特許第6106321号(P6106321)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6106321
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】電子カタログ
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/414 20110101AFI20170316BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20170316BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20170316BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20170316BHJP
【FI】
   H04N21/414
   H04N21/442
   H04N5/64 511A
   G06T19/00 300B
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-130490(P2016-130490)
(22)【出願日】2016年6月30日
【審査請求日】2016年7月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598098803
【氏名又は名称】魔法株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117798
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 慎一
(74)【代理人】
【識別番号】100166899
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 慶太
(72)【発明者】
【氏名】星 省一朗
【審査官】 古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−106411(JP,A)
【文献】 特開2016−025633(JP,A)
【文献】 特開2007−042073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 − 21/858
H04N 5/64
G06T 19/00 − 19/20
G06Q 30/00 − 30/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閲覧対象のカタログを表示する第1の表示部と、
前記閲覧対象のカタログデータを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたデータを演算する演算部と、
前記閲覧対象のカタログを操作する操作部と、を備え、
前記第1の表示部は、
閲覧者の頭部に装着するもので、
前記閲覧対象のカタログデータを表示するディスプレイ部と、
前記閲覧対象のカタログデータを受信する受信部と、
前記閲覧者の頭部の傾きを検知する第1のセンサと、
前記閲覧者の頭部の回転を検知する第2のセンサと、を具備し、
前記カタログデータは、前記閲覧対象の3Dデータを含み、
前記閲覧者の頭の傾き及び回転に応じた、前記閲覧対象前記ディスプレイ部に表示され
前記第1の表示部において、
前記第1のセンサが加速度センサであり、該加速度センサにより閲覧者の頭部の傾きを検知し、第1のデータが前記記憶部に送信され、
前記第2のセンサがジャイロセンサであり、該ジャイロセンサにより閲覧者の頭部の回転を検知し、第2のデータが前記記憶部に送信され、
前記記憶部において、前記カタログデータは、前記第1のデータ及び第2のデータに紐づけられており、
前記記憶部には、
前記第1のデータと前記第2のデータを含むデータテーブルが保存されており、
前記データテーブルには、前記第1のデータ及び前記第2のデータに所定のしきい値が設定され、前記閲覧者の頭部の動きにより、前記第1のデータ及び前記第2のデータが所定のしきい値を超えた場合に、前記ディスプレイ部に表示されている前記閲覧対象における当該覧者の位置が移動して、当該移動に応じた前記閲覧対象を表示する、
電子カタログ。
【請求項2】
前記閲覧対象のカタログデータは、建物のカタログデータであり、
前記3Dデータは、前記建物の外装データ及び内装データが含まれ、
前記建物の扉や窓などから外装と内装の表示がシームレスに変更され、
前記閲覧者の動きや操作により、外装又は内装の表示を任意の方向から見た表示にシームレスに変更される、
請求項1に記載の電子カタログ。
【請求項3】
前記建物のカタログデータは、
壁材、門、塀などの外装のオプションデータと、
間取り、壁の素材、インテリアなどの内装のオプションデータと、を備え、
前記外装又は内装のオプションデータを変更することにより、前記建物の外装又は内装の表示が変更される、
請求項2に記載の電子カタログ。
【請求項4】
閲覧対象のカタログを表示する第1の表示部と、
前記閲覧対象のカタログデータを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたデータを演算する演算部と、
前記閲覧対象のカタログを操作する操作部と、を備え、
前記第1の表示部は、
閲覧者の頭部に装着するもので、
前記閲覧対象のカタログデータを表示するディスプレイ部と、
