特許第6106478号(P6106478)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6106478
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】手袋内手指保温用使い捨てカイロ
(51)【国際特許分類】
   A41D 19/00 20060101AFI20170316BHJP
   A61F 7/03 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   A41D19/00 A
   A61F7/08 334H
   A61F7/08 334S
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-52820(P2013-52820)
(22)【出願日】2013年3月15日
(65)【公開番号】特開2014-177726(P2014-177726A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2016年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】513064254
【氏名又は名称】磯田 将博
(74)【代理人】
【識別番号】100068962
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
(72)【発明者】
【氏名】磯田 将博
(72)【発明者】
【氏名】黒田 歩
【審査官】 佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−94517(JP,A)
【文献】 実開平2−102219(JP,U)
【文献】 米国特許第4706658(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 7/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指先で折り曲げられて指先の爪側と手の平を少なくとも覆う大きさのフィルムと、
前記フィルムに手が当てられたときの、少なくとも手の指が接する部分に添着された発熱体とを有し、
前記フィルムは、少なくとも親指用発熱体部分と人差し指用発熱体部分との間を切り離す切込みと、指先のずれを防ぐ指先ずれ防止孔とを備えたことを特徴とする手袋内手指保温用使い捨てカイロ。
【請求項2】
前記フィルムは、指先で折り曲げられて手の甲と手の平を覆う大きさであり、
前記フィルムの端部には、該フィルムに手が当てられ、指先で折り曲げられたときに、手の甲を覆うフィルム部分と手の平を覆うフィルム部分とを接着する粘着部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の手袋内手指保温用使い捨てカイロ。
【請求項3】
前記フィルムは、指先で折り曲げられて手の爪側と手の平を覆う大きさであり、
前記フィルムの先端部には、該フィルムに手が当てられ、指先で折り曲げられたときに、手の爪側に貼り付く粘着部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の手袋内手指保温用使い捨てカイロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寒冷環境で手袋の中に装着する手袋内手指保温用使い捨てカイロに関するものである。
【背景技術】
【0002】
寒冷地で屋外作業、農作業、バイク、自転車の運転などを行う際に、軍手、ゴム手袋、防寒手袋を使用するが、それでも寒さのために指先がかじかんで、思うように指先を使うことができなくなる。
【0003】
手袋の中の指先まで温めるために、従来、親指用使い捨てカイロを、手袋の親指の甲側に貼り付け、親指以外の4本の指用の使い捨てカイロを、手袋の4本の指に合うように甲側に貼り付けるものが、提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-267575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、手袋に使い捨てカイロを貼り付けるのに時間がかかる。また、老齢者、かじかんだ手や不馴れな人には難しい。
【0006】
(発明の目的)
本発明の目的は、手袋の中に簡単に装着することができる手袋内手指保温用使い捨てカイロを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の手袋内手指保温用使い捨てカイロは、指先で折り曲げられて指先の爪側と手の平を少なくとも覆う大きさのフィルムと、前記フィルムに手が当てられたときの、少なくとも手の指が接する部分に添着された発熱体とを有し、前記フィルムが、少なくとも親指用発熱体部分と人差し指用発熱体部分との間を切り離す切込みと、指先のずれを防ぐ指先ずれ防止孔とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、使い捨てカイロを手袋の中に簡単に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例1である手袋内手指保温用使い捨てカイを示す平面図である。
図2】実施例1によって手を覆った状態を示す斜視図である。
図3】実施例1を手袋に装着した状態を示す断面図である。
図4】本発明の実施例2である手袋内手指保温用使い捨てカイを示す平面図である。
図5】実施例2に手を載せた状態を示す平面図である。
図6】実施例2を手に貼り付けた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態は、後述する実施例1および2に記載の通りである。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明の実施例1である手袋内手指保温用使い捨てカイを示す平面図である。
【0012】
