(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記投入ホッパーに粒状物を検知するセンサーを設けるとともに、該センサーの信号に基づき前記加振手段の動作を制御する制御手段を設けてなる請求項1〜6の何れか1項に記載の投入装置。
【背景技術】
【0002】
この種の投入装置は、従来より、ホッパーの投入部に粒状物が通過する網体を設け、粒状物よりも大きな異物をこの網体により取り除くように構成したものが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、本来網目を通過するはずの粒状物が複数集まった状態で網目に残留してしまう現象が生じる。このような粒状物の網体上への残留現象は網目の大きさにもよるが頻繁に生じ、そのたびに作業員が手で網体を叩いたり揺らしたり粒状物の塊を手で崩す等して、網目を通過させる作業が行われているが、非常に手間であり、とくに立体的な網目の内部や網体の隅部など作業がしにくい箇所もあり、残留した粒状物を完全に通過させて無くすることができない。
【0003】
また、粒状物は網体上に残留すること以外に、網体を通過した後にホッパーの傾斜した内面に付着してホッパー内部に残留しまうケースもある。このように網体上やホッパー内部に残留した粒状物は、粒状物の種類によっては装置に悪影響を与えたり衛生上の問題が生じる可能性があり、また、その残留した粒状物は次のロットに混入することとなり、コンタミの問題も生じる。
【0004】
これに対し、ホッパーや網体を振動させることで残留した粒状物を落とす方法が提案されている(特許文献2の
図5、
図10参照)。具体的には、網体をホッパーに固定するとともにホッパーの前側板の外側部に振動モータを取り付けてホッパーを振動させる例や、網体の前支持部をホッパーの前側板に回動可能に支持させるとともに網体の後支持部に復帰バネとソレノイドを取り付け、網体を振動させる例が提案されている。
【0005】
しかしながら、ホッパーを振動させる例では、網体を十分に振動させることができず、網体上に残留した粒状物を確実に落とすことはできない。また、網体を直接回動振動させる例においても、支持されている網体の前支持部およびその周辺部が十分に振動せず、残留を確実に無くすることはできない。また、このような回動支持部(前支持部)を通じて網体からホッパーへ伝達される振動も小さくなり、したがってホッパー内面への粒状物の付着、残留を無くするためには別途ホッパー用の振動モータも必要となり、コスト増となる。加振力を大きくしたり時間を掛けて振動させることで残留量を減らすことも可能となるが、それでも確実に無くすることは期待できないうえ、使用電力が増えてコスト増大を招き、ロスタイムとして作業効率、生産効率にも悪影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、網体やホッパー内に残留した粒状物を効率よく確実に通過させて残留を無くすることができ、ロスタイムなく残留粒状物による装置への悪影響や衛生上の問題、コンタミを効率よく防止することができる投入装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述の課題解決のために、投入ホッパー(以下、単に「ホッパー」と称す。)の投入部に粒状物が通過する網体を設けてなる投入装置であって、前記投入部に、前記網体を全体が上下移動可能となるように支持させるとともに、前記網体を下方から押し上げて振動させる加振手段を設け、前記加振手段により前記網体全体を振動させることで、網体上に残留した粒状物を下方に通過させることを特徴とする粒状物の投入装置を構成した。
【0009】
ここで、前記ホッパーを複数並設するとともに、複数の前記投入部に対して一枚の前記網体を配したものが好ましい。
【0010】
特に、前記加振手段を、前記網体が配される前記複数の投入部の隣接する投入部間の位置に設けたものが好ましい。
【0011】
