特許第6106325号(P6106325)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6106325
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】書類管理帳票
(51)【国際特許分類】
   B42D 11/00 20060101AFI20170316BHJP
   B42D 15/00 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   B42D11/00 P
   B42D15/00 301A
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-159206(P2016-159206)
(22)【出願日】2016年8月15日
【審査請求日】2016年8月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516245140
【氏名又は名称】井石 清隆
(73)【特許権者】
【識別番号】516245151
【氏名又は名称】高木 基
(73)【特許権者】
【識別番号】516244925
【氏名又は名称】橋本 和幸
(73)【特許権者】
【識別番号】516245162
【氏名又は名称】中平 博士
(73)【特許権者】
【識別番号】516245173
【氏名又は名称】新井 清師
(73)【特許権者】
【識別番号】516245184
【氏名又は名称】吉田 憲雄
(73)【特許権者】
【識別番号】516245195
【氏名又は名称】與山 清
(73)【特許権者】
【識別番号】516245209
【氏名又は名称】梅原 一彦
(73)【特許権者】
【識別番号】516245210
【氏名又は名称】小川 真弘
(73)【特許権者】
【識別番号】516245221
【氏名又は名称】室伏 由紀
(73)【特許権者】
【識別番号】516245232
【氏名又は名称】宮原 千波
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100169199
【弁理士】
【氏名又は名称】石本 貴幸
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】井石 清隆
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−29655(JP,U)
【文献】 特開昭61−261097(JP,A)
【文献】 特開2001−162971(JP,A)
【文献】 特開2006−305888(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3174272(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00−15/00
B42F 1/00−23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部に持ち出す書類の情報を記入する第1伝票と、外部から持ち帰った書類の情報を記入する第2伝票とが一組とされるとともに、互いに分離可能に構成された書類管理帳票であって、
前記第1伝票は、
外部に持ち出す前記書類の情報を記入するための第1記入欄と、
前記書類の持ち出し先を記入するための第2記入欄と、
前記書類の持ち出し日を記入するための第3記入欄と
を有し、
前記第2伝票は、
前記外部から持ち帰った書類の情報を記入するための第1記入欄と、
前記書類の持ち帰り日を記入するための第2記入欄と
を有する書類管理帳票。
【請求項2】
前記書類は、個人情報が記載された保険の契約に関する書類であり、
前記第1伝票の前記第1記入欄は、保険の種類及び保険メーカーを特定するための記入欄を有する請求項1に記載の書類管理帳票。
【請求項3】
前記第2伝票は、
契約成立の有無に関する情報を記入する第3記入欄と、
前記契約成立に必要となる待ち状態の書類または手続きに関する情報を記入するための第4記入欄と、
外部に持ち出した前記書類のうち、不要な書類に関する情報を記入するための第5記入欄と
を有する請求項2に記載の書類管理帳票。
【請求項4】
前記第1伝票、前記第2伝票、及び保険の契約に関する情報を記載する第3伝票が一組とされるとともに、それぞれが分離可能に構成され、
前記第3伝票は、契約が成立した日付を記入するための第1記入欄を有する請求項2または請求項3に記載の書類管理帳票。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類管理帳票に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、保険代理店の訪問販売員は、客先に出向く際に、顧客が希望している保険の資料、保険の申込書、見積書等を持参する。このうち、保険の申込書や見積書には個人情報が記載されていることから、これらの書類を厳重に管理し、紛失等を未然に防ぐ必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−230302号公報
