(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通信ステップは、前記ドライバソフトウェアモジュールが、前記最初の受信ステップにおいて受信された前記データ又はその一部を前記追加デバイスに送信することを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
前記ドライバソフトウェアモジュールは、前記POS端末から前記周辺デバイスの要件にフォーマットされたデータを受信し、前記追加デバイスから受信された前記修正されたデータは、前記周辺デバイスの要件にフォーマットされるか、又は、前記ドライバソフトウェアモジュールによって前記周辺デバイスの要件にフォーマットされる請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
前記周辺デバイスは、プリンタ(5)を備え、前記修正されたデータは、前記POS端末(3)から受信した前記データと、バーコード(50)とを含み、前記修正されたデータ及び前記バーコードは、前記プリンタに出力される請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
前記バーコードは、2次元コード又はQRコードであるか、若しくは、トランザクションサーバ(60)からトランザクションオファーを読み出すための識別子を有する、又はその両方である請求項7に記載の方法。
前記バーコードは、トランザクションデータのコピー、又は、トランザクションサーバからトランザクションデータのコピーを読み出すための識別子を有する請求項8に記載の方法。
前記ドライバソフトウェアモジュールは、前記POS端末からトランザクションアイテムデータを受信し、スキャナ(7)からバウチャー関連データを受信し、前記トランザクションアイテムデータ及びバウチャー関連データは、前記追加デバイスに通信され、前記トランザクションアイテムデータにおいて前記スキャンされたバウチャーに関連するトランザクションの存在を許容し、オファーの条件が満足されていることを検証する請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
小売業者は、販売活動を合理化し、小売業者が販売処理を行い、支払を取扱い、後に情報を読み出せるようトランザクションを記憶できるようにする販売時点情報管理ハードウェア及びソフトウェア(POSシステム)を使用している。POSシステムは、一般的に、内部ネットワーク接続を使用して制御サーバ(“バックオフィス”サーバ)に接続される販売時点情報管理端末を含む複数の要素を含む。スーパーマーケット等の大規模小売環境では、バックオフィスサーバと通信するこのようなPOS端末が複数ある場合もある。なお、バックオフィスサーバはローカルで(例えば店内で)又はリモートで(この場合POS端末はローカル通信ネットワーク及びインターネット等の追加の通信ネットワークを介してバックオフィスサーバと通信する可能性がある)配置されている可能性がある。
【0003】
POSシステムは小売業者にとって非常に高額な投資である。小売業者は、長期に渡る提案要請(RFP)プロセスの後にPOSプロバイダを選択し、一旦投資が行われると、POSシステムは頻繁にはアップグレードされない。
【0004】
POSシステムの機能性を拡張することは常に課題であったが、最近のクーポン券の流行と携帯電話の普及によって、小売業者には、できる限り早急にPOSシステムの機能性をサポートする方法を検討するように極めて大きな圧力がかかっている。POSシステムがクーポン券の発行及び引き換えをサポートするようにPOSソフトウェアを再設計及び開発すること、及びモバイルチャネルと一体化することがいつでも可能であることは明らかであるが、この選択肢はコストと時間が掛かる。
【0005】
図1は、POS端末3、レシートプリンタ5、バーコードスキャナ7、PINコードの入力用データ入力デバイス9(“PINパッド”)、バックオフィスサーバ11、及び支払処理サーバ13を備える販売時点情報管理システム1の典型的なPOS構成を示す。POS端末、バックオフィスサーバ11、及び支払処理サーバ13は、ネットワーク15(ローカルネットワーク、インターネット、又はその両方の混合であり得る)を介して互いに通信する。
【0006】
POS端末3は、製品データベース19と通信する販売時点情報管理アプリケーションソフトウェアモジュール17と、支払アプリケーションソフトウェアモジュール21を備える。
【0007】
販売時点情報管理アプリケーションソフトウェアモジュール17及び支払アプリケーションソフトウェアモジュール21は、各々、レシートプリンタ5及びスキャナ7と通信し、ネットワーク15を介してバックオフィスサーバ11及び支払処理サーバ13と通信する。
【0008】
販売時点情報管理アプリケーションソフトウェアモジュール17は、販売されるアイテムを一つずつ記録し、総合収支を計算し、予め設定されたプロモーションを開始し、次に複数の支払方法を受け付ける。典型的には、アイテムはスキャナ7を使用して入力される。外装に印刷されたバーコードを有するアイテムは、スキャナ7の正面に配置され、スキャナ7は、バーコードをスキャンし、このバーコードを入力としてPOSソフトウェアモジュール17に渡す。POSソフトウェアモジュール17は、ローカルデータベース19に問い合わせを行い、アイテムの価格を読み出し、この価格はスクリーン(
図1には図示せず)上に表示される。
【0009】
全てのアイテムがスキャンされると、レジ担当者は、顧客に、使用する好ましい支払の種類を尋ね、ユーザがカードでの支払いを選択すると、POSソフトウェアモジュール17は支払アプリケーションソフトウェアモジュール21に接続する。
【0010】
支払アプリケーションソフトウェアモジュール21は、外部デバイス9に、クレジットカードの詳細、及び、任意で、カードに関連するPINを取得させる。PINコードが必要でない場合は、支払アプリケーションソフトウェアモジュールは、磁気ストリップリーダ(デバイス9と一体化していてもよい)と連動してもよく、磁気ストリップリーダは、ユーザ又はレジ担当者がカードをストリップリーダに通すとカードの詳細を読み取る。
【0011】
トランザクションに対する支払いが済んだ時点で、POSアプリケーションソフトウェアモジュール17は、このトランザクションの詳細をフォーマットし、レシートプリンタ5に送信する。多くの場合、2つ以上のレシートが印刷される。1枚は顧客用、1枚は小売業者用である。なお、小売業者用のレシートのコピーは、顧客用のレシートよりも多くの情報を含んでいる可能性がある(例えば、顧客用のレシートが使用したカードの下4桁の数字しか含まないのに対して、カードの全詳細を含む)。
【0012】
支払アプリケーションソフトウェアモジュール21は、カードを認証し、PINを検証し、このカードによる支払を認可する。これは、ネットワーク接続15上で支払プロセッサ13にアクセスすることによって行われる。支払プロセッサ13は、小売業者の店舗内外でホストされる場合があり、小売業者の店舗外でホストされる場合、支払アプリケーションソフトウェアモジュール21から支払プロセッサ13へのネットワーク経路は、小売業者のローカルコンピュータネットワークから離れ、インターネット又はその他の通信ネットワーク(例えば、専用通信ネットワーク又はモバイル通信ネットワーク)を用いてもよい。また、ネットワーク15は、POSアプリケーションソフトウェアモジュール17によって、トランザクションの詳細をバックオフィスサーバ11に送信するために用いられる。
【0013】
POSアプリケーションソフトウェアモジュール17は、典型的には、商品オペレーティングシステム(例えばMicrosoft Windows又はLinux)上で動作する。POS端末3の外部の各デバイスは、標準コネクタ、即ち、シリアル、パラレル、USB、又はイーサネットポートを使用してマシンに接続される。POSソフトウェア及び支払ソフトウェアのベンダと外部デバイスのベンダとの相互運用性を単純化するため、Microsoft、NCR、Epson、及びFujistu−ICLによる企業コンソーシアムが各デバイス間のインターフェースを規格化した。これらの規格は典型的にはJava又はCOM technologiesにおいて実施され、JAVAPOS又はOPOSの名前で知られている。
【0014】
なお、OPOSは、コンポーネントオブジェクトモデル(COM)技術を使用するWindows(登録商標)オペレーティングシステム用の相互運用性規格の実施である。OPOSは、サービスオブジェクトと呼ばれる一組のライブラリにおいて、各デバイスのインターフェースを定義する一組の制御オブジェクトと、上記インターフェースを実施する一組のサービスオブジェクトを定義する。典型的には、サービスオブジェクトはハードウェアプロバイダ(例えば、プリンタであればEpson)によって提供される。
【0015】
JAVAPOSは、JAVA言語における規格の実施である。JAVAPOSは、OPOSと同じアーキテクチャを使用し、一組のJAVAクラスがAPIのインターフェースを定義し、他の一組のJAVAクラスがサービスオブジェクトと呼ばれるこれらインターフェースの実施を定義する。典型的には、メーカーはJAVAにおけるこれらサービスオブジェクトの実施を提供する。