また、前記加振手段が、前記網体の下面に沿って平行に延びる回転軸を設けるとともに、該回転軸の外周部に径方向外側に突出し且つ
該回転軸に平行に延びる突出部を設け、前記回転軸を回転駆動する駆動手段を設けてなり、前記回転軸が回転することで前記突出部が前記網体を押し上げ、網体全体を振動させるものが好ましい。
【0012】
更に、前記網体を複数並設するとともに、複数の前記網体に対して一本の前記回転軸を配したものが好ましい。
【0013】
特に、前記突出部が、前記回転軸外周部における少なくとも前記網体の下面に対応する範囲
の全域にわたって
前記回転軸に平行に延びているものが好ましい。
【0014】
また、前記ホッパーに粒状物を検知するセンサーを設けるとともに、該センサーの信号に基づき加振手段の動作を制御する制御手段を設けたものが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上にしてなる本願発明に係る粒状物の投入装置は、投入部に網体を全体が上下移動可能となるように支持させるとともに、網体を下方から押し上げて振動させる加振手段を設け、加振手段により網体全体を振動させることで、網体上に残留した粒状物を下方に通過させるように構成したので、網体全体が振動し、加振力を過大にしたり時間を掛けることなく、残留粒状物を網目を通じて残すことなく確実に且つ効率よく落として通過させることができる。また、振動の際には、網体全体が下降時にこれを支持するホッパー投入部に対して衝撃を与えるため、ホッパー用の振動モータ等を別途設けることなく、ホッパー内壁面に粒状物が残留しても確実に落として排出口に向けて通過させることができる。
【0016】
さらに、このような装置では構造が簡素で、網体の設置に高精度を要求されず低コストに作製できるとともに網体を容易に取り外すことができるので、網体やホッパー内部の粉塵の掃除、メンテナンスも容易となる。このように本発明ではロスタイムなく残留粒状物を確実に無くすことができ、装置への悪影響や害虫発生等の衛生上の問題、コンタミを効率よく防止することができるのである。
【0017】
また、ホッパーを複数並設するとともに、複数の投入部に対して一枚の網体を配したので、構造の簡素化・効率化が図れる。これは網体全体が振動することから可能となる構造であり、より低コストに装置を作製できるとともに加振手段及び網体の振動による複数のホッパーへの加振も効率よく与えられる。
【0018】
また、加振手段を網体が配される複数の投入部の隣接する投入部間の位置に設けたので、加振手段が粒状物の通過の邪魔にならず、処理効率の低下を回避できるとともに、網体の中央寄りで網体全体を効率よく振動させることができる。
【0019】
また、加振手段が、網体の下面に沿って平行に延びる回転軸を設けるとともに、該回転軸の外周部に径方向外側に突出し且つ
該回転軸に平行に延びる突出部を設け、回転軸を回転駆動する駆動手段を設けてなり、回転軸が回転することで突出部が網体を押し上げ、網体全体を振動させるように構成したので、回転軸を回転させるだけで網体全体をより効率良く振動させることができるとともに、網体を増設した場合にも回転軸を延長するだけで対応でき、設計の自由度が著しく向上する。
【0020】
また、網体を複数並設するとともに、複数の網体に対して一本の回転軸を配したので、回転軸を回転させるだけで複数の網体に対して高効率に振動を与えることができ、構造も簡易なものとなり製作コストを低減できる。
【0021】
また、突出部が回転軸外周部における少なくとも網体の下面に対応する範囲
の全域にわたって
前記回転軸に平行に延びているので、突出部が網体下面
の全域を押し上げ、網体の全体をより確実に振動させ、網体やホッパー内に残留した粒状物をより確実に通過させ、残留を無くすることができる。
【0022】
