(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技球の始動入賞口への入賞を契機として当り抽選を行う当り抽選手段と、前記当り抽選手段による抽選結果の報知に伴う演出パターンを決定する演出決定手段を備えた演出制御部と、前記演出決定手段により決定された演出パターンに基づいて演出の実行を制御する演出実行制御部と、遊技者による操作を演出に関与させるための介入操作部とを有する遊技機であって、
前記演出パターンには、前記介入操作部への遊技者による操作により演出態様が変化する第1演出と、該第1演出が所定の結果となった後に実行される第2演出とが含まれ、
前記演出制御部は、
前記演出決定手段により前記第1演出が決定された場合に、前記第1演出の実行を指示するための第1演出コマンドを前記演出実行制御部に送信し、
前記第1演出が前記所定の結果となる場合に、前記第2演出の実行を指示するための第2演出コマンドを前記演出実行制御部に送信するコマンド送信手段を備え、
前記コマンド送信手段は、前記第1演出が前記所定の結果とならない場合、前記第2演出の実行をするか否かの抽選結果に応じて、前記第2演出コマンドを前記演出実行制御部に送信するときと、しないときがあり、
前記演出制御部は、前記介入操作部からの入力信号に基づいて、遊技者による操作タイミングを判定する判定手段を有し、
前記演出実行制御部は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記第1演出又は前記第2演出の実行を制御することを特徴とする遊技機。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機等の遊技機は、制御系として、遊技の実行を制御する主制御部、主制御部からの制御コマンドを受信して演出の実行を制御する演出制御部、演出制御部からの制御コマンドを受信して演出図柄表示装置における演出図柄の変動表示演出を制御する図柄制御部等を有している。遊技機の主制御部は、遊技盤内に打ち出された遊技球の始動入賞口への入賞を契機として当り抽選を行い、その当り抽選の結果に基づいて変動パターンを決定し、その決定した変動パターンを演出制御部に通知する。演出制御部は、通知された変動パターンに応じて演出パターンを決定し、変動パターン及び演出パターンを図柄制御部に通知する。図柄制御部は、通知された演出パターンに基づいて、演出図柄表示装置における演出図柄の変動表示演出の実行を制御する。そして、変動パターンで指定された変動時間経過後に所定の演出図柄の組合せを停止表示させ、遊技者に当り抽選の結果を報知する。そして、当り抽選の結果が何らかの当りであった場合に、主制御部は遊技者にとって有利な当り遊技を実行する。
【0003】
ここで、演出パターンは複数種類用意されており、演出図柄表示装置における多彩な表示演出は遊技者の遊技意欲を高めるものであるが、演出パターンは遊技機により一方的に決定されてしまうため、遊技者は遊技への関与意識が乏しくなる。
このため、近年では、遊技機本体に操作ボタン等を設け、遊技者が当該操作ボタンを押下した時に演出態様が変化する遊技者参加型の演出を実行可能な遊技機が存在する。例えば、特許文献1に記載の遊技機は、抽選結果によって第1の画像を表示し、その後、遊技者がボタンを押した時に第2の画像を表示し、これらの第1の画像と第2の画像との組合せによって大当り期待度を報知している。
【0004】
また、特許文献2に記載の遊技機では、演出図柄表示装置に「連打ゲーム開始」という表示が行われてから遊技者がボタンを押すと、演出図柄のコマ数が進行又は後退し、演出図柄のコマ進行数が所定数に達した時に抽選結果を報知する画像を表示する。また、内部的にハズレの場合は、演出図柄のコマ進行数が所定数に達しないように表示制御を行い、内部的に大当りの場合にボタンの押下が行われない場合は、ハズレ画像を表示させた後に当りを報知する画像に変化させる。
【0005】
このような遊技者参加型の演出では、一般的に上記のように遊技者参加型の演出の結果次第で特定の画像を表示する制御が行われている。このような制御を行うために、従来における遊技機の演出制御部は、例えば、遊技者参加型の演出Aの実行開始時に、演出Aのコマンドと、演出Aの結果次第で実行される特定の演出Bのコマンドとの両方を、図柄制御部に送信している。そして、図柄制御部は、
