【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「基盤技術研究促進事業(民間基盤技術研究支援制度)/先進操縦システム等研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トリム操作スイッチは、押されている間、単位時間あたり所定の変位量(可動レート)で指示値を変化させる。トリム調整を行うときは、例えば、トリム操作スイッチを連続して押し、所望の指示値の近傍で何回か押して値を合わせる。
ここで、トリム操作スイッチの可動レートが例えば3.0度/秒であるとする。そうすると、トリム操作スイッチを一度、1/4秒間押しただけでも0.75度進むので、例えば、モニタ画面上に0.1度の分解能で表示された「6.0度」から「6.1度」へと指示値を0.1度だけ変化させるのが難しい。つまり、0.1度に対応する時間だけトリム操作スイッチを押すのは難しく、所望の指示値である6.1よりも行き過ぎ、戻すときには反対側に行き過ぎるといった過程を経るので、トリム調整に手間取る。
そこで、本発明は、トリム調整の作業性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、トリム調整の作業性向上を検討する中で、中立位置を示す指示値の単位がどうあるべきかを検討した。現状、指示値は、舵角やトリム調整レンジにおける割合で示される。そのとき指示値は、標準の中立位置を基準として正(+)および負(−)の値をとる。
しかし、正負があると、指示値の正負を誤るおそれがある。
一方、負の値をとらずに、0および正の値のみをとる別の単位に指示値を換算することも行われている。その単位(unit)を採用すれば、正負の誤りを防止できる。
しかしながら、unitへの換算は、1unitあたり適当な変位量に定められた換算レートで行われる。そうすると、換算レートによっては、上述と同様、指示値を表示の分解能の分だけ(例えば0.1unitだけ)変化させるのが難しいので、トリム調整に手間取る。
【0006】
そこで、本発明者は、unitへの理想的な換算について追求した結果、トリム操作スイッチを一度クリックするときの変位量を最小単位とすることを想到した。
【0007】
本発明のトリム調整装置は、舵面を操作する舵面操作部の中立位置または舵面の現在位置を設定するトリム調整を行うために操作されるトリム操作部と、トリム操作部の操作により指示される位置の指示値を得る指示値取得部と、指示値を別の単位に換算する換算部と、換算部により換算された指示値を表示する表示部と、を備えている。トリム操作部は、単位時間あたり、換算前の単位の所定の変位量で指示値を変化させる可動レートで動作する。
そして、本発明は、換算部が、可動レートと、トリム操作部を一度クリックするのに要するクリック時間との積に基づく最小単位で指示値を換算することを特徴とする。
【0008】
本発明における最小単位は、例えば、unitに係数0.1を乗じて得られる0.1unitに設定される。
トリム操作部を一度クリックするのに要するクリック時間は、トリム操作部を短時間の間、一度押して離す(クリックする)のに要する時間を測定する試験の結果に基づいて設定される。
【0009】
本発明では、トリム操作部のクリック時間に対応する変位量(可動レートとクリック時間との積)に基づく最小単位で指示値が換算される。その最小単位は、トリム操作部の可動レートに基づくクリック時の変位量に対応している。
したがって、トリム操作部を一度クリックすれば、表示部に表示された換算後の指示値が最小単位分だけ変化し、トリム操作部を連続して押せば、換算後の指示値が繰り返し最小単位分だけ変化するので、表示部を見ながら所望の指示値に容易に合わせられる。これにより、トリム調整の操作性を向上させることができる。
【0010】
ここで、最小単位により、負の値をとらずに正の値をとる尺度が構成されることが好ましい。これにより、指示値の正負の誤りに起因する操作ミスを防止できる。
【0011】
本発明のトリム調整装置は、換算部により換算された指示値における最小単位の係数未満の桁を丸める丸め部を備え、表示部は、丸め部により丸められた指示値を表示することが好ましい。
