(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6106087
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】様々な装置を用いてのコンピュータ化タスクの実施
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20170316BHJP
【FI】
G06F13/00 520A
【請求項の数】18
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-530260(P2013-530260)
(86)(22)【出願日】2011年9月21日
(65)【公表番号】特表2013-540310(P2013-540310A)
(43)【公表日】2013年10月31日
(86)【国際出願番号】US2011052554
(87)【国際公開番号】WO2012040330
(87)【国際公開日】20120329
【審査請求日】2014年9月8日
(31)【優先権主張番号】12/887,613
(32)【優先日】2010年9月22日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506061565
【氏名又は名称】ロゼッタ ストーン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ファルカーソン,マイケル,スコット
(72)【発明者】
【氏名】フーバー,アリーシャ
(72)【発明者】
【氏名】ケイム,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】マーモスティン,ジャック,オーガスト
【審査官】
佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−063172(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0188860(US,A1)
【文献】
特開平11−231765(JP,A)
【文献】
特開2003−345908(JP,A)
【文献】
特開2003−248419(JP,A)
【文献】
特開2002−196658(JP,A)
【文献】
特開2001−202000(JP,A)
【文献】
特開2010−136370(JP,A)
【文献】
油井 康二,携帯用電子機器の駆動制御方法,ソニー公開技報集 Vol.8 No.1,ソニー(株) Sony Corporation,1999年 1月25日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
進行中のタスクを実施する主プログラムを実行する主コンピュータと、前記主コンピュータからリモートのリモート計算装置と、を含むシステムにおいて、前記タスクを実施する方法であって、
ユーザが前記リモート計算装置を通常どのように使用するかを示す第1の使用パターンに基づいて第1のレッスンタイプを選択するステップと、
前記タスクに対して実施することができる前記第1のレッスンタイプのリモート活動に関連する第1の制御情報を生成し、前記第1の制御情報を前記リモート計算装置に提供するステップであって、前記第1のレッスンタイプの前記リモート活動は、ハンズフリー動作に対して最適化されている、ステップと、
前記リモート計算装置が、前記第1の制御情報の制御下で前記リモート活動を実施した後、前記リモート計算装置から前記主コンピュータにおいて第2の制御情報を受信するステップと、
実施された前記リモート活動に基づいて、前記タスクの実施に関する前記主コンピュータにおける情報を更新するステップと、
前記主コンピュータのディスプレイに、(1)前記第1のレッスンタイプの前記活動における前記ユーザによる前記実施と、(2)前記ユーザが前記主コンピュータを通常どのように使用するかを示す第2の使用パターンデータとに基づき、前記主コンピュータの前記ユーザに対して、第2のレッスンタイプの活動を提示するステップであって、前記第2のレッスンタイプの前記活動は、前記主コンピュータの動作に対して最適化されている、ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記リモート計算装置は、前記主プログラムの特定の側面に的を絞った補助プログラムを実行する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の制御情報は、生徒が行なった前記リモート活動における進行に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記更新するステップは、前記主コンピュータに前記タスクを変更させる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記主プログラムは言語教育プログラムであり、前記進行中のタスクは言語教育レッスンであり、前記主コンピュータは、前記レッスンを定義するデータ及び前記レッスンでのオペレータの進行に関連する結果情報を記憶し、前記第1の制御情報を生成するステップは、前記記憶されたデータ及び結果情報を利用し、前記リモート活動が前記結果情報に基づく言語学習活動になるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
