(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる折り畳み式自転車を側面図により示している。また、
図2は、折り畳み式自転車の前輪を斜視図により示しており、
図3は、折り畳み式自転車の後輪を斜視図により示している。なお、各図は、概略的に主要部品を示しているにすぎない。また、後述する過程で前方、後方、右方、左方、上方、下方と呼ぶ時には、通常使用状態での自転車の進行方向を前方とした向きを基準として呼ぶことにする。
【0013】
同図において、折り畳み式自転車10は、前輪側部材20と、後輪側部材30とを備え、支軸40を中心に前輪側部材20と後輪側部材30とが回動可能となっている。
図1に示すような通常使用状態を展開状態と呼び、後述する
図6に示すような収納状態を折り畳み状態と呼ぶ。自転車としては、前輪側フレーム21と、後輪側フレーム31とによって、主フレームを構成し、前輪側フレーム21の後端と、後輪側フレーム31の前端とが、支軸40を介して回動可能に軸支されている。また、前輪側フレーム21の前端側には、ハンドルポスト22、ハンドル23、前輪24などが支持されており、後輪側フレーム31には、シートポスト32、サドル33、後輪34、図示しないペダルなどが支持されている。
【0014】
図4は、折り畳み式自転車の前輪側の固定機構を斜視図により示しており、
図5は、折り畳み式自転車の後輪側の固定機構を斜視図により示している。
固定機構は、第1固定部材と第2固定部材とを備え、前輪24の前輪軸に第1固定部材25が固定されており、後輪34の後輪軸近傍に第2固定部材35が固定されている。
本実施例においては、前輪側フレーム21が第1フレームに相当し、後輪側フレーム31が第2フレームに相当し、それぞれが支軸40を介して回動可能に連結され、さらに支軸と反対側の端部近傍に第1固定部材25と第2固定部材35とが固定されている。より、詳細には、第1固定部材が前輪軸近傍において固定され、第2固定部材が後輪軸近傍に固定されている。むろん、第1固定部材と第2固定部材の取り付けは機構的には相互に置換可能であり、いずれの側が前輪軸近傍において固定され、いずれの側が後輪軸近傍に固定されるかは問わない。
また、第1固定部材25は係合部に相当し、第2固定部材35は被係合部に相当する。さらに、第1可動部位は第1フレームに相当し、第2可動部位は第2フレームに相当する。本実施例では、第1可動部位と第2可動部位がフレームを構成しているが、折り畳み自転車における折り畳みのための可動部位であれば、必ずしもフレームを構成するものでなくてもよい。
【0015】
図6は、折り畳み式自転車の折り畳み状態を斜視図により示しており、
図7は、折り畳み式自転車の折り畳みの仕組みを模式図により示している。
図6に示すように、支軸40を中心として、支軸40の固定機構41を解除しつつ、支軸40のあたりを持ち上げる。すると、前輪側フレーム21と後輪側フレーム31は同支軸40を中心として回動し、前輪24と後輪34とが徐々に接近し、ほぼ並列状態となった時に、第1固定部材25と第2固定部材35が係合する。
すなわち、第1フレームである前輪側フレーム21に前輪24が回転可能に軸支され、第2フレームである後輪側フレーム31に後輪34が回転可能に軸支され、支軸40は前輪軸と後輪軸から略等距離となるように形成され、かつ、展開状態から折り畳み状態へと当該支軸40を中心に回動すると、前輪24と後輪34とが干渉しない状態で並列するように移動する。
【0016】
ここで、
図7の模式図に基づいてこのような動作について詳述する。
同図では、前輪側フレーム21である第1フレームを第1フレームFL1と示しており、後輪側フレーム31である第2フレームを第2フレームFL2と示しており、支軸40を支軸AXとして示している。後輪34の車軸を後輪軸Rax、前輪24の車軸を前輪軸Faxとして示しており、通常、両者は水平面において平行である。仮に、支軸AX(軸芯Cax)がこれらと平行(CPax)であるとすれば、支軸AXを中心に第1フレームFL1と第2フレームFL2を回動させたときに前輪24と後輪34とはトレッド面で突き当たり、
