比べて小さい、食器洗い機。
【請求項2】
前記上流側分枝流路から排出された洗浄水が前記下流側分枝流路に流入する過程で経由する中間流路をさらに含み、
前記大気連通口は前記中間流路に形成される、請求項に記載の食器洗い機。
【請求項3】
前記主流路に洗浄水を供給する給水装置をさらに含み、
前記大気連通口は前記給水装置を通して大気と連通する、請求項に記載の食器洗い機。
【請求項4】
前記大気連通口は、
前記溶剤収容部に洗浄水が流入する間に大気に露出される、請求項に記載の食器洗い機。
【請求項5】
前記上流側分枝流路の出口面積は、
前記下流側分枝流路の入口面積の1/10以下である、請求項に記載の食器洗い機。
【請求項6】
洗浄水を前記サンプに供給する洗浄水排出口をさらに含み
前記洗浄水排出口は、
前記下流側分枝流路内の水位が制限される高さより低いところに位置する、請求項1に記載の食器洗い機。
【請求項7】
前記主流路は、
洗浄水を下方向にガイドした後、上方向にガイドするように構成された溶剤合流路を含み、
前記溶剤排出口は前記溶剤合流路内に位置する、請求項1に記載の食器洗い機。
【請求項8】
前記タブ内の水位は、
前記下流側分枝流路内の水位が制限される高さ以下に制限される、請求項に記載の食器洗い機。
【請求項9】
前記タブには、
前記下流側分枝流路内の水位が制限される高さ以下に洗浄水が排出される排出口が形成される、請求項に記載の食器洗い機。
【請求項10】
前記脱スケール溶剤供給装置は、
前記溶剤収容部と、前記主流路を形成する収容部本体と、
前記収容部本体と結合され、前記分枝流路を形成する本体カバーを含む、請求項1に記載の食器洗い機。
【請求項11】
前記溶剤収容部は上側が開放され、前記本体カバーは前記溶剤収容部の開放された上側を覆う、請求項10に記載の食器洗い機。
【請求項12】
前記収容部本体と前記本体カバーは分離可能に結合される、請求項11に記載の食器洗い機。
【請求項13】
前記本体カバーには、
前記主流路に洗浄水が流入する洗浄水流入口が形成される、請求項10に記載の食器洗い機。
【請求項14】
前記本体カバーには、
前記溶剤収容部と連通した脱スケール剤投入口が形成され、
前記脱スケール剤投入口を開閉する栓をさらに含む、請求項10に記載の食器洗い機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄機は水を用いて汚染された被洗浄物を洗浄する装置である。このような洗浄機としては衣類や寝具などの洗濯物を洗浄する洗濯物洗浄機(通常、洗濯機という。)、食器を洗浄する食器洗い機などがある。
【0003】
洗浄水が60ppm以上の硬度を持っていれば通常硬水といい、硬水を加熱すると、必然的にスケールが発生する。大半の洗浄機は洗浄水を加熱する工程があるため、硬水を適切に処理できない場合、スケールの累積による様々な問題が発生する。
【0004】
したがって、洗浄機で発生したスケールを除去するためには適正量の脱スケール剤を供給しなければならず、発生したスケールの相当量は食器洗い機において排水と共に捨てられるため、実際に必要な脱スケール剤の量は非常に少ない。脱スケール剤が過多に供給されると、製品信頼性に問題が発生し、少なく供給されると、スケールの除去性能が低下するため、必要な量だけ正確に投入される必要がある。しかし、使用者が脱スケール剤を必要な量だけ正確に計量することは容易でないだけでなく、非常に煩わしいという問題がある。
【0005】
一方、洗浄が完了した被洗浄物に残留した脱スケール剤は、その成分が人体に有害な場合に問題となる。特に、被洗浄物の用途が人体との頻繁な接触が必然的な場合、健康に悪影響を及ぼすために問題が深刻である。したがって、洗濯機や食器洗い機などのように被洗浄物(洗濯物、食器など)に残留した脱スケール剤が人体に吸収される可能性がある場合、人体に無害な脱スケール剤が利用されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、スケールの発生を防止したり、発生したスケールを除去したりすることができる機能を備えた食器洗い機を提供することにある。
【0007】
また、脱スケール剤を定量的に供給できる食器洗い機を提供することにある。
【0008】
なお、食器洗い機に給水される水圧が変動しても、脱スケール溶剤を定量的に供給できる食器洗い機を提供することにある。
【0009】
また、人体に無害な物質からなる脱スケール溶剤が供給される食器洗い機を提供することにある。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、脱スケール剤として人体に無害な有機酸を投入する洗浄機を提供することにある。
【0011】
また、本発明が解決しようとする課題は、有機酸を自動で投入できる洗浄機を提供することにある。
【0012】
なお、本発明が解決しようとする課題は、脱スケール剤として人体に無害な有機酸を投入する洗浄機を提供することにある。
【0013】
また、本発明が解決しようとする課題は、有機酸を自動で投入できる洗浄機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の食器洗い機は、食器が洗浄される空間を形成するタブ、前記タブ内に供給される洗浄水が入れられるサンプ、および前記サンプに脱スケール溶剤を供給する脱スケール溶剤供給装置を含み、前記脱スケール溶剤供給装置は、前記サンプに供給される洗浄水をガイドする主流路、脱スケール剤を収容し、前記脱スケール剤が溶解した洗浄水を前記主流路に排出する溶剤排出口を有する溶剤収容部、前記溶剤排出口を開閉する溶剤排出バルブ、および前記主流路から分枝して前記溶剤収容部に洗浄水を供給し、大気と連通する大気連通口を有する分枝流路を含む。
【0015】
前記分枝流路は、前記主流路から流入した洗浄水を上方向にガイドする上流側分枝流路、および前記上流側分枝流路に沿ってガイドされた洗浄水を下方向にガイドする下流側分枝流路を含み、前記溶剤排出バルブによって前記溶剤排出口が閉じられた状態で前記溶剤収容部内に洗浄水が供給され、前記溶剤収容部内に洗浄水が満たされた後、前記分枝流路を介した洗浄水の供給が中断される時、前記下流側分枝流路内の水位は前記大気連通口を通じて作用する大気圧によって一定の高さに制限されてもよい。前記上流側分枝流路から排出された洗浄水が前記下流側分枝流路に流入する過程で経由する中間流路をさらに含み、前記大気連通口は前記中間流路に形成してもよい。前記主流路に洗浄水を供給する給水装置をさらに含み、前記大気連通口は前記給水装置を通して大気と連通してもよい。
【0016】
前記大気連通口は、前記溶剤収容部に洗浄水が流入する間に大気に露出されてもよい。
【0017】
前記上流側分枝流路の出口面積は、前記下流側分枝流路の入口面積に比べて小さくてもよい。前記上流側分枝流路の出口面積は、前記下流側分枝流路の入口面積の1/10以下であってもよい。
【0018】
前記洗浄水排出口は、前記下流側分枝流路内の水位が制限される高さより低いところに位置してもよい。
【0019】
前記主流路は、洗浄水を下方向にガイドした後、上方向にガイドするように構成された溶剤合流路を含んでもよい。
【0020】
前記溶剤排出口は前記溶剤合流路内に位置してもよい。前記タブ内の水位は、前記下流側分枝流路内の水位が制限される高さ以下に制限されてもよい。前記タブには、前記下流側分枝流路内の水位が制限される高さ以下に洗浄水が排出される排出口が形成されてもよい。