【0016】
図2は、物理デバイス23(例えば、
図1のプリンタ5又はスキャナ7)とPOSアプリケーションソフトウェアモジュール17との間のインターフェースとなるように用いられるOPOSのコンポーネントの典型的なレイアウトを示す。POSアプリケーションソフトウェアモジュール17は、標準OPOSアプリケーションプログラミングインターフェース(API)30を使用して物理デバイス23にアクセスするよう配置される。POSアプリケーションソフトウェアモジュール17と物理ハードウェアデバイス23との間の通信は、OPOSデバイス32(実際はPOS端末3内のソフトウェアスタックである)によって処理される。
【0017】
OPOSデバイスは、POSアプリケーションソフトウェアモジュール17に対するインターフェースを提供するOPOSデバイス制御モジュール34と、デバイス23への通信を提供するOPOSデバイスサービスモジュール36を備える。
【0018】
OPOSデバイスサービスモジュール36は、物理デバイス23の細部を実施し、典型的にはハードウェアベンダによって提供される。例えば、レシートデータを印刷するため、POSアプリケーションソフトウェアモジュール17は以下の方法を呼び出す。即ち、PrintNormal(Interger Station, String DataToBePrinted):パラメータ“Station”で指定されたステーションに対して“DataToBePrinted”で指定されたデータを印刷する。POS端末3に取付けられた下位プリンタに関係なく動作することが保証される。
【0019】
スキャナ7にも同様のAPIが存在する。例えば、POS端末3に取付けられたスキャナに関係なく、“ScanData”と呼ばれるスキャナのプロパティは、スキャンされたデータを常に保持する。POSアプリケーションソフトウェアモジュール17は、スキャナからreadイベントを受信し次第、このデータを読み出すことができ、スキャンされたアイテムのバーコードを保持することが保証される。
【0020】
また、
図2のレイアウトによく似た配置を用いてPOSソフトウェアモジュールをハードウェアデバイスにインターフェースするためのJAVAPOSシステムを記述してもよい。
【0021】
POSアプリケーションソフトウェアモジュール17によって送信されるデータストリームにアクセスするには、そのデータにアクセスするために適切なコードを追加できるようアプリケーションを変える必要がある。
【0022】
なお、小売業者は、顧客を把握する方法、多くのチャネルによって顧客に到達する方法、顧客と関わるための追加のチャネルとして携帯電話を利用する方法、店舗における顧客の経験に関する情報を収集する方法を模索している。典型的に、これらはいずれもPOSソフトウェア及びハードウェアの大きな変更を必要とする。
【0023】
例えば、顧客に関する情報を収集できるように、小売業者は、ロイヤルティカードを使用して顧客のプロフィールを構築する。ロイヤルティカードは普及しているが、管理コストが非常に高い。ロイヤルティカードに必要なITインフラを管理するだけで600万ポンドを超えるコストが掛かる。ロイヤルティカードに関連するオファーは未だに郵便を使用して送らなければならず、これはコストが掛かるだけでなく、事前の入念な計画が必要である。即ち、小売業者は、どのようなオファーをどれだけの数量で提供すべきかを知る必要がある。更に、オファーが期待通りに機能していない場合、キャンペーン中に軌道修正する方法がない。
【0024】
リアルタイムで顧客にオファーを提供するために、小売業者は、第2のプリンタを使用して販売時点情報管理レジにてクーポン券を印刷する方法を選択する場合がある。しかしながら、この方法を実施する小売業者は、ロイヤルティカードスキーム、カラープリンタ一式、及び非常にコストの掛かる対象ソフトウェアを運用する必要がある。この小売業者によって使用されるタイプのプリンタ1台の小売価格は数百ポンドもし、従って、この方法では、多数の販売時点情報管理端末を備える大きい環境であればあるほどコストが掛かる。
【0025】
従って、標準的な販売時点情報管理環境の修正は、トランザクションデータへのアクセス(従ってPOSハードウェア及び/又はソフトウェアを修正する必要がある)と、トランザクションデータをロイヤルティカードと関連付けることと、他のソフトウェアに第2のプリンタでオファーを印刷させることとを保証することが重要であることが分かる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
従って、本発明の目的は、新しいハードウェアの追加を必要とせず、かつPOSプロバイダプロプライエタリソフトウェアモジュールの修正を必要とせずに、販売時点情報管理システムの機能性を修正/強化するためのメカニズムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明の第1の態様によれば、販売時点情報管理(POS)システムを運用する方法であって、前記POSシステムは、小売業者がトランザクション環境内でトランザクションを処理できるようにするためのソフトウェアモジュールを有するPOS端末と、前記POS端末と通信する周辺デバイスとを備え、前記POSシステムは、前記ソフトウェアモジュールと前記周辺デバイスとの間にドライバソフトウェアモジュールを更に備え、前記方法は、前記ソフトウェアモジュールと、前記POS端末に通信する前記周辺デバイスとの間で送信されたデータを前記ドライバソフトウェアモジュールにて受信すること、前記ドライバソフトウェアモジュールにて受信された前記データに応じて追加デバイスと通信すること、前記追加デバイスから修正されたデータを受信すること、及び前記修正されたデータを出力することを含む方法が提供される。
【0028】
典型的な販売時点情報管理(POS)システムは、例えばスーパーマーケットの精算レーンのレジにおける、基本的にはコンピュータであるPOS端末を備える。このPOS端末は、インストールされた1つ以上のソフトウェアモジュールを有する(“小売業者がトランザクション環境内でトランザクションを処理することを可能にするためのソフトウェアモジュール”を“POS端末ソフトウェアモジュール”とも呼ぶ)。例えば、このPOS端末は、上述した販売時点情報管理アプリケーションソフトウェアモジュール及び支払アプリケーションソフトウェアモジュールを備える。従来の構成において、これらのソフトウェアモジュールは、スキャナやプリンタ等の1つ以上のハードウェアデバイスと通信する。
【0029】
このソフトウェアモジュールは、販売時点情報管理ソフトウェアプロバイダのプロプライエタリすなわち、小売業者が修正したり変更したりできないクローズドなソフトウェアコンポーネントである。同様に、ハードウェアデバイスも小売業者が容易には修正したり変更したりできないプロプライエタリデバイスである可能性がある。
【0030】
従って、典型的なPOSシステムのセットアップを変更することは、技術的にも経済的にも重要な課題である。
【0031】
しかしながら、本発明は、プロプライエタリソフトウェアモジュールとハードウェアデバイス(周辺デバイス)との間のデータ通信路にインストールされるよう構成された追加のソフトウェアコンポーネント、すなわち、前記ドライバソフトウェアモジュールを備えることによってPOSシステムの機能性を変更するためのメカニズムを提供する。このように、例えばPOSアプリケーションソフトウェアモジュールからプリンタへの又はスキャナからPOSアプリケーションソフトウェアモジュールへの通信はすぐに傍受され、データは、例えばローカル又はリモートにあるサーバ又はコンピュータなどの“追加デバイス”に転送され、それ以外の場合は修正される。このように、POSシステムの機能性は、以前の方法の欠点がないよう強化される。ドライバソフトウェアモジュールは、POS端末上にある(インストールされる)と都合がよい。
【0032】
前記POS端末は、販売時点情報管理アプリケーションソフトウェアモジュールを備え、ドライバソフトウェアモジュールで受信された前記データは、トランザクションデータを含むことが好ましい。このような例では、前記ソフトウェアモジュールは、トランザクションアイテムの詳細を備えるデータベースと通信する。前記POS端末は、支払アプリケーションソフトウェアモジュールも備え、ドライバソフトウェアモジュールで受信された前記データは、前記POSシステムによって処理された前記トランザクションに関する支払データを含む。
【0033】
追加デバイスとの前記通信ステップは、前記ドライバソフトウェアモジュールが、最初の受信ステップにおいて(POS端末ソフトウェアモジュール又は周辺デバイスから)受信されたデータ又はその一部を、前記追加デバイスに送信することを含むことが好ましい。前記ドライバソフトウェアモジュールは、受信したデータを、修正せずに前記追加デバイス(例えばリモートサーバ)に転送する。或いは、追加の情報をアペンド又はプリペンドしてもよい。更に、前記ドライバソフトウェアモジュールは、受信したデータの抽出又は処理バージョンを転送するだけでもよい。
【0034】