リモート計算装置は、前記主プログラムの簡易版である補助プログラムを実行する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の制御情報は、前記リモート活動での前記オペレータの進行に関連する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記更新するステップは、前記主コンピュータに前記タスクを変更させる、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
進行中のタスクを実施する主プログラムを実行するように構成された主コンピュータであって、前記主プログラムはデスクトップコンピュータでの動作に最適化され、前記進行中のタスクは、前記主プログラムと互換性のある第1のタスクタイプであり、ユーザが前記主コンピュータを通常どのように使用するかを示す第1の使用パターンに基づいて選択される、主コンピュータと、
前記主コンピュータからリモートであり、補助プログラムを実行するように構成されたハンドヘルド装置であって、前記補助プログラムは、前記主プログラムの修正版であり、ハンズフリーモードでの動作に最適化され、前記ハンドヘルド装置は前記補助プログラムと互換性のある第2のタスクタイプの第2のタスクを実行するように構成され、前記ユーザが前記ハンドヘルド装置を通常どのように使用するかを示す第2の使用パターンに基づいて選択される、ハンドヘルド装置と、
を含み、
前記主コンピュータ及び前記ハンドヘルド装置は、それぞれが他方の動作に影響するように対話するように構成され、
前記主コンピュータは、前記主コンピュータのディスプレイに、(1)前記ハンドヘルド装置で実行される前記第2のタスクにおける前記ユーザによる実施と、(2)前記第1の使用パターンとに基づいて、前記第1のタスクタイプの前記進行中のタスクの一部を提示するように構成されている、システム。
【請求項10】
前記主プログラムは、言語教育レッスンである前記進行中のタスクを実施中の言語教育プログラムであり、前記主コンピュータは、前記レッスンに関連するデータ及び前記レッスンでのオペレータの進行に関連する結果情報を記憶し、前記主コンピュータは、前記ハンドヘルド装置と対話して、前記タスクでの前記オペレータの実施に関連するハンズフリータスクを前記ハンドヘルド装置に実施させるように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ハンドヘルド装置は前記主コンピュータと対話して、前記第2のタスクの結果を報告するように構成され、前記主コンピュータは、前記ハンドヘルド装置から報告される前記結果に基づいてその結果情報を更新するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
進行中のタスクを実施する主プログラムを実行する主コンピュータと、前記主プログラムの修正版である補助プログラムを実行する、前記主コンピュータからリモートのハンドヘルド装置と、を含むシステムの動作方法であって、
ユーザが前記主コンピュータを通常どのように使用するかを示す第1の使用パターンに基づいて第1のレッスンタイプのタスクを選択することによって、前記主コンピュータでの実施に前記主プログラムを最適化するステップと、
ユーザが前記ハンドヘルド装置を通常どのように使用するかを示す第2の使用パターンに基づいて第2のレッスンタイプのタスクを選択することによって、ハンズフリーモードでの実施に前記ハンドヘルド装置を最適化するステップと、
前記主コンピュータのディスプレイに、(1)前記第2のレッスンタイプの前記タスクにおける前記ユーザによる実施と、(2)前記第1の使用パターンとに基づいて、前記第1のタスクタイプの前記タスクを提示するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記主プログラムは、言語教育レッスンである前記進行中のタスクを実施中の言語教育プログラムであり、前記主コンピュータは、前記レッスンに関連するデータ及び前記レッスンでのオペレータの進行に関連する結果情報を記憶し、前記主コンピュータは、前記ハンドヘルド装置と対話して、前記進行中のタスクでの前記オペレータの実施に関連するハンズフリータスクを前記ハンドヘルド装置に実施させる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ハンドヘルド装置は前記主コンピュータと対話して、ハンズフリータスクの結果を報告し、前記主コンピュータは、前記ハンドヘルド装置から報告される結果に基づいてその結果情報を更新する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