前記閲覧対象のカタログデータを受信する受信部と、
前記閲覧者の頭部の傾きを検知する第1のセンサと、
前記閲覧者の頭部の回転を検知する第2のセンサと、を具備し、
前記カタログデータは、前記閲覧対象の3Dデータを含み、
前記閲覧者の頭の傾き及び回転に応じた、前記閲覧対象前記ディスプレイ部に表示され
前記閲覧対象のカタログデータは、車のカタログデータであり、
前記3Dデータは、前記車の外装データ及び内装データが含まれ、
前記車のドアなどから外装と内装の表示がシームレスに変更され、
前記閲覧者の動きや操作により、外装又は内装の表示を任意の方向から見た表示にシームレスに変更される、
電子カタログ。
【請求項5】
前記車のカタログデータは、
車体カラーなどの外装のオプションデータと、
シートの色や素材などの内装のオプションデータと、を備え、
前記外装又は内装のオプションデータを変更することにより、前記車の外装又は内装の表示が変更される、
請求項4に記載の電子カタログ。
【請求項6】
前記第1の表示部において、
前記第1のセンサが加速度センサであり、該加速度センサにより閲覧者の頭部の傾きを検知し、第1のデータが前記記憶部に送信され、
前記第2のセンサがジャイロセンサであり、該ジャイロセンサにより閲覧者の頭部の回転を検知し、第2のデータが前記記憶部に送信され、
前記記憶部において、前記カタログデータは、前記第1のデータ及び第2のデータに紐づけられており、
前記閲覧者の頭部の傾き及び回転に応じた、前記閲覧対象を表示する、
請求項4又は請求項5に記載の電子カタログ。
【請求項7】
前記記憶部には、
前記第1のデータと前記第2のデータを含むデータテーブルが保存されており、
前記データテーブルには、前記第1のデータ及び前記第2のデータに所定のしきい値が設定されており、
前記閲覧者の頭部の動きにより、前記第1のデータ及び前記第2のデータが所定のしきい値を超えた場合に、前記ディスプレイ部に表示されている前記閲覧対象における当該閲覧者の位置が移動して、当該移動に応じた前記閲覧対象を表示する、
請求項6に記載の電子カタログ。
【請求項8】
前記第1の表示部は、
前記閲覧者の動きを検知する第3のセンサを備え、
前記閲覧者が実際に移動することにより、前記ディスプレイ部に表示されている前記閲覧対象における当該覧者の位置が移動して、当該移動に応じた前記閲覧対象を表示する、
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電子カタログ。
【請求項9】
前記操作部を用いた操作により、
前記ディスプレイ部に表示されている前記閲覧対象における前記覧者の位置が移動して、当該移動に応じた前記閲覧対象を表示する、
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の電子カタログ。
【請求項10】
前記閲覧対象のカタログを表示する第2の表示部をさらに備える、
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の電子カタログ。
【請求項11】
前記カタログデータは、前記閲覧対象の2Dデータを、さらに備える、
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電子カタログ。
【請求項12】
前記カタログデータは、前記閲覧対象のテクスチャデータを、さらに備える、
請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の電子カタログ。
【請求項13】
前記カタログデータは、時間帯及び天候のデータをさらに備え、
前記閲覧対象の表示が、時間帯や天候に応じて変更される、
請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の電子カタログ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カタログに関する。
【背景技術】
【0002】
電子カタログは、例えばPCやタブレット端末を用いて閲覧するカタログである。ディスプレイ部分に閲覧対象物が表示され、マウスやキーボードの操作によって閲覧対象物の様々な情報が得られるものである。
【0003】
従来、電子カタログは、ページの拡大縮小ができる程度のものであったが、近年の電子カタログは、マウスやキーボードの操作によって閲覧対象物を回転させることができるものなど、閲覧対象物の外観全体など多くの情報を得られるものがある(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載の発明は、マウスを用いて商品の映像を拡大縮小でき、またマウスを用いて画面上で商品を回転させることができるものであり、選択した商品の画像を容易に動かすことができるようにして、商品の現実感を向上させることを目的とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−325608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の電子カタログでは、商品を回転させることにより、商品の詳細な外部情報を得られるが、ユーザの視点は常時一定であり、主としてマウスを用いた操作により商品を閲覧するものであるため、商品の現実感や臨場感は十分なものとはいえない。
【0007】