【0021】
前記脱スケール溶剤供給装置は、前記溶剤収容部と、前記主流路を形成する収容部本体、および前記収容部本体と結合され、前記分枝流路を形成する本体カバーを含んでもよい。前記溶剤収容部は上側が開放され、前記本体カバーは前記溶剤収容部の開放された上側を覆ってもよい。前記収容部本体と前記本体カバーは分離可能に結合されてもよい。
【0022】
前記本体カバーには、前記主流路に洗浄水が流入する洗浄水流入口が形成されてもよい。
【0023】
前記本体カバーには、前記溶剤収容部と連通した脱スケール剤投入口が形成され、前記脱スケール剤投入口を開閉する栓をさらに含んでもよい。
【0024】
前記溶剤収容部内の脱スケール剤の残量を検知する残量検知センサーをさらに含んでもよい。前記残量検知センサーは脱スケール溶剤の濃度変化を検知してもよい。
【0025】
食器洗い機は、警報装置、および前記残量検知センサーによって検知された値に基づいて脱スケール剤の補充時期を判断し、前記警報装置を介して前記補充時期が到来したことを表示するように制御する制御部をさらに含んでもよい。前記溶剤収容部内を前記脱スケール剤が投入される空間と、前記残量検知センサーが配置される空間に区分する仕切りをさらに含み、前記仕切りには前記両空間の間に洗浄水の交流が行われるように通孔が形成されてもよい。
【0026】
前記脱スケール剤は粒子または粉末状の有機酸を含んでもよい。前記有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、乳酸およびギ酸からなる群から選択された1種以上で構成されてもよい。
【0027】
食器洗い機は、前記溶剤収容部に収容された洗浄水を殺菌する殺菌装置をさらに含んでもよい。前記殺菌装置は水中に殺菌物質を放出してもよい。
【0028】
前記殺菌装置は水中に紫外線を照射してもよい。
【0029】
食器洗い機は、前記溶剤排出バルブを制御する制御部をさらに含んでもよい。前記制御部は、一連の工程で構成されたサイクル実施回数に基づいて前記溶剤排出バルブが開放されるように制御してもよい。
【0030】
前記制御部は、一連の工程で構成されたサイクルの毎実施時ごとに前記溶剤排出バルブが開放されるように制御してもよい。
【0031】
食器洗い機は、使用者によって脱スケール剤の投入のための特定コースが選択入力される入力部、および前記入力部を介して前記特定コースが選択されると、前記特定コースが実施される間に前記溶剤排出バルブが開放されるように制御する制御部をさらに含んでもよい。前記入力部は、洗浄コースおよび濯ぎコースとは別途に前記特定コースを提供してもよい。
【0032】
食器洗い機は、外部水源から前記脱スケール溶剤供給装置に供給される洗浄水の硬度を検知する硬度センサー、および前記硬度センサーの検知値に基づいて前記脱スケール剤供給装置を介して投入される有機酸の量を設定する制御部をさらに含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一実施形態による洗浄機の主要構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による洗浄機の主要構成を示すブロック図である。
図3図1図2に示された脱スケール剤供給装置の構成を具体化した実施形態である。
図4】本発明の洗浄機の一例として食器洗い機を示す斜視図である。
図5図4の食器洗い機のドアが開放された状態を示すものである。
図6図4の食器洗い機内部の主要構成を示すものである。
図7図6に示された脱スケール溶剤供給装置を示す斜視図である。
図8図7に示された脱スケール溶剤供給装置の平面図である。
図9図8に表示されたA−Aに沿って切開した断面図である。
図10図8に表示されたB−Bに沿って切開した断面図である。
図11図8に表示されたC−Cに沿って切開した断面図である。
図12】脱スケール溶剤供給装置の合流路の構成を示す側面図である。
図13図12のD−Dに沿って切開した断面図を部分的に示すものである。
図14】本発明の他の実施形態による脱スケール溶剤供給装置を示す斜視図である。
図15図14に示された脱スケール溶剤供給装置の透視図である。
図16図14に示された収容部本体の内部を示すものである。
図17図14に示された脱スケール溶剤供給装置の平面図である。
図18】分枝流路の縦断面を示すものである。
図19図17のE−Eに沿って切開した断面図を部分的に示すものである。
図20図17のF−Fに沿って切開した断面図である。
図21】本発明の洗浄機の一例として洗濯機を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1図2は本発明の一実施形態による洗浄機1の主要構成を示すブロック図である。図1図2を参照すれば、本発明の一実施形態による洗浄機1は洗浄水を用いて汚染された被洗浄物を洗浄する装置である。このような洗浄機は、被洗浄物の洗浄のために供給される洗浄水が入れられる洗浄水収容部20、および洗浄水収容部20に供給される洗浄水に脱スケール剤を放出する脱スケール剤供給装置100を含むことができる。
【0035】
脱スケール剤供給装置100は、実施形態により、粒子状または液状の脱スケール剤または脱スケール剤が溶解された溶液を放出することができる。脱スケール剤は洗浄水によって溶解された状態で放出され、以下、脱スケール剤は硬水中の金属イオン(例えば、Ca2+、Mg2+)と結合してスケールの生成を抑制するか、生成されたスケールを除去する物質と定義し、脱スケール剤が溶解された溶液を脱スケール溶剤と定義する。
【0036】
脱スケール剤(descaling agent)は酸組成物をベースにし、例えば、スケール中のアルカリ炭酸塩(alkaline carbonate)などと反応する塩酸、クエン酸(citric acid)、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、乳酸、ギ酸などの有機酸、リン酸(phosphoric acid)、スルファミン酸(Sulfamic acid)などの化学物質が挙げられ、これらの化学物質は粉末または粒子状の固形体は勿論、液状として脱スケール装置に収容されてもよい。特に、クエン酸などの有機酸は人体に無害であり、環境に優しい物質である。
【0037】
特に、有機酸は硬水中の金属イオン(Ca2+、Mg2+など)と結合してスケールの生成を抑制するか、生成されたスケールを除去する能力がある。したがって、適切な時期に脱スケール剤供給装置100を介して有機酸を供給することにより、洗浄水と頻繁に接触する構成、例えば、洗浄水収容部20,20b,20c(図3図5図6図21参照)、被洗浄物が収容される洗浄空間20a,22(図5図21参照)などがスケールによって汚染されることを防止することができる。
【0038】
好ましくは、脱スケール剤供給装置100は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、乳酸およびギ酸からなる群から選択された1種以上で構成された有機酸を投入することができる。これらの有機酸は人体に無害であると知られているだけでなく、微量でも脱スケール効果が立証されたものである。
【0039】