主コンピュータの性能及びハンドヘルド装置の性能と、レッスンを生徒に提示するソフトウェアプログラムとを記憶した性能マップを含むコンピュータシステムであって、前記主コンピュータの前記性能及び前記ハンドヘルド装置の前記性能は、前記生徒が前記主コンピュータを通常どのように使用するかを示す第1の使用パターンと、前記生徒が前記ハンドヘルド装置を通常どのように使用するかを示す第2の使用パターンとに少なくとも部分的に基づいて決定され、前記記憶されるプログラムは、少なくとも部分的に前記主コンピュータの前記性能及び前記ハンドヘルド装置の前記性能に基づいて提示する前記レッスンを決定するように構成され、前記主コンピュータでの実施に最適化されたレッスンが前記主コンピュータで提示され、ハンズフリーモードでの実施に最適化されたレッスンが前記ハンドヘルド装置で提示される、コンピュータシステム。
【請求項16】
前記提示されるレッスンは、前記生徒に関連付けられた、以前に記憶された使用パターンにも依存する、請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
コンピュータ化されたレッスンを学習者に提示する方法であって、少なくとも主コンピュータ及びハンドヘルド装置に関するユーザの使用パターンを突き止めるステップと、前記主コンピュータ及び前記ハンドヘルド装置のうちの少なくとも1つに関連付けられた少なくとも1つの装置性能を突き止めるステップと、前記使用パターン及び少なくとも1つの前記装置性能に少なくとも部分的に依存するレッスンを前記ユーザに提示するステップと、を含み、前記ユーザが前記主コンピュータを使用しているとき、前記レッスンはデスクトップコンピュータでの実施に最適化されたレッスンであり、前記ユーザがハンドヘルド装置を使用しているとき、前記レッスンはハンズフリーモードでの実施に最適化されたレッスンである、方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの装置性能は、前記ユーザが学習システムを使用する前に記憶される、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、概してコンピュータ化タスク(computerized task)の実施(performance)に関し、より詳細には、異なる計算装置を用いて進行中のコンピュータ化タスクを実施する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で使用される場合、用語「計算装置」は、パーソナルコンピュータ等の実際のコンピュータのみならず、ポケットコンピュータ、個人情報端末(personal digital assistant)、スマートフォン、又は計算能力を有する任意の他の装置も含むものと理解される。
【0003】
便宜上、本発明は、コンピュータ化教育システムの文脈の中で開示される。これは単に、本発明を示すための手段にすぎず、本発明を限定する意図はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多忙な日には、コンピュータ化タスクを実施するかもしれないときが多くある。例えば、音声通信を続けることにより、又は記録したメモ、電子メール等の再生を聞くことにより、運転中に複数のタスクを実施することは珍しくない。同様に、言語を学習中の生徒がそのような時間を利用することが望ましい。しかし、それは、運転から気を逸らさずに行われなければならず、且つ全体的にハンズフリーでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、主コンピュータは、進行中のタスクを実施する主プログラムを実行し、主プログラムはデスクトップコンピュータでの実行に最適化される。主コンピュータからリモートの計算装置は補助プログラムを実行し、補助プログラムは主プログラムの変更版であり、ハンズフリーモードでの実行に最適化される。通信手段が、主コンピュータと計算装置との間に通信を提供し、主コンピュータ及び計算装置は、それぞれが他方の動作に影響するように、通信手段を通して対話する。
【0006】
