【文献】
株式会社リンクフェイス,オファー型車買取査定のオファーズ,[online],2015年 8月 1日,[平成28年10月28日検索], インターネット,URL,https://web.archive.org/web/20150801190912/http://offers-car.com/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記依頼手段は、前記判別手段により判別された前記買取対象物品が前記所定の商品カテゴリに属しない場合に、買取事業者の端末に対する仮査定依頼に係る送信を行わず、
前記提供手段は、買取事業者の端末より予め受信した前記買取対象物品の仮査定結果の情報を前記希望ユーザの端末に提供する
ことを特徴とする請求項3に記載の買取仲介システム。
前記取得手段は、前記判別手段により判別された前記買取対象物品が所定の商品カテゴリに属する場合にのみ、前記必須情報をさらに取得することを特徴とする請求項5または6に記載の買取仲介システム。
前記申込手段により本査定に係る申込処理がなされたことを、前記本査定依頼に対応する買取事業者以外の前記仮査定依頼が行われた買取事業者の端末に通知する通知手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の買取仲介システム。
前記決定手段は、買取事業者の端末から受信した前記買取対象物品の在庫状況の情報に基づいて、該買取事業者に対して仮査定依頼を行うか否かを決定することを特徴とする請求項9に記載の買取仲介システム。
前記決定手段は、買取事業者の端末から受信した仮査定依頼の送信を制限する商品カテゴリ、ユーザ、及び頻度の少なくともいずれかを示す制限情報に基づいて、該買取事業者に対して仮査定依頼を行うか否かを決定することを特徴とする請求項9または10に記載の買取仲介システム。
前記買取価格帯の情報は、複数の前記仮査定依頼が行われた買取事業者の端末から受信した仮査定結果の情報に含まれる最高価格からの値幅を指定する情報であることを特徴とする請求項14に記載の買取仲介システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態1]
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、買取仲介システムの一例としての、ユーザ端末300から買取希望がなされた物品(買取希望物品)の情報を取得して、予め登録されている複数の買取事業者の事業者端末400への仮査定依頼及びその後の本査定に係る申込処理を行う仲介サーバ100と、ユーザ端末300のユーザを認証し、認証結果を仲介サーバ100に提供する認証サーバ200とを有するシステム、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、複数の買取事業者への個人情報の提供を行わない、匿名性の高い買取希望物品の仮査定依頼を実現しつつ、システムとして買取を希望するユーザ(希望ユーザ)を認証し、買取事業者に対して取引の有用性を担保することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0013】
本明細書において、「個人情報」とは、氏名、年齢、住所等の希望ユーザ個人を特定し得る情報に限らず、性別、関心対象、居住階層等、サービス利用に係るユーザ認証用の情報(ユーザ情報)として認証サーバ200には登録するが、一般的に不特定多数の第三者への開示がユーザによって希望されない情報全般を指すものとする。また「仮査定」とは、物品の現物を買取事業者に対して送付することなく、希望ユーザが入力したテキストデータや画像データ等に基づいて、買取事業者が該物品の買取見積額を提示することを指すものとする。反対に「本査定」とは、査定を行う買取事業者に買取希望物品の現物が送付され、現物と搬出経路等の一部の個人情報等とに基づいて該事業者がより詳細に物品を検討し、買取見積額を提示することを指すものとする。なお、仮査定も本査定も希望ユーザに対して買取事業者が買取見積額を提示するものであるが、両者は査定にあたり希望ユーザの個人情報の少なくとも一部が買取事業者に対して開示されるかが異なる。従って、「仮査定」は希望ユーザにとって、匿名性を担保するサービス利用態様と言える。
【0014】
《買取仲介システムの構成》
図1は、本発明の実施形態に係る買取仲介システムのシステム構成を示した図である。
【0015】
本実施形態の買取仲介システムでは、ユーザの使用するユーザ端末300がネットワーク500を介して仲介サーバ100及び認証サーバ200に接続する。また仲介サーバ100は、別途ネットワーク500を介して予め登録された複数の買取事業者の事業者端末400と接続する。本実施形態の買取仲介システムにより提供される物品の買取仲介に係るサービス利用に際し、ユーザは認証サーバ200によるユーザ認証を条件として、自身の使用するユーザ端末300を仲介サーバ100に接続させ、サービス利用を行うことができる。また仲介サーバ100は、ユーザ端末300から買取希望物品の情報を取得すると、仮査定依頼の段階では複数の事業者端末400に対して該情報を送信し、本査定依頼の段階では希望ユーザにより選択されたいずれか1つの事業者端末400に対して、本査定の申し込み手続に係る処理を行う。
【0016】
なお、本実施形態では説明を簡単にするため仲介サーバ100と認証サーバ200とは別体となって構成されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、以下の実施形態では事業者端末400に対して仮査定依頼を行う段階において、仲介サーバ100は認証サーバ200からユーザ認証結果を受信するものとして説明するが、仲介サーバ100自体がユーザ情報を管理してユーザ認証を行うものであってもよい。
【0017】
ネットワーク500は、例えばインターネットや広域通信網等の複数の機器間の通信接続を実現するための媒体であってよいが、その通信方式は有線無線を問わず、様々な方式のものが採用されてよい。また本実施形態では仲介サーバ100と認証サーバ200、ユーザ端末300と仲介サーバ100または認証サーバ200、事業者端末400と仲介サーバ100との間の通信接続は1つのネットワーク500を介して行われるものとして説明するが、各機器間での通信が同種のネットワークを介して行われるものでなくてもよいことは理解されよう。買取仲介システムは競売サーバ600を含むことができるが、当該競売サーバ600については実施形態3で詳しく説明する。