本発明は、従来よりも商品の現実感や臨場感を得られる電子カタログを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る一の態様の電子カタログは、閲覧対象のカタログを表示する第1の表示部と、前記閲覧対象のカタログデータを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータを演算する演算部と、前記閲覧対象のカタログを操作する操作部と、を備え、前記第1の表示部は、閲覧者の頭部に装着するもので、前記閲覧対象のカタログデータを表示するディスプレイ部と、前記閲覧対象のカタログデータを受信する受信部と、前記閲覧者の頭部の傾きを検知する第1のセンサと、前記閲覧者の頭部の回転を検知する第2のセンサと、を具備し、前記カタログデータは、前記閲覧対象の3Dデータを含み、前記閲覧者の頭の傾き及び回転に応じた、前記閲覧対象を前記ディスプレイ部に表示することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、閲覧者が頭を傾けたり回転させたりすることで、閲覧対象の表示が実際の動きに応じて変化するので、商品の現実感や臨場感が従来よりも向上する。また、閲覧対象のデータに外部及び内部のデータが含まれることで、外観のみならず内部の情報を得ることができ、さらに内部においても閲覧者の頭の傾きや回転に応じた表示ができるため、商品の現実感や臨場感が向上する。ここで、閲覧者の頭部に装着する表示装置とは、例えば、閲覧者の目と周辺その他を覆うゴーグル型のものや、メガネのようなグラス型のものが含まれる。
【0010】
また、この電子カタログは、前記第1の表示部において、前記第1のセンサが加速度センサであり、該加速度センサにより閲覧者の頭部の傾きを検知し、第1のデータが前記記憶部に送信され、前記第2のセンサがジャイロセンサであり、該ジャイロセンサにより閲覧者の頭部の回転を検知し、第2のデータが前記記憶部に送信され、前記記憶部において、前記カタログデータは、前記第1のデータ及び第2のデータに紐づけられており、前記閲覧者の頭部の傾き及び回転に応じた、前記閲覧対象を表示する。
【0011】
また、この電子カタログは、前記記憶部に、前記第1のデータと前記第2のデータを含むデータテーブルが保存されており、前記データテーブルには、前記第1のデータ及び前記第2のデータに所定のしきい値が設定されており、前記閲覧者の頭部の動きにより、前記第1のデータ及び前記第2のデータが所定のしきい値を超えた場合に、前記ディスプレイ部に表示されている前記閲覧対象における閲覧者対象者の位置が移動して、当該移動に応じた前記閲覧対象を表示する。この構成によれば、閲覧者の頭部の動きに応じて、映像内における閲覧者の位置を移動させることができる。
【0012】
また、この電子カタログは、前記第1の表示部が、前記閲覧対象者の動きを検知する第3のセンサを備え、前記閲覧対象者が実際に移動することにより、前記ディスプレイ部に表示されている前記閲覧対象における閲覧者対象者の位置が移動して、当該移動に応じた前記閲覧対象を表示してもよい。この構成によれば、閲覧者の頭部の動作にくわえて、閲覧者の実際の移動に応じて閲覧対象の表示を変えることができる。
【0013】
また、この電子カタログは、前記操作部を用いた操作により、前記閲覧対象に対して移動可能であり、移動に応じた該閲覧対象のカタログを表示する構成としてもよい。この構成によれば、閲覧者が動けない状態、例えば座っている状態においても、操作部の操作により閲覧対象の表示を変えることができる。操作部は、例えばコントローラやマウスなどである。
【0014】
また、この電子カタログは、前記閲覧対象のカタログを表示する第2の表示部を、さらに備える。ここで、第2の表示部とは、例えば液晶モニタである。この構成によれば、閲覧者が電子カタログを見ながら、閲覧者と別の第2の表示部を見ている操作者に指示することで、閲覧対象の表示を変更することができる。
【0015】
また、この電子カタログは、前記カタログデータが前記閲覧対象の2Dデータを、さらに備える。この構成によれば、閲覧対象のスペック等の詳細データを確認することが可能となる。
【0016】
また、この電子カタログは、前記カタログデータが前記閲覧対象のテクスチャデータを、さらに備える。ここで、テクスチャデータとは、閲覧対象の表面を構成するデータである。この構成によれば、閲覧対象をより現実に近い状態で表示できるので、商品の現実感や臨場感がさらに向上する。また、このテクスチャデータを変更することで、閲覧対象の色を変更したり、材質を変更したりすることが可能となる。これにより、閲覧者は閲覧対象のバリエーションを容易に確認することができる。
【0017】
また、この電子カタログは、前記閲覧対象のカタログデータが、車のカタログデータであり、前記3Dデータは、前記車の外装データ及び内装データが含まれ、前記車のドアなどから外装と内装の表示がシームレスに変更され、前記閲覧者の動きや操作により、外装又は内装の表示を任意の方向から見た表示にシームレスに変更される。
【0018】
この構成によれば、自動車の外装及び内装を確認でき、さらに閲覧者の動きに応じて車の表示が変わり、かつ、外装又は内装の表示がシームレスに遷移するので、閲覧者は現実感や臨場感を得られるとともに車をすみずみまで確認することができる。
【0019】
また、この電子カタログは、前記車のカタログデータが、車体カラーなどの外装のオプションデータと、シートの色や素材などの内装のオプションデータと、を備え、前記外装又は内装のオプションデータを変更することにより、前記車の外装又は内装の表示が変更される。この構成によれば、閲覧者は様々なバリエーションを確認することができる。とりわけ、オプションが多い車においては有用である。