図15に示す制御処理を行っている。すなわち、図柄制御部は、演出制御部から変動パターンコマンドを受信し(ステップS401;Yes)、演出Aのコマンドを受信した場合(ステップS402;Yes)、さらに演出Bのコマンドも受信することとなる(ステップS403)。これにより、図柄制御部は、遊技者参加型の演出Aの実行を演出図柄表示装置において開始するとともに、演出Bの実行準備を行う。演出Aの実行中に、例えば演出図柄のコマ進行数が所定数に達することにより演出Aが成功したと判断された場合(ステップS404;Yes)、図柄制御部は準備しておいた演出Bを実行する(ステップS405)。一方、演出Aが成功しなかった場合は(ステップS404;No)、図柄制御部は、演出Bのコマンドを受信して演出Bの実行準備をしておいたにもかかわらず、演出Bを実行しない(ステップS406)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明を実施するための第1実施形態を添付図面を参照しながら詳述する。
(遊技機の構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技機100の外観斜視図である。図示するように、遊技機100は、外枠10と、ヒンジ機構12により外枠10に蝶着された内枠14とを備え、内枠14の正面上部には開閉自在なガラス枠ユニット16で覆われた遊技盤18が設けられている。
【0013】
ガラス枠ユニット16の周囲には、電球やLED等からなる表示灯40が設けられている。当該表示灯40は、遊技中の演出や機器の状態(例えば、機器のエラーやガラス枠ユニット16等の開閉状態)等と連動して点灯又は消灯する。このガラス枠ユニット16の左右上角部には、効果音を出力するスピーカ42が設けられている。また、遊技盤18の下方には受皿ユニット28が設けられており、当該受皿ユニット28は、図示せぬ貸玉装置から供給された遊技球や払い出された賞球を一時的に貯留すると共に、貯留した遊技球を図示せぬ発射装置に供給する。受皿ユニット28の前面部には、介入操作部としての演出ボタン46が設けられている。演出ボタン有効期間中に遊技者がこの演出ボタン46を押下することで、実行中の演出態様を変化させることができる。
【0014】
この遊技盤18とガラス枠ユニット16との間には、
図2に示すように、案内レール20によって区画された円形状の空間である遊技領域22が形成されている。遊技者による発射ハンドル34の操作により、遊技球が案内レール20を介して遊技領域22の上部に打ち込まれると、その自重によって遊技領域22内を落下し、その一部が遊技盤18に形成された各種入賞口に入賞する。入賞しなかった遊技球は、遊技盤18底部に設けられたアウト口26から遊技領域22外へ排出される。ここで「入賞」とは、遊技球が入賞口の内部に取り込まれる、或いは、通過ゲートを遊技球が通過することにより、所定の遊技球が払い出される、いわゆる賞球が行われることである。
【0015】
また、この遊技盤18のほぼ中央部には、例えば液晶ディスプレイからなる演出図柄表示装置30が設けられている。この演出図柄表示装置30は、遊技盤18の下部に設けられた入賞装置110に遊技球が入賞したときに決定される所定の変動パターンに基づいて、所定の演出態様で所定の変動時間だけ表示演出を行い、変動時間経過後に所定の演出図柄の組合せを停止表示して、抽選結果を報知する。
【0016】
入賞装置110は、上下に位置する第1始動入賞口60及び第2始動入賞口70で構成される。第1始動入賞口60及び第2始動入賞口70は、打ち出された遊技球が入賞すると(「始動口入賞」と呼ばれる)、後述する内部の入賞検出スイッチにより入賞が検知され、特別図柄表示部52及び演出図柄表示装置30における図柄の変動表示の契機を与える。
【0017】
第1始動入賞口60は、いわゆるヘソと称される常時上向きに開口した遊技球入口である。第2始動入賞口70は、いわゆる電動チューリップと称される普通電動役物72を備えている。普通電動役物72は一対の揺動片を備えており、後述する普通電動役物開閉装置73によって開閉される。普通電動役物72は、普通図柄表示部55が特定の普通図柄を停止表示した場合等に開閉し、第2始動入賞口70への入賞を容易にする。
【0018】
また、この入賞装置110の下部には、矩形板状の開閉蓋36を備えた大入賞口38が設けられている。大入賞口38は、通常の遊技状態においては閉鎖されていて遊技球が入賞しないようになっており、始動口入賞を契機とする当り抽選の抽選結果が何らかの当りとなった場合に開放される。大入賞口38の開放は、所定の時間が経過するか所定数の遊技球が大入賞口38に入賞するまで継続する。この大入賞口38の一回の開放をラウンドと呼ぶ。当りには、ラウンド数や開放時間が異なる複数種類の当りが存在する。当りの中でも「大当り」と呼ばれる当りに当選した場合には、他の当りよりもラウンド数が比較的多く開放時間が比較的長い大当り遊技が実行され、遊技者に比較的有利な利益を与える。
