【実施例】
【0033】
実施例1:ポリオキシエチレン(5モル)ブチレングリコールの合成;
1,3−ブチレングリコール445gを仕込み、攪拌し窒素を流入しながら温度を上げる。80℃まで上げたら、水酸化カリウム2.2gを入れ、温度を130℃まで上昇させてエチレンオキサイド付加を開始し、反応温度160℃で反応させる。反応時間2時間で1086gのエチレンオキサイドを付加したら、水冷し、110〜120℃、50%クエン酸水溶液で中和、濾過して目的の化合物1479g(収率96.6%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=5、R=H、R’=Hであるポリオキシエチレン(5モル)1,3−ブチレングリコールエーテルを得た。
【0034】
この生成物の分析の結果、水酸基価366.18、IOB=1.66の化合物であった。
【0035】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3434.40cm
−1(水酸基)、波長1116.83cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0036】
実施例2:モノカプリル酸ポリオキシエチレン(5モル)ブチレングリコールの合成;
実施例1で得られたポリオキシエチレン(5モル)1,3−ブチレングリコール422.8g、カプリル酸277.2gを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で6時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤を658g(収率94%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=5、R=カプリル酸残基、R’=Hであるモノカプリル酸ポリオキシエチレン(5モル)1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0037】
この生成物の分析の結果、酸価4.4、水酸基価71.76、ケン化価161.77、IOB=0.97の化合物であった。
【0038】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3489.38cm
−1(水酸基)、波長1736.97cm
−1(エステル)、1111.05cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0039】
実施例3:モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(8モル)ブチレングリコールの合成;
エチレンオキサイドの付加モル数及び付加反応時間を制御し、実施例1と同様の操作にて得られたポリオキシエチレン(8モル)1,3−ブチレングリコール556.2g、イソステアリン酸343.8gを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で7時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤828.8g(収率92.1%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=8、R=イソステアリン酸残基、R’=Hであるモノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(8モル)1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0040】
この生成物の分析の結果、酸価1.35、水酸基価83.69、ケン化価75.24、IOB=0.87の化合物であった。
【0041】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3481.16cm
−1(水酸基)、波長1736.97cm
−1(エステル)、1114.90cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0042】
実施例4:モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(9モル)ブチレングリコールの合成;
エチレンオキサイドの付加モル数及び付加反応時間を制御し、実施例1と同様の操作にて得られたポリオキシエチレン(9モル)1,3−ブチレングリコール769.2g、イソステアリン酸430.8gを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤1106.3g(収率92.2%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=9、R=イソステアリン酸残基、R’=Hであるモノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(9モル)1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0043】
この生成物の分析の結果、酸価3.48、水酸基価84.97、ケン化価73.59、IOB=0.92の化合物であった。
【0044】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3480.7cm
−1(水酸基)、波長1737.94cm
−1(エステル)、1114.90cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0045】
実施例5:モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10モル)ブチレングリコールの合成;
