(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本明細書中に記述かつ図示された一つ以上の実施形態に係る部分的組立て状態におけるパワーモジュールの概略的断面図である。
【
図2】本明細書中に記述かつ図示された一つ以上の実施形態に係る組立て状態における
図1に描かれたパワーモジュールの概略的断面図である。
【
図3A】本明細書中に記述かつ図示された一つ以上の実施形態に係る高温モジュールを概略的に示す図である。
【
図3B】本明細書中に記述かつ図示された一つ以上の実施形態に係る別の高温モジュールを概略的に示す図である。
【
図3C】本明細書中に記述かつ図示された一つ以上の実施形態に係る別の高温モジュールを概略的に示す図である。
【
図4A】本明細書中に記述かつ図示された一つ以上の実施形態に係るモジュール支持体の概略的断面図である。
【
図4B】本明細書中に記述かつ図示された一つ以上の実施形態に係るモジュール支持体の概略的平面図である。
【
図5A】本明細書中に記述かつ図示された一つ以上の実施形態に係るモジュール支持体の導電レール上に部分的に配設された高温モジュールの概略的断面図である。
【
図5B】本明細書中に記述かつ図示された一つ以上の実施形態に係る
図5Aに描かれたモジュール支持体の導電レール上に完全に配設された高温モジュールの概略的断面図である。
【
図5C】本明細書中に記述かつ図示された一つ以上の実施形態に係る
図5Bに描かれたモジュール支持体の導電レール上に部分的に配設されたモジュール・キャップの概略的断面図である。
【
図5D】本明細書中に記述かつ図示された一つ以上の実施形態に係る
図5Cに描かれたモジュール支持体の導電レール上に完全に配設されたモジュール・キャップの概略的断面図である。
【
図5E】本明細書中に記述かつ図示された一つ以上の実施形態に係る完全に組立てられたパワーモジュールの断面図である。
【
図5F】本明細書中に記述かつ図示された一つ以上の実施形態に係るモジュール・キャップ支柱の部分的斜視図である。
【
図6】本明細書中に記述かつ図示された一つ以上の実施形態に係るパワーモジュール・アレイを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示内容の各実施形態は、高電力回路用途に含まれ得る電力用半導体モジュールの如きパワーモジュールに関している。非限定的な例として、パワーモジュールは、ハイブリッド電気自動車、プラグ接続式ハイブリッド電気自動車、電気自動車などの如き電気的な自動車におけるインバータ/コンバータ回路に含まれ得る。本明細書中に記述された各実施形態は、必要に応じて容易に分解及び再組立てされ得るモジュール式のパワーモジュールとして構成される。更に詳細には、本明細書中に記述されるパワーモジュールは、モジュール支持体と、冷却されるべき高温モジュールと、モジュール・キャップとを含む。上記モジュール支持体は、上記高温モジュールが熱的に結合される熱拡散体を含み得る。上記モジュール支持体を画成するフレームの頂面からは、2本以上の導電レールが延在する。上記高温モジュールは、底面が上記モジュール支持体の熱拡散体に接触する如く、上記2本以上の導電レール上に載置される。上記モジュール・キャップは、上記高温モジュール上の種々の箇所に接触する数本の支柱であって、上記高温モジュールを上記モジュール支持体に対して固着する下向きの力を提供するという数本の支柱を含む。
【0012】
幾つかの実施形態において、上記モジュール・キャップは、上記導電レールの回りに位置された締結具により上記モジュール支持体に対して固着される。上記パワーモジュールは、上記締結具を取り外すと共に、上記モジュール・キャップ及び上記高温モジュールを上記モジュール支持体から引き離すことにより、容易に分解され得る。一例として、上記高温モジュール上の半導体デバイスの内の一つが故障し、または、上記高温モジュール上の電気接続部の内の一つ以上が破断し、または、他の何らかの動作不良が生じたなら、技術者もしくは他の作業員は、上記パワーモジュールを分解し、一つ以上の動作不良の構成要素を交換し、且つ、上記パワーモジュールを再組立てし得る。この様にして、上記パワーモジュールの全体が廃棄される必要は無く、且つ、適切に機能している構成要素は再使用されることで、修理コストが低減され得る。パワーモジュール及びパワーモジュール・アレイの種々の実施形態は、以下において詳細に記述される。