【0019】
一般入賞口48は、遊技球が常時入賞可能なように構成されており、遊技球が入賞したときに、予め定められた個数(例えば5個)の賞球が払い出される。
特別図柄入賞保留数表示灯54は、特別図柄表示部52における特別図柄の変動表示中に第1始動入賞口60又は第2始動入賞口70への遊技球の入賞を契機として取得された乱数値等の情報が後述する特別図柄用の保留メモリ領域に保留球として記憶されるのと連動して点灯し、連続して特別図柄を変動表示可能な回数(例えば8回)を報知する。
【0020】
普通図柄入賞保留数表示灯50は、普通図柄表示部55における普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄始動ゲート32を通過した時に取得された乱数値等の情報が後述する普通図柄用の保留メモリ領域に保留球として記憶されるのと連動して点灯し、連続して普通図柄を変動表示可能な回数(例えば4回)を報知する。
【0021】
(制御系の構成)
次に、遊技機100の制御系の構成について説明する。
図3は、遊技機100の制御系の構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技機100は、遊技機全体の制御を行う主制御部200と、主制御部200からの制御コマンドに従って各種演出に関する制御を行う演出制御部300と、演出制御部300からの制御コマンドに従って演出図柄表示装置30を制御する図柄制御部320と、演出制御部300からの制御コマンドに従って表示灯40を制御する表示灯制御部310と、演出制御部300からの制御コマンドに従ってスピーカ42を制御する音声制御部330と、主制御部200からの制御コマンドに従って払出装置410を制御する払出制御部400と、払出制御部400からの制御コマンドに従って発射装置33を制御する発射制御部500と、これら各制御部に電源を供給する電源部600とから主に構成される。主制御部200は、遊技店に設置されたホールコンピュータと接続端子101を介して接続される。また、主制御部200には、特別図柄表示部52、特別図柄入賞保留数表示灯54、普通図柄表示部55及び普通図柄入賞保留数表示灯50が直接接続される。払出制御部400は、遊技店に設置されたホールコンピュータ及びカード機と接続端子301,302を介して接続される。
【0022】
主制御部200、演出制御部300、及び、払出制御部400には、各種スイッチから検出信号が出力される。主制御部200に検出信号を出力するスイッチとしては、第1始動入賞口60への遊技球の入賞を検出する第1入賞検出スイッチ(SW)62、第2始動入賞口70への遊技球の入賞を検出する第2入賞検出スイッチ76、大入賞口38への遊技球の入賞を検出するカウントスイッチ251、普通図柄始動ゲート32への遊技球の入賞を検出する普通図柄始動スイッチ252、及び、一般入賞口48への遊技球の入賞を検出する一般スイッチ253が存在する。演出制御部300に検出信号を出力するスイッチとしては、演出ボタン46が押下されたことを検出する演出スイッチ47が存在する。払出制御部400に検出信号を出力するスイッチとしては、遊技盤18の背面側に設けられた図示せぬ貯球タンクへの所定個数以上の遊技球の供給を制限する皿満タンスイッチ45、貯球タンクの玉切れ状態を検出する払出通路玉切スイッチ44、及び、払出通路を流れて受皿ユニット28に供給される賞球の個数を検出する払出計数スイッチ43が存在する。
【0023】
(主制御部の構成)
主制御部200は、
図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)210と、RAM(Random Access Memory)220と、ROM(Read Only Memory)230と、タイマ240と、入力ポート250と、出力ポート260とを備えている。
【0024】
入力ポート250は、第1入賞検出スイッチ62、第2入賞検出スイッチ76、カウントスイッチ251、普通図柄始動スイッチ252、及び、一般スイッチ253から検出信号を入力し、当該検出信号をCPU210に出力する。出力ポート260は、普通電動役物開閉装置73、大入賞口開閉装置74、演出制御部300、特別図柄表示部52、特別図柄入賞保留数表示灯54、普通図柄表示部55、普通図柄入賞保留数表示灯50、及び、ホールコンピュータとの接続端子101に接続されており、これらの各部に制御コマンドや信号を出力する。