【0018】
〈仲介サーバ100の構成〉
次に、本実施形態の買取仲介システムの仲介サーバ100の詳細構成について、
図2を参照してさらに説明する。
図2は、仲介サーバ100の機能構成を示したブロック図である。なお、以下仲介サーバ100及び認証サーバ200についてその詳細構成を説明するが、いずれの構成であるかを明確にするため、同様の役割を担うブロックについてはそれぞれ「仲介」及び「認証」のうちの対応する文言を接頭語として付し、識別する。
【0019】
仲介制御部101は、例えばCPU等であり、仲介サーバ100が有する各ブロックの動作の制御を司る。仲介制御部101は、仲介記録媒体102に記憶された各ブロックの動作プログラムや後述の配信方式の決定に係る処理(配信処理、方式決定処理)のプログラムを読み出し、仲介メモリ103に展開して実行することにより、各ブロックの動作を制御する。
【0020】
仲介記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の格納された情報を恒久的に保持する記憶装置である。仲介記録媒体102は、上記プログラムだけでなく、仲介サーバ100が有する各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記憶する。また仲介メモリ103は、例えば揮発性メモリ等であり、格納された情報を簡易にアクセス可能な状態で、一時的に保持する記憶装置である。仲介メモリ103は、プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力された中間データ等を一時的に保持する格納領域として用いられる。
【0021】
事業者DB104は、本実施形態の買取仲介システムが提供する買取仲介サービスに物品購入側として登録している買取事業者の各々について、該事業者の種々の情報を管理するデータベースである。買取事業者とは、ユーザが買取希望するものとして登録した物品に対して買取金額を提示し、ユーザの合意のもと該物品を買い取る事業を行う者を指す。本実施形態の事業者DB104では各事業者に対して事業者固有の事業者IDを割り当て、
図8Aに示されるような事業者情報を管理する。同図に示されるように事業者情報は、事業者ID801に関連付けて、事業者名802、該事業者の使用する事業者端末400への情報送信に用いるための事業者連絡先803、該事業者の所在等のその他詳細情報を含む事業者詳細情報804、及び買取仲介サービスの提供における該事業者の、本査定の申し込みがなされた件数、物品買取に係る契約成約数、成約率、また仮査定依頼に対する仮査定結果のレスポンス性等の種々の情報を示す実績情報805を有する。また事業者情報にはこの他、例えば後述のようにJAN(Japanese Article Number)コードやEAN(European Article Number)コード等の一意に商品を特定可能な情報が予め規定されている商品の各々について、該事業者が通常買取を行う金額を示す普及品買取情報806を事業者端末400より事前に受け付けている場合は、これを含むものであってもよい。なお、事業者情報として管理される情報がこれに限定される必要がないことは理解されるべきである。また本実施形態では事業者DB104は、仲介サーバ100が有する構成要素として説明するが、本発明の実施において事業者DB104は仲介サーバ100と通信接続する外部の機器であってもよいことは言うまでもない。
【0022】
仮査定依頼部105は、ユーザ端末300より買取希望物品の仮査定依頼がなされたことに応じて、仮査定依頼を示す情報とともに該物品の情報を複数の事業者端末400に送信する。また本実施形態の買取仲介システムにおいて仮査定依頼部105は、希望ユーザの匿名性を担保するために仮査定依頼時は希望ユーザの個人情報を含めず、各事業者端末400への仮査定依頼に係る情報送信を行う。仮査定依頼に係り送信される情報(仮査定情報)は、仮査定依頼を示す情報に加え、例えば
図8Bに示されるように、該依頼を識別する仮査定ID811、買取希望物品のカテゴリを示す物品カテゴリID812、買取希望物品を特定するために用いられる各種情報を含む物品情報813、及び仮査定依頼のなされた依頼日時814を含んで構成されてよい。
【0023】
基本的には本実施形態の買取仲介システムでは、JANコードのような一意に商品を特定する情報(流通コード)が規定されていないような、被服や鞄等の流通が限定的である商品、もしくは個人販売品、限定販売品、非売品等の一般に販売されていない物品を仮査定依頼の対象とする。これは、流通コードが規定されている物品(例えば、CD、DVD、本、ゲームソフト等)である場合、買取事業者は概算的に流通コードに従い物品を特定し買取価格を決定でき、物品を特定するための他の特別な情報が無くても査定結果(上限買取価格)を提示することが可能なためである。一方、本実施形態の買取仲介システムでは、買取事業者への仮査定依頼、買取事業者による仮査定結果の入力、仮査定結果の希望ユーザへの提示、及び希望ユーザからの本査定申込との手続を経るが、上記の流通商品についてはこのような手続は冗長で、買取事業者及び希望ユーザの双方にとって煩雑な処理を要するだけである。具体的には買取事業者にとっては、現物を考慮せずに入力情報のみで行う仮査定で提示可能な買取金額は流通コードについて予め設定している金額でしかなく、物品の仮査定依頼がある度に仮査定結果を案内することは負担となり得る。また一方で希望ユーザにとっては、広く流通し、特に買取希望時において物品の使用状態等がユーザによって大差ないような商品について、仮査定結果の返送があるまで買取金額の目安が不明であるよりは、流通コードの特定のみで買取相場の提示がなされた方が好都合である。
【0024】
そこで、本実施形態では流通コードの特定が困難な物品につき、仮査定を可能とするための情報を希望ユーザに要求し、これに基づいて仮査定を行うものであり、仮査定情報に含まれる物品情報813は、希望ユーザにより入力された物品特定のための名称、サイズ、カラー、材質、製造年等の情報に加え、より正確な仮査定結果の試算を可能ならしめるために予め設定された物品の部位を撮影した画像データ等を含む。該予め設定された物品の部位には、例えば鞄であれば全体像、持ち手、金属係合部、底部、ファスナー、裏地、エンブレム等を含めることができる。従って、希望ユーザに対してこのような予め定められた部位を撮影した画像データを送信することが必須の情報として促され、希望ユーザは必須の情報を入力することで、ユーザ端末300から仲介サーバ100に物品情報813を送信させて仮査定の要求を行うことができる。