脱スケール剤供給装置100は、有機酸などの脱スケール剤が入れられる溶剤収容部、および前記溶剤収容部から排出される脱スケール溶剤の量を調節する溶剤排出バルブを含むことができる。以下、前記溶剤排出バルブは制御部11(controller)の制御下で開閉されることができる。前記溶剤排出バルブはソレノイドバルブで構成されることができる。
【0040】
一方、脱スケール剤が有機酸を含む場合、有機酸は微量で投入されても脱スケール能力に優れるという点、洗浄水の中に均一に分散されるためには予め溶解が行われた状態で投入されることが有利であるという点、定量的な投入の容易性などを考慮するとき、液状の形態で投入されることが好ましい。
【0041】
洗浄機1は、使用者から各種制御命令の入力を受ける入力部12、洗浄機1の作動の全般を制御する制御部11、および/または洗浄水の硬度を検知する硬度センサー13を含むことができる。
【0042】
入力部12は、使用者から洗浄、濯ぎなどの各種のコース設定命令の入力を受けるか、脱スケール剤供給装置100を介した有機酸の投入時点に対する設定の入力を受けるようにボタン、ダイヤル、タッチパッドなどの様々な入力手段を備えることができる。
【0043】
制御部11は、入力部12を介して入力された設定に応じ、設定された投入時点に前記排出手段が開放されるように制御することができる。
【0044】
実施形態により、制御部11による溶剤排出バルブの制御は、硬度センサー13によって検知された洗浄水の硬度に応じて実施することができる。硬度センサー13は水道蛇口などのような外部水源から供給された洗浄水の硬度を検知することができる。この時の硬度の検知は洗浄水に洗剤などが投入されない状態で実施される。硬度センサー13によって検知された硬度値が大きいほど、制御部11は溶剤排出バルブの開放頻度または開放時間を増加させることができる。
【0045】
洗浄機1に給水される洗浄水の硬度は洗浄機1が設置された地域に応じてその特性が定められるものであり、その地域を抜け出さない限り実質的に一定である。洗浄機1は入力部12を介して脱スケール剤の毎回供給量を設定できる特定機能を提供することができる。この場合、洗浄機1の設置時、その地域の硬度を検知し、その検知された値に応じて入力部12を介して脱スケール剤の供給量を設定すれば、その後の引越しなどの特別な事情が発生しない限り、実質的に脱スケール剤の供給量は変更される必要がない。
【0046】
入力部12を介した脱スケール剤の供給量の設定は、洗浄機1が販売される地域別の特性を考慮して製造会社側で製品出荷前に予め入力できることは勿論である。
【0047】
脱スケール剤供給装置100を介した脱スケール剤の投入は、洗浄機1の毎サイクル(cycle)ごとに実施することができる。通常の全自動洗浄機は、入力部12によって設定されたことに応じて洗浄、濯ぎ、乾燥、脱水などの一連の工程を自動的に行う。これらの一連の工程で1つのサイクルが構成されるとする時、制御部11は毎サイクルごとに溶剤排出バルブが開放されるように制御することができる。
【0048】
あるいは、脱スケール剤供給装置100を介した脱スケール剤の投入はサイクルの実施回数に基づいて実施することができる。洗浄機1はサイクルの実施回数を数えるカウンターを含むことができる。前記カウンターによって数えられたサイクルの実施回数が設定回数に達すれば、制御部11は設定回数に到来したサイクルが実施される間に溶剤排出バルブが開放されるように制御することができる。脱スケール剤供給装置100によって脱スケール剤が供給された後、前記カウンターは初期化され、再びサイクルの実施回数を数えて、実施されたサイクルの回数が設定回数に達する時ごとに反復的に有機酸を投入する。
【0049】
また他の方式で、脱スケール剤供給装置100を介した脱スケール剤の投入は、入力部12を介して所定のコースが選択入力される時に実施することができる。入力部12はスケールの除去または抑制のために脱スケール剤を供給する特定コース(以下、脱スケールコースという。)を提供することができ、脱スケールコースが選択されれば、制御部11は脱スケールコースが実施される間に溶剤排出バルブが開放されるように制御することができる。前記特定コースは、洗浄コースまたは濯ぎコースとは別途に提供されることができる。
【0050】
一方、1つのサイクルは予洗い(prewash)、主洗浄(main wash)、濯ぎ(rinse)および/または加熱濯ぎ(heating rinse)などから構成された一連の工程で構成され、前記工程が実施される間に制御部11は溶剤排出バルブ130が開放されるように制御することができる。この時、溶剤排出バルブの開放時間は実施中の工程に応じて異なるように制御することができる。
【0051】
以上の様々な実施形態において、脱スケール剤供給装置100を介した脱スケール剤の供給は毎回一定量の脱スケール剤が投入されるように、すなわち、定量的に制御されることが好ましく、このために制御部11は既に設定された時間に基づいて溶剤排出バルブの開放時間を制御することができる。
【0052】
以下、図3を参照して脱スケール剤を定量的に投入できる脱スケール剤供給装置100の一例を説明する。
【0053】
図3は、洗浄水を収容する洗浄水収容部20、および洗浄水収容部20に脱スケール溶剤を投入する脱スケール剤供給装置100を示している。脱スケール剤供給装置100は、脱スケール剤dが入れられる溶剤収容部111、給水過程で洗浄水をガイドするが、溶剤収容部111を迂回して洗浄水収容部20にガイドする主流路112、および主流路112から分枝し、主流路112に沿ってガイドされた洗浄水を溶剤収容部111にガイドする分枝流路120を含む。
【0054】
主流路112は、分枝流路120の入口と連結された部分を基準に、上流側に該当する上流側主流路112aと、下流側に該当する下流側主流路112bに区分することができる。
【0055】
粉末または粒子状の脱スケール剤を溶剤収容部111に投入することができる。以下、前記脱スケール剤は有機酸を例に挙げる。
【0056】
溶剤収容部111内で有機酸は全量が洗浄水に溶解されるのではなく、そのうち一部だけが溶解され、残りは沈殿した状態で存在する。すなわち、溶剤収容部111内の洗浄水は、有機酸が消尽して不飽和状態になる前までの十分な時間の間飽和または過飽和状態を維持する。
【0057】
有機酸の供給のために溶剤排出バルブ130が開放される時間は、好ましくは、溶剤収容部111内の洗浄水が不飽和状態に達する前まで約4000〜5000回程度の有機酸の投入が可能となるように設定することができる。
【0058】
溶剤収容部111はその内部に生成された有機酸溶剤を排出する溶剤排出口111hを有し、溶剤排出バルブ130は溶剤排出口111hを開閉する。好ましくは、溶剤排出口111hは給水中には溶剤排出バルブ130によって閉じられた状態を維持する。
【0059】