【0020】
また、この電子カタログは、前記閲覧対象のカタログデータが、建物のカタログデータであり、前記3Dデータは、前記建物の外装データ及び内装データが含まれ、前記建物の扉や窓などから外装と内装の表示がシームレスに変更され、前記閲覧対象者の動きや操作により、外装又は内装の表示を任意の方向から見た表示にシームレスに変更される。
【0021】
ここで、建物には、例えばマンションや戸建の建物、ビル、部屋などその他の建物が含まれる。この構成によれば、建物の外装及び内装を確認でき、さらに閲覧者の動きに応じて建物の表示が変わり、かつ、外装又は内装の表示がシームレスに遷移するので、閲覧者は現実感や臨場感を得られるとともに建物をすみずみまで確認することができる。
【0022】
また、この電子カタログは、前記建物のカタログデータが、壁材、門、塀などの外装のオプションデータと、間取り、壁の素材、インテリアなどの内装のオプションデータと、を備え、前記外装又は内装のオプションデータを変更することにより、前記建物の外装又は内装の表示が変更される。この構成によれば、閲覧者は様々なバリエーションを確認することができる。
【0023】
また、この電子カタログは、前記カタログデータが、時間帯及び天候のデータをさらに備え、前記閲覧対象の表示が、時間帯や天候に応じて変更される。この構成によれば、閲覧者は時間帯に応じた閲覧対象の変化を確認することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、従来よりも商品の現実感や臨場感を得られる電子カタログの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態にかかる電子カタログの機器の構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる表示装置の概略を示す図である。
図3】本発明の一実施形態にかかるコントローラの概略を示す図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる電子カタログのデータ等の構成を示す図である。
図5A】本発明の一実施形態にかかる表示装置のディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図5B】同ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図5C】同ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図5D】同ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図5E】同ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図5F】同ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図5G】同ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図5H】同ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図6】第2の実施形態にかかる閲覧者の動作の一例を示す図である。
図7】第2の実施形態にかかるデータテーブルの一例を示す図である。
図8】第3の実施形態にかかる電子カタログの機器の構成を示す図である。
図9】第3の実施形態にかかる電子カタログのデータ等の構成を示す図である。
図10A】第3の実施形態にかかる表示装置のディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図10B】同ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図10C】同ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づき説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
【0027】
<第1の実施形態>
(1.機器構成)
図1は、本発明の一実施形態にかかる電子カタログの機器の構成を示すブロック図である。この電子カタログは、主として、表示装置1と、コンピュータ2と、液晶モニタ3と、マウス4と、キーボード5と、コントローラ6とにより構成される。表示装置1、液晶モニタ3、マウス4、キーボード5、コントローラ6は、それぞれコンピュータ2に接続されている。接続の方法は、有線・無線を問わない。
【0028】
表示装置1は、頭部に装着して使用するディスプレイである。頭部に装着するとは、例えば、閲覧者の目を覆うゴーグル型のものやメガネ型のものがある。本実施形態においては、一例としてゴーグル型のものについて説明する。表示装置1は、閲覧者の両目全体を含む頭部前面を覆う本体11と、本体11に接続されるベルト部12とを備え、閲覧者の頭部に確実に装着される。
【0029】
図2は、本発明の一実施形態にかかる表示装置の構成を示す図である。表示装置1の本体11の内側には、ディスプレイ13が設けられており、閲覧者が表示装置1を装着した状態において閲覧者の目前にディスプレイ13が配される構成で、閲覧者の目前にディスプレイ13に表示された映像が広がる。ディスプレイ13には、電子カタログが表示される。