【特許文献2】特開2008−269229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、訪問販売員が1日に訪問する客先は、個人差があるもののおおよそ3〜7箇所といわれており、持ち出される書類の数は膨大である上、保険の種類も多岐にわたる。したがって、書類の管理は煩雑である。更に、顧客が保険の契約を希望した場合には、必要事項の記入が必要な書類を客先に残したまま帰社し、後日、必要事項が記入された書類を郵便などで受け取るような場合もある。このような場合には、手元にある書類と客先に残してきた書類との両方を管理しなければならず、書類の管理は更に煩雑なものとなる。
【0005】
従来、このような持ち出し書類の管理方法としては確立された手法がなく、容易にかつ確実な管理手法が望まれていた。また、上述したような秘密文書や機密情報の管理は、保険業界に限ったことではなく、様々な分野においてその適切な管理方法が求められている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、外部に持ち出す書類の管理を容易にかつ確実に行うことのできる書類管理帳票を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、外部に持ち出す書類の情報を記入する第1伝票と、外部から持ち帰った書類の情報を記入する第2伝票とが一組とされるとともに、互いに分離可能に構成された書類管理帳票であって、前記第1伝票は、外部に持ち出す前記書類の情報を記入するための第1記入欄と、前記書類の持ち出し先を記入するための第2記入欄と、前記書類の持ち出し日を記入するための第3記入欄とを有し、前記第2伝票は、前記外部から持ち帰った書類の情報を記入するための第1記入欄と、前記書類の持ち帰り日を記入するための第2記入欄とを有する書類管理帳票を提供する。
【0008】
本発明によれば、第1伝票には、外部に持ち出す書類の情報を記入するための第1記入欄、書類の持ち出し先を記入するための第2記入欄、及び書類の持ち出し日を記入するための第3記入欄とが設けられているので、第1伝票を確認することで、外部に持ち出した書類の情報を容易に把握することが可能となる。
また、第2伝票には、外部から持ち帰った書類の情報を記入するための第1記入欄と、書類の持ち帰り日を記入するための第2記入欄とが設けられているので、第2伝票を確認することで外部から持ち帰った書類の情報を容易に確認することが可能となる。また、第1伝票と第2伝票とを確認することにより、外部に持ち出した書類の流れを容易に把握することができ、また、紛失した書類の有無を容易に確認できるとともに、紛失した書類の特定を容易に行うことが可能となる。
【0009】
前記書類は、例えば、個人情報が記載された契約に関する書類であり、前記第1伝票の前記第1記入欄は、契約の種類を特定するための記入欄を有していてもよい。
前記書類は、例えば、個人情報が記載された保険の契約に関する書類であり、前記第1伝票の前記第1記入欄は、保険の種類及び保険メーカーを特定するための記入欄を有していてもよい。
【0010】
上記書類管理帳票において、前記第2伝票は、契約成立の有無に関する情報を記入する第3記入欄と、前記契約成立に必要となる待ち状態の書類または手続きに関する情報を記入するための第4記入欄と、外部に持ち出した前記書類のうち、不要な書類に関する情報を記入するための第5記入欄とを有していてもよい。
【0011】
例えば、保険の契約が成立したような場合、外部に持ち出した書類のうち、顧客に必要事項を記載してもらう必要のある書類を顧客先に残したまま帰社し、後日、必要事項が記載された書類を郵送などで受領するような場合がある。上記書類管理帳票によれば、第2伝票に、契約成立に必要となる待ち状態の書類や手続きに関する情報を記入するための第4記入欄が設けられているので、待ち状態にある書類を容易に管理することが可能となる。また、外部から持ち帰った書類のうち、契約が成立しなかった商品等の書類については廃棄処分等の取扱いが必要な場合がある。上記書類管理帳票によれば、第2伝票に、外部に持ち出した書類のうち、不要な書類に関する情報を記入するための第5記入欄が設けられているので、不要となった書類についてもその後の取り扱いについて把握することが可能となる。
【0012】
上記書類管理帳票は、前記第1伝票、前記第2伝票、及び保険の契約に関する情報を記載する第3伝票が一組とされるとともに、それぞれが分離可能に構成され、前記第3伝票は、契約が成立した日付を記入するための第1記入欄を有していてもよい。