図6に示すように並列状態にはならない。しかし、
図7に示すように、支軸AXは後輪軸Raxと前輪軸Faxと平行な軸CPaxに対して角度θ1だけ斜めになっている。このため、支軸AXを中心として、第1フレームFL1と第2フレームFL2を回転させた時、折り重なる状態では第1フレームFL1と第2フレームFL2とが支軸AXに対して同角度θ1の2倍だけ斜めに開いた状態となるので、後輪34と前輪24は突き当たることなく、並列状態となる。また、このような折り畳み動作の場合、支軸40を真上に持ち上げる限り、常に前輪24と後輪34との間に重心が保持されるので、折り畳み操作は極めて容易である。他の折り畳み操作では、前輪側フレーム21と後輪側フレーム31とが水平面内で互いに回転するような動きをするものが多いが、回転し始めた直後に重心は前輪と後輪を結ぶ直線上から外れるので、折り畳み式自転車全体が倒れそうになる。そして、倒れないように気を配りながら、折り畳み操作をしなければならない。しかし、本発明の構造であれば、折り畳み式自転車の荷重は折り畳み前から前輪24と後輪34とで支持され、折り畳み操作中も前輪24と後輪34とで支持されつつ、重心も前輪24と後輪34とを結ぶ直線上から外れないので軽々と折り畳み操作を完了させることができる。
言い換えると、支軸40の近傍を持ち上げることにより、前後の車軸は、前輪24と後輪34とが接地状態のまま前後方向で近接し、重合状態に折り畳まれ、一連の動きで固定状態へと移行するので、折り畳み動作が楽になる。
【0017】
さらに、支軸AXを持ち上げる時に前輪24は後方に引き寄せられることになるが、フロントフォークのオフセットによるトレイル効果で、ハンドル23は自ずからほぼ直進方向に向けられる力を受ける。
【0018】
図8は、折り畳み式自転車の折り畳みの際の固定機構の仕組みを模式図により示している。
第1固定部材25は第1フレームFL1の前端付近に支持され、第2固定部材35は第2フレームFL2の後端付近に支持され、それぞれの支軸40までの距離が一致するように略等距離の位置に配置してある。この結果、折り畳み操作においては、第1固定部材25と第2固定部材35は支軸40を中心とする同径の円弧上を移動する。言い換えると、第1フレームFL1と第2フレームFL2とが折り畳まれる際に第1固定部材25と第2固定部材35が移動する軌跡はある時点で接続し、接続する時点で固定および離脱する。この動作により、固定機構である第1固定部材25と第2固定部材35は、第1フレームFL1と第2フレームFL2とが折り畳まれる際に第1固定部材25と第2固定部材35が移動する軌跡に沿って固定および離脱することになる。
このように、第1固定部材25と第2固定部材35は、折り畳み動作だけで合体する位置へと導かれるので、折り畳み作業性がよいといえる。
【0019】
図9は、折り畳み式自転車の固定機構の固定開始状態を斜視図により示し、
図10は、別視点の斜視図により示し(但しハブなどの部品は省略)、
図11は、別視点の斜視図により示している。
また、
図12〜
図15は第1固定部材の主要構成部品を斜視図により示しており、
図16〜
図20は第2固定部材の主要構成部品を斜視図により示している。
第1固定部材25は、いわゆるクイックリリース前輪軸の非操作側のナット機構の一部として形成されており、同ナットに対して回転可能に支持された断面が矩形状の係合片25aと、この係合片25aと一体的に大径となるように形成された同軸芯上の摘み部(ノブ)25bと、ナットとなるベース部25cとを備えている。摘み部25bは本来は円形の形状を基準にして形成されているので、係合片25aに対して大径となるように形成されているが、操作者が持ちやすくするべく、広がるように形成されていれば良く、円形である必要はない。また、後述する