好ましい実施形態では、主プログラムは、言語教育レッスンである進行中のタスクを実施する言語教育プログラムであり、主コンピュータは、レッスンに関連するデータ及びレッスンでの生徒の進行に関連する結果情報を記憶する。主コンピュータは、リモート計算装置と対話して、生徒の実施に関連するハンズフリータスクを計算装置に実施させ、リモート計算装置は主コンピュータと対話して、ハンズフリータスクの結果を報告し、主コンピュータは、リモート計算装置から報告される結果に基づいて結果情報を更新する。
【0007】
上記技術は、主コンピュータでの生徒のパフォーマンスに基づいてリモート計算装置でのハンズフリータスクを最適化するとともに、その逆でも最適化する。これにより、別の装置でのパフォーマンスに基づいて、レッスン計画及びタスクを各装置で適応させることができる。
【0008】
本発明の上述した概略説明並びにさらなる目的、特徴、及び利点は、先験的に好ましいが、それにも関わらず例示的な本発明による実施形態の以下の詳細な説明からより完全に理解され、その際添付図面を参照する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明を実施する教育システム10を示す機能ブロック図である。
【
図2】
図1のリモートインタフェースプログラム24により実施される動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
好ましい実施形態の詳細な説明
これより図面を参照すると、
図1は、本発明を実施する教育システム10を示す機能ブロック図である。システム10は主に、主コンピュータ12と、好ましくはハンドヘルドであるリモート計算装置14とを含み、主コンピュータ12及びリモート計算装置14は通信接続16によりリンクされる。接続16は単純なUSB又はBluetooth(登録商標)接続であり得るが、コンピュータ12及び14が、一方又は双方がWiFi対応である状態で、インターネットを介して通信してもよいことが意図される。
【0011】
主コンピュータ12は、主コンピュータ12で実行する主プログラム18を有し、この実施形態では、主プログラム18は、生徒によって使用される言語教育プログラムである。実施形態では、主コンピュータ12はデスクトップパーソナルコンピュータである。主コンピュータ12が利用可能な記憶装置は、教育プログラムに必要な情報の全てであるデータ20を含む。さらに、コンピュータ12が利用可能な記憶装置は結果情報22を含み、結果情報22は、言語学習生徒の進行の記録である。主コンピュータ12は様々な教育アプリケーションを含み、それらのアプリケーションのうちの1つは、好ましくは、測定され記憶される生徒の進行に依存して呼び出される。
【0012】
主コンピュータ12では、リモートインタフェースプログラム24も実行され、リモートインタフェースプログラム24は、言語生徒により主プログラム18が起動若しくはシャットダウンされたときに、又は指定された定期的間隔で、又は他の何らかの時間に、コンピュータ12及び装置14に対話させる。主プログラムが起動すると、リモートプログラム24は、リモート計算装置14で実施された活動を反映すべく結果情報22を更新する。主プログラム18がシャットダウンされると、リモートインタフェースプログラム24は、より詳細に後述するように、リモート計算装置14で行うことができるレッスンを表すリモートデータ26を生成する。リモートデータ26で表されるレッスンは、最新の言語レッスンに対して生成された結果情報22に基づいている。リモートインタフェースプログラム24は、通信接続16を介してリモートデータ26を主コンピュータ12からリモート計算装置14に転送させる。
【0013】
リモート計算装置14は、好ましくは、ハンドヘルド装置であり、生徒が主コンピュータ12の場所を離れる場合に携帯することができる。リモート計算装置14は、主プログラム18の簡易版である補助プログラム28を実行する。リモート計算装置14が利用可能な記憶装置は、教育情報を含め、補助プログラム28が必要とする全情報であるデータ30を含む。さらに、リモート計算装置14が利用可能な記憶装置は結果情報32を含み、結果情報32は、言語学習生徒が行ったデータ30で表される教育プログラムの進行の記録である。
【0014】
上述したように、リモート計算装置14は、主コンピュータ12への通信接続16を有し、言語生徒が学習セッションを停止した場合、又は他の何らかの時間にリモートデータ26を受信する。リモートデータ26はデータ30に追加されてデータ30を更新し、それにより、生徒に提示するいかなるレッスン補助プログラム28もリモートデータ26の影響を受ける。それらのレッスンの結果は結果情報32に記憶され、その情報を更新する。
【0015】