分枝流路120は溶剤排出口111hより上側に位置して大気と連通する大気連通口123を含む。大気連通口123は溶剤収容部111内に給水が行われる間にも大気と連通することが好ましい。大気連通口123を通じて大気圧が作用するため、溶剤収容部111内に洗浄水が満たされた状態で給水が中断されても、分枝流路120上で大気連通口123の下流側122では水頭が一定に維持される。特に、洗浄水収容部20への給水は溶剤排出口111hが閉じられた状態で行われ、大気連通口123には実質的に一定の大気圧が作用するため、給水の中断時に分枝流路120内の洗浄水は溶剤排出口111hに対して一定の水頭差を維持し、よって、溶剤排出バルブ130の開放時に溶剤収容部111から定量的に有機酸溶剤を放出することができる。特に、溶剤排出口111hに対する分枝流路120内の水位が一定に維持されるため、洗浄機1が用いられる地域的な特性に応じて給水圧が変わっても、溶剤排出口111hを通して有機酸を定量的に放出することができる。
【0060】
一方、溶剤排出バルブ130によって溶剤排出口111hが閉じられた状態で、洗浄水が分枝流路120を介して供給された洗浄水によって溶剤収容部111が満たされると、洗浄水はこれ以上溶剤収容部111内に流入されず、大気連通口123を通して排出される。その後、給水が中断されると、分枝流路120内の全体洗浄水量のうち、下流側分枝流路122内の最大水位Hを超過した水量と、上流側分枝流路121内に残存する水量は、自重によって下降して主流路112に沿って洗浄水収容部20内に流入される。
【0061】
溶剤収容部111が洗浄水で満たされた状態で給水が中断される時、下流側分枝流路122内の水位Hが一定に定められ、前記水位は溶剤排出口111hに対して一定の水頭差ΔHを維持するため、前記水位を水頭差維持水位Hと定義する。タブ20a内の水位は水頭差維持水位H以下に維持されることが好ましい。
【0062】
一方、実施形態において、分枝流路120は流路の最も上端に大気連通口123が形成され、大気連通口123を基準に上流側分枝流路121は上方向に洗浄水をガイドし、下流側分枝流路122は下方向に洗浄水をガイドするように構成されているが、必ずしもこれに限定されるものではない。下流側分枝流路122内の水位が溶剤排出口111hに対して一定の水頭差を維持する範囲内で大気連通口123の位置はいくらでも変更することができる。
【0063】
図4は本発明の洗浄機の一例として食器洗い機1aを示す斜視図である。図5図4の食器洗い機1aのドアが開放された状態を示すものである。図6図4の食器洗い機1a内部の主要構成を示すものである。
【0064】
図4図6を参照すれば、食器洗い機1aは、食器の洗浄のための洗浄水が集まる洗浄水収容部20(図1図3参照。)、および洗浄水の中に脱スケール剤を放出する脱スケール剤供給装置100(図1図3参照。)を含む。
【0065】
また、食器洗い機1aは、食器が洗浄される空間を提供するタブ20a、およびタブ20aに供給するための洗浄水が集まるサンプ20bを含むことができる。サンプ20b内の洗浄水は洗浄ポンプ(図示せず)の作動時にノズル8a,8b,8cを通してタブ20a内に噴射され、このように噴射された洗浄水はタブ20aを満たすと共に再びサンプ20bに集水される循環過程を経る。したがって、食器の洗浄に用いられる洗浄水はタブ20aとサンプ20bに満たされるところ、洗浄水収容部20はタブ20aおよびサンプ20bのうち少なくとも1つを含むものとして定義する。
【0066】
ケーシング4は食器投入口が形成されたキャビネット2、および前記食器投入口を開閉するドア3を含むことができる。ドア3には、取っ手3a、食器洗い機の作動を制御するためのコントロールパネル5、および食器洗い機の作動状態を表示するディスプレイ6を備えらることができる。コントロールパネル5には入力部12を提供することができる。
【0067】
タブ20aの内部には食器が置かれるラック7a,7b、サンプ20bから洗浄水の供給を受けてラック7a,7bに置かれた食器に噴射するノズルが備えられる。ラック7a,7bは複数が備えられることができ、本実施形態では上部ラック7a、および上部ラック7aの下側に下部ラック7bが配置されている。また、色々な方向に洗浄水の噴射が行われるように、ノズル8a,8b,8cは複数が備えられることができ、ノズル8a,8b,8cは上部ラック7aに向かって下方に洗浄水を噴射する上部ノズル8a、上部ラック7aと下部ラック7bとの間に配置され、下部ラック7bに向かって下方に洗浄水を噴射する中間ノズル8b、および下部ラック7bの下側に配置され、上方に洗浄水を噴射する下部ノズル8cを含むことができ、図示されてはいないが、このようなノズルの構成に対応してサンプ20bから各々のノズルに洗浄水をガイドするガイド流路を構成することができ、前記ガイド流路を選択的に断続する流路切換え部(図示せず)をさらに備えることができる。サンプ20bに入れられた洗浄水を前記ガイド流路に圧送する洗浄ポンプ(図示せず)、およびサンプ20b内の洗浄水を加熱するヒーター(図示せず)をさらに備えることができる。
【0068】
食器洗い機1aはサンプ20bに洗浄水を供給する給水装置30を含むことができる。給水装置30はタブ20aとキャビネット2との間に配置されることができる。給水装置30には洗浄水の流動をガイドする流路と、前記流路に沿ってガイドされた洗浄水が入れられる水チャンバーが備えられ、原水(例えば、水道水)が流入する給水ホースと連結される給水ホース連結口32a、給水ホース連結口32aに入ってくる原水の量を検知する流量計33、流入した洗浄水が貯蔵される水チャンバー31、および給水が中断しても継続して原水が流入するサイフォン現象を防止するために流路を大気と連通させる通気口(図示せず)を含むことができる。
【0069】
図3に示すように、溶剤収容部53を給水装置30と独立して備えることも可能であるが、実施形態によっては給水装置30に形成された水チャンバーで実現することも可能である。この場合、前記水チャンバーは溶剤排出口53hを有し、分枝流路52は前記水チャンバーと連結される。脱スケール剤供給装置100は有機酸を給水装置30に備えられた洗浄水の流路上に放出することができる。
【0070】
また他の実施形態によれば、脱スケール剤供給装置100から排出された脱スケール溶剤がサンプ20bを経由せず、タブ20a内に直接投入されるように構成することができる。
【0071】
給水装置30は、サンプ20bから食器の洗浄に用いられた洗浄水が排出ガイドされるサンプ排水流路(図示せず)と連結されるサンプ排水連結口32c、および前記排水ポンプに流入する洗浄水をガイドする排水ポンプ流入流路(図示せず)と連結する排水ポンプ流入連結口32dをさらに含むことができる。
【0072】
洗浄ポンプは、サンプ20b内の洗浄水をノズル8a,8b,8c側にガイドする洗浄水ガイド(図示せず)、前記洗浄水ガイド内に回転可能に備えるインペラー、および前記インペラーを回転させる洗浄モーターを含むことができる。
【0073】
サンプ20bに給水する洗浄水を断続する給水バルブ(図示せず)をさらに備えることができる。実施形態により、給水装置30からサンプ20bに給水される場合、前記給水バルブは給水装置30から排出される洗浄水を断続するように備えられることができ、外部水源から直接サンプ20bに給水が行われる場合には前記外部水源からの給水を断続するように備えられることができる。前記給水バルブ、洗浄モーターなどの動作は制御部11の制御によって行われる。
【0074】
サンプ20bとタブ20aは連通しており、ノズル8a,8b,8cを通して噴射が行われた洗浄水が再びタブ20aからサンプ20aに流入される。さらに、タブ20aはサンプ20bを通して脱スケール溶剤供給装置100の洗浄水排出口112hとも連通しており、よって、タブ20aの水位に応じて洗浄水排出口112hに作用する水圧も変わる。
