【実施例】
【0021】
本発明の車両用乗降補助二段ステップ装置を、図面に示す実施例の車両用乗降補助二段ステップ装置1により説明すると、ベースフレーム2は、例えば、ワンボックスタイプの自動車のサイドドアの内側室内の凹陥設置部3の設置面3aに設置される。
【0022】
前記ベースフレーム2は、底板2aの両端上面に左端部軸受支板4aと右端部軸受支板4bが立設され、該左端部軸受支板4aと右端部軸受支板4bには、ベースフレーム2の底板2aの両端上面から同じ高さであって、かつ左右同一軸線上に対向して左軸受孔5aと右軸受孔5bが開設され、該左軸受孔5aと右軸受孔5bには、第1段ステップ板6の基端部の両側面より突出する第1左基端軸7aと第1右基端軸7bが嵌挿され、第1段ステップ板6が起伏自在に軸受される。
【0023】
前記左端部軸受支板4aの左側には、右側面に軸受壁板8を配備したギヤボックス9が、その間に左アッパーアーム10aを配備する空間Fを存して配備され、ベースフレーム2の底板2aの両端上面から、前記左軸受孔5aと右軸受孔5bより高位であって、かつ同じ高さの左右同一軸線上に対向して高位左軸受孔11aが左端部軸受支板4aに、高位右軸受孔11bが右端部軸受支板4bに夫々開設される。
【0024】
前記高位左軸受孔11aには、左アッパーアーム10aの基端部に一体に設けた支軸12aが嵌挿されて左アッパーアーム1
0aが回動自在に配備される。前記高位右軸受孔11bには、右アッパーアーム10bの基端部に一体に設けた支軸12bが嵌挿されて右アッパーアーム10bが回動自在に配備される。
【0025】
他の実施例としては、前記高位左軸受孔11aと高位右軸受孔11bに前記支軸12aと支軸12bは夫々固着されたものでもよく、その場合は、前記左アッパーアーム10aと右アッパーアーム10bの基端部は、夫々軸受孔が設けられ、支軸12a及び支軸12bに回動自在に支承されるものでもよいものである。
【0026】
第1左連絡アーム13aは、その上端部が第1左上端支軸14aにより前記左アッパーアーム10aの先端部の内側面に回動自在に連結され、その先端部寄り中間部が第1左中間支軸15aにより前記第1段ステップ板6の先端部寄り中間部の左外側面に回動自在に連結され、その下端部が第2段ステップ板16の基端部の左外側面に配備される第2左基端軸17aに回動自在に連結される。
【0027】
第1右連絡アーム13bは、その上端部が第1右上端支軸14bにより前記右アッパーアーム10bの先端部の内側面に回動自在に連結され、その先端部寄り中間部が第1右中間支軸15bにより前記第1段ステップ板6の先端部寄り中間部の右外側面に回動自在に連結され、その下端部が第2段ステップ板16の基端部の右外側面に配備される第2右基端軸17bに回動自在に連結される。
【0028】
前記第1段ステップ板6の基端部の第1左基端軸7aと先端部寄り
中間部の第1左中間支軸15aの間の長さと、前記左アッパーアーム10aの基端部の支軸12aと先端部の第1左上端支軸14aの間の長さは同一である。また、第1段ステップ板6の基端部の第1左基端軸7aと左アッパーアーム10aの基端部の支軸12aとの上下間の長さは、第1段ステップ板6の先端部寄り中間部の第1左中間支軸15aと左アッパーアーム10aの先端部の第1左上端支軸14aの上下間の長さと同一に構成されるから、前記第1左連絡アーム13aと左アッパーアーム10aと第1段ステップ板6と
左端部軸受支板4aとにより第1段左平行辺形リンク18aが構成される。
【0029】
前記第1段ステップ板6の基端部の第1右基端軸7bと先端部寄り中間部の第1右中間支軸15bの間の長さと、前記右アッパーアーム10bの基端部の支軸
12bと先端部の第1右上端支軸14bの間の長さは同一である。また、第1段ステップ板6の基端部の第1右基端軸7bと右アッパーアーム10bの基端部の支軸12bとの上下間の長さは、第1段ステップ板6の先端部寄り中間部の第1右中間支軸15bと右アッパーアーム10bの先端部の第1右上端支軸14bの上下間の長さ
と同一に構成されるから、前記第1右連絡アーム13bと右アッパーアーム10bと第1段ステップ板6と右端部軸受支板4b
とにより第1段右平行四辺形リンク18bが構成される。
【0030】
前記第1段ステップ板6の左外側板6aは、第1段ステップ板6の前縁より前方