【0025】
本実施形態の仮査定依頼部105は、ユーザ端末300より受信した買取希望物品の情報が流通コードの定められた物品に係るものであるかを判断し、該当しない場合に後述の仮査定依頼以降の処理を行う。買取希望物品が流通コードの定められた物品である場合には、例えば仮査定依頼部105は仮査定依頼の処理を行わないことを後述の仮査定結果提供部106に伝送すればよい。そして仮査定結果提供部106が、同一の流通コードについて各事業者の普及品買取情報806に定められている金額の情報を取得し、例えば事業者への本査定依頼が可能な状態で希望ユーザに提示される情報の基礎となるリスト情報を、仲介通信部108を介して希望ユーザのユーザ端末300に返送すればよい。
【0026】
なお、本実施形態ではこのように流通コードの定められていない物品を仮査定依頼以降の処理の対象とするものとして説明する。しかしながら本発明の実施において、例えばサービス自体が所謂プレミア品等の限定的な物品を取り扱うものとして運用されている場合、汎用品であっても状態に応じた仮査定の実行がユーザにより所望される場合等は、流通コードが定められていたとしても、仮査定依頼部105による事業者端末400への情報送信が制御されるものであってよい。
【0027】
仮査定結果提供部106は、仮査定依頼に係る情報送信に応じて各事業者の事業者端末400から受信した仮査定結果に基づき、希望ユーザのユーザ端末300に提供するリスト情報を構成する。リスト情報は、仮査定結果の受信がなされる度に、あるいは所定の時間間隔で既受信の仮査定結果に基づいて、順次更新されてもよい。仮査定結果提供部106は、希望ユーザのユーザ端末300からの仮査定結果の提供要求がなされると、仮査定結果提示用の情報としてリスト情報を仲介通信部108を介してユーザ端末300に提供する。リスト情報は、掲載されている仮査定結果に基づき事業者への本査定依頼が可能な状態で希望ユーザに提示されてもよい。本査定依頼が可能な状態とは、希望ユーザのユーザ端末300において例えばブラウザアプリケーションを起動して仮査定結果の閲覧ページに移動した際に、
図7に示されるように該リスト情報に基づいて表示される各事業者の提示した買取金額に対応する位置に本査定依頼の要求を送信するためのGUIが設けられる態様であってよい。また、
図7に示されるように、リスト情報に基づくユーザ端末300における買取金額の提示は、各買取事業者からの仮査定結果に基づく買取金額が対比可能な一覧表示が用いられることが好ましい。また該閲覧ページには、本査定依頼を行う際に、買取希望物品現物の引き取りに係る配送手続や搬出経路等、より具体的な買取金額の算出に考慮することが好ましい個人情報の少なくとも一部が買取事業者に送信されることについての同意を求める情報が含まれていてよい。
【0028】
本査定申込部107は、仮査定結果提供部106により生成されたリスト情報に基づいて希望ユーザに仮査定結果が提示された買取事業者のうち、希望ユーザによって選択された1つの買取事業者の情報を受信すると、該買取事業者に対して本査定の申込処理を行う。申込処理は、例えば対象の買取事業者の事業者端末400に対して、
図8Cに示されるような構成を有する本査定情報を送信することによりなされる。図示されるように、本査定情報は仮査定依頼時のいずれの買取希望物品に係るものであるかを示す仮査定ID821に関連付けられて、本査定依頼であることを示す本査定フラグ822(論理型)、及び本査定に際し必要となる希望ユーザの個人情報823を含む。個人情報823は、希望ユーザが認証サーバ200における認証用やその他のネットショッピング等のサービス利用に係り登録している全ての個人情報ではなく、例えば氏名、電話番号、住所、エレベータの有無、利用可能な搬出経路の情報等の買取希望物品の集荷や梱包材の配送に際し必要となる情報や、連絡用のメールアドレス等、本査定に際し必要となる最小限の情報のみが提供されるものであってよい。該個人情報823は、本実施形態では認証サーバ200から仲介サーバ100に提供されるものとして説明するが、この他本査定依頼時にユーザがユーザ端末300において入力した情報等が含まれてもよい。
【0029】
仲介通信部108は、仲介サーバ100が有する通信インタフェースである。仲介通信部108は、ネットワーク500を介して他の装置(認証サーバ200、ユーザ端末300、及び事業者端末400、場合によっては事業者DB104)と接続し、所定のプロトコルに従った通信方式で、機器間のデータの送受信を行う。
【0030】
〈認証サーバ200の構成〉
次に、本実施形態の買取仲介システムの認証サーバ200の詳細構成について、
図3を参照してさらに説明する。
図3は、認証サーバ200の機能構成を示したブロック図である。
【0031】
認証制御部201は、例えばCPU等であり、認証サーバ200が有する各ブロックの動作の制御を司る。認証制御部201は、認証記録媒体202に記憶された各ブロックの動作プログラムを読み出し、認証メモリ203に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0032】
認証記録媒体202は、例えば不揮発性メモリやHDD等の格納された情報を恒久的に保持する記憶装置である。認証記録媒体202は、認証サーバ200が有する各ブロックの動作プログラムだけでなく、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記憶する。また認証メモリ203は、例えば揮発性メモリ等であり、格納された情報を簡易にアクセス可能な状態で、一時的に保持する記憶装置である。認証メモリ203は、プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力された中間データ等を一時的に保持する格納領域としても用いられる。
【0033】
ユーザDB204は、本実施形態の買取仲介システムが提供する買取仲介サービスを含む、ネットワーク500を介して提供される様々なユーザ登録型のオンラインサービスに係り、登録を行っている各ユーザのユーザ情報を管理するデータベースである。ユーザ情報には、サービス利用可能であることを認証するために必要なユーザ固有のアカウントIDやパスワード等の情報に加え、クレジットカードや氏名、住所、年齢等を含む個人情報を有する情報である。本実施形態ではユーザ情報は、少なくとも上述した本査定申込部107より本査定情報の個人情報823の使用される個人情報を含んで管理する。なお、本実施形態ではユーザDB204は認証サーバ200が有する構成要素の1つとして説明するが、本発明の実施においてユーザDB204は認証サーバ200と通信接続する外部の機器であってもよいことは言うまでもない。