前記ドライバソフトウェアモジュールは、前記POS端末ソフトウェアモジュールから前記周辺デバイスの要件にフォーマットされたデータを受信することが好ましい。後で前記追加デバイスから戻される修正されたデータは、前記追加デバイスによって周辺デバイスの要件にフォーマットされてもよく、又は、修正されたデータは、ドライバソフトウェアモジュールによって周辺デバイスの要件にフォーマットされてもよい。このように、周辺デバイスの視点からは、周辺デバイスは、正確にフォーマットされたデータが標準POSソフトウェアモジュールから生じたかのように受信しているので、ドライバソフトウェアモジュールを確認しない。
【0035】
前記追加デバイスは、リモートにあるサーバでもよい。このように、トランザクションデータ又はトランザクションデータに関する詳細は、リモートサーバに送信され、そこで、オファーの条件が満たされているかを確認する又は追加のサービスを提供(例えばロイヤルティスキームをホストする)ために、処理される(例えばトランザクションデータ内の特定のトランザクションアイテムの存在を有効化する)ことができる。これは、潜在的にあらゆる小売環境において消費者が行うあらゆるトランザクションをロイヤルティスキーム内に含まれることができるよう小売業者から独立した(言い換えれば小売業者はスキーム自体に関与しなくてもよい)ロイヤルティスキームに消費者がサインアップすることができるという利点を有する。
【0036】
前記周辺デバイスは、スキャナやプリンタ、又はタッチパッドやディスプレイデバイスなどの他のデバイスを備えることが好ましい。
【0037】
前記周辺デバイスがプリンタである場合、前記修正されたデータは、前記POS端末から受信された前記データ、及び前記追加デバイスによって追加されたバーコードを備える。トランザクションデータ及びバーコードは、次に、レシートを印刷するためにプリンタに出力される。このように、消費者には、前記追加デバイスから供給されたバーコードを介して消費者のトランザクションに関する情報にアクセスする手段が提供される。例えば、バーコードは、消費者がレシートのデジタルコピーを(例えば、スマートフォンやタブレットの“アプリ”などの適切に装備されたモバイルデバイスでバーコードを読み取ることによって)復元できるようにトランザクションデータのコピーを含む。また、バーコードは、オンラインに保持された情報(例えば、トランザクションサーバの保持されたオンラインにおけるトランザクションのコピー)用又はリモートコンピューティングデバイスにアクセスして追加のサービスにアクセスするための(例えば、ロイヤルティスキーム、又はトランザクションサーバからトランザクションオファーを読み出すための、又は消費者が回答するアンケートを読み出すための)識別子を有してもよい。ある実施形態では、消費者は上記機能の全てにアクセスすることができる。
【0038】
前記バーコードは、2次元コード又はQRコードであることが好ましい。
【0039】
なお、小売環境においては、小売業者自身のオファーの一部ではない(例えば、Sainsbury’s(登録商標)において使用されるCoca−Cola(登録商標)からの飲料のオファー)紙又は携帯電話によるオファーバウチャーの誤認に関する問題がある。実際に持ってこられたアイテムとオファー(小売業者のバックオフィスシステム上に存在しない)を一致させる簡単な方法がないため、小売業者が誤認してしまうバウチャーが多い。
【0040】
この問題に対処するため、前記ドライバソフトウェアモジュールは、バウチャーバーコードをスキャンしたスキャナ周辺デバイスからデータを受信する。前記バーコードは、次に、一意識別子に関して分析され、前記ドライバソフトウェアモジュールは、リモートにあるサーバデバイスと通信して前記一意識別子を有効化する。このように、ドライバソフトウェアモジュールがトランザクションデータの詳細(POSアプリケーションソフトウェアモジュールから受信した)をリモートサーバに更に提供し、リモートサーバが、スキャンされたバウチャーに対してトランザクションデータのコンテンツを分析する能力を有するように構成されるので、消費者が小売環境に持ち込む紙によるバウチャーは正確に処理される。このようにして、小売環境におけるバウチャーの誤判別を回避することができる。また、小売業者自身のロイヤルティスキーム又は社内オファーの一部ではないバウチャーを小売業者が受理して処理するメカニズムが提供される。従って、前記追加デバイスから戻される前記修正されたデータは、前記バウチャーバーコードを備え、前記ドライバモジュールは前記修正されたデータを前記POS端末に出力する。また、前記ドライバモジュールは、前記追加デバイスから受信する前記修正されたデータを前記POS端末の要件にフォーマットするように構成されることが好ましい。
【0041】
上述のように、前記ドライバモジュールは、前記追加デバイスに、スキャナでスキャンされたバウチャーバーコードの詳細と、POS端末によって記録されたトランザクションのトランザクション詳細を送信し、これらの詳細が処理されて確認されるようにすることが好ましい。
【0042】
前記ドライバソフトウェアモジュールは、POS端末からトランザクションアイテムデータを受信し、スキャナからバウチャー関連データを受信する。前記トランザクションアイテムデータ及びバウチャー関連データは、次に、前記追加デバイスに伝達され、オファーの条件が満足されていることを検証するために、前記トランザクションアイテムデータにおける前記スキャンされたバウチャーに関連するトランザクションの存在を許容することができる。
【0043】
前記ドライバソフトウェアモジュールは、様々な方法でPOSシステムに組み込まれることが好ましい。
【0044】
前記POS端末が、周辺デバイスの動作を制御するように構成されたドライバスタックを備える場合、前記ドライバソフトウェアモジュールはドライバスタック内のフィルタドライバとして構成される。
【0045】
前記POS端末がOPOSデバイス(OPOSデバイス制御モジュール及びOPOSデバイスサービスモジュール)を備える場合、前記ドライバモジュールは、OPOSデバイス制御モジュールとOPOSデバイスサービスモジュールとの間に位置する。JAVAPOS環境では、前記ドライバソフトウェアモジュールは、JAVAPOSデバイス制御モジュールとJAVAPOSデバイスサービスモジュールとの間に位置する。或いは、前記ドライバソフトウェアモジュールは、JAVAPOS又はOPOS層において論理サービスオブジェクトとしてインストールされるように構成されてもよい。
【0046】
データがプリンタドライバによってハイレベルでラスタライズされる場合、前記ドライバソフトウェアモジュールはAPIフックを備える。
【0047】
前記ドライバソフトウェアモジュールによって出力される前記修正されたデータは、複数の宛先、例えば、前記POSシステムの一部である前記周辺デバイス(例えば、プリンタ、スキャナ、ディスプレイ、支払端末など)に又は追加の周辺デバイス(例えば、補助プリンタ)に出力される。前記修正データの1つ以上の宛先デバイスは、近距離通信可能なデバイスでもよく、次に、前記修正されたデータは、前記POS端末からNFC通信を介して宛先デバイスに送信される。前記修正されたデータは、トランザクションデータ、ユーザに渡されるクーポン券/バウチャーに印刷するためのデータ、消費者/顧客に関するデータ、小売業者に関連するデータ、プリンタデバイスのためのフォーマットデータ(例えば、両面印刷又はカラー印刷の指示)、及びその他の種類のデータを備える。
【0048】
前記ドライバモジュールは、データパーサモジュールを備えると都合がよい。
【0049】
上述の本発明は、小売業者が、POS又は支払処理ソフトウェアを変更せずに、レジで使用されることを目的とするクーポン券、QRベースのロイヤルティ、及び支払カードロイヤルティの全てに対して小売業者のPOSを拡張することができるようにする技術である。
【0050】
本発明の第2の態様によれば、販売時点情報管理(POS)端末であって、前記POS端末は、当該POS端末が周辺デバイスと通信するトランザクション環境内で小売業者がトランザクションを処理できるようにするためのソフトウェアモジュールと、前記ソフトウェアモジュールと前記周辺デバイスとの間にインストールされたドライバソフトウェアモジュールとを備え、前記ドライバソフトウェアモジュールは、前記ソフトウェアモジュールと前記POS端末に通信する前記周辺デバイスとの間に送信されたデータを受信し、前記ドライバソフトウェアモジュールにて受信された前記データに応じて追加デバイスと通信し、前記他のデバイスから修正されたデータを受信し、前記修正されたデータを出力するように構成される販売時点情報管理(POS)端末が提供される。
【0051】
本発明の第3の態様によれば、販売時点情報管理(POS)システムの機能性を強化する方法であって、前記POSシステムは、小売業者がトランザクション環境内でトランザクションを処理できるようにするためのソフトウェアモジュールを有するPOS端末と、前記POS端末に通信する周辺デバイスとを備え、前記方法は、前記ソフトウェアモジュールと前記周辺デバイスとの間にドライバソフトウェアモジュールをインストールすることを含み、前記ドライバソフトウェアモジュールは、使用中に、前記ソフトウェアモジュールと前記POS端末に通信する前記周辺デバイスとの間で送信されるデータを受信し、前記ドライバソフトウェアモジュールにて受信された前記データに応じて追加デバイスと通信し、前記追加デバイスから修正されたデータを受信し、前記修正されたデータを出力するように構成される方法が提供される。