へ、所要長さ延設され、その先端部の左外側面に
、前記第1左中間支軸15aより前方へ所要間隔存して配備される第2左上端支軸19aにより第2左連絡アーム20aの上端部が軸支され、該第2左連絡アーム20aは下端部が、前記第1左中間支軸15aと第2左基端軸17a
と同じ間隔をもち、かつ前記第1左中間支軸15aと第2左上端支軸19aとの間隔と同じ間隔をもって第2左基端軸17aより前方の第2段ステップ板16の中間部の左外側面に突出して配備される第2左前側支軸21aにより第2段ステップ板16の中間部の左外側面が連結される。
【0031】
前記第1段ステップ板6の右外側板6bは、第1段ステップ板6の前縁より前方へ、所要長さ延設され、その先端部の右外側面に、前記第1右中間支軸15bと第2右
上端支軸19bとの間隔が前記左外側板6aの前記第1左中間支軸15aと第2左上端支軸19aと同じ間隔をもって配備され、第2右上端支軸19bにより第2右連絡アーム20bの上端部が軸支され、第2右連絡アーム20bの下端部が、前記第1左中間支軸15aと第2左基端軸17aと同じ間隔をもち、かつ前記第1左中間支軸15aと第2左上端支軸19aと同じ間隔をもって第2段ステップ板16の中間部の右外側面に突出して配備される第2右前側支軸21bにより第2段ステップ板16の中間部の右外側面が連結される。
【0032】
前記第1左中間支軸15a及び第2左上端支軸19a間の左外側板6aと、第2左基端軸17a及び第2左前側支軸21a間の第2段ステップ板16の左外側部
16aと、第1左中間支軸15a及び第2左基端軸17a間の第1左連絡アーム13aと、第2左上端支軸19a及び第2左前側支軸21a間の第2左連絡アーム20aにより第2段左四辺リンク22aが構成される。
【0033】
前記第1右中間支軸15b及び第2右上端支軸19b間の右外側板6bと、第2右基端軸17b及び第2右前側支軸21b間の第2段ステップ板16の右
外側部
16bと、第1右中間支軸15b及び第2右基端軸17b間の第1右連絡アーム13bと、第2右上端支軸19b及び第2右前側支軸21b間の第2右連絡アーム20bにより第2段右四辺リンク22bが構成される。
【0034】
本発明の図面に示す実施例の車両用乗降補助二段ステップ装置1は、前述のように、第1段ステップ板6と第2段ステップ板16が第1段左平行辺形リンク18aと第1段右平行辺形リンク18bと第2段左平行辺形リンク22aと第2段右平行辺形リンク22bとに連結されて構成される。
【0035】
実施例として、前記左アッパーアーム10aの基端部が、支軸12aを中心とする扇型の歯車部23に形成され、該扇型の歯車部23にギヤボックス9に配備される出力ピニオン24が噛合う構成のものでは、出力ピニオン24の回転に従い左アッパーアーム10aは基端部を支承する支軸12aを、右アッパーアーム10bは基端部を支承する支軸12bを中心に夫々回動する。例えば、第1段ステップ板6、第2段ステップ板16及び連結する第1、第2リンクを起立した状態から、
図1〜
図6に示すように、第1段ステップ板6及び第2段ステップ板16を車両の側方に突出させて、車両用乗降補助二段ステップ装置1を配備するものである。そして、出力ピニオン24の反対回転により
図7に示す左アッパーアーム10a及び右アッパーアーム10bを起立し、第1段ステップ板6、第2段ステップ板16及び連結する第1、第2リンクを起立状態に格納するものである。
【0036】
ギヤボックス9には、モーターギヤ25を備えるモーター26を搭載するモーターブラケット27が上下に昇降自在に配備され、そのモーターギヤ25に噛合う第1減速歯車28から中継歯車29、第2減速歯車30
及び第3減速歯車31
よりなる減速機構32を経て前記第3減速歯車31の小径歯車部である出力ピニオン24を回転し、前記左アッパーアーム10aの扇型の歯車部23に伝動している。
【0037】
図示しないが、前記モーター26の回転軸とモーターギヤ25とは中間にウオームギヤとホイールギヤの噛合のように、モーター26からの回転は伝達できるが、その反対のホイールギヤの回転は伝達できない伝動手段によって連繋されているものである。
【0038】