図23に示すように、ベース部25cはナット状の部分25c2ととともに軸状の部分25c1とを備え、軸状の部分25c1で一体である係合片25aと摘み部25bの軸穴25a1を貫通しており、貫通した反対側の開口部分でボルト25dが螺合されている。ボルト25dは、ワッシャー25eとスプリングワッシャー25fを介して、係合片25aと摘み部25bとを回転可能としつつも、ベース部25cのナット状の部分に付勢している。ベース部材25cは固定されて静止しているため、摘み部25bと係合片25aは回転可能ではあるが、所定の力をかけない限りその回転角度位置を保持できるようになっている。このように簡易な構成で、回転は可能であるが、勝手に回転してしまわないので、意図的にロックする時には、ロック操作しやすく、かつ、折り畳み時に押し当てられることにより勝手に展開可能な位置へ回動することを防ぐことができる。
なお、断面が矩形状の係合片25aでは、短辺部の長さはW25shであり、長辺部の長さはW25lgであり、厚みはD25となっている。
【0020】
一方の第2固定部材35は、
図16に示すように、主にV字状の開口を形成する一枚の板材である先端部35aと、同先端部35aを後輪軸の近傍に取り付ける一枚の板材である車体取付部35cとにより、分割して構成されている。先端部35aのV字状の開口は切り込み状の誘導経路であり、長片35a1と短片35a2とによって形成され、両者が基部35a3にて連結された状態となっている。長片35a1と短片35a2は基部35a3から突き出ており、それぞれが本発明の突片に相当し、両者にてガイド部側突片を構成する。
また、基部35a3は長片35a1と短片35a2と反対の側で折り曲げ片35a4と接続している。長片35a1と短片35a2とが形成するV字状の開口幅については、開口端側で広く開口し、奥側に向かうにつれて幅狭となり、最も幅狭となる部分で概ね上述した係合片25aの短手方向の長さの幅W25shとなるように形成してある。従って、係合片25aの短辺部は誘導経路を通過可能となっているが、短辺部よりも長い長辺部は誘導経路を通過不能である。また、開口端側が広いので、係合片25aを受け入れやすくなっており、滑らかに奥側の突き当たりの部位までガイドする。この意味で、先端部35aはガイド部に相当する。
さらに、長片35a1と短片35a2と基部35a3とが接続する突き当たりの奥側では、上述した係合片25aの長辺部の長さW25lgの直径を有する略円形状に窪んだ凹部35bを形成している。長片35a1と短片35a2と基部35a3は折り曲げ片35a4を介して車体取付部35cとネジ止めされ、この車体取付部35cを介して後輪34の後輪軸の近傍にネジ止め固定されている。このネジ止め固定状態では、折り畳み時に長片35a1と短片35a2と基部35a3は概ね前輪とほぼ平行となるように配向されている。先端部35aと車体取付部35cはそれぞれネジ止め穴を有するがこれらが長穴形状としてある。このため、長穴方向に沿って固定位置を変位させることができる。すなわち、連結部位において長穴を介してネジ止めする構造は調整機構に相当し、この調整機構により、後述する係合位置を変位可能、言い換えると先端部の位置調整を可能としている。例えば、折り畳み機構やフレームにばらつきがあれば、当然係合位置は僅かながら変化する。そのような場合でも、かかる調整機構によってずれを吸収することが可能である。なお、後輪にもクイックリリース後輪軸を採用することが可能であり、この場合、車体取付部35cは、このクイックリリース後輪軸のナットでエンドに挟み込まれ、かつネジ止めして固定されることになる。
【0021】
凹部35bは板材の厚み方向(板厚方向)に、折り畳み時の前輪24の側に近づく方向に当該板材を窪ませて屈曲させた形状となっている。言い換えると、凹部35bは、摘み部25bから係合片25aの側に向かう方向に窪ませて形成されている。凹部35bは概ね円形ではあるが、長片35a1と短片35a2とが形成する開口において途切れた形状となっている。
また、長片35a1と短片35a2の先端部位は、この窪みの方向と反対側、すなわち、係合片25aと摘み部25bの回動軸の軸方向を基準として係合片25aから摘み部25bの側に向かう方向に反らせてあり、この反らせた部分を曲げ部と呼ぶ。