【0025】
ROM230には、遊技機100を制御するためのプログラム及びデータが記憶されている。ROM230に記憶されているデータには、当りの抽選で取得された乱数が当り乱数か否かを判定するための当り値や、演出制御部300や払出制御部400等に送信するための制御コマンドが存在する。制御コマンドは、例えば、当該コマンドの種類を分類するための大分類コードである「MODE」と、小分類コードである「EVENT」とで構成される。制御コマンドとしては、演出図柄表示装置30において実行される表示演出の変動パターンを指定するための変動パターンコマンドが存在する。
【0026】
図5には、変動パターンコマンドの一例を示す。変動パターンコマンドは複数種類存在し、本実施形態では、変動パターンコマンドのMODEは「A0H」〜「A8H」で構成されるが、
図5にはMODEが「A0H」である変動パターンコマンドの一部のみが示されている。また、本実施形態では、EVENTが「27H」より大きい変動パターンコマンドが、抽選結果が当りの場合に選択される変動パターンコマンドであり、EVENTが「01H」〜「26H」である変動パターンコマンドが、抽選結果がはずれの場合に選択される変動パターンコマンドである。これらの各変動パターンコマンドによって、演出図柄表示装置30における表示演出の内容、及び、表示演出を開始してから終了するまでの変動時間が決定される。
【0027】
図4に戻り、RAM220は、入出力データや演算処理のためのデータ、遊技に関連する各種抽選を行う際に用いられる各種乱数カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等を一時記憶する。また、RAM220は、特別図柄用及び普通図柄用の保留メモリ領域、各部に送信すべき制御コマンドを一時記憶しておくためのコマンド記憶領域等を有する。
【0028】
特別図柄用の保留メモリ領域には、始動口入賞時に特別図柄が変動表示中であったため当該始動口入賞に基づく変動表示が保留された場合、始動口入賞時に乱数カウンタから取得された乱数等の情報が所定上限数(例えば8つ)まで記憶される。普通図柄用の保留メモリ領域には、普通図柄始動ゲート32を遊技球が通過した時に普通図柄が変動表示中であったため当該通過に基づく変動表示が保留された場合、通過時に乱数カウンタから取得された乱数等の情報が所定上限数(例えば4つ)まで記憶される。
【0029】
CPU210は、ROM230に記憶されているプログラムに従って処理を実行することにより、遊技に関連する各種抽選に使用される各種乱数カウンタを周期的に更新する機能、第1入賞検出スイッチ62又は第2入賞検出スイッチ76からの検出信号受信時に始動口入賞を検出し、当り抽選を行う機能(「当り抽選手段」に対応)、当り抽選の結果に応じて変動パターンを決定する機能、決定した変動パターンに対応する変動パターンコマンドを演出制御部300に送信する機能、特別図柄表示部52における特別図柄を変動表示させる機能、始動口入賞による抽選結果が当りの場合に、変動時間経過後に大入賞口開閉装置74を駆動させて当り遊技を実行する機能、普通図柄始動スイッチ252からの検出信号を受信した時に抽選を行い、抽選結果に基づいて普通図柄表示部55において普通図柄を変動表示させる機能、所定の普通図柄が停止表示された場合に普通電動役物開閉装置73を駆動させる機能、第1入賞検出スイッチ62、第2入賞検出スイッチ76、カウントスイッチ251又は一般スイッチ253からの検出信号を受信した場合、払出制御部400を介して払出装置410を駆動して賞球の払出しを行う機能等を実現する。
【0030】
(演出制御部の構成)
図3に示す演出制御部300は、主制御部200と同様に、CPU、RAM、ROM、入力ポート、及び、出力ポートを備えている。演出制御部300のROMには、演出を制御するためのプログラムや、表示灯制御部310、図柄制御部320、音声制御部330等(「演出実行制御部」に対応)に送信するための各種制御コマンドが記憶されている。図柄制御部320に送信するための制御コマンドとしては、主制御部200から受信した変動パターンコマンド、演出図柄表示装置30において実行される予告演出等の演出パターンを指定するための演出コマンド、遊技者により演出ボタン46が押下された時に演出図柄表示装置30における表示演出の態様を変化させるための遊技者介入コマンド等が存在する。