これにより、例えば最小単位が0.1unitであるとすると、表示部に表示される指示値の分解能も同じく0.1unitとなる。そうすると、指示値が表示分解能のピッチで変化するので、操作し易い。
【0012】
本発明の丸め部による指示値の丸めの方式は任意である。
ここで、切り捨て方式とすると、トリム操作部をトリム調整レンジの下限の少し手前まで押して、表示上の最小の目盛、すなわち最小単位の係数(例えば0.1unit)に指示値を合わせたいときに、指示値が係数未満であれば一律に0.0となってしまうので、合わせ難い。
また、切り上げ方式とすると、指示値がトリム調整レンジの上限を超えてしまうことがある。
そこで、四捨五入方式を採用すれば、トリム調整レンジを超えることなく、最小の目盛にも指示値を容易に合わせることができる。
【0013】
本発明の航空機は、舵面を有する操舵部材と、上述のトリム調整装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、上述のトリム調整装置を備えることにより、上述と同様の効果を享受できる。
【0014】
本発明のトリム調整方法は、舵面を操作する舵面操作部の中立位置または舵面の現在位置を設定するトリム調整において、その操作によりトリム調整の位置を指示するトリム操作部が単位時間あたり所定の変位量で当該位置の指示値を変化させる可動レートと、トリム操作部を一度クリックするのに要するクリック時間との積に基づく最小単位で指示値を換算し、換算された指示値を表示することを特徴とする。
本発明によれば、上述のトリム調整装置と同様の効果を享受できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、トリム調整の作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面に示す実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
〔全体構成〕
図1に示す航空機1は、トリム調整される舵面を有する操舵部材としてのスタビライザー2、ラダー3、およびエルロン4と、ラダー3およびエルロン4の各々に対応する舵面操作部である
図2の操作ペダル13および操縦輪12と、トリム調整を行うためのトリム調整装置20,30,40と、航空機1全体の動作を制御する制御装置50とを備えている。
【0018】
〔操舵部材〕
スタビライザー2は、いわゆる水平安定板(水平尾翼)であり、水平安定板全体が上下に可動するように構成されている。操縦輪12に設けられたトリム操作スイッチ21によりスタビライザー2を回動させることができる。
ラダー(方向舵)3は、垂直尾翼6の後部に設けられている。操作ペダル13を踏み、機体の重心を貫く上下軸を中心にラダー3を回動させることで、機体をヨーイングさせる。左の操作ペダル13を踏むと機体が左に旋回し、右の操作ペダル13を踏むと機体が右に旋回する。
エルロン(補助翼)4は、主翼7の後部に設けられている。操縦輪12を回し、機体の左右軸を中心にエルロン4を回動させることで、機体を前後軸を中心にバンク(ロール)させる。操縦輪12を左に回すと機体が左に傾き、操縦輪12を右に回すと機体が右に傾く。
スタビライザー2、ラダー3,およびエルロン4は、アクチュエータ(図示せず)によってそれぞれ駆動される。
【0019】
〔トリム調整〕
航空機1には、
図2に示すように、スタビライザー2のトリム調整のためのスタビライザートリム調整装置20と、ラダー3のトリム調整のためのラダートリム調整装置30と、エルロン4のトリム調整のためのエルロントリム調整装置40とが搭載されている。
トリム調整装置20,30,40の各々は、離陸時や航行時にパイロットによって操作される。
スタビライザートリム調整装置20は、スタビライザー2の舵面の現在位置を示す指示値を制御装置50に出力する。
一方、ラダートリム調整装置30は、ラダー3の舵面操作部である操作ペダル13の中立位置を示す指示値を制御装置50に出力する。エルロントリム調整装置40も、エルロン4の舵面操作部である操縦輪12の中立位置を示す指示値を制御装置50に出力する。