【0013】
次に
図1を参照すると、部分的に組立てられたパワーモジュール100が断面で概略的に示される。
図2は、完全に組立てられたパワーモジュール100を示すと共に、以下において更に詳細に記述される。概略的に、パワーモジュール100は、3個の主要モジュールもしくは構成要素を含む:モジュール支持体120、高温パワーモジュール140、及び、モジュール・キャップ160。以下において詳細に記述される如く、モジュール・キャップ160は、高温パワーモジュール140を、該高温モジュール140から熱流束を受けるモジュール支持体120に対して固着することを支援する。各矢印により表される如く、高温パワーモジュール140は、導電レール130A、130B上にてモジュール支持体120内に配設される。同様に、モジュール・キャップ160もまた、導電レール130A、130B上に配設される。モジュール支持体120の底面127は更に、熱シンク、噴流衝当冷却モジュール、二相冷却モジュールなどの如き冷却モジュールに対して熱的に結合され得る。次に、3個の主要モジュール(モジュール支持体120、高温モジュール140及びモジュール・キャップ160)の各々が詳細に記述される。
【0014】
高温パワーモジュール140は、冷却される必要がある任意のモジュールであり得る。高温パワーモジュール140は、モジュール基板150に対して熱的に結合された一つ以上の半導体デバイス142A、142Bを含み得る。
図1においては2つの半導体デバイス142A、142Bが描かれるが、2つより多いもしくはそれより少ない個数が配備され得る。半導体デバイス142A、142Bとしては、限定的なものとしてで無く、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)、パワー・ダイオード、パワー金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)などが挙げられる。パワーモジュール100は、上述された如く電気自動車に対するインバータの如き更に大電力の電子システム内に取入れられ得る。例示的なパワーモジュールは自動車用途に関して記述されるが、各実施形態はそれに限定されない。本明細書中に記述されるパワーモジュールは、電力デバイスが冷却される必要のある任意の用途において利用され得る。
【0015】
半導体モジュール142A、142Bは、モジュール基板150の(例えば頂面などの)半導体側表面に対して熱的に結合される。半導体モジュール142A、142Bは、該半導体デバイス142A、142Bにより生成された熱がモジュール基板150に対して伝達されることを許容する任意の様式で、モジュール基板150に対して結合され得る。代表的な結合方法としては、限定的なものとしてで無く、半田付け、焼結、ろう付け、及び、液相拡散接合(TLP)などが挙げられる。
【0016】
モジュール基板150は、半導体デバイス142A、142Bにより生成された熱流束を受容し得る一つ以上の層で作成され得る。一実施形態において、モジュール基板150は、例えば窒化アルミニウムの如き電気絶縁的なセラミック材料で作成される。他の材料も利用され得る。
【0017】
依然として
図1を参照すると、高温パワーモジュール140は、半導体デバイス142A、142Bに対して電気的に結合された2つ以上の導電外部コネクタ146A、146Bを更に含んでいる。図示実施形態において、第1の導電外部コネクタ146Aは第1ブリッジ・コネクタ144Aにより第1の半導体デバイス142Aの頂面に対して電気的に結合され、且つ、第2の導電外部コネクタ146Bは第2ブリッジ・コネクタ144Bにより第2の半導体デバイス142Bに対して電気的に結合される。他の実施形態において、外部コネクタ146A、146Bは、ブリッジ・コネクタなしで直接的に半導体デバイス142A、142Bに対して結合され得る。外部コネクタ146A、146B及びブリッジ・コネクタ144A、144Bは、限定的なものとしてで無く、銅及びアルミニウムの如き任意の電気結合材料から作成され得る。高温モジュールの設計態様に依存して、任意数の外部コネクタが配備され得ることを理解すべきである。
