【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)公開1 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 平成28年7月11日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス https://invest.wealthnavi.com/ https://www.wealthnavi.com/ https://support.wealthnavi.com/ ▲3▼公開者 ウェルスナビ株式会社 ▲4▼公開された発明の内容 ウェルスナビ株式会社が、上記アドレスにより特定されるウェルスナビ株式会社のウェブサイトにおいて、本願発明に関連したサービスの提供を開始するとともに、当該サービスの説明を行った。 (2)公開2 ▲1▼会見日 平成28年7月12日 ▲2▼会見場所 紀尾井町ビル3階会議室(東京都千代田区紀尾井町3−12) ▲3▼公開者 ウェルスナビ株式会社 ▲4▼公開された発明の内容 ウェルスナビ株式会社が、紀尾井町ビル3階会議室にて公開で記者会見を行い、本願発明に関連したサービスについて説明した。 (3)公開3 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 平成28年7月13日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000014586.html ▲3▼公開者 ウェルスナビ株式会社 ▲4▼公開された発明の内容 ウェルスナビ株式会社が、上記アドレスにより特定されるウェブサイトにおいて、本願発明に関連したサービスに関するプレスリリースを行った。 (4)公開4 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 平成28年8月30日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス https://invest.wealthnavi.com/ https://www.wealthnavi.com/ https://support.wealthnavi.com/ ▲3▼公開者 ウェルスナビ株式会社 ▲4▼公開された発明の内容 ウェルスナビ株式会社が、上記アドレスにより特定されるウェルスナビ株式会社のウェブサイトにおいて、本願発明に関連したサービスの提供を開始するとともに、当該サービスの説明を行った。 (5)公開5 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 平成28年8月31日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000014586.html ▲3▼公開者 ウェルスナビ株式会社 ▲4
【文献】
もっとお金の話がしたい www.money-motto.com,ノーセルリバランス時の必要最低投資額も計算できるExcelツール公開!,[online],2014年12月21日,[2016年11月28日検索],インターネット<URL:http://www.money-motto.com/rebalanceexcel/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決定手段は、前記第2全時価総額に対する前記売却対象銘柄の売却後における各売却対象銘柄の時価総額の比率と前記目標比率との差が前記売却対象銘柄全体において略等しくなるように、各売却対象銘柄を売却すべき金額を算出する、請求項7に記載のサーバ装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、添付図面において共通する構成要件には同一の参照符号が付されている。
【0011】
1.一実施形態に係る有価証券の売買システム
一実施形態に係る有価証券の売買システムは、あるユーザ(ユーザ甲)が金融機関に開設した口座において保有する複数の銘柄(これら複数の銘柄によってポートフォリオが構築される)の各々の時価総額が複数の銘柄全体の時価総額に対して特定の比率を占めるように、少なくとも1つの銘柄を適切な数量売却又は購入するリバランス処理を実行することが可能なものである。このリバランス処理を実行することによって、ポートフォリオは、各銘柄の時価総額が複数の銘柄全体の時価総額に対して特定の比率を占める状態(以下便宜上「適正状態」という。)となるが、その後、時間の経過によって、いずれかの銘柄の時価総額が変動する等の結果として、ポートフォリオは、いずれかの銘柄の時価総額が複数の銘柄全体の時価総額に対して占める比率が上記特定の比率と異なる状態(以下便宜上「非適正状態」という。)となる可能性がある。このような非適正状態において、ユーザ甲が、ポートフォリオに対して新たな資金を追加で投資していずれかの銘柄を購入する局面が考えられる。かかる局面において、本実施形態に係る有価証券の売買システムは、別途のリバランス処理を行うことなく、ポートフォリオが適正状態となるように(又は適正状態に近づくように)購入対象銘柄を決定して購入する処理を実行するものである。
【0012】
まず、このような本実施形態に係る有価証券の売買システムの特徴について、
図1〜
図5を参照しつつ具体例を挙げて簡潔に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る有価証券の売買システムにおいて構築されたポートフォリオが適正状態にある様子の一例を示す図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る有価証券の売買システムにおいて構築されたポートフォリオが非適正状態にある様子の一例を示す図である。
図3は、本発明の一実施形態に係る有価証券の売買システムにおいて構築された非適正状態にあったポートフォリオがリバランス処理によって適正状態になった様子の一例を示す図である。
図4は、本発明の一実施形態に係る有価証券の売買システムにおいて構築された非適正状態にあったポートフォリオが通常の手法に従った追加投資によってどのように変化するかについての一例を示す図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る有価証券の売買システムにおいて構築された非適正状態にあったポートフォリオが特別な手法に従った追加投資によってどのように変化するかについての一例を示す図である。
【0013】
ここでは、説明の簡略化のために、ユーザ甲が金融機関に開設した口座において銘柄A、B、Cを保有するとともに、銘柄A、B、Cがこれらの銘柄全体の時価総額に対して占める目標比率が、それぞれ、50%、25%、25%である場合について説明する。
【0014】
図1には、「適正状態」にあるポートフォリオの一例が示されている。具体的には、
図1(a)には、銘柄A〜Cのそれぞれの時価単価が示されている。
図1(b)には、顧客IDとして「0001」が割り振られたユーザ甲が保有するポートフォリオについて、銘柄A〜Cのそれぞれに対応付けて、保有数量(口数、株数、額面金額等。以下同様とする。)、評価額(時価総額)、現在の比率、目標配分額及び目標からの乖離額が示されている。
【0015】
ここで、評価額(時価総額)(円)は、各銘柄の時価単価×保有数量により算出される。現在の比率(%)は、銘柄A〜C全体の時価総額(40,000円)に対して各銘柄の評価額(時価総額)が占める比率であって、100×評価額/銘柄A〜C全体の時価総額により算出される。目標配分額(円)は、各銘柄が目標比率を占めるために有すべき評価額である。目標からの乖離額(円)は、各銘柄の評価額と目標配分額との差額であって、評価額−目標配分額により算出される。