エチレンオキサイドの付加モル数及び付加反応時間を制御し、実施例1と同様の操作にて得られたポリオキシエチレン(10モル)1,3−ブチレングリコール781.2g、イソステアリン酸418.8gを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤1102.7g(収率91.9%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=10、R=イソステアリン酸残基、R’=Hであるモノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10モル)1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0046】
この生成物の分析の結果、酸価2.29、水酸基価53.9、ケン化価70.22、IOB=0.96の化合物であった。
【0047】
化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3489.38cm
−1(水酸基)、波長1736.01cm
−1(エステル)、1114.90cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0048】
実施例6:モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(11モル)ブチレングリコールの合成;
エチレンオキサイドの付加モル数及び付加反応時間を制御し、実施例1と同様の操作にて得られたポリオキシエチレン(11モル)1,3−ブチレングリコール781.2g、イソステアリン酸418.8gを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤1117.3g(収率93.1%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=11、R=イソステアリン酸残基、R’=Hであるモノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(11モル)1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0049】
この生成物の分析の結果、酸価3.81、水酸基価81.15、ケン化価61.12、IOB=1.01の化合物であった。
【0050】
化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3483.59cm
−1(水酸基)、波長1736.01cm
−1(エステル)、1114.90cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0051】
実施例7:モノイソステアリン酸ブチレングリコールの合成;
1,3−ブチレングリコール264g、イソステアリン酸836gを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で6時間エステル化反応を行い、目的のエステル化合物を951.5g(収率86.5%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=0、R=イソステアリン酸残基、R’=Hであるモノイソステアリン酸1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0052】
この生成物の分析の結果、酸価3.99、水酸基価89.09、ケン化価163.16、IOB=0.37の化合物であった。
【0053】
化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3463.34cm
−1(水酸基)、1738.90cm
−1(エステル)、1175.66cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0054】
実施例8:ポリオキシエチレン(10モル)イソステアリン酸ブチレングリコールの合成;
実施例7で得られたモノイソステアリン酸1,3−ブチレングリコールエステル400gを仕込み、攪拌し窒素を流入しながら温度を上げる。80℃まで上げたら水酸化カリウム2gを入れ、温度を130℃まで上昇させたら、エチレンオキサイド付加を開始し、反応温度160〜165℃で反応させる。反応時間7時間で468gのエチレンオキサイドを付加したら、水冷し、110〜120℃、50%クエン酸水溶液で中和した。珪藻土を用いプレコート濾過して本発明の非イオン界面活性剤804g(収率92.6%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=10、R=イソステアリン酸残基、R’=Hであるポリオキシエチレン(10モル)イソステアリン酸1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0055】
この生成物の分析の結果、酸価0.66、水酸基価54.89、ケン化価80.48、IOB=0.96の化合物であった。
【0056】
化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3481.66cm
−1(水酸基)、波長1736.97cm
−1(エステル)、1114.90cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0057】
実施例9:モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)ブチレングリコールの合成;