【0030】
なお、本実施形態のディスプレイ13は、横に並ぶ2つのディスプレイ13Aと13Bとを具備している。ディスプレイ13Aが左目用、ディスプレイ13Bが右目用であり、それぞれに同様の映像であるが角度を若干違えた映像を表示させることで、閲覧者は立体的な映像を閲覧することができる。また、ディスプレイ13Aと13Bとに角度の変わらない同じ映像を表示することもでき、その場合は通常1枚の映像を両目で見た時と同様の映像となる。なお、これらの映像は容易に切替え可能となっている。
【0031】
また、本体11の内部には、本体11の傾きを検知する加速度センサ14と、本体11の回転を検知するジャイロセンサ15とを備える。これにより、閲覧者が表示装置1を装着した状態で、閲覧者の頭の傾きや回転を検知することができる。
【0032】
また、本体11の内部に、本体11の前後左右の位置を検知するCMOSセンサを備える構成としてもよく、この場合、表示装置1と別体の赤外線を送受信可能なセンサを配する構成とする。このセンサは、例えばコンピュータ2の近傍や閲覧者の前方などに設置すればよい。これにより、閲覧者が表示装置1を装着した状態で、閲覧者の頭の前後左右の動きを検知することができる。
【0033】
また、表示装置1には、コンピュータ2からの映像データを受信する受信部16と、加速度センサ14やジャイロセンサ15で検知されたデータ及びその他データを送受信する送受信部17とを備える。また、表示装置1は、コンピュータ2と接続する端子を備え、この端子は例えば映像データを受信するHDMI(登録商標)端子やRGB端子であり、その他のデータを送受信するUSB端子などである。なお、表示装置1をコンピュータ2と無線接続可能な構成とすれば、これらの端子を具備しない構成としてもよい。
【0034】
コンピュータ2は、データの処理を行う演算部21と、OS、ソフトウエア及び各種データが保存される記憶部22と、映像データを送信する送信部23と、各機器からのデータを送受信する送受信部24と、を主要な構成として備える。
【0035】
液晶モニタ3は、コンピュータ2に接続され、コンピュータ2からの映像データを受信してその映像を表示する。液晶モニタ3とコンピュータ2とは、例えばHDMI(登録商標)ケーブルにより接続される。液晶モニタ3には、表示装置1のディスプレイ13と同じ画像又は映像が表示されることとしてもよく、またディスプレイ13の電子カタログに加えて、その他の情報が表示される構成としてもよい。
【0036】
マウス4とキーボード5は、コンピュータ2に接続され、ポインタの移動やテキスト入力などに使用される。これらマウス4とキーボード5は、電子カタログを閲覧する閲覧者が直接操作してもよいし、閲覧者とは別の操作者が操作してもよい。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態にかかるコントローラの構成を示す図である。コントローラ6は、例えば複数のボタン61や方向キー62を具備するコントローラパッドであり、コンピュータ2と接続されて各種操作を行うためのものである。コントローラ6は、主として閲覧者が手に持ち操作する。
【0038】
(2.データ構成)
図4は、本発明の一実施形態にかかる電子カタログのデータの構成を示す図である。電子カタログのデータは、コンピュータ2の記憶部22に保存されている。詳しくは、電子カタログのソフトウェアデータのほか、電子カタログの閲覧対象物、例えば車であれば、車本体のモデルデータ、テクスチャ、シェーダ、オプションのモデルデータ及びテクスチャなどである。モデルデータとは、閲覧対象物を立体的に構成する3Dのモデリングデータである。テクスチャは、モデルデータの表面に貼付けられるデータであり、モデルの表面の色や模様、質感を表示して、3Dモデルがリアルに表示される。シェーダとは、モデルに陰影を表示するものであり、3Dモデルがよりリアルに表示される。
【0039】
オプションのモデルデータ及びテクスチャには、スポイラーなどの外装やインパネなどの内装のデータが含まれる。これにより、標準の車の表示から任意のオプションを追加したものが表示可能となる。その他、仕様や寸法、価格などの車に関する2Dデータ、背景に関するデータ、時間や天気に応じたデータなどが含まれる。
【0040】
これら電子カタログに関するデータは、フラッシュメモリやDVD−Rなどのメディアから追加可能である。また、インターネットを介してデータをダウンロードして追加することもできる。
【0041】
また、記憶部22には、上記の電子カタログのデータのほか、表示装置1の加速度センサ14により検知される数値データと、ジャイロセンサ15により検知される数値データのデータテーブルが保存されており、これらと電子カタログのデータとが紐づけられており、これら数値データに応じて、電子カタログの3Dモデルの映像がリアルタイムに変更される。
【0042】
(3.操作及び表示)
次に、本実施形態にかかる電子カタログの操作と表示の一例を、車の電子カタログを例にして説明する。以下、電子カタログを閲覧する閲覧者が、表示装置1とコンピュータ2をいずれも操作する場合について説明するが、閲覧者とは別の操作者がコンピュータ2を操作することとしてもよい。
【0043】
まず、閲覧者が表示装置1を頭部に装着し、コントローラ6を手に持つ。そして、閲覧者がコンピュータ2のマウス4又はキーボード5を使って、電子カタログのアプリケーションを立ち上げる。そうすると、コンピュータ2の液晶モニタ3に電子カタログのウィンドウが表示され、表示装置1のディスプレイ13に電子カタログのメニュー画面が表示される(図5A参照)。