【0020】
〔制御装置〕
制御装置50は、トリム調整装置20,30,40の各々から出力される指示値に基づいて、スタビライザー2、ラダー3、およびエルロン4の各々に設けられるアクチュエータを個別に駆動する。
また、制御装置50は、操縦室のモニタ14の画面Dに、
図3に示すように、トリム調整装置20,30,40の各々から単位「unit」に換算されて出力された指示値V1,V2,V3をunitで表示する。
画面Dには、スタビライザー2のトリム調整レンジを示すバーB1と、バーB1上におけるスタビライザー2舵面の現在位置を指示するポインタM1が表示されている。
また、ラダー3およびエルロン4の各々のトリム調整レンジを示すバーB2,B3と、バーB2,B3上におけるラダー3およびエルロン4の各々の中立位置を指示するポインタM2,M3も画面Dに表示されている。
【0021】
〔スタビライザー、ラダー、およびエルロンの各々のトリム調整装置〕
スタビライザートリム調整装置20は、スタビライザー2のトリム調整レンジ内でスタビライザー2の舵面の現在位置を設定する。このスタビライザートリム調整装置20は、トリム調整を行うために操作されるトリム操作スイッチ21(トリム操作部)と、トリム操作スイッチ21の操作により指示される現在位置の指示値を得る指示値取得部22と、その指示値をunitに換算する換算部23と、換算された指示値を丸める丸め部24とを備えている。
【0022】
ラダートリム調整装置30は、ラダー3のトリム調整レンジ内で操作ペダル13の中立位置を設定する。このラダートリム調整装置30は、トリム調整を行うために操作されるトリム操作スイッチ31と、トリム操作スイッチ31の操作により指示される中立位置の指示値を得る指示値取得部32と、その指示値をunitに換算する換算部33と、換算された指示値を丸める丸め部34とを備えている。
【0023】
エルロントリム調整装置40は、エルロン4のトリム調整レンジ内で操縦輪12の中立位置を設定する。このエルロントリム調整装置40は、トリム調整を行うために操作されるトリム操作スイッチ41と、トリム操作スイッチ41の操作により指示される中立位置の指示値を得る指示値取得部42と、その指示値をunitに換算する換算部43と、換算された指示値を丸める丸め部44とを備えている。
【0024】
なお、指示値取得部22,32,42、換算部23,33,43、および丸め部24,34,44は、制御装置50に一体に組み込むこともできる。
【0025】
〔可動レートおよびトリム調整レンジ〕
トリム操作スイッチ21,31,41の各々は、所定の可動レートRt1,Rt2,Rt3で動作する。
ここで、可動レートは、トリム操作スイッチ21,31,41を操作した単位時間あたりに指示値が変化した割合であり、換算部23,33,43により指示値がunitに換算される前の単位で表される。
スタビライザー2の舵面の現在位置の指示値は、舵角(度)で規定される。スタビライザー2のトリム調整レンジは、トリム調整によりシフトされていない標準位置を基準に、機首上げ方向を負、機首下げ方向を正とする所定範囲に設定されている。
ラダー3を操作する操作ペダル13の中立位置の指示値は、操作ペダル13の踏み込み量(インチ)で規定される。ラダー3のトリム調整レンジは、トリム調整によりシフトされていない標準の中立位置を基準に、左方向を正、右方向を負とする所定範囲に設定されている。
エルロン4を操作する操縦輪12の中立位置の指示値は、操縦輪12の操作角度(度)で規定される。エルロン4のトリム調整レンジは、標準の中立位置を基準に、左方向を正、右方向を負とする所定範囲に設定されている。
【0026】
〔トリム操作スイッチ〕
トリム操作スイッチ21、31,41は、コックピット内に設けられている。
トリム操作スイッチ21、31,41の各々を指で正方向または負方向に押すと、対応する中立位置の指示値を増減することができる。
スタビライザー2用のトリム操作スイッチ21は、押されている間、可動レートRt1で指示値を変化させる。
ラダー3用のトリム操作スイッチ31は、押されている間、可動レートRt2で指示値を変化させる。