【0031】
図6には、演出コマンドの一例を示す。本実施形態では、MODEが「CDH」である演出コマンドは、遊技者により演出ボタン46が押下された時に表示演出の態様が変化する遊技者参加型の演出A(「第1演出」に対応)である。また、MODEが「C4H」である演出コマンドは、当り抽選の結果が大当りであり、かつ、演出Aが成功した場合に実行される演出B(「第2演出」に対応)である。
【0032】
図7から
図10には、演出A実行時に演出図柄表示装置30に表示される演出画像の一例を示す。これらの図に示すように、演出A実行時に表示される演出画像は、敵キャラクタ701と、敵キャラクタ701の体力を示す体力ゲージ703と、遊技者に演出ボタン押下を促すための表示705と、演出A実行制限時間の残時間表示707と、変動時間中であることを示す表示709と、で構成される。
【0033】
図7は、演出Aの実行開始時に表示される演出画像の一例である。演出Aの実行開始とともに演出ボタン46の有効期間が開始され、有効期間中に遊技者が演出ボタン46を押下すると、押下による検出信号が演出スイッチ47から演出制御部300に出力され、これにより、遊技者介入コマンドが演出制御部300から図柄制御部320に送信される。遊技者介入コマンドを受信した図柄制御部320が表示演出を制御することにより、
図8に示すように、演出図柄表示装置30において、敵キャラクタ701が攻撃されるとともに、体力ゲージ703の目盛りが演出ボタン押下前よりも「0」に近づく演出画像が表示される。その後、
図9に示すように体力ゲージ703の目盛りが「0」となるか、又は、
図10に示すように残時間表示707が「0」となった時に、演出Aの実行は終了する。本実施形態では、
図9に示すように、残時間表示707が「0」になるよりも前に体力ゲージ703の目盛りが「0」となる演出画像が表示される場合を、「演出Aが成功した」場合と呼ぶ。また、本実施形態では、当り抽選の結果が大当りの場合には、演出Aが成功する場合と成功しない場合とが存在する。演出Aが成功するかしないかは、決定された変動パターンにより予め指定されている。一方、当り抽選の結果が大当りでない場合には、演出Aが成功することがないように指定されている。
【0034】
演出Aが成功した場合には、演出Bが実行される。本実施形態では、演出Bは大当り当選を報知する演出であるものとする。
図11には、演出B実行時に演出図柄表示装置30に表示される演出画像の一例を示す。この演出画像が表示されることにより、遊技者は、演出Aが成功したことによる達成感を感じるとともに、大当りに当選したことを認識することができる。
【0035】
演出制御部300のRAMには、主制御部200から受信した制御コマンド、抽選結果、遊技状態、演出A制限時間の残時間、体力ゲージ703の目盛りの値等が一時記憶される。
演出制御部300のCPUは、ROMに記憶されたプログラムにしたがって処理を実行することにより、当り抽選の結果に基づいて決定された変動パターンに応じて演出パターンを決定する機能(「演出決定手段」に対応)、演出パターンが演出Aに決定された場合に、演出Aの実行を指示するための演出Aのコマンド(「第1演出コマンド」に対応)のみを図柄制御部320に送信し、演出Aが成功であった場合に演出Bの実行を指示するための演出Bのコマンド(「第2演出コマンド」に対応)を図柄制御部320に送信する機能(「コマンド送信手段」に対応)、表示灯制御部310に制御コマンドを送信して表示灯40の点滅を制御する機能、音声制御部330に制御コマンドを送信してスピーカ42から出力される音演出を制御する機能等を実現する。
【0036】
(図柄制御部の構成)
図柄制御部320は、同様にCPU、ROM、RAM、入力ポート、及び、出力ポートを備え、また画像データを処理してディスプレイに表示するためのVDP(Video Display Processor)をも備えている。
【0037】
図柄制御部320のRAMは、入出力データや演算処理のためのデータを一時記憶する。VDPは、CPUからの出力指示に従って出力ポートを介して演出図柄表示装置30に画像データを出力する。図柄制御部320のROMには、演出図柄表示装置30における表示演出制御を行うためのプログラム、演出図柄表示装置30に出力するための各種画像データ等が記憶されている。図柄制御部320のROMに記憶されている画像データとしては、
図7から
図11に示す演出画像を表示するための画像データが存在する。