【0044】
次に、閲覧者は、コントローラ6を操作してメニュー画面から閲覧したい車種を選択する。そうすると、表示装置1のディスプレイ13と液晶モニタ3に、所定の車種の3D映像が表示される。このときに表示された車の向き(例えば車の側面)と、閲覧者の頭の向きとが紐づけられ、これが基準となる(図5B参照)。
【0045】
そして、閲覧者が頭の向きを横に回転させると、それにあわせて車の3D映像が横方向に回転する(図5C参照)。これは、表示装置1のジャイロセンサ15が、表示装置1の角速度を検知し、当該データがコンピュータ2に送信されて記憶部22に保存され、演算部21が角速度データに応じて車の3D映像の向きを回転させる。同時に、回転した車の3D映像のデータがコンピュータ2から表示装置1に送信されて、その画像が表示装置1のディスプレイ13にリアルタイムで表示される。
【0046】
一方、閲覧者が頭の向きを上に傾けると、それにあわせて車の3D映像も縦方向に回転する。これは、表示装置1の加速度センサ14が、表示装置1の加速度を検知し、当該データがコンピュータ2に送信されて記憶部22に保存され、演算部21が加速度データに応じて車の3D映像の向きを回転させる。同時に、回転した車の3D映像のデータがコンピュータ2から表示装置1に送信されて、その映像が表示装置1のディスプレイ13にリアルタイムで表示される。
【0047】
このように、閲覧者は自分の頭の動きに応じた車の3D映像をリアルタイムに閲覧することができ、これにより、閲覧者は実物の車を見ている感覚を得ることができる。
【0048】
また、閲覧者がコントローラ6の方向キー62の上を押すことで、表示装置1のディスプレイ13上に映し出される車の3D映像が拡大される(図5D参照)。換言すれば、ディスプレイ13の映像内における閲覧者の位置が前方に移動して、閲覧者の位置が車に近づいた状態となる。これは、コントローラ6の方向キー62を押すと、当該データがコンピュータ2に送信されて記憶部22に保存され、演算部21がコントローラ6の入力と押している時間に応じて車の3D映像の表示を変化させる。同時に、変化した車の3D映像のデータがコンピュータ2から表示装置1に送信されて、その3D映像が表示装置1のディスプレイ13にリアルタイムで表示される。
【0049】
このように、閲覧者がコントローラ6の方向キー62を操作することで、表示装置1のディスプレイ13上に映し出される車の3D映像が変化する。例えば、方向キー62の左右の入力により、車の3D映像が左右に移動する。イメージとしては、方向キー62を操作することで、ディスプレイ13における閲覧者の位置が、方向キー62により入力された方向に移動して、その移動した位置から見える3D映像がディスプレイ13に映し出されるものである。なお、図5Eは、方向キー62を操作して、映像内の閲覧者の位置を車の側面から正面に移動させた場合の例である。さらに、移動した位置においても、上記と同様に閲覧者の頭の傾きや回転に応じて3D映像がリアルタイムに変化する。
【0050】
以上のように、閲覧者がコントローラ6の操作や、頭の傾きや回転に連動して、ディスプレイ13に映し出される3D映像が変化するので、閲覧者は実物の車を見ている感覚で車の外観全体を確認することができる。
【0051】
なお、コントローラ6の方向キー62の操作については、上記に限られず例えば方向キー62の上下で閲覧対象物の表示が拡大縮小し、左右で閲覧対象物が水平方向に回転する仕様とすることもできる。また、方向キー62の上下で閲覧対象物が上下方向に回転する仕様としてもよい。
【0052】
一方、閲覧者が車の3D映像のドア付近にいる状態で(図5D参照)、コントローラ6のボタン61を押せば、車のドアをあけることができ、車の内装を閲覧できる(図5F参照)。
【0053】
この状態で方向キー61の上を押せば車の中に入ることができ、さらにボタン61と方向キー62の操作により、閲覧者が車のシートに座った状態とすることもできる。これにより、閲覧者はシートに座った状態の内装を閲覧できる(図5G参照)。
【0054】
また、閲覧者がシートに座った状態から、頭を傾けたり、回転させたりすることで、車の内装の天井、側面、後方などの詳細を閲覧することができる。なお、図5Hは、閲覧者が頭を上に傾けたときにディスプレイ13に映し出される内装の3D映像の例である。つまり、実物の車のシートに座った状態で内装を見るときと同様の感覚で、車の内装を確認でき、閲覧者は現実感と臨場感をもって閲覧することができる。
【0055】
以上のように、閲覧者がコントローラ6の操作や、頭の傾きや回転に連動して、ディスプレイ13に映し出される3D映像が変化するので、閲覧者は実物の車を見ている感覚で車の外装及び内装、すわなち、車全体を確認することができる。
【0056】
また、コンピュータ2の記憶部22には、車のモデルデータ以外に、テクスチャやオプション等のデータが保存されている。そのため、例えば閲覧者がコントローラ6のボタン61を押してメニューを呼び出し、任意のテクスチャやオプションを選択することで、車の3D映像の外装又は内装の色や質感、追加オプションの有無を変更することができる。オプションには、例えばスポイラーのデザインやシート調整の手動・電動の切替など、通常実車で選択可能なオプションである。
【0057】