【0018】
外部コネクタ146A、146Bは、高温モジュール140の中心からは末端となる縁部の近傍に位置された貫通孔147A、147Bを含む。以下において更に詳細に記述される如く、貫通孔147A、147Bは、高温モジュール140が整列及び結合の目的で導電レール130A、130Bの上方に位置され得る如く、導電レール130A、130Bを受容すべく配備される。各貫通孔のサイズ及び形状寸法的構成は、導電レール130A、130Bの構成に依存し得る。
【0019】
図3Aから
図3Cは、3つの異なる電気的結合方法に従う3つの代表的な高温モジュールを描いている。最初に、
図3Aに描かれた実施形態を参照すると、モジュール基板150は、中央のセラミック誘電層155と、半導体側表面151を画成する第1金属層154と、熱伝達表面152を画成する第2金属層156とを有すべく構成される。上記の3つの層は、金属−セラミック−金属モジュール基板150を画成する。幾つかの実施形態において、第1及び第2の金属層154、156は、セラミック誘電層155に対して直接的に接合される。他のモジュール基板材料及び構成も可能であることを理解すべきである。
【0020】
第1金属層154は、電気接続のためにパターン形成され得る。更に詳細には、第1金属層154は、外部コネクタ146A、146Bの一つ以上が電気的に結合され得る数個の電気絶縁領域を画成する。例えば、第1金属層154の電気絶縁領域の幾つかは接地に対して接続され得ると共に、他の電気絶縁領域は供給電圧に対して接続され得る一方、更に他の電気絶縁領域は制御回路に対して接続され得る。この様にして、外部コネクタ146A、146Bは、第1金属層154により、半導体デバイス142A、142Bの種々の接続構造に対して接続され得る。
図3Aから
図3Cは、単に例示目的で概略的様式で高温モジュール140を描いていることを理解すべきである。第1金属層154は、用途に応じ、更に複雑な構成を取り得る。
【0021】
図3Aに描かれた実施形態において、第1の外部コネクタ146Aは第1のブリッジ・コネクタ144A、144Bにより第1の半導体デバイス142Aに対して電気的に結合される一方、第2の外部コネクタ146Bは第2のブリッジ・コネクタ144C、144Dにより第2の半導体デバイス142Bに対して電気的に結合される。ブリッジ・コネクタ144A〜144Dは、例えば金属片とされ得る。他の実施形態において、外部コネクタ146A、146B及びブリッジ・コネクタ144A〜144Dは、単体的な構成要素として構成される。第1及び第2のブリッジ・コネクタ144A〜144Dは、(例えばTLP層、半田層などの)接合層145により、第1金属層154および/または第1および第2の半導体デバイス142A、142Bに対して結合され得る。同様に、第1及び第2の半導体デバイス142A、142Bは、接合層145により、モジュール基板150の第1金属層154に対して熱的に結合され得る。
【0022】
次に
図3Bを参照すると、ワイヤ148A、148B(ワイヤボンディング)により半導体デバイス142A、142Bに対して電気的に結合された外部コネクタ146A'、146B'を有する高温モジュール140'が描かれる。モジュール基板150は、
図3Aに図示された実施形態に関して上述された如く構成される。外部コネクタ146A'、146B'は、接合層145により第1金属層154に対して接合される。外部コネクタ146A'、146B'を半導体142A、142Bに対して電気的に結合すべく、導電ワイヤ148A、148Bが使用される。
図3Cに示された如く、第1金属層154に対して外部コネクタ146A"、146B"を接続すべく、リードフレーム149A、149Bも使用され得る。
【0023】
図4Aは代表的なモジュール支持体120の側断面図を示す一方、
図4Bは
図4Aに示された代表的なモジュール支持体120の平面視を示している。概略的に
図4A及び