また、ホッパーに粒状物を検知するセンサーを設けるとともに、該センサーの信号に基づき加振手段の動作を制御する制御手段を設けたので、投入した粒状物の残量に応じて加振手段を制御し、効率よく残留を無くすることができる。たとえば、ホッパー内壁面の適所にセンサーを設け、センサーで粒状物の通過が無くなったことを検知すれば網体の通過を終了したとして、網体に残留している粒状物を通過させるべく、加振手段を動作開始させるようにすることもできるし、検知してから所定時間経過後に加振手段を動作開始させるようにすることもできる。これにより、網体やホッパー内に残留した粒状物のみ振動により通過させることができ、効率よく動作させることができるのである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0025】
本発明に係る投入装置1は、
図1〜
図5に示す代表例のとおり、生産工場内のタンクや処理装置に穀物等の粒状物を投入するための装置であり、粒状物を投入するホッパー2を備え、ホッパー2の投入部20に粒状物が通過する網目を有し、それより大きな異物を取り除くための網体3が設けられている。本装置1は粒状物の生産工場における種々の投入場面で用いることができ、例えば玄米を搬入した際に貯留タンクまで搬送する際の投入用の装置や加工/異物処理/検査などの各処理装置の投入手段として用いることができ、処理装置に直接投入する投入手段として用いる場合は搬送手段を省略すればよい。また工場ではなく小型の製造装置、例えば自動精米装置の投入部として構成することも勿論できる。投入対象の粒状物としては、米、麦、豆等の穀粒が好適であるが、その他の粒状物を広く対象にできる。
【0026】
ホッパー2は、四方の支柱10に支持された縦横のフレーム11、12、13、14よりなる枠状のフレームによって支持されており、
図2の平面図に示すように投入幅方向(以下、横方向とする。)に複数並設されるとともに、縦方向にも二列に並設されている。勿論、ホッパー一つのみで構成してもよい。また
図8(c)に示すように複数のホッパーを一列のみに構成したものや、
図10(a)に示すように三列以上に構成したものでもよい。ホッパーを横方向に複数並べることで、例えばトラックの荷台を平行に横付けし、積荷している粒状物を効率よく投入することができる。
【0027】
ホッパー2の投入部20は真上に開口しており、
図3に示すように開口部から下方途中部までの範囲に横方向に延びる仕切り補強板22が略垂直に取り付けられている。網体3は、当該開口を塞ぐように設けられている。開口の方向は必ずしも真上に限らず、斜め上方や側方に開口するように構成してもよい。また網体3は必ずしも開口部分に設ける必要はないため、開口方向は特に網体3との関係で限定されるものではない。開口形状は本例では矩形とされているが円形その他の形状でもよく、開口形状に応じて網体3の形状も設定すればよい。
【0028】
図3から分かるようにホッパー2の底側で且つ縦方向に二列に並んだホッパー間の位置には、横方向に延びる搬送手段5としてのコンベアが設置され、下窄まりの各ホッパー2の底部の排出口23には、コンベアに粒状物を供給するための排出路24が設けられている。より具体的には、搬送手段5のコンベアはスクレーパ式のベルトコンベアであり、
図1に示すように横方向に延びる箱状のハウジング50内の左右端部に一方が駆動モータ54によりベルト駆動されるプーリ52、53が設けられ、これらプーリ52、53の間に、外面に掃き出し用のスクレーパ55が所定間隔おきに立設された無端状のベルト51が巻回されている。
【0029】
下側のベルト51下面とハウジング50内壁との間の搬送空間S1に臨むハウジング側壁には、粒状物を供給するための供給口57が設けられ、上記各ホッパー2の排出口23に接続される排出路24が上方に延設されている。排出路24はハウジング50側に一体的に設けられているが、これに何ら限定されず、ホッパー2側に一体的に構成されているものや何れとも別体の連結管を介装した構成でもよい。このように搬送空間S1に効率よく粒状物を供給するために、搬送空間S1を双方から挟むように上記のとおり縦方向に二列ホッパーを並べ、効率よく粒状物を供給している。
【0030】
ホッパー2から供給口57に供給された粒状物は、搬送空間S1内をベルト51とともに移動するスクレーパ55によって掃かれるようにして横方向(