【0075】
また、サンプ20bにはフィルター(図示せず)がさらに備えられており、この場合、ノズル8a,8b,8cを通してタブ20a内に噴射された洗浄水は前記フィルターを経由して濾過された後、サンプ20bに再び流入する。
【0076】
また、食器洗い機1aは洗浄水に洗剤またはリンスを投入する添加剤投入機構を含むことができ、前記添加剤投入機構は洗浄工程または濯ぎ工程の決まったステップで洗浄用洗剤または濯ぎ用リンスをタブ20a内に投入する。
【0077】
図7は本発明の他の実施形態による脱スケール溶剤供給装置100aを示す斜視図である。図8図7に示された脱スケール溶剤供給装置100aの平面図である。図9図8に表示されたA−Aに沿って切開した断面図である。図10図8に表示したB−Bに沿って切開した断面図である。図11図8に表示したC−Cに沿って切開した断面図である。図12は脱スケール溶剤供給装置100bの合流路Uの構成を示す側面図である。図13図12のD−Dに沿って切開した断面図を部分的に示すものである。以下、これらの図面を参照して本発明の他の実施形態による脱スケール溶剤供給装置100aについて具体的に説明する。
【0078】
脱スケール溶剤供給装置100aは、脱スケール剤が入れられる溶剤収容部111、給水過程で洗浄水をガイドするが、溶剤収容部111を迂回してサンプ20bにガイドする主流路112、および主流路112から分枝し、主流路112に沿ってガイドされた洗浄水を溶剤収容部111にガイドする分枝流路123を含む。
【0079】
主流路112は、分枝流路123の入口と連結された部分を基準に、上流側に該当する上流側主流路112aと、下流側に該当する下流側主流路112bに区分することができる。このような定義によれば、後述する溶剤合流路Uは下流側主流路112bに属する。
【0080】
溶剤収容部111はその内部に生成された脱スケール溶剤を排出する溶剤排出口111hを有する。溶剤排出口111hを開閉する溶剤排出バルブ130をさらに備えることができる。好ましくは、溶剤排出口111hは給水中には溶剤排出バルブ130によって閉じられた状態に維持される。収容部本体110には溶剤排出バルブ130を設けるためのサポーター127を形成することができる。溶剤排出バルブ130は制御部11の制御下で動作されるソレノイドバルブであってもよい。
【0081】
溶剤収容部111は仕切り115によって第1収容部111aと、第2収容部111bに区分することができる。脱スケール剤は第1収容部111a内に投入され、仕切り115は第1収容部111aと第2収容部111bとの間に洗浄水の交流が許容されるように複数の通孔(図示せず)を形成することができる。第1収容部111a内に粉末または粒子状の脱スケール剤が投入される場合、溶剤収容部111内は投入された脱スケール剤が部分的に溶解された飽和または過飽和状態である。この時、溶解された脱スケール剤成分は前記通孔を通して第2収容部111b内に拡散されるか、溶解しない沈殿物は仕切り115によって第2収容部111bへの移動が制限される。好ましくは、溶剤排出口111hは第2収容部111bと主流路112を連通させ、この場合、溶剤排出口111hを通して未溶解状態の脱スケール剤を排出するのが防止される。
【0082】
食器洗い機1aは溶剤収容部111内の脱スケール剤の残量を検知する残量検知センサー(図示せず)をさらに含むことができる。前記残量検知センサーは脱スケール溶剤の濃度変化を検知するセンサーで構成することができる。前記残量検知センサーは第2収容部111b内に配置されることができる。食器洗い機は溶剤排出バルブ130、洗浄ポンプ、排水ポンプなどの各種構成を制御する制御部(図示せず)を含むことができ、前記制御部は前記残量検知センサーによって検知された値に基づいて脱スケール剤の補充時期を判断することができ、前記補充時期の到来時、ディスプレイ4および/またはアラーム(図示せず)などの警報装置を介して使用者が認知できるように表示することができる。
【0083】
分枝流路123は溶剤排出口111hより上側に位置して大気と連通する大気連通口123dを含む。大気連通口123dは溶剤収容部111内に給水が行われる間にも大気と連通することが好ましい。大気連通口123dを通じて大気圧が作用するため、溶剤収容部111内に洗浄水が満たされた状態で給水が中断されても、分枝流路123上で大気連通口123dの下流側123bでは水頭が一定に維持される。特に、サンプ20bへの給水は溶剤排出口111hが閉じられた状態で行われ、大気連通口121dには実質的に一定の大気圧が作用するため、給水中断時に分枝流路123内の洗浄水は溶剤排出口111hに対して一定の水頭差を維持し、よって、溶剤排出バルブ130の開放時に収容部111から定量的に脱スケール溶剤を放出することができる。特に、溶剤排出口111hに対する分枝流路123内の水位が一定に維持されるため、食器洗い機が用いられる地域的な特性に応じて給水圧が変わっても、溶剤排出口111hを通して脱スケール溶剤を定量的に放出することができる。
【0084】
脱スケール溶剤供給装置100aは、溶剤収容部111を形成する収容部本体110、および溶剤収容部111内に供給される洗浄水が流入される洗浄水流入口122が形成された本体カバー220を含むことができる。脱スケール剤の投入と補充が容易になるように、本体カバー220を収容部本体110と分離可能に結合することができる。
【0085】
以下、洗浄水流入口122には給水装置30から洗浄水が流入することとして説明するが、必ずしもこれに限定されるものではなく、ホースを通して水道蛇口などの外部水源から直接洗浄水が流入してもよい。
【0086】
収容部本体110は主流路112を含む。主流路112は洗浄水排出口112fを通してサンプ20bと連通して洗浄水をサンプ20bに供給する。主流路112は洗浄水排出口112fが形成されたホース連結部112eを含み、ホース連結部112eにはサンプ20bと洗浄水排出口112fを連通させるホース(図示せず)を連結することができる。主流路112は洗浄水が溶剤収容部111を迂回して洗浄水排出口112fに達するように形成される。
【0087】
分枝流路123は主流路112に沿ってガイドされる洗浄水の一部が分枝して流れる流路であり、本体カバー120によって形成することができる。収容部本体110は脱スケール剤の投入または補充のために上側が開放されており、本体カバー120は前記開放された上側を覆う。本体カバー120は収容部本体110の開放された上側を覆うカバー部121を含む。本実施形態において、主流路112は上側が開放された構造であり、その開放された部分がカバー部121によって覆われることによって、洗浄水がガイドされる間に脱スケール溶剤供給装置100aの外部に氾濫(overflowing)することが防止される。
【0088】
分枝流路123はカバー部121から上側に延び、上端部に大気連通口123dを形成することができる。分枝流路123は、大気連通口123dを基準に上流側に該当する上流側分枝流路123a、および下流側に該当する下流側分枝流路123bを含むことができる。上流側分枝流路123aは主流路112から流入された洗浄水を上側方向にガイドする上方向ガイド流路であってもよく、下流側分枝流路123bは上流側分枝流路123aから排出された洗浄水を下方向にガイドする下方向ガイド流路であってもよい。