図4Bの両方を参照すると、モジュール支持体120は、熱拡散体122を囲繞するフレーム部材124を含み得る。フレーム部材124は、高温モジュール140が内部に配設され得る開口128を画成する。熱拡散体122の頂面123は、モジュール支持体120の床部として作用する。熱拡散体122は、高温モジュール140により生成された熱を受容すべく熱伝導的とされ得る。幾つかの実施形態において、熱拡散体122は、例えば銅もしくはアルミニウムの如き熱伝導金属で作成される。熱拡散体122はまた、(例えば金属基質複合体(MMC)などの)熱伝導的ポリマの如き、他の熱伝導材料で作成されても良い。幾つかの実施形態において、熱拡散体122は、高温モジュール140により生成された熱流束を除去する(不図示の)フィンを有する熱シンクとして構成される。
【0024】
幾つかの実施形態において、フレーム部材124は、電気絶縁的であると共に、熱可塑性材料から作製され得る。但し、フレーム部材124は、任意の材料から作製され得る。幾つかの実施形態において、フレーム部材124は、熱拡散体122の底面127の全てまたは一部を囲繞する。
【0025】
上述の如く、モジュール支持体120は、底面127において、一つ以上の付加的な冷却デバイスに対して熱的に結合され得る。冷却デバイスとしては、限定的なものとしてで無く、熱シンク、(例えば、噴流衝当、二相などの)液体冷却デバイスなどが挙げられる。
【0026】
フレーム部材124の各側部に沿う頂面129は、(例えば凹所126A及び126Bなどの)複数の凹所を含み、該凹所からは、(例えば導電レール130A、130Bなどの)導電レールが延在する。
図4Bを詳細に参照すると、図示された実施形態は、フレーム部材124の第1縁部125Aに沿う凹所126A、126C及び126E、及び、フレーム部材124の第2縁部125Bに沿う凹所126B、126D及び126Fを描いている。夫々の凹所126A〜126Fからは、6本の導電レール130A〜130Fが延在する。任意数の導電レールが配備され得ること、及び、各実施形態は
図4A及び
図4Bに描かれた導電レールの箇所により制限されないことを理解すべきである。幾つかの実施形態において、各導電レールは、個別的な外部コネクタを貫通して配設される。他の実施形態においては、個別的な外部コネクタを貫通して2本以上の導電レールが配設される。
【0027】
同様に、凹所126A〜126F内には、導電レール130A〜130Fに対して電気的に結合された導電パッド132A〜132Fが配設される。導電パッド132A〜132Fは、導電レール130A〜130Fと、(例えば
図1及び
図2に描かれた外部コネクタ146A、146Bなどの)外部コネクタとの間の電気接触を確実とすべく配備され得る。故に、導電パッド132A〜132Fの頂面は、露出されてアクセス可能とされねばならない。幾つかの実施形態において、導電パッド132A〜132Fは、導電レール130A〜130Fと一体的である。例えば、上記導電パッドは、導電レールの屈曲下側部分であり得る。他の実施形態においては、導電パッド132A〜132Fは導電レール130A〜130Fとは別個である(例えば、導電レール130A〜130Fは導電パッド132A〜132Fに対して、溶接、または、別様に接合される)。導電レール130A〜130Fは、幾つかの実施形態においてはフレーム部材124と共に型成形されるか、フレーム部材124の作製後に取付けられ得る。
【0028】
導電レール130A〜130Fは、任意の導電材料から作製され得ると共に、それほどの変位なしで高温モジュール140を支持して整列させるに十分なほど堅固とされねばならない。例えば、導電レール130A〜130Fは、銅で作成され得る。但し、他の材料が利用され得る。導電レール130A〜130Fは、高温モジュール140が唯一の適切な配向(すなわち、“キー止め”)においてのみモジュール支持体120内に挿入され得る如く、一つより多い断面の形状を有し得る。上述の如く、導電レール130A〜130Fは、接地、供給電圧、制御電圧(例えばゲート信号)、ならびに、診断情報のための接続を提供し得ると共に、電気システムの他の構成要素に対して電気的に結合され得る。
【0029】