【0038】
図柄制御部320のCPUは、演出制御部300から演出コマンドを受信すると、ROMに記憶されたプログラムにしたがって、当該演出コマンドに応じた表示演出を実行するための画像データをROMから読み出し、当該画像データを演出図柄表示装置30に逐次出力することにより表示演出を行う。
特に、図柄制御部320のCPUは、遊技者参加型の演出Aの実行制御時には、
図12に示す手順で処理を行う。同図に示すように、図柄制御部320のCPUは、演出制御部300から変動パターンコマンドを受信し(ステップS101;Yes)、さらに演出Aのコマンドを受信すると(ステップS102;Yes)、演出図柄表示装置30において演出Aを実行する。そして、演出Aが成功した場合にのみ(ステップS103;Yes)、図柄制御部320のCPUは、演出Bのコマンドを演出制御部300から受信し(ステップS104)、演出Bを実行する(ステップS105)。
【0039】
図3に戻り、大入賞口開閉装置74は、例えばソレノイドで構成され、主制御部200から送信される制御コマンドに基づいて大入賞口38を開閉駆動する。普通電動役物開閉装置73は、例えばソレノイドで構成され、主制御部200から送信される制御コマンドに基づいて入賞装置110の第2始動入賞口70を開閉駆動する。電源部600は、主制御部200の全体に電源を供給する電源ラインの電圧が所定の電圧値以下となったことを検出したとき、電源が遮断された旨を示す電源断信号をCPU201に出力する。また、電源断が検出された場合は、主制御部200の全体に電源を供給する電源ラインからCPU210に直接つながる電源ラインに電源ラインを切り換える。これにより、RAM220には、CPU210に直接つながる電源ラインから電源が供給されるので、情報を保持することができる。また、電源部600には、RAMクリアスイッチ501が付設されており、RAMクリアスイッチ501をオン操作しながら図示しない電源スイッチをオン操作したとき、遊技の進行に伴ってRAM220に記憶されていたデータがクリアされ、RAM220が初期化される。
【0040】
(動作)
次に、
図13を参照して、第1の実施形態に係る遊技機100が行う遊技者参加型の演出Aの実行制御処理の流れについて説明する。本動作例では、当り抽選の結果が大当りであり、演出パターンとして演出Aが選択されるものとする。
【0041】
まず、主制御部200のCPU201は、第1入賞検出スイッチ62又は第2入賞検出スイッチ76から検出信号を受信して、始動口入賞があったことを検知した場合、当り抽選を行う(ステップS201)。具体的には、主制御部200のCPU201は、RAM220の乱数カウンタから当り判定用の乱数値を取得し、当該当り判定用の乱数値と当り値とを比較することによって当り判定を行う。
【0042】
次に、主制御部200のCPU201は、当り抽選の結果に基づいて変動パターンを決定する(ステップS202)。そして、主制御部200のCPU201は、決定した変動パターンに対応する変動パターンコマンドを演出制御部300に送信する(ステップS203)。
演出制御部300のCPUは、主制御部200から変動パターンコマンドを受信すると、その変動パターンコマンドを図柄制御部320に送信する(ステップS204)。これにより、図柄制御部320は演出図柄表示装置30における表示演出を開始する。
【0043】
次に、演出制御部300のCPUは、上記変動パターンに応じた演出パターンとして、演出Aを選択する(ステップS205)。そして、演出制御部300のCPUは、演出Aの実行を指示するための演出Aのコマンドを図柄制御部320に送信する(ステップS206)。
図柄制御部320のCPUは、演出制御部300から演出Aのコマンドを受信すると、演出Aを実行するための画像データをROMから読み出して逐次演出図柄表示装置30に出力することにより、演出Aを実行する(ステップS207)。演出Aの実行開始時には、例えば
図7に示す演出画像が演出図柄表示装置30に表示されて、残時間表示707における演出A制限時間の残時間のカウントが開始されるとともに、演出ボタン46の有効期間が開始される。演出制御部300のCPUは、遊技者によって演出ボタン46が押下されて演出スイッチ47から検出信号を受信する毎に、敵キャラクタ701に与えるダメージの種類及び大きさの抽選を行う。また、演出制御部300のCPUは、RAMで管理している体力ゲージ703の目盛りの値からダメージの大きさに対応する値を減算することにより、最新の体力ゲージ703の目盛りの値を管理する。そして、演出制御部300のCPUは、ダメージ抽選結果を含む遊技者介入コマンドを図柄制御部320に送信する(ステップS208)。図柄制御部320のCPUは、遊技者介入コマンドを受信する度に、例えば