【0089】
上流側分枝流路123aの出口123oは下流側分枝流路123bの入口123iと分離しており、両者の間には上流側分枝流路123aの出口123oから排出された洗浄水が下流側分枝流路123bの入口123iに流入される過程で経由する中間流路123cが形成されている。中間流路123cは大気連通口123dを通して大気と連通する。分枝流路123は洗浄水がサンプ20bに供給される間にも大気連通口123dを通して大気と連通できる。溶剤排出バルブ130によって溶剤排出口111hが閉じた状態で、分枝流路123を介して供給された洗浄水によって溶剤収容部111が満たされると、洗浄水はこれ以上溶剤収容部111内に流入されず、大気連通口123dを通して給水装置30内に流入される。
【0090】
その後、給水が中断すると、分枝流路123内の全体洗浄水量のうち、入口123i高さを超過した水量と、上流側分枝流路123a内に残存する水量は、自重によって下降して主流路112に逆流して洗浄水排出口112fを通してサンプ20b内に流入する。実施形態において、下流側分枝流路123bは流路上で最も上側に入口123iが位置し、よって、給水中断時に下流側分枝流路123b内の最大水位は入口123i以下に制限される。すなわち、溶剤収容部111が洗浄水で満たされた状態で給水が中断される時、下流側分枝流路123b内の水位H2が一定に定められ、前記水位は溶剤排出口111hに対して一定の水頭差(H2−H0)を維持するため、前記水位を水頭差維持水位H2と定義する。
【0091】
実施形態では、分枝流路123は流路の最も上端に大気連通口123dが形成され、大気連通口123dを基準に上流側分枝流路123aは上方向に洗浄水をガイドし、下流側分枝流路123bは下方向に洗浄水をガイドするように構成されているが、必ずしもこれに限定されるものではない。下流側分枝流路123b内の水位が溶剤排出口111hに対して一定の水頭差を維持する範囲内で大気連通口123dの位置はいくらでも変更することができる。
【0092】
図13を参照すれば、上流側分枝流路123aの出口123oは下流側分枝流路123bの入口123iに比べて面積を小さく形成することが好ましい。出口123oの面積が入口123iの面積に比べて一定の比率以上になると、大気連通口123dを通して排出される流量が増加して、溶剤収容部111に円滑に洗浄水の供給が行われないという問題が発生する。好ましくは、出口123oの面積が入口123iの面積の1/10以下である。
【0093】
一方、主流路112は溶剤排出口111hから排出された脱スケール溶剤が流入される溶剤合流路Uを含むことができる。溶剤合流路Uは主流路112の一部区間であり、洗浄水が溶剤合流路Uを経由する過程で溶剤排出口111hを通して排出された脱スケール溶剤と共に流動する。溶剤排出口111hは溶剤合流路Uと連通し、よって、主流路112に沿ってガイドされた洗浄水の流動が停止した状態(すなわち、溶剤合流路U内が空いているか、溶剤合流路U内が洗浄水によって満たされてはいるものの流動がない状態)で溶剤排出バルブ130が開放されると、溶剤合流路U内に脱スケール溶剤が溜まるようになる。
【0094】
溶剤合流路Uは給水が中断されてもその内部に一定量の洗浄水を収容するように構成されることが好ましく、このために、溶剤合流路Uは洗浄水を下方向にガイドする下方向ガイド流路112c、および下方向ガイド流路112cに沿ってガイドされた洗浄水を上方向にガイドする上方向ガイド流路112dを含むことができる。実施形態において、溶剤合流路UはU字型で形成され、溶剤排出口111hは溶剤合流路U内に位置し、特に、溶剤合流路U上で流動の方向が転換される部分に位置することができる。給水が中断された状態で溶剤合流路U内の水位は洗浄水排出口112fの位置に応じて定められることができる。
【0095】
溶剤合流路U内に洗浄水がない状態で溶剤排出バルブ130が開放される時には、水圧によって自然に脱スケール溶剤が溶剤合流路Uに排出されるか、タブ20a内に所定水位の洗浄水が存在する状態で溶剤排出バルブ130を開放させる時には、上方向ガイド流路112dからサンプ20bを経てタブ20aに達する区間は洗浄水で満たされているため、タブ20a内の洗浄水の水位に応じてはむしろ上方向ガイド流路112dから溶剤収容部111内に洗浄水が逆流する。したがって、溶剤排出バルブ130の開放時点にタブ20a内の水位は水頭差維持水位H2よりは低くなければならない。このために、タブ20aにはその内部の水位が水頭差維持水位H2を超過しないように、水頭差維持水位H2より低い位置に洗浄水をタブ20a外部に排出する排出口(図示せず)を形成することができる。実施形態により、タブ20a内の水位を検知する水位検知センサー(図示せず)を備えることができ、この場合、制御部は前記水位検知センサーによって検知された水位に応じて給水を中断するように制御することによって、タブ20a内の水位を水頭差維持水位H2未満に制限することができる。
【0096】
一方、給水完了時、タブ20a内の水位H1が洗浄水排出口112fの位置と同一である場合、溶剤排出口111h(基準水位H0)には溶剤収容部111内に満たされた洗浄水から作用する水圧(P1=ρ・g・H2、ρ=洗浄水の密度、g=重力加速度)と、溶剤収容部111の外部から作用する水圧、すなわち、タブ20a水位から作用する水圧(P2=ρ・g・H1)間の圧力差(ΔP=ρ・g・(H2−H1))によって溶剤収容部111から主流路112に脱スケール溶剤の排出が定量的に行われる。ここで、洗浄水の密度ρは実際には溶剤収容部111内と上流側ガイド流路112d内とが互いに異なるが、洗浄水に溶解される脱スケール剤は極めて微量である故、それによる影響は無視した。
【0097】
図14は本発明のまた他の実施形態による脱スケール溶剤供給装置200を示す斜視図である。図15図14に示された脱スケール溶剤供給装置200の透視図である。図16図14に示された収容部本体210の内部を示すものである。図17図14に示された脱スケール溶剤供給装置200の平面図である。図18は分枝流路223の縦断面を示すものである。図19図17のE−Eに沿って切開した断面図を部分的に示すものである。図20図17のF−Fに沿って切開した断面図である。
【0098】
図14図20を参照すると、本発明の実施形態による脱スケール溶剤供給装置200は、収容部本体210、本体カバー220、および溶剤排出バルブ130を含む。
【0099】
収容部本体210は、脱スケール溶剤を収容する溶剤収容部211、および給水過程で洗浄水をガイドするが、溶剤収容部211を迂回してサンプ20bと連通した洗浄水排出口にガイドする主流路212を含む。前記洗浄水排出口はサンプ20bと連通したホース(図示せず)が連結されるホース連結部112fに形成されることができる。
【0100】
溶剤収容部211を2以上の空間に区分する少なくとも1つの仕切り215を備えることができる。実施形態において、溶剤収容部211は2個の仕切り215によって第1収容部211aと、第2収容部211bと、第3収容部211cに区分され、第1収容部211aに粉末または粒子状の脱スケール剤が投入され、第2収容部211bが溶剤排出口211hを通して主流路212と連通している。
【0101】