エルロン4用のトリム操作スイッチ41は、押されている間、可動レートRt3で指示値を変化させる。
【0027】
〔指示値取得部〕
スタビライザー2用の指示値取得部22は、トリム操作スイッチ21の操作により変化した指示値を取得するとともに、その指示値(単位:度)を制御装置50に出力する。
ラダー3用の指示値取得部32は、トリム操作スイッチ31の操作により変化した指示値を取得するとともに、その指示値(単位:インチ)を制御装置50に出力する。
エルロン4用の指示値取得部42は、トリム操作スイッチ41の操作により変化した指示値を取得するとともに、その指示値(単位:度)を制御装置50に出力する。
指示値取得部22,32,42の各々から出力される指示値は、スタビライザー2、ラダー3、およびエルロン4の各々に設けられたアクチュエータを駆動するために用いられる。
【0028】
〔換算部〕
スタビライザー2用の換算部23は、指示値取得部22が取得した指示値(単位:度)を単位「unit」に換算する。
ラダー3用の換算部33は、指示値取得部32が取得した指示値(単位:度)を単位「unit」に換算する。
エルロン4用の換算部43は、指示値取得部42が取得した指示値(単位:度)を単位「unit」に換算する。
【0029】
〔丸め部〕
スタビライザー2用の丸め部24は、換算部23が換算した指示値を丸めるとともに、丸められた指示値を制御装置50に出力する。
ラダー3用の丸め部34は、換算部33が換算した指示値を丸めるとともに、丸められた指示値を制御装置50に出力する。
エルロン4用の丸め部44は、換算部43が換算した指示値を丸めるとともに、丸められた指示値を制御装置50に出力する。
上記の丸め部24,34,44のいずれでも四捨五入方式で指示値の端数を丸める処理方法が採用される。
【0030】
〔単位「unit」〕
指示値が換算される単位である「unit」は、固有の可動レートを有するトリム調整装置20,30,40の各々において、トリム操作スイッチ21,31,41を一度クリックするのに要するクリック時間に対応する舵角、踏み込み量、操作角度での変位量を最小単位「0.1unit」として定められている。
unitは、0および正の値をとる尺度を構成する。
最小単位は、1unitに係数0.1を乗じて得られる。
上記の丸め部24,34,44は、換算された指示値における最小単位の係数である0.1未満の桁を丸める。係数0.1は、画面Dに表示されることで可視化される指示値の表示分解能(0.1unit)の値に一致する。
【0031】
〔クリック時間〕
一度クリックするのに要するクリック時間は、例えば、以下のような試験に基づいて定めることができる。
すなわち、被験者がトリム操作スイッチを一度クリックする操作を行い、スイッチに指が触れてから離れるまでの時間を記録する。この1クリックの操作は、特に急ぐことなく自然に行うように求める。同じ被験者に対してこの1クリック操作試験を複数回実施し、記録の平均をとる。このような試験を体格の異なる複数人に対して実施する。
このような試験の結果、1クリックの操作時間の平均値が約0.2秒であった場合、クリック時間Tmを0.2秒と定めることができる。
なお、本実施形態のトリム操作スイッチ21,31,41はいずれも同様の構造とされている。したがって、各トリム操作スイッチ21,31,41に対し、一度クリックするのに要する時間として、それぞれ共通のクリック時間Tmを設定している。
但し、トリム操作スイッチ21,31,41の構造によっては、トリム操作スイッチ21,31,41に個別にクリック時間を定めることもできる。
クリック時間Tmは、上記のような試験のほか、経験値に基づいて定めることもできる。
【0032】
〔unitへの換算〕
以下、スタビライザー2のトリム調整の指示値の換算方法、ラダー3のトリム調整の指示値の換算方法、およびエルロン4のトリム調整の指示値の換算方法について説明する。
また、指示値の丸めについても説明する。
【0033】
〔スタビライザーの換算〕
換算部23は、トリム操作スイッチ21のクリック時間Tmに対応する変位量、すなわち可動レートRt1とクリック時間Tmとの積P1を最小単位0.1unitとして、舵角による指示値をunitに換算する。すなわち、スタビライザー2の指示値の換算レートは1unitあたり(P1×10)である。