図1では左方向)に搬送されて繰り出されることになる。尚、搬送手段5はこのようなスクレーパ式ベルトコンベアに何ら限定されず、ベルト上面に載せて搬送するコンベアやスクリューコンベア、特開2005−306514
号公報等に記載の空気搬送手段その他の従来から公知の種々の搬送手段を適用できるが、本代表例のようなスクレーパ式ベルトコンベアとすれば粒状物から出た粉塵なども一緒に搬送するため、ハウジング底部に長期にわたって粉塵がたまってしまうといった不都合を回避できるメリットがある。また本代表例の搬送手段5は横方向への搬送としたが、これにも何ら限定されず種々の搬送形態を採用しうることは勿論である。
【0031】
網体3は、ホッパー2の投入部20に、全体が上下移動可能となるように支持されている。具体的には、
図2に示すように網体3は縦横に二つ、合計四つのホッパー2の投入部20に対して一枚づつ設けられ、各網体3は、
図3に示すようにホッパー2の投入部20の開口縁部21、仕切り補強板22の上端縁22a、後述の加振手段4の回転軸40、およびその軸受け44の上に固定されることなく載置されている。五つ以上のホッパー投入部20に対して一枚の網体を設けてもよいし、
図8(a)に示すように縦方向に並ぶ複数(図示では二列であり二つ)のホッパー投入部20に対して一枚づつ設けることも好ましい。
【0032】
網体3は略水平な状態に載置されているが、加振手段4の回転軸40が縦方向に隣り合うホッパー投入部間の上に設けられ、網体3の形状は回転軸40に対応する中央部が上となる断面視逆V字状に構成されている。仕切り補強板22の上端縁22aもこれに応じて
投入部の開口より若干上方に飛び出している。このように中央部が上となる形状によれば、中央付近に投入される粒状物が低い方へ移動して網体全体に拡散し、網体の通過を効率よく行わせることができる。勿論、ホッパー開口縁部のうち縦方向に隣り合う側と対面する側の縁部21を回転軸40と同じ高さに設定すれば網体3を平坦に構成して同じく略水平な状態に載置できる。また、網体の形状はその他曲面状など様々な形状とすることができる。
【0033】
また、網体3を投入部20の開口部に対して傾斜した状態に載置してもよい。網体3は上下方向以外に側方にも移動可能に寸法設計され、三次元的に効果的に振動できるように構成されている。具体的には、網体3と前方の横フレーム11の間、網体3と後方の横フレーム12との間には隙間が設けられ、加振手段4で押し上げられた際、横方向にも移動するように構成されている。
図11(a)に示すように、横フレーム11、12の一方又は双方の内面に、図示のような規制片18aを有する規制板18を設けてもよい。これにより網体3が上がり過ぎてずれてしまうことや、網体上に投入される粒状物が網体3とフレームとの間の隙間に挟まり込んで落ちにくくなることを未然に防止できる。
【0034】
更に、網体3とフレーム11、12との間に隙間を設ける場合、衝撃によるフレーム面が痛むことを防ぐために、
図11(b)
又は図11(c)に示すように網体3の端縁に沿って軟質素材、例えばゴムや合成樹脂からなる端
縁カバー30
又は30Aを設けることもできる。網体3の網目の大きさは、適宜、粒状物の種類等に応じて設定する。網目の構造は線材を交差させて構成したものでもよいが、加振手段4により網体3の全体がより一体的に振動するように網体3全体の強度を高める構造が好ましく、板材によって平面視ひし形等の筒状に構成したものが好ましい。網体3は上下移動可能であれば代表例のように単に載置されているもの以外に、ゴムやバネ等の弾性部材や蛇腹構造の部材を介して投入部20又はその周辺に上下移動可能に連結されているものでもよい。
【0035】
投入装置1には、更に網体3を下方から周期的に押し上げて振動させる加振手段4が設けられている。この加振手段4によりホッパー2の投入部20に載置された網体3全体を振動させ、網体3上に残留した粒状物を下方に確実かつ短時間に通過させ、落とすことができる。また押し上げられた網体3が下降して投入部20に当たることで生じる衝撃により当該投入部20を通じてホッパー2も加振され、ホッパー2内部に残留した粒状物も確実に落とすことができるとともに残留を未然に防止することもできる。