また、記憶部22には、時間のデータも保存されている。上記のメニューから任意の時間を選択することで、昼や夜の車の状態を表示することができる。これにより、閲覧者は夜のライトがついた状態や、夜の内装の状態を確認できる。
【0058】
<第2の実施形態>
次に、第1の実施形態とは別の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、コントローラ6の方向キー62を用いて車を様々な位置や角度から閲覧する構成、すなわち、表示された映像内における閲覧者の位置を、コントローラ6の方向キー62の操作により前後左右の移動を行っていた。これにかえて、第2の実施形態では閲覧者の頭の傾きにより、映像内の閲覧者の前後左右の移動を実現するものである。
【0059】
具体的には、図6に示すように、例えば表示装置1を装着した閲覧者が腰から頭ごと前方に大きく傾けた時、すなわち、閲覧者が腰を曲げておじぎをし、頭が所定の角度以上に移動した時に、映像内における閲覧者の位置が前方に移動する。後方及び左右も同様とする。これにより、閲覧者はコントローラ6によらず、自身の行動により映像内における位置を移動させることができる。
【0060】
これを実現するために、例えば電子カタログのデータと紐づけられている加速度センサ14により検知される数値データ、及び、ジャイロセンサ15により検知される数値データのデータテーブルの数値に所定のしきい値を設定しておき、このしきい値を超えた時に、映像内の閲覧者の位置を移動させる構成とすればよい。本実施形態においては、加速度センサ14により検知される加速度の数値データX、Y、Zのいずれかが、5以上である場合に、映像内の閲覧者の位置が移動する構成とする例である(図7参照)。
【0061】
<第3の実施形態>
(1.機器構成)
次に、第1及び第2の実施形態とは別の第3の実施形態について説明する。第1及び第2の実施形態では、基本的に閲覧者は立ち止まった状態でコントローラ6を用いて車を様々な位置や角度から閲覧する構成であったが、第3の実施形態では、閲覧者が実際に移動することによりこれを実現する構成である。第3の実施形態については、マンションなど建物の部屋を閲覧対象物として説明する。なお、第1及び第2の実施形態と同様の機器や構成については同じ符号を用いることがあり、説明を省略する場合がある。
【0062】
図8は、第3の実施形態に係る電子カタログの機器の構成を示すブロック図である。この電子カタログは、主として表示装置10と、赤外線送信装置20と、コンピュータ2と、液晶モニタ3と、マウス4と、キーボード5と、コントローラ6などの機器により構成される。表示装置10、赤外線送信装置20、液晶モニタ3、マウス4、キーボード5、コントローラ6は、それぞれコンピュータ2に接続されている。接続の方法は、有線・無線を問わない。
【0063】
表示装置10は、頭部に装着して使用するディスプレイであり、閲覧者の両目全体を含む頭部前面を覆う本体101と、本体101に接続されるベルト部102とを備え、閲覧者の頭部に確実に装着される。
【0064】
表示装置10の本体101の内側にはディスプレイ103が設けられている。ディスプレイ103には、電子カタログが表示される。また、本体101の内部には、本体101の傾きを検知する加速度センサ104と、本体101の回転を検知するジャイロセンサ105と、さらに本体101の位置を検知する位置検知センサ106と、受信部107と、送受信部108とを備える。
【0065】
なお、位置検知センサ106は、例えばCMOSセンサであり、表示装置10とは別体の赤外線を照射する赤外線送信装置20とともに用いる。CMOSセンサは、赤外線送信装置20から照射された赤外線を受光することにより、受光した赤外線の状態に応じて位置を検出するセンサである。これにより、閲覧者の位置を検知することができ、閲覧者の移動や位置に応じた3D映像を映し出すことができる。その他、コンピュータ2などの構成は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0066】
(2.データ構成)
図9は、第3の実施形態に係る電子カタログのデータ等の構成を示すブロック図である。記憶部22に保存される電子カタログのデータについては、第1及び第2の実施形態と大きく変わらない。これらとの違いは、電子カタログのデータに紐づけられている加速度センサ及びジャイロセンサによる数値データに、位置検知センサ106により検知される数値データが追加されることである。すなわち、データテーブルに、加速度センサ、ジャイロセンサ、位置検知センサのデータが設定されることとなる。これにより、閲覧者が表示装置10とともに、実際に歩いて移動することによって、映像内の閲覧者の位置も移動し、それに応じた3D映像を見ることができる。なお、閲覧者の実際の移動距離は、映像内における閲覧者の移動距離と同じ距離としてもよいが、増幅されることが望ましい。これは、閲覧者が実際に移動できる距離にはスペースの制限があることが多いためであり、これにより現実には短い移動距離であっても映像内の閲覧者は長い移動距離となる。
【0067】
(3.操作及び表示)
次に、本実施形態にかかる電子カタログの操作と表示の一例を、建物の部屋の電子カタログを例にして説明する。なお、以下、電子カタログを閲覧する閲覧者と、閲覧者とは別のコンピュータ2を操作する操作者との2人で実現する場合について説明するが、閲覧者がコンピュータ2を操作することとしてもよい。以下の説明において、表示装置10を装着して電子カタログを閲覧する者を閲覧者と称し、コンピュータ2を操作する者を操作者と称する。