図8に示すような、ダメージ抽選結果を反映した演出画像を演出図柄表示装置30に表示する。
【0044】
ここで、
図9に示すように、残時間表示707が「0」となる前に体力ゲージ703の目盛りが「0」となった演出画像が表示された場合、演出制御部300のCPUは、演出Aに成功したと判定し(ステップS209;Yes)、演出Bのコマンドを図柄表示部320に送信する(ステップS210)。これにより、図柄表示部320のCPUは、演出Bを実行し(ステップS211)、例えば
図11に示す大当り当選を報知する演出画像を表示する。
【0045】
一方、
図10に示すように、体力ゲージ703の目盛りが「0」となる前に残時間表示707が「0」となった演出画像が表示された場合、演出制御部300のCPUは、演出Aに成功しなかったと判定し(ステップS209;No)、演出Bのコマンドを図柄表示部320に送信することなく処理を終了する。
以上のように、演出Aが成功して演出Bを実行する必要がある場合にのみ、演出制御部300が図柄制御部320に演出Bのコマンドを送信するため、従来のように、演出Aが成功するか否かに関わらず一律に演出Bのコマンドを送信していた場合に比較して、演出制御部300及び図柄制御320の処理負荷を軽減することができる。また、従来においては、演出制御部300と図柄制御320との両方で管理していた演出Bの実行制御を、演出制御部300のみで管理することができるため、バグ誘発を防ぐことができる。
【0046】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態が、第1実施形態と異なる点は、第2実施形態に係る演出制御部300が、第1実施形態で説明した演出制御部300が有する機能に加えて、演出Aが成功しなかった場合に、演出Bを実行するか否かの抽選を行う機能(「第2演出実行抽選手段」に対応)と、演出Bを実行するか否かの抽選により演出Bの実行が選択された場合、演出Bのコマンドを図柄制御部320に送信する機能(「コマンド送信手段」に対応)とをさらに備えている点である。なお、これらの追加の機能は、第1実施形態に係る演出制御部300のROMに上記追加の機能を実現するためのプログラムをさらに記憶させ、演出制御部300のCPUが当該プログラムを実行することにより実現することができる。上記以外の構成は第1実施形態と同様である。
【0047】
次に、
図14を参照して、第2実施形態に係る遊技機100が行う遊技者参加型の演出Aの実行制御処理の流れについて説明する。本動作例においても、当り抽選の結果が大当りであり、演出パターンとして演出Aが実行されるものとする。ステップS201からステップS208までの処理と、演出Aが成功した場合(ステップS209;Yes)の処理は、第1実施形態と同様である。
【0048】
演出Aが成功しなかった場合は(ステップS209;No)、演出制御部300のCPUは、演出Bを実行するか否かの抽選を行う(ステップS301)。抽選により演出Bの実行が選択された場合には(ステップS302;Yes)、演出制御部300のCPUは、演出Bのコマンドを図柄表示部320に送信する(ステップS210)。これにより、図柄表示部320のCPUは、演出Bを実行して(ステップS211)、大当り報知を行う。一方、演出Bの実行が選択されなかった場合には(ステップS302;No)、演出制御部300のCPUは、演出Bのコマンドを図柄表示部320に送信することなく終了する。
【0049】
以上のように、演出Aが成功しなかった場合には、演出Bを実行するか否かの抽選を行うため、抽選結果によっては演出Bが実行される可能性があり、演出Aが成功しなくても遊技者は大当り報知を期待することができる。このように、遊技者参加型の演出Aの実行制御において、様々なバリエーションの演出を行うことができ、遊技性を高めることができる。また、第1実施形態と同様に、抽選結果により演出Bを実行する必要がある場合にのみ、演出制御部300は図柄制御部320に演出Bのコマンドを送信するため、演出制御部300及び図柄制御部320に不必要な処理負荷をかけずに、演出A及び演出Bの実行制御を実現することができる。
【0050】
(変形例)