【0034】
認証部205は、上記ユーザ登録型のオンラインサービスの利用に係るユーザ認証要求(ログイン要求)をユーザ端末300から受信したことに応じて、該要求に含まれるアカウントID及びパスワードと、ユーザDB204に管理されている対応するユーザ情報とを比較して、サービス利用を許可するか否かのユーザ認証を行う。認証部205によりなされたユーザ認証の結果(ユーザ認証結果)の情報は、ユーザ端末300のユーザが買取仲介サービスを利用する際には、仲介サーバ100から認証サーバ200に対して認証通信部206を介して送信される。
【0035】
認証通信部206は、認証サーバ200が有する通信インタフェースである。認証通信部206は、ネットワーク500を介して他の装置(ユーザ端末300及び認証サーバ200、場合によってはユーザDB204や事業者端末400)と接続し、所定のプロトコルに従った通信方式で、機器間のデータの送受信を行う。
【0036】
なお、本実施形態ではハードウェアとして仲介サーバ100及び認証サーバ200が備える各ブロックにおいて買取仲介システムに係る処理が実現されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限らず、各ブロックの処理は該各ブロックと同様の処理を行うプログラムで実現されてもよい。
【0037】
《買取仲介処理》
以下、上述のような構成をもつ仲介サーバ100及び認証サーバ200を有する本実施形態の買取仲介システムにより提供される買取仲介処理について、
図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、仲介制御部101もしくは仲介記録媒体102が、例えば各々仲介記録媒体102または認証記録媒体202に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、仲介メモリ103または認証メモリ203に展開して実行することにより実現することができる。本買取仲介処理は、例えばユーザ端末300からの買取仲介サービスの利用要求を仲介通信部108が受信した際に開始されるものとして説明する。
【0038】
S401で、仲介制御部101は、利用要求を送信したユーザ端末300(希望ユーザ端末)に対し、ユーザ認証を促す指示を仲介通信部108から返送させる。ユーザ認証を促す指示は、例えばユーザ認証ページに希望ユーザ端末をアクセスさせるための転送情報を、ユーザ認証が必要である旨を通知する情報と共に送信することにより行われるものであってよい。
【0039】
S402で、認証制御部201は、希望ユーザ端末からユーザ認証要求を受信したことに応じて、該要求に基づいて認証部205にユーザ認証処理を実行させる。そして認証部205は処理の結果得られたユーザ認証結果を、認証通信部206から仲介サーバ100に送信させる。
【0040】
S403で、仲介制御部101は、認証サーバ200からユーザ認証結果を受信したことに応じて、希望ユーザ端末に係るユーザのユーザ認証がなされたか否かを判断する。具体的には仲介制御部101は、受信したユーザ認証結果がユーザ認証に成功したことを示す情報を含むか否かにより本ステップの判断を行う。仲介制御部101は、ユーザ認証がなされたと判断した場合は処理をS404に移し、なされなかったと判断した場合は本買取仲介処理を完了する。
【0041】
ユーザ認証が行われ買取仲介サービスの利用が開始された後、希望ユーザ端末から買取希望物品の情報(物品情報)を受信すると、仮査定依頼部105はS404で、買取希望物品が仮査定依頼の対象カテゴリの物品であるか否かを判断する。上述したように、本実施形態では流通コードが定められていない商品カテゴリに該当する物品を仮査定依頼の対象とする。よって、物品情報に含まれる情報から流通コードが特定できた場合は、対象カテゴリの物品ではないと判定する。例えば、物品情報の名称にCDのタイトルやアーティスト名が含まれている場合、当該情報に基づき流通コードが特定可能な場合が多い。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものでなく、仮査定依頼の対象とするか否かは任意の条件により定まるものであってよい。仮査定依頼部105は、買取希望物品が仮査定依頼の対象カテゴリの物品であると判断した場合は処理をS405に移し、対象カテゴリの物品ではないと判断した場合は処理をS408に移す。
【0042】
なお、本実施形態では仮査定依頼時に買取事業者の事業者端末400に送信する、仮査定に係り必須の情報を含む様々な情報を、物品情報として受信するものとして説明する。しかしながら、買取希望物品が流通コードの規定された物品である場合、物品情報は買取事業者に提供するような上記必須の情報を含む必要がない。従って、例えば希望ユーザ端末において物品情報に係り入力中の情報を順次受信し、仮査定依頼部105はテキスト解析等により流通コードが特定できた段階で、希望ユーザ端末にそれ以上の情報入力を要しない旨の情報を希望ユーザ端末に返送してもよい。この場合、仮査定依頼部105は、買取希望物品が対象カテゴリの物品でないとの判断を行い、S404の処理を完了してよい。またユーザの入力負担を軽減するため、例えば入力順を誘導可能なように物品情報入力用ページやページ遷移を構成し、流通コードの有無を判断するために必要な情報を優先的に受信するようにしてもよい。そして、買取希望物品が流通コードの定められていない商品カテゴリに該当する場合にのみ上記必須の情報を受信するよう、物品情報の受信に係り動的な制御を行う構成としてもよい。
【0043】
S405で、仮査定依頼部105は、仮査定ID811を定め、物品情報に基づいて仮査定情報を生成して仲介通信部108に伝送し、事業者DB104に管理されている各買取事業者の事業者端末400に対して送信させる。なお、送信先となる買取事業者は、事業者DB104に管理されている全ての買取事業者である必要はなく、買取希望物品と同一の商品カテゴリの物品の買取を行うものとして事業者情報の登録がなされている買取事業者が対象であってよい。
【0044】