【0016】
図2には、「非適正状態」にあるポートフォリオの一例が示されている。具体的には、
図2(a)には、銘柄A〜Cのそれぞれの時価単価が示されており、
図1(a)と比較して、銘柄B、Cの時価単価が変動していることが理解される。
図2(b)にも、
図1(b)と同様に、顧客IDとして「0001」が割り振られたユーザ甲が保有するポートフォリオについて、銘柄A〜Cのそれぞれに対応付けて、保有数量、評価額(時価総額)、現在の比率、目標配分額及び目標からの乖離額が示されている。
【0017】
図1と
図2とを比較することによって明らかであるように、銘柄B、Cの時価単価が、それぞれ、50円及び20円から、40円及び40円に変動したことに起因して(銘柄A〜C全体の時価総額は48,000円に変動し)、銘柄A〜Cの比率が、それぞれ41.67%、16.67%及び41.67%に変動し、目標配分比率(それぞれ50%、25%及び25%)と異なっている。
【0018】
図2に示したようにポートフォリオが非適正状態にある場合において、リバランス処理を実行することによって、ポートフォリオを適正状態に戻すことができる。例えば、銘柄Aを40数量購入し、銘柄Bを100数量購入し、銘柄Cを200数量売却するというリバランス処理を実行する(結果、銘柄A〜Cの数量をそれぞれ240、300及び300とする)ことによって、
図3に示すように、銘柄A〜Cの比率は、それぞれ、50%、25%及び25%(それぞれ銘柄A〜Cの目標比率と同一である)に戻される。このようなリバランス処理によって、銘柄A〜C全体の時価総額(48,000円)を変化させることなく、各銘柄の比率を目標比率に戻す(
図2に示した非適正状態にあったポートフォリオを適正状態に戻す)ことができる。なお、ポートフォリオの内容によっては、銘柄A〜Cのうちの少なくとも1つの銘柄を売却しかつ残りの銘柄のうちの少なくとも1つの銘柄を購入するようなリバランス処理が実行され得ることはいうまでもない。
【0019】
適正状態にあったポートフォリオが非適正状態に移行した場合、その都度、リバランス処理を実行することも可能である。しかし、リバランス処理は、銘柄の購入及び/又は売却を伴うものであるため、ユーザ甲及び金融機関のうちの少なくとも一方にそのような購入及び/又は売却に付随する手数料が発生してしまう可能性がある(手数料が発生するか否かは金融機関が提供するサービスに依存することはいうまでもない)。よって、リバランス処理は、無条件に頻繁に行うよりも、例えば一定の周期毎に実行することが好ましい場合もあるといえる。
【0020】
一方、ポートフォリオが非適正状態にある場合において、ユーザ甲がポートフォリオに対して新たな資金を投資していずれかの銘柄を購入する(追加投資を行う)局面が考えられる。このような局面において、通常の手法に従った追加投資を行う場合について
図4を参照して説明する。ここでは、ポートフォリオが
図2に示したような非適正状態にある場合において例えば32,000円を追加で投資するものとする。通常の手法では、この投資額32,000円は、銘柄A〜Cの目標比率に比例した比率で各銘柄に分配される。すなわち、銘柄Aの目標比率は50%であるので、銘柄Aには16,000円が分配され、同様に、銘柄B、Cの目標比率はそれぞれ25%及び25%であるので、銘柄B、Cにはそれぞれ8,000円が分配される。これにより、銘柄Aを160数量(=16,000÷100)購入し、銘柄Bを200数量(8,000÷40)購入し、銘柄Cを200数量(8,000÷40)購入する。この結果、
図4に示すように、銘柄A〜Cの数量はそれぞれ360、400、700となり、銘柄A〜Cの比率は、それぞれ45%、20%及び35%となり、依然として目標比率とは異なっている。なお、銘柄A〜C全体の時価総額は80,000円(=48,000円+32,000円)である。
【0021】
上記と同様の局面において、特別な手法に従った追加投資を行う場合について
図5を参照して説明する。ここでも、ポートフォリオが
図2に示したような非適正状態にある場合において例えば32,000円を追加で投資するものとする。特別な手法では、この投資額32,000円は、この投資額が銘柄A〜Cのうちの少なくとも1つの銘柄に投資された後における各銘柄の比率が目標比率と略同一となるように、銘柄A〜Cのうちの少なくとも1つの銘柄に分配される。例えば、
図5に示すように、銘柄A、Bには、それぞれ、20,000円及び12,000円が分配されるが、銘柄Cには全く分配されない。これにより、銘柄Aを200数量(=20,000÷100)購入し、銘柄Bを300数量(1,2000÷40)購入する。この結果、
図5に示すように、銘柄A〜Cの数量はそれぞれ400、500、500となり、銘柄A〜Cの比率は、それぞれ50%、25%及び25%となり、目標比率と同一となっている。なお、銘柄A〜C全体の時価総額は、通常の手法を用いた場合(
図4)と同様に80,000円(=48,000円+32,000円)である。このように特別な手法によれば、別途のリバランス処理を実行することなく(リバランス処理に付随する手数料を抑えつつ)、追加の投資を行う際に併せてリバランス処理も同時に実行することができる。
【0022】
なお、特許文献1に開示されているのは、単にリバランス処理を実行することのみである。本明細書において開示されているような追加投資及び/又は一部売却を実行する際に併せてリバランス処理を同時に行うという技術的思想は、特許文献1には開示ないし示唆するところが全く見受けられないものである。
【0023】
1−1.一実施形態に係る有価証券の売買システムの全体構成
図6は、本発明の一実施形態に係る有価証券の売買システムの構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、有価証券の売買システム1は、主に、売買サーバ10と、売買サーバ10に対してインターネット等を含む通信網20を介して接続された複数の端末装置30−1、30−2、・・・、30−N(以下「端末装置30」と総称することがある。)と、を含む。
【0024】
本実施形態では、売買サーバ10は、計算サーバ12と、計算サーバ12に接続されたウェブサーバ14と、計算サーバ12及びウェブサーバ14に接続されたデータベースサーバ16と、データベースサーバ16に接続された証券サーバ18と、を含む。なお、別の実施形態では、売買サーバ10は、計算サーバ12、ウェブサーバ14、データベースサーバ16及び証券サーバ18の各々が果たす機能をすべて果たすように、1つ又は複数のデータベースとして構成されるものであってもよい。
【0025】
ウェブサーバ14は、端末装置30から受信した情報に応じて、計算サーバ12及びデータベースサーバ16から受信した様々な情報を用いてウェブページを表示するためのHTMLデータを生成して端末装置30に送信する。データベースサーバ16は、ウェブサーバ14、計算サーバ12及び証券サーバ18の各々から受信した情報を記憶するとともに、記憶した情報を計算サーバ12及びウェブサーバ14に送信する。計算サーバ12は、ウェブサーバ14及びデータベースサーバ16の各々から受信した情報に基づいて、様々な処理及び演算を実行し、そのような処理及び演算の結果をウェブサーバ14及びデータベースサーバ16に送信する。証券サーバ18は、有価証券に関する様々な情報を、図示しない証券取引所(東京証券取引所やニューヨーク証券取引所等を含む様々な証券取引所)に配置された図示しないサーバ装置から通信網20等を介して受信し、そのように受信した情報をデータベースサーバ16に送信する。
【0026】