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術思想の範囲で様々な変形が可能である。変形例としては、例えば以下のものがある。
(1)上述した実施形態では、残時間表示707が「0」になるよりも前に体力ゲージ703の目盛りが「0」となった場合を演出Aが成功した場合と定義したが、演出A成功の定義はこれに限定されることはない。例えば、制限時間内に遊技者が所定回数以上演出ボタン406を押下した場合や画像のコマ数が所定数進んだ場合を、演出Aが成功した場合と定義することも可能である。また、敵キャラクタの体力ゲージを具体的な数値で表示するようにしてもよい。
【0051】
(2)上述した実施形態では、演出Aが成功した場合に演出Bを実行したが、演出Bを実行する条件はこれに限定されることはない。例えば、演出Aが成功しなかった場合や、演出Aの実行開始から2秒以内に体力ゲージ703の目盛りが「0」となった場合等、演出Aが予め定められた所定の結果となった場合に演出Bを実行するようにしてもよい。
【0052】
(3)上述した実施形態では、演出Bは大当り当選を報知する演出であり、当り抽選の結果が大当りの場合にのみ演出Bが実行されるとして説明したが、これに限定されることはなく、当り抽選の結果が大当り以外の場合に演出Bが実行されるようにしてもよい。また、演出Bは大当り報知の演出に限定されることはなく、ハズレやリーチ報知の演出であってもよいし、単に敵キャラクタに勝ったことを報知する演出であってもよい。
【0053】
(4)上述した実施形態では、変動パターンにより演出Aが成功するか否かが決定されるとして説明したが、これに限定されることはなく、例えば、演出パターンにより決定されてもよいし、演出A実行中における遊技者の演出ボタン46の連打回数や、演出ボタン46押下時に演出制御部300により行われる抽選結果によって、演出Aが成功するか否かが決定されてもよい。
【0054】
(5)演出ボタン46の操作方法は、押下する以外に、引いたり回転させたり接触したりする操作方法であってよい。
【0055】
(6)上述した実施形態では、演出Aや演出Bが行われている際に、変動時間中であることを示す表示709が同じ演出図柄表示装置30に表示されていたが、別の表示装置等で表示するようにしてもよい。
【0056】
(7)上述した実施形態では、演出A及び演出Bは表示演出であるとして説明したが、表示演出に限定されることはなく、ランプや音による演出であってもよい。すなわち、演出制御部300が演出Aのコマンド又は演出Bのコマンドを表示灯制御部310や音声制御部330に送信することにより、ランプや音による演出A又は演出Bが実行されるようにしてもよい。この場合の演出A及び演出Bの具体例としては以下のものがある。
【0057】
・スピーカを使った演出の例
演出Aとして、三・三・七拍子等の一定のリズムで、スピーカ42等の音源から音(単なる音の他、かけ声やセリフ等の音声も含む)を出力させる。それに合わせて、遊技者がタイミングよく演出ボタン46を押し、音が鳴るタイミングと演出ボタン46を押すタイミングが一致している割合が所定値以上(例えば7割以上)であれば、演出Bとしてファンファーレ等の音を出力して遊技者を盛り上げる。このような演出を実行するためには、音が鳴ったタイミングと演出ボタン46が押されたタイミングが一致しているかどうかを判定するタイミング判定手段を演出制御部300がさらに備えるように構成されていればよい。
【0058】
・ランプを使った演出の例
演出Aとして、所定位置(例えば遊技機100の枠)に設けられた表示灯40等のランプ(LEDなどの発光素子も含む)の輝度を低く出力する。そして、遊技者によって演出ボタン46が押される度にランプの輝度を高くしていくようにして、最終的に輝度が所定値以上になった場合には、演出Bとしてそのランプを点滅させたり、それまで点灯していた色とは異なる色を発光させる。
【0059】
・演出図柄表示装置とランプとスピーカを複合させた演出の例
演出Aとして、所定位置(例えば遊技機100の枠)に設けられた表示灯40等のランプの一部若しくは全部を完全に消灯させるとともに、演出図柄表示装置30で「ボタンを押してランプをすべて点灯させろ」という表示を行う。そして、遊技者によって演出ボタン46が押される度に消灯している部分が順次点灯していくようにして、最終的に消灯していた部分がすべて点灯した場合には、演出Bとして「やったね!おめでとう!」という音声を出力させる。このように、表示灯制御部310、図柄制御部320、音声制御部330等の複数の演出実行制御部によって演出A及び演出Bを行うようにしてもよい。