本実施形態では各買取事業者は、S405において送信された仮査定依頼に係る仮査定情報を事業者端末400で受信すると、物品情報813を参照して仮査定結果を試算し、確定した買取金額を事業者端末400において入力する。当該買取金額は、仮査定情報に応じて生成される仮査定結果の情報として、仮査定ID811及び買取事業者を識別する事業者ID801と関連付けて事業者端末400が仲介サーバ100に返送する。このようにすることで、各買取事業者により入力された仮査定結果の情報が仲介サーバ100に伝送される。
【0045】
S406で、仮査定結果提供部106は、仮査定依頼を行ったいずれかの買取事業者の事業者端末400から、仮査定結果の情報を仲介通信部108が受信したか否かを判断する。仮査定結果提供部106は、仮査定結果の情報を受信したと判断した場合は処理をS407に進め、受信していないと判断した場合は処理をS409に移す。
【0046】
S407で、仮査定結果提供部106は、受信した仮査定結果の情報に基づいて仮査定結果提示用の情報であるリスト情報を構成/更新する。そして仮査定結果提供部106は、該リスト情報が次回希望ユーザ端末からの仮査定結果の閲覧要求がなされた場合に提供されるよう、例えば仲介記録媒体102にリスト情報を格納する。なお、リスト情報は、希望ユーザ端末に対して提供されるものであればよく、例えば電子メール等の形式で閲覧要求を待たずに仲介サーバ100から希望ユーザ端末に送信されるものであってもよい。即ち、仮査定結果提示用の情報は、必ずしも希望ユーザ端末に対して提供可能な状態に保持され、要求に基づいて希望ユーザ端末に送信されるものである必要はなく、生成/更新されたことに応じて希望ユーザ端末に提供されるものであってもよい。
【0047】
一方、S404において買取希望物品が仮査定依頼の対象カテゴリの物品ではないと判断された場合、仮査定結果提供部106はS408で、買取希望物品の流通コードについて各買取事業者の事業者情報の普及品買取情報806を参照し、リスト情報を構成する。そして仮査定結果提供部106は、該リスト情報を仲介通信部108に伝送して希望ユーザ端末に送信させる。即ち、買取希望物品は流通コードの定められた物品であるため、本ステップでは物品情報受信に対する応答として、買取事業者の仮査定結果の入力を待たずに構成したリスト情報が希望ユーザ端末に送信される。
【0048】
S409で、本査定申込部107は、希望ユーザ端末に提供したリスト情報に基づいてなされた、本査定依頼を行ういずれか1つの買取事業者(申込事業者)の情報を受信したか否かを判断する。本査定申込部107は、申込事業者の情報を受信したと判断した場合は処理をS410に移し、受信していないと判断した場合はS406に戻す。なお、S404において買取希望物品が仮査定依頼の対象カテゴリの物品ではないと判断された場合は、申込事業者の情報を受信していない場合は本ステップの処理を繰り返せばよい。
【0049】
S410で、本査定申込部107は、希望ユーザの個人情報のうち、本査定の申込処理に必要な情報を認証サーバ200に要求する。そして該要求への応答として希望ユーザの個人情報の少なくとも一部を受信すると処理をS411に移す。
【0050】
S411で、本査定申込部107は、受信した希望ユーザの個人情報を含む本査定情報を構成して仲介通信部108に伝送し、申込事業者の事業者端末400に送信して本査定の申込処理を行う。なお、このとき、本査定の申し込みがなされなかった買取事業者に対しては、既に終了した買取希望物品に係る不要な仮査定を行わないように、また提示した仮査定結果が利用ユーザの希望に沿わなかったことのフィードバックとして、本査定申込部107は本査定がなされなかったことを該事業者に対して送信するようにしてもよい。
【0051】
このようにすることで本実施形態の買取仲介システムでは、利用ユーザに対しては、仮査定時に個人情報が買取事業者に提供されることがないため、個人情報保護の安全性を担保することができる。また、買取事業者に対しては、仮査定に際して都度個人情報の入力負担を利用ユーザが必要としないため、買取サービスの利用に係る敷居を下げ、これまでサービス利用を敬遠していたユーザを取り込み、結果として物品の入手機会を増加させることができる。また買取仲介システム側においてユーザ認証が行われるため、匿名の仮査定依頼について取引の信頼性を担保することができる。
【0052】
さらに、仮査定に係りユーザの個人情報の提供を行わないため、本実施形態の買取仲介システムでは基本的に、仮査定依頼はシステムに登録している対象の全ての買取事業者に対して行われる。これによりユーザに対しては、買取事業者を選択して仮査定依頼を行うようなシステムに比べ、知名度はなくても、より高値の買取金額を提示するような買取事業者により買取が行われる機会をより積極的に提供することができる。また、特に新規参入の買取事業者に対しては、知名度がなくとも古参の買取事業者と同じ土俵で買取事業を行うことができ、事業参入の敷居を下げることができる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態の買取仲介システムは、ユーザの個人情報を査定見積依頼先の複数の買取事業者に提供しなくとも査定結果をユーザが得ることができ、かつシステムとしてユーザを認証して個人情報を管理することで、買取事業者にとっての該査定見積依頼に係る取引の信頼性を担保する仕組みを提供することができる。
【0054】
[実施形態2]
上述した実施形態1では、買取仲介システムに登録を行った買取事業者に対しては、該当する買取希望物品の仮査定要求がユーザによりなされた場合に、仮査定依頼が無条件でなされるものとして説明した。しかしながら、このように仮査定依頼が登録している複数の買取事業者に対して一斉になされる方式では、希望ユーザが仮査定結果の閲覧を行うタイミングによっては、リスト情報に含まれる仮査定結果の数が多く、希望ユーザにとって好ましい買取事業者をユーザが判別しにくい可能性がある。また買取事業者にとっても、煩雑な結果表示により、ユーザが本査定に至らずに希望を取り下げてしまうことは好ましくない。
【0055】
本実施形態ではこのような仮査定結果の表示に係るユーザビリティを向上させるため、仮査定依頼を行う買取事業者を対象となる買取事業者のうちの一部に制限することにより、仮査定結果提供部106によるリスト情報の構成内容を制御する。即ち、実施形態1の買取仲介処理のS405における仮査定情報の送信先を、本実施形態では買取希望物品の商品カテゴリ以外の情報を考慮して仮査定依頼部105は決定する。
【0056】