エチレンオキサイドの付加モル数及び付加反応時間を制御し、実施例1と同様の操作にて得られたポリオキシエチレン(20モル)1,3−ブチレングリコール702g、イソステアリン酸198gを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で4時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤802.3g(収率89.1%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=20、R=イソステアリン酸残基、R’=Hであるモノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20モル)1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0058】
この生成物の分析の結果、酸価1.13、水酸基価49.48、ケン化価44.73、IOB=1.26の化合物であった。
【0059】
化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3486.48cm
−1(水酸基)、波長1736.97cm
−1(エステル)、1114.90cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0060】
実施例10:モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(25モル)ブチレングリコールの合成;
エチレンオキサイドの付加モル数及び付加反応時間を制御し、実施例1と同様の操作にて得られたポリオキシエチレン(25モル)1,3−ブチレングリコール645.6g、イソステアリン酸154.4gを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤762.1g(収率95.3%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=25、R=イソステアリン酸残基、R’=Hであるモノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(25モル)1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0061】
この生成物の分析の結果、酸価0.98、水酸基価61.42、ケン化価49.84、IOB=1.35の化合物であった。
【0062】
化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3500.95cm
−1(水酸基)、波長1736.97cm
−1(エステル)、1111.05cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0063】
実施例11:モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(60モル)ブチレングリコールの合成;
エチレンオキサイドの付加モル数及び付加反応時間を制御し、実施例1と同様の操作にて得られたポリオキシエチレン(60モル)1,3−ブチレングリコール908g、イソステアリン酸92gを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤912.1g(収率91.2%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=60、R=イソステアリン酸残基、R’=Hであるモノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(60モル)1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0064】
この生成物の分析の結果、酸価4.79、水酸基価29.39、ケン化価16.62、IOB=1.61の化合物であった。
【0065】
化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3493.24cm
−1(水酸基)、波長1735.04cm
−1(エステル)、1111.05cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0066】
実施例12:モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(65モル)ブチレングリコールの合成;
エチレンオキサイドの付加モル数及び付加反応時間を制御し、実施例1と同様の操作にて得られたポリオキシエチレン(65モル)1,3−ブチレングリコール638.4g、イソステアリン酸61.6gを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤651.1g(収率93%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=65、R=イソステアリン酸残基、R’=Hであるモノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(60モル)1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0067】
この生成物の分析の結果、酸価3.76、水酸基価29.02、ケン化価18.05、IOB=1.63の化合物であった。
【0068】
化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3501.92cm
−1(水酸基)、波長1733.12cm
−1(エステル)、1116.83cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0069】