図18に示すように曲げ部の先端から凹部35bの最深部の底までの深さは、上述した係合片25aの厚みD25に略一致するような深さとしてある。このような寸法としてあるので、係合片25aはその長手方向と平行な方向に向けて長片35a1と短片35a2とが形成する開口内に侵入していくことが可能であり、その奥に形成してある円形の凹部35bに入り込むことができる。また、凹部35bの直径は係合片25aの長さW25lgに略一致しているので、回転することもできる。凹部35b内で係合片25aを回転させた場合、長片35a1と短片35a2とが形成する開口の幅よりも係合片25aにおける同開口に向けた投影長さ(幅)が大きくなるので、係合片25aは凹部35b内に固定されることになる。
上述した説明では係合片25aと同軸状に固定されている摘み部25bの説明を省略したが、摘み部25bは係合片25aが開口に入り込む際に、長片35a1と短片35a2の反り返っている先端によって係合片25aが凹部35bに入り込めるように、係合片25aの軸方向における位置合わせを行っている。すなわち、摘み部25bが長片35a1と短片35a2の反り返っている先端を超えるということは、同先端から凹部35bの最深部までの深さがD25となっていることから、係合片25aの厚みがD25分であっても凹部35b内の深さの範囲であり、長片35a1と短片35a2を形成する板材の厚み部分に干渉しないようにすることができる。なお、厳密には、長片35a1と短片35a2の反りの高さは異なっているので、段階的に位置合わせさせることができている。
【0022】
なお、折り畳み操作時、必ずしも係合片25aが長辺方向に向かって長片35a1と短片35a2とが形成する開口内に入ってくるとは限らない。しかし、開口自体は概ねV字状であるから、開口の幅は開口側で幅広となっており、奥に向かうほど幅狭となっている。
また、長片35a1の方が短片35a2よりも開口の軸線に向けて、すなわち、係合片25aが描く移動軌跡の側に向かって突き出ているので、仮に係合片25aが短辺の側から侵入してこないときには、係合片25aの長辺の側面が開口を形成する長片35a1に突き当たり、さらに侵入していく過程で係合片25aは回転させられ、自ずから係合片25aの短辺の側から開口内に侵入していくことになる。すなわち、係合片25aの回転位置にかかわらず、開口の奥の凹部35b内に入り込めるように誘導されることになる。すなわち、ロック部を構成する係合片25aは、突出した突片に接触して回動することにより、凹部35bに挿入可能な位置に短辺部が位置決めされるので、折り畳み時に位置合わせが不要となる。
【0023】
このような構成とすることにより、第1固定部材25が係合部となり、第2固定部材35が被係合部となる。また、長片35a1と短片35a2とが形成する開口は概ねV字状であり、係合片25aを奥へと誘導することから、被係合部は係合部を所定の位置へ誘導するガイド部を備えているといえ、ガイド部は係合部が移動する軌跡に沿って幅広から徐々に幅狭となる誘導経路を設けられているといえる。折り畳み軌跡に沿ってガイド部があることになるので、折り畳みと固定の際の作業性がよい。例えば、折り畳み操作時に本来の軌跡どおりに前輪側フレーム21と後輪側フレーム31とが回動せず、前輪軸近傍に固定されている係合片25aの軌跡が僅かにずれたとする。このような場合でも、開口側が幅広となっているので係合片25aは突片に突き当たってしまうことなく、スムーズに係合位置へとガイドされることになる。
【0024】
折り畳んでいく際に、係合片25aが長片35a1と短片35a2とが形成する開口内に入っていくが、係合片25aの回転位置を問わないとしても、前輪24の操舵角が大きいと入っていかないことが考えられる。すなわち、第1固定部材25と第2固定部材35は、前輪24が略直進方向に配向された状態で、前輪側フレーム21と後輪側フレーム31とが折り畳まれる際に当該第1固定部材25と第2固定部材35が移動する軌跡に沿って固定および離脱する。しかし、上述したようにフロントフォークの形状により、折り畳み操作によってハンドル23と共に前輪24はほぼ直進方向に配向されるので、実質的には折り畳む操作だけが必要であり、前輪24の舵角を人為的に調整する操作は必要としない。