【0052】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第2の態様に従うPOS端末と通信するトランザクションサーバを運用する方法であって、前記POS端末からデータを受信すること、修正されたデータを生成するために前記データを処理すること、前記修正されたデータを前記POS端末に出力することを備える方法が提供される。
【0053】
前記POS端末から受信されるデータが、トランザクションアイテムデータ及びバウチャー関連データを備える場合、前記処理ステップは、オファーの条件が満たされていることを確認するために前記トランザクションアイテムデータにおけるスキャンされたバウチャーに関連するトランザクションの存在を判断することを含むことが好ましい。
【0054】
前記POS端末から受信されるデータは、ロイヤルティ及び支払カード情報と一緒に記憶されるトランザクションデータを備えることが好ましい。
【0055】
前記POS端末から受信される前記データは、(オンラインサインアップ処理における消費者に関連する支払カードから順に導出される)消費者識別子に対して記憶されるトランザクションデータを備えてもよい。前記トランザクションサーバは、前記トランザクションサーバに記憶されるトランザクションデータのリクエストをモバイルデバイスから受信する。前記モバイルデバイスは、前記トランザクションサーバ上に記憶された前記トランザクションデータを突き止める識別子に関するレシート上のバーコードをスキャンするように構成されたバーコードスキャニングアプリケーションを備える。
【0056】
代替的な構成では、モバイルデバイスは、レシートに印刷されたバーコードからトランザクションデータを取得し、このデータが、ロイヤルティサインアップデータと共に前記トランザクションサーバにアップロードされる。
【0057】
前記トランザクションサーバは、特定の消費者又はモバイルデバイスに関する現在及び将来のトランザクションデータを記憶するように構成される。このように、経時的な消費者のトランザクション傾向がトラックされ、それにより、複数のトランザクションオファーを提供することができるようになる(例えば、クレジット又はその他の種類の褒賞を受けるために所定の期間X個のアイテムを購入するように消費者に要求するオファーが行われる。トランザクションデータを送信してトランザクションサーバで記憶することにより、このような複数のトランザクションオファーが可能になる)。
【0058】
当然のことながら、本発明の第1の態様の好適な及び/又は任意の特徴は、単独で又は適宜組み合わせて、本発明の第2、第3、及び第4の態様に設けられてもよい。
【0059】
本発明は、本発明の第1の態様の方法を実行するためにコンピュータ又はPOS端末を制御することを目的としてコンピュータ可読コード保有用キャリア媒体、及び本発明の第1、第3、及び第4の態様の方法を実行するためにサーバを制御することを目的としたコンピュータ可読コード保有用キャリア媒体に及ぶ。
【0060】
上述のように、本発明の態様は、販売時点情報管理又は支払処理ソフトウェアを修正することなく全ての又は一部の支払カード番号又はロイヤルティカード又はこれらの任意の派生物をレシートに印刷されるようなトランザクションの詳細と関連付けるために任意の既存の販売時点情報管理システム及びサポートする支払処理システムを拡張する方法を提供する。全て若しくは一部のカード番号、その派生物又はロイヤルティカードは夫々顧客のプロキシとして使用され、オファーエンジンは、そのカード所有者に送信する適切なオファーを選択する。オファーは、レシートの印刷に使用される同じプリンタを使用してレジにてクーポン券として印刷される。オファーは、レシートプリンタ以外の補助プリンタで(ドライバソフトウェアモジュールの動作によって)印刷されてもよい。関連オファーは、POSと顧客のモバイルデバイスとの間の任意の接続を使用して顧客に送信される。レシートに印刷されたトランザクションデータは、ユーザのモバイルデバイスのレジへの任意の接続を使用してモバイルデバイスに送信される。本発明は、販売時点情報管理又は支払処理ソフトウェアを修正することなくレシートプリンタに送信されるデータのコンテンツを傍受して修正するために任意の既存の販売時点情報管理システムを拡張する方法を提供する。レシートデータは傍受され、修正され、レシートに印刷された追加のコードと共にレシートプリンタに送信されてもよい。このコードは、モバイルデバイスを稼働させるアプリケーションを使用することによって自動的に読み取られ又はモバイルデバイスに手作業で入力され、デジタルフォーマットのレシートを復元するように構成されてもよい。追加コードは、モバイルデバイスに読み取られ、次にモバイルデバイス上で動作するアプリケーションによって、ユーザを現在のトランザクションと関連付け、ユーザに関連するトランザクションの履歴を構築するように使用されてもよい。このコードはモバイルデバイス上で動作するアプリケーションによって処理され、ユーザには、褒賞、フィードバックのリクエスト、又はレビューのリクエストが提示されてもよい。このコードは、使用された支払カード、又はロイヤルティカードをエンコードし、モバイルデバイス上で動作するアプリケーションが、使用された支払カード又は使用されたロイヤルティカード(又は任意のそれらの派生物)を復元すること及びこれらのカードを使用してユーザをこれらのカードのいずれかが使用される任意のトランザクションと関連付けることができるようにしてもよい。リクエストされた褒賞又はフィードバックは、現在のバスケット内のアイテム、現在のトランザクションに対する総支出金額、任意の期間の購入又は褒賞の履歴を条件としてもよい。スキャナデータが傍受される場合、バーコードは外部のアプリケーションによって確認され、POSアプリケーションが理解するコードに変換されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本発明がより容易に理解されるように、本発明の好適な非制限的な実施形態を添付の図面を参照して以下に記述する。
【0063】
図3は本発明の第一の実施形態を示す。なお、同様の番号を使用して全請求項に渡る同様の特徴を示す。
【0064】
図3に描かれたアーキテクチャは、
図2の既知のOPOSアーキテクチャと同様である。ここではOPOSデバイス32が更に、OPOSデバイス制御モジュール34とOPOSデバイスサービスモジュール36との間に位置される仮想物理ドライバソフトウェアモジュール40を備える。
【0065】
ドライバソフトウェアモジュール40を含むことにより、POSアプリケーションソフトウェアモジュール17又は支払アプリケーションソフトウェアモジュール21と物理デバイス23との間のデータ通信をモニタリングして傍受することができる。ドライバソフトウェアモジュール40は、POSシステム1の外部から生じるデータ通信が、OPOSデバイス32に挿入され、物理デバイス23又はPOSアプリケーションソフトウェアモジュール17/支払アプリケーションソフトウェアモジュール21にルーティングされるようにする。このように、トランザクションに関する情報がPOSシステム1から抽出され、追加情報がPOS端末3と物理デバイス(5,7)との間の通信路に追加されることができる。
【0066】
より詳細には、仮想ドライバソフトウェアモジュール40は、以下の通りにインストールされ動作される。
【0067】
インストールステップでは、OPOSデバイス制御ソフトウェアモジュール34とOPOSデバイスサービスソフトウェアモジュール36との間に存在するよう仮想物理ドライバソフトウェアモジュール40はPOS端末3にインストールされる。
【0068】
第1の動作ステップでは、POSアプリケーションソフトウェアモジュール17又は支払アプリケーションソフトウェアモジュール21から物理デバイス23に渡される各コマンドは、モニタリングされ、データストリームパーサモジュール42に渡される。
【0069】
第2の動作ステップでは、データストリームパーサモジュール42は、データをパースして、トランザクションアイテムのリスト;総支出金額;何らかのプロモーションの詳細;レジ担当者名又はID、及び/又はその他の関心データを作成する。データストリームパーサ42は、正規表現パーサを使用して実現される。また、ストリームパーサ42は、使用されたカードの詳細(カード番号の下4桁の数字及び有効期限等の部分的な詳細、又は、可能な場合は全詳細)をパースする。なお、支払アプリケーションソフトウェアモジュール21がスタックOPOSデバイス32を使用するので、仮想物理ドライバモジュール40は小売業者のレシートを印刷する場合に使用される任意の追加の情報も傍受することができる(小売業者のレシートはカードの全詳細を含む)。
【0070】
第3の動作ステップでは、仮想物理ドライバモジュール40は、上記の第2のステップで導出されたカード及びトランザクションデータをサードパーティシステム44に渡すことができる(以下で言及されるサーバ60又は64がサードパーティシステムを表す)。
【0071】