【0013】
このように、上記第1伝票、第2伝票に加えて、保険の契約に関する情報を記入する第3伝票を一組の帳票として取扱い、第3伝票には契約が成立した日付を記入するための第1記入欄が設けられているので、例えば、待ち書類等が発生していた案件などについても、契約成立までの過程を確実にかつ容易に管理することが可能となる。
【0014】
本発明の参考例としての一態様は、上記書類管理帳票を用いた書類管理方法であって、前記書類を外部に持ち出すときに、必要事項が記入された前記第1伝票を前記書類の持ち出し元に保管し、外部から前記書類持ち出し元に戻ったときに、必要事項が記入された前記第2伝票を対となる前記第1伝票とともに保管する書類管理方法である
【0015】
態様によれば、必要事項が記入された第1伝票を書類の持ち出し元に保管するので、第1伝票を確認することで、どのような書類が外部に持ち出されているのかを容易に把握することが可能となる。また、外部から書類持ち出し元に戻ったときに、必要事項が記入された第2伝票を対となる第1伝票と共に保管する。これにより、第1伝票と第2伝票とが対として保管されている案件については、外部から書類が戻ってきていることや、待ちの書類が発生しているか否かを容易に管理することが可能となる。
【0016】
上記書類管理方法において、前記書類を外部に持ち出すときに、前記第2伝票と分離された前記第1伝票を第1伝票保管手段に保管し、必要事項が記入された前記第2伝票を保管する場合に、前記第2伝票に対応する前記第1伝票を前記第1伝票保管手段から取り出し、一対の前記第1伝票と前記第2伝票とを前記第1伝票保管手段とは異なる第2伝票保管手段に保管することとしてもよい。
【0017】
このように、第1伝票のみを保管する第1伝票保管手段と、第1伝票と第2伝票とを対として保管する第2伝票保管手段とをそれぞれ設けることにより、外部に書類を持ち出したまま書類持ち出し元に戻ってきていない案件と、外部から書類が戻ってきた案件とを容易に把握することが可能となる。
【0018】
本発明の参考例としての他の態様は、上記書類管理帳票を用いた書類管理方法であって、前記書類を外部に持ち出すときに、必要事項が記入された前記第1伝票を前記書類の持ち出し元に保管し、外部から前記書類持ち出し元に戻ったときに、必要事項が記入された前記第2伝票を対となる前記第1伝票とともに保管し、前記契約が成立したときに、必要事項が記載された第3伝票を対となる前記第1伝票及び前記第2伝票とともに保管する書類管理方法である
【0019】
このように、第1伝票、第2伝票、及び第3伝票によって書類を管理することにより、例えば、外部に書類を持ち出してから契約が成立するまでの一連の過程における書類の管理を容易にかつ確実に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、外部に持ち出す書類の管理を容易に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る書類管理帳票の構成を示した図である。
図2図1に示した第1伝票の一例を示した図である。
図3図1に示した第2伝票の一例を示した図である。
図4図1に示した第3伝票の一例を示した図である。
図5】本発明の他の実施形態に係る書類管理帳票の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の一実施形態に係る書類管理帳票について、図面を参照して説明する。本実施形態では、保険代理店の訪問販売員が保険の契約に関する書類を管理する場合を例示して説明するが、本発明はこの場合に限定されず、様々な分野において、外部に持ち出される重要書類(例えば、様々な契約書類等)の管理に幅広く適用可能である。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係る書類管理帳票1の構成を示した図である。図1に示すように、書類管理帳票1は、第1伝票10、第2伝票20、第3伝票30を一組として構成されている。これら第1伝票10、第2伝票20、第3伝票30は、例えば、互いに分離可能に接着されており、必要に応じて各伝票が分離されて使用される。一組の第1伝票10、第2伝票20、第3伝票30には、例えば、共通の識別情報が付与されており、この識別情報によって対となる伝票を互いに容易に識別することが可能とされている。
このような構成を備える書類管理帳票1は、例えば、複数部まとめられて冊子として用意されており、冊子から必要分を適宜切り離して、使用する。
【0024】
また、第1〜第3伝票10、20、30は、複写可能な構成とされており、第2伝票20には、上記第1伝票10において記入された事項が複写として記入されてもよく、同様に、第3伝票30には、第1伝票10及び第2伝票20において記入された事項が複写として記入されてもよい。