ユーザは、そのユーザの端末装置30を用いて、売買サーバ10(特にウェブサーバ14)との間で様々な情報を送受信することによって、有価証券の売買に関する様々なサービス(以下「有価証券売買サービス」という。)の提供を受けることができる。
【0027】
1−2.売買サーバ10の構成
売買サーバ10を構成する計算サーバ12、ウェブサーバ14、データベースサーバ16及び証券サーバ18が共通して有する構成について
図7を参照して説明する。
図7は、
図6に示した有価証券の売買システムに用いられる売買サーバ10(を構成する各サーバ)の構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
図7に示すように、各サーバは、CPU101と、メインメモリ102と、ユーザインターフェイス(I/F)103と、通信インターフェイス(I/F)104と、外部メモリ105と、ディスクドライブ106と、を含み、これらの各構成要素がバス107を介して互いに電気的に接続されている。
【0029】
CPU101は、外部メモリ105からオペレーティングシステム、及び、様々な機能を実現するためのプログラム等をメインメモリ102にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する。メインメモリ102は、CPU101が実行するプログラムを格納するために用いられ、例えばDRAMによって構成される。
なお、計算サーバ14に搭載されたCPU101は、ウェブサーバ14及びデータベースサーバ16の各々から受信した情報に基づいて、様々な処理及び演算を実行する。また、ウェブサーバ14に搭載されたCPU101は、端末装置30から受信した情報に応じて、計算サーバ12及びデータベースサーバ16から受信した様々な情報を用いてウェブページを表示するためのHTMLデータを生成する。
【0030】
ユーザI/F103は、例えば、オペレータの入力を受け付けるキーボードやマウス等の情報入力装置と、CPU101の演算結果を出力する液晶ディスプレイ等の情報出力装置と、を含む。通信I/F104は、ハードウェア、ファームウェア、TCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア、又は、これらの組み合わせとして実装される。
なお、計算サーバ12、ウェブサーバ14、データベースサーバ16及び証券サーバ18の各サーバは、通信I/F104を用いて、他のサーバと通信可能に接続される。さらに、ウェブサーバ14は、通信I/F104を用いて、通信網20を介して端末装置30と通信可能に構成される。
【0031】
外部メモリ105は、例えば磁気ディスクドライブで構成され、様々な機能を実現するためのプログラム等の様々なプログラムが記憶される。また、外部メモリ105には、これらのプログラムにおいて用いられる各種データも記憶されうる。
【0032】
ディスクドライブ106は、CD−ROM、DVD−ROM、DVD−R等の各種の記憶メディアに格納されたデータを読み込み、又は、これらの記憶メディアにデータを書き込む。
以上、売買サーバ10を構成する計算サーバ12、ウェブサーバ14、データベースサーバ16及び証券サーバ18が共通して有する構成について説明した。
【0033】
ここで、このような構成を有するウェブサーバ14に着目すると、ウェブサーバ14は、階層構造を有する複数のウェブページから成るウェブサイトを管理するウェブサーバであり、端末装置30に対して、有価証券売買サービスを提供することができる。端末装置30に備えられたブラウザソフトウェアは、ウェブページを表示するためのHTMLデータをウェブサーバ14から取得し、取得したHTMLデータを解析して、当該ウェブページを端末装置30のユーザに提示することができる。このウェブページを表示するためのHTMLデータも外部メモリ105に記憶されうる。HTMLデータは、HTML等のマークアップ言語で記述されたHTML文書から成り、このHTML文書には、タグを利用して様々な画像を関連付けることができる。また、HTML文書には、ActionScriptやJavaScript(登録商標)等のスクリプト言語等で記述されたプログラムを埋め込むことができる。
このように、ウェブサーバ14は、有価証券売買サービスを提供するウェブサイトを管理し、このウェブサイトを構成するウェブページを端末装置30からの要求に応じて配信することにより、ユーザに有価証券売買サービスを提供することができる。
【0034】
1−3.端末装置30の構成
端末装置30は、一実施形態において、売買サーバ10から取得したウェブサイトのウェブページをウェブブラウザ上で表示することができる任意の情報処理装置であって、例えば、携帯電話機、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タッチパッドを含むが、これらには限られない。
【0035】
図8を参照して端末装置30の構成を説明する。
図8は、
図6に示した有価証券の売買システム1に用いられる端末装置30の構成の一例を示すブロック図である。端末装置30は、
図3に示すように、CPU31、メインメモリ32と、ユーザインターフェイス(I/F)33と、通信インターフェイス(I/F)34と、外部メモリ35と、を含み、これらの各構成要素がバス36を介して互いに電気的に接続されている。
【0036】
CPU31は、外部メモリ35からオペレーティングシステム等の様々なプログラムをメインメモリ32にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する。メインメモリ32は、CPU31が実行するプログラムを格納するために用いられ、例えばDRAMによって構成される。
【0037】
ユーザI/F33は、例えば、ユーザの入力を受け付けるタッチパネル、キーボード、ボタンやマウス等の情報入力装置と、CPU31の演算結果を出力する液晶ディスプレイ等の情報出力装置と、を含む。通信I/F34は、ハードウェア、ファームウェア、又は、TCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装され、通信網20を介してサーバ装置10と通信可能に構成される。
外部メモリ35は、例えば磁気ディスクドライブやフラッシュメモリ等により構成され、オペレーティングシステム等の様々なプログラムを記憶する。
【0038】
このような構成を有する端末装置30は、例えば、HTML形式のファイル(HTMLデータ)を解釈して画面表示するためのブラウザソフトウェアを備えており、このブラウザソフトウェアの機能により売買サーバ10から取得したHTMLデータを解釈して、受信したHTMLデータに対応するウェブページを表示することができる。また、端末装置30は、ブラウザソフトウェアに組み込まれるプラグインソフト(例えば、アドビシステムズ社から提供されているFLASH Player)(FLASHは商標)を備えており、HTMLデータに埋め込まれたSWF形式のファイルを売買サーバ10から取得し、当該SWF形式のファイルをブラウザソフトウェア及びプラグインソフトを用いて実行することができる。
【0039】
端末装置30においてHTML形式のファイル(HTMLデータ)が解釈されると、例えば、このファイルにおいて指定されたアニメーションや操作用アイコンが端末装置30の画面に表示される。ユーザは、端末装置30の入力インターフェイス(例えば、タッチスクリーンやボタン)を用いて有価証券売買サービスを進行させるための指示を入力することができる。ユーザから入力された指示は、端末装置30のブラウザ等のプラットフォームの機能を通じて売買サーバ10に伝達される。
【0040】
1−4.売買サーバ10の機能
図9は、
図6に示した有価証券の売買システム1において用いられる売買サーバ10が有する機能の一例を示すブロック図である。