第4の動作ステップでは、サードパーティシステム44は、修正されたデータを仮想物理ドライバモジュール40に返し、次に、この修正されたデータは、OPOSデバイスサービスソフトウェアモジュール36を介して物理デバイス23に供給されることができる。物理デバイス23がレシートプリンタ5である場合、修正されたデータ(又はその一部又はその説明)が顧客のレシートに印刷される。
【0072】
一例では、サードパーティシステム44はオファーエンジンであり、オファーエンジン内で予め設定されたルール(例えば、20ポンドよりも多く支出した顧客にオファーを提供する)に応じて、オファーエンジンは、オファーを発生して、そのオファーを仮想物理ドライバモジュール40に渡し印刷する。標準のレシートデータ(例えば、店舗の詳細、トランザクションアイテム、トランザクションの詳細など)が印刷されると、仮想物理ドライバモジュール40は、上記で受信されたオファーをPOSシステムのレシートプリンタ5で印刷することができる。
【0073】
上記の仮想物理ドライバモジュール40は、既存のPOSハードウェアを変更することなく使用して以下の事項を達成することができる。
・POSアプリケーションソフトウェアモジュール17の修正を必要とすることなくトランザクションの詳細を傍受し;
・既存のハードウェア(即ち、レシートプリンタ5)を使用してサードパーティシステム44から顧客に情報を提供し;
・トランザクションの詳細をカードの詳細と関連付けることによって、サインアップやロイヤルティカードを使用することなくロイヤルティスキームを運用することができる。
【0074】
なお、POS端末ソフトウェアモジュール(POSアプリケーションソフトウェアモジュール17又は支払アプリケーションソフトウェアモジュール21)は、特定の状況において、OPOS又はJAVAPOSインターフェースを用いずに物理ハードウェアデバイスと直接通信することができる。従って、2つの代替的な構成が考えられる。(i)ソフトウェアモジュール(17,21)は、ESC/POS(レシートプリンタを駆動するために使用されるコマンド言語)又は同様の言語を使用して、ハードウェアデバイスのシリアルポートに又はUSBデバイスに直接書き込むことができる、又は(ii)ソフトウェアモジュールは、ハイレベル印刷API(例えばWindows印刷アーキテクチャ用)を使用して、ラスタライズされたデータを、接続されたハードウェアデバイスに送信することができる。
【0075】
上記構成(i)では、プリンタに送信されたデータはレシートのデジタルコピーであり、テキストとしてパースされることができる。上記構成(ii)では、プリンタに送信されたデータはバイナリであり、パーシングプログラムはトランザクションの詳細を容易には復元できない。
【0076】
構成(i)では、仮想ドライバソフトウェアモジュール40は、
図31及び
図32に示すようなフィルタドライバとして実施されることができる。
図31は、アプリケーション17、21がデバイスドライバ504及び上位(508)及び下位(508)フィルタドライバを介して物理デバイス(5,7)でデータを読み書きするユーザ空間500及びカーネル空間502を備える本発明の一実施形態に従う修正前の既知のPOS端末環境を示す。
【0077】
なお、フィルタドライバは、周辺デバイスに値を追加する、又はコンピューティングデバイスにおける専用デバイスをサポートするMicrosoft Windowsドライバである。フィルタドライバは、既存のドライバスタックに挿入されて特定の機能を行うドライバ/プログラム/モジュールである。フィルタドライバは、既存のドライバスタックの通常の動作に大きな影響を及ぼすべきではない。Microsoft(登録商標)又はハードウェアのベンダによって書き込まれるので、フィルタドライブはWindows(登録商標)に幾つ追加されてもよい。上位フィルタドライバはデバイスの一次ドライバ(ファンクションドライバ)よりも上位にあり、下位フィルタドライバはファンクションドライバよりも下位且つバスドライバよりも上位にある。
【0078】
フィルタは、マウスやキーボード等の特定のブランドのデバイス上で動作、又は、マウスやキーボード等のデバイスクラス上である操作を行うことができる。他のタイプのフィルタドライバはバスフィルタドライバであり、バスドライバの上位に追加される。例えば、各デバイスの電力管理をサポートするためにACPIバスフィルタが追加される。
【0079】
図32を参照すると、本発明の一実施形態が示されており、仮想デバイスソフトウェアモジュール40は、上位フィルタドライバ506より下位又は下位フィルタドライバ508より下位のフィルタドライバとして実施されることが分かる。
【0080】
構成(ii)では、仮想ドライバは、それ自体のAPIフックを用いてオペレーティングシステムによって提供される元のAPIを接続するライブラリとして実施される。仮想ドライバ40は、次に、
図33及び34に示すように、オペレーティングシステムによって提供される元のライブラリ520にAPIの呼び出しを転送することができる。
【0081】
ほとんどのOPOS又はJAVAPOSサービスオブジェクトは、最終的にはOSにインストールされたハードウェアドライバを使用してハードウェアと通信する。この場合、仮想ドライバソフトウェアモジュール40は、フィルタドライバとして、JAVAPOS又はOPOS層にインストールされると有益である。それは、フィルタドライバを追加するためにドライバスタックを変更することは、追加の仮想デバイスをスタックに受け入れるためにJAVAPOS及びOPOS層の構成を変更するよりも簡単であるからである。
【0082】
上述のように、仮想物理ドライバモジュール40は、トランザクションの最後に顧客が受け取るレシートにデータが印刷されるようにする。また、これによって、以下のレシートの操作を行うことができる。
1.バーコード50(例えばQRコード)がレシート52の最後に印刷され、このQRコードは、全トランザクションをエンコードする、又はトランザクションを識別する識別子として機能し、QRコードが顧客のモバイルデバイス54(例えばスマートフォン)によってスキャンされると、レシートのデジタルコピーが顧客の所有するモバイルフォン上で復元され表示される。
図4はレシート52を復元する処理を示す。レシートが大き過ぎる場合、簡単な識別子がQRコード内に印刷され、モバイルデバイス上のモバイルアプリケーション56がこの識別子を使用してリモートにあるトランザクション記憶60からトランザクションデジタルコピーを取ってくることができる。なお、
図4の例では、仮想ドライバモジュール40は、更に、レシート52に印刷された情報を操作すると共にトランザクション記憶60へトランザクションデータを送信する。
2.バーコード50(例えばQRコード)がレシート52の最後に印刷され、このコードが顧客によってスキャンされると、顧客には、小売業者から提供された製品又はサービスに対するレビューに関する質問のアンケート62が提示されるようになっている。顧客に提示されたレビューは、レシート52に印刷された詳細と相関し、レシート上の各アイテムの詳細な採点(例えば、レジ担当者、持ち込まれたアイテムを採点する、トランザクション日に基づいて採点する、店舗を採点し、これらのいずれに関しても顧客に明示的に直接尋ねることはない)を作成する。また、レビューに関する質問は、持ち込まれたアイテム、総支出、及び現在のトランザクション又は過去のトランザクションから引き出されたその他の詳細に基づくものであってもよい。この処理は
図5に示されており、リモートの管理サーバ64(上述のトランザクションサーバ60と同じサーバであってもよい)から顧客のモバイルデバイス54にアンケートが送信されることが分かる。
3.バーコード50(例えばQRコード)がレシート52の最後に印刷され、QRコードがトランザクションの詳細をエンコードし、ロイヤルティスキームを設定することもできる。この例では、顧客は、ロイヤルティスキームプロバイダにリンクしたアプリケーション56を備えるモバイルデバイス54を有する。この例では、モバイルデバイス上のアプリケーション56は、ログインの詳細と関連付けられている。
レシート52上のバーコード50をスキャンすると、モバイルデバイス54上で動作するアプリケーション56は、ユーザ(顧客)をトランザクションの詳細と関連付けるために、アプリケーションのログイン認証情報を、QRコード内にエンコードされたトランザクションと関連付ける。トランザクションの詳細は、次に、ロイヤルティスキーム68を作成するためにバックエンドサーバ60と共有され、アプリケーションログイン認証情報は一意の顧客識別子となる(専用且つ別体のプラスチックロイヤルティカードとは対照的に)。この処理は
図6に示されている。顧客がレシート50をスキャンする度に、レシート50上でエンコードされたトランザクションの詳細をバックエンドサーバ(“トランザクション記憶及びロイヤルティサーバ”60)と同期させ、ユーザの購入履歴を作成する。
図6は、更に、顧客毎にポイントがどのようにトラックされるかを示すテーブル68を示す。
4.バーコード50(例えばQRコード)が、レシート52の最後に印刷され、QRコードがトランザクションの詳細をエンコードし、バーコードがスキャンされると、顧客のモバイルデバイス54上で動作するアプリケーション56が、顧客がオファーを起動したかどうかを照合するようになっている。顧客がオファー66を起動していれば、レシート上のバーコード内にエンコードされたトランザクションの詳細がオファーの条件に照合される。オファーの条件が満たされていれば、ユーザには、ポイント、褒賞、又はキャッシュバックが付与される。オファーの引き換え処理は