前記減速機構32の第1減速歯車28は、大径歯車部28aと小径歯車部28bとから設けられ、大径歯車部28aは、前記モーターギヤ25に対向し、モーターブラケット27が下降時にモーターギヤ25と噛合して回転が伝動される。モーターブラケット27が上昇時にモーターギヤ25と噛合がなくなり、減速機構32の回転が開放される。
【0039】
中継歯車29は、前記第1減速歯車28の大径歯車部28aに常時噛合い、回転が伝動されて第1減速歯車28と共に回転する。
【0040】
第2減速歯車30は、大径歯車部30aと小径歯車部30bとから設けられ、大径歯車部30aは、前記中継歯車29に常時噛合して回転が伝動される。
【0041】
第3減速歯車31は、大径歯車部31aと小径歯車部である出力ピニオン24とから設けられ、大径歯車部31aは、前記第2減速歯車30の小径歯車部30bと常時噛合し、第2減速歯車30の回転を伝動し、小径歯車部である出力ピニオン24を回転し、前記左アッパーアーム10aの扇型の歯車部23に伝動している。
【0042】
ギヤボックス9には、ノブ33が回転自在に配備され、前記ノブ33の回転によりネジ軸34を上下し、ネジ軸34に支架する前記モーターブラケット27を、そのモーターブラケット27に設けたガイド孔35a、35bが、ギヤボックス9に固定されたガイド軸36a、36bに沿って移動するものである。
【0043】
モーターブラケット27を上昇させたとき、モーターギヤ25と第1減速歯車28の大径歯車部28aの噛合をなくし、左アッパーアーム10aをフリーにして第1段ステップ板6及び第2段ステップ板16を手動で操作し、格納することができる。格納した後、ノブ33を回転することによってモーターギヤ25と第1減速歯車28の大径歯車部28aを噛合させると、モーターギヤ25を回転することができないので、すなわち、左アッパーアーム10aと右アッパーアーム10bを手動操作して減速機構32を回転することができないので、左アッパーアーム10aと右アッパーアーム10bを起立状態にロックすることがきる。
【0044】
右アッパーアーム10bの基端部外周には、起立操作子37aと伏倒操作子37bが約180度齟齬して突出配備され、その右アッパーアーム10bの起立格納回動位置と伏倒展開回動位置に対応して起立検出リミットスイッチ38aと伏倒検出リミットスイッチ38bとが前記右端部軸受支板4bの外側面に配備される。
【0045】
図示しないが、前記左アッパーアーム10aを支承する支軸12a又は前記右アッパーアーム10bを支承する支軸12bを左アッパーアーム10a又は右アッパーアーム10bと一体に設け、該支軸12a又は支軸12bを前記第3減速歯車31等の減速機構32に連繋することによりモーター26からの回転を伝達し、前記左アッパーアーム10aを作動させてステップ装置1の全体の起立格納又は伏倒展開を行うこととしてもよいものである。
【0046】
前記支軸12a又は支軸12bを前記第3減速歯車31等の減速機構32に連繋する実施例として、図示しないが、支軸12a又は支軸12bに歯車を取付け、該歯車と前記第3減速歯車31の出力ピニオン24と噛合うものとしてもよいものである。
【0047】
また、第1段ステップ板6の基端部を軸支する第1左基端軸7a又は第1右基端軸7bの少なくとも一方を第1段ステップ板6と一体に設け、該一体に設けた第1左基端軸7a又は第1右基端軸7bと前記第3減速歯車31等の減速機構32に連繋することによりモーター26からの回転を伝達し、前記第1ステップ6を作動させてステップ装置1の全体の起立格納又は伏倒展開を行うこととしてもよいものである。
【0048】
前記第1左基端軸7a又は第1右基端軸7bを前記第3減速歯車31等の減速機構32に連繋する実施例として、図示しないが、第1左基端軸7a又は第1右基端軸7bに歯車を取付け、該歯車と前記第3減速歯車31の出力ピニオン24と噛合うものとしてもよいものである。
【0049】
前記右アッパーアーム10bが起立する格納時には起立操作子37aが接点板39aに接触して起立検出リミットスイッチ38aを入力し、モーター26への給電回路を開放して停止し、車両用乗降補助二段ステップ装置1は格納状態を維持する。また、右アッパーアーム10bが伏倒する展開時には伏倒操作子37bが接点板39bに接触して伏倒検出リミットスイッチ38bを入力し、モーター26への給電回路を開放して停止し、展開した車両用乗降補助二段ステップ装置1は、二段ステップ状態を路面40に対して維持する。