幾つかの実施形態においては、モジュール支持体120の開口128内に単一の高温モジュール140が配設され得る。他の実施形態においては、開口128内に一つより多い高温モジュール140が配設され得る。一例として、限定的なものとしてで無く、第1の高温モジュールの外部コネクタは導電レール130A及び130B上に配設され得ると共に、第2の高温モジュールの外部コネクタは導電レール130C及び130D上に配設され得る。
【0030】
再び
図1を参照すると、代表的なモジュール・キャップ160が次に詳細に記述される。図示されたモジュール・キャップ160は概略的に、上側表面163と、当該下側表面からは複数本の支柱164A〜164Dが延在するという下側表面168とを有する横方向本体部分162を備える。支柱164A〜164Dは下側面165を有すると共に、該支柱は、モジュール・キャップ160がモジュール支持体120に対して固着されたときに高温モジュール140の種々の構成要素に接触すべく載置され且つ構成される。
図1に描かれたよりも多いもしくは少ない支柱が配備され得ることを理解すべきである。支柱164A〜164Dは、金属、プラスチック、ゴムなどの、任意の適切に堅固な材料から作製され得る。図示実施形態において、モジュール・キャップ160は、本体部分162を貫通して延在する(例えば第1開口169A及び第2開口169Bなどの)複数の開口と、開口と整列され得る任意の支柱とを含む。上記複数の開口は、複数本の導電レールを受容すべく構成される。例えば、第1開口169Aは本体部分162を貫通し且つ第1の外側支柱164Aを貫通して延在すると共に、第2開口169Bは本体部分162を貫通し且つ第2の外側支柱164Bを貫通して延在する。
【0031】
支柱164A〜164Dは、外部コネクタ146A、146B、モジュール基板150,ブリッジ・コネクタ144A、144B、半導体デバイス142A、142B、または、高温モジュール140の他の構成要素を押圧すべく使用される。次に
図2を参照すると、一実施形態に係る組立てられたパワーモジュール100が描かれる。モジュール・キャップ160は、各導電レールにおいてモジュール支持体120に対して固着される(例えば、第1の導電レール130Aに対しては第1締結具166Aが固着され、且つ、第2の導電レール130Bに対しては第2締結具166Bが固着される)。
【0032】
図示実施形態においては、第1の外側支柱164Aは第1の外部コネクタ146Aに接触してそれを第1の導電パッド132A上に押圧する一方、第2の外側支柱164Dは第2の外部コネクタ146Bに接触してそれを第2の導電パッド132B上に押圧する如く、第1及び第2の導電レール130A、130Bは第1及び第2の外側支柱164A、164B内に配設される。幾つかの実施形態において、外側支柱164A、164Dは、アルミニウムもしくは銅の如き導電材料で作成されることで、導電レール130A、130B、導電パッド132A、132B、及び、外部コネクタ146A、146Bの間における電気接続を提供する。他の実施形態において、外側支柱164A、164Dは、例えば、熱可塑性材料もしくはゴムの如き非導電性材料で作成され得る。導電レール130A、130B、凹所126A、126B、及び、導電パッド132A、132Bは、高温モジュール140に対する案内を提供する。凹所126A、126Bの内側の導電パッド132A、132Bは、組立ての誤整列に対する余裕を許容する、と言うのも、上記高温モジュールの僅かに誤整列されたコネクタが確実に接続され得るからである。
【0033】
第1の内側支柱164B及び第2の内側支柱164Cは、第1及び第2の外側支柱164A、164Dよりも長寸であると共に、該内側支柱は、モジュール基板150の下側の熱伝達表面152が熱拡散体122に対して熱的に結合される如く、モジュール基板150の上側表面151を押圧すべく構成される。モジュール基板150と熱拡散体122との間には、(例えば熱的ペーストなどの)熱伝導的な界面材料が配設され得る。第1及び第2の内側支柱164B、164Cは、例えば、熱可塑性プラスチックもしくはゴムの如き非導電性材料から作成され得る。幾つかの実施形態において、第1及び第2の内側支柱164B、164C(ならびに第1及び第2の外側支柱164A、164D)は、モジュール・キャップ160がモジュール支持体120に対して固着されるときに僅かに変形する。モジュール・キャップ160は、