仕切り215は収容部間に洗浄水の交流が許容されるように複数の通孔215hを形成することができる。実施形態において、通孔215hはスリット状で形成されているが、その形態はいくらでも変更できることは勿論である。
【0102】
第2収容部212bおよび第3収容部212cのうち少なくとも1つには脱スケール剤の残量を検知する残量検知センサー(図示せず)を配置することができる。前述した実施形態と同様に、制御部は前記残量検知センサーによって検知された値に基づいて脱スケール剤の補充時期を判断することができ、前記補充時期の到来時、ディスプレイ4またはアラーム(図示せず)を介して使用者が認知できるように表示することができる。
【0103】
分枝流路223は主流路212に沿ってガイドされる洗浄水の一部が分枝して流れる流路であり、本体カバー220によって形成されることができる。本体カバー220は収容部本体210の開放された上側を覆う。本体カバー220は脱スケール剤投入口226が形成されたカバー部121を含むことができ、分枝流路223はカバー部221から上側に延び、上端部に大気連通口223dを形成することができる。分枝流路223は、大気連通口223dを基準に上流側に該当する上流側分枝流路223a、および下流側に該当する下流側分枝流路223bを含むことができる。上流側分枝流路223aは主流路212から流入された洗浄水を上側方向にガイドする上方向ガイド流路であってもよく、下流側分枝流路223bは上流側分枝流路223aから排出された洗浄水を下方向にガイドする下方向ガイド流路であってもよい。
【0104】
脱スケール剤投入口226を開閉する投入口栓240をさらに備えることができる。本体カバー220を収容部本体210から分離しなくても、栓240を開いて脱スケール剤を補充することができる。
【0105】
上流側分枝流路223aの出口223oは下流側分枝流路223bの入口223iと分離しており、両者の間には上流側分枝流路223aの出口223oから排出された洗浄水が下流側分枝流路223bの入口223iに流入する過程で経由する中間流路223cが形成されている。中間流路223cは大気連通口223dを通して大気と連通する。前述した実施形態と同様に、上流側分枝流路223aの出口223oはその面積が下流側分枝流路223bの入口223iに比べて小さく形成されることが好ましい。
【0106】
分枝流路223は洗浄水がサンプ20bに供給される間にも大気連通口223dを通して大気と連通できる。溶剤排出バルブ230によって溶剤排出口211hが閉じられた状態で、洗浄水が分枝流路223を通して流動して溶剤収容部211が満たされると、洗浄水がこれ以上溶剤収容部211内に流入されず、大気連通口223dを通して給水装置30内に流入される。
【0107】
主流路212は溶剤排出口211hから排出された脱スケール溶剤が流入される溶剤合流路Uを含むことができる。溶剤合流路Uは主流路212の一部区間であり、洗浄水が溶剤合流路Uを経由する過程で溶剤排出口211hを通して排出された脱スケール溶剤と共に流動する。溶剤排出口211hは溶剤合流路Uと連通し、よって、主流路212に沿ってガイドされた洗浄水の流動が停止した状態(すなわち、溶剤合流路U内が空いているか、溶剤合流路U内が洗浄水によって満たされてはいるものの流動がない状態)で溶剤排出バルブ130が開放されると、溶剤合流路U内に脱スケール溶剤が溜まるようになる。
【0108】
溶剤合流路Uは給水が中断されてもその内部に一定量の洗浄水を収容するように構成されることが好ましく、このために、溶剤合流路Uは洗浄水を下方向にガイドする下方向ガイド流路212c、および下方向ガイド流路212cに沿ってガイドされた洗浄水を上方向にガイドする上方向ガイド流路212dを含むことができる。実施形態において、溶剤合流路UはU字型で形成され、溶剤排出口211hは溶剤合流路U上で流動の方向が転換される部分と連通している。図20において、H3は給水が中断された状態で溶剤合流路Uに残留する洗浄水の水位を表わしたものである。
【0109】
主流路212は分枝流路223の入口と連通した部分を基準に、上流側に該当する上流側主流路212aと、下流側に該当する下流側主流路212bに区分することができる。このような定義によれば、溶剤合流路Uは下流側主流路222bに属する。
【0110】
溶剤排出バルブ230の開放時点にタブ20a内の水位は水頭差維持水位H2よりは低くなければならない。このために、タブ20aにはその内部の水位が水頭差維持水位H2を超過しないように、水頭差維持水位H2より低い位置に洗浄水をタブ20aの外部に排出する排出口(図示せず)を形成することができる。前述した実施形態と同様に、タブ20a内の水位を検知する水位検知センサー(図示せず)を備えることができ、この場合、制御部は前記水位検知センサーによって検知された水位に応じて給水が中断されるように制御することによって、タブ20a内の水位を水頭差維持水位H2未満に制限することができる。
【0111】
本体カバー220には、部品の共用性のために、給水装置に備えられた不要な洗浄水排出口と連結される第1連結口224と第2連結口225を形成することができる。第1連結口224および第2連結口225のうちいずれか1つを通して流入された洗浄水は他の1つを通して排出される単一な流動を形成する。収容部本体210には第1連結口224および第2連結口225の他には開放されたところのない空間216が形成される。
【0112】
実施形態により、給水装置30は、洗浄水が軟水装置に流入されるように前記軟水装置と連結される軟水装置連結口(図示せず)、および洗浄水が前記軟水装置を再生させる再生器に流入されるように前記再生器と連結される再生器連結口(図示せず)をさらに含むことができる。ところで、本実施形態のように脱スケール溶剤供給装置200が備えられる場合は、別途の軟水装置が不要であるため、前記軟水装置連結口と再生器連結口も不要である。したがって、前記軟水装置連結口と第1連結口224を連結し、前記再生器連結口と第2連結口225を連結することによって、給水装置30の水チャンバーから前記軟水装置連結口を通して排出された洗浄水が第1連結口224と第2連結口225を順に経て再び前記再生器連結口を通して再び前記水チャンバーに流入されるようにする。軟水装置連結口と再生器連結口を有する給水装置を構造変更なしで活用することができるので部品共用性が向上するという効果がある。
【0113】
以上の実施形態による食器洗い機において、脱スケール溶剤が供給される過程は次の通りである。
【0114】
溶剤排出バルブ230によって溶剤排出口111h,211hが閉じられた状態で給水装置30を介して給水が行われる。主流路112,212に沿って流動された洗浄水がホース連結部112e,212fと連結されたホースを介してサンプ20bに供給され、洗浄ポンプによって圧送されてノズル8a,8b,8cを通してタブ20a内に噴射される。実施形態により、給水を断続する給水バルブ(図示せず)を備えることができ、給水バルブ、洗浄ポンプなどの動作は制御部の制御によって行われる。
【0115】
水位検知センサーによって検知されたタブ20a内の水位が既に設定された水位に達するか、流量計33によって検知された給水量が既に設定された水量に達するなどの所定条件の満足時、制御部は給水バルブが遮断されるように制御する。
【0116】