図7に示されている。
バーコードは改ざんできないようにすべきである。このため、仮想ドライバモジュール40によって捕捉されたトランザクションデータには、QRコードに変換される前に、デジタル署名が追加されることができる。QRコードがスキャンされてサーバに送信されると、サーバはQRコードのインテグリティを照合することができる。
【0083】
仮想物理ドライバモジュール40の使用から導出される追加のアプリケーションは以下を含む。
5.上記のアプリケーション4の変形として、仮想ドライバ40によってレシート52の下部に印刷されたバーコード50により、ユーザはオファー66を受けられる(既に設定したオファーを処理することとは対照的に)。オファーの簡単な識別子が代わりに印刷され、オファーの詳細は、
図7に示すように遠隔のオファーの店舗(トランザクション記憶60)から取り出される。
6.バーコード(例えばQRコード)がレシートの最後に印刷され、このバーコードは、トランザクションの詳細と、トランザクションに使用された支払カード及び/又はロイヤルティカードの詳細をエンコードする。このバーコードは、次に、顧客のモバイルデバイス上で動作するアプリケーションによってスキャンされてデコードされ、埋め込まれたカードの詳細を読み出し、その詳細をモバイルデバイス上のアプリケーション内に記憶し、これらのカードが使用される度に、レシートがこのユーザに自動的に関連付けられ、そのユーザのモバイルデバイス上で動作するアプリケーションが、記憶されたカードを使用して、ユーザに関連する情報(例えばデジタルレシート、オファー、ポイント等)を読み出すことができるようにする。
【0084】
なお、仮想ドライバモジュール40は、局所的に又は遠隔的に動作する他のサービスを呼び出して、オファーを読み出し、そのオファーがレシートを印刷するために使用されるのと同じプリンタで印刷されるようにフォーマットされるように構成されてもよい。印刷されたオファーは、現在のバスケット内のアイテム、顧客の履歴プロフィール、又はそれらの組み合わせに基づく顧客を対象とすることができる。なお、顧客によって読み出される又は顧客に送信されるオファーは、POS端末3からアクセス可能な任意のプリンタデバイスで印刷されることができる。
【0085】
上述のように、仮想ドライバモジュール40を使用してバーコード50が印刷されたクーポン券及びバウチャーを発行することができる。各バーコードが有効で且つ以前に使用されていないことを小売業者が確認したい場合、
図2に示すアーキテクチャをスキャナ7から受信したデータに適用してクーポン券及びバウチャーを以下のように有効にすることができる。
I.第1のステップでは、小売業者は、のパターンを有するバーコードが印刷されたクーポン又はバウチャーをスキャンすることができる。例えば、最初の数桁の数字が一意ベンダを識別するようにバーコードを印刷することができる。
II.第2のステップでは、仮想ドライバモジュール40はバーコードを傍受することができ、上記の一意のパターンが検出されると、中央サーバに問い合わせてバウチャーを有効化することができる。
III.バウチャーが既に使用されている又は発行されていない場合、サーバは不認可応答を戻すことができる。次に、スキャンされたアイテムは破棄され、レジ担当者に通知される。
IV.バウチャーが有効な場合、2つの選択肢が生じる。
a.バーコードは、スキャンされたフォーマットでPOSアプリケーションモジュール17に送信される、又は、
b.バーコードは、POSアプリケーションモジュール17によって理解されるように異なるフォーマットのバーコードに変換され、この新しいバーコードがPOSアプリケーションモジュール17に送信される。
【0086】
本発明の更に別の実施形態を以下に記述する。
【0087】
[複数トランザクションシステム]
図2及び
図3に関連して上述したPOSシステムを使用して、複数のトランザクションインスタンスに渡ってユーザのトランザクションをトラックすることができるトランザクションシステムを運用する。
【0088】
上述のように、
図1は典型的な販売時点情報管理構成を示す。
【0089】
図8は、複数の購入オファーを作成して引き換える処理(70,72,…84)の高レベルの概観を示す。小売業者がオファーを作成し、適切な媒体(ソーシャルネットワーク、活字媒体、又はウェブ)を介して分配したと仮定する。偽造を防止するため、オファーには
図14(a)に示す処理を使用してデジタル署名することができる。
【0090】
図9は、サインアップの処理と、ユーザ毎にオファーサーバ60によって維持されたテーブル68,86の概観を示す。例えば、モバイルアプリケーション56を動作させるモバイルデバイス54を使用して、顧客は、オファーにサインアップするよう指示される。オファーにサインアップすることによって、顧客は、オファーを受信し、そのオファーをアカウントに関連付けて引き換えることができるようになる。そのために、顧客は名前とパスワードを選択して、サインアップ処理69に示すようにサインアップする。オファーサーバ60は、テーブル68においてこのユーザのエントリを作成する。このエントリは、この顧客を認証するためのユーザ名及びパスワードを含む。顧客は、このアカウントに支払いに使用する任意のカードやロイヤルティカードを関連付けることもでき、顧客がそうすることを選択した場合、カード列90はこれらのカード識別子を保持する。ユーザが自身のアカウントにカードを関連付けると、複数購入オファー列92が追加される。各オファーはオファーステータス列94を使用してトラックされる。この列はテーブル86に拡張され、以下の事項を示す。
1.オファーされている製品(96)、これは、現在複数購入オファーとして提供されている製品である。
2.購入済みカウンタ98は、この製品が購入された回数をカウントする。
3.必要数量100は、褒賞が起動される前の必要条件として小売業者/製造業者によって設定された数量である。
4.タイムスタンプ102は、オファーされている製品が顧客に購入された日時を記録するタイムスタンプである。
5.時間条件104は、複数購入数量に到達すべき期間である。
6.褒賞106は、条件が満足された場合、顧客に付与される褒賞である。この例では、顧客が12か月以内に少なくとも12回歯磨き粉ブランド1を購入すれば、この製品に対して支払われる価格の25%が褒賞として付与される。
【0091】
図10は、トランザクションデータをレシートデータに基づく2次元バーコードにエンコードする処理を示す。バッファ132は、POSレジのメモリから割り当てられ、空のバッファに初期化される。
【0092】
図11は、レシート52の下部にQRコード50としてトランザクションデータがエンコードされているレシート52を示す。
【0093】
図12は、レシート52からトランザクションデータをデコードする処理を示す。スキャニング機能を備えるモバイルアプリケーション56を動作させるモバイルデバイス54が、紙のレシート52に印刷されたQRコードをスキャンし、モバイルアプリケーションがこのスキャンされたデータを元のレシートデータに変換してオファーサーバ60に送信する。QRコードのスキャニングはモバイルデバイス54のカメラを使用することができる。
【0094】
図13は、顧客が完了した直後のトランザクションによってオファーステータステーブル86をアップデートする処理を示す。この処理によって、顧客は、顧客が購入したものをオファーサーバ60がトラックし続けるように顧客のレシートに印刷されたトランザクションデータをオファーサーバ60に“アップロード”できるようになる。
【0095】
図14は、デジタル署名の作成及び検証の処理を示す。
図14(a)は、2次元バーコード50として印刷されたトランザクションデータがレシート52に印刷される前にまずどのようにしてデジタル署名されるかを示す。
図14(b)は、2次元バーコードデータの信頼性を照合する。
【0096】
図15は、オファーがどのようにして小売業者/製造業者によってデジタル署名されるかを示す(
図15(a)は、オファーに署名する処理を示す。デジタル署名を検証する処理は
図15(b)に示されている(
図15(b)オファー検証)。
【0097】
図16は、小売業者/製造業者によって発行されたオファーがどのようにして起動されるか、即ち、ユーザのアカウントと関連付けされるかを示す。
【0098】
図17は、NFCデバイス230が取り付けられたPOSレジ3を示し、NFCデバイス230を使用して、2次元バーコード50を顧客にスキャンさせる代わりにトランザクションデータを受信することができる。この構成を有するPOSレジ3では、データを2次元バーコード50にエンコードしてその結果を紙のレシート52に印刷する代わりに、POS端末3に取付けられたNFCハードウェアを使用して、バッファ132データが代わりに顧客のモバイルデバイス54に直接転送される。レシートに2次元バーコードは印刷されない。
【0099】
図18は、複数購入オファーの引き換え処理を示す。
【0100】
[オファーを引き換える方法]
図2及び3に関連して上述されたPOSシステムを使用して、トランザクション環境内でオファーを引き換えることができるトランザクションシステムを運用する。