実施例13:セスキイソステアリン酸ポリオキシエチレン(15モル)ブチレングリコールエステルの合成;
エチレンオキサイドの付加モル数及び付加反応時間を制御し、実施例1と同様の操作にて得られたポリオキシエチレン(15モル)1,3−ブチレングリコール637g、イソステアリン酸363gを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤936.5g(収率93.7%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=15、R=イソステアリン酸残基、R’=イソステアリン酸残基若しくはHであるセスキイソステアリン酸ポリオキシエチレン(15モル)1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0070】
この生成物の分析の結果、酸価3.55、水酸基価35.02、ケン化価70.63、IOB=0.96の化合物であった。
【0071】
化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3409.34cm
−1(水酸基)、波長1736.97cm
−1(エステル)、1114.90cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0072】
実施例14:ジイソステアリン酸ポリオキシエチレン(14モル)ブチレングリコールの合成;
エチレンオキサイドの付加モル数及び付加反応時間を制御し、実施例1と同様の操作にて得られたポリオキシエチレン(14モル)1,3−ブチレングリコール512.1g、イソステアリン酸387.9gを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で6時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤833.6g(収率92.6%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=14、R=イソステアリン酸残基、R’=イソステアリン酸残基であるジイソステアリン酸ポリオキシエチレン(14モル)1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0073】
この生成物の分析の結果、酸価7.18、水酸基価22.52、ケン化価84.67、IOB=0.79の化合物であった。
【0074】
化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3504.81cm
−1(水酸基)、波長1736.97cm
−1(エステル)、1114.90cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0075】
実施例15:ジ(ピログルタミン酸/イソステアリン酸)ポリオキシエチレン(20モル)ブチレングリコールの合成;
エチレンオキサイドの付加モル数及び付加反応時間を制御し、実施例1と同様の操作にて得られたポリオキシエチレン(20モル)1,3−ブチレングリコール490.7g、イソステアリン酸144.2g、ピログルタミン酸65.1gを仕込み、窒素を流入しながら反応温度200℃で13時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤623.5g(収率89.1%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=0、c+d=20、R=イソステアリン酸残基、R’=ピログルタミン酸残基であるジ(ピログルタミン酸/イソステアリン酸)ポリオキシエチレン(20モル)1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0076】
この生成物の分析の結果、酸価7.6、水酸基価34.96、ケン化価83.83、IOB=1.29の化合物であった。
【0077】
化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3504.81cm
−1(水酸基)、波長1737.94cm
−1(エステル)、1112.01cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0078】
実施例16:ポリオキシブチレン(2モル)ポリオキシエチレン(14モル)ブチレングリコールの合成;
1,3−ブチレングリコール200gを仕込み、攪拌し窒素を流入しながら温度を上げる。80℃まで上げたら、水酸化カリウム2.5gを入れ、温度を130℃まで上昇させてブチレンオキサイド付加を開始し、反応温度160℃で反応させる。反応時間1時間で320gのブチレンオキサイドを付加した後、更に、反応時間3時間で1368gのエチレンオキサイドを付加したら、水冷して110〜120℃、50%クエン酸水溶液で中和、濾過して目的の化合物1714g(収率90.8%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=2、c+d=14、R=H、R’=Hであるポリオキシブチレン(2モル)ポリオキシエチレン(14モル)1,3−ブチレングリコールエーテルを得た。
【0079】
この生成物の分析の結果、水酸基価151.33、IOB=1.51の化合物であった。
【0080】
化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3478.77cm
−1(水酸基)、波長1105.26cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0081】