【0036】
加振手段4は、網体3の下面に沿って平行に延びる回転軸40と、該回転軸40の外周部に径方向外側に突出し且つ
該回転軸40に平行に延びる突出部41と、回転軸40を回転駆動する駆動手段としての駆動モータ42とより構成されている。回転軸40には網体3が載っており、回転軸40が回転すると突出部41が周期的に網体3を押し上げ、網体3全体を振動させる。加振手段4の回転軸40は、
図5(a)、(b)にも示すように縦方向に隣り合うホッパー2の投入部20、20間の若干上方の位置に設けられ、網体3を略中央の位置で押し上げ、全体を加振する。したがって、回転軸40及び突出部41は粒状物の通過の邪魔になるものの影響の少ない位置となり、処理効率の低下を回避している。本代表例では投入部20の開口部が縦横に連続的に繋がって構成されており、縦横の開口部の角部が合わさった位置ならびに左右両端の開口端部に回転軸40を支持する軸受け44が設けられ、その他の縦方向に開口部が繋がった位置では、回転軸40は少なくとも突出部41の突出寸法を空けて若干上方に配設される。
【0037】
軸受け44は、
図12(a),(b)に示すように、投入部20の開口端部に溶接等で固定され、上部に回転軸40を逃がす略U字状の挿通部45aを有する金属製のブラケット板45と、ブラケット板45に固定され、装置前後方向から回転軸40を挟み込んで回転自在に支承する軸受け面46aを有する一対の半割状の軸受け部材46、46とより構成されている。軸受け部材46はすべり軸受けとして広く用いられている公知の軸受け材よりなるものであり、各軸受け部材46には、ブラケット板45に形成された通孔45bを貫通した固定ネジ47に螺合するネジ孔46bが設けられている。勿論、その他の構造、素材でもよい。
【0038】
このように本代表例ではホッパー2を縦二列に構成し、この二列にわたって一枚の網体3を設け、これら二列のホッパー2間の下方に上述した搬送手段5としてのスクレーパ式ベルトコンベアを設けて各列のホッパー2から効率よく粒状物を供給するとともに、同じくこれら二列のホッパー2間に加振手段4としての回転軸40を配し、粒状物の通過を妨げることなく全体として効率のよい投入を行うことができるように構成されている。また、横方向に並んだ複数の網体3に対して一本の回転軸40が配されており、一つの駆動モータ42で回転軸40を回転することでこれら複数の網体3を同時に効率よく加振することができるとともに、横方向に更にホッパー2及び網体3を増設する場合も、軸方向に回転軸および突出部を継ぎ足すだけで容易に対応することができる。
【0039】
尚、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、一つのホッパー2の投入部20に対して複数の網体を設けることや、一つの投入部20に一つの網体を設けることも含まれる。また一つのホッパー2に複数の投入部があるような構成も含まれる。また、加振手段4の回転軸40を横方向に設ける代わりに、
図8(b)のように縦方向、特に横方向に隣接する投入部20間の位置に縦方向に延びる回転軸40を配し、網体3の略中央を加振するような例も好ましい。この場合、網体3が複数のときには回転軸40も複数本設ける必要があるが、図示のように一つの主軸43に連結して連動させることもできる。
【0040】
また、ホッパー2を縦一列のみとする場合は、
図8(c)に示すように各投入部20の中央部を通るように回転軸40を設けて網体3全体を加振することもできるし、或いは粒状物のホッパーへの通過を可能な限り阻害しないように、例えば
図9(a)のように横方向に並んだ複数のホッパー2の投入部20に対して一枚の網体3を設けるとともに投入部20間の位置に縦方向に延びる回転軸40を配して網体3の略中央を加振するような例も可能である。この
図9(a)の例を応用し、
図1〜
図3の代表例のように二列の場合にも