また、以下に説明する本実施形態では、第1伝票10の記載内容と、第2伝票20、第3伝票30との記載内容とを異ならせているが、全ての伝票において記載内容を共通化、例えば、第3伝票30の内容で共通化してもよい。この場合、使用者は、各伝票において、必要な事項をそれぞれ記入すればよい。
【0025】
図2は第1伝票10の一例を示した図である。第1伝票10は、外部に書類を持ち出す際に、外部に持ち出す書類の情報を記入するための伝票である。
第1伝票10は、具体的には、外部に持ち出す書類の情報を記入するための第1記入欄11と、書類の持ち出し先を記入するための第2記入欄12と、書類の持ち出し日を記入するための第3記入欄13とが少なくとも設けられている。
【0026】
第1記入欄11として、例えば、保険のメーカー名、保険の種類(以下「ライン」という)、持ち出し書類の種類、センシティブ情報の有無、持ち出し媒体の情報を記入する欄が設けられている。
具体的には、保険のメーカー名の一例として、A社、B社、C社等が、ラインの一例として、火災、傷害、自動車、新種、生命、医療、がん、学資、その他等が、持ち出し書類の種類の一例として、申込書、変更依頼書、見積書、解約、設計書、事故関連書類、その他等が、持ち出し媒体の一例としてPC、紙、USB等が選択肢として記載されている。
【0027】
また、第2記入欄12として、お客様名を記入する欄が設けられている。更に、第2記入欄12として、持ち出し先(契約者、保険会社、その他)を記入する欄が設けられている。
また、図1に示した第1伝票10には、上記記入欄以外に、持ち出しを行う担当者が捺印する担当者印の欄14、持ち出しを確認した第三者、例えば、管理担当部署の担当者(例えば、事務員)が捺印する持ち出し確認印の欄15が設けられている。
【0028】
図3は、第2伝票20の一例を示した図である。第2伝票20は、担当者が外部から戻ったときに、持ち帰った書類の情報等を記入するための伝票である。第2伝票20には、外部から持ち帰った書類の情報を記入するための第1記入欄21と、書類の持ち帰り日を記入するための第2記入欄22と、契約成立の有無に関する情報を記入する第3記入欄23と、契約成立に必要となる待ち状態の書類または手続き(例えば、入金)に関する情報を記入するための第4記入欄24と、外部に持ち出した書類のうち、不要となった書類に関する情報を記入するための第5記入欄25とが少なくとも設けられている。
【0029】
第1記入欄21に記入する外部から持ち帰った書類の情報の一例として、同意書、決算書類、事故関連書類、口座振替依頼書、質権設定承認書、その他等が挙げられる。
また、第2伝票20には、第4記入欄24として、例えば、待ちの書類および待ちの手続の有無及びその種類等を記入する欄が設けられている。例えば、待ちの書類に関する記入欄として、受領方法、受領予定日が設けられている。また、待ちの手続きに関する記入欄として、送付・入金元、入金種類(例えば、クレジットカード、ワンズ、キャッシュレス、振り込み等)、入金予定日が設けられている。
更に、第2伝票20には、第5記入欄25として、持ち帰った書類の取り扱いを記入する欄、廃棄する申込書のメーカー名およびその廃棄日を記入する欄及びその確認印を捺印する欄、お客様へ提出した見積書のメーカー名を記入する欄、及び廃棄する見積書のメーカー名とその廃棄日とを記入する欄並びにその確認印を捺印する欄が設けられている。
【0030】
図4は、第3伝票30の一例を示した図である。第3伝票30は、保険の契約成立に関する情報を記入するための伝票である。より具体的には、保険の契約成立に必要となる書類が全て揃い、かつ、入金が確認できたときに記入する伝票である。
第3伝票30には、例えば、待ち書類が提出された日付、または、契約が成立した日付を記入するための第1記入欄31が設けられている。更に、第3伝票30には、契約成立に関する書類をクラークに提出した日付を記入する欄、クラークの受取印を捺印する欄が設けられている。
【0031】
次に、書類管理帳票1を用いて書類を管理する書類管理方法について図2から図4を参照して説明する。
まず、保険代理店の訪問販売員は、その日に訪問する顧客の数に対応する数の書類管理帳票1を用意する。例えば、5箇所の顧客先を訪問する場合、顧客それぞれについて1組の書類管理帳票1、すなわち合計5組の書類管理帳票1を用意する。なお、以下の説明においては、便宜上、一人の顧客Xを訪問する場合について例示して説明する。
【0032】
まず、書類管理帳票1の第1伝票10に必要事項を記入し、顧客Xに持ち出す書類を特定する。具体的には、第1記入欄11の該当欄にチェックすることにより、顧客Xに持ち出す書類の情報を記入する。具体的には、保険のメーカー名、ライン、持ち出し書類の種類、センシティブ情報の有無、持ち出し媒体の情報について、該当するもののチェックボックスにチェックする。これにより、外部に持ち出す書類が全て記入されることとなる。