図1において、1は、指先で折り曲げられて手の甲と手の平を覆う大きさのフィルムである。フィルム1は、透明な樹脂製などのもので、手の甲を覆うフィルム部分1aと手の平を覆うフィルム部分1bとを有する。フィルム1に手が当てられたときの、手の指及び掌面部分(手の平の指以外の部分)が接するフィルム部分1bには、発熱体2が添着されている。発熱体2は、使い捨てカイロの主体構成物であり、酸化により発熱するものである。本実施例1では、発熱体2は、親指用発熱体部分2a、人差し指用発熱体部分2b、中指用発熱体部分2c、薬指用発熱体部分2d、小指用発熱体部分2eの5つの部分が小さな間隔をあけて平行に配列されたものである。
【0013】
前記フィルム1は、5つの各指用発熱体部分2a〜2eの間を切り離す切込み3と、指先のずれを防ぐ指先ずれ防止孔4とを備えている。また、フィルム1の両端部には、フィルム1に手が当てられ、指先で折り曲げられたときに、手の甲を覆うフィルム部分1aと手の平を覆うフィルム部分1bとを接着する粘着部5が設けられている。なお、親指用発熱体部分2aから先端部の方向に延在するフィルム部分1aaは、他の4指に係るフィルム部分とは切込み3により切り離されている。
【0014】
本実施例1を手袋に装着する様子を図2および図3により説明する。まず、手の平をフィルム部分1bに当て、フィルム部分1aを指先で折り返す。フィルム部分1aaを手に巻き付けるようにしてその上に4指に係るフィルム部分1aをかぶせ、手首のところで粘着部5によりフィルム1の両端部を接着する。この状態が図2に示される。このとき、指先は、指先ずれ防止孔4に引っ掛かり、フィルム1に対してずれることがない。次に、図2の状態の手を、手袋6の中に挿入する。この際、フィルム1は手袋6の内面を滑り、スムーズに手袋6の中に挿入される。5つの各指用発熱体部分2a〜2eは、その間が切込み3により切り離されているので、手の5本の指は、5つの各指用発熱体部分2a〜2eに接触しながら、簡単に手袋6の各指に挿入される。この状態が図3に示される。
【0015】
以上のように、フィルム1の滑りやすさを用いて、手に予めはめられた本実施例1の手袋内手指保温用使い捨てカイロを、手とともに手袋6の中に挿入するようにしたので、簡単に装着することができる。そして、5つの各指用発熱体部分2a〜2eは、手袋6内で酸化により発熱して指及び掌面部分を温めることができる。5つの各指用発熱体部分2a〜2eの間には間隙があるので、手の小さい人が使用する場合には、その間隙が狭まることにより、5つの各指用発熱体部分2a〜2eを手指に適切に接触させることができる。
【0016】
なお、本実施例1は、使用前は酸化を防止する密封包装物により包装されていることは言うまでもない。
【実施例2】
【0017】
図4は本発明の実施例2である手袋内手指保温用使い捨てカイロを示す平面図である。
【0018】
実施例2が実施例1と最も異なる点は、フィルムの折り返し部分が小さくなっていること、およびフィルムを手指の皮膚に直接貼り付けることである。
【0019】
図4において、11は、指先の爪側と手の平を覆う大きさのフィルムである。フィルム11は、透明な樹脂製などのもので、指先で爪側に折り曲げられるフィルム部分11aと手の平を覆うフィルム部分11bとを有する。フィルム11に手が当てられたときの、手の指及び掌面部分(手の平の指以外の部分)が接するフィルム部分11bには、発熱体12が添着されている。発熱体12は、使い捨てカイロの主体構成物であり、酸化により発熱するものである。本実施例2では、発熱体12は、親指用発熱体部分12a、人差し指用発熱体部分12b、中指用発熱体部分12c、薬指用発熱体部分12d、小指用発熱体部分12eの5つの部分が小さな間隔をあけて平行に配列されたものである。
【0020】
前記フィルム11は、5つの各指用発熱体部分12a〜12eの間を切り離す切込み13と、指先のずれを防ぐ指先ずれ防止孔14とを備えている。また、指先で爪側に折り曲げられるフィルム部分11aには、指先の爪側に貼り付く粘着部15が設けられている。また、フィルム部分11bの手首の内側に近いところには、手首の内側に貼り付く粘着部15が設けられている。
【0021】
本実施例2を手袋に装着する様子を図5および図6により説明する。まず、手の平をフィルム部分11bに当て、フィルム部分11aを指先で爪側に折り返す。このとき、粘着部15は指先の爪側に貼り付く。また、手首の内側にも粘着部15が貼り付く。この状態が図6に示される。図6の状態で、指先は、指先ずれ防止孔14に引っ掛かり、フィルム11に対してずれることがない。次に、図6の状態の手を、手袋の中に挿入する。この際、フィルム11は手袋の内面を滑り、スムーズに手袋の中に挿入される。5つの各指用発熱体部分12a〜12eは、その間が切込み13により切り離されているので、手の5本の指は、5つの各指用発熱体部分12a〜12eに接触しながら、簡単に手袋の各指に挿入される。
【0022】
以上のように、フィルム11の滑りやすさを用いて、手に予め貼り付けられた本実施例2の手袋内手指保温用使い捨てカイロを、手とともに手袋の中に挿入するようにしたので、簡単に装着することができる。そして、5つの各指用発熱体部分12a〜12eは、手袋内で酸化により発熱して指及び掌面部分を温めることができる。5つの各指用発熱体部分12a〜12eの間には間隙があるので、手の小さい人が使用する場合には、その間隙が狭まることにより、5つの各指用発熱体部分12a〜12eを手指に適切に接触させることができる。
【0023】
なお、本実施例2は、使用前は酸化を防止する密封包装物により包装されていることは言うまでもない。
【0024】
(変形例)
上記実施例1および2では、5つの各指用発熱体部分2a〜2e、12a〜12eを設けて、指及び掌面部分を温めるようにしているが、指のみを温める長さのものであってもよい。また、実施例1において、手の甲を覆うフィルム部分1aにも各指発熱体部分を添着するようにしてもよい。さらに、人差し指と中指の指先の感触が必要である場合のために、人差し指用発熱体部分2b、12bおよび中指用発熱体部分2c、12cの指先に当たる部分を取り除くようにしてもよい。
【0025】
上記実施例1および2は、5本指の手袋用であるが、2本指の手袋用の場合には、切込み3、13は、親指用発熱体部分2a、12aと人差し指用発熱体部分2b、12bとの間のみにあればよい。
【0026】
上記実施例1および2では、指先ずれ防止孔4、14は丸孔であるが、切込み状の孔であってもよい。
【符号の説明】
【0027】
1、11 フィルム
2、12 発熱体
3、13 切込み
4、14 指先ずれ防止孔
5、15 粘着部
6 手袋
図1
図2
図3
図4
図5
図6