本実施形態の買取仲介処理の実行にあたっては、各買取事業者から仮査定依頼の対象となる各種物品についてその在庫状況の情報を取得する。買取がなされた物品は、通常買取事業者によって中古品販売市場にて販売されることになるが、商品の在庫が潤沢であるような状況では、仮査定依頼を行ったとしても該買取事業者から提示される買取金額は低額になりやすい。即ち、低額の買取金額である場合は希望ユーザにとって有益な情報とはなり得ないし、買取事業者にとっても在庫を抱えることになる物品の仮査定依頼は本査定の申込処理に繋がる可能性も低いため仮査定に係る処理に煩わしさを与えうる。従って、本実施形態では仲介サーバ100は、予め定められた時間間隔または在庫状況の確認指示が仲介サーバ100においてなされたタイミングで、もしくは買取事業者により入力がなされたタイミングで、各買取事業者の物品ごとの在庫情報を取得する。取得された在庫情報は、買取事業者に対応する事業者情報の事業者詳細情報804に格納される。
【0057】
そして買取仲介処理のS405で仮査定依頼部105は、買取希望物品と同一の商品カテゴリの物品の買取を行うものとして事業者情報の登録がなされている買取事業者をさらに、買取希望物品と同一の物品の在庫状況に応じて絞り込む。絞り込みは、商品カテゴリや商品ごとに予め定められた数の在庫が存在するか否かに応じて行われてよい。同一の物品であるか否かは、商品名、ブランド、型番、サイズ、色、素材などに基づいて判断することができる。故に、仮査定依頼部105はS405で、予め定められた数の在庫数を有さない買取事業者を選定し、仮査定情報を送信する。
【0058】
本実施形態では買取希望物品と同一の物品の在庫状況に応じて仮査定依頼を行う買取事業者の絞り込みを行うものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば鞄等の商品カテゴリでは、同一のブランドの同一名称(型)の商品であっても発表年によってデザイン変更等がなされることもあるが、基本的なコンセプトは年に依らず統一されている場合がある。このような物品は、特定の発表年の物品の在庫数が少なくとも他の発表年、特に最新の発表年や人気のある発表年の物品の在庫が潤沢である場合は、同様に該買取事業者を仮査定依頼の対象外としてもよい。さらに、ブランド毎或いは商品毎に人気が異なる場合もある。そこで、特定のブランドや特定の商品については在庫の数に応じた絞り込みの対象外としてもよい。そのために、仮査定依頼部105は絞り込み対象外とするブランドや特定物品の情報を事業者DB104内で管理しておくことができる。当該情報は、買取事業者毎に管理しても良い。例えば、第1の買取事業者については、ブランドA及び商品Xは絞り込み対象外とする一方、第2の買取事業者についてはブランドA及び商品Xは絞り込み対象とし、他のブランドB及び商品Yを絞り込み対象外とすることができる。
【0059】
なお、本実施形態では買取事業者の在庫状況に応じて仮査定依頼を行う事業者を制限するものとして説明したが、制限方法に関してはこれに限られるものではない。例えば、買取事業者が幅広い商品カテゴリについて買取事業を行っているとしても、全て商品カテゴリについて同様の頻度で買取を行うとは限らない。具体的には例えば、主として家具の買取を行っている買取事業者は、家屋の装飾品として絵画や造形物の買取も行う場合があるが、これらの物品は家具に比べて販売需要が低く、買取需要も低い。そこで各買取事業者は買取を行うものとして登録する商品カテゴリごとにその仮査定依頼を受ける頻度を定めることができる。頻度は、例えば10件につき1件の仮査定依頼を受ける、といった形式で指定することが可能である。設定された頻度の情報は、事業者DB104で買取事業者毎に管理される。仮査定依頼部105は、仮査定依頼を行うか否かを、事業者DB104で管理する頻度の情報を参照して買取事業者ごとに判断することができる。また、例えば各買取事業者が月間の仮査定依頼件数に上限を設けることを可能としても良い。設定された上限の情報は、事業者DB104で買取事業者毎に管理される。仮査定依頼部105は、事業者DB104で管理する上限の情報を参照し、買取事業者ごとに月間の依頼件数を調整することができる。また、その際、上限の件数に応じて依頼ペースを調整し、特定の時期に依頼が集中しないように仮査定依頼の分散を調整することができる。
【0060】
この他、買取事業者と利用ユーザとの関係に基づき買取事業者を選択することもできる。例えば、本査定の申込処理まで取引が進んだとしても、送付されてきた買取希望物品の品質や本査定のやり取りに係るメール対応が好適でない等、買取事業者の業務に支障をきたす利用ユーザも存在し得る。このような利用ユーザは、買取事業者の観点では過去の取引から信頼性が担保できず、仮査定依頼を受けるメリットが少ない。しかしながら、本実施形態の買取仲介システムでは仮査定依頼では個人情報の授受がなされないことを前提としているため、買取事業者は仮査定依頼を受けた段階では該利用ユーザ等をスクリーニングすることができない。そこで、例えば買取事業者から仮査定依頼を受け付けないユーザの指定(本査定の申込処理により提供された情報により特定されるものであってよい)を受け付けた場合、該ユーザのアカウントID等を該買取事業者の事業者詳細情報804に含めることができる。そして仮査定依頼部105はS405で、物品情報に係るユーザ認証結果に含まれるアカウントIDが事業者詳細情報804に含まれる場合には、対応する買取事業者を仮査定依頼の対象から外してもよい。
【0061】
このように買取事業者からの要望に基づいて仮査定依頼を行う買取事業者の数を制限することができ、結果として仮査定結果の提示におけるユーザビリティを向上させることができる。
【0062】
[変形例1]
上述した実施形態2では、買取事業者における在庫状況や買取事業者が指定した条件に従って仮査定依頼を行う買取事業者から除外することで、仮査定依頼を行う事業者の数を制限する方法について説明した。しかしながら、在庫状況は時々刻々変化し、また買取事業者が指定した条件もタイミングによって条件が満たされる場合と満たされない場合とがある。よって上述の手法では同一の商品カテゴリであっても、依頼のタイミングに応じて物品ごとに仮査定依頼が行われる買取事業者数が前後する可能性がある。この場合、同一の物品であったとしてもユーザによって得られる仮査定結果の数が異なり、買取事業者の選択幅に差が生じ得る。従って、買取仲介処理のS405において、仮査定依頼部105は仮査定依頼を行う買取事業者の上限数が予め定められた数となるよう選択を制御(間引く)してもよい。
【0063】
[変形例2]