換算された指示値は、丸め部24により、画面Dに表示される指示値の分解能と一致する桁(小数点以下1桁)に丸められる。その指示値が、画面D(
図3)に指示値V1として表示される。また、指示値V1に連動して、バーB1上におけるポインタM1の位置も更新される。
【0034】
〔ラダーの換算〕
換算部33は、トリム操作スイッチ31のクリック時間Tmに対応する変位量、すなわち可動レートRt2とクリック時間Tmとの積P2を最小単位0.1unitとして、操作ペダル13の踏み込み量(インチ)による指示値をunitに換算する。すなわち、ラダー3の指示値の換算レートは1unitあたり(P2×10)インチである。
換算された指示値は、丸め部34によって小数点以下1桁に丸められた後、画面D(
図3)に指示値V2として表示される。また、指示値V2に連動して、バーB2上におけるポインタM2の位置も更新される。
【0035】
〔エルロンの換算〕
換算部43は、トリム操作スイッチ41のクリック時間Tmに対応する変位量、すなわち可動レートRt3とクリック時間Tmとの積P3を最小単位0.1unitとして、操縦輪12の操作角度による指示値を換算する。すなわち、エルロン4の指示値の換算レートは1unitあたり(P3×10)度である。
換算された指示値は、丸め部44により、小数点以下1桁に丸められた後、画面D(
図3)に指示値V3として表示される。また、指示値V3に連動して、バーB3上におけるポインタM3の位置も更新される。
【0036】
スタビライザー2に用いるunitには、トリム調整可能レンジの一端を基準(0unit)として、正の値を与える。
ラダー3に用いるunitには、標準の中立位置を基準として、左方向、右方向のいずれにも正の値を与える。そして、画面D上の指示値V2に示すように、左方向の値にはLeftを意味する「L」を付し、右方向の値にはRightを意味する「R」を付して両者を区別する。
エルロン4に用いるunitも、標準の中立位置を基準として、左方向、右方向のいずれにも正の値を与え、画面D上の指示値V3に示すように、左方向の値には「L」を付し、右方向の値には「R」を付して両者を区別する。
【0037】
〔本実施形態の作用効果〕
本実施形態では、トリム操作スイッチ21,31,41の1クリックに要する操作時間であるクリック時間Tmに対応する変位量を最小単位として指示値を換算し、モニタ14の画面Dに表示する。
そうすると、パイロットは、離陸時や航行中、機体の重量、重心や機体の歪みに応じて適切にトリム可能な指示値をunitで特定し、トリム操作スイッチ21,31,41を用いてトリム調整装置20,30,40に指示を出す。そのとき、トリム操作スイッチ21,31,41を1クリックすると最小単位(0.1unit)だけ、画面Dの指示値V1,V2,V3が変化される。トリム操作スイッチ21,31,41を連続して押せば、指示値が繰り返し最小単位分だけ変化される。
したがって、例えば、画面Dの指示値が「7.1」unitであるとして、所望の指示値「7.3」unitに合わせるには、2回クリックすればよい。また、所望の指示値が「15.4」であれば、スイッチを指示値「7.1」から連続して押した後、必要な回数だけクリックすればよい。
【0038】
本実施形態で換算に用いる最小単位は、操作者が自然に操作することのできる1クリックの操作時間に対応する変位量に基づいている。そのため、トリム操作スイッチ21,31,41を必要回数だけクリックするか、画面Dに表示される指示値が必要回数だけ更新されるまでスイッチを押し続ける直感的な操作によって、操作者(パイロット)の想定よりも指示値が進み過ぎることなく、指示値を効率的に合わせることができる。
【0039】
なお、上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本発明によるトリム調整は、上記実施形態で例示したスタビライザー、ラダー、およびエルロンの他、操舵部材の種類を問わずに適用できる。例えば、昇降舵(エレベータ)のトリム調整にも本発明を適用することができる。