【0033】
また、第2記入欄12に顧客Xの氏名を記入するとともにその属性(契約者、保険会社、その他)のいずれかのチェックボックスにチェックすることで、書類の持ち出し先を特定する。更に、第3記入欄13に本日の日付を記入する。
このようにして、必要事項の記入が完了すると、担当者は担当者印の欄14に押印し、この書類管理帳票1を管理部署に提出する。
【0034】
管理部署は、例えば、第1伝票10の記入内容と持ち出し書類とを照合して記入ミスがないかを確認し、問題がなければ持ち出し確認印の欄15に押印する。このとき、確認印は第1伝票10のみに押印されてもよいし、第2伝票20及び第3伝票30についても同様に押印されてもよい。
確認印が押された後の第1伝票10は、書類管理帳票1から切り離され、例えば、第1伝票10のみを保管する第1の伝票フォルダ(第1伝票保管手段)に綴じられ、保管される。また、第2伝票20と第3伝票30とからなる書類管理帳票1は訪問販売員に戻される。
【0035】
訪問販売員は、第1伝票10が切り離された書類管理帳票1を書類と一緒にし、顧客Xの元を訪問する。顧客先では、保険に関する話がなされ、その状況に応じて、必要書類が顧客Xの手元に残される。販売員は、顧客先での打ち合わせが終わると、顧客先に残した書類以外の全ての書類を会社に持ち帰る。
【0036】
会社に戻った訪問販売員は、第2伝票20に必要事項を記入する。具体的には、第1記入欄21において、持ち帰った書類の情報を記入し、第2記入欄22に書類の持ち帰り日を記入する。更に、第3記入欄23に契約成立の有無に関する情報を記入する。また、顧客Xが契約成立を希望している場合には、第4記入欄24において契約成立に必要となる待ち状態の書類や入金に関する情報を記入する。また、訪問販売員は、外部に持ち出した書類のうち、不要となった書類の取り扱いに関する情報を第5記入欄25に記入する。例えば、廃棄が必要な申込書や見積書がある場合には、それらの該当メーカー名にチェックを入れ、廃棄処分を行う。このとき、廃棄が確実に行われたか否かを第三者に確認してもらい、その確認印を所定の欄に捺印してもらう。このようにして、必要事項の記入が完了するとともに、不要な書類の廃棄処理が完了すると、訪問販売員は第2伝票20及び第3伝票30からなる書類管理帳票を管理部署に提出する。
【0037】
管理部署の担当者は、第2伝票20の記入事項を確認する。そして、記入漏れや記入ミスがなく、記入事項に問題がないことが確認されると、この第2伝票20を第3伝票30から切り離す。続いて、管理部署の担当者は、第2伝票20に対応する第1伝票10、例えば、第2伝票20に記載されている識別情報と共通の識別情報を有する第1伝票10を第1の伝票フォルダから取り出し、取り出した第1伝票10と今回提出された第2伝票とを一対の伝票として、第1の伝票フォルダとは異なる第2の伝票フォルダに保管する。
【0038】
ここで、例えば、今回の顧客Xとの打ち合わせにおいて、顧客Xが契約を希望しなかった場合には、顧客Xからの待ち書類や待ち手続きは存在しないため、この時点で、第2伝票20と第3伝票30とを第1伝票10とともに保管してもよい。この場合、第1、第2の伝票フォルダとは異なる契約不成立の伝票をとじるための専用フォルダを用意しておき、この専用フォルダに一組の第1〜第3伝票をとじることとしてもよい。
【0039】
一方、顧客Xが契約を希望していた場合には、管理部署の担当者は、上述の第2の伝票フォルダに第1伝票10と第2伝票20とを対となるようにしてとじた後、第2伝票20が切り離された第3伝票30を訪問販売員に渡す。
訪問販売員は、第3伝票30を持ち帰り、待ち状態にある書類等がそろうのを待つ。
そして、待ち状態となっていた書類等が全て訪問販売員のところに届くと、訪問販売員は、第3伝票30に必要事項を記入する。具体的には、訪問販売員は、第1記入欄31に待ち書類が提出された日付、換言すると、契約が成立した日付を記入する。そして、必要事項を記入した第3伝票30を契約に必要となる書類とともに管理部署の担当者に提出する。
【0040】
管理部署の担当者は、契約成立に必要となる書類等が全てそろっているのを確認し、捺印欄に捺印する。続いて、管理部署の担当者は、第2の伝票フォルダから第3伝票と対となる第1及び第2伝票10、20を取り出し、これら一対の第1〜第3伝票を契約成立に関する伝票を保管する専用フォルダに保管する。
また、管理部署の担当者は、契約書類を保険会社に郵送する手配を整え、この処理が終わると第3伝票30の所定の欄に、発送準備が整った日付を記入することとしてもよい。
【0041】