変形例1のように仮査定依頼を行う買取事業者について上限数を設けた場合、事業の実績が少ないような買取事業者も、古参の買取事業者と同様に間引きの対象となり得る。一方で古参の買取事業者や大手の買取事業者は、仲介を要さない査定依頼等を受ける独自の買取ルートでも物品の入手機会がある。よって、新規参入の買取事業者を古参の買取事業者と同じ条件で扱う場合、新規参入業者は実績を積み重ねることが困難となり、却って不公平な結果になりかねない。そこで、仮査定依頼件数や本査定の申込件数が所定の条件を満たさず(閾値に相当する件数を超えていない)、事業実績が所定の条件に満たない(例えば、事業実績が平均を下回っている)と判断される買取事業者については、変形例1のように仮査定依頼を行う事業者の全体数を制限する場合であっても、間引き対象から外すことができる。或いは、仮査定依頼を行う事業者の全体数において、当該事業者を所定の割合で仮査定依頼先として含めるように調整してもよい。例えば、依頼数を10件に絞る場合に、上記の新規参入業者が少なくとも3件は含まれるようにしてもよい。
【0064】
なお、事業実績が所定の条件に満たないと判断される買取事業者を対象とした仮査定依頼先枠には、事業者情報の実績情報805に基づいて、選択する買取事業者に優先度を設けてもよい。例えば基準となる実績情報805は、過去の仮査定依頼に対する応答性、本査定の申込後の買取成約率(実際に買取に至った件数や割合)、顧客満足度等の少なくともいずれかであってよく、希望ユーザの利益の観点で良好な取引がなされると判断できる買取事業者を優先的に選択するよう仮査定依頼部105を制御してもよい。
【0065】
[変形例3]
上述した実施形態2、変形例1及び2では、主として買取事業者の観点に基づいて、希望ユーザに提示される仮査定結果、即ちリスト情報の構成内容を制御する方法について説明したが、上記制御は利用ユーザの観点で行われてもよい。例えば、希望ユーザにとっては適度に高額の買取金額を提示する買取事業者の中から、付加的サービスや送料、ユーザ評価等に基づいて、最終的に本査定の申込を行う買取事業者の選択が行われる傾向にある。このため、希望ユーザは予め結果表示を希望する価格帯の情報を物品情報に含めて仲介サーバ100に送信することができる。仮査定結果提供部106は、該価格帯に該当する買取金額を提示する仮査定結果のみをリスト情報に含めるよう制御してもよい。
【0066】
結果表示を希望する価格帯の情報は、例えば買取価格の下限値、または下限値及び上限値を定めるものであってもよいし、買取事業者から提示された買取価格の最高額からの値幅を定めるものであってもよい。
【0067】
[実施形態3]
近年、利用ユーザの所有する物品に価格を付けて売買するサービスには、上記の買取事業のような企業と消費者(ユーザ)との間で行われる所謂BtoC(BusinesstoCustomer)のサービスに加え、オンライン型オークションのように消費者間で行われる所謂CtoC(CustomertoCustomer)のサービスがある。
【0068】
オークションサービスでは、開始価格や入札単位、即落価格等の出品者による自由な設定が行える反面、所望する価格で落札されない、あるいは入札されずに複数回の再出品となり落札されない等、所望の期間内に金銭入手したい場合には出品者の要求が満たされない可能性がある。また流通コードが定められていない商品等、特に市場価格が高額の商品等は落札価格が高くなることが想定されるが、品質等は現物を確認するまで不明であるため入札が控えられる可能性もある。また、買取事業者により物品回収のための配送手配等が行われる買取サービスに対し、オークションサービスでは落札された出品物の梱包及び配送を個人で行わねばならず、落札価格がこれらの手間に見合わない可能性もある。
【0069】
本実施形態ではCtoCの取引では契約成立までに時間を要する可能性がある物品について、該物品の出品者を好適に買取仲介サービスに誘導するシステムについて説明する。
【0070】
《買取仲介システムのシステム構成》
本実施形態の買取仲介システムは、
図1を参照して説明した上記買取仲介システムに加え、同図にて破線で示される競売サーバ600をさらに含むものとする。競売サーバ600は、オンライン型オークションサービスを提供するサーバである。本明細書では説明を簡単にするため、該オークションサービスも認証サーバ200によるユーザ認証を条件としてユーザへのサービス提供がなされるものとする。なお、本実施形態の買取仲介システムにおいて、仲介サーバ100及び認証サーバ200の機能構成は、実施形態1と同様であるものとして説明を省略する。
【0071】
〈競売サーバ600の構成〉
図5は、本実施形態の買取仲介システムに係る競売サーバ600の機能構成を示したブロック図である。なお、仲介サーバ100及び認証サーバ200の有するブロックと同様の機能を有する構成については、「競売」の接頭語を付して識別する。
【0072】
競売制御部601は、例えばCPU等であり、仲介サーバ100が有する各ブロックの動作の制御を司る。競売制御部601は、競売記録媒体602に記憶された各ブロックの動作プログラムや後述の誘導処理のプログラムを読み出し、競売メモリ603に展開して実行することにより、各ブロックの動作を制御する。
【0073】
競売記録媒体602は、例えば不揮発性メモリやHDD等の格納された情報を恒久的に保持する記憶装置である。競売記録媒体602は、上記プログラムだけでなく、競売サーバ600が有する各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記憶する。また競売メモリ603は、例えば揮発性メモリ等であり、格納された情報を簡易にアクセス可能な状態で、一時的に保持する記憶装置である。競売メモリ603は、プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力された中間データ等を一時的に保持する格納領域として用いられる。
【0074】
出品物DB604は、競売サーバ600が提供するオンライン型オークション(競売)サービスにおいて、出品物として登録された物品に係る各種情報(出品物情報)を管理するデータベースである。出品物DB604に管理される出品物情報には、少なくとも出品者のアカウントID、出品物の商品カテゴリを判別するために必要な情報、該出品物の標準価格帯(販売価格や落札価格)、出品者により設定された即落価格や開始価格、入札開始からの経過時間及び入札状況や再出品回数の情報が含まれる。事業者DB104やユーザDB204と同様に、出品物DB604も競売サーバ600とは別の外部機器として存在するものであってもよい。
【0075】