【0101】
図19は、本発明の一実施形態に従うオファーを照合して引き換える処理を示す。モバイルデバイスは、
図2及び3に従うPOSシステムからトランザクションデータを受信したサーバにデータを送信する。
【0102】
[バウチャー引き換え]
本発明のこの実施形態は、顧客が自身の支払又はロイヤルティカード(又は顧客を一意に識別する、POSと既に統合されている任意のカード)を使用してオファーを引き換える方法を提示する。オファーは、条件の数(例えば、一つ購入するともう一つが無料)に依存して決定される。
図2及び3に関連して記述された仮想ドライバモジュール40がPOSシステムにインストールされているので、POSソフトウェアの複雑化を前提とせず、POSソフトウェアが引き換え処理と連携する必要もない。
【0103】
本発明のこの実施形態では、顧客は、ウェブページ(例えば、小売業者のウェブページ)、顧客のスマートフォン上で動作するアプリケーション、又はその他の媒体を介してオファーを受ける。オファーの引き換えは2つのステップで行われる。即ち、
1.オファーの起動
2.オファーの引き換え
【0104】
1.オファーの起動
オファーの起動を、モバイルデバイス54上のモバイルアプリケーション56、ウェブサイト、及び通常の固定電話に関連させ、以下に記述する。
【0105】
a)モバイルアプリケーション:
図20に示すように、システムは以下の通りに動作する。
a.システムは、モバイルアプリケーション56を有するモバイルデバイス54と、インターネット15を介して接続されたオファーサーバ60とを備える。
b.顧客はモバイルアプリケーション56を自身のモバイルデバイス54にダウンロードし、ユーザ名とパスワード270を組み合わせてサインアップする。
c.サインアップは、オファーサーバ60が、この顧客の一意識別子(例えば、ユーザ名)、認証情報(例えば、パスワード)、及びユーザに関連付けられた支払カード又は任意のカード(例えば、ロイヤルティカード)を記憶するこの顧客用の新しいエントリを作成する処理である。
d.オファーの起動は、オファーを顧客のオファーテーブル68に追加する処理である。
e.モバイルアプリケーションによって、顧客はこのアプリケーションにおいてオファーを受け取ることができ、これをクリックすることによって、アプリケーションがテーブル68においてこのオファーを顧客と顧客の全カードに関連付ける。
【0106】
b)ウェブサイト:モバイルアプリケーションを使用する代わりに、オファー起動ウェブサイト272を設定し、顧客がサイトにログインし、オファーを閲覧し、顧客が評価するオファーを起動することができるようにする。
a.ウェブサイトは、上記のモバイルアプリケーションと同様に顧客をサインアップする。
b.ウェブサイトはオファーサーバ60にコンタクトして新しいエントリをオファーテーブル68に追加する。
c.ウェブサイトは、閲覧用のオファーを有さずともよく、他の媒体(例えば印刷物)から受け取ったオファーをユーザが入力し、そのオファーをサインアップ後にユーザのカードと関連付けるインターフェースを提供するだけでもよい。
d.例えば、雑誌及び印刷媒体において、オファーは、通常、オファーに関連付けられた一意識別子を備え、顧客は、ウェブサイトにログインし、オファー識別子を入力することによってオファーを起動することができる。
【0107】
c)電話:上記と同様に、電話インターフェースを使用して、電話越しにインタラクティブ応答マシンと接続することができ、そこで顧客はサインアップし、自身のアカウントにアクセスすることができる。
a.上記両方法と同様に、初期のサインアップ処理によって、オファーテーブル68へのエントリが作成される。
b.オファーの起動は、顧客に対象のオファーの識別子を手入力させることによってこの顧客をこのオファーに関連付ける。
【0108】
2.オファーの引き換え
オファーの引き換え処理では、オファーを特定のカードにリンクさせると、ユーザは任意の小売業者のもとに買い物に行くことができる。オファーの引き換え処理は以下の理由で難しい。
1.POSソフトウェアは、使用された支払カードのデータを認識しない。通常、これは、多くの場合POSソフトウェアを開発した会社とは別の会社によって開発された別のソフトウェアによって扱われる。
2.POSソフトウェアは、バスケットのコンテンツを得る普遍的な方法を公開しない
3.オファーは、バスケットデータにアクセスして初めて検証可能な多くの条件に左右される(例えば、“特定の製品に対して2つを1つ分の価格で提供”というオファーは、顧客がその特定の製品について2個を超える数を購入する場合にのみ有効である)
【0109】
本発明は
図21に示すようにこれらの困難を以下の通り解決する。なお、
図21のステップ7〜9で言及される仮想プリンタは
図2及び3に関連して記述された仮想ドライバモジュール40である。この構成により、多くのオファーが可能になる。
1.時間ベースで価格が変化するオファー:オファーの価格が時間に応じて変化する。例えば、顧客がオファーを今すぐ実行すれば顧客にとってより高い価値となり、後で引き換えることを選択すればより低い価値となるオファーが設定される。
2.複雑な条件に基づくオファー:例えば、小売業者又は製造業者は、特定の製品を特定の頻度で使用する顧客に対して割引を行うキャンペーンを設定することができる。例えば、製造業者は、自身の製品を12か月の間、月に1回使用する人に対して50%の割引をするオファーを行うことができる。
【0110】
[デジタルレシート]
本発明のこの実施形態は、顧客が、紙のレシートをデジタルレシートに変換し、自身のレシートを中央リポジトリで整理し、ポイントを獲得して個別のオファーが提示される小売業者間共通のロイヤルティ及び褒賞スキームに登録することができる方法を提示する。
【0111】
図1には典型的な販売時点情報管理(POS)端末3が示されている。POS端末3は、
図3のようにセットアップして顧客用に印刷されたレシート52のコピーをバックオフィスサーバ11に送信することができる。
【0112】
紙のレシートのプリンタの変換は2つのステップで行われる。
1.レシートデータのエンコーディング:レシートのデータが、顧客によって後に容易にデコード可能なフォーマットにエンコードされる。
2.レシートデータのデコーディング:ステップ1)のデータが元のフォーマットにデコードされ、紙のレシートと同じコンテンツを再生する。
【0113】
1.レシートデータのエンコーディング
レシートデータは、
図10の処理に示すようにエンコードされる。
図5は、QRコードが2次元バーコードとして使用される場合の
図10におけるエンコーディングの結果を示す。
【0114】
2.レシートデータのデコーディング
変換は、カメラを備える任意のデバイス(例えば、カメラを備えるモバイルデバイス)を使用して行われる。
図4は、レシートデータのデジタルフォーマットへのデコーディングを示す。
1.モバイルデバイスによって容易にデコードされる任意のバーコードがQRコードの代わりに使用される(例えば、1次元バーコード、PDF417又はMaxiコード)。
2.レシートに2次元バーコードを印刷する代わりに、132にバッファされたデータが、近距離通信(NFC)、Bluetooth、赤外線、又はモバイルデバイス及びPOS端末にサポートされた任意の通信手段を使用して、顧客のモバイルデバイスに送信される。
3.2次元バーコードを小さくしておくことが好ましい場合、
図10の132にバッファされたデータが、レシートに印刷される前に圧縮される又は顧客のモバイルデバイスに送信される。このデータをデコーディングするには、元のデータを復元する前にまずデータを解凍する。
4.デジタルレシート52はモバイルデバイス内で整理することができるが、これらのデジタルレシートを更に蓄積していくので、顧客は、自身の全てのレシートをレシートリポジトリ及びロイヤルティサーバ60と同期させることができるサービスにサインアップすることができる。ユーザは、ユーザ名及びパスワードを提供し、同期すると、自身のモバイルから又はウェブブラウザ310を介してこのサービスにアクセスすることができる。
図22を参照。
5.
図14における処理を使用してデジタルレシート52のデータのインテグリティが達成される。
【0115】
上記のレシートデータのエンコーディング及びレシートデータのデコーディング処理に基づき、複数店舗の小売業者間に共通のロイヤルティスキームを以下の通りに立案する。
1.
図7に示すように、サインアップ処理で顧客のプロフィール情報を取り出す。
2.レシートリポジトリ及びロイヤルティサーバが68のように顧客毎のエントリを作成する。このエントリは顧客の全購入履歴、付与されたポイント、及びこの顧客が利用可能なオファーをトラックし続ける。
3.顧客がレシートに埋め込まれた2次元バーコードをスキャンする度に68のテーブルがアップデートされる。
4.
図23に示す処理を介してポイントが付与される。
5.小売業者のポイントルール340は、全小売業者に一定数のポイントを割り当てるよう単純にすることができる。また、ポイントが、小売業者によって異なり、小売業者毎に、持ち込まれたアイテム、又は小売業者によって設定されたその他の任意の基準によって異なるように複雑にセットアップすることもできる。
図24を参照。
6.