【0025】
上述したように、折り畳み式自転車を折り畳んだ時点で係合片25aは凹部35b内へと誘導され、固定状態となるが、固定が完了しているわけではない。固定を完了させるためには、係合片25aを凹部35b内で回転させればよい。
図21は、折り畳み式自転車の固定機構の固定完了状態を側面図により示しており、
図22は、別視点の斜視図により示しており、
図23は、断面図により示している。また、
図24は、さらに別視点の斜視図により示している。
【0026】
いずれの図においても、係合片25aが凹部35bに入り込んだ状態で、摘み部25bを約90゜回転させている。上述したように係合片25aが凹部35b内で回転してしまうと、折り畳み状態を解消して展開させようとする力が作用したとしても、同係合片25aの短辺が長片35a1と短片35a2とが形成する開口の向きと一致しておらず、凹部35bから出ることができない。すなわち、固定機構によって前輪側フレーム21と後輪側フレーム31とはロックされていることになる。
すなわち、上述したガイド部における誘導経路の奥側の端部、すなわち、先端部35aで係合片25aがガイドされる突き当たりの係合位置には、前輪側フレーム21と後輪側フレーム31における展開方向への回動を規制するロック部を備えているといえる。そして、このような位置にロック部があることにより、折り畳み時、ガイド部の端部に突き当てた状態で固定でき、位置決めの操作が不要となる。また、このようなロック部の操作自体も、固定部位で摘み部25bを回動させるだけであり、極めて簡単な操作でロックすることが可能である。
【0027】
長片35a1と短片35a2の先端を反らせた状態として係合片25aの厚みが凹部35bの最深部までの深さと一致するようになっているので、
図23に示すように、摘み部25bは凹部35bの周囲における長片35a1と短片35a2の板面から浮き代dfだけ浮いた状態となっている。この結果、折り畳み式自転車の操作者は摘み部25bを持ちやすく、固定完了させるための操作をしやすくしている。 以上のように、第1固定部材25と第2固定部材35のそれぞれが前輪軸近傍と後輪軸近傍に固定されている結果、折り畳んだ状態で移動する転動時には、前輪24の操舵軸周りの回動を規制できることになる。そして、回動を規制された状態でスムーズに転動できるので、固定機構自体への負荷や前輪接地部でのばたつきなどが軽減され、相乗的に安定して転動できることになる。
【0028】
なお、展開操作をする時には、摘み部25bを回転させる。摘み部25bは円形ではなく、係合片25aの長辺方向に沿って周縁を切り欠いて形成している。これにより、摘み部25bを観察すれば係合片25aの向きが分かり、係合片25aの短辺が長片35a1と短片35a2の間となるように摘み部25bを回転させる。すると、支軸40を中心として前輪側フレーム21と後輪側フレーム31とを折り畳み操作と反対の方向に回転させることができ、展開状態で支軸40付近の支軸の固定機構で前輪側フレーム21と後輪側フレーム31を固定する。
【0029】
このように、本折り畳み式自転車は、第1可動部位である前輪側フレーム21に支持される第1固定部材25(係合部)と、第2可動部位である後輪側フレーム31に支持されて第1固定部材25と係合可能な第2固定部材35(被係合部)とから構成される固定機構を備え、折り畳み状態で固定することができる。また、被係合部は、折り畳み操作の過程で係合部を所定の係合位置へとガイドするガイド部(先端部35a)を備え、ガイド部にて係合部がガイドされる突き当たりの係合位置には展開方向へ前輪側フレーム21(第1可動部位)と後輪側フレーム31(第2可動部位)が回動することを規制するロック部を備えている。
【0030】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。