入札管理部605は、出品中の出品物についての入札の情報をユーザ端末300から受信し、出品物DB604に管理される出品物情報の更新処理を行う。入札によって生じる該更新処理については、従来のオンライン型オークションサービスで用いられている手法が用いられてよい。
【0076】
誘導部606は、競売制御部601の制御の下、オークションサービスに出品中の出品物を仲介サーバ100で提供している買取仲介サービスを利用するように誘導する、後述の誘導処理を実行する。
【0077】
競売通信部607は、競売サーバ600が有する通信インタフェースである。競売通信部607は、ネットワーク500を介して他の装置(仲介サーバ100、認証サーバ200、及びユーザ端末300、場合によっては出品物DB604)と接続し、所定のプロトコルに従った通信方式で、機器間のデータの送受信を行う。
【0078】
《誘導処理》
以下、上述のような構成を有する本実施形態の競売サーバ600により実現される誘導処理について、
図6のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、競売制御部601が、例えば競売記録媒体602に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、競売メモリ603に展開して実行することにより誘導部606を動作させることで実現することができる。本誘導処理は、例えば現在出品中の出品物の各々について実行され、予め定められた時間間隔が経過した際に開始されるものとして説明する。
【0079】
S601で、誘導部606は、対象の出品物(対象出品物)が買取事業者による買取仲介サービスに誘導するとして予め定められた条件を満たしたか否かを判断する。買取仲介サービスに誘導する条件は、例えば
・出品物が仲介サーバ100において買取事業者に対して仮査定依頼を行う商品カテゴリの物品であるか
・標準価格帯、即落価格、開始価格が所定の金額以上であるか
・入札開始から所定時間経過しており、かつ入札状況が芳しくない(入札がない、入札価格の開始価格からの上昇率が所定値以下、即落価格までの到達状況が所定の割合以下等)状況であるか
・再出品が所定回数以上なされているか
等の少なくともいずれかを用いるものであってよい。また、買取仲介サービスに誘導する条件は、オークションサービスにおいて出品者の所望の結果が得にくい、あるいは得られるまでに時間を要すると判断する出品物を抽出するためのその他の条件であってもよい。
【0080】
誘導部606は、対象出品物が予め定められた条件を満たすと判断した場合は処理をS602に移し、満たしていないと判断した場合は本誘導処理を終了する。
【0081】
S602で、誘導部606は、買取仲介サービスに移行して出品物の仮査定依頼を行うことを促す誘導情報を競売通信部607に伝送し、対象出品物の出品者のユーザ端末300に提供させる。誘導情報は、電子メール等の出品者が確認しやすい態様で提供されることが好ましいが、仮査定結果同様、ユーザ端末300からの対象出品物の出品状況確認ページの閲覧要求があった際に取得されて該ページにて通知されるよう、出品物情報に関連付けられて提供可能な状態とされるものであってもよい。なお、誘導情報は、例えば対象出品物の出品状況確認ページ等において、買取仲介サービスへの移行の指示を受け付けるGUIを提供するよう構成されてよい。
【0082】
S603で、誘導部606は、誘導情報に基づき買取仲介サービスへの移行指示を受け付けたか否かを判断する。誘導部606は、移行指示を受け付けたと判断した場合、移行指示があったことを競売制御部601に伝送し、処理をS604に移す。また誘導部606は、移行指示を受け付けていないと判断した場合、本ステップの処理を所定の期間繰り返し実行し、所定の期間指示がない場合に本誘導処理を終了する。
【0083】
S604で、競売制御部601は、対象出品物の出品を停止する処理を実行する。これは、買取事業者による仮査定、あるいは本査定に係る申込処理がなされている間に、対象出品物が落札されて物品自体が存在しない状況を回避するためである。
【0084】
S605で、誘導部606は、対象出品物の出品物情報に基づいて買取仲介サービス用の物品情報を生成して競売通信部607に伝送し、仲介サーバ100に送信させればよい。このとき、物品情報の生成に不足している情報があれば、出品者に入力を要求すればよい。仲介サーバ100では該物品情報の送信を受けて、買取仲介処理のS404から処理が行う。また、本実施形態の競売サーバ600ではオークションサービスの提供にあたりユーザ認証を要件付けるものであるため、買取仲介処理のユーザ認証に係る処理を省略している。しかしながら、再度ユーザ認証を行うよう利用要求をユーザ端末300から仲介サーバ100に送信させ、S401から処理を開始するよう構成してもよい。この場合、S404に至った段階で物品情報を競売サーバ600から仲介サーバ100に提供すればよい。
【0085】
なお、本実施形態の誘導処理ではS601において誘導部606が、出品物が仮査定依頼の対象となる商品カテゴリであるか否かの条件判断を行う構成について言及したが、本発明の実施はこれに限られるものでない。即ち、物品が仮査定依頼の対象となるかの判断は仲介サーバ100の仮査定依頼部105により行うことができるため、誘導部606は出品物情報とともに判定要求を仲介サーバ100に送出し、判定結果を受信することでS601の一部の条件判断を行ってもよい。
【0086】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。また本発明に係る買取仲介システムは、1以上のコンピュータを買取仲介システムの各装置や手段として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
買取仲介システムは、ユーザの個人情報の管理及びユーザ認証を行う認証サーバと、ユーザと買取事業者との間での物品買取の手続に係る処理を仲介する仲介サーバとを含む。仲介サーバは、物品の買取を希望する希望ユーザのユーザ認証結果に基づき、仮査定依頼とともに該希望ユーザの個人情報を含まない買取対象物品の情報を、複数の買取事業者の端末に対して送信する。そして複数の買取事業者の端末からの買取対象物品に係る仮査定結果の受信に応じて、本査定依頼が可能な状態で該仮査定結果の情報を希望ユーザの端末に提供し、本査定依頼がなされたことに応じて、希望ユーザの個人情報の少なくとも一部を認証サーバから受信してなされた本査定依頼に対応する買取事業者の端末に送信し、本査定に係る申込処理を行う。