図1及び
図2により提供される断面においては視認可能でない付加的な支柱を含み得ることを理解すべきである。
【0034】
次に、一実施形態に係るパワーモジュール100の組立て方が記述される。
図5Aを参照すると、導電レール130A、130Bの上方には高温モジュール140"が位置され得る。例示的な高温モジュール140"は、
図3Cに描かれた高温モジュール140"と同様である。但し、上記高温モジュールは任意の構成を取り得る。高温モジュール140"は、貫通孔147A、147Bが導電レール130A、130B内に整列される如く位置される。高温モジュール140"は次に、矢印により表される如く、導電レール130A、130Bの下方に摺動される。モジュール支持体120は、
図5Aにおいては視認可能でない付加的な導電レール(例えば、
図4Bに描かれた導電レール130C〜130F)を有し得ることを理解すべきである。
【0035】
図5Bは、導電レール130A、130B上で、モジュール支持体120の開口128内に挿入された高温モジュール140"を描いている。第1の外部コネクタ146A"は第1凹所126A内の第1の導電パッド132Aに接触し、且つ、第2の外部コネクタ146B"は第2凹所126B内の第2の導電パッド132Bに接触する。付加的に、モジュール基板150の第2金属層156は、熱拡散体122に接触する。
【0036】
次に
図5Cを参照すると、導電レール130A、130Bが、外側支柱164A'、164D'と本体部分162とを貫通する開口169A、169Bに対して整列される如く、モジュール・キャップ160'は次にモジュール支持体120及び高温モジュール140"上に位置され得る。
図5Cに描かれたモジュール・キャップ160'は、
図1及び
図2に描かれたモジュール・キャップ160の構成とは異なる構成を有する支柱を含むことで、高温モジュール140"の外部コネクタ146A"、146B"に対処していることを銘記されたい。次に、第1及び第2の外側支柱164A'、164D'は夫々、第1及び第2の外部コネクタ146A"、146B"に接触し、且つ、第1及び第2の内側支柱164B'、164C'は夫々、モジュール基板150の第1金属層154に接触する如く、モジュール・キャップ160'は矢印により表された如く導電レール130A、130B上で下方に摺動される(
図5D)。
【0037】
モジュール・キャップ160'は次に、一つ以上の固定用具により、モジュール支持体120に対して固着され得る。
図5Eを参照すると、幾つかの実施形態において、モジュール・キャップ160'は、例えば、ナット、蝶ナット、または、他の金具の如き締結具166A、166Bにより、モジュール支持体120に対して固着され得る。一例として且つ限定的なものとしてで無く、各締結具の金具が適用され得る如く、導電レール130A、130Bは、モジュール・キャップ160'の本体部分162の上側表面163の近傍の領域にて、少なくとも部分的に螺条形成され得る。他の実施形態においては、本体部分162の上側表面163とフレーム部材124とに対して適用された(不図示の)一つ以上のクランプが固定用具として使用され得る。上記固定用具は、支柱164A〜164Dを高温モジュール140"に押圧し、該高温モジュール140"をモジュール支持体120に対して確実に結合すべく作用する。従って、支柱164A〜164Dは高温モジュール140"に対して圧力を掛けることにより、高温モジュール140"とモジュール支持体120との間の堅牢な接続を提供する。
【0038】
第1及び第2の外部コネクタ146A'、146B'が、第1及び第2の導電パッド132A、132B及び導電レール130A、130Bに対して電気接続される如く、第1及び第2の外側支柱164A'、164B'は、第1及び第2の外部コネクタ132A、132Bに押圧される。
図5Fは、
図5Eに描かれて円で囲まれた内側支柱164C'の拡大図を概略的に示している。幾つかの実施形態において、第1及び第2の内側支柱164B'、164C'は、第1及び第2の外部コネクタ146A"、146B"と、モジュール基板150の第1金属層154との両方に対して接触すべく構成され得る。特に