図9(b)のように縦方向に延びる回転軸40を複数本設けて構成することができる。さらに、ホッパー投入部20を三列に構成する場合は、
図10(a)のように投入部間の2か所の位置にそれぞれ加振手段4としての回転軸40を設けることができる。
【0041】
突出部41は、
図1および
図2に示すように回転軸40外周部における少なくとも網体の下面に対応する範囲
の全域にわたって
前記回転軸40に平行に延び、このような突出部41によって網体3の全体をより確実且つ均一的に加振できるように構成されている。具体的には回転軸40外周面の所定の角度位置に沿って棒体を
前記回転軸40に平行に溶接して突条の突出部41が構成されている。このように棒体などの別部材を溶接等で取り付ける代わりに回転軸40と一体的に形成してもよく、例えば回転軸外周面からなだらかに膨出するカム状に構成してもよい。また代表例では、突出部41を回転軸40の外周面の一つの角度位置にのみ設けているが、複数の角度位置に設けて回転軸一回転で複数回網体を持ち上げるように構成することも可能である。突出部41による網体3の持ち上げは、周期的に持ち上げてもよいし、一回又は二回のみ持ち上げるようにしてもよいし、任意である。
【0042】
また突出部41は、例えば
図10(b),(c)に示すように短く構成して網体3の一部の領域にのみ当接するようにすることもできる。また、代表例では網体3を回転軸40に載せているが、載せるのではなく突出部41の突出量よりも少ない寸法の隙間を空けて網体3を浮かせて配置させ、回転軸40が回転することで周期的に突出部41が網体3を下から叩いて押し上げるように構成してもよい。これにより回転軸40の回転を遅くしても押し上げ時に網体3に対して大きな衝撃力を与えることができる。また、網体3を回転軸40の突出部41が存在しない軸方向一部の領域に支持させ、突出部41が存在する他の領域を上記のように網体3から浮かせて構成することも好ましい。さらに、このような回転軸40と突出部41よりなる加振手段4以外に、その他の公知の加振手段を適用することも勿論できる。
【0043】
ホッパー2の内壁適所、および搬送手段5の各供給口57よりも下流側の搬送空間S1に臨むハウジング内壁適所には、それぞれ粒状物を検知するセンサー25、56が設けられている。また、これらセンサー25、56の信号に基づいて加振手段4の動作を制御する制御手段として、制御部及び各種プログラム、データを記憶する記憶部とを有するコンピュータが設けられている。制御部には、加振手段4の駆動モータ42、センサー25、56、搬送手段5の駆動モータ54などが接続され、記憶部に記憶されているプログラムや上記センサー25、56からの信号に基づき、各部の動作を制御する。作業員が操作できる操作部が接続されることも好ましい。制御手段は装置に付設されること以外に遠隔の管理室などに設けられることも好ましい例である。
【0044】
例えばセンサー25で粒状物が無くなったことを検知すると、通常の網体通過の工程が終了したとして網体3に残留している粒状物を通過させるべく、即座に、或いは所定時間経過後に駆動モータ42を動かして加振手段4を動作開始することができる。これにより、自動で網体やホッパー内に残留した粒状物を振動により落とすことができ、効率よく動作させることができる。本発明によれば網体3の振動でホッパー2も同時に効果的に振動するため、上記所定時間としてホッパー2からすべて排出されるタイミングで加振手段4を動作開始させることが好ましい。
【0045】
図4はその手順を示しており、まず図中(a)のように粒状物Gを網体3上に供給すると粒状物Gは網体3を通過してホッパー2内に供給され、下部の排出路24を通じて搬送手段の供給口57から搬送空間S1に供給され、ベルト51とともに移動しているスクレーパ55によって掃かれるように繰り出される。そして、図中(b)のように網体3の通過が終わってホッパー2内の残量が所定レベルになったことをセンサー25が検知すると、その時点からすべての粒状物Gがホッパー2から排出される予定の所定時間が経過した図中(c)のタイミングで、加振手段4を動作開始する。これにより図中(d)に示すように網体3が加振され、網体3の網目等に残存していた粒状物Gが跳ね上がるように引っ掛かりが解除され、図中(e)のように網体3を通過するのである。