リモート計算装置14が主コンピュータ14への通信接続を確立すると、更新された結果情報32が主コンピュータ12に転送され、結果情報22が更新されることになる。多くの場合、これにより、主プログラム18が生徒に提示することになる次のレッスンが変更される。また、リモートプログラム24は、次にリモートデータ26を生成するときに、生徒が主コンピュータ12及びリモート計算装置14で行ったレッスンのいかなる進行(又は弱点の表明)も考慮に入れる(更新された結果情報32で表されるように、リモートデータ26が次回生成され、補助プログラム28に対して新しいレッスンの情報を作成するときに、そのような進行を考慮に入れる)。したがって、コンピュータ12とリモート計算装置14との間には、他方の装置で実施された学習活動について常に調整が維持される。
【0016】
すでに述べたように、補助プログラム28は主プログラム18の簡易又は制限版である。この理由は、リモート計算装置14がコンピュータ12の計算能力を有する可能性が低いことのみならず、言語生徒がリモート計算装置14で限られたタスクのみを実施するということである。実際には、例えば、仮に言語生徒が、運転中にリモート計算装置14を使用していた場合、ディスプレイを見る必要性により気を逸らすか、又はリモート計算装置14を操作するためにハンドルから手を離す必要があることは生徒にとって望ましくない。したがって、これらの状況下の生徒は、多くの種類の言語学習タスクを利用することができない。しかし、生徒に、すべてハンズフリーで、言葉を翻訳若しくは発音し、語句中の欠けた言葉を発し、勉強中の言語で会話を続け、又は複数選択肢問題に応答するように求めることができる。これは、携帯電話で見られるタイプの簡易音声認識エンジンを用いて達成することができる。生徒は、外国語で言葉を発音することが期待される場合において、単に応答が不正確であるという指示を受けることができ、正確な発音を再生される。この言語練習のすべては、主プログラムにおいて生徒にとっていくらか難しかった言葉又は概念に的が絞られる。同様に、結果情報32は主コンピュータ12に転送されるため、生徒は、主プログラムを再び使用するときに、引き続き問題のある分野での指導を受ける。
【0017】
図2は、リモートインタフェースプログラム24により実施される動作を示すフローチャートである。主プログラム18の起動時のリモート計算装置14からコンピュータ12への情報の転送、及び主プログラム18のシャットダウン時のコンピュータ12からリモート計算装置14への情報の転送、という2つの主な機能が実行される。
【0018】
ブロック100において、テストが繰り返し実施されて、主プログラム18が起動したか否かが判断される(主プログラムが起動していない限り)。ブロック100において、主プログラムが起動中であると判断される場合、制御はブロック102に移り、コンピュータ12に、結果情報32をリモート計算装置14から読み出させる。ブロック104において、コンピュータ12に、リモート計算装置14から受信した情報に基づいて結果情報22を更新させる。次に、制御はブロック100に戻り、主プログラム18の次の起動を待つ。
【0019】
ブロック110において、テストが繰り返し実施されて、主プログラム18がシャットダウンしたか否かが判断される(主プログラムがシャットダウンしていない限り)。ブロック110において、主プログラムがシャットダウン中であると判断される場合、制御はブロック112に移り、最近の学習活動についての結果情報22が読み取られる。ブロック114において、ブロック112において読み取られた結果情報に関連するデータが読み取られる(データ20から)。ブロック118において、ブロック112及び114において読み取られた情報を利用して、リモートデータ26が作成される。これは、リモート計算装置14のセットアップ情報116の制御下で行われる。この情報は、リモート計算装置14が主コンピュータ12と最初に併用されたときに作成されている。ブロック120において、ブロック118において作成されたリモートデータ26がリモート計算装置14に送信される。次に、制御はブロック110に戻り、主プログラム18の次のシャットダウンを待つ。
【0020】
リモート計算装置14で実行中の学習プログラムの適合は、主コンピュータ12の制御及び命令下であり得る。或いは、レッスンをリモート計算装置14にいかに適合させるかを特定するために必要な処理は、リモート計算装置14自体によって実行し得る。これらのプロセスの一方又は双方は、好ましくは、「Adaptive Recall」という名称の同時係属中であり、本発明の譲渡人に譲渡された米国特許出願第12/052,435号に記載の適合技法を実施し得る。
【0021】
主コンピュータ12を2つ以上のリモート計算装置と使用されてもよいことが意図される。これらの状況下で、各計算装置はそれ自体で、いつ通信を主コンピュータ12と確立するかを識別する必要があるだけである。リモートインタフェースプログラム24は、各計算装置に別個のセットアップ情報を有し、それ自体を主コンピュータ12に対して識別した計算装置に関連付けられたその情報を利用する。さらに、問題となっているリモート計算装置のタイプに応じて、他の