図5Fを参照すると、第2の内側支柱164C'は、当該上側部分167が第2の外部コネクタ146"に接触する一方で当該下側部分170が第1金属層154に接触する如く、下側部分170の壁部を越えて延在する上側部分167を有する。各内側支柱の内の任意のもの(例えば、第1の内側支柱164B、及び、
図5Eにおいて存在し且つ視認可能でない他の任意の内側支柱など)は、外部コネクタならびにモジュール基板150の両方に接触すべく構成され得る。代替実施形態において、上側部分167は、外部コネクタ(例えば外部コネクタ146")上に位置されるが、それに対して接触はしない。
【0039】
例えば、一つ以上の構成要素を修理する如く、パワーモジュール100を分解するためには、該モジュールからは固定用具166A、166Bが取り外され得ると共に、モジュール・キャップ160'及び高温モジュール140"が導電レール130A、130Bから摺動して外される。損傷した構成要素は交換もしくは修理され得ると共に、パワーモジュール100は上述された如く再組立てされ得る。
【0040】
幾つかの実施形態においては、複数のパワーモジュールが組立てられ、アレイ・アセンブリが形成され得る。
図6は、垂直方向及び水平方向に配置された複数のパワーモジュール100A〜100Fを備えるパワーモジュール・アレイ200を概略的に示している。各フレーム部材(すなわちフレーム部材224A〜224F)の一部分は、その中に囲繞された(付番されない)高温パワーモジュールを描くために除去されていることを銘記されたい。図示実施形態においては、複数のパワーモジュールにより一つの熱拡散体が共有される。例えば、第1及び第2のパワーモジュール100A、100Bは第1のモジュール支持体の第1熱拡散体222Aを共有し、第3及び第4のパワーモジュール100C、100Dは第2のモジュール支持体の第2熱拡散体222Bを共有し、且つ、第5及び第6のパワーモジュール100E、100Fは第3のモジュール支持体の第3熱拡散体を共有する。2個より多いパワーモジュールが、水平方向に配置され得ると共に、一つの熱拡散体を共有し得ることを理解すべきである。
【0041】
図6に示された如く、各パワーモジュールは垂直方向にも積層され得る。下側のフレーム部材の頂面と、上側の熱拡散体の底面との間には、フレーム延長部材280が配備され得る。例えば、第1パワーモジュール100Aのフレーム部材224Aと第2熱拡散体222Bの底面との間、及び、第2パワーモジュール100Bのフレーム部材224Bと第2熱拡散体222Bの底面との間には、夫々、フレーム延長部材280が位置され得る。同様に、第3パワーモジュール100Cのフレーム部材224Cと第3熱拡散体222Cの底面との間、及び、第4パワーモジュール100Dのフレーム部材224Dと第3熱拡散体222Cの底面との間には、夫々、フレーム延長部材280が位置され得る。この様にして、パワーモジュール・アレイ200内には、複数のパワーモジュール100A〜100Eが水平方向及び垂直方向に配置され得る。
【0042】
今や、本明細書中に記述された各実施形態は、高温電力用半導体モジュールの如きパワーモジュールであって、容易に組立てられ且つ分解され得るというパワーモジュールに関連することを理解すべきである。導電レールは、種々のモジュールの電気接続及び整列の両方を実現する。各パワーモジュールを組立て状態に維持すべく利用される固定用具は、モジュールの何らの構成要素も貫通しないことから、圧力により誘起される応力が最小限とされる。更に、モジュール支持体に埋設された導電パッドは、存在し得る一切の誤整列に関わらず、電気接続を提供する。
【0043】
本明細書においては特定実施形態が図示かつ記述されてきたが、権利請求された主題の精神及び有効範囲から逸脱せずに他の種々の変更及び改変が為され得ることを理解すべきである。更に、本明細書においては権利請求された主題の種々の見地が記述されてきたが、斯かる見地は組み合わせて利用される必要はない。故に、添付の各請求項は、権利請求された主題の有効範囲内である斯かる変更及び改変の全てを包含することが意図される。