図9に示すように、売買サーバ10は、主に、記憶部110と、入力部120と、算出部130と、売買処理部140と、を含む。
【0041】
記憶部110は、各ユーザについて、該ユーザが或る金融機関(ここでは一例として金融商品取引業者である「WN社」)に開設した口座において保有する複数の銘柄の各々に対応付けて、保有数量、時価単価、評価額(時価総額)、現在の比率、目標配分額及び目標からの乖離額等を含む様々な情報を記憶することができる。なお、金融機関には、預金取扱等金融機関(銀行、信用金庫、信用農業共同組合連合会等)、金融商品取引業者、及び、保険会社が含まれる。さらにまた、金融機関には、諸外国の法律等により定められた金融機関も含まれる。
【0042】
入力部120は、いずれかの銘柄を購入すべく新たに投資される投資額を、通信網20を介して各ユーザ(の端末装置30から)入力する。これに代えて又はこれに加えて、入力部120は、一定周期(例えば毎日、毎週、毎月、毎四半期、半年毎、毎年等の任意の周期)毎に所定の金額を積み立てる契約が成立しているユーザについては、積立額(これも投資額の一種である)を例えば記憶部110(記憶部がそのようなユーザに対応付けて金額及び周期を記憶することができる)から入力することもできる。
【0043】
算出部130は、リバランス処理に関して、各ユーザについて、購入対象銘柄及び/又は売却対象銘柄を決定するとともに、購入対象銘柄(又は売却対象銘柄)を何数量購入(又は売却)するのかを決定することができる。
また、算出部130は、追加投資に関して、各ユーザについて、そのユーザがWN社に開設した口座において保有する各銘柄の数量及び時価単価に基づいて、各銘柄の時価総額及び銘柄全体の時価総額を算出し、投資額と銘柄全体の時価総額との和である全時価総額に対する各銘柄の時価総額の比率である仮想比率を算出し、各銘柄の仮想比率と目標比率との差に基づいて購入対象銘柄を決定する。さらに、算出部130は、このように決定された購入対象銘柄の購入のために配分すべき金額を算出する。
【0044】
売買処理部140は、リバランス処理に関して、各ユーザについて、算出部130により決定された購入対象銘柄(又は売却対象銘柄)を購入する購入処理(又は売却する売却処理)を実行する。
また、売買処理部140は、追加投資に関して、各ユーザについて、算出部130により決定された購入対象銘柄を購入する購入処理を実行する。
【0045】
このような売買サーバ10が有する各機能は、例えば
図7に示した構成を用いて実現され得るものである。
【0046】
1−5.有価証券の売買システム1の動作
上記構成を有する有価証券の売買システム1において有価証券売買サービスを提供するために行われる動作の一例について説明する。
まず、有価証券の売買システム1において行われる動作の概要について
図10を参照して簡単に説明する。
図10は、
図6に示した有価証券の売買システム1において行われる動作の一例を示すフロー図である。なお、ユーザ(ここでは「ユーザ甲」)は、端末装置30を利用して、売買サーバ10のウェブサーバ14により提供されている有価証券売買サービスを提供するための所定のサイトにアクセスして様々な情報を入力すること等によって、売買サーバ10が、ユーザ甲に対して複数の銘柄により構築されたポートフォリオを既に提供しているものとする。
【0047】
まず、ステップ(以下「ST」という。)40において、売買サーバ10(の計算サーバ12)は、必要に応じて、ユーザ甲のポートフォリオに対してリバランス処理を実行する。これにより、ユーザ甲のポートフォリオは適正状態に移行する。なお、このリバランス処理は、例えば、いずれかの銘柄の資産が全体の資産に対して占める割合がこの銘柄について設定されている割合と相違している場合にのみ、実行されるようにしてもよいし、及び/又は、所定の周期(例えば、1週間、2週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月等の任意の周期)毎に実行されるようにしてもよいし、及び/又は、ユーザ甲の端末装置30から所定の信号(リバランス処理を実行する旨を売買サーバ10に対して指示する信号等)を受信した時点において実行されるようにしてもよいし、及び/又は、売買サーバ10(計算サーバ12、ウェブサーバ14、データベースサーバ16及び証券サーバ18のうちのいずれであってもよい)に設けられたユーザインターフェイス(I/F)103を介してこの売買サーバ10を操作するオペレータにより入力された所定の信号が上記売買サーバ10のCPU101に検出された時点(例えば、オペレータが、ユーザ甲について、リバランス処理を実行すべく、所定のアイコン等をクリックしたり、キーボードから所定の情報を入力した時点)において実行されるようにしてもよい。
このリバランス処理を実現するための計算ロジックの具体例については後述する。
【0048】
ST41において、ユーザ甲のポートフォリオを構築する少なくとも1つの銘柄の時価単価が変動することによって、このポートフォリオが非適正状態に移行する。
【0049】
ST42において、売買サーバ10(の計算サーバ12)は、ウェブサーバ14により提供される所定のウェブサイトを介してユーザ甲の端末装置30から、ユーザ甲のポートフォリオに対して新たに投資される投資額を入力する。これに代えて又はこれに加えて、売買サーバ10は、上述したようにWN社とユーザ甲との間において一定周期(例えば毎日、毎週、毎月、毎四半期、半年毎、毎年等の任意の周期)毎に所定の金額を積み立てる契約が締結されている場合には、売買サーバ10の記憶部120に記憶された積立額(投資額の一種)を入力してもよい。
【0050】
ST43において、売買サーバ10(の計算サーバ12)は、ユーザ甲のポートフォリオに関する情報及び入力された投資額に基づいて、購入対象銘柄を決定する。購入対象銘柄を決定するための計算ロジックの具体例については後述する。
【0051】
ST44において、売買サーバ10(の計算サーバ12)は、ユーザ甲のポートフォリオに関する情報及び入力された投資額に基づいて、購入対象銘柄を購入すべき数量を決定する。購入対象銘柄を購入すべき数量を決定するための計算ロジックの具体例については後述する。
【0052】
ST45において、売買サーバ10(の計算サーバ12)は、ST43において決定された購入対象銘柄をST44において決定された数量だけ購入する購入処理を実行する。これにより、ユーザ甲のポートフォリオは適正状態に戻される(又は適正状態に近づく)。購入処理を実現するための処理の具体例については後述する。
【0053】
1−6.リバランス処理を実現するための計算ロジック(ST40)
ST40において実行されるリバランス処理を実現するための計算ロジックの具体例について説明する。
【0054】
(設定)
ユーザ毎に次のデータが利用される(時価単価は全ユーザで共通である)。
銘柄ID i(i∈I,I={1,2,...,n})
保有数量 Qi(
>0)
時価単価 Vi(
>0)
目標配分比率 Ri
【0055】
(計算方法)
売買サーバ10(の計算サーバ12)の算出部130は、ユーザ毎に次の各ステップを実行する。
ステップ1
算出部130は、以下に示す式に従い、当該ユーザの銘柄全体の時価総額(TA)、及び、銘柄全体の時価総額(TA)に対する各銘柄の時価総額の比率(CRi)を計算し、さらにその比率(CRi)と目標配分比率との乖離(Di)を計算する。
【0056】
ステップ2
算出部130は、各銘柄の売買額IAi及び売買数量IQiを計算する。但し、これらの値は、正であれば購入、負であれば売却を意味するものとする。Diが正の場合には、IAi及びIQiは負となるため、目標配分比率を超えて保有している銘柄を売却し、Diが負の場合には、IAi及びIQiは正となるため、目標配分比率に満たない銘柄を購入することになる。