実施例17:モノイソステアリン酸ポリオキシブチレン(2モル)ポリオキシエチレン(14モル)ブチレングリコールの合成;
実施例16で得られたポリオキシブチレン(2モル)ポリオキシエチレン(14モル)1,3−ブチレングリコール749g、イソステアリン酸251gを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤962g(収率96.2%)、すなわち上記一般式(I)においてa+b=2、c+d=14、R=イソステアリン酸残基、R’=Hであるモノイソステアリン酸ポリオキシブチレン(2モル)ポリオキシエチレン(14モル)1,3−ブチレングリコールエステル化合物を得た。
【0082】
この生成物の分析の結果、酸価0.98、水酸基価61.42、ケン化価49.84、IOB=0.99の化合物であった。
【0083】
化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3501.92cm
−1(水酸基)、波長1736.01cm
−1(エステル)、1112.97cm
−1(エーテル)に特性吸収が認められた。
【0084】
以下、本実施の化合物を含有する非イオン界面活性剤の物性と処方配合例を示す。
【0085】
実施例18:油性原料との相溶性能
実施例1〜17で合成したポリオキシアルキレンブチレングリコールエーテルカルボン酸エステルの油性成分との馴染みを評価するため、化粧品汎用油剤との相溶性能をIOB値の近い化合物と比較した。ここでは、メーク落とし用途の化粧料に非イオン界面活性剤として用いられることの多いIOB=1.0付近の化合物にて比較を実施した。油剤としてトリエチルヘキサノイン、比較化合物としてイソステアリン酸PEG−8グリセリル及びPEG−6(カプリル/カプリン酸)グリセリル、PEG−7グリセリルココエートを用いた。
【0086】
本発明におけるIOB(Inorganic Organic Balance)とは有機概念図に基づいて求められる有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比であり、すなわち「無機性値(IV)/有機性値(OV)=IOB」となる。これは、「有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生著、三共出版、1984)等で説明されている。
【0087】
相溶性能は、ビーカーにそれぞれ、トリエチルヘキサノイン全量に対して各非イオン界面活性剤組成物がそれぞれ5質量%の濃度となるように量り、攪拌しながら70℃まで加温溶解させた後、25℃まで冷却し、24時間放置した後の状態を比較した。溶解状態については、透明な溶解状態の場合は○、濁りや分離などが起こり透明状態を保てない場合は×で表記した。
【0088】
【表1】
【0089】
表1より、IOBが近似した化合物であっても、本実施のポリオキシアルキレンブチレングリコールエーテルカルボン酸エステル化合物を含有する非イオン界面活性剤は、透明に溶解して油性成分との馴染みに優れることが分かる。
【0090】
実施例19:マスカラとの馴染み性
続いて、先の評価で得られた結果を更に検証するため、本実施のポリオキシアルキレンブチレングリコールエーテルカルボン酸エステル化合物を含有する非イオン界面活性剤と比較化合物とを100%濃度の状態で皮膚上に塗布した市販のマスカラに馴染ませ、擦った後の状態と水で洗浄した後の状態を比較した。マスカラはスポーツビューティ ファシオマスカライナーBK001(コーセー社製)を使用し、比較化合物は実施例18と同様に、イソステアリン酸PEG−8グリセリル及びPEG−6(カプリル/カプリン酸)グリセリル、PEG−7グリセリルココエートを用いた。
【0091】
比較結果については、マスカラ汚れの残り具合を5段階で表記した。すなわち、大きく汚れが残る状態を1とし、汚れ残りが少ないほど点数が高くなるようにして汚れ残りがない状態を5とした。なお、評価は5名のモニターによる結果の平均値(小数点四捨五入)を記載した。
【0092】
【表2】
【0093】
表2より、本比較においても実施例18と同様に、IOBが近似した化合物であっても本実施のポリオキシアルキレンブチレングリコールエーテルカルボン酸エステル化合物を含有する非イオン界面活性剤は、マスカラ汚れとの馴染みが良く、汚れ落ち性能に優れることが確認された。
【0094】
実施例20:温度による製剤性状
更に、本実施のポリオキシアルキレンブチレングリコールエーテルカルボン酸エステル化合物を含有する非イオン界面活性剤と比較化合物とをそれぞれオイルフリークレンジングリキッド処方及びマッサージクレンジングジェル処方に配合した場合のメーク汚れ落ち性能と各温度における製剤の状態を比較した。マスカラはスポーツビューティ ファシオマスカライナーBK001(コーセー社製)、口紅はマキアージュ ライブステイルージュRD774(資生堂社製)を使用し、比較化合物には、本実施の化合物のIOBと近似する、イソステアリン酸PEG−8グリセリル、イソステアリン酸PEG−20グリセリル、イソステアリン酸PEG−60グリセリル、トリイソステアリン酸PEG−20グリセリル及びPEG−6(カプリル/カプリン酸)グリセリル、PEG−7グリセリルココエートから選択して用いた。
【0095】
比較結果の汚れ落ちについては、実施例19と同様の5段階評価とし、各温度における製剤の状態については、透明性を保持している場合は○、濁りや分離が見られる場合は×で表記した。なお、上記同様、評価は5名のモニターによる結果の平均値(小数点四捨五入)を記載した。
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