図25に示すようにオファーが提供される。オファーは、合計ポイント、購入頻度、店舗、顧客のプロフィール、履歴データ、又はこれらの任意の組み合わせに基づいて付与される
【0116】
[アンケート]
本発明の本実施形態に従う販売時点情報管理の典型的な構成が
図3に示されている。販売時点情報管理ソフトウェア17は、販売時点情報管理(POS)レジ(3)上で支払ソフトウェア21と一緒に動作する。POSレジには、支払を処理するPINパッド9を取り付けることができる。支払は、一般的にはインターネット15を介して到達可能なリモート支払プロセッサ13の支援を受けて支払ソフトウェア21によって行われる。販売の詳細及びレシートは、仮想ドライバモジュール40の動作によって中央ストレージサーバ11に遠隔的に記録される。
【0117】
各顧客には、レシートプリンタ5を介して販売レシートプリンタが提供される。その他の構成では(大抵はレストランにおける)、PINパッド9は、インターネット15を介して支払プロセッサ13に直接接続されたスタンドアロンマシンである。支払ソフトウェア21はPINパッド9内で実行される。この場合のPINパッドは専用のレシートプリンタを有する。
【0118】
顧客のフィードバックは以下の処理によって得られる。
【0119】
この処理は以下の通りである(処理1)。
1.販売時点情報管理ソフトウェア17が、レシートプリンタ5で印刷されるトランザクションデータを生成する。
2.販売時点情報管理ソフトウェア17が、このトランザクションの一意識別子を生成する。
3.販売時点情報管理ソフトウェア17が、顧客の一意識別子を生成する。顧客の一意識別子としては、ロイヤリティカード番号、支払カード番号、その派生物(例えば支払いに使用されたクレジットカード番号のセキュアハッシュ)が考えられる。
4.(1)、(2)、及び(3)の結果が2次元バーコードに埋め込まれ、レシートプリンタ5に印刷される。
5.顧客は、自身のモバイルデバイス54を使用してモバイルアプリケーション56を動作させ、紙のレシート52に印刷された2次元バーコードをスキャンするように指示される。
図6を参照。
6.顧客のモバイルデバイス54上で動作するモバイルアプリケーション56が(4)のデータを中央顧客経験管理サーバ60に送信する。
7.モバイルアプリケーション56上にアンケート62が示され、顧客はアプリケーションと相互作用してそのアンケートに記入することができる。
8.顧客はアンケートを顧客経験管理サーバ60に提出する。
9.データをエンコードする代わりに、モバイルデバイスのデータ受信を可能にする技術を使用しても同様の効果が得られる。このような技術は、近距離通信(NFC)、Bluetooth、赤外線等を含む。
【0120】
[バウチャー配布及び引き換えシステム]
本発明のこの実施形態は、このシステムに登録された各ユーザに関連付けられた公開鍵を保持する中央ストレージ位置を備える。中央ストレージ位置は、更に、レシートのダウンロード中にユーザを一意に識別するために使用されるユーザの秘密鍵とデータの暗号化バージョンを記憶する。中央ストレージ位置は、店舗の販売時点情報管理端末と及びユーザ端末上で動作するユーザアプリケーションと通信できるように構成された入力/出力を有する。
【0121】
中央ストレージ位置は、トランザクション処理の一部としてPOS端末と通信するように構成され、暗号化されて、レシートデータが後で中央位置に記憶されるよう、リクエストに応じてPOS端末に公開鍵を供給するように構成される。ユーザは、まず中央ストレージ位置に対して身元を証明し、次にユーザアプリケーションによる解読のために暗号化された秘密鍵及び暗号化されたレシートデータをダウンロードすることによって、いつでもユーザアプリケーションを介してレシートデータにアクセスできる。好ましくは、秘密鍵は、中央ストレージ位置に記憶される前に、ユーザ保持パスワードによってハッシュされる。これにより、好都合なことに、ユーザは、ユーザアプリケーションにおいてパスワードを入力し、このパスワードがハッシュされて秘密鍵の解読に使用されることによって、必要な時に秘密鍵を解読することができる。
【0122】
中央位置(
図26を参照)にレシートを記憶する既知の構成は以下のような問題を抱えている。
1.既知の構成は、ユーザの全購入履歴を中央ストレージ位置に公開する。記憶位置はサードパーティ(即ち、レシートを発行する店舗でもユーザでもない存在)によって管理されることが多いので、ユーザのプライバシーの侵害とみなされる可能性が高い。
2.既知の構成は、全加盟店舗の販売データを、中央レシートデータを管理する責任を負うサードパーティに公開する。店側は、自身の販売の詳細を重要な機密情報と見なすので、これは多くの店舗に受け入れ難い。
【0123】
本発明のこの実施形態は、購入物に関する顧客のプライバシーを保護し、また、ユーザの相互作用を必要とすることなく自動的に安全なレシートのアーカイビングを行い、実質的に、上述の2つの欠点に対処する。本発明の実施形態において、レシートデータは非公開にされており、ユーザのみレシートデータにアクセスすることができる。中央記憶ファシリティ(全レシートデータを記憶するための)を管理するサードパーティは、その内容にはアクセスできない。
【0124】
また、本発明のこの実施形態は、バウチャー及びクーポン券を生成及び引き換える完全に電子的な方法を導入する。これは、コスト効率が高く動的であり、店舗が顧客に頻繁に接触することができるようになる。
【0125】
この方法の第1の部分は、上述の欠点(1)及び(2)に対処する。
【0126】
このシステムコンポーネントの概観は、
図27に示されている。
図27及び28に関連してシステムの動作を以下に記述する。
【0127】
店舗側:店舗側370において、本発明は以下の通りに動作する。
1.顧客のレシートを中央記憶データベース60に送信できるようにするソフトウェア(仮想ドライバモジュール40)が各販売時点情報管理(POS)端末3にインストールされる。
2.このソフトウェアが、顧客のトランザクションを受けて以下のようにPOS端末3と統合する。
a.POS端末3が、中央ストレージ位置60とセキュアチャネルを確立し、購入物の支払いに現在使用されているカードと関連付けられた公開鍵をリクエストし、
b.公開鍵がPOS端末3に受信されると、レシートデータは、この公開鍵を使用して暗号化され、a)において確立されたセキュアチャネルを介して中央ストレージ位置60に送信される。
【0128】
ユーザ(顧客)側:ユーザ側372では、ユーザは自身のレシートにアクセスする前にサインアップする必要がある。サインアップ処理は以下の通りである。
1.ユーザはサインアップ(380)して、中央ストレージにアクセス可能な(例えば、ウェブブラウザ、スマートフォンアプリケーション、デスクトップアプリケーション等)任意のインターフェースを介して電子レシートを使用することができ、
2.ユーザは、識別子(例えば自身のEメールアドレス)及びパスワードを選択して身元を証明し、
3.次に、電子レシートシステムと共に使用したい自身が保有するカードのいずれかを登録する。これらのカードを使用して、店舗内のPOS端末においてユーザが識別され、
4.ユーザが登録に成功すると、ユーザアプリケーション(ウェブブラウザ、スマートフォンアプリケーション、デスクトップアプリケーション)によって秘密/公開鍵が発生される。このステップにおいて発生された公開鍵は、店側のトランザクション中にPOS端末で発生された全てのレシートを確保するために後で使用され、
5.公開鍵は中央ストレージ位置に送信される。この公開鍵は、上述した店側の処理におけるステップ2aでPOS端末に提供される鍵であり、
6.パスワードがハッシュされる(安全な一方向性関数(例えばSHA−2)を介して)。このハッシュを使用して鍵が導き出される。この鍵は、秘密鍵を暗号化する。結果的に生じる暗号化された秘密鍵データは、中央位置に送信される。秘密鍵は、レシートデータを解読するために後で読み出される必要がある。秘密鍵は暗号化されているので、中央ストレージ位置は、ユーザの秘密鍵やユーザのレシートデータにアクセスすることができず、
7.パスワードが再度(又は数回)ハッシュされる(382)。この計算結果は中央ストレージ位置に送信される(384)。クライアントのアプリケーションがウェブブラウザの場合、このステップは、任意のコンピュータ上の任意のウェブブラウザからユーザが認証されるために重要であり、
8.ユーザを認証するために(386,388,390)(特にウェブブラウザの場合)、ユーザはウェブブラウザを備える任意のコンピュータからパスワードだけ入力する必要がある。ウェブブラウザは、次に、パスワードを2回ハッシュし、
図28に示すように中央ストレージソリューションに記憶されたパスワードと比較する。
【0129】
一旦サインアップすると、ユーザは以下の通りに自身のレシートに電子的にアクセスすることができる。
1.ユーザが自身のパスワードをユーザ側アプリケーション56に入力する。認証が成功すれば、ステップ2に進み、それ以外の場合、アプリケーションは、ユーザに失敗を警告し、ステップ1に戻り、
2.ユーザ側のアプリケーションが、
図28に示すようにユーザを認証し、
3.ユーザ側アプリケーションは、暗号化された秘密鍵を中央ストレージ位置からダウンロードし、
4.次に、ステップ1)で入力されたパスワードが1回ハッシュされ、秘密鍵を解読するために使用される。これが行われると、秘密鍵は、必要とされる限りユーザ側アプリケーションに記憶され、
5.ユーザが登録したカードを使用して、このユーザと関連付けられたレシートが取り出される。ユーザのレシートが局所的にダウンロードされると、秘密鍵を使用してレシートデータが解読され、このレシートデータは、ユーザに対して平文で表示される。
【0130】
この処理の正味の効果は、アプリケーションのライフタイムを通じてユーザと店舗のみがレシートデータにアクセスできることである。
【0131】
典型的には、店舗はユーザの全購入物にアクセスすることができ、これらのデータを分析することによって、各ユーザに関連するオファーを特定することができる。店舗は上述のシステムを使用して
図29に示すように関連するオファーをユーザに送信することができる。
【0132】
ユーザは、自身のバウチャー、クーポン券、及びプロモーション商品をオンラインで引き換えることができる。何も印刷する必要はない。バウチャー/プロモーション商品/オファーは、
図30に示すようにオンラインで引き換えることができる。
【0133】
当然のことながら、上述の実施形態は例として示されているだけで、本発明を制限する意図はない。また、記述された実施形態は個別に使用されても組み合わせて使用されてもよい。