IAi=−TA×Di
IQi=IAi÷Vi
なお、銘柄を購入する購入処理及び銘柄を売却する売却処理の具体例については、後述する。
1−7.購入対象銘柄を決定するための計算ロジック(ST43)及び購入対象銘柄を購入すべき数量を決定するための計算ロジック(ST44)(その1)
ST43において購入対象銘柄を決定するための計算ロジック、及び、ST44において購入対象銘柄を購入すべき数量を決定するための計算ロジックの具体例について説明する。
【0057】
(設定)
ユーザ毎に次のデータが利用される(時価単価は全ユーザで共通である)。
銘柄ID i(i∈I,I={1,2,...,n})
保有数量 Qi(
>0)
時価単価 Vi(
>0)
目標配分比率 Ri
追加投資額 A(>0)
【0058】
(計算方法)
売買サーバ10(の計算サーバ12)の算出部130は、ユーザ毎に次の各ステップを実行する。
【0059】
ステップ1
算出部130は、以下に示す式に従い、当該ユーザの追加投資後の全時価総額(TA=投資額+銘柄全体の時価総額)、及び、追加投資後の全時価総額に対する現在の各銘柄の時価総額の比率(CRi)を計算し、さらに比率(CRi)と目標配分比率との乖離(Di)を計算する。
【0060】
ステップ2
Diを値の小さい順に並び替えた場合にj番目にくる銘柄のIDをi
jとする。
Di
1≦Di
2≦...≦Di
n
ここで、r=1,2,...,nに対して次のとおりC
rを定義し、C
0=0とする。但し、Di
n+1は、0かDi
nのうちのいずれか大きい方とする。
【0061】
算出部130は、次の関係を満たす自然数r(≦n)を求める。
この不等式を満たす自然数r(≦n)が必ず存在することは以下のとおり示される。よって、算出部130は、rを1からnまで1つずつ増やしながら、C
rがA/TAと一致又はA/TAを超えたかをチェックすることにより、rを必ず見つけることができる。このようにrを見つけることができるということは、購入対象銘柄として、銘柄i
1、i
2、...i
rのr個の銘柄を見つけることができる、ということを意味する。
【0062】
まず、j<kであればDi
j≦Dj
kであることから、次のとおりC
r−1≦C
rであることが分かる。
【0063】
また、A/TA>0であること、及び、以下の式によれば、0=C
0<A/TA≦C
nであることが分かる。
【0064】
これらのことから、A/TAは、区間(C
0,C
1],(C
1,C
2],...,(C
n−1,C
n]のどこかに入ること、すなわち、C
r−1<A/TA≦C
rを満たす自然数r(≦n)が存在することが分かる。
【0065】
上記ステップ1及び2において実行される処理が、ST43において実行される処理の具体例である。
【0066】
ステップ3
算出部130は、銘柄IDの集合B={i
1,...,i
r}に含まれる銘柄を対象に、次のとおり各銘柄への投資額IAi
j及び売買数量IQi
jを計算する。
【0067】
なお、次のとおり、IAi
jをすべての対象銘柄について足し合わせるとAとなることが確認できる。
【0068】
上記ステップ3において実行される処理が、ST44において実行される処理の具体例である。
【0069】
次に、上記ステップ1〜3において実行される処理を具体的な数値を用いて説明する。
銘柄a〜eの目標配分比率及び追加投資前の評価額(Q×V)は、
図11に示すとおりであり、追加投資額(A)は24万円であるとする。
【0070】
ステップ1
算出部130は、全時価総額(TA)=24+93+75+36+51+21=300(万円)となることを用いて、CR及びDをそれぞれ
図11の第4列及び第5列に示すとおりに計算する。
【0071】
ステップ2
算出部130は、Diの小さい順にソートして、i
1=b、i
2=a、i
3=c、i
4=e、i
5=dとする。これらのDiの大きさを図示したものが、
図12に示されている。
図12は、各銘柄において、当該銘柄に対して追加投資されなかった場合にどれだけ目標配分比率から乖離するかを示している。
【0072】
全時価総額(TA)に対する追加投資額(A)の比率(A/TA)は8%となるので、算出部130は、C
1から順次計算して、A/TAを初めて超えるC
rを求める。
C
1=(Di
2−Di
1)=1%
C
2=(Di
3−Di
1)+(Di
3−Di
2)=2%+1%=3%
C
3=(Di
4−Di
1)+(Di
4−Di
2)+(Di
4−Di
3)=4%+3%+2%=9%
【0073】
C
2<A/TA≦C
3となるため、算出部130は、r=3を求めることができる。すなわち、算出部130は、購入対象銘柄として、銘柄i
1、i
2、i
3の3つの銘柄を決定することができる。
より概念的に説明すると、
図12に示すように、まず、部分P1(C
1=1%)(
図12において実線で囲った部分)がA/TA(=8%)をカバーできるかどうかを検討する。部分P1はA/TAをカバーできない(C
1<A/TA)ため、次に、部分P2に着目する。部分P2(C
2=2%+1%)(
図12において破線で囲った2つの部分)がA/TA(=8%)をカバーできるかどうかを検討する。部分P2はA/TAをカバーできない(C
2<A/TA)ため、次に、部分P3に着目する。部分P3(C
3=4%+3%+2%)(
図12において点線で囲った3つの部分)がA/TA(=8%)をカバーできるかどうかを検討する。部分P3は、A/TAをカバーできるものであって、A/TAを初めて超えるものである。これにより、C
2<A/TA≦C
3が成立する(r=3)ので、銘柄i
1、i
2、i
3の3つの銘柄を購入対象銘柄として決定することができる。
【0074】
ステップ3
算出部130は、上記ステップ2において購入対象銘柄として決定した3つの銘柄の各々に対する投資額についての配分を計算する。
IAi
1=300×(2%+1/3×(8%−(2%+1%)))=11万円
IAi
2=300×(1%+1/3×(8%−(2%+1%)))=8万円
IAi
3=300×(0%+1/3×(8%−(2%+1%)))=5万円
このような配分を概念的に示したものが、
図13に示されている。
図13から明らかであるように、算出部130は、追加投資額を、目標配分比率からのマイナス幅が大きい銘柄を優先的に購入対象銘柄として決定するとともに、購入対象銘柄に投資額を配分した後における全時価総額に対する各購入対象銘柄の時価総額の比率と目標配分比率との差が、これら購入対象銘柄全体において略等しくなるように、各購入対象銘柄に対する投資額についての配分を決定している、といえる。このように、複数の銘柄のうち全時価総額に対する時価総額の比率と目標配分比率との差が最も大きい少なくとも1つの銘柄を購入対象銘柄として選択し、このように選択した購入対象銘柄に投資額を配分するので、結果として、追加投資後において、全銘柄の時価総額に対する時価総額の比率と目標配分比率との差が大きい(又は著しく大きい)銘柄が依然として残されるという事態を(少なくとも部分的には)抑えることができる。さらに、追加投資後において、全銘柄の時価総額に対する時価総額と目標配分比率との差が生じている銘柄が仮に複数残存していたとしても、そのように残存している複数の銘柄が、全銘柄の時価総額に対する時価総額の比率と目標配分比率との差が他の銘柄に比べて等しいか又は近接したものとなる可能性を高めることができる。
【0075】
1−8.購入対象銘柄を決定するための計算ロジック(ST43)及び購入対象銘柄を購入すべき数量を決定するための計算ロジック(ST44)(その2)