【0046】
また、搬送手段5のハウジングに設けたセンサー56で粒状物が無くなったことを検知すると、再度加振手段4を動作させ、網体3やホッパー2に残存する粒状物を残らず通過させるように制御することが好ましい。これらセンサー25、56は、残量レベルを検知する光センサーや粒状物がなくなることで跳ね上がる機械式センサー等の公知のセンサーを採用できる。
【0047】
図6及び
図7は、網体3の上方に粒状物が収納された収納袋Fを支持して、作業員が収納袋F下部の排出口を開くだけで内部の粒状物をホッパー投入口に投入できる支持手段6を設けた投入装置1Aの例を示している。このような支持手段6を設けることで、例えば玄米などフレキシブルコンテナバッグ(収納袋F)に詰めた粒状物をフォークリフトトラックなどでフレキシブルコンテナバッグごと支持手段6に支持させ、作業員が排出口を開けることで後は自動的に網体3上に粒状物を投入でき、その間に次のフレキシブルコンテナバッグを移送してくることができ、作業を著しく合理化できることになる。このような支持手段6は網体3ごとに複数設けることもできるが、フォークリフトトラックによる運搬時間を考慮して一ヵ所でも十分である。
【0048】
支持手段6は、投入作業を行う側である手前側の横フレーム11に対して、前方パネル16を上方へ回動可能に枢支するとともに、奥側の横フレーム12に後方パネル15を立設し、上方へ回転した前方パネル16の上端側の位置と前記後方パネル15の上端側の位置との間に収納袋Fの底部を支持する支持材17を着脱自在に渡設してなる構造とされている。前後のパネル15、16は、支持材17を支持する機能以外に、収納袋Fから一度に大量に投入される粒状物Gが前後に漏れ落ちないように遮蔽するパネルとして機能する。この例では、前方パネル16を横フレーム11に回動可能に枢支し、不使用のとき、すなわち支持材17を用いることなく手作業で粒状物を投入するときには作業の邪魔にならないように下方に向けた状態としておき、使用のときに上方へ回動させて横フレーム11上に立てた状態にできるように構成されている。
【0049】
支持材17は本例では二本の平行に配される棒体であり、各棒体の両端部にパネル15、16の上端側の対応する位置に設けられた係止部15a,16aに着脱可能に係合する係合部17a,17bが設けられている。具体的には係止部15aは前後および上方に開放された断面視U字状のブラケット材であり、これに係合する係合部17bは棒体端部に設けられたフランジ部であり、また係止部16aは前方パネル16の端部に突設されたピンであり、これに係合する係合部17aは棒体の端部に設けられ、前記ピンを受け入れる係止穴である。このような支持材17は、係合部17bが係止部15aに係止されて前方へ移動不能となり、且つ他端側の係合部17aが前方パネル16の係止部16aに係合して前方パネル16の下方への回動を不能とし、安定した姿勢を保持する。
【0050】
支持材17としての二本の棒体は、収納袋Fを安定支持できるようにそれぞれ両端側よりも中央寄りの方が下方に位置するように屈曲した形状とされている。そして、これら二本の棒体の上にフォークリフトトラックなどにより収納袋Fを載置し、棒体の間に位置した収納袋F下部の排出口を作業員が開くだけで内部の粒状物Gがホッパー投入口に投入される。この際、収納袋Fを棒体の中央位置に載せることができるように収納袋Fの前後位置を検知するセンサー、及びその最適位置を前記センサーからの信号に基づいてフォークリフトトラックなどを運転している作業員に報知する報知装置を適所に設けることが好ましく、センサーは例えば奥側の工場壁面や後方パネル15の上端位置などに設けることができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。