表3、4より、オイルフリークレンジングリキッド処方及びマッサージクレンジングジェル処方においても、本実施のポリオキシアルキレンブチレングリコールエーテルカルボン酸エステル化合物を含有する非イオン界面活性剤を配合した場合に、メーク汚れとの馴染みが良く、優れた汚れ落ち性能を示した。また、−5℃及び45℃環境下に保存した場合にも透明な液体状態を保持することが可能であり温度性状にも優れる結果となった。
【0099】
実施例22:製剤粘度
続いて、本実施のポリオキシアルキレンブチレングリコールエーテルカルボン酸エステル化合物を含有する非イオン界面活性剤と比較化合物とをそれぞれ下記クレンジングリキッド処方に配合した場合の製剤粘度を比較した。クレンジングリキッド処方にはメーク汚れが除去できるだけではなく、塗布時に手や顔からのたれ落ちがなく、メーク汚れ上に塗布し易いことが求められる。マスカラはスポーツビューティ ファシオマスカライナーBK001(コーセー社製)、口紅はマキアージュ ライブステイルージュRD774(資生堂社製)を使用し、比較化合物は、イソステアリン酸PEG−8グリセリルを用いた。
【0100】
比較結果の汚れ落ちについては、実施例19と同様の5段階評価とし、製剤粘度については、塗布時にたれ落ちにくい粘度として25℃における粘度が500mPa・s以上である場合に○、それ以下の場合は×で表記した。粘度測定は、東機産業製TVB−10形粘度計を使用した。なお、上記同様、評価は5名のモニターによる結果の平均値(小数点四捨五入)を記載した。
【0101】
【表5】
【0102】
表5より、本実施のポリオキシアルキレンブチレングリコールエーテルカルボン酸エステル化合物を含有する非イオン界面活性剤を配合したクレンジングリキッドは、メーク汚れ落ちに優れ、濡れた手でも使用できるだけでなく、製剤を高粘度化することで塗布時にたれ落ちのない操作性に優れたものとすることができる。また、高粘度化されることで比較処方よりも厚みのある感触とすることが可能となり、製剤にマッサージ性を付与することが可能となる。
【0103】
実施例23:2Wayクレンジングオイル
下記表6に示す組成の2Wayクレンジングオイルを次のようにして調整した。すなわち、成分1および成分2を50℃まで加温し、均一に溶解させた後、成分1を攪拌しながら、成分2を混合した。この2Wayクレンジングオイルは、浴室内で濡れた手でも使用することが可能ながらもメーク汚れ落ち特性に優れ、洗浄後にしっとりとした感触を付与する官能を示した。
【0104】
【表6】
【0105】
実施例24:クレンジングジェル
下記表7に示す組成のクレンジングジェルを次のようにして調整した。すなわち、成分1〜成分3を60℃まで加温し、均一に溶解させた後、成分2を攪拌しながら、成分1および成分2を混合した。このクレンジングジェルは、メーク汚れ落ち特性に優れ、高温でもゲル状を保持し安定性に優れた特性を示した。
【0106】
【表7】
【0107】
実施例25:オイルフリー2Wayクレンジングリキッド
下記表8に示す組成のオイルフリー2Wayクレンジングリキッドを次のようにして調整した。すなわち、成分1および成分2を50℃まで加温し、均一に溶解させた後、成分1を攪拌しながら、成分2を混合した。このオイルフリー2Wayクレンジングリキッドは、浴室内で濡れた手でも使用することが可能な上、オイル成分を配合しなくてもメーク汚れ落ちに優れる特性を示した。
【0108】
【表8】
【0109】
実施例26:クレンジング乳液
下記表9に示す組成のクレンジング乳液を次のようにして調整した。すなわち、成分1および成分2を80℃まで加温し、均一に溶解させた後成分1を攪拌しながら、成分2を混合した。このクレンジング乳液は、メーク汚れとの馴染みがよく、洗浄後、肌にしっとりとした感触を付与する特徴を示した。
【0110】
【表9】
【0111】
実施例27:洗顔フォーム
下記表10に示す組成の洗顔フォームを次のようにして調整した。すなわち、成分1を75℃、成分2を70℃まで加温し、均一に溶解させた。続いて、内温を85℃に保持した容器で成分1を攪拌しながら成分2を加えてケン化した後、冷却してパールを析出させた。この洗顔フォームは、泡立ちの安定性に優れ、洗顔後にさっぱりとした感触を付与する官能を示した。
【0112】
【表10】
【0113】
実施例28:モイスチャークリーム
下記表11に示す組成のモイスチャークリームを次のようにして調整した。すなわち、成分1を70℃、成分2を75℃まで加温し、均一に溶解させた後、成分2を攪拌しながら、成分1を混合して乳化した。このモイスチャークリームは、艶が良く、エモリエント性を付与し、優れた官能を示した。
【0114】
【表11】
【0115】
実施例29:乳白化粧水
下記表12に示す組成の化粧水を次のようにして調整した。すなわち、成分1及び成分2を40℃まで加温し、均一に溶解させた後、成分2を攪拌しながら、成分1を混合した。この化粧水は、微乳白の状態を安定に保持しながら、しっとりとした使用感を特徴とする官能を示した。
【0116】
【表12】
【0117】
実施例30:バスオイル
下記表13に示す組成のバスオイルを次のようにして調整した。すなわち、成分1及び成分2を40℃まで加温し、均一に溶解させた後、成分1を攪拌しながら、成分2を混合した。このバスオイルは、浴槽内湯への分散性に優れることから容易に乳白濁状態を得ることができ、また、入浴後の肌にしっとりとした感触を付与する官能を示した。
【0118】
【表13】
【0119】
実施例31:パールシャンプー
下記表14に示す組成のパールシャンプーを次のようにして調整した。すなわち、成分1を70℃、成分2を80℃まで加温し、均一に溶解させた後、成分2を攪拌しながら、成分1を混合する。その後、40℃まで冷却し、成分3を混合した。このパールシャンプーは容易にパール感を付与することが可能な上、泡立ちが良く、経時安定性に優れた特性を示した。
【0120】
【表14】