次に、ST43において購入対象銘柄を決定するための計算ロジック、及び、ST44において購入対象銘柄を購入すべき数量を決定するための計算ロジックの別の具体例について、上記「1−7」において説明したものと異なる点のみに着目して説明する。
前提条件及びステップ1は、上記「1−7」において説明したものと同様である。
【0076】
ステップ2
算出部130は、Diが負となっている銘柄すべてを購入候補銘柄として決定する。
上記ステップ1及び2において実行される処理が、ST43において実行される処理の具体例である。
【0077】
ステップ3
算出部130は、次の式のとおり、Diが負となっている銘柄のIDの集合をMとして、Mに含まれる銘柄のみのDiの絶対値の合計を計算する。
【0078】
次に、算出部130は、Mに含まれるすべての銘柄について、次の式のとおり、各銘柄への投資額IAi及び売買数量IQiを計算する。
【0079】
上記ステップ3において実行される処理が、ST44において実行される処理の具体例である。
【0080】
以上のように、複数の銘柄のうち、全時価総額に対する時価総額の比率が目標比率よりも小さい銘柄が、すべて購入対象銘柄として決定され、さらに、このように決定された各購入対象銘柄の比率と目標比率との差の大きさ(絶対値)に比例した投資額がその購入対象銘柄の購入に配分される。よって、追加投資後において、全銘柄の時価総額に対する時価総額の比率と目標配分比率との差が大きい(又は著しく大きい)銘柄が依然として残されるという事態を(少なくとも部分的には)抑えることができる。さらに、追加投資後において、全銘柄の時価総額に対する時価総額と目標配分比率との差が生じている銘柄が仮に複数残存していたとしても、そのように残存している複数の銘柄が、全銘柄の時価総額に対する時価総額の比率と目標配分比率との差が他の銘柄に比べて等しいか又は近接したものとなる可能性を高めることができる。
【0081】
1−9.購入処理及び売却処理の具体例
上述したST40及びST45において行われる購入処理、並びに、上述したST40において行われる売却処理について、
図14を参照して具体的に説明する。
【0082】
ここでは、売買サーバ10(の計算サーバ12)の売買処理部140が、顧客ID「0001」により特定されるユーザ甲について、銘柄Aを数量200購入する購入処理を実行した後、銘柄Fを数量100売却する売却処理を実行した場合を考える。このような購入処理及び売却処理が実行されると、売買処理部140は、データベースサーバ16において、取引情報として、
図14に例示するような情報を記憶することができる。
【0083】
図14には、第1行目において、顧客ID「0001」により識別される「ユーザ甲」が、WN社から銘柄Aを数量200購入することによってWN社に20,000円(200×100円)を支払ったという情報が記録され、第2行目において、同じく「ユーザ甲」が、WN社に銘柄Fを数量100売却することによってWN社から5,000円(100×50)の支払いを受けたという情報が記録される。
【0084】
2.別の実施形態に係る有価証券の売買システム
別の実施形態に係る有価証券の売買システムについて、上記「1」において説明した一実施形態に係る有価証券の売買システムと異なる点のみに着目して説明する。
ユーザ甲のポートフォリオが非適正状態にあるときに、ユーザ甲が、ポートフォリオを構築する資産(ポートフォリオに含まれる少なくとも1つの銘柄)を売却する局面が考えられる。かかる局面において、本実施形態に係る有価証券の売買システムは、別途のリバランス処理を行うことなく、ポートフォリオが適正状態となるように(又は適正状態に近づくように)売却対象銘柄を決定して売却する処理を実行するものである。
【0085】
まず、このような本実施形態に係る有価証券の売買システムの特徴について、先に参照した
図2に加えて
図15及び
図16を参照しつつ具体例を挙げて簡潔に説明する。
図15は、本発明の別の実施形態に係る有価証券の売買システムにおいて構築された非適正状態にあったポートフォリオが通常の手法に従った一部売却によってどのように変化するかについての一例を示す図である。
図16は、本発明の別の実施形態に係る有価証券の売買システムにおいて構築された非適正状態にあったポートフォリオが特別な手法に従った一部売却によってどのように変化するかについての一例を示す図である。
【0086】
図2に示すようにポートフォリオが非適正状態にある場合において、ユーザ甲がポートフォリオに含まれる少なくとも1つの銘柄を通常の手法に従って売却する局面について、
図15を参照して説明する。ここでは、ポートフォリオが
図2に示した非適正状態にある場合(銘柄全体の時価総額は48,000円)に例えば24,000円に相当する資産を売却するものとする。通常の手法では、全銘柄の時価総額の50%を一部売却するのであるから、銘柄A〜Cのそれぞれについて、その銘柄の数量の50%を売却する。すなわち、銘柄A及び銘柄Bの数量はそれぞれ200であるので、銘柄A及び銘柄Bをそれぞれ数量100売却し、銘柄Cの数量は500であるので、銘柄Cを数量250売却する。この結果、
図15に示すように、銘柄A〜Cの数量はそれぞれ100、100、250となり、銘柄A〜Cの比率は、それぞれ41.67%、16.67%及び41.67%となり、依然として目標比率とは異なっている。なお、銘柄A〜C全体の時価総額は24,000円(48,000円−24,000円)である。
【0087】
上記と同様の局面において、特別な手法に従った一部売却を行う場合について
図16を参照して説明する。ここでも、ポートフォリオが
図2に示したような非適正状態にある場合において例えば24,000円に相当する資産を売却するものとする。特別な手法では、この売却額24,000円は、このような売却が行われた後における各銘柄の比率が目標比率と略同一となるように、銘柄A〜Cのうちの少なくとも1つの銘柄に分配される。例えば、
図16に示すように、銘柄A〜Cは、それぞれ、数量80、数量50、数量350売却される。これにより、銘柄A〜Cの数量はそれぞれ120、150及び150となり、銘柄A〜Cの比率は、それぞれ50%、25%及び25%となり、目標比率と同一となっている。なお、銘柄A〜C全体の時価総額は、通常の手法を用いた場合(
図15)と同様に24,000円(=48,000円−24,000円)である。このように特別な手法によれば、別途のリバランス処理を実行することなく(リバランス処理に付随する手数料を抑えつつ)、資産の一部売却を行う際に併せてリバランス処理も同時に実行することができる。
【0088】
2−1.売買サーバ10の機能
売買サーバ10が有する機能について、上記「1−4」で説明したものと異なる点のみに着目して説明する。
【0089】
入力部120は、各ユーザが保有する複数の銘柄のうちの少なくとも1つの売却対象銘柄を売却すべく当該売却対象銘柄全体の売却額を、通信網20を介して各ユーザ(の端末装置30)から入力する。
【0090】
算出部130は、一部売却に関して、各ユーザについて、そのユーザがWN社に開設した口座において保有する各銘柄の数量及び時価単価に基づいて、各銘柄の時価総額及び銘柄全体の時価総額を算出し、銘柄全体の時価総額から売却額を減じた全時価総額(第2全時価総額)に対する各銘柄の時価総額の比率である仮想比率(第2仮想比率)を算出し、各銘柄の仮想比率と目標比率との差に基づいて売却対象銘柄を決定する。さらに、算出部130は、このように決定された売却対象銘柄の売却のために配分すべき金額を算出する。
【0091】
売買処理部140は、一部売却に関して、各ユーザについて、算出部130に決定された売却対象銘柄を売却する売却処理を実行する。
【0092】
このような売買サーバ10が有する各機能は、例えば
図7に示した構成を用いて実現され得るものである。
【0093】