【0068】
まず、閲覧者が表示装置10を頭部に装着する。そして、操作者がコンピュータ2のマウス4又はキーボード5を使って、電子カタログのソフトウェアを立ち上げる。そうすると、コンピュータ2の液晶モニタ3に電子カタログのウィンドウが表示され、電子カタログのメニュー画面が表示される。
【0069】
次に、閲覧者が操作者に閲覧したい部屋を伝え、操作者はそれを選択する。そうすると、表示装置10のディスプレイ103と液晶モニタ3に、所定の部屋の3D画像が表示される。このときに表示された部屋の向きと、閲覧者の頭の向き及び位置とが紐づけられ、これが基準となる(図10A参照)。
【0070】
そして、閲覧者が頭の向きを上に傾けると、それにあわせて部屋の3D画像も縦方向に回転する(図10B参照)。これは、表示装置10の加速度センサ104が、表示装置10の加速度を検知し、当該データがコンピュータ2に送信されて記憶部22に保存され、演算部21が加速度データに応じて部屋の3D映像の向きを回転させる。同時に、回転した部屋の3D映像のデータがコンピュータ2から表示装置10に送信されて、その3D映像が表示装置10のディスプレイ103にリアルタイムで表示される。
【0071】
一方、閲覧者が頭の向きを横に回転させると、それにあわせて部屋の3D映像が横方向に回転する(図10C参照)。これは、表示装置10のジャイロセンサ105が、表示装置10の角速度を検知し、当該データがコンピュータ2に送信されて記憶部22に保存され、演算部21が角速度データに応じて部屋の3D映像の向きを回転させる。同時に、回転した部屋の3D映像のデータがコンピュータ2から表示装置10に送信されて、その3D映像が表示装置10のディスプレイ103にリアルタイムで表示される。
【0072】
このように、閲覧者は自分の頭の動きに応じた部屋の3D映像をリアルタイムに閲覧することができ、これにより、閲覧者は実物の部屋を内覧している感覚を得ることができる。
【0073】
また、閲覧者が実際に移動、例えば前方に移動すると表示装置10のディスプレイ103上に映し出される部屋の3D映像が、映像内の閲覧者が移動した状態の3D映像となり、それがリアルタイムに映し出される。また、閲覧者が後方や左右に移動する場合も同様である。
【0074】
また、閲覧者が映像内の所定の位置、例えばドアの前にいる時に、実際の閲覧者がさらに前方に移動すると、映像内の閲覧者の位置が別の部屋に移動することもできる。また、この構成は、閲覧者が操作者にドアをあける指示を出し、操作者がマウス4の操作等によって、ドアをあけるアクションを介する構成とすることもできる。
【0075】
以上のように、閲覧者が頭の傾きや回転、移動に連動して、ディスプレイ103に映し出される3D映像が変化するので、閲覧者は実際に部屋を内覧している感覚で部屋の詳細を確認することができる。
【0076】
また、コンピュータ2の記憶部22には、部屋のモデルデータ以外にテクスチャやオプション等のデータが保存されている。そのため、例えば、閲覧者が操作者に指示して、操作者が所定のテクスチャやオプションを選択することで、部屋の3D映像の壁紙や、蛍光灯の形状、棚やテーブルの追加、削除、変更など、種々のオプションを変更することができる。
【0077】
また、記憶部22には時間のデータも保存されており、所定の時間を選択することで、昼や夜の部屋の状態、部屋に差し込む日当りの表示を変更することができる。これにより、閲覧者は、時間帯に応じた部屋の状態も確認できる。
【0078】
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、上記した実施形態では、表示装置とコンピュータを用いた例を説明したが、表示装置が演算部や記憶部を具備する構成とし、コンピュータを用いず表示装置のみで、これを実現する構成としてもよい。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
1 表示装置
11 本体
12 ベルト
13 ディスプレイ
14 加速度センサ
15 ジャイロセンサ
16 受信部
17 送受信部
2 コンピュータ
21 演算部
22 記憶部
23 送信部
24 送受信部
3 液晶モニタ
4 マウス
5 キーボード
6 コントローラ
61 ボタン
62 方向キー
10 表示装置
101 本体
102 ベルト
103 ディスプレイ
104 加速度センサ
105 ジャイロセンサ
106 位置検知センサ
107 受信部
108 送受信部
20 赤外線送信装置
【要約】
【課題】 従来よりも臨場感のある電子カタログを提供する。
【解決手段】 閲覧対象のカタログを表示する第1の表示部と、前記閲覧対象のカタログデータを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータを演算する演算部と、前記閲覧対象のカタログを操作する操作部と、を備え、前記第1の表示部は、閲覧者の頭部に装着するもので、前記閲覧対象のカタログデータを表示するディスプレイ部と、前記閲覧対象のカタログデータを受信する受信部と、前記閲覧者の頭部の傾きを検知する第1のセンサと、前記閲覧者の頭部の回転を検知する第2のセンサと、を具備し、前記カタログデータは、前記閲覧対象の3Dデータを含み、前記閲覧者の頭の傾き及び回転に応じた、前記閲覧対象を前記ディスプレイ部に表示する、電子カタログ。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C