【0022】
好ましい実施形態は、言語教育システムで本発明を利用するが、本発明は、異なる計算装置でのコンピュータ化タスクの実施に広い用途を見出す。例えば、作者が言語処理プログラムを用いてリポートを書いていたと考える。作者は、言語プロセッサをシャットダウンする前にスペルチェック及びグラマーチェックを実施する。本発明を利用して、スペルチェック及びグラマーチェックの結果を、作者が携帯するハンドヘルド計算装置に転送することができる。作者の都合のいいときに、例えば、運転中に、作者は、スペルチェック及びグラマーチェックの結果をレビューし(例えば、計算装置を聞くことにより)、計算装置の簡易音声認識エンジンを介して修正を入力することができる。計算装置が、言語処理プログラムを実行中のコンピュータに再接続された場合、作者の修正がドキュメントに入力される。
【0023】
言語学習環境では、主コンピュータ12の言語学習プログラムが、例えば、ユーザが2つの特定の異なる単語に問題を抱えていると認識した場合、無線装置は、それらの2つの単語の発音にユーザをフォーカスするレッスンを提示することができる。このエクササイズは単純な発話を含むため、運転中での最も適切なエクササイズである。
【0024】
リモートインタフェースプログラムが主プログラムとは別個のものとして説明されたが、実際には、主プログラムのサブプログラムであり得ることを当業者は理解しよう。前段落の例では、リモートインタフェースプログラムは、言語処理プログラム内のモジュールであり得る。
【0025】
より高度な実施形態では、システムは一般に、使用マップ及び性能マップを記憶するメカニズムを介して複数の各装置を使用して時間を最適化することができる。より詳細には、システムに、最適にはハンズフリーで使用されるか、それともキーボード、画面又は音声のみを用いて使用されるフル又は部分キーボード等の各装置の一般的な性能を示すデータをプログラムし得る。さらに、事前に入力される情報又は使用パターンを追跡するデータ編集/学習アルゴリズムを介して、システムは任意選択的に、特定のユーザの使用パターン及び各装置を使用するユーザの予想時間を示す情報を維持することもできる。
【0026】
例として、システムは、ユーザAが通常、車で出勤する際、ハンドヘルド装置を1日に約1時間、朝方使用することを知っている。ハンドヘルド装置は簡易キーボードのみを有し、その時間中にユーザが運転中であるため、完全に使用不可能である。さらに、ユーザの気が運転から逸れないように、画面の使用を最小限に抑えるか、又はなくすべきであり、任意のレッスンを表明する音声プロンプト及び応答が用いられる。
【0027】
さらに、同じユーザは、1日に約1時間、フル画面及びキーボードを有するデスクトップPCを夕方に使用し得る。この夕刻中、ユーザは、コンピュータ及びレッスンに完全に集中することができ、マウス、キーボード、又は言葉を用いて項目を入力することができる。
【0028】
例示的な上記状況では、次に、記憶された情報を使用して、学習セッション中にユーザに提示される活動を調整し得る。例えば、終わりに向けて、コンピュータにより生徒に提示された語句を生徒が声に出すことを主として含む学習活動を用いて補強し得る、PCに提示されるレッスンを考える。この活動は主として音声のみを含み、キーボードも画面も含まないため、システムは、翌朝までこの活動を延期し、ユーザがハンドヘルドを使用して言語スキルを実践する際に実行すべきであると判断し得る。これにより、ユーザがPCを使用している間、画像の閲覧及び応答付与又は学習中の標的言語でのタイピングの練習等の別のよりスクリーン及びキーボード集約的な活動が可能になるだろう。
【0029】
一般規則として、システムは、様々な装置の使用パターン及び知識を使用して、且つどのレッスンが行われたかに基づいて、ユーザが様々なときに使用することが予期される特定の装置で最良に行われる活動をセットアップする。システムは、どの装置を使用するか、それぞれが1日にどの程度の頻度で使用され得るか、及び事前に分からない場合には、そのような各装置の特定の性能についての情報を入力するようにユーザに最適に求める必要がある。システムは、リモート接続を介して装置性能を収集することも、事前に記憶することもできる。各装置の装置性能及び各ユーザの使用パターンの知識を使用して、システムは、各装置が最適に利用されるように、装置間でレッスンをカスタマイズし、調整することができる。
【0030】
本発明の好ましい実施形態を説明のために開示したが、多くの追加、変更、及び置換が、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲及び趣旨から逸脱せずに可能なことを当業者は理解しよう。