2−2.有価証券の売買システム1の動作
上記構成を有する有価証券の売買システム1において有価証券売買サービスを提供するために行われる動作の一例について説明する。
まず、有価証券の売買システム1において行われる動作の概要について、上記「1−5」において説明したものと異なる点のみに着目して
図17を参照して簡単に説明する。
図17は、本発明の別の実施形態に係る有価証券の売買システムにおいて行われる動作の一例を示すフロー図である。
【0094】
ST52において、売買サーバ10(の計算サーバ12)は、ウェブサーバ14により提供される所定のウェブサイトを介してユーザ甲の端末装置30から、ユーザ甲のポートフォリオから売却すべき資産の額(売却額)を入力する。
【0095】
ST53において、売買サーバ10(の計算サーバ12)は、ユーザ甲のポートフォリオに関する情報及び入力された売却額に基づいて、売却対象銘柄を決定する。売却対象銘柄を決定するための計算ロジックの具体例については後述する。
【0096】
ST54において、売買サーバ10(の計算サーバ12)は、ユーザ甲のポートフォリオに関する情報及び入力された売却額に基づいて、売却対象銘柄を売却すべき数量を決定する。売却対象銘柄を売却すべき数量を決定するための計算ロジックの具体例については後述する。
【0097】
ST55において、売買サーバ10(の計算サーバ12)は、ST53において決定された購入対象銘柄をST54において決定された数量だけ売却する売却処理を実行する。これにより、ユーザ甲のポートフォリオは適正状態に戻される(又は適正状態に近づく)。売却処理を実現するための具体例については、上記「1−9」で述べたとおりである。
【0098】
2−3.売却対象銘柄を決定するための計算ロジック(ST53)及び売却対象銘柄を売却すべき数量を決定するための計算ロジック(ST54)(その1)
ST53において売却対象銘柄を決定するための計算ロジック、及び、ST54において売却対象銘柄を売却すべき数量を決定するための計算ロジックの具体例について説明する。
【0099】
(設定)
ユーザ毎に次のデータが利用される(時価単価は全ユーザで共通である)。
銘柄ID i(i∈I,I={1,2,...,n})
保有数量 Qi(
>0)
時価単価 Vi(
>0)
目標配分比率 Ri
一部売却額 A(>0)
【0100】
(計算方法)
売買サーバ10(の計算サーバ12)の算出部130は、ユーザ毎に次の各ステップを実行する。
【0101】
ステップ1
算出部130は、以下に示す式に従い、当該ユーザの一部売却後の全時価総額(TA=銘柄全体の時価総額−売却額)、及び、一部売却後の全時価総額に対する現在の各銘柄の時価総額の比率(CRi)を計算し、さらに比率(CRi)と目標配分比率との乖離(Di)を計算する。
【0102】
ステップ2
Diを値の大きい順に並び替えた場合にj番目にくる銘柄のIDをi
jとする。
Di
1>Di
2>...
>Di
n
ここで、r=1,2,...,nに対して次のとおりC
rを定義し、C
0=0とする。但し、Di
n+1は、0かDi
nのうちのいずれか小さい方とする。
【0103】
算出部130は、次の関係を満たす自然数r(≦n)を求める。
この不等式を満たす自然数r(≦n)が必ず存在することは以下のとおり示される。よって、算出部130は、rを1からnまで1つずつ増やしながら、C
rがA/TAと一致又はA/TAを超えたかをチェックすることにより、rを必ず見つけることができる。このようにrを見つけることができるということは、売却対象銘柄として、銘柄i
1、i
2、...i
rのr個の銘柄を見つけることができる、ということを意味する。
【0104】
まず、j<kであればDi
j>Dj
kであることから、次のとおりC
r−1≦C
rであることが分かる。
【0105】
また、A/TA>0であること、及び、以下の式によれば、0=C
0<A/TA≦C
nであることが分かる。
【0106】
これらのことから、A/TAは、区間(C
0,C
1],(C
1,C
2],...,(C
n−1,C
n]のどこかに入ること、すなわち、C
r−1<A/TA≦C
rを満たす自然数r(≦n)が存在することが分かる。
【0107】
上記ステップ1及び2において実行される処理が、ST53において実行される処理の具体例である。
【0108】
ステップ3
算出部130は、銘柄IDの集合B={i
1,...,i
r}に含まれる銘柄を対象に、次のとおり各銘柄の売却額IAi
j及び売買数量IQi
jを計算する。
【0109】
なお、次のとおり、IAi
jをすべての対象銘柄について足し合わせるとAとなることが確認できる。
【0110】
上記ステップ3において実行される処理が、ST54において実行される処理の具体例である。
【0111】
図18から明らかであるように、算出部130は、追加投資額を、目標配分比率からのプラス幅が大きい銘柄を優先的に売却対象銘柄として決定するとともに、売却対象銘柄に売却額を配分した後(一部売却後)における全時価総額に対する各売却対象銘柄の時価総額の比率と目標配分比率との差が、これら売却対象銘柄全体において略等しくなるように、各売却対象銘柄に対する売却額についての配分を決定している、といえる。このように、複数の銘柄のうち全銘柄の時価総額に対する時価総額の比率と目標配分比率との差が最も大きい少なくとも1つの銘柄を売却対象銘柄として選択し、このように選択した売却対象銘柄に売却額を配分するので、結果として、一部売却後において、全銘柄の時価総額に対する時価総額の比率と目標配分比率との差が大きい(又は著しく大きい)銘柄が依然として残されるという事態を(少なくとも部分的には)抑えることができる。さらに、一部売却後において、全銘柄の時価総額に対する時価総額の比率と目標配分比率との差が生じている銘柄が仮に複数残存していたとしても、そのように残存している複数の銘柄が、全銘柄の時価総額に対する時価総額の比率と目標配分比率との差が他の銘柄に比べて等しいか又は近接したものとなる可能性を高めることができる。
【0112】
2−4.売却対象銘柄を決定するための計算ロジック(ST53)及び売却対象銘柄を売却すべき数量を決定するための計算ロジック(ST54)(その2)
次に、ST53において購入対象銘柄を決定するための計算ロジック、及び、ST54において購入対象銘柄を購入すべき数量を決定するための計算ロジックの別の具体例について、上記「2−3」において説明したものと異なる点のみに着目して説明する。
前提条件及びステップ1は、上記「2−3」において説明したものと同様である。
【0113】
ステップ2
算出部130は、Diが正となっている銘柄すべてを売却候補銘柄として決定する。
上記ステップ1及び2において実行される処理が、ST53において実行される処理の具体例である。
【0114】
ステップ3
算出部130は、次の式のとおり、Diが正となっている銘柄のIDの集合をMとして、Mに含まれる銘柄のみのDiの絶対値の合計を計算する。
【0115】
次に、算出部130は、Mに含まれるすべての銘柄について、次の式のとおり、各銘柄への投資額IAi及び売買数量IQiを計算する。
【0116】
上記ステップ3において実行される処理が、ST54において実行される処理の具体例である。
【0117】
以上のように、複数の銘柄のうち、全時価総額に対する時価総額の比率が目標比率よりも大きい銘柄が、すべて売却対象銘柄として決定され、さらに、このように決定された各売却対象銘柄の比率と目標比率との差の大きさ(絶対値)に比例した売却額がその売却対象銘柄の売却に配分される。よって、一部売却後において、全銘柄の時価総額に対する時価総額の比率と目標配分比率との差が大きい(又は著しく大きい)銘柄が依然として残されるという事態を(少なくとも部分的には)抑えることができる。さらに、一部売却後において、全銘柄の時価総額に対する時価総額と目標配分比率との差が生じている銘柄が仮に複数残存していたとしても、そのように残存している複数の銘柄が、全銘柄の時価総額に対する時価総額の比率と目標配分比率との差が他の銘柄に比べて等しいか又は近接したものとなる可能性を高めることができる。