その後、制御部は、所定の時点に溶剤排出バルブ130,230を開放させ、溶剤収容部111,211から溶剤合流路Uに脱スケール溶剤が排出されるようにし、その後、再び給水バルブを開放することによって洗浄水が溶剤合流路Uを経てサンプ20bにさらに供給されるようにする。ここで、脱スケール溶剤が定量的に供給されるために、溶剤排出バルブ130,230の開放は時間に基づいて制御されることが好ましい。すなわち、溶剤排出バルブ130,230の開放時間を一定に制御することによって、脱スケール溶剤供給装置100a,200を介して毎回供給される脱スケール溶剤の量を一定に制御することができる。
【0117】
一方、以上の実施形態による食器洗い機は溶剤収容部111,211内に収容された洗浄水を殺菌する殺菌装置(図示せず)をさらに含むことができる。前記殺菌装置は水中に抗菌物質を放出する装置であってもよく、または、水中に紫外線を照射するUVランプを含んでもよい。
【0118】
図21は本発明の洗浄機の一例として洗濯機1bを示すものである。図21を参照すれば、洗濯機1bは、ケーシング10、ケーシング10内に配置され、洗濯物を洗浄するための洗浄水が入れられるタブ20c、タブ20c内に配置され、洗濯物が挿入されるドラム22、および洗浄水の中に有機酸を放出する脱スケール剤供給装置を含むことができる。前記脱スケール剤供給装置は、前述した実施形態による脱スケール剤供給装置100,100a,200のうちどちらでもよい。
【0119】
また、洗濯機1bは、ドラム22を回転させる駆動部35、外部水源からの給水を断続する給水バルブ25、およびタブ20cから洗浄水を排出させるタブ排出ホース42を含むことができる。本実施形態において、洗浄水収容部20(図1図3参照)はタブ20cを含む。
【0120】
ケーシング10は、洗濯機1bの外観を形成し、前面と上面が開放されたキャビネット2a、洗濯物が出入りできるように洗濯物出入口が形成され、キャビネット2aの前面に結合されるフロントカバー17、フロントカバー17の上側に備えられ、使用者インターフェースを提供するコントロールパネル5a、およびキャビネット2aの上側に備えられるトップカバー19を含むことができる。
【0121】
コントロールパネル5aには使用者から各種制御命令の入力を受ける入力部12(図2参照。)を備えることができる。既にプログラム化された様々なコースが入力部12を介して選択されることができる。制御部11(図2参照)は洗濯機1bの作動全般を制御すると共に、入力部12を介して入力された設定に応じて駆動部35、給水バルブ25などの様々な構成の作動を制御することができる。
【0122】
ケーシング10とタブ20cとの間にはガスケット37が備えられる。ガスケット37は前端がケーシング10と結合され、後端がタブ20cの開口された前面の周縁に沿って結合される。したがって、タブ20cに入れられた洗浄水がタブ20cとケーシング10との間で漏れることが防止される。また、ガスケット37は柔軟な材質のゴムや合成樹脂材からなり、周縁に沿って形成されたシワが折り畳められることによってタブ20cの振動を緩衝させる。
【0123】
フロントカバー17には洗濯物出入口を開閉するためのドア15が回転可能に備えられる。コントロールパネル5aには、洗濯機1bの各種の状態情報を表わす表示部(図示せず)、および使用者から洗濯コース、各工程別の作動時間および予約などの各種制御命令の入力を受ける入力部12を備えることができる。
【0124】
洗濯機1bは、洗濯洗剤、繊維柔軟剤または漂白剤などの添加剤を収容する洗剤ボックス(図示せず)、および前記洗剤ボックスが引き出し可能に収容される洗剤ボックスハウジング34を含むことができる。前記洗剤ボックスはフロントカバー17の前面を通して引き出し可能に備えられる。洗剤ボックスハウジング34はタブ20cと連通し、洗浄水の供給時に前記洗剤ボックス内の洗剤が洗浄水と混合された後、洗剤ボックスハウジング34を通してタブ20c内に流入される。
【0125】
タブ20cはスプリング24によってトップカバー19にぶら下げられ、ダンパー26によって支持される。よって、スプリング24とダンパー26によってタブ20cの振動が緩衝される。ドラム22は駆動部35によって回転し、内側には回転時に洗濯物を汲み上げるためのリフター29が備えられる。
【0126】
給水バルブ25は1つ以上が備えられてタブ20c内に供給される洗浄水を断続する。水道蛇口などの外部水源と連結されて洗浄水を供給する1つ以上の給水ホース27を備えることができ、給水バルブ25は給水ホース27を断続することができる。また、給水ホース27を介して供給された洗浄水を前記洗剤ボックスに分配する分配器(図示せず)をさらに備えることができる。前記洗剤ボックスには洗濯用洗剤、濯ぎ用リンス、漂白剤などの添加剤が互いに混合されずに区切られて収容されることができ、制御部11の制御下で既に設定された時期に前記分配器を通じて各区切られた収容空間に給水が行われることによって、タブ20c内に添加剤を供給することができる。
【0127】
給水ホース27を通して流入された洗浄水がタブ20cに供給されるまで流動する経路を給水流路と定義する時、脱スケール剤供給装置100,100a,200は給水流路上に脱スケール剤(好ましくは、有機酸)を投入するように構成することができる。この場合、制御部11は、給水流路を通した給水が行われる間に脱スケール剤が投入されるように溶剤排出バルブ130,230を制御することができる。
【0128】
これに限らず、実施形態により、脱スケール剤供給装置100,100a,200はタブ20cまたはドラム22内に直接有機酸を投入することも可能である。この場合、脱スケール剤供給装置100,100a,200は給水流路と独立してタブ20cまたはドラム22と連通した有機酸排出口を有することができる。
【0129】
また、洗濯機1bは、タブ20cと連通した排水ベローズ42、および排水ベローズ42を通して流入された洗浄水を排水ホース43で圧送する排水ポンプ60をさらに含むことができる。
【0130】
本発明の洗浄機は脱スケール溶剤を定量的に供給できるという効果がある。特に、脱スケール溶剤の供給が給水偏差、給水圧力に影響を受けることなく一定に行われることができるため、必要な量だけの脱スケール溶剤を供給することができる。
【0131】
また、本発明の洗浄機は、脱スケール溶剤が自動で供給されるために非常に便利であるだけでなく、必要な量だけの脱スケール溶剤を供給することによって、消費される脱スケール剤の量を最小化し、供給過多によって製品の耐久性が落ちる問題を防止できるという効果がある。
【0132】
本発明の洗浄機は、脱スケール剤としてクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、乳酸、ギ酸などを用いることができ、これらの物質は脱スケール効果に優れるだけでなく、被洗浄物に残留しても人体に無害であり、且つ、環境に優しいものである。
【0133】
また、本発明の洗浄機は、脱スケール剤を自動で投入する装置を備えることによって、従来、使用者が直接で随時に清掃していた手間を減らすことができ、常に清潔状態を維持できるという効果がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図18
図19
図20
図21