以上、説明してきたように、本実施形態に係る書類管理帳票によれば、第1伝票10には、外部に持ち出す書類の情報を記入するための第1記入欄11、書類の持ち出し先を記入するための第2記入欄12、及び書類の持ち出し日を記入するための第3記入欄13とが設けられているので、第1伝票10を確認することで、外部に持ち出した書類の情報を容易に把握することが可能となる。
【0042】
また、第2伝票20には、外部から持ち帰った書類の情報を記入するための第1記入欄21と、書類の持ち帰り日を記入するための第2記入欄22とが設けられているので、第2伝票20を確認することで外部から持ち帰った書類の情報を容易に確認することが可能となる。また、第1伝票10と第2伝票20とを確認することにより、外部に持ち出した書類の流れを容易に把握することができる。
【0043】
更に、第2伝票20には、契約成立の有無に関する情報を記入する第3記入欄23と、契約成立に必要となる待ち状態の書類または手続きに関する情報を記入するための第4記入欄24と、外部に持ち出した書類のうち、不要となった書類に関する情報を記入するための第5記入欄25とが設けられているので、待ち状態にある書類を容易に管理することが可能となるとともに、不要となった書類についてもその後の取り扱いについて把握することが可能となる。
【0044】
また本実施形態によれば、書類を外部に持ち出すときに、必要事項が記入された第1伝票10を書類の持ち出し元に保管するので、第1伝票10を確認することで、どのような書類が外部に持ち出されているのかを容易に把握することが可能となる。更に、外部から書類持ち出し元に戻ったときに、必要事項が記入された第2伝票20を対となる第1伝票10とともに保管するので、第1伝票10と第2伝票20とが対として保管されている案件については、外部から書類が戻ってきていることや、待ちの書類が発生しているか否かを容易に管理することが可能となる。また、このとき、第1伝票10のみを保管する第1の伝票フォルダと、第1伝票10と第2伝票20とが対とされた伝票を保管する第2の伝票フォルダとを異ならせることにより、外部から書類が戻ってきている案件と、外部から書類が戻ってきていない案件とを即座に見分けることが可能となる。更に、第1伝票10及び第2伝票20が対とされた伝票を保管する保管場所と、第1伝票〜第3伝票が対とされた伝票を保管する保管場所とを異ならせることにより、待ちの書類や待ち手続きが発生していて契約が未成立の案件と、契約が成立した案件とを即座に見分けることが可能となる。
【0045】
このように、第1伝票10、第2伝票20、及び第3伝票30によって外部に持ち出す書類を管理することにより、外部に書類を持ち出してから契約が成立するまでの一連の過程における書類の管理を容易にかつ確実に行うことが可能となる。
【0046】
また、本実施形態では、第1伝票10、第2伝票20、第3伝票30を一組の帳票として取り扱ったが、例えば、待ちの書類が発生しないような場合、換言すると、持ち出した書類を全て持ち帰るような書類の管理に適用される場合には、第3伝票30は必ずしも必要ではない。この場合には、第1伝票10と第2伝票20とが一組とされた帳票とし、外部に持ち出す書類の管理を行うこととしてもよい。
また、本実施形態では、顧客ごとに一組の帳票を使用することとしたが、例えば、顧客ごとかつメーカー毎に一組の帳票を使用することとしてもよい。
【0047】
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施が可能である。
【0048】
例えば、図5に他の実施形態に係る書類管理帳票1´の一記載例を示す。図5に示す書類管理帳票は、例えば、再度書類を持ち出す場合にも対応できるような記入欄の構成とされている。このように、書類管理帳票の記載は、図2−4に示した内容に限定されず、管理する書類の特徴等に応じて適宜変更することが可能である。なお、書類管理帳票1´についても、図5に示した記載内容の伝票が3枚一組として構成され、上記の書類管理帳票1と同様の管理方法に従って、各伝票が記入、分離、保管される。
【符号の説明】
【0049】
1、1´ 書類管理帳票
10 第1伝票
20 第2伝票
30 第3伝票
【要約】
【課題】外部に持ち出す書類の管理を容易にかつ確実に行うことのできる書類管理帳票及びその使用方法を提供することを目的とする。
【解決手段】書類管理帳票1は、外部に持ち出す書類の情報を記入する第1伝票10と、外部から持ち帰った書類の情報を記入する第2伝票20とが一組とされ、互いに分離可能に構成されている。書類管理帳票の第1伝票10には、外部に持ち出す書類の情報を記入するための第1記入欄と、書類の持ち出し先を記入するための第2記入欄と、書類の持ち出し日を記入するための第3記入欄とが設けられている。第2伝票20には、外部から持ち帰った書類の情報を記入するための第1記入欄と、書類の持ち帰り日を記入するための第2記入欄とが設けられている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5