【0118】
2−5.売却対象銘柄を決定するための計算ロジック(ST53)及び売却対象銘柄を売却すべき数量を決定するための計算ロジック(ST54)(その3)
目標配分比率Riが0%である銘柄があり、かつ、当該銘柄の保有口数Qiが正である場合には、そのような銘柄の全てについて全量売却することとする。そのような銘柄の評価額Qi×Viの合計が一部売却額Aを超える場合にはそれ以外の銘柄は売却せず、そのような銘柄の評価額Qi×Viの合計がAに満たない場合には、その不足額をAとして、上記「2−3」又は「2−4」において説明した計算ロジックを適用することができる。
【0119】
3.変更例
上記実施形態では、追加投資及び一部売却に関して、売買サーバ10(の計算サーバ12)の算出部130が、様々な計算ロジックに従って購入対象銘柄及び売却対象銘柄の売買数量を計算する場合について説明した。しかし、算出部130は、様々な計算ロジックに従って計算した売買数量を必ずしもそのまま用いる必要はなく(勿論そのまま用いてもよい)、そのように計算した売買数量に近似した数量を用いてもよい。このような近似した数量は、例えば、計算した売買数量を所定量増減することによって、及び/又は、計算した売買数量を所定の位での四捨五入すること、切り上げること若しくは切り捨てること等によって得ることができるものである。
【0120】
上記実施形態では、追加投資に関して、ユーザのポートフォリオに含まれた複数の銘柄のうちの少なくとも1つの銘柄を購入対象銘柄として選択する場合について説明した。しかし、別の実施形態では、ユーザのポートフォリオに含まれた複数の銘柄のうちの少なくとも1つの銘柄を購入対象銘柄として選択した後、当該少なくとも1つの銘柄のうちの少なくとも一部(全部であってもよい)の銘柄については、その銘柄に代替する銘柄(代替銘柄)を最終的な購入対象銘柄として決定することも可能である。これを実現するために、データベースサーバ16には、各銘柄に対応付けて、その銘柄の代替銘柄が少なくとも1つ記憶され、売買サーバ10(の計算サーバ12)の算出部130がデータベースサーバ16を検索して代替銘柄を取得するようにしてもよい。代替銘柄は、好ましくは、その代替銘柄を購入した場合に、ユーザのポートフォリオの特性が大きく変化することのないように決定されるものとすることができる。例えば、代替銘柄は、対応する銘柄と同一の株価指数に連動しているなど、値動きが近似する銘柄であってもよい。
この場合、代替銘柄の投資額及び売買数量は、次のように算出可能である。
まず、上記「1−7」で説明した計算ロジックを用いる場合、代替銘柄(銘柄IDをi’
jとする)の投資額としては、ステップ3で示した式により算出されたIAi
jがそのまま用いられ得る。この代替銘柄の売買数量IQi’
jは、ステップ3で示した式において時価単価Vi
jに代えて時価単価Vi’
jを用いることによって算出され得る。
次に、上記「1−8」で説明した計算ロジックを用いる場合、代替銘柄(銘柄IDをiとする)の投資額としては、ステップ3で示した式により算出されたIAiがそのまま用いられ得る。この代替銘柄の売買数量IQi’は、ステップ3で示した式において時価単価Viに代えて時価単価Vi’を用いることによって算出され得る。
なお、代替銘柄の時価単価(Vi’
j、Vi’)は、データベースサーバ16においてその代替銘柄に対応付けて記憶可能なものである。
【0121】
上記実施形態では、ユーザの端末装置30が売買サーバ10のウェブサーバ14にアクセスすることによって、売買サーバ10から有価証券売買サービスの提供を受ける形態について説明した。しかし、ユーザの端末装置30が、例えばインストールされた所定のアプリケーションプログラムを実行することによって、売買サーバ10に含まれた計算サーバ12、データベースサーバ16及び証券サーバ18の各々が果たすものと等価な機能を実行するように構成された形態を採用することも可能である。これにより、ユーザは、端末装置30のみを用いることによって、売買サーバ10にアクセスすることなく、有価証券売買サービスの提供を受けることが可能である。この場合、端末装置30は、
図9に例示したもの(記憶部110、入力部120、算出部130及び売買処理部140)と等価な機能を有する必要がある。
【0122】
上述した実施形態に係るリバランス機能を備えた追加投資機能、及び、リバランス機能を備えた一部売却機能は、いずれか一方の機能のみが単独で実行されるものであってもよいし、両方の機能が組み合わせられて実行されるものであってもよい。
【0123】
ポートフォリオが非適正状態にあるときに、本明細書において開示した追加投資又は一部売却を実行しても、投資額又は売却額がポートフォリオの状態との関係では十分大きいものではないことに起因して、ポートフォリオが完全な又は実質的な適正状態にまでは戻らない可能性もあるが、非適正状態にあったポートフォリオを少なくとも部分的には適正な状態に近づけることはできる。したがって、本明細書に開示した追加投資又は一部売却を実行する態様は、効果の差に大小はあれども、本明細書において開示した技術的思想を利用するものであると理解されるべきである。
【0124】
本明細書で説明される処理及び手順は、実施形態において明示的に説明されたものによってのみならず、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能なものである。具体的には、本明細書で説明された処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージ等の媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0125】
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理又は手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は、複数のモジュールによって実行されるものとすることができる。また、本明細書中で説明されるデータ、テーブル又はデータベースが単一のメモリに格納される旨説明されたとしても、そのようなデータ、テーブル又はデータベースは、単一の装置に備えられた複数のメモリ又は複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されるものとすることができる。さらに、本明細書において説明されるソフトウェア及びハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、又は、より多い構成要素に分解することによって実現されるものとすることができる。
【解決手段】 一実施形態に係るサーバ装置は、有価証券の売買に用いられるサーバ装置であって、所定のユーザが金融機関に開設した口座において保有する複数の銘柄の各々に対応付けて、数量、時価単価及び目標比率を少なくとも記憶する記憶手段と、いずれかの銘柄を購入すべく新たに投資される投資額を入力する入力手段と、各銘柄の前記数量及び前記時価単価に基づいて、各銘柄の時価総額及び前記複数の銘柄全体の時価総額を算出し、前記投資額と前記複数の銘柄全体の時価総額との和である全時価総額に対する各銘柄の時価総額の比率である仮想比率を算出し、各銘柄の前記仮想比率と前記目標比率との差に基づいて購入対象銘柄を決定する、ように構成